(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160726
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075947
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩畑 翔太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和成
(72)【発明者】
【氏名】逸見 昂史
(72)【発明者】
【氏名】太田 喬
(72)【発明者】
【氏名】中野 哲平
【テーマコード(参考)】
5F043
【Fターム(参考)】
5F043AA02
5F043BB01
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043FF07
(57)【要約】
【課題】エッチング液によって基板の主面を処理して基板を薄化しながら、基板の主面の表面プロファイルを平坦化できる基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、基板薄化のために研削または研磨された主面を有する基板を主面に垂直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程(S1)と、基板回転工程の実行中に、主面に、フッ酸および硝酸を含む第1エッチング液を供給する第1エッチング工程(S2)と、第1エッチング工程の後、基板回転工程の実行中に、主面にTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を含む第2エッチング液を供給する第2エッチング工程(S4)と、を含む。第2エッチング工程において適用される第2エッチングパラメータは、第1エッチング工程によって主面に生じる第1表面プロファイルを平坦化するように調整されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板薄化のために研削または研磨された主面を有する基板を前記主面に垂直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
前記基板回転工程の実行中に、前記主面に、フッ酸および硝酸を含む第1エッチング液を供給する第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程の後、前記基板回転工程の実行中に、前記主面にTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を含む第2エッチング液を供給する第2エッチング工程と、を含み、
前記第2エッチング工程において適用される第2エッチングパラメータは、前記第1エッチング工程によって前記主面に生じる第1表面プロファイルを平坦化するように調整されている、基板処理方法。
【請求項2】
前記第1エッチング工程による前記主面に対する第1エッチングプロファイルは、前記第1エッチング工程において適用される第1エッチングパラメータの可変設定によって可変であり、
前記第2エッチング工程による前記主面に対する第2エッチングプロファイルは、前記第2エッチング工程において適用される前記第2エッチングパラメータの可変設定によって可変であり、
前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータは、前記第1エッチング工程および前記第2エッチング工程を前記基板に対して順に行うことによって前記主面に生じる第2表面プロファイルが所定値以下の平面度を有するように調整されている、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第1エッチングプロファイルおよび前記第2エッチングプロファイルを重ね合わせた合成エッチングプロファイルが所定値以下の平面度を有するように、前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータが調整されている、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第1エッチング工程の前の前記主面の初期表面プロファイル、前記第1エッチングプロファイルおよび前記第2エッチングプロファイルを重ね合わせた合成表面プロファイルが所定値以下の平面度を有するように、前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータが調整されている、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1エッチング工程は、前記第1エッチング液の前記主面上の着液位置と前記回転軸線との距離が時間経過とともに変化するように前記着液位置を移動させる第1スキャン工程を含み、
前記第1エッチングパラメータは、前記第1スキャン工程における前記着液位置の変化を規定する第1スキャンパラメータを含む、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記第2エッチング工程は、前記第2エッチング液の前記主面上の着液位置と前記回転軸線との距離が時間経過とともに変化するように前記着液位置を移動させる第2スキャン工程を含み、
前記第2エッチングパラメータは、前記第2スキャン工程における前記着液位置の変化を規定する第2スキャンパラメータを含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記第2エッチング工程後の前記主面の第2表面プロファイルが1.5μm以下の平面度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記主面は、シリコン層が露出している表面である、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記基板は、シリコンゲルマニウム層と、前記シリコンゲルマニウム層に積層された前記シリコン層とを有する、請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記第2エッチング工程の後、前記基板回転工程の実行中に、前記主面に水酸化アンモニウムを含む第3エッチング液を供給する第3エッチング工程をさらに含む、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記第2エッチング工程の終了時における前記シリコン層の層厚が4μm以下である、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記第3エッチング工程前の前記シリコンゲルマニウム層の層厚が10nm以下である、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記第3エッチング工程における前記シリコン層のエッチングレートが200nm/分以上で、かつシリコンゲルマニウムに対するシリコンのエッチング選択比が150以上であるように、前記第3エッチング液中の水酸化アンモニウムの濃度および前記第3エッチング液の温度が設定されている、請求項10に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シリコンウエハをエッチング液によって薄化(シンニング)するための基板処理を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の一実施形態は、エッチング液によって基板の主面を処理して基板を薄化しながら、基板の主面の表面プロファイルを平坦化できる基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一実施形態は、次に例示的に列記する特徴を有する基板処理方法を提供する。
