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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160752
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20241108BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241108BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241108BHJP
【FI】
B65G61/00 520
B65G1/00 521A
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076055
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
(72)【発明者】
【氏名】村本 健太
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊汰
(72)【発明者】
【氏名】宮原 謙太
【テーマコード(参考)】
3F022
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F022BB03
3F022EE05
3F022FF01
3F022MM03
3F022MM11
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】荷物を集配する際に繰り返し用いられる保冷具の管理を効率化することが可能な管理装置を実現する。
【解決手段】本開示の一態様に係る管理装置(10)は、要保冷の荷物(13)を集配する際に集配基地と受取地又は集荷地との間で保冷具を繰り返し用いて荷物(13)を集配する集配システム(1)に用いられる管理装置であって、集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を取得する第1の温度情報取得部(107)と、集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を用いて、集配基地に回収された保冷具が冷却されて予め設定された閾値以下となる必要冷却期間を算出する算出部(109)と、必要冷却期間を示す情報に基づいて、荷物(13)を集配するために用いる保冷具の優先順位を決定する決定部(110)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要保冷の荷物を集配する際に集配基地と受取地又は集荷地との間で保冷具を繰り返し用いて前記荷物を集配する集配システムに用いられる管理装置であって、
前記集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を取得する第1の温度情報取得部と、
前記集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を用いて、前記集配基地に回収された保冷具が冷却されて予め設定された閾値以下となる必要冷却期間を算出する算出部と、
前記必要冷却期間を示す情報に基づいて、前記荷物を集配するために用いる保冷具の優先順位を決定する決定部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記保冷具が前記集配基地を出発してから当該集配基地に回収されるまでの移動行程を示す情報を取得する行程情報取得部を備え、
前記第1の温度情報取得部は、前記移動行程を示す情報に基づいて、前記集配基地に回収された保冷具の温度を算出する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記移動行程を示す情報は、前記保冷具が前記集配基地を出発してから前記集配基地に回収されるまでの期間を示す情報を含む、請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
外気温度を示す情報を取得する第2の温度情報取得部を備え、
前記第1の温度情報取得部は、前記外気温度を示す情報を加味して、前記集配基地に回収された保冷具の温度を算出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記荷物の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記荷物の識別情報と、前記保冷具の優先順位を示す情報と、に基づいて、前記荷物を前記保冷具と共に配送物とする作業員が所有する携帯端末に前記荷物と共に配送する前記保冷具を通知する通知部と、
