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▶ カーステン マニュファクチュアリング コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016076
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】マルチコンポーネント・パター
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240130BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B53/04 K
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182319
(22)【出願日】2023-10-24
(62)【分割の表示】P 2021517967の分割
【原出願日】2019-10-01
(31)【優先権主張番号】62/739,747
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エイ. ヒグドン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ティー. クラーク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェイトポートなどの複雑な構造を追加することなく、周囲の重み付けを有し、バランスのとれたパッティングのための理想的なウェイトを有するパターを開発する。
【解決手段】パター型ゴルフクラブヘッドであって、上部と下部とを備えており、上部は第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部は第2の密度を有する第2の材料から作られており、第1の密度は、第2の密度よりも小さく、上部は、トウ端部と、ヒール端部と、打撃フェースと、リアウォールと、バックエッジと、クラウンと、下面と、を備えており、下部は、フロント周辺部と、リア周辺部と、ソールと、トウ側ウイングと、ヒール側ウイングと、を備え、下部は、フロントトウ質量と、フロントヒール質量と、をさらに備え、フロントトウ質量およびフロントヒール質量はそれぞれ、第1のキャビティおよび第2のキャビティと嵌合するように構成されている、パター型ゴルフクラブヘッド。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パター型ゴルフクラブヘッドであって、
上部と下部とを備え、
前記上部は第1の密度を有する第1の材料から作られ、前記下部は第2の密度を有する第2の材料から作られており、
前記第1の密度は、前記第2の密度よりも小さく、
前記下部は、フロント周辺部、トウ側周辺部、ヒール側周辺部、およびリア周辺部を備えており、
前記下部は、前記フロント周辺部、前記トウ側周辺部、前記ヒール側周辺部、および前記リア周辺部によって境界付けされる開口をさらに備えており、
前記上部は、ヒール端部と、トウ端部と、打撃フェースと、リアウォールと、バックエッジと、クラウンと、下面と、を備え、
前記トウ端部は前記ヒール端部の反対側にあり、前記バックエッジは前記打撃フェースの反対側にあり、
前記クラウンは、前記打撃フェースから前記リアウォールの少なくとも一部を越えて前記バックエッジまで延びており、
前記下面は、前記打撃フェースから前記バックエッジまで広がるクラウンの反対側にあり、
前記上部は前記下部に固着されており、前記上部は前記下部よりもグラウンドプレーンから離れており、
前記ヒール端部は、前記ヒール側周辺部の少なくとも一部に重なっており、
前記トウ端部は、前記トウ側周辺部の少なくとも一部に重なっており、
前記打撃フェースは、前記フロント周辺部の少なくとも一部に重なっており、
前記クラウンは、前記打撃フェースから前記リア周辺部にかけて広がっており、
前記下部と前記上部とが結合してソールが形成されており、
前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき、前記ソールは前記グラウンドプレーンに接しており、
前記打撃フェースはロフト面に接しており、前記ロフト面と前記グラウンドプレーンとの間にロフト角が形成されており、
前記下部は、前記ゴルフクラブヘッドの体積の30%未満を構成しており、
前記下部は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の50%超を構成している、
パター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記下部は、
前記トウ側周辺部と前記リア周辺部との接合部におけるトウ質量と、
前記ヒール側周辺部と前記リア周辺部の接合部におけるヒール質量と、
前記リア周辺部上に位置するとともに前記トウ側周辺部および前記ヒール側周辺部から等距離に位置しているリア質量と、
前記フロント周辺部上に位置するとともに前記トウ側周辺部および前記ヒール側周辺部から等距離に位置しているフロント質量と、
をさらに備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記トウ質量、前記ヒール質量、前記リア質量、および前記フロント質量は、前記下部と一体であるとともに、前記グラウンドプレーンから離れて前記上部に向かう方向へ前記下部から延びている、請求項2に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記上部の前記クラウンは、トウエンドミッドレールと、ヒールエンドミッドレールと、トウエンドキャップと、ヒールエンドキャップと、をさらに備える、請求項3に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記トウエンドキャップは、前記トウ質量と嵌合するように構成されており、
前記ヒールエンドキャップは、前記ヒール質量と嵌合するように構成されている、請求項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記上部は、第1のキャビティおよび第2のキャビティをさらに備えており、
前記第1のキャビティは、前記打撃フェースと前記リアウォールとの間の前記下面に形成されているとともに前記クラウンに向かう方向に延びており、
前記リア開口は、前記バックエッジに隣接して前記下面に形成されているとともに、前記トウエンドキャップおよび前記ヒールエンドキャップと等距離である、請求項5に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記第1のキャビティは、前記フロント質量と嵌合するように構成されており、
前記第2のキャビティは、前記リア質量と嵌合するように構成されている、請求項6に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記トウエンドミッドレールおよび前記ヒールエンドミッドレールは、前記打撃フェースから前記リア周辺部へ下降している、請求項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ヒールエンドミッドレールおよび前記トウエンドミッドレールは、前記ヒールエンドミッドレールおよび前記トウエンドミッドレール上に1つ以上のアライメント機構を備える、請求項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記1つ以上のアライメント機構は、前記打撃フェースから前記リア周辺部まで均等または不均等な間隔とすることが可能である、請求項9に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記下部の前記フロント周辺部は、前記トウ側周辺部と前記フロント周辺部の接合部から前記ヒール側周辺部と前記フロント周辺部の接合部まで測定されるフロント幅を備える、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記下部の前記リア周辺部が、前記トウ側周辺部および前記リア周辺部の接合部から前記ヒール側周辺部および前記リア周辺部の接合部まで測定されるリア幅を備える、請求項11に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記フロント幅は、前記リア幅よりも大きい、請求項12に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
1つ以上のアライメント機構がクラウン上に配置されている、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1の材料の前記第1の密度が6.0g/cc未満である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第2の材料の前記第2の密度が7.0g/ccより大きい、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記第2の材料の前記第2の密度は、前記第1の材料の前記第1の密度よりも少なくとも2倍大きい、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記第1の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、またはゴルフクラブヘッドを作製するのに適した任意の金属のうちの任意の1つまたは組合せを備えることができる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記第2の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、またはゴルフクラブヘッドを作製するのに適した任意の金属のうちの任意の1つまたは組合せを備えることができる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記第1の材料はADC-12であり、前記第2の材料は304ステンレス鋼である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年10月1日に出願された米国仮特許No.62/739,747による優先権の利益を主張するものである。その内容はすべて参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般にゴルフクラブに関し、より詳細には、マルチコンポーネントパター型ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
多くのパター型ゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッドの重心を変化させ、または慣性モーメント(MOI(moment of inertia))を増大させるために、重量分配装置が使用されている。一般的な重量分配装置は、ソールのヒールおよびトウ領域に取り外し可能なウェイトポート、ウェイト付きフェースプレートインサート、フェースの一部の背部のためのインサート、およびトウおよびヒール領域の外周のためのアタッチメントを含む。特に、パター型ゴルフクラブヘッドは、しばしば、ヒールおよびトウ領域におけるウェイトポートを使用する。ウェイトポートは、締結具によって取り外し可能に取り付けられるか、または種々のエポキシ、接着剤、もしくは機械加工方法によって恒久的に取り付けられることができる。ヒールおよびトウ領域にウェイトポートを使用することにより、パターヘッドのMOIが増大し、それにより、インパクト後のボール経路がより真っ直ぐになる。
【0004】
ヒールおよびトウ領域におけるこれらのウェイトポートはMOIを増加させるが、それらはゴルフクラブヘッドの重量を増加させ、ゴルフクラブヘッドをパターの理想的な重量よりも重くする。さらに、ウェイトポートをゴルフクラブパターヘッドに取り付けるには、製造中にこれらのウェイトポートをパターヘッドに配置するためのキャビティまたは凹部が必要であり、それによって、そのパターヘッドのコストが増大する。加えて、ウェイトポートは、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールに接触したとき、衝撃中にキャビティ内又は凹部内に振動を生じさせることがある。これらのキャビティおよび凹部は、クラブヘッドの音も変化させ、クラブヘッド内に中空の音を作り出す。当技術分野では、ウェイトポートなどの複雑な構造を追加することなく、周囲の重み付けを有し、バランスのとれたパッティングのための理想的なウェイトを有するパターを開発する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】ブレードパター型ゴルフクラブヘッドの分解図である。
【0006】
図1B図1Aのブレードパター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0007】
図1C図1Aのブレードパター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0008】
図2A】ブレードパター型ゴルフクラブヘッドの分解図である。
【0009】
図2B図2Aのブレードパター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0010】
図2C図2Aのブレードパター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0011】
図3A】三日月パター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0012】
図3B図3Aの三日月パター型ゴルフクラブヘッドの等角図を示す。
【0013】
図3C図3Aの三日月パター型ゴルフクラブヘッドの側面図を示す。
【0014】
図4A】半円形パター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0015】
図4B図4Aの半円形パター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0016】
図4C図4Aの半円形パター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0017】
図5A】別の半円形パター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0018】
図5B図5Aの半円形パター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0019】
図5C図5Aの半円形パター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0020】
図6A】ウイングパター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0021】
図6B図6Aのウイングパター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0022】
図6C図6Aのウイングパター型ゴルフクラブヘッドの側面図を示す。
【0023】
図7A】スペード型パター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0024】
図7B図7Aのスペード型パター型ゴルフクラブヘッドの等角図を示す。
【0025】
図7C図7Aのスペード型パター型ゴルフクラブヘッドの側面図を示す。
【0026】
図8A】周辺スパンを有するT字型パター型ゴルフクラブヘッドの分解図である。
【0027】
図8B図8Aの周辺スパンを有するT字型パター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0028】
図8C図8Aの周辺スパンを有するT字型パター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0029】
図9A】デュアルレールパター型ゴルフクラブヘッドの分解図である。
【0030】
図9B図9Aのデュアルレールパター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0031】
図9C図9Aのデュアルレールパター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0032】
図10A】円形パター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0033】
図10B図10Aの円形パター型ゴルフクラブヘッドの等角図である。
【0034】
図10C図10Aの円形パター型ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【0035】
図11A】少なくとも1つの打撃フェースインサートを有するパター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0036】
図11B】少なくとも1つの打撃フェースインサートを有する別のパター型ゴルフクラブヘッドの分解図を示す。
【0037】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(I.パターゴルフクラブヘッド) 本明細書では、低密度金属(すなわち、アルミニウムであるが、これに限定されない)などの第1の材料で作られた上部と、高密度金属(すなわち、鋼であるが、これに限定されない)などの第2の材料で作られた下部とを有する2部分パターについて説明する。上部は、打撃フェースからバックエッジまで広がるクラウンを有する。この上部は、下部に固着され、下部よりもグラウンドプレーンから遠い。下部は、ほとんどの実施形態では、パターヘッドのトータル実体積の35%未満であるが、質量の45%を超える。下部は、周辺構造及びソールを提供する。周辺構造と高密度低部とのこの組み合わせは、同じ体積、質量、および単一材料構造(すなわち、鋼パターまたは単一材料のパターインベストメント鋳造などの単一材料のパターミル加工)を有するパターよりも、少なくとも30%のMOIの増加をもたらす。
【0039】
詳細な説明及び特許請求の範囲の中の「第1の」、「第2の」、「第3の」、及び「第4の」などの用語は、それがある場合には、同様のエレメント同士の間を区別するために使用されており、必ずしも、特定のシーケンシャルな又は時系列の順序を説明するために使用されているわけではない。そのように使用されている用語は、適当な状況下で入れ替え可能であり、本明細書で説明されている実施形態が、例えば、本明細書で図示されているか又はそうでなければ説明されているもの以外のシーケンスの動作が可能であるようになっているということが理解されるべきである。そのうえ、「備える」及び「有する」という用語、ならびに、任意のそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されており、エレメントのリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、又は、装置が、必ずしもそれらのエレメントに限定されないが、明示的に列挙されていないか、又は、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に本来備わっている他のエレメントを含むことが可能であるようになっている。
【0040】
説明および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「上方」、「下方」、「上方」、「下方」、「上方」、「下方」などは、説明のために使用され、必ずしも恒久的な相対位置を記述するようには意図されていない。そのように使用される用語は、適切な状況下では相互に交換可能である。従って、本明細書で述べられる装置、方法、及び/又は、製品の実施形態は、例えば、本明細書で示された、または、その他の形で述べられたものとは異なる配向で動作できることを理解されたい。
【0041】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に述べられているような、又は、図面に図示されているような、コンポーネントの詳細又は構築及び配置に限定されないということが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態をサポートすることが可能であり、さまざまな方式で実践又は実施され得る。
【0042】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、パター型ゴルフクラブヘッド(パター型ゴルフクラブヘッド100、200、300、400など)を含むことができる。図1~12Bは、別々に異なる材料で作られ、一緒に結合された上部および下部を有するパター型ゴルフクラブヘッドの複数の実施形態を示す。パター型ゴルフクラブヘッドは、マレット型パターヘッド、ミッドマレット型パターヘッド、ブレード型パターヘッド、高MOIパターヘッド、又は任意の他のタイプのパター型ゴルフクラブヘッドとすることができる。
【0043】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、10度未満のロフト角を有することができる。多くの実施形態では、クラブヘッドのロフト角は、0~5度、0~6度、0~7度、または0~8度であり得る。例えば、クラブヘッドのロフト角度は、10°未満、9°未満、8°未満、7°未満、6°未満、または5°未満とすることができる。さらなる例として、クラブヘッドのロフト角は、0度、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、または10度であり得る。
【0044】
パター型ゴルフクラブヘッドは、上部および下部を含む。ゴルフクラブヘッドは、トウ端部と、トウ端部の反対側のヒール端部とを含むことができる。パター型ゴルフクラブヘッドは、打撃フェースを含むことができる。パター型ゴルフクラブヘッドは、打撃フェースの反対側にリアウォールを備えることができる。さらに、パター型ゴルフクラブヘッドは、アライメント機構を備えることができる。さらに、パター型ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドのヒール端に取り付けられたホーゼルを含むことができる。ホーゼルは、パター型ゴルフクラブヘッドの中心に取り付けられてもよい。ホーゼルは、パター型ゴルフクラブヘッドのヒール端部に取り付けることができる。ホーゼルは、パター型ゴルフクラブヘッドの上部と一体的に形成されてもよい。ホーゼルは、パター式ゴルフクラブヘッドの下部と一体に形成することができる。
【0045】
上部は、第1の材料で作られる。下部は、第2の材料で作られる。第1の材料は、第2の材料とは異なる。第1の材料は、第1の密度を有する。第2の材料は、第2の密度を有する。第1の濃度は、第2の濃度と同じではない。
【0046】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、340~385グラムの範囲の質量を有することができる。他の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドの質量は、340グラム~345グラム、345グラム~350グラム、350グラム~355グラム、355グラム~360グラム、360グラム~365グラム、365グラム~370グラム、370グラム~375グラム、375グラム~380グラム、または380グラム~385グラムの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドの質量は、340グラム、341グラム、342グラム、343グラム、344グラム、345グラム、346グラム、347グラム、348グラム、349グラム、350グラム、351グラム、352グラム、353グラム、354グラム、355グラム、356グラム、357グラム、358グラム、359グラム、360グラム、361グラム、362グラム、363グラム、364グラム、365グラム、366グラム、367グラム、368グラム、369グラム、370グラム、371グラム、372グラム、373グラム、374グラム、375グラム、376グラム、377グラム、378グラム、379グラム、381グラム、382グラム、383グラム、384グラム、とすることができる。
【0047】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、25cc~125ccの範囲のクラブヘッド体積で構成することができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッド体積は、25cc~30cc、30cc~35cc、35cc~40cc、40cc~45cc、45cc~50cc、50cc~55cc、55cc~60cc、60cc~65cc、65cc~70cc、70cc~75cc、75cc~80cc、80cc~85cc、85cc~90cc、90cc~95cc、95cc~100cc、100cc~105cc、105cc~110cc、110cc~115cc、115cc~120cc、または120cc~125ccの範囲であり得る。一実施形態では、クラブヘッド体積は、40cc~110ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッド体積は、25ccより大きく、50ccより大きく、75ccより大きく、または100ccより大きくてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、第1の材料で作られた打撃フェースを含むことができる。他の実施形態では、打撃フェースは、第2の材料で作ることができる。これらの実施形態では、打撃フェースの材料は、以下の材料の何れか、またはその組み合わせとすることができる:8620合金鋼(7.83g/cc)、S25C鋼(7.85g/cc)、炭素鋼(7.85g/cc)、マルエージング鋼(8.00g/cc)、17~4ステンレス鋼(7.81g/cc)、303ステンレス鋼(8.03g/cc)、304ステンレス鋼(8.00g/cc)、ステンレス鋼合金(7.75g/cc~8.05g/cc)、タングステン(19.25g/cc)、アルミニウム(2.70g/cc)、アルミニウム合金(2.64g/cc~2.81g/cc)、ADC-12(2.75g/cc)。いくつかの実施形態では、打撃フェースは、上部に一体的に形成することができる。他の実施形態では、打撃フェースは、下部に一体的に形成することができる。打撃フェースは、共成形、射出成形、鋳造、3D造形(additive manufacturing)、または他の成形プロセスによってクラブヘッドに一体的に形成することができる。
