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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160636
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】清掃システム、及び清掃プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
A47L9/28 K
A47L9/28 E
A47L9/28 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075854
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 優
(72)【発明者】
【氏名】熊野 俊也
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘幸
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA04
3B057DE02
(57)【要約】
【課題】汚れの状態に応じて複数の掃除部の操作を変更して掃除を行うことを可能とする。
【解決手段】自律走行可能な複数の掃除部100と、発見した汚れTの状態を判定可能な汚れ状態判定部211と、複数の前記掃除部の動作を制御する制御部200と、を備え、前記制御部は、前記汚れ状態判定部が判定した前記汚れの状態によって、複数の前記掃除部の動作を変更して掃除させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行可能な複数の掃除部(100)と、
発見した汚れ(T)の状態を判定可能な汚れ状態判定部(211)と、
複数の前記掃除部の動作を制御する制御部(200)と、
を備え、
前記制御部は、前記汚れ状態判定部が判定した前記汚れの状態によって、複数の前記掃除部の動作を変更して掃除させる清掃システム(10)。
【請求項2】
前記制御部は、前記汚れの状態によって、前記汚れを複数の前記掃除部で掃除させるように動作させる請求項1に記載の清掃システム。
【請求項3】
前記制御部は、複数の前記掃除部毎に、予め定められた範囲の清掃エリア(P)を割り当てて掃除させると共に、前記汚れの状態によって、当該汚れを発見した前記清掃エリアを他の掃除部にも割り当てて掃除させる請求項1に記載の清掃システム。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記掃除部毎に、予め定められたルートに沿って掃除させると共に、前記汚れの状態によって、前記ルートを外れて当該汚れを掃除させる請求項1に記載の清掃システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記汚れを複数の前記掃除部で掃除させるように動作させ、
複数の前記掃除部は、異なる掃除の種類を実行する請求項3又は4に記載の清掃システム。
【請求項6】
前記掃除部には、当該掃除部の周囲の人物を認識可能な人物認識部(108)を備え、
前記制御部は、前記汚れの状態が、予め定められた汚れの状態である場合は、前記人物認識部が認識した人物と前記汚れの間に複数の前記掃除部の何れかを移動する請求項1に記載の清掃システム。
【請求項7】
前記人物認識部は、前記人物の移動を検知し、
前記制御部は、前記人物認識部により検知した人物の移動に伴い、当該人物と前記汚れの間に位置するように前記掃除部の何れかを移動させる請求項6に記載の清掃システム。
【請求項8】
前記汚れの状態が予め定められた状態である場合は、前記制御部は、予め定められた者に報知可能である請求項1に記載の清掃システム。
【請求項9】
複数の前記掃除部は、掃除に関する機能の異なる掃除部を含み、
前記制御部は、複数の前記掃除部のうち前記汚れの状態に対応する掃除部を選択して掃除させる請求項1に記載の清掃システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記汚れの状態、複数の前記掃除部の動作及び複数の当該掃除部が掃除した後の状態の関係を機械学習した学習済みモデルに基づいて、複数の前記掃除部の動作を変更する請求項1に記載の清掃システム。
【請求項11】
前記制御部は、複数の前記掃除部のうち、前記清掃エリアが隣接する掃除部から動作を変更させて掃除させる請求項3に記載の清掃システム。
【請求項12】
自律走行可能な複数の掃除部を用いて掃除をする制御部を制御するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサ(201)に、
発見した汚れの状態を判定させ、