を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、保冷容器に収容された被冷却物と蓄冷部材との組み合わせに基づいて、蓄冷部材の交換時期が到来したか否かを判定し、蓄冷部材の交換時期が到来している場合、蓄冷部材の交換時期が到来したことを報知する管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/203703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。特許文献1の管理システムは、蓄冷部材の交換時期が到来したことを単に報知するだけで、荷物を集配する際に繰り返し用いられる保冷具の管理を効率化する技術ではない。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、荷物を集配する際に繰り返し用いられる保冷具の管理を効率化することが可能な管理装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る管理装置は、要保冷の荷物を集配する際に集配基地と受取地又は集荷地との間で保冷具を繰り返し用いて前記荷物を集配する集配システムに用いられる管理装置であって、
前記集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を取得する第1の温度情報取得部と、
前記集配基地に回収された保冷具の温度を示す情報を用いて、前記集配基地に回収された保冷具が冷却されて予め設定された閾値以下となる必要冷却期間を算出する算出部と、
前記必要冷却期間を示す情報に基づいて、前記荷物を集配するために用いる保冷具の優先順位を決定する決定部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示により、荷物を集配する際に繰り返し用いられる保冷具の管理を効率化することが可能な管理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態の集配システムにおいて荷物を配送する流れを説明するための図である。
図3】保冷箱の保冷剤の温度と時間との関係を示す図である。
図4】実施の形態の集配システムにおいて荷物を配送する流れを示すフローチャート図である。
図5】実施の形態の集配システムにおいて配送された第1の保冷箱を回収する流れを示すフローチャート図である。
図6】実施の形態の集配システムにおいて配送された第1の保冷箱を回収する流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0010】
本実施の形態の集配システムは、要保冷の荷物を集配する際に集配基地と受取地又は集荷地との間で保冷箱を繰り返し用いて当該荷物を集配する際に好適である。図1は、本実施の形態の集配システムの制御系の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態の集配システムにおいて荷物を配送する流れを説明するための図である。ここで、「集配基地」とは、例えば、配送するための荷物や集荷した荷物を、一時的に保管する場所である。「集配」とは、例えば、荷物を配送したり、荷物を集荷したり、することである。「受取地」とは、例えば、荷物の配送を依頼した依頼人が当該荷物を受け取る場所である。「集荷地」とは、例えば、依頼人が集荷を依頼した荷物を集荷する場所である。
本実施の形態の集配システム1は、図1及び図2に示すように、保冷箱2、第1のポスト3、第1の携帯端末4、第2のポスト5、第2の携帯端末6、冷却装置7、ロボット8、外気温度検出部9、管理装置10及びデータベース(DB)11を備えている。これらの第1のポスト3と、第1の携帯端末4と、第2のポスト5と、第2の携帯端末6と、冷却装置7と、ロボット8と、外気温度検出部9と、管理装置10と、DB11と、はネットワーク12を介して接続されている。ここで、ネットワーク12は、有線又は無線の通信回線、例えば、インターネットである。
【0011】
保冷箱2は、要保冷の荷物13(図2を参照)を集配する際に当該荷物13を収容するための箱本体、及び当該箱本体を密閉するための蓋を備えており、図2に示すように、保冷箱2の内部に保冷剤21が収容されている。保冷箱2の箱本体の外周側面には、保冷箱2毎に割り振られた識別情報が記憶されたタグ22が設けられている。タグ22は、例えば、読み取り装置によって識別情報を読み取り可能なNFC(Near Field Communication)タグなどであればよい。本実施の形態では、荷物13を集配するために保冷箱2が繰り返し用いられる。
第1のポスト3は、荷物13の受取地又は集荷地に配置されており、図2に示すように、保冷箱2を収容可能である。第1のポスト3は、例えば、荷物13の配送を依頼又は荷物13の集荷を依頼した依頼人14の住居に配置されている。第1のポスト3は、図1及び図2に示すように、枠体31、第1の扉32、第2の扉33及び読み取り部34を備えている。枠体31は、枠体31を前面から見て略矩形状の棚であり、枠体31の前面及び後面が開放されている。枠体31の内側面には、複数対のレール35が枠体31の上下方向に間隔を開けて固定されている。一対のレール35は、枠体31の前後方向に延在しており、保冷箱2の側方に突出するつば23が載置されることで当該保冷箱2を支持する。
