(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160769
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A45D33/00 615B
A45D33/00 625A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076096
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(72)【発明者】
【氏名】君島 美津志
(57)【要約】
【課題】中皿着脱タイプの化粧料容器であって、コンパクトで使い勝手のよい化粧料容器を提供する。
【解決手段】容器本体30の中皿収容凹部32における一方の周壁36から底壁37にまたがって互いに平行に延びる一対のスリット38と、上記一対のスリット38を水平方向につなぐ横スリット39とが形成されており、上記一対のスリット38と横スリット39で囲われた周壁部分に、中皿係止用の第1の突起51が設けられ、同じく他方の周壁に、中皿係止用の第2の突起53が設けられており、中皿40には、上記第1の突起51および第2の突起53を係合するための第1の小凹部43、第2の小凹部45が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に化粧料充填用凹部が形成された中皿と、上面に上記中皿を着脱自在に収容する中皿収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体とを備えた化粧料容器であって、
上記中皿および容器本体は、ともに樹脂の一体成形品からなり、
上記容器本体には、上記中皿収容凹部の互いに対向する一対の周壁部分のうち、一方の周壁部分から底壁にまたがって互いに平行に延びる一対のスリットと、上記一対のスリットを上記周壁部分の上縁部において水平方向につなぐ横スリットとが形成されており、
上記一対のスリットと横スリットで囲われた周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起が設けられているとともに、同じく上記中皿収容凹部の他方の周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第2の突起が設けられており、
上記中皿には、上記容器本体の中皿収容凹部における上記一対の周壁部分に対峙する一対の外壁部分に、上記第1の突起および第2の突起と係合するための小凹部がそれぞれ設けられており、
上記中皿が、上記第1の突起および第2の突起との係合によって上記中皿収容凹部内に収容保持され、上記中皿を、上記第1の突起との係合部位を持ち上げる方向に傾けることにより、上記中皿収容凹部から容易に取り出されるようになっていることを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
上記中皿には、上記対峙する一対の外壁部分のうち、一方の外壁部分に、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられているとともに、同じく他方の外壁部分に、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部が設けられている、請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
上記中皿が、一つの中皿収容凹部内に隙間なく収容される2個一組の分割皿で構成されており、上記分割皿の一方には、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられ、上記分割皿の他方には、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部とが設けられており、一方の分割皿が上記第1の突起と係合し、他方の分割皿が上記第2の突起と係合することにより、上記2個の分割皿が一つの中皿収容凹部内に収容保持されるようになっている、請求項2記載の化粧料容器。
【請求項4】
上記中皿収容凹部の一方の周壁部分の、上記一対のスリットと横スリットで囲われた周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられているとともに、同じく上記中皿収容凹部の他方の周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第2の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられており、
上記中皿収容凹部内に、複数の中皿が左右方向に並んだ状態で収容保持されるようになっている、請求項1または2記載の化粧料容器。
【請求項5】
上記一対のスリットの、底壁に形成された部分の長さをM、スリットが延びる方向における中皿収容凹部の底壁全体の長さをLとすると、上記M/Lが、0.05~0.15に設定されている、請求項1または2記載の化粧料容器。
【請求項6】
