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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160725
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】センサ及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/09 20060101AFI20241108BHJP
   G01R 33/02 20060101ALI20241108BHJP
   H10N 50/20 20230101ALI20241108BHJP
【FI】
G01R33/09
G01R33/02 V
H10N50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075941
(22)【出願日】2023-05-02
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/超高感度センサシステムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】喜々津 哲
(72)【発明者】
【氏名】東 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 聡志
【テーマコード(参考)】
2G017
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AA10
2G017AC07
2G017AD55
2G017BA03
2G017BA09
2G017BA12
2G017BA15
5F092AA15
5F092AB01
5F092AC06
5F092BB31
5F092EA01
5F092FA08
(57)【要約】
【課題】特性の向上が可能なセンサ及び検査装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、センサは、第1、第2磁性領域、第1、第2対向磁性領域、第1、第2素子、導電部材、第1、第2端子を含む。前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含む。前記第1導電領域は、第1素子の第1部分に対応する第1導電部分と、第1素子の第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含む。前記第2導電領域は、第2素子の第2部分に対応する第2導電部分と、第2素子の第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含む。前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と連続する。前記第1端子は、前記第1他導電部分及び前記第2導電部分と電気的に接続される。前記第2端子は、前記第1導電部分及び前記第2他導電部分と電気的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と連続した、前記導電部材と、
前記第1他導電部分及び前記第2導電部分と電気的に接続された第1端子と、
前記第1導電部分及び前記第2他導電部分と電気的に接続された第2端子と、
を備えたセンサ。
【請求項2】
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と離れ、前記第1導電部分は前記第2導電部分と接続された、前記導電部材と、
前記第1他導電部分と電気的に接続された第1端子と、
前記第2他導電部分と電気的に接続された第2端子と、
を備えたセンサ。
【請求項3】
交流回路を含む制御部をさらに備え、
前記交流回路は、前記第1端子と前記第2端子との間に交流成分を含む導電部材電流を供給可能である、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記導電部材に交流成分を含む導電部材電流が供給された場合に、前記導電部材電流が前記第1他導電部分から前記第1導電部分への向きを有するとき、前記導電部材電流は前記第2導電部分から前記第2他導電部分への向きを有する、前記導電部材と、
を備えたセンサ。
【請求項5】
交流回路を含む制御部をさらに備え、
前記交流回路は、前記導電部材に導電部材電流を供給可能である、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記制御部は、素子電流回路及び検出回路をさらに備え、
前記素子電流回路は、前記第1部分及び前記第3部分の第1接続点と、前記第2他部分及び前記第4他部分の第2接続点と、の間に素子電流を供給可能であり、
前記検出回路は、前記第3他部分及び前記第2部分の第3接続点と、前記第1他部分及び前記第4部分の第4接続点と、の間に生じる検出信号を検出可能である、請求項3記載のセンサ。
【請求項7】
前記検出回路は、前記導電部材電流の周波数に基づいて前記検出信号を処理した出力信号を出力可能である、請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記第1素子及び前記第2素子に沿って延びる導電層をさらに備え、
前記制御部は、前記導電層に直流成分を含む導電層電流を供給可能である、請求項3に記載のセンサ。
【請求項9】
前記導電部材電流に基づく磁界は、前記第1方向の成分を含む、請求項3に記載のセンサ。
【請求項10】
請求項1に記載のセンサと、
前記センサから得られる信号を処理する処理部と、
を備えた検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、磁性層を用いたセンサがある。センサにおいて、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-155719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性の向上が可能なセンサ及び検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、センサは、第1磁性領域、第1対向磁性領域、第1素子、第2磁性領域、第2対向磁性領域、第2素子、導電部材、第1端子及び第2端子を含む。前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れる。前記第1素子は、第1磁性層を含む。前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含む。前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差する。前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う。前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れる。前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う。前記第2素子は、第2磁性層を含む。前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含む。前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う。前記第3素子は、第3部分及び第3他部分を含む。前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続される。前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続される。前記第4素子は、第4部分及び第4他部分を含む。前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続される。前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続される。前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含む。前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含む。前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含む。前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と連続する。前記第1端子は、前記第1他導電部分及び前記第2導電部分と電気的に接続される。前記第2端子は、前記第1導電部分及び前記第2他導電部分と電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。
