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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160669
(43)【公開日】2024-11-14
(54)【発明の名称】タンクローリの配管装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/78 20100101AFI20241107BHJP
   B60P 3/22 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
B67D7/78 D
B60P3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023084964
(22)【出願日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】596080710
【氏名又は名称】株式会社青木製作所
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝昭
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA13
3E083AE01
3E083AE11
3E083AJ11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タンクにおける底部から延設される配管類のスペースを確保しながら、タンク内の液体の排出時にポンプ或いはポンプ近傍の配管に残液が発生し難いタンクローリの配管構造を提供する。
【解決手段】架台はシャーシの長手方向に沿って配設する左右一対の断面四角形状の桁部材5と、桁部材5の前後端にシャーシの幅方向に沿って配設する梁部材8とよりなり、タンクの下方にて桁部材5に形成される開口11に流通管16を挿通し、この流通管16の両端に第1開閉弁17および第2開閉弁18を、中間に三方継手管20を連結し、三方継手管20には水平な前記流通管16に対して垂直な回転軸を有する切換弁を装着し、タンクよりポンプ12に向かい下方に傾斜する流入管14を可撓性よりなる接続部材を介してポンプ12の入口に連結するとともに、ポンプ12の出口と前記三方継手管20の中央口とを流出管22により接続する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の種類の液体を充填するタンクローリのタンクのコンテナを車両のシャーシに架台を介して載置したタンクローリであって、前記タンクローリは走行用駆動源から伝達機構により駆動されるポンプを備え、
前記架台は前記シャーシの長手方向に沿って配設する左右一対の断面四角形状の桁部材と、前記桁部材の前後端に前記シャーシの幅方向に沿って配設する梁部材とよりなり、
前記タンクの下方にて前記桁部材に形成される開口に流通管を挿通し、この流通管の両端に第1開閉弁および第2開閉弁を、中間に三方継手管を連結し、前記三方継手管には水平な前記流通管に対して垂直な回転軸を有する切換弁を装着し、
前記タンクに連結可能な流入管を前記ポンプの入口に接続するとともに、前記ポンプの出口と前記三方継手管の中央口とを流出管により接続することを特徴とするタンクローリの配管装置。
【請求項2】
前記流通管に連結する前記三方継手管を主三方継手管と副三方継手管の一対とし、左側の前記主三方継手管の中央口は前記ポンプの出口に接続し、右側の前記副三方継手管の中央口は前記タンクの後方に向かい延び、先端に第3開閉弁を有する排出管を接続することを特徴とする請求項1に記載のタンクローリの配管装置。
【請求項3】
前記タンクより前記ポンプに向かい下方に傾斜し、可撓性よりなる接続部材を介して前記ポンプの入口に接続される前記流入管の先端は、前記タンクの前方に連結可能にすることを特徴とする請求項1に記載のタンクローリの配管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多数の種類の液体を充填するタンクローリのタンクに接続するポンプを含む配管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体燃料などの液体を充填積載して輸送に使用されているタンクローリは、シャーシの上部の支持部材にタンクを脱着可能に載置しており、このタンクはその底部には、例えば、下記特許文献1に記載された配管構造が知られている。
【0003】
