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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160793
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20241108BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/041 580
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076159
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相田 和也
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA22
5E555AA75
5E555BA27
5E555BB27
5E555CA13
5E555CB22
5E555CB33
5E555CB79
5E555CC24
5E555DB20
5E555DC26
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示する。
【解決手段】制御部35は、タッチパネル40の表示画面上に表示された操作ボタンに対して行われた非接触操作を受け付ける際に、その表示画面上に表示された複数の操作ボタンのうちのある操作ボタンの操作検知領域内に、検知した指等の指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入ったことが操作検出部32により検出された場合、表示部33に表示する表示画面上においてその操作ボタンを拡大表示させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付ける際に、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記操作検知領域よりも範囲の広い所定領域を設定し、前記所定領域内において、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上ある操作子に対して設定された操作検知領域内に入った場合に、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、ユーザが操作子の拡大表示を必要としていないと判定される操作を行った場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させる請求項1記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、ある操作子を拡大表示させることなく、当該操作子の選択確定の操作が行われた場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる請求項3記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合であっても、当該操作子の面積が予め設定された値以下の場合、又は、当該操作子と隣接する操作子との間の距離が予め設定された値以下の場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させない請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を含む複数の操作子を拡大表示させる、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、複数の操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該複数の操作子を拡大表示させる、
請求項7記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子と近接して配置された複数の操作子を拡大表示させる、
請求項7記載の情報処理システム。
【請求項10】
操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付けるステップと、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチパネルから離れた位置での操作を受け付ける際に、指とタッチパネルとの垂直距離が大きくなるに従って、指示体である指を検出するための二次元座標を有効にする有効領域を狭くなるようにして、ユーザの意図しない操作を防止するようにした座標検出方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、指を表示面に非接触で近接させて行う近接操作により選択可能なオブジェクトのうち、あるオブジェクトを指示する近接操作を検出した場合に、そのオブジェクトのサイズが閾値未満であるとき、このオブジェクトを拡大表示させることにより、ユーザの誤操作を防ぐようにしたユーザインタフェース装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5542224号公報
【特許文献2】特許第5972692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示することが可能な情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付ける際に、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる。
【0007】
第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記操作検知領域よりも範囲の広い所定領域を設定し、前記所定領域内において、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上ある操作子に対して設定された操作検知領域内に入った場合に、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる。
【0008】
第3態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、ユーザが操作子の拡大表示を必要としていないと判定される操作を行った場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させる。
