(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160617
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ドリップコーヒーパック用ホルダ
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20241107BHJP
A47J 31/18 20060101ALI20241107BHJP
A47J 31/02 20060101ALI20241107BHJP
A47G 21/00 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A47J31/06 160
A47J31/18
A47J31/02
A47G21/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075823
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】502099131
【氏名又は名称】長尾 雅安
(74)【代理人】
【識別番号】100116861
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 義博
(72)【発明者】
【氏名】長尾 雅安
【テーマコード(参考)】
3B115
4B104
【Fターム(参考)】
3B115AA22
3B115BB22
3B115BC03
3B115DA09
4B104AA07
4B104BA43
4B104BA49
4B104BA90
(57)【要約】
【課題】コーヒーカップに依存せずドリップコーヒーパックの安定的な利用を実現する。
【解決手段】 挽かれた焙煎済みコーヒー豆をフィルタに収容した扁平なドリップコーヒーパックに関し、フィルタに合着されている対称な二枚のカップ固定用保持紙をそれぞれ差し込むまたは懸架する略平行な腕部11を有するD環10と、これを略水平に支持する支持板20と台座30とを具備したことを特徴とするドリップコーヒーパック用ホルダ1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挽かれた焙煎済みコーヒー豆をフィルタに収容した扁平なドリップコーヒーパックに関し、フィルタに合着されている対称な二枚のカップ固定用保持紙をそれぞれ差し込むまたは懸架する略平行な保持体と、
保持体を略水平に支持する支持体と、
を具備したことを特徴とするドリップコーヒーパック用ホルダ。
【請求項2】
支持体は、ドリップコーヒーパック用ホルダ全体を自立させる台座部と、台座部から鉛直上方に起立する起立部とを有し、
台座部と起立部とは扁平な板体によって構成され、
起立部の両端はそれぞれ蝶番機構によって台座部と保持体とに接合し、ドリップコーヒーパックを使用するときは蝶番の軸の延伸方向から見た場合に、台座部と起立部と保持体とがコ字状となり自立し、使用しないときは折りたためるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のドリップコーヒーパック用ホルダ。
【請求項3】
起立部の鉛直方向の長さを調整可能および/または保持体のカップ固定用保持紙の差込間隔または懸架間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載のドリップコーヒーパック用ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好適なコーヒードリップを実現するドリップコーヒーパック用のホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手軽にレギュラーコーヒーを楽しめるドリップコーヒーパックが流通している。これは、挽かれた焙煎済みのコーヒー豆が不織布様のフィルタに収容されたものであって、口を切り、フィルタに合着されている対称な二枚の羽根をコーヒーカップの縁に掛け、開口部から湯を注ぐだけでレギュラーコーヒーが楽しめるものである。
【0003】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
コーヒーカップは、ティーカップのような比較的小径であるものからマグカップの様な比較的大径のものまで様々である。そして、ディーカップの中には口が多角形であるものがあり、マグカップの場合にはカップの厚みが相応に厚いという特徴がある。
したがって、ドリップコーヒーパックの羽根の懸架切込の形状や材質によっては、本体の保持が十全とならない、姿勢が不安定となる、羽根がカップの縁から外れる、といった問題点があった。すなわち、カップ形状等の多様性に必ずしも適応できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-176644号公報
【特許文献2】特開2021-109073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、カップの大きさや口の形状に依存せずドリップコーヒーパックの安定的なドリップを実現すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のドリップコーヒーパック用ホルダは、挽かれた焙煎済みコーヒー豆をフィルタに収容した扁平なドリップコーヒーパックに関し、フィルタに合着されている対称な二枚のカップ固定用保持紙をそれぞれ差し込むまたは懸架する略平行な保持体と、保持体を略水平に支持する支持体と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
すなわち、請求項1に係る発明は、コーヒーカップの口形状や径にかかわらず適正なコーヒードリップを実現する。
【0008】
保持体の形状は、カップ固定用保持紙(羽根)をそれぞれ差し込めるまたは懸架できれば限定されず、四角形状(高さのない角筒様)とすることもでき、また、2本の平行な切り込み入りの棒体とすることもできる。楕円形やトラック形状とすることもできる。適宜保持部と称しても良い。
なお切り込みを入れる場合は、線分として両端が存在する態様でも良いが、それぞれの延伸方向の先がそのまま開放端として形成されているとカップ固定用保持紙の長さに関係なく差し込むことが可能となる。
【0009】
