(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160759
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】アクチュエータ及び光学装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241108BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241108BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20241108BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20241108BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241108BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241108BHJP
【FI】
G03B17/56 A
H04N5/222 100
H04N23/55
G02B7/00 G
G03B15/00 P
G03B30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076066
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱脇 真
(72)【発明者】
【氏名】高橋 繁実
(72)【発明者】
【氏名】宮原 伸也
(72)【発明者】
【氏名】西川 信宏
(72)【発明者】
【氏名】上條 秀章
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA11
5C122DA11
5C122GD04
5C122GD09
5C122GE04
5C122GE11
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮像モジュールの回転可能角度を拡大する。
【解決手段】アクチュエータ20は、ホルダ42と、ケース22と、支持機構部70と、第1マグネット部94と、第2マグネット部98と、コイル部102と、を有する。ホルダ42は、基準点を中心とする球面部43を有し、光学モジュール12を収容する。ケース22は、ホルダを収容する。支持機構部は、ケースに設けられ、基準点を中心としてホルダを回転自在に支持する。第1マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の一方側に設けられている。第2マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の他方側に設けられている。コイル部は、ケース22に設けられ、通電状態で第1マグネット部及び第2マグネット部に作用する磁界を発生させる。第1マグネット部と第2マグネット部は、基準点に対して非対称に位置し且つホルダの周方向に沿った長さが異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基準点を中心とする球面部を有し、駆動対象物を収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、前記基準点を中心として前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記球面部の前記基準点に対する径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記球面部の前記基準点に対する前記径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記ホルダの周方向に沿った長さが異なる、
アクチュエータ。
【請求項2】
前記支持機構部は、前記基準点を通り且つ前記径方向と交差する交差方向に延びる回転軸線を中心に回転自在な回転軸部を有し、
前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部のそれぞれのN極及びS極は、前記径方向及び前記交差方向の両方と直交する直交方向に沿って並んでいる、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
1つの前記N極と1つの前記S極とを1組の磁極として、
前記第1マグネット部は、前記N極と前記S極の少なくとも一方を複数有し、
前記第2マグネット部は、前記1組の磁極を1つ有し、
前記第1マグネット部の前記球面部に沿った第1長さは、前記第2マグネット部の前記球面部に沿った第2長さよりも長い、
請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記回転軸線は、互いに直交する第1回転軸線及び第2回転軸線を有し、
前記回転軸部は、前記第1回転軸線を中心に回転自在な1組の第1軸部と、前記第2回転軸線を中心に前記ホルダを回転自在に支持する1組の第2軸部と、を有し、
前記第1マグネット部、前記第2マグネット部及び前記コイル部のそれぞれを2組有する、
請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記支持機構部は、
前記基準点を中心とする円形状のフレーム部材と、
前記フレーム部材に設けられた前記1組の第1軸部と、
前記フレーム部材に設けられた前記1組の第2軸部と、
を有し、
前記1組の第1軸部は、前記ケースに回転自在に支持される、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記ホルダには、前記1組の第2軸部が摺動可能に挿入された軸受部材が設けられている、
請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記軸受部材は、非磁性体である、
請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記1組の第2軸部は、非磁性体である、
請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記フレーム部材には、前記フレーム部材の周方向に間隔をあけて複数の台座部が設けられており、
前記1組の第1軸部及び前記1組の第2軸部は、前記複数の台座部に設けられている、
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記複数の台座部には、前記フレーム部材に対する前記複数の台座部の位置を調整可能とする調整部が設けられている、
請求項9に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第1軸部には、前記第1軸部の回転により磁力の向きが変化する第1磁性部材が設けられ、
前記第2軸部には、前記第2軸部の回転により磁力の向きが変化する第2磁性部材が設けられ、
前記ケースには、前記第1磁性部材の磁力の向きを検出することで前記第1軸部の回転位置を検出する第1センサが設けられ、
前記フレーム部材には、前記第2磁性部材の磁力の向きを検出することで前記第2軸部の回転位置を検出する第2センサが設けられている、
請求項9に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記第1センサと前記第1磁性部材との距離は、前記第1センサと前記第1マグネット部との距離よりも短く、
前記第2センサと前記第2磁性部材との距離は、前記第2センサと前記第2マグネット部との距離よりも短い、
請求項11に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記第2センサに電気的に接続された配線部を有し、
前記配線部は、前記フレーム部材を経由して、前記フレーム部材の前記第1軸部と径方向に並ぶ中継位置に向けて延びており、さらに、前記中継位置から前記ケースに向けて延びている、
請求項11に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記第1軸部は、円筒状の部材であり、
前記配線部は、前記フレーム部材から前記第1軸部の内側を通って前記ケースに到達している、
請求項13に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記第1磁性部材と前記軸受部材との間、前記第2磁性部材と前記台座部との間の少なくとも一方には、弾性部材が設けられている、
請求項11に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記弾性部材は、コイルばねである、
請求項15に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
駆動対象物を収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、所定の基準点を中心として前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記ホルダの前記基準点に対する回転円の径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記ホルダの前記基準点に対する前記径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記回転円の周方向に沿った長さが異なる、
アクチュエータ。
【請求項18】
光軸を有する光学モジュールと、
所定の基準点を中心とする球面部を有し、前記光学モジュールを収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、前記基準点を中心として、前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記球面部の前記基準点に対する径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記球面部の前記基準点に対する径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記ホルダの周方向に沿った長さが異なる、
光学装置。
【請求項19】
前記ホルダは、光軸方向に開口した開口部を有し、
前記開口部には、前記開口部に外部から入射する光の一部を選択して透過させるフィルタが設けられている、