【0009】
第4態様の情報処理システムは、第3態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、ある操作子を拡大表示させることなく、当該操作子の選択確定の操作が行われた場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる。
【0010】
第5態様の情報処理システムは、第3態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる。
【0011】
第6態様の情報処理システムは、第5態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合であっても、当該操作子の面積が予め設定された値以下の場合、又は、当該操作子と隣接する操作子との間の距離が予め設定された値以下の場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させない。
【0012】
第7態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を含む複数の操作子を拡大表示させる。
【0013】
第8態様の情報処理システムは、第7態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、複数の操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該複数の操作子を拡大表示させる。
【0014】
第9態様の情報処理システムは、第7態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子と近接して配置された複数の操作子を拡大表示させる。
【0015】
第10態様のプログラムは、操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付けるステップと、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の情報処理システムによれば、操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、何度も操作検知領域に指示体を出入りさせてしまうような非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示することが可能となる。
【0017】
第2態様の情報処理システムによれば、ユーザが意図的に指示体を操作検知領域に対して出入りさせた場合には、操作子を拡大表示しないようにすることができる。
【0018】
第3態様の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0019】
第4態様の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0020】
第5態様の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0021】
第6態様の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要であった場合にまで、次回以降の操作において操作子の拡大表示が行われ難くなってしまうことを防ぐことができる。
【0022】
第7態様の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0023】
第8態様の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0024】
第9態様の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0025】
第10態様のプログラムによれば、操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、何度も操作検知領域に指示体を出入りさせてしまうような非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
図2】タッチパネル40において非接触操作を受け付ける様子を示す図である。
図3】操作ボタン50に設定される操作検知領域60の一例を示す図である。
図4】ある操作ボタン50に設定されている操作検知領域60内に指等が所定時間以上留まると、その操作ボタン50への操作が確定する様子を説明するための図である。
図5】本開示の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】本開示の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
図7】本開示の一実施形態における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図8】ユーザの指が操作検知領域60を所定回数出入りする様子を示す図である。
図9】操作ボタン50がタッチパネル40上において拡大表示される様子を示す図である。
図10】拡大表示されていた操作ボタン50が確定される様子を示す図である。
図11】変形例1において、操作ボタン50の周囲に、操作検知領域60よりも範囲の広い所定領域41が設定される様子を示す図である。
図12】本開示の一実施形態の変形例1における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図13】ユーザの指が、所定領域41を超えて操作ボタン50の操作検知領域60を所定回数出入りした場合の様子を説明するための図である。
図14】ユーザの指が、所定領域41内において操作ボタン50の操作検知領域60を所定回数出入りした場合の様子を説明するための図である。
図15】本開示の一実施形態の変形例2における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図16】本開示の一実施形態の変形例2において、操作ボタン50を拡大表示するための所定回数が1回から2回に増加される場合の具体的な操作例を説明するための図である。
図17】本開示の一実施形態の変形例2において、操作ボタン50を拡大表示するための所定回数が1回から2回に増加される場合の具体的な他の操作例を説明するための図である。