請求項2に記載のドリップコーヒーパック用ホルダは、請求項1に記載のドリップコーヒーパック用ホルダにおいて、支持体が、ドリップコーヒーパック用ホルダ全体を自立させる台座部と、台座部から鉛直上方に起立する起立部とを有し、台座部と起立部とは扁平な板体によって構成され、起立部の両端はそれぞれ蝶番機構によって台座部と保持体とに接合し、ドリップコーヒーパックを使用するときは蝶番の軸の延伸方向から見た場合に、台座部と起立部と保持体とがコ字状となり自立し、使用しないときは折りたためるように構成したことを特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項2に係る発明は、使用時にはコーヒーカップを台座部に乗せ安定的にコーヒードリップをおこなえ、不使用時には減容可能となる。
【0011】
扁平な板体とは広義であって、厚みが縦および/または横より薄ければ特に限定されず、たとえば、起立部は棒状体であってもよく、台座部は円環体やU字体、V字体であってもよい。
二箇所の蝶番の軸方向は平行になるように構成する。折りたたむことにより厚み方向に減容できる。
なお、ドリップコーヒーパックの使用時には蝶番による略90°の折曲姿勢を固定する機構(ストッパ等)を設けるようにしても良い。
【0012】
請求項3に記載のドリップコーヒーパック用ホルダは、請求項1に記載のドリップコーヒーパック用ホルダにおいて、起立部の鉛直方向の長さを調整可能および/または保持体のカップ固定用保持紙の差込間隔または懸架間隔を調整可能としたことを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項3にかかる発明は、使用するコーヒーカップの大きさやドリップコーヒーパックの仕様に追従して適正なドリップを実現する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コーヒーカップの大きさや口の形状に依存せずドリップコーヒーパックの安定的なコーヒードリップを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のドリップコーヒーパック用ホルダの外観構成図である。このうち
図1aは平面図を、
図1bは左側面図を、
図1c背面図を示している。
【
図2】本発明のドリップコーヒーパック用ホルダにドリップコーヒーパックを懸架ないし差し込んだ様子を示した外観構成図である。なお、
図2aおよび
図2b1は、パックの羽根を懸架した様子を、
図2b2は、パックの羽根を差し込んだ様子をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のドリップコーヒーパック用ホルダの外観構成図である。
図2は、本発明のドリップコーヒーパック用ホルダにドリップコーヒーパックを懸架ないし差し込んだ様子を示した外観構成図である。以下では、説明の便宜上、ドリップコーヒーパック用ホルダを単にホルダと、ドリップコーヒーパックを単にパックと適宜称することとする。
【0017】
ホルダ1は、大きく、D環10と、支持板20と、台座30と、により構成される。
【0018】
D環10は、板体をD字状にくりぬいた形状であり、2本の平行な腕部11(腕部分)にパックの羽根をそれぞれ懸架する(
図2aおよび
図2b1)。すなわち、このD環10は、パックの懸架先であるコーヒーカップの縁の役割を果たす。 腕部11は直線であるので、通常曲がっているコーヒーカップの縁にかけるよりパックの保持安定性が高まる。
なお、パックの羽根の仕様によっては、羽根をそれぞれ二股に割って切れ込み111に差し込むようにする(
図2b2)。
【0019】
D環10には、調整ネジ12が設けてあり、調整ネジ12を回動させることにより、内部のねじ切ボルト13が回転し腕部11の間隔を4.0cm~5.5cmの間で調整可能としている(
図1a)。なお、ほとんどのパックの場合、特に間を広げない4.0cmで対応可能である。
D環10の厚みは7mm、腕部11の長さは65mmとする例を挙げることができる。
【0020】
台座30は、支持板20を介してD環10を中空で支える台座であり、本実施の形態では、コーヒーカップを置く台としても利用する。大きさは特に限定されないが、9.5cm×9.5cm×7mmの板体とする例を挙げることができる。
【0021】
支持板20は、台座30をテーブル等の水平な場所に置いたときに垂直に起立し、上端でD環10を水平姿勢に支える。支持板20は厚み7mmの板体基調である。適宜コーヒーカップのシルエットをかたどった意匠を施すなどしても良い。
支持板20には、調整ネジ21が設けてあり、調整ネジ21を回動させることにより、内部のねじ切ボルト22が移動し支持板20の高さを7.0cm~10.5cmの間で調整可能としている(
図1b、
図1c)。姿勢安定性を高めるため、内部にはガイド棒23が設けられている。パックは一杯分のコーヒー仕様であるのでおおよそコーヒー豆の量が決まっているので、高さが10.5cmあれば通常のマグカップの使用においては十分な高さである(一杯分のコーヒーを入れるマグカップであればどのようなマグカップでも対応できる)。
【0022】
支持板20とD環10との間、支持板20と台座30との間には、それぞれ蝶番25、蝶番26が設けられている。それぞれの蝶番の軸は互いに平行であり。使用の際、横から見ると台座30-支持板20-D環10はコ字状となる。なお、蝶番25部分の支持板20とD環10はそれぞれ略45°に面取りがしてあり、好適に90°姿勢が形成されるようにしている。同様に、蝶番26部分の支持板20と台座30もそれぞれ略45°に面取りがしてあり、90°の起立姿勢が形成されるようにしてある。
【0023】
また、蝶番25と蝶番26とを逆方向に回せば、D環10と支持板20と台座30とが厚み方向に畳まれ、かさばらずに収納等可能にしている(
図1b)。
【0024】
以上説明したように、本発明のホルダ1によれば、カップの大きさや口の形状に依存せずドリップコーヒーパックの安定的なコーヒードリップを実現する。
【0025】
蝶番25の回転角を調整するなどし、腕部11が水平から若干傾いた角度に配向されるように構成しても良い。これにより、コーヒーパック下部のしたたりが円滑となり、最後の一滴までドリップ可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
ホルダ1の調整ネジ12や調整ネジ21に基づく可変機構を省略し、全体をプラスチック基調として簡素に構成すれば、行楽用具や登山携行品として利用することもできる。また、ドリップコーヒーパックの詰め合わせ品に同梱する様にしても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 ドリップコーヒーパック用ホルダ
10 D環
11 腕部
111 切れ込み
12 調整ネジ
13 ねじ切ボルト
20 支持板
21 調整ネジ
22 ねじ切ボルト
23 ガイド棒
25 蝶番
26 蝶番
30 台座