請求項18に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ及び光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示された撮像装置では、2つの駆動アセンブリが、フレームの隣接する2つの側面に位置している。駆動アセンブリは、駆動力を生成するコイルと磁石を有する。2つの駆動アセンブリは、撮像モジュールを駆動する。撮像モジュールは、第1軸線又は第2軸線回りに回転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第111474804号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、撮像モジュール(駆動対象物)に設けられた磁石の大きさと、フレームに設けられたコイルの大きさとが同程度となっている。このため、駆動対象物が回転される角度が大きくなるほど、駆動対象物を回転させるための推力(駆動トルク)が減少することで、駆動対象物を回転可能となる角度の範囲に制限があった。
【0005】
本発明の目的は、特許文献1のような構成と比べて、駆動対象物の回転角度を拡大することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態のアクチュエータは、ホルダと、ケースと、支持機構部と、第1マグネット部と、第2マグネット部と、コイル部と、を有する。ホルダは、所定の基準点を中心とする球面部を有し、駆動対象物を収容する。ケースは、ホルダを収容する。支持機構部は、ケースに設けられており、基準点を中心としてホルダを回転自在に支持する。第1マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の一方側に設けられている。第2マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の他方側に設けられている。コイル部は、ケースに設けられ、通電状態で第1マグネット部及び第2マグネット部に作用する磁界を発生させる。第1マグネット部と第2マグネット部は、基準点に対して非対称に位置し且つホルダの周方向に沿った長さが異なる。
【0007】
他の一実施形態のアクチュエータは、ホルダと、ケースと、支持機構部と、第1マグネット部と、第2マグネット部と、コイル部と、を有する。ホルダは、駆動対象物を収容する。ケースは、ホルダを収容する。支持機構部は、ケースに設けられ、所定の基準点を中心としてホルダを回転自在に支持する。第1マグネット部は、ホルダの基準点に対する回転円の径方向の一方側に設けられている。第2マグネット部は、ホルダの基準点に対する径方向の他方側に設けられている。コイル部は、ケースに設けられ、通電状態で第1マグネット部及び第2マグネット部に作用する磁界を発生させる。第1マグネット部と第2マグネット部は、基準点に対して非対称に位置し且つ回転円の周方向に沿った長さが異なる。
【0008】
一実施形態の光学装置は、光軸を有する光学モジュールと、ホルダと、ケースと、支持機構部と、第1マグネット部と、第2マグネット部と、コイル部と、を有する。ホルダは、所定の基準点を中心とする球面部を有し、光学モジュールを収容する。ケースは、ホルダを収容する。支持機構部は、ケースに設けられ、基準点を中心としてホルダを回転自在に支持する。第1マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の一方側に設けられている。第2マグネット部は、球面部の基準点に対する径方向の他方側に設けられている。コイル部は、ケースに設けられ、通電状態で第1マグネット部及び第2マグネット部に作用する磁界を発生させる。第1マグネット部と第2マグネット部は、基準点に対して非対称に位置し且つホルダの周方向に沿った長さが異なる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特許文献1のような構成と比べて、駆動対象物の回転角度を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る光学装置及びアクチュエータの内部構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される光学装置のケースの側壁を取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される光学装置のケース及びコイル部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示される光学装置のフレーム部材、台座部及び各軸部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示される光学装置のホルダ及びマグネット部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示されるホルダを底面側から見た斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、
図1に示されるホルダ及び光学モジュールを基準点を通る面で切った断面図である。
【
図9】
図9は、
図3に示される光学装置の第1マグネット部と第2マグネット部が基準点に対して非対称に位置している状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図1に示される光学装置を外部装置を用いて駆動する場合のブロック図である。
【
図12A】
図12Aは、第1コイル及び第2コイルのON-OFF状態を示すタイミングチャートである。
【
図12B】
図12Bは、第1コイルと第2コイルのそれぞれによる駆動トルク及び合算トルクを示すグラフである。
【
図13A】
図13Aは、
図11に示されるホルダ及び光学モジュールが第2コイル側へ回転された状態を示す断面図である。
【
図13B】
図13Bは、
図11に示されるホルダ及び光学モジュールが第1コイル側へ回転された状態を示す断面図である。
【
図14】
図14は、第1センサ及び第2センサの出力に基づいてホルダ及び光学モジュールを目標の回転角度まで回転させる場合の各ステップを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、光学装置の電源OFF時にホルダ及び光学モジュールを基準位置に配置する場合の各ステップを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、ホルダの回転角度と第1センサ及び第2センサの出力との関係において回転範囲を制限していることを示すグラフである。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係るアクチュエータにおいてFPCが回転軸部の内側に挿入されている状態を示す断面図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係るアクチュエータにおいてホルダと台座部との間にコイルばねを設けた状態を示す説明図である。
【
図19】
図19は、第1変形例に係るアクチュエータのホルダ及びホルダの周辺部を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、第2変形例に係るアクチュエータにおけるホルダの支持状態を示す斜視図である。
【
図21A】
図21Aは、第1実施形態に係る光学装置においてレーザモジュールを設けた第3変形例を示す断面図である。
【
図22A】
図22Aは、第1実施形態に係る光学装置においてミラーを設けた第4変形例を示す断面図である。
【
図23】
図23は、第1実施形態に係る光学装置及びアクチュエータの第5変形例として、1つの回転軸線のみを有する構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態及び各変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態及び各変形例を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には、同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。以下の説明では、特に言及がない場合、「第1」、「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0012】
[第1実施形態の各構成]
図1には、第1実施形態に係る光学装置10及びアクチュエータ20が示されている。光学装置10及びアクチュエータ20は、撮像カメラや光の反射光の、姿勢・向き等の制御を行う電子機器に好適に適用される。具体的には、静音性が求められる監視カメラ、TV会議システム等に好適に適用される。
【0013】
光学装置10は、一例として、光学モジュール12と、光学モジュール12を駆動するアクチュエータ20と、を有する。なお、各図に示された矢印X、矢印Y及び矢印Zは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を表している。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれについて、矢印の先端側が一方側(+側)であり、矢印の基端側が他方側(-側)である。以後の説明では、+X側、-X側、+Y側、-Y側、+Z側、-Z側と称する場合がある。
【0014】
本実施形態では、光学モジュール12が回転動作前の初期位置(以後、基準位置とする)にある場合において、X軸方向がパン方向、Y軸方向がチルト方向、Z軸方向が光軸方向となっている。なお、本実施形態におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と、パン方向、チルト方向及び光軸方向との関係は、一例として示されたものであり、これに限定されるものではない。光学モジュール12が基準位置にある場合、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する。X軸、Y軸、Z軸が交差した点は、後述する基準点C(
図3)を意味している。
【0015】
〔光学モジュール〕
図8Bに示されるように、光学モジュール12は、光学素子としてのレンズ14と、レンズ14によって結像された被写体像を撮像する不図示の撮像素子等を含む本体部16と、を有する。光学モジュール12は、光軸Z1を有する。光学モジュール12は、後述するアクチュエータ20(
図1)によって回転駆動される駆動対象物の一例である。光学モジュール12は、後述するホルダ42の収容部57(
図7)に固定されている。
【0016】
〔アクチュエータ〕
図1に示されるように、アクチュエータ20は、一例として、ケース22と、ホルダ42と、支持機構部70と、2組(2つ)の第1マグネット部94と、2組(2つ)の第2マグネット部98と、2組のコイル部102(