図5図5は、参考例に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図6図6は、センサの特性を例示するグラフである。
図7図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図9図9は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図10図10は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図11図11は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図12図12(a)及び図12(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図13図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図14図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図15図15(a)及び図15(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図17図17は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図18図18は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図19図19は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図20図20は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図21図21は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図22図22は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図23図23は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図24図24は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図25図25(a)及び図25(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図26図26は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図27図27は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的図である。
図28図28は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的斜視図である。
図29図29は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的平面図である。
図30図30は、実施形態に係るセンサ及び検査装置を示す模式図である。
図31図31は、実施形態に係る検査装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1及び図2は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図3(a)は、図1のE1-E2線断面図である。図3(b)は、図1のF1-F2線断面図である。
【0009】
図1に示すように、実施形態に係るセンサ110は、素子部10Eを含む。素子部10Eは、第1磁性領域51、第1対向磁性領域51A、第1素子11、第2磁性領域52、第2対向磁性領域52A、第2素子12、第3素子13、第4素子14、導電部材20、第1端子25A、及び、第2端子25Bを含む。
【0010】
第1対向磁性領域51Aは、第1磁性領域51から第1対向磁性領域51Aへの第1方向D1において、第1磁性領域51から離れる。
【0011】
第1方向D1をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0012】
図3(a)に示すように、第1素子11は、第1磁性層11a及び第1対向磁性層11bを含む。第1素子11は、磁性素子である。第1素子11は、第1非磁性層11nを含んで良い。第1非磁性層11nは、第1磁性層11aと第1対向磁性層11bとの間に設けられる。第1非磁性層11nは、例えばCuなどを含む。第1素子11は、例えばGMR(Giant Magnetoresistive effect)素子である。
【0013】
第1素子11の少なくとも一部の第1方向D1における位置は、第1磁性領域51の第1方向D1における位置と、第1対向磁性領域51Aの第1方向D1における位置と、の間にある。
【0014】
図3(a)に示すように、第1磁性領域51と第1対向磁性領域51Aとの間に、領域51Sが存在する。Z軸方向において、第1素子11の少なくとも一部は、領域51Sと重なる。後述するように、第1素子11の一部は、Z軸方向において第1磁性領域51と重なっても良い。後述するように、第1素子11の一部は、Z軸方向において第1対向磁性領域51Aと重なっても良い。
【0015】
図3(a)に示すように、第1磁性領域51、第1対向磁性領域51A、第1素子11及び第3素子13の互いの間に絶縁部材81が設けられても良い。領域51Sに絶縁部材81が設けられて良い。
【0016】
図3(a)に示すように、この例では、第1素子11は、第3方向D3において、第1磁性領域51及び第1対向磁性領域51Aから離れている。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。
【0017】
図1に示すように、第1素子11は、第1部分11e及び第1他部分11fを含む。第1部分11eから第1他部分11fへの第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第2方向D2、例えば、Y軸方向である。
【0018】
第1磁性領域51から第2磁性領域52への方向は、第2方向D2に沿う。第2磁性領域52は、第1磁性領域51から離れても良い。第2磁性領域52は、第1磁性領域51と連続しても良い。第2磁性領域52が第1磁性領域51と連続する場合、これらの領域の境界は明確でも不明確でも良い。
【0019】
第2対向磁性領域52Aは、第1方向D1において第2磁性領域52から離れる。第1対向磁性領域51Aから第2対向磁性領域52Aへの方向は、第2方向D2に沿う。第2対向磁性領域52Aは、第1対向磁性領域51Aから離れても良い。第2対向磁性領域52Aは、第1対向磁性領域51Aと連続しても良い。第2対向磁性領域52Aが第1対向磁性領域51Aと連続する場合、これらの領域の境界は明確でも不明確でも良い。
【0020】
図3(b)に示すように、第2素子12は、第2磁性層12a及び第2対向磁性層12bを含む。第2素子12は、磁性素子である。第2素子12は、第2非磁性層12nを含んで良い。第2非磁性層12nは、第2磁性層12aと第2対向磁性層12bとの間に設けられる。第2非磁性層12nは、例えばCuなどを含む。第2素子12は、例えばGMR素子である。
【0021】
第2素子12の少なくとも一部の第1方向D1における位置は、第2磁性領域52の第1方向D1における位置と、第2対向磁性領域52Aの第1方向D1における位置と、の間にある。
【0022】
図3(b)に示すように、第2磁性領域52と第2対向磁性領域52Aとの間に、領域52Sが存在する。Z軸方向において、第2素子12の少なくとも一部は、領域52Sと重なる。後述するように、第2素子12の一部は、Z軸方向において第2磁性領域52と重なっても良い。後述するように、第2素子12の一部は、Z軸方向において第2対向磁性領域52Aと重なっても良い。
【0023】
図3(b)に示すように、第2磁性領域52、第2対向磁性領域52A、第2素子12及び第4素子14の互いの間に絶縁部材81が設けられても良い。領域52Sに絶縁部材81が設けられて良い。
【0024】
図3(b)に示すように、この例では、第2素子12は、第3方向D3において、第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aから離れている。
【0025】
第2素子12は、第2部分12e及び第2他部分12fを含む。第2部分12eから第2他部分12fへの方向は、第2方向D2に沿う。
【0026】
第3素子13は、第3部分13e及び第3他部分13fを含む。第3部分13eは第1部分11eと電気的に接続される。第3他部分13fは第2部分12eと電気的に接続される。この例では、第3素子13は、第3磁性層13aを含む。
【0027】
第4素子14は、第4部分14e及び第4他部分14fを含む。第4部分14eは第1他部分11fと電気的に接続される。第4他部分14fは第2他部分12fと電気的に接続される。この例では、第4素子14は、第4磁性層14aを含む。
