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特開2024-16078スラスタ支援プラズマ微粒化を使用した大量の超微細球状粉末の費用効率の良い生産方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016078
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】スラスタ支援プラズマ微粒化を使用した大量の超微細球状粉末の費用効率の良い生産方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/14 20060101AFI20240130BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20240130BHJP
   B22F 3/115 20060101ALI20240130BHJP
   B22F 10/00 20210101ALI20240130BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20240130BHJP
   B22F 1/065 20220101ALI20240130BHJP
   B22F 1/05 20220101ALI20240130BHJP
   C22C 14/00 20060101ALN20240130BHJP
【FI】
B22F9/14 Z
B22F3/02 S
B22F3/115
B22F10/00
B22F1/00 R
B22F1/065
B22F1/05
C22C14/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】50
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182485
(22)【出願日】2023-10-24
(62)【分割の表示】P 2020502660の分割
【原出願日】2018-07-23
(31)【優先権主張番号】62/535,730
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513235739
【氏名又は名称】パイロジェネシス・カナダ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・アレックス・ドルヴァル・ディオン
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・プルー
(57)【要約】
【課題】金属粒子プラズマ微粒化プロセスおよび装置を提供する。
【解決手段】金属粒子プラズマ微粒化プロセスおよび装置は、少なくとも1つのプラズマトーチと、閉じ込めチャンバと、閉じ込めチャンバの下流に配置されるノズルと、ノズルの下流に配置されるディフューザと、を備える。ノズルは、少なくとも1つのプラズマトーチによって製造された液体金属粒子およびプラズマガスを超音速に加速させ、それによって液体金属粒子はより細かい粒子に剪断させる。ディフューザは、ノズルの出口にスタラクタイトが形成されることを避けるために、プラズマの温度を上昇させるためにプラズマガスに衝撃波を発生させる。このプロセスは、生産速度および-45μmの粉末の生産量の両方を上昇させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置であって、
- 前記原料を液体粒子に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- 前記液体粒子と、高温ガスおよびプラズマの少なくとも一方の混合物とを加速させるための加速デバイスであって、前記液体粒子をより細かい液体粒子に剪断するよう構成されている加速デバイスと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記加速デバイスがノズルを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、前記プラズマを超音速に加速して前記液体粒子を別々に剪断するよう構成されたスラスタを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スラスタの下流端部にはディフューザが設けられており、
前記ディフューザは、実質的にノズルの出口においてスタラクタイトが形成されることが実質的に防止されるように、かつ/または、前記出口においてプラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ディフューザは、例えばスタラクタイトの形成を回避するために、ジェットに衝撃波を生じさせ、それによって前記ディフューザにおいて前記プラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記加速デバイスは、前記液体粒子が微粒化領域を出てかつ付随物を発生させる領域を作り出さない程度まで、超音速ガス流を用いて前記液体粒子を加速させるよう構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記加速デバイスは、ドラバルノズルを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
