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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160616
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】バーナ及びアンモニア混焼ボイラ
(51)【国際特許分類】
   F23N 1/02 20060101AFI20241107BHJP
   F23C 1/00 20060101ALI20241107BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20241107BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20241107BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20241107BHJP
   F22B 31/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
F23N1/02 F
F23C1/00 301
F23D14/22 F
F23D14/24 C
F23D14/48 B
F23D14/22 D
F22B31/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075820
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】山田 将之
(72)【発明者】
【氏名】松木 繁昌
【テーマコード(参考)】
3K003
3K017
3K019
3K091
【Fターム(参考)】
3K003AC01
3K003CC03
3K017CA04
3K017CA06
3K017CB01
3K019AA01
3K019AA06
3K019BA02
3K019BB02
3K019BB04
3K019BD06
3K091AA01
3K091BB02
3K091CC06
(57)【要約】
【課題】アンモニアより燃焼速度の速い燃料とアンモニアを混焼させ、アンモニアの未燃物発生を抑制し、アンモニアを安定燃焼させられるバーナ及びアンモニア混焼ボイラを提供すること。
【解決手段】アンモニアより燃焼速度の速い第1燃料F1が流通する燃料流路管11と、第1燃焼用空気A1が流通する第1空気流路管12と、アンモニアF2が流通するアンモニア流路管13と、第2燃焼用空気A2が流通する第2空気流路管14と、第1燃料F1を噴出する燃料噴出部15Aと、第1燃焼用空気A1を噴出する第1空気噴出部16と、アンモニアF2を噴出するアンモニア噴出部17と、第2燃焼用空気A2を噴出する第2空気噴出部18と、を備えるバーナ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアより燃焼速度の速い第1燃料が流通する燃料流路を形成する燃料流路管と、
前記燃料流路管を包囲し、前記燃料流路管の外周面との間に第1燃焼用空気が流通する第1空気流路を形成する第1空気流路管と、
前記第1空気流路管の周囲に配置され、アンモニアが流通するアンモニア流路を形成するアンモニア流路管と、
前記アンモニア流路管を包囲し、又は、前記第1空気流路管及び前記アンモニア流路管を包囲し、第2燃焼用空気が流通する第2空気流路を形成する第2空気流路管と、
前記燃料流路管の先端側に配置され前記燃料流路管を流れる前記第1燃料を噴出する燃料噴出部と、
前記第1空気流路管に先端側に配置され前記第1空気流路管を流れる第1燃焼用空気を噴出する第1空気噴出部と、
前記アンモニア流路管の先端側に配置され前記アンモニア流路管を流れるアンモニアを噴出するアンモニア噴出部と、
前記第2空気流路管の先端側に配置され前記第2空気流路管を流れる第2燃焼用空気を噴出する第2空気噴出部と、を備えるバーナ。
【請求項2】
前記燃料噴出部は、
前記燃料流路管の中心軸と同軸の噴出中心軸を有し、
前記アンモニア噴出部は、
アンモニアの噴出を方向づけるアンモニア噴出路を有し、
前記アンモニア噴出路は、前記噴出中心軸に対し、前記燃料流路管の中心軸に向かう側を負としたときに、前記噴出中心軸に対して-30°以上45°以内の角度でアンモニアを噴出する、請求項1に記載のバーナ。
【請求項3】
前記第1燃焼用空気は、前記第1燃料の供給量に対して理論空気量以上で供給される、請求項1に記載のバーナ。
【請求項4】
前記第2空気噴出部から第2燃焼用空気を旋回して噴出させる旋回部を有する、請求項1に記載のバーナ。
【請求項5】
前記燃料噴出部は、
前記燃料流路管の中心軸と同軸の噴出中心軸を有し、
前記アンモニア噴出部は、