【0028】
例えば、配線78aにより、第3部分13eが第1部分11eと電気的に接続される。配線78bにより、第3他部分13fは第2部分12eと電気的に接続される。配線78cにより、第4部分14eは第1他部分11fと電気的に接続される。配線78dにより、第4他部分14fは第2他部分12fと電気的に接続される。
【0029】
上記のように、素子部10Eは、4つの素子を含む。4つの素子はブリッジ接続される。ブリッジ接続により、より高い精度の検出が可能になる。
【0030】
検出対象磁界Hs(図1参照)が、第1磁性領域51及び第1対向磁性領域51Aにより集められる。集められた検出対象磁界Hsが効率良く第1素子11に印加される。検出対象磁界Hsが、第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aにより集められる。集められた検出対象磁界Hsが効率良く第2素子12に印加される。磁性領域及び対向磁性領域は、MFC(Magnetic Flux Concentrator)として機能する。
【0031】
第1素子11の電気抵抗、及び、第2素子12の電気抵抗は、素子部10Eの周りの磁界(検出対象磁界Hs)に応じて変化可能である。
する。
【0032】
一方、第3素子13及び第4素子14には、MFCにより集められた磁界が実質的に印加されない。第3素子13の電気抵抗、及び、第4素子14の電気抵抗は、素子部10Eの周りの磁界(検出対象磁界Hs)が変化しても、実質的に変化しない。第3素子13の電気抵抗の検出対象磁界Hsに対する変化、及び、第4素子14の電気抵抗の検出対象磁界Hsに対する変化は、第1素子11の電気抵抗の検出対象磁界Hsに対する変化よりも小さく、第2素子12の電気抵抗の検出対象磁界Hsに対する変化よりも小さい。
【0033】
このような構成のブリッジ回路により、第1素子11の電気抵抗の変化、及び、第2素子12の電気抵抗の変化が検出される。これにより、検出対象磁界Hsが高い精度で検出できる。
【0034】
図2において、図1の一部が抜き出されて描かれている。図2に示すように、導電部材20は、第1導電領域21及び第2導電領域22を含む。第1導電領域21は、第1部分11eに対応する第1導電部分21eと、第1他部分11fに対応する第1他導電部分21fと、を含む。第2導電領域22は、第2部分12eに対応する第2導電部分22eと、第2他部分12fに対応する第2他導電部分22fと、を含む。この例では、第1他導電部分21fは、第2導電部分22eと連続する。
【0035】
図2に示すように、第1端子25Aは、第1他導電部分21f及び第2導電部分22eと電気的に接続される。第2端子25Bは、第1導電部分21e及び第2他導電部分22fと電気的に接続される。
【0036】
例えば、第1端子25Aと第2端子25Bとの間に電流(導電部材電流Iac)が供給される。導電部材電流Iacは、交流成分を含む。
【0037】
図1に示すように、例えば、制御部70が設けられて良い。制御部70は、センサ110に含まれても良い。制御部70は、センサ110とは別に設けられても良い。制御部70は、交流回路73を含む。交流回路73は、交流成分を含む導電部材電流Iacを第1端子25A及び第2端子25Bを介して導電部材20に供給可能である。
【0038】
導電部材20に交流成分を含む導電部材電流Iacが供給された場合の1つの状態(図2参照)において、導電部材電流Iacが第1他導電部分21fから第1導電部分21eへの向きを有する。このとき、導電部材電流Iacは第2導電部分22eから第2他導電部分22fへの向きを有する。
【0039】
すなわち、第1導電領域21及び第2導電領域22において、逆位相の交流電流が流れる。逆位相の交流電流に基づく交流磁界Hacが、第1素子11及び第2素子12に加わる。交流磁界Hacに基づいて、第1素子11の第1電気抵抗、及び、第2素子12の第2電気抵抗が変化する。交流磁界Hacに基づく電気抵抗の変化の増減は、これらの素子において逆になる。位相が反転した交流磁界Hacがこれらの素子に加わる。
【0040】
第1素子11及び第2素子12には、上記の検出対象磁界Hsに加えて、上記の交流磁界Hacが印加される。第1素子11の第1電気抵抗、及び、第2素子12の第2電気抵抗は、検出対象磁界Hs及び交流磁界Hacに応じて変化する。以下、1つの素子の電気抵抗の変化の例について説明する。
【0041】
図4は、第1実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。
図4の横軸は、素子に印加される磁界Hである。縦軸は、素子から得られる信号Vである。信号Vは、電気抵抗に対応する。図4に示すように、素子から得られる信号V(電気抵抗)は、印加される磁界Hに対して偶関数で変化する。
【0042】
このような特性を有する素子に、交流磁界Hac及び検出対象磁界Hsが印加される。交流磁界Hacの周波数を「f」としたとき、素子から得られる信号Vは、1fの周波数の成分と、2fの周波数の成分を含む。1fの周波数の成分は、検出対象磁界Hsに基づく。2fの周波数の成分は、交流磁界Hacに基づく。
【0043】
図4に示すような特性が、第1素子11及び第2素子12において生じる。このとき、上記のように、第1素子11に加わる交流磁界Hacと、第2素子12に加わる交流磁界Hacにおいて、位相が反転する。これにより、第1素子11及び第2素子12の組みにおいて得られる信号Vから、2fの周波数の成分が除去される。これにより、検出対象磁界Hsに基づく1fの周波数の成分が効率的に抽出できる。1fの周波数の成分を増幅することで、高い信号強度が容易に得られる。高いSN比が得られる。実施形態によれれば、特性の向上が可能なセンサを提供できる。信号Vは、第1素子11及び第2素子12を含むブリッジ回路から得られる信号で良い。
【0044】
図1に示すように、素子電流回路71及び検出回路72が設けられて良い。例えば、素子電流回路71及び検出回路72は、センサ110に含まれて良い。
【0045】
素子電流回路71は、第1部分11e及び第3部分13eの第1接続点CP1と、第2他部分12f及び第4他部分14fの第2接続点CP2と、の間に素子電流Ieを供給可能である。
【0046】
検出回路72は、第3他部分13f及び第2部分12eの第3接続点CP3と、第1他部分11f及び第4部分14eの第4接続点CP4と、の間に生じる検出信号Sig1を検出可能である。
【0047】
素子電流回路71及び検出回路72は、例えば、制御部70に含まれて良い。制御部70(例えば検出回路72)から検出信号Sig1に基づく出力信号Sig2が出力される。
【0048】
検出回路72は、導電部材電流Iacの周波数に基づいて、検出信号Sig1を処理した出力信号Sig2を出力可能である。検出回路72は、検出信号Sig1の内の1fの周波数の成分に対応する値を出力信号Sig2として出力可能である。出力信号Sig2は、検出対象磁界Hsを反映している。検出回路72は、例えば、フィルタ回路を含んで良い。検出回路72は、例えば、ロックインアンプ回路を含んで良い。ロックインアンプ回路は、導電部材電流Iacの周波数を参照して、検出信号Sig1を処理する。
【0049】
実施形態において、ブリッジ回路の対角の位置に、第1素子11及び第2素子12が設けられる。第1素子11及び第2素子12が検出素子として機能する。第3素子13及び第4素子14が、ブリッジ回路の別の対角の位置に設けられる。第3素子13及び第4素子14は、参照抵抗として機能する。
【0050】
実施形態においては、検出素子として機能する、第1素子11及び第2素子12のそれぞれに、MFCが設けられる。一方、参照抵抗として機能する、第3素子13及び第4素子14にはMFCは設けられない。これにより素子部10Eが小型である。例えば、高い空間分解能での検出が可能である。
【0051】
図5は、参考例に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図5に示すように、参考例に係るセンサ119は、4つの素子、4つの磁性領域、及び、4つの対向磁性領域を含む。複数の磁性領域は、MFCとして機能する。第1素子11は、第1磁性領域51と第1対向磁性領域51Aとの間の領域と重なる。第2素子12は、第2磁性領域52と第2対向磁性領域52Aとの間の領域と重なる。第3素子13は、第3磁性領域53と第3対向磁性領域53Aとの間の領域と重なる。第4素子14は、第4磁性領域54と第4対向磁性領域54Aとの間の領域と重なる。4つの素子がブリッジ接続される。
【0052】
センサ119においては、4つの素子のそれぞれ電気抵抗が検出対象磁界Hsに応じて変化する。センサ119においては、高い出力信号が得られる。しかしながら、センサ119において、第1素子11及び第2素子12がブリッジ回路の対角に設けられる。第3素子13及び第4素子14がブリッジ回路の対角に設けられる。センサ119においては、第1素子11と第2素子12との間の第1方向D1(例えばX軸方向)に沿う距離が長い。センサ119において、高い空間分解能を得ることが困難である。