粒度分布が、ガス-金属比と前記ドラバルノズルの形状とを変えることによって調整できることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記加速デバイスの上流には閉じ込めチャンバが設けられており、
ワイヤなどの前記原料が、前記閉じ込めチャンバ内で溶融されて、粗い液滴へと一次的に微粒化されるよう構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記閉じ込めチャンバの上流に収束キャップが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
3つのプラズマトーチが設けられ、かつ前記閉じ込めチャンバの上流には収束キャップが設けられており、
前記収束キャップは、前記閉じ込めチャンバ内に3つの前記プラズマトーチの前記プラズマをまとめるよう構成されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
アルゴンがプラズマガスとして使用されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
プラズマガスは、プラズマ特性を調整するための少なくとも1つの添加剤、例えば前記プラズマの熱伝導率を向上させるためにアルゴンプラズマに添加されるヘリウムまたは水素などを含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記原料が、ワイヤ、粉末、棒材、インゴット、および溶融された供給材料のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
5つのプラズマトーチのうち3つのプラズマトーチが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置であって、
- 前記原料を液体粒子に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- ズルの上流に設けられた閉じ込めチャンバであって、高温であり、かつ前記原料が前記ノズルに供給される前に前記原料を溶融するよう構成されている、閉じ込めチャンバと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項17】
前記ノズルが超音速ノズルを含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記閉じ込めチャンバの下流に配置されたスラスタを含んでおり、
前記スラスタは、プラズマを超音速に加速し、かつ前記液体粒子を別々に剪断するよう構成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記スラスタの下流端部にディフューザが設けられており、
前記ディフューザは、実質的に前記ノズルの出口においてスタラクタイトが形成されることを実質的に防止するよう、かつ/または、前記出口においてプラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ディフューザは、例えばスタラクタイトの形成を回避するために、ジェットに衝撃波を発生させ、それによって前記ディフューザで前記プラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記スラスタは、前記液体粒子が微粒化領域を出てかつ付随物を発生させる領域を作り出さない程度まで、超音速ガス流を用いて前記液体粒子を加速させるよう構成されていることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記ノズルがドラバルノズルを含むことを特徴とする請求項16から請求項21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置であって、
- 前記原料を液体粒子および/または液滴に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- 高温ガスを用いて前記液体粒子を超音速に加速させるための加速デバイスであって、前記液体粒子および/または前記液滴をより細かい液体粒子および/または液滴に剪断するよう構成されている、加速デバイスと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の前記装置によって製造される粒子。
【請求項25】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスであって、
- 前記原料を液体粒子に微粒化するステップと、
- 前記液体粒子をより細かい液体粒子に剪断するように、前記液体粒子と、高温ガスおよびプラズマの少なくとも一方の混合物とを加速させるステップと、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項26】