【0006】
1.基板薄化のために研削または研磨された主面を有する基板を前記主面に垂直な回転軸線まわりに回転させる基板回転工程と、
前記基板回転工程の実行中に、前記主面に、フッ酸および硝酸を含む第1エッチング液を供給する第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程の後、前記基板回転工程の実行中に、前記主面にTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を含む第2エッチング液を供給する第2エッチング工程と、を含み、
前記第2エッチング工程において適用される第2エッチングパラメータは、前記第1エッチング工程によって前記主面に生じる第1表面プロファイルを平坦化するように調整されている、基板処理方法。
【0007】
2.前記第1エッチング工程による前記主面に対する第1エッチングプロファイルは、前記第1エッチング工程において適用される第1エッチングパラメータの可変設定によって可変であり、
前記第2エッチング工程による前記主面に対する第2エッチングプロファイルは、前記第2エッチング工程において適用される前記第2エッチングパラメータの可変設定によって可変であり、
前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータは、前記第1エッチング工程および前記第2エッチング工程を前記基板に対して順に行うことによって前記主面に生じる第2表面プロファイルが所定値以下の平面度を有するように調整されている、項1に記載の基板処理方法。
【0008】
3.前記第1エッチングプロファイルおよび前記第2エッチングプロファイルを重ね合わせた合成エッチングプロファイルが所定値以下の平面度を有するように、前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータが調整されている、項2に記載の基板処理方法。
【0009】
4.前記第1エッチング工程の前の前記主面の初期表面プロファイル、前記第1エッチングプロファイルおよび前記第2エッチングプロファイルを重ね合わせた合成表面プロファイルが所定値以下の平面度を有するように、前記第1エッチングパラメータおよび前記第2エッチングパラメータが調整されている、項2に記載の基板処理方法。
【0010】
5.前記第1エッチング工程は、前記第1エッチング液の前記主面上の着液位置と前記回転軸線との距離が時間経過とともに変化するように前記着液位置を移動させる第1スキャン工程を含み、
前記第1エッチングパラメータは、前記第1スキャン工程における前記着液位置の変化を規定する第1スキャンパラメータを含む、項2~4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【0011】
6.前記第2エッチング工程は、前記第2エッチング液の前記主面上の着液位置と前記回転軸線との距離が時間経過とともに変化するように前記着液位置を移動させる第2スキャン工程を含み、
前記第2エッチングパラメータは、前記第2スキャン工程における前記着液位置の変化を規定する第2スキャンパラメータを含む、項1~5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【0012】
7.前記第2エッチング工程後の前記主面の第2表面プロファイルが1.5μm以下の平面度を有する、項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【0013】
8.前記主面は、シリコン層が露出している表面である、項1~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【0014】
9.前記基板は、シリコンゲルマニウム層と、前記シリコンゲルマニウム層に積層された前記シリコン層とを有する、項8に記載の基板処理方法。
【0015】
10.前記第2エッチング工程の後、前記基板回転工程の実行中に、前記主面に水酸化アンモニウムを含む第3エッチング液を供給する第3エッチング工程をさらに含む、項9に記載の基板処理方法。
【0016】
11.前記第2エッチング工程の終了時における前記シリコン層の層厚が4μm以下(かつ2.5μm以上)である、項10に記載の基板処理方法。
【0017】
12.前記第3エッチング工程前の前記シリコンゲルマニウム層の層厚が10nm以下(かつ5nm以上)である、項10または11に記載の基板処理方法。
【0018】
13.前記第3エッチング工程における前記シリコン層のエッチングレートが200nm/分以上(より好ましくは300nm/分以上)で、かつシリコンゲルマニウムに対するシリコンのエッチング選択比が150以上(より好ましくは250以上)であるように、前記第3エッチング液中の水酸化アンモニウムの濃度および前記第3エッチング液の温度が設定されている、項10~12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1Aおよび
図1Bは、この発明の一実施形態に係る基板処理方法が適用される半導体装置の製造工程の一例を示す。
【
図2】
図2は、前記基板処理方法の精密薄化段階を実行するための基板処理装置の構成例を示す。
【
図3】
図3は、前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】
図4A~
図4Iは、エッチングパラメータの調整によって設定可能な様々なエッチングプロファイルの例を示す。
【
図5】
図5は、精密薄化段階の基板処理の一例を示す流れ図である。
【
図7】
図7Aは、第1エッチング工程を開始する前の初期表面プロファイルの一例を示す。
図7Bは、第1エッチング工程の後の表面プロファイル(第1表面プロファイル)の一例を表す。
図7Cは、第2エッチング工程後の表面プロファイル(第2表面プロファイル)の一例を示す。
【
図8】
図8は、エッチングパラメータの調整の流れの一例を示す。
【
図9】エッチングパラメータの調整の流れの他の例を示す。
【
図10A】
図10Aは、アンモニア水によってシリコンをエッチングする場合について、水酸化アンモニウムの濃度(水酸化アンモニウム:水)に対するエッチング選択比(左縦軸)およびエッチングレート(右縦軸)の関係を調べた結果を示す。
【
図10B】
図10Bは、水酸化アンモニウム:水=1:20の濃度のアンモニア水によってシリコンをエッチングする場合について、アンモニア水の温度に対するエッチング選択比(左縦軸)およびエッチングレート(右縦軸)の関係を調べた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1Aおよび
図1Bは、この発明の一実施形態に係る基板処理方法が適用される半導体装置の製造工程の一例を示す。第1シリコンウエハW1は、シリコン基板からなるシリコン層100、エッチングストップ層101およびシリコン活性層102を含む。シリコン層100の表面にエッチングストップ層101が形成され、このエッチングストップ層101上にシリコン活性層102が形成されている。エッチングストップ層101は、たとえば、シリコンゲルマニウム(SiGe)層であり、シリコン活性層102はエッチングストップ層101からエピタキシャル成長されたシリコンエピタキシャル成長層である。シリコン活性層102には、トランジスタその他のデバイス(図示省略)が形成されている。シリコン活性層102上には、多層配線層103が形成されている。多層配線層103は、配線層および層間絶縁層(いずれも図示省略)を積層して構成されている。シリコン活性層102と多層配線層103とに跨がって、埋め込み電源レール104(BPR:Berried Power Rail)が配置されている。