図2)と、を有する。また、アクチュエータ20は、FPC(Flexible Printed Circuits)108と、ドライバIC(Integrated Circuit)110(
図10)と、第1センサ112及び第2センサ114(
図3)とを含む。
【0017】
<ケース>
図4に示されるように、ケース22は、+Z側に開口する有底の円筒状に形成されている。なお、ケース22の一部は、FPC108を引き出すために開放されている。ケース22は、後述するホルダ42(
図2)を収容する。ケース22は、底壁23と、X軸方向に対向する支持壁24、32と、側壁36と、固定部37、38とを有する。底壁23は、Z軸方向に所定の厚さを有する円板状に形成されている。
【0018】
支持壁24は、底壁23の円の中心に対する+X側の部位から+Z側に直立している。支持壁24は、Z軸方向から見て、Y軸方向に沿った縦壁25と、縦壁25の-Y側の端部から-X側且つ-Y側へ45°の斜め方向に延びる縦壁26と、縦壁25の+Y側の端部から-X側且つ+Y側へ45°の斜め方向に延びる縦壁27とを有する。
【0019】
縦壁25の-X側の側部には、曲面25Aが形成されている。縦壁25の+X側の側部には、後述する軸受部材64(
図5)が嵌め込まれる窪み部25Bが形成されている。縦壁26には、ホルダ42に向けて開口するコイル取付部26Aが形成されている。縦壁27には、ホルダ42に向けて開口するコイル取付部27Aが形成されている。
【0020】
支持壁32は、底壁23の円の中心に対する-X側の部位から+Z側に直立している。支持壁32は、Z軸方向から見て、Y軸方向に沿った縦壁33と、縦壁33の-Y側の端部から+X側且つ-Y側へ45°の斜め方向に延びる縦壁34と、縦壁34の+Y側の端部から+X側且つ+Y側へ45°の斜め方向に延びる縦壁35とを有する。
【0021】
縦壁33の+X側の側部には、曲面33Aが形成されている。縦壁33の-X側の側部には、後述する軸受部材64(
図5)が嵌め込まれる窪み部33B(
図2)が形成されている。縦壁34には、ホルダ42に向けて開口するコイル取付部34Aが形成されている。縦壁35には、ホルダ42に向けて開口するコイル取付部35Aが形成されている。
【0022】
側壁36は、Z軸を中心軸とする円筒状に形成されている。固定部37、38は、側壁36の+Z側の端部において、側壁36の周方向に間隔をあけて設けられている。固定部37、38には、不図示のねじが挿通可能な貫通孔37A、38Aが形成されている。固定部37、38は、不図示の対象物にねじを用いて締結される。
【0023】
<ホルダ>
図6及び
図7に示されるように、ホルダ42は、全体が球状に形成されている。なお、本実施形態において、「球状」とは、球形の部位だけでなく、平坦部や湾曲部等の球形以外の部位も含むことを意味している。ホルダ42は、光学モジュール12(
図1)を収容する。ホルダ42は、球面部43と、2つの第1溝部52と、2つの第2溝部54と、開口部56と、収容部57(
図7)と、2つの円筒部58とを有する。
【0024】
図8Aに示されるように、ホルダ42には、一例として、後述するフィルタ62と、2つの軸受部材64(
図5)と、第1マグネット部94と、第2マグネット部98とが設けられている。なお、
図8A以外の図では、フィルタ62の図示を省略する。
【0025】
球面部43は、所定の(予め設定された)基準点Cを中心とする球面を有する部位である。なお、本実施形態において、球面部43は、球面を含む部位であり、球面のみから成る部位ではない。基準点Cは、球面部43の球面を含む仮想の球の中心に位置する点である。本実施形態では、一例として、ホルダ42の回転中心が基準点Cに位置しているとして説明するが、基準点Cと、ホルダ42の回転中心の位置とが異なっていてもよい。
【0026】
図6に示されるように、球面部43は、外周面44を有する。外周面44は、外側球面45と、平面46と、平面47(
図7)とを含む。平面46は、ホルダ42の+Z側の端部に形成されており、X-Y面に沿った面である。平面47は、ホルダ42の-Z側の端部に形成されており、X-Y面に沿った面である。
【0027】
2つの第1溝部52のうち、一方の第1溝部52は、外側球面45における+X側且つ-Y側に位置する部分からホルダ42の基準点C(
図3)に向けて、径方向の内側に窪んだ部位である。他方の第1溝部52は、外側球面45における-X側且つ-Y側に位置する部分からホルダ42の基準点Cに向けて、径方向の内側に窪んだ部位である。第1溝部52は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに対する交差角度が45°の方向に所定の大きさの幅を有する。また、第1溝部52は、底面となる第1曲面52Aを有する。第1曲面52Aは、球面部43のうち基準点Cに対する径方向の一方側に位置する。
【0028】
2つの第2溝部54のうち、一方の第2溝部54は、外側球面45における-X側且つ+Y側に位置する部分からホルダ42の基準点Cに向けて、径方向の内側に窪んだ部位である。他方の第2溝部54は、外側球面45における+X側且つ+Y側に位置する部分からホルダ42の基準点Cに向けて、径方向の内側に窪んだ部位である。第2溝部54は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに対する交差角度が45°の方向に所定の大きさの幅を有する。また、第2溝部54は、底面となる第2曲面54Aを有する。第2曲面54Aは、球面部43のうち基準点Cに対する径方向の他方側に位置する。
【0029】
第1曲面52A及び第2曲面54Aは、いずれも球面ではない。第2曲面54Aの子午線の長さは、第1曲面52Aの子午線の長さよりも短い。
【0030】
一方の第1溝部52と、一方の第2溝部54とが並ぶ方向をK1方向とする。他方の第1溝部52と、他方の第2溝部54とが並ぶ方向をK2方向とする。K1方向とK2方向は直交している。また、K1方向及びK2方向は、X-Y面内において、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと角度45°を成すように、X軸方向及びY軸方向と交差している。なお、K1方向とK2方向は、それぞれ、径方向の一例である。X軸方向とY軸方向は、径方向と交差する交差方向の一例である。Z軸方向は、径方向及び交差方向の両方と直交する直交方向の一例である。
【0031】
開口部56は、平面46から+Z側へ突出された筒状の部位である。開口部56は、Z軸方向に開口されている。開口部56の孔は、円形状に形成されている。収容部57は、光学モジュール12(
図1)が収容される空間部である。収容部57は、-Z側から見て、四角形状に形成されている。収容部57の1つの角部には、Z軸方向に延びる溝部57A(
図7)が形成されている。溝部57Aは、光学モジュール12を収容部57に固定する場合に、接着剤の流路として用いられる。
【0032】
2つの円筒部58のうち、一方の円筒部58は、外周面44から基準点C(
図3)に対して-Y側に突出されている。他方の円筒部58は、外周面44から基準点Cに対して+Y側に突出されている。2つの円筒部58は、同一直線上に位置している。つまり、2つの円筒部58は、一例として、Y軸を中心軸としている。
【0033】
(フィルタ)
図8Aに示されるように、フィルタ62は、開口部56に設けられている。フィルタ62は、開口部56に外部から入射する光を選択して透過させる。具体的には、フィルタ62は、可視光波長域の光を反射又は吸収によってカットする。なお、
図8A以外の図については、フィルタ62の図示を省略している。
【0034】
(軸受部材)
図5に示されるように、4つの軸受部材64は、2つを1組として、1組がY軸線上で対向しており、他の1組がX軸線上で対向している。軸受部材64は、円筒状の筒部64Aと、筒部64Aの中心軸方向の外側端部において径方向の外側に張り出されたフランジ部64Bと、フランジ部64Bに形成された円弧部64Cと、を有する。軸受部材64は、一例として、非磁性体である。なお、本実施形態において、「非磁性」とは、比透磁率が1.5未満のものを意味する。また、「強磁性」とは、比透磁率が1.5以上のものを意味する。
【0035】
円弧部64Cは、一例として、不図示のZ軸線に対して円周方向の一方側に40°、他方側に40°の範囲で切り欠かれた部位である。円弧部64Cは、後述する第1軸部84及び第2軸部92のそれぞれの突起88が接触することで、ホルダ42(
図2)の回転範囲を合計80°の範囲内に制限する。なお、円弧部64Cと突起88との組み合せによる角度制限構造は、各軸に2組ずつ設けられるものに限らず、各軸に1組ずつ設けられるものであってもよい。
【0036】
X軸線上に位置する1組の軸受部材64は、ケース22の窪み部25B(
図4)、窪み部33B(
図2)に嵌め込まれている。X軸線上に位置する1組の軸受部材64には、後述する1組の第1軸部84が挿入されている。1組の第1軸部84は、2つの軸受部材64に対して摺動可能である。
【0037】
Y軸線上に位置する他の1組の軸受部材64は、ホルダ42の1組の円筒部58(
図6)に外側から嵌め込まれている。Y軸線上の1組の軸受部材64には、後述する1組の第2軸部92が挿入されている。1組の第2軸部92は、2つの軸受部材64に対して摺動可能である。
【0038】
(第1磁性部材)
第1磁性部材66は、円環状に形成されている。第1磁性部材66は、+X側の第1軸部84に設けられている。具体的には、第1磁性部材66は、第1軸部84に固定されている。第1磁性部材66は、軸受部材64とX軸方向に隣り合う位置にある。第1磁性部材66は、第1軸部84の回転により磁力の向きが変化する第1磁性部材の一例である。第1磁性部材66は、後述する第1センサ112(
図3)によって検出される。
【0039】
(第2磁性部材)
第2磁性部材68は、円環状に形成されている。第2磁性部材68は、+Y側の軸受部材64とY軸方向に隣り合う位置にある。さらに、第2磁性部材68は、+Y側の軸受部材64及びホルダ42(
図3)と一体化されている。第2磁性部材68は、第2軸部92の回転により磁力の向きが変化する第2磁性部材の一例である。第2磁性部材68は、後述する第2センサ114(
図3)によって検出される。
【0040】
<支持機構部>
図3に示されるように、支持機構部70は、ケース22の内側に設けられている。支持機構部70は、基準点Cを中心として、ホルダ42を回転自在に支持する。基準点Cを通り且つホルダ42の径方向(K1、K2方向)と交差する交差方向に延びる線を回転軸線CAとする。支持機構部70は、一例として、フレーム部材72と、4つの台座部76と、8本の偏心ねじ74と、回転軸部82と、を有する。なお、本実施形態において、回転軸線CAは、互いに直交する第1回転軸線CX及び第2回転軸線CYを有する。第1回転軸線CXは、X軸方向に沿って延びている。第2回転軸線CYは、Y軸方向に沿って延びている。