判定した前記汚れの状態によって、複数の掃除部の動作を変更して掃除させる処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、清掃システム、及び清掃プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行しながら床面の清掃を行う清掃ロボットが活用されている。これらの清掃ロボットは、自宅、オフィス、公共施設(例えば、駅の構内)など、様々な清掃エリアの清掃に利用されている。例えば、国際公開第2022/009391号(特許文献1)には、相対的に広大な場所の清掃に適合する第1自律走行型ロボットと、第1自律走行型ロボットが清掃エリアのレイアウト情報に基づき作成された清掃指示情報に従って清掃エリアを清掃している間、清掃エリア全体を撮影する撮影手段と、撮影手段による撮影により生成された撮像データを解析することで、清掃エリア内において第1自律走行型ロボットが実際に清掃していない範囲を特定する未清掃範囲情報を生成する生成手段と、未清掃範囲情報から特定される、第1自律走行型ロボットが実際に清掃していない範囲の清掃を指示する指示手段と、を有することを特徴とする清掃システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/009391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃システム等、従来の清掃システムでは、1台の掃除部が割り当てられた清掃エリアを掃除するが、汚れの状態に応じて複数の掃除部の動作を変更することができず、全ての汚れに対応することが困難であった。
【0005】
本開示は、汚れの状態に応じて複数の掃除部の操作を変更して掃除を行うことが可能な清掃システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の清掃システム(10)は、自律走行可能な複数の掃除部(100)と、発見した汚れ(T)の状態を判定可能な汚れ状態判定部(211)と、複数の前記掃除部の動作を制御する制御部(200)と、を備え、前記制御部は、前記汚れ状態判定部が判定した前記汚れの状態によって、複数の前記掃除部の動作を変更して掃除させる。
【0007】
本開示のプログラムは、自律走行可能な複数の掃除部を用いて掃除をする制御部を制御するプログラムであって、少なくとも1つのプロセッサ(201)に、発見した汚れの状態を判定させ、判定した前記汚れの状態によって、複数の掃除部の動作を変更して掃除させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、汚れの状態に応じて複数の掃除部の操作を変更して掃除を行うことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】清掃システムの構成図である。
図2】掃除機のハードウエア構成を示す図である。
図3】制御装置のハードウエア構成を示す図である。
図4】制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図5】掃除機による清掃システムの清掃処理のフローチャートである。
図6】制御装置による清掃システムの清掃処理のフローチャートである。
図7】緊急タスクの清掃計画の一例を示す図である。
図8】緊急タスクの清掃計画の他の一例を示す図である。
図9】緊急タスクの清掃計画の他の一例を示す図である。
図10】緊急タスクの清掃計画の他の一例を示す図である。
図11】緊急タスクの清掃計画の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の清掃システム10は、清掃エリアP内を自走して掃除する複数の掃除機100(掃除機100A、掃除機100B、掃除機100C・・・)及び制御装置200を備える。また、複数の掃除機100と制御装置200とはネットワークNを介して接続されている。ここで、掃除機100は、掃除部の一例である。また、制御装置200は、制御部の一例である。なお、本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものとして記載したが、単一の装置によって構成されたものであってもよい。例えば、制御部の一例である制御装置200を複数の掃除機100の何れかに搭載してもよい。この場合には、掃除機100が汚れの状態を判定し、汚れの状態によって緊急タスクの清掃計画を立てて掃除を実行する。
【0012】
掃除機100は、いわゆるロボット掃除機であり、清掃対象の清掃エリアPに配置されて、清掃エリアP内を自律走行しながら、床面などの清掃を行う。具体的には、図1に示すように、各掃除機100は、所定のエリア、例えば駅のホームに設定された複数の清掃エリアPを清掃し、予め定められた清掃エリアPの掃除をすることが割り当てられている。本例では、掃除機100Aが清掃エリアP1、掃除機100Bが清掃エリアP2、掃除機100Cが清掃エリアP3、を掃除することが通常の掃除タスクとして設定されている。
【0013】
制御装置200は、清掃エリアP毎に掃除タスクを生成し、清掃エリアP毎の掃除タスクを掃除機100の各々に割り当てる。
【0014】
本実施形態の清掃システム10は、掃除機100が、清掃エリアP内を自律走行しながら通常の掃除タスクを実行し、検知した汚れTの状態が予め定められた状態である場合は、複数の掃除機100で緊急タスクを実行することで、通常の掃除タスクよりもより高度な清掃を可能とするものである。ここで、高度な清掃とは、通常の掃除タスクよりも、綺麗になるように掃除すること、早く掃除をすること、などが含まれる。
【0015】
次に、図2を用いて、本実施の形態に係る複数の掃除機100のハードウエア構成について説明する。なお、複数の掃除機100は、ハードウエア構成について多くの部分で共通するものである。したがって、複数の掃除機100を代表する1の掃除機100を用いてその構成を説明する。
【0016】
掃除機100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、通信I/F(InterFace)105及び入出力I/F106を備えている。各構成は、バス107を介して相互に通信可能に接続されている。そして、入出力I/F106を介して、カメラ108、ディスプレイ109、清掃具110、位置検出部111及び走行装置112が接続されている。