【0012】
第1の扉32は、図2に示すように、枠体31の前面に設けられており、例えば、依頼人14の住居の外側に向かって配置されている。第1の扉32は、例えば、管理装置10の制御によって開閉可能である。第2の扉33は、枠体31の後面に設けられており、例えば、依頼人14の住居の内側に向かって配置されている。第2の扉33は、例えば、依頼人14によって開閉可能である。読み取り部34は、一対のレール35に支持された状態の保冷箱2のタグ22から当該保冷箱2の識別情報を読み取る。そのため、読み取り部34は、例えば、一対のレール35毎に枠体31に固定されている。読み取り部34は、読み取った保冷箱2の識別情報に当該保冷箱2を支持するレール35の位置を示す情報(即ち、第1のポスト3内での保冷箱2の位置を示す情報)を紐付けてDB11に送信する。
ここで、本実施の形態では、荷物13を受け取る場合、荷物13が収容された保冷箱2を第1のポスト3から依頼人14が取り出して保冷箱2から荷物13を受け取り、空状態の保冷箱2を第1のポスト3に戻して収容する。また、荷物13を集荷する場合、空状態の保冷箱2が第1のポスト3に収容された状態で依頼人14が保冷箱2を第1のポスト3から取り出し、保冷箱2の内部に荷物13を収容して当該保冷箱2を第1のポスト3に戻して収容する。
【0013】
第1の携帯端末4は、依頼人14が所有する携帯端末であり、例えば、依頼人14によって荷物13の受け取り希望時刻を示す情報や荷物13の受取完了を示す情報などが入力される。第2のポスト5は、集配基地に配置されており、保冷箱2を一時的に保管する。第2のポスト5は、図2に示すように、複数対のレール51が上下方向に間隔を開けて配置された枠体52、及び一対のレール51に支持された状態の保冷箱2のタグ22から当該保冷箱2の識別情報を読み取り可能に配置された読み取り部53を備えている。読み取り部53は、読み取った保冷箱2の識別情報に当該保冷箱2を支持するレール51の位置を示す情報(即ち、第2のポスト5内での保冷箱2の位置を示す情報)を紐付けてDB11に送信する。
第2の携帯端末6は、荷物13を保冷箱2に収容して配送物とするなどの作業を集配基地で行う作業員15が所有する携帯端末であり、例えば、荷物13を収容する保冷箱2の識別情報などを受信する。冷却装置7は、集配基地に配置されており、保冷箱2と共に保冷剤21を冷却する。このとき、冷却装置7は、複数の保冷箱2を収容可能な大きさとされている。冷却装置7は、保冷箱2を予め設定された閾値以下に冷却可能な冷蔵庫であればよい。また、冷却装置7に保冷箱2が収容された際に、作業員15が第2の携帯端末6を介して保冷箱2の識別情報を読み取ると共に、冷却装置7内での保冷箱2の位置を示す情報を入力し、冷却装置7内での保冷箱2の位置を示す情報が紐付けられた保冷箱2の識別情報をDB11に送信するとよい。
【0014】
ロボット8は、第1のポスト3と第2のポスト5との間で保冷箱2を集配するための移動体である。ロボット8は、例えば、図2に示すように、保冷箱2を収容可能な収容部81を備えており、図示を省略した搬送機構によって、収容部81から第1のポスト3や第2のポスト5に保冷箱2を収容したり、第1のポスト3や第2のポスト5から収容部81に保冷箱2を回収したり、することが可能な構成とされている。そして、ロボット8は、GPS(Global Positioning System)などによってロボット8の位置を示す情報を取得可能な構成とされている。ロボット8は、ロボット8の位置を示す情報をDB11に送信する。
外気温度検出部9は、保冷箱2に対する外気温度を示す情報を検出する。外気温度検出部9は、任意の位置に配置することができ、例えば、集配基地に配置することができる。外気温度検出部9は、外気温度を示す情報をDB11に送信する。管理装置10は、保冷箱2の集配を管理する。管理装置10は、図1に示すように、第1の識別情報取得部101、第2の識別情報取得部102、希望時刻情報取得部103、受取完了情報取得部104、行程情報取得部105、位置情報取得部106、第1の温度情報取得部107、第2の温度情報取得部108、算出部109、決定部110、制御部111、及び通知部112を備えている。
【0015】
第1の識別情報取得部101は、第1のポスト3の読み取り部34や第2のポスト5の読み取り部53で読み取られた保冷箱2の識別情報を取得する。第2の識別情報取得部102は、例えば、荷物13の品名や冷蔵、冷凍、その他などの性状を示す情報及び依頼人14の名前、住所、連絡先などの個人情報を含む荷物13の識別情報を取得する。希望時刻情報取得部103は、依頼人14が第1の携帯端末4を介して入力した荷物13の受取希望時刻を示す情報や荷物13の集荷希望時刻を示す情報を取得する。受取完了情報取得部104は、依頼人14が第1のポスト3から保冷箱2内の荷物13を受け取った際に、依頼人14が第1の携帯端末4を介して入力した受取完了を示す情報を取得する。
