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特開2024-160763ハラスメント教育支援システム、ハラスメント教育支援プログラム及びハラスメント教育支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160763
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ハラスメント教育支援システム、ハラスメント教育支援プログラム及びハラスメント教育支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20241108BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076074
(22)【出願日】2023-05-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年5月16日等、ウェブサイト<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000024094.html>にてハラスメント教育支援システムにかかる製品を公開
(71)【出願人】
【識別番号】514056883
【氏名又は名称】株式会社アイ・イーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】北澤 弘典
(72)【発明者】
【氏名】川口 研哉
(72)【発明者】
【氏名】神谷 広行
(72)【発明者】
【氏名】市川 将士
(72)【発明者】
【氏名】犀川 陸
(72)【発明者】
【氏名】小平 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 朔
(72)【発明者】
【氏名】福路 世梛
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハラスメント動画を利用してユーザに対してハラスメント教育の支援を行うハラスメント教育支援システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援システムにおいて、ハラスメント教育支援装置は、記憶部と、入力受付手段と、出力手段と、を備える。記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶する。入力受付手段は、ユーザが、ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、ハラスメント動画の再生時間に、ユーザから受け付けたユーザ入力情報及びユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶する。出力手段は、再生時間、ユーザ情報又はユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援システムであって、
前記ハラスメント教育支援システムは、記憶部と、入力受付手段と、出力手段と、を備え、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う、
ハラスメント教育支援システム。
【請求項2】
前記ハラスメント選択要素は、少なくとも以下の(a)~(f)の何れかに関する選択要素である、
請求項1に記載のハラスメント教育支援システム。
(a)前記ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為
(b)前記ハラスメント動画の登場人物の行為に対するユーザの感情
(c)前記ユーザが注目したハラスメント動画に登場しない人物の行為
(d)前記ハラスメント動画に登場しない人物の行為に対するユーザの感情
(e)前記ユーザが注目したハラスメント動画における職場環境若しくはルール
(f)前記ハラスメント動画における職場環境若しくはルールに対するユーザの感情
【請求項3】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの属性であるユーザ属性を含み、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ属性を含むユーザ情報を用いて、前記出力を行う、
請求項2に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項4】
前記出力手段は、更に、比較可能なように前記出力を行う、
請求項3に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項5】
前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記ユーザが前記ハラスメント動画の視聴中に、前記ハラスメント動画における座標であるユーザ入力座標の入力を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザ入力座標を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ入力座標を含むユーザ入力情報を用いて、ヒートマップの出力を行う、
請求項1~4の何れかに記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項6】
前記記憶部は、更に、前記ユーザ、前記ユーザが作成したグループ、管理者、管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶し、
前記出力手段は、更に、前記再生時間、前記ユーザ情報及び前記ユーザ入力情報を用いて分析を行い、前記分析の結果を用いて前記アドバイス関連情報の出力を行う、
請求項1~4の何れかに記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項7】
