(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160716
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】コンパレータおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20241108BHJP
【FI】
H04N25/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075914
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】薬師寺 勇健
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀樹
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024GX02
5C024HX23
5C024HX29
5C024HX40
5C024HX50
(57)【要約】
【課題】比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流を防止しつつ、入力トランジスタの切り替え可能とする。
【解決手段】コンパレータは、入力信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号と比較する比較部と、入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチとを備える。比較部は、入力信号が入力される第1入力トランジスタと、入力信号が入力される第2入力トランジスタと、参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、スイッチは、第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチとを備えてもよい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチと
を備えるコンパレータ。
【請求項2】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項3】
前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、
前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされる
請求項2に記載のコンパレータ。
【請求項4】
前記第1入力トランジスタのゲートに直列に接続される第1容量と、
前記第2入力トランジスタのゲートに直列に接続される第2容量と、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第1オートゼロスイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第2オートゼロスイッチと
をさらに備える請求項3に記載のコンパレータ。
【請求項5】
前記第1オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、
前記第2オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされる
請求項4に記載のコンパレータ。
【請求項6】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、
前記参照信号が入力される第2参照トランジスタと
を備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、
前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、
前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項7】
前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第1参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオフ、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオンされ、
前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第2参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオン、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオフされる
請求項6に記載のコンパレータ。
【請求項8】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項9】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項10】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項11】
前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチと
を備える請求項1に記載のコンパレータ。
【請求項12】
入力トランジスタに入力される入力信号と、参照トランジスタに入力される参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタに並列に接続されたスイッチと
を備えるコンパレータ。
【請求項13】
ロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に画素が配置された画素アレイ部と、
前記画素から読出された画素信号と参照信号との比較結果に基づいてカラムごとにAD(Analog to Digital)変換するカラムADC部とを備え、
前記カラムADC部は、
前記画素信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて前記参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチと
を備える撮像装置。
【請求項14】
前記画素信号は、互いに異なるゲインで前記画素から読出された第1画素信号および第2画素信号を含む
請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、
前記参照信号が入力される第2参照トランジスタと
を備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、
前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、
前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチと
を備える請求項14に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、コンパレータおよび撮像装置に関する。詳しくは、入力を切り替え可能なコンパレータおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに異なるゲインで読出された信号をデジタル化するために、2入力コンパレータが用いられることがある。また、センサ画素の入射光量に応じた信号電圧の画素信号と、複数のランプ信号のうち、信号電圧により選択されたランプ信号とを比較する比較器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、比較に使用されていない入力トランジスタがフローティング状態になると、その入力トランジスタにリーク電流が流れ、特性悪化を招くおそれがあった。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流を防止しつつ、入力トランジスタの切り替え可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、入力信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号と比較する比較部と、前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチとを備えるコンパレータである。これにより、入力トランジスタの切り替えを可能としつつ、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0007】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが短絡され、比較に使用されていない入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧が安定化されるという作用をもたらす。
【0008】
また、第1の側面において、前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされてもよい。これにより、第1入力トランジスタが比較に使用されないときは、第1入力トランジスタのリーク電流が防止され、第2入力トランジスタが比較に使用されないときは、第2入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0009】
また、第1の側面において、前記第1入力トランジスタのゲートに直列に接続される第1容量と、前記第2入力トランジスタのゲートに直列に接続される第2容量と、前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第1オートゼロスイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第2オートゼロスイッチとをさらに備えてもよい。これにより、第1入力トランジスタの入力および第2入力トランジスタの入力がバランスするように第1容量および第2容量に蓄積される電荷が制御されるという作用をもたらす。
【0010】
また、第1の側面において、前記第1オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、前記第2オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされてもよい。これにより、第1入力トランジスタ側のオートゼロ動作時には、第2入力トランジスタのリーク電流が防止され、第2入力トランジスタ側のオートゼロ動作時には、第1入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0011】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、前記参照信号が入力される第2参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、2入力コンパレータの動作がバランス化されるという作用をもたらす。
【0012】
また、第1の側面において、前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第1参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオフ、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオンされ、前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第2参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオン、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオフされてもよい。これにより、第1入力トランジスタおよび第1参照トランジスタが比較に使用されないときは、第1入力トランジスタおよび第1参照トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。また、第2入力トランジスタおよび第2参照トランジスタが比較に使用されないときは、第2入力トランジスタおよび第2参照トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0013】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが切り離され、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0014】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが短絡され、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0015】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタのドレインが固定電位に接続され、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0016】