【0053】
これに対して、実施形態に係るセンサ110においては、第3素子13及び第4素子14においてMFCが省略される。これにより、第1素子11と第2素子12との間の第1方向D1に沿う距離を短くできる。センサ110において、センサ119よりも高い空間分解能を得ることができる。
【0054】
センサ110においては、第3素子13の電気抵抗及び第4素子14の電気抵抗は、検出対象磁界Hsに対して実質的に変化しない。このため、センサ110における出力信号は、センサ119における出力信号よりも低い。しかしながら、センサ110における検出の空間分解能は、センサ119における検出の空間分解能よりも高い。例えば、高い位置精度で検出対象磁界Hsを検出することができる。実施形態によれば、特性の向上が可能なセンサを提供できる。
【0055】
図6は、センサの特性を例示するグラフである。
図6の横軸は、検出対象磁界Hsを発生する検出対象物質と素子部10Eとの間の距離dZである。縦軸は、パラメータFWHM(Full Width at Half Maximum)である。FWHMは、有限要素法によって算出されたX軸方向の感度分布関数におけるピーク値の半値における全幅である。小さいFWHMは、高い空間分解能に対応する。図4には、センサ110の特性及びセンサ119の特性が例示されている。
【0056】
図6に示すように、センサ110において、センサ119よりも小さいFWHMが得られる。特に、高い空間分解能での観察において、距離dZが短い場合に、この特性の差が顕著である。実施形態によれば、高い空間分解能の検出が可能である。
【0057】
例えば、図1に例示するように、センサ110において、第1素子11から第2素子12への方向は、第2方向D2に沿う。より高い空間分解能が得やすい。
【0058】
図3(a)に示すように、実施形態に係るセンサ110において、第3素子13は、第3磁性層13a及び第3対向磁性層13bを含む。第3素子13は、第3磁性層13aと第3対向磁性層13bとの間に設けられた第3非磁性層13nを含んで良い。
【0059】
図3(b)に示すように、第4素子14は、第4磁性層14a及び第4対向磁性層14bを含む。第4素子14は、第4磁性層14aと第4対向磁性層14bとの間に設けられた第4非磁性層14nを含んで良い。
【0060】
第3素子13及び第4素子14は、例えば、GMR素子である。第3素子13は、例えば、第1素子11に含まれる材料を同じ材料を含む。第4素子14は、例えば、第2素子12に含まれる材料を同じ材料を含む。簡単なプロセスによりこれらの素子が得られる。上記を除くセンサ111の構成は、センサ110の構成と同様で良い。
【0061】
第1磁性層11aから第1対向磁性層11bへの方向は、第3方向D3に沿う。既に説明したように、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。第2磁性層12aから第2対向磁性層12bへの方向は、第3方向D3に沿う。第3磁性層13aから第3対向磁性層13bへの方向は、第3方向D3に沿う。第4磁性層14aから第4対向磁性層14bへの方向は、第3方向D3に沿う。
【0062】
図7(a)及び図7(b)は、第1実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
図7(a)に示すように、例えば、第1素子11の第2方向D2に沿う長さL11は、第1素子11の第1方向D1に沿う長さW11よりも長い。このような形状により、第1磁性層11aの磁化及び第1対向磁性層11bの磁化が、より安定する。図7(b)に示すように、第2素子12の第2方向D2に沿う長さL12は、第2素子12の第1方向D1に沿う長さW12よりも長い。このような形状により、第2磁性層12aの磁化及び第2対向磁性層12bの磁化が、より安定する。
【0063】
第1磁性層11a及び第1対向磁性層11bの一方は、磁化自由層である。第1磁性層11a及び第1対向磁性層11bの他方は、磁化参照層である。第2磁性層12a及び第2対向磁性層12bの一方は、磁化自由層である。第2磁性層12a及び第2対向磁性層12bの他方は、磁化参照層である。
【0064】
第1磁性層11a、第1対向磁性層11b、第2磁性層12a及び第2対向磁性層12bは、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0065】
図8は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図8に示すように、センサ110において、第1磁性領域51は、第1外側部51o及び第1内側部51iを含む。第1対向磁性領域51Aは、第1対向内側部51Ai及び第1対向外側部51Aoを含む。第1内側部51iは、第1外側部51oと第1対向外側部51Aoとの間にある。第1対向内側部51Aiは、第1内側部51iと第1対向外側部51Aoとの間にある。
【0066】
この例では、第1内側部51iの第2方向D2に沿う長さLi1は、第1外側部51oの第2方向D2に沿う長さLo1よりも短い。第1対向内側部51Aiの第2方向D2に沿う長さLAi1は、第1対向外側部51Aoの第2方向D2に沿う長さLAo1よりも短い。
【0067】
第2磁性領域52は、第2外側部52o及び第2内側部52iを含む。第2対向磁性領域52Aは、第2対向内側部52Ai及び第2対向外側部52Aoを含む。第2内側部52iは、第2外側部52oと第2対向外側部52Aoとの間にある。第2対向内側部52Aiは、第2内側部52iと第2対向外側部52Aoとの間にある。
【0068】
第2内側部52iの第2方向D2に沿う長さLi2は、第2外側部52oの第2方向D2に沿う長さLo2よりも短い。第2対向内側部52Aiの第2方向D2に沿う長さLAi2は、第2対向外側部52Aoの第2方向D2に沿う長さLAo2よりも短い。
【0069】
内側部の長さ(長さLi1、長さLAi1、長さLi2及び長さLAi2)が外側部の長さよりも短いことで、検出対象磁界Hsがより効果的に集中して第1素子11及び第2素子12に印加される。より高い感度が得られる。
【0070】
例えば、第1外側部51oは、第1磁性領域51の外側の端部で良い。第1内側部51iは、第1磁性領域51の内側の端部で良い。第1対向外側部51Aoは、第1対向磁性領域51Aの外側の端部で良い。第1対向内側部51Aiは、第1対向磁性領域51Aの内側の端部で良い。
【0071】
例えば、第2外側部52oは、第2磁性領域52の外側の端部で良い。第2内側部52iは、第2磁性領域52の内側の端部で良い。第2対向外側部52Aoは、第2対向磁性領域52Aの外側の端部で良い。第2対向内側部52Aiは、第2対向磁性領域52Aの内側の端部で良い。
【0072】
実施形態において、内側部の長さ(長さLi1、長さLAi1、長さLi2及び長さLAi2)が外側部の長さ(長さLo1、長さLAo1、長さLo2及び長さLAo2)と実質的に同じでも良い。製造が容易である。低コストの製造が可能になる。
【0073】
図8に示すように、センサ110において、第1磁性領域51の第1方向D1における位置、及び、第1対向磁性領域51Aの第1方向D1における位置の少なくともいずれかは、第3素子13の第1方向D1における位置と、第4素子14の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0074】
図8に示すように、第2磁性領域52の第1方向D1における位置、及び、第2対向磁性領域52Aの第1方向D1における位置の少なくともいずれかは、第3素子13の第1方向D1における位置と、第4素子14の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0075】
以下、センサの構成についてのいくつかの例について説明する。以下では、導電部材20などの一部の要素が適宜省略されて図示される。
【0076】
図9は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図9に示すように、実施形態に係るセンサ110pにおいて、複数の磁性領域(第1磁性領域51など)の辺は、カーブしている。この例では、カーブは、凸状である。
【0077】
図10は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図10に示すように、実施形態に係るセンサ110qにおいて、複数の磁性領域(第1磁性領域51など)の辺は、カーブしている。この例では、カーブは、凹状である。
【0078】
センサ110p及びセンサ110qにおいて、磁性領域の辺がカーブしていることで、例えば、端部における磁区の発生が抑制される。これにより、ノイズが抑制される。加工において高い歩留まりを得易い。
【0079】