前記ハラスメント教育支援システムは、更に、ハラスメント動画受付手段と、ハラスメント選択要素設定手段と、を備え、
前記ハラスメント動画受付手段は、管理者から、ハラスメント動画の受付を行い、
前記ハラスメント選択要素設定手段は、管理者から受け付けたハラスメント動画に対するハラスメント選択要素の設定を、管理者から受け付ける、
請求項1~4の何れかに記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項8】
前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記再生時間、前記ハラスメント選択要素及びコメントの入力の受付を行い、
前記出力手段は、更に、前記ユーザから受け付けたハラスメント選択要素及びコメントの出力を行う、
請求項1~4の何れかに記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項9】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援プログラムであって、
記憶部を有するコンピュータを、入力受付手段と、出力手段と、として機能させ、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う、
ハラスメント教育支援プログラム。
【請求項10】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援方法であって、
記憶部を有するハラスメント教育支援システムが、入力受付ステップと、出力ステップと、を実行し、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付ステップにおいて、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力ステップにおいて、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う、
ハラスメント教育支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハラスメント教育支援システム、ハラスメント教育支援プログラム及びハラスメント教育支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが動画を視聴しながら質問等に回答する技術が存在する。
【0003】
特許文献1には、「調査装置100は、顧客端末300を用いる顧客から調査を受注する(1)。顧客端末300から依頼された調査内容を、会員端末400にeメールで一斉に配信する(2)。会員端末400で調査参加の意思を返信する(3)。調査装置100は、選ばれた会員端末400に、個人の認証情報及び調査票URLを通知する(4)。会員端末400は、調査票ホームページにアクセスし、質問に答える(5)。会員端末400に調査端末100から動画が配信され、調査対象者は、興味を持った場面で指定の操作を行う(6)。調査対象者が回答した興味反応情報・質問回答情報は、調査装置100に転送・記憶される(7)。調査装置100は、そのデータを基に集計処理し、顧客端末300に送る(8)。」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-236776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ユーザが動画を視聴しながら質問等に回答し、データが集計されることが開示されている。しかし、ユーザが視聴する動画はハラスメントに関するものではなく、ユーザに対するハラスメント教育の支援を行うことを目的とするものではない。よって、質問もハラスメントに関するものではない。
【0006】
上記事情を解決するために、本発明は、ハラスメント動画を利用してユーザに対してハラスメント教育の支援を行う技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援システムであって、
前記ハラスメント教育支援システムは、記憶部と、入力受付手段と、出力手段と、を備え、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。
【0008】
また、本発明は、ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援プログラムであって、
記憶部を有するコンピュータを、入力受付手段と、出力手段と、として機能させ、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。
【0009】
また、本発明は、ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援方法であって、
記憶部を有するハラスメント教育支援システムが、入力受付ステップと、出力ステップと、を実行し、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報及び前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素を記憶し、
前記入力受付ステップにおいて、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力ステップにおいて、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。
【0010】
このような構成とすることで、ユーザに対して、自身の入力と他のユーザの入力との比較を行わせ、ハラスメント教育の支援を行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記ハラスメント選択要素は、少なくとも以下の(a)~(f)の何れかに関する選択要素である。
(a)前記ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為