また、第1の側面において、前記比較部は、前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタのゲートがプルダウンされ、比較に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0017】
また、第2の側面は、入力トランジスタに入力される入力信号と、参照トランジスタに入力される参照信号と比較する比較部と、前記入力トランジスタに並列に接続されたスイッチとを備えるコンパレータである。これにより、AD変換前にスイッチをオンすることにより、コンパレータ出力がハイレベルに引き上げられるという作用をもたらす。
【0018】
また、第3の側面は、ロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に画素が配置された画素アレイ部と、前記画素から読出された画素信号と参照信号との比較結果に基づいてカラムごとにAD(Analog to Digital)変換するカラムADC部とを備え、前記カラムADC部は、前記画素信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて前記参照信号と比較する比較部と、前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチとを備える撮像装置である。これにより、AD変換に用いられる入力トランジスタの切り替えを可能としつつ、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0019】
また、第3の側面において、前記画素信号は、互いに異なるゲインで前記画素から読出された第1画素信号および第2画素信号を含んでもよい。これにより、アーティファクトレスHDR(High Dynamic Range)が実現されるという作用をもたらす。
【0020】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが短絡され、AD変換に使用されていない入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧が安定化されるという作用をもたらす。
【0021】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、前記参照信号が入力される第2参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、互いに異なるゲインで画素から読出された画素信号のAD変換に使用される2入力コンパレータの動作がバランス化されるという作用をもたらす。
【0022】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが切り離され、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0023】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタが短絡され、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0024】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタのドレインが固定電位に接続され、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【0025】
また、第3の側面において、前記比較部は、前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、前記スイッチは、前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチとを備えてもよい。これにより、フローティング状態の入力トランジスタのゲートがプルダウンされ、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流が防止されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る固体撮像装置に設けられた画素の回路構成例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態に係る固体撮像装置に設けられた画素の回路構成のその他の例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施の形態に係る画素からの低ゲイン読出しおよび高ゲイン読出しの各部の波形を示すタイミングチャートである。
【
図6】第1の実施の形態に係る1カラム分の信号読出し回路の構成例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態に係るコンパレータの動作時の各部の波形の一例を示すタイミングチャートである。
【
図9】第1の実施の形態に係るカラムADC回路の制御信号系統の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図11】第3の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図12】第4の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図13】第5の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図14】第5の実施の形態に係るコンパレータの動作時の各部の波形の一例を示すタイミングチャートである。
【
図15】第6の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図16】第7の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図17】第8の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図18】第9の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図19】第10の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【
図20】第11の実施の形態に係る固体撮像装置の積層例を示す斜視図である。
【
図21】車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【
図22】撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
2.第2の実施の形態(Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
3.第3の実施の形態(Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
4.第4の実施の形態(Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
5.第5の実施の形態(Pチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
6.第6の実施の形態(Nチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した例)
7.第7の実施の形態(Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続した例)
8.第8の実施の形態(Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのゲートとソースとの間にスイッチを接続した例)
9.第9の実施の形態(Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのゲートをプルダウンするスイッチを設けた例)
10.第10の実施の形態(Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのドレインを固定電位に接続するスイッチを設けた例)
11.第11の実施の形態(固体撮像装置が形成される半導体チップを積層化した例)
12.移動体への応用例
【0028】
<1.第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
【0029】
同図において、撮像装置100は、光学系101、固体撮像装置102、撮像制御部103、画像処理部104、記憶部105、表示部106および操作部107を備える。撮像制御部103、画像処理部104、記憶部105、表示部106および操作部107は、バス108を介して互いに接続されている。なお、撮像装置100は、単体としても用いられてもよいし、スマートフォンなどの携帯端末に組み込まれてもよいし、認証装置や監視装置に組み込まれてもよい。
【0030】
光学系101は、被写体からの光を固体撮像装置102に入射させ、被写体像を固体撮像装置102の受光面に結像させる。光学系101は、例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズおよび絞りなどを備えることができる。光学系101は、広角レンズ、標準レンズおよび望遠レンズなどの複数のレンズを備えてもよい。
【0031】
固体撮像装置102は、被写体からの光を画素ごとに電気信号に変換し、その電気信号をデジタル化して出力する。固体撮像装置102は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサでもよいし、CCD(Charge Coupled Device)でもよいし、イベントベースビジョンセンサでもよい。なお、固体撮像装置102は、1フレーム内で2つの異なるゲインで2回読出し可能なシングルフレームHDRに対応してもよい。
【0032】
撮像制御部103は、操作部107からの指令に基づいて固体撮像装置102による撮像を制御する。このとき、撮像制御部103は、固体撮像装置102の露光時間、露光量および撮像タイミングなどを制御することができる。
【0033】
画像処理部104は、固体撮像装置102からの出力に基づいて画像処理を実施する。画像処理は、例えば、ガンマ補正、ホワイトバランス処理、シャープネス処理、階調変換処理である。画像処理部104は、ソフトウェアに基づいて処理を実行するプロセッサを備えてもよい。なお、画像処理部104は、1フレーム内で2つの異なるゲインで2回読出しされた画素信号を合成してHDR画像を生成してもよい。
【0034】
記憶部105は、固体撮像装置102で撮像された撮像画像を記憶したり、固体撮像装置102の撮像パラメータなどを記憶したりする。また、記憶部105は、ソフトウェアに基づいて撮像装置100を動作させるプログラムを記憶することができる。記憶部105は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードを含んでもよい。
【0035】
表示部106は、撮像画像を表示したり、撮像操作をサポートする各種情報を表示したりする。表示部106は、液晶ディスプレイでもよいし、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイでもよい。
【0036】
操作部107は、撮像装置100を操作するユーザインターフェースを提供する。操作部107は、例えば、撮像装置100に設けられたボタン、ダイヤルおよびスイッチを含んでもよい。操作部107は、表示部106とともにタッチパネルで構成してもよい。
【0037】
図2は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0038】
同図において、固体撮像装置102は、画素アレイ部111、垂直走査回路112、カラム読出し回路113、カラム信号処理部114、水平走査回路115および制御回路116を備える。
【0039】