【0049】
図11Aおよび11Bを参照すると、いくつかの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、打撃フェースインサートを含むことができる。これらの実施形態では、打撃フェースは、クラブヘッドに結合される前に独立して形成される。クラブヘッドに接触する打撃フェースインサートの側面は、打撃フェースに接触するクラブヘッドの対応する部分のジオメトリに対して、ジオメトリ補完(geometry complementary)を構成することができる。いくつかの実施形態では、打撃フェースインサートは、第1の材料または第2の材料で作ることができる。他の実施形態では、打撃フェースインサートは、第3の材料で作ることができる。いくつかの実施態様において、打撃フェースインサートは、上部又は下部と一体的に形成することができる。他の実施形態では、打撃フェースインサートは、上部および下部の両方から別個に形成することができる。
【0050】
打撃フェースは、クラブヘッドの一部に一体的に形成されることによって、または締結手段によってクラブヘッドに固定することができる。いくつかの実施形態では、打撃フェースは上部に固定される。これらの実施形態では、上部は、インサートキャビティを含むことができる。上部インサートキャビティは、打撃フェースインサートを受け入れるように機能する。さらに、これらの実施形態では、インサートが上部に固定されると、上部はインサートキャビティを取り囲み、インサートキャビティと嵌合する。他の実施形態では、打撃フェースは下部に固定される。これらの実施形態では、下部は、インサートキャビティを含むことができる。下部インサートキャビティは、打撃フェースインサートを受け入れるように機能する。さらに、これらの実施形態では、インサートが下部に固定されると、下部はインサートキャビティを包囲し、インサートキャビティと嵌合する。打撃フェースは、接着剤、超高結合(VHB(登録商標))テープ、エポキシ、または別の接着剤などの接着剤によって固定することができる。代替的または追加的に、打撃フェースは、溶接、はんだ付け、ねじ、リベット、ピン、機械的インターロック構造、または別の締結方法によって固定することができる。
【0051】
これらの実施形態の打撃フェースインサートは、以下の材料の何れか1つ、または、積層組み合わせによって構成することができる:アルミニウム、ステンレス鋼、銅、熱可塑性コポリエステルエラストマー(TPC)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、鋼、ニッケル、TPU/アルミニウム、TPE/アルミニウム、プラスチック/金属スクリーンインサート、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、PEBAX(登録商標)、またはその他の好ましい材料。PEBAX(登録商標)は、軟質ポリエーテルおよび硬質ポリアミドから作られた熱可塑性エラストマーである、ポリエーテルブロックアミドである。硬質ポリアミドは、ナイロンを含むことができる。PEBAX(登録商標)は、異なるショアD硬度値、ポリエーテルパーセンテージ、および/またはポリアミドパーセンテージに対応する異なる化合物を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)またはPEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)を含むことができる。PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、テトラメチレンオキシド(53重量%)およびナイロン12を含む。PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、ナイロン11を含む。いくつかの実施態様において、フェースインサートは、鋼、鋼合金、タングステン、タングステン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、他の金属、他の金属合金、複合ポリマー材料又はこれらの任意の組合せなどの材料を含むことができる。
【0052】
PEBAX(登録商標)は、体積パーセンテージのポリエーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、体積で0%~10%、10%~20%、15%~30%、20%~30%、30%~40%、30%~50%、30%~60%、40%~50%、40%~60%、50%~60%、または60%~70%のポリエーテルを含むことができる。例えば、PEBAX(登録商標)は、0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70体積%のポリエーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、体積で0%~10%、10%~20%、15%~30%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、40%~60%、50%~60%、または60%~70%のポリアミドを含むことができる。例えば、PEBAX(登録商標)は、0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70体積%のポリアミドを含むことができる。ポリエーテルのパーセンテージが増加するにつれて、PEBAX(登録商標)の硬度は減少する。ポリアミドパーセンテージが増加するにつれて、PEBAX(登録商標)の硬度が増加する。例えば、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、40体積%~60体積%のポリエーテルおよび15体積%~30体積%のポリアミドを含み得る。例えば、PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、15容量%~30容量%のポリエーテルおよび40容量%~60容量%のポリアミドを含み得る。
【0053】
多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、ショア25D~ショア75Dの範囲の硬度を含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAXの硬度は、ショア25D~ショア35D、ショア35D~ショア45D、ショア36D~ショア44D、ショア38D~ショア42D、ショア45D~ショア55D、ショア55D~ショア65D、ショア56D~ショア64D、ショア60D~ショア65D、またはショア65D~ショア75Dの範囲であり得る。例えば、PEBAXの硬度は、ショアD 25、30、35、40、45、50、55、60、65、または70であり得る。
【0054】
多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)よりも低い硬度を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、ショア35D~ショア55Dの硬度範囲を含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)4033(Arkema、パリフランス)は、ショア38D~ショア42D、またはショア39D~ショア41Dの硬度範囲を含むことができる。例えば、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、40のショアD硬度を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、ショア50D~ショア75Dの硬度範囲を含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、ショア55D~ショア70D、またはショア60D~ショア65Dの硬度範囲を含むことができる。例えば、PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、63のショアD硬度を含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、フェースインサートは、2コンポーネントシステムを含むことができる。2コンポーネントシステムは、ボール打撃フェースプレートとフェースインサートベースとを備えることができる。フェースインサートのボール打撃フェースプレートは、第1のインサート材料を含むことができる。フェースインサートのフェースインサートベースは、第2のインサート材料を含むことができる。多くの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの第1のインサート材料とフェースインサートベースの第2の材料とは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの第1のインサート材料およびフェースインサートベースの第2のインサート材料は、同様であってもよい。多くの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの第1のインサート材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの第1のインサート材料は、金属材料を含むことができる。多くの実施形態では、フェースインサートベースの第2のインサート材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。
【0056】
第1のインサート材料は、鋼、鋼合金、タングステン、タングステン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、他の金属、他の金属合金、複合ポリマー材料、またはそれらの任意の組合せなどの金属を含むことができる。
【0057】
第1のインサート材料または第2のインサート材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。ポリマータイプの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、または任意の他のポリマータイプの材料を含むことができる。多くの実施形態では、フェースインサートはPEBAX(登録商標)を含むことができる。より具体的には、PEBAX(登録商標)は、可撓性ポリエーテルおよび硬質ポリアミドから作製される熱可塑性エラストマーである、ポリエーテルブロックアミドである。硬質ポリアミドは、ナイロンを含むことができる。PEBAX(登録商標)は、異なるショアD硬度値、ポリエーテルパーセンテージ、および/またはポリアミドパーセンテージに対応する異なる化合物を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX(登録商標)は、PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)またはPEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)を含むことができる。PEBAX(登録商標)4033(Arkema, Paris France)は、テトラメチレンオキシド(53重量%)およびナイロン12を含む。PEBAX(登録商標)6333(Arkema, Paris France)は、ナイロン11を含む。第1のインサート材料および第2のインサート材料は、上述したのと同様のポリエーテルパーセンテージ、ポリアミドパーセンテージ、またはショアD硬度値を含むことができる。
【0058】
前記フェースインサートのボール打撃フェースプレートは、厚さを備えることができる。多くの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.015~0.115インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.015~0.045インチ、0.020~0.050インチ、0.025~0.055インチ、0.050~0.100インチ、0.055~0.105インチ、0.060~0.110インチ、または0.065~0.115インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、少なくとも0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、または0.115インチとすることができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、または0.115インチ以上であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、または0.115インチ以下であり得る。例えば、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、または0.115インチとすることができる。
【0059】
他の実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.115~0.40インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.115~0.20インチ、0.15~0.30インチ、0.20~0.30インチ、0.25~0.35インチ、または0.30~0.40インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、少なくとも0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40インチとすることができる。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、または0.40以上であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、または0.40インチ以下とすることができる。例えば、ボール打撃フェースプレートの厚さは、0.15インチ、0.20インチ、0.25インチ、0.30インチ、0.35インチ、または0.40インチとすることができる。
【0060】
フェースインサートのフェースインサートベースは、厚さを有することができる。多くの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.05~0.20インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.05~0.10インチ、または0.10~0.20インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、少なくとも0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、または0.20インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、または0.20インチ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、または0.20インチ以下とすることができる。例えば、フェースインサートベースの厚さは、0.05インチ、0.10インチ、0.15インチ、または0.20インチとすることができる。
【0061】
他の実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.20~0.80インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.20~0.50インチ、0.30~0.60インチ、0.40~0.70インチ、または0.50~0.80インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートベースの厚さは、0.20~0.40インチ、0.30~0.50インチ、0.40~0.60インチ、0.50~0.70インチ、又は0.60~0.80インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートのフェースインサートベースは、少なくとも0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。いくつかの実施形態では、フェースインサートのフェースインサートベースは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチ以上であり得る。いくつかの実施形態では、フェースインサートのフェースインサートベースは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチ以下であり得る。例えば、フェースインサートベースの厚さは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、または0.80インチとすることができる。
【0062】
フェースインサートは、多くの異なるプロセスによって形成することができる。異なる成形プロセスは、射出成形、鋳造、ブロー成形、圧縮成形、共成形、レーザー成形、フィルムインサート成形、ガスアシスト成形、回転成形、熱成形、レーザー切断、3-D印刷、鍛造、スタンピング、電鋳、機械加工、成形、またはそれらの任意の組み合わせを含む。さらに、フェースインサートは、上述の硬度、体積、厚さ、および成形プロセスの任意の組み合わせを有することができる。
【0063】
多くの実施形態では、第1の材料を有するパター型ゴルフクラブヘッドの上部は、1.0g/cc~6.0g/ccの範囲の第1の密度を含む。第1の密度は、2.0g/cc~5.0g/ccの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第1の密度は、1.0~1.25g/cc、1.25~1.5g/cc、1.5~1.75g/cc、1.75~2.75g/cc、2.0~2.25g/cc、2.25~2.5g/cc、2.5~2.75g/cc、2.75~3.75g/cc、3.25~3.5g/cc、3.5~3.75g/cc、3.75~4.0g/cc、4.0~4.25g/cc、4.5~4.75g/cc、4.75~5.0g/cc、5.0~5.25g/cc -5.5g/cc、5.5~5.75g/cc、または5.75~6.0g/ccの範囲であり得る。一実施形態では、下部の第1の密度は、2.0~3.0g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の密度は、6.0g/cc未満、5.0g/cc未満、4.0g/cc未満、3.0g/cc未満、または2.0g/cc未満であり得る。いくつかの実施形態では、第1の密度は、1.25g/cc、1.50g/cc、1.75g/cc、2.0g/cc、2.25g/cc、2.50g/cc、2.75g/cc、3.0g/cc、3.25g/cc、3.50g/cc、3.75g/cc、4.0g/cc、4.25g/cc、4.50g/cc、4.75g/cc、5.0g/cc、5.25g/cc、5.50g/cc、5.75g/cc、6.0g/cc、であり得る。
【0064】
多くの実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドの下部は、第2の材料を有する。第2の材料は、密度を含むことができる。密度は、上部における第1の材料の第1の密度に対する第2の密度である。下部の第2の材料の第2の密度は、7.0g/cc~20.0g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の密度は、7.0~7.5g/cc、7.5~8.0g/cc、8.0~8.5g/cc、8.5~9.0g/cc、9.0~9.5g/cc、9.5~10.0g/cc、10.0~10.5g/cc、10.5~11.0g/cc、11.0~11.5g/cc、11.512.0g/cc、12.0~12.5g/cc、12.5~13.0g/cc、13.0~13.5g/cc、13.5~14.0g/cc、14.0~14.5g/cc、14.5~15.0 0g/cc、16.0~16.5g/cc、16.5~17.0g/cc、17.0~17.5g/cc、17.5~18.0g/cc、18.0~18.5g/cc、18.5~19.0g/cc、または19.0~19.5g/cc、または19.5~20.0g/ccの範囲とすることができる。一実施形態では、下部における第2の材料の第2の密度は、8.0~9.0g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の密度は、7.0g/cc、7.5g/cc、8.0g/cc、8.5g/cc、9.0g/cc、9.5g/cc、10.0g/cc、10.5g/cc、11.0g/cc、11.5g/cc、12.0g/cc、12.5g/cc、13.0g/cc、13.5g/cc、14.0g/cc、14.5g/cc、15.0g/cc、15.5g/cc、16.0g/cc、16.5g/cc、17.0g/cc、17.5g/cc、18.0g/cc、18.5g/cc、19.0g/cc、19.5g/cc、20.0g/cc、とすることができる。いくつかの実施形態では、下部の第2の密度は、第1の密度の少なくとも2倍、第1の密度の少なくとも3倍、第1の密度の少なくとも4倍、または第1の密度の少なくとも5倍であり得る。いくつかの実施形態では、第2の密度は、7.0g/ccを超え、9.0g/ccを超え、10.0g/ccを超え、11.0g/ccを超え、または12.0g/ccを超えることができる。
【0065】
第1の材料を有するパター型ゴルフクラブの上部は、以下のいずれかまたは組み合わせから作製され得る:8620合金鋼(7.83g/cc)、S25C鋼(7.85g/cc)、炭素鋼(7.85g/cc)、マルエージング鋼(8.00g/cc)、17-4ステンレス鋼(7.81g/cc)、303ステンレス鋼(8.03g/cc)、304ステンレス鋼(8.00g/cc)、ステンレス鋼合金(7.75g/cc-8.05g/cc)、タングステン(19.25g/cc)、アルミニウム(2.70g/cc)、アルミニウム合金(2.64g/cc-2.81g/cc)、ADC-12(2.75g/cc)、またはゴルフクラブヘッドを作製するために適した他の金属。多くの実施形態において、上部は、アルミニウム合金又はADC-12からなる。
【0066】
第2の材料を有するパター型ゴルフクラブの下部は、以下のいずれかまたは組み合わせから作製され得る:8620合金鋼(7.83g/cc)、S25C鋼(7.85g/cc)、炭素鋼(7.85g/cc)、マルエージング鋼(8.00g/cc)、17~4ステンレス鋼(7.81g/cc)、303ステンレス鋼(8.03g/cc)、304ステンレス鋼(8.00g/cc)、ステンレス鋼合金(7.75g/cc~8.05g/cc)、タングステン(19.25g/cc)、アルミニウム(2.70g/cc)、アルミニウム合金(2.64g/cc~2.81g/cc)、ADC-12(2.75g/cc)、またはゴルフクラブヘッドを作製するために適した他の金属。多くの実施形態において、下部は、304ステンレス鋼、8620合金鋼、17-4ステンレス鋼、または1380ステンレス鋼で作られる。しかしながら、下部および上部は、同じ1つの材料または同じ材料の組み合わせから作られていない。
【0067】
さらに、パター型ゴルフクラブヘッドの上部および下部は、溶接、はんだ付け、ろう付け、かしめ(swedging)、接着、エポキシ、または機械的締結のいずれかの方法または組み合わせで接合することができる。いくつかの実施形態では、上部および下部は、エポキシ、ポリウレタン、樹脂、ホットメルト、または任意の他の接着剤との接着によって接合することができる。
【0068】
(A.利点) パター型ゴルフクラブヘッドは、異なる密度を有する上部および下部、および/または、機械的に固定されたウェイトまたはウェイトポートを使用しない上部および下部を有するパター型ゴルフクラブヘッドにおいて、MOI、CG、フィーリング、およびウェイティングの利点を提供する。2つの異なる材料からパター型ゴルフクラブヘッドの上部および下部を作り出すことによって、パター型ゴルフクラブヘッドのヒール端部およびトウ端部へのウェイトポートまたはアタッチメントなしに、クラブヘッドの重量は、パター型ゴルフクラブヘッドの周辺に向かってシフトする。この重量のパター型ゴルフクラブヘッドの周辺部に向かうシフトは、クラブヘッドのMOIをy軸(Iyy)について上昇させる。したがって、y軸の周りの回転を防止し、打撃フェースがインパクト中にゴルフボールに対してスクエアであることを保証する。y軸周りのMOIの増加は、より真っ直ぐなボール経路を達成し、中心から外れた打撃(ヒール端部またはトウ端部での衝撃)の結果を改善するのに役立つ。
【0069】
