(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160656
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】組成物、添加剤、及び組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20241107BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20241107BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20241107BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241107BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20241107BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20241107BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20241107BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K31/7088
A61K47/40
A61K48/00
A61K9/08
A61P3/00
A61K8/60
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075892
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】520163843
【氏名又は名称】株式会社ワールド機能性原料研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】王 建強
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C083
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
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4C076AA12
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4C084MA63
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4C084ZA89
4C084ZC21
4C086AA01
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4C086MA02
4C086MA05
4C086MA52
4C086MA63
4C086NA03
4C086ZA89
4C086ZC21
(57)【要約】
【課題】 本発明によれば、NMNを安定化することができる。
【解決手段】本発明の組成物は、シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含む。また、本発明の添加剤は、ニコチンアミドモノヌクレオチドに添加する添加剤であって、シクロデキストリンを含む。さらに、本発明の組成物の製造方法は、シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを混合する混合工程を含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含む組成物。
【請求項2】
前記ニコチンアミドモノヌクレオチドが、β-ニコチンアミドモノヌクレオチドを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が液状組成物である、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が飲料である、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ニコチンアミドモノヌクレオチドに添加する添加剤であって、シクロデキストリンを含む添加剤。
【請求項7】
前記添加剤が前記ニコチンアミドモノヌクレオチド安定化剤である、請求項6記載の添加剤。
【請求項8】
シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを混合する混合工程を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、添加剤、及び組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニコチンアミドモノヌクレオチド(以下、「NMN」という場合がある。)を摂取することで、加齢による退行性変化が改善されることが種々の研究で示されている。このため、NMNは、飲食料品や医薬品、化粧品などの添加成分として注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、NMNを有効成分とする、健康補助食品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、NMNは、熱と水で容易に分解される不安定な物質である。特に、熱水中では
短時間で分解が起こるため、飲食料品等に添加した後の加熱滅菌工程に耐えられず、加水
分解してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、NMNを安定化することができる組成物、添加剤、及び組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の組成物は、シクロデキストリン(以下、「CyD」という場合がある。)及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含む。
【0008】
本発明の添加剤は、ニコチンアミドモノヌクレオチドに添加する添加剤であって、シクロデキストリンを含む。
【0009】
本発明の組成物の製造方法は、シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを混合する混合工程を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、NMNを安定化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