【0022】
第1シリコンウエハW1は、キャリヤ基板としての第2シリコンウエハW2に貼り合わされる。より具体的には、第1シリコンウエハW1の多層配線層103側の露出面と、第2シリコンウエハW2の主面とが接着層300を介して接着され、それにより、貼り合わせ基板Wが作製される。接着層300は、たとえばSiCN層を含んでいてもよい。第2シリコンウエハW2は、典型的には、シリコン基板200と、その表面に形成された絶縁層201とを含む。したがって、第2シリコンウエハW2の貼り合わせ面は、典型的には、絶縁層201の表面である。典型的には、この絶縁層201の表面と、第1シリコンウエハW1の多層配線層103の表面とが接着層300を介して接着される。
【0023】
こうしてできた貼り合わせ基板Wにおいて第1シリコンウエハW1の露出する主面が、処理対象の主面であり、この主面に対して基板Wの薄化(シンニング)のための薄化処理が行われる。薄化処理は、端的には、第1シリコンウエハW1のシリコン層100(シリコン基板)を除去してエッチングストップ層101を露出させるための処理である。すなわち、薄化処理の対象は、シリコン層100(シリコン基板)である。この薄化処理の後に、エッチングストップ層101が除去されることにより、シリコン活性層102が残される。第2シリコンウエハW2は、たとえば、シリコン活性層102とは反対側(裏面側)において電源供給網(PDN:Power Delivery Network)を構築するために利用される。
【0024】
薄化処理は、高速薄化段階と、精密薄化段階とを含む。高速薄化段階は、研削段階を含み、さらに必要に応じて研磨段階を含む。研削段階は、たとえば775μm厚程度のシリコン層100(シリコン基板)を50μm厚程度までグラインダーによる研削処理によって薄化する段階である。研磨段階は、研削段階で荒れた主面を研磨する段階であり、典型的には、CMP(化学的機械的研磨)処理である。研磨段階により、たとえば、シリコン層100は、50μm厚程度から49μm厚程度まで薄化される。残り49~50μm厚(以下50μm厚程度)という。)のシリコン層100が、精密薄化段階によって除去される。
【0025】
精密薄化段階は、フッ酸および硝酸を含む第1エッチング液(典型的にはフッ硝酸水溶液)を処理対象の主面に供給する第1エッチング工程と、その後、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を含む第2エッチング液(典型的にはTMAH水溶液)を処理対象の主面に供給する第2エッチング工程とを含む。この実施形態では、精密薄化段階は、第2エッチング工程の後に、水酸化アンモニウムを含む第3エッチング液(典型的にはアンモニア水)を処理対象の主面に供給する第3エッチング工程をさらに含む。
【0026】
第1エッチング工程では、たとえばシリコン層100(シリコン基板)は、50μm厚程度から10μm厚程度まで薄化される。第1エッチング工程は、比較的エッチングレートの高い高速ウェットエッチング工程である。
【0027】
第1エッチング工程の後に実行される第2エッチング工程は、第1エッチング工程よりもエッチングレートの低い低速ウェットエッチング工程である。第2エッチング工程では、たとえばシリコン層100は、10μm程度厚から3μm厚程度まで薄化される。第2エッチング工程の終了時におけるシリコン層100の層厚は、4μm以下(かつ2.5μm以上)であることが好ましい。
【0028】
第2エッチング工程の後に実行される第3エッチング工程は、残り3μm厚程度のシリコン層100を除去する工程であり、典型的には、シリコン層100だけでなくエッチングストップ層101の表層の一部の厚さ部分を除去し、エッチングストップ層101を残しながら、その上のシリコン層100の材料を除去し尽くす。たとえば、エッチングストップ層101の初期厚さが10nm程度である場合に、その表層の5nm程度の厚み部分が除去されてもよい。
【0029】
エッチングストップ層101を構成するシリコンゲルマニウム層は、可能な限りゲルマニウム組成を少なくし、かつ可能な限り膜厚を薄くすることが好ましい。一例として、膜厚10nm程度のSi0.75Ge0.25層でエッチングストップ層101を構成することができる。それにより、シリコン層100の格子定数を、シリコンゲルマニウム層を介してシリコン活性層102に引き継ぐことができ、かつシリコンゲルマニウム層の応力緩和に起因する結晶欠陥(転位)を抑制することができる。したがって、エッチングストップ層101の層厚は10nm以下が好ましい。
【0030】
一方、ゲルマニウム組成が少ないことにより、第3エッチング工程(アンモニア水によるエッチング)において、エッチングストップ層101に対するシリコン層100のエッチング選択性をあまり高くすることができない。そのため、エッチングストップ層101のエッチングが不可避的に生じる。そこで、エッチングストップ層101は、5nm以上の層厚を有していることが好ましい。
【0031】
第3エッチング工程を開始するときの主面の表面プロファイルが大きな凹凸を有していると、第3エッチング工程において、5nm~10nm厚程度の薄いエッチングストップ層101を第3エッチング液が貫通し、シリコン活性層102にダメージを与えるリスクがある。したがって、第2エッチング工程までの薄化を終えた状態で、シリコン層100の表面プロファイルが充分に平坦化されていなければならない。
【0032】
図2は、精密薄化段階を実行するための基板処理装置1の構成例を示す。この基板処理装置1は、基板Wを保持して回転するスピンチャック2と、スピンチャック2に保持された基板Wの主面(前述の処理対象の主面)に処理液を供給する処理液供給ユニット5と、スピンチャック2および処理液供給ユニット5を制御するコントローラ6とを含む。処理液供給ユニット5は、スピンチャック2に保持された基板Wの主面に第1エッチング液、第2エッチング液および第3エッチング液をそれぞれ供給する第1エッチング液供給ユニット51、第2エッチング液供給ユニット52および第3エッチング液供給ユニット53を含む。この基板処理装置1は、さらに、基板Wの表面の高さを検出することにより処理対象層の層厚を検出する厚みセンサ7を備えている。
【0033】
スピンチャック2は、処理対象の基板W(前述の貼り合わせ基板)を処理対象の主面を上方に向けた水平姿勢で保持し、当該主面に垂直(すなわち鉛直)な回転軸線A1まわりに回転可能な回転ホルダ3と、この回転ホルダ3を回転軸線A1まわりに回転するスピンモータ4とを含む。回転ホルダ3は、基板Wの下面を吸着して保持するバキュームチャックの形態を有していることが好ましい。ただし、回転ホルダ3は、基板Wの周端面に当接する保持ピンを備えるメカニカルチャックの形態を有していてもよい。スピンモータ4は、コントローラ6によって、その回転/停止および回転速度が制御される。
【0034】
