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特開2024-160761半導体装置実装用の配線基板およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160761
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】半導体装置実装用の配線基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241108BHJP
   H05K 3/38 20060101ALI20241108BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/38 B
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076070
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 祐幹
【テーマコード(参考)】
5E316
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC13
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG25
5E316HH11
5E343AA16
5E343AA17
5E343AA18
5E343BB17
5E343BB23
5E343BB24
5E343BB25
5E343BB28
5E343BB35
5E343BB38
5E343BB39
5E343BB40
5E343BB44
5E343BB48
5E343DD25
5E343DD33
5E343DD43
5E343GG03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ソルダーレジスト上の接続端子の密着性を確保し、接続信頼性が高い半導体装置実装用の配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の半導体装置実装用の配線基板100は、はんだバンプ22を含む第一接続端子24と、ポスト21およびポスト上に形成されたはんだバンプ22を含む第二接続端子25と、を有する。配線基板は、第一接続端子および第二接続端子を露出させるソルダーレジスト層17を有し、接続端子の密着性を高めるために密着層19をさらに有し、第一接続端子のはんだバンプおよび第二接続端子のポストは、密着層上に形成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだバンプを含む第一接続端子と、
ポストおよび前記ポスト上に形成されたはんだバンプを含む第二接続端子と、
を有する半導体装置実装用の配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板であって、
前記配線基板は、前記第一接続端子および前記第二接続端子を露出させるソルダーレジスト層を有する、半導体装置実装用の配線基板。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板であって、
前記配線基板は、接続端子の密着性を高めるために密着層をさらに有し、
前記第一接続端子の前記はんだバンプおよび前記第二接続端子の前記ポストは、前記密着層上に形成される、半導体装置実装用の配線基板。
【請求項4】
半導体装置実装用の配線基板の製造方法であって、
接続パッドを含む導体層および絶縁樹脂層が形成されたコア基板に、ソルダーレジスト層を形成する工程と、
前記接続パッド上の前記ソルダーレジスト層に、開口部を形成する工程と、
前記開口部に密着層を形成する工程と、
前記密着層上にはんだバンプを形成する工程と、
を含む半導体装置実装用の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置実装用の配線基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソルダーレジスト層上にめっき被膜の形成が行われている。ここで、無電解めっき層を形成する場合、表面の凹凸形状によるアンカー効果が得られ難いため、ソルダーレジスト層へのめっき被膜の密着性は低下するという現象があった。
これに対し、特許文献1は、最外の樹脂絶縁層を形成することと、前記最外の樹脂絶縁層上に最外の導体層を形成することと、前記最外の樹脂絶縁層と前記最外の導体層上にソルダーレジスト層を形成することと、前記ソルダーレジスト層の露出面にプラズマを照射することと、前記露出面に触媒を形成することと、前記露出面に前記触媒を介して無電解めっき層を形成すること、とを有するプリント配線板の製造方法であって、前記無電解めっき層の膜厚が0.22μm以上、0.38μm以下である製造方法を開示する。特許文献1ではソルダーレジスト層の露出面にプラズマを照射してから無電解めっき層を形成することによって、ソルダーレジスト層表面への無電解めっき層の密着性を向上させた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構造では、ソルダーレジスト上に直接、無電解めっき層を形成するため、ソルダーレジストが高pHの無電解めっき層浸漬によりダメージを受けてブリスタが発生し、ソルダーレジストと無電解めっきとの密着性が悪くなり、形成する電極の信頼性を担保することが困難であった。特に、実装面に段差を有する3次元実装半導体装置を実装する場合、温度サイクルで局所的応力が生じやすく、ソルダーレジストと無電解めっきの間の密着性が接続信頼性に影響を与えている。