2つの異なる材料の2つの部分からパター型ゴルフクラブヘッドを作り出すことによって、パター型ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドを所望の総重量に保ちながら、MOIを改善するように最適化することができる。いくつかの実施態様において、y軸重心を中心とするゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、3500g・cm2-6500g・in2の間である。他の実施形態では、y軸重心の周りのゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、3500g・cm2-4000g・cm2、4000g・cm2-4500g・cm2、4500g・cm2-5000g・cm2、5000g・cm2-5500g・cm2、5500g・cm2-6000g・cm2、または6000g・cm2-6500g・cm2の間であり得る。
【0070】
2つの異なる材料の上部および下部を有するパター型ゴルフクラブヘッドは、同じ体積、質量、および単一材料構造(すなわち、鋼パターのような単一材料の削り出しパター、または、単一材料のパターインベストメント鋳造)を有するパターに対して、y軸重心の周りのMOIを少なくとも30%増加させる。いくつかの実施形態では、2つの異なる材料の上部および下部を有するパター型ゴルフクラブヘッドは、同じ体積、質量、および単一材料構造を有するパターに対して、y軸重心の周りのMOIを、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも95%、少なくとも100%、または少なくとも105%増加させる。
【0071】
(II.実施形態)(a.ブレードの実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、ブレード型パターヘッド100とすることができる。図1Aおよび図1Bを参照すると、ブレード型パターヘッド100は、上部104および下部108を有する。上部104は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部108は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部104と下部108とが結合して、望ましい体積と質量を維持しながら、バランスのとれたパターヘッド100を作り出す。
【0072】
下部108は、トウ端部124と、トウ端部124と反対側のヒール端部128と、前面112と反対側のリアウォール132と、後部156と、下面(図示せず)とを含む。下面および上部104はソール168を形成する。リアウォール132は、前面112と反対であり、ほぼ平行である。トウ端部124はヒール端部128の反対側にあり、打撃フェース112及び後部156に隣接している。後部156は、ヒール端部128からトウ端部124にまたがり、一方、リアウォール132および前面フェース112から離れて延在する。後部156はソールに隣接している。下面は、ヒール端部128からトウ端部124まで広がり、後部156および前面112に隣接している。
【0073】
また、トウ端部124、ヒール端部128、及び下部108の前面112は、凹部140を形成し、凹部は前面112からリアウォール132に向かって内側に延びている。凹部は、上部104を受け入れるように機能する。ほとんどの実施形態では、凹部140は、上部104の幾何学的形状と類似または同一の、対応する幾何学的形状を備える。上部104が下部108に固着されると、上部104は、凹部140内に収まるように下部108を包囲し、これと嵌合する。
【0074】
ブレード型パターヘッド100の下部108は、アライメント機構136をさらに備えることができる。アライメント機構136は、以下の何れか1つまたは組み合わせとすることができる:線、円、破線、三角形、溝(channel)、または任意の他の好適なアライメント機構136。図2A図2Cを参照すると、いくつかの実施形態において、ブレード型パターヘッド200は、下部208ではなく、上部204上にアライメント機構236を備えることができる。
【0075】
ブレード型パター100ヘッドの上部104は、打撃フェース113と接着面115とを有する。打撃フェース113は、アッパーエッジ116とロワエッジ121とを含み、アッパーエッジ116は、ロワエッジ121よりもグラウンドプレーン172から遠く離れている。グラウンドプレーン172は、パターヘッドがゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部108に接している。アッパーエッジ116は、打撃フェース113及び接着面115に隣接し、ロワエッジ121とは反対側にある。ほとんどの実施形態では、打撃フェース113および接着面115は平行であるが、他の実施形態では、打撃フェース113および接着面115は平行ではない。
【0076】
上部104と下部108とが接合されると、接着面115は下部108の凹部140に固定される。上部104の打撃フェース113と、下面の前面フェース112とが揃えられて打撃フェース120を形成し、これがゴルフボールに当たるように機能する。
【0077】
上部104のロワエッジ121と下部108の下面とが組み合わさって、ソール168を形成する。ソール168は、グラウンドプレーン172に対して垂直である。グラウンドプレーン172は、パター100がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール168に対して接線である。パター100のソール168は、パターヘッド100のトウ端部124からパターヘッド100のヒール端部128まで延びている。
【0078】
図1Cを参照すると、ほとんどの実施形態において、パターヘッド100のソール168は、完全に平坦であり得る。いくつかの実施形態では、パターヘッド100のソール168は、ヒール128からトウ124の方向にわずかなアーチを有することができる。わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド100のソール168は、ヒール128からトウ124の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール168は、グラウンドプレーン172上にパターヘッド100を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0079】
ブレード型パターヘッド100の打撃フェース120は、打撃フェース中心点176とロフト面180とを備える。打撃フェース中心点176は、打撃フェース120のロワエッジ12112およびアッパーエッジ116から等距離であり、同様に、ブレード型パターヘッド100のヒール端部128およびトウ端部124から等距離である。ロフト面180は、ブレード型パターヘッド100の打撃フェース112に接している。さらに、中央平面184は、打撃フェース中心点176と交差し、ロフト面180に対して垂直である。さらに、y軸188は、打撃フェース中心点176と交差し、グラウンドプレーン172に垂直である。
【0080】
いくつかの実施態様において、下部108と上部104とが接合されると、上部104のアッパーエッジ116は、下部108のリアウォール132の少なくとも一部を重ねて、打撃フェース120から離れる方向に突出することができる。さらに、上部104のロワエッジ121は、打撃フェース120から離れる方向に、下部108の下面の少なくとも一部に向かって突出することができ、それによってソール168の一部を構成する。これらの実施形態では、下部108のリアウォール132は、ソール168の一部を構成しない。
【0081】
低密度の第1の材料の上部104と高密度の第2の材料の下部108との組み合わせは、単一の中実ブロック構造のパターよりもパター100のMOIを増大させる。パター100の2つの部分構成(上部104及び下部108)は、ヒール128及びトウ124に向かってより密な材料を移動させ、中心付近により軽い材料(上部104)を配置しつつ、それによってパター100のMOIを増加させ、より多くの質量が重心からさらに離れるからである。下部のより高密度の材料は、パター型ゴルフクラブヘッドの外側部分に向かってパターヘッド100の重量をシフトさせることによって、パター型ゴルフクラブヘッドのMOIを増大させるのに役立つ。単一の材料パターでは、高密度材料を周辺に割り当てることができない。いくつかの実施形態では、2つの異なる材料の上部104および下部108を有するパター型ゴルフクラブヘッド100は、同じ体積、質量、および単一材料構造を有するパターよりも、y軸重心の周りのMOIを少なくとも15%増加させる。
【0082】
(b.三日月形の実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、三日月形パターヘッド300とすることができる。図3A~3Cを参照すると、三日月形パターヘッド300は、上部304および下部308を有する。上部304は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部308は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部304と下部308とが組み合わさって、バランスのとれたパターヘッド300を作り出す一方で、所望の体積および質量を維持する。高密度下部308および低密度上部304は、パターヘッド300の周辺近くにより多くの質量を配置する。したがって、同じ体積、質量、および単一材料構造を有するパターに対して、MOIおよび安定性が増大する。
【0083】
上述のように、下部308は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成される。下部308は、リア周辺部352と、トウ端部312と、ヒール端部316と、打撃フェース320と、リアウォール332と、バックエッジ334と、クラウン342と、下面(図示せず)とを含む。下面および上部304は、ソール368を形成する。トウ端部312は、ヒール端部316の反対側にある。下部308のトウ端部312およびヒール端部316は、それぞれトウ側周辺部356およびヒール側周辺部360を含む。打撃フェース320は、トウ端部312からヒール端部316にかけて、リアウォール332に対向している。リアウォール332は、打撃フェース320と反対であり、ほぼ平行である。下部は、ヒール側周辺部360、トウ側周辺部356、フロントエッジ348、およびアッパーエッジ312をさらに備える。
【0084】
フロントエッジ348は、トウ側周辺部356及びヒール側周辺部360に隣接し、リア周辺部352と反対側にある。トウ側周辺部356は、フロントエッジ348およびリア周辺部352に隣接し、ヒール側周辺部360とは反対側である。ヒール側周辺部360はまた、フロントエッジ348及びリア周辺部352に隣接しているが、トウ側周辺部356とは反対側にある。
【0085】
ほとんどの実施形態では、トウ側周辺部356は、直角(90°角)がトウ側周辺部356とフロントエッジ348との接合部に形成されるように、フロントエッジ348からバックエッジ352に向かって垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、トウ側周辺部356は、任意の角度(0°~180°)がトウ側周辺部356とフロントエッジ348との接合部に形成され得るように、フロントエッジ348から任意の方向に延在することができる。さらに、ほとんどの実施形態では、ヒール側周辺部360は、直角(90°角)がヒール側周辺部360とフロントエッジ348との接合部に形成されるように、フロントエッジ348から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、ヒール側周辺部360は、任意の角度(0°~180°)がヒール側周辺部360とフロントエッジ348との接合部に形成され得るように、フロントエッジ348から任意の方向に延在することができる。
【0086】
フロントエッジ348、トウ側周辺部356、およびヒール側周辺部360は、開口364を形成する。開口364は、フロントエッジ348、トウ側周辺部356、およびヒール側周辺部360によって境界付けされる。開口364は、パターの体積及び質量の大部分を下部308の端部に移動させる。開口364は、任意の形状を含むことができるが、一実施形態では、開口364は、ほぼ長方形である。他の実施形態では、開口364は、円形、曲線形、三角形、台形、放物線形、ゴルフボール形、正方形、または任意の他の所望の幾何学的形状であり得る。
【0087】
パターヘッド300の上部304は、クラウン342と、フロントエッジ370と、バックエッジ334とを備えている。クラウン342は、フロントエッジ370から離れて上部304のバックエッジ334まで延在する。フロントエッジ348からバックエッジ334にまたがるクラウン342に対して、下面は反対である。
【0088】
いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部360およびトウ側周辺部356は平行であり得るが、いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部360およびトウ側周辺部356は平行ではない。いくつかの実施態様において、リア周辺部352及びフロントエッジ348は、平行であり得るが、いくつかの実施態様において、リア周辺部352及びフロントエッジ348は、平行でない。三日月形パターヘッド300のリア周辺部352は、ほぼ三日月形であり、したがって、リア周辺部352とフロントエッジ348とは平行ではない。リア周辺部352は、ヒール側周辺部360からトウ側周辺部356にわたる曲線であってもよい。リア周辺部352は、ヒール側周辺部360とリア周辺部352との間の接合部から、トウ側周辺部356とリア周辺部352との間の接合部まで、リア周辺部352に沿って測定された曲線長を含む。いくつかの実施形態では、リア周辺部352の曲線長は、4.5インチから6.5インチの間であり得る。いくつかの実施形態では、リア周辺部曲線長は、4.5インチ~4.75インチ、4.75インチ~5.0インチ、5.0インチ~5.25インチ、5.25インチ~5.5インチ、5.5インチ~5.75インチ、5.75インチ~6.0インチ、6.0インチ~6.25インチ、又は6.25インチ~6.5インチとすることができる。
【0089】
上部304と下部308とが接合されると、クラウン342は、打撃フェース320の間をリア周辺部352まで延びる。クラウン342は、ほとんどの実施形態では、トウ側周辺部356からの全クラブヘッド300幅のほぼ内側25%に及んでおり、ヒール側周辺部360からの全クラブヘッド300幅のほぼ内側25%に及んでいる。他の実施形態では、クラウン342は、全クラブヘッド300の全幅にわたって、ヒール316からトウ312方向に、連続的または不連続的に及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウン342は、クラブヘッド300の全幅の90%未満、クラブヘッド300の全幅の80%未満、クラブヘッド300の全幅の70%未満、クラブヘッド300の全幅の60%未満、クラブヘッド300の全幅の50%未満、クラブヘッド300の全幅の40%未満、またはクラブヘッド300の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウン342は、打撃フェース320からバックエッジ334まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース320からバックエッジ334まで上昇することができる。ほとんどの実施形態において、クラウン342の上昇または下降は、直線、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0090】
クラウン342は、アライメントトラフ355をさらに含む。アライメントトラフ355は、ヒール端部316およびトウ端部312から等距離にある。アライメントトラフ355は、リアウォール328に隣接し、打撃フェースに対してほぼ垂直である。アライメントトラフ355は、バックエッジ334、リアウォール332、およびヒール端部316上およびトウ端部312上のクラウン342、によって境界付けされる。ほとんどの実施形態では、アライメントトラフは、ゴルフボールの幅(約4.27cm)にほぼ等しく、ゴルフボールの幅を広げる視覚的アライメントフィールド(visual alignment field)を見る者に提供する。
【0091】
さらに、パターヘッド300の上部304は、クラウン342上に1つまたは複数のアライメント機構344を備えることができる。アライメント機構344は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構344のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構344は、クラウン342全体、クラウン342の一部、またはアライメントトラフ355上に等間隔で配置され得る。アライメントトラフ355に沿って延びるアライメント機構344は、パター300のリアウォール332からバックエッジ334までゴルフボールの幅を延びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、クラウン342および/またはアライメントトラフ355に沿ったこれらのアライメント機構344を用いて、パター300全体をゴルフボールと位置合わせすることである。
【0092】
図3Cを参照すると、上部304は、上部304が下部308よりもグラウンドプレーンから離れているように、下部308に固着することができる。ここで、グラウンドプレーン372は、パターヘッド300がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部308に接している。
【0093】
図3Cを参照すると、パターヘッド300の打撃フェース320は、打撃フェース中心点376及びロフト面380を含む。打撃フェース中心点376は、クラウン342および上部304の下面から等距離であり、同様に、パターヘッド300のヒール端部316およびトウ端部312から等距離である。ロフト面380は、パターヘッド300の打撃フェース320に接している。さらに、ミッドプレーン316は、打撃フェース中心点376と交差し、ロフト面380に対して垂直である。さらに、図3Bを参照すると、y軸388は、ミッドプレーン384と交差し、グラウンドプレーン372に垂直である。
【0094】
上部304と下部308とが接合されると、ヒール端部316は、トウ側周辺部356の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部304と下部308とが接合されると、トウ端部312は、ヒール側周辺部360の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部304と下部308とが接合されると、打撃フェース320は、フロントエッジ316の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部304及び下部308は、バックエッジ364がリア周辺部332の少なくとも一部と重なるように接合される。
【0095】
フロントエッジ316、リア周辺部332、トウ側周辺部356、及び下部308のヒール側周辺部360は、上部304と組み合わされて、ソール368を形成する。ソール368は、グラウンドプレーン372に対して垂直である。ここで、グラウンドプレーン372は、パターヘッド300がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール368に対して接している。パターヘッド300のソール368は、パターヘッド300のトウ端部312からパターヘッド300のヒール端部316まで延びている。
【0096】
ほとんどの実施形態では、パターヘッド300のソール368は、完全に平坦であってもよい。いくつかの実施形態では、パターヘッド300のソール368は、ヒール324からトウ320の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド300のソール368は、ヒール324からトウ320の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール368は、グラウンドプレーン372上にパターヘッド300を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0097】
図3Aを参照すると、一実施形態では、下部308は、トウ質量341およびヒール質量343をさらに備えることができる。トウ質量341およびヒール質量343は、下部308と一体であり、それぞれトウ側周辺部356およびヒール側周辺部360と接触している。トウ質量341およびヒール質量343は、下部308から、グラウンドプレーン372から離れる方向に、かつ上部304に向かって延在する。トウ質量341およびヒール質量343は、上部304をパターヘッド300の下部308に位置決めして整列させる手段を提供する。
【0098】
さらに、トウ質量341およびヒール質量343は、これらの質量機能を有さないパターと比較した場合に、三日月形パターヘッド300のMOIを増大させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能の重量は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。トウ質量341およびヒール質量343は、それぞれ、以下の形状のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる:長方形、三角形、角錐形、球形、三日月形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0099】
図3Aを参照すると、トウ質量341およびヒール質量343は、リア周辺部352から離れて配置することができる。ここで、トウ質量341およびヒール質量343は、リア周辺部352に接触または交差しない。しかしながら、他の実施形態では、トウ質量341およびヒール質量343は、リア周辺部352上に配置することができる。このとき、トウ質量341およびヒール質量343は、リア周辺部352と一体であり、交差する。
【0100】
一実施形態では、トウ質量341は、トウ側周辺部356とフロントエッジ348との接合部でフロントエッジ348上に配置されるが、他の実施形態では、トウ質量341は、トウ側周辺部356に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、ヒール質量343は、ヒール側周辺部360とフロントエッジ348との接合部でフロントエッジ348に配置されるが、他の実施形態では、ヒール質量343は、ヒール側周辺部360に沿った任意の場所に配置することができる。
【0101】
トウ質量341およびヒール質量343は、トウ質量341およびヒール質量343がパターヘッド300の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。トウ質量341およびヒール質量343はパター300の重心から遠いので、トウ質量341をフロントエッジ348上またはその近くであってトウ側周辺部356上またはその近くに配置し、ヒール質量343をフロントエッジ348上またはその近くであってヒール側周辺部360上またはその近くにそれぞれ配置すると、MOIが増大する。トウ質量341およびヒール質量343は、第2の材料から一体的に形成することができ、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0102】
トウ質量341およびヒール質量343は、トウ質量341およびヒール質量343がパター300のMOIを増加させるだけでなく、上部304が下部308に接合するための追加の表面を提供するように、2つの機能を提供する。したがって、トウ質量341は、フロントトウ接着部分341と呼ぶこともでき、ヒール質量343は、フロントヒール接着部分343と呼ぶこともできる。
【0103】
いくつかの実施形態では、上部304の下面、クラウン342、フロントエッジ370、およびバックエッジ334は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、トウ端部312の下面からクラウン342に向かって内側に延在するが、クラウン342には到達しない。第1のキャビティは、バックエッジ334、クラウン342、およびフロントエッジ370によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部308のトウ質量341を受け入れるように機能する。
【0104】
いくつかの実施態様において、上部304の下面、クラウン342、フロントエッジ370、及びバックエッジ334は、第2のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第2のキャビティは、ヒール端部316の下面からクラウン342に向かって内側に延在するが、クラウン342には到達しない。第2のキャビティは、バックエッジ334、クラウン342、およびフロントエッジ370によって境界付けされる。第2のキャビティは、下部308のヒール質量343を受け入れるように機能する。
【0105】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができる。しかしながら、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、対応するトウ質量341またはヒール質量343の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を備える。さらに、上部304が下部308に固定されると、第1のキャビティは、第1のキャビティがトウ質量341を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがヒール質量343を取り囲むように配置される。
【0106】
