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特開2024-160779画像形成装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160779
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241108BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241108BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241108BHJP
   G16Y 10/75 20200101ALI20241108BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 387
B41J29/38 203
B41J29/00 Z
G16Y10/75
G16Y40/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076126
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】北形 圭
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL10
2C061HJ08
2C061HQ17
(57)【要約】
【課題】
ユーザーの登録に応じた稼働イベントデータの送信が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成装置は、当該画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持手段と、前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持手段と、前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて、前記画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御手段と、を有する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持手段と、
前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持手段と、
前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて、前記画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置はプリンターを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に記載されている種類に対応する前記画像形成装置の前記稼働イベントデータのみを前記所定の管理サーバーに送信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記アプリケーションサービスはクラウドサーバーにより提供されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記管理サーバーは、前記稼働イベントデータを前記クラウドサーバーに送信することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の管理サーバーはIoT管理サーバーを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持ステップと、
前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持ステップと、
前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて、前記画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御ステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の情報処理方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバーがクライアントにサービスを提供するクラウドコンピューティングが増えている。クラウドコンピューティングは、多くのコンピューティング・リソースを用いてデータ収集、データ分析処理を分散実行し、多くのクライアントからの要求を分散並列処理により並行して処理することが主な特徴である。
【0003】
このクラウドコンピューティングを実現するクラウドコンピューティング環境上にWebサービスを実装し、多種多様なサービスを提供するベンダーが乱立しつつある。クラウドサービスの開発において、すでにWeb上に多く提供されているサービスを有効活用し新しい機能を提供することで、開発スピードや開発コストの面で優位になる。
【0004】
又、近年多くの機器がインターネットにつながり、さまざまな機器の制御や、機器の稼働データをクラウドに送信し、クラウド上で使用する「Internet of Things、IoT」が広く一般に浸透し始めている。オフィス環境でも複合機、プロジェクター、ネットワークカメラといった多くの機器が稼働し、クラウドサービスにデータを送信している。
【0005】
更に、働き方の多様性により、ハイブリットワークの必要性が増している。クラウドプリントサービスや、スキャンサービス、消耗品発送サービスなど、プリンター又は、ユーザー向けクラウドサービスをシェアオフィス/自宅のプリンターとともに使用するケースが増えている。
【0006】
各組織の勤務者がシェアオフィスで同じプリンターを各々の組織が契約しているクラウドサービスとともに使用するケースがある。又、在宅勤務において、同じ家庭で複数の勤務者が、異なる組織に勤めているが、同じ家庭内のプリンターを各々の組織が契約しているクラウドサービスとともに使用するケースもある。
【0007】
特許文献1には、ユーザー認証機能を持たないプリンターにおいて、ユーザーが指定したアプリケーション機能に紐づいた監査ログのみを管理サーバーへ送信する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-131233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、プリンターを使用する各ユーザーが所属する組織が異なり、各組織が契約しているクラウドサービスも異なる場合がある。又、クラウドの各サービスで必要なプリンターの稼働データは、サービスの機能により異なるのが一般的である。