アンモニアの噴出を方向づけるアンモニア噴出路を有する、請求項1に記載のバーナと、
前記バーナから噴出した燃料と燃焼用空気とによって形成された火炎を囲む水冷壁と、を備え、
前記アンモニア噴出路は、前記燃料流路管の中心軸における前記燃料噴出部を頂点とし、所定の噴出角で噴出される前記第1燃料の噴出範囲と、前記水冷壁に到達しない位置で交差するアンモニア混焼ボイラ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のバーナと、
前記バーナを制御する燃焼制御部を更に備え、
前記燃焼制御部は、第1燃焼用空気及び第2燃焼用空気の供給を開始した後に前記第1燃料を供給し、該第1燃料の燃焼を開始してから所定時間経過後にアンモニアの供給を開始する、請求項5に記載のアンモニア混焼ボイラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナ及びアンモニア混焼ボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
バーナの燃料として使われている天然ガスや石油燃料等の炭化水素系燃料の一部を、二酸化炭素を発生しないアンモニアに置き換えることで、二酸化炭素の排出削減が期待されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-185122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンモニアは、燃焼したときに二酸化炭素を発生しないが、都市ガスの主成分であるメタン等、他の炭化水素系燃料と比較して、燃焼速度が非常に遅く保炎範囲が狭く、燃焼性が低い。アンモニアの燃焼では、アンモニアを安定燃焼し、未燃アンモニアの排出及び温暖化係数が二酸化炭素の約300倍とされる一酸化二窒素の発生を抑制することが求められている。
【0005】
本発明は、アンモニアより燃焼速度の速い燃料とアンモニアを混焼させ、アンモニアを安定燃焼し、未燃アンモニアの排出及び温暖化係数が二酸化炭素の約300倍とされる一酸化二窒素の発生を抑制するバーナ及びアンモニア混焼ボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アンモニアより燃焼速度の速い第1燃料が流通する燃料流路を形成する燃料流路管と、前記燃料流路管を包囲し、前記燃料流路管の外周面との間に第1燃焼用空気が流通する第1空気流路を形成する第1空気流路管と、前記第1空気流路管の周囲に配置され、アンモニアが流通するアンモニア流路を形成するアンモニア流路管と、前記アンモニア流路管を包囲し、又は、前記第1空気流路管及び前記アンモニア流路管を包囲し、第2燃焼用空気が流通する第2空気流路を形成する第2空気流路管と、前記燃料流路管の先端側に配置され前記燃料流路管を流れる前記第1燃料を噴出する燃料噴出部と、前記第1空気流路管に先端側に配置され前記第1空気流路管を流れる第1燃焼用空気を噴出する第1空気噴出部と、前記アンモニア流路管の先端側に配置され前記アンモニア流路管を流れるアンモニアを噴出するアンモニア噴出部と、前記第2空気流路管の先端側に配置され前記第2空気流路管を流れる第2燃焼用空気を噴出する第2空気噴出部と、を備えるバーナに関する。
【0007】
また、前記燃料噴出部は、前記燃料流路管の中心軸と同軸の噴出中心軸を有し、前記アンモニア噴出部は、アンモニアの噴出を方向づけるアンモニア噴出路を有し、前記アンモニア噴出路は、前記噴出中心軸に対し、前記燃料流路管の中心軸に向かう側を負としたときに、前記噴出中心軸に対して-30°以上45°以内の角度でアンモニアを噴出することが好ましい。
【0008】
また、前記第1燃焼用空気は、前記第1燃料の供給量に対して理論空気量以上で供給されることが好ましい。
【0009】
また、前記第2空気噴出部から第2燃焼用空気を旋回して噴出させる旋回部を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記燃料噴出部は、前記燃料流路管の中心軸と同軸の噴出中心軸を有し、前記アンモニア噴出部は、アンモニアの噴出を方向づけるアンモニア噴出路を有する、前記バーナと、前記バーナから噴出した燃料と燃焼用空気とによって形成された火炎を囲む水冷壁と、を備え、前記アンモニア噴出路は、前記燃料流路管の中心軸における前記燃料噴出部を頂点とし、所定の噴出角で噴出される前記第1燃料の噴出範囲と、前記水冷壁に到達しない位置で交差するアンモニア混焼ボイラに関する。
【0011】
