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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160632
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075850
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】遠山 淳
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 大輔
(72)【発明者】
【氏名】間庭 佑太
(72)【発明者】
【氏名】井澤 夏美
(72)【発明者】
【氏名】澤井 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 正彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 健一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】自動運転中の警告の通知を適切に行うことが可能な制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】制御部が、自動運転中に携帯端末が接続されているときは車両と携帯端末の両方に通知し(106)、予め定めた条件成立時は、携帯端末への通知を非通知とし、車両側のみに通知する制御を行う(104)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載端末と、乗員が携帯する携帯端末とに、自動運転中の警告を通知する通知部と、
予め定めた条件が成立した場合、前記携帯端末を非通知とし、前記車載端末に警告を通知するように前記通知部を制御する制御部と、
を備えた制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、前記携帯端末を手にしていない場合、運転者の前記携帯端末への警告の通知を非通知にする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、予め定めた位置に運転者の前記携帯端末が配置されていない場合、運転者の前記携帯端末への警告の通知を非通知にする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
運転者の前記携帯端末を特定する特定部を更に備え、
前記制御部は、車内に複数の前記携帯端末が存在する場合、前記特定部によって特定された運転者の前記携帯端末以外への警告の通知を非通知にする請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、運転者以外の前記携帯端末について、予め定めた重要度以下の警告の通知を非通知にする請求項4に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載端末と乗員が携帯する携帯端末への通知を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示画面と該表示画面に向かい合う側を撮影可能に配置されたカメラとを備えた携帯端末と、自車両の制御を行う車両制御装置と、の間で通信を行って、自車両の運転者を監視し、自車両の走行中に、自車両の運転者が携帯端末の表示画面を見ているかどうかを、カメラによって撮影された画像に基づいて判定し、運転者が携帯端末の表示画面を見ていると判定された場合には、警報を発する運転者監視システムが開示されている。詳細には、自動運転中に運転者が警告が必要な意識レベルの場合に、携帯端末及び車両から表示や音声により警告することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-102252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転中に運転者が運転以外の2次タスクを実行している際に、携帯端末に警告を通知することにより携帯端末を探す行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性がある。また、車内の携帯端末に常に警告を通知することにより、煩わしい場合がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、自動運転中の警告の通知を適切に行うことが可能な制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る制御装置は、車両に搭載された車載端末と、乗員が携帯する携帯端末とに、自動運転中の警告を通知する通知部と、予め定めた条件が成立した場合、前記携帯端末を非通知とし、前記車載端末に警告を通知するように前記通知部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
第1態様によれば、通知部では、車両に搭載された車載端末と、乗員が携帯する携帯端末とに、自動運転中の警告が通知される。
【0008】
そして、制御部では、予め定めた条件が成立した場合、携帯端末を非通知とし、車載端末に警告を通知するように通知部が制御される。これにより、自動運転中の警告の通知を適切に行うことが可能となる。
【0009】
第2態様に係る制御装置は、第1態様に係る制御装置において、前記制御部は、運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、前記携帯端末を手にしていない場合、運転者の前記携帯端末への警告の通知を非通知にする。