【0010】
従って、ユーザーが操作した結果生じた稼働データを単にサービスに送ってしまうと、許諾していないユーザーが操作した結果生じた稼働データでもサービスに送信してしまうという課題がある。
【0011】
本発明は上記の課題を改善し、ユーザーの登録に応じた稼働イベントデータの送信が可能な画像形成装置を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1側面の画像形成装置は、
画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持手段と、
前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持手段と、
前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて、画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザーの登録に応じた稼働イベントデータの送信が可能な画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係る画像形成装置の稼働イベントデータ収集システムの全体構成を示す図である。
図2】(A)は、画像形成装置102のハードウェア構成例を示す図、(B)は104~106の各サービスを行うための各情報処理装置のハードウェア構成の1例を示す図である。
図3】(A)は、IoT管理サーバー104のソフトウェア構成図、(B)は、アプリケーションサーバー105のソフトウェア構成図、(C)は、テナント管理サーバー106のソフトウェア構成図、(D)はクライアント端末103のソフトウェア構成図である。
図4】画像形成装置102のソフトウェア構成図である。
図5】画像形成装置からデバイス登録と所有者の許諾をとるシーケンスの例と、クライアント端末からアプリケーションサービスへの登録と使用者の許諾をとるシーケンスの例を示す図である。
図6】画像形成装置102の起動処理とクライアント端末103からアプリケーションサーバー105経由で印刷するクラウド印刷の情報処理方法の例について説明する図である。
図7】アプリケーションサービスを契約しているユーザーの、クライアント端末103から画像形成装置102に、印刷ジョブを直接送信して印刷する、ローカル印刷の場合の、情報処理方法の例を説明する図である。
図8】アプリケーションサービスを契約していないユーザーの、クライアント端末103から画像形成装置102に、印刷ジョブを直接送信して印刷するローカル印刷の場合の情報処理方法の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を、実施例を用いて説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各図において、同一の部材または要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0016】
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の稼働イベントデータ収集システムの全体構成を示す図である。図1において、ネットワーク100~101は、例えば、インターネット等のLAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ATMやフレームリレー回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等により実現される、いわゆる通信ネットワークである。
【0017】
ネットワーク100~101は、データの送受信が可能であれば良い。本実施例における、ネットワーク100はインターネットである。ネットワーク101はローカルネットワークなどである。
【0018】
画像形成装置102、クライアント端末103は、ローカルネットワーク101を介してインターネット等のネットワーク100にアクセスし、104~106のクラウドサービスにアクセスすることができる。
【0019】
クライアント端末103は、サービスを利用するユーザーが使用する端末であり、コンピュータを内蔵したモバイル端末などのデータ処理装置である。クライアント端末103は、画像形成装置102に対して印刷ジョブ送信、若しくは、アプリケーションサーバー105に対し印刷指示を送ることができる。
【0020】
画像形成装置102は、例えば印刷を行うためのプリンターを含むが、印刷機能のほか、コピー機能、スキャナ機能、ファクス送信機能等を備えても良い。ローカルネットワーク101は画像形成装置102やクライアント端末103が接続されているLANであって、LANを介して画像形成装置102やクライアント端末103は情報の相互通信を行うことができる。
【0021】
IoT管理サーバー104は、画像形成装置102の登録情報を管理する管理サーバーであり、画像形成装置102の稼働イベントデータを収集し、アプリケーションサーバー105に通知するサービスを行う。
【0022】
IoT管理サーバー104には、画像形成装置102毎のデバイス別送信データ情報が登録されている。デバイス別送信データ情報は、各画像形成装置102が送信すべき稼働イベントデータの種類を定義したものである。IoT管理サーバー104は、画像形成装置102が複数存在する場合には、複数の画像形成装置102の夫々のデバイス別送信データ情報を保持し管理する。
【0023】
アプリケーションサーバー105は、契約されたテナントのユーザーや画像形成装置102に対し、様々なアプリケーションサービスを提供するクラウドサーバーである。提供するサービスは、プリントサービス、スキャンサービス、消耗品自動配送サービス、監視サービス、故障管理サービスなど少なくとも1つを含む。本実施例では主にプリントサービスを例に説明する。
【0024】
テナント管理サーバー106は、各テナントが契約しているアプリケーションサーバー105を示す情報を保持する。テナント管理サーバー106は、契約済みテナントの所属ユーザーが各アプリケーションサーバー105に送信する必要があるユーザー別送信データの一覧を保持する。
【0025】
尚、契約済みテナントの所属ユーザーが各アプリケーションサーバー105に送信する必要があるユーザー別送信データは、当該ユーザーが上記契約において許諾した許諾情報に基づいて予め決められている。
【0026】
又、この一覧は、契約サービス情報をもとに作成、又は更新される。契約サービス情報は、各ユーザーが、画像形成装置102の稼働イベントデータを各アプリケーションサーバー105に対し送信して良いという許諾情報を含む。