上記一対のスリットおよび横スリットを構成する各スリットの幅が、0.5~1.5mmに設定されている、請求項1または2記載の化粧料容器。
【請求項7】
上記中皿係止用の第1の突起の突出高さH1が0.25~0.8mm、同じく第2の突起の突出高さH2が0.3~0.85mmであり、H1<H2に設定されている、請求項1または2記載の化粧料容器。
【請求項8】
中皿の厚みが2~4mm、蓋体を閉じた状態における化粧料容器全体の厚みが7~10mmである、請求項1または2記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体に中皿を着脱自在に収容することができ、その着脱動作が簡単で、しかも全体厚みを薄くすることのできる、使い勝手のよい化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンデーション等の化粧料が充填された中皿を、容器本体に対して着脱自在に収容し、使い切った際には新しい中皿に交換したり、種類の異なる化粧料ごとに用意された複数の中皿を、目的に応じて組み合わせて収容したりすることのできる化粧料容器が多用されている。
【0003】
このような、中皿交換タイプの化粧料容器において、中皿が金属製の金皿の場合は、容器本体の中皿収容用の凹部底面に粘着剤層を設けて金皿を凹部内に粘着固定し、交換時には、凹部底面に設けた貫通孔から細いピン等の棒状体を使って金皿を取り外すことが一般的である。
【0004】
一方、中皿が樹脂皿の場合は、樹脂の可撓性を利用して、中皿の周壁面に係合用の凹部を設け、容器本体の中皿収容用の凹部壁面や、容器本体と中皿との間に介在される皿枠の仕切り壁に係合爪等を設けて、両者の係合によって中皿を容器本体に着脱自在に取り付けるようになっているものが多い(特許文献1、2等)。
【0005】
例えば、特許文献1の化粧料容器は、その要部の分解斜視図である
図14に示すように、容器本体1の凹部内に、複数種類の中皿2を並べて収容するための皿枠3が嵌合されており、この皿枠3の、中皿2を収容するための各仕切り壁4の両面(手前に見える面と反対側の面)に、左右一対のスリット5と下縁に延びる横スリット6で囲まれた可動片7が、2個ずつ設けられている。
【0006】
そして、各可動片7の下部に、中皿2と係合するための凸部8がそれぞれ設けられており、この凸部8が、上記仕切り壁4と仕切り壁4の間に嵌入される中皿2の周壁に設けられた凹部9と係合することにより、中皿2が皿枠3内に収容され固定されるようになっている。なお、上記中皿2を皿枠3内から取り出す場合は、皿枠3と容器本体1を貫通する穴部10に、容器の下から棒状体を挿入して中皿2の底面を押し上げることにより、中皿2を取り出すことができるようになっている。
【0007】
また、特許文献2の化粧料容器は、その部分的な分解斜視図である
図15に示すように、容器本体11の凹部12内に、複数の化粧料充填用凹部13と化粧筆等の用具用凹部14とが形成された交換皿15が嵌入されるようになっている。
【0008】
上記容器本体11の凹部12内には、この化粧料容器を閉じた状態の縦断面図である
図16(a)に示すように、その底壁20の手前側中央に、平面視コ字状のスリット21が設けられており、このスリット21で囲われた部分の先端が底面から上方に延設されて可動片22が形成され、その先端に、上記交換皿15の前側面に設けられた凹部15aと係合する凸部23が設けられている。また、上記凹部12の奥壁24には、左右2個所に、同じく上記交換皿15の奥側面に設けられた凸部15bと係合する凹溝25が設けられている。
【0009】
そして、上記容器本体11の前壁26と、上記交換皿15と係合する可動片22との間には隙間が設けられており、この化粧料容器を開いた状態の縦断面図である
図16(b)において、矢印で示すように、交換皿15を手前側(図面の向かって左側)にスライドさせることにより、交換皿15と容器本体11側との係合を外して、交換皿15を取り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004-73293号公報
【特許文献2】特許第3633976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に示すような中皿2の着脱構造では、中皿2と容器本体1の係合手段(可動片7、凹部9)が、それぞれの厚み方向に設けられているため、容器全体として、ある程度の厚みが必要となり、薄型でシャープな外観の容器をデザインしにくいという問題がある。また、中皿2と中皿2との間に仕切り壁4を設ける必要があり、部品数が多くなるとともに組み立ての手間を要するという問題もある。
【0012】
一方、上記特許文献2に示すような交換皿15の着脱構造によれば、着脱動作がしやすいものの、容器の厚み方向だけでなく、水平方向にも交換皿15を前後にスライドさせるための余分なスペースが必要となり、容器の薄型化、コンパクト化が十分に達成されないという問題がある。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、中皿着脱タイプの化粧料容器でありながら、中皿の厚みと容器本体の凹部の厚みを薄くすることができ、しかも中皿を簡単に着脱することのできる、優れた化粧料容器の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明は、以下の[1]~[8]を提供する。