【0010】
第2態様によれば、携帯端末を探す行為の発生を防止し、運転交代等の対応の遅れの原因を排除できる。
【0011】
第3態様に係る制御装置は、第1態様又は第2態様に係る制御装置において、前記制御部は、予め定めた位置に運転者の前記携帯端末が配置されていない場合、運転者の前記携帯端末への警告の通知を非通知にする。
【0012】
第3態様によれば、ホルダ等の定位置に携帯端末がない場合、携帯端末を探す行為が発生するが、非通知とすることで携帯端末を探す行為の発生を防止でき、運転交代等の対応に遅れることを抑制できる。
【0013】
第4態様に係る制御装置は、第1態様~第3態様の何れか1つの態様において、運転者の前記携帯端末を特定する特定部を更に備え、前記制御部は、車内に複数の前記携帯端末が存在する場合、前記特定部によって特定された運転者の前記携帯端末以外への警告の通知を非通知にする。
【0014】
第4態様によれば、運転者以外の乗員への不要な通知を削減でき、煩わしさを軽減できる。
【0015】
第5態様に係る制御装置は、第4態様において、前記制御部は、運転者以外の前記携帯端末について、予め定めた重要度以下の警告の通知を非通知にする。
【0016】
第5態様によれば、運転者以外の乗員への重要度の低い通知を抑制でき、煩わしさを軽減できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、自動運転中の警告の通知を適切に行うことが可能な制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る車両用情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る車両用情報処理システムの車載器と携帯端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
図3】車載器の制御部と携帯端末の構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る車両用情報処理システムにおける車載器の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】車載器が、運転者の携帯端末の識別情報を、サーバを介して取得する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る車両用情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0020】
本実施形態に係る車両用情報処理システム10は、車両12に搭載された制御装置及び車載端末の一例としての車載器14と、車両12の乗員が携帯する携帯端末とを備える。
【0021】
車載器14と携帯端末16とは、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の各種の近距離無線通信により接続可能とされている。
【0022】
図2は、本実施形態に係る車両用情報処理システム10の車載器14と携帯端末16の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0023】
車載器14は、図2に示すように、車両情報検出部20、撮影部22、自動運転制御部24、通信部26、通知部の一例としての表示部28、及び制御部30の機能を有する。
【0024】
車両情報検出部20は、車両12に関する車両情報を検出する。例えば、車両12の位置情報、加速度、アクセル開度、車両周辺の障害物までの距離、経路等の車両情報を検出する。車両情報検出部20は、具体的には、車両12の周辺環境がどのような状況かを表す情報を取得する複数種のセンサや装置を適用できる。センサや装置の一例としては、車速センサ、操舵角センサ、及び加速度センサなどの車両12に搭載されるセンサや、GNSS(Global Navigation Satellite System)装置、車載通信機、ナビゲーションシステム、及びレーダ装置などが挙げられる。GNSS装置は、複数のGNSS衛星から時間情報を含むGNSS信号を受信して自車両12の位置を測位する。GNSS装置は受信可能なGNSS信号の数が多くなるに従って測位の精度が向上する。車載通信機は、他の車両12との間の車車間通信及び路側機との間の路車間通信の少なくとも一方を行う通信装置である。ナビゲーションシステムは、地図情報を記憶する地図情報記憶部を含み、GNSS装置から得られる位置情報と地図情報記憶部に記憶された地図情報とに基づいて、自車両12の位置を地図上に表示する処理や、目的地迄の経路を案内する処理を行う。また、レーダ装置は、検出範囲が互いに異なる複数のレーダを含み、自車両12の周辺に存在する歩行者や他車両12等の物体を検出し、検出した物体と自車両12の相対位置及び相対速度を取得する。また、レーダ装置は周辺の物体の探知結果を処理する処理装置を内蔵している。当該処理装置は、直近の複数回の探知結果に含まれる個々の物体との相対位置や相対速度の変化等に基づき、ノイズやガードレール等の路側物等を監視対象から除外し、歩行者や他車両12等を監視対象物体として追従監視する。そしてレーダ装置は、個々の監視対象物体との相対位置や相対速度等の情報を出力する。なお、本実施形態では、これら複数の情報全てを車両情報として検出してもよいし、複数のうちの何れかを車両情報として検出してもよい。
【0025】