(b)前記ハラスメント動画の登場人物の行為に対するユーザの感情
(c)前記ユーザが注目したハラスメント動画に登場しない人物の行為
(d)前記ハラスメント動画に登場しない人物の行為に対するユーザの感情
(e)前記ユーザが注目したハラスメント動画における職場環境若しくはルール
(f)前記ハラスメント動画における職場環境若しくはルールに対するユーザの感情
【0012】
このような構成とすることで、ユーザは、ハラスメント動画に対して、より詳細な入力を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記ユーザ情報は、前記ユーザの属性であるユーザ属性を含み、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ属性を含むユーザ情報を用いて、前記出力を行う。
【0014】
このような構成とすることで、ユーザは、より詳細な比較を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記出力手段は、更に、比較可能なように前記出力を行う。
【0016】
このような構成とすることで、ユーザは、より詳細な比較を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記ユーザが前記ハラスメント動画の視聴中に、前記ハラスメント動画における座標であるユーザ入力座標の入力を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザ入力座標を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ入力座標を含むユーザ入力情報を用いて、ヒートマップの出力を行う。
【0018】
このような構成とすることで、ユーザは、より詳細な比較を行うことができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、更に、前記ユーザ、前記ユーザが作成したグループ、管理者、前記管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶し、
前記出力手段は、更に、前記再生時間、前記ユーザ情報及び前記ユーザ入力情報を用いて分析を行い、前記分析の結果を用いて前記アドバイス関連情報の出力を行う。
【0020】
このような構成とすることで、ユーザに対して、より詳細なハラスメント教育の支援を行うことができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記ハラスメント教育支援システムは、更に、ハラスメント動画受付手段と、ハラスメント選択要素設定手段と、を備え、
前記ハラスメント動画受付手段は、管理者から、ハラスメント動画の受付を行い、
前記ハラスメント選択要素設定手段は、管理者から受け付けたハラスメント動画に対するハラスメント選択要素の設定を、管理者から受け付ける。
【0022】
このような構成とすることで、様々なユーザに対して、様々なハラスメント教育の支援を行うことができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記再生時間、前記ハラスメント選択要素及びコメントの入力の受付を行い、
前記出力手段は、更に、前記ユーザから受け付けたハラスメント選択要素及びコメントの出力を行う。
【0024】
このような構成とすることで、ユーザは、より詳細な比較を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、ハラスメント動画を利用してユーザに対してハラスメント教育の支援を行う技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援システムのシステム構成図を示す。
図2】本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援装置及びユーザ端末、管理者端末のハードウェア構成図を示す。
図3】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示す。
図4】本発明の実施形態に係るハラスメント動画の視聴画面の一例を示す。
図5】本発明の実施形態に係る入力結果の出力の一例を示す。
図6】本発明の実施形態に係る入力結果の出力の一例を示す。
図7】本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援システムの処理手順のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本発明のハラスメント教育支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することができる。
【0028】
例えば、本実施形態ではハラスメント教育支援システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、プログラム、記憶媒体等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記憶媒体に記憶させても良い。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記憶媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記憶媒体であっても良い。
【0029】
本発明は、ユーザに対して、ハラスメント教育を支援することが可能である。パワーハラスメントのように法整備が進み、一定の客観的判定基準を持つハラスメントが存在する一方、定義の定まらない新たなハラスメントは日々増えている。それでも様々なハラスメントに共通するのは「相手がどう感じたか」が重要な観点となる点である。
【0030】