図11は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図11に示すように、実施形態に係るセンサ110rにおいて、複数の磁性領域のそれぞれにおいて、第2方向D2の長さは、実施形態に一定である。このようなセンサ110rにおいても、特性の向上が可能である。
【0080】
図12(a)及び図12(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図12(a)に示すように、実施形態に係るセンサ110aにおいて、第1素子11の1つの端部の第1方向D1における位置は、第1磁性領域51の端部の第1方向D1における位置と重なる。第1素子11の別の端部の第1方向D1における位置は、第1対向磁性領域51Aの端部の第1方向D1における位置と重なる。
【0081】
図12(b)に示すように、実施形態に係るセンサ110aにおいて、第2素子12の1つの端部の第1方向D1における位置は、第2磁性領域52の端部の第1方向D1における位置と重なる。第2素子12の別の端部の第1方向D1における位置は、第2対向磁性領域52Aの端部の第1方向D1における位置と重なる。
【0082】
図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図13(a)に示すように、実施形態に係るセンサ110bにおいて、第1素子11は、第1方向D1において第1磁性領域51及び第1対向磁性領域51Aの少なくともいずれかと重なる。第3素子13は、第1方向D1において第1磁性領域51及び第1対向磁性領域51Aの少なくともいずれかと重なって良い。
【0083】
図13(b)に示すように、第2素子12は、第1方向D1において第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aの少なくともいずれかと重なる。第4素子14は、第1方向D1において第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aの少なくともいずれかと重なって良い。上記を除くセンサ110bの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0084】
図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図14(a)に示すように、実施形態に係るセンサ110cにおいて、第1素子11の一部は、第3方向D3において、第1磁性領域51及び第1対向磁性領域51Aの少なくともいずれかと重なる。既に説明したように、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。
【0085】
図14(b)に示すように、第2素子12の一部は、第3方向D3において、第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aの少なくともいずれかと重なる。上記を除くセンサ110cの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0086】
図15(a)及び図15(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図15(a)及び図15(b)に示すように、実施形態に係るセンサ110dにおいて、磁性領域のZ軸方向における厚さが変化する。これを除くセンサ110dの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0087】
図15(a)に示すように、センサ110dにおいて、第1磁性領域51において、第1内側部51iの第3方向D3に沿う長さti1は、第1外側部51oの第3方向D3に沿う長さto1よりも短い。第1対向内側部51Aiの第3方向D3に沿う長さtAi1は、第1対向外側部51Aoの第3方向D3に沿う長さtAo1よりも短い。
【0088】
図15(b)に示すように、第2内側部52iの第3方向D3に沿う長さti2は、第2外側部52oの第3方向D3に沿う長さto2よりも短い。第2対向内側部52Aiの第3方向D3に沿う長さtAi2は、第2対向外側部52Aoの第3方向D3に沿う長さtAo2よりも短い。
【0089】
内側部の厚さ(第3方向D3に沿う長さ)が外側部の厚さよりも短いことで、検出対象磁界Hsがより効果的に集中して第1素子11及び第2素子12に印加される。より高い感度が得られる。
【0090】
図16(a)及び図16(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図16(a)及び図16(b)に示すように、実施形態に係るセンサ110eにおいて、第3素子13及び第4素子14の構成が、センサ110における第3素子13及び第4素子14の構成と異なる。これを除くセンサ110eの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0091】
センサ110eにおいては、第3素子13及び第4素子14のそれぞれは、抵抗部材で良い。第3素子13及び第4素子14のそれぞれは、磁性層を含む抵抗部材でも良い。
【0092】
第3素子13及び第4素子14のそれぞれが抵抗部材である場合、これらの素子は、制御部70などに設けられて良い。例えば、第3素子13及び第4素子14は、素子電流回路71に含まれても良い。または、第3素子13及び第4素子14は、素子部10E及び制御部70とは別に設けられても良い。この場合も、高いSN比が得られる。
【0093】
図17は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図17に示すように、実施形態に係るセンサ110fにおいて、第3素子13及び第4素子14の位置が、センサ110における第3素子13及び第4素子14の位置と異なる。これを除くセンサ110fの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0094】
センサ110fにおいて、第1磁性領域51の第2方向D2における位置、及び、第2磁性領域52の第2方向D2における位置は、第3素子13の第2方向D2における位置と、第4素子14の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0095】
図18は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図18に示すように、実施形態に係るセンサ110gにおいて、第3素子13及び第4素子14の位置が、センサ110における第3素子13及び第4素子14の位置と異なる。これを除くセンサ110gの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0096】
センサ110gにおいて、第1素子11から第2素子12への方向は、第2方向D2に沿う。第3素子13から第1素子11への方向は、第2方向D2に沿う。第2素子12から第4素子14への方向は、第2方向D2に沿う。
【0097】
図19は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図19に示すように、実施形態に係るセンサ110hにおいて、第3素子13及び第4素子14の位置が、センサ110における第3素子13及び第4素子14の位置と異なる。これを除くセンサ110hの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0098】
センサ110hにおいて、第3素子13の第2方向D2における位置、及び、第4素子14の第2方向D2における位置の少なくともいずれかは、第1磁性領域51の第2方向D2における位置と、第2磁性領域52の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0099】
上記の各種のセンサにおいては、第1素子11の少なくとも一部の第1方向D1における位置、及び、第2素子12の少なくとも一部の第1方向D1における位置の少なくともいずれかは、第3素子13の第1方向D1における位置と、第4素子14の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0100】
上記の各種のセンサにおいて、第3素子13及び第4素子14は、第3方向D3において、第1磁性領域51、第1対向磁性領域51A、第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aと重ならない。
【0101】
図20は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図20に示すように、実施形態に係るセンサ110iにおいて、第3素子13及び第4素子14の位置が、センサ110における第3素子13及び第4素子14の位置と異なる。これを除くセンサ110iの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0102】