この配管構造は、集中管、排出管、連結管、及びポンプを備えている。集中管は、タンクの長手方向(タンクローリーの長手方向)に伸びており、当該長手方向に複数設けられたタンクの底弁に接続されている。排出管は、タンクローリの幅方向の両側にタンク内の液体を排出するための排出口を提供している。そして、連結管は集中管から分岐され、ポンプのヘッドバルブを介して排出管に接続されている。この配管構造では、タンク内の液体が、ポンプによる排出時においても、集中管、連結管及び排出管を介し、上記幅方向の両側から排出される。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の配管構造では、ポンプによってタンク内の液体を排出する場合、排出時にポンプやポンプ近傍とか排出管に残液が発生する。特に、荷卸しの場合の地表面が傾斜しており、排出管が排出方向とは反対方向に下降傾斜した状態となっている場合には残留量が非常に多くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60-150999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、従来の問題点を解決しようとするもであって、タンクにおける底部から延設される配管類のスペースを確保しながら、タンク内の液体の排出時にポンプやポンプ近傍とかの配管に残液が発生し難いタンクローリの配管装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、多数の種類の液体を充填するタンクローリのタンクのコンテナを車両のシャーシに架台を介して載置したタンクローリであって、前記タンクローリは走行用駆動源から伝達機構により駆動されるポンプを備え、
前記架台は前記シャーシの長手方向に沿って配設する左右一対の断面四角形状の桁部材と、前記桁部材の前後端に前記シャーシの幅方向に沿って配設する梁部材とよりなり、
前記タンクの下方にて前記桁部材に形成される開口に流通管を挿通し、この流通管の両端に第1開閉弁および第2開閉弁を、中間に三方継手管を連結し、前記三方継手管には水平な前記流通管に対して垂直な回転軸を有する切換弁を装着し、
前記タンクに連結可能な流入管を前記ポンプの入口に接続するとともに、前記ポンプの出口と前記三方継手管の中央口とを流出管により接続することを特徴とするタンクローリの配管装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記流通管に連結する前記三方継手管を主三方継手管と副三方継手管の一対とし、左側の前記主三方継手管の中央口は前記ポンプの出口に接続し、右側の前記副三方継手管の中央口は前記タンクの後方に向かい延び、先端に第3開閉弁を有する排出管を接続することを特徴とする請求項1に記載のタンクローリの配管装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記タンクより前記ポンプに向かい下方に傾斜し、可撓性よりなる接続部材を介して前記ポンプの入口に接続される前記流入管の先端は、前記タンクの前方に連結可能にすることを特徴とする請求項1に記載のタンクローリの配管装置である。
【発明の効果】
【0011】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0012】
請求項1に記載の発明では、多数の種類の液体を充填するタンクローリのタンクのコンテナを車両のシャーシに架台を介して載置したタンクローリであって、前記タンクローリは走行用駆動源から伝達機構により駆動されるポンプを備え、
前記架台は前記シャーシの長手方向に沿って配設する左右一対の断面四角形状の桁部材と、前記桁部材の前後端に前記シャーシの幅方向に沿って配設する梁部材とよりなり、
前記タンクの下方にて前記桁部材に形成される開口に流通管を挿通し、この流通管の両端に第1開閉弁および第2開閉弁を、中間に三方継手管を連結し、前記三方継手管には水平な前記流通管に対して垂直な回転軸を有する切換弁を装着し、
前記タンクに連結可能な流入管を前記ポンプの入口に接続するとともに、前記ポンプの出口と前記三方継手管の中央口とを流出管により接続するので、前記三方継手弁の中央口を前記切換弁により閉鎖すれば、前記第1開閉弁および第2開閉弁より流出した後に前記ポンプからの液体が前記流通管に残留することがなく、タンクローリの走行に影響することがなくなる。
また、前記三方継手管には水平な前記流通管に対して垂直な回転軸を有する切換弁を装着することにより、前記タンクの底部と前記シャーシとの狭い空間に前記切換弁を配置しても前記切換弁の操作に支障することがなくできる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、前記流通管に連結する前記三方継手管を主三方継手管と副三方継手管の一対とし、左側の前記主三方継手管の中央口は前記ポンプの出口に接続し、右側の前記副三方継手管の中央口は前記タンクの後方に向かい延び、先端に第3開閉弁を有する排出管を接続するので、前記タンクと前記シャーシの狭い空間に前記流通管と前記排出管が配置され、タンクローリの車高が低くできるとともに、排出の箇所が増えて配管の自由度が大きいなり、車輌の任意の部位に配管でき、車輌の停止位