図18】本開示の一実施形態の変形例3における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図19】本開示の一実施形態の変形例3において、操作ボタン50が大きいことにより、操作検知領域60に指が何度も出入りした場合でも、操作ボタン50の拡大表示は行われない様子を説明するための図である。
図20】本実施形態の変形例4における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図21】タッチパネル40の表示画面上に数多くの操作ボタン50が配置されているような場合に複数の操作ボタン50の操作検知領域60に指を所定回数以上出し入れする様子を示す図である。
図22】「G」という表示がされた操作ボタン50と、「H」という表示がされた操作ボタン50の2つの操作ボタン50が同時に拡大表示される様子を示した図である。
図23】本実施形態の変形例5における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作を説明するためのフローチャートである。
図24】複数の操作ボタン50のそれぞれに対して、その周囲に所定領域42を設定しておく様子を説明するための図(図24(A))、及び、ある操作ボタン50(G)と所定領域42が重なる操作ボタン50(R、T、Y、F、H、V、B、N)を示す図である(図24(B))。
図25】ユーザの指が「G」と表示された操作ボタン50の操作検知領域60に所定回数出入りした場合を示す図である。
図26】「G」と表示された操作ボタン50だけでなく、「G」と表示された操作ボタン50と近接して配置されている「R、T、Y、F、H、V、B、N」と表示された8つの操作ボタン50も合わせて拡大表示される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は本開示の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【0029】
本開示の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される情報処理システムである。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる情報処理装置である。
【0030】
そして、画像形成装置10には、前面の上部に、ユーザに各種情報を表示するとともにユーザからの操作を受け付けるタッチパネル40が設けられている。
【0031】
このタッチパネル40は、操作面が積層された表示画面を有している。そして、この表示画面上には、ユーザからの操作を受け付けるための操作ボタン等の操作子が表示されている。そして、このタッチパネル40には、表示画面上に表示された操作ボタンに対する操作を検知するための操作検知領域が、複数の操作ボタン毎にそれぞれ設定されている。一般的なタッチパネルでは、その操作検知領域に指等の指示体が接触したことを検知して、ユーザがどの操作ボタンを操作したかが検知される。
【0032】
そして、本実施形態の画像形成装置10では、このようなタッチパネル40に対する接触操作に加えて、タッチパネル40の表示画面に近接した指等の指示体を検知することにより、指示体が操作面に接触していない状態で表示画面上に表示された操作ボタンに対して行われた非接触操作を受け付けることが可能となっている。
【0033】
このようなタッチパネル40において非接触操作を受け付ける様子を図2に示す。図2を参照すると、タッチパネル40の表面に表示された操作ボタン50から高さ方向の距離hに存在するユーザの指を検出する様子が示されている。この操作ボタン50に設定される操作検知領域60の一例を図3に示す。図3に示されるように、操作ボタン50の上部には、指等の指示体を検知可能なエリアが操作検知領域60として設定されており、この操作検知領域60内に進入してきた指等が検知されると操作ボタン50が操作されたことになる。
【0034】
そして、ある操作ボタン50に設定されている操作検知領域60内に指等が所定時間以上留まると、その操作ボタン50への操作が確定する。例えば、図4に示すように、「1」という表示がされた操作ボタン50の操作検知領域60内に指が例えば2秒以上留まることにより、その操作ボタン50の選択が確定する。
【0035】
そして、このような非接触操作を受け付けるようにした場合に、各操作ボタンに対して設定された操作検知領域内に指等の指示体が入った際に、操作ボタンを拡大表示して誤操作を防ぐようなことが行われる場合がある。しかし、非接触操作に慣れたユーザにとっては操作検知領域内に指が入っただけで常に操作ボタンが拡大表示されたのでは煩わしい。
【0036】
そこで、本実施形態の画像形成装置10では、以下において説明するような制御が行われることにより、操作ボタン毎に設定された操作検知領域に入った指等の指示体を検知することにより操作ボタンに対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作ボタンを常に拡大表示することなく、非接触操作に不慣れなユーザに対してのみ操作ボタンを拡大表示するようにしている。
【0037】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図5に示す。
【0038】
画像形成装置10は、図5に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、近接センサ19を有するタッチパネル等により構成されるユーザインタフェース(UIと略す。)装置15、スキャンユニット16、画像形成ユニット17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0039】
画像形成ユニット17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0040】
また、近接センサ19は、例えば、静電容量方式により操作面に近づいた指等の指示体の座標を検出する。ただし、近接センサ19の検出方式は、静電容量方式に限定されるものではなく、赤外線又はレーザ光等の測定光を指示体に照射して、その反射光を検出する方式、又は、カメラ等により撮像された画像から指示体が操作ボタンに接近したことを検出する方式等を用いるものであってもよい。