[1] 上面に化粧料充填用凹部が形成された中皿と、上面に上記中皿を着脱自在に収容する中皿収容凹部が形成された容器本体と、上記容器本体を蓋する蓋体とを備えた化粧料容器であって、上記中皿および容器本体は、ともに樹脂の一体成形品からなり、上記容器本体には、上記中皿収容凹部の互いに対向する一対の周壁部分のうち、一方の周壁部分から底壁にまたがって互いに平行に延びる一対のスリットと、上記一対のスリットを上記周壁部分の上縁部において水平方向につなぐ横スリットとが形成されており、上記一対のスリットと横スリットで囲われた周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起が設けられているとともに、同じく上記中皿収容凹部の他方の周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第2の突起が設けられており、上記中皿には、上記容器本体の中皿収容凹部における上記一対の周壁部分に対峙する一対の外壁部分に、上記第1の突起および第2の突起と係合するための小凹部がそれぞれ設けられており、上記中皿が、上記第1の突起および第2の突起との係合によって上記中皿収容凹部内に収容保持され、上記中皿を、上記第1の突起との係合部位を持ち上げる方向に傾けることにより、上記中皿収容凹部から容易に取り出されるようになっていることを特徴とする化粧料容器。
[2] 上記中皿には、上記対峙する一対の外壁部分のうち、一方の外壁部分に、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられているとともに、同じく他方の外壁部分に、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部が設けられている、[1]記載の化粧料容器。
[3] 上記中皿が、一つの中皿収容凹部内に隙間なく収容される2個一組の分割皿で構成されており、上記分割皿の一方には、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられ、上記分割皿の他方には、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部とが設けられており、一方の分割皿が上記第1の突起と係合し、他方の分割皿が上記第2の突起と係合することにより、上記2個の分割皿が一つの中皿収容凹部内に収容保持されるようになっている、[2]記載の化粧料容器。
[4] 上記中皿収容凹部の一方の周壁部分の、上記一対のスリットと横スリットで囲われた周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられているとともに、同じく上記中皿収容凹部の他方の周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第2の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられており、上記収容凹部内に、複数の中皿が左右方向に並んだ状態で収容保持されるようになっている、[1]~[3]のいずれかに記載の化粧料容器。
[5] 上記一対のスリットの、底壁に形成された部分の長さをM、スリットが延びる方向における中皿収容凹部の底壁全体の長さをLとすると、上記M/Lが、0.05~0.15に設定されている、[1]~[4]のいずれかに記載の化粧料容器。
[6] 上記一対のスリットおよび横スリットを構成する各スリットの幅が、0.5~1.5mmに設定されている、[1]~[5]のいずれかに記載の化粧料容器。
[7] 上記中皿係止用の第1の突起の突出高さH1が0.25~0.8mm、同じく第2の突起の突出高さH2が0.3~0.85mmであり、H1<H2に設定されている、[1]~[6]のいずれかに記載の化粧料容器。
[8] 中皿の厚みが2~4mm、蓋体を閉じた状態における化粧料容器全体の厚みが7~10mmである、[1]~[7]のいずれかに記載の化粧料容器。
【発明の効果】
【0015】
すなわち、本発明の化粧料容器は、容器本体の中皿収容凹部内に中皿を着脱自在に収容保持する構成において、中皿を係止するための一対の突起のうち第1の突起を、上記中皿収容凹部の周壁部分から底壁にまたがって互いに平行に延びる一対のスリットと、上記周壁部分の上縁部において上記一対のスリットをつなぐ横スリットとで囲われた周壁部分に設けるようにしたものである。
【0016】