行程情報取得部105は、保冷箱2が集配基地の第2のポスト5を出発してから当該集配基地の第2のポスト5に回収されるまでの移動行程を示す情報を取得する。このとき、移動行程を示す情報には、保冷箱2が集配基地の第2のポスト5を出発してから当該集配基地の第2のポスト5に回収されるまでの期間を示す情報を含んでいるとよい。保冷箱2が集配基地を出発してから当該集配基地に回収されるまでの期間は、例えば、保冷箱2のタグ22の識別情報に基づいて、第2のポスト5を出発してから当該第2のポスト5に回収されるまでの期間であればよい。但し、行程情報取得部105は、ロボット8の位置を示す情報などに基づいて、移動行程を示す情報を取得してもよい。
【0016】
位置情報取得部106は、ロボット8の位置を示す情報を取得する。第1の温度情報取得部107は、集配基地の第2のポスト5に回収された保冷箱2の保冷剤21の温度情報を取得する。第2の温度情報取得部108は、保冷箱2に対する外気温度を示す情報を取得する。ここで、図3は、保冷箱の保冷剤の温度と時間との関係を示す図である。図3に示すように、保冷箱2の保冷剤21の温度は、保冷箱2が集配基地を出発してから当該保冷箱2が集配基地に回収されるまで、上昇を続ける。
そして、保冷箱2の保冷剤21の温度は、例えば、外気温度、保冷箱2の内部に収容される荷物13の熱容量、保冷箱2の保冷剤21の熱容量、保冷箱2の外側から内側に伝達される熱容量、及び保冷箱2が集配基地の第2のポスト5を出発してから当該集配基地の第2のポスト5に回収されるまでの期間などに基づいて、算出することができ、一般的な物体の温度を推定する手法で算出することができる。第1の温度情報取得部107は、保冷箱2の保冷剤21の温度を示す情報を保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信する。但し、保冷箱2の保冷剤21の温度は、保冷箱2が第2のポスト5に回収された際に、作業員15がサーモグラフィなどを用いて保冷剤21の温度を検出し、保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信されてもよい。
【0017】
算出部109は、保冷箱2の識別情報に紐付けられた保冷箱2の保冷剤21の温度を示す情報に基づいて、当該保冷剤21が冷却されて予め設定された閾値以下となる必要冷却期間を算出する。詳細には、必要冷却期間は、保冷箱2の保冷剤21の熱容量及び冷却装置7の内部の温度などに基づいて、算出することができ、一般的な物体の冷却期間を推定する手法で算出することができる。算出部109は、算出した必要冷却期間を示す情報を保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信する。
決定部110は、必要冷却期間を示す情報に基づいて、荷物13を集配するために用いる保冷箱2の優先順位を決定する。決定部110は、例えば、冷却装置7の内部で冷蔵されている複数の保冷箱2のうち、保冷剤21が予め設定された閾値以下となった保冷箱2から順に、保冷箱2が用いられるように優先順位を決定する。決定部110は、例えば、保冷箱2の優先順位を示す情報をDB11に送信すると、このとき、決定部110は、受取希望時刻や集荷希望時刻に基づいて荷物13の集配順を決定し、さらに、保冷箱2の優先順位と荷物13の集配順とに基づいて荷物13と当該荷物13が収容される保冷箱2との組み合わせを決定し、荷物13の識別情報を当該荷物13が収容される保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信するとよい。ここで、決定部110は、集配基地から受取地や集荷地までの距離及びロボット8の想定移動速度に基づく当該受取地又は集荷地までの所要時間に基づいて、荷物13の集配が受取希望時刻又は集荷希望時刻に間に合うように、荷物13の集配順を決定すればよい。
【0018】
制御部111は、詳細は後述するが、ロボット8を制御したり、第1のポスト3の第1の扉32を制御したり、する。制御部111は、例えば、集配する荷物13の識別情報が紐付けられた保冷箱2の識別情報に基づいて、ロボット8が第2のポスト5から保冷箱2を取り出して第1のポスト3に配送し、集配基地に戻るように制御したり、ロボット8が集配基地を出発し、第1のポスト3から保冷箱2を回収して第2のポスト5に収容するように制御したり、する。また、制御部111は、例えば、ロボット8の位置を示す情報に基づいて、ロボット8が第1のポスト3に到達すると当該第1のポスト3の第1の扉32を開放するように、第1の扉32を制御する。
通知部112は、集配する荷物13の識別情報が紐付けられた保冷箱2の識別情報を第2の携帯端末6に送信する。これにより、荷物13を配送する場合、作業員15は、当該荷物13を収容するための保冷箱2を冷却装置7から取り出して、保冷箱2に荷物13を収容し、当該保冷箱2を第2のポスト5に収容する。また、荷物13を集荷する場合、作業員15は、当該荷物13を集荷するための保冷箱2を冷却装置7から取り出して第2のポスト5に収容する。DB11は、保冷箱2の識別情報、荷物13の識別情報、保冷箱2に対する外気温度を示す情報、地図情報、ロボット8の位置を示す情報、荷物13の受取希望時刻を示す情報、荷物13の受取完了を示す情報、保冷箱2の移動行程を示す情報、保冷箱2の保冷剤21の温度を示す情報、保冷剤21の必要冷却期間を示す情報、保冷箱2の優先順位を示す情報などを格納する。