【0005】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、ソルダーレジスト上の接続端子の密着性を確保し、接続信頼性が高い半導体装置実装用の配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置実装用の配線基板は、はんだバンプを含む第一接続端子と、ポストおよび前記ポスト上に形成されたはんだバンプを含む第二接続端子と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ソルダーレジスト上の接続端子の密着性を確保し、接続信頼性が高い半導体装置実装用の配線基板を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置実装用の配線基板の断面の一例を示す図である。
図2図2は、本発明のコア基板の製造方法の一例を示す説明図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す説明図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す説明図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す説明図である。
図6図6は、実装状態の一例を示した図である。
図7図7は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図8図8は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図9図9は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図10図10は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図11図11は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図12図12は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。
図13図13は、本発明の第2の実施形態に係る配線基板の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を用いて実施形態について説明する。図面の寸法比率は、説明の都合上実際の比率と異なる場合や、層数や構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0010】
<第1の実施形態>
図1~12を参照して第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置実装用の配線基板の断面の一例を示す図である。
【0011】
[配線基板の構造]
半導体装置実装用の配線基板100は、コア基板10と複数の絶縁樹脂層11と、複数の導体層13とを備える。コア基板10上に形成されたパッド部43は、コア基板10に積層される導体層13と電気的に接続される。
【0012】
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層11は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂またはこれらのうち少なくとも2つを混合した樹脂から構成される。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂、またはこれらのうちの少なくとも2つを組み合わせた樹脂であり、無機フィラーまたは有機フィラーを含有しても良い。
【0013】
(導体層)
導体層13は、後述するように、下層の絶縁樹脂層11側から順に、シード層13aおよびめっき層13bを有する。レジストパターン16を用いてめっきし、レジストパターン16を剥離後に剥き出しとなったシード層13aをエッチングすることにより、複数の導体層13が形成される。導体層13には、配線、ビア、パッド、シールド、グランド、ダミーなどの様々なパターンが含まれ得るが、図1においては配線、ビア、パッド部を示す。隣接する導体層13は絶縁樹脂層11の面方向に離間して形成されている。
【0014】
(シード層)
シード層13aは、絶縁樹脂層11上に積層される。シード層13aを構成する材料は特に制限されないが、無電解めっき法で形成する場合、例えば、Cu、Pd、Al、Sn、NiおよびCrなどの金属材料を用いることができる。スパッタリング法で形成する場合、例えば、Cu、Ni、Al、Ti、Cr、Mo、W、Ta、Au、Ir、Ru、Pd、Pt、AlSi、AlSiCu、AlCu、NiFe、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、TiN、Cu、Cu合金のうちの少なくとも1つを含む材料を用いることができる。
【0015】
(めっき層)
めっき層13bは、シード層13aの上面に積層される。めっき層13bを構成する材料は、主に金属であり、種類は特に制限されないが。めっき層13bを構成する材料は、例えば、CuおよびCu合金、AgおよびAg合金、Sn、Pd、Au、Ni、Cr、Pt、Feのうち少なくとも1つを含む材料を用いることができる。
【0016】
(ソルダーレジスト層)
ソルダーレジスト層17は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂またはこれらのうちの少なくとも2つを混合した樹脂から構成される。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂、液晶ポリマー、フッ素樹脂、またはこれらのうちの少なくとも2つを組み合わせた樹脂であり、無機フィラーまたは有機フィラーを含有しても良い。