【0041】
(フレーム部材)
図5に示されるように、フレーム部材72は、Z軸方向から見た場合、基準点Cを中心とする円形状(円環形状)に形成された部材である。フレーム部材72には、径方向に貫通した不図示の貫通孔が、周方向に間隔をあけて8箇所形成されている。8箇所の貫通孔には、それぞれ、偏心ねじ74が挿通される。フレーム部材72の径方向の内側の面を内周面72Aとする。
【0042】
(台座部)
台座部76は、フレーム部材72の周方向に等間隔で4箇所にそれぞれ1つずつ設けられている。4つの台座部76は、配置を除いて同じ構成であるため、1つの台座部76について具体的に説明し、他の3つの台座部の説明を省略する。台座部76は、フレーム部材72の径方向に所定の厚さを有する平板部77と、平板部77から内周面72Aに向けて突出された2つの脚部78とを有する。
【0043】
平板部77のZ軸方向の高さは、フレーム部材72のZ軸方向の高さと同程度である。2つの脚部78は、フレーム部材72の周方向に間隔をあけて位置している。平板部77の中央部には、回転軸部82の基部85が固定される固定部79が形成されている。なお、フレーム部材72は円形状の部材であるが、台座部76を介在させることで平坦部が存在するので、フレーム部材72の形状が円形であっても、後述する回転軸部82を支持し易くなっている。
【0044】
(偏心ねじ)
8本の偏心ねじ74は、1つの台座部76に対して2本を1組として設けられている。8本(4組)の偏心ねじ74は、フレーム部材72に対する4つの台座部76の位置を調整可能とする調整部の一例である。換言すると、4つの台座部76は、それぞれ、1組の偏心ねじ74によってフレーム部材72に締結される場合に、Z軸方向及びフレーム部材72の周方向に位置が調整可能となっている。なお、調整部の例は、偏心ねじ74を8本用いた構成に限らない。調整部の他の例として、偏心ねじ74が4本で通常ねじが4本の構成であってもよい。あるいは、偏心ねじ74が各軸の一方側に1本ずつの合計2本で、通常ねじが6本の構成であってもよい。
【0045】
(回転軸部)
回転軸部82は、回転軸線CAを中心に回転自在に、フレーム部材72に設けられている。具体的には、回転軸部82は、第1回転軸線CXを中心に回転自在な1組(2つ)の第1軸部84と、ホルダ42(
図3)を第2回転軸線CYを中心に回転自在に支持する1組(2つ)の第2軸部92と、を有する。このように、支持機構部70は、フレーム部材72と、1組の第1軸部84と、1組の第2軸部92とを有する。そして、1組の第1軸部84及び1組の第2軸部92は、4つの台座部76に設けられている。
【0046】
第2軸部92は、非磁性体である。「非磁性」の定義については、既述の通りである。なお、本実施形態では、第1軸部84と第2軸部92が、配置及び固定状態を除いて同様の構成を有する。このため、第1軸部84について具体的に説明し、第2軸部92については、第1軸部84と同じ符号を用いて説明を省略する場合がある。
【0047】
第1軸部84は、固定部79に固定された円柱状の基部85と、基部85に対して径方向の内側に位置する小径部86と、を有する。小径部86は、基部85と比べて外径が小さい円柱状の部位である。基部85と小径部86は、同一の第1回転軸線CXを有する。基部85と小径部86との境界部分には、段差87が形成されている。段差87の周方向の一部には、径方向に内側に向けて突出した突起88が設けられている。
【0048】
図3に示されるように、1組の第1軸部84は、ケース22の支持壁24、32に回転自在に支持されている。1組の第2軸部92は、ホルダ42を回転自在に支持している。換言すると、1組の第1軸部84は、回転するものであり、1組の第2軸部92は、回転しないものである。これにより、ホルダ42は、第1回転軸線CXを中心とした回転と、第2回転軸線CYを中心とした回転とが可能となっている。なお、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向が互いに直交する場合のホルダ42の位置を、光学モジュール12及びホルダ42の基準位置と称する。ホルダ42が基準位置にある場合のホルダ42の回転角度を0°とする。
【0049】
図8Aに示されるように、球面部43の第1曲面52Aには、第1ヨーク91が固定されている。第1ヨーク91は、磁性を有する板状の部材を第1曲面52Aの形状に合わせて湾曲させたものである。
【0050】
<第1マグネット部>
第1マグネット部94は、第1ヨーク91を覆った状態で、第1ヨーク91に固定されている。換言すると、第1マグネット部94は、基準点Cに対する径方向の一方側に設けられている。第1マグネット部94は、2つのN極と、当該2つのN極に挟まれた1つのS極とを有する。第1マグネット部94の2つのN極及び1つのS極は、Z軸方向に沿って並んでいる。具体的には、第1マグネット部94では、-Z側から+Z側に向けてN極、S極、N極の順で並んでいる。第1マグネット部94を円弧部と見た場合、第1マグネット部94の1つのS極の周方向の長さは、第1マグネット部94の1つのN極の周方向の長さよりも長い。第1マグネット部94のうち、径方向の最も外側に位置する面の球面部43に沿った円弧の長さを第1長さL1(mm)とする。
【0051】
球面部43の第2曲面54Aには、第2ヨーク93が固定されている。第2ヨーク93は、磁性を有する板状の部材を第2曲面54Aの形状に合わせて湾曲させたものである。
【0052】
<第2マグネット部>
第2マグネット部98は、第2ヨーク93を外側から覆った状態で、第2ヨーク93に固定されている。換言すると、第2マグネット部98は、基準点Cに対する径方向の他方側に設けられている。第2マグネット部98は、1つのN極と1つのS極とを有する。第2マグネット部98の1つのN極及び1つのS極は、Z軸方向に沿って並んでいる。具体的には、第2マグネット部98では、-Z側から+Z側に向けてS極、N極の順で並んでいる。第2マグネット部98のうち、径方向の最も外側に位置する面の球面部43に沿った円弧の長さを第2長さL2(mm)とする。
【0053】
第1長さL1は、第2長さL2よりも長い。さらに、第1マグネット部94の1つのN極の円弧の長さは、第2マグネット部98の1つのN極の円弧の長さよりも短い。第1マグネット部94の1つのS極の円弧の長さは、第2マグネット部98の1つのS極の円弧の長さよりも短い。このように、第1マグネット部94と第2マグネット部98は、基準点Cに対して非対称に位置し、且つホルダ42の周方向に沿った長さが異なっている。
【0054】
1つの第1マグネット部94と1つの第2マグネット部98を1組のマグネット部として、2組のマグネット部について一方の組と他方の組とを区別する場合、第1マグネット部94A、94B、第2マグネット部98A、98Bとして区別する。
【0055】
<コイル部>
図3に示されるように、アクチュエータ20には、2組のコイル部102が設けられている。2組のコイル部102は、それぞれ、1つの第1コイル104と1つの第2コイル106とを有する。2組のコイル部102は、ケース22に設けられ、通電状態で2組のマグネット部(第1マグネット部94A、94B、第2マグネット部98A、98B)に作用する磁界を発生させる。
【0056】
図4に示されるように、第1コイル104は、コイル取付部26A及びコイル取付部34Aに固定されている。第2コイル106は、コイル取付部27A及びコイル取付部35Aに固定されている。1組のコイル部102は、K1方向に沿って並んでいる。他の1組のコイル部102は、K2方向に沿って並んでいる。
【0057】
図9に示されるように、ホルダ42は、基準点Cを中心とする回転方向における基準位置にある。なお、ホルダ42の回転方向について、図示の時計回り方向の回転を+R方向の回転とし、図示の反時計回り方向の回転を-R方向の回転とする。
【0058】
第1コイル104は、第1マグネット部94とK1方向に対向している。第1コイル104は、第1マグネット部94と対向する対向面105を有する。対向面105は、Z軸方向に沿っている。第1マグネット部94の+Z側の端部は、第1コイル104の+Z側の端部よりも+Z側に位置している。第1マグネット部94の-Z側の端部は、第1コイル104の-Z側の端部よりも-Z側に位置している。換言すると、第1マグネット部94は、第1コイル104との対向範囲を超えて円周方向に延びている。
【0059】
第2コイル106は、第2マグネット部98とK1方向に対向している。第2コイル106は、第2マグネット部98と対向する対向面107を有する。対向面107は、Z軸方向に沿っている。第2マグネット部98の+Z側の端部は、第2コイル106の+Z側の端部よりも-Z側に位置している。第2マグネット部98の-Z側の端部は、第2コイル106の-Z側の端部よりも+Z側に位置している。換言すると、第2マグネット部98は、第2コイル106との対向範囲内にある。
【0060】
基準点Cを通りK1方向に延びる仮想線を基準線Qとする。第1マグネット部94において、1つのS極は、基準線Q上に位置している。換言すると、第1マグネット部94の1つのS極は、基準線Qを周方向に跨いで、-Z側と+Z側とに位置している。第2マグネット部98において、N極とS極の境界面M(分極面)は、一例として、基準線Q上に位置している。なお、各部材の配置関係は、K2方向においても同様である。このため、K2方向における各部材の説明は省略する。
【0061】
光学モジュール12のFOV(Field Of View:視野)は、一例として、45°程度となっている。ここで、光学モジュール12は、収容部57における基準線Qよりも+Z側の部分に固定されている。このため、光学モジュール12が基準点Cに位置する場合と比べて、FOVの設定値を大きくすることが可能である。
【0062】
<FPC>
図3に示されるように、FPC108は、第2センサ114に電気的に接続された配線部の一例である。FPC108は、ケース22の外側からケース22の内側へ挿入され、底壁23上に延びている。FPC108の一部には、後述するドライバIC110(
図10)が搭載及び接続されている。また、FPC108は、底壁23上で分岐されており、2組のコイル部102と、第1センサ112と、第2センサ114とに電気的に接続されている。なお、
図3では、第1センサ112及び第2センサ114を明確に示すために、第1センサ112及び第2センサ114の大きさが実際の大きさよりも誇張されている。
【0063】