【0027】
ここで、104~106の各サービスは、夫々別々のサーバーで、冗長化されたクラウドサービスとしてインターネット上に公開される。尚、各サービスの機能は、単体のサーバー又は単体の仮想サーバーによって実現しても構わないし、複数のサーバー又は複数の仮想サーバーによって実現しても構わない。或いは複数の仮想サーバーが単体のサーバー上で実現しても構わない。
【0028】
図2(A)は、画像形成装置102のハードウェア構成例を示す図である。ハードウェアの各構成要素は、システムバス200に接続されている。
【0029】
201は装置全体の制御を行うコンピュータとしてのCPUであり、ROM202等のメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによりシステムバス200に接続される各種デバイスを制御する制御手段として機能している。
【0030】
尚、この制御は、ディスクコントローラー(DKC205)を介して接続された外部メモリ206に記憶された制御用のコンピュータプログラム等をCPU201が実行することで行なっても良い。
【0031】
203はCPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【0032】
210は大容量メモリとして機能する記憶装置であり、本実施例に係る後述の430~435の機能を実現するためのコンピュータプログラムを格納している。209は操作パネル(操作部)であり、画面の表示や、画面を介したユーザーの操作指示を受け付ける。
【0033】
又、操作パネル209には、画像形成装置102の動作モード等の設定や画像形成装置102の動作状況の表示、複写指定等の操作を行うためのボタン及び液晶パネル等の表示部も配置される。204は、ネットワークI/F(インターフェース)であり、外部装置とのデータのやり取りを行うためのものである。208は、プリントエンジンであり、例えば電子写真方式(レーザービーム方式)やインクジェット方式、昇華方(熱転写)方式等による印刷を行う。
【0034】
207はラスタコントローラーであり、PDL(Page Description Language)やPDF(Portable Document Format)等の印刷データを画像データに変換するコントローラーである。211は機器I/F(インターフェース)であり、USB等で接続可能な外部機器との接続を行う。
【0035】
図2(B)は、104~106に示す各サーバー等の各情報処理装置のハードウェア構成の1例を示す図である。尚、104~106に示す各サーバー等の各情報処理装置は、夫々単体の装置であっても、夫々が複数の装置からなるシステムであっても良い。
【0036】
本実施例ではシステムバス219により各構成要素が接続されているものとして説明する。尚、104~106に示す各サーバー等の各情報処理装置は、LAN、WAN等のネットワークを介して各サービスを行う構成であっても良い。
【0037】
220は、コンピュータとしてのCPUであり、記憶装置225に格納されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステムや、本実施例に係るIoTデバイス管理システムプログラムを実行する。
【0038】
222は一時記憶手段であるRAMであり、プログラム実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納し、CPU220の主メモリやワークエリア等として機能する。221はROMであり、内部には基本I/Oプログラム等のコンピュータプログラムや各種データを記憶する。224は入力制御部である。
【0039】
104~106の各サーバー等の各情報処理装置は、入力制御部224を介して外部装置とのデータのやり取りを行う。225は外部記憶手段の1つで、大容量メモリとして機能する記憶装置であり、アプリケーションプログラム、OS等を格納している。
【0040】
図3(A)は、IoT管理サーバー104の機能ブロック図である。尚各ソフトウェアモジュールは図2(B)で示した記憶装置225に記憶されており、前述したようにCPU220によってRAM222にロードされ実行される。
【0041】
即ち、図3(A)に示される機能ブロックの一部は、情報処理装置に含まれるコンピュータとしてのCPU等に、記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
【0042】
又、図3(A)に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。尚、図3(A)に関する上記の説明は、図3(B)、図3(C)、図3(D)、図4についても同様に当てはまる。
【0043】
図3(A)における受信部300は、IoT管理サーバー104の各種インターフェースをHTTP(Hyper text Transfer Protocol)プロトコルで提供し、受け付けた情報の妥当性の検証を行う。
【0044】
HTTPプロトコルは、Webで標準的に利用されるプロトコルであり、サーバー間の連携やWeb Browserとサーバー間の連携に適している。受信部300では、画像形成装置102からデバイス別送信データ一覧の取得要求に対し、保持しているデバイス別送信データ一覧の中から、画像形成装置102のデバイス別送信データ一覧を特定し、それを画像形成装置102に送る。
【0045】
デバイス別送信データ管理部302は、画像形成装置102のデバイス別送信データ一覧を管理する。デバイス別送信データ一覧は、各画像形成装置102がクラウド契約に基づき送信すべき稼働イベントデータの種類を定義したものであり、クラウド契約に基づき、各画像形成装置102に対応したデバイス別送信データ一覧を有する。
【0046】
ここで、デバイス別送信データ一覧の例を以下の表1で示す。表1のシリアルIDは、画像形成装置102を一意に識別するIDである。テナントIDは、契約テナントを一意に識別するIDである。
【0047】
【表1】
【0048】
契約サービスは、各デバイスの所有者が契約しているアプリケーションサーバー105によるアプリケーションサービスの名称であり、契約サービスとしては、消耗品自動配送や故障管理、監視などのサービスがある。契約サービスが複数ある場合は、複数の名称を1つの値として保持する。
【0049】
送信イベントデータは、アプリケーションサーバー105がアプリケーションサービスを行うために必要な、画像形成装置102の稼働イベントデータの種類を示す情報である。例えば、契約しているアプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスが必要な、画像形成装置102の稼働イベントデータの種類をすべて含んだ情報を保持する。送信イベントデータとしては、消耗品情報や、課金情報や、アラーム、アラート、エラー、ジャム情報、部品情報、環境情報などがある。