【0017】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又は記憶部104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又は記憶部104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM102又は記憶部104には、プログラムが格納されている。また、CPU101は、プロセッサの一例である。本実施形態でいうプロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0018】
ROM102は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0019】
ここで、本実施の形態における記憶部104に記憶される情報としては、例えば、掃除機100のカメラ108で撮影された画像データや、各掃除機100の位置情報、清掃計画、などがある。
【0020】
通信I/F105は、制御装置200や他の掃除機100と通信するためのインタフェースである。
【0021】
カメラ108は、掃除機100の周囲や床面を撮像可能なものであり、汚れTを検知して撮影する。カメラ108は、掃除機100の適所に1乃至複数個が取り付けられているとよい。このカメラ108としては、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を用いた二次元カメラを用いることができる。なお、このカメラ108には、ステレオカメラ、ストラクチャードライト、あるいはToF(Time of Flight)センサ等の深度センサ付きカメラのような3次元カメラを採用することもできる。
【0022】
ディスプレイ109は、掃除機100を利用する作業員や掃除機100の周囲にいる人物H等に種々の情報を提供することが可能な表示装置である。ディスプレイ109には、掃除機100のステータス情報等に加えて、周囲の人物Hへのメッセージ等を表示することができる。
【0023】
清掃具110は、掃除機100の適所に設けられ、掃除機100が走行する床面などを清掃可能なものである。この清掃具110としては、例えば床面に接触可能な回転式の清掃ブラシや清掃モップ、床面の液体を除去するスクレーパ(あるいはワイパ)、床面の塵芥を吸引可能な装置、あるいは床面や壁面を拭き掃除可能な布帛等が採用可能である。また、この清掃具110には、所定の清掃道具の取り付けが可能な、あるいは清掃道具を把持可能な1乃至複数のロボットアームを含み得る。さらに、複数の掃除機100に採用される清掃具110の具体的な構成は、全て同一であってもよいし、異なるものが採用されていてもよい。また、各掃除機100で清掃具110の構成を異ならせることで、各掃除機100の機能を変更することができる。各掃除機100で清掃具110の構成が異なる場合には、汚れTの種類に合わせて掃除を実施する掃除機100を変更することにより、最適な清掃手段を用いた清掃が簡単に実施でき好適である。なお、かかる掃除具110は、1台の掃除機100に1つの掃除具110を備えていてもよいし、1台の掃除機100に複数種類の掃除具110を備えていてもよい。
【0024】
位置検出部111は、掃除機100の位置情報を検出するものであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)などを用いることができる。また、掃除機100の周辺の物体との距離及び方向を検知するレーダ(例えば、ミリ波センサ)やLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、音波によって掃除機100の周辺の物体を検知するソナーを備えてもよい。また、GIS(Geographic Information System)等のデジタル地図を利用して、自己位置を推定することもできる。
【0025】
走行装置112は、掃除機100の前方及び後方底部に複数個配設された車輪112Aを含んでいてよい。また、この車輪112Aの少なくとも一部が図示しないモータ等の駆動手段を用いて回転され、且つ車輪112Aの少なくとも一部の向きを制御可能な操舵手段によって進行方向を可変することで、掃除機100の自律移動が実現されていてよい。
【0026】
次に、図3を用いて、本実施の形態に係る制御装置200のハードウエア構成について説明する。制御装置は、一般的なコンピュータを含む装置で構成される。
【0027】
図3に示すように、本実施の形態に係る制御装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶部204、及び通信I/F(InterFace)205を備えている。各構成は、バス206を介して相互に通信可能に接続されている。ここで、CPU201は、プロセッサの一例である。なお、詳細な構造については、掃除機100を構成するコンピュータと大部分が共通しているため、ここではその説明を省略する。
【0028】
また、本実施形態では、記憶部204に複数種類の清掃計画が記憶されている。清掃計画は、汚れTの状態、例えば汚れTの大きさ、汚れTの種類などから予め定められている。
【0029】
次に、制御装置200が実現する機能構成について説明する。