また、前記バーナと、前記バーナを制御する燃焼制御部を更に備え、前記燃焼制御部は、第1燃焼用空気及び第2燃焼用空気の供給を開始した後に前記第1燃料を供給し、該第1燃料の燃焼を開始してから所定時間経過後にアンモニアの供給を開始することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アンモニアより燃焼速度の速い燃料とアンモニアを混焼させ、アンモニアの未燃物発生を抑制し、アンモニアを安定燃焼させられるバーナ及びアンモニア混焼ボイラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態のアンモニア混焼ボイラ装置の縦断面図である。
図2】本発明の第1実施形態のバーナの縦断面図である。
図3】本発明の第1実施形態のバーナの噴出部の拡大図である。
図4】本発明のバーナのアンモニア噴出部の噴出角度と、NH3及びNOxの排出濃度の関係を示す図である。
図5】本発明のバーナの第2燃焼用空気の旋回強さと、N2O及びNOxの排出濃度の関係を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態のバーナの縦断面図である。
図7】本発明の第2実施形態のバーナをCの方向から見た矢視図である。
図8】本発明のバーナの変形例をCの方向から見た矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るバーナ及びアンモニア混焼ボイラについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態のアンモニア混焼ボイラ装置1は、水を加熱して蒸気の生成を行う蒸気ボイラであり、負荷機器(図示せず)に蒸気を供給するものである。
図1は、本発明の第1実施形態のアンモニア混焼ボイラ装置の縦断面図である。図2は、本発明の第1実施形態のバーナの縦断面図である。図3は、本発明の第1実施形態のバーナの噴出部の拡大図である。
【0015】
図1に示すように、アンモニア混焼ボイラ装置1は、缶体30と、バーナ10と、制御部70と、を備える。缶体30は、複数の水管40と、下部ヘッダ50と、上部ヘッダ60と、を備える。また、缶体30の内部には、複数の水管40に囲まれた燃焼室32が形成される。本実施形態においては、アンモニア混焼ボイラ装置1は、バーナ10から液体燃料とアンモニアを噴出し、燃焼室32において液体燃料とアンモニアを混焼させる。液体燃料としては、重油、軽油又は灯油等を用いることができる。
【0016】
缶体30は、円筒形状に構成され、アンモニア混焼ボイラ装置1の外形の主要部を構成する。缶体30は、高さ方向が鉛直方向に沿うように配置される。缶体30の周面の上部には、缶体出口31が形成されている。
【0017】
複数の水管40は、缶体30の内部に鉛直方向に延びて配置される。複数の水管40は、図1に示すように、内側水管群41と、この内側水管群41の外側に配置される外側水管群42と、を構成する。内側水管群41は、複数の水管40が後述するバーナ10の噴出中心軸Xと同軸となるように環状に配置されて構成される。本実施形態では、内側水管群41を構成する水管40は、隣り合って配置される水管40同士が当接して配置される。また、内側水管群41を構成する複数の水管40の下部は小径となっており、この下部においては、隣り合う水管40の間には隙間が形成されている。
【0018】
外側水管群42は、複数の水管40がバーナ10の噴出中心軸Xと同軸となるように、環状に配置されて構成される。また、外側水管群42は、内側水管群41との間に所定の空間が形成されるように缶体30の内面の近傍に配置される。本実施形態では、外側水管群42を構成する水管40は、隣り合って配置される水管40同士が当接して配置される。また、外側水管群42を構成する複数の水管40の上部は小径となっており、この上部においては、隣り合う水管40の間には隙間が形成されている。
【0019】
燃焼室32は、図1に示すように、缶体30の内部において、内側水管群41に囲まれた空間により構成される。この燃焼室32では、バーナ10の燃料噴出部15Aから噴出された第1燃料F1と、第1空気噴出部16から噴出された第1燃焼用空気A1と、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2と、第2空気噴出部18から噴出された旋回流の第2燃焼用空気A2と、が混合されて燃焼される。燃焼ガスは、燃焼室32から内側水管群41の下部における隣り合う水管40の間に形成された隙間を通って内側水管群41と外側水管群42との間に形成された空間を上昇する。そして、内側水管群41と外側水管群42との間に形成された空間を上昇した燃焼ガスは、外側水管群42の上部における隣り合う水管40の間に形成された隙間を通って缶体30の上部に形成された缶体出口31に流れ、この缶体出口31に連結された排気筒(図示せず)を通って外部に排出される。