画素アレイ部111は、複数の画素PIXを備える。画素PIXは、ロウ方向(水平方向とも言う)およびカラム方向(垂直方向とも言う)に沿ってマトリックス状に配列される。各画素PIXは、信号の読出し時にカラム読出し回路113との間でソースフォロワを構成することができる。各画素PIXは、ロウごとに水平駆動線HSLに接続され、カラムごとに垂直信号線VSLに接続される。水平駆動線HSLは、各画素PIXからの信号の読出し時に各画素PIXをロウごとに駆動する。垂直信号線VSLは、画素PIXから読出された信号をカラムごとにカラム信号処理部114に伝送する。なお、画素PIXは、1フレーム内で2つの異なるゲインで2回読出し可能でもよい。また、画素PIXは、ベイヤ配列を構成してもよいし、クワッドベイヤ配列を構成してもよい。
【0040】
画素アレイ部111は、垂直信号線VSLをカラムごとに備えることができる。ここで、垂直信号線VSLは、画素PIXから読み出された信号をカラム方向に伝送することができる。
【0041】
垂直走査回路112は、読出し対象となる画素PIXをカラム方向に走査する。垂直走査回路112は、垂直レジスタを含んで構成してもよい。ここで、垂直走査回路112は、各画素PIXからの信号の読出し時に、水平駆動線HSLを介して各画素PIXをロウごとに駆動することができる。
【0042】
カラム読出し回路113は、各画素PIXからの信号の読出し時に、各画素PIXとの間でソースフォロワを構成することができる。このとき、カラム読出し回路113は、画素PIXに保持された電荷に基づいて垂直信号線VSLの電位を変化させることができる。カラム読出し回路113は、定電流読出しにも対応してもよいし、容量負荷読出しに対応してもよい。
【0043】
カラム信号処理部114は、各画素PIXからカラム方向に伝送された信号を処理する。例えば、カラム信号処理部114は、各画素PIXからカラム方向に伝送された信号に基づいて、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理を実施することができる。また、カラム信号処理部114は、各画素PIXからカラム方向に伝送された信号に基づいて、AD(Analog to Digital)変換処理を実施し、撮像信号Goutを出力することができる。
【0044】
カラム信号処理部114は、カラムADC部114Aを備える。カラムADC部114Aは、AD変換処理をカラムごとに並列に実施することができる。このとき、カラムADC部114Aは、画素PIXから読出された画素信号と参照信号との比較結果に基づいてカラムごとにAD変換することができる。ここで、カラムADC部114Aには、画素PIXから読出された画素信号と参照信号とを比較するコンパレータをカラムごとに設けることができる。コンパレータは、画素信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号と比較することができる。コンパレータには、入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチを設けることができる。コンパレータは、低ゲインで読出された画素信号と、高ゲインで読出された画素信号とを切り替えて入力可能な2入力コンパレータでもよい。
【0045】
水平走査回路115は、読出し対象となる画素PIXをロウ方向に走査する。水平走査回路115は、水平レジスタを含んで構成してもよい。
【0046】
制御回路116は、垂直走査回路112、カラム読出し回路113、カラム信号処理部114および水平走査回路115を制御する。例えば、制御回路116は、カラム方向の走査タイミング、ロウ方向の走査タイミング、カラム読出し回路113の動作タイミングおよびカラム信号処理部114の処理タイミングを制御することができる。
【0047】
図3は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置に設けられた画素の回路構成例を示すブロック図である。
【0048】
同図において、画素PIXは、フォトダイオード121、転送トランジスタ122、リセットトランジスタ123、増幅トランジスタ124、選択トランジスタ125およびフローティングディフュージョンFDを備える。転送トランジスタ122、リセットトランジスタ123、増幅トランジスタ124および選択トランジスタ125として、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを用いることができる。
【0049】
増幅トランジスタ124と選択トランジスタ125は、直列に接続されている。フォトダイオード121のカソードは、転送トランジスタ122を介してフローティングディフュージョンFDに接続されている。また、フローティングディフュージョンFDは、リセットトランジスタ123を介して電源VDDに接続されている。また、電源VDDは、増幅トランジスタ124と選択トランジスタ125の直列回路を介して垂直信号線VSLに接続されている。増幅トランジスタ124のゲートはフローティングディフュージョンFDに接続されている。
【0050】
転送トランジスタ122のゲートには、転送信号TGLが印加される。リセットトランジスタ123のゲートには、リセット信号RSTが印加される。選択トランジスタ125のゲートには、選択信号SELが印加される。転送信号TGL、リセット信号RSTおよび選択信号SELは、
図2の水平駆動線HSLを介して各画素PIXに伝送することができる。
【0051】
転送トランジスタ122がオンすると、フォトダイオード121に蓄積された電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。そして、選択トランジスタ125がオンすると、フローティングディフュージョンFDの電位に応じて増幅トランジスタ124のソース電位が変化する。そして、増幅トランジスタ124のソース電位は、選択トランジスタ125を介して垂直信号線VSLに印加され、垂直信号線VSLを介して伝送される。また、リセットトランジスタ123がオンすると、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷が排出される。
【0052】
図4は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置に設けられた画素の回路構成のその他の例を示すブロック図である。
【0053】
同図において、固体撮像装置102は、画素PIXの代わりに画素PIX2を備えてもよい。画素PIX2は、上述の画素PIXに切替トランジスタ128が追加されている。画素PIX2は、1フレーム内で2つの異なるゲインで2回読出し可能である。画素PIX2のそれ以外の構成は、上述の画素PIXの構成と同様である。
【0054】
切替トランジスタ128は、増幅トランジスタ124における変換効率を切り替える。切替トランジスタ128は、フローティングディフュージョンFDとリセットトランジスタ123との間に接続される。切替トランジスタ128のゲートには、切替信号FDGが印加される。
【0055】
図5は、第1の実施の形態に係る画素からの低ゲイン読出しおよび高ゲイン読出しの各部の波形を示すタイミングチャートである。なお、SH行はシャッタ行、RD行はリード行を示す。SH行が実施された後、RD行が実施される。このとき、SH行は、RD行の蓄積開始の基準を設定することができる。
【0056】
同図において、SH行では、選択信号SELはロウレベルに設定され、選択トランジスタ125はオフされる。非選択期間K1では、転送信号TGL、リセット信号RSTおよび切替信号FDGは、ロウレベルに維持される。そして、非選択期間K1の経過後、低ゲインP相読出しK2が実施される。このとき、転送信号TGL、リセット信号RSTおよび切替信号FDGが立ち上がり、フォトダイオード121およびフローティングディフュージョンFDの電荷が排出されるとともに、増幅トランジスタ124における変換効率が低下される。
【0057】
その後、低ゲインP相読出しK2において、転送信号TGLが立ち下がった後、切替信号FDGが立ち下がり、さらにリセット信号RSTが立ち下がる。そして、切替信号FDGが再度立ち上がった後、AD変換処理が実施される。ここで、リセット信号RSTが立ち下がる前に切替信号FDGを一旦立ち下げることにより、フローティングディフュージョンFDを切替トランジスタ128とカップリングさせることができる。このため、フローティングディフュージョンFDの電位を昇圧させることができ、フォトダイオード121から電荷を転送しやすくすることができる。
【0058】
次に、高ゲインP相読出しK3が実施される。このとき、転送信号TGL、リセット信号RSTおよび切替信号FDGは、低ゲインP相読出しK2のときと同様のレベルが維持されたままAD変換処理が実施される。
【0059】
次に、高ゲインD相読出しK4が実施される。このとき、転送信号TGLが立ち上がり、フォトダイオード121の電荷が排出される。そして、転送信号TGLが立ち下がった後、AD変換処理が実施される。ここで、高ゲインD相読出しK4では、リセット信号RSTはロウレベルに設定される。このため、フローティングディフュージョンFDはフローティング状態となり、フローティングディフュージョンFDを転送トランジスタ122とカップリングさせることができる。このため、フローティングディフュージョンFDの電位を昇圧させることができ、フォトダイオード121から電荷を引く抜きやすくすることができる。
【0060】
次に、低ゲインD相読出しK5が実施される。このとき、リセット信号RSTのレベルが維持されたままAD変換処理が実施された後、非選択期間K6に移行する。
【0061】
RD行において、非選択期間K1では、選択信号SEL、転送信号TGL、リセット信号RSTおよび切替信号FDGは、ロウレベルに維持される。そして、非選択期間K1の経過後、低ゲインP相読出しK2が実施される。このとき、リセット信号RSTおよび切替信号FDGが立ち上がり、フローティングディフュージョンFDの電荷が排出されるとともに、増幅トランジスタ124における変換効率が低下される。
【0062】
その後、低ゲインP相読出しK2において、切替信号FDGが立ち下がった後、リセット信号RSTが立ち下がる。そして、切替信号FDGが再度立ち上がった後、選択信号SELが立ち上がり、AD変換処理が実施される。ここで、リセット信号RSTが立ち下がる前に切替信号FDGを一旦立ち下げることにより、フローティングディフュージョンFDを切替トランジスタ128とカップリングさせることができる。このため、フローティングディフュージョンFDの電位を昇圧させることができ、フォトダイオード121から電荷を転送しやすくすることができる。
【0063】
次に、高ゲインP相読出しK3が実施される。このとき、切替信号FDGが立ち下がり、増幅トランジスタ124における変換効率が上昇されてから、AD変換処理が実施される。
【0064】
次に、高ゲインD相読出しK4が実施される。このとき、転送信号TGLが立ち上がり、フォトダイオード121の電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。そして、転送信号TGLが立ち下がった後、AD変換処理が実施される。ここで、高ゲインD相読出しK4では、リセット信号RSTはロウレベルに設定される。このため、フローティングディフュージョンFDはフローティング状態となり、フローティングディフュージョンFDを転送トランジスタ122とカップリングさせることができる。このため、フローティングディフュージョンFDの電位を昇圧させることができ、フォトダイオード121から電荷を引く抜きやすくすることができる。
【0065】
次に、低ゲインD相読出しK5が実施される。このとき、切替信号FDGが立ち上がり、増幅トランジスタ124における変換効率が低下される。その後、転送信号TGLが立ち上がり、フォトダイオード121の電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。そして、転送信号TGLが立ち下がり、AD変換処理が実施された後、非選択期間K6に移行する。ここで、切替信号FDGが立ち上がった後、転送信号TGLを立ち上げることにより、増幅トランジスタ124から見た容量を増大させることができる。このため、フォトダイオード121から受け入れ可能な電荷を増大させることができ、フォトダイオード121に蓄積された電荷を引き抜きやすくすることができる。
【0066】
図6は、第1の実施の形態に係る1カラム分の信号読出し回路の構成例を示す図である。
【0067】
同図において、信号読出し回路は、電流源131およびコンパレータ132を備える。
【0068】
電流源131は、信号読出し時に垂直信号線VSLを介して画素PIXとソースフォロアを構成することができる。HDRでは、画素PIXの代わりに画素PIX2を用いることができる。電流源131は、カラム読出し回路113にカラムごとに設けることができる。電流源131は、垂直信号線VSLに接続される。電流源131は、MOSトランジスタでもよい。
【0069】