【0050】
イベントデータ管理部303は、画像形成装置102から送信されたイベントデータを管理しストレージ304に保存する。尚、画像形成装置102で発生したイベントは、画像形成装置102の後述のコントローラー435が、後述のイベントデータ送信部442を介してIoT管理サーバー104に送信する。IoT管理サーバー104の受信部300は、イベントデータを受信しストレージ304に保存する。
【0051】
図3(B)は、アプリケーションサーバー105の機能ブロック図である。尚、本実施例では、アプリケーションサーバー105は、例としてプリントサービスを行う。尚、アプリケーションサーバー105の各ソフトウェアモジュールは図2で示した記憶装置225に記憶されており、前述したようにCPU220によってRAM222にロードされ実行される。
【0052】
アプリケーションサーバー105の受信部310は、Webサーバーであり、アプリケーションサーバー105の各種インターフェースをHTTPプロトコルで提供し、受け付けた情報の妥当性の検証を行う。受信部310は、クライアント端末103や画像形成装置102からの印刷指示、又は、ジョブ取得のリクエストを受信する。
【0053】
ジョブ管理部311は、クライアント端末103からの印刷指示で、印刷対象の文書を指定する情報を受け取り、ストレージ312から指定の文書を取得し、それを印刷ジョブに変換し、再びストレージ312に保存する。又、ジョブ管理部311は、画像形成装置102からの印刷ジョブ取得要求に対し、印刷ジョブが保存されているストレージ312の一時的な署名付きURLを作成し画像形成装置102に返信する。
【0054】
ジョブ管理部311は、クライアント端末103から取得した認証情報に紐づくユーザーIDが示すユーザー別送信データ一覧を、テナント管理サーバー106から取得する。このユーザー別送信データ一覧は、クライアント端末103にそのまま返信するか、印刷ジョブとともに画像形成装置102に返すためにストレージ312に一旦保存する。
【0055】
図3(C)は、テナント管理サーバー106の機能ブロック図である。尚、テナント管理サーバー106の各ソフトウェアモジュールは図2で示した記憶装置225に記憶されており、前述したようにCPU220によってRAM222にロードされ実行される。
【0056】
受信部320はWebサーバーであり、テナント管理サーバー106の各種インターフェースを提供し、受け付けた情報の妥当性の検証を行う。ユーザー別送信データ管理部321は、画像形成装置102が送信すべき稼働イベントデータの種類を定義した、画像形成装置102のユーザー別送信データ一覧情報を管理する。
【0057】
ユーザー別送信データ一覧は、ユーザーが操作した結果生じる画像形成装置102の稼働イベントデータ種類を定義したものであり、クラウド契約に基づき、ユーザーごとに1つのユーザー別送信データ一覧が定義されている。
【0058】
ここで、ユーザー別送信データ一覧の例を以下の表2で示す。表2のユーザーIDは、認証済みユーザーを一意に識別するIDである。テナントIDは、契約テナントを一意に識別するIDである。
【0059】
【表2】
【0060】
契約サービスは、ユーザーが所属するテナントが契約しているアプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスの名称であり、印刷サービス、スキャンサービス、モニターサービスなどのサービスがある。契約サービスが複数ある場合は、複数の名称を1つの値として保持する。
【0061】
送信イベントデータは、アプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスにとって必要な、画像形成装置102の稼働イベントデータの種類を示す情報である。即ち、契約しているアプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスが必要とする、画像形成装置102の稼働イベントデータの種類をすべて含んだ情報を保持する。
【0062】
送信イベントデータとしては、印刷ジョブ情報や、スキャンジョブ情報や、課金情報や、アラーム、アラート、エラー、ジャム情報、セキュリティ設定情報などのイベントデータがある。
【0063】
図3(D)はクライアント端末103の機能ブロック図である。クライアントアプリケーション351は、電子データを作成、表示、編集する一般的な電子データ処理ソフトである。ユーザーがクラウドサービスに保存されている電子データをクライアントアプリケーション351で表示し、そのコンテンツを印刷するユースケースについて説明する。
【0064】
ユーザーが表示している電子データをアプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスで印刷するには、クラウドプリンタドライバー350を指定して印刷を実行する。クラウドプリンタドライバー350では、アプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスとの認証を行い、認証が通ると、アプリケーションサーバー105の受信部310にアクセスして、印刷する電子データを特定する識別情報を渡す。
【0065】
アプリケーションサーバー105は、テナント管理サーバー106からユーザー別送信データ一覧を取得する。そしてアプリケーションサーバー105は、クライアント端末103から受信した電子データを印刷ジョブに変換し、ユーザー別送信データ一覧とともにストレージ312に保存する。
【0066】
画像形成装置102は、アプリケーションサーバー105に定期的にアクセスする。そして、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧の保存先の一時署名付きURLが取得できた場合は、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧を取得し印刷を実行する。
【0067】
次に、ユーザーがクライアント端末103に保存されている電子データをクライアントアプリケーション351で表示し、そのコンテンツを印刷するユースケースについて説明する。
【0068】
ユーザーが、クラウドプリンタドライバー350を指定して印刷を実行すると、クラウドプリンタドライバー350は、アプリケーションサーバー105にアクセスする。アプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスとの認証を行い、認証が通らない場合、クラウドプリンタドライバー350は、画像形成装置102に印刷ジョブを送信する。画像形成装置102は印刷ジョブを受け取ると、印刷処理を実行する。