【0012】
[1.組成物]
まず、本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は、前述のとおり、シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含む。
【0013】
前記CyDは、例えば、α-CyD、β-CyD、γ-CyD、δ-CyD、ε-CyD、ζ-CyD、η-CyD、及びθ-CyDのうち、少なくとも一つを含むものであってもよい。入手性の観点から、α-CyD、β-CyD、及びγ-CyDのうち、少なくとも一つを含むものが好ましく、水への溶解性の観点から、α-CyDを含むものであることがより好ましい。また、前記CyDは、前記CyDの誘導体又はその塩であってもよい。
【0014】
前記CyDの誘導体は、特に限定されず、例えば、アルキル化された誘導体、ヒドロキシアルキル化された誘導体、アルコキシアルキル化された誘導体、アセチル化された誘導体、第四級アンモニウム塩誘導体、カルボキシアルキル化された誘導体、マルトシル化された誘導体、グルコシル化された誘導体等があげられる。
【0015】
前記CyDの塩は、特に限定されず、例えば、酸付加塩及び塩基付加塩があげられる。前記酸付加塩は、例えば、無機酸又は有機酸のイオンを有する塩があげられる。前記無機酸は、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等があげられる。前記有機酸は、例えば、酢酸、脂肪族モノ-およびジカルボン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシナフトエ酸、乳酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、第三級ブチル酢酸、トリメチル酢酸等があげられる。前記塩基付加塩は、例えば、無機塩基又は有機塩基のイオンを有する塩があげられる。前記無機塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等があげられる。前記有機塩基は、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、又はN-メチルグルカミン等があげられる。
【0016】
前記CyDは、いずれの方法で調製されたものであってもよい。例えば、シクロデキストリン糖転移酵素との反応を介してデンプンのアミロペクチンから生成する方法により、人工的に合成したCyDを精製したものを用いることができる。前記シクロデキストリン糖転移酵素は、例えば、前記シクロデキストリン糖転移酵素を産生する微生物を培養液で培養し、前記培養液から前記シクロデキストリン糖転移酵素を抽出することにより生産してもよい。前記シクロデキストリン糖転移酵素を産生する微生物としては、例えば、Bacillus属細菌などを使用することができる。前記デンプンとしては、例えば、ジャガイモ、トウモロコシ、モチトウモロコシ、及び小麦などを用いることができる。また、市販されている精製されたCyDを使用してもよい。
【0017】
前記NMNは、例えば、α-NMN及びβ-NMNのうち、少なくとも一つを含むものであってもよく、β-NMNを含むものであることが好ましい。また、前記NMNは、前記NMNの誘導体又はその塩であってもよい。
【0018】
前記NMNの誘導体は、特に限定されず、例えば、薬学的に許容されるものである。本発明において、「薬学的に許容される」とは、動物に投与したときにアレルギー反応等の有害な反応を生じないことを指す。
【0019】
前記NMNの塩は、特に限定されず、例えば、酸付加塩及び塩基付加塩があげられる。前記酸付加塩は、例えば、無機酸又は有機酸のイオンを有する塩があげられる。前記無機酸は、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等があげられる。前記有機酸は、例えば、酢酸、脂肪族モノ-およびジカルボン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシナフトエ酸、乳酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、シュウ酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、フェニル置換アルカン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、第三級ブチル酢酸、トリメチル酢酸等があげられる。前記塩基付加塩は、例えば、無機塩基又は有機塩基のイオンを有する塩があげられる。前記無機塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等があげられる。前記有機塩基は、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン等があげられる。
【0020】
前記NMNは、いずれの方法で調製されたものであってもよい。例えば、化学合成法、酵素法、発酵法等により、人工的に合成したNMNを精製したものを用いることができる。また、NMNは広く生体に存在する成分であるため、動物、植物、微生物などの天然原料から抽出・精製することによって得られたNMNを用いることもできる。また、市販されている精製されたNMNを使用してもよい。
【0021】
本発明の組成物は、例えば、固形組成物又は液状組成物であってもよい。なお、「固形組成物」とは、常温において固体である組成物を指す。「液状組成物」とは、常温において液体である組成物を指す。
【0022】
本発明の組成物は、例えば、飲料、食料、サプリメント、一般食品、保健機能食品、特別用途食品、動物用の飼料、医薬品、又は医薬部外品等であってもよい。
【0023】
前記サプリメントは、日本においては行政的な定義はないが、例えば、特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品であり、例えば、飲料、食料、一般食品、前保健機能食品、特別用途食品等があげられる。前記サプリメントは、例えば、米国においてDietary Supplementと定義されるもの、欧州においてFood supplementと定義されるものを含みうる。