図4は、制御装置200のCPU201の機能構成の例を示すブロック図である。
【0030】
図4に示すように、制御装置200は、機能構成として、受付部210、汚れ状態判定部211、清掃計画決定部212、及び出力部213を有する。各機能構成は、CPU201がROM202又は記憶部204に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0031】
受付部210は、掃除機100から汚れTを撮影した画像データを受け付ける。
【0032】
汚れ状態判定部211は、受付部210が受け付けた汚れTを撮影した画像データから汚れTの状態を判定する。汚れTの状態には、汚れTの大きさ、汚れTの種類などを含む。汚れTの状態の判定は、既知の画像認識技術を用いて行うことなどが含まれる。
【0033】
清掃計画決定部212は、汚れ状態判定部211の判定結果に基づき、緊急タスクの清掃計画を決定する。清掃計画の決定は、汚れTの大きさ、汚れの種類などの状態から予め定められている計画から選択して決定する。なお、清掃計画決定部212は、汚れTの大きさ、汚れTの種類などから予め定められている計画から選択して決定する場合に限定されず、様々な条件によって清掃計画を生成してもよい。
【0034】
出力部213は、清掃計画決定部212により決定した清掃計画を定めた緊急タスクを各掃除機100に出力する。
【0035】
次に、図5及び図6を用いて、清掃システム10の清掃処理について説明する。
図5に示す処理は、掃除機100のCPU101で実行される処理である。
【0036】
ステップS100では、掃除機100のCPU101により通常の掃除タスクが実行される。なお、通常の掃除タスクは、制御装置200から通常の掃除タスクを受信することにより開始される。ここで、本実施形態では、通常の掃除タスクは、清掃エリアPを予め定められたルートに沿って掃除することを含む。そして、次のステップS102に進む。
【0037】
ステップS102では、掃除機100のCPU101により、掃除タスクの実行中に、カメラ108で汚れTを検知したか否かが判定される。汚れTを検知したと判定された場合は、次のステップS104に進む。一方、汚れTを検知したと判定されない場合は、ステップS106に進む。ここで、汚れTを検知した場合に、全てステップS104に進む場合に限定されず、予め定められた汚れTを検知した場合のみ、ステップS104に進むようにしてもよい。すなわち、掃除機100による掃除の前は汚れTがあることが普通であり、全ての汚れTを後述するステップS104で制御装置200に送信するまでもなく、掃除機100により掃除することが望ましい。そのため、掃除機100のCPU101が制御装置200に汚れTの情報を送信した方がよいか否かを判定してもよい。
【0038】
ステップS104では、掃除機100のCPU101により、ステップS102で検知した汚れTの情報、例えば、画像データが制御装置200に送信される。そして、次のステップS106に進む。
【0039】
ステップS106では、掃除機100のCPU101により、制御装置200から緊急タスクを受信したか否かが判定される。緊急タスクを受信したと判定された場合は、次のステップS108に進む。一方、緊急タスクを受信したと判定されない場合は、ステップS114に進む。ここで、ステップS104で汚れTの情報を制御装置200へ送信後、予め定められた時間経過しても、緊急タスクを受信したと判定されない場合に、ステップS114に進んでもよい。
【0040】
ステップS108では、掃除機100のCPU101により、ステップS106で受信した緊急タスクが実行される。ここで、緊急タスクは、通常の掃除タスクから掃除機100の動作が変更された掃除タスクであり、汚れTの状態によって、複数の掃除機100で掃除することを含む。そして、掃除機100は、制御装置200から各掃除機100に送信される緊急タスクの清掃計画に沿って掃除が行われる。そして、次のステップS110に進む。
【0041】
ステップS110では、掃除機100のCPU101により、緊急タスクが終了したか否かが判定される。ここで、緊急タスクが終了したか否かは、掃除機100が緊急タスクの清掃計画に沿って掃除をしたか否かにより判定される。なお、緊急タスクの結果、掃除機100のカメラ108で汚れTが検知されなくなっている状態になっているかを判定することなどにより判定されてもよい。緊急タスクが終了したと判定された場合は、次のステップS114に進む。一方、緊急タスクが終了したと判定されない場合は、再度、ステップS108に戻る。
【0042】
ステップS114では、掃除機100のCPU101により、通常の掃除タスクが終了したか否かが判定される。ここで、通常の掃除タスクが終了したか否かは、通常の掃除タスクに沿って予め定められたルートの全てを走行したか否かなどにより判定される。通常の掃除タスクが終了したと判定された場合は、次のステップS116に進む。一方、通常の掃除タスクが終了したと判定されない場合は、再度、ステップS100に戻る。
【0043】
ステップS116では、掃除機100のCPU101により、制御装置200に掃除タスクが終了したことを送信する。そして、処理を終了する。
【0044】
図6に示す処理は、制御装置200のCPU201で実行される処理である。
【0045】
ステップS200では、CPU201により、図5のステップS104で送信された汚れTの情報が受け付けられる。そして、次のステップS202に進む。
【0046】