低密度の第1の材料の上部304と高密度の第2の材料の下部308との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター300を生成する。リアウォール332、リア周辺部352、トウ側周辺部356、および下部308のヒール側周辺部360によって形成される大きな開口364は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増加させることができる、高密度であるが低体積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(50cc~75cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0107】
下部308は、ほとんどの実施形態では、パター300の体積の38%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部308は、パター300の総体積の37%未満、パター300の総体積の36%未満、パター300の総体積の35%未満、パター300の総体積の34%未満、パター300の総体積の33%未満、パター300の総体積の32%未満、パター300の総体積の31%未満、パター300の総体積の30%未満、パター300の総体積の29%未満、パター300の総体積の28%未満、またはパター300の総体積の27%未満を含む。
【0108】
下部308はパター300の体積の半分未満を構成するが、下部308はパター300の全質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態では、下部308は、パター300の質量の少なくとも46%、パター300の質量の少なくとも46%、パター300の質量の少なくとも47%、パター300の質量の少なくとも48%、パター300の質量の少なくとも49%、パター300の質量の少なくとも50%、パター300の質量の少なくとも51%、パター300の質量の少なくとも52%、パター300の質量の少なくとも53%、パター300の質量の少なくとも54%、またはパター300の全質量の少なくとも55%を構成する。
【0109】
パターヘッド300の周囲への質量の有益なシフトは、同じ体積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックのパターミル加工、または単一材料のパターインベストメント鋳造)を有するパターよりも、パター300のMOIを増加させる。
【0110】
(c.半円形の実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、半円形のパターヘッド400とすることができる。図4A~4Cを参照すると、半円形パターヘッド400は、上部404および下部408を有する。上部404は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部408は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部404および下部408は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド400(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0111】
上述のように、下部408は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成される。下部408は、フロントエッジ448、リア周辺部452、トウ側スパン456、およびヒール側スパン460を備える。下部408と上部404の下面とが組み合わさってソール468を形成する。フロントエッジ448は、トウ側スパン456およびヒール側スパン460に隣接し、リア周辺部452とは反対である。トウ側スパン456は、フロントエッジ448およびリア周辺部452に隣接し、ヒール側スパン460とは反対側である。また、ヒール側スパン460は、フロントエッジ448およびリア周辺部452に隣接するが、トウ側スパン456とは反対である。トウ側スパン456およびヒール側スパン460は、上部404のリア周辺部448を越えて延在する。いくつかの実施形態では、ヒール側スパン460およびトウ側スパン456は、平行であり得るが、いくつかの実施形態では、ヒール側スパン460およびトウ側スパン456は、平行ではない。いくつかの実施態様では、リア周辺部452及びフロントエッジ448は平行であり得るが、いくつかの実施態様では、リア周辺部452及びフロントエッジ448は平行ではない。この実施態様において、リア周辺部452は、ほぼ半円形であり、したがって、リア周辺部452及びフロントエッジ448は、平行ではない。
【0112】
ほとんどの実施形態では、トウ側スパン456は、直角(90°角)がトウ側スパン456とフロントエッジ448との接合部に形成されるように、フロントエッジ448から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、トウ側スパン456は、任意の角度(0°~180)がトウ側スパン456とフロントエッジ448との接合部に形成され得るように、フロントエッジ448から任意の方向に延在することができる。さらに、ほとんどの実施形態では、ヒール側スパン460は、直角(90°角)がヒール側スパン460とフロントエッジ448との接合部に形成されるように、フロントエッジ448から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、ヒール側スパン460は、任意の角度(0°~180)がヒール側スパン460とフロントエッジ448との接合部に形成され得るように、フロントエッジ448から任意の方向に延在することができる。
【0113】
フロントエッジ448、トウ側スパン456、およびヒール側スパン460は、ギャップ464を形成する。ギャップ464は、フロントエッジ448、トウ側スパン456、およびヒール側スパン460によって境界される。フロントエッジ448、トウ側スパン456、およびヒール側スパン460によって形成されるギャップ464は、パターの体積および質量の大部分を下部408の端部に移動させる。ギャップ464は、任意の形状を含むことができるが、一実施形態では、ギャップはほぼ矩形である。他の実施形態では、ギャップ464は、円形、曲線、三角形、台形、放物線、ゴルフボール形状、正方形、または任意の他の所望の幾何学的形状であり得る。
【0114】
パターヘッド400の上部404は、トウ端部412、ヒール端部416、打撃フェース420、リアウォール432、バックエッジ434、クラウン442、および下面(図示せず)を備える。トウ端部412は、ヒール端部416の反対側にある。打撃フェース420は、トウ端部412からヒール端部416まで広がり、リアウォール432の反対側にある。リアウォール432は、反対であり、打撃フェース420とほぼ平行である。クラウン442は、打撃フェース420から離れて、上部404のバックエッジ434まで延びる。さらに、下面は、打撃フェース420からバックエッジ434にまたがる、クラウン442と反対である。
【0115】
クラウン442は、打撃フェース420からバックエッジ434まで更に下降する。加えて、クラウン442は、打撃フェース420から離れて、下部408のフロントエッジ448を超えて、上部404のバックエッジ434まで延びる。クラウン442は、ほとんどの実施形態において、トウ側スパン456から全クラブヘッド400幅のほぼ内側25%に及んでおり、ヒール側スパン460から全クラブヘッド400幅のほぼ内側25%に及んでいる。他の実施形態では、クラウン442は、全クラブヘッド400の全幅を、ヒールからトウ方向に、連続的または不連続的に及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウン442は、クラブヘッド400の全幅の90%未満、クラブヘッド400の全幅の90%未満、クラブヘッド400の全幅の80%未満、クラブヘッド400の全幅の70%未満、クラブヘッド400の全幅の60%未満、クラブヘッド400の全幅の50%未満、クラブヘッド400の全幅の40%未満、またはクラブヘッド400の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウン442は、打撃フェース420からバックエッジ434まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース420からバックエッジ434まで上昇することができる。ほとんどの実施形態では、クラウン442の上昇または下降は、直線、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0116】
クラウン442は、アライメントトラフ455をさらに含む。アライメントトラフ455は、ヒール端部416およびトウ端部412から等距離にある。アライメントトラフ455は、リアウォール432に隣接し、打撃フェース420に対してほぼ垂直である。アライメントトラフ455は、バックエッジ434、リアウォール432、およびヒール端部416上のクラウン442、およびトウ端部412によって境界される。ほとんどの実施形態では、アライメントトラフ455は、ゴルフボールの幅(約4.27cm)にほぼ等しく、ゴルフボールの幅を広げる視覚的アライメントフィールド(visual alignment field)を見る者に提供する。
【0117】
さらに、パターヘッド400の上部404は、クラウン442上に1つまたは複数のアライメント機構444を備えることができる。アライメント機構444は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構444のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構444は、クラウン442全体、クラウン442の一部、またはアライメントトラフ455上に等間隔で配置され得る。アライメントトラフ455に沿って延びるアライメント機構444は、パター400のリアウォール432からバックエッジ434までゴルフボールの幅を延びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、クラウン442および/またはアライメントトラフ455に沿ったこれらのアライメント機構444を用いて、パター400全体をゴルフボールに位置合わせすることである。
【0118】
図4Cを参照すると、上部404は、上部404が下部408よりもグラウンドプレーン472からさらに離れるように下部408に固着される。ここでグラウンドプレーン472は、パターヘッド400がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるときに、下部408に接する。
【0119】
さらに、パターヘッド400の打撃フェース420は、打撃フェース中心点476およびロフト面480を備える。打撃フェース中心点476は、クラウン442および上部404の下面から等距離であり、同様に、パターヘッド400のヒール端部416およびトウ端部412から等距離である。ロフト面480は、パターヘッド400の打撃フェース420に接している。さらに、ミッドプレーン484は、打撃フェース中心点476と交差し、ロフト面480に垂直である。さらに、y軸488は、ミッドプレーン484と交差し、グラウンドプレーン472に垂直である。
【0120】
上部404と下部408とが接合されると、ヒール端部416は、トウ側スパン456の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部404と下部408とが接合されると、トウ端部412は、ヒール側スパン460の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部404と下部408とが接合されると、打撃フェース420は、フロントエッジ448の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部404と下部408は、バックエッジ434がリア周辺部452の少なくとも一部に重なるように接合される。
【0121】
リア周辺部452は、ヒール側416からトウ側416にわたる曲線であってもよい。リア周辺部452は、ヒール側416とリア周辺部452との間の接合部からトウ側416とリア周辺部452との間の接合部まで、リア周辺部452に沿って測定された曲線長を含む。いくつかの実施態様において、リア周辺部452の曲線長は、4.5インチから8.0インチであり得る。いくつかの実施態様において、リア周辺部452の曲線長は、4.5インチ~4.75インチ、4.75インチ~5.0インチ、5.25インチ~5.5インチ、5.75インチ~6.0インチ、6.25インチ~6.5インチ、6.5インチ~6.75インチ、6.75インチ~7.0インチ、7.25インチ~7.50インチ、または、7.75インチ~8.0インチであり得る。
【0122】
下部408のフロントエッジ448、リア周辺部452、トウ側スパン456、およびヒール側スパン460は、上部404と組み合わされて、ソール468を形成する。ソール468はグラウンドプレーン472に垂直であり、パターヘッド400がゴルフボールを打つためのアドレス位置にあるとき、グラウンドプレーン472はソール468に接する。パターヘッド400のソール468は、パターヘッド400のトウ端部412からパターヘッド400のヒール端部416まで延びている。
【0123】
ほとんどの実施形態において、パターヘッド400のソール468は、完全に平坦であり得る。いくつかの実施形態では、パターヘッド400のソール468は、ヒール416からトウ412の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド400のソール468は、ヒール416からトウ412の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール468は、グラウンドプレーン472上にパターヘッド400を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0124】
図4Aを参照すると、一実施形態では、下部408は、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443をさらに備えることができる。フロントトウ質量441、フロントヒール質量443は、下部408に一体化されている。フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、下部408から、グラウンドプレーン472から離れる方向に、かつ上部404に向かって延在する。これらの質量部分は、上部404をパターヘッド400の下部408に位置決めして整列させる手段を提供する。さらに、これらの質量部分(すなわち、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443)は、これらの質量機能を有さないパターよりもパター400のMOIを増大させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、それぞれ、以下の形状のうちの任意の1つまたは組み合わせであり得る:長方形、三角形、角錐形、球形、半円形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0125】
図4Aでは、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、リア周辺部452から離れて配置されている。ここで、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、リア周辺部452に接触または交差しない。しかし、図5A~5Cを参照すると、変形例の半円形状のパター500が示されている。パター500は、パター400と同じ特徴を有するが、パター500のフロントトウ質量541及びフロントヒール質量543は、リア周辺部552上に配置されている。フロントトウ質量541及びフロントヒール質量543は、リア周辺部452と一体であり、交差する。
【0126】
一実施形態では、フロントトウ質量441は、トウ側スパン456とフロントエッジ448との接合部であるフロントエッジ448上に配置される。しかしながら他の実施形態では、フロントトウ質量441は、トウ側スパン456に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、フロントヒール質量443は、ヒール側スパン460とフロントエッジ448の接合部であるフロントエッジ448上に配置される。しかし、他の実施形態では、フロントヒール質量443は、ヒール側スパン460に沿った任意の場所に配置することができる。
【0127】
フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、各質量441、443がパターヘッド400の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。各質量441、443はパター400の重心から離れているので、各質量441、443をフロントエッジ448およびスパン456、460に配置すると、MOIが増大する。周辺部448およびスパン456、460上の各質量441、443は、第2の材料から一体的に形成され、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0128】
フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443は、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443がパター400のMOIを増大させるだけでなく、上部404が下部408に接合するための追加の表面を提供するように、2つの機能を提供する。したがって、フロントトウ質量441は、フロントトウ接着部分441と呼ぶこともでき、フロントヒール質量443は、フロントヒール接着部分443と呼ぶこともできる。
【0129】
いくつかの実施形態では、上部404の下面、打撃フェース420、およびリアウォール432は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、トウ端部412の下面からクラウン442に向かって内側に延在するが、クラウン442には到達しない。第1のキャビティは、リアウォール432、打撃フェース420、およびトウ412によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部408のフロントトウ質量441を受け入れるように機能する。
【0130】
いくつかの実施形態では、上部404の下面、打撃フェース420、およびリアウォール432は、第2のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第2のキャビティは、ヒール端部416の下面からクラウン442に向かって内側に延びるが、クラウン442には到達しない。第2のキャビティは、リアウォール432、打撃フェース420、およびヒール416によって境界付けされる。第2のキャビティは、下部408のフロントヒール質量443を受け入れるように機能する。
【0131】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができるが、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、フロントトウ質量441およびフロントヒール質量443の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を含む。さらに、上部704が下部408に固定されるとき、第1のキャビティは、第1のキャビティがフロントトウ質量441を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがフロントヒール質量443を取り囲むように配置される。
【0132】
低密度の第1の材料の上部404と高密度の第2の材料の下部408との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター400を生成する。リア周辺部452および下部408のスパン456、460によって形成される大きなギャップ464は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増加させる、高密度であるが低体積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0133】
下部408は、ほとんどの実施形態では、パター400の体積の38%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部408は、パター400の総体積の37%未満、パター400の総体積の36%未満、パター400の総体積の35%未満、パター400の総体積の34%未満、パター400の総体積の33%未満、パター400の総体積の32%未満、パター400の総体積の31%未満、パター400の総体積の30%未満、パター400の総体積の29%未満、パター400の総体積の28%未満、またはパター400の総体積の27%未満を構成する。
【0134】
下部408はパター400の体積の半分未満を構成するが、下部408はパター400の全質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態では、下部408は、パター400の質量の少なくとも46%、パター400の質量の少なくとも46%、パター400の質量の少なくとも47%、パター400の質量の少なくとも48%、パター400の質量の少なくとも49%、パター400の質量の少なくとも50%、パター400の質量の少なくとも51%、パター400の質量の少なくとも52%、パター400の質量の少なくとも53%、パター400の質量の少なくとも54%、またはパター400の質量の少なくとも55%を構成する。
【0135】
パターヘッド400の周囲への質量の有益なシフトは、高密度、低容積の下部408の使用を通して、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックでミリングされたパター、または単一材料のパターインベストメント鋳造物)を有するパターよりも、パター400のMOIを増加させる。
【0136】
(d.ウィング型の実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、周辺スパン600を有するウィング形パターヘッドとすることができる。図6Aおよび6Bを参照すると、ウィング形のパターヘッド600は、上部604および下部608を有する。上部604は、第1の密度を有する第1の材料から作製され、下部608は、第2の密度を有する第2の材料から作製される。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部604および下部608は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド600(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0137】
上述のように、下部608は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成される。下部608は、フロント周辺部648と、ソール668と、リア周辺部652と、トウ側ウイング656と、ヒール側ウイング660とを含む。後述するように、図6Cは、下部608のフロント周辺部648、リア周辺部652、トウ側ウイング656、およびヒール側ウイング660が、上部604と組み合わさって、ソール668を生成する。フロント周辺部648は、トウ側周辺部656及びヒール側周辺部660に隣接し、リア周辺部652と反対側にある。トウ側ウイング656は、フロント周辺部648およびリア周辺部652に隣接し、ヒール側ウイング660とは反対である。また、ヒール側ウイング660は、フロント周辺部648およびリア周辺部652に隣接するが、トウ側ウイング656とは反対である。トウ側ウイング656およびヒール側ウイング660は、上部604のリア周辺部648を越えて延在する。いくつかの実施形態では、ヒール側ウイング660およびトウ側ウイング656は平行であってもよく、一方、いくつかの実施形態では、ヒール側ウイング660およびトウ側ウイング656は平行ではない。いくつかの実施態様では、リア周辺部652およびフロント周辺部648は、平行であり得るが、いくつかの実施態様では、リア周辺部652およびフロント周辺部648は、平行ではない。
【0138】
ほとんどの実施形態では、トウ側ウイング656は、直角(90°角)がトウ側ウイング656とリア周辺部652との接合部に形成されるように、リア周辺部652から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、トウ側ウイング656は、任意の角度(0°~180)がトウ側ウイング656とリア周辺部652との接合部に形成され得るように、リア周辺部652から任意の方向に延在することができる。さらに、ほとんどの実施形態では、ヒール側ウイング660は、直角(90°角)がヒール側ウイング660とリア周辺部652との接合部に形成されるように、リア周辺部652から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、ヒール側ウイング660は、任意の角度(0°~180)がヒール側ウイング660とリア周辺部652との接合部に形成され得るように、リア周辺部652から任意の方向に延在することができる。
【0139】