前記液体粒子を加速させるためにノズルが設けられていることを特徴とする請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記液体粒子を別々に剪断するために、前記プラズマが超音速に加速されることを特徴とする請求項25または請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記プラズマを超音速に加速させるためにスラスタが設けられていることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記スラスタの下流端部にディフューザが設けられ、
前記ディフューザは、実質的にノズルの出口においてスタラクタイトが形成されることを実質的に防止するように、かつ/または前記出口におけるプラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記ディフューザは、例えばスタラクタイトの形成を回避するために、ジェットに衝撃波を発生させ、それによって前記ディフューザにおいて前記プラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記液体粒子は、液体粒子が微粒化領域を出てかつ付随物を発生させる領域を作り出さない程度まで、超音速ガス流を用いて加速されるよう適合されていることを特徴とする請求項25から請求項30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
ドラバルノズルが前記液体粒子を加速させるために設けられていることを特徴とする請求項25から請求項31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
ガス-金属比と前記ドラバルノズルの形状とを変えることによって、粒度分布を調整できることを特徴とする請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
ノズルの上流には閉じ込めチャンバが設けられ、
ワイヤなどの前記原料は、前記閉じ込めチャンバ内で溶融されて粗い液滴へと一次的に微粒化されるよう適合されていることを特徴とする請求項26から請求項30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記閉じ込めチャンバの上流に収束キャップが設けられることを特徴とする請求項34に記載のプロセス。
【請求項36】
3つのプラズマトーチが設けられ、かつ前記閉じ込めチャンバの上流に収束キャップが設けられ、
前記収束キャップが、前記閉じ込めチャンバ内に3つの前記プラズマトーチの前記プラズマをまとめるよう構成されていることを特徴とする請求項34に記載のプロセス。
【請求項37】
アルゴンがプラズマガスとして使用されることを特徴とする請求項25から請求項36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
プラズマガスは、プラズマ特性を調整するための少なくとも1つの添加剤、例えば前記プラズマの熱伝導率を向上させるためにアルゴンプラズマに添加されるヘリウムまたは水素などを含むことを特徴とする請求項25から請求項37のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項39】
前記原料が、ワイヤ、粉末、棒材、インゴット、および溶融された供給材料のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項25から請求項38のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項40】
5つのプラズマトーチのうち3つのプラズマトーチが設けられことを特徴とする請求項25から請求項39のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスであって、
- 前記原料を液体粒子に微粒化するステップと、
- ノズルの上流に閉じ込めチャンバを設けるステップであって、前記閉じ込めチャンバは、高温でありかつ前記原料が前記ノズルに供給される前に前記原料を溶融するよう構成されている、ステップと、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項42】
前記ノズルが超音速ノズルを含むことを特徴とする請求項41に記載のプロセス。
【請求項43】
前記閉じ込めチャンバの下流にはスラスタが設けられかつ配置され、
前記スラスタは、プラズマを超音速に加速させるようかつ前記液体粒子を別々に剪断するよう構成されていることを特徴とする請求項41または請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記スラスタの下流端部にディフューザが設けられ、