【0024】
前記一般食品は、例えば、栄養や保健機能に関する食品表示制度における栄養成分表示の基準で定められたものであり、いわゆる健康食品である。前記一般食品は、例えば、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品等があげられる。
【0025】
前記保険機能食品は、例えば、栄養や保健機能に関する食品表示制度における栄養成分表示の基準で定められた、機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品等があげられる。
【0026】
前記特別用途食品には、例えば、栄養や保健機能に関する食品表示制度における栄養成分表示の基準で定められた、特定保健用食品、病者用食品、妊産婦、授乳婦用粉乳、乳児用調整乳、えん下困難者用食品等があげられる。
【0027】
本発明の組成物を前記飲料、前記食料、前記サプリメント、前記一般食品、前記保健機能食品、前記特別用途食品として提供する場合、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ドリンク剤(溶液剤及び懸濁液剤が含まれる)等の形態としてもよい。また、例えば、清涼飲料、茶飲料、調味料、加工食品、デザート類、菓子(例えば、ガム、キャンディ、ゼリー)、乳製品(例えば、ヨーグルト、乳酸菌飲料等)等の形態として、種々の食品や飲料に混合させた状態で飲食用に提供してもよい。
【0028】
本発明の組成物を動物用の飼料として提供する場合、例えば、そのまま動物に摂取させてもよく、他の固形飼料や飲料水に混合させた状態で動物に摂取させてもよい。
【0029】
本発明の組成物を医薬品や医薬部外品として提供する場合、例えば、経口摂取される経口剤であってもよいし、対象部位に塗布される外用剤であってもよいし、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内等に投与する注射剤であってもよい。
【0030】
本発明の組成物である医薬品や医薬部外品が経口剤である場合、その形態としては、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、液状、ジェル状、ペースト状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等があげられる。体重当たりの1日の摂取量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定できる。体重当たりの1回の摂取量についても同様に特に限定されない。前記経口剤である場合、例えば、食前、食間、食後、食事と同時のいずれにおいて摂取しても良い。
【0031】
本発明の組成物である医薬品や医薬部外品が外用剤である場合、その形態としては、例えば、ローション状、乳液状、ゲル状、クリーム状、軟膏状、粉末状、顆粒状等をあげられる。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプー、洗顔剤、石鹸、ファンデーション、白粉、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドー、整髪料、育毛剤、水性軟膏、油性軟膏、目薬、アイウォッシュ、シップ、ジェル等があげられる。使用量としては特に限定されず、使用対象個体の年齢、体重、体質、使用部位等の様々な要因を考慮して適宜選択することができる。対象者に適用する頻度としては特に限定されない。
【0032】
本発明の組成物である医薬品や医薬部外品が注射剤である場合、例えば、分散化剤、湿潤剤、又は/及び懸濁化剤を使用して調製することができる水性懸濁液剤または油懸濁液剤であってもよい。前記注射剤は、溶媒又は希釈液を用いて調製される溶液又は懸濁液の形態であってもよい。前記溶媒としては、例えば、滅菌水、リンゲル液、又は等張性生理食塩水溶液が用いられる。前記注射剤は、適切な溶液を用いて再構成する粉末であってもよい。前記注射剤は、その他の成分として、例えば、安定剤、pH調節剤、又は/及び界面活性剤を含んでいてもよい。前記注射剤は、例えば、単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供されてもよい。前記注射剤の投与量は、例えば、その種類や形態、投与対象の年齢、性別、体重、症状の程度などに応じて、適宜決定することができる。また、前記注射剤の投与は、所望の投与量範囲内において、1日あたり単回で、又は数回に分けて行ってもよく、食前、食間、食後、又は食事と同時に投与されてもよい。
【0033】
本発明の組成物は、他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分としては、例えば、用途に応じて任意に選択することができる。前記他の成分としては、水や有機溶剤などの溶媒、賦形剤、結合剤、光沢剤、滑沢剤、安定剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、香料、甘味料、酸味料、及び/又は添加剤等があげられる。
【0034】
前記水は、例えば、精製水、熱水、イオン交換水等があげられる。前記水は、水道水等に特定の処理を施したものであってもよく、前記特定の処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、及び緩衝化等があげられる。
【0035】
前記有機溶剤は、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等)、アルカン類(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化アルカン類(例えば、クロロメタン、クロロエタン、クロロホルム、又は塩化メチレン等)からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0036】
前記賦形剤は、例えば、乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、マンニトール、及びバレイショデンプンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0037】