下部608のフロント周辺部648は、フロント幅を備える。フロント幅は、トウ側ウイング656とフロント周辺部648との接合部から、ヒール側ウイング660とフロント周辺部648との接合部まで測定される。さらに、下部608は、リア幅を有する。リア幅は、トウ側ウイング656の先端657およびヒール側ウイング660の先端661から測定される。ここで、先端657は、フロント周辺部648から最も遠いトウ側ウイング656の点であり、先端661は、フロント周辺部648から最も遠いヒール側ウイング660の点である。ほとんどの実施形態では、フロント幅はリア幅よりも大きいが、いくつかの実施形態では、フロント幅はリア幅以下とすることができる。
【0140】
リア周辺部652、トウ側ウイング656、およびヒール側ウイング660は、ギャップ664を形成する。ギャップ664は、リア周辺部652、トウ側ウイング656、およびヒール側ウイング660によって境界される。リア周辺部652、トウ側ウイング656、およびヒール側ウイング660によって形成されるギャップ664は、パターの体積および質量の大部分を下部608の端部に移動させる。ギャップ664は、任意の形状を含むことができるが、一実施形態では、ギャップは、ほぼ矩形である。他の実施形態では、ギャップ664は、円形、曲線、三角形、台形、放物線、ゴルフボール形状、正方形、または任意の他の所望の幾何学的形状であってもよい。
【0141】
パターヘッド600の上部604は、トウ端部612、ヒール端部616、打撃フェース620、リアウォール632、バックエッジ634、クラウン642、および下面(図示せず)を備える。トウ端部612は、ヒール端部616の反対側にある。打撃フェース620は、トウ端部612からヒール端部616まで広がり、リアウォール632の反対側にある。リアウォール632は、反対であり、打撃フェース620とほぼ平行である。クラウン642は、打撃フェース620から離れて、上部604のバックエッジ634まで延在する。さらに、下面は、打撃フェース620からバックエッジ634にまたがる、クラウン642と反対である。
【0142】
クラウン642は、打撃フェース620からバックエッジ634まで更に下降する。加えて、クラウン642は、打撃フェース620から離れて、下部608のフロント周辺部648を超えて、上部604のバックエッジ634まで延在する。クラウン642は、ほとんどの実施形態では、トウ側ウイング656からの全クラブヘッド600幅のほぼ内側25%に及んでおり、ヒール側ウイング660からの全クラブヘッド600幅のほぼ内側25%に及んでいる。他の実施形態では、クラウン642は、全クラブヘッド600の全幅を、ヒールからトウ方向に、連続的または不連続的に及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウン642は、クラブヘッド600の全幅の90%未満、クラブヘッド600の全幅の90%未満、クラブヘッド600の全幅の80%未満、クラブヘッド600の全幅の70%未満、クラブヘッド600の全幅の60%未満、クラブヘッド600の全幅の50%未満、クラブヘッド600の全幅の40%未満、またはクラブヘッド600の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウン642は、打撃フェース620からバックエッジ634まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース620からバックエッジ634まで上昇することができる。ほとんどの実施形態において、クラウン642の上昇または下降は、直線、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0143】
クラウン642は、アライメントトラフ655をさらに含む。アライメントトラフ655は、ヒール端部616およびトウ端部612から等距離にある。アライメントトラフ655は、リアウォール632に隣接し、打撃フェース620に対してほぼ垂直である。アライメントトラフ655は、バックエッジ634、リアウォール632、およびヒール端部616上のクラウン642、およびトウ端部612によって境界される。ほとんどの実施形態では、アライメントトラフは、ゴルフボールの幅(約4.27cm)にほぼ等しく、ゴルフボールの幅を広げる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供する。
【0144】
さらに、パターヘッド600の上部604は、クラウン642上に1つまたは複数のアライメント機構644を備えることができる。アライメント機構644は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構644のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構644は、クラウン642全体、クラウン642の一部、またはアライメントトラフ655上に等間隔で配置され得る。アライメントトラフ655に沿って延在するアライメント機構644は、パター600のリアウォール632からバックエッジ634までゴルフボールの幅を伸びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、クラウン642および/またはアライメントトラフ655に沿ったこれらのアライメント機構644を用いて、パター600全体をゴルフボールにアライメントすることである。
【0145】
上部604は、下部608よりも上部604がグラウンドプレーン672から遠く離れるように、下部608に固着される。グラウンドプレーン672は、パターヘッド600がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部608に接する。
【0146】
さらに、パターヘッド600の打撃フェース620は、打撃フェース中心点676およびロフト面680を備える。打撃フェース中心点676は、クラウン642および上部604の下面から等距離であり、同様に、パターヘッド600のヒール端部616およびトウ端部612から等距離である。ロフト面680は、パターヘッド600の打撃フェース620に接している。さらに、ミッドプレーン684は、打撃フェース中心点676と交差し、ロフト面680に垂直である。さらに、y軸688は、ミッドプレーン684と交差し、グラウンドプレーン672に垂直である。
【0147】
上部604と下部608とが接合されると、ヒール端部616は、トウ側ウイング656の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部604および下部608とが接合されると、トウ端部612は、ヒール側ウイング660の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部604および下部608が接合されると、打撃フェース620は、フロント周辺部648の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部604および下部608は、バックエッジ634がリア周辺部652の少なくとも一部に重なるように接合される。
【0148】
図6Cを参照すると、下部608のフロント周辺部648、リア周辺部652、トウ側ウイング656、およびヒール側ウイング660は、上部604と組み合わされて、ソール668を生成する。ソール668は、グラウンドプレーン672に垂直である。グラウンドプレーン672は、パターヘッド600がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール668に接している。パターヘッド600のソール668は、パターヘッド600のトウ端部612からパターヘッド600のヒール端部616まで延びている。
【0149】
ほとんどの実施形態では、パターヘッド600のソール668は、完全に平坦であってもよい。いくつかの実施形態では、パターヘッド600のソール668は、ヒール616からトウ612の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド600のソール668は、ヒール616からトウ612の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール668は、グラウンドプレーン672上にパターヘッド600を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0150】
図6Aを参照すると、一実施形態では、下部608は、フロントトウ質量641、フロントヒール質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647をさらに備えることができる。フロントトウ質量641、フロントヒール質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647は、下部608に一体である。フロントトウ質量641、フロントヒール質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647は、下部608から、グラウンドプレーン672から離れる方向に、かつ上部604に向かって延在する。これらの質量部分は、上部604をパターヘッド600の下部608に位置決めし整列させる手段を提供する。さらに、これらの質量部分(すなわち、フロントトウ質量641、フロントヒール質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647)は、これらの質量機能を有さないパターよりもパター600のMOIを増大させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。フロントトウ質量641、フロントヒール質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647は、それぞれ、長方形、三角形、ピラミッド形、球形、半円形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。
【0151】
一実施形態では、フロントトウ質量641は、トウ側ウィング656とフロント周辺部648との接合部においてフロント周辺部648上に配置される。しかしながら他の実施形態では、フロントトウ質量641は、フロント周辺部648に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、フロントヒール質量643は、ヒールウィング660とフロント周辺部648との接合部において、フロント周辺部648上に配置される。しかしながら他の実施形態では、フロントヒール質量643は、フロント周辺部648に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、トウウィング質量645は、トウ側ウィング656の一部の上に配置することができるが、他の実施形態では、トウウィング質量645は、トウ側ウィング656の一部または全体に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、ヒールウィング質量647は、ヒール側ウィング660の一部の上に配置することができるが、他の実施形態では、ヒールウィング質量647は、ヒール側ウィング660の一部または全体に沿って配置することができる。
【0152】
フロントトウ質量641、フロントヒールウィング質量643、トウウィング質量645、およびヒールウィング質量647は、各質量641、643、645、および647が、パターヘッド600の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。各質量641、643、645、および647を周辺部648およびウィング656、660上に配置すると、各質量641、643、645、および647がパター600の重心から遠くなるので、MOIが増大する。周辺部648およびウィング656、660上の各質量641、643、645、647は、第2の材料から一体的に形成され、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0153】
フロントトウ質量641およびフロントヒール質量643は、フロントトウ質量641およびフロントヒール質量643がパター600のMOIを増大させるだけでなく、上部604が下部608に接合するための追加の表面を提供するように、2つの機能を提供する。したがって、フロントトウ質量641は、フロントトウ接着部分641と呼ぶこともでき、フロントヒール質量643は、フロントヒール接着部分643と呼ぶこともできる。
【0154】
いくつかの実施形態では、上部604の下面、打撃フェース620、およびリアウォール632は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、トウ端部612上の下面からクラウン642に向かって内側に延在するが、クラウン642には到達しない。第1のキャビティは、リアウォール632、打撃フェース620、およびトウ612によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部608のフロントトウ質量641を受け入れるように機能する。
【0155】
いくつかの実施形態では、上部604の下面、打撃フェース620、およびリアウォール632は、第2のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第2のキャビティは、ヒール端部616上の下面からクラウン642に向かって内側に延びるが、クラウン642には到達しない。第2のキャビティは、リアウォール632、打撃フェース620、およびヒール616によって境界付けされる。第2のキャビティは、下部608のフロントヒール質量643を受け入れるように機能する。
【0156】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができるが、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、フロントトウ質量641およびフロントヒール質量643の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を含む。さらに、上部604が下部608に固定されると、第1のキャビティは、第1のキャビティがフロントトウ質量641を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがフロントヒール質量643を取り囲むように配置される。
【0157】
低密度の第1の材料の上部604と高密度の第2の材料の下部608との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター600を生成する。リア周辺部652と下部608のウイング656、660とによって形成される大きなギャップ664は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増加させる、高密度であるが低体積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0158】
下部608は、ほとんどの実施形態では、パター600の全容積の38%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部608は、パター600の総体積の37%未満、パター600の総体積の36%未満、パター600の総体積の35%未満、パター600の総体積の34%未満、パター600の総体積の33%未満、パター600の総体積の32%未満、パター600の総体積の31%未満、パター600の総体積の30%未満、パター600の総体積の29%未満、パター600の総体積の28%未満、またはパター600の総体積の27%未満を含む。
【0159】
下部608は、パター600の体積の半分未満を構成するが、下部608は、パター600の全体質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態では、下部608は、パター600の全体質量の少なくとも46%、パター600の全体質量の少なくとも46%、パター600の全体質量の少なくとも47%、パター600の全体質量の少なくとも48%、パター600の全体質量の少なくとも49%、パター600の全体質量の少なくとも50%、パター600の全体質量の少なくとも51%、パター600の全体質量の少なくとも52%、パター600の全体質量の少なくとも53%、パター600の全体質量の少なくとも54%、またはパター600の全体質量の少なくとも55%を構成する。
【0160】
高密度、低容積の下部608を使用することによる、パターヘッド600の周囲への質量の有益なシフトは、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックのパターミル加工、または単一材料のパターインベストメント鋳造)を有するパターよりも、パター600のMOIを増加させる。
【0161】
(e.スペードの実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、周辺スパン700を有するスペード形状のパターヘッドとすることができる。図7Aおよび7Bを参照すると、スペード形パターヘッド700は、上部704および下部708を有する。上部704は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部708は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部704および下部708は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド700(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0162】
上述のように、下部708は、高密度材料(すなわち、第1の材料)から構成され、それによって、質量をミッドライン784より下に低下させる。下部708は、フロント周辺部748と、リア周辺部752と、トウ側周辺部756と、ヒール側周辺部760とを含む。フロント周辺部748は、トウ側周辺部756及びヒール側周辺部760に隣接し、リア周辺部752と反対側にある。トウ側周辺部756は、フロント周辺部748及びリア周辺部752に隣接し、ヒール側周辺部760とは反対側及び反対側にある。ヒール側周辺部760はまた、フロント周辺部748およびリア周辺部752に隣接するが、トウ側周辺部756とは反対側にある。いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部760およびトウ側周辺部756は平行であり得るが、いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部760およびトウ側周辺部756は平行ではない。いくつかの実施態様において、リア周辺部752及びフロント周辺部748は平行であり得るが、いくつかの実施態様において、リア周辺部752及びフロント周辺部748は平行でない。
【0163】
下部708のフロント周辺部748は、フロント幅を備える。フロント幅は、トウ側周辺部756とフロント周辺部748との接合部から、ヒール側周辺部760とフロント周辺部748との接合部まで測定される。また、下部708のリア周辺部752は、リア幅を備える。リア幅は、トウ側周辺部756とリア周辺部752との接合部から、ヒール側周辺部760とリア周辺部752との接合部まで測定される。ほとんどの実施形態では、フロント幅はリア幅よりも大きいが、いくつかの実施形態では、フロント幅はリア幅以下とすることができる。
【0164】
フロント周辺部748、リア周辺部752、トウ側周辺部756、およびヒール側周辺部760は、接合して開口764を形成している。ここで、開口764は、4つの周辺部(フロント748、リア752、トウ側756、およびヒール側760)によって境界される。4つの周辺部756、752、756、760は、開口764の周りに周辺部を形成する。下部708の周辺部756、752、756、760によって形成された中央開口764は、パターの体積及び質量の大部分を下部708の端部に移動させる。
【0165】
パターヘッド700の上部704は、トウ端部712、ヒール端部716、打撃フェース720、リアウォール732、バックエッジ734、クラウン742、および下面(図示せず)を備える。トウ端部712は、ヒール端部716の反対側にある。打撃フェース720は、トウ端部712からヒール端部716まで広がり、リアウォール732の反対側にある。リアウォール732は、反対であり、打撃フェース720とほぼ平行である。クラウン742は、打撃フェース720から離れて、リアウォール732の少なくとも一部を覆って、上部704のバックエッジ734まで延びる。さらに、下面は、クラウン742の反対側にあり、打撃フェース720からバックエッジ734まで及ぶ。
【0166】
クラウン742は、打撃フェース720からバックエッジ734まで更に下降する。加えて、クラウン742は、打撃フェース720から離れて、リアウォール732の少なくとも一部および下部708の開口764を超えて、上部704のバックエッジ734まで延びる。クラウン742は、ほとんどの実施形態において、トウ側周辺部756およびヒール側周辺部760からの全クラブヘッド700幅の内側25%に及んでいる。この実施形態では、クラウン742は、クラブヘッド700の幅の約50%に及んでいる。他の実施形態では、クラウン742は、全クラブヘッド700の全幅にわたって、ヒールからトウ方向へ及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウン742は、クラブヘッド700の全幅の90%未満、クラブヘッド700の全幅の90%未満、クラブヘッド700の全幅の80%未満、クラブヘッド700の全幅の70%未満、クラブヘッド700の全幅の60%未満、クラブヘッド700の全幅の50%未満、クラブヘッド700の全幅の40%未満、またはクラブヘッド700の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウン742は、打撃フェース720からバックエッジ734まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース720からバックエッジ734まで上昇することができる。ほとんどの実施形態では、クラウン742の上昇または下降は、直線、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0167】
さらに、パターヘッド700の上部704は、クラウン742上に1つまたは複数のアライメント機構744を備えることができる。アライメント機構744は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構744のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構744は、クラウン742全体に等間隔で配置され、クラウンは、ゴルフボールの幅(約4.27cm)であるように構成される。クラウン742に沿って延びるアライメント機構744は、打撃フェース720からパター700のバックエッジ734までゴルフボールの幅を延びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、クラウン742に沿ったこれらのアライメント機構744を用いて、パター700全体をゴルフボールに位置合わせすることである。
【0168】
図7Cを参照すると、上部704は、上部704が下部708よりもグラウンドプレーン772からさらに離れているように下部708に固着される。ここでグラウンドプレーン772は、パターヘッド700がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部708に接している。
【0169】
さらに、パターヘッド700の打撃フェース720は、打撃フェース中心点776およびロフト面780を備える。打撃フェース中心点776は、パターヘッド700のヒール端部716およびトウ端部712から等距離だけでなく、クラウン742および上部704の下面から等距離である。ロフト面780は、パターヘッド700の打撃フェース720に接している。さらに、ミッドプレーン784は、打撃フェース中心点776と交差し、ロフト面780に対して垂直である。さらに、y軸788は、ミッドプレーン784と交差し、グラウンドプレーン772に垂直である。
【0170】
上部704と下部708とが接合されると、ヒール端部716は、トウ側周辺部756の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部704および下部708が接合されると、トウ端部712は、ヒール側周辺部760の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部704と下部708とが接合されると、打撃フェース720は、フロント周辺部748の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部704と下部708は、バックエッジ734がリア周辺部752の少なくとも一部に重なるように接合される。
【0171】
下部708の4つの周辺部(フロント748、リア752、トウ側756、およびヒール側760)は、上部704と組み合わされて、ソール768を生成する。ソール768は、グラウンドプレーン772に対して垂直である。グラウンドプレーン772は、パターヘッド700がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール768に接する。パターヘッド700のソール768は、パターヘッド700のトウ端部712からパターヘッド700のヒール端部716まで延びている。
【0172】
ほとんどの実施形態では、パターヘッド700のソール768は、完全に平坦であってもよい。いくつかの実施形態では、パターヘッド700のソール768は、ヒール716からトウ712の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド700のソール768は、ヒール716からトウ712の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール768は、グラウンドプレーン772上にパターヘッド700を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0173】
