(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160745
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】キャスト編成装置、キャスト編成方法及びキャスト編成プログラム
(51)【国際特許分類】
B22D 46/00 20060101AFI20241108BHJP
B22D 11/16 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B22D46/00
B22D11/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076030
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山本 政
(72)【発明者】
【氏名】里見 佑太
(72)【発明者】
【氏名】稲田 利亀
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004MC30
(57)【要約】
【課題】より生産性の高いキャスト編成を生成することのできる技術を提供する。
【解決手段】キャスト編成装置(1)は、連続鋳造で製造する複数の中間製品を当該中間製品の巾でソートした中間製品列を生成する生成部(121)と、中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を特定する特定部(122)と、中間製品列を上記位置で分割することにより、当該中間製品列を製造対象列と除外候補列とに分割する分割部(123)と、除外候補列に含まれる中間製品を含まない分配パターンと、除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部を含む分配パターンとを鋼種毎に生成する分配パターン生成部(124)と、生成した鋼種毎の複数の分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する編成候補生成部(125)と、鋼種毎の分配パターンの鋼種間での組み合わせのそれぞれを評価する評価部(126)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成装置であって、
前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する特定部と、
前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割する分割部と、
鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、
前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成する分配パターン生成部と、
前記分配パターン生成部が生成した前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する編成候補生成部と、
前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する評価部と、
を備えるキャスト編成装置。
【請求項2】
前記評価部の評価結果に基づき、前記複数の組み合わせのなかからいずれかを選択する選択部、を更に備える
請求項1に記載のキャスト編成装置。
【請求項3】
前記複数の中間製品は、顧客から受けた注文に対応する中間製品のうち優先度が他の中間製品よりも高い中間製品であり、
前記選択部は、選択した組み合わせにおいて製造順が前後する中間製品同士の巾の差分が大きい箇所を、予め定められた基準に基づいて特定し、
特定した箇所に、顧客から受けた注文に対応する中間製品であって前記複数の中間製品に含まれない中間製品を組み入れる、
請求項2に記載のキャスト編成装置。
【請求項4】
前記評価基準は、前記複数の中間製品のうち前記組み合わせに含まれない中間製品の数が多いほど低い評価とする評価条件を含む、
請求項1又は2に記載のキャスト編成装置。
【請求項5】
前記分配パターン生成部は、前記中間製品の巾の昇順と降順とを考慮した前記分配パターンを生成する、
請求項1又は2に記載のキャスト編成装置。
【請求項6】
前記巾情報を入力するデータ入力部と、
前記巾情報に基づいて、前記複数の中間製品を並べた中間製品列を生成する生成部と、
を更に備える請求項1又は2に記載のキャスト編成装置。
【請求項7】
複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成方法であって、
前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定するステップと、
前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割するステップと、
鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、
前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成するステップと、
前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成するステップと、
前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価するステップと、
を含むキャスト編成方法。
【請求項8】
複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成プログラムであって、
前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する処理と、
前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割する処理と、
鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、
前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成する処理と、
前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する処理と、
前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する処理と、
を実行させるためのキャスト編成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャスト編成装置、キャスト編成方法及びキャスト編成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼の製造工程では、高炉で製造された銑鉄を転炉に輸送し、転炉で鍋(チャージ)単位に成分調整がなされた後、タンディッシュに流し込まれた溶鋼を連続的に鋳造および切断し、スラブ、ブルーム、またはビレットなどと称される中間製品を製造する。このとき、上記の連続的に鋳造、切断を行う工程を連続鋳造工程と称し、連続鋳造工程において連続的な溶鋼の鋳造を中断することなく、中間製品を連続的に製造する単位(製造ロット)をキャストと称している。また、各製造ロット内における中間製品の鋳造順序(製造スケジュール)を、中間製品のサイズ、品質および納期などに基づいて決定することをキャスト編成と称している。連続鋳造工程によって製造された中間製品は、次工程である熱間圧延工程に運ばれ、加熱炉にて圧延可能な温度まで加熱された後、薄板、厚板、または形鋼などに圧延される。