本発明では、ユーザがハラスメント動画を視聴し、自身がどう感じたかを入力することができる。さらに、他の複数のユーザがハラスメント動画を視聴して入力を行うことにより、ユーザは、自身がどう感じたかと、他のユーザがどう感じたか(相手がどう感じたか)と、を比較することが可能になり、自身と他のユーザ(相手)とのギャップを知ることができる。さらに、管理者も、あるユーザと他のユーザとのギャップを知ることができる。つまり、ユーザ又は管理者にこのギャップを理解させることにより、ハラスメント教育を支援することが可能となる。
【0031】
本実施形態では、ハラスメント動画がパワーハラスメント(パワハラ)である形態を示す。しかしながら、本発明はこれに限定されない。ハラスメントは、広義には嫌がらせを指す言葉であり、時代ととともにハラスメント(嫌がらせ)の類型は変化する。よって、本発明におけるハラスメント動画とは、様々なハラスメントに関する動画を指す。他の代表的なハラスメントとして、例えば、セクシャルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、アルコールハラスメント(アルハラ)等が挙げられる。
【0032】
また、本実施形態では、職場においてハラスメントが行われている形態を示す。多くのハラスメントは職場で行われるが、本発明はこれに限定されず、あらゆる場所で行われるハラスメントに関する動画が対象となる。職場以外の代表的な場所として、学校、家庭等が挙げられる。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援システムのシステム構成図である。本実施形態では、ハラスメント教育支援装置2と、ユーザ端末3と、管理者端末4と、がネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援装置及びユーザ端末、管理者端末のハードウェア構成図である。本実施形態では、ハラスメント教育支援装置2は、図2(a)に例示するように、ハードウェア及び機能の構成要素を含んでいる。すなわち、ハラスメント教育支援装置2は、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU(Central Processing Unit))21と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM(Random Access Memory))22と、を備える。
【0035】
ハラスメント教育支援装置2は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、ブラッシュメモリ等の補助記憶装置23と、通信制御部24と、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェース(IF)部25等と、を更に備える。
【0036】
端末装置9(ユーザ端末3、管理者端末4)は、図2(b)に例示するように、ハードウェア及び機能の構成要素を含んでいる。端末装置9は、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU)91と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM)92と、を備える。
【0037】
端末装置9は、OS、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納するHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置93と、通信制御部94と、NIC等の通信インタフェース(IF)部95と、表示制御部96と、表示部97と、情報入力・指定部98等と、を更に備える。
【0038】
ハラスメント教育支援装置2は、入力受付手段201と、出力手段202と、ハラスメント動画受付手段203と、ハラスメント選択要素設定手段204と、を備える。さらに、入力受付手段201は、情報受付手段201aと、入力情報受付手段201bと、ユーザ管理受付手段201cと、を備える。さらに、出力手段202は、クラスタリング手段202aと、分析手段202bと、を備える。また、ハラスメント教育支援装置2は、記憶部5を有する。さらに、記憶部5は、ハラスメント動画DB501と、ユーザ情報DB502と、ユーザ入力情報DB503と、アドバイス関連情報DB504と、を備える。
【0039】
ユーザ端末3は、送信手段301を備える。さらに、送信手段301は、情報送信手段301aと、入力情報送信手段301bと、を備える。
【0040】
管理者端末4は、ユーザ管理手段401と、動画設定手段402と、を備える。
【0041】
本実施形態では、ユーザ端末3を利用するユーザとは、企業の社員を指す。しかしながら、本発明はこれに限定されない。ハラスメント動画の種類によっては、ユーザは学生、主婦等である。本発明におけるユーザとは、ハラスメントを行う可能性のある者である。また、管理者端末4を利用する管理者は、企業のハラスメント教育を支援する部署、企業の部門長、学校の教育指導長、クラスの担任等である。本発明における管理者とは、ユーザを管理する立場にある者である。
【0042】
記憶部5は、ハラスメント動画及びハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素、ユーザの情報であるユーザ情報、ハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報並びにアドバイス関連情報であるアドバイス関連情報を記憶する。
【0043】
ハラスメントの教育を受けるユーザは、ユーザ端末3を介して、自身の情報であるユーザ情報の入力を行う。ユーザ情報は、ユーザの属性であるユーザ属性を含み、情報送信手段301aは、ユーザから受け付けたユーザ属性等のユーザ情報を、情報受付手段201aに送信する。情報受付手段201aは、受け付けたユーザ属性を、図3(b)のように、ユーザ情報DB502に記憶する。ユーザ属性は、例えば、性別、年齢、所属している会社の業界、部下の有無、所属している会社のエリア等が挙げられる。ユーザ属性は、これら全てを含まなくても良いし、この他にも、所属している部署、学歴、役職等を含んでも良い。ユーザ属性の種類は、管理者端末4を介して、管理者が設定しても良い。