図7Aを参照すると、一実施形態では、下部708は、フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747をさらに備えることができる。フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747は、下部708に一体である。フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747は、下部708から、グラウンドプレーン772から離れる方向に、かつ上部704に向かって延在する。これらの質量部分は、上部704をパターヘッド700の下部708に位置決めして整列させるための手段を提供する。さらに、これらの質量部分(すなわち、フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747)は、これらの質量機能を有さないパターよりもパター700のMOIを増大させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747は、それぞれ、以下の形状のうちの任意の1つまたは組み合わせであり得る:長方形、三角形、角錐形、球形、半円形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0174】
一実施形態では、フロント質量741は、フロント周辺部748上に配置され、トウ側周辺部756およびヒール側周辺部760から等距離である。しかしながら他の実施形態では、フロント質量741は、フロント周辺部748に沿った任意の場所に配置され得る。一実施形態では、リア質量743は、リア周辺部752上に、トウ側周辺部756およびヒール側周辺部760から等距離で配置される。しかしながら他の実施形態では、リア質量743は、リア周辺部752に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、トウ質量745は、トウ側周辺部756とリア周辺部752との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、トウ質量745は、トウ側周辺部756に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、ヒール質量747は、ヒール側周辺部760とリア周辺部752との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、ヒール質量747は、ヒール側周辺部760に沿った任意の場所に配置することができる。
【0175】
フロント質量741、リア質量743、トウ質量745、およびヒール質量747は、各質量741、743、745、および747がパターヘッド700の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。各質量748、752、756、760上に各質量741、743、745、および747を配置することにより、各質量741、743、745、および747がパター700の重心から離れているので、MOIが増大する。周辺部748、752、756、760上の各質量741、743、745、747は、第2の材料から一体的に形成され、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0176】
フロント質量741およびリア質量743は、フロント質量741およびリア質量743がパター700のMOIを増加させるだけでなく、上部704が下部708に接合するための付加的な表面を提供するように機能するように、2つの機能性を提供する。したがって、フロント質量741は、フロント接着部741およびリア質量743とも呼ぶことができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、上部704の下面、打撃フェース720、およびリアウォール732は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、下面からクラウン742に向かって内側に延びるが、クラウン742には到達しない。第1のキャビティは、リアウォール732および打撃フェース720によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部708のフロント質量741を受け入れるように機能する。
【0178】
いくつかの実施形態では、下面、バックエッジ734、およびクラウン742は、第2のキャビティ(図示せず)を形成する。第2のキャビティは、下面からクラウン742に向かって内側に延びるが、クラウン742には到達しない。第2のキャビティは、バックエッジ734、およびクラウン742によって境界付けされる。ほとんどの実施形態では、第2のキャビティは、下部708が上部704に接合されるとき、トウ側周辺部756とヒール側周辺部760との間に等距離に位置決めされる。第2のキャビティは、下部708のリア質量743を受け入れるように機能する。
【0179】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができるが、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、フロント質量741およびリア質量743の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を含む。さらに、上部704が下部708に固定されると、第1のキャビティは、第1のキャビティがフロント質量741を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがリア質量743を取り囲むように配置される。
【0180】
低密度の第1の材料上部704と高密度の第2の材料下部708との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター700を生成する。下部708の周辺部748、752、756、760によって形成された大きな開口764は、(単一材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増大させる、高密度であるが低体積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0181】
下部708は、ほとんどの実施形態では、パター700の全容積の35%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部708は、パター700の総体積の34%未満、パター700の総体積の33%未満、パター700の総体積の32%未満、パター700の総体積の31%未満、パター700の総体積の30%未満、パター700の総体積の29%未満、パター700の総体積の28%未満、またはパター700の総体積の27%未満を構成する。
【0182】
下部708はパター700の体積の半分未満を構成するが、下部708はパター700の全質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態では、下部708は、パター700の質量の少なくとも46%、パター700の質量の少なくとも47%、パター700の質量の少なくとも48%、パター700の質量の少なくとも49%、パター700の質量の少なくとも50%、パター700の質量の少なくとも51%、パター700の質量の少なくとも52%、パター700の質量の少なくとも53%、パター700の質量の少なくとも54%、またはパター700の質量の少なくとも55%を構成する。
【0183】
パターヘッド700の周囲への質量の有益なシフトは、高密度、低容積の下部708の使用を通して、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックでミリングされたパター、または単一材料のパターインベストメント鋳造物)を有するパターに対して、パター700のMOIを増加させる。
【0184】
(f.周辺スパンを有するT字形の実施形態) 一実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、周辺スパン800を有するT字型パターヘッドとすることができる。図8Aおよび図8Bを参照すると、周辺スパン800を有するT字型パターヘッドは、上部804および下部808を有する。上部804は、第1の密度を有する第1の材料から作製され、下部808は、第2の密度を有する第2の材料から作製される。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部804および下部808は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド800(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0185】
上述のように、下部808は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成され、それによって、質量をミッドライン884より下に低下させる。下部808は、フロント周辺部848と、リア周辺部852と、トウ側周辺部856と、ヒール側周辺部860とを含む。フロント周辺部848は、トウ側周辺部856及びヒール側周辺部860に隣接し、リア周辺部852と反対側にある。トウ側周辺部856は、フロント周辺部848及びリア周辺部852に隣接し、ヒール側周辺部860とは反対側にある。ヒール側周辺部860はまた、フロント周辺部848およびリア周辺部852に隣接しているが、トウ側周辺部856とは反対側にある。いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部860およびトウ側周辺部856は平行であり得るが、いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部860およびトウ側周辺部856は平行ではない。いくつかの実施態様において、リア周辺部852及びフロント周辺部848は平行であり得るが、いくつかの実施態様において、リア周辺部852及びフロント周辺部848は平行でない。
【0186】
下部808のフロント周辺部848は、フロント幅を備える。フロント幅は、トウ側周辺部856とフロント周辺部848との接合部から、ヒール側周辺部860とフロント周辺部848との接合部まで測定される。また、下部808のリア周辺部852は、リア幅を備える。リア幅は、トウ側周辺部856とリア周辺部852との接合部から、ヒール側周辺部860とリア周辺部852との接合部まで測定される。ほとんどの実施形態では、フロント幅はリア幅よりも大きいが、いくつかの実施形態では、フロント幅はリア幅以下とすることができる。
【0187】
フロント周辺部848、リア周辺部852、トウ側周辺部856、およびヒール側周辺部860は、接合して開口864を形成している。ここで、開口864は、4つの周辺部(フロント856、リア852、トウ側856、およびヒール側860)によって境界される。4つの周辺部856、852、856、860は、開口864の周りに周辺部を形成する。下部808の周辺部856、852、856、860によって形成される中央開口864は、パターの容積および質量の大部分を下部808の端部に移動させる。
【0188】
いくつかの実施形態では、フロント周辺部848、リア周辺部852、トウ側周辺部856、およびヒール側周辺部860によって形成される開口864は、以下の形状のうちの任意の1つであり得る:長方形、三角形、半円形、円形(ゴルフボールサイズ)、円形(ゴルフボールよりも大きい)、円形(ゴルフボールよりも小さい)、正方形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0189】
パターヘッド800の上部804は、トウ端部812、ヒール端部816、打撃フェース820、リアウォール832、バックエッジ834、クラウン842、および下面(図示せず)を備える。トウ端部812は、ヒール端部816の反対側にある。打撃フェース820は、トウ端部812からヒール端部816まで広がり、リアウォール832と反対側にある。リアウォール832は、反対であり、打撃フェース820とほぼ平行である。クラウン842は、打撃フェース820から離れて、リアウォール832の少なくとも一部を覆って、上部804のバックエッジ834まで延在する。さらに、下面は、クラウン842の反対側にあり、打撃フェース820からバックエッジ834まで及ぶ。
【0190】
クラウン842は、打撃フェース820からバックエッジ834まで更に下降する。加えて、クラウン842は、打撃フェース820から離れて、リアウォール832の少なくとも一部および下部808の開口864を超えて、上部804のバックエッジ834まで延びる。クラウン842は、ほとんどの実施形態において、トウ側周辺部856およびヒール側周辺部860からの全クラブヘッド800幅の内側25%に及んでいる。この実施形態では、クラウン842は、クラブヘッド800の幅の約50%に及んでおり、したがって、打撃フェースと共に「T形状」を形成する。他の実施形態では、クラウン842は、全クラブヘッド800の全幅にわたって、ヒールからトウ方向へ及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウン842は、クラブヘッド800の全幅の90%未満、クラブヘッド800の全幅の90%未満、クラブヘッド800の全幅の80%未満、クラブヘッド800の全幅の70%未満、クラブヘッド800の全幅の60%未満、クラブヘッド800の全幅の50%未満、クラブヘッド800の全幅の40%未満、またはクラブヘッド800の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウン842は、打撃フェース820からバックエッジ834まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース820からバックエッジ834まで上昇することができる。ほとんどの実施形態では、クラウン842の上昇または下降は、直線、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0191】
さらに、パターヘッド800の上部804は、クラウン842上に1つまたは複数のアライメント機構844を備えることができる。アライメント機構844は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構844のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構844は、クラウン842全体に等間隔で配置され、クラウンは、ゴルフボールの幅(約4.27cm)であるように構成される。クラウン842に沿って延びるアライメント機構844は、打撃フェース820からパター800のバックエッジ834までゴルフボールの幅を延びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、クラウン842に沿ったこれらのアライメント機構844を使用して、パター800全体をゴルフボールと位置合わせすることである。
【0192】
図8Cを参照すると、上部804は、上部804が下部808よりもグラウンドプレーン872から遠くになるように下部808に固着される。ここでグラウンドプレーン872は、パターヘッド800がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるときに、下部808に接する。
【0193】
さらに、パターヘッド800の打撃フェース820は、打撃フェース中心点876およびロフト面880を備える。打撃フェース中心点876は、クラウン842および上部804の下面から等距離であり、同様に、パターヘッド800のヒール端部816およびトウ端部812から等距離である。ロフト面880は、パターヘッド800の打撃フェース820に接している。さらに、ミッドプレーン884は、打撃フェース中心点876と交差し、ロフト面880に垂直である。さらに、y軸888は、ミッドプレーン884と交差し、グラウンドプレーン872に垂直である。
【0194】
上部804と下部808とが接合されると、ヒール端部816は、トウ側周辺部856の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部804および下部808とが接合されると、トウ端部812は、ヒール側周辺部860の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部804と下部808とが接合されると、打撃フェース820は、フロント周辺部848の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部804と下部808は、バックエッジ834がリア周辺部852の少なくとも一部に重なるように接合される。
【0195】
下部808の4つの周辺部(フロント848、リア852、トウ側856、およびヒール側860)は、上部804と組み合わされて、ソール868を形成する。ソール868は、グラウンドプレーン872に対して垂直である。グラウンドプレーン872は、パターヘッド800がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール868に接する。パターヘッド800のソール868は、パターヘッド800のトウ端部812からパターヘッド800のヒール端部816まで延びている。
【0196】
ほとんどの実施形態では、パターヘッド800のソール868は、完全に平坦であり得る。いくつかの実施形態では、パターヘッド800のソール868は、ヒール816からトウ812の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド800のソール868は、ヒール816からトウ812の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール868は、グラウンドプレーン872上にパターヘッド800を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0197】
図8Aを参照すると、一実施形態では、下部808は、フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847をさらに備えることができる。フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847は、下部808と一体である。フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847は、下部808から、グラウンドプレーン872から離れる方向に、かつ上部804に向かって延在する。これらの質量部分は、上部804をパターヘッド800の下部808に位置決めして整列させるための手段を提供する。さらに、これらの質量部分(すなわち、フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847)は、これらの質量機能を有さないパターよりもパター800のMOIを増大させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847は、それぞれ、以下の形状:長方形、三角形、角錐形、球形、半円形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状のうちの任意の1つまたは組み合わせであり得る。
【0198】
一実施形態では、フロント質量841は、フロント周辺部848上に配置され、トウ側周辺部856およびヒール側周辺部860から等距離である。しかしながら他の実施形態では、フロント質量841は、フロント周辺部848に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、リア質量843は、リア周辺部852上に、トウ側周辺部856およびヒール側周辺部860から等距離で配置される。しかしながら他の実施形態では、リア質量843は、リア周辺部852に沿った任意の場所に配置され得る。一実施形態では、トウ質量845は、トウ側周辺部856とリア周辺部852との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、トウ質量845は、トウ側周辺部856に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、ヒール質量847は、ヒール側周辺部860とリア周辺部852との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、ヒール質量847は、ヒール側周辺部860に沿った任意の場所に配置することができる。
【0199】
フロント質量841、リア質量843、トウ質量845、およびヒール質量847は、各質量841、843、845、および847がパターヘッド800の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。周辺部848、852、856、860上の各質量841、843、845、および847の配置は、各質量841、843、845、および847がパター800の重心から遠いので、MOIを増加させる。周辺部848、852、856、860上の各質量841、843、845、847は、第2の材料から一体的に形成され、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0200】
フロント質量841およびリア質量843は、フロント質量841およびリア質量843がパター800のMOIを増加させるだけでなく、上部804が下部808に接合するための付加的な表面を提供するように機能するように、2つの機能性を提供する。したがって、フロント質量841は、フロント接着部841およびリア質量843ともいうことができる。
【0201】
いくつかの実施形態では、上部804の下面、打撃フェース820、およびリアウォール832は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、下面からクラウン842に向かって内側に延びるが、クラウン842には到達しない。第1のキャビティは、リアウォール832および打撃フェース820によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部808のフロント質量841を受け入れるように機能する。
【0202】
いくつかの実施形態では、下面、バックエッジ834、およびクラウン842は、第2のキャビティ(図示せず)を形成する。第2のキャビティは、下面からクラウン842に向かって内側に延びるが、クラウン842には到達しない。第2のキャビティは、バックエッジ834、およびクラウン832によって境界される。ほとんどの実施形態では、第2のキャビティは、下部808が上部804に接合されるとき、トウ側周辺部856とヒール側周辺部860との間に等距離に位置決めされる。第2のキャビティは、下部808のリア質量843を受け入れるように機能する。
【0203】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができるが、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、フロント質量841およびリア質量843の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を含む。さらに、上部804が下部808に固定されるとき、第1のキャビティは、第1のキャビティがフロント質量841を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがリア質量843を取り囲むように配置される。
【0204】
低密度の第1の材料の上部804と高密度の第2の材料の下部808との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター800を生成する。下部808の周辺部848、852、856、860によって形成される大きな開口864は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増大させる、高密度であるが低容積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0205】
下部808は、ほとんどの実施形態では、パター800の全容積の35%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部908は、パター800の総体積の34%未満、パター800の総体積の33%未満、パター800の総体積の32%未満、パター800の総体積の31%未満、パター800の総体積の30%未満、パター800の総体積の29%未満、パター800の総体積の28%未満、またはパター800の総体積の27%未満を構成する。
【0206】
下部808は、パター800の体積の半分未満を構成するが、下部808は、パター800の全体質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態では、下部808は、パター800の質量の少なくとも46%、パター800の質量の少なくとも46%、パター800の質量の少なくとも46%、パター800の質量の少なくとも47%、パター800の質量の少なくとも48%、パター800の質量の少なくとも49%、パター800の質量の少なくとも50%、パター800の質量の少なくとも51%、パター800の質量の少なくとも52%、パター800の質量の少なくとも53%、パター800の質量の少なくとも54%、またはパター800の質量の少なくとも55%を構成する。