本実施形態においては、内側水管群41がバーナ10から噴出した燃料と燃焼用空気とによって形成された火炎を囲む水冷壁を構成する。
【0020】
バーナ10は、アンモニア混焼ボイラ装置1の鉛直方向に延びており、缶体30の上部に配置される。図1及び図2に示すように、本実施形態のこのバーナ10は、燃料流路管11と、第1空気流路管12と、アンモニア流路管13と、第2空気流路管14と、を備える。また、バーナ10は、燃料流路管11の先端側に配置される燃料噴出部15A及びバッフル板26Aと、第1空気流路管12の先端側に配置される第1空気噴出部16と、アンモニア流路管13の先端側に配置されるアンモニア噴出部17と、第2空気流路管14の先端側に配置される第2空気噴出部18と、第2空気流路管14の基端側に配置される旋回部20と、を備える。また、バーナ10は、第1燃料F1を導入する第1燃料導入口21と、アンモニアF2を導入するアンモニア導入口23と、ウインドボックス28と、第1燃焼用空気A1を導入する第1燃焼用空気導入口22と、第2燃焼用空気A2を導入する第2燃焼用空気導入口24と、を備える。
【0021】
燃料流路管11は、アンモニアより燃焼速度の速い第1燃料F1が流通する燃料流路L1を形成する管状部材である。燃料噴出部15Aは、貫通孔を備える。燃料流路管11を流通してきた第1燃料F1は、燃料噴出部15Aの貫通孔から噴出される。
第1燃料F1は、燃料噴出部15Aから鉛直方向下方、後述するバーナ10の噴出中心軸Xを中心に所定の角度を有する噴出範囲に広がりながら噴出される。噴出された第1燃料F1の分布パターンは、燃料噴出部15Aの噴出口を頂点E1とし、第1燃料F1の噴出の範囲となる噴出角θ1を頂角とする円錐として表現できる。ここで、分布パターンとは、噴出された第1燃料F1が噴出方向に直進した場合に形成される所定高さの円錐形状をいう。言い換えると、噴出された第1燃料F1は、燃料噴出部15Aの噴出口を頂点E1とし、所定の噴出角θ1で噴出される第1燃料F1の噴出範囲を形成する。また、燃料噴出部15Aは、燃料流路管11の中心軸と同軸の噴出中心軸Xを有する。
バッフル板26Aは、中央に燃料噴出部15Aから噴出した第1燃料F1が通過する円形の開口部を有する円板形状である。バッフル板26Aは支持部材により燃料流路管11の先端部に固定される。また、バッフル板26Aの先端は、後述する第1空気噴出部16の先端よりも、第1燃料F1の流れ方向の上流側に配置されている。バッフル板面には燃焼用空気補給孔又はスリットが適宜設けられる。
【0022】
第1空気流路管12は、燃料流路管11を包囲し、燃料流路管11の外周面との間に第1燃焼用空気A1が流通する第1空気流路L2を形成する管状部材である。第1燃焼用空気A1は、燃料流路管11の外周面と第1空気流路管12の内周面との間を流通し、バッフル板26Aの燃焼用空気補給孔又はスリットを通過する。これにより、バッフル板26Aの下流側に第1燃焼用空気A1の渦流が形成される。これにより、第1燃料F1の安定した保炎状態を形成させることができ、継続して良好な燃焼状態を維持することができる。
【0023】
アンモニア流路管13は、第1空気流路管12の周囲に配置され、アンモニアF2が流通するアンモニア流路L3を形成する管状部材である。本実施形態においては、アンモニア流路管13は、第1空気流路管12を包囲するように配置されている。アンモニア噴出部17は、アンモニア流路管13を流通してきたアンモニアF2を、下方へ噴出する。より具体的には、アンモニア噴出部17は、アンモニアF2の噴出を方向づけるアンモニア噴出路19を有する。本実施形態においては、アンモニア噴出路19は、貫通孔が延びる方向と一致する。図3に示すように、アンモニア噴出部17から延びる矢印はアンモニア噴出路の方向、言い換えればアンモニアF2の噴出方向を示す。
図3に示すように、アンモニア噴出路19は、燃料噴出部15Aの噴出中心軸Xと所定の噴出角θ2の関係になるように設定される。噴出角θ2は、アンモニア噴出路19を通過するアンモニアF2の噴出方向において、噴出中心軸Xへ近づく方向を、負の角度とする。噴出角θ2は、アンモニア噴出路19を通過するアンモニアF2の噴出方向において、噴出中心軸X2から遠ざかる方向を、正の角度とする。図3のバーナ10の噴出中心軸Xの左半面において、アンモニア噴出路19と噴出中心軸Xとのなす噴出角θ2aは、正の角度である。図3のバーナ10の噴出中心軸の右半面において、アンモニア噴出路19と噴出中心軸Xとのなす噴出角θ2bは、負の角度である。なお、図1の噴出角θ2は、0°である。
【0024】