【0041】
なお、タッチパネル40を操作するための指示体は、ユーザの手又は指に限定されるものではなく、スタイラスペン等のタッチパネル40に対する操作が可能であればどのようなものであってもよい。ただし、以下の説明においては指示体がユーザの指である場合を用いて説明する。
【0042】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0043】
図6は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
本実施形態の画像形成装置10は、図6に示されるように、操作検出部32と、表示部33と、データ送受信部34と、制御部35と、画像読取部36と、データ記憶部37と、画像出力部38とを備えている。
【0045】
データ送受信部34は、端末装置20等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。制御部35は、データ送受信部34を介して端末装置20から受信した印刷ジョブに基づいて印刷データを生成して、生成した印刷データを画像出力部38から出力する制御を行う。データ記憶部37は、制御部35により生成された印刷データ等の各種データを記憶する。
【0046】
画像出力部38は、制御部35による制御に基づいて、印刷用紙等の記録媒体上に画像を出力する。画像読取部36は、制御部35による制御に基づいて、セットされた原稿から原稿画像を読み取る。
【0047】
表示部33は、制御部35により制御され、ユーザに各種情報を表示する。操作検出部32は、ユーザにより行われた表示部33に対する各種操作を検出する。そして、表示部33と操作検出部32とによりタッチパネル40が構成される。
【0048】
そして、制御部35は、タッチパネル40の表示画面上に表示された操作ボタンに対して行われた非接触操作を受け付ける際に、その表示画面上に表示された複数の操作ボタンのうちのある操作ボタンの操作検知領域内に、検知した指等の指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入ったことが操作検出部32により検出された場合、表示部33に表示する表示画面上においてその操作ボタンを拡大表示させる。
【0049】
ここで、非接触操作に不慣れなユーザは、何度も操作検知領域に指を出入りさせてしまうような操作を行ってしまうことが多いと考えられる。そのため、本実施形態においては、操作ボタンに対して設定されている操作検知領域に内に指の座標が何度も出入りした場合、制御部35は、そのユーザは非接触操作に不慣れなユーザであると判定して、その操作ボタンを操作画面上において拡大表示させる。
【0050】
次に、本実施形態における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
まず、制御部35は、ステップS101において、操作検出部32が操作検知領域60内にユーザの指を検出したか否かを判定する。
【0052】
そして、ステップS101において、操作検出部32が操作検知領域60内の指を検出したと判定した場合、制御部35は、ステップS102において、その指が操作検知領域60を所定回数出入りしたか否かを判定する。
【0053】
ここで、ユーザの指が操作検知領域60を所定回数出入りする様子を図8に示す。図8では、ユーザの指が操作ボタン50に対して設定されている操作検知領域60に一旦入った後に外に出て再度入る様子が示されている。
【0054】
そして、ステップS102において、その指が操作検知領域60内を所定回数出入りしたと判定した場合、制御部35は、ステップS103において、指が所定回数出入りした操作検知領域60に対応した操作ボタン50をタッチパネル40上において拡大表示する。
【0055】
このようにして操作ボタン50がタッチパネル40上において拡大表示される様子を図9に示す。図9では、「1」という文字が付された操作ボタン50が拡大表示される様子が示されている。
【0056】
そして、操作ボタン50の拡大表示が行われた後に、制御部35は、ステップS104において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60を外れたか否かを判定する。
【0057】
そして、ステップS104において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60を外れたと判定した場合、制御部35は、ステップS105において、操作ボタン50の拡大表示を解除して、操作ボタン50を通常のサイズに戻す。
【0058】
なお、ステップS104において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60を外れていないと判定した場合、制御部35は、ステップS108において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60内に、選択確定時間以上、例えば2秒以上留まったか否かを判定する。
【0059】
そして、ステップS108において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60内に選択確定時間以上留まったと判定した場合、制御部35は、ステップS109において、その操作ボタン50を確定する処理を実行する。
【0060】
このようにして、拡大表示されていた操作ボタン50が確定される様子を図10に示す。図10では、「1」という文字が付された操作ボタン50が拡大表示された状態で確定される様子が示されている。
【0061】
なお、ステップS108において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60内に選択確定時間以上留まっていないと判定した場合、制御部35は、ステップS104の処理に戻る。
【0062】
さらに、ステップS102において、ユーザの指が操作検知領域60内を所定回数出入りしていないと判定した場合、制御部35は、ステップS106において、指が操作ボタン50の操作検知領域60内に、選択確定時間以上、例えば2秒以上留まったか否かを判定する。
【0063】
そして、ステップS106において、指が操作ボタン50の操作検知領域60内に選択確定時間以上留まったと判定した場合、制御部35は、ステップS107において、その操作ボタン50を確定する処理を実行する。