ステップS202では、CPU201により、ステップS200で受け付けた汚れTの情報から、当該汚れTの状態が緊急タスクを実行する予め定められた汚れTであるか否かが判定される。汚れTの状態が緊急タスクを実行する予め定められた汚れTであると判定された場合は、次のステップS204に進む。一方、汚れTの状態が緊急タスクを実行する予め定められた汚れTであると判定されない場合は、処理を終了する。なお、汚れTの状態が緊急タスクを実行する予め定められた汚れTであると判定されない場合は、その旨を掃除機100に返信し、当該返信を受信した掃除機100は通常の掃除タスクを継続するようにしてもよい。
【0047】
ステップS204では、CPU201により、汚れTの情報から、緊急タスクの清掃計画が立案される。そして、次のステップS206に進む。
【0048】
ステップS206では、CPU201により、ステップS204で立案された緊急タスクの清掃計画が各掃除機100に送信される。ここで、緊急タスクの清掃計画は、汚れTを検知した掃除機100だけではなく、緊急タスクの清掃計画を実行する全ての掃除機100に送信される。そして、処理を終了する。
【0049】
次に、図7を用いて、制御装置200が行う緊急タスクにおける当該掃除機100の制御の一例について説明する。なお、図中の矢印は、各掃除機100の進行方向を示している。
【0050】
まず、掃除機100Aは、図7(A)に示すように、ルートR1に沿って通常の掃除タスクについての掃除を行う。ここで、ルートR1は、制御装置200が設定してもよいし、掃除機100が自律的に設定してもよい。そして、カメラ108で汚れTを発見し、制御装置200に画像データを送信する。
【0051】
図7(B)は、制御装置200が、通常の掃除タスクで掃除をすることが可能であると判断した場合の掃除のルートR1を示す図である。すなわち、掃除機100は、緊急タスクを受信しない場合は、図7(B)に示すように、掃除機100Aは、汚れTの位置を2回走行して、汚れTを掃除している。
【0052】
制御装置200は、予め定められた汚れT、本例では通常の汚れTよりも緊急度の高い汚れTであると判定した場合は、汚れTの状態に応じた清掃計画を立案し、図7(B)に示す通常の掃除タスクから動作を変更した緊急タスクを各掃除機100(100A、100B)に送信する。清掃計画は、図7(C)に示すように、掃除機100Aに加え、掃除機100Bも、掃除機100Aが検知した汚れTについて掃除する計画である。ここで、掃除機100Bは、他の清掃エリアPを掃除していた掃除機100である。すなわち、緊急タスクでは、掃除機100Aが掃除している清掃エリアPを他の掃除機100Bにも割り当てて動作させる。他の清掃エリアPを掃除していた掃除機100Bは、通常の掃除タスクで予め定められたルートに沿って掃除をしていたが、当該ルートを外れて掃除機100Aが検知した汚れTを掃除するために移動する。なお、他の清掃エリアPを掃除していた掃除機100を用いて掃除する場合に限定されず、掃除していないで倉庫などで待機していた掃除機100を用いて掃除してもよい。そして、図7(D)に示すように、掃除機100Bは、ルートR2に沿って、掃除機100Aが1度掃除した汚れTについてもう1度掃除する緊急タスクの掃除を実行する。このように構成することで、掃除機100Aだけで掃除するよりも早く掃除をすることが可能となる。
【0053】
ここで、掃除機100Bは、掃除機100Aとは別の掃除の機能を備えた掃除機100であってもよい。例えば、掃除機100Aがぬれ拭き機能を備えた掃除機100であり、掃除機100Bがから拭き機能を備えた掃除機100であってもよい。このように構成することで、1台の掃除機100Aだけではできない異なる掃除の種類を実行することが可能となる。
【0054】
また、緊急タスクの掃除を実行した掃除機100は、当該緊急タスクの終了後、そのまま通常の掃除タスクの実行に移行せず、一旦、バックヤードに戻ってもよい。このように構成することで、汚れTを掃除した後の汚れた状態の掃除機100でそのまま掃除を継続されることによる周囲の人へ与える不快感を軽減させることが可能となる。
【0055】
次に、図8を用いて、制御装置200が行う緊急タスクにおける当該掃除機100の制御の他の一例について説明する。
【0056】
まず、掃除機100Aは、図8(A)に示すように、ルートR1に沿って通常の掃除タスクについての掃除を行う。そして、カメラ108で汚れTを発見し、制御装置200に画像データを送信する。
【0057】
図8(B)は、制御装置200が、通常の掃除タスクで掃除をすることが可能であると判断した場合の掃除のルートR1を示す図である。すなわち、掃除機100は、緊急タスクを受信しない場合は、図8(B)に示すように、掃除機100Aは、1度目の走行では掃除できなかった位置の汚れT1、T2を計3回走行して、汚れTを掃除している。
【0058】
制御装置200は、予め定められた汚れT、本例では通常の汚れTよりも大きい緊急度の高い汚れTであると判定した場合は、汚れTの状態に応じた清掃計画を立案し、図8(B)に示す通常の掃除タスクから動作を変更した緊急タスクを各掃除機100(100A、100B)に送信する。清掃計画は、図8(C)に示すように、掃除機100Aに加え、掃除機100Bも、掃除機100Aが検知した汚れTについて掃除する計画である。そして、図8(D)に示すように、掃除機100Aは、ルートR1に沿って、掃除しきれなかった残りの汚れT1(図8(D)中の上部側)を掃除し、掃除機100Bは、ルートR2に沿って、掃除機100Aが掃除しきれなかった残りの汚れT2(図8(D)中の下部側)を掃除する緊急タスクの掃除を実行する。このように構成することで、掃除機100Aだけで掃除するよりも早く掃除をすることが可能となる。