この構成によれば、上記第1の突起が、中皿収容凹部の周壁部分から底壁にまたがる平行なスリットと横スリットに囲われた、前後に撓みやすい壁面に設けられているため、中皿収容凹部内に収容保持された中皿を取り出す場合は、中皿を、上記第1の突起との係合部位を持ち上げる方向に少し傾けるだけで、簡単にその係合が外れ、中皿を簡単に取り出すことができる。また逆に、中皿を中皿収容凹部内に収容する場合は、上記中皿収容凹部の第1の突起が設けられている側に、中皿の一端側を軽く押し当てるようにして中皿を入れると、中皿収容凹部内に中皿を簡単に嵌め込むことができる。
【0017】
したがって、生産工程において、容器本体と中皿の組み立て作業を効率よく行うことができる。また、この化粧料容器を購入した顧客が、使用済の中皿を新しい中皿に交換する際や、種類の異なる複数の化粧料を、中皿を入れ換えて使用する際に、中皿の交換をスムーズに行うことができ、使い勝手がよい。
【0018】
また、第1の突起が設けられた中皿収容凹部の周壁部分を撓ませるスリットが、周壁部分だけでなく底壁側まで延びているため、周壁の高さが低くても、突起が設けられた部分の自由度(撓みの程度)が大きくなる。したがって、中皿の厚み、さらには容器全体の厚みを薄くしても、中皿の着脱をスムーズに行うことができるという利点を有する。
【0019】
そして、中皿および容器全体の厚みを薄して容器全体をコンパクトな形状にすることができ、携帯や収納に便利なものとなるだけでなく、容器全体に使用する樹脂量を削減することができ、環境に配慮したものとなる。
【0020】
なお、本発明のなかでも、特に、上記中皿の、上記対峙する一対の外壁部分のうち、一方の外壁部分に、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられているとともに、同じく他方の外壁部分に、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部が設けられているものは、中皿を中皿収容凹部内に配置しやすいものとなる。
【0021】
また、上記中皿が、一つの中皿収容凹部内に隙間なく収容される2個一組の分割皿で構成されており、上記分割皿の一方には、上記第1の突起と係合するための第1の小凹部が設けられ、上記分割皿の他方には、上記第2の突起と係合するための第2の小凹部とが設けられており、一方の分割皿が上記第1の突起と係合し、他方の分割皿が上記第2の突起と係合することにより、上記2個の分割皿が一つの中皿収容凹部内に収容保持されるようになっているものは、複数種類の化粧料を、より細分化された分割皿に分けた状態で、配置を替えたり、新品に交換したりすることができる。したがって、この化粧料容器によれば、よりバリエーションに富んだメイクアップを楽しむことができる。そして、多種類の化粧料を少量ずつ、最後まで使い切ることができるため、色の好みや流行の変化に合わせて化粧料を変えていく場合にも、中皿に化粧料が残ったまま廃棄することが少なくなり、ゴミ処理負担の軽減につながるという利点を有する。
【0022】
さらに、本発明のなかでも、特に、上記中皿収容凹部の一方の周壁部分の、上記一対のスリットと横スリットで囲われた周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられているとともに、同じく上記中皿収容凹部の他方の周壁部分に、内側に向かって突出する中皿係止用の第2の突起が、横方向に所定間隔で複数個設けられており、上記中皿収容凹部内に、複数の中皿が左右方向に並んだ状態で収容保持されるようになっているものは、限られた表面積の中皿収容凹部内に複数の中皿を収容することができるため、上記分割皿を用いたものと同様の効果を奏する。
【0023】
また、本発明のなかでも、特に、上記一対のスリットの、底壁に形成された部分の長さをM、スリットが延びる方向における中皿収容凹部の底壁全体の長さをLとすると、上記M/Lが、0.05~0.15に設定されているもの、あるいは、上記一対のスリットおよび横スリットを構成する各スリットの幅Wが、0.5~1.5mmに設定されているものは、中皿の着脱動作がよりスムーズになり、好適である。
【0024】
そして、本発明のなかでも、特に、上記中皿係止用の第1の突起の突出高さH1が0.25~0.8mm、同じく第2の突起の突出高さH2が0.3~0.85mmであり、H1<H2に設定されているものは、中皿と中皿収容凹部との係合保持が確実になされ、しかも取り出し動作もしやすいという利点を有し、好適である。
【0025】
また、本発明のなかでも、中皿の厚みが2~4mm、蓋体を閉じた状態における化粧料容器全体の厚みが7~10mmであるものは、全体として厚みの薄い、コンパクトな容器となり、携帯や収納に便利な上、樹脂量が削減されているため、廃棄しても環境負荷が小さいという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【
図4】上記実施の形態における容器本体と中皿とを示す分解斜視図である。
【
図5】(a)は上記容器本体の平面図、(b)はそのC-C’断面図である。
【
図8】(a)は上記容器本体の中皿収容凹部に設けられる第1の突起の説明図、(b)は同じく第2の突起の説明図である。
【
図9】上記実施の形態における中皿の平面図である。
【
図10】(a)は
図9のE-E’断面図、(b)は