【0064】
なお、ステップS106において、指が操作ボタン50の操作検知領域60内に選択確定時間以上留まっていないと判定した場合、制御部35は、ステップS102の処理に戻る。
【0065】
上記のような処理が行われることにより、非接触操作に慣れたユーザに対しては、操作ボタン50を拡大表示することなく、その操作ボタン50を確定する制御が行わる。そして、非接触操作に不慣れなユーザに対しては、操作ボタン50を拡大表示してから、その操作ボタン50を確定する制御が行われる。
【0066】
[変形例1]
上記で説明した実施形態では、操作ボタン50の操作検知領域60をユーザの指が所定回数出入りしたら操作ボタン50の拡大表示が行われる。しかし、ユーザが操作ボタン50を拡大表示させる意思が無い場合でも、単に指が操作ボタン50の操作検知領域60を所定回数出入りしただけで操作ボタン50の拡大表示が行われてしまう可能性がある。例えば、ユーザがどの操作ボタン50を操作しようか迷って複数の操作ボタン50の操作検知領域60間を移動するような通常の指の移動であっても、意図しない操作ボタン50の拡大表示が行われてしまう場合がある。
【0067】
そこで、本実施形態の変形例1では、制御部35は、操作検知領域60よりも範囲の広い所定領域を操作ボタン50の周囲に設定し、この所定領域内において、検知した指の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上ある操作ボタン50に対して設定された操作検知領域60内に入った場合に、タッチパネル40の表示画面上においてその操作ボタン50を拡大表示させる。
【0068】
例えば、制御部35は、図11に示すように、操作ボタン50の周囲に、操作検知領域60よりも範囲の広い所定領域41を設定する。
【0069】
次に、本実施形態の変形例1における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0070】
図12のフローチャートは、図7に示したフローチャートに対して、ステップS102の処理がステップS102Aの処理に置き換えられた以外は同じ処理となっている。そのため、図12のフローチャートにおけるステップS102A以外の処理については、その説明を省略する。
【0071】
この変形例1では、ステップS101において、操作検出部32が操作検知領域60内の指を検出したと判定した場合、制御部35は、ステップS102Aにおいて、その指が、所定領域41内において操作検知領域60を所定回数出入りしたか否かを判定する。
【0072】
そして、ステップS102Aにおいて、その指が、所定領域41内において操作検知領域60内を所定回数出入りしたと判定した場合、制御部35は、ステップS103において、指が所定回数出入りした操作検知領域60に対応した操作ボタン50をタッチパネル40上において拡大表示する。
【0073】
つまり、変形例1では、図13に示すように、ユーザの指が、所定領域41を超えて操作ボタン50の操作検知領域60を所定回数出入りした場合には、操作ボタン50の拡大表示は行われない。
【0074】
そして、変形例1では、図14に示すように、ユーザの指が、所定領域41内において操作ボタン50の操作検知領域60を所定回数出入りした場合には、操作ボタン50の拡大表示が行われる。
【0075】
このように所定領域41を設けて判定を行っているのは、ユーザがある操作ボタン50を操作しようとして指をその操作ボタン50の操作検知領域60内に留めようとしているのもかかわらず非接触操作に不慣れなため指が動いてしまうような場合には、操作検知領域60から大幅にはずれることはないと考えられるからです。逆に、ユーザの指がある操作ボタン50の操作検知領域60をはずれて大きく動いている場合には、例えば再度その操作ボタン50の操作検知領域60に入ってきたとしても、ユーザはその操作ボタン50を操作しようとしているわけではないと考えられるからである。
【0076】
[変形例2]
次に、ユーザの指による通常の移動では操作ボタン50の拡大表示が行われ難くするようにした本実施形態の変形例2について説明する。
【0077】
本実施形態の変形例2では、制御部35は、ユーザが操作ボタン50の拡大表示を必要としていないと判定される操作を行った場合には、操作ボタン50を拡大表示するための回数を増加させる。
【0078】
具体的には、制御部35は、ある操作ボタン50を拡大表示させることなく、その操作ボタン50の選択確定の操作が行われた場合、そのユーザは操作ボタン50の拡大表示を必要としていない接触操作に慣れたユーザであると判定して、操作ボタン50を拡大表示するための回数を増加させる。
【0079】
また、制御部35は、ある操作ボタン50の拡大表示が行われた後に、その操作ボタン50の選択確定の操作が行われなかった場合、そのユーザは操作ボタン50の拡大表示を必要としていなかったと判定して、操作ボタン50を拡大表示するための回数を増加させる。
【0080】
以下の説明においては、操作ボタン50を拡大表示するための回数を増加させる一例として、操作検知領域60に対する1回の出入りで操作ボタン50の拡大表示していたものを、操作検知領域60に対する2回の出入りで操作ボタン50を拡大表示するようにする場合を用いて説明する。
【0081】
なお、制御部35は、ある操作ボタン50を拡大表示させた後に、その操作ボタン50の選択確定の操作が行われた場合、操作ボタン50を拡大表示するための回数を元の初期値に戻す。
【0082】
次に、本実施形態の変形例2における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図15のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
図15のフローチャートは、図7に示したフローチャートに対して、ステップS201~S203の処理が追加された以外は同じ処理となっている。そのため、図15のフローチャートにおけるステップS201~S203以外の処理については、その説明を省略する。
【0084】
この変形例2では、ステップS104において、指が拡大後の操作ボタン50の操作検知領域60を外れたと判定した場合、制御部35は、ステップS201において、操作ボタン50の拡大表示を行う際の所定回数を増加させてから、ステップS105において、操作ボタン50の拡大表示を解除して、操作ボタン50を通常のサイズに戻す。