FPC108のうち、第2センサ114に接続される部分の一部は、フレーム部材72に沿って設けられている。具体的には、FPC108は、フレーム部材72を経由して、フレーム部材72の第1軸部84と径方向に並ぶ中継位置に向けて延びており、さらに、当該中継位置からケース22(底壁23)に向けて延びている。
【0064】
<第1センサ>
第1センサ112は、TMR(Tunnel Magneto Resistance)センサとして構成されている。第1センサ112は、支持壁24に設けられている。第1センサ112は、第1磁性部材66の磁力の向きを検出することで、第1軸部84の第1回転軸線CXを中心とする回転位置を検出する。第1センサ112と第1磁性部材66との最短距離は、第1センサ112と第1マグネット部94Aとの最短距離、第1センサ112と第2マグネット部98Bとの最短距離のそれぞれよりも短い。
【0065】
<第2センサ>
第2センサ114は、TMRセンサとして構成されている。第2センサ114は、フレーム部材72に設けられている。第2センサ114は、第2磁性部材68の磁力の向きを検出することで第2軸部92の第2回転軸線CYを中心とする回転位置を検出する。第2センサ114と第2磁性部材68との最短距離は、第2センサ114と第2マグネット部98Aとの最短距離、第2センサ114と第2マグネット部98Bとの最短距離のそれぞれよりも短い。
【0066】
<ドライバIC>
図3及び
図10に示されるように、ドライバIC110は、パン部U1と、チルト部U2とを駆動することで、ホルダ42を、第1回転軸線CXを中心として回転させ、第2回転軸線CYを中心として回転させる。なお、パン部U1は、第1コイル104A、第2コイル106A及び第1センサ112を有する。チルト部U2は、第1コイル104B、第2コイル106B及び第2センサ114を有する。
【0067】
図10に示されるように、ドライバIC110は、コネクタ111を介してメインボード200に電気的に接続されている。メインボード200は、CPU(Central Processing Unit)202と、メモリ204とを含む。メインボード200には、不図示の入力部が設けられている。なお、メインボード200は、光学装置10の一部を構成していてもよく、あるいは、光学装置10と異なる外部装置であってもよい。
【0068】
<ホルダの回転>
図11A及び
図11Bには、第1コイル104A、104B及び第2コイル106A、106Bに通電された場合のホルダ42の回転開始状態が示されている。なお、第1マグネット部94及び第2マグネット部98に作用する推力(駆動トルク)について、図中のX印は、-Z側に向けて推力が作用することを表している。図中の黒丸印は、+Z側に向けて推力が作用することを表している。
【0069】
図11Aに示されるように、第1マグネット部94A及び第2マグネット部98Bに-Z側に向かう推力が作用し、且つ第1マグネット部94B及び第2マグネット部98Aに+Z側に向かう推力が作用している場合、ホルダ42は、第2回転軸線CYを中心として(一方側に向けて)回転される。推力が作用する側が逆の場合、ホルダ42は、第2回転軸線CYを中心として(他方側に向けて)回転される。
【0070】
図11Bに示されるように、第1マグネット部94A及び第1マグネット部94Bに+Z側に向かう推力が作用し、且つ第2マグネット部98A及び第2マグネット部98Bに-Z側に向かう推力が作用している場合、ホルダ42は、第1回転軸線CXを中心として(一方側に向けて)回転される。推力が作用する側が逆の場合、ホルダ42は、第1回転軸線CXを中心として(他方側に向けて)回転される。
【0071】
[第1実施形態の各構成の作用]
図12Aには、第1コイル104及び第2コイル106(
図3)への通電のON、OFF状態のタイミングチャートが示されている。なお、時点t0では、ホルダ42が基準位置(角度=0°)にある。時点t1m、t2m、t3mは、ホルダ42が時点t0からマイナス側(第1コイル104側)に回転されている場合の各時点を表している。時点t1p、t2p、t3pは、ホルダ42が時点t0からプラス側(第2コイル106側)に回転されている場合の各時点を表している。
【0072】
第1コイル104では、時点t0でOFFであり、時点t1mでOFFからONとなる。時点t2m、t3mではONである。同様に、時点t1pでOFFからONとなる。時点t2p、t3pではONである。
【0073】
第2コイル106では、時点t0、t1mでONであり、時点t2mでONからOFFとなる。時点t3mではOFFである。同様に、時点t1pでONであり、時点t2pでONからOFFとなる。時点t3pではOFFである。
【0074】
図12Bには、ホルダ42(
図2)の基準位置からの回転の角度(°)と、ホルダ42に作用している駆動トルクとの関係が、グラフG1、G2、G3として示されている。グラフG1は、第2マグネット部98に作用する駆動トルクを表している。グラフG2は、第1マグネット部94に作用する駆動トルクを表している。グラフG3は、第1マグネット部94及び第2マグネット部98に作用する各駆動トルクの合計(合算トルク)を表している。グラフG3は、見易くするためにグラフG1、G2に対して僅かにずらしている。なお、グラフG1、G2のそれぞれにおいて、点線部分は、通電OFFのために、駆動トルクが0であることを意味している。
【0075】
図12A及び
図12Bにおいて、θAは時点t2mでの角度、θBは時点t1mでの角度、θCは時点t1pでの角度、θDは時点t2pでの角度となっている。時点t0では、ホルダ42が基準位置にあるため、角度θ=0°である。
【0076】
図12A、
図12B及び
図13Aを参照し、ホルダ42が第1コイル104A側(マイナス側)に回転される場合について説明する。なお、ホルダ42の回転において、第2マグネット部98Aに作用する駆動トルクが、駆動初期のメイントルクとなっている。そして、第1マグネット部94Aに作用する駆動トルクが、駆動開始後のサポートトルクとなっている。
【0077】
第2コイル106Aと第2マグネット部98Aとの磁力の作用により、ホルダ42が基準位置からマイナス側に回転を開始する。そして、ホルダ42のマイナス側の回転角度が大きくなるほど、第2コイル106Aへの通電による駆動トルクは減少していく。ここで、時点t1mで第1コイル104Aへの通電が開始されることで、第1コイル104Aと第1マグネット部94Aとの磁力の作用により、ホルダ42に駆動トルクが付与される。これにより、グラフG3の合算トルクが、グラフG1の単独の駆動トルクと比べて増加するため、ホルダ42に作用する駆動トルクの低下を抑制することができる。
【0078】
図12A、
図12B及び
図13Bを参照し、ホルダ42が第2コイル106A側(プラス側)に回転される場合について説明する。なお、ホルダ42のプラス側への回転は、各コイルに流す電流の向きを、マイナス側への回転における電流の向きとは逆にすることで行われる。
【0079】
第2コイル106Aと第2マグネット部98Aとの磁力の作用により、ホルダ42が基準位置からプラス側に回転を開始する。そして、ホルダ42のプラス側の回転角度が大きくなるほど、第2コイル106Aへの通電による駆動トルクは減少していく。ここで、時点t1pで第1コイル104Aへの通電が開始されることで、第1コイル104Aと第1マグネット部94Aとの磁力の作用により、ホルダ42に駆動トルクが付与される。これにより、グラフG3の合算トルクが、グラフG1の単独の駆動トルクと比べて増加するため、ホルダ42に作用する駆動トルクの低下を抑制することができる。
【0080】
図14には、光学装置10の主電源をONにした後で、第1センサ112及び第2センサ114の出力に基づいて、ホルダ42及び光学モジュール12を目標の回転角度まで回転させる場合の各処理のフローチャートが示されている。なお、光学装置10及びアクチュエータ20の各構成については、
図1から
図13Bまでを参照することとし、個別の図番の記載を省略する。
図14に示された各処理は、CPU202がメモリ204から不図示のプログラムを読み出して展開及び実行することにより行われる。
【0081】
ステップS10において、CPU202は、第2コイル106に通電することで、サーボON状態とする。そして、ステップS12に移行する。
【0082】
ステップS12において、CPU202は、通電量を変えることでホルダ42を基準位置に移動させる。そして、ステップS14に移行する。
【0083】
ステップS14において、CPU202は、第1センサ112による第1磁性部材66の回転位置の検出結果に基づいて、ホルダ42の回転角度を検出する。そして、ステップS16に移行する。
【0084】
ステップS16において、CPU202は、ホルダ42の回転位置と基準位置との差が1°以下であるか否かを判定する。ホルダ42の回転位置と基準位置との差が1°以下の場合(S16:YES)、ステップS18に移行する。ホルダ42の回転位置と基準位置との差が1°よりも大きい場合(S16:NO)、ステップS12に移行する。
【0085】
ステップS18において、CPU202は、入力された角度情報に基づいて、ホルダ42の回転の目標角度を決定する。そして、ステップS20に移行する。
【0086】
ステップS20において、CPU202は、目標角度が37.5°よりも大きい場合、目標角度を37.5°に設定する。換言すると、目標角度の上限値は、一例として、37.5°となっている。そして、ステップS22に移行する。
【0087】
ステップS22において、CPU202は、ホルダ42の回転角度と目標角度との差が1°よりも大きいか否かを判定する。ホルダ42の回転角度と目標角度との差が1°よりも大きい場合(S22:YES)、ステップS24に移行する。ホルダ42の回転角度と目標角度との差が1°以下である場合(S22:NO)、ステップS18に移行する。
【0088】
ステップS24において、CPU202は、目標角度をドライバIC110に入力する。ドライバIC110は、入力された情報に基づいて、第2コイル106への通電を開始する。これにより、ホルダ42が基準位置から回転を開始する。その後、第1コイル104への通電を開始する。そして、ステップS26に移行する。
【0089】
ステップS26において、CPU202は、第1センサ112及び第2センサ114の出力に基づいて、ホルダ42の回転角度を検出する。そして、ステップS18に移行する。このように、プログラムのスタート後、ホルダ42は、目標角度への回転(移動)を続ける。なお、光学装置10において、上記のシーケンス実行中に電源OFFのトリガ情報が入力された場合、
図15の電源OFFシーケンスに移行する。
【0090】