図9のF-F’断面図、(c)は(a)において仮想円Pで囲った部分を拡大して示す説明図、(d)は(a)のG矢視図である。
【
図11】(a)は本発明の他の実施の形態において、容器本体に中皿を収容保持した状態を示す平面図、(b)は上記中皿の斜視図、(c)は(b)のJ矢視図である。
【
図12】(a)~(c)はいずれも、本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【
図13】(a)~(d)はいずれも、本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【
図14】従来の化粧料容器の一例を部分的に示す説明図である。
【
図15】従来の化粧料容器の他の例を部分的に示す説明図である。
【
図16】(a)は
図15の化粧料容器の、蓋体を閉じた状態を示す縦断面図、(b)は同じく、蓋体を開いた状態において中皿を手前に動かした状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の化粧料容器の一実施の形態を示す斜視図であり、
図2はそのA-A’断面図、
図3はそのB-B’断面図である。
これらの図に示されているとおり、この化粧料容器は、容器本体30と、この容器本体30の後端部にヒンジ連結される蓋体31とを備えており、上記容器本体30の上面には、中皿40収容するための中皿収容凹部32と、化粧筆等を収容するための用具収容凹部33とが形成されている(
図4を参照)。そして、上記中皿収容凹部32と用具収容凹部33の境界壁28は、その前後の端部を除いて大部分が切り欠かれて切欠き部29になっている。
【0029】
上記蓋体31の内側には、化粧用の鏡34が貼着されている。また、蓋体31の前端面中央には、容器本体30の前端面中央に設けられた突片と係合するための係止片35が設けられており、この係止片35による係脱によって、蓋体31が開閉できるようになっている。
【0030】
なお、上記容器本体30、蓋体31、中皿40はいずれも、樹脂の一体成形品で構成されている。材料となる樹脂の種類、成形方法は、適宜選択されるが、この例では、容器本体30と中皿40がアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)の射出成形品で構成され、蓋体31がアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)の射出成形品で構成されている。
【0031】
まず、上記容器本体30について説明する。この容器本体30の中皿収容凹部32には、その分解斜視図である
図4と、容器本体30の平面図である
図5(a)に示すように、その奥側(図面の向かって右側)の周壁部分36から底壁37にまたがって、互いに平行に延びる一対のスリット38が設けられており、上記一対のスリット38の、周壁部分36の上縁部に達した部分が、上縁部に沿って水平方向に延びる横スリット39によって一続きにつながっている。
【0032】
そして、上記周壁部分36の、上記一対のスリット38と横スリット39で囲われた部分に、中皿収容凹部32の内側に向かって突出する中皿係止用の第1の突起51が、横方向に3個、等間隔で設けられている。また、上記奥側の周壁部分36に対向する、上記中皿収容凹部32の手前側の周壁部分52に、上記第1の突起51に対峙する配置で、中皿収容凹部32の内側に向かって突出する、中皿係止用の第2の突起53が3個、横方向に等間隔で設けられている(
図5(a)のD-D’断面図である
図6を参照)。
【0033】
なお、上記中皿収容凹部32の底壁37には、前後2個所に貫通孔60が設けられている。これは、容器本体30の裏面側から棒状体を差し込むことによっても中皿収容凹部32内から中皿40を取り出すことができるよう配慮したものである。また、上記中皿収容凹部32の奥側の周壁部分36と容器本体30の奥壁54との間には、中空部55が設けられている(容器本体30の底面図である
図7を参照)。さらに、容器本体30の裏面の、用具収容凹部33が形成されている側の所定部分Sが、容器全体の軽量化を図るために、0.2mmだけ薄肉となる凹面に形成されている。
【0034】
上記中皿係止用の第1の突起51、第2の突起53を比べると、
図5(a)のC-C’断面図である
図5(b)に示すように、固定された手前側の周壁部分52に設けられた第2の突起53よりも、第1の突起51の方が、奥側の周壁部分36の、スリット38、39で囲われた部分が後方に撓みやすいため、動く自由度が大きくなっている。
【0035】
したがって、後述するように、上記第1の突起51と第2の突起53に係合するための小凹部43、45を備えた中皿40(