【0069】
一方、アプリケーションサーバー105のアプリケーションサービスの認証が通ると、アプリケーションサーバー105の受信部310にアクセスし、アプリケーションサーバー105の、テナント管理サーバー106からユーザー別送信データ一覧を取得する。
【0070】
アプリケーションサーバー105は、クラウドプリンタドライバー350にユーザー別送信データ一覧を返信する。クラウドプリンタドライバー350は、画像形成装置102のイベントデータ送信部442にユーザー別送信データ一覧を送信する。そして、クラウドプリンタドライバー350は、画像形成装置102に印刷ジョブを送信し、画像形成装置102は印刷処理を実行する。
【0071】
図4は、画像形成装置102の機能ブロック図である。画像形成装置102はCPU201がROM202、或いは外部メモリ206に記憶されたOSを実行する事で各アプリケーションを制御し、図4に示した機能ブロックを実現する。
【0072】
430は画像形成装置102のOSであり、一般的にはリアルタイムOSが使用されるが、Linux(登録商標)等の汎用OSを使用しても良い。431は仮想マシンであり、例えばJava(登録商標)VM(virtual machine)等を用いる。
【0073】
この仮想マシン431は、OSで制御されるアプリケーションとして動作する仮想的なアプリケーション実行環境である。アプリケーション管理フレームワーク432は、仮想マシン431が提供するアプリケーション実行環境上で動作する、管理対象のアプリケーションのライフサイクルを管理する機能を備える。
【0074】
またアプリケーションのライフサイクルを制御するI/F、及び各アプリケーション間での処理要求を仲介するためのI/F公開機能を備えている。ライフサイクルとはアプリケーションのインストール、起動、停止、アンインストールを含むアプリケーションの状態を示すものとする。
【0075】
本実施例におけるアプリケーション管理フレームワーク432は、OSGi(Open Services Gateway initiative)アライアンスで規定されたOSGi(登録商標)である。
【0076】
IoTクライアント433は仮想マシン431が提供するアプリケーション実行環境にて動作するアプリケーションである。これらアプリケーションはApplication IDで識別され、アプリケーション管理フレームワーク432にてライフサイクル管理されている。
【0077】
ここで、アプリケーション管理フレームワーク432で動作するアプリケーションは、画像形成装置102が予め有するものでも良いし、アプリケーション管理フレームワーク432を介して後からインストールされるものでも良い。
【0078】
IoTクライアント433は、IoT管理サーバー104のクライアントアプリケーションであり、画像形成装置102の稼働イベントデータをIoT管理サーバー104に送信する機能を有する。
【0079】
受信部440は、起動時にIoT管理サーバー104からデバイス別送信データ一覧を取得する。又、受信部440は、クライアント端末103のクラウドプリンタドライバー350からユーザー別送信データ一覧が送られてきた場合に、ユーザー別送信データ一覧を保持する。
【0080】
そして、イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に定義されている稼働イベントデータのみIoT管理サーバー104に送信する。
【0081】
コントローラー435は、画像形成装置102の印刷、コピー、FAXなどの機能処理や状態管理を行う制御ソフトである。例えば、クライアント端末103から印刷ジョブを受信し印刷処理を実行し、その印刷処理の状態や機器状態の変化により発生する稼働イベントデータを、イベントデータ送信部442を介し、IoT管理サーバー104に送信させる。
【0082】
この時、上述のように、イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧及びユーザー別送信データ一覧により定義されているイベントデータのみ、IoT管理サーバー104に送信する。
【0083】
ジョブ実行部441は、定期的にアプリケーションサーバー105に通信する。そして、自分が処理すべき印刷ジョブがあるかを、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧の保存先の一時署名付きURLが取得できるかで確認する。
【0084】
URLを取得できた場合は、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧を取得する。取得したユーザー別送信データ一覧は、イベントデータ送信部442に渡す。印刷ジョブは、コントローラー435で印刷処理を実行する。434は認可クライアントである。
【0085】
図5は、画像形成装置からデバイス登録と所有者の許諾をとるシーケンスの例と、クライアント端末からアプリケーションサービスへの登録と使用者の許諾をとるシーケンスの例を示す図である。尚、各部(102~106)のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図5のシーケンスの各ステップの動作が順次行われる。
【0086】
最初に、画像形成装置102から、所有者による許諾を取得したうえでデバイス登録するシーケンスについて説明する。ステップS501で、画像形成装置102内のIoTクライアント433が、IoT管理サーバー104に、所有者に提示するための許諾確認情報を要求する。
【0087】
その応答によって許諾確認情報を受け取り、一旦保存する。ステップS502で、画像形成装置102の操作パネル209に許諾確認情報(サービス契約情報)を表示する。所有者から許諾する旨の操作を受け取ると、ステップS503で、IoTクライアント433は、許諾情報をIoT管理サーバー104に送り、デバイス登録を要求する。
【0088】
ステップS504で、IoT管理サーバー104のデバイス別送信データ管理部302は、デバイス別送信データ一覧を作成する。ここで、デバイス別送信データ一覧は、画像形成装置102が契約しているアプリケーションサーバー105が、アプリケーションサービスを実行するために必要とするイベントデータを記したものである。ステップS505で、IoT管理サーバー104はデバイス登録を行い、そのことをIoTクライアント433に通知する。
【0089】