第2空気流路管14は、アンモニア流路管13を包囲し、第2燃焼用空気A2が流通する第2空気流路L4を形成する管状部材である。第2空気流路管14は、第2燃焼用空気A2を旋回させる旋回部20を有する。本実施形態においては、旋回部20は、第2空気流路管14の基端側に配置されている。第2燃焼用空気A2は、旋回部20により旋回させられて、第2空気噴出部18から噴出中心軸Xを中心とした旋回流として噴出される。
【0025】
第1燃料導入口21は、第1燃料F1を導入する。具体的には、第1燃料導入口21には、第1燃料供給部(図示なし)から第1燃料F1が送り込まれる。アンモニア導入口23は、アンモニアF2を導入する。具体的には、アンモニア導入口23には、アンモニア供給部(図示なし)から、アンモニアF2が送り込まれる。ウインドボックス28は、燃焼用空気A0を導入する。具体的には、ウインドボックス28は、上流側を送風機(図示なし)に接続し、送風機から燃焼用空気A0が送り込まれる。第1燃焼用空気導入口22は、第1燃焼用空気A1を導入する。具体的には、ウインドボックス28に送り込まれた燃焼用空気A0を、第1燃焼用空気導入口22から第1燃焼用空気A1として送り込まれる。第2燃焼用空気導入口24は、第2燃焼用空気A2を導入する。具体的には、ウインドボックス28に送り込まれた燃焼用空気A0を、第2燃焼用空気導入口24から第2燃焼用空気A2として送り込まれ、旋回部20において旋回流となった第2燃焼用空気A2が導入される。
【0026】
以上のバーナ10においては、下方に向かって燃料噴出部15Aからの噴出範囲に第1燃料F1が噴出され、噴出された第1燃料F1と混合が促進されるように第1空気噴出部16から第1燃焼用空気A1が噴出される。これにより、混合された第1燃料F1と第1燃焼用空気A1は、安定燃焼する。
また、アンモニア噴出部17から、所定の噴出角θ2の角度でアンモニアF2が噴出され、更に旋回部20において旋回流となった第2燃焼用空気A2が第2空気噴出部18から噴出される。噴出されたアンモニアF2は、第2燃焼用空気A2と混合すると共に第1燃料F1に支燃されて安定燃焼される。
これにより、アンモニアF2の燃焼が促進されることで、火炎が水冷壁で囲まれる場合、例えば水管40(内側水管群41)で囲まれる場合でも、未燃物を含む燃焼ガスの冷却による未燃物の発生を抑制できる。
ここで、第1燃焼用空気A1は、第1燃料F1の供給量に対して理論空気量以上で供給されてもよい。
第1燃焼用空気A1は理論空気量以上で供給されるので、第1燃料F1の燃焼による加熱効果と共に、第1燃料F1の燃焼ガスに含まれる酸素がアンモニア燃焼領域の内側でアンモニアF2と反応する。これにより、アンモニアF2の燃焼が促進され、未燃物の発生を抑制できる。
【0027】
制御部70は、アンモニア混焼ボイラ装置1の燃焼を制御する。
制御部70は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。制御部70の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。制御部70の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0028】
図1に示すように、制御部70は、燃焼制御部71を備える。
燃焼制御部71は、第1燃焼用空気A1及び第2燃焼用空気A2の供給を開始した後に第1燃料F1を供給し、第1燃料F1の燃焼を開始してから所定時間経過後にアンモニアF2の供給を開始する制御を実施する。
これにより、アンモニアF2の燃焼開始時にはバーナ及び炉内が加熱されており、アンモニア燃焼の開始時における未燃物の発生を抑制できる。更に、アンモニアF2の供給時に第2燃焼用空気A2が供給されているので、アンモニアF2の供給開始により所定の空気比での燃焼ができ、未燃物の発生を抑制できる。
【0029】
図4は、本発明のバーナのアンモニア噴出部の噴出角度と、NH3及びNOxの排出濃度の関係を示す図である。なお、図4のNOx発生量とアンモニア未燃物発生量とは、正規化した値である。図4の縦軸のNOx発生量とアンモニア未燃物発生量とは、アンモニア噴出部の噴射角度を変更したときの、それぞれの最大値を基準とした相対値を示している。アンモニア供給部から送り込まれたアンモニアF2は、アンモニア流路管13を流通し、アンモニア噴出部17から所定の噴出角θ2で噴出される。
本実施形態においては、アンモニア噴出部17の噴出角θ2が0°近傍から負の角度(噴出中心軸Xへ近づく方向)では、一次燃焼火炎とアンモニアの混合が良好になりアンモニア未燃物の発生量は小さく、アンモニア噴出部17の噴出角θ2が正の角度ではアンモニア噴出部17の噴出角θ2が45°を越えるとアンモニア未燃物の発生量は急増する。一方、アンモニア噴出部17の噴出角θ2が小さくなるほど(噴出中心軸X方向へ向かうほど)NOx発生量が増加すると共に、アンモニア噴出部17の噴出角θ2の変化量に対するNOx発生量の増加率も大きくなる。