【0085】
例えば、図16に示すように、操作ボタン50の操作検知領域60に指が1回出し入れされたことにより操作ボタン50が拡大表示されたが、その指が操作ボタン50の操作検知領域60を外れたことにより拡大表示が解除された場合、所定回数が1回から2回に増加される。その結果、それ以降は、操作ボタン50の操作検知領域60に2回以上指が出し入れされた場合にのみ操作ボタン50の拡大表示が行われるようになる。つまり、所定回数が増加しない場合よりも操作ボタン50の拡大表示が行われ難くなる。
【0086】
また、この変形例2では、制御部35は、ステップS107において、拡大表示されていなかった操作ボタン50を確定する処理を実行した後に、ステップS202において、操作ボタン50の拡大表示を行う際の所定回数を増加させる。
【0087】
例えば、図17に示すように、操作ボタン50の拡大表示させることなくその操作ボタン50を確定する処理が行われた場合、所定回数が1回から2回に増加される。その結果、それ以降は、操作ボタン50の操作検知領域60に2回以上指が出し入れされた場合にのみ操作ボタン50の拡大表示が行われるようになる。つまり、所定回数が増加しない場合よりも操作ボタン50の拡大表示が行われ難くなる。
【0088】
さらに、この変形例2では、制御部35は、ステップS109において、拡大表示した操作ボタン50を確定する処理を実行した後に、ステップS203において、操作ボタン50の拡大表示を行う際の所定回数を初期値に戻す処理を行う。
【0089】
なお、操作ボタン50の面積が狭く小さい場合、又は、隣接する操作ボタン50間の距離が短い場合には、操作ボタン50の拡大表示がされ難くするとユーザにとっては操作し難くなることも考えられる。
【0090】
そのため、制御部35は、ある操作ボタン50の拡大表示が行われた後に、その操作ボタン50の選択確定の操作が行われなかった場合であっても、その操作ボタン50の面積が予め設定された値以下の場合、又は、ある操作ボタン50と隣接する他の操作ボタン50との間の距離が予め設定された値以下の場合には、操作ボタン50を拡大表示するための回数を増加させないようにしてもよい。
【0091】
[変形例3]
次に、ユーザの指による通常の移動では操作ボタン50の拡大表示が行われないようにした本実施形態の変形例3について説明する。
【0092】
上記で説明した実施形態では、操作ボタン50の操作検知領域60をユーザの指が所定回数出入りしたら操作ボタン50の拡大表示が行われる。しかし、タッチパネル40の表示画面上に面積の広い大きな操作ボタン50が数個しか配置されていないような場合、その操作ボタン50をそれ以上拡大表示する必要ないと考えられる。
【0093】
そのため、本実施形態の変形例3では、タッチパネル40上に表示された操作ボタン50の面積が予め設定された値以上の場合には、拡大表示が不要な画面であると判定して、指が操作検知領域60に対して何回出入りしても操作ボタン50の拡大表示を行わないようにする。
【0094】
この、本実施形態の変形例3における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図18のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
図18のフローチャートは、図7に示したフローチャートに対して、ステップS101とステップS102との間にステップS301の処理が追加された以外は同じ処理となっている。そのため、図18のフローチャートにおけるステップS301以外の処理については、その説明を省略する。
【0096】
この変形例3では、ステップS101において、操作検出部32が操作検知領域60内の指を検出したと判定した場合、制御部35は、ステップS301において、その表示画面は操作ボタン50の拡大表示が必要な画面であるか否かを判定する。例えば、制御部35は、表示画面上の全ての操作ボタン50の大きさがある値以上である場合には、拡大表示が必要ではない画面であると判定する。
【0097】
そして、ステップS301において、その表示画面は操作ボタン50の拡大表示が必要な画面ではないと判定した場合、制御部35は、ステップS102の判定処理に進まず、ステップS106の判定処理に進む。
【0098】
また、ステップS301において、その表示画面は操作ボタン50の拡大表示が必要な画面であると判定した場合、制御部35は、ステップS102の判定処理に進む。
【0099】
このような制御が行われることにより、図19に示すように、タッチパネル40の表示画面上に表示された操作ボタン50の操作検知領域60に指が何度も出入りした場合でも、操作ボタン50が大きな場合には、操作ボタン50の拡大表示は行われない。
【0100】
[変形例4]
上記で説明した実施形態では、操作ボタン50の操作検知領域60をユーザの指が所定回数出入りしたら操作ボタン50の拡大表示が行われる。しかし、操作ボタン50のサイズがとても小さく隣接する他の操作ボタン50との間の距離も短いような場合、つまり複数の操作ボタン50が密集して配置されているような場合、1つの操作ボタン50を拡大表示したとしてもその操作ボタン50が、ユーザが意図するものではないことが考えられる。
【0101】
そこで、本実施形態の変形例4では、制御部35は、検知した指の座標が、複数の操作ボタン50の操作検知領域60内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、タッチパネル40の表示画面上においてその複数の操作ボタン50を拡大表示させる。
【0102】
次に、本実施形態の変形例4における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図20のフローチャートを参照して説明する。
【0103】
図20のフローチャートは、図7に示したフローチャートに対して、ステップS102、S103の処理がそれぞれステップS102B、S103Bの処理に置き換えられた以外は同じ処理となっている。そのため、図20のフローチャートにおけるステップS102B、S103B以外の処理については、その説明を省略する。
【0104】
この変形例4では、ステップS101において、操作検出部32が操作検知領域60内の指を検出したと判定した場合、制御部35は、ステップS102Bにおいて、その指が、複数の操作検知領域60を所定回数出入りしたか否かを判定する。