図10を参照)を、中皿収容凹部32内に収容する場合、中皿40の奥側の外壁部分42を、上記中皿収容凹部32の奥側の周壁部分36に押し当てて斜め下に押し込むようにすると、ごく軽い力で押すだけで、上記周壁部分36の、第1の突起51が設けられた部分が後方に撓んで、上記第1の突起51がパチンと中皿40側の第1の小凹部43内に入り込むと同時に、第2の小凹部45内にも上記第2の突起53が入り込んで、中皿40を安定した状態で収容保持することができるようになっている。また、逆に、中皿40を中皿収容凹部32から取り出す場合は、中皿40の奥側の外壁部分42を軽く上に持ち上げるようにすると、上記第1の突起51が設けられた周壁部分36が後方に撓んで、上記中皿40側の第1の小凹部43と上記第1の突起51との係合がすぐに外れるため、中皿40を簡単に取り出すことができる。
図5(b)では、中皿40を取り出す際の状態を一点鎖線で示している。
【0036】
なお、上記第1の突起51、第2の突起53は、上記中皿40との係合および脱着のしやすさを考慮して、この例では、以下に示すような形状になっている。まず、第1の突起51は、
図8(a)に示すように、その突出高さH1が0.4mm、上下方向の厚み幅D1が1.2mmに設定されている。そして、第1の突起51の上側の角部には、垂直方向に対する角度θ1が30°となるテーパが付けられ、同じく下側の角部には、垂直方向に対する角度θ1’が60°となるテーパが付けられている。
【0037】
また、第2の突起53は、
図8(b)に示すように、その突出高さH2が0.5mm、上下方向の厚み幅D2が1.2mmに設定されている。そして、第2の突起53の上側の角部には、垂直方向に対する角度θ2が30°となるテーパが付けられ、同じく下側の角部には、垂直方向に対する角度θ2’が60°となるテーパが付けられている。
【0038】
そして、上記第1の突起51、第2の突起53とも、横方向の幅寸法W1、W2は1.2mmに設定されている(
図6を参照)。
【0039】
一方、上記中皿収容凹部32内に収容される中皿40は、その平面図である
図9に示すように、上面に化粧料充填用凹部41が形成されており、
図9のE-E’断面図である
図10(a)に示すように、上記化粧料充填用凹部41の周囲を囲う外壁のうち、奥側(図面の向かって右側)の外壁部分42に、容器本体30側に設けられた第1の突起51と係合するための第1の小凹部43が設けられている。また、中皿40の、同じく手前側の外壁部分44に、容器本体30側に設けられた第2の突起53と係合するための第2の小凹部45が設けられている。
【0040】
上記第1の小凹部43と第2の小凹部45の断面形状は、互いに同一形状であり、その詳細を、
図10(a)の仮想円Pで囲った部分を拡大して示す
図10(c)に基づいて説明する。すなわち、上記第1の小凹部43(第2の小凹部45も同じ)は、その凹み深さH3が0.6mm、上下方向の凹み幅D3が1.4mmに設定されている。そして、第1の小凹部43の凹部内の上側の面には、垂直方向に対する角度θ3が30°となるテーパが付けられ、同じく下側の面には、垂直方向に対する角度θ3’が70°となるテーパが付けられている。また、上記小凹部43の横方向の幅寸法W3は2mmに設定されている[
図10(a)のG矢視図である
図10(d)を参照]。このように、上記小凹部43、45の寸法は、このなかに入り込む、容器本体30側の突起51、53の寸法よりも心持ち大きく設定されており、容器本体30の中皿収容凹部32内に中皿40が収容された状態で、上下左右に少しだけ余裕をもたせるようにして、着脱動作がしやすいように考慮している。
【0041】
なお、前記
図9のF-F’断面図である
図10(b)および
図10(d)に示すように、上記小凹部43、45の左右両側には、中皿40の外壁部分42、44の下端まで達する凹部46が、それぞれ設けられている。これらの凹部46は、容器本体30側において3個並んだ突起51、53のうちの中央の一つを利用して中皿40の小凹部43、45を係合させる際に、容器本体30側の、係合しない左右両側の突起が中皿40の外壁部分42、44に当たらないように、これらを逃げるためのものである。
【0042】
上記化粧料容器によれば、容器本体30側に設けられる、中皿40を係止するための第1の突起51が、中皿収容凹部32の周壁部分36から底壁37にまたがる一対の平行なスリット38と横スリット39で囲われた、前後に撓みやすい壁面に設けられているため、中皿収容凹部32に収容保持された中皿40を取り出す場合は、中皿40を、上記第1の突起51との係合部位を持ち上げる方向に少し傾けるだけで、簡単にその係合が外れて、中皿40を容易に取り出すことができる。
【0043】
このとき、中皿収容凹部32とその横に並ぶ用具収容凹部33との境界壁28は、その大半が切り欠かれて切欠き部29になっているため(
図4を参照)、この切欠き部29を利用して、中皿収容凹部32内の中皿40に、側方から手指をかけて持ち上げることができる。また、中皿40内の化粧料を使い切って空(から)になっている場合は、中皿40の内側に手指をかけて持ち上げることもできる。
【0044】
また逆に、中皿40を中皿収容凹部32内に収容する場合は、上記中皿収容凹部32の第1の突起51が設けられている側に、中皿40の一端側を軽く押し当てるようにして中皿40を入れると、中皿収容凹部32内に中皿40を簡単に嵌め込むことができる。
【0045】