【0003】
キャスト編成を行う技術として、例えば特許文献1には、データ読込部がキャスト編成対象のオーダーに対応して製造されスラブとなる予定の仮スラブの情報を読み込み、鋼種選択部が仮スラブの製造の優先度の高い鋼種を選択し、キャスト作成部が選択された鋼種について、制約条件を充足する鋼種別のキャストを作成し、キャスト接続部が選択された製造の優先度が高い鋼種と、該鋼種と接続可能な他の鋼種とについて作成されたキャストを、制約条件を充足しつつ接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、多数の顧客から要求される様々な大きさの中間製品を連続鋳造により製造する場合、巾の異なる複数の中間製品が含まれるキャストを生成する必要がある。この場合、1つのキャストにおいて製造順が前後する中間製品同士の巾のギャップが大きいと、製造可能なキャストにするために巾帯の繋ぎとして注文されていない中間製品(余材)を配置する必要がある。余材は製造する必要のない中間製品であるため、余材の量が多いほど生産性が低くなってしまうという問題がある。特許文献1に記載の技術においても、より生産性の高いキャスト編成を生成するという観点において改善の余地がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、より生産性の高いキャスト編成を生成することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るキャスト編成装置は、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成装置であって、前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する特定部と、前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割する分割部と、鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成する分配パターン生成部と、前記分配パターン生成部が生成した前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する編成候補生成部と、前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する評価部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るキャスト編成方法は、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成方法であって、前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列を生成するステップと、前記中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定するステップと、前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割するステップと、鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成するステップと、前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成するステップと、前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価するステップと、を含む。
【0009】
本発明の各態様に係るキャスト編成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記キャスト編成装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記キャスト編成装置をコンピュータにて実現させるキャスト編成装置のキャスト編成プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、より生産性の高いキャスト編成を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るキャスト編成装置を含む製造スケジュール決定装置の概略的な構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るキャスト編成装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るスラブ候補群の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るスラブ候補群に含まれる各スラブの許容される巾の範囲の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る分配パターンの具体例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る余剰スラブの本数の計算方法の具体例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るキャスト編成方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態は、鉄鋼の製造工程、特にスラブ、ブルーム、又はビレットを含む中間製品の製造工程において用いられるキャスト編成装置及びキャスト編成方法に関する。
【0013】
本実施形態において、キャストとは、中間製品を連続的に製造(鋳造)する単位であり、この単位を1製造ロットに対応させている。つまり、1キャストからは、1回の連続操業で製造される複数の中間製品からなる中間製品群が製造される。通常、各中間製品は、顧客からの要求に沿って、それぞれ異なる成分組成と大きさを有している。それを、成分組成が所定の許容範囲ごとにまとめたものを「材質」又は「鋼種」とも称する。つまり、任意の鋼種に属する複数の中間製品は、その少なくとも1つにおいて、他の成分組成と異なる場合がある。1つの鋼種のグループに含まれる中間製品は、その鋼種の許容範囲内に成分調整がなされた1つ又は複数のチャージから製造される。
【0014】
本実施形態において、キャスト編成とは、各キャスト(製造ロット)に含まれる、複数の鋼種からなり様々な大きさを有する中間製品群の製造順を、中間製品のサイズ、鋼種および納期などに基づいて決定することを指す。
【0015】
本実施形態において、スラブとは、鉄鋼を鋳造する際の中間製品として製造されるものであり、溶鋼が、その断面の形状が矩形の長尺体に鋳造されて切断されたものをいう。スラブは、次の工程で圧延され、コイル状に巻き取られた後、さらに別の工程で処理されて各種製品となる。