コンパレータ132は、垂直信号線VSLを介して画素信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号DACと比較することができる。コンパレータ132の反転入力には、垂直信号線VSLが接続される。コンパレータ132の非反転入力には、参照信号DACが入力される。参照信号DACは、例えば、ランプ信号を含むことができる。また、コンパレータ132には、オートゼロ信号AZが入力される。オートゼロ信号AZは、オートゼロ期間にオートゼロ動作をアクティブ化する。オートゼロ動作では、非反転入力および反転入力がバランスするようにコンパレータ132の容量に蓄積される電荷を制御することができる。コンパレータ132は、カラムADC部114Aにカラムごとに設けることができる。
【0070】
図7は、第1の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0071】
同図において、コンパレータ132は、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータを構成する。このとき、コンパレータ132は、オートゼロ動作に基づいて入力信号CINをバランスさせた上で、入力信号CINと参照信号DACとの差分に応じた出力電圧VOを出力する。入力信号CINは、例えば、1フレーム内で2つの異なるゲインで画素PIX2から2回読出された画素信号でもよい。コンパレータ132は、Pチャンネル電界効果トランジスタ210、211、212A、212B、Nチャンネル電界効果トランジスタ221、222および容量216A、216Bを備える。また、コンパレータは、スイッチ213A、214A、215A、217A、213B、214B、215B、217B、223、224を備える。なお、Pチャンネル電界効果トランジスタ211、212A、212Bは、特許請求の範囲に記載の比較部の一例である。Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bは、特許請求の範囲に記載の入力トランジスタの一例である。Pチャンネル電界効果トランジスタ211は、特許請求の範囲に記載の参照トランジスタの一例である。
【0072】
Pチャンネル電界効果トランジスタ211とNチャンネル電界効果トランジスタ221とは互いに直列に接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bは互いに並列に接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのドレインは、スイッチ215Aを介してNチャンネル電界効果トランジスタ222のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのドレインは、スイッチ215Bを介してNチャンネル電界効果トランジスタ222のドレインに接続されている。各スイッチ215A、215Bは、出力切替信号SOA、SOBに基づいてオン/オフされる。Pチャンネル電界効果トランジスタ211、212A、212Bのソースは、Pチャンネル電界効果トランジスタ210を介して電源電位AVDに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aは、低ゲインで画素PIX2から読出された画素信号の入力に用いることができる。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bは、高ゲインで画素PIX2から読出された画素信号の入力に用いることができる。Pチャンネル電界効果トランジスタ210ゲートには、バイアス電圧VGが印加される。Pチャンネル電界効果トランジスタ210は、バイアス電圧VGに基づいて定電流源として動作することができる。
【0073】
スイッチ214Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートとドレインとの間に接続されている。スイッチ214Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートとドレインとの間に接続されている。各スイッチ214A、214Bは、オートゼロ信号AZA、AZBに基づいてオン/オフされる。このとき、スイッチ214Aがオンされるときは、スイッチ213Aはオフ、スイッチ213Bはオンされる。スイッチ214Bがオンされるときは、スイッチ213Aはオン、スイッチ213Bはオフされる。なお、各スイッチ214A、214Bは、特許請求の範囲に記載のオートゼロスイッチの一例である。
【0074】
スイッチ213Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aの切替に基づいて非アクティブ化されるPチャンネル電界効果トランジスタ212Aに流れるリーク電流を防止することができる。スイッチ213Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aに並列に接続されている。スイッチ213Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bの切替に基づいて非アクティブ化されるPチャンネル電界効果トランジスタ212Bに流れるリーク電流を防止することができる。スイッチ213Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bに並列に接続されている。各スイッチ213A、213Bは、オフリーク信号PSA、PSBに基づいてオン/オフされる。このとき、入力信号CINがPチャンネル電界効果トランジスタ212Aに切り替えられるときは、スイッチ213Aはオン、スイッチ213Bはオフされる。入力信号CINがPチャンネル電界効果トランジスタ212Bに切り替えられるときは、スイッチ213Aはオフ、スイッチ213Bはオンされる。
【0075】
各スイッチ217A、217Bの入力端は互いに接続され、各スイッチ217A、217Bの入力端には、入力信号CINが入力される。スイッチ217Aの出力端は、容量216Aを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートに接続されている。スイッチ217Bの出力端は、容量216Bを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートに接続されている。各スイッチ217A、217Bは、入力切替信号SIA、SIBに基づいてオン/オフされる。
【0076】
各Nチャンネル電界効果トランジスタ221、222のソースは、電源電位AVSに接続されている。電源電位AVSは、電源電位AVDより低い電位でもよいし、グランド電位でもよい。各Nチャンネル電界効果トランジスタ221、222のゲートは、Nチャンネル電界効果トランジスタ221のドレインに接続されている。このとき、Nチャンネル電界効果トランジスタ221、222は、カレントミラーを構成することができる。
【0077】
スイッチ223の入力端は、Nチャンネル電界効果トランジスタ222のドレインに接続されている。スイッチ224の入力端は、各Nチャンネル電界効果トランジスタ221、222のゲートに接続されている。各スイッチ223、224の出力端は互いに接続され、各スイッチ223、224の出力端からは、コンパレータ132の出力電圧VOが出力される。AD変換期間では、スイッチ223はオン、スイッチ224はオフされる。オートゼロ期間では、スイッチ223はオフ、スイッチ224はオンされる。
【0078】
図8は、第1の実施の形態に係るコンパレータの動作時の各部の波形の一例を示すタイミングチャートである。なお、同図では、2回の高ゲイン入力D相AD変換を実施する例を示すが、1回の高ゲイン入力D相AD変換でもよい。2回の高ゲイン入力D相AD変換を実施することにより、位相差情報を取得することができる。この位相差情報は、オートフォーカスに利用することができる。
【0079】
同図において、低ゲインオートゼロ期間K11では、入力切替信号SIA、オートゼロ信号AZB、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIB、オートゼロ信号AZA、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217A、214A、213B、215Aはオンされ、スイッチ217B、214B、213A、215Bはオフされる。このため、低ゲイン差動入力のバランスがとれるように容量216Aに電荷が蓄積される。ここで、スイッチ213Bを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Bのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのリーク電流が低減される。低ゲインオートゼロ期間K11の経過後、低ゲイン入力P相AD変換期間K12に移行する。
【0080】
低ゲイン入力P相AD変換期間K12では、入力切替信号SIA、オートゼロ信号AZA、AZB、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIB、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217A、213B、215Aはオンされ、スイッチ217B、214A、214B、213A、215Bはオフされる。ここで、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートには、スイッチ217Aおよび容量216Aを介し、画素PIX2から読出された低ゲインP相画素信号が入力信号CINとして入力される。また、参照信号DACとしてランプ波がPチャンネル電界効果トランジスタ211のゲートに入力される。そして、画素PIX2から読出された低ゲインP相画素信号が参照信号DACと比較され、その低ゲインP相画素信号のレベルが参照信号DACのレベルと一致するまでのカウント動作に基づいて、その低ゲインP相画素信号がAD変換される。ここで、スイッチ213Bを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Bのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのリーク電流が低減される。低ゲイン入力P相AD変換期間K12の経過後、高ゲインオートゼロ期間K13に移行する。
【0081】
高ゲインオートゼロ期間K13では、入力切替信号SIB、オートゼロ信号AZA、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIA、オートゼロ信号AZB、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217B、214B、213A、215Bはオンされ、スイッチ217A、214A、213B、215Aはオフされる。このため、高ゲイン差動入力のバランスがとれるように容量216Bに電荷が蓄積される。ここで、スイッチ213Aを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Aのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのリーク電流が低減される。高ゲインオートゼロ期間K13の経過後、高ゲイン入力P相AD変換期間K14に移行する。
【0082】
高ゲイン入力P相AD変換期間K14では、入力切替信号SIB、オートゼロ信号AZA、AZB、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIA、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217B、214B、215Bはオンされ、スイッチ217A、214A、213A、213B、215Aはオフされる。ここで、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートには、スイッチ217Bおよび容量216Bを介し、画素PIX2から読出された高ゲインP相画素信号が入力信号CINとして入力される。また、参照信号DACとしてランプ波がPチャンネル電界効果トランジスタ211のゲートに入力される。そして、画素PIX2から読出された高ゲインP相画素信号が参照信号DACと比較され、その高ゲインP相画素信号のレベルが参照信号DACのレベルと一致するまでのカウント動作に基づいて、その高ゲインP相画素信号がAD変換される。ここで、スイッチ213Aを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Aのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのリーク電流が低減される。高ゲイン入力P相AD変換期間K14の経過後、高ゲイン入力D1相AD変換期間K15に移行する。高ゲイン入力D1相AD変換期間K15の経過後、高ゲイン入力D2相AD変換期間K16に移行する。