第1エッチング液供給ユニット51は、スピンチャック2に保持された基板Wの主面(上面)に向けて処理液を吐出する第1ノズル10と、第1ノズル10に接続された第1処理液配管11と、第1処理液配管11に第1エッチング液を供給する第1エッチング液配管12と、第1処理液配管11にリンス液を供給する第1リンス液配管13と、第1ノズル10を移動する第1ノズル移動ユニット14とを含む。第1処理液配管11には、開閉バルブからなる第1処理液バルブ15が介装されている。第1エッチング液配管12は、第1エッチング液供給源と第1処理液配管11との間を接続し、第1エッチング液供給源から第1ノズル10へと供給される第1エッチング液(たとえばフッ硝酸水溶液)を流通させる。第1エッチング液配管12には、第1エッチング液バルブ16と、第1エッチング液流量調整バルブ17とが介装されている。第1エッチング液バルブ16は開閉バルブである。第1エッチング液バルブ16を開くと、第1エッチング液流量調整バルブ17によって調整された流量で、第1エッチング液が第1ノズル10から吐出される。第1リンス液配管13は、リンス液供給源から第1処理液配管11へと供給されるリンス液を流通させる。第1リンス液配管13には、リンス液の流量を調整する第1リンス液流量調整バルブ19と、開閉バルブである第1リンス液バルブ18とが介装されている。リンス液は、典型的には脱イオン水である。ただし、炭酸水や電解水等の他の種類のリンス液が用いられてもよい。
【0035】
第1ノズル移動ユニット14は、第1ノズル10を保持する第1ノズルホルダ14Aと、第1ノズルホルダ14Aを駆動することによって第1ノズル10を移動させる第1ノズル駆動ユニット14Bとを含む。第1ノズル駆動ユニット14Bは、たとえば、駆動源としての第1スキャンモータM1と、第1スキャンモータM1の駆動力を第1ノズルホルダ14Aに伝達する第1伝達機構T1とを含む。第1ノズル駆動ユニット14Bは、たとえば、第1ノズル10を少なくとも基板Wの主面に平行な方向(この実施形態では水平方向)に移動できるように構成されている。より本質的には、第1ノズル移動ユニット14は、第1ノズル10から吐出される処理液が基板Wの主面に着液する着液位置と回転軸線A1との間の距離が変化するように第1ノズル10を動かすように構成されている。より具体的には、着液位置が回転軸線A1を中心とする基板Wの回転半径方向にほぼ沿って移動してもよい。基板Wを回転軸線A1まわりに回転させながら、第1ノズル10からの処理液の着液位置が回転半径方向に移動することにより、着液位置は基板Wの表面を走査(スキャン)することになる。このような処理液の吐出態様を「スキャン吐出」という。第1ノズル10を所定の位置で静止させ、基板W上での処理液の着液位置を回転半径方向に関して処理液を吐出することもできる。このような処理液の吐出態様を「固定吐出」という。
【0036】
第2エッチング液供給ユニット52は、スピンチャック2に保持された基板Wの主面(上面)に向けて処理液を吐出する第2ノズル20と、第2ノズル20に接続された第2処理液配管21と、第2処理液配管21に第2エッチング液を供給する第2エッチング液配管22と、第2処理液配管21にリンス液を供給する第2リンス液配管23と、第2ノズル20を移動する第2ノズル移動ユニット24とを含む。第2処理液配管21には、開閉バルブからなる第2処理液バルブ25が介装されている。第2エッチング液配管22は、第2エッチング液供給源と第2処理液配管21との間を接続し、第2エッチング液供給源から第2ノズル20へと供給される第2エッチング液(たとえばTMAH水溶液)を流通させる。第2エッチング液配管22には、第2エッチング液バルブ26と、第2エッチング液流量調整バルブ27とが介装されている。第2エッチング液バルブ26は開閉バルブである。第2エッチング液バルブ26を開くと、第2エッチング液流量調整バルブ27によって調整された流量で、第2エッチング液が第2ノズル20から吐出される。第2リンス液配管23は、リンス液供給源から第2処理液配管21へと供給されるリンス液を流通させる。第2リンス液配管23には、リンス液の流量を調整する第2リンス液流量調整バルブ29と、開閉バルブである第2リンス液バルブ28とが介装されている。
【0037】
第2ノズル移動ユニット24は、第2ノズル20を保持する第2ノズルホルダ24Aと、第2ノズルホルダ24Aを駆動することによって第2ノズル20を移動させる第2ノズル駆動ユニット24Bとを含む。第2ノズル駆動ユニット24Bは、たとえば、駆動源としての第2スキャンモータM2と、第2スキャンモータM2の駆動力を第2ノズルホルダ24Aに伝達する第2伝達機構T2とを含む。第2ノズル駆動ユニット24Bは、たとえば、第2ノズル20を少なくとも基板Wの主面に平行な方向(この実施形態では水平方向)に移動できるように構成されている。より本質的には、第2ノズル移動ユニット24は、第2ノズル20から吐出される処理液が基板Wの主面に着液する着液位置と回転軸線A1との間の距離が変化するように第2ノズル20を動かすように構成されている。より具体的には、着液位置が回転軸線A1を中心とする基板Wの回転半径方向にほぼ沿って移動してもよい。基板Wを回転軸線A1まわりに回転させながら、第2ノズル20からの処理液の着液位置が回転半径方向に移動することにより、着液位置は基板Wの表面を走査(スキャン)することになる。したがって、第2ノズル20によっても、スキャン吐出および固定吐出が可能である。
【0038】
第3エッチング液供給ユニット53は、スピンチャック2に保持された基板Wの主面(上面)に向けて処理液を吐出する第3ノズル30と、第3ノズル30に接続された第3処理液配管31と、第3処理液配管31に第3エッチング液を供給する第3エッチング液配管32と、第3処理液配管31にリンス液を供給する第3リンス液配管33と、第3ノズル30を移動する第3ノズル移動ユニット34とを含む。第3処理液配管31には、開閉バルブからなる第3処理液バルブ35が介装されている。第3エッチング液配管32は、第3エッチング液供給源と第3処理液配管31との間を接続し、第3エッチング液供給源から第3ノズル30へと供給される第3エッチング液(たとえばアンモニア水)を流通させる。第3エッチング液配管32には、第3エッチング液バルブ36と、第3エッチング液流量調整バルブ37とが介装されている。第3エッチング液バルブ36は開閉バルブである。第3エッチング液バルブ36を開くと、第3エッチング液流量調整バルブ37によって調整された流量で、第3エッチング液が第3ノズル30から吐出される。第3リンス液配管33は、リンス液供給源から第3処理液配管31へと供給されるリンス液を流通させる。第3リンス液配管33には、リンス液の流量を調整する第3リンス液流量調整バルブ39と、開閉バルブである第3リンス液バルブ38とが介装されている。
【0039】
第3ノズル移動ユニット34は、第3ノズル30を保持する第3ノズルホルダ34Aと、第3ノズルホルダ34Aを駆動することによって第3ノズル30を移動させる第3ノズル駆動ユニット34Bとを含む。第3ノズル駆動ユニット34Bは、たとえば、駆動源としての第3スキャンモータM3と、第3スキャンモータM3の駆動力を第3ノズルホルダ34Aに伝達する第3伝達機構T3とを含む。第3ノズル駆動ユニット34Bは、たとえば、第3ノズル30を少なくとも基板Wの主面に平行な方向(この実施形態では水平方向)に移動できるように構成されている。より本質的には、第3ノズル移動ユニット34は、第3ノズル30から吐出される処理液が基板Wの主面に着液する着液位置と回転軸線A1との間の距離が変化するように第3ノズル30を動かすように構成されている。より具体的には、着液位置が回転軸線A1を中心とする基板Wの回転半径方向にほぼ沿って移動してもよい。基板Wを回転軸線A1まわりに回転させながら、第3ノズル30からの処理液の着液位置が回転半径方向に移動することにより、着液位置は基板Wの表面を走査(スキャン)することになる。したがって、第3ノズル30によっても、スキャン吐出および固定吐出が可能である。