撮影部22は、車室内に搭載され、運転者及び車両12の周辺を撮影し、動画像の撮影画像を表す画像データを生成する。また、撮影部22は、車両12の周辺としては、車両12の前方、側方、及び後方の少なくとも1つの車両周辺を撮影する。
【0026】
通信部26は、近距離無線通信により車内の携帯端末16と通信を確立して、各種情報の送受信を行う。
【0027】
自動運転制御部24は、車両情報検出部20の検出結果、及び撮影部22の撮影結果に基づいて、車両12の自動運転を制御する。なお、自動運転制御部24は、少なくとも自動運転レベル3(条件付自動運転)の自動運転が可能とされているものとする。また、本実施形態では、自動運転レベルは、SAE(Society of Automotive Engineers:アメリカ自動車技術会)が定める定義を採用するものとする。
【0028】
自動運転制御部24は、具体的には、車両12の周辺状況、及び車両12の状況を判断して車両12の自立走行を制御する自動運転と、乗員による手動運転との切り替えを制御する。自動運転の際には、自動運転制御部24は、車両12を自立走行させるために、車両情報検出部20及び撮影部22から得られる情報に基づいて自車両12及びその周辺状況を判断する。そして、判断結果に応じて、アクセル量、ブレーキ量及び操舵角等を駆動するアクチュエータを制御する自動運転制御処理を行う。自動運転制御処理では、車両12の周辺状況と地図情報とに基づいて予め設定された目標ルートに沿った走行計画を生成し、生成した走行計画に従って車両12が自立走行するよう運転を制御する。
【0029】
また、自動運転制御部24は、乗員の手動運転中に、車両12の挙動や周囲の状況に応じて自動的に自動運転制御処理を開始して乗員による車両12の運転を支援することができる。この場合、自動運転制御部24は、自動運転制御処理の開始を示す情報を出力する。また、乗員の指示によって乗員の手動運転から自動運転制御処理による自動運転へ切り替えるケースでは、自動運転制御部24は、運転の主権の移行が行われることを示す情報、つまり自動運転制御処理の開始を示す情報を出力する。また、自動運転制御部24は、自動運転制御処理の実行中に、車両12の挙動や周囲の状況に応じて自動的に自動運転制御処理を終了(解除)して乗員による車両12の手動運転を促す処理を行うことができる。この場合、自動運転制御部24は、乗員に車両12の手動運転を促すために、自動運転制御処理の終了を示す情報を出力する。また、乗員の指示によって自動運転から乗員の手動運転に切り替えるケースでは、自動運転制御部24は、運転の主権の移行が行われることを示す情報、つまり自動運転制御処理の終了を示す情報を出力する。なお、自動運転レベル3の場合、運転者を確認する必要があるが、携帯端末16の手持ち位置と運転者の姿勢によっては、運転者を撮影する撮影部22の搭載位置関係から、画角内で運転者の顔範囲を携帯端末16が隠してしまい、システムが運転者状態を把握できずに、自動運転の作動条件外になってしまう場合がある。この場合、携帯端末16のカメラの撮影画像から運転者が確認された場合には自動運転を維持するようにしてもよい。
【0030】
通信部26は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の各種の近距離無線通信により、車両12内の携帯端末16と通信を行う。
【0031】
表示部28は、警告等の各種情報を表示することにより、乗員に各種情報を提供する。本実施形態では、自動運転制御部24から出力される情報に基づいて、自動運転の終了等の警告を表示し、手動運転の切替を運転者に警告する。表示部28は、例えば、インストルメントパネル等に設けたディスプレイに情報を表示してもよいし、ガラスに画像を投影するヘッドアップディスプレイに情報を表示してもよい。
【0032】
制御部30は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)30A、ROM(Read Only Memory)30B、RAM(Random Access Memory)30C、ストレージ30D、インタフェース(I/F)30E、及びバス30F等を含む一般的なマイクロコンピュータで構成されている。制御部30は、CPU30AがROM30Bに記憶されたプログラムを実行することにより、自動運転時の通知制御を行う。具体的には、制御部30は、自動運転中に携帯端末16が接続されているときは車両12と携帯端末16の両方に通知し、予め定めた条件成立時は、携帯端末16への通知を非通知とし、車両12側のみに通知する制御を行う。
【0033】
一方、携帯端末16は、図2に示すように、制御部40、通信部42、及び表示部44を備えている。
【0034】
制御部40は、図3に示すように、CPU40A、ROM40B、及びRAM40C、ストレージ40D、インタフェース(I/F)40E、及びバス40F等を含む一般的なマイクロコンピュータで構成されている。
【0035】
制御部40は、CPU40AがROM40Bに格納された情報処理プログラムをRAM40Cに展開して実行することで、車載器14と連係する処理等を行う。
【0036】
通信部42は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の各種の近距離無線通信により、車載器14と通信を行う。
【0037】
表示部44は、携帯端末16を操作するための情報や、アプリケーションが提供する画面等の各種情報を表示する。本実施形態では、車載器14と連係して自動運転の終了等の警告を表示して手動運転の切替を運転者に警告可能とされている。
【0038】