前記ディフューザは、実質的に前記ノズルの出口においてスタラクタイトが形成されることを実質的に防止するよう、かつ/または、前記出口におけるプラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記ディフューザは、例えばスタラクタイトの形成を回避するために、ジェットに衝撃波を発生させ、それによって前記ディフューザにおいて前記プラズマ温度を再上昇させるよう構成されていることを特徴とする請求項44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記スラスタは、前記液体粒子が微粒化領域を出てかつ付随物を発生させる領域を作り出さない程度まで、超音速ガス流を用いて前記液体粒子を加速させるよう構成されていることを特徴とする請求項43から請求項45のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記ノズルがドラバルノズルを含むことを特徴とする請求項41から請求項46のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスであって、
- 前記原料を液体粒子および/または液滴に微粒化するステップと、
- 前記液体粒子および/または前記液滴をより細かい液体粒子および/または液滴に剪断するように、高温ガスを用いて前記液体粒子を超音速に加速させるステップと、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項49】
請求項25から請求項48のいずれか一項に記載の前記プロセスによって製造された粒子。
【請求項50】
3D印刷、金属射出成形(MIM)、コールドスプレー堆積の用途の少なくとも1つのために使用される粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年7月21日に出願された現在係属中の米国仮出願第62/535,730号に基づいて優先権を主張し、それは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の対象事項は、細かい金属粉末の製造および材料のプラズマ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
45μm以下の細かい超微細球状金属粉末は、3D印刷(付加製造)、金属射出成形(MIM)およびコールドスプレー堆積などのさまざまな製造プロセスのための原料として使用される。今日でも、プラズマ微粒化は、その範囲内で高品質の粉末の最良の生産率を提供する技術と思われている。さらに、プラズマ微粒化によって製造された粉末は、それらの非常に高い真球度、小さな粒度、高い粒子密度、優れた純度および流動性に起因して、市場において最良の粉末の一つとして認識されている。一方で、以下に述べる理由により、一般的には、プラズマ微粒化は運用するには高価な技術であると考えられている。
【0004】
本来は、プラズマ微粒化プロセスは、非常に低い生産速度(Ti-6Al-4Vに関しては0.6kg/hから1.2kg/h)と、かなり粗い粒度分布(80μmから120μmのD_50)と、を有していた。「Method of production of metal and ceramic powders by plasma atomization」と表題をつけられ、かつPegasus Refractory MaterialsおよびHydro-Quebecに譲渡された特許文献1を参照されたい。しかしながら、過去10年にわたって、生産速度の最適化(これはある程度(5kg/hから13kg/h)成功している)に向けてだけでなく、粒子の粒度をより細かい側にシフトする(最大106μmおよび最大45μmの切断の最大化)ことに向けて重点を置くことに、多様な取り組みが集中されてきた[特許文献1から4]。これらの2つのパラメーターは、実際にそうした技術の商業的な収益性に直接影響する。これらの漸進的な改善は、1)生産速度を高めるために微粒化領域の手前でワイヤ原料を予熱すること、および、2)粒度分布をより細かい側にシフトするためにガスの流量および圧力を高めることに主に注目している。不都合なことに、一般的に、微粒化システムの生産速度の増大は、粒度分布をより粗い側にシフトすることに強く相関することが観察されている。市場ではより細かい粒子が要求されるため、これは望まれない可能性がある。
【0005】
これらの改善の後でも、システムに導入される電力のほんの一部が使用されることを考慮すると、プラズマ微粒化プロセス系はエネルギー的に非常に非効率的なままである。例えば典型的なプラズマ微粒化装置は、Ti-6Al-4Vワイヤを5kg/hの速度で微粒化するために、それぞれ45kWの電力に設定された3つのプラズマトーチと、8kWの予熱源とを使用できる。これは、5kg/hの処理のために143kWの未使用の電力(raw power)を表しており、当該電力は28.6kW・h/kgの特定の熱出力入力に変換される。これは、理論上の特定の熱出力入力要件(0.347kW・h/kg)の82倍以上を示す。
【0006】
機械的エネルギー伝達の観点から、それぞれ0.0192kg/sで送り出される400m/sの3つのプラズマジェットを考慮すると、これは1.5kWの運動出力を示す。トーチに対してワイヤから30度の角度を想定すると、約半分は液滴を加速させるためだけに使用される。この時、初期粒子を400μmから例えば25μmまで下がるよう分裂させるのに必要な運動出力は、理論的には無視できる(約0.1W)べきである。しかしながら、実際には、分布全体を45μm未満に変えることは困難である。