【0083】
高ゲイン入力D1相AD変換期間K15および高ゲイン入力D2相AD変換期間K16では、入力切替信号SIB、オートゼロ信号AZA、AZB、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIA、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217B、214B、215Bはオンされ、スイッチ217A、214A、213A、213B、215Aはオフされる。ここで、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートには、スイッチ217Bおよび容量216Bを介し、画素PIX2から読出された高ゲインD相画素信号が入力信号CINとして入力される。また、参照信号DACとしてランプ波がPチャンネル電界効果トランジスタ211のゲートに入力される。そして、画素PIX2から読出された高ゲインD相画素信号が参照信号DACと比較され、その高ゲインD相画素信号のレベルが参照信号DACのレベルと一致するまでのカウント動作に基づいて、その高ゲインD相画素信号がAD変換される。ここで、スイッチ213Aを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Aのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのリーク電流が低減される。高ゲイン入力D2相AD変換期間K16の経過後、低ゲイン入力D相AD変換期間K17に移行する。
【0084】
低ゲイン入力D相AD変換期間K17では、入力切替信号SIA、オートゼロ信号AZA、AZB、オフリーク信号PSAおよび出力切替信号SOAがハイレベルに設定される。また、入力切替信号SIB、オフリーク信号PSBおよび出力切替信号SOBがロウレベルに設定される。このとき、スイッチ217A、213B、215Aはオンされ、スイッチ217B、214A、214B、213A、215Bはオフされる。ここで、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートには、スイッチ217Aおよび容量216Aを介し、画素PIX2から読出された低ゲインD相画素信号が入力信号CINとして入力される。また、参照信号DACとしてランプ波がPチャンネル電界効果トランジスタ211のゲートに入力される。そして、画素PIX2から読出された低ゲインD相画素信号が参照信号DACと比較され、その低ゲインD相画素信号のレベルが参照信号DACのレベルと一致するまでのカウント動作に基づいて、その低ゲインD相画素信号がAD変換される。ここで、スイッチ213Bを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Bのソースとドレインとの間の電圧は0に設定され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのリーク電流が低減される。
【0085】
図9は、第1の実施の形態に係るカラムADC回路の制御信号系統の一例を示すブロック図である。
【0086】
同図において、カラムADC部114Aには、コンパレータ132がカラムごとに設けられる。各コンパレータ132には、入力切替信号SIA、SIB、オフリーク信号PSA、PSB、オートゼロ信号AZA、AZBおよび出力切替信号SOA、SOBがコンパレータ制御回路151から入力される。
【0087】
このように、上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続する。これにより、AD変換に用いられる入力トランジスタの切り替えを可能としつつ、AD変換に使用されていない入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧をテール電圧に固定することができる。このため、AD変換に使用されていない入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に使用されていない入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。この結果、カラムごとのリーク電流のバラツキに起因する縦筋やシェーディングを抑制することができ、画質の低下を抑制しつつ、ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0088】
また、各スイッチ213A、213Bは、AD変換前にコンパレータの出力電圧VOをハイレベルに引き上げる出力セトリングアシストに用いることができる。このとき、各スイッチ213A、213Bは、リーク電流の防止と出力セトリングアシストとに兼用することができる。このため、出力セトリングアシスト専用スイッチをスイッチ213A、213Bと別個に設ける必要がなくなり、コンパレータの素子数の増大を抑制することができる。
【0089】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続した。この第2の実施の形態では、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタに並列にスイッチを接続する。
【0090】
図10は、第2の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0091】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のPチャンネル電界効果トランジスタ211、212A、212BおよびNチャンネル電界効果トランジスタ221、222に代えて、Nチャンネル電界効果トランジスタ311、312A、312BおよびPチャンネル電界効果トランジスタ321、322を備える。第2の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。なお、Nチャンネル電界効果トランジスタ312A、312Bは、特許請求の範囲に記載の入力トランジスタの一例である。Nチャンネル電界効果トランジスタ311は、特許請求の範囲に記載の参照トランジスタの一例である。
【0092】
Nチャンネル電界効果トランジスタ311とPチャンネル電界効果トランジスタ321とは互いに直列に接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312A、312Bは互いに並列に接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Aのドレインは、スイッチ215Aを介してPチャンネル電界効果トランジスタ322のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Bのドレインは、スイッチ215Bを介してPチャンネル電界効果トランジスタ322のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ311、312A、312Bのソースは、Nチャンネル電界効果トランジスタ310を介して電源電位AVSに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Aは、低ゲインで画素PIX2から読出された画素信号の入力に用いることができる。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Bは、高ゲインで画素PIX2から読出された画素信号の入力に用いることができる。Nチャンネル電界効果トランジスタ310ゲートには、バイアス電圧VGが印加される。Nチャンネル電界効果トランジスタ310は、バイアス電圧VGに基づいて定電流源として動作することができる。
【0093】
スイッチ214Aは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Aのゲートとドレインとの間に接続されている。スイッチ214Bは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Bのゲートとドレインとの間に接続されている。
【0094】
スイッチ213Aは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Aに並列に接続されている。スイッチ213Bは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Bに並列に接続されている。
【0095】
スイッチ217Aの出力端は、容量216Aを介してNチャンネル電界効果トランジスタ312Aのゲートに接続されている。スイッチ217Bの出力端は、容量216Bを介してNチャンネル電界効果トランジスタ312Bのゲートに接続されている。
【0096】
各Pチャンネル電界効果トランジスタ321、322のソースは、電源電位AVDに接続されている。各Pチャンネル電界効果トランジスタ321、322のゲートは、Pチャンネル電界効果トランジスタ321のドレインに接続されている。このとき、Pチャンネル電界効果トランジスタ321、322は、カレントミラーを構成することができる。
【0097】
スイッチ223の入力端は、Pチャンネル電界効果トランジスタ322のドレインに接続されている。スイッチ224の入力端は、各Pチャンネル電界効果トランジスタ321、322のゲートに接続されている。
【0098】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0099】
このように、上述の第2の実施の形態では、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタ312A、312Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続する。これにより、入力トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に未使用の入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0100】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続した。この第3の実施の形態では、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタに並列にスイッチを接続する。また、参照トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタに並列にスイッチを接続する。
【0101】
図11は、第3の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0102】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のPチャンネル電界効果トランジスタ211に代えて、Pチャンネル電界効果トランジスタ212C、212Dを備える。また、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータからスイッチ223、224が除去されている。また、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータにスイッチ213C、214C、215C、217C、213D、214D、215D、217Dおよび容量216C、216Dが追加されている。この追加部分は、参照信号DACの入力側に配置される。このとき、参照信号DACの入力側は、入力信号CINの入力側と対称になるように構成される。第3の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。なお、Pチャンネル電界効果トランジスタ212C、212Dは、特許請求の範囲に記載の参照トランジスタの一例である。
【0103】
このコンパレータは、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータを構成する。このとき、入力信号CINの入力側は、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に構成することができる。
【0104】