したがって、生産工程において、容器本体30と中皿40の組み立て作業を効率よく行うことができる。また、この化粧料容器を購入した顧客が、使用済の中皿40を新しい中皿40に交換する際や、種類の異なる複数の化粧料を、中皿40を入れ換えて使用する際等に、中皿40の交換をスムーズに行うことができ、使い勝手がよい。
【0046】
しかも、上記の構成によれば、中皿収容凹部32の周壁部分36の高さが低くても、その自由度(撓みの程度)が大きいため、中皿収容凹部32と中皿40の厚み、さらには容器全体の厚みを薄くしても、中皿40の着脱をスムーズに行うことができる。したがって、この化粧料容器は、携帯や収納に便利なものとなるだけでなく、容器全体に使用する樹脂量を削減することができ、環境に配慮したものとなる。
【0047】
なお、上記の例では、中皿収容凹部32内において、第1の突起51および第2の突起53を、横方向にそれぞれ3個ずつ、すなわち3対設けているが、上記突起51、53によって中皿40を係止するには、これらを複数対設ける必要はなく、一対設ければよい。ただし、上記の例のように、横方向に等間隔で3対設けておくと、上記突起51、53を黒い点として模式的に示す
図11(a)に示すように、上記中皿40に代えて、中皿収容凹部32内に、2個の細幅の中皿70を左右に並べて収容することができるため、化粧料の種類や量の異なる複数種類の中皿40、70を、適宜組み合わせて用いることができ、好適である。
【0048】
上記細幅の中皿70の前後の外壁部分71、72には、
図11(b)のJ矢視図である
図11(c)に示すように、上記中皿収容凹部32内の突起51、53と係合するための小凹部73が設けられているとともに、上記中皿収容凹部32内の係合に用いられない残りの突起51、53を逃げるための凹部74が、上記小凹部73の両側に設けられている。
【0049】
また、上記細幅の中皿70を組み合わせた他の例として、例えば
図12(a)に示すように、容器の中皿収容凹部32を、中皿70が4個並ぶ幅の広いものとした例をあげることができる。この例では、先の例と同様の、スリット38、39で囲われた周壁部分36に3個一組で並ぶ第1の突起51(
図5を参照)を二組設け、同様に、3個一組の第2の突起53を二組設けることにより、
図12(b)、(c)に示すように、細幅の中皿70と、普通幅の中皿40を適宜組み合わせることにより、組み合わせ方のバリエーションを増やすことができる。
【0050】
さらに、例えば
図13(a)、(b)に示すように、容器本体30と中皿収容凹部32の前後の長さ(図面の左右方向の長さ)を短くして、より少量の化粧料を充填した中皿80、81を収容する構成にしてもよい。このように、より少量の単位で化粧料を提供した場合、未使用や使いかけの状態で無駄に廃棄する化粧料の量を削減することができ、経済的である。また、新規化粧料に対する購買意欲を高めることができるという利点も有する。
【0051】
また、例えば
図13(c)、(d)に示すように、一つの中皿収容凹部32内に隙間なく収容される2個一組の分割皿82、83を組み合わせて用いることにより、さらに化粧料配置のバリエーションを増やすことができる。これらの例においては、上記分割皿82、83の一方に、中皿収容凹部32内の第1の突起51と係合するための第1の小凹部を設け、上記分割皿82、83の他方に、同じく第2の突起53と係合するための第2の小凹部を設け、互いの、係合に供しない外壁部分同士を中皿収容凹部32内で突き合わせることによって、両者を中皿収容凹部32内で安定した状態で収容保持することができる。そして、一方の分割皿82、83の、第1の突起51と係合している側を持ち上げるだけで、簡単に、組み合わせられた2個の分割皿82、83を同時に取り出すことができるため、両者の配置を入れ替えたり、別の分割皿と入れ替えたりする作業をスムーズに行うことができる。
【0052】
なお、すでに述べたとおり、上記一連の実施形態において、中皿40等を中皿収容凹部32内から取り出す際、
図4に示すように、中皿収容凹部32と用具収容凹部33との間の境界壁28が切り欠かれている場合は、この切欠き部29を利用して、切欠き部29から露出している中皿40等の外壁部分に手指をかけて持ち上げることにより、中皿40等を簡単に取り出すことができる。また、中皿40等に充填された化粧料が残り少なかったり空(から)になっていたりする場合には、中皿40等の化粧料充填用凹部の内側から持ち上げても、簡単にこれを取り出すことができる。
【0053】
また、上記のような切欠き部29を設けることは必ずしも必要ではなく、中皿収容凹部32内に予備的に設けられている貫通孔60を利用して、容器裏面からピン等の棒状体を突き上げることによって中皿40等を取り出してもよい。
【0054】
あるいは、中皿40等の厚み寸法を、中皿収容凹部32の深さ寸法よりもやや大きくして、中皿40等の外壁上端部を中皿収容凹部32の開口縁部より少し上に突出させ、その突出部に手指をかけて上方に押し上げることにより、中皿40等を取り出すようにしてもよい。その場合、上記中皿40等が中皿収容凹部32の開口空突出する突出高さは、2mm以下に設定することが望ましい。
【0055】