前記結合剤は、例えば、結晶セルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポピドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及びトウモロコシデンプンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0038】
前記光沢剤は、例えば、シェラック、パラフィンワックス、及びミツロウからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0039】
前記滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、及びカルナウバロウからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0040】
前記安定剤及び増粘剤は、例えば、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グァーガム、及びペクチンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0041】
前記乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、及びレシチンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0042】
前記酸化防止剤は、例えば、L-アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、及びブチルヒドロキシアニソールからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0043】
前記pH調整剤は、例えば、重曹、炭酸水素ナトリウム、クエン酸、乳酸、及び焼ミョウバンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0044】
前記着色料は、例えば、アナトー色素、ウコン色素、カラメル色素、カロチン色素、クチナシ色素、カルミン酸色素、食用タール色素、銅クロロフィル、ベニコウジ色素、及びベニバナ色素からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0045】
前記香料は、例えば、化学的に合成された香料、又は天然物から採った香料があげられる。前記香料は、前記化学的に合成された香料、及び天然物から採った香料を調合したものであってもよい。
【0046】
前記甘味料は、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、キシリトール、サッカリン、ステビア、及びD-ソルビトールからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0047】
前記酸味料は、例えば、クエン酸、L-酒石酸、及び乳酸からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0048】
前記添加剤は、例えば、前記他の成分としてあげられたもの以外の食品添加物、医薬品添加剤、医薬部外品の添加物等があげられる。
【0049】
本発明の組成物は、例えば、ヒトやヒト以外の動物に使用してもよい。前記ヒト以外の動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ロバ、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスタ-、又はモルモット等の哺乳動物があげられる。
【0050】
本発明の組成物に含まれる、前記CyDの重量(C)と前記NMNの重量(N)との重量比(C/N)は、特に制限されず、適宜設定することができるが、例えば、0.01以上、0.1以上、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、2.7以上、2.8以上、又は2.9以上であり、例えば、10000以下、1000以下、100以下、50以下、30以下、25以下、15以下、10以下、8以下、5以下、4以下、3.5以下、又は3以下である。
【0051】
[2.添加剤]
つぎに、本発明の添加剤について説明する。本発明の添加剤は、前述のとおり、ニコチンアミドモノヌクレオチドに添加する添加剤であって、シクロデキストリンを含む。
【0052】
前記NMNは、例えば、前述の本発明の組成物において説明したNMNと同様であってもよい。また、前記CyDは、例えば、前述の本発明の組成物において説明したCyDと同様であってもよい。
【0053】
本発明の添加剤は、例えば、前記NMNの安定化剤である。前記安定化剤における安定化とは、例えば、熱処理や中長期保存等に対する安定化である。前記熱処理は、熱処理温度が、例えば、40~200℃、60~150℃、80~100℃であり、熱処理時間が、例えば、1~180分、15~120分、30~60分である。前記中長期保存は、保存温度が、20~85℃、25~70℃、35~50℃であり、保存期間が、例えば、3時間~2か月、1日~1か月、3日~2週間である。
【0054】
本発明の添加剤は、他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分としては、例えば、前述の本発明の組成物において説明した他の成分と同様であってもよい。
【0055】
本発明の添加剤は、例えば、前記NMNの重量(N)に対して、任意の量を添加してもよい。例えば、前記CyDの重量(C)と前記NMNの重量(N)との重量比(C/N)が、0.01以上、0.1以上、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、2.7以上、2.8以上、又は2.9以上であり、例えば、10000以下、1000以下、100以下、50以下、30以下、25以下、15以下、10以下、8以下、5以下、4以下、3.5以下、又は3以下となるよう添加してもよい。
【0056】
[3.組成物の製造方法]
つぎに、本発明の組成物の製造方法について説明する。本発明の組成物の製造方法は、前述のとおり、シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを混合する混合工程を含む。本発明の組成物の製造方法は、例えば、さらに、水を混合する混合工程を含む。