次に、クライアント端末103から、ユーザーの許諾を得たうえでアプリケーションサーバー105へ登録をするシーケンスについて説明する。ステップS506で、クライアント端末103は、アプリケーションサーバー105に、アプリケーションサービスに関する許諾確認情報(サービス契約情報)を要求する。
【0090】
その応答で許諾確認情報を受け取ると、ステップS507において、クライアント端末103で、サービス契約情報を表示する。クライアント端末103で、ユーザーがサービス契約情報を許諾する旨の操作を受け取ると、ステップS508で、クライアント端末103は、サービス許諾情報をテナント管理サーバー106に送り、サービス登録を要求する。
【0091】
ステップS509で、テナント管理サーバー106は、許諾したユーザーの、ユーザー別送信データ一覧の作成、又は更新を行う。ユーザーの特定は、クライアント端末103からの要求とともに送信される、認可トークンから、ユーザー情報を割り出し、その情報をもとにユーザーを特定する。
【0092】
又、ユーザー別送信データ一覧は、アプリケーションサーバー105が、許諾されたアプリケーションサービスを行うために必要なイベントデータを記した一覧を作成する。ステップS510で、テナント管理サーバー106は、許諾済みサービスの登録を行う。
【0093】
ここで、表3はアプリケーションサーバー105ごとに定義された、サービスの許諾者と許諾事項の例を示す表であり、サービスの許諾者が、デバイスの所有者であるか、使用者(ユーザー)であるか、を示す情報を含む。
【0094】
又、許諾事項は、アプリケーションサーバー105ごとに必要な、画像形成装置102の稼働イベントデータの種類である。この許諾事項をアプリケーションサーバー105が収集することを、ユーザーに許諾してもらう必要があり、上記のサービス契約情報にはそのことが記載されている。
【0095】
【表3】
【0096】
図6は、画像形成装置102の起動処理と、クライアント端末103からアプリケーションサーバー105経由で印刷する、クラウド印刷の情報処理方法の例について説明する図である。尚、各部内のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図6のシーケンスの各ステップの動作が順次行われる。
【0097】
ステップS601で、画像形成装置102が起動すると、画像形成装置102のIoTクライアント433は、IoT管理サーバー104にデバイス別送信データ一覧を要求し、取得し保存する。
【0098】
ここで、ステップS601は、画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持ステップ(第1の保持手段)として機能している。
【0099】
次に、クライアント端末103からアプリケーションサーバー105経由で印刷するクラウド印刷のシーケンスについて説明する。ステップS602で、クライアント端末103はジョブ実行指示をアプリケーションサーバー105に送る。ジョブ実行指示には、クラウドで保存されている印刷対象の電子データの識別情報と、アプリケーションサーバー105にアクセスするための認可トークンが含まれる。
【0100】
アプリケーションサーバー105は、ジョブ実行指示を認可し、認可トークンから印刷実行ユーザーを特定して、ステップS603で、テナント管理サーバー106から、特定したユーザーのユーザー別送信データ一覧を要求し、取得する。
【0101】
ステップS604で、アプリケーションサーバー105は、識別情報をもとに、保存されている印刷対象の電子データを取得して、印刷ジョブを作成する。印刷ジョブのデータ形式は、画像形成装置102が理解できるPDL(Page Description Language)形式などを用いる。
【0102】
ステップS605で、画像形成装置102のジョブ実行部441は、定期的にアプリケーションサーバー105に通信する。そして、自分が処理すべき印刷ジョブがあるかを、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧を取得できるか確認する。確認方法としては、保存先の一時署名付きURLが取得できるかで確認する。
【0103】
URLを取得できた場合は、印刷ジョブとユーザー別送信データ一覧を取得し保存する。取得したユーザー別送信データ一覧は、イベントデータ送信部442に渡す。ここで、ステップS605は、画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持ステップ(第2の保持手段)として機能している。
【0104】
ステップS606で、コントローラー435は、取得した印刷ジョブの印刷処理を実行する。印刷処理を実行すると、印刷処理中のイベントが発生し、ステップS607で、IoTクライアント433のイベントデータ送信部442が、ジョブ実行部441からイベントデータを取得する。
【0105】
ステップS608で、IoTクライアント433は、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載されたイベントデータを、送るデータとし、ステップS609で、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301に送る。
【0106】
ここで、ステップS609は、デバイス別送信データ一覧及びユーザー別送信データ一覧に基づいて画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御ステップ(制御手段)として機能している。ここで選択的に送信する、とは、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載されたイベントデータのみを選択して送信する、という意味であるが、それ以外のデータを付加的に送っても良い。
【0107】
以上のように、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載されたイベントデータだけを、IoT管理サーバー104に送る。それにより、所有者に許諾されたイベントデータと、ジョブを実行したユーザーに許諾されたイベントデータのみ、クラウドサービスに送ることが可能となる。
【0108】
ステップS610で、IoT管理サーバー104は、アプリケーションサーバー105に、画像形成装置102から取得したイベントデータを送信する。即ち、IoT管理サーバー104は、稼働イベントデータをクラウドサーバーに送信する。
【0109】
コントローラー435が印刷処理を完了すると、印刷完了のイベントが発生し、ステップS611で、IoTクライアント433のイベントデータ送信部442が、ジョブ実行部441からイベントデータを取得する。
【0110】