【0040】
厚みセンサ7は、センサホルダ45によって保持されている。センサホルダ45は、センサ駆動ユニット46によって駆動され、それにより、厚みセンサ7が基板Wの回転半径方向に沿って移動される。それにより、厚みセンサ7による検出位置が、基板Wの回転半径方向に移動する。したがって、厚みセンサ7の検出位置に対する厚みセンサ7の検出値の関係は、基板Wの表面プロファイルを表す。したがって、厚みセンサ7およびセンサ駆動ユニット46などにより、表面プロファイルをモニタする表面プロファイルモニタユニットが構成されている。センサ駆動ユニット46は、典型的には、第4スキャンモータM4と、第4スキャンモータM4の駆動力をセンサホルダ45に伝達する第4伝達機構T4とを含む。
【0041】
図3は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ6は、プロセッサ61およびメモリ62を含み、プロセッサ61がメモリ62に格納されたプログラムを実行することにより、基板処理装置1の各部を制御して、基板Wに対する処理を制御する。具体的には、コントローラ6は、スピンモータ4、第1スキャンモータM1、第2スキャンモータM2、第3スキャンモータM3、および第4スキャンモータM4の駆動/停止および回転速度を制御する。また、コントローラ6は、第1処理液バルブ15、第1エッチング液バルブ16、第1リンス液バルブ18、第2処理液バルブ25、第2エッチング液バルブ26、第2リンス液バルブ28、第3処理液バルブ35、第3エッチング液バルブ36および第3リンス液バルブ38の開閉を制御する。さらに、コントローラ6は、第1エッチング液流量調整バルブ17、第1リンス液流量調整バルブ19、第2エッチング液流量調整バルブ27、第2リンス液流量調整バルブ29、第3エッチング液流量調整バルブ37および第3リンス液流量調整バルブ39の開度(すなわち、流量)を制御できるように構成されていてもよい。また、コントローラ6には、厚みセンサ7の出力信号が入力される。コントローラ6には、さらに、マンマシンインタフェースを提供する入力装置66および表示装置65が接続されている。使用者は、入力装置66および表示装置65を用いることにより、コントローラ6に対して種々の指令を入力したり、基板処理装置1の状態を確認したりすることができる。
【0042】
コントローラ6は、さらに大容量の記憶装置である補助記憶装置63を備えている。補助記憶装置63には、基板処理条件を既定するレシピを登録することができる。また、補助記憶装置63には、エッチング処理のための種々のパラメータ群、すなわち、エッチングパラメータを設定して登録することができる。具体的には、第1エッチング工程のための第1エッチングパラメータ、第2エッチング工程のための第2エッチングパラメータ、および第3エッチング工程のための第3エッチングパラメータを設定して登録できる。
【0043】
エッチングパラメータは、吐出条件に関するパラメータ、エッチング液の濃度、エッチング液の温度などを含む。吐出条件に関するパラメータは、エッチング液の吐出流量を規定するパラメータ、エッチング液の吐出タイミングを規定するパラメータ、ノズルの移動速度(換言すれば着液位置の移動速度)に関するパラメータ、基板Wの回転速度に関するパラメータなどを含んでいてもよい。たとえば、吐出条件に関するパラメータは、回転半径方向のノズルの位置(換言すれば着液位置)に対して、ノズルの移動速度、エッチング液の吐出流量および基板回転速度のうちの一つ以上を規定するテーブルの形態を有していてもよい。
【0044】
これらのエッチングパラメータを調整することによって、基板Wの主面上の回転半径方向位置(回転軸線A1からの距離)に対するエッチング量(エッチング深さ)の関係であるエッチングプロファイルを調整することができる。
【0045】
「エッチングプロファイル」とは、ここでは、基板Wの主面が完全に平坦であるときにエッチング処理後の基板Wの主面の表面プロファイルをいう。より具体的には、エッチングプロファイルは、基板主面における回転半径方向位置に対するエッチング深さの関係を表す。表面プロファイルとは、基板Wの主面上の回転半径方向位置に対する当該主面の高さの関係をいう。実際には、精密薄化段階の基板処理を開始するときの基板Wの主面は完全な平坦面ではない。したがって、エッチング処理後の表面プロファイルは、エッチング処理前の表面プロファイルに対してエッチングプロファイルを重ね合わせた形状を有する。
【0046】
以下では、第1エッチング工程の開始前の表面プロファイルを「初期表面プロファイル」という。また、第1エッチング工程の終了後でかつ第2エッチング工程を開始する前の表面プロファイルを「第1表面プロファイル」という。さらに、第2エッチング工程の終了後でかつ第3エッチング工程を開始する前の表面プロファイルを「第2表面プロファイル」という。さらに、第1エッチング工程におけるエッチングプロファイルを「第1エッチングプロファイル」という。第1エッチングプロファイルは、第1表面プロファイルと初期表面プロファイルとの差分である。同様に、第2エッチング工程におけるエッチングプロファイルを「第2エッチングプロファイル」という。第2エッチングプロファイルは、第2表面プロファイルと第1表面プロファイルとの差分である。
【0047】
第1エッチング工程においては、たとえば、第1エッチング液のスキャン吐出が行われる。すなわち、第1エッチング工程は、第1エッチング液の基板主面上の着液位置と回転軸線A1との距離が時間経過とともに変化するように着液位置を移動させる第1スキャン工程を含む。この場合、第1エッチングパラメータは、第1スキャン工程における着液位置の変化を規定する第1スキャンパラメータを含む。第1スキャンパラメータは、典型的には、時間経過に対する第1ノズル10の回転半径方向位置を規定するテーブルの形式を有する。第1スキャンパラメータを可変設定することによって、第1エッチングプロファイルを様々な形状に調整できる。
【0048】
同様に、第2エッチング工程においては、たとえば、第2エッチング液のスキャン吐出が行われる。すなわち、第2エッチング工程は、第2エッチング液の基板主面上の着液位置と回転軸線A1との距離が時間経過とともに変化するように前記着液位置を移動させる第2スキャン工程を含む。この場合、第2エッチングパラメータは、第2スキャン工程における着液位置の変化を規定する第2スキャンパラメータを含む。第2スキャンパラメータは、典型的には、時間経過に対する第2ノズル20の回転半径方向位置を規定するテーブルの形式を有する。第2スキャンパラメータを可変設定することによって、第2エッチングプロファイルを様々な形状に調整できる。
【0049】
図4A~
図4Iは、第1エッチング液としてのフッ硝酸水溶液を用いる場合に、エッチングパラメータの調整によって設定可能な様々なエッチングプロファイルの例を示す。第2エッチング液に関しても同様に様々なエッチングプロファイルを設定することができる。
【0050】
エッチングパラメータを適切に設定することによって、可能な限り平坦なエッチングプロファイルを設定することができる。また、エッチングパラメータ(とくにスキャンパラメータ)の設定によって、エッチングプロファイルの山部(エッチングレートが相対的に低く、エッチング深さが浅くなる領域)およびエッチングプロファイルの谷部(エッチングレートが相対的に高く、エッチング深さが深くなる領域)を意図的に任意の回転半径位置に設定することもできる。
【0051】