【0016】
スラブの大きさとは、本実施形態ではスラブを平面視した場合の短片と長辺の長さをいうが、特に重要となるのは短辺の長さである。短辺の長さとは、鋳造されたスラブがストランドを搬送される方向に直交する方向の長さであり、以下、この長さを巾と称する。なお、長辺はスラブの長さに相当する。
【0017】
なお、ブルームとは、スラブよりも小型で、断面の巾と厚さの比率が1に近い(正方形に近い)ものを指す。また、ビレットとは、断面が矩形であり、大きさがブルームよりもさらに小さいものを指す。ブルーム及びビレットの巾は、スラブと同様に定義される。
【0018】
また、ストランドとは、鋳造ラインであり、タンディッシュから溶鋼が流し込まれる鋳型と、鋳型から引き出された鋳片を搬送しながら成型する一連の成型ロールとを含む。
【0019】
多数の顧客から要求される中間製品の鋼種と大きさの組み合わせは非常に数が多い。さらに、鋳造ラインの運転上の制約もあるため、多種の中間製品の効率的な製品配列を決定することは容易ではない。すべての組み合わせを評価することは時間的に困難であるため、効率の良さそうな製造順の組み合わせを選んで評価することが求められる。本実施形態に係るキャスト編成装置及びキャスト編成方法は、スラブ、ブルームまたはビレットのいずれかの中間製品の製造順を、できるだけ製造効率が良くなるように決定するための装置と方法である。
【0020】
(製造スケジュール決定装置)
以下に、本実施形態に係るキャスト編成装置1について説明するが、まず、キャスト編成装置1の位置付けについて説明する。以下では、中間製品がスラブの場合を例にとって説明する。
図1は、本実施形態に係るキャスト編成装置1を含む製造スケジュール決定装置100の概略的な構成を示す構成図である。製造スケジュール決定装置100の各部は、例えば、専用のコンピュータシステムにおいて実装されてもよいし、パーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータシステムにおいてアプリケーションソフトウェアとして実装されてもよい。あるいは、製造スケジュール決定装置100の各構成要素は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークを介して接続された複数のコンピュータに分散して実装されてもよい。また、製造スケジュール決定装置100の各構成要素は、一部又は全部がクラウド上に配置され、互いに情報通信可能に接続されていてもよい。
【0021】
製造スケジュール決定装置100は、キャスト編成装置1および制約違反解消部130を含む。キャスト編成装置1は、データ入力部110および粗キャスト編成部120を含む。以上のように、キャスト編成装置1は、製造スケジュール決定装置100の一部を構成する装置である。なお、製造スケジュール決定装置100は、一次製品(中間製品)を製造する第1の工程と、一次製品から二次製品を製造する第2の工程とを含む、鉄鋼製品を製造する工程において、第1の工程での一次製品の製造スケジュールを決定する装置である。
図1に示す実施形態の製造スケジュール決定装置100の各部の機能は、プログラムに従って動作する1又は複数のプロセッサ、および当該プロセッサにデータを入出力するためのインターフェースによって実現される。
【0022】
製造スケジュール決定装置100が処理に用いるスラブ情報ファイル101、および同鋼種キャスト情報ファイル102は、オペレータによる操作や、定時での自動取り込み指示などによって読み込まれる。製造スケジュール決定装置100は、これらのファイルに記録された情報に基づいて実行した処理の結果を、キャスト編成結果ファイル104に記録する。また、製造スケジュール決定装置100は、粗キャスト編成部120および制約違反解消部130で実行する処理において編成条件ファイル105を読み込む。
【0023】
これらのファイルは、例えばコンピュータに内蔵されたメモリ、またはコンピュータに接続可能なリムーバブル記録媒体に記録される。また、上記のファイルのうちのいずれか、または全部が、製造スケジュール決定装置100とは異なる情報処理装置において記憶されていてもよい。その場合、これらのファイルの内容は、LANやインターネットなどの電気通信回線を用いた通信を介して製造スケジュール決定装置100に読み込まれたり、製造スケジュール決定装置100によって書き込まれたりしてもよい。
【0024】
スラブ情報ファイル101は、製造しようとする各スラブに関する情報を格納するためのファイルである。スラブに関する情報は、一例として、スラブID(スラブを特定する情報)、スラブ巾、スラブ長さ、スラブ重量、材質等の製造仕様と、工程の通過希望日時、通過期限日時等の工程情報とを含む。スラブ巾(巾に関する巾情報)には、顧客から指定された巾と、スラブを製造する段階で許容される範囲の巾と、が含まれている。後者の巾の範囲をスラブ製造時の目標としてもよい。スラブの巾は、スラブを製造した後の圧延工程等で、顧客が指定した巾の範囲内に調整することが可能だからである。ただし、巾に関する巾情報は、顧客から指定された巾や、スラブを製造する段階で許容される範囲の巾など、スラブの巾を示すような情報の少なくとも一つを含んでいれば良い。
【0025】
また、スラブに関する情報には、優先度を示す情報が含まれている。優先度を示す情報は、そのスラブの優先度が高いか否かを示す情報であり、例えば「1」又は「0」である。一例として、優先度を示す情報が「1」である場合、そのスラブの優先度が高いことを示す。一方、優先度を示す情報が「0」である場合、そのスラブの優先度が低いことを示す。以下の説明では、優先度の高いスラブを「組込指示材」ともいう。換言すると、組込指示材は、顧客から受けた注文に対応するスラブのうち優先度が他のスラブよりも高いものであり、優先的に製造することが求められているスラブである。ここで、顧客から受けた注文に対応する全てのスラブの優先度が「1」である場合は、当該全てのスラブが組込指示材である。上記優先度は、例えばオペレータによる操作により設定される。ただし、本発明は本実施形態に限定されず、スラブに関する情報に優先度を示す情報は含まれていなくてもよい。
【0026】
同鋼種キャスト情報ファイル102は、キャストに含まれる同鋼種ごとのチャージに関する情報を格納するためのファイルである。具体的には、同鋼種キャスト情報ファイル102には、1つの同鋼種キャスト毎に、一例として、同鋼種キャストID、チャージ数、重量下限、重量上限、材質、製造順等が含まれている。これらのうち、予め定められた製造順に関する情報は必須である。
【0027】
(制約条件)
編成条件ファイル105には、一例として、連続鋳造工程におけるスラブの製造スケジュールに関する制約条件、および熱間圧延工程におけるコイルの製造スケジュールに関する制約条件等が含まれている。スラブの製造スケジュールに関する制約条件には、巾移行条件と部位配置条件とが含まれる。
【0028】
本実施形態において、巾移行とは、製造するスラブの巾を変化させることである。また一例として、連続鋳造工程における巾移行に関する制約条件は2つあり、第1の巾移行条件は、製造順が隣接するスラブの巾の変化量が所定の巾(閾値)よりも小さいことである。ストランドの設備的な制約から、連続鋳造工程において、スラブの巾を所定の巾より大きく変化させることは難しいためである。