【0019】
次に、本実施の形態の集配システム1において荷物13を配送する流れを説明する。図4は、本実施の形態の集配システムにおいて荷物を配送する流れを示すフローチャート図である。なお、以下の説明では、既に保冷箱2が冷却装置7に回収されて冷却されているものとする。先ず、管理装置10の第1の温度情報取得部107は、行程情報取得部105がDB11から取得した保冷箱2が集配基地の第2のポスト5を出発してから当該集配基地の第2のポスト5に回収されるまでの移動行程を示す情報、及び第2の温度情報取得部108がDB11から取得した保冷箱2に対する外気温度を示す情報などに基づいて、保冷箱2の保冷剤21の温度を取得する(S1)。第1の温度情報取得部107は、保冷箱2の保冷剤21の温度を示す情報を保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信する。
次に、管理装置10の算出部109は、DB11から取得した保冷箱2の識別情報に紐付けられた保冷箱2の保冷剤21の温度を示す情報などに基づいて、保冷剤21が閾値以下となる必要冷却期間を算出し、当該必要冷却期間を示す情報を保冷箱2の識別情報に紐付けてDB11に送信する(S2)。そして、管理装置10の決定部110は、DB11から取得した必要冷却期間を示す情報に基づいて、荷物13を配送するために用いる保冷箱2の優先順位を決定する(S3)。例えば、図2に示すように、保冷箱2の代表例である第1の保冷箱2aと第2の保冷箱2bとが冷却装置7で冷却されており、図3に示すように、第1の保冷箱2aの保冷剤21の温度が第2の保冷箱2bの保冷剤21の温度に比べて先に閾値以下になる場合、第1の保冷箱2aを第2の保冷箱2bに対して先に配送に用いるように優先順位を決定する。
【0020】
そして、管理装置10の決定部110は、例えば、第1の保冷箱2aの保冷剤21の温度が閾値以下になった後に最も早く発送(例えば、12時)する荷物13の識別情報を第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けてDB11に送信する。ここで、荷物13の発送時刻は、上述のように、DB11から取得した荷物13の希望受取時刻を示す情報、及びDB11から取得した荷物13の識別情報に含まれる依頼人14の住所情報や地図情報などに基づいて算出された集配基地から依頼人14の住居までの所要時間に基づいて、設定することができる。
次に、管理装置10の通知部112は、DB11から取得した荷物13の識別情報及び冷却装置7内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報が紐付けられた第1の保冷箱2aの識別情報を第2の携帯端末6に送信する(S4)。これにより、作業員15は、図2に示すように、第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた荷物13の識別情報及び冷却装置7内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報に基づいて、荷物13を収容するための第1の保冷箱2を冷却装置7から取り出して、第1の保冷箱2に荷物13を収容し、当該第1の保冷箱2を第2のポスト5に収容する。このとき、第2のポスト5の読み取り部53は、読み取った第1の保冷箱2aの識別情報に第2のポスト5内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報を紐付けてDB11に送信する。
【0021】
次に、管理装置10の制御部111は、DB11から取得した第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた第2のポスト5内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報に基づいて、ロボット8を制御し、図2に示すように、ロボット8に第2のポスト5から荷物13が収容された第1の保冷箱2aを取り出させてロボット8の収容部81に収容させる。そして、制御部111は、DB11から取得した荷物13の識別情報に含まれる依頼人14の住所情報及び地図情報に基づいて集配基地と第1のポスト3との間の往路及び復路の経路を示す情報を生成する。
管理装置10の制御部111は、生成した経路を示す情報に基づいて、ロボット8を制御して第1のポスト3に移動させ、さらに、図2に示すように、ロボット8に当該ロボット8の収容部81から第1の保冷箱2aを取り出させて第1のポスト3に収容させる(S5)。第1のポスト3の読み取り部34は、読み取った第1の保冷箱2aの識別情報に第1のポスト3内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報を紐付けてDB11に送信する。