アンモニア未燃物とNOx発生量との関係を考慮すると、噴出角θ2が-30°以上45°以内において、両者がバランスする領域が存在する。両者のバランスにおいて、噴出角θ2は-20°以上30°以内がより好ましい。
【0030】
また、アンモニア噴出路19は、燃料噴出部15Aの噴出口を頂点E1とし、所定の噴出角θ1で噴出される第1燃料F1の噴出範囲と、水冷壁を構成する水管40(内側水管群41)に到達しない位置で交差することが好ましい。これにより、水冷壁を構成する水管40(内側水管群41)に接触する前に、燃料噴出部15Aから噴出された第1燃料F1と、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2の燃焼がぶつかる確率を増やし燃焼を促進することで、アンモニア火炎の局所的な低温域の形成を抑制することができ、アンモニアの未燃物の発生を抑制することができる。
【0031】
図5は、本発明のバーナの第2燃焼用空気の旋回強さと、N2O及びNOxの排出濃度の関係を示す図である。なお、図5のN2O発生量とNOx発生量とは、正規化した値である。図5の縦軸のN2O発生量とNOx発生量とは、旋回部の旋回強さを変更したときの、それぞれの最大値を基準とした相対値を示している。送風機から送り込まれた第2燃焼用空気A2は、旋回部20によって旋回流を形成し、第2空気噴出部18から噴出される。本実施形態においては、旋回部20によって第2燃焼用空気A2に旋回流を形成することで、バーナ10から発生するN2Oの発生量を減らすことができる。
スワール数とは、旋回の強さを表す値であり、スワール数(S)は式1で示され、これは角運動量と軸方向運動量との比である。
[式1]
【数1】
rは半径方向距離,ωは角速度,uは軸流速度,ρは密度,Rはスワラ半径である。
例えば、旋回なし(スワール数(S)=0)の場合は、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2と、第2空気噴出部18から噴出された第2燃焼用空気A2との混合が不十分で、N2Oの発生の大きい。
例えば、旋回強(スワール数(S)=2.2)の場合は、第2空気噴出部18から噴出された強い旋回流により、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2と第2燃焼用空気A2との混合性が高まり、N2Oの発生量を大幅に低減することができる。一方、過剰な混合は、NOxの発生量を増加させる。
そこで、旋回強さを調整し、例えば、旋回弱(適度な旋回)(スワール数(S)=0.5)の場合は、第2空気噴出部18から噴出された適度な旋回流により、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2と第2燃焼用空気A2との過剰な混合がなくなることで、NOxを低減しつつ、N2Oの発生を効果的に低減することができる。適度な混合を得るために、スワール数は0.05以上2以下となり、0.1以上1以下が好ましい。
【0032】
以上説明した本実施形態のバーナ10及びアンモニア混焼ボイラ装置1によれば、以下のような効果が奏される。
【0033】
(1)本実施形態のバーナ10は、アンモニアより燃焼速度の速い第1燃料F1が流通する燃料流路L1を形成する燃料流路管11と、燃料流路管11を包囲し、燃料流路管11の外周面との間に第1燃焼用空気A1が流通する第1空気流路L2を形成する第1空気流路管12と、第1空気流路管12の周囲に配置され、アンモニアF2が流通するアンモニア流路L3を形成するアンモニア流路管13と、アンモニア流路管13を包囲し、又は、第1空気流路管12及びアンモニア流路管13を包囲し、第2燃焼用空気A2が流通する第2空気流路L4を形成する第2空気流路管14と、燃料流路管11の先端側に配置され燃料流路管11を流れる第1燃料F1を噴出する燃料噴出部15Aと、第1空気流路管12に先端側に配置され第1空気流路管12を流れる第1燃焼用空気A1を噴出する第1空気噴出部16と、アンモニア流路管13の先端側に配置されアンモニア流路管13を流れるアンモニアF2を噴出するアンモニア噴出部17と、第2空気流路管14の先端側に配置され第2空気流路管14を流れる第2燃焼用空気A2を噴出する第2空気噴出部18と、を備える。
これにより、アンモニアより燃焼速度の速い燃料とアンモニアを混焼させ、アンモニアを安定燃焼し、未燃アンモニアの排出及び温暖化係数が二酸化炭素の約300倍とされる一酸化二窒素の発生を抑制することができる。
【0034】