【0059】
また、緊急タスクの清掃計画は、図8(D)に示した掃除機100Aと掃除機100Bとで掃除する場合に限定されず、図8(E)に示すように、更に、掃除機100Cも加えて掃除してもよい。すなわち、掃除機100Bが、ルートR2に沿って、掃除機100Aが掃除しきれなかった残りの汚れT1(図8(E)中の上部側)を掃除し、掃除機100Cが、ルートR3に沿って、残りの汚れT2(図8(D)中の下部側)を、掃除する緊急タスクの掃除を実行してもよい。このように構成することで、掃除機100A、100Bだけで掃除するよりもより早く掃除をすることが可能となる。
【0060】
次に、図9を用いて、制御装置200が行う緊急タスクにおける当該掃除機100の制御の他の一例について説明する。
【0061】
まず、掃除機100Aは、図9(A)に示すように、ルートR1に沿って通常の掃除タスクについての掃除を行う。そして、カメラ108で汚れTを発見し、制御装置200に画像データを送信する。
【0062】
図9(B)は、制御装置200が、通常の掃除タスクで掃除をすることが可能であると判断した場合の掃除のルートR1を示す図である。すなわち、掃除機100は、緊急タスクを受信しない場合は、図9(B)に示すように、掃除機100Aは、1度目の走行では掃除できなかった位置の汚れT1、T2を計3回走行して、汚れTを掃除している。
【0063】
制御装置200は、予め定められた汚れT、本例では掃除機100の掃除可能な幅よりも大きな液体状の汚れTであると判定した場合は、汚れTの状態に応じた清掃計画を立案し、図9(B)に示す通常の掃除タスクから動作を変更した緊急タスクを各掃除機100(100A、100B)に送信する。清掃計画は、図9(C)に示すように、掃除機100Aに加え、掃除機100Bと掃除機100Cも、掃除機100Aが検知した汚れTについて掃除する計画である。そして、図9(C)に示すように、掃除機100Bが、ルートR2に沿って、掃除機100Aが掃除しきれなかった残りの汚れT1(図9(C)中の上部側)を掃除し、掃除機100Cが、ルートR3に沿って、残りの汚れT2(図9(C)中の下部側)を掃除する緊急タスクの掃除を実行してもよい。このように構成することで、掃除機100A、100Bだけで掃除するよりもより早く掃除をすることが可能となる。ここで、液体状の汚れTであるため、掃除機100Bと掃除機100Cは、掃除機100Aが走行して掃除した範囲と重複する範囲を掃除することが望ましい。液体状の汚れTの場合は、掃除機100の走行後、掃除機100の車輪についた水分が床面に残ったり、一度掃除した部分へ再浸潤したり、水たまりを押しながら拭くことによる水の押し出しなどが発生するため、複数の掃除機100で同じ範囲を掃除することが望ましいためである。
【0064】
次に、図10を用いて、制御装置200が行う緊急タスクにおける当該掃除機100の制御の他の一例について説明する。
【0065】
まず、掃除機100Aは、図10(A)に示すように、ルートRに沿って通常の掃除タスクについての掃除を行う。そして、カメラ108で汚れTを発見し、制御装置200に画像データを送信する。
【0066】
図10(B)は、制御装置200が、通常の掃除タスクで掃除をすることが可能であると判断した場合の掃除のルートRを示す図である。すなわち、掃除機100は、緊急タスクを受信しない場合は、図10(B)に示すように、掃除機100Aは、1回の走行のみで汚れTを掃除している。
【0067】
制御装置200は、予め定められた汚れT、本例では掃除機100の掃除可能な幅よりも小さな液体状の汚れTであると判定した場合は、汚れTの状態に応じた清掃計画を立案し、図10(B)に示す通常の掃除タスクから動作を変更した緊急タスクを各掃除機100(100A、100B)に送信する。清掃計画は、図10(C)に示すように、掃除機100Aに加え、掃除機100Bを掃除機100Aの走行ルートと同じルートRを走行して掃除させる計画である。すなわち、掃除機100Aが汚れTを掃除した後、同じ汚れTを掃除機100Bが再度掃除する。液体状の汚れTの場合は、掃除機100の走行後、掃除機100の車輪についた水分が床面に残ったり、一度掃除した部分へ再浸潤したり、水たまりを押しながら拭くことによる水の押し出しなどが発生するため、複数の掃除機100で同じ範囲を掃除することが望ましいためである。
【0068】
また、掃除機100Aと掃除機100Bとは、異なる掃除の種類を実行してもよい。例えば、掃除機100Aが粗拭きをして、掃除機100Bがから拭きをしてもよい。
【0069】
次に、図11を用いて、制御装置200が行う緊急タスクにおける当該掃除機100の制御の他の一例について説明する。
【0070】
本例は、掃除機100が上述した図7乃至図10に示すような通常の掃除タスク又は緊急タスクを実行している状態で、実際に掃除をしない掃除機100の制御の例である。
【0071】
まず、掃除機100は、人物認識部を用いて当該掃除機100の周囲の人物Hを認識する。そして、制御装置200は、図11(A)に示すように、汚れTと人物Hとの間に移動させる清掃計画を立案し、掃除機100に送信する。ここで、人物認識部は、本実施形態では、掃除機100に備えられた汚れを検知するカメラ108が兼ねているが、赤外線センサなどの人物を認識可能なものであってもよい。そして、人物認識部による人物Hの移動を検知した場合は、制御装置200は、図11(B)、図11(C)に示すように、当該人物Hの移動に伴い、人物Hと汚れTの間に位置するように掃除機100Aを移動させる。