このとき、管理装置10の制御部111は、位置情報取得部106が取得したロボット8の位置を示す情報に基づいて、ロボット8が第1のポスト3の前方に到達したと判断すると、第1のポスト3の第1の扉32を制御して開ける。そして、制御部111は、例えば、第1のポスト3の読み取り部34による第1の保冷箱2aの識別情報の読み取りが完了したと判断すると、当該第1のポスト3の第1の扉32を制御して閉じる。
【0022】
次に、管理装置10の通知部112は、第1のポスト3への荷物13の配送完了を示す情報を生成し、DB11から取得した第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた第1のポスト3内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報と共に第1の携帯端末4に送信する(S6)。これにより、依頼人14は、荷物13が第1のポスト3に配送された旨を認識することができる。
その後、依頼人14は、第1のポスト3の第2の扉33を開けて、第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた第1のポスト3内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報に基づいて、図2に示すように、第1の保冷箱2aから荷物13を取り出す。そして、依頼人14は、空状態の第1の保冷箱2aを第1のポスト3に収容する。このとき、第1のポスト3の読み取り部34は、読み取った第1の保冷箱2aの識別情報に第1のポスト3内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報を紐付けてDB11に送信する。依頼人14が第1の携帯端末4を介して入力した受取完了を示す情報を管理装置10の受取完了情報取得部104が取得すると、管理装置10は、荷物13の配送が完了したと判断し、荷物13の配送処理を終了する(S7)。
【0023】
次に、本実施の形態の集配システム1において配送された第1の保冷箱2aを回収する流れを説明する。図5は、本実施の形態の集配システムにおいて配送された第1の保冷箱を回収する流れを示すフローチャート図である。図6は、本実施の形態の集配システムにおいて配送された第1の保冷箱を回収する流れを説明するための図である。なお、以下の説明では、管理装置10の受取完了情報取得部104が第1の携帯端末4を介して既に受取完了を示す情報を取得しているものとする。先ず、管理装置10の制御部111は、DB11から取得した配送された荷物13の識別情報に含まれる依頼人14の住所情報及び地図情報などに基づいて、第1のポスト3と集配基地との間の往路及び復路の経路を示す情報を生成する。
次に、管理装置10の制御部111は、生成した経路を示す情報に基づいて、ロボット8を制御して第1のポスト3に移動させる。そして、制御部111は、配送された荷物13の識別情報が紐付けられた第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた第1のポスト3内での第1の保冷箱2の位置を示す情報に基づいて、ロボット8を制御し、図6に示すように、ロボット8に第1のポスト3から空状態の第1の保冷箱2aを回収させてロボット8の収容部81に収容させる(S11)。このとき、管理装置10の制御部111は、位置情報取得部106が取得したロボット8の位置を示す情報に基づいて、ロボット8が第1のポスト3の前方に到達したと判断すると、第1のポスト3の第1の扉32を制御して開ける。そして、制御部111は、例えば、第1のポスト3の読み取り部34による第1の保冷箱2aの識別情報の読み取りが完了したと判断すると、当該第1のポスト3の第1の扉32を制御して閉じる。
【0024】
次に、管理装置10の制御部111は、生成した経路を示す情報に基づいて、ロボット8を制御して第2のポスト5に移動させる。そして、制御部111は、ロボット8を制御し、図6に示すように、ロボット8に当該ロボット8の収容部81から第1の保冷箱2aを取り出させて第2のポスト5に収容させる(S12)。このとき、第2のポスト5の読み取り部53は、読み取った保冷箱2の識別情報に第2のポスト5内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報を紐付けてDB11に送信する。
次に、管理装置10の通知部112は、第2のポスト5への保冷箱2の回収完了を示す情報を生成し、DB11から取得した第2のポスト5内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報が紐付けられた第1の保冷箱2aの識別情報と共に第2の携帯端末6に送信する(S13)。これにより、作業員15は、第1の保冷箱2aが回収された旨を認識することができる。作業員15は、第1の保冷箱2aの識別情報に紐付けられた第2のポスト5内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報に基づいて、図6に示すように、第1の保冷箱2aを第2のポスト5から取り出して冷却装置7に収容する。