ステップS612で、IoTクライアント433は、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。そしてデバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載された、イベントデータを送るデータとする。そして、ステップS613で、IoTクライアント433は、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301に、ステップS612で決定されたデータを送る。
【0111】
このように本実施例では、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載の、イベントデータだけをIoT管理サーバー104に送る。それによって、所有者に許諾されたイベントデータと、ジョブ実行したユーザーに許諾されたイベントデータだけを、クラウドサービスに送ることが可能となる。ステップS614で、IoT管理サーバー104は、アプリケーションサーバー105に、画像形成装置102から取得したイベントデータを送信する。
【0112】
ステップS615で、IoTクライアント433は、ユーザー別送信データ一覧を削除する。IoTクライアント433は、許諾されたユーザーの、ユーザー別送信データ一覧だけ、印刷時にアプリケーションサーバー105から取得可能である。
【0113】
更に印刷完了時にユーザー別送信データ一覧を削除することで、次の印刷時に許諾されたユーザーの、ユーザー別送信データ一覧だけを参照することになる。これにより、IoTクライアント433は、許諾されたユーザーが送信可能なイベントデータのみ、IoT管理サーバー104に送信することになる。
【0114】
図7は、アプリケーションサービスを契約しているユーザーの、クライアント端末103から画像形成装置102に、印刷ジョブを直接送信して印刷する、ローカル印刷の場合の、情報処理方法の例を説明する図である。尚、各部のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図7のシーケンスの各ステップの動作が順次行われる。
【0115】
ステップS701で、クライアント端末103はジョブ実行指示をアプリケーションサーバー105に送る。ジョブ実行指示には、アプリケーションサーバー105にアクセスするための認可トークンが含まれる。
【0116】
アプリケーションサーバー105は、ジョブ実行指示を認可し、認可トークンから印刷実行ユーザーを特定して、ステップS702で、テナント管理サーバー106から、特定したユーザーのユーザー別送信データ一覧を取得する。
【0117】
ステップS703で、クライアント端末103のクラウドプリンタドライバー350は、印刷対象の電子データを、クライアントアプリケーション351から取得して、印刷ジョブに変換することで印刷ジョブを作成する。印刷ジョブのデータ形式は、画像形成装置102が理解できる例えばPDL形式等とする。
【0118】
ステップS704で、クライアント端末103のクラウドプリンタドライバー350は、IoTクライアント433に、ユーザー別送信データ一覧を送信する。ステップS705で、クラウドプリンタドライバー350は、印刷ジョブを画像形成装置102のジョブ実行部441に送信する。
【0119】
ステップS706で、コントローラー435は、ジョブ実行部441により取得した印刷ジョブの印刷処理を実行する。印刷処理を実行すると印刷処理中のイベントが発生し、ステップS707で、IoTクライアント433が、ジョブ実行部441からイベントデータを取得する。
【0120】
ステップS708で、IoTクライアント433は、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載されたイベントデータを、送るデータとする。そしてそのイベントデータを、ステップS709で、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301に送る。
【0121】
このように、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載の、イベントデータだけをIoT管理サーバー104に送る。従って、所有者に許諾されたイベントデータと、ジョブ実行したユーザーに許諾されたイベントデータのみを、クラウドサービスに送ることが可能となる。ステップS710で、IoT管理サーバー104は、アプリケーションサーバー105に、画像形成装置102から取得したイベントデータを送信する。
【0122】
コントローラー435が印刷処理を完了すると印刷完了のイベントが発生し、ステップS711で、IoTクライアント433のイベントデータ送信部442がジョブ実行部441からイベントデータを取得する。ステップS712で、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。
【0123】
イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載された、イベントデータを送るデータとする。ステップS713で、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301に送る。
【0124】
このように、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載の、イベントデータだけを、IoT管理サーバー104に送る。それにより、所有者に許諾されたイベントデータと、ジョブ実行したユーザーに許諾されたイベントデータのみクラウドサービスに送ることが可能となる。
【0125】
ステップS714で、IoT管理サーバー104は、アプリケーションサーバー105に画像形成装置102から取得したイベントデータを送信する。ステップS715で、IoTクライアント433は、ユーザー別送信データ一覧を削除する。
【0126】
図8は、アプリケーションサービスを契約していないユーザーの、クライアント端末103から画像形成装置102に、印刷ジョブを直接送信して印刷するローカル印刷の場合の情報処理方法の例を説明する図である。尚、各部内のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図8のシーケンスの各ステップの動作が順次行われる。
【0127】
ステップS801で、クライアント端末103は、ジョブ実行指示をアプリケーションサーバー105に送る。アプリケーションサービスを契約していないユーザーのジョブ実行指示なのでエラーが返る。
【0128】