【0044】
ユーザを管理する管理者は、管理者端末4を介して、ユーザの管理を行う。管理者は、管理者端末4を介して、会社に所属する者の中からハラスメントの教育を受けさせたい者を登録できるし、一度登録をした者を削除することができても良い。さらに、管理者が、管理者端末4を介して、ユーザ属性を含むユーザ情報を入力することができても良い。また、管理者は、管理者端末4を介して、ある特定の者だけのグループを作成することができても良い。例えば、管理者は、営業部に所属する者を国内営業と海外営業に分けて管理したくなった場合、国内営業グループと、海外営業グループと、を作成することができる。ユーザ管理手段401は、登録するユーザの情報、ユーザが所属するグループの情報等を、ユーザ管理受付手段201cに送信する。ユーザ管理受付手段201cは、グループの情報を、図3(c)のように、ユーザ情報DB502に記憶する。また、ユーザ管理受付手段201cは、図3(b)のように、登録するユーザの情報を、ユーザ情報DB502に記憶しても良い。
【0045】
ハラスメント動画DB501は、ユーザの教育を支援するためのハラスメント動画を記憶する。さらに、ハラスメント動画DB501は、図3(a)のように、動画IDに紐づけてハラスメント選択要素を記憶する。本発明において、ハラスメント選択要素は、ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為、ハラスメント動画の登場人物の行為に対するユーザの感情、ユーザが注目したハラスメント動画に登場しない人物の行為、ハラスメント動画に登場しない人物の行為に対するユーザの感情、ユーザが注目したハラスメント動画における職場環境若しくはルール、ハラスメント動画における職場環境若しくはルールに対するユーザの感情、の少なくとも何れかに関する選択要素である。
【0046】
ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為とは、動画に登場する人物の言葉、行動、態度、表情、周囲の人、環境等である。また、パワーハラスメントの場合、精神的な攻撃、身体的な攻撃、過大な要求、過少な要求、人間関係からの切り離し、個の侵害等である。ユーザの感情とは、ユーザがある人物の行為、職場環境又はルールに対して感じた感情であり、憤り、非難等である。この他にも、ユーザの感情は、ネガティブではない感情、例えば、好ましい、驚いた、同感である、気になる、うらやましい等も含む。ユーザが注目したハラスメント動画に登場しない人物の行為とは、動画に登場しない人物による指示命令、業務内容等である。
【0047】
入力受付手段201は、ユーザが、ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、ハラスメント動画の再生時間に、ユーザから受け付けたユーザ入力情報及びユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶する。
【0048】
ユーザは、ハラスメント動画の視聴中に、ユーザ端末3を介して、ハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報の入力を行う。入力情報送信手段301bは、ユーザが入力を行ったユーザ入力情報を、入力情報受付手段201bに送信する。入力受付手段201は、ハラスメント動画の再生時間に、図3(d)のように、入力情報受付手段201bがユーザから受け付けたユーザ入力情報及びユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶する。ユーザ情報は、図3(b)のように、ユーザIDに紐づけられて記憶されているため、ハラスメント動画の再生時間に、図3(d)のように、ユーザIDを紐づけて記憶しても良い。
【0049】
図4は、本発明の実施形態に係るハラスメント動画の視聴画面の一例である。図4(a)のように、ユーザは、動画ID:V0001の視聴中に、ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為が、ハラスメントに該当すると感じた場合、右下のボタンをクリック又はタッチする。
【0050】
図4(a)のような画面において、W41のように、右下のボタンをクリック又はタッチすると、図4(b)のような、ユーザ入力情報の入力画面が表示される。本実施形態では、ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為として、言葉、行動、態度、表情、周囲の人、環境、がハラスメント選択要素として表示される。ハラスメント選択要素は、図3(a)のように、動画ID:V0001に紐づいて記憶されているため、図4(b)のように、ユーザから入力を受け付けることができる。ユーザは、図4(c)のように、「態度」、「表情」等のハラスメント選択要素を選択し、「投票する」ボタンをクリック又はタッチすることによって入力を行う。ユーザが動画の視聴中にハラスメント選択要素の入力を行うことにより、入力受付手段201は、図3(d)のように、ハラスメント選択要素を再生時間に紐づけて、ユーザ入力情報DB503に記憶することができる。
【0051】
図4(d)のように、ユーザは、動画ID:V0001の視聴中に、ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為が、ハラスメントに該当すると感じた場合、W42のような右下の感情アイコンをクリック又はタッチする。図4(d)のようなハラスメント選択要素の入力の場合、図4(a)~(c)のように動画を止める必要がない。
【0052】