置及び停止方向に制約されることなく、タンクの側部2箇所と後部1箇所との3箇所で液体の流出作業ができ、タンク内の流体の流出対象位置がタンクローリの後方向および左右方向のいずれに位置してもよく、地形や道路事情等によってタンクローリの向きが自由に選べない状況でも、いずれか近い方の流出口を用いることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記タンクより前記ポンプに向かい下方に傾斜し、可撓性よりなる接続部材を介して前記ポンプの入口に接続される前記流入管の先端は、前記タンクの前方に連結可能にするので、前記流入管と前記三方継手管を連結した前記流通管とが上下に重なることがなく、タンクとシャーシとの狭い空間に配置でき、タンクローリにおける車高を低く設定できて重心が下がり走行性能性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明におけるタンクローリを示す概略図。
図2】この発明における第1の実施の形態の架台を示す平面図。
図3図2におけるA-A線に沿う断面図。
図4図2におけるB-B線に沿う断面図。
図5図4におけるC-C線に沿う切替弁の断面図。
図6】左側の切換弁における流路の切り換え状態の推移を模式的に示す図である。
図7】右側の切換弁における流路の切り換え状態の推移を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明におけるタンクローリのタンクの実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0017】
この発明における第1の実施の形態を、図1および図7に基づいて説明する。図1はタンクローリの一例を示すもので、符号1で示されるものは、タンクローリのシャーシ3に対して軸線が水平姿勢になるように搭載されるタンクである。
【0018】
前記タンク1は内部に食糧品流体原料、食品油原料、流体化学薬品、溶剤等の液体を充填し、前記タンク1を囲むコンテナ枠2aよりなるコンテナ2を車両のシャーシ3に架台4を介して載置する。
【0019】
前記架台4は前記シャーシ3の長手方向に沿って配設する左右一対の桁部材5と、前記桁部材5の前後端に前記シャーシ3の幅方向に沿って配設する梁部材8とよりなる。
【0020】
前記桁部材5は断面中空四角形状の下側桁部材6と、その上面に積み重ね配置した上側桁部材7とよりなり、前記上側桁部材7は前部上側桁部材7aと後部上側桁部材7bとに分割し、前記前上側桁部材7aと前記後部上側桁部材7bとは所定の開口11を有するように前記下側桁部材6の上面に溶着する。
【0021】
前記前部上側桁部材7aおよび前記後部上側桁部材7bを断面中空長方形状とし、その長辺を中空正四角形状の前記下側桁部材6の一辺より大きくして、前記下側桁部材6および前記上側部材7の両端は前記梁部材8に溶接され、一体に接合して前記架台4の全体を補強する。
【0022】
これにより、タンクローリの走行時の揺れに伴って、前記架台4の前後幅方向にいくにつれて大きな曲げ力が作用しても、このような前記下側桁部材6と前記上側桁部材7との接合及び梁部材8との接合により、前記曲げ力に抗することができる。
【0023】
前記前部上側桁部材7aおよび前記後部上側桁部材7bのそれぞれ左右を前記梁部材8と平行な複数の横架部材9にて連結し、これにより、前記架台4の中央側の強度を保持させるようにしている。
【0024】
前記前部上側桁部材7aおよび前記後部上側桁部材7bの前後に溶接する前記梁部材8の延長部8aとの交差隅には、前記架台4を補強する筋交い部材10が連結される。
【0025】
前記下側桁部材6にはポンプ12が支持され、このポンプ12はタンクローリのエンジンなどの前記走行用駆動源(図示せず)からPTO方式の伝達機構13の駆動軸13aにより駆動される。
【0026】
前記ポンプ12は前記下側桁部材6の切欠けを貫通して側方に突出するハンドル12aによりポンプのヘッドバルブ(図示せず)を操作する。なお、符号12bはドレンで、前記ポンプ12の残液を排出する。
【0027】
前記ポンプ12の前記タンク1の前方に向く入口は、前記タンク1の前方より前記ポンプ12に向かい下方に傾斜する流入管14を可撓性よりなる接続部材15を介して接続する。
【0028】
前記前上側桁部材7aと前記後部上側桁部材7bと間の前記開口11には、両端に第1開閉弁17および第2開閉弁18が装着され、中間に左右一対の主三方継手管20aと副三方継手管20bとよりなる三方継手管20が連結される流通管16を挿通する。
【0029】
前記主三方継手管20aと前記副三方継手管20bには図5から図7に示すように水平な前記流通管16に対して垂直な回転軸21aを有する切換弁21を装着し、この切替弁21は円筒の弁体21bの外周に環状溝21cを設けるとともに、この環状溝21cを仕切る凸部21dを形成し、前記凸部21dにより前記主三方継手管20aの中央口aと左口bと右口cおよび、副三方継手管20bの中央口dと左口eと右口fを開閉する。