図15には、光学装置10の電源をOFFにするときの各処理のフローチャートが示されている。なお、光学装置10及びアクチュエータ20の各構成については、
図1から
図13Bまでを参照することとし、個別の図番の記載を省略する。
図15に示された各処理は、CPU202がメモリ204からプログラムを読み出して展開及び実行することにより行われる。
【0091】
ステップS30において、CPU202は、ホルダ42が基準位置に位置するように、ドライバIC110に情報を入力し、ホルダ42を基準位置に向けて回転させる。そして、ステップS32に移行する。
【0092】
ステップS32において、CPU202は、第1センサ112及び第2センサ114の出力に基づいて、ホルダ42の回転角度を検出する。そして、ステップS34に移行する。
【0093】
ステップS34において、CPU202は、ホルダ42の基準位置からの回転角度が1°よりも小さいか否かを判定する。ホルダ42の回転角度が1°よりも小さい場合(S34:YES)、ステップS36に移行する。ホルダ42の回転角度が1°以上の場合(S34:NO)、ステップS30に移行する。
【0094】
ステップS36において、CPU202は、サーボをOFFにして、プログラムを終了する。このように、光学装置10の未使用時にアクチュエータ20の保持電流を0(mA)とすることで、光学装置10の消費電力を削減することができる。
【0095】
図16には、ホルダ42の回転角度と、第1センサ112の出力(第2センサ114の出力も同様)との関係がグラフG4として示されている。グラフG4では、回転角度とセンサ出力が比例関係にあることが示されている。なお、
図16において、点線で示された領域SAは、回転角度の動作のフルストロークに対して95%以内となる動作範囲を表している。このように、アクチュエータ20では、一例として、ホルダ42の回転角度のフルストロークをプラス側、マイナス側でそれぞれ40°とした場合、回転角度40°とする制御は行われないようになっている。
【0096】
フルストロークで使用した場合、各部材同士が接触することで騒音源となる可能性がある。また、フルストロークで使用することで、回転駆動に必要な電流も多くなる。このため、フルストロークに対して、誤差分を見込んで95%以内の動作範囲(領域SA)とすることで、騒音や消費電力の増加を抑制することができる。
【0097】
第1実施形態に係る光学装置10及びアクチュエータ20の作用について、
図1から
図16までを参照して、以下にまとめる。なお、個別の図番の記載は省略する。
【0098】
アクチュエータ20では、第1マグネット部94と第2マグネット部98が基準点Cに対して非対称に位置する。さらに、第1マグネット部94と第2マグネット部98は、ホルダ42の周方向に沿った長さが異なっている。コイル部102に通電され、第2マグネット部98が主に駆動トルクを受けた場合、第2マグネット部98は、第1マグネット部94よりも周方向の長さが短いため、ホルダ42の回転角度が大きくなるほど、コイル部102から受ける駆動トルクが減少していく。
【0099】
ここで、第1マグネット部94は、第2マグネット部98よりも周方向の長さが長く、且つ第2マグネット部98と非対称に位置しているため、コイル部102から駆動トルクを受ける範囲が第2マグネット部98よりも広い。換言すると、第2マグネット部98がコイル部102から受ける駆動トルクが減少しても、第1マグネット部94がコイル部102から駆動トルクを受けることができる。このように、第2マグネット部98に作用する駆動トルクが減少し始めても、第1マグネット部94に作用する駆動トルクによって、駆動トルクが補充されるので、ホルダ42に作用する合算トルクが増加する。つまり、光学モジュール12の回転角度を拡大することができる。
【0100】
アクチュエータ20では、第1マグネット部94と第2マグネット部98が並ぶ径方向にコイル部102が位置している。このため、径方向に回転軸部82を配置することはできないが、回転軸部82が径方向と交差する交差方向に延びているので、ホルダ42を回転させることができる。
【0101】
アクチュエータ20では、N極とS極を1組の磁極として、2つのN極と1つのS極を有する第1マグネット部94の第1長さL1の方が、1組の磁極を1つのみ有する第2マグネット部98の第2長さL2よりも長い。これにより、第2マグネット部98のみでは駆動トルクが減少する回転角度において、第1マグネット部94のN極とS極のうちいずれか一方の磁極が、コイル部102から適切な駆動トルクを受け易くなる。このため、合算トルクを増加させて、光学モジュール12の回転角度を拡大することができる。
【0102】
アクチュエータ20では、第1マグネット部94及び第2マグネット部98のそれぞれのN極、S極がZ軸方向に沿って並んでおり、回転軸部82は、X軸方向に沿った第1軸部84と、Y軸方向に沿った第2軸部92とを有する。これにより、第1回転軸線CXと第2回転軸線CYの2つの軸線を中心としてホルダ42を回転させることができる。
【0103】
アクチュエータ20では、円形状のフレーム部材72に1組の第1軸部84及び1組の第2軸部92が設けられている。このため、第1軸部84による回転の中心位置と第2軸部92による回転の中心位置とは、いずれもフレーム部材72の中心位置にある。これにより、第1軸部84と第2軸部92が別々の部材に設けられた構成に比べて、ケース22の内側でホルダ42が移動する範囲が制限されるので、アクチュエータ20を小型化することができる。
【0104】
アクチュエータ20では、第2軸部92が軸受部材64と摺動可能であるので、ホルダ42に第2軸部92を挿入する構成と比べて、ホルダ42に第2軸部92を取り付け易くなる。
【0105】
アクチュエータ20では、軸受部材64が非磁性体である。このため、第1軸部84、第2軸部92に第1磁性部材66、第2磁性部材68を取り付けた場合、第1磁性部材66の磁力の向きや第2磁性部材68の磁力の向きに対して、軸受部材64の磁力が影響することがなくなる。これにより、第1センサ112による第1軸部84の回転位置の検出精度が低下することや、第2センサ114による第2軸部92の回転位置の検出精度が低下することを抑制できる。
【0106】
アクチュエータ20では、第2軸部92が非磁性体である。このため、第2センサ114による第2磁性部材68の磁力の向きの検出において、第2軸部92の磁力が影響することがなくなる。さらに、台座部76に対して第2磁性部材68とは反対側(裏側)に第2センサ114を配置することができる。これにより、台座部76とフレーム部材72との間の空間に第2センサ114を配置できるので、第2センサ114を配置するための余分な空間が不要となる。
【0107】
アクチュエータ20では、円形のフレーム部材72に台座部76が設けられている。そして、第1軸部84、第2軸部92は、台座部76に設けられている。ここで、比較例として、第1軸部84、第2軸部92がフレーム部材72に直接、設けられる構成では、第1軸部84、第2軸部92のそれぞれの中心軸の方向がずれ難くなるように、フレーム部材72に平坦部を形成する必要がある。
【0108】
一方、本実施形態では、第1軸部84、第2軸部92が台座部76に設けられているので、フレーム部材72に平坦部を形成する必要がない。このため、円形のフレーム部材72に平坦部を形成する際に、フレーム部材72が変形することを抑制することができる。
【0109】
アクチュエータ20では、4つの台座部76のそれぞれに偏心ねじ74が設けられている。これにより、偏心ねじ74を用いて台座部76をフレーム部材72に取り付ける場合に、フレーム部材72に対する台座部76のZ軸方向の位置や、台座部76のフレーム部材72の周方向に沿った位置を調整することができる。
【0110】
アクチュエータ20では、第1センサ112が第1軸部84の回転位置を検出し、第2センサ114が第2軸部92の回転位置を検出するので、一方の回転位置のみを検出する構成と比べて、ホルダ42の回転角度を精度良く検出することができる。
【0111】
アクチュエータ20では、第1センサ112と第1磁性部材66との距離は、第1センサ112と第1マグネット部94との距離よりも短い。これにより、第1センサ112が第1磁性部材66の磁力の向きを検出する場合に、第1マグネット部94の磁力が影響することを抑制することができる。さらに、第2センサ114と第2磁性部材68との距離は、第2センサ114と第2マグネット部98との距離よりも短い。これにより、第2センサ114が第2磁性部材68の磁力の向きを検出する場合に、第2マグネット部98の磁力が影響することを抑制することができる。
【0112】
アクチュエータ20では、FPC108が、フレーム部材72を経由して、フレーム部材72の第1軸部84と径方向に並ぶ中継位置に向けて延びており、さらに、当該中継位置からケース22に向けて延びている。このため、FPC108が第2センサ114からケース22に向けて延びる構成と比べて、FPC108のうち、他の部材に支持されていない部分の全体に対する割合を減らすことができる。これにより、FPC108の変形を抑制することができる。
【0113】
光学装置10では、アクチュエータ20においてホルダ42に作用する駆動トルクが増加することで、光学モジュール12の回転角度を拡大することができる。
【0114】
光学装置10では、開口部56にフィルタ62が設けられているので、光学モジュール12に不要な光が入射することを抑制できる。
【0115】
[第2実施形態の各構成]
図17には、第2実施形態のアクチュエータ120を有する光学装置10が示されている。第1実施形態のアクチュエータ20と同一又は実質的に同一の構成や要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
アクチュエータ120は、アクチュエータ20(
図2)の支持壁24に貫通孔121A、121Bが形成されている。貫通孔121A、121Bは、支持壁24をX軸方向に貫通している。また、アクチュエータ120は、アクチュエータ20の1つの第1軸部84(
図5)に換えて1つの第1軸部122が設けられ、台座部76(
図5)に換えて台座部124が設けられている点が異なる。さらに、フレーム部材72のうち、台座部124が設けられた部位には、貫通孔123が形成されている。
【0117】
第1軸部122は、第1回転軸線CX(
図3)を有する円筒状の部材である。第1軸部122の-X側の端部は、軸受部材64に回転自在に支持されている。第1軸部122の内側空間は、貫通孔121Aと連通している。第1軸部122には、第1磁性部材66と、リング部材129とが取り付けられている。リング部材129は、台座部124と第1磁性部材66とによって挟まれている。
【0118】