エッチングプロファイルの達成可能な振幅は、使用するエッチング液のエッチングレートの高低に依存する。エッチングレートが高いエッチング液においてはエッチングプロファイルの振幅を大きくすることができ、エッチングレートが低いエッチング液においては達成可能なエッチングプロファイルの振幅は小さい。反対に、エッチングレートが高いエッチング液で達成可能なエッチングプロファイルの最小振幅は、エッチングレートが低いエッチング液で達成可能なエッチングプロファイルの最小振幅よりも大きい。
【0052】
より具体的には、第1エッチング液の一例であるフッ硝酸のエッチングレートは、第2エッチング液の一例であるTMAH水溶液のエッチングレートよりも高い。したがって、第1エッチング液によるエッチング処理のエッチングプロファイルは、一般に、第2エッチング液によるエッチング処理のエッチングプロファイルよりも振幅が大きい。
【0053】
図5は、精密薄化段階の基板処理の一例を示す流れ図である。また、
図6A、
図6Bおよび
図6Cは、主要な工程の様子を示す図である。高速薄化段階を経た基板Wは、基板搬送ロボットによってスピンチャック2に渡されて保持される。すると、コントローラ6は、スピンモータ4を駆動して基板Wを回転軸線A1まわりに回転させ、基板回転工程を開始する(ステップS1)。
【0054】
基板回転工程が実行されている状態で、コントローラ6は、第1エッチング工程を実行する(ステップS2。
図6A参照)。第1エッチング工程は、フッ酸および硝酸を含む第1エッチング液(典型的にはフッ硝酸水溶液)を基板Wの主面に供給する工程である。第1エッチング工程において、コントローラ6は、第1エッチング工程のために予め設定された第1エッチングパラメータを適用する。具体的には、コントローラ6は、第1エッチングパラメータに従って、スピンモータ4、第1エッチング液バルブ16、第1エッチング液流量調整バルブ17、第1スキャンモータM1等を制御する。そして、コントローラ6は、第1処理液バルブ15を開いて、第1ノズル10から基板Wの主面へと第1エッチング液を吐出させる。それにより、典型的には、第1ノズル10からのスキャン吐出(第1スキャン工程)によって、基板Wの主面に第1エッチング液が供給され、第1エッチング液によって基板Wの主面がエッチングされる。その結果、第1エッチングパラメータに対応する第1エッチングプロファイルに従って基板Wの主面に対するエッチング処理が行われることになる。
【0055】
第1エッチング工程を終えると、コントローラ6は、第1エッチング液バルブ16を閉じて第1エッチング液の供給を停止し、基板回転工程は継続しながら、第1リンス工程を実行する(ステップS3)。第1リンス工程は、基板Wの主面にリンス液を供給して、基板Wの主面上の第1エッチング液をリンス液で置換して基板W外へ洗い流す処理である。具体的には、スピンモータ4、第1リンス液バルブ18、第1リンス液流量調整バルブ19、第1スキャンモータM1等を制御する。それにより、第1ノズル10から基板Wの主面にリンス液が吐出される。この場合の吐出は、リンス液の着液位置を回転軸線A1付近に固定する固定吐出であってもよいし、スキャン吐出であってもよい。所定時間のリンス処理の後、コントローラ6は、第1リンス液バルブ18および第1処理液バルブ15を閉じて、第1リンス工程を終える。
【0056】
次に、基板回転工程が実行されている状態で、コントローラ6は、第2エッチング工程を実行する(ステップS4。
図6B参照)。第2エッチング工程は、TMAHを含む第2エッチング液(典型的にはTMAH水溶液)を基板Wの主面に供給する工程である。第2エッチング工程において、コントローラ6は、第2エッチング工程のために予め設定された第2エッチングパラメータを適用する。具体的には、コントローラ6は、第2エッチングパラメータに従って、スピンモータ4、第2エッチング液バルブ26、第2エッチング液流量調整バルブ27、第2スキャンモータM2等を制御する。そして、コントローラ6は、第2処理液バルブ25を開いて、第2ノズル20から基板Wの主面へと第2エッチング液を吐出させる。それにより、典型的には、第2ノズル20からのスキャン吐出(第2スキャン工程)によって、基板Wの主面に第2エッチング液が供給され、第2エッチング液によって基板Wの主面がエッチングされる。その結果、第2エッチングパラメータに対応する第2エッチングプロファイルに従って基板Wの主面に対するエッチング処理が行われることになる。
【0057】
第2エッチング工程を終えると、コントローラ6は、第2エッチング液バルブ26を閉じて第2エッチング液の供給を停止し、基板回転工程は継続しながら、第2リンス工程を実行する(ステップS5)。第2リンス工程は、基板Wの主面にリンス液を供給して、基板Wの主面上の第2エッチング液をリンス液で置換して基板W外へ洗い流す処理である。具体的には、スピンモータ4、第2リンス液バルブ28、第2リンス液流量調整バルブ29、第2スキャンモータM2等を制御する。それにより、第2ノズル20から基板Wの主面にリンス液が吐出される。この場合の吐出は、リンス液の着液位置を回転軸線A1付近に固定する固定吐出であってもよいし、スキャン吐出であってもよい。所定時間のリンス処理の後、コントローラ6は、第2リンス液バルブ28および第2処理液バルブ25を閉じて、第2リンス工程を終える。
【0058】
次に、基板回転工程が実行されている状態で、コントローラ6は、第3エッチング工程を実行する(ステップS6。
図6C参照)。第3エッチング工程は、水酸化アンモニウムを含む第2エッチング液(典型的にはアンモニア水)を基板Wの主面に供給する工程である。第3エッチング工程において、コントローラ6は、第3エッチング工程のために予め設定された第3エッチングパラメータを適用する。具体的には、コントローラ6は、第3エッチングパラメータに従って、スピンモータ4、第3エッチング液バルブ36、第3エッチング液流量調整バルブ37、第3スキャンモータM3等を制御する。そして、コントローラ6は、第3処理液バルブ35を開いて、第3ノズル30から基板Wの主面へと第3エッチング液を吐出させる。それにより、典型的には、第3ノズル30からのスキャン吐出(第3スキャン工程)によって、基板Wの主面に第3エッチング液が供給され、第3エッチング液によって基板Wの主面がエッチングされる。
【0059】
第3エッチング工程を終えると、コントローラ6は、第3エッチング液バルブ36を閉じて第3エッチング液の供給を停止し、基板回転工程は継続しながら、第3リンス工程を実行する(ステップS7)。第3リンス工程は、基板Wの主面にリンス液を供給して、基板Wの主面上の第3エッチング液をリンス液で置換して基板W外へ洗い流す処理である。具体的には、スピンモータ4、第3リンス液バルブ38、第3リンス液流量調整バルブ39、第3スキャンモータM3等を制御する。それにより、第3ノズル30から基板Wの主面にリンス液が吐出される。この場合の吐出は、リンス液の着液位置を回転軸線A1付近に固定する固定吐出であってもよいし、スキャン吐出であってもよい。所定時間のリンス処理の後、コントローラ6は、第3リンス液バルブ38および第3処理液バルブ35を閉じて、第3リンス工程を終える。
【0060】
その後、コントローラ6は、基板W上の液体を排除して基板Wを乾燥するための乾燥工程を行う(ステップS8)。乾燥工程は、典型的には、スピンチャック2の回転速度を乾燥回転速度まで加速して回転するスピンドライ処理である。
【0061】
乾燥工程を終えると、コントローラ6は、スピンチャック2の回転を停止して、基板回転工程を終了する(ステップS9)。その後、基板搬送ロボットによって、処理済みの基板Wが搬出される。