【0030】
前記ポンプ12の出口は、左側の前記主三方継手管20aの中央口aに流出管22により接続し、右側の前記副三方継手管20bの中央口dは、前記タンク1の後方に向かい延び、先端に第3開閉弁19を有する排出管23が接続される。
【0031】
次に、前前記主方継手管20aおよび前記副三方継手管20bに有する前記切換弁21の作動について前記主方継手管20aの図6および前記副三方継手管20bの図7により説明する。
【0032】
まず、左側の第1開閉弁18にのみに前記ポンプ12により前記タンク1内の液体を流す場合、図6(a)に示すように前記主三方継手管20aの前記中央口aが前記切換弁21の前記弁体21bの前記凸部21dにて閉じられた状態より弁体21bを矢印方向に回転させ、図6(b)に示す前記中央口aを開き、前記右口cが前記凸部21dにて閉じられ、前記環状溝21cにより中央口aと左口bとが連通し、前記ポンプ12からの液体が前記第2開閉弁18側に流れる。
【0033】
また、右側の第2開閉弁17にのみに前記ポンプ12によるタンク1内の液体を流す場合、図6(a)に示すように前記主三方継手管20aの中央口aが閉じられて状態より前記切換弁21を矢印方向と反対に回転させ、図6(c)に示す前記中央口aを開き、前記左口bが前記凸部21dにより閉じられ、前記環状溝21cにより前記中央口aと前記右口cとが連通し、前記ポンプ12からの液体が前記副三方継手管20bに流れる。
【0034】
そして、前記副三方継手管20bは図7(a)に示すように前記副三方継手管20bの前記中央口dが前記切換弁21の前記凸部21dにより閉じられた状態にし、前記左口fより前記環状溝21cを通過して前記右口eに流出させ、液体が前記第1開閉弁17側に流れる。
【0035】
さらに、右左の両方の第1,2開閉弁17,18の両方に前記ポンプ12による前記タンク1内の液体を流す場合、図6(d)に示すように前記主三方継手管20aの前記切換弁21を矢印または反対方向に回転させ、前記中央口aと反対側に前記凸部21dを位置させ前記右口cおよび前記左口bが開き、液体が中央口aより前記環状溝21cを通過して右口cと左口bとの両方に流れる。
【0036】
そして、前記副三方継手管20bは図7(a)に示すように前記副三方継手管20bの前記中央口dが前記切換弁21の前記凸部21dにより閉じられた状態にし、前記左口fより前記環状溝21cを通過して前記右口eに流出し、液体が前記第1開閉弁17側に流れる。
【0037】
また、前記タンク1の後方に向かい延びる前記排出管23の先端の前記第3開閉弁19にのみ液体を流す場合、図6(c)に示す前記中央口aを開き、前記左口bが前記凸部21dにより閉じられ、前記環状溝21cにより前記中央口aと前記右口cとが連通し、前記ポンプ12からの液体が前記副三方継手管20bに流れる。
【0038】
そして、前記副三方継手管20bは図7(a)に示すように前記副三方継手管20bの前記中央口dが前記切換弁21の前記凸部21dで閉じられた状態より、前記切換弁21前記凸部21dを矢印方向と反対に回転させ、図7(b)に示すように前記中央口dを開き、前記右口eが前記凸部21dにより閉じられ、前記環状溝21cにより前記左口fと前記中央口dとが連通し、前記タンク1内の液体が第3開閉弁19側に流れる。
【0039】
さらに、前記第1、2および前記第3開閉弁17,18,19の全てに前記タンク1の液体を流す場合、図6(a)に示す前記切換弁21を矢印方向に回転させ、前記中央口aと反対側まで回転させ、図6(d)に示すように前記中央口aと前記右口cおよび左口bを開き、前記環状溝21cにより前記中央口aと前記左右口b、cとが連通し液体が前記第2開閉弁18と前記副三方継手管20bに流れる。
【0040】
そして、前記副三方継手管20bは図7(a)に示す前記切換弁21を矢印方向と反対側に回転させ、図7(c)に示すように前記中央口dと前記右口eおよび左口fを開き、前記環状溝21cにより前記中央口dと前記左右口f、eとが連通し液体が前記第1開閉弁17と前記排出管23を経て前記第3開閉弁19まで流出する。
【0041】
前記前記第3開閉弁19を装着する前記排出管23は、前記横架部材9の左右幅方向の中間に設けたL字形状のブラケット25にUボルト26により支持する。なお、前記第3開閉弁19の後方には品名や標識等が記載された表示板を有するバンパー27が前記シャーシ3の後端に取り付けられる
【0042】
前記梁部材8の前記延長部8aの両端には、前記コンテナ枠2aを係脱可能に係止するための四角錐形状の突起28がそれぞれ設けられている。前記コンテナ2の前記架台4への搭載時には、前記コンテナ枠2aの下部四隅の底面の係止孔(図示せず)を前記突起28に挿入し、前記コンテナ枠2aを前記架台4に着脱可能に係止する。
【0043】