台座部124は、フレーム部材72の径方向に所定の厚さを有する平板部125と、平板部125からフレーム部材72に向けて突出された脚部126とを有する。平板部125には、貫通孔127が形成されている。貫通孔127と貫通孔123は連通している。さらに、貫通孔127と第1軸部122の内側は連通している。
【0119】
FPC108は、フレーム部材72から第1軸部122の内側を通ってケース22の底壁23に到達している。具体的には、FPC108は、フレーム部材72から貫通孔123、貫通孔127、第1軸部122の内側及び貫通孔121Aを通ってホルダ42と対向する位置に出た後、ホルダ42と対向しながら-Z側に延び、貫通孔121Bを通って+X側に延びている。FPC108の一部は、2箇所で屈曲されている。
【0120】
図18に示されるように、アクチュエータ120では、第1軸部122における第1磁性部材66と軸受部材64との間、及び第2軸部92における第2磁性部材68と台座部76との間に、コイルばね132が設けられている。コイルばね132は、弾性部材の一例である。
【0121】
[第2実施形態の作用]
図17及び
図18に示されるように、アクチュエータ120では、FPC108がフレーム部材72から第1軸部122の内側を通って支持壁24(ケース22)に到達している。これにより、ホルダ42の回転角度を変更しているときに、FPC108の張力が負荷として作用することを抑制することができる。
【0122】
アクチュエータ120では、一方のコイルばね132が、第1磁性部材66をリング部材129及び台座部124に向けて押し付ける。さらに、他方のコイルばね132が、第2磁性部材68をホルダ42に向けて押し付ける。これにより、第1磁性部材66及び第2磁性部材68の傾きや位置ずれを抑制することができる。また、弾性部材としてコイルばね132を用いていることで、第1軸部122、第2軸部92をコイルばね132に挿通することができる。これにより、コイルばね132が第1軸部122、第2軸部92と接触することで、外れにくくなるので、第1磁性部材66及び第2磁性部材68と、コイルばね132との接触状態を安定させることができる。
【0123】
〔変形例〕
以下、第1、第2実施形態とは異なる各変形例について説明する。なお、第1、第2実施形態と同一又は同様の構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0124】
<第1変形例>
図19には、第1変形例のアクチュエータ140の一部が示されている。アクチュエータ140は、アクチュエータ20(
図2)に対して、ホルダ142、第1マグネット部144、保持プレート146を有する点が異なる。他の構成については、アクチュエータ20と同様であるため、説明を省略する。また、
図19では、ケース22及びFPC108(
図1)等の図示と、1つの第1コイル104の図示を省略している。
【0125】
ホルダ142は、球状に形成されており、球面状の外周面143を有する。ホルダ142には、不図示の駆動対象物を視認可能となる開口部145が形成されている。外周面143には、2つの第1マグネット部144と、2つの第2マグネット部98とが設けられている。
【0126】
第1マグネット部144は、第1コイル104と対向している。第1マグネット部144の磁極は、-Z側から+Z側に向けて順番に、S極、N極、S極、N極となっている。つまり、第1マグネット部144は、第1マグネット部94(
図8A)とは磁極の並びが異なっている。このように、磁極の並びを変更しても、第1マグネット部144に作用する駆動トルクによって、合算トルクの減少を抑制することができる。
【0127】
保持プレート146は、磁性を有する部材である。なお、保持プレート146と、第1コイル104、第2コイル106との間には、図示されていないが、FPC108(
図4)が設けられている。保持プレート146は、一例として、第1コイル104、第2コイル106よりもK1方向の幅又はK2方向の幅が狭い。保持プレート146のZ軸方向の高さは、一例として、第1コイル104、第2コイル106のZ軸方向の高さと同程度である。なお、保持プレート146は、FPC108(
図4)に埋め込まれてもよい。
【0128】
アクチュエータ140において、FPC108に通電がされていない場合、保持プレート146が磁性を有していることで、保持プレート146と第1マグネット部144、第2マグネット部98との間に磁力(吸引力)が作用する。つまり、保持プレート146が磁気ばねとして作用する。これにより、基準位置にあるホルダ142の回転前の位置が安定するので、ホルダ142の回転初期に必要な駆動トルクが大きくなることを抑制することができる。
【0129】
なお、アクチュエータ140においても、第1センサ112及び第2センサ114(
図3)が設けられている。このため、第1コイル104の内側、第2コイル106の内側に第1センサ112、第2センサ114を配置する必要が無いので、第1コイル104の内側、第2コイル106の内側に保持プレート146を配置してもよい。
【0130】
<第2変形例>
図20には、第2変形例のアクチュエータ150の一部が示されている。アクチュエータ150は、第1変形例のアクチュエータ140(
図19)において、第1軸部84及び第2軸部92が設けられ、且つ第1軸部84及び第2軸部92がフレーム部材72に直接、固定されている点が異なる。第1軸部84は、支持壁24、32に回転自在に支持されている。第2軸部92は、ホルダ142を回転自在に支持している。このように、台座部76(
図5)を用いない構成とすることも可能である。
【0131】
<第3変形例>
図21Aには、第3変形例の光学装置160及びアクチュエータ162の一部が示されている。光学装置160は、光学装置10(
図1)において、光学モジュール12(
図1)に換えて、レーザモジュール164を有する点が異なる。レーザモジュール164は、ホルダ42の内部に収容且つ固定されている。
【0132】
図21Bに示されるように、レーザモジュール164は、不図示のドライバICから通電されることで、光LTを出射する。レーザモジュール164は、駆動対象物の一例である。このように、発光を行う光学装置160を用いてもよい。
【0133】
<第4変形例>
図22Aには、第4変形例の光学装置170及びアクチュエータ172の一部が示されている。光学装置170は、光学装置10(
図1)において、光学モジュール12(
図1)に換えて、ミラー174を有する点が異なる。ミラー174は、ホルダ42の内部に収容且つ固定されている。
【0134】
図22Bに示されるように、ミラー174は、反射面176を有する。そして、ミラー174は、開口部56(
図22A)を通して入射した光LTを反射面176で反射する。ミラー174は、駆動対象物の一例である。このように、入射した光LTを所定の方向に反射させるミラーモジュールとしての光学装置170を用いてもよい。
【0135】
<第5変形例>
図23には、第5変形例の光学装置180が示されている。光学装置180は、ホルダ42と、ケース182と、支持壁184と、縦壁186と、第1マグネット部94と、第2マグネット部98と、第1コイル104と、第2コイル106と、を有する。光学装置180は、光学モジュール12を回転駆動する。ケース182は、ホルダ42を収容する。ケース182の内部には、1組(2つ)の支持壁184と、1組(2つ)の縦壁186とが設けられている。
【0136】
支持壁184は、X軸方向に間隔をあけて並んでおり、且つZ軸方向に直立している。支持壁184は、ホルダ42を、基準点Cを中心として回転自在に支持する支持機構部の一例である。支持壁184は、第1軸部84を、第1回転軸線CXを中心として回転自在に支持している。そして、第1軸部84は、軸受部材64を介してホルダ42に連結されている。これにより、ホルダ42が第1回転軸線CXを中心として回転自在となっている。
【0137】
縦壁186は、Y軸方向に間隔をあけて並んでおり、且つZ軸方向に直立している。-Y側の縦壁186には、第1コイル104が固定されている。+Y側の縦壁186には、第2コイル106が固定されている。第1コイル104は、第1マグネット部94と対向している。第2コイル106は、第2マグネット部98と対向している。第1マグネット部94と第2マグネット部98は、基準点Cに対して非対称に位置し且つホルダ42の周方向に沿った長さが異なっている。
【0138】
ホルダ42が基準位置にある状態で、第2コイル106に通電される。第2マグネット部98に対して+Z側に向かう駆動トルクが作用した場合、ホルダ42の回転によって、光学モジュール12が-Y側に傾倒するように回転する。第2マグネット部98に対して-Z側に向かう駆動トルクが作用した場合、ホルダ42の回転によって、光学モジュール12が+Y側に傾倒するように回転する。
【0139】
ここで、ホルダ42の回転角度が大きくなり、第2マグネット部98に作用する駆動トルクが減少し始めても、第1コイル104から第1マグネット部94に作用する駆動トルクによって、駆動トルクが補充されるので、ホルダ42に作用する合算トルクが増加する。つまり、光学モジュール12の回転角度を拡大することができる。このように、1つの回転軸線を中心に回転する光学装置及びアクチュエータを用いてもよい。なお、X軸とY軸とを入れ替えて、ホルダ42を、Y軸方向に沿った回転軸線を中心として回転させてもよい。
【0140】
<他の変形例>
本発明は、上記の第1、第2実施形態及び第1変形例から第5変形例までのいずれかに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で組合せを行う等、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0141】
アクチュエータ20において、第2マグネット部98が複数組の磁極(N極及びS極)を有し、第1マグネット部94が第2マグネット部98よりも組数が多い磁極を有していてもよい。また、第2マグネット部98は、N極とS極の少なくとも一方を複数有するものであってもよい。フレーム部材72がZ軸方向から見て正方形状に形成されていてもよい。この構成の場合、フレーム部材72を動作可能に収容することができれば、ケース22の形状は、円筒状、角筒状のいずれであってもよい。S極、N極の数は、それぞれ、上記の実施形態及び変形例とは異なる数であってもよい。
【0142】
軸受部材64を用いずに、ホルダ42が直接、第2軸部92と連結されてもよい。また、軸受部材64として、磁性体を用いてもよい。1組の第2軸部92として、磁性体を用いてもよい。フレーム部材72に、直接、第1軸部84、第2軸部92を設けてもよい。
【0143】