【0029】
また、第2の巾移行条件は、巾の移行方向の変化回数が少ないことである。巾の移行方向には、巾を大きくする方向と巾を小さくする方向とが含まれる。ストランドの設備的な制約などから、巾の移行方向はできるだけ1方向であることが好ましいためである。つまり、巾を大きくする操作をした場合は、次の操作も巾を大きくすることが好ましい。同様に、巾を小さくする操作をした場合は、次の操作も巾を小さくすることが好ましい。その理由は、例えば巾の移行方向を変える操作には手間がかかるためである。
【0030】
本実施形態において、部位配置条件とは、一例として、各ストランドにおける所定の製造順序位置では、スラブの組成の許容範囲が、相対的に又は所定の範囲よりも大きいスラブを配置する必要があるということである。例えば、キャストの先頭と末尾と、チャージ(取鍋)又は鋼種が変わる前後とでは、組成の許容範囲が広いスラブを配置することが求められる。このような位置では、異なる組成の溶鋼が混じりやすいため、スラブの組成が設定した値からぶれやすいためである。組成の許容範囲が十分に広ければ、組成の設定値からのぶれが生じたとしても、許容範囲に入り得る。
【0031】
(キャスト編成装置)
以上を前提として、本実施形態に係るキャスト編成装置1について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るキャスト編成装置1の構成を示すブロック図である。図示するように、キャスト編成装置1は、データ入力部110および粗キャスト編成部120を備えている。粗キャスト編成部120は、生成部121、特定部122、分割部123、分配パターン生成部124、編成候補生成部125、評価部126、および選択部127を備える。粗キャスト編成部120は、キャストの中間キャスト編成案(1次解)を生成する。粗キャスト編成部120が生成した中間キャスト編成案は、制約違反解消部130によって製造可能かつ操業しやすいキャストに修正される。つまり、粗キャスト編成部120は、データ入力部110から入力された情報に基づいて、中間キャスト編成案を生成する。この段階での中間キャスト編成案は、必ずしもすべての制約条件を満たさなくてもよい。
【0032】
(データ入力部)
データ入力部110は、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造するスラブ(キャスト編成対象のスラブ)に関する情報を粗キャスト編成部120に入力する。スラブに関する情報は、スラブの巾に関する情報(以下、巾情報)を含む。巾情報は一例として、スラブ巾の許容範囲を示す情報を含む。また、スラブに関する情報は、例えばスラブ長さ、スラブ重量、材質等のスラブの製造仕様に関する他の情報をさらに含んでもよい。スラブの巾に関する巾情報は、データ入力部110がスラブ情報ファイル101から読み出し、粗キャスト編成部120に入力する。なお、データ入力部110が、鋼種内のスラブの暫定的な製造順を粗キャスト編成部120に入力してもよい。
【0033】
また、データ入力部110は、複数の鋼種間の並び順に関する情報を粗キャスト編成部120に入力する。前述のように、スラブの鋼種が大きく変化しないような順に鋳造することが好ましいため、鋼種間の並び順が予め決められている。鋼種間の並び順に関する情報は、データ入力部110が同鋼種キャスト情報ファイル102から読み出し、粗キャスト編成部120に入力する。なお、データ入力部110が入力するデータは、キャスト編成装置1が備える図示しないメモリに記録されてもよい。
【0034】
(生成部)
生成部121は、スラブの巾に関する巾情報に基づいて、キャスト編成対象のスラブのうちの組込指示材を巾でソートしたスラブ候補群を生成する。スラブ候補群は、組込指示材を巾情報に基づいて並べた中間製品列の一例である。生成部121は一例として、各スラブの許容される巾の最大値で複数のスラブをソートすることによりスラブ候補群を生成する。ただし、生成部121がスラブ候補群を生成する手法は上述した例に限定されず、生成部121は他の手法でスラブ候補群を生成してもよい。生成部121は例えば、顧客から指定された巾、許容される巾の最小値、等でスラブをソートすることによりスラブ候補群を生成してもよい。このとき、生成部121は、鋼種毎にスラブ候補群を生成してもよく、また、複数の鋼種を含むスラブ候補群を生成してもよい。
【0035】
図3は、生成部121が生成するスラブ候補群の一例を示す図である。
図3の例では、鋼種が「鋼種1」であるスラブsb11、sb12、…と、鋼種が「鋼種2」であるスラブsb21、sb22、…とがスラブ巾でソートされた結果が示されている。
図3のスラブ候補群においては、スラブsb21の巾が最も小さく、スラブsb11、sb12、sb13、sb14、…の順に巾が大きくなっている。
【0036】
(特定部)
特定部122は、生成部121が生成したスラブ候補群において隣り合うスラブ同士の巾の差分が大きい位置(組み外し判定巾位置p11)を予め定められた基準に基づいて特定する。特定部122は一例として、スラブ候補群において隣り合う2つのスラブが以下の条件を満たす位置を、差分が大きい位置として特定する。
wa_min-wb_max>組み外し判定巾
ここで、wa_minは、隣り合う2つのスラブのうちの巾が広いほうのスラブの許容される巾の最小値であり、wb_maxは、隣り合う2つのスラブのうちの巾が狭いほうのスラブの許容される巾の最大値である。また、「組み外し判定巾」は、特定部122の特定処理において参照される閾値の一例である。このとき、特定部122は、鋼種毎に上記位置を特定してもよく、また、複数の鋼種を含むスラブ候補群において1つの位置を特定してもよい。
【0037】
図4は、スラブ候補群に含まれる各スラブの許容される巾の範囲の例を示す図である。
図4の例で、スラブ候補群に含まれるスラブsb31、sb32、…のそれぞれの許容される巾の範囲が図示されている。スラブ候補群において、スラブsb33とスラブsb34とは隣り合うスラブであり、スラブsb34の許容巾の最小値1360mmとスラブsb33の許容巾の最大値1000mmとの差分は360mmである。ここで、組み外し判定巾が200mmである場合、360mm>200mmであるため、特定部122はスラブsb33とスラブsb34との境界を、差分が大きい位置として特定する。
【0038】
特定部122は、差分が大きい位置として1箇所を特定してもよいし、また、複数の位置を特定してもよい。例えば、上記条件を満たす位置が複数ある場合、特定部122は、上記条件を満たす全ての位置を差分が大きい位置として特定してもよいし、また、複数の位置のうち差分(wa_min-wb_max)が最も大きい位置を特定してもよい。また、差分が大きい位置を特定部122が特定する手法は上述した例に限定されず、特定部122は他の手法により差分が大きい位置を特定してもよい。
【0039】
(分割部)