【0062】
図7Aは、高速薄化段階を終えた基板Wの主面の表面プロファイル、すなわち、第1エッチング工程を開始する前の初期表面プロファイルの一例を示す。横軸は回転半径方向位置(回転軸線A1からの距離)であり、縦軸は除去対象のシリコン層100の層厚を表す。回転軸線A1まわりの周方向位置に関しても多少のばらつきがあるので、表面プロファイルは線状ではなく帯状の形態を有する。ここでは高速薄化段階における目標層厚は49μmに設定されている。
【0063】
図7Bは、フッ硝酸水溶液(第1エッチング液)を用いる第1エッチング工程の後の表面プロファイル(第1表面プロファイル)の一例を表す。第1表面プロファイルは、初期プロファイルと第1エッチングプロファイルとの重ね合わせになる。換言すれば、第1表面プロファイルと初期表面プロファイルとの差分が第1エッチングプロファイルである。
【0064】
図7Cは、TMAH水溶液(第2エッチング液)を用いる第2エッチング工程後の表面プロファイル(第2表面プロファイル)の一例を示す。第2表面プロファイルは、第1表面プロファイルと第2エッチングプロファイルとの重ね合わせになる。換言すれば、第2表面プロファイルと第1表面プロファイルとの差分が第2エッチングプロファイルである。第2表面プロファイルは、初期表面プロファイル、第1エッチングプロファイルおよび第2エッチングプロファイルの重ね合わせとなる。
【0065】
この実施形態では、第1エッチング工程のエッチング条件(第1エッチングパラメータ)と、第2エッチング工程のエッチング条件(第2エッチングパラメータ)とが、第2表面プロファイルを可能な限り平坦にするように設定される。より具体的には、第1表面プロファイルよりも第2表面プロファイルの方が平坦になるように、第1エッチングパラメータ(とくに第1スキャンパラメータ)および第2エッチングパラメータ(とくに第2スキャンパラメータ)が調整されて設定される。第1エッチングパラメータを調整することによって第1エッチングプロファイルが調整され、第2エッチングパラメータを調整することによって第2エッチングプロファイルが調整される。第1エッチングパラメータの調整は第1エッチングプロファイルの調整と言い換えることができ、第2エッチングパラメータの調整は第2エッチングプロファイルの調整と言い換えることができる。
【0066】
前述のとおり、フッ硝酸水溶液(第1エッチング液)のエッチングレートは比較的高いので、それに応じて第1エッチングプロファイルは比較的大きな振幅を有する。よって、第1表面プロファイル(
図7B参照)は、求めるレベルの平面度を達成し難い。一方、TMAH水溶液(第2エッチング液)のエッチングレートは比較的低いので、第2エッチングプロファイルは小さな振幅の形状とすることができる。その反面、第2エッチングプロファイルは大きな振幅を有することができない。そのため、第2表面プロファイルの大まかな形状は、第1エッチング工程によって決まってしまう。
【0067】
したがって、第1表面プロファイルが最も平坦になるように第1エッチングパラメータを設定して第1エッチング工程を行い、その後に第2エッチング工程を行えば、第2表面プロファイルは良好な平面度を有すると考えられる。しかし、この妥当であると考えられるプロセスは、本発明者による研究により、最終的に最善な(最も平坦な)第2表面プロファイルを必ずしも達成しないことが発見された。より具体的には、第1表面プロファイルが最も平坦となる第1エッチングパラメータと、その第1エッチングパラメータに対して、第2表面プロファイルが最も平坦となる第2エッチングパラメータとの組み合わせは、必ずしも最適解とはならない。
【0068】
そこで、本発明者は、第2エッチングパラメータの調整によって実現可能な第2エッチングプロファイルに基づいて、第1表面プロファイルを調整(すなわち第1エッチングプロファイルを調整)し、それによって、平面度の高い第2表面プロファイルを得ることを考えた。そして、第1エッチング工程および第2エッチング工程の条件を個別に設定して各工程で可能な限り平坦な表面プロファイルとなるように調整するのではなく、第1表面プロファイルが必ずしも最も平坦とはならない第1エッチング条件を設定しながら、第2表面プロファイルが最も平坦となるように、第1エッチング条件および第2エッチング条件を調整できることを発見した。
【0069】
図8は、エッチングパラメータの調整の流れの一例を示す。
【0070】
第1エッチング工程のための第1エッチングパラメータ(パラメータ群)のバリエーションを複数組準備する(ステップS11)。そして、第1エッチングパラメータの各バリエーションを適用して、高速薄化段階を経た基板Wの主面に対して第1エッチング工程を行ったときの第1エッチングプロファイルを実測またはシミュレーションによって取得する(ステップS12)。実測によるときには、第1エッチングプロファイルは、厚みセンサ7を用いて第1表面プロファイルおよび第1エッチング工程の前の基板Wの主面の表面プロファイル(初期表面プロファイル)を計測し、それらの差分を演算することによって求めることができる。
【0071】
さらに、第2エッチング工程のための第2エッチングパラメータ(パラメータ群)のバリエーションを複数組準備する(ステップS13)。そして、第2エッチングパラメータの各バリエーションを適用して、基板Wの主面に対して第2エッチング工程を行ったときの第2エッチングプロファイルを実測またはシミュレーションによって取得する(ステップS14)。実測によるときには、第2エッチングプロファイルは、厚みセンサ7を用いて第2表面プロファイルおよび第2エッチング工程の前の基板Wの主面の表面プロファイルを計測し、それらの差分を演算することによって求めることができる。基板Wは、この場合、第1エッチング工程を経た基板Wであることが好ましいが、高速薄化段階を経て第1エッチング工程を経ていない基板Wであってもよい。
【0072】
次に、第1エッチングプロファイルと第2エッチングプロファイルとを重ね合わせて合成エッチングプロファイルを作成する(ステップS15)。合成エッチングプロファイルは、第1エッチングパラメータの複数のバリエーションから得られた複数の第1エッチングプロファイルと、第2エッチングパラメータの複数のバリエーションから得られた複数の第2エッチングプロファイルとの全ての組み合わせについて作成される。
【0073】
そうして作成された複数の合成エッチングプロファイルから、基板W全体で最も平坦な合成エッチングプロファイルが選定される(ステップS16)。このとき、平面度が所定値(たとえば1.5μm)以下の合成エッチングプロファイルが選定される。その選定された合成エッチングプロファイルに対応する第1エッチングパラメータおよび第2エッチングパラメータの組み合わせが、基板処理に適用すべきエッチングパラメータとして確定される(ステップS17)。
【0074】
初期表面プロファイルが充分な平面度を有するときには、合成エッチングプロファイルが所定値以下の平面度を有することにより、それに応じて、第2エッチング工程後の基板Wの主面は所定値(たとえば1.5μm)以下の平面度を有することができる。よって、上記のようにして確定した第1エッチングパラメータおよび第2エッチングパラメータを第1エッチング工程および第2エッチング工程にそれぞれ適用することによって、第2エッチング工程後の基板Wの主面は所定値以下の平面度を有することができる。
【0075】
図9は、エッチングパラメータの調整の流れの他の例を示す。
図8の各ステップと同様のステップには同一参照符号を付す。
【0076】