本実施形態では、入力受付手段201は、ユーザ入力情報及びユーザ情報を、1秒ごとの再生時間に紐づけて記憶する。しかしこれに限らず、入力受付手段201は、ユーザ入力情報及びユーザ情報を、所定時間間隔毎に紐づけて記憶しても良い。例えば、入力受付手段201は、ユーザ入力情報及びユーザ情報を、シーンごとに紐づけて記憶しても良い。この場合、あるシーンにシーンIDが付与され、そのシーンが開始する時間及び終了する時間を、データベースがシーンIDごとに記憶する。そして、ユーザがシーンIDに紐づく時間内に入力を行うと、入力受付手段201は、ユーザ入力情報及びユーザ情報を、そのシーンIDに紐づけて記憶する。
【0053】
出力手段202は、ハラスメント動画の再生時間、ユーザ情報又はユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。
【0054】
図5は、本発明の実施形態に係る入力結果の出力の一例である。縦軸W52は、ハラスメント動画を視聴した者の中で、ハラスメント選択要素を入力した者の割合を表す。横軸W53は、ハラスメント動画の再生時間を表す。つまり、W51は、ハラスメント動画のある再生時間において、ハラスメント選択要素を入力したユーザの割合を表す折れ線グラフである。例えば、W54において、ハラスメント動画の再生時間が4分頃のシーンに対して、動画を視聴したユーザの約85%が、そのシーンがハラスメントであると感じたことを表す。このシーンの付近において、ユーザが入力をしていない場合、他のユーザの多くは入力をしているため、ハラスメントに関するギャップが存在するといえる。また、ユーザが入力したハラスメント選択要素は、割合ではなく実際に入力された数で表されても良い。
【0055】
W55は、W56に対応する再生時間において、入力を行ったユーザが入力したハラスメント選択要素の割合を表す円グラフである。W56を左右に移動させることにより、W56に対応する再生時間(1分38秒)に、入力を行ったユーザが入力したハラスメント選択要素の割合がW55のように表示される。この他にも、折れ線グラフに触れる(クリック又はタッチする)ことにより、入力を行ったユーザが入力したハラスメント選択要素の割合が表示されても良い。さらに、W56に対応する再生時間のシーンを再生し、その上にグラフの出力を行っても良い。
【0056】
W57は、入力結果を確認しているユーザが、動画視聴中にハラスメントだと感じてハラスメント選択要素を入力した時間を表す。W57と折れ線グラフW51を比較することにより、ユーザは、自身がハラスメントだと感じたシーンと他のユーザがハラスメントだと感じたシーンのギャップを比較することができる。また、W58のように、W57に触れる(クリック又はタッチする)ことにより、W59のように、ユーザが入力したハラスメント選択要素を表示させても良い。この他にも、W58のように、W57に触れる(クリック又はタッチする)ことにより、W55のような、入力を行ったユーザが入力したハラスメント選択要素の割合が表示されても良いし、W56が対応する時間に移動しても良い。
【0057】
出力手段202は、更に、ユーザ属性を含むユーザ情報を用いて、出力を行っても良い。また、出力手段202は、更に、比較可能なように出力を行っても良い。さらに、ユーザ端末3を介して、ユーザ属性の入力の受付を行うことにより、出力手段202は、ユーザから受け付けたユーザ属性を用いて、比較可能なように出力を行っても良い。
【0058】
図6は、本発明の実施形態に係る入力結果の出力の一例である。W61は、ハラスメント動画を視聴した者(世間全体(W63に対応))の中で、ハラスメント選択要素を入力した者の割合を表す折れ線グラフである。W62は、ハラスメント動画を視聴したあるユーザ属性を有する者(W64に対応)の中で、ハラスメント選択要素を入力した者の割合を表す折れ線グラフである。図6では、W64のように、「グループG0001」、「男性」、「20代」のユーザ属性が指定されているため、W62(破線)は、ハラスメント動画を視聴したグループG0001に所属する男性かつ20代のユーザの中で、ハラスメント選択要素を入力した者の割合を表す折れ線グラフである。ユーザ又は管理者は、ユーザ端末3又は管理者端末4を介して、ユーザ属性を指定することにより、出力手段202は、クロス集計を行った出力を行うことができる。これにより、出力手段202は、ユーザ又は管理者が比較可能なように出力を行うことができる。
【0059】
出力手段202は、折れ線グラフ、円グラフ以外にも、棒グラフ、表の出力を行っても良い。また、出力手段202は、ユーザ属性の指定を受け付けることにより、全ての出力においてクロス集計を行った結果の出力を行うことができる。
【0060】
入力情報受付手段201bは、ユーザ入力情報として、ユーザがハラスメント動画の視聴中に、ハラスメント動画における座標であるユーザ入力座標の入力を受け付け、ハラスメント動画の再生時間に、ユーザ入力座標を紐づけて記憶する。ユーザは、ハラスメント動画の視聴中に、ハラスメントに該当すると感じた箇所のクリック又はタッチを行う。本実施形態では、入力受付手段201は、図3(d)のように、ユーザ入力座標を再生時間に紐づけて、ユーザ入力情報DB503に記憶することができる。
【0061】
出力手段202は、ユーザ入力座標を含むユーザ入力情報を用いて、ヒートマップの出力を行う。ユーザ入力情報DB503が、ユーザ入力座標を再生時間に紐づけて記憶しているため、ある再生時間に紐づく座標の数を集計することができる。この集計の結果に基づいて、集計数の多い箇所と、集計数の少ない箇所と、を異なる色や濃淡として表現したヒートマップで表すことができる。
【0062】
アドバイス関連情報DB504は、ユーザ、ユーザが作成したグループ、管理者、管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶する。アドバイス関連情報は、注意すべき相手(性別、年代等)、推奨される学習テーマ(ダイバーシティの理解、コミュニケーションスキルの習得、メンタルヘルス等)、推奨される学習テーマに応じたeラーニングへの誘導等である。アドバイス関連情報は、文章、動画、eラーニングを受講するためのURL(Uniform Resource Locator)等で出力される。また、アドバイス関連情報は、推奨される従業員教育の方法やテーマ、その対象層、具体的なカリキュラム等であっても良い。