【0207】
パターヘッド800の周辺部への質量の有益なシフトは、高密度、低容積下部808の使用を通して、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックでミリングされたパター、または単一材料のパターインベストメント鋳造物)を有するパターに対して、パター800のMOIを増加させる。
【0208】
(g.デュアルレールの実施形態) 別の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッドは、デュアルレールパターヘッド900とすることができる。図9Aおよび図9Bを参照すると、デュアルレールパターヘッド900は、上部904および下部908を有する。上部904は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、下部908は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部904および下部908は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド900(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0209】
上述のように、下部908は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成され、それによって、質量をミッドライン984より下に低下させる。下部908は、フロント周辺部948、リア周辺部952、トウ側周辺部956、およびヒール側周辺部960を備える。フロント周辺部948は、トウ側周辺部956及びヒール側周辺部960に隣接し、リア周辺部952と反対側にある。トウ側周辺部956は、フロント周辺部948及びリア周辺部952に隣接し、ヒール側周辺部960の反対側にある。ヒール側周辺部956はまた、フロント周辺部948およびリア周辺部952に隣接するが、トウ側周辺部956とは反対側にある。いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部960およびトウ側周辺部956は平行であってもよく、一方、いくつかの実施形態では、ヒール側周辺部960およびトウ側周辺部956は平行ではない。いくつかの実施態様において、リア周辺部952及びフロント周辺部948は、平行であり得るが、いくつかの実施態様において、リア周辺部952及びフロント周辺部948は、平行ではない。
【0210】
下部908のフロント周辺部948は、フロント幅を有する。フロント幅は、トウ側周辺部956とフロント周辺部948との接合部から、ヒール側周辺部960とフロント周辺部948との接合部まで測定される。さらに、下部908のリア周辺部952は、リア幅を有する。リア幅は、トウ側周辺部956とリア周辺部952との接合部から、ヒール側周辺部960とリア周辺部952との接合部まで測定される。ほとんどの実施形態では、フロント幅はリア幅よりも大きいが、いくつかの実施形態では、フロント幅はリア幅以下とすることができる。
【0211】
フロント周辺部948、リア周辺部952、トウ側周辺部956、およびヒール側周辺部960は、接合して開口964を形成している。ここで、開口964は、4つの周辺部(フロント948、リア952、トウ側956、およびヒール側960)によって境界される。4つの周辺部948、952、956、960は、開口964の周りに周辺部を形成する。下部908の周辺部948、952、956、960によって形成された中央開口964は、パターの体積及び質量の大部分を下部908の端部に移動させる。
【0212】
いくつかの実施形態では、フロント周辺部948、リア周辺部952、トウ側周辺部956、およびヒール側周辺部960によって形成される開口964は、以下の形状のうちの任意の1つであり得る:長方形、三角形、半円形、円形(ゴルフボールサイズ)、円形(ゴルフボールよりも大きい)、円形(ゴルフボールよりも小さい)、正方形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0213】
デュアルレールパターヘッド900の上部904は、トウ端部912、ヒール端部916、打撃フェース920、リアウォール932、バックエッジ934、クラウン942、および下面(図示せず)を備える。トウ端部912は、ヒール端部916の反対側にある。打撃フェース920は、トウ端部912からヒール端部916まで広がり、リアウォール932の反対側にある。リアウォール932は、反対であり、打撃フェース920とほぼ平行である。クラウン942は、打撃フェース920から離れて、リアウォール932の少なくとも一部を覆って、上部904のバックエッジ934まで延びる。さらに、下面は、クラウン942の反対側にあり、打撃フェース920からバックエッジ934にまで及ぶ。
【0214】
上部904のクラウン942は、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940をさらに備える。ほとんどの実施形態では、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、ほぼ平行であり、一方、打撃フェース920に垂直である。さらに、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、トウ側周辺部956またはヒール側周辺部960と接触しない。トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、それぞれトウ側周辺部956およびヒール側周辺部960の外周から、全クラブヘッド幅の約1/3内側にある。しかしながら、他の実施形態では、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、それぞれトウ側周辺部およびヒール側周辺部の外周から、全クラブヘッド幅の1/3よりも内側にあることができる。トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、打撃フェース920からバックエッジ934に下降する。いくつかの実施形態では、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、平行ではなく、打撃フェース920に対して垂直ではない。いくつかの実施形態では、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940は、打撃フェース920からバックエッジ934まで実質的に平坦であってもよく、または打撃フェース920からバックエッジ934まで上昇してもよい。ほとんどの実施形態では、ミッドレール936、940の上昇または下降は、直線状、曲線状、放物線状、正弦波状、または多項式の関数であり得る。
【0215】
さらに、デュアルレールパターヘッド900の上部904は、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940上に、1つまたは複数のアライメント機構944を備えることができる。アライメント機構944は、線、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構944のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構944は、ゴルフボールの幅(約4.27cm)となるようにレール936、940上に間隔を置いて配置される。アライメント機構944は、レールに沿って延在し、ゴルフボール打撃フェース920からパター900全体に延在する視覚的アライメントフィールドを見る者に提供する。目的は、トウエンドミッドレール936およびヒールエンドミッドレール940に沿ったこれらのアライメント機構944を用いて、パター900全体をゴルフボールに位置合わせさせることである。
【0216】
上部904は、下部908よりも上部904がグラウンドプレーン972から遠く離れるように下部908に固着される。グラウンドプレーン972は、デュアルレールパターヘッド900がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部908に接する。
【0217】
さらに、デュアルレールパターヘッド900の打撃フェース920は、打撃フェース中心点976とロフト面980とを備える。打撃フェース中心点976は、クラウン942および上部904の下面から等距離であり、同様に、デュアルレールパターヘッド900のヒール端部916およびトウ端部912から等距離である。ロフト面980は、デュアルレールパターヘッド900の打撃フェース920に接している。さらに、ミッドプレーン984は、打撃フェース中心点976と交差し、ロフト面980に対して垂直である。さらに、y軸988は、ミッドプレーン984と交差し、グラウンドプレーン972に垂直である。
【0218】
上部904と下部908とが接合されると、ヒール端部916は、トウ側周辺部956の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部904および下部908が接合されると、トウ端部912は、ヒール側周辺部960の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部904と下部908とが接合されると、打撃フェース920は、フロント周辺部948の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、上部904と下部908は、バックエッジ934がリア周辺部952の少なくとも一部に重なるように接合される。
【0219】
図9Cを参照すると、下部908の4つの周辺部(フロント948、リア952、トウ側956、およびヒール側960)は、上部904と組み合わされて、ソール968を形成する。ソール968は、グラウンドプレーン972に対して垂直である。グラウンドプレーン972は、デュアルレールパターヘッド900が、ゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール968に接する。デュアルレールパターヘッド900のソール968は、デュアルレールパターヘッド900のトウ端部912からデュアルレールパターヘッド900のヒール端部916まで延びている。
【0220】
ほとんどの実施形態では、デュアルレールパターヘッド900のソール968は、完全に平坦であり得る。いくつかの実施形態では、パターヘッド900のソール968は、ヒールからトウへの方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド900のソール968は、ヒールからトウ方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール968は、グラウンドプレーン972上にデュアルレールパターヘッド900を載置するための表面を提供するように機能する。
【0221】
図9Aを参照すると、一実施形態では、下部908は、フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947をさらに備えることができる。フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947は、下部908に一体である。フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947は、下部908から、グラウンドプレーン972から離れる方向に、かつ上部904に向かって延在する。これらの質量部分は、上部をデュアルレールパターヘッド900の下部に位置決めして整列させるための手段を提供する。さらに、これらの質量部分(すなわち、フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947)は、これらの質量機能を有さないパターよりもパターのMOIを増加させるために、周辺部に重量を追加する追加の手段を提供する。これらの質量機能は、2~5グラム、3~7グラム、または1~6グラムの範囲の重量を有することができる。質量機能は、全て同じ重量を有することができ、または上記の範囲内で異なる重量であることができる。質量機能は、1グラム、2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、または7グラムであり得る。フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947は、それぞれ、以下の形状のうちの任意の1つまたは組み合わせであり得る:長方形、三角形、角錐形、球形、半円形、正方形、円筒形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0222】
一実施形態では、フロント質量941は、フロント周辺部948上に配置され、トウ側周辺部956およびヒール側周辺部960から等距離である。しかしながら他の実施形態では、フロント質量941は、フロント周辺部948に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、リア質量943は、トウ側周辺部956およびヒール側周辺部960から等距離であるリア周辺部952上に配置される。しかしながら他の実施形態では、リア質量943は、リア周辺部952に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、トウ質量945は、トウ側周辺部956とリア周辺部952との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、トウ質量945は、トウ側周辺部956に沿った任意の場所に配置することができる。一実施形態では、ヒール質量947は、ヒール側周辺部960とリア周辺部952との接合部に配置することができる。しかしながら他の実施形態では、ヒール質量947は、ヒール側周辺部960に沿った任意の場所に配置することができる。
【0223】
フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947は、各質量941、943、945、および947がパターヘッド900の慣性モーメントを増加させるように機能するように、集中質量のエリアを提供する。各質量がパター900の重心から遠いので、各質量941、943、945、および947を周辺部948、952、956、960上に配置することにより、各質量941、943、945、および947がMOIを増加させる。周辺部948、952、956、960上の各質量941、943、945、947は、第2の材料から一体的に形成され、第2の材料は、第1の材料よりも高密度である。
【0224】
フロント質量941、リア質量943、トウ質量945、およびヒール質量947は、各質量941、943、945、および947がパター900のMOIを増加させるだけでなく、上部904が下部908に接合するための付加的な表面を提供するように、2つの機能性を提供する。したがって、フロント質量941はフロント接着部分941と呼ぶこともでき、リア質量943はリア接着部分943と呼ぶこともでき、トウ質量945はトウ接着部分945と呼ぶこともでき、ヒール質量947はヒール接着部分947と呼ぶこともできる。
【0225】
さらに、上部904のクラウン942は、トウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951を備える。トウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951は、それぞれトウ質量945およびヒール質量947に嵌合するように機能する。トウエンドキャップ949は、トウエンドミッドレール936及びバックエッジ934に隣接している。ヒールエンドキャップ951は、ヒールエンドミッドレール940及びバックエッジ934に隣接している。ほとんどの実施形態では、トウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951は同一の幾何学的形状を備えるが、いくつかの実施形態では、トウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951は異なる幾何学的形状を備えることができる。
【0226】
ほとんどの実施形態では、クラウン942のトウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951は、それぞれトウ質量945およびヒール質量947よりも大きい。その結果、トウエンドキャップ949およびヒールエンドキャップ951は、上部904が下部908に固定されたときにトウ質量945およびヒール質量947を覆う。さらに、上部904が下部908に固定されると、トウエンドキャップ949は、トウエンドキャップ949がトウ側周辺部956およびトウ質量945の少なくとも一部に重なるように配置される。さらに、上部904が下部908に固定されると、ヒールエンドキャップ951は、ヒールエンドキャップ951がヒール側周辺部960およびヒール質量960の少なくとも一部分を覆うように配置される。
【0227】
いくつかの実施形態では、上部904の下面、打撃フェース920、およびリアウォール932は、第1のキャビティ(図示せず)を形成することができる。第1のキャビティは、下面からクラウン942に向かって内側に延びるが、クラウン942には到達しない。第1のキャビティは、リアウォール932および打撃フェース920によって境界付けされる。第1のキャビティは、下部908のフロント質量941を受け入れるように機能する。
【0228】
いくつかの実施形態では、下面、バックエッジ934、およびクラウン942は、第2のキャビティ(図示せず)を形成する。第2のキャビティは、下面からクラウン942に向かって内側に延びるが、クラウン942には到達しない。第2のキャビティは、バックエッジ934、トウキャップ949、およびヒールエンドキャップ951によって境界付けされる。ほとんどの実施形態では、第2のキャビティは、トウエンドキャップ949とヒールエンドキャップ951との間に等距離に配置される。第2のキャビティは、下部908のリア質量943を受け入れるように機能する。
【0229】
第1および第2のキャビティは、任意の所望の幾何学的形状を含むことができるが、ほとんどの実施形態では、第1および第2のキャビティは、フロント質量941およびリア質量943の幾何学的形状と類似または同一の幾何学的形状を含む。さらに、上部904が下部908に固定されると、第1のキャビティは、第1のキャビティがフロント質量941を取り囲むように配置され、第2のキャビティは、第2のキャビティがリア質量943を取り囲むように配置される。
【0230】
低密度の第1の材料の上部904と高密度の第2の材料の下部908との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター900を生成する。下部908の周辺部948、952、956、960によって形成された大きな開口964は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増大させる、高密度であるが低体積の部分を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0231】
下部908は、ほとんどの実施形態では、パター900の全容積の35%未満を構成する。いくつかの実施形態では、下部908は、パター900の総体積の34%未満、パター900の総体積の33%未満、パター900の総体積の32%未満、パター900の総体積の31%未満、パター900の総体積の30%未満、パター900の総体積の29%未満、パター900の総体積の28%未満、またはパター900の総体積の27%未満を構成する。
【0232】
下部908は、パター900の体積の半分未満を構成するが、下部908は、パター900の全質量の少なくとも45%を構成する。いくつかの実施形態において、下部908は、パター900の質量の少なくとも46%、パター900の質量の少なくとも46%、パター900の少なくとも46%、パター900の質量の少なくとも47%、パター900の少なくとも48%、パター900の質量の少なくとも49%、パター900の少なくとも50%、パター900の質量の少なくとも51%、パター900の少なくとも52%、パター900の質量の少なくとも53%、パター900の質量の少なくとも54%、またはパター900の質量の少なくとも55%を構成する。
【0233】
パターヘッド900の周辺部への質量の有益なシフトは、高密度、低容積の下部908の使用を通して、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックでミリングされたパター、または単一材料のパターインベストメント鋳造物)を有するパターに対して、パター900のMOIを増加させる。
【0234】
(h.円形の実施形態) 別の実施形態では、パター型ゴルフクラブヘッド1000は、円形のパターヘッド1000とすることができる。図10A~10Cを参照すると、円形パターヘッド1000は、上部1004および下部1008を有する。下部1008は、第1の密度を有する第1の材料から作られ、上部1004は、第2の密度を有する第2の材料から作られる。第1の密度は、第2の密度よりも小さい。上部1004および下部1008は、組み合わさって、所望の体積および質量を維持しながら、高MOIパターヘッド1000(5000g・cm2-6500g・cm2)を生成する。
【0235】
上述のように、上部1004は、高密度材料(すなわち、第2の材料)から構成される。上部1004は、トウ端部1012と、ヒール端部1016と、打撃フェース1020と、リアウォール1032と、下面(図示せず)とを含む。トウ端部1012は、ヒール端部1016の反対側にある。打撃フェース1020は、トウ端部1012からヒール端部1016まで広がり、リアウォール1032の反対側にある。リアウォール1032は、反対であり、打撃フェース1020とほぼ平行である。
【0236】
上部1004は、トウ側スパン1056およびヒール側スパン1060をさらに備える。トウ側スパン1056は、トウ端部1012に隣接し、ヒール側スパン1060の反対側にある。ヒール側スパン1060はまた、ヒール端部1016に隣接し、トウ側スパン1056の反対側にある。いくつかの実施形態では、ヒール側スパン1060およびトウ側スパン1056は平行であり得るが、いくつかの実施形態では、ヒール側スパン1060およびトウ側スパン1056は平行ではない。トウ側スパン1056およびヒール側スパン1060は、リアウォール1032および打撃フェース1020から離れる方向に延びている。
【0237】
ほとんどの実施形態では、トウ側スパン1056は、トウ側スパン1056とリアウォール1032との接合部に直角(90°角)が形成されるようにリアウォール1032から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、トウ側スパン1056は、任意の角度(0°-180°)がトウ側スパン1056とリアウォール1032との接合部に形成され得るように、リアウォール1032から任意の方向に延在することができる。さらに、ほとんどの実施形態では、ヒール側スパン1060は、直角(90°角)がヒール側スパン1060とリアウォール1032との接合部に形成されるように、リアウォール1032から垂直に延びる。しかしながら、他の実施形態では、ヒール側スパン1060は、ヒール側スパン1060とリアウォール1032との接合部に任意の角度(0°-180°)を形成できるように、リアウォール1032から任意の方向に延在することができる。
【0238】
リアウォール1032、トウ側スパン1056、およびヒール側スパン1060は、ギャップ1064を形成する。ギャップ1064は、リアウォール1032、トウ側スパン1056、およびヒール側スパン1060によって境界される。リアウォール1032、トウ側スパン1056、およびヒール側スパン1060によって形成されるギャップ1064は、パターの体積および質量の大部分を上部1008の端部に移動させる。ギャップ1064は、任意の形状を含むことができるが、一実施形態では、ギャップはほぼ矩形である。他の実施形態では、ギャップ1064は、円形、曲線、三角形、台形、放物線、ゴルフボール形状、正方形、または任意の他の所望の幾何学的形状であってもよい。
【0239】
パターヘッド1000の下部1008は、フロントエッジ1041、リアエッジ1034、トウエッジ1043、およびヒールエッジ1045を備える。フロントエッジ1041は、トウエッジ1043およびヒールエッジ1045に隣接し、リアエッジ1034とは反対である。トウエッジ1034は、フロントエッジ1041およびリアエッジ1034に隣接し、ヒールエッジ1045に反対である。また、ヒールエッジ1045は、フロントエッジ1041およびリアエッジ1034に隣接し、トウエッジ1043とは反対である。いくつかの実施形態では、トウエッジ1043およびヒールエッジ1045は平行であり得るが、いくつかの実施形態では、トウエッジ1043およびヒールエッジ1045は平行ではない。一部の実施形態では、フロントエッジ1041およびリアエッジ1034は平行であり得るが、一部の実施形態では、フロントエッジ1041およびリアエッジ1034は平行ではない。
【0240】
前エッジ1041、リアエッジ1034、トウエッジ1043、およびヒールエッジ1045は、接合して開口1065を形成する。開口1065は、4つのエッジ(フロント1041、リア1034、トウ1043、ヒール1045)によって境界付けされる。4つのエッジ1041、1034、1043、1045は、開口1065の周りに周辺部を形成する。
【0241】