センサ110iにおいて、第3素子13は、第3方向D3において、第2対向磁性領域52Aと重なる。第4素子14は、第3方向D3において、第1磁性領域51と重なる。例えば、小さい素子部10Eが得やすい。
【0103】
実施形態において、第3素子13及び第4素子14の少なくともいずれかは、第3方向D3において、第1磁性領域51、第1対向磁性領域51A、第2磁性領域52及び第2対向磁性領域52Aの少なくともいずれかと重なって良い。
【0104】
上記のセンサにおいても、高い空間分解能が得られる。特性の向上が可能なセンサが提供できる。
【0105】
図21は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図21に示すように、実施形態に係るセンサ110jにおいて、第2素子12の第1方向D1における位置は、第1素子11の第1方向D1における位置と異なる。第2素子12は、第1素子11からシフトしても良い。これを除くセンサ110jの構成は、センサ110などの構成と同様で良い。
【0106】
センサ110jにおいて、第1素子11の第1方向D1における位置と、第2素子12の第1方向D1における位置と、の間の第1方向D1に沿う距離(シフト量)は、第1磁性領域51の第1方向D1における長さの0.3倍以下で良い。
【0107】
図22は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図22に示すように、実施形態に係るセンサ110kにおいても、第2素子12の第1方向D1における位置は、第1素子11の第1方向D1における位置と異なる。センサ110kにおいて、第1外側部51oの第1方向D1における位置は、第2外側部52oの第1方向D1における位置と実質的に同じで良い。第1対向外側部51Aoの第1方向D1における位置は、第2対向外側部52Aoの第1方向D1における位置と実質的に同じで良い。これを除くセンサ110kの構成は、センサ110jの構成と同様で良い。
【0108】
図23は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図23に示すように、実施形態に係るセンサ111において、導電部材20及び端子の構成が、センサ110におけるそれらの構成と異なる。これを除くセンサ111の構成は、センサ110の構成と同様で良い。
【0109】
センサ111において、導電部材20は、第1導電領域21及び第2導電領域22を含む。第1導電領域21は、第1部分11eに対応する第1導電部分21eと、第1他部分11fに対応する第1他導電部分21fと、を含む。第2導電領域22は、第2部分12eに対応する第2導電部分22eと、第2他部分12fに対応する第2他導電部分22fと、を含む。第1他導電部分21fは、第2導電部分22eと離れる。第1導電部分21eは第2導電部分22eと接続される。第1端子25Aは、第1他導電部分21fと電気的に接続される。第2端子25Bは、第2他導電部分22fと電気的に接続される。
【0110】
図23に示すように、交流回路73を含む制御部70が設けられて良い。交流回路73は、第1端子25Aと第2端子25Bとの間に、交流成分を含む導電部材電流Iacを供給可能である。
【0111】
交流回路73は、これらの端子を介して導電部材20に交流成分を含む導電部材電流Iacを供給可能である。導電部材電流Iacが第1他導電部分21fから第1導電部分21eへの向きを有するときに、導電部材電流Iacは第2導電部分22eから第2他導電部分22fへの向きを有する。
【0112】
導電部材電流Iacに基づく交流磁界Hacが、第1素子11及び第2素子12に印加される。交流磁界Hacの位相は、これらの素子において反転する。反転した交流磁界Hacがこれらの素子に印加されることで、ブリッジ出力において2fの周波数の成分が効果的に除去される。高いSN比が得られる。センサ111によれば、特性の向上が可能なセンサを提供できる。
【0113】
センサ111において、センサ110p~センサ110r、及び、センサ110a~センサ110kの構成が適用されて良い。
【0114】
図24は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図25(a)及び図25(b)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図25(a)は、図24のE1-E2線断面図である。図25(b)は、図24のF1-F2線断面図である。
図24図25(a)及び図25(b)に示すように、実施形態に係るセンサ112は、導電層20Lをさらに含む。これを除くセンサ112の構成は、センサ110の構成と同様で良い。
【0115】
導電層20Lは、第1素子11及び第2素子12に沿って延びる。導電層20Lに導電層電流Icが供給されて良い。導電層電流Icは、例えば、直流成分を含む。導電層電流Icにより、例えば、地磁気の影響を補正できる。より高い精度で検出対象磁界Hsを検出できる。
【0116】
図24に示すように、制御部70は、導電層20Lに直流成分を含む導電層電流Icを供給可能である。制御部70は、電流回路74を含んで良い。電流回路74は、導電層20Lに導電層電流Icを供給可能である。
【0117】
図25(a)に示すように、導電層20Lは、第3方向D3において第1素子11と重なって良い。図25(b)に示すように、導電層20Lは、第3方向D3において第2素子12と重なって良い。積層順は任意である。
【0118】
図26は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図26に示すように、実施形態に係るセンサ113は、導電層20Lをさらに含む。これを除くセンサ113の構成は、センサ111の構成と同様で良い。例えば、地磁気の影響を補正できる。より高い精度で検出対象磁界Hsを検出できる。制御部70は、電流回路74を含んで良い。
【0119】
(第2実施形態)
第2実施形態は、検査装置に係る。後述するように、検査装置は、診断装置を含んでも良い。
【0120】
図27は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的図である。
図27に示すように、第2実施形態に係る検査装置710Aは、第1実施形態に係るセンサ(例えばセンサ110など)と、処理部770と、を含む。処理部770は、センサ110から得られる信号を処理する。処理部770において、センサ110から得られた信号と、基準値と、の比較などが行われても良い。処理部770は、処理結果に基づいて、検査結果を出力可能である。
【0121】
例えば、検査装置710Aにより、検査対象680が検査される。検査対象680は、例えば、電子装置(半導体回路などを含む)である。検査対象680は、例えば、基板80と、配線80cと、を含む。センサ110は、配線80cを流れる電流に基づく検出対象磁界Hsを検出する。高い空間位置精度で、検出対象磁界Hsが検出できる。例えば、配線80cの異常を高い位置精度で検出できる。
【0122】
図28は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的斜視図である。
図28に示すように、第2実施形態に係る検査装置710は、センサ150a(磁気センサ)と、処理部770と、を含む。センサ150aは、第1実施形態に係るセンサ及びその変形で良い。処理部770は、センサ150aから得られる信号を処理する。処理部770において、センサ150aから得られた信号と、基準値と、の比較などが行われても良い。処理部770は、処理結果に基づいて、検査結果を出力可能である。
【0123】
例えば、検査装置710により、検査対象680が検査される。検査対象680は、例えば、電子装置(半導体回路などを含む)である。検査対象680は、例えば、電池610などでも良い。
【0124】
例えば、実施形態に係るセンサ150aは、電池610とともに用いられても良い。例えば、電池システム600は、電池610及びセンサ150aを含む。センサ150aは、電池610に流れる電流により生じる磁界を検出できる。
【0125】
図29は、第2実施形態に係る検査装置を示す模式的平面図である。
図29に示すように、センサ150aは、例えば、実施形態に係る複数のセンサを含む。この例では、センサ150aは、複数のセンサ(センサ110などの素子部10Eなど)を含む。複数のセンサは、例えば、2つの方向に沿って並ぶ。複数のセンサ110は、例えば、基板の上に設けられる。
【0126】
センサ150aは、検査対象680(例えば電池610でも良い)に流れる電流により生じる磁界を検出できる。例えば、電池610が異常な状態に近づくと、電池610に異常な電流が流れる場合がある。センサ150aにより異常な電流を検出することで、電池610の状態の変化を知ることができる。例えば、電池610に近づけてセンサ150aが置かれた状態で、2つの方向のセンサ群駆動手段を用いて、電池610の全体を短時間で検査できる。センサ150aは、電池610の製造における、電池610の検査に用いられても良い。