【0072】
このように構成することで、汚れTの近くに居る人物Hに、汚れTを見せないようにすることが可能となる。
【0073】
なお、人物Hと汚れTの間に移動される掃除機100は、1台に限定されず、複数台であってもよいし、又、複数台の掃除機100で汚れTの周囲を囲むようにしてもよい。また、掃除機100自体で汚れTを見せないようにする場合に限定されず、汚れTの周囲にシートや幕を張ることで汚れTを見せないようにしてもよい。また、「清掃中」と掃除機100のディスプレイ109やシートに表示して、人物Hが汚れTをのぞき込まないようにしてもよい。
【0074】
また、制御装置200は、汚れTの状態が予め定められた状態、例えば、掃除機100では掃除できないような汚れTである場合は、予め定められた者、例えば、作業員などにその旨を報知して作業員を呼んでもよい。また、作業員を呼ぶ際には、カメラ108で撮影した汚れTの画像データなどを作業員の所持するスマートフォンなどに送信して、汚れTの状態を作業員に予め知らせておいてもよい。そして、作業員は、清掃作業を開始する際や清掃作業の終了後などに、掃除機100のスイッチ(図示せず)を操作することで、掃除機100による緊急タスクが終了したことを制御装置200に送信してもよい。また、作業員は、掃除機100の他のスイッチ(図示せず)を操作することで、清掃作業に必要な清掃道具を備えている掃除機100などを呼ぶことができるようにしてもよい。
【0075】
また、複数の掃除機100は、掃除に関する機能の異なる掃除機が含まれており、制御装置200は、複数の掃除機100のうち、汚れTの状態に対応する掃除機を選択して掃除させるようにしてもよい。例えば、汚れTが油汚れであると判断した場合は、油汚れに対応した掃除機100を選択し、又、汚れTが薬品であると判断した場合は、薬品に対応した掃除機100を選択してもよい。また、掃除機100にニオイセンサを備え、予め定められたニオイであると判断した場合は、消臭や脱臭機能を備えた掃除機100を選択してもよい。
【0076】
また、制御装置200は、緊急タスクの掃除を実行する際は、複数の掃除機100のうち、清掃エリアPが隣接する掃除機100から選択して当該緊急タスクの掃除を実行させるようにしてもよい。このように構成することで、離れた清掃エリアPの掃除をしている掃除機100に緊急タスクの掃除をさせるよりも素早く掃除をさせることができる。また、掃除機100の走行距離が短くなり、掃除機100の充電やバッテリー交換頻度を少なくすることができることから、掃除機100の運用コストを軽減させることも期待できる。また、制御装置200は、緊急タスクの掃除を実行する際に、掃除のコストが最も下がる清掃計画を出力してもよい。例えば、汚れTの種類や質によって、安い洗浄剤で対応可能な場合は、安い洗浄剤を使用することを選択したり、安い掃除道具で対応可能な場合は、安い掃除道具を使用することを選択したりしてもよい。
【0077】
また、制御装置200は、雨が強く、雨水が建物内に入り込む場合は、複数の掃除機100の1つで雨水を吸い込み、吸い込んだ雨水を他の掃除機100が運搬する緊急タスクを実行するようにしてもよい。また、複数の掃除機100に備えた床掃除用のモップを床に押しつけて、雨水が建物内に入らないようにしてもよい。
【0078】
また、掃除機100に、風速と風の方向を検知するセンサを備え、制御装置200は、風速が予め定められた速度を超えた場合に、風上から掃除機100に掃除させる清掃計画を立ててもよい。風が強い場合は汚れTであるゴミが飛んで行きやすいため、風上に掃除機100を位置させることで、掃除機100を風よけにして掃除をさせる。
【0079】
また、汚れTの状態が、落ち葉などの掃除機100による吸い込みに適さない場合は、ブロワー機能を有する掃除機100と、吸い込み機能を有する掃除機100とをペアにして掃除をする緊急タスクの清掃計画を立ててもよい。この場合には、ブロワー機能を有する掃除機100と吸い込み機能を有する掃除機100とで、汚れTを挟んで位置し、ブロワー機能を有する掃除機が汚れTに向かって走行し、吸い込み機能を有する掃除機100が汚れTから後退する方向に走行して、掃除をする。また、斜面にある落ち葉などを掃除する場合は、ブロワー機能を有する掃除機100を斜面の上側に配置し、吸い込み機能を有する掃除機100を斜面の下側に配置して掃除をする緊急タスクの清掃計画を立ててもよい。また、ブロワー機能と吸い込み機能の両方を有する掃除機100のペアの場合は、一方の掃除機100が吸い込んだ落ち葉の量がしきい値以上になった場合は、役割を逆転させて他方の掃除機100が引き続き落ち葉を吸い込んでもよい。
【0080】
清掃システムには、掃除機100が掃除した後の状態を確認する確認部を更に備えてもよい。ここで、確認部は、清掃エリアPを撮影しているカメラ(監視カメラや防犯カメラなども含む)や、掃除機100の進行方向の前後に設けられたカメラ108などが含まれる。そして、制御装置200は、汚れTの状態、複数の掃除機100の動作及び複数の当該掃除機100が掃除した後の状態の関係を機械学習した学習済みモデルに基づいて、複数の掃除機の動作を変更してもよい。すなわち、様々な掃除の態様と掃除の結果とを教師データとして機械学習して学習済みモデルを生成する。掃除の結果は、汚れTの面積が掃除前よりも小さくなっていることや、汚れのニオイが減っていることなどにより算出される。そして、学習済みモデルは、汚れTの状態を入力データとし、緊急タスクの清掃計画を出力データとする。学習済みモデルの生成は、例えば、ニューラルネットワークを用いて行われる。また、学習済みモデルは、掃除をすることにより更新されていくことが望ましい。このように構成することで、汚れTの状態に応じて、当該汚れTが最も落ちる掃除の態様の清掃計画を出力することが可能となる。