参照信号DACの入力側において、Pチャンネル電界効果トランジスタ212C、212Dは互いに並列に接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Cのドレインは、スイッチ215Cを介してNチャンネル電界効果トランジスタ221のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Dのドレインは、スイッチ215Dを介してNチャンネル電界効果トランジスタ221のドレインに接続されている。各スイッチ215C、215Dは、出力切替信号SOA、SOBに基づいてオン/オフされる。Pチャンネル電界効果トランジスタ212C、212Dのソースは、Pチャンネル電界効果トランジスタ210を介して電源電位AVDに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Cは、低ゲインで画素PIX2から読出された画素信号と比較される参照信号DACの入力に用いることができる。Pチャンネル電界効果トランジスタ212Dは、高ゲインで画素PIX2から読出された画素信号と比較される参照信号DACの入力に用いることができる。
【0105】
スイッチ214Cは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Cのゲートとドレインとの間に接続されている。スイッチ214Dは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Dのゲートとドレインとの間に接続されている。各スイッチ214C、214Dは、オートゼロ信号AZA、AZBに基づいてオン/オフされる。このとき、スイッチ214Cがオンされるときは、スイッチ213Cはオフ、スイッチ213Dはオンされる。スイッチ214Dがオンされるときは、スイッチ213Cはオン、スイッチ213Dはオフされる。なお、各スイッチ214C、214Dは、特許請求の範囲に記載のオートゼロスイッチの一例である。
【0106】
スイッチ213Cは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Cの切替に基づいて非アクティブ化されるPチャンネル電界効果トランジスタ212Cに流れるリーク電流を防止することができる。スイッチ213Cは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Cに並列に接続されている。スイッチ213Dは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Dの切替に基づいて非アクティブ化されるPチャンネル電界効果トランジスタ212Dに流れるリーク電流を防止することができる。スイッチ213Dは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Dに並列に接続されている。各スイッチ213C、213Dは、オフリーク信号PSA、PSBに基づいてオン/オフされる。このとき、入力信号CINがPチャンネル電界効果トランジスタ212Cに切り替えられるときは、スイッチ213Cはオフ、スイッチ213Dはオンされる。入力信号CINがPチャンネル電界効果トランジスタ212Dに切り替えられるときは、スイッチ213Cはオン、スイッチ213Dはオフされる。
【0107】
各スイッチ217C、217Dの入力端は互いに接続され、各スイッチ217C、217Dの入力端には、参照信号DACが入力される。スイッチ217Cの出力端は、容量216Cを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Cのゲートに接続されている。スイッチ217Dの出力端は、容量216Dを介してPチャンネル電界効果トランジスタ212Dのゲートに接続されている。各スイッチ217C、217Dは、入力切替信号SIA、SIBに基づいてオン/オフされる。Nチャンネル電界効果トランジスタ222のドレインからは、コンパレータの出力電圧VOが出力される。
【0108】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0109】
このように、上述の第3の実施の形態では、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続する。また、参照トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212C、212Dに並列にスイッチ213C、213Dを接続する。これにより、入力トランジスタおよび参照トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタおよび参照トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0110】
<4.第4の実施の形態>
上述の第3の実施の形態では、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタおよび参照トランジスタとして用いられる各Pチャンネル電界効果トランジスタに並列にスイッチをそれぞれ接続した。この第4の実施の形態では、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタおよび参照トランジスタとして用いられる各Nチャンネル電界効果トランジスタに並列にスイッチをそれぞれ接続する。
【0111】
図12は、第4の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0112】
同図において、このコンパレータは、上述の第3の実施の形態のPチャンネル電界効果トランジスタ210、212A、212B、212C、212DおよびNチャンネル電界効果トランジスタ221、222に代えて、Nチャンネル電界効果トランジスタ310、312A、312B、312C、312DおよびPチャンネル電界効果トランジスタ321、322を備える。第4の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第3の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。なお、Nチャンネル電界効果トランジスタ312C、312Dは、特許請求の範囲に記載の参照トランジスタの一例である。
【0113】
このコンパレータは、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータを構成する。このとき、入力信号CINの入力側は、上述の第2の実施の形態のコンパレータと同様に構成することができる。
【0114】
参照信号DACの入力側において、Nチャンネル電界効果トランジスタ312C、312Dは互いに並列に接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Cのドレインは、スイッチ215Cを介してPチャンネル電界効果トランジスタ321のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Dのドレインは、スイッチ215Dを介してPチャンネル電界効果トランジスタ321のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312C、312Dのソースは、Nチャンネル電界効果トランジスタ310を介して電源電位AVSに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Cは、低ゲインで画素PIX2から読出された画素信号と比較される参照信号DACの入力に用いることができる。Nチャンネル電界効果トランジスタ312Dは、高ゲインで画素PIX2から読出された画素信号と比較される参照信号DACの入力に用いることができる。
【0115】
スイッチ214Cは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Cのゲートとドレインとの間に接続されている。スイッチ214Dは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Dのゲートとドレインとの間に接続されている。
【0116】
スイッチ213Cは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Cに並列に接続されている。スイッチ213Dは、Nチャンネル電界効果トランジスタ312Dに並列に接続されている。
【0117】
スイッチ217Cの出力端は、容量216Cを介してNチャンネル電界効果トランジスタ312Cのゲートに接続されている。スイッチ217Dの出力端は、容量216Dを介してNチャンネル電界効果トランジスタ312Dのゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタ322のドレインからは、コンパレータの出力電圧VOが出力される。
【0118】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0119】
このように、上述の第4の実施の形態では、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタ312A、312Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続する。また、参照トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタ312C、312Dに並列にスイッチ213C、213Dを接続する。これにより、入力トランジスタおよび参照トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタおよび参照トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0120】
<5.第5の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bに並列にスイッチ213A、213Bをそれぞれ接続した。この第5の実施の形態では、Pチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212Aに並列にスイッチ213Aを接続する。
【0121】
図13は、第5の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0122】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータから、Pチャンネル電界効果トランジスタ212B、容量216Bおよびスイッチ215A、213B、214B、215B、217A、217Bが除去されている。このとき、Pチャンネル電界効果トランジスタ212AとNチャンネル電界効果トランジスタ222とは互いに直列に接続される。第5の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0123】
図14は、第5の実施の形態に係るコンパレータの動作時の各部の波形の一例を示すタイミングチャートである。
【0124】
同図において、AD変換前において、オフリーク信号PSAが立ち上がると(t21)、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのソース/ドレイン間電圧は0になる。このとき、コンパレータの出力電圧VOは、ハイレベルに引き上げられる。そして、オフリーク信号PSAが立ち下がると(t22)、参照信号DACとしてランプ波が供給され、AD変換が開始される。
【0125】
このように、上述の第5の実施の形態では、Pチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212Aに並列にスイッチ213Aを接続する。このスイッチ213Aは、出力セトリングアシストに用いることができる。このとき、AD変換前にスイッチ213Aをオンすることにより、コンパレータの出力電圧VOをハイレベルに引き上げることができる。
【0126】
<6.第6の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるPチャンネル電界効果トランジスタ212Aに並列にスイッチ213Aを接続した。この第6の実施の形態では、Nチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタ312Aに並列にスイッチ213Aを接続する。
【0127】
図15は、第6の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0128】
同図において、このコンパレータは、上述の第2の実施の形態のコンパレータから、Nチャンネル電界効果トランジスタ312B、容量216Bおよびスイッチ215A、213B、214B、215B、217A、217Bが除去されている。このとき、Nチャンネル電界効果トランジスタ312AとPチャンネル電界効果トランジスタ322とは互いに直列に接続される。第5の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第2の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0129】