(2)(1)に記載されているバーナ10は、燃料噴出部15Aは、燃料流路管11の中心軸と同軸の噴出中心軸Xを有し、アンモニア噴出部17は、アンモニアF2の噴出を方向づけるアンモニア噴出路19を有し、アンモニア噴出路19は、噴出中心軸Xに対し、燃料流路管11の中心軸に向かう側を負としたときに、噴出中心軸Xに対して-30°以上45°以内の角度でアンモニアを噴出する。
これにより、噴出中心軸Xに対して、アンモニア噴出部17の噴出角度を-30°以上45°以内とすることにより、NOxの発生を抑制しつつ、アンモニア及び未燃物の発生を抑制できる。
【0035】
(3)(1)又は(2)に記載されているバーナ10は、第1燃焼用空気A1は、第1燃料F1の供給量に対して理論空気量以上で供給される。
これにより、第1燃焼用空気は理論空気量以上で供給されるので、第1燃料F1の燃焼による加熱効果と共に、第1燃料F1の燃焼ガスに含まれる酸素がアンモニア燃焼領域の内側でアンモニアF2と反応する。これにより、アンモニアF2の燃焼が促進され、未燃物の発生を抑制できる。
【0036】
(4)(1)~(3)に記載されているバーナ10は、第2空気噴出部18から第2燃焼用空気を旋回して噴出させる旋回部20を有する。
これにより、第2燃焼用空気A2とアンモニアF2とが混合すると共に、第1燃料F1に支然されて安定燃焼される。また、アンモニアF2の燃焼が促進されることで、火炎が水冷壁で囲まれる場合、例えば水管40(内側水管群41)で囲まれる場合でも、未燃物を含む燃焼ガスの冷却による未燃物の発生を抑制できる。
【0037】
(5)(1)~(4)に記載されているバーナ10を備えたアンモニア混焼ボイラ装置1は、燃料噴出部15Aは、燃料流路管11の中心軸と同軸の噴出中心軸Xを有し、アンモニア噴出部17は、アンモニアF2の噴出を方向づけるアンモニア噴出路19を有するバーナ10と、バーナ10から噴出した燃料と燃焼用空気とによって形成された火炎を囲む水冷壁を形成する水管40(内側水管群41)と、を備え、アンモニア噴出路19は、燃料流路管11の中心軸における燃料噴出部15Aを頂点E1とし、所定の噴出角θ1で噴出される第1燃料F1の噴出範囲と、水冷壁を構成する水管40(内側水管群41)に到達しない位置で交差する。
これにより、水冷壁を構成する水管40(内側水管群41)に接触する前に、燃料噴出部15Aから噴出された第1燃料F1と、アンモニア噴出部17から噴出されたアンモニアF2の燃焼がぶつかる確率を増やし燃焼を促進することで、アンモニア火炎の局所的な低温域の形成を抑制することができ、アンモニアの未燃物の発生を抑制することができる。
【0038】
(6)(5)に記載されているアンモニア混焼ボイラ装置1は、(1)~(5)に記載されているバーナ10と、バーナ10を制御する燃焼制御部71とを更に備え、燃焼制御部71は、第1燃焼用空気A1及び第2燃焼用空気A2の供給を開始した後に第1燃料F1を供給し、第1燃料F1の燃焼を開始してから所定時間経過後にアンモニアF2の供給を開始する。
これにより、アンモニアF2の燃焼開始時にはバーナ及び炉内が加熱されており、アンモニア燃焼の開始時における未燃物の発生を抑制できる。更に、アンモニアF2の供給時に第2燃焼用空気A2が供給されているので、アンモニアF2の供給開始により所定の空気比での燃焼ができ、未燃物の発生を抑制できる。
【0039】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。図6は、本発明の第2実施形態のバーナの縦断面図である。図7は、本発明の第2実施形態のバーナ先端部をCの方向から見た矢視図である。
本実施形態においては、バーナ10は、気体燃料とアンモニアを噴出し、燃焼室32において気体燃料とアンモニアを混焼させる。気体燃料は、LNGやLPG等の気体燃料を燃料として用いてもよい。
【0040】
図6に示すように、バーナ10は、燃料流路管11と、燃料噴出部15Bと、保炎器26Bと、第1燃料導入口21と、を備える。
燃料流路管11の先端部は、円錐状の部材によって封止されている。燃料噴出部15Bは、円錐状の部材の周面に形成された複数の貫通孔である燃料流通孔27によって構成される。
図7に示すように、複数の燃料流通孔27は、円錐状の燃料噴出部15Bに同心円状に配置されている。
また、図6において、燃料流通孔27は、第1燃料F1の噴出を方向づける。本実施形態においては、燃料流通孔27は、貫通孔が延びる方向と一致する。第1燃料F1は、複数の燃料流通孔27から、円錐状の部材の周面に形成された燃料流通孔27の貫通孔の延びる方向に噴出される。複数の燃料流通孔27から噴出された第1燃料F1は、バーナ10の噴出中心軸Xを中心にし、所定の角度を有する噴出範囲に広がりながら噴出される。言い換えると、噴出された第1燃料F1は、燃料噴出部15Bの、燃料流通孔27の延びる方向と噴出中心軸Xとが交差する点を頂点E2とし、所定の噴出角θ1で噴出される第1燃料F1の噴出範囲を形成する。