この例では、ステップS15で得られる複数の合成エッチングプロファイルに初期表面プロファイルを重ね合わせて、第2表面プロファイルに相当する複数の合成表面プロファイルが求められる(ステップS21)。そして、基板全体で最も平坦な合成表面プロファイルが選定される(ステップS22)。このとき、平面度が所定値(たとえば1.5μm)以下の合成表面プロファイルが選定される。その選定された合成表面プロファイルが得られたときの合成エッチングプロファイルに対応する第1エッチングパラメータおよび第2エッチングパラメータの組み合わせが、基板処理に適用すべきエッチングパラメータとして確定される(ステップS23)。初期表面プロファイルの平面度が不充分なときには、合成表面プロファイルの平面度を基準にエッチングパラメータを確定することにより、第2エッチング工程の後の表面プロファイルを最適化できる。
【0077】
合成表面プロファイルは、初期表面プロファイルに第1エッチングプロファイルおよび第2エッチングプロファイルを重ね合わせた表面プロファイルであり、前述のとおり、第2表面プロファイルに相当する。そこで、合成表面プロファイルが所定値(たとえば1.5μm)以下の平面度を有するように第1エッチングパラメータおよび第2エッチングパラメータが確定される。こうして確定された第1エッチングパラメータおよび第2エッチングパラメータを第1エッチング工程および第2エッチング工程にそれぞれ適用することによって、第2エッチング工程後の基板Wの主面は所定値(たとえば1.5μm)以下の平面度を有することができる。
【0078】
エッチングプロファイルに対して大きな影響を及ぼすエッチングパラメータの一つは、スキャンパラメータである。前述のとおり、第1エッチングパラメータは第1スキャンパラメータを含み、第2エッチングパラメータは第2スキャンパラメータを含む。スキャンパラメータとは、スキャン工程における着液位置の時間変化を規定するパラメータである。すなわち、スキャンパラメータは、時間経過に対する着液位置の変化を規定する。より具体的には、スキャンパラメータは、時間経過に伴う移動ノズルの位置の変化を規定する。第1スキャンパラメータおよび第2スキャンパラメータの組み合わせを適切に調整しておくことによって、第2エッチング工程後の基板Wの主面の表面プロファイルは所定値(たとえば1.5μm)以下の平面度を有することができる。
【0079】
図10Aおよび
図10Bは、第3エッチング工程の特徴の一例を説明するための図である。第3エッチング工程の目的は、シリコンゲルマニウム層であるエッチングストップ層101を貫通することなく、そのエッチングストップ層101の上に残るシリコン層100を全て除去することである。そのために、シリコンゲルマニウムに対するシリコンのエッチング選択性は可能な限り高いことが好ましく、たとえば150以上が好ましく、250以上であればより好ましい。そして、処理時間の短縮のために、シリコン層100のエッチング層は可能な限り高いことが好ましく、たとえば200nm/分以上が好ましく、300nm/分以上であればより好ましい。
【0080】
図10Aは、第3エッチング液の一例であるアンモニア水によってシリコンを選択エッチングする場合について、水酸化アンモニウム(NH
4OH)の濃度(水酸化アンモニウム:水)に対するエッチング選択比(左縦軸)およびエッチングレート(右縦軸)の関係を調べた結果を示す。横軸は、水酸化アンモニウムの割合を1としたときの水の割合である。エッチング選択比は、Si
0.75Ge
0.25のエッチングレートに対するSiのエッチングレートの比である(次に説明する
図10Bにおいても同じ)。アンモニア水の温度は70℃とした。図中、エッチング選択比は「○」で表され、エッチングレートは「●」で表されている。エッチングレートは濃度が高いほど高くなっている。一方、エッチング選択比は、水酸化アンモニウム:水=1:30の付近までは濃度の増加に応じて増加傾向を示し、水酸化アンモニウム:水=30~20の範囲ではほぼ変化がなく、水酸化アンモニウム:水=1:20よりも高い濃度範囲では減少傾向となっている。
【0081】
図10Bは、水酸化アンモニウム:水=1:20の濃度のアンモニア水によってシリコンを選択エッチングする場合について、アンモニア水の温度に対するエッチング選択比(左縦軸)およびエッチングレート(右縦軸)の関係を調べた結果を示す。横軸は、アンモニア水の温度である。
図10Aと同じく、エッチング選択比は「○」で表され、エッチングレートは「●」で表されている。エッチングレートは温度が高いほど高くなっている。一方、エッチング選択比は、50℃までは減少傾向であり、50℃を超える温度範囲で増加傾向に転じ、60℃付近で極大となり、60℃を超える温度範囲では再び減少傾向となっている。
【0082】
そこで、たとえば、水酸化アンモニウム:水=1:20で、かつ60℃のアンモニア水を第3エッチング液として用いることによって、300nm/分以上のエッチングレート、かつ250以上のエッチング選択比を達成できる。
【0083】
このように、濃度および温度を適切に設定したアンモニア水を第3エッチング液として用いて第3エッチング工程を行うことにより、シリコンゲルマニウム層からなるエッチングストップ層101の膜損失を抑制しながら、エッチングストップ層101上に残るシリコン層100を全て除去することができる。たとえば、エッチングストップ層101の膜損失は、5nm以下とすることができる。
【0084】
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することができる。
【0085】
たとえば、前述の実施形態では、高速薄化段階が研削工程および研磨工程を含む場合について主として説明したが、研磨工程を省いてもよい。
【0086】
また、精密薄化段階は、第1エッチング工程の前にドライエッチング工程を含んでいてもよい。
【0087】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 :基板処理装置
2 :スピンチャック
3 :回転ホルダ
4 :スピンモータ
5 :処理液供給ユニット
6 :コントローラ
7 :厚みセンサ
10 :第1ノズル
11 :第1処理液配管
12 :第1エッチング液配管
13 :第1リンス液配管
14 :第1ノズル移動ユニット
15 :第1処理液バルブ
16 :第1エッチング液バルブ
18 :第1リンス液バルブ
20 :第2ノズル
21 :第2処理液配管
22 :第2エッチング液配管
23 :第2リンス液配管
24 :第2ノズル移動ユニット
25 :第2処理液バルブ
26 :第2エッチング液バルブ
28 :第2リンス液バルブ
30 :第3ノズル
31 :第3処理液配管
32 :第3エッチング液配管
33 :第3リンス液配管
34 :第3ノズル移動ユニット
35 :第3処理液バルブ
36 :第3エッチング液バルブ
38 :第3リンス液バルブ
45 :センサホルダ
46 :センサ駆動ユニット
51 :第1エッチング液供給ユニット
52 :第2エッチング液供給ユニット
53 :第3エッチング液供給ユニット
61 :プロセッサ
62 :メモリ
63 :補助記憶装置
65 :表示装置
66 :入力装置
100 :シリコン層
101 :エッチングストップ層
102 :シリコン活性層
103 :多層配線層
104 :埋め込み電源レール
200 :シリコン基板
201 :絶縁層
300 :接着層
A1 :回転軸線
M1 :第1スキャンモータ
M2 :第2スキャンモータ
M3 :第3スキャンモータ
M4 :第4スキャンモータ
W :基板(貼り合わせ基板)
W1 :第1シリコンウエハ
W2 :第2シリコンウエハ