分割部123は、スラブ候補群SB1を特定部122が特定した組み外し判定巾位置p11で分割することにより、スラブ候補群SB1を、連続鋳造での製造対象とする対象スラブ群SB11と当該製造対象から除外する候補とする組み外し候補群SB12とに分割する。対象スラブ群は、本明細書に係る製造対象列の一例であり、組み外し候補群は、本明細書に係る除外候補列の一例である。より具体的には、分割部123は一例として、上記スラブ候補群を上記差分が大きい位置で2分割した場合、含まれるスラブの数が少ないほうを組み外し候補群とし、数が多いほうを対象スラブ群としてもよい。また、一例として、特定部122により複数の位置が特定された場合、分割部123は、分割により得られる複数のスラブ群のうち、スラブの数が最も多いものを対象スラブ群とし、それ以外を組み外し候補群としてもよい。ただし、分割部123がスラブ候補群に含まれるスラブを対象スラブ群と組み外し候補群とに分ける手法は上述した例に限定されず、分割部123は、例えばスラブ情報ファイル101に含まれる組み外し候補群であることを示す情報に基づいて分割位置を特定するなど、他の手法により複数のスラブを対象スラブ群と組み外し候補群とに分けてもよい。また、分割部123は、鋼種毎に上記分割処理を行ってもよく、また、複数の鋼種を含むスラブ候補群を分割する処理を行ってもよい。
【0040】
図3の例では、特定部122によって1つの組み外し判定巾位置p11が特定されており、分割部123は、スラブ候補群SB1を組み外し判定巾位置p11で分割することにより、スラブsb21、sb11、sb12を組み外し候補群SB12とし、それ以外のスラブsb13、sb14、…を対象スラブ群SB11とする。また、
図4の例では、分割部123は、スラブ候補群SB2を組み外し判定巾位置p21で分割することにより、スラブsb31~sb33を組み外し候補群SB22とし、スラブsb34、35、…を対象スラブ群SB21とする。
【0041】
(分配パターン生成部)
分配パターン生成部124は、鋼種毎に、複数のストランドの各々にスラブを分配するパターンである分配パターンを生成する。このとき、分配パターン生成部124は、組み外し候補群に含まれるスラブを含まない分配パターン(第1の分配パターン)と、組み外し候補群に含まれるスラブの少なくとも一部を含む分配パターン(第2の分配パターン)とを鋼種毎に生成する。換言すると、分配パターン生成部124は、対象スラブ群に含まれるスラブを複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の第1の分配パターンを生成するとともに、対象スラブ群に含まれるスラブ、及び組み外し候補群に含まれるスラブの少なくとも一部、を複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の第2の分配パターンを生成する。
【0042】
このように第1の分配パターン及び第2の分配パターンを生成することで、鋼種毎に、組み外し候補群の有無に応じた2つの分配パターンが生成される。このため、後述する鋼種間での分配パターンの組み合わせにおいて、組み外し候補群の有無に応じて、鋼種間の繋がりがより適切(巾移行がより滑らか)となる組合せが得られる可能性を高められる。鋼種間の繋がりがより適切となる分配パターンの組み合わせが得られれば、鋼種間をつなげるのに必要な余材の削減が可能となり、生産性の向上が可能となる。
【0043】
ここで、1回の連続鋳造で製造するキャスト編成対象の複数個のスラブを鋼種別に分類した集合をそれぞれ鋼種別スラブ集合と称する。分配パターンとは、各鋼種別スラブ集合に含まれる複数個のスラブのそれぞれについて、複数のストランドに分配することを前提としたパターンである。即ち、分配パターン生成部124は、鋼種別スラブ集合毎に、複数のストランドの各々に分配するスラブを特定する情報を生成する。分配パターンによって各ストランドに分配されるスラブの数は、同じであっても異なっていてもよい。分配パターン生成部124は、巾移行条件を考慮せずに分配パターンを生成してもよい。
【0044】
本実施形態において、第1の分配パターンは、組込指示材のうち組み外し候補群を除いたスラブ群(対象スラブ群)の分配パターンである。また、第2の分配パターンは、組み外し候補群の少なくとも一部を含むスラブ群の分配パターンである。このように、分配パターン生成部124は、組み外し候補群を含まないスラブ群の分配パターン(第1の分配パターン)と、組み外し候補群を含むスラブ群の分配パターン(第2の分配パターン)と、をそれぞれ生成する。このとき、第2の分配パターンには、組み外し候補群に含まれる全ての組込指示材が含まれているが、これには限定されず、組み外し候補群に含まれる組込指示材の一部が含まれていてもよい。以下では、第1の分配パターンと第2の分配パターンとを各々区別する必要がない場合にはこれらを「分配パターン」と称する。
【0045】
多くの場合、中間製品を製造する連続鋳造工程では、1つのタンディッシュから2つのストランドが分岐して設けられている。そのため、以下では、ストランドが2つの場合を例にとって説明する。しかし、ストランドの数は2に限定されず、複数であればよい。例えば、1つのタンディッシュから3以上のストランドが設けられていてもよく、また複数のタンディッシュを設けて3以上のストランドを構成してもよい。3以上のストランドを用いる例については後述する。
【0046】
(分配パターンの具体例)
図5は、分配パターン生成部124が生成する分配パターンの具体例を示す図である。
図5の例において、対象スラブ群を2分割することにより得られた2つの部分集合P、Qのそれぞれに属する複数の組込指示材を巾順で降順/昇順のいずれかで並べることができるため、この並び順まで考えると、各鋼種で2×2=4とおりの第1の分配パターンPD11、PD12、PD13、PD14が得られる。
【0047】
また、
図5の例において、分配パターン生成部124は、上記4つの第1の分配パターンPD11、PD12、PD13、PD14のそれぞれに組み外し候補群Rを組み入れた第2の分配パターンPD21、PD22、PD23、PD24を生成する。すなわち、
図5の例で、分配パターン生成部124は、ひとつの鋼種について、4つの第1の分配パターンと4つの第2の分配パターンとの計8個の分配パターンを生成する。換言すると、分配パターン生成部124は、上記スラブの巾の昇順と降順とを考慮した分配パターンを生成する。分配パターンPD11~PD14は、組み外し候補群Rに含まれる組込指示材を組み外した第1の分配パターンである。一方、分配パターンPD21~PD24は、組み外し候補群Rを組み外していない第2の分配パターンである。
【0048】
(編成候補生成部)
編成候補生成部125は、鋼種毎の複数の分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する。ここで、組み合わせとは、鋼種毎の分配パターンをどのように組み合わせるかを示す組み合わせである。本実施形態では、鋼種の並びは予め定められており、編成候補生成部125は予め定められた鋼種の並びに従って複数の組み合わせを生成する。以下では、編成候補生成部125が生成する組み合わせを「キャスト編成候補」ともいう。編成候補生成部125は一例として、鋼種毎の8つの分配パターンを、分配パターンにおける鋼種の並びを守って、鋼種間で総当り的に組み合わせることにより、8^n(nはキャストに含まれる鋼種の数)のキャスト編成候補を生成する。ただし、編成候補生成部125がキャスト編成候補を生成する手法は上述した例に限定されず、編成候補生成部125は他の手法によりキャスト編成候補を生成してもよい。例えば、編成候補生成部125は、巾移行条件等の所定の条件を満たさないキャスト編成候補は生成しないなど、所定の条件を考慮してキャスト編成候補を生成してもよい。