【0017】
(接続端子)
第一接続パッド14および第二接続パッド15は、絶縁樹脂層11のうちもっとも外側の絶縁樹脂層上に形成される。第一接続パッド14上には、密着層19、シード層20を介して、はんだバンプ22が形成される。第一接続パッド14、密着層19、シード層20、はんだバンプ22を、第一接続端子24という。また、第二接続パッド15上には、密着層19、シード層20、ポスト21、はんだバンプ22が形成される。第二接続パッド15、密着層19、シード層20、ポスト21、はんだバンプ22を、第二接続端子25という。言い換えると、半導体装置実装用の配線基板100は、はんだバンプ22を含む第一接続端子24と、ポスト21およびポスト21上に形成されたはんだバンプ22を含む第二接続端子25を有する。詳細は後述する。
【0018】
[コア基板の製造方法]
第1の実施形態に係る配線基板100の製造方法を説明する。まず、図2を参照しながら、コア基板10を製造する工程を説明する。図2は、本発明のコア基板10の製造方法の一例を示す説明図である。
【0019】
(コア基板の作製)
まず、両面に銅箔2が貼付されたコア樹脂1に、ドリル等で表裏面を電気的に接続するためのスルーホール3を形成する(図2(a))。
【0020】
次に、銅箔2の表面およびスルーホール3の壁面に、無電解めっきおよび電解めっきにより導体層23を形成する(図2(b))。導体層23の無電解めっきにおいては、後述するシード層13aに用いる材料と同様の材料を用いることができる。また、導体層23の電解めっきにおいては、後述するめっき層13bに用いる材料と同様の材料を用いることができる。
【0021】
次に、スルーホール3を穴埋め樹脂4で埋める。スルーホール3からはみ出した不要な穴埋め樹脂4はバフ研磨等により除去する(図2(c))。なお、図2(b)に示す工程で、スルーホール3を完全にめっきで埋める場合、本工程は省略される。
【0022】
次に、全面に無電解めっきと電解めっきにより導体層33を形成する(図2(d))。なお、図2(b)に示す工程で、スルーホール3を完全にめっきで埋める場合や、穴埋め樹脂上に導体層33が不要な場合は、本工程は省略してもよい。
【0023】
次に、レジストを塗布またはラミネートし、導体層23、33のうち、導体として残す部分にフォトリソグラフィーにてレジストパターン6形成する(図2(e))。なお、ここでは感光性を有するレジストを用いている。
【0024】
次に、レジストパターン6が形成されていない導体層23、33の部分をエッチングにて除去する。残された導体層23、33の部分は、複数の導体片を形成する(図2(f))。
【0025】
次に、レジストパターン6を除去することで、パッド部43を備えるコア基板10が形成される(図2(g))。パッド部43は、後述するように、コア基板10に積層される導体層13と電気的に接続される。
【0026】
以上、コア基板10の製造方法を説明したが、これは一例であり他の方法で製造してもよい。
【0027】
[配線基板の製造方法]
次に、製造したコア基板10に絶縁樹脂層と導体片が形成された層(導体層13)を複数積層し、配線基板100を作製する工程を説明する。なお、絶縁樹脂層と導体層は、コア基板10の両面に積層される。
【0028】
図3図5は、本発明の第1の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す説明図である。尚、ここでは、コア基板10のコア樹脂1の記載を省略している。また、コア基板10を載置したときに、コア基板の鉛直方向上向きの面側に形成される配線層を表示する。
【0029】
(多層配線基板の作製)
まず、コア基板10上に絶縁樹脂層11を形成し、下層のパッド部43が露出するように、熱硬化性樹脂の場合はUVやCOなどのレーザーを照射し、感光性樹脂の場合はフォトリソグラフィーにてビア開口8を形成する(図3(a))。ビア開口8内の樹脂残差は、過マンガン酸などのデスミア液またはプラズマなどのドライデスミアにて除去する。
【0030】
次に、絶縁樹脂層11の上面、ビア開口8の壁面、およびビア開口8の底面に当たるパッド部43に無電解めっきやスパッタにてシード層13aを形成する(図3(b))。
【0031】
次に、シード層13a上にレジストを塗布またはラミネートし露光現像することによって、めっき層13bのパターンに対応するレジストパターン16を形成する(図3(c))。なお、ここでは感光性を有するレジストを用いている。
【0032】
次に、レジストパターン16が形成されたシード層13aに、電解めっきによりめっき層13bを形成する(図3(d))。
次に、レジストパターン16を除去する(図3(e))。
【0033】
次に、レジストパターン16が除去されたことによって露出したシード層13a(めっき層13bに覆われていないシード層13a)を、エッチングにより除去する(図3(f))。
【0034】
次に、導体層13と、下層の絶縁樹脂層11とを覆うように絶縁樹脂層11を積層する。なお、所望の層数の回路が形成された場合には、この工程は省略される。
【0035】
以上の工程を、所望の層数の回路が形成できるまで繰り返し行う(図4(g))。
【0036】
ここで、第一接続パッド14および第二接続パッド15とする。
【0037】
所望の層数の回路を形成後、最外層にソルダーレジスト層17を、塗布またはラミネートで形成する(図4(h))。言い換えると、第一接続パッド14および第二接続パッド15を含む導体層13および絶縁樹脂層11が形成されたコア基板10に、ソルダーレジスト層17を形成する。