【0063】
出力手段202は、再生時間、ユーザ情報及びユーザ入力情報を用いて分析を行い、分析の結果を用いてアドバイス関連情報の出力を行う。具体的には、出力手段202が有するクラスタリング手段202aは、ユーザ(ユーザ情報)による入力(ユーザ入力情報)のタイミング(再生時間)及び頻度並びに他のユーザによる入力をもとに、ユーザをクラスタリングする。さらに、出力手段202が有する分析手段202bは、クラスタリングの結果を用いて分析を行う。アドバイス関連情報DB504は、図3(e)のように、分析結果に対応するアドバイス関連情報を記憶しているため、出力手段202は、クラスタリング手段202aによる分析の結果及びアドバイス関連情報DB504を用いて、アドバイス関連情報の出力を行う。例えば、分析の結果として、世間全体がハラスメントであると感じた割合と、あるグループがハラスメントであると感じた割合に、大きな開き(ギャップ)があった場合、出力手段202は、アドバイス関連情報の出力を行う。
【0064】
ハラスメント動画受付手段203は、管理者から、ハラスメント動画の受付を行う。さらに、ハラスメント動画受付手段203は、ユーザから、ハラスメント動画の受付を行っても良い。ユーザはユーザ端末3を介して、管理者は管理者端末4を介して、ハラスメント動画の送信を行う。例えば、管理者は、自身が所属する会社の事例に即したハラスメント動画を用いて、従業員に対してハラスメント教育の支援を行うことができる。
【0065】
ハラスメント選択要素設定手段204は、ハラスメント動画受付手段203が受け付けたハラスメント動画に対するハラスメント選択要素の設定を、管理者から受け付ける。さらに、ハラスメント選択要素設定手段204は、ハラスメント選択要素の設定を、ユーザから受け付けても良い。
【0066】
動画設定手段402が、ハラスメント動画をハラスメント動画受付手段203に送信し、ハラスメント選択要素をハラスメント選択要素設定手段204に送信する。ハラスメント動画受付手段203及びハラスメント選択要素設定手段204は、受け付けたハラスメント動画及びハラスメント選択要素を、図3(a)のように、ハラスメント動画DB501に記憶する。ユーザ又は管理者が設定するハラスメント動画及びハラスメント選択要素は、特定の者のみが利用可能であることが好ましいため、ハラスメント動画DB501は、動画ID:V0002のように、動画IDに利用可能者を紐づけて記憶しても良い。この他にも、特定の者のみが利用可能なように、パスワードを設定しても良い。
【0067】
入力情報受付手段201bは、更に、ユーザ入力情報として、再生時間、ハラスメント選択要素及びコメントの入力の受付を行う。入力受付手段201は、図3(f)のように、再生時間、ハラスメント選択要素及びコメントを動画IDに紐づけて記憶する。
【0068】
出力手段202は、更に、ユーザから受け付けたハラスメント選択要素及びコメントの出力を行う。これにより、ユーザがなぜそのハラスメント選択要素の入力を行ったか等をコメントとして出力することができる。さらに、出力手段202は、ハラスメント選択要素及びコメントに加えて、再生時間の出力を行っても良い。出力手段202が再生時間の出力も行うことにより、コメントがどの場面におけるものなのかが明確化される。
【0069】
図7は、本発明の実施形態に係るハラスメント教育支援システムの処理手順のフローチャートである。ステップS701において、管理者(企業の部署を管理する者、企業におけるハラスメントを対策する者)が、管理者端末4を介して、ユーザ(ハラスメント教育を受ける者)を、ハラスメント教育支援装置2に登録する。ユーザ管理手段401は、登録するユーザの情報等を、ユーザ管理受付手段201cに送信する。
【0070】
ステップS702において、ステップS701で登録されたユーザに対して、ユーザ情報の登録を促すような通知を行う。具体的には、ユーザのメールアドレス等に対して、ユーザ情報の登録を行うためのURL又はサービスを利用するためのURL、サービスへのログインのためのID、パスワード等を通知する。
【0071】
ステップS703において、通知を受け付けたユーザは、ユーザ端末3を介して、ユーザ情報の登録を行う。情報送信手段301aが、ユーザの属性であるユーザ属性を含むユーザ情報を情報受付手段201aに送信し、入力受付手段201がユーザ情報をユーザ情報DB502に記憶する。
【0072】
ステップS704において、ユーザは、動画の視聴を行い、ユーザ入力情報の入力を行う。入力情報送信手段301bが、ユーザ入力情報を入力情報受付手段201bに送信し、入力受付手段201がユーザ入力情報をユーザ入力情報DB503に記憶する。
【0073】
ステップS705において、ステップS703で受け付けたユーザ情報又はステップS704で受け付けた再生時間若しくはユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行う。出力手段202は、再生時間に紐づくハラスメント選択要素に関するグラフ、表、ヒートマップの出力を行う。さらに、出力手段202は、ユーザに対するアドバイスの出力を行っても良い。また、出力手段202は、ユーザ又は管理者が指定したユーザ属性に紐づくハラスメント選択要素に関するグラフ、表、ヒートマップの出力を行っても良い。
【符号の説明】
【0074】
1 ハラスメント教育支援システム
2 ハラスメント教育支援装置
201 入力受付手段
201a 情報受付手段
201b 入力情報受付手段
201c ユーザ管理受付手段
202 出力手段
202a クラスタリング手段
202b 分析手段
203 ハラスメント動画受付手段
204 ハラスメント選択要素設定手段
3 ユーザ端末
301 送信手段
301a 情報送信手段
301b 入力情報送信手段