【0007】
機械的動力に関するそうした非効率性は直接測定されないが、ガス消費量および販売可能な製品の生産量を介してプロセスの収益性に直接的な影響力を持つ。アルゴンは、化学的に不活性でありかつ比較的安価であるため、金属の微粒化に一般的に使用されるガスの一例である。その効率性が低いため、典型的なプラズマ微粒化プロセスは、製造される粉末の単位質量あたり大量のアルゴンを消費する。20から30のガス/金属の質量比が見られることが一般的であるが、理論的にはこれらの値は1にはるかに近くなることがある。
【0008】
したがって、プラズマ微粒化装置の設計においてこれらの数年および繰り返しの後でも、プラズマ微粒化は費用がかかりかつ非効率的なプロセスのままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許5,707,419号明細書
【特許文献2】国際公開第2016/191854号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2011/054113号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2017/011900号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのため、大容量で、最小の付随物しか伴わない、45μm以下の範囲の細かい粉末の高い生産量を伴う、超微細球状粉末を製造するための装置および/またはプロセスを提供することが望まれている。
【0011】
それゆえ、プラズマスラスタ微粉化を使用して大規模で超微細球状粉末を製造するための新規な装置および/またはプロセスを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に記載される実施形態は、一態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置を提供し、当該装置は、
- 原料を液体粒子に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- 液体粒子と、高温ガスおよびプラズマの少なくとも一方の混合物とを加速させるためのデバイスであって、液体粒子をより細かい液体粒子に剪断するよう構成されている、デバイスと、
を備える。
【0013】
また、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置を提供し、当該装置は、
- 原料を液体粒子に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- ノズルの上流に設けられた閉じ込めチャンバであって、当該閉じ込めチャンバは、高温であり、かつノズルに供給される前に原料を溶融するよう構成されている、閉じ込めチャンバと、
を備える。
【0014】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するための装置を提供し、当該装置は、
- 原料を液体粒子および/または液滴に微粒化するための少なくとも1つのプラズマトーチと、
- 高温ガスを用いて液体粒子を超音速に加速させるためのデバイスであって、液体粒子および/または液滴をより細かい液体粒子および/または液滴に剪断するよう構成されているデバイスと、
を備える。
【0015】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスを提供し、当該プロセスは、
- 原料を液体粒子に微粒化するステップと、
- 例えば液体粒子をより細かい液体粒子に剪断するために、液体粒子と、高温ガスおよびプラズマの少なくとも1つの混合物とを加速させるステップと、
を含む。
【0016】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスを提供し、当該プロセスは、
- 原料を液体粒子に微粒化するステップと、
- ノズルの上流に閉じ込めチャンバを設けるステップであって、当該閉じ込めチャンバは、高温であり、かつノズルに供給される前に原料を溶融するよう構成されている、ステップと、
を含む。
【0017】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、プラズマ微粒化によって原料から粉末を製造するためのプロセスを提供し、当該プロセスは、
- 原料を液体粒子および/または液滴に微粒化するステップと、
- 例えば液体粒子および/または液滴をより細かい液体粒子および/または液滴に剪断するために、高温ガスを用いて液体粒子を超音速に加速させるステップと、
を含む。
【0018】
さらに、本明細書に記載される実施形態は、別の態様において、3D印刷、金属射出成形(MIM)およびコールドスプレー堆積の用途の少なくとも1つに使用される粒子を提供する。
【0019】
本明細書に記載される実施形態をよりよく理解するために、かつそれらがどのように実施され得るかをより明確に示すために、ここでは、単なる例示として少なくとも1つの例示的な実施形態を示す添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】誘導予熱を用いかつスイベルボールフランジを使用した従来のトーチ角度調整機構の断面図である。