【0038】
続いて、フォトリソグラフィーなどにより第一接続パッドおよび第二接続パッド15上のソルダーレジスト層17に開口部18を形成する(図4(i))。ソルダーレジスト層17は、例えば、感光性のエポキシ系樹脂であり、無機フィラーを含有していても良い。UVレーザーやCO2レーザーを照射し、ソルダーレジストを除去し、ソルダーレジスト層17の開口部18を形成する。
【0039】
次に、開口部18に密着層19を形成する。詳しく言うと、ソルダーレジスト層17の開口部18内の第一接続パッド14上および第二接続パッド15上に、密着層19を形成する(図4(j))。密着層19をスパッタリング法で形成する場合、Ti、Ni、Crのうちの少なくとも1つを含む材料を用いることができる。
【0040】
次に、ポスト作成のための電解銅めっきのシード層20を形成する(図4(k))。シード層20を構成する材料は特に制限されないが、無電解めっき法で形成する場合、例えば、Cu、Pd、Al、Sn、NiおよびCrなどの金属材料を用いることができる。スパッタリング法で形成する場合、例えば、Cu、Ni、Al、Ti、Cr、Mo、W、Ta、Au、Ir、Ru、Pd、Pt、AlSi、AlSiCu、AlCu、NiFe、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、TiN、Cu、Cu合金のうちの少なくとも1つを含む材料を用いることができる。
【0041】
ポスト作成は、シード層20の上にポスト形成用の開口を備えるめっきレジストを用い、電解めっきによりポスト21を形成し、めっきレジストを剥離する。ポスト21の材料は例えばCuである(図5(l))。ポスト21上に保護膜が形成されても良い。保護膜の例は、Ni/AuやNi/Pd/Au、Pd/Au、Ni/Sn、OSP(Organic Solderability Preservative)である。
【0042】
次に、密着層19上にはんだバンプ22を形成する。さらに具体的には、余分な密着層19およびシード層20を除去し(図5(m))、ポスト21と第一接続パッド14上のソルダーレジスト層17の開口部18内に、はんだバンプ22を形成する(図5(n))。はんだバンプ22は、はんだペーストを用いる場合はスクリーン印刷で形成でき、はんだボールを用いる場合は、フラックスをスクリーン印刷後にボール振込にてはんだボールを搭載し、それぞれリフローにて溶融させて形成できる。以上の工程により配線基板100が完成する。
結果として、ソルダーレジスト層17は、第一接続端子24および第二接続端子25を露出させる。また、密着層19は、接続端子の密着性を高め、第一接続端子24のはんだバンプ22および第二接続端子25のポスト21は、密着層19上に形成される。
【0043】
図6は、実装状態の一例を示した図である。ここでは、配線基板100に3次元半導体素子53(シリコンチップ)を実装した状態を示している。この3次元半導体素子53は、複数の半導体素子をスタック(3次元実装)した場合や、1つの半導体素子の実装面内に段差が存在する場合などがあり、その電極端子は、はんだバンプ22等の導電性材料を介して配線基板100上の対応する第一接続端子24および第二接続端子25に電気的に接続されている(フリップチップ実装)。さらに、実装した3次元半導体素子53と配線基板100との間の空隙には、熱硬化性のエポキシ系樹脂等のアンダーフィル樹脂35が充填されており、加熱硬化によって3次元半導体素子53と配線基板100との機械的な接合が確保されている。なお、製造工程において、3次元半導体素子53を搭載する領域である単位領域がコア基板10上に複数形成される場合がある。このような場合、単位領域ごとに個片化することによって、配線基板100が形成される。
【0044】
ここでは、3次元半導体素子53は、第一半導体素子51上に第二半導体素子52を実装した場合を示している。配線基板100は、第一接続端子24を介して、第二半導体素子52と電気的に接続する。また、配線基板100は、第二接続端子25を介して、第一半導体素子51と電気的に接続する。第一半導体素子51および第二半導体素子52は、直接的に接触して、電気的に接続する。
なお、3次元半導体素子53は、第一半導体素子51と第二半導体素子52によって構成され、実装面に垂直な方向に対して段差が1段形成されているが、段差は2段以上であってもよい。すなわち、3次元半導体素子は、2種類以上の半導体素子を重ねて実装したものであってもよい。
【0045】
一方、3次元半導体素子53の実装面側と反対側のソルダーレジスト層17から露出するパッド部36には、外部接続端子として用いられるはんだバンプ22が3次元半導体素子53の実装後に形成される。このはんだバンプ22を介して配線基板100はマザーボード等に実装される。
【0046】
(第二接続端子領域の配置)
第二接続端子領域125の配置の例を図7図12に示す。図7図12は、本発明の第二接続端子領域の一例を示す説明図である。図7図12は、実装状態において、配線基板100を半導体素子実装面側から見た図である。ここで、配線基板100の半導体素子実装面には、第一接続端子領域124と第二接続端子領域125が含まれる。第一接続端子領域124には、少なくとも1つの第一接続端子24が所定のパターン幅(ピッチ)に従って形成された領域である。第二接続端子領域125は、少なくとも1つの第二接続端子が所定のパターン幅に従って形成される領域である。
【0047】
図7は、第二接続端子領域125が矩形の形状を有しており、配線基板100の中央部分に配置される場合を示す。配線基板100の周囲を形成する4つの辺のうち対抗する2辺の向きと同じ向きに、第二接続端子領域125が形成される。
【0048】