【0127】
実施形態に係るセンサは、例えば、診断装置などの検査装置710に応用できる。
図30は、実施形態に係るセンサ及び検査装置を示す模式図である。
図30に示すように、検査装置710の例である診断装置500は、センサ150を含む。センサ150は、第1実施形態に関して説明したセンサ、及び、それらの変形を含む。
【0128】
診断装置500において、センサ150は、例えば、脳磁計である。脳磁計は、脳神経が発する磁界を検出する。センサ150が脳磁計に用いられる場合、センサ150に含まれる素子のサイズは、例えば、1mm以上10mm未満である。このサイズは、例えば、MFCを含めた長さである。
【0129】
図30に示すように、センサ150(脳磁計)は、例えば、人体の頭部に装着される。センサ150(脳磁計)は、センサ部301を含む。センサ150(脳磁計)は、複数のセンサ部301を含んでも良い。複数のセンサ部301の数は、例えば、約100個(例えば50個以上150個以下)である。複数のセンサ部301は、柔軟性を有する基体302に設けられる。
【0130】
センサ150は、例えば、差動検出などの回路を含んでも良い。センサ150は、センサとは別のセンサ(例えば、電位端子または加速度センサなど)を含んでも良い。
【0131】
センサ150のサイズは、従来のSQUIDセンサのサイズに比べて小さい。このため、複数のセンサ部301の設置が容易である。複数のセンサ部301と、他の回路と、の設置が容易である。複数のセンサ部301と、他のセンサと、の共存が容易である。
【0132】
基体302は、例えばシリコーン樹脂などの弾性体を含んでも良い。基体302に、例えば、複数のセンサ部301が繋がって設けられる。基体302は、例えば、頭部に密着できる。
【0133】
センサ部301の入出力コード303は、診断装置500のセンサ駆動部506及び信号入出力部504と接続される。センサ駆動部506からの電力と、信号入出力部504からの制御信号と、に基づいて、センサ部301において、磁界測定が行われる。その結果は、信号入出力部504に入力される。信号入出力部504で得た信号は、信号処理部508に供給される。信号処理部508において、例えば、ノイズの除去、フィルタリング、増幅、及び、信号演算などの処理が行われる。信号処理部508で処理された信号が、信号解析部510に供給される。信号解析部510は、例えば、脳磁計測のための特定の信号を抽出する。信号解析部510において、例えば、信号位相を整合させる信号解析が行われる。
【0134】
信号解析部510の出力(信号解析が終了したデータ)が、データ処理部512に供給される。データ処理部512では、データ解析が行われる。このデータ解析において、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの画像データが取り入られることが可能である。このデータ解析においては、例えば、EEG(Electroencephalogram)などの頭皮電位情報などが取り入れられることが可能である。データ解析により、例えば、神経発火点解析、または、逆問題解析などが行われる。
【0135】
データ解析の結果は、例えば、画像化診断部516に供給される。画像化診断部516において、画像化が行われる。画像化により、診断が支援される。
【0136】
上記の一連の動作は、例えば、制御機構502によって制御される。例えば、一次信号データ、または、データ処理途中のメタデータなどの必要なデータは、データサーバに保存される。データサーバと制御機構とは、一体化されても良い。
【0137】
実施形態に係る診断装置500は、センサ150と、センサ150から得られる信号を処理する処理部と、を含む。この処理部は、例えば、信号処理部508及びデータ処理部512の少なくともいずれかを含む。処理部は、例えば、コンピュータなどを含む。
【0138】
図30に示すセンサ150では、センサ部301は、人体の頭部に設置されている。センサ部301は、人体の胸部に設置されても良い。これにより、心磁測定が可能となる。例えば、センサ部301を妊婦の腹部に設置しても良い。これにより、胎児の心拍検査を行うことができる。
【0139】
被験者を含めたセンサ装置は、シールドルーム内に設置されるのが好ましい。これにより、例えば、地磁気または磁気ノイズの影響が抑制できる。
【0140】
例えば、人体の測定部位、または、センサ部301を局所的にシールドする機構を設けても良い。例えば、センサ部301にシールド機構を設けても良い。例えば、信号解析またはデータ処理において、実効的なシールドを行っても良い。
【0141】
実施形態において、基体302は、柔軟性を有しても良く、柔軟性を実質的に有しなくても良い。この例では、基体302は、連続した膜を帽子状に加工したものである。基体302は、ネット状でも良い。これにより、例えば、良好な装着性が得られる。例えば、基体302の人体への密着性が向上する。基体302は、ヘルメット状で、硬質でも良い。
【0142】
図31は、実施形態に係る検査装置を示す模式図である。
図31に示す例では、平板状の硬質の基体305上にセンサ部301が設けられる。
【0143】
図31に示した例において、センサ部301から得られる信号の入出力は、図30に関して説明した入出力と同様である。図31に示した例において、センサ部301から得られる信号の処理は、図30に関して説明した処理と同様である。
【0144】
生体から発生する磁界などの微弱な磁界を計測する装置として、SQUID (Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)センサを用いる参考例がある。この参考例においては、超伝導を用いるため、装置が大きく、消費電力も大きい。測定対象(患者)の負担が大きい。
【0145】
実施形態によれば、装置が小型にできる。消費電力を抑制できる。測定対象(患者)の負担が軽減できる。実施形態によれば、磁界検出のSN比を向上できる。感度を向上できる。
【0146】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と連続した、前記導電部材と、
前記第1他導電部分及び前記第2導電部分と電気的に接続された第1端子と、
前記第1導電部分及び前記第2他導電部分と電気的に接続された第2端子と、
を備えたセンサ。
【0147】
(構成2)
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記第1他導電部分は、前記第2導電部分と離れ、前記第1導電部分は前記第2導電部分と接続された、前記導電部材と、
前記第1他導電部分と電気的に接続された第1端子と、
前記第2他導電部分と電気的に接続された第2端子と、
を備えたセンサ。
【0148】
(構成3)
交流回路を含む制御部をさらに備え、
前記交流回路は、前記第1端子と前記第2端子との間に交流成分を含む導電部材電流を供給可能である、構成1または2に記載のセンサ。
【0149】
(構成4)
第1磁性領域と、
第1対向磁性領域であって、前記第1対向磁性領域は、前記第1磁性領域から前記第1対向磁性領域への第1方向において前記第1磁性領域から離れた、前記第1対向磁性領域と、
第1磁性層を含む第1素子であって、前記第1素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第1磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第1素子は、第1部分及び第1他部分を含み、前記第1部分から前記第1他部分への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1素子と、
第2磁性領域であって、前記第1磁性領域から前記第2磁性領域への方向は、前記第2方向に沿い、
第2対向磁性領域であって、前記第2対向磁性領域は、前記第1方向において前記第2磁性領域から離れ、前記第1対向磁性領域から前記第2対向磁性領域への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2対向磁性領域と、
第2磁性層を含む第2素子であって、前記第2素子の少なくとも一部の前記第1方向における位置は、前記第2磁性領域の前記第1方向における位置と、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第2素子は、第2部分及び第2他部分を含み、前記第2部分から前記第2他部分への方向は、前記第2方向に沿う、前記第2素子と、
第3部分及び第3他部分を含む第3素子であって、前記第3部分は前記第1部分と電気的に接続され、前記第3他部分は前記第2部分と電気的に接続された、前記第3素子と、