このコンパレータは、上述の第5の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図14のタイミングに従って動作することができる。ただし、このコンパレータでは、参照信号DACとして反転ランプ波を供給することができる。
【0130】
このように、上述の第6の実施の形態では、Nチャンネル1入力片側オートゼロコンパレータにおいて、入力トランジスタとして用いられるNチャンネル電界効果トランジスタ312Aに並列にスイッチ213Aを接続する。これにより、スイッチ213Aを出力セトリングアシストに持ちることができ、AD変換前にコンパレータの出力電圧VOをロウレベルに引き下げることができる。
【0131】
<7.第7の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した。この第7の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続する。
【0132】
図16は、第7の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0133】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のスイッチ213A、213Bに代えて、スイッチ513A、513Bを備える。第7の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0134】
スイッチ513Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのソースに直列に接続される。スイッチ513Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのソースに直列に接続される。各スイッチ513A、513Bは、オフリーク信号PRA、PRBに基づいてオン/オフされる。このとき、Pチャンネル電界効果トランジスタ212AがAD変換に使用され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212BがAD変換に使用されないときは、スイッチ513Aはオンされ、スイッチ513Bはオフされる。Pチャンネル電界効果トランジスタ212BがAD変換に使用され、Pチャンネル電界効果トランジスタ212AがAD変換に使用されないときは、スイッチ513Bはオンされ、スイッチ513Aはオフされる。
【0135】
このように、上述の第7の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタとして用いられる各Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bのソースに直列にスイッチ513A、513Bをそれぞれ接続する。これにより、入力トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に未使用の入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0136】
なお、上述の第7の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続した。この構成は、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよい。
【0137】
<8.第8の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した。この第8の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのゲートとソースとの間にスイッチを接続する。
【0138】
図17は、第8の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0139】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のスイッチ213A、213Bに代えて、スイッチ613A、613Bを備える。第8の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0140】
スイッチ613Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートとソースとの間に接続される。スイッチ613Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートとソースとの間に接続される。
【0141】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0142】
このように、上述の第8の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタとして用いられる各Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bのゲートとソースとの間にスイッチ613A、613Bをそれぞれ接続する。これにより、入力トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に未使用の入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0143】
なお、上述の第8の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続した。この構成は、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよい。
【0144】
<9.第9の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した。この第9の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのゲートをプルダウンするスイッチを設ける。
【0145】
図18は、第9の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0146】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のスイッチ213A、213Bに代えて、スイッチ713A、713Bを備える。第8の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0147】
スイッチ713Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのゲートと電源電位AVSとの間に接続される。スイッチ713Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのゲートと電源電位AVSとの間に接続される。各スイッチ713A、713Bは、各Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bのゲートをプルダウンすることができる。
【0148】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0149】
このように、上述の第9の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタとして用いられる各Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bのゲートと電源電位AVSとの間にスイッチ713A、713Bをそれぞれ接続する。これにより、入力トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に未使用の入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0150】
なお、上述の第9の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続した。この構成は、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよい。
【0151】
<10.第10の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した。この第10の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのドレインを固定電位に接続するスイッチを設ける。
【0152】
図19は、第10の実施の形態に係るコンパレータの構成例を示す図である。
【0153】
同図において、このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のスイッチ213A、213Bに代えて、スイッチ813A、813Bを備える。第10の実施の形態のコンパレータのそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態のコンパレータの構成と同様である。
【0154】
スイッチ813Aは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Aのドレインと固定電位AVD2との間に接続される。スイッチ813Bは、Pチャンネル電界効果トランジスタ212Bのドレインと固定電位AVD2との間に接続される。固定電位AVD2は、任意の電位に設定することができる。
【0155】
このコンパレータは、上述の第1の実施の形態のコンパレータと同様に動作することができる。このとき、このコンパレータは、
図8のタイミングに従って動作することができる。
【0156】
このように、上述の第10の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタとして用いられる各Pチャンネル電界効果トランジスタ212A、212Bのドレインと固定電位AVD2との間にスイッチ813A、813Bをそれぞれ接続する。これにより、入力トランジスタのオートゼロを可能としつつ、AD変換に未使用の入力トランジスタのソース/ドレイン間電圧を安定化させることができ、AD変換に未使用の入力トランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0157】
なお、上述の第10の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタのソースに直列にスイッチを接続した。この構成は、Nチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Pチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよいし、Nチャンネル2入力両側オートゼロコンパレータに適用してもよい。
【0158】
<11.第11の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、Pチャンネル2入力片側オートゼロコンパレータにおいて入力トランジスタに並列にスイッチを接続した。この第11の実施の形態では、画素がマトリックス状に配列された画素アレイ部が設けられた固体撮像装置が形成される半導体チップを積層化する。
【0159】
図20は、第11の実施の形態に係る固体撮像装置の積層例を示す斜視図である。
【0160】
同図において、固体撮像装置は、半導体チップ921、922を備える。半導体チップ922は、半導体チップ921上に積層される。
【0161】
半導体チップ922には、画素アレイ部923が形成される。画素アレイ部923には、画素931がロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に配置される。画素931は、
図3の画素PIXでもよいし、
図4の画素PIX2でもよい。画素アレイ部923の周辺には、パッド電極932およびビア電極933が形成される。ビア電極933は、半導体チップ922を貫通し、半導体チップ921、922同士を電気的に接続することができる。
【0162】
半導体チップ921には、周辺回路924が形成される。周辺回路924には、カラム読出し回路925、カラムADC926、通信インタフェース927および発振回路928が形成される。カラム読出し回路925およびカラムADC926は、画素アレイ部923のカラム方向の両側の位置に対応するように形成してもよい。カラムADC926には、上述の第1から第10の実施の形態のいずれかのコンパレータをカラムごとに設けることができる。
【0163】
このように、上述の第11の実施の形態では、画素アレイ部923が形成される半導体チップ922を、周辺回路924が形成される半導体チップ921上に積層する。これにより、固体撮像装置が形成された半導体チップの実装面積の増大を抑制しつつ、固体撮像装置の感度を増大させることが可能となる。