4 管理者端末
401 ユーザ管理手段
402 動画設定手段
5 記憶部
501 ハラスメント動画DB
502 ユーザ情報DB
503 ユーザ入力情報DB
504 アドバイス関連情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援システムであって、
前記ハラスメント教育支援システムは、記憶部と、入力受付手段と、出力手段と、を備え、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素、及び、前記ユーザ、前記ユーザが作成したグループ、管理者、管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行更に、前記再生時間、前記ユーザ情報及び前記ユーザ入力情報を用いて分析を行い、前記分析の結果を用いて前記アドバイス関連情報の出力を行う、
ハラスメント教育支援システム。
【請求項2】
前記ハラスメント選択要素は、少なくとも以下の(a)~(f)の何れかに関する選択要素である、
請求項1に記載のハラスメント教育支援システム。
(a)前記ユーザが注目したハラスメント動画の登場人物の行為
(b)前記ハラスメント動画の登場人物の行為に対するユーザの感情
(c)前記ユーザが注目したハラスメント動画に登場しない人物の行為
(d)前記ハラスメント動画に登場しない人物の行為に対するユーザの感情
(e)前記ユーザが注目したハラスメント動画における職場環境若しくはルール
(f)前記ハラスメント動画における職場環境若しくはルールに対するユーザの感情
【請求項3】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの属性であるユーザ属性を含み、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ属性を含むユーザ情報を用いて、前記出力を行う、
請求項に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項4】
前記出力手段は、更に、比較可能なように前記出力を行う、
請求項に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項5】
前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記ユーザが前記ハラスメント動画の視聴中に、前記ハラスメント動画における座標であるユーザ入力座標の入力を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザ入力座標を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、更に、前記ユーザ入力座標を含むユーザ入力情報を用いて、ヒートマップの出力を行う、
請求項1に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項6】
前記ハラスメント教育支援システムは、更に、ハラスメント動画受付手段と、ハラスメント選択要素設定手段と、を備え、
前記ハラスメント動画受付手段は、管理者から、ハラスメント動画の受付を行い、
前記ハラスメント選択要素設定手段は、管理者から受け付けたハラスメント動画に対するハラスメント選択要素の設定を、管理者から受け付ける、
請求項1に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項7】
前記入力受付手段は、更に、前記ユーザ入力情報として、前記再生時間、前記ハラスメント選択要素及びコメントの入力の受付を行い、
前記出力手段は、更に、前記ユーザから受け付けたハラスメント選択要素及びコメントの出力を行う、
請求項1に記載のハラスメント教育支援システム。
【請求項8】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援プログラムであって、
記憶部を有するコンピュータを、入力受付手段と、出力手段と、として機能させ、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素、及び、前記ユーザ、前記ユーザが作成したグループ、管理者、管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶し、
前記入力受付手段は、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力手段は、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行更に、前記再生時間、前記ユーザ情報及び前記ユーザ入力情報を用いて分析を行い、前記分析の結果を用いて前記アドバイス関連情報の出力を行う、
ハラスメント教育支援プログラム。
【請求項9】
ハラスメント動画を教育に利用するハラスメント教育支援方法であって、
記憶部を有するハラスメント教育支援システムが、入力受付ステップと、出力ステップと、を実行し、
前記記憶部は、ユーザの情報であるユーザ情報前記ハラスメント動画に関連する少なくとも2つ以上の選択要素であるハラスメント選択要素、及び、前記ユーザ、前記ユーザが作成したグループ、管理者、管理者が作成したグループ、部署又は組織に対するアドバイスの関連情報であるアドバイス関連情報を記憶し、
前記入力受付ステップにおいて、前記ユーザが、前記ハラスメント動画の視聴中に選択したハラスメント選択要素を入力とするユーザ入力情報を受け付け、前記ハラスメント動画の再生時間に、前記ユーザから受け付けたユーザ入力情報及び前記ユーザ入力情報の入力を行ったユーザのユーザ情報を紐づけて記憶し、
前記出力ステップにおいて、前記再生時間、前記ユーザ情報又は前記ユーザ入力情報の少なくとも2つ以上を用いて出力を行更に、前記再生時間、前記ユーザ情報及び前記ユーザ入力情報を用いて分析を行い、前記分析の結果を用いて前記アドバイス関連情報の出力を行う、
ハラスメント教育支援方法。