【0025】
そして、作業員15は、第2の携帯端末6を介して第1の保冷箱2aの識別情報を読み取ると共に、冷却装置7内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報を入力し、冷却装置7内での第1の保冷箱2aの位置を示す情報が紐付けられた第1の保冷箱2aの識別情報をDB11に送信する(S14)。これにより、管理装置10は、第1の保冷箱2aの回収が完了したと判断し、第1の保冷箱2aの回収処理を終了する。その後、管理装置10は、上述の荷物の配送処理に戻る。
【0026】
ここで、荷物13を集荷する場合は、保冷箱2の優先順位と荷物13の集配順とに基づいて決定された荷物13と当該荷物13が収容される保冷箱2との組み合わせに基づいて、当該荷物13が収容される空状態の保冷箱2をロボット8が集配基地から配送して第1のポスト3に収容する。そして、依頼人14が第1のポスト3から空状態の保冷箱2を取り出して当該保冷箱2に荷物13を収容し、荷物13が収容された保冷箱2を第1のポスト3に収容することで、第1のポスト3の読み取り部34から、再度、保冷箱2の識別情報が送信されると、荷物13が収容された保冷箱2をロボット8が回収して集配基地に集荷する。
【0027】
このように本実施の形態の管理装置10は、集配基地に回収された保冷箱2の保冷剤21が冷却されて予め設定された閾値以下となる必要冷却期間を算出し、当該必要冷却期間を示す情報に基づいて、荷物13を集配するために用いる保冷箱2の優先順位を決定する。つまり、集配基地に回収された保冷箱2の保冷剤21の冷却具合に応じて、繰り返し用いる保冷箱2の優先順位を決定する。
これにより、荷物13の集配時に保冷箱2の保冷剤21の温度が閾値以下か否かを作業員15が逐次に確認する必要がなく、荷物13を集配する際に繰り返し用いられる保冷箱2の管理を効率化することができ、少ない保冷箱2で効率的に荷物13を集配することができる。
しかも、保冷箱2が集配基地の第2のポスト5を出発してから当該集配基地の第2のポスト5に回収されるまでの移動行程を示す情報などに基づいて、保冷箱2の保冷剤21の温度を算出する場合、作業員15が集配基地に回収された保冷箱2の保冷剤21の温度を、サーモグラフィなどを用いて測定する必要がなく、保冷箱2の管理をより効率化することができる。
また、外気温度を示す情報を加味して、集配基地に回収された保冷箱2の保冷剤21の温度を算出する場合、当該保冷剤21の温度を精度良く算出することができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、ロボット8を用いて荷物13を集配しているが、作業員15が荷物13を集配してもよい。また、第2のポスト5が省略されてもよい。
また、管理装置10の決定部110は、集配基地から受取地や集荷地までの距離に基づく当該受取地又は集荷地までの所要時間も加味して、保冷箱2の優先順位を決定することが好ましい。この場合、集配基地から受取地又は集荷地までの距離が遠くなるのに従って、冷却装置7での冷却期間が長い保冷箱2の優先順位を高くするとよい。
また、管理装置10の決定部110は、荷物13の性状も加味して、保冷箱2の優先順位を決定することが好ましい。この場合、決定部110は、荷物13が冷凍の場合、荷物13が冷蔵の場合に比べて、冷却装置7での冷却期間が長い保冷箱2の優先順位を高くするとよい。ここで、荷物13が冷蔵の場合、荷物13が保冷箱2の内部で冷却され過ぎないように、温度幅を有する閾値を用いて保冷箱2の保冷剤21が当該閾値以下になったか否かを判断するとよい。
上記実施の形態では、保冷剤21を保冷箱2と共に冷却装置7で冷却しているが、保冷剤21のみを冷却してもよい。この場合、保冷剤21の優先順位が決定される。また、保冷箱2と保冷剤21とが一体構成とされていてもよい。つまり、荷物13と共に配送物とされる保冷具の優先順位を決定すればよい。
また、冷却装置7で保冷箱2の保冷剤21を冷却する前に、管理装置10の算出部109が必要冷却期間を算出し、決定部110が保冷箱2と当該保冷箱2に収容する荷物13とを決定してから、保冷箱2の保冷剤21を冷却してもよい。このとき、冷却装置7から保冷箱2を取り出す順に当該保冷箱2を冷却装置7の上から下に並べるとよい。
例えば、上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。つまり、処理装置を構成する制御コンピュータがプログラムを実行することで、上記の管理装置10の処理が実行される。
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 集配システム、10 管理装置、101 第1の識別情報取得部、102 第2の識別情報取得部、105 行程情報取得部、106 位置情報取得部、107 第1の温度情報取得部、108 第2の温度情報取得部、109 算出部、110 決定部、111 制御部、112 通知部、13 荷物、14 依頼人、15 作業員
図1
図2
図3
図4
図5
図6