保炎器26Bは、先端側に向かって拡開する円錐台状であり、円錐台状の周面には、第1燃焼用空気A1が流通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、拡開方向に間隔をおいた多列で形成されている。
保炎器26Bの基端側は、燃料噴出部15Bよりも上流側の、燃料流路管11の先端側に接続されている。また、保炎器26Bの先端は、第1空気噴出部16の先端よりも、第1燃焼用空気A1の流れ方向の上流側に配置されている。
【0041】
以上のバーナ10においては、第1燃料供給部(図示なし)から第1燃料導入口21に送り込まれた第1燃料F1は、燃料流路管11を流通し、燃料流通孔27によって噴出を方向づけられ、燃料噴出部15Bから噴出される。
噴出された第1燃料F1は、保炎器26Bを流通した第1燃焼用空気A1と混合され、効率よく燃焼される。
【0042】
本実施形態においては、ウインドボックスを設けず、第1燃焼用空気A1は第1燃焼用空気導入口22から、第2燃焼用空気A2は第2燃焼用空気導入口24から、それぞれ独立に導入されている。
【0043】
以上、本発明に係るバーナ及びアンモニア混焼ボイラ装置の好ましい実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0044】
旋回部20は、第2空気流路管14の基端側に配置されているが、これに限らない。旋回部20は、第2空気流路管14の先端側に配置されていてもよい。
このようなバーナ10においても、第2燃焼用空気A2とアンモニアF2の混焼を促進し、未燃物を含む燃焼ガスが水冷壁によって冷却され未燃物が発生することを抑制することができる。
【0045】
バッフル板26Aは、燃焼用空気補給孔又はスリットを設け、バッフル板26Aの下流側に第1燃焼用空気A1の渦流を形成していたが、これに限らない。バッフル板26Aには、旋回部20によって形成される旋回流と同一方向に旋回を与えるスリットを設け、更に、第1燃焼用空気A1に第2燃焼用空気A2と同一方向の旋回を付与してもよい。
また、旋回部20としてのスワラを第1空気流路管12の基端側、流路管の途中、又は先端側へ設置することによって、第1燃焼用空気A1に旋回を付与してもよい。また、ウインドボックス形状によって、第1燃焼用空気A1に旋回を付与してもよい。第1燃焼用空気A1の旋回により第1燃料の燃焼を促進すると共に、アンモニアF2の混焼を促進し、未燃物を含む燃焼ガスが水冷壁によって冷却され未燃物が発生することを抑制することができる。
【0046】
図8は、本発明のバーナの変形例をCの方向から見た矢視図である。第2実施形態におけるアンモニア流路管13は、第1空気流路管12を包囲するように配置されているが、図8に示すように、本変形例のバーナ10においては、アンモニア流路管13は、第1空気流路管12の周囲に複数配置されている点で異なる。第2燃焼用空気A2が流通する第2空気流路管14は、第1空気流路管12及び、第1空気流路管12の周囲に配置されているアンモニア流路管13を包囲する。アンモニアF2は、複数配置されたアンモニア流路管13を流通した後に、バーナ10の下方へ噴出される
このようなバーナ10においても、燃焼が活発なアンモニアより燃焼速度の速い第1燃料F1とアンモニアF2とを混焼させることにより、アンモニアを安定燃焼させることができる。
【0047】
本実施形態においては、缶体30が複数の水管40と、下部ヘッダ50と、上部ヘッダ60と、で構成され、複数の水管40に囲まれた燃焼室32を備えたボイラ(例えば、小型貫流ボイラ、小規模貫流ボイラ等、船舶では船舶用水管ボイラ、船舶用コンポジットボイラ等)に、バーナ10を適用したが、これに限られない。燃焼炉で燃焼した燃焼ガスを流通させた複数の配管を水中に配置し、複数の配管と水との間で熱交換をすることにより蒸気を発生させる煙管ボイラに適用してもよい。また、加熱炉、焼却路等の水冷壁を有さない炉に適用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 アンモニア混焼ボイラ装置
10 バーナ
11 燃料流路管
12 第1空気流路管
13 アンモニア流路管
14 第2空気流路管
15A、15B 燃料噴出部
16 第1空気噴出部
17 アンモニア噴出部
18 第2空気噴出部
19 アンモニア噴出路
20 旋回部
25 交点
71 燃焼制御部
θ1 噴出角
E1、E2 頂点
X 噴出中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8