【0105】
そして、ステップS102Bにおいて、その指が、複数の操作検知領域60を所定回数出入りしたと判定した場合、制御部35は、ステップS103Bにおいて、指が所定回数出入りした複数の操作検知領域60に対応した複数の操作ボタン50をタッチパネル40上において拡大表示する。
【0106】
例えば、図21に示すように、タッチパネル40の表示画面上に数多くの操作ボタン50が配置されているような場合を用いて説明する。このような状態において、ユーザが「G」という表示がされた操作ボタン50の操作検知領域60と、「H」という表示がされた操作ボタン50の操作検知領域60の両方に指を所定回数以上出し入れしたものとする。すると、図22に示すように、「G」という表示がされた操作ボタン50と、「H」という表示がされた操作ボタン50の2つの操作ボタン50が同時に拡大表示される。
【0107】
このような制御が行われることにより、ユーザが操作しようとする操作ボタン50が、「G」という表示の操作ボタン50の場合でも、「H」という表示の操作ボタン50の場合でも、ユーザが操作しようとする操作ボタン50の拡大表示が行われることになる。
【0108】
[変形例5]
上記で説明した実施形態の変形例4では、複数の操作ボタン50の操作検知領域60を指が出入りした場合に、複数の操作ボタン50の拡大表示が行われていた。しかし、操作ボタン50が小さい場合には、1つのある操作ボタン50の操作検知領域60に指が出入りした場合でも、実際にはユーザはその操作ボタン50と隣接する他の操作ボタン50を操作したかったような場合も考えられる。
【0109】
そこで、本実施形態の変形例5では、制御部35は、検知した指の座標が、ある操作ボタン50の操作検知領域60内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、タッチパネル40の表示画面上においてその操作ボタン50を含む複数の操作ボタン50を拡大表示させる。
【0110】
具体的には、制御部35は、検知した指の座標が、ある操作ボタン50の操作検知領域60内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、タッチパネル40の表示画面上においてその操作ボタン50と近接して配置された複数の操作ボタン50を拡大表示させる。
【0111】
次に、本実施形態の変形例5における画像形成装置10のタッチパネル40における非接触操作の検知動作について図23のフローチャートを参照して説明する。
【0112】
図23のフローチャートは、図7に示したフローチャートに対して、ステップS103の処理とステップS104の処理との間に、ステップS501の処理が追加された以外は同じ処理となっている。そのため、図23のフローチャートにおけるステップS501以外の処理については、その説明を省略する。
【0113】
本実施形態の変形例5では、ステップS102において、ユーザの指が、操作検知領域60内を所定回数出入りしたと判定した場合、制御部35は、ステップS103において、指が所定回数出入りした操作検知領域60に対応した操作ボタン50をタッチパネル40上において拡大表示する。
【0114】
そして、本実施形態の変形例5では、図24(A)に示すように、複数の操作ボタン50のそれぞれに対して、その周囲に所定領域42を設定しておく。そして、制御部35は、所定領域42が重なる操作ボタン50どうしは近接していると判定する。具体的には、図24(B)に示すように、ある操作ボタン50(G)と所定領域42が重なる操作ボタン50(R、T、Y、F、H、V、B、N)は、操作ボタン50(G)と近接して配置された操作ボタン50であると判定する。
【0115】
そして、制御部35は、ステップS103において、ある操作ボタン50を拡大表示する場合、ステップS501において、拡大表示する操作ボタン50と所定領域42が重なる近接する操作ボタン50も合わせて拡大表示する。
【0116】
例えば、図25に示すように、ユーザの指が「G」と表示された操作ボタン50の操作検知領域60に所定回数出入りした場合について説明する。図25に示すような操作が行われた場合、本実施形態の変形例5では、図26に示すように、「G」と表示された操作ボタン50だけでなく、「G」と表示された操作ボタン50と近接して配置されている「R、T、Y、F、H、V、B、N」と表示された8つの操作ボタン50も合わせて拡大表示される。
【0117】
このような制御が行われることにより、ユーザが操作したかった操作ボタンが、実は「F」と表示された操作ボタン50であった場合でも、そのユーザが操作したかった操作ボタンの拡大表示が行われることになる。
【0118】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0119】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0120】
本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0121】
[変形例]
上記実施形態では、複合機等の画像形成装置のタッチパネルにおいて非接触操作を受け付ける場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、券売機、ATM(Automatic Teller Machine)端末装置、発券装置等の各種情報処理装置を含む情報処理システムのタッチパネルにおいて非接触操作を受け付ける場合でも本開示を同様に適用することができるものである。
【0122】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0123】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付ける際に、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる、
情報処理システム。
【0124】
(((2)))
前記プロセッサは、前記操作検知領域よりも範囲の広い所定領域を設定し、前記所定領域内において、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上ある操作子に対して設定された操作検知領域内に入った場合に、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させる、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0125】