【0049】
(評価部)
評価部126は、編成候補生成部125が生成した複数のキャスト編成候補の各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する。評価部126は一例として、複数の評価条件に基づきキャスト編成候補のそれぞれについて評価値を算出することによりキャスト編成候補を評価する。この場合、評価部126は一例として、編成条件ファイル105から取得したスラブの製造に関する制約条件のうち、スラブの巾移行条件を参照して、キャスト編成候補における製造順の各々について、巾移行条件に抵触する箇所が少ないほど高い評価値を導出してもよい。巾移行条件に抵触する箇所が少ないほど、編成したキャストの製造可否及び操業しやすさが高まるためである。
【0050】
また、評価部126は、分配パターン間の組み合わせの繋ぎ部分(つまり、鋼種間)のスラブの巾の変化量に関する評価値を導出し、当該評価値の例えば合計値などを参照してキャスト編成候補を評価してもよい。1つの鋼種のスラブは予め巾順に配列されているので、1つの鋼種内では巾移行条件は高い確率で満たされている。そのため、スラブの鋼種間の巾の変化量に関する評価値だけで判断しても、すべてのスラブ間の巾の変化量に関する評価値に基づく結論と大きな誤差は生じないためである。
【0051】
また、評価値は、一例として、巾移行条件に抵触する箇所にコストを与えることにより導出されてもよい。例えば、評価部126は、製造するスラブをノードとし、製造順にノードとノードを繋ぐルートをエッジとして、製造順の各々について、エッジのコストを評価する。具体的には、最初に製造するスラブから2番目に製造するスラブの巾の大きさの変化量から、巾移行条件に抵触するか否かのコスト評価を行う。最初のスラブと2番目のスラブの巾の差が、巾移行条件に抵触する場合は、そのエッジに大きなコストを与え、巾移行条件に抵触しない場合は、そのエッジに小さいコストを与える。以下、n番目のスラブと(n+1)番目のスラブとの巾の差についても同様に評価する(ただし、nは2以上の整数)。
【0052】
また、上記評価基準には、キャスト編成候補に含まれない組込指示材の数が多いほど低い評価とする評価条件が含まれてもよい。この場合、評価値は一例として、キャスト編成候補に含まれない組込指示材(組み外し候補群に含まれる組込指示材)の数が多いほど低い評価となる値である。
【0053】
(選択部)
選択部127は、評価部126の評価結果に基づき、複数のキャスト編成候補のなかからいずれかを選択する。選択部127は一例として、評価部126が算出した評価値が最も高いキャスト編成候補を選択する。選択部127は1つのキャスト編成候補を選択してもよく、また、複数のキャスト編成候補を選択してもよい。
【0054】
また、選択部127は、選択したキャスト編成候補において製造順が前後するスラブ同士の巾の差分が大きい箇所を、予め定められた基準に基づいて特定し、特定した箇所に余剰スラブを組み入れる処理を行ってもよい。「余剰スラブ」とは、顧客からの注文とは紐付けされていないスラブを指す。余剰スラブは余材とも呼ばれる。このように、選択部127は、選択したキャスト編成候補において、連続するスラブの巾の差分が大きい箇所に余剰スラブを組み入れることにより、巾移行制約を満足させる。このとき、選択部127は、余剰スラブに代えて、顧客からの注文と紐付けされたスラブであって優先度の低いスラブ(組込指示材でないスラブ)を組み入れてもよい。換言すると、選択部127は、顧客から受けた注文に対応するスラブであって組込指示材でないスラブを特定した箇所に組み入れてもよい。
【0055】
図6は、キャスト編成候補において必要な余剰スラブの本数の計算方法の具体例を示す図である。
図6には、スラブIDが「1」~「5」の5つの組込指示材が順に並んだキャスト編成候補が図示されている。スラブIDが「1」~「5」の組込指示材のそれぞれについて、鋳造可能巾と許容可能巾とが図示されている。選択部127は、キャスト編成候補において製造順が前後する組込指示材の鋳造可能巾及び許容可能巾に基づき、スラブ順規定巾の範囲を順次計算し、この範囲でスラブが出鋼できない場合、余剰スラブを仮想的に配置する。ここで、スラブ順規定巾とは、次のスラブについて計算された鋳造可能な巾の範囲を示す。
図6の例では、sb51、sb52、sb53の3つの余剰スラブが組み込まれる。
【0056】
(キャスト編成方法の一例)
次に、本実施形態に係るキャスト編成方法の具体例を説明する。
図7は、本実施形態に係るキャスト編成方法の一例であるキャスト編成方法S100を示すフローチャートである。ステップS101において、データ入力部110は、スラブ情報ファイル101に情報が登録されているスラブのうち、優先度の高いスラブである組込指示材を抽出する。ステップS102において、データ入力部110は、抽出した組込指示材の巾情報を粗キャスト編成部120に入力する。
【0057】
ステップS103において、生成部121は、データ入力部110が入力した巾情報に基づいて、組込指示材を巾でソートし、スラブ候補群を生成する。また、ステップS104において、特定部122は、生成部121が生成したスラブ候補群において隣り合うスラブ同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する。
【0058】
ステップS105において、分割部123は、特定部122が特定した位置に基づき、組み外し候補群を指定する。また、ステップS106において、分割部123は、組込指示材から組み外し候補群を除いたスラブ群である対象スラブ群を生成する。換言すると、分割部123は、上記スラブ候補群を上記差分が大きい位置で分割することにより、組込指示材を組み外し候補群と対象スラブ群とに分類する。
【0059】
ステップS107において、分配パターン生成部124は、対象スラブ群を鋼種毎に分類する。例えば、鋼種数がn(nは自然数)である場合、対象スラブ群を鋼種毎に分類することにより、n個の部分集合が生成される。また、ステップS108において、分配パターン生成部124は、鋼種毎に分類された対象スラブ群を、ストランド数に分割する。例えばストランド数が2である場合、鋼種毎に分類されたn個の部分集合のそれぞれが2つに分けられる。
【0060】
ステップS109において、分配パターン生成部124は、対象スラブ群に含まれる組込指示材の製造順を示す複数の第1の分配パターンを生成するとともに、組み外し候補群に含まれる組込指示材の少なくとも一部と対象スラブ群に含まれる組込指示材との製造順を示す複数の第2の分配パターンを生成する。
【0061】
換言すると、ステップS107~S109において、分配パターン生成部124は、対象スラブ群に含まれるスラブを鋼種毎に分類し、当該鋼種毎に上記複数の第1の分配パターンを生成するとともに、組み外し候補群に含まれる組込指示材の少なくとも一部と対象スラブ群に含まれるスラブとを上記鋼種毎に分類し、当該鋼種毎に上記第2の分配パターンを生成する。