なお、携帯端末16は、図2では省略するが、GPS(Global Positioning System)等によって携帯端末16の位置を検出する位置検出部やカメラ等の撮影部等も含む。
【0039】
ところで、本実施形態のように、自動運転が可能な車両12では、状況に応じて乗員への情報伝達が必要となる。例えば、運転交代の事前通知、システム状態と遷移の通知、システムからの機能提案、車両12の状態の通知などが必要となる。具体的には、何らかの要因で自動運転のレベルダウンや、自動運転から手動運転への移行が必要となった場合には、周辺の監視や運転操作などの対応を運転者に促すための情報を通知する必要がある。また、システムが機能の実行を行う際に、運転者の意思を確認する必要がある場合もある。
【0040】
状況に応じて乗員への情報伝達を行うために、本実施形態に係る車両用情報処理システム10では、車載器14及び運転者が携帯する携帯端末16により、情報を通知することが可能とされている。
【0041】
しかしながら、自動運転中に運転者が運転以外の2次タスクを実行している場合、携帯端末16に警告を通知することにより運転者が携帯端末16を探す行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性がある。また、車内の携帯端末16に常に警告を通知することにより、煩わしい場合がある。
【0042】
そこで、本実施形態では、制御部30が、自動運転中に携帯端末16が接続されているときは車両12と携帯端末16の両方に通知し、予め定めた条件成立時は、携帯端末16への通知を非通知とし、車両12側のみに通知する制御を行うようになっている。
【0043】
例えば、運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、携帯端末16を手にしていない場合は、携帯端末16に通知すると、携帯端末16を探す行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性があるため、運転者の携帯端末16への警告の通知を非通知にする。
【0044】
また、予め定めた位置に運転者の携帯端末16が配置されていない場合についても同様に、携帯端末16に通知すると、携帯端末16を手に取る行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性があるため、運転者の携帯端末16への警告の通知を非通知にする。例えば、携帯端末16の配置を検知可能なホルダを設けてホルダに携帯端末16が配置されていない場合は、運転者の携帯端末16への警告の通知を非通知にする。
【0045】
また、車内に複数の携帯端末16が存在する場合には、運転者以外の携帯端末16に通知すると、運転者以外の乗員にとっては煩わしいので、運転者の携帯端末16以外への警告の通知を非通知にする。
【0046】
また、車内に複数の携帯端末16が存在する場合には、運転者以外の乗員にとって不要な情報が通知されると煩わしいので、運転者以外の携帯端末16について、予め定めた重要度以下の警告の通知を非通知にする。
【0047】
なお、自動運転レベル3の起動時(自動運転レベルの上昇時)には、車両12側で検知している携帯端末16のうち、どの携帯端末16と接続するのかを表示部28等のディスプレイに提示し、選択された携帯端末16と接続を行い、選択された携帯端末16に報知を行うようにしてもよい。
【0048】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る車両用情報処理システム10における車載器14の制御部30で行われる具体的な処理について説明する。図4は、本実施形態に係る車両用情報処理システム10における車載器14の制御部30で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、例えば、車載器14と携帯端末16の通信が確立された場合に開始する。
【0049】
ステップ100では、CPU30Aが、運転切替通知を受信したか否かを判定する。該判定は、例えば、自動運転制御部24から自動運転から手動運転への切替、または手動運転から自動運転への切替が通知されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ102へ移行し、否定された場合には当該処理を終了して他の処理を行う。なお、ここでは、一例として、運転切替通知を受信したか否かを判定する例を説明するが、運転切替通知以外の通知先を制御する必要がある他の通知を受信したか否かを判定してもよい。
【0050】
ステップ102では、CPU30Aが、予め定めた条件が成立したか否かを判定する。該判定は、例えば、自動運転時に運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、携帯端末16を手にしていない状態であるか否かを判定する。或いは、予め定めた位置に運転者の携帯端末16が配置されていない状態であるか否かを判定する。或いは、複数の携帯端末16が車内に存在するか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ104へ移行し、否定された場合にはステップ106へ移行する。
【0051】