(((3)))
前記プロセッサは、ユーザが操作子の拡大表示を必要としていないと判定される操作を行った場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させる(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理システム。
【0126】
(((4)))
前記プロセッサは、ある操作子を拡大表示させることなく、当該操作子の選択確定の操作が行われた場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる(((3)))に記載の情報処理システム。
【0127】
(((5)))
前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合、操作子を拡大表示するための回数を増加させる(((3)))に記載の情報処理システム。
【0128】
(((6)))
前記プロセッサは、ある操作子の拡大表示が行われた後に、当該操作子の選択確定の操作が行われなかった場合であっても、当該操作子の面積が予め設定された値以下の場合、又は、当該操作子と隣接する操作子との間の距離が予め設定された値以下の場合には、操作子を拡大表示するための回数を増加させない(((5)))に記載の情報処理システム。
【0129】
(((7)))
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を含む複数の操作子を拡大表示させる、
(((1)))から(((6)))のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0130】
(((8)))
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、複数の操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該複数の操作子を拡大表示させる、
(((7)))に記載の情報処理システム。
【0131】
(((9)))
前記プロセッサは、検知した指示体の座標が、ある操作子の操作検知領域内に、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子と近接して配置された複数の操作子を拡大表示させる、
(((7)))に記載の情報処理システム。
【0132】
(((10)))
操作面が積層された表示画面上に表示された操作子に対する操作を検知するための操作検知領域が、前記複数の操作子毎にそれぞれ設定され、前記表示画面に近接した指示体を検知することにより、指示体が前記操作面に接触していない状態で前記表示画面上に表示された操作子に対して行われた非接触操作を受け付けるステップと、
前記表示画面上に表示された複数の操作子のうちのある操作子の操作検知領域内に、検知した指示体の座標が、予め設定された時間以内に設定された回数以上入った場合、前記表示画面上において当該操作子を拡大表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0133】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0134】
(((1)))の情報処理システムによれば、操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、何度も操作検知領域に指示体を出入りさせてしまうような非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示することが可能となる。
【0135】
(((2)))の情報処理システムによれば、ユーザが意図的に指示体を操作検知領域に対して出入りさせた場合には、操作子を拡大表示しないようにすることができる。
【0136】
(((3)))の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0137】
(((4)))の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0138】
(((5)))の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要のないユーザに対して操作子を拡大表示してしまうことを防ぐことができる。
【0139】
(((6)))の情報処理システムによれば、操作子の拡大表示が必要であった場合にまで、次回以降の操作において操作子の拡大表示が行われ難くなってしまうことを防ぐことができる。
【0140】
(((7)))の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0141】
(((8)))の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0142】
(((9)))の情報処理システムによれば、ユーザが操作しようとした操作子と隣接する他の操作子の操作検知領域内に指示体を入れた場合でも、ユーザが操作しようとした操作子を拡大表示することができる。
【0143】
(((10)))のプログラムによれば、操作子毎に設定された操作検知領域に入った指示体を検知することにより操作子に対する非接触操作を受け付ける際に、操作検知領域に指示体が入った操作子を常に拡大表示することなく、何度も操作検知領域に指示体を出入りさせてしまうような非接触操作に不慣れなユーザに対して操作子を拡大表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0144】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 スキャンユニット
17 画像形成ユニット
18 制御バス
19 近接センサ
20 端末装置
30 ネットワーク
32 操作検出部
33 表示部
34 データ送受信部
35 制御部
36 画像読取部
37 データ記憶部
38 画像出力部
40 タッチパネル
41 所定領域
42 所定領域
50 操作ボタン
60 操作検知領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26