【0062】
ステップS110において、編成候補生成部125は、鋼種毎の分配パターンを組み合わせて複数の鋼種を含むキャスト編成候補を生成する。編成候補生成部125は、一例として、鋼種毎の8つの分配パターンを、キャストにおける鋼種の並びを守って総当り的に組み合わせることにより、8^n(nはキャストに含まれる鋼種の数)のキャスト編成候補を生成する。
【0063】
ステップS111において、評価部126は、複数の第1の分配パターン及び複数の第2の分配パターンのそれぞれを予め定められた評価基準に基づいて評価する。評価部126は一例として、分配パターンのそれぞれについて評価値を算出する。ステップS112において、選択部127は、評価部126の評価結果に基づき、上記複数の第1の分配パターン及び上記複数の第2の分配パターンのなかからいずれかの分配パターンを選択する。選択部127は一例として、最も高い評価値を有するキャスト編成候補を選択する。
【0064】
ステップS113において、選択部127は、選択部127が選択したキャスト編成候補において、連続するスラブの巾の差分が大きい箇所に余剰スラブを組み入れることにより、巾移行制約を満足させる。このとき、選択部127は、余剰スラブに代えて、優先度の低いスラブを組み入れてもよい。ステップS114において、選択部127は余剰スラブ等が組み込まれたキャスト編成候補を出力する。
【0065】
キャスト編成装置1が出力するキャスト編成候補には、組み外し候補群に含まれる組込指示材(優先度が高いスラブ)が組み込まれていないことがあり得る。その場合、キャスト編成候補に組み込まれていない組込指示材は、次回の連続鋳造のキャスト編成候補の生成において、優先度の高いスラブとされる。
【0066】
(実施形態の効果)
以上説明したように本実施形態に係るキャスト編成装置1は、組込指示材を巾でソートしたスラブ候補群において巾の差分が大きい位置に基づいてスラブ候補群を対象スラブ群と組み外し候補群とに分類し、組み外し候補群を含めない第1の分配パターンと、組み外し候補群の少なくとも一部を含む第2の分配パターンとを生成する。また、鋼種毎に生成した第1の分配パターンおよび第2の分配パターンを、編成対象の全鋼種が含まれるように組み合わせたキャスト編成候補を生成し、評価基準に基づいて評価する。これにより、組み外し候補群の有無を考慮した鋼種間がより滑らかに繋がるキャスト編成候補を得ることができるので、余材の量を削減することができ、より生産性の高いキャスト編成を生成することができる。すなわち、キャスト編成において連続するスラブの巾のギャップ(差分)が大きいほど余剰スラブの数が多くなってしまうが、本実施形態によれば、第1の分配パターンと第2の分配パターンとの両方を用いることにより、余剰スラブの少ないキャスト編成候補を生成することができる。例えば、評価基準に基づき選択したキャスト編成候補において、ある鋼種において組み外し候補群を組み外さない場合には、その鋼種において対象となる組込指示材を全て含めつつ、この鋼種に続く鋼種をより滑らかに繋げたキャストが得られる。他方、ある鋼種において組み外し候補群を組み外した場合には、組み外し候補群を除くことで、この鋼種に続く鋼種をより滑らかに繋げたキャストが得られる。すなわち、本実施形態によれば、より生産性の高いキャスト編成候補を生成することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るキャスト編成装置1の選択部127は、評価部126の評価結果に基づき、複数キャスト編成候補のなかからいずれかを選択する。これにより、より生産性の高いキャスト編成候補を選択することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るキャスト編成装置1によれば、選択部127は、選択したキャスト編成候補において製造順が前後するスラブ同士の巾の差分が大きい箇所を予め定められた基準に基づいて特定し、特定した箇所に、顧客から受けた注文に対応するスラブであって組込指示材以外のスラブ(優先度の低いスラブ)を組み入れる、構成が採用されている。余剰スラブに代えて顧客から受けた注文に対応するスラブを組み入れることにより、本実施形態によれば、より生産性の高いキャスト編成候補を生成することができる。
【0069】
また、本実施形態に係るキャスト編成装置1において、上記評価基準は、キャスト編成候補に含まれない組込指示材の数が多いほど低い評価とする制約条件を含む。キャスト編成候補に含まれない組込指示材の数が多いキャスト編成候補を低く評価することにより、選択されるキャスト編成候補において組み外しが大幅に発生してしまうことを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態に係るキャスト編成装置1の分配パターン生成部124は、スラブの巾の昇順と降順とを考慮した分配パターンを生成する。スラブを巾の昇順と降順とを考慮して分配パターンを生成することで、巾移行条件を満たす適切な分配パターンを生成することが容易となる。
【0071】
また、本実施形態に係るキャスト編成装置1は、巾情報を入力するデータ入力部110と、上記巾情報に基づいて、複数のスラブを並べたスラブ候補群を生成する生成部121とを備える。生成部121が生成したスラブ候補群を用いて分配パターンを生成することにより、本実施形態によれば、より生産性の高いキャスト編成候補を生成することができる。
【0072】
〔変形例〕
上述の実施形態では、キャスト編成装置1は組込指示材について分配パターンを生成したが、分配パターンの生成処理の対象は組込指示材に限られず、例えば、キャスト編成対象である全てのスラブを処理の対象としてもよい。スラブに関する情報に優先度を示す情報が含まれていない場合、キャスト編成装置1は、スラブ情報ファイル101に格納された情報に対応する全てのスラブを処理対象としてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、編成候補生成部125は予め定められた鋼種の並びに従ってキャスト編成候補を生成したが、編成候補生成部125がキャスト編成候補を生成する手法は上述した例に限定されない。鋼種の並びが予め定められていない場合、
編成候補生成部125は、鋼種毎の分配パターンを、鋼種の並びを含めてどのような順序で組み合わせるかを示すキャスト編成候補を生成してもよい。
【0074】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0075】
上述の実施形態では、ストランドが2つの場合を例にとって説明した。しかし、ストランドが3つ以上であってもよい。その場合でも、キャスト編成候補の選択方法は上述の方法と同じである。例えば、ストランドが3つである場合は、分配パターン生成部124は、1つの鋼種に含まれるスラブを3つのストランドに分配する分配パターンを、鋼種ごとに複数生成する。この際、分配パターン生成部124は、巾順が降順又は昇順に配列されたスラブを順に3つに分配する。つまり、元の巾順は保存したまま3分配する。分配位置は、スラブ単位で決めてもよく、巾が変化する位置を分配位置としてもよい。1つの分配パターン中のスラブ個数は1以上であればよい。