ステップ104では、CPU30Aが、携帯端末16を非通知とし、車載器14により警告通知を行って一蓮の処理を終了する。例えば、運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、携帯端末16を手にしていない場合は、携帯端末16に通知すると、携帯端末を探す行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性があるが、運転者の対応の遅れを防止できる。また、予め定めた位置に運転者の携帯端末16が配置されていない場合についても同様に、携帯端末16に通知すると、携帯端末16を手に取る行為が発生し、運転交代等の対応に遅れる可能性があるが、運転者の対応の遅れを防止できる。また、車内に複数の携帯端末16が存在する場合には、全ての携帯端末16に通知すると、運転者以外の乗員にとっては煩わしいが、不要な通知を抑制できる。なお、この場合、予め定めた重要度以下の警告の通知のみ携帯端末16への通知を非通知とし、予め定めた重要度より高い警告については携帯端末と車載器14による警告通知を行ってもよい。
【0052】
一方、ステップ106では、CPU30Aが、携帯端末16及び車載器14により警告通知を行って一連の処理を終了する。
【0053】
このように処理を行うことにより、状況に応じて警告の通知先を変更するので、自動運転中の警告の通知を適切に行うことが可能となる。
【0054】
例えば、運転者が運転以外の2次タスクを実行中に、携帯端末16を手にしていない場合に、携帯端末16への警告の通知が非通知にされるので、携帯端末16を探す行為の発生を防止し、運転交代等の対応の遅れの原因を排除できる。
【0055】
また、予め定めた位置に運転者の携帯端末16が配置されていない場合に、携帯端末16への警告の通知が非通知にされるので、携帯端末16を探す行為の発生を防止でき、運転交代等の対応に遅れることを抑制できる。
【0056】
また、車内に複数の前記携帯端末が存在する場合に、携帯端末16への警告の通知が非通知にされるので、煩わしさを軽減できる。
【0057】
なお、上記の実施形態では、複数の携帯端末16が車内に存在する場合に、携帯端末16を非通知とする例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部30が特定部として機能することにより、運転者の携帯端末16を特定し、特定した運転者の携帯端末16以外を非通知とし、運転者の携帯端末16には警告を通知する形態としてもよい。これにより、運転者以外の乗員への不要な通知を削減でき、煩わしさも軽減できる。この場合に、運転者の携帯端末16の特定方法としては、携帯端末16の識別情報を予め登録することにより特定することが可能となる。例えば、運転者の携帯端末16の識別情報を予め登録しておき、近距離無線通信の通信確立時に識別情報を確認することにより特定してもよい。また、例えば、特定部は、デジタルキーとして登録されている携帯端末16がある場合、当該携帯端末16を運転者の携帯端末16として特定してもよい。
また 、図5に示すように、車載器14は、運転者の携帯端末16の識別情報を、サーバ50を介して取得してもよい。この場合、車両のスマートキー52を検知した携帯端末16からの信号により運転者の携帯端末16を特定してもよい。具体的には、スマートキー52は、自身の周囲に認証信号を発信する。スマートキー52の近傍に位置する携帯端末16は、スマートキー52から発信された認証信号を受信する。当該携帯端末16は、サーバ50に、スマートキー52を検出したことを示す信号を通知する。サーバ50は、通信部26へ、スマートキー52を検出した携帯端末16の識別情報を送信する。通信部26は、サーバ50から送信された携帯端末16の識別情報を受信することで、運転者の携帯端末16の識別情報を取得する。
また 、特定部は、運転者の携帯端末16を特定するタイミングは、適宜設定されればよい。例えば、特定部は、車両の電源がオフ状態からオン状態となったときに、運転者の携帯端末16を特定してもよい。また例えば、特定部は、車両の電源がオン状態であっても、車両が停車状態となるたびに、運転者の携帯端末16を特定してもよい。なお、停車状態は、例えば車両のシフトポジションがパーキングである場合である。また例えば、特定部は、一定期間ごとに、運転者の携帯端末16を特定してもよい。また例えば、車両の自動運転がレベル3の自動運転となったときに、運転者の携帯端末16を特定してもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、警告の通知先を制御する例を説明したが、警告の通知に限定されるものではない。例えば、乗員への各種情報の報知を行う際に、報知先を上記の実施形態と同様に、予め定めた条件に応じて制御してもよい。
【0059】
また、上記の各実施形態における車両用情報処理システム10で行われる処理は、プログラムを実行することにより行われるソフトウエア処理として説明したが、これに限るものではない。例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウエアで行う処理としてもよい。或いは、ソフトウエア及びハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。また、ソフトウエアの処理とした場合には、プログラムを各種記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0060】
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
10 車両用情報処理システム
12 車両
14 車載器(制御装置及び車載端末)
16 携帯端末
24 自動運転制御部
28 表示部(通知部)
30 制御部(制御部及び特定部)
図1
図2
図3
図4
図5