また、上記のように中皿40等の外壁上端部を中皿収容凹部32の開口縁部から突出させるのではなく、中皿収容凹部32の開口縁部に、開口内側に向かって下り傾斜となるテーパ面を設けるようにしてもよい。その場合、上記テーパ面は、中皿収容凹部32の開口縁部の全周にわたって設ける必要はなく、少なくとも容器奥側の、第1の突起51が設けられている側の部分に設ければよい。上記テーパ面の傾斜の程度は、そのテーパ面と中皿40等との隙間に手指をかけて上方に押し上げることができる程度であれば、特に限定されない。
【0056】
さらに、上記一連の実施形態において、中皿収容凹部32の周壁部分36から底壁37にまたがる一対のスリット38のうち、底壁37に形成された部分の長さをM、スリット38が延びる方向における中皿収容凹部32の底壁37全体の長さをLとすると、上記M/Lは、容器本体30の材質や厚みにもよるが、通常0.05~0.15に設定されていることが好ましく、0.08~0.12であることがより好ましい[
図5(a)を参照]。上記M/Lの値が小さすぎると、スリット38と横スリット39とで囲われた周壁部分36の自由度が低くなって好ましくない。また、逆に、上記M/Lの値が大きすぎると、周壁部分36の自由度が必要以上に高くなるとともに、容器本体30の裏面に長くスリット38が形成されて目立ち、デザイン的にも衛生的にも好ましくない。
【0057】
また、上記一連の実施形態において、上記一対のスリット38と横スリット39を構成する各スリットの幅は、容器本体30の材質や厚みにもよるが、通常0.5~1.5mmに設定することが好ましく、0.7~1.2mmであることがより好ましい。上記スリットの幅が上記の範囲内であると、容器本体30に負担をかけることがなく、とりわけ中皿40等の着脱をスムーズに行うことができる。
【0058】
ちなみに、
図4、
図5に示す例では、上記一対のスリット38の、底壁37に形成された部分の長さMは5.5mmであり、底壁37全体の長さLは50mmである(M/L=0.11)。また、スリット38と横スリット39のスリット幅は、どの部分も1mmである。
【0059】
そして、上記一連の実施形態において、上記中皿収容凹部32の周壁部分36に設けられる第1の突起51の、
図8(a)に示す突出高さH1は、容器本体30の材質や大きさ、厚みにもよるが、通常0.25~0.8mmが好ましく、0.4~0.5mmがより好ましい。また、上記第1の突起51の上側の角部に付けられるテーパの角度θ1は、10~45°であることが好ましく、同じく下側の角部に付けられるテーパの角度θ1’は、45~70°であることが好ましい。
【0060】
また、同じく第2の突起53の、
図8(b)に示す突出高さH2も、容器本体30の材質や大きさ、厚みにもよるが、通常0.3~0.85mmが好ましく、0.5~0.7mmがより好ましい。また、上記第2の突起53の上側の角部に付けられるテーパの角度θ2は、10~45°であることが好ましく、同じく下側の角部に付けられるテーパの角度θ2’は、45~70°であることが好ましい。
【0061】
そして、上記H1よりもH2の方が大きく設定されていることが好ましい。すなわち、第1の突起51の方が、第2の突起53よりも自由度が高く、大きく動きうることから、上記のように設定することにより、より安定した状態で中皿40等を収容保持することができる。
【0062】
なお、本発明は、中皿と容器本体との着脱構造に特徴を有するものであり、その特徴的な構成があれば、中皿の形状も、化粧料容器全体の形状も、特に限定されるものではない。ただし、本発明の化粧料容器は、全体を薄型にすることができることが一つの特徴であり、例えば化粧料容器全体の厚みが7~13mmの容器、とりわけ7~10mmの容器に適用することが好適である。そして、中皿の厚みも、全体の厚みに応じて適宜薄くすることができ、例えば2~4mmというごく薄い厚みの中皿にも適用することができる。
【0063】
そして、中皿40等に充填する化粧料の種類も、どのような種類のものであってもよいが、中皿40等が樹脂の一体成形品であることから、樹脂皿に適した化粧料を充填することが望ましい。
【実施例0064】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
[実施例1]
上記実施の形態として
図1~
図10に示す構成の化粧料容器を、上記の記載に準じて用意した。
【0066】
<評価>
上記実施例1品について、モニター5名に、容器本体の中皿収容凹部内に、中皿を収容し、再度取り外す作業を5回繰り返して行わせた。そして、その着脱作業の容易性について評価させたところ、容器本体や中皿を傷めたりすることなく、スムーズに着脱することができた、との評価を得た。また、中皿の厚みと中皿収容凹部の周壁の厚みが薄く設定されているため、全体としても薄く、コンパクトで非常に端正で美麗な外観である、との評価を得た。
本発明は、中皿着脱タイプの化粧料容器であって、中皿および容器本体の厚みを薄くすることができ、しかも中皿の着脱をスムーズに行うことのできる、使い勝手のよい化粧料容器に利用することができる。