【0057】
前記NMNは、例えば、前述の本発明の組成物において説明したNMNと同様であってもよい。また、前記CyDは、例えば、前述の本発明の組成物において説明したCyDと同様であってもよい。さらに、前記水は、前述の本発明の組成物において説明した水と同様であってもよい。
【0058】
前記混合工程は、例えば、ヒトの手による混合であってもよいし、混合装置による混合であってもよい。前記混合装置は、例えば、ミキサー、プロペラ撹拌機等の一般的に使用される混合手段を使用することができる。
【0059】
本発明の組成物の製造方法は、さらに、乾燥工程を含んでもよい。前記乾燥工程は、例えば、熱風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、又は自然乾燥等があげられる。
【0060】
本発明の組成物の製造方法において、例えば、前記CyDの重量(C)と前記NMNの重量(N)との重量比(C/N)は、0.01以上、0.1以上、1以上、1.5以上、2以上、2.5以上、2.7以上、2.8以上、又は2.9以上であり、例えば、10000以下、1000以下、100以下、50以下、30以下、25以下、15以下、10以下、8以下、5以下、4以下、3.5以下、又は3以下であってもよい。
【0061】
前記混合工程において、前記水を混合する工程を含む場合、前記CyDの重量(C)及び前記NMNの重量(N)の合計([C+N])と前記水の重量(W)との比率([C+N]/W)は、特に制限されず、適宜設定することができるが、例えば、0.001以上、0.005以上、0.01以上、0.05以上、0.1以上、0.5以上、1以上、2以上、3以上、4以上、又は4.5以上であり、例えば、2000以下、1500以下、1200以下、1100以下、1000以下、500以下、200以下、100以下、50以下、20以下、10以下、6以下、又は5以下である。なお、前記比率の計算において、例えば、前記水の体積が1mLである場合には、前記水の重量(W)は1gと仮定して計算することができる。
【実施例0062】
つぎに、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0063】
なお、本実施例では後述のとおり、HPLCを用いてNMNの残存率を求めたが、前記残存率を求める方法はこれに限定されない。例えば、質量分析計、分光光度計、X線分析装置、又は元素分析装置等の定量分析が可能な装置や手法等によって前記残存率を求めてもよい。
【0064】
なお、以下の実施例および比較例において、熱処理後のNMNの残存率は、下記の方法により算出した。
【0065】
(熱処理後のNMNの残存率の算出方法)
後述するNMN溶解液、及びNMN及びCyDを含む組成物(以下、単に「NMN/CyD組成物」という場合がある。)を、熱処理前後において、高速液体クロマトグラフ(以下、「HPLC」という。)を用いて分析した。得られたクロマトグラムのピ-ク面積と、下記式(1)より、熱処理後のNMNの残存率を算出した。
熱処理後のNMNの残存率(%)
=(熱処理後のピ-ク面積/熱処理前のピ-ク面積 )×100 (1)
【0066】
(1)高温での熱処理後におけるNMNの安定性
[実施例1]
β-NMN及びα-CyDを重量比(C/N)2.95で配合した混合物にさらに精製水を比率([C+N]/W)4.9375で添加し、混合した後の混合物を室温で24時間減圧乾燥する工程により得られたNMN/CyD組成物263mgを精製水10mLに溶解して得られた試料を、HPLCで分析した。また、β-NMN及びα-CyDを重量比(C/N)2.95で配合した混合物にさらに精製水を比率([C+N]/W)4.9375で添加し、混合した後の混合物を室温で24時間減圧乾燥する工程により得られたNMN/CyD組成物263mgを精製水10mLに溶解して得られた試料を96℃にて30分間熱処理したものについても、熱処理前と同条件にてHPLCで分析した。結果を表1に示す。
【0067】
[比較例1]
β-NMN66mgを精製水10mLに溶解することで作製した「NMN溶解液」を、HPLCで分析した。さらに前記NMN溶解液を96℃にて30分間、熱処理したものについても、HPLCで分析した。なお、HPLCの分析条件は実施例1と同条件とした。結果を表1に示す。
【0068】
【0069】
表1のとおり、NMN溶解液(NMN単体)と比べて、NMN/CyD組成物(NMN + CyD)は残存率が高くなった。このことから、NMN及びCyDを含む組成物は、高温環境において安定性が向上することが分かった。
【0070】
(2)中長期保存におけるNMNの安定性
[実施例2]
実施例1と同条件で作製したNMN/CyD組成物を、HPLCで分析した。また、NMN/CyD組成物を、40℃にて1週間保存した後のものについても、保存前と同条件にてHPLCで分析した。結果を表2に示す。
【0071】
[比較例2]
比較例1と同条件で作製したNMN溶解液を、HPLCで分析した。また、NMN溶解液を、40℃にて1週間保存した後のものについても、HPLCで分析した。なお、HPLCの分析条件は実施例2と同条件とした。結果を表2に示す。
【0072】
【0073】
表2のとおり、NMN単体と比べて、CyD存在下のNMNにおいて、残存率が高くなった。このことから、NMN及びCyDを含む組成物は、中長期保存において安定性が向上することが分かった。
【0074】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含む組成物。
(付記2)
前記ニコチンアミドモノヌクレオチドが、β-ニコチンアミドモノヌクレオチドを含む、付記1記載の組成物。
(付記3)
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリンを含む、付記1又は2記載の組成物。
(付記4)
前記組成物が液状組成物である、付記1から3のいずれかに記載の組成物。
(付記5)
前記組成物が飲料である、付記1から4のいずれかに記載の組成物。
(付記6)
ニコチンアミドモノヌクレオチドに添加する添加剤であって、シクロデキストリンを含む添加剤。
(付記7)
前記添加剤が前記ニコチンアミドモノヌクレオチド安定化剤である、付記6記載の添加剤。
(付記8)
シクロデキストリン及びニコチンアミドモノヌクレオチドを混合する混合工程を含む、
付記1から5のいずれかに記載の組成物の製造方法。