台座部76の位置調整を可能とする調整部として、偏心していないねじと調整方向に延びる長孔とを用いて位置調整が行われる構成を用いてもよい。FPC108は、フレーム部材72を経由せずにケース22へ延びていてもよい。
【0144】
第1センサ112及び第2センサ114によって、第1軸部84、第2軸部92のそれぞれの回転を検出せずに、例えば、ホール素子を用いて、第1マグネット部94、第2マグネット部98の回転量を検出することで、ホルダ42の回転角度を検出してもよい。
【0145】
第1マグネット部94、第2マグネット部98の磁力の影響が少ない場合は、第1センサ112と第1マグネット部94との距離が、第1センサ112と第1磁性部材66との距離よりも短くてもよい。第2センサ114、第2磁性部材68及び第2マグネット部98についても同様である。
【0146】
アクチュエータ120において、コイルばね132を用いなくてもよい。つまり、第1磁性部材66、第2磁性部材68を接着剤等で固定しただけでもよい。また、弾性部材として、コイルばね132に換えて、板ばねを用いてもよい。
【0147】
光学装置10には、フィルタ62が設けられていなくてもよい。
【0148】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
(1)
所定の基準点を中心とする球面部を有し、駆動対象物を収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、前記基準点を中心として前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記球面部の前記基準点に対する径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記球面部の前記基準点に対する前記径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記ホルダの周方向に沿った長さが異なる、
アクチュエータ。
(2)
前記支持機構部は、前記基準点を通り且つ前記径方向と交差する交差方向に延びる回転軸線を中心に回転自在な回転軸部を有し、
前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部のそれぞれのN極及びS極は、前記径方向及び前記交差方向の両方と直交する直交方向に沿って並んでいる、
前記(1)に記載のアクチュエータ。
(3)
1つの前記N極と1つの前記S極とを1組の磁極として、
前記第1マグネット部は、前記N極と前記S極の少なくとも一方を複数有し、
前記第2マグネット部は、前記1組の磁極を1つ有し、
前記第1マグネット部の前記球面部に沿った第1長さは、前記第2マグネット部の前記球面部に沿った第2長さよりも長い、
前記(2)に記載のアクチュエータ。
(4)
前記回転軸線は、互いに直交する第1回転軸線及び第2回転軸線を有し、
前記回転軸部は、前記第1回転軸線を中心に回転自在な1組の第1軸部と、前記第2回転軸線を中心に前記ホルダを回転自在に支持する1組の第2軸部と、を有し、
前記第1マグネット部、前記第2マグネット部及び前記コイル部のそれぞれを2組有する、
前記(2)又は前記(3)に記載のアクチュエータ。
(5)
前記支持機構部は、
前記基準点を中心とする円形状のフレーム部材と、
前記フレーム部材に設けられた前記1組の第1軸部と、
前記フレーム部材に設けられた前記1組の第2軸部と、
を有し、
前記1組の第1軸部は、前記ケースに回転自在に支持される、
前記(4)に記載のアクチュエータ。
(6)
前記ホルダには、前記1組の第2軸部が摺動可能に挿入された軸受部材が設けられている、
前記(5)に記載のアクチュエータ。
(7)
前記軸受部材は、非磁性体である、
前記(6)に記載のアクチュエータ。
(8)
前記1組の第2軸部は、非磁性体である、
前記(5)から前記(7)のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
(9)
前記フレーム部材には、前記フレーム部材の周方向に間隔をあけて複数の台座部が設けられており、
前記1組の第1軸部及び前記1組の第2軸部は、前記複数の台座部に設けられている、
前記(6)から前記(8)のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
(10)
前記複数の台座部には、前記フレーム部材に対する前記複数の台座部の位置を調整可能とする調整部が設けられている、
前記(9)に記載のアクチュエータ。
(11)
前記第1軸部には、前記第1軸部の回転により磁力の向きが変化する第1磁性部材が設けられ、
前記第2軸部には、前記第2軸部の回転により磁力の向きが変化する第2磁性部材が設けられ、
前記ケースには、前記第1磁性部材の磁力の向きを検出することで前記第1軸部の回転位置を検出する第1センサが設けられ、
前記フレーム部材には、前記第2磁性部材の磁力の向きを検出することで前記第2軸部の回転位置を検出する第2センサが設けられている、
前記(9)又は前記(10)に記載のアクチュエータ。
(12)
前記第1センサと前記第1磁性部材との距離は、前記第1センサと前記第1マグネット部との距離よりも短く、
前記第2センサと前記第2磁性部材との距離は、前記第2センサと前記第2マグネット部との距離よりも短い、
前記(11)に記載のアクチュエータ。
(13)
前記第2センサに電気的に接続された配線部を有し、
前記配線部は、前記フレーム部材を経由して、前記フレーム部材の前記第1軸部と径方向に並ぶ中継位置に向けて延びており、さらに、前記中継位置から前記ケースに向けて延びている、
前記(11)又は前記(12)に記載のアクチュエータ。
(14)
前記第1軸部は、円筒状の部材であり、
前記配線部は、前記フレーム部材から前記第1軸部の内側を通って前記ケースに到達している、
前記(13)に記載のアクチュエータ。
(15)
前記第1磁性部材と前記軸受部材との間、前記第2磁性部材と前記台座部との間の少なくとも一方には、弾性部材が設けられている、
前記(11)から前記(14)のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
(16)
前記弾性部材は、コイルばねである、
前記(15)に記載のアクチュエータ。
(17)
駆動対象物を収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、所定の基準点を中心として前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記ホルダの前記基準点に対する回転円の径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記ホルダの前記基準点に対する前記径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記回転円の周方向に沿った長さが異なる、
アクチュエータ。
(18)
光軸を有する光学モジュールと、
所定の基準点を中心とする球面部を有し、前記光学モジュールを収容するホルダと、
前記ホルダを収容するケースと、
前記ケースに設けられ、前記基準点を中心として前記ホルダを回転自在に支持する支持機構部と、
前記球面部の前記基準点に対する径方向の一方側に設けられた第1マグネット部と、
前記球面部の前記基準点に対する前記径方向の他方側に設けられた第2マグネット部と、
前記ケースに設けられ、通電状態で前記第1マグネット部及び前記第2マグネット部に作用する磁界を発生させるコイル部と、
を有し、
前記第1マグネット部と前記第2マグネット部は、前記基準点に対して非対称に位置し且つ前記ホルダの周方向に沿った長さが異なる、
光学装置。
(19)
前記ホルダは、光軸方向に開口した開口部を有し、
前記開口部には、前記開口部に外部から入射する光の一部を選択して透過させるフィルタが設けられている、
前記(18)に記載の光学装置。
【符号の説明】
【0149】
10:光学装置、12:光学モジュール、14:レンズ、16:本体部、20:アクチュエータ、22:ケース、23:底壁、24:支持壁、25:縦壁、25A:曲面、25B:窪み部、26:縦壁、26A:コイル取付部、27:縦壁、27A:コイル取付部、32:支持壁、33:縦壁、33A:曲面、33B:窪み部、34:縦壁、34A:コイル取付部、35:縦壁、35A:コイル取付部、36:側壁、37:固定部、37A:貫通孔、38:固定部、38A:貫通孔、42:ホルダ、43:球面部、44:外周面、45:外側球面、46:平面、47:平面、52:第1溝部、52A:第1曲面、54:第2溝部、54A:第2曲面、56:開口部、57:収容部、57A:溝部、58:円筒部、62:フィルタ、64:軸受部材、64A:筒部、64B:フランジ部、64C:円弧部、66:第1磁性部材、68:第2磁性部材、70:支持機構部、72:フレーム部材、72A:内周面、74:偏心ねじ、76:台座部、77:平板部、78:脚部、79:固定部、82:回転軸部、84:第1軸部、85:基部、86:小径部、87:段差、88:突起、91:第1ヨーク、92:第2軸部、93:第2ヨーク、94:第1マグネット部、94A:第1マグネット部、94B:第1マグネット部、98:第2マグネット部、98A:第2マグネット部、98B:第2マグネット部、102:コイル部、104:第1コイル、104A:第1コイル、104B:第1コイル、105:対向面、106:第2コイル、106A:第2コイル、106B:第2コイル、107:対向面、108:FPC、110:ドライバIC、111:コネクタ、112:第1センサ、114:第2センサ、120:アクチュエータ、121A:貫通孔、121B:貫通孔、122:第1軸部、123:貫通孔、124:台座部、125:平板部、126:脚部、127:貫通孔、129:リング部材、132:コイルばね、140:アクチュエータ、142:ホルダ、143:外周面、144:第1マグネット部、145:開口部、146:保持プレート、150:アクチュエータ、160:光学装置、162:アクチュエータ、164:レーザモジュール、170:光学装置、172:アクチュエータ、174:ミラー、176:反射面、180:光学装置、182:ケース、184:支持壁、186:縦壁、200:メインボード、202:CPU、204:メモリ、C:基準点、CA:回転軸線、CX:第1回転軸線、CY:第2回転軸線、G1:グラフ、G2:グラフ、G3:グラフ、G4:グラフ、K1:方向、K2:方向、L1:第1長さ、L2:第2長さ、LT:光、M:境界面、Q:基準線、+R:方向、-R:方向、SA:領域、t0:時点、t1m:時点、t1p:時点、t2m:時点、t2p:時点、t3m:時点、t3p:時点、U1:パン部、U2:チルト部、Z1:光軸、θ:角度、θA:角度、θB:角度、θC:角度、θD:角度