【0076】
次に、編成候補生成部125は、3つに分配した鋼種ごとの複数の分配パターンを鋼種の順に組み合わせたキャスト編成候補を複数生成する。組み合わせる場合は、分配したスラブの巾の降順と昇順とを分けて組み合わせる。編成候補生成部125は、すべての組み合わせを生成してもよく、あるいは所定の条件に基づいてキャスト編成候補の生成数を減らしてもよい。ただし、組み合わせの前後の繋がりが良いパターン同士を繋いで、キャスト編成候補を生成することが好ましい。
【0077】
次に、評価部126は、生成された複数のキャスト編成候補の各々について、スラブの巾の変化量に関する評価値を導出し、導出した評価値を参照してスラブの製造順を生成する。評価値は、分配パターン同士の繋がりが良い(制約条件をより満たす)組み合わせがより高くなるように導出される。以上の手順は、ストランドが増えても同様である。
【0078】
〔ソフトウェアによる実現例〕
キャスト編成装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に粗キャスト編成部120に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0079】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0080】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0081】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0082】
〔まとめ〕
態様1に係るキャスト編成装置は、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成装置であって、前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する特定部と、前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割する分割部と、鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成する分配パターン生成部と、前記分配パターン生成部が生成した前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する編成候補生成部と、前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する評価部と、を備える。
【0083】
態様2に係るキャスト編成装置は、態様1に係るキャスト編成装置において、前記評価部の評価結果に基づき、前記複数の組み合わせのなかからいずれかを選択する選択部、を更に備える。
【0084】
態様3に係るキャスト編成装置は、態様2に係るキャスト編成装置において、前記複数の中間製品は、顧客から受けた注文に対応する中間製品のうち優先度が他の中間製品よりも高い中間製品であり、前記選択部は、選択した組み合わせにおいて製造順が前後する中間製品同士の巾の差分が大きい箇所を、予め定められた基準に基づいて特定し、特定した箇所に、顧客から受けた注文に対応する中間製品であって前記複数の中間製品に含まれない中間製品を組み入れる。
【0085】
態様4に係るキャスト編成装置は、態様1から3のいずれか一つに記載のキャスト編成装置において、前記評価基準は、前記複数の中間製品のうち前記組み合わせに含まれない中間製品の数が多いほど低い評価とする評価条件を含む。
【0086】
態様5に係るキャスト編成装置は、態様1から4のいずれか一つに記載のキャスト編成装置において、前記分配パターン生成部は、前記中間製品の巾の昇順と降順とを考慮した前記分配パターンを生成する。
【0087】
態様6に係るキャスト編成装置は、態様1から5のいずれか一つに記載のキャスト編成装置において、前記巾情報を入力するデータ入力部と、前記巾情報に基づいて、前記複数の中間製品を並べた中間製品列を生成する生成部と、を更に備える。
【0088】
態様7に係るキャスト編成方法は、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成方法であって、前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定するステップと、前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割するステップと、鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成するステップと、前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成するステップと、前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価するステップと、を含む。
【0089】
態様8に係るキャスト編成プログラムは、複数のストランドを用いた連続鋳造で製造する複数の中間製品の製造順を決定するキャスト編成プログラムであって、前記複数の中間製品を当該複数の中間製品の巾に関する巾情報に基づいて並べた中間製品列において隣り合う中間製品同士の巾の差分が大きい位置を予め定められた基準に基づいて特定する処理と、前記中間製品列を前記位置で分割することにより、当該中間製品列を、前記連続鋳造での製造対象とする製造対象列と当該製造対象から除外する候補とする除外候補列とに分割する処理と、鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品を前記複数のストランドに分配するパターンである複数の分配パターンを生成するとともに、前記鋼種毎に、前記製造対象列に含まれる中間製品、及び前記除外候補列に含まれる中間製品の少なくとも一部、を前記複数のストランドの各々に分配するパターンである複数の分配パターンを生成する処理と、前記鋼種毎の複数の前記分配パターンの鋼種間での複数の組み合わせを生成する処理と、前記複数の組み合わせの各々を予め定められた評価基準に基づいて評価する処理と、を実行させるためのキャスト編成プログラムである。
【0090】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1 キャスト編成装置
100 製造スケジュール決定装置
101 スラブ情報ファイル
102 同鋼種キャスト情報ファイル
104 キャスト編成結果ファイル
105 編成条件ファイル
110 データ入力部
120 粗キャスト編成部
121 生成部
122 特定部
123 分割部
124 分配パターン生成部
125 編成候補生成部
126 評価部
127 選択部
SB1、SB2 スラブ候補群
SB11、SB21 対象スラブ群
SB12、SB22、R 組み外し候補群
sb11、sb12、sb13、sb21、sb31、sb33、sb34 スラブ
P
PD11、PD12、PD13、PD14、 第1の分配パターン
PD21、PD22、PD23、PD24、 第2の分配パターン
P、Q 対象スラブ群の部分集合
130 制約違反解消部
p11、p21 組み外し判定巾位置
S100 キャスト編成方法