なお、配線基板100における第二接続端子領域125以外の箇所については、第一接続端子領域124が含まれる。図8図12においても同様である。
【0049】
図8は、第二接続端子領域125が2つの領域に区分した形状を有する場合を示す。分割された第二接続端子領域125は、矩形の形状を有しており、矩形部分の面積は等しい。
【0050】
図9は、第二接続端子領域125が配線基板100のおよそ半分の面積を占める場合を示す。
【0051】
図10は、第二接続端子領域125が矩形の形状を有しており、配線基板100の重心と重なる位置に形成される場合を示す。第二接続端子領域125は、配線基板100の形の相似形を有している。
【0052】
図11は、第二接続端子領域125が第一接続端子領域124を含む領域を囲むように形成される場合を示す。
【0053】
図12は、第二接続端子領域125が2つの領域に区分した形状を有する場合を示す。2つの領域は矩形の形状であり、矩形の頂点を共有している。
【0054】
なお、図に示した第二接続端子領域125は一例であり、3次元積層半導体素子53のサイズおよび形状によりこれら以外にも様々な領域を取りうる。例えば、配線基板100の形状を正方形としているが、配線基板100は正方形以外の形状を有する場合にも適用することが可能である。また、第一接続端子領域124と第二接続端子領域125の配置を交換してもよい。
【0055】
<実施例1>
ここで、半導体装置実装用の配線基板100に3次元半導体素子53(シリコンチップ)を実装した後、アンダーフィル樹脂35を挿入した。配線基板100と3次元半導体素子53の断面を観察し、配線基板100のはんだバンプ22と第一半導体素子51の間の密着および、配線基板100のポスト21と第二半導体素子52の間の密着の確認を行った。観察の結果、何れの配線の接続信頼性も確保されていることを確認した。
【0056】
(作用・効果)
ソルダーレジスト層17の開口部18に密着層を形成したうえで、直接にはんだバンプ22を形成した場合の密着が確認され、またはポスト21を介したうえではんだバンプ22を形成した場合の密着も確認された。また、第一接続端子24と第一半導体素子51の間の接続信頼性、および第二接続端子25と第二接続端子25の間の接続信頼性のいずれとも確保されていることが確認された。このように、本開示によれば、ソルダーレジスト上の接続端子の密着性を確保し、接続信頼性が高い半導体装置実装用の配線基板を提供することができる。
【0057】
また、第一接続端子24と第二接続端子25の高さには差があるため、表面に段差がある3次元半導体素子53とも接続することが可能である。このように、本開示によれば、三次元積層構造の設計自由度をより高めることが可能となる。
【0058】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、密着層19を設けない構成とした点で、第1の実施形態と異なる。図13は、第2の実施形態に係る配線基板200の断面の一例を示す図である。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0059】
この場合、第一接続パッド14上のはんだバンプ22とソルダーレジスト層17の間の密着および第二接続パッド15上のポスト21とソルダーレジスト層17の間の密着の確認を行い、問題がないことが確認される。
【0060】
(作用・効果)
ソルダーレジスト層17とはんだバンプ22の間の密着、およびソルダーレジスト層17とポスト21の間の密着が確保される場合、密着層19の形成を省略することができる。これにより、製造工程における処理が省略され、製造効率を向上させることが可能となる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0062】
[他の実施態様]
本開示は次の態様も含む。
(態様1)
はんだバンプを含む第一接続端子と、
ポストおよび前記ポスト上に形成されたはんだバンプを含む第二接続端子と、
を有する半導体装置実装用の配線基板。
(態様2)
態様1に記載の配線基板であって、
前記配線基板は、前記第一接続端子および前記第二接続端子を露出させるソルダーレジスト層を有する、半導体装置実装用の配線基板。
(態様3)
態様1または2に記載の配線基板であって、
前記配線基板は、接続端子の密着性を高めるために密着層をさらに有し、
前記第一接続端子の前記はんだバンプおよび前記第二接続端子の前記ポストは、前記密着層上に形成される、半導体装置実装用の配線基板。
(態様4)
半導体装置実装用の配線基板の製造方法であって、
接続パッドを含む導体層および絶縁樹脂層が形成されたコア基板に、ソルダーレジスト層を形成する工程と、
前記接続パッド上の前記ソルダーレジスト層に、開口部を形成する工程と、
前記開口部に密着層を形成する工程と、
前記密着層上にはんだバンプを形成する工程と、
を含む半導体装置実装用の配線基板の製造方法。
【符号の説明】
【0063】
1 コア樹脂
2 銅箔
3 スルーホール
4 穴埋め樹脂
6、16 レジストパターン
8 ビア開口
10 コア基板
11 絶縁樹脂層
13、23、33 導体層
13a シード層
13b めっき層
14 第一接続パッド
15 第二接続パッド
17 ソルダーレジスト層
18 ソルダーレジスト層の開口部
19 密着層
20 シード層
24 第一接続端子
25 第二接続端子
35 アンダーフィル樹脂
36、43 コア基板上のパッド部
51 第一半導体素子
52 第二半導体素子
53 3次元積層半導体素子
100 配線基板
124 第一接続端子領域
125 第二接続端子領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13