【0164】
上述の実施の形態では、入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチを2入力オートゼロコンパレータに適用した例を示した。入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチをN(Nは3以上の整数)入力オートゼロコンパレータに適用してもよい。
【0165】
<12.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0166】
図21は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0167】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図21に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0168】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0169】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0170】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0171】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であってもよいし、赤外線等の非可視光であってもよい。
【0172】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0173】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0174】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0175】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0176】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図21の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0177】
図22は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0178】
図22では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0179】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0180】
なお、
図22には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0181】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0182】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0183】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0184】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0185】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031などに適用され得る。具体的には、例えば、上述の第1から第10の実施の形態のコンパレータは、撮像部12031などに適用することができる。車両制御システム12000に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部12031のリーク電流を低減しつつ、ゲインを切り替えることが可能となり、撮像部12031の画質の低下を抑制しつつ、ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0186】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0187】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)入力信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチと
を備えるコンパレータ。
(2)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(3)前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、
前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされる
前記(2)に記載のコンパレータ。
(4)前記第1入力トランジスタのゲートに直列に接続される第1容量と、
前記第2入力トランジスタのゲートに直列に接続される第2容量と、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第1オートゼロスイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続される第2オートゼロスイッチと
をさらに備える前記(2)または(3)に記載のコンパレータ。
(5)前記第1オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオフ、前記第2スイッチはオンされ、
前記第2オートゼロスイッチがオンされるときは、前記第1スイッチはオン、前記第2スイッチはオフされる
前記(4)に記載のコンパレータ。
(6)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、
前記参照信号が入力される第2参照トランジスタと
を備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、
前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、
前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(7)前記入力信号が前記第1入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第1参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオフ、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオンされ、
前記入力信号が前記第2入力トランジスタに切り替えられ、前記参照信号が前記第2参照トランジスタに切り替えられるときは、前記第1スイッチおよび前記第3スイッチはオン、前記第2スイッチおよび前記第4スイッチはオフされる
前記(6)に記載のコンパレータ。
(8)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(9)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(10)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(11)前記比較部は、
前記入力信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記入力信号が入力される第2入力トランジスタと
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチと
を備える前記(1)に記載のコンパレータ。
(12)入力トランジスタに入力される入力信号と、参照トランジスタに入力される参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタに並列に接続されたスイッチと
を備えるコンパレータ。
(13)ロウ方向およびカラム方向にマトリックス状に画素が配置された画素アレイ部と、
前記画素から読出された画素信号と参照信号との比較結果に基づいてカラムごとにAD(Analog to Digital)変換するカラムADC部とを備え、
前記カラムADC部は、
前記画素信号が入力される複数の入力トランジスタを切り替えて前記参照信号と比較する比較部と、
前記入力トランジスタの切替に基づいて非アクティブ化される入力トランジスタに流れるリーク電流を防止するスイッチと
を備える撮像装置。
(14)前記画素信号は、互いに異なるゲインで前記画素から読出された第1画素信号および第2画素信号を含む
前記(13)に記載の撮像装置。
(15)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
(16)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される第1参照トランジスタと、
前記参照信号が入力される第2参照トランジスタと
を備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタに並列に接続された第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタに並列に接続された第2スイッチと、
前記第1参照トランジスタに並列に接続された第3スイッチと、
前記第2参照トランジスタに並列に接続された第4スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
(17)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインに直列に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのソースに直列に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインに直列に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのソースに直列に接続された第4スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
(18)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第1スイッチと、
前記第1入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとドレインとの間に接続された第3スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第4スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
(19)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのドレインを固定電位に接続する第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのドレインを前記固定電位に接続する第2スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
(20)前記比較部は、
前記第1画素信号が入力される第1入力トランジスタと、
前記第2画素信号が入力される第2入力トランジスタと、
前記参照信号が入力される参照トランジスタとを備え、
前記スイッチは、
前記第1入力トランジスタのゲートをプルダウンする第1スイッチと、
前記第2入力トランジスタのゲートをプルダウンする第2スイッチと
を備える前記(14)に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0188】
100 撮像装置
101 光学系
102 固体撮像装置
103 撮像制御部
104 画像処理部
105 記憶部
106 表示部
107 操作部
108 バス
111 画素アレイ部
112 垂直走査回路
113 カラム読出し回路
114 カラム信号処理部
115 水平走査回路
116 制御回路
121 フォトダイオード
122 転送トランジスタ
123 リセットトランジスタ
124 増幅トランジスタ
125 選択トランジスタ
PIX 画素
HSL 水平駆動線
VSL 垂直信号線
210、211、212A、212B Pチャンネル電界効果トランジスタ
221、222 Nチャンネル電界効果トランジスタ
213A、214A、215A、217A、213B、214B、215B、217B、223、224 スイッチ
216A、216B 容量