図2】例示的な実施形態に基づくスラスタ支援プラズマ微粒化装置の断面図である。
図3】例示的な実施形態に基づく通常動作中のスラスタ支援プラズマ微粒化を示す図である。
図4】例示的な実施形態に基づくプラズマ微粒化装置のスラスタおよびディフューザの拡大概略断面図である。
図5】例示的な実施形態に基づくチャンバおよびスラスタ内のプラズマおよび粒子の速度プロファイルのグラフを示す図である。
図6】例示的な実施形態に基づくチャンバおよびスラスタに沿ったウェーバー数プロファイルのグラフを示す図である。
図7】例示的な実施形態に基づく本願のスラスタ支援プラズマ微粒化プロセスおよび装置によって製造される粉末の一例の写真を示す図である。
図8】例示的な実施形態に基づく本願のスラスタ支援プラズマ微粒化プロセスおよび装置によって製造される粉末の一例の写真を示す図である。
図9】例示的な実施形態に基づく本願のスラスタ支援プラズマ微粒化プロセスおよび装置によって製造される粉末の粒度分布のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
現在の対象事項は、特許文献1および2、すなわち米国特許第5,707,419号明細書および国際公開第2016/191854号パンフレットに開示されている既存のプラズマ微粒化プロセスを超える有意な改善を示し、これら文献の両方がその参照により本明細書に組み込まれる。本発明の対象事項では、「スラスタ」は頂点領域に追加されており、これは、生産速度(4.5kg/h~5kg/hから9kg/h~10kg/hへ)および45μm以下の粉末の生産量(最大45%から最大90%へ)の両方を著しく高める。生産速度と価値のある製品の生産量とを2倍にすることは、おおまかには、プロセスの収益性を4倍にすることにつながる。
【0022】
本発明の対象事項を詳細に説明する前に、ここで特許文献2のワイヤから球状粉末を製造するためのプラズマ微粒化装置について説明する。図1を参照すると、特許文献2のプラズマ装置は、基本的に、ドラバルノズルを通して超音速プラズマジェットを噴射する3つのプラズマトーチを使用する。ワイヤは、頂点で微粒化される前に、グラファイトスリーブでの誘導によって予熱される。
【0023】
より詳細には、特許文献2のプラズマ装置において、金属ワイヤスプール上に提供されたワイヤ2が当該スプールから巻き出され、続いてワイヤフィーダおよびストレートナを通って供給される。ストレートワイヤ2は、貫通フランジを通って供給される。次に、ワイヤ2は、プラズマトーチ7の頂点(当該頂点はワイヤ2と3つのトーチ7との交点である)において3つのプラズマトーチ7によって微粒化される前に、誘導コイル6によって包囲されたワイヤガイド5内に入る。そうして製造された粉末は、開口プレート9を通過し、リアクタから落下する際に冷却される。
【0024】
一度予熱されると、ワイヤ2は、微粒化のためにワイヤ2と3つのプラズマトーチ7とが交わる領域である頂点に到達する。溶融した微粒化粒子は、リアクタのチャンバ内に落下すると凝固して固体状態に戻る。続いて粉末は、空気圧によってサイクロンに運ばれる。サイクロンは、その気相から粉末を分離する。粉末がキャニスタの底部で収集される一方で、この時クリーンガスが出口を介してより細かいフィルタリングシステムへ送られる。キャニスタは、気密性の遮断弁によってサイクロンから遮断できる。
【0025】
特許文献2のプラズマ装置では、誘導コイル6がワイヤ2を予熱するために使用され、これは単一の電源を使用しかつ熱源として頂点領域を妨げない。この構成では、ワイヤの予熱は、単一の均一でありかつコンパクトな供給源によってもたらされる。ワイヤ温度は、誘導コイル6における電流の関数である誘導電力を調整することによって制御できる。
【0026】
貫通フランジは、リアクタ全体がコイルから絶縁されることを保証するように非導電性材料から作られる。貫通フランジは2つの気密ホールを有しており、これら気密ホールは、誘導コイル6の導線22をリアクタに通すために使用される圧縮フィッティングが備えられている。
【0027】
ワイヤガイド5は、誘導に反応するかまたは誘導に対して透過的となるように設計可能である。例えば、ワイヤガイド5は、誘導に対して透過的なアルミナまたは窒化ケイ素から作られてもよい。また、ワイヤガイド5は、誘導に反応する炭化ケイ素またはグラファイトから作ることもできる。ワイヤガイド5が炭化ケイ素またはグラファイトから作られる場合、誘導によって加熱されて高温となったワイヤガイドは、ワイヤへ戻すように発熱する。
【0028】
特許文献2の調整可能なトーチ角度機構が図1に示されており、この機構は、スイベルボールフランジ30を含む。3つのプラズマトーチ7は、スイベルボールフランジ30を使用してリアクタヘッドの本体に取り付けられる。ボールフランジ30はそれぞれ、互いに嵌合する2つのフランジ、つまり底部フランジ31および上部フランジ32を含み、これらフランジは、互いに合致して旋回できる。リアクタヘッドに接続されている底部フランジ31が固定される一方で、上部フランジ32はあらゆる軸において最大4°の角度まで回転できる。リアクタヘッドが30°の法線角度を有するよう設計されていると想定すると、これは、プラズマトーチ7が26°から34°の任意の角度をカバーできることを意味する。