【0081】
また、制御装置200は、掃除機100が掃除した後の状態を確認する確認部により、掃除機100が掃除した後の状態を確認しても、汚れTが落ちていない場合は、他の機能を備えた掃除機100で掃除をしたり、作業員を呼んだりしてもよい。
【0082】
その他、上記実施の形態で説明した清掃システム10の構成(図1参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0083】
上記の実施形態では、記憶部204に清掃プログラムが記憶されている例について説明した。しかしながら、清掃プログラムの記憶先は記憶部204に限定されない。清掃プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。
【0084】
例えば清掃プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びブルーレイディスクのような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、清掃プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。記憶部204、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0085】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0086】
本開示の技術に関して、以下の付記を開示する。
<付記>
(付記1)
自律走行可能な複数の掃除部(100)と、
発見した汚れ(T)の状態を判定可能な汚れ状態判定部(211)と、
複数の前記掃除部の動作を制御する制御部(200)と、
を備え、
前記制御部は、前記汚れ状態判定部が判定した前記汚れの状態によって、複数の前記掃除部の動作を変更して掃除させる清掃システム(10)。
【0087】
(付記2)
前記制御部は、前記汚れの状態によって、前記汚れを複数の前記掃除部で掃除させるように動作させる付記1に記載の清掃システム。
【0088】
(付記3)
前記制御部は、複数の前記掃除部毎に、予め定められた範囲の清掃エリア(P)を割り当てて掃除させると共に、前記汚れの状態によって、当該汚れを発見した前記清掃エリアを他の掃除部にも割り当てて掃除させる付記1又は付記2に記載の清掃システム。
【0089】
(付記4)
前記制御部は、複数の前記掃除部毎に、予め定められたルートに沿って掃除させると共に、前記汚れの状態によって、前記ルートを外れて当該汚れを掃除させる付記1~付記3の何れか1つに記載の清掃システム。
【0090】
(付記5)
前記制御部は、前記汚れを複数の前記掃除部で掃除させるように動作させ、
複数の前記掃除部は、異なる掃除の種類を実行する付記1~付記4の何れか1つに記載の清掃システム。
【0091】
(付記6)
前記掃除部には、当該掃除部の周囲の人物を認識可能な人物認識部(108)を備え、
前記制御部は、前記汚れの状態が、予め定められた汚れの状態である場合は、前記人物認識部が認識した人物と前記汚れの間に複数の前記掃除部の何れかを移動する付記1~付記5の何れか1つに記載の清掃システム。
【0092】
(付記7)
前記人物認識部は、前記人物の移動を検知し、
前記制御部は、前記人物認識部により検知した人物の移動に伴い、当該人物と前記汚れの間に位置するように前記掃除部の何れかを移動させる付記6に記載の清掃システム。
【0093】
(付記8)
前記汚れの状態が予め定められた状態である場合は、前記制御部は、予め定められた者に報知可能である付記1~付記7の何れか1つに記載の清掃システム。
【0094】
(付記9)
複数の前記掃除部は、掃除に関する機能の異なる掃除部を含み、
前記制御部は、複数の前記掃除部のうち前記汚れの状態に対応する掃除部を選択して掃除させる付記1~付記8の何れか1つに記載の清掃システム。
【0095】
(付記10)
前記制御部は、前記汚れの状態、複数の前記掃除部の動作及び複数の当該掃除部が掃除した後の状態の関係を機械学習した学習済みモデルに基づいて、複数の前記掃除部の動作を変更する付記1~付記9の何れか1つに記載の清掃システム。
【0096】
(付記11)
前記制御部は、複数の前記掃除部のうち、前記清掃エリアが隣接する掃除部から動作を変更させて掃除させる付記3に記載の清掃システム。
【0097】
(付記12)
自律走行可能な複数の掃除部を用いて掃除をする制御部を制御するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサ(201)に、
発見した汚れの状態を判定させ、
判定した前記汚れの状態によって、複数の掃除部の動作を変更して掃除させる処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0098】
10 清掃システム、100 掃除機、200 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11