しかも、前記前部上側桁部材7aおよび前記後上側桁部材7bのそれぞれ左右を連結する前記横架部材9により前記架台4の強度が増大するとともに、前記横架部材9に前記タンク1内の液体が通過する前記流入管13および第3流出管143が支持される。
【0044】
前記タンク1とシャーシ3の床底の狭い空間に前記三方継手管および前記流通管が配置できてタンク1の全体の高さが低くなり、前記タンク1における底部から延設される配管類のスペースを確保させるとともに、前記タンク1の荷重が前記シャーシ3に対して確実に支持されてタンクローリにおける車高を低く設定できる。
【0045】
以上の構成におけるタンクローリは、多数の種類の液体を充填するタンクローリのタンク1のコンテナ2を車両のシャーシ3に架台4を介して載置したタンクローリであって、前記タンクローリは走行用駆動源から伝達機構13により駆動されるポンプ12を備え、
前記架台4は前記シャーシ3の長手方向に沿って配設する左右一対の断面四角形状の桁部材5と、前記桁部材5の前後端に前記シャーシ3の幅方向に沿って配設する梁部材8とよりなるので、前記桁部材5が下側桁部材6と、この下側桁部材6の上面に重ね溶接した上側桁部材7とにより、前記タンク1の荷重を車体に対して確実に支持できる。
【0046】
しかも、前記タンク1の下方にて前記桁部材5に形成される開口11に流通管16を挿通し、この流通管16の両端に第1開閉弁17および第2開閉弁18を、中間に三方継手管20を連結し、前記三方継手管20には水平な前記流通管16に対して垂直な回転軸21aを有する前記切換弁21を装着することにより、前記タンク1の底部と前記シャーシ3との狭い空間に前記切換弁21を配置しても前記切換弁21の操作に支障することがなくできる。
【0047】
そして、前記タンク1より前記ポンプ12に向かい下方に傾斜する流入管14を可撓性よりなる接続部材24を介して前記ポンプ12の入口に連結するとともに、前記ポンプ12の出口と前記三方継手管20の中央口aとを流入管14により接続することにより、前記三方継手弁20の中央口aを前記切換弁21により閉鎖すれば、前記第1開閉弁17および第2開閉弁18より流出した後に前記ポンプ12からの液体が前記流通管16に残留することがなく、タンクローリの走行に影響することがなくなる。
【0048】
また、前記タンク1より前記ポンプ12に向かい下方に傾斜し、可撓性よりなる接続部材24を介して前記ポンプ12の入口に連結される前記流入管14の先端は、前記タンク1の前方に接続されるので、傾斜する前記流入管14に対して水平な軸線の既製のポンプ12を簡単に接続できるとともに、前記流入管14と前記排出管23とが上下に重なることがなく前記タンク1と前記シャーシ3との狭い空間に配置でき、タンクローリにおける車高を低く設定できて重心が下がり走行性能性が良くなる。
【0049】
さらに、前記流通管16に連結する前記三方継手管20を主三方継手管20aと副三方継手管20bの一対とし、左側の前記主三方継手管20aの中央口aは前記ポンプ18の出口に接続し、右側の前記副三方継手管16bの中央口dは前記タンク1の後方に向かい延び、先端に第3開閉弁19を有する排出管23を接続することにより、前記タンク1と前記シャーシ3の狭い空間に前記流通管16と前記排出管23が配置され、タンクローリの車高が低くできるとともに、前記タンク1の側方2箇所と後方1箇所との3箇所で液体の流出作業ができ、タンク1内の流体の流出対象位置がタンクローリの後方向および左右方向のいずれの位置にしてもよく、地形や道路事情等によってタンクローリの向きが自由に選べない状況でも、いずれか近い方を用いて液体の排出が可能となり、作業性が一層良くなる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、タンクローリにおけるタンク内の液体の排出後にポンプ、或いはポンプ近傍の配管に残液が発生し難いタンクローリの配管装置を提供する。
【符号の説明】
【0051】
1 タンク
2 コンテナ
2a コンテナ枠
3 シャーシ
4 架台
5 桁部材
6 下側桁部材
7 上側桁部材
7a 前部上側桁部材
7b 後部上側桁部材
8 梁部材
8a 延長部
9 横架部材
10 筋交部材
11 開口
12 ポンプ
12a ハンドル
12b ドレン
13 伝達機構
13a 駆動軸
14 流入管
15 接続部材
16 流通管
17 第1開閉弁
18 第2開閉弁
19 第3開閉弁
20 三方管継手管
20a 主三方継手管
a 中央口
b 右口
c 左口
20b 副三方継手管
d 中央口
e 右口
f 左口
21 切替弁
21a 回転軸
21b 弁体
21c 環状溝
21d 凸部
21e 操作部
22 流出管
23 排出管
24 ガスケット
25 ブラケット
26 Uボルト
27 バンパー
28 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7