【0029】
ここで本願の対象事項を参照すると、図2に示されるように、コアピースが上記(すなわち特許文献2)の技術に追加されている。このコアピースは、ドラバルノズルの概念を用いるロケットエンジンに関連して、「スラスタ」と記載できる。
【0030】
本願の対象事項では、ドラバルノズルは、マッハ速度に加速された高温の熱プラズマを使用して、高融点固体材料、例えばワイヤを非常に細かい液滴となるように微粉化するために使用される。図2では、本願のスラスタ支援プラズマ微粒化装置が参照符号Aで識別されている。ワイヤは参照符号102で識別され、これに対してワイヤガイドは参照符号105として示されており、誘導コイルは参照符号106によって、3つのプラズマトーチは参照符号107によって識別されている。
【0031】
コアピースは、頂点150に実質的に配置されており、当該頂点150では、3つのプラズマプルームがワイヤ102(ワイヤ102の交点)と交わる。ワイヤ102は、収束キャップ152の上部に導入され、収束キャップ152は、閉じ込めチャンバ154内で3つのプラズマトーチ107から来るプラズマをワイヤ102と合流させるよう使用される。閉じ込めチャンバ154内では、ワイヤ102が溶融して粗い液滴へと一次的に微粒化される。閉じ込めチャンバ154は、頂点150を非常に小さな空間に閉じ込めることができ、当該空間では、ワイヤ102が溶融され、組み合わされた複数のジェットが強制的に超音速ノズルを通して流出されて数マッハの速度まで加速される。
【0032】
実際に、閉じ込めチャンバ154の下流にはスラスタ156が設けられており、そこでは、プラズマが超音速に加速されて、液体粒子が別々に剪断される。スラスタ156の出口には、ディフューザ158が設けられており、当該ディフューザ158は、強制的に上記ジェットに衝撃波を発生させて、スタラクタイト(stalactite)の形成を回避するために当該ポイントでプラズマ温度を再上昇させる。製造された粉末は、従来の微粒化プロセスにおけるように、冷却チャンバに排出される。
【0033】
誘導コイル106は、図2に示されるように底部にあるいは図1に示されるように上部に配置できる。
【0034】
図3は、通常動作中の本願の対象事項を示しており、当該図面では、非常に細かい粉末の流れが流出している状態の超音速ジェットを見ることができる。この構想は、熱および運動出力の両方の観点において効率の面で著しい改善を可能にする。
【0035】
溶融した液滴およびプラズマは、微粒化が発生する収束発散ノズル(スラスタ156)内で加速される。加速中、プラズマプルームの温度が大幅に低下し、それによって、微粒化された材料は凝固されかつプラズマスラスタ156の出口に蓄積することがあり、スタラクタイト状構造を生じる。この問題を回避するために、上述のディフューザ158が、図4に示されるように、ノズル(スラスタ156)の端部に追加されている。スラスタ156への微粒化ガスおよび金属の進入のためのチャネルが、参照符号160で示されている。
【0036】
ディフューザ158は、衝撃波162を作り出し、これは、運動エネルギーを急激に変換して熱エネルギーに戻し、高温領域を作り出す。これは、ノズルの出口に明るい浮動領域を作り出し、当該浮動領域では、温度が微粒化した金属の融点よりもかなり高くなり、それによって、スタラクタイトが形成し得ないように、その領域を十分に高温に保つことができる。言い換えると、スラスタ156の出口における超音速ディフューザ158は、ガス温度を金属の融点を超えるよう上昇させ、それによってノズルの端部に金属が蓄積するのを防止する。この衝撃波162に続いて、プラントル・マイヤー膨張波164が、ガスの速度をさらに高めて粒子の付着を低減する。図4における参照符号166は、衝撃波光輝(shock diamonds)を示している。
【0037】
図5は、チャンバ154およびスラスタ156を横切るプラズマおよび粒子の速度プロファイルを示しており、0.08mまではスラスタ156の狭窄部168(図4)に対応する。この図面は、プロセスの数値シミュレーションから生成されている。プラズマがマッハ速度まで急激に加速し、続いて粒子がプラズマジェットによって牽引力を介して加速されることが示される;なお速度差は、2つの媒体間に大きな影響を与えるままである。2つの流体間の速度差は、粒子の分裂を引き起こすものである。
【0038】
図6は、チャンバ154およびスラスタ156内のウェーバー数プロファイルを示しており、0.08mまではスラスタ156の狭窄部168に対応する。ウェーバー数は、粒子の分裂があるかどうかを予測するために使用される。14を超えるウェーバー数は、通常、分裂が発生することを意味する。図6では、ウェーバー数が(特に狭窄部168において)非常に高い値に到達しており、これは、壊滅的な分裂形態(液体粒子がいっせいに非常に細かい物に破裂する場合)に対応する。これによって、非常に細かい粉末が実験的に得られることを説明できる。
【0039】