ステップS802で、クライアント端末103のクラウドプリンタドライバー350は、印刷対象の電子データをクライアントアプリケーション351から取得して、印刷ジョブに変換することで印刷ジョブを作成する。
【0129】
印刷ジョブのデータ形式は、画像形成装置102が理解できる例えばPDL形式等である。ステップS803で、クラウドプリンタドライバー350は、印刷ジョブを画像形成装置102に送信する。ステップS804で、コントローラー435は、取得した印刷ジョブの印刷処理を実行する。
【0130】
印刷処理を実行すると印刷処理中のイベントが発生し、ステップS805で、IoTクライアント433のイベントデータ送信部442がジョブ実行部441からイベントデータを取得する。
【0131】
ステップS806で、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧に記載されたイベントデータを送るデータとする。
【0132】
ステップS807で、イベントデータ送信部442は、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301にイベントデータを送る。ユーザー別送信データ一覧がないため、デバイス所有者が許諾したイベントデータのみIoT管理サーバー104に送る。
【0133】
コントローラー435が印刷処理を完了すると印刷完了のイベントが発生し、ステップS808で、IoTクライアント433のイベントデータ送信部442がジョブ実行部441からイベントデータを取得する。
【0134】
ステップS809で、IoT管理サーバー104に送るイベントデータを決める。イベントデータ送信部442は、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載された、イベントデータを送るデータとする。ステップS810で、IoT管理サーバー104のイベントデータ受信部301に送る。
【0135】
即ち、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に記載されている種類に対応する画像形成装置の稼働イベントデータのみをIoT管理サーバー104に送る。従って、所有者に許諾されたイベントデータと、ジョブ実行した使用者に許諾されたイベントデータのみクラウドサービスに送ることが可能となる。
【0136】
以上のように、本実施例によれば、ユーザーが許諾した場合に、ユーザーが操作して発生する、クラウドに送信する画像形成装置102のイベントデータを、ユーザー別送信データ一覧として作成する。
【0137】
そして、画像形成装置102からIoT管理サーバー104にイベントデータ等を送信するときに、デバイス別送信データ一覧とユーザー別送信データ一覧に定義された、イベントデータだけ送る。従って、ユーザー許諾に従った画像形成装置102の稼働イベントデータのクラウド送信を実現することができる。
【0138】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。尚、上記実施例は、以下の組み合わせを含む。
【0139】
(構成1)画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持手段と、前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持手段と、前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて前記画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【0140】
(構成2)前記画像形成装置はプリンターを含むことを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
【0141】
(構成3)前記制御手段は、前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に記載されている種類に対応する前記画像形成装置の前記稼働イベントデータのみを前記所定の管理サーバーに送信することを特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
【0142】
(構成4)前記アプリケーションサービスはクラウドサーバーにより提供されることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0143】
(構成5)前記管理サーバーは、前記稼働イベントデータを前記クラウドサーバーに送信することを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
【0144】
(構成6)前記所定の管理サーバーはIoT管理サーバーを含むことを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0145】
(方法)画像形成装置が登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータの種類を含むデバイス別送信データ一覧を取得して保持する第1の保持ステップと、前記画像形成装置のユーザーが登録しているアプリケーションサービスに必要な稼働イベントデータを含むユーザー別送信データ一覧を取得して保持する第2の保持ステップと、前記デバイス別送信データ一覧及び前記ユーザー別送信データ一覧に基づいて前記画像形成装置の稼働イベントデータを選択的に所定の管理サーバーに送信する制御ステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の情報処理方法。
【0146】
(プログラム)構成1~6のいずれか1つに記載の画像形成装置の各手段をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【0147】
尚、上記実施例における制御の一部又は全部を実現するために、上述した実施例の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して各装置やシステム等に供給するようにしてもよい。そしてその装置やシステム等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がそのプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0148】
102:画像形成装置
103:クライアント端末
104:IoT管理サーバー
105:アプリケーションサーバー
106:テナント管理サーバー
433:IoTクライアント
435:コントローラー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8