第4部分及び第4他部分を含む第4素子であって、前記第4部分は前記第1他部分と電気的に接続され、前記第4他部分は前記第2他部分と電気的に接続された、前記第4素子と、
導電部材であって、前記導電部材は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1導電領域は、前記第1部分に対応する第1導電部分と、前記第1他部分に対応する第1他導電部分と、を含み、前記第2導電領域は、前記第2部分に対応する第2導電部分と、前記第2他部分に対応する第2他導電部分と、を含み、前記導電部材に交流成分を含む導電部材電流が供給された場合に、前記導電部材電流が前記第1他導電部分から前記第1導電部分への向きを有するとき、前記導電部材電流は前記第2導電部分から前記第2他導電部分への向きを有する、前記導電部材と、
を備えたセンサ。
【0150】
(構成5)
交流回路を含む制御部をさらに備え、
前記交流回路は、前記導電部材に導電部材電流を供給可能である、構成1または2に記載のセンサ。
【0151】
(構成6)
前記制御部は、素子電流回路及び検出回路をさらに備え、
前記素子電流回路は、前記第1部分及び前記第3部分の第1接続点と、前記第2他部分及び前記第4他部分の第2接続点と、の間に素子電流を供給可能であり、
前記検出回路は、前記第3他部分及び前記第2部分の第3接続点と、前記第1他部分及び前記第4部分の第4接続点と、の間に生じる検出信号を検出可能である、構成3または5に記載のセンサ。
【0152】
(構成7)
前記検出回路は、前記導電部材電流の周波数に基づいて前記検出信号を処理した出力信号を出力可能である、構成6に記載のセンサ。
【0153】
(構成8)
前記第1素子及び前記第2素子に沿って延びる導電層をさらに備え、
前記制御部は、前記導電層に直流成分を含む導電層電流を供給可能である、構成3または5に記載のセンサ。
【0154】
(構成9)
前記導電部材電流に基づく磁界は、前記第1方向の成分を含む、構成3~5のいずれか1つに記載のセンサ。
【0155】
(構成10)
前記第1磁性領域の前記第1方向における前記位置、及び、前記第1対向磁性領域の前記第1方向における前記位置の少なくともいずれかは、前記第3素子の前記第1方向における位置と、前記第4素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第2磁性領域の前記第1方向における前記位置、及び、前記第2対向磁性領域の前記第1方向における前記位置の少なくともいずれかは、前記第3素子の前記第1方向における前記位置と、前記第4素子の前記第1方向における前記位置と、の間にある、構成1~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0156】
(構成11)
前記第1素子の前記少なくとも一部の前記第1方向における前記位置、及び、前記第2素子の前記少なくとも一部の前記第1方向における前記位置の少なくともいずれかは、前記第3素子の前記第1方向における位置と、前記第4素子の前記第1方向における位置と、の間にある、構成1~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0157】
(構成12)
前記第1磁性領域の前記第2方向における位置、及び、前記第2磁性領域の前記第2方向における位置は、前記第3素子の前記第2方向における位置と、前記第4素子の前記第2方向における位置と、の間にある、構成1~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0158】
(構成13)
前記第3素子の前記第2方向における位置、及び、前記第4素子の前記第2方向における位置の少なくともいずれかは、前記第1磁性領域の前記第2方向における位置と、前記第2磁性領域の前記第2方向における位置と、の間にある、構成1~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0159】
(構成14)
前記第3素子及び前記第4素子は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向において、前記第1磁性領域、前記第1対向磁性領域、前記第2磁性領域及び前記第2対向磁性領域と重ならない、構成1~9のいずれか1つに記載のセンサ。
【0160】
(構成15)
前記第1素子の第1電気抵抗、及び、前記第2素子の第2電気抵抗は、検出対象磁界に応じて変化可能である、構成1~14のいずれか1つに記載のセンサ。
【0161】
(構成16)
前記第3素子の第3電気抵抗の前記磁界に対する変化、及び、前記第4素子の第4電気抵抗の前記磁界に対する変化は、前記第1電気抵抗の前記磁界に対する変化よりも小さく、前記第2電気抵抗の前記磁界に対する変化よりも小さい、構成15に記載のセンサ。
【0162】
(構成17)
前記第1素子は、第1対向磁性層をさらに含み、
前記第2素子は、第2対向磁性層をさらに含み、
前記第1磁性層から前記第1対向磁性層への方向、及び、前記第2磁性層から前記第2対向磁性層への方向の少なくともいずれかは、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向に沿う、構成1~8のいずれか1つに記載のセンサ。
【0163】
(構成18)
前記第1素子の前記第2方向に沿う長さは、前記第1素子の前記第1方向に沿う長さよりも長く、
前記第2素子の前記第2方向に沿う長さは、前記第2素子の前記第1方向に沿う長さよりも長い、構成1~17のいずれか1つに記載のセンサ。
【0164】
(構成19)
前記第3素子は、第3磁性層及び第3対向磁性層を含み、
前記第4素子は、第4磁性層及び第4対向磁性層を含む、構成1~18のいずれか1つに記載のセンサ。
【0165】
(構成20)
構成1~19のいずれか1つに記載のセンサと、
前記センサから得られる信号を処理する処理部と、
を備えた検査装置。
【0166】
実施形態によれば、特性の向上が可能なセンサ及び検査装置が提供できる。
【0167】
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、センサまたは検査装置に含まれる、磁性層、素子、導電部材、制御部及び処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0168】
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0169】
本発明の実施の形態として上述したセンサ及び検査装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサ及び検査装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0170】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0172】
10E…素子部、 11~14…第1~第4素子、 11a~14a…第1~第4磁性層、 11b~14b…第1~第4対向磁性層、 11e~14e…第1~第4部分、 11f~14f…第1~第4他部分、 11n~14n…第1~第4非磁性層、 20…導電部材、 20L…導電層、 21、22…第1、第2導電領域、 21e、22e…第1、第2導電部分、 21f、22f…第1、第2他導電部分、 25A、25B…第1、第2端子、 51~54…第1~第4磁性領域、 51A~54A…第1~第4対向磁性領域、 51Ai、52Ai…第1、第2対向内側部、 51Ao、52Ao…第1、第2対向外側部、 51S、52S…領域、 51i、52i…第1、第2内側部、 51o、52o…第1、第2外側部、 70…制御部、 71…素子電流回路、 72…検出回路、 73…交流回路、 74…電流回路、 78a~78d…配線、 80…基板、 80c…配線、 81…絶縁部材、 110、110a~110k、110p~110r、111~113、119、150、150a…センサ、 301…センサ部、 302…基体、 303…入出力コード、 305…基体、 500…診断装置、 502…制御機構、 504…信号入出力部、 506…センサ駆動部、 508…信号処理部、 510…信号解析部、 512…データ処理部、 516…画像化診断部、 600…電池システム、 610…電池、 680…検査対象、 710、710A…検査装置、 770…処理部、 CP1~CP4…第1~第4接続点、 D1~D3…第1~第3方向、 H…磁界、 Hac…交流磁界、 Hs…検出対象磁界、 Iac…導電部材電流、 Ic…導電層電流、 Ie…素子電流、 L11、L12、LAi1、LAi2、LAo1、LAo2、Li1、Li2、Lo1、Lo2…長さ、 Sig1…検出信号、 Sig2…出力信号、 W11、W12…長さ、 dY…距離、 tAi1、tAi2、tAo1、tAo2、ti1、ti2、to1、to2…長さ
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