工業的な用法の文脈における実際的な実現可能性の観点から、スラスタおよび閉じ込めチャンバは、条件を持続できる材料から作られる必要がある。グラファイトは、溶融せず、約3900Kの非常に高い昇華点を有しかつ熱衝撃に対して強い抵抗を示すため、実験ではグラファイトが閉じ込めチャンバ154および収束キャップ152に選択された。グラファイトはまた手頃な価格であり、すぐに入手でき、かつ容易に機械加工できる。グラファイトは酸化に敏感であるが、不活性下または非常に高い温度でわずかに還元する環境下で非常によく機能する。スラスタ156に関して、高い融点と、機械的な腐食に対する非常に高い耐性とを兼ね備えることが必要とされる。本願の場合、チタニウムカーバイドが選択されているが、多くの他の材料、ほんの数例を挙げるとタングステン、ハフニウムカーバイド、およびタンタルカーバイドなども同様に使用できる。
【0040】
実施された実験はすべて、専ら次の原料に注目した:原料における1/4インチのTi-6Al-4Vワイヤ。これらの条件下で、プラズマガスへのヘリウムの不定期な追加とともに、トーチごとに230slpmから250slpmのアルゴンを使用して、非常に高品質の粉末が9kg/hから10kg/hで製造された。
【0041】
図7および図8は、本願の対象事項を使用して9kg/hで製造された粉末の例を示している。これらの写真から、新規な方法/装置Aを用いて製造された粉末の付随物含有量が非常に低いことがわかる。粒子の運動量が増加し、それによって粒子がチャンバ内をさらに下方に推進されるため、付随物の生成に関連することが知られているチャンバ内の細かい粉末の再循環が低減されると考えられる。さらに、超音速ジェット周りの200nmまでの境界層は、製造される新しい粉末から周囲の気体を遮断し、これは、付随物の形成の防止にも役立ち得る。
【0042】
本発明のスラスタ支援プラズマ微粒化プロセス/装置Aによって製造された粉末の粒度分布はまた、2μmから30μmの90%以下の分布を伴うように、特に狭い(図9参照)。
【0043】
なお、プラズマワイヤ微粒化プロセスにおけるスラスタ156の一体化が他の可能性を実現可能にすることは明らかである。例えば、この方法の変形例は、その概念がワイヤのみに限定されるべきではないという点にある。スラスタ支援プラズマ微粒化は、微粒化されかつ粉末化される材料と極端な温度のプラズマとの接触を最大化するチャンバで構成されるため、粉末化される材料のサイズおよび形状の影響はそれほど重要ではない。この方法は、単純にワイヤを用いるだけでなく、スラスタ入口チャンバに適切に供給可能ならば任意のタイプの材料でも稼働し得ると考えられる。任意のタイプの材料は、粉末、棒材、インゴット、および溶融した供給材料などを含む。
【0044】
ほとんどの場合において、アルゴンプラズマは十分であり得るが、実際には、プラズマ特性を調整するためにプラズマガスをいくつかの添加剤と混合することも可能である。例えば、アルゴンプラズマにヘリウムまたは水素を添加することによって、プラズマの熱伝導率が改善される。
【0045】
システムにエネルギーを追加するために、ドラバルノズルの狭窄部周りに誘導コイルを追加するよう使用できる。スラスタ部分の役割は、熱を運動エネルギーに変換することであるため、より多くの熱がより高い速度に転換される。実験から、誘導コイル106は、図1(つまり特許文献2)に示されるようにワイヤガイド2上にまたは図2に示されるようにスラスタ156周りに配置できることが示されている。
【0046】
特許文献1および2と比較すると、システムを稼働させるために、プラズマトーチノズルがもはや超音速のものである必要がないことに留意される点に注意が引き付けられる。ここでは、プラズマジェット内の最大エネルギーを浪費しないためにプラズマを抑えないより緩いノズルを有することが有益となる。これは、トーチの耐用期間と同様にその電力効率を高める間接的な好影響を有する。
【0047】
本願の対象事項は、3トーチ構成の使用に限定されないことに留意されたい。実際に、装置Aは、まったく同様に稼働し得る5トーチ構成またはさらに単一トーチ構成となるよう構成可能である。
【0048】
上記説明は実施形態の例を提供するが、説明された実施形態のいくつかの特徴および/または機能は、説明された実施形態の動作の趣旨および原理から逸脱することなく改変されやすいことを理解されたい。したがって、上で説明されたことは、実施形態の例示を意図しておりかつ非限定的であり、当業者には、本明細書に添付の特許請求の範囲で規定されるように実施形態の範囲から逸脱することなく、他の変更および改変がなされることは理解されよう。
【符号の説明】
【0049】
2 ワイヤ
5 ワイヤガイド
6 誘導コイル
7 プラズマトーチ
9 開口プレート
22 導線
30 スイベルボールフランジ
31 底部フランジ
32 上部フランジ
102 ワイヤ
105 ワイヤガイド
106 誘導コイル
107 プラズマトーチ
150 頂点
152 収束キャップ
154 閉じ込めチャンバ
156 スラスタ
158 ディフューザ
160 チャネル
162 衝撃波
164 プラントル・マイヤー膨張波
166 衝撃波光輝
168 狭窄部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】