いくつかの実施形態では、フロントエッジ1041、リアエッジ1034、トウエッジ1043、およびヒールエッジ1045によって形成される開口1065は、以下の形状のうちの任意の1つであり得る:長方形、三角形、半円形、円形(ゴルフボールサイズ)、円形(ゴルフボールよりも大きい)、円形(ゴルフボールよりも小さい)、正方形、卵形、楕円形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の所望の幾何学的または非幾何学的形状。
【0242】
図10Cを参照すると、下部1008は、上部1004および下部1008の一部がグラウンドプレーン1072と交差するように、上部1004に固着される。グラウンドプレーン1072は、パターヘッド1000がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、下部1008に接している。
【0243】
さらに、パターヘッド1000の打撃フェース1020は、打撃フェース中心点1076およびロフト面1080を備える。打撃フェース中心点1076は、上部1004の上側レール1050およびグラウンドプレーン1072から等距離にある。上側レール1050は、打撃フェース1020およびリアウォール1032に隣接し、一方、グラウンドプレーン1072に対向する。打撃フェース中心点1076はまた、パターヘッド1000のヒール端部1016及びトウ端部1012から等距離にある。ロフト面1080は、パターヘッド1000の打撃フェース1020に接している。さらに、ミッドプレーン1084は、打撃フェース中心点1076と交差し、ロフト面1080に垂直である。さらに、y軸1088は、ミッドプレーン1084と交差し、グラウンドプレーン1072に垂直である。
【0244】
上部1004と下部1008とが接合されると、トウ側スパン1056は、トウエッジ1043の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部1004と下部1008とが接合されると、ヒール側スパン1060は、ヒールエッジ1045の少なくとも一部に重なるようになる。さらに、上部1004と下部1008とが接合されると、打撃フェース1020は、フロントエッジ1048の少なくとも一部に重なるようになる。最後に、下部1008が、打撃フェース1020、トウ側スパン1056、およびヒール側スパン1060の一部に固着されるように、上部1004および下部1008が接合されると、それによって、リアウォール1032、トウ側スパン1056、およびヒール側スパン1060によって形成されるギャップ1064の少なくとも一部が充填される。
【0245】
下部1008と、上部1004のトウ側スパン1056およびヒール側スパン1060とが組み合わされると、ソール1068が形成される。ソール1068は、グラウンドプレーン1072に対して垂直である。ここで、グラウンドプレーン1072は、パターヘッド1000がゴルフボールに当たるアドレス位置にあるとき、ソール1068に対して接する。パターヘッド1000のソール1068は、パターヘッド1000のトウ端部1012からパターヘッド1000のヒール端部1016まで延びている。
【0246】
ほとんどの実施形態では、パターヘッド1000のソール1068は、完全に平坦であり得る。いくつかの実施形態では、パターヘッド1000のソール1068は、ヒール1016からトウ1012の方向にわずかなアーチを有することができ、わずかなアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。いくつかの実施形態では、パターヘッド1000のソール1068は、ヒール1016からトウ1012の方向に強いアーチを有することができ、強いアーチは、線形、または多項式の関数とすることができる。ソール1068は、グラウンドプレーン1072上にパターヘッド1000を静止させるための表面を提供するように機能する。
【0247】
いくつかの実施形態では、上部1004は、クラウン(図示せず)をさらに備えることができる。クラウンは、打撃フェース1020から下部1008のバックエッジ1034まで延在する。さらにクラウンは、少なくとも下部の開口1065の一部を覆うとともに少なくともリアウォール1032の一部を覆って、打撃フェース1020からバックエッジ1034まで及んでいる。
【0248】
クラウンは、打撃フェース1020からバックエッジ1034までさらに下降することができる。クラウンは、ほとんどの実施形態において、トウ側スパン1056から全クラブヘッド1000幅のほぼ内側25%に及んでおり、ヒール側スパン1060から全クラブヘッド1000幅のほぼ内側25%に及んでいる。他の実施形態では、クラウンは、全クラブヘッド1000の全幅を、ヒールからトウ方向に、連続的または不連続的に及ぶことができる。いくつかの実施形態では、クラウンは、クラブヘッド1000の全幅の90%未満、クラブヘッド1000の全幅の90%未満、クラブヘッド1000の全幅の80%未満、クラブヘッド1000の全幅の70%未満、クラブヘッド1000の全幅の60%未満、クラブヘッド1000の全幅の50%未満、クラブヘッド1000の全幅の40%未満、またはクラブヘッド1000の全幅の30%未満に及ぶことができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウンは、打撃フェース1020からバックエッジ1034まで実質的に平坦であるか、または打撃フェース1020からバックエッジ1034まで上昇することができる。ほとんどの実施形態において、クラウンの上昇または下降は、線形、曲線、放物線、正弦波、または多項式の関数であり得る。
【0249】
さらに、パターヘッド1000の上部1004は、トウ側スパン1065およびヒール側スパン1060上に1つまたは複数のアライメント機構1044を備えることができる。アライメント機構1044は、線、一連の線、フライス加工トラフ、円、破線、三角形、チャネル、または任意の他の所望のアライメント機構1044のうちの任意の1つまたは組合せとすることができる。アライメント機構1044は、トウ側スパン1065およびヒール側スパン1060全体、クラウンの一部、またはクラウン全体に等間隔で配置され得る。トウ側スパン1056およびヒール側スパン1060に沿って延在するアライメント機構1044は、リアウォール1032からパター1000のバックエッジ1034まで、ゴルフボールの幅を延びる視覚的アライメントフィールドを見る者に提供するように機能する。目的は、トウ側スパン1056およびヒール側スパン1060および/またはクラウンに沿ったこれらのアライメント機構1044を用いて、パター1000全体をゴルフボールに位置合わせさせることである。
【0250】
高密度の第1の材料上部1004と低密度の第2の材料下部1008との組み合わせは、極端に重いパターを生成することなく、高MOIパター1000を生成する。リアウォール1032および上部1004のスパン1056、1060によって形成される大きなギャップ1064は、(単一の材料からミリングされたパターと比較して、)パターのMOIを増加させる、高密度であるが低幅の周辺部を形成する。単一材料パターは、所望の体積(75cc~100cc)および質量(340グラム~385グラム)を維持しながら、高密度材料を周辺に割り当てることができない。
【0251】
高密度の上部1004、および低容積低質量の下部1008の使用による、パターヘッド1000の周囲への質量の有益なシフトは、同じ容積、質量、および単一材料構造(すなわち、単一ステンレス鋼ブロックでミリングされたパター、または単一材料のパターインベストメント鋳造物)を有するパターに対して、パター1000のMOIを増加させる。
【0252】
1つ又は複数の請求要素の置換は、再構成を構成し、補綴ではない。更に、問題に対する利点、他の有利な点及び解決を、特別な実施形態に関連して説明してきた。しかしながら、問題に対する利点、他の有利な点及び解決、並びに、任意の利点、有利な点又は解決を発生させ又は明らかとさせる任意の1つ又は複数の要素は、このような利点、有利な点、解決又は要素がこのような請求の範囲に明示的に述べられていない限り、請求の範囲の任意又はすべての要素の重大な、必須の、又は、本質的な特徴若しくは要素を構成するものではない。
【0253】
ゴルフに対する規則は、時々変更される(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)等のゴルフ標準組織及び/又は管理機関によって、新しい規則が適用されることがあり、又は、古いルールが撤廃若しくは変更されることがある)ため、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、任意の特定時におけるゴルフのルールに適合し又は適合しないことがある。従って、本明細書に記載の装置、方法及び製品に関するゴルフ用品は、適合又は非適合ゴルフ用品として、公表され、売り出され、及び/又は、売却されることがある。本明細書に記載の装置、方法及び製品は、この点について制限されない。
【0254】
上記の例は、本明細書に記載されるパター型ゴルフクラブ、装置、方法、および製造物品に関連して記載されてもよい。一方、本明細書に記載の装置、方法及び製品は、ホッケー用スティック、テニスラケット、釣り竿、スキーのストック等の他のタイプのスポーツ用品に適用可能としてもよい。
【0255】
更に、本明細書に記載の実施形態及び制限は、実施形態及び/又は制限が、(1)請求の範囲に明示的に主張されていない、及び、(2)均等論の下で、請求の範囲における表現要素及び/又は制限と等価又は潜在的に等価である場合、公開主義の下で公衆に提供するものではない。
【0256】
条項1:パター型ゴルフクラブヘッドであって、上部と下部とを備え、前記上部は第1の密度を有する第1の材料から作られ、前記下部は第2の密度を有する第2の材料から作られており、前記第1の密度は、前記第2の密度よりも小さく、前記下部は、フロント周辺部、トウ側周辺部、ヒール側周辺部、およびリア周辺部を備えており、前記下部は、前記フロント周辺部、前記トウ側周辺部、前記ヒール側周辺部、および前記リア周辺部によって境界付けされる開口をさらに備えており、前記上部は、ヒール端部と、トウ端部と、打撃フェースと、リアウォールと、バックエッジと、クラウンと、下面と、を備え、前記トウ端部は前記ヒール端部の反対側にあり、前記バックエッジは前記打撃フェースの反対側にあり、前記クラウンは、前記打撃フェースから前記リアウォールの少なくとも一部を越えて前記バックエッジまで延びており、前記下面は、前記打撃フェースから前記バックエッジまで広がるクラウンの反対側にあり、前記上部は前記下部に固着されており、前記上部は前記下部よりもグラウンドプレーンから離れており、前記ヒール端部は、前記ヒール側周辺部の少なくとも一部に重なっており、前記トウ端部は、前記トウ側周辺部の少なくとも一部に重なっており、前記打撃フェースは、前記フロント周辺部の少なくとも一部に重なっており、前記クラウンは、前記打撃フェースから前記リア周辺部にかけて広がっており、前記下部と前記上部とが結合してソールが形成されており、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき、前記ソールは前記グラウンドプレーンに接しており、前記打撃フェースはロフト面に接しており、前記ロフト面と前記グラウンドプレーンとの間にロフト角が形成されており、前記下部は、前記ゴルフクラブヘッドの体積の30%未満を構成しており、前記下部は、前記ゴルフクラブヘッドの質量の50%超を構成している、パター型ゴルフクラブヘッド。
【0257】
条項2:前記下部は、前記トウ側周辺部と前記リア周辺部との接合部におけるトウ質量と、前記ヒール側周辺部と前記リア周辺部の接合部におけるヒール質量と、前記リア周辺部上に位置するとともに前記トウ側周辺部および前記ヒール側周辺部から等距離に位置しているリア質量と、前記フロント周辺部上に位置するとともに前記トウ側周辺部および前記ヒール側周辺部から等距離に位置しているフロント質量と、をさらに備える、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0258】
条項3:前記トウ質量、前記ヒール質量、前記リア質量、および前記フロント質量は、前記下部と一体であるとともに、前記グラウンドプレーンから離れて前記上部に向かう方向へ前記下部から延びている、条項2に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0259】
条項4:前記上部の前記クラウンは、トウエンドミッドレールと、ヒールエンドミッドレールと、トウエンドキャップと、ヒールエンドキャップと、をさらに備える、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0260】
条項5:前記トウエンドキャップは、前記トウ質量と嵌合するように構成されており、前記ヒールエンドキャップは、前記ヒール質量と嵌合するように構成されている、条項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0261】
条項6:前記上部は、第1のキャビティおよび第2のキャビティをさらに備えており、前記第1のキャビティは、前記打撃フェースと前記リアウォールとの間の前記下面に形成されているとともに前記クラウンに向かう方向に延びており、前記リア開口は、前記バックエッジに隣接して前記下面に形成されているとともに、前記トウエンドキャップおよび前記ヒールエンドキャップと等距離である、条項5に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0262】
条項7:前記第1のキャビティは、前記フロント質量と嵌合するように構成されており、前記第2のキャビティは、前記リア質量と嵌合するように構成されている、条項6に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0263】
条項8:前記トウエンドミッドレールおよび前記ヒールエンドミッドレールは、前記打撃フェースから前記リア周辺部へ下降している、条項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0264】
条項9:前記ヒールエンドミッドレールおよび前記トウエンドミッドレールは、前記ヒールエンドミッドレールおよび前記トウエンドミッドレール上に1つ以上のアライメント機構を備える、条項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0265】
条項10:前記1つ以上のアライメント機構は、前記打撃フェースから前記リア周辺部まで均等または不均等な間隔とすることが可能である、条項9に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0266】
条項11:前記下部の前記フロント周辺部は、前記トウ側周辺部と前記フロント周辺部の接合部から前記ヒール側周辺部と前記フロント周辺部の接合部まで測定されるフロント幅を備える、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0267】
条項12:前記下部の前記リア周辺部が、前記トウ側周辺部および前記リア周辺部の接合部から前記ヒール側周辺部および前記リア周辺部の接合部まで測定されるリア幅を備える、条項11に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0268】
条項13:前記フロント幅は、前記リア幅よりも大きい、条項12に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0269】
条項14:1つ以上のアライメント機構がクラウン上に配置されている、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0270】
条項15:前記第1の材料の前記第1の密度が6.0g/cc未満である、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0271】
条項16:前記第2の材料の前記第2の密度が7.0g/ccより大きい、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0272】
条項17:前記第2の材料の前記第2の密度は、前記第1の材料の前記第1の密度よりも少なくとも2倍大きい、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0273】
条項18:前記第1の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、またはゴルフクラブヘッドを作製するのに適した任意の金属のうちの任意の1つまたは組合せを備えることができる、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0274】
条項19:前記第2の材料は、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、またはゴルフクラブヘッドを作製するのに適した任意の金属のうちの任意の1つまたは組合せを備えることができる、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【0275】
条項20:前記第1の材料はADC-12であり、前記第2の材料は304ステンレス鋼である、条項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パター型ゴルフクラブヘッドであって、
上部と下部とを備えており、
前記上部は第1の密度を有する第1の材料から作られ、前記下部は第2の密度を有する第2の材料から作られており、
前記第1の密度は、前記第2の密度よりも小さく、
前記上部は、トウ端部と、ヒール端部と、打撃フェースと、リアウォールと、バックエッジと、クラウンと、下面と、を備えており、
前記下部は、フロント周辺部と、リア周辺部と、ソールと、トウ側ウイングと、ヒール側ウイングと、を備え、前記トウ側ウイングおよび前記ヒール側ウイングは、前記上部の前記リアウォールを越えて延在しており、
前記リア周辺部、前記トウ側ウイング、および前記ヒール側ウイングは、ギャップを形成し、前記ギャップは、前記リア周辺部、前記トウ側ウイング、および前記ヒール側ウイングによって境界されており、
前記下部は、フロントトウ質量と、フロントヒール質量と、をさらに備え、前記フロントトウ質量および前記フロントヒール質量は、前記下部から前記上部に向かって延在しており、
前記上部の、前記下面、前記打撃フェース、および前記リアウォールは、前記トウ端部に近い第1のキャビティと、前記ヒール端部に近い第2のキャビティと、を形成し、前記第1のキャビティおよび前記下面から前記クラウンに向かって内側に延びるが、前記クラウンには到達せず、
前記フロントトウ質量および前記フロントヒール質量はそれぞれ、前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティと嵌合するように構成されている、
パター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記トウ側ウイングおよび前記ヒール側ウイングは、第1直角が前記トウ側ウイングと前記リア周辺部の接合部に形成され、第2直角が前記ヒール側ウイングと前記リア周辺部との接合部に形成されるように、前記リア周辺部から垂直に延びる、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記クラウンは、前記打撃フェースから離れて、前記下部の前記フロント周辺部を超えて、前記上部の前記バックエッジまで延在する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記クラウンは、アライメントトラフをさらに備えており、
前記アライメントトラフは、
前記リアウォールに隣接し、前記打撃フェースに対してほぼ垂直であり、
前記バックエッジ、前記リアウォール、および前記クラウンによって境界される、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記アライメントトラフは、約4.27cmの幅を有する、請求項4に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
体積および質量をさらに有しており、
前記下部は、前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記体積の40%未満を、および前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記質量の少なくとも45%を構成する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記ヒール端部から前記トウ端部の方向において、5000g・cm ~6500g・cm の間の慣性モーメントを有する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記第1のキャビティは、前記第1のキャビティが前記フロントトウ質量を取り囲むように配置され、前記第2のキャビティは、前記第2のキャビティが前記フロントヒール質量を取り囲むように配置されており、
前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティはそれぞれ、前記フロントトウ質量および前記フロントヒール質量に対し、ジオメトリ補完を構成する、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記フロントトウ質量および前記フロントヒール質量は、前記下部に一体である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記第1の材料は、以下のいずれかまたは組み合わせから構成する:8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、またはADC-12、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第2の材料は、以下のいずれかまたは組み合わせから構成する:8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、303ステンレス鋼、304ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、またはADC-12、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記第1の材料の前記第1の密度は、6.0g/cc未満である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記第2の材料の前記第2の密度は、7.0g/cc以上である、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記上部および前記下部は、いずれかの方法または組み合わせで接合する:溶接、はんだ付け、ろう付け、かしめ(swedging)、接着、エポキシ、または機械的締結、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
トウウィング質量と、ヒールウィング質量をさらに備えており、
前記トウウィング質量は、前記下部から前記上部に向かって延在し、前記トウ側ウイングの少なくとも一部に沿って配置されており、
前記ヒールウィング質量は、前記下部から前記上部に向かって延在し、前記ヒール側ウイングの少なくとも一部に沿って配置されている、請求項1に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
パター型ゴルフクラブヘッドであって、
上部と下部とを備えており、
前記上部は第1の密度を有する第1の材料から作られ、前記下部は第2の密度を有する第2の材料から作られており、
前記第1の密度は、前記第2の密度よりも小さく、
前記上部は、トウ端部と、ヒール端部と、打撃フェースと、リアウォールと、バックエッジと、クラウンと、下面と、を備えており、
前記下部は、フロント周辺部と、リア周辺部と、ソールと、トウ側ウイングと、ヒール側ウイングと、を備え、前記トウ側ウイングおよび前記ヒール側ウイングは、前記上部の前記リアウォールを越えて延在しており、
前記下部は、前記下部から前記上部に向かって延在している、少なくとも1つのフロント接着部をさらに備えており、
前記下面は、前記下面から前記クラウンに向かって内側に延びる、少なくとも1つのキャビティを形成しており、
前記少なくとも1つのキャビティおよび前記少なくとも1つのフロント接着部は、前記上部および前記下部を接合するように、互いと嵌合するように構成されている幾何学的形状を有している、
パター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記トウ側ウイングおよび前記ヒール側ウイングは、第1直角が前記トウ側ウイングと前記リア周辺部の接合部に形成され、第2直角が前記ヒール側ウイングと前記リア周辺部との接合部に形成されるように、前記リア周辺部から垂直に延びる、請求項16に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
体積および質量をさらに有しており、
前記下部は、前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記体積の40%未満を、および前記パター型ゴルフクラブヘッドの前記質量の少なくとも45%を構成する、請求項16に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記少なくとも1つのキャビティは、前記少なくとも1つのキャビティが前記少なくとも1つのフロント接着部を取り囲むように配置される、請求項16に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記ヒール端部から前記トウ端部の方向において、5000g・cm ~6500g・cm の間の慣性モーメントを有する、請求項16に記載のパター型ゴルフクラブヘッド。
【外国語明細書】