(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160803
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ハンドル固定具
(51)【国際特許分類】
E05B 83/10 20140101AFI20241108BHJP
【FI】
E05B83/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076189
(22)【出願日】2023-05-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】519456860
【氏名又は名称】有限会社ツカサオート
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(74)【代理人】
【識別番号】100228038
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】谷内 司
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH04
2E250JJ47
2E250JJ49
2E250KK01
2E250LL05
2E250MM04
2E250PP11
2E250QQ00
(57)【要約】
【課題】ハンドルの固定作業が簡単に行えるとともに、耐久性に優れたハンドル固定具を提供する。
【解決手段】棒状のハンドル55を動作させることによって扉62を固定する扉固定装置50に用いられるハンドル固定具1であって、前記扉62又は前記扉62の取付枠63に設けられるヒンジ10と、前記ヒンジの軸12と直交する方向に伸ばされて前記ヒンジ10の軸12とともに回動して、前記ハンドル55の動作端において前記ハンドル55を跨ぎながら前記ハンドル55の動作範囲に入って前記ハンドル55の動きを規制する第1留め部20と、前記第1留め部の先端21から前記ヒンジ10の軸12に沿った方向に伸ばされる延伸部22と、前記延伸部22の先端に設けられ、前記第1留め部20が回動した状態で前記ハンドル55が嵌る窪み部24が設けられる第2留め部23と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状のハンドルを動作させることによって扉を固定する扉固定装置に用いられるハンドル固定具であって、
前記扉又は前記扉の取付枠に設けられるヒンジと、
前記ヒンジの軸と直交する方向に伸ばされて前記ヒンジの軸とともに回動して、前記ハンドルの動作端において前記ハンドルを跨ぎながら前記ハンドルの動作範囲に入って前記ハンドルの動きを規制する第1留め部と、
前記第1留め部の先端から前記ヒンジの軸に沿った方向に伸ばされる延伸部と、
前記延伸部の先端に設けられ、前記第1留め部が前記ハンドルをを跨いだ状態からさらに回動した状態で前記ハンドルが嵌る窪み部が設けられる第2留め部と、を備え、
前記ハンドルと前記第1留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、又は前記第1留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられ、
前記ハンドルと前記第2留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、前記第1留め部、延伸部、又は前記第2留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられることを特徴とするハンドル固定具。
【請求項2】
前記第1留め部が、その先端に行くほど前記ハンドルとの干渉が強くなるように傾斜して設けられている請求項1に記載のハンドル固定具。
【請求項3】
前記第窪み部に前記ハンドルが嵌められた状態で、前記第2留め部のうち前記扉と反対側に前記ハンドルの側面に当接される外れ防止部を備える請求項1又は2に記載のハンドル固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状のハンドルを動作させることによって扉を閉位置で固定する扉固定装置に用いられるものであって、ハンドルの動作端でハンドルを固定するハンドル固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実開昭60-152766号公報に、ハンドルを動作させることによって連結部材を操作して、扉を固定する車両荷箱の観音扉開閉装置が開示されている。また、特開2006-52586号公報に、ハンドル挿入用の溝を設けた受金具にハンドルを嵌めて固定する開閉扉のハンドル固定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60-152766号公報
【特許文献2】特開2006-52586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている技術では、特にハンドルの固定方法についての記載はされていない。また、特許文献2に開示されている技術では、確かにハンドルの固定は確実になされるものの、ハンドルの固定に複数の手順を踏まなければならずその作業が煩雑である。さらに、例えば、産業廃棄物運搬用のコンテナに用いられる等して荒く扱われる等したときに、外部からの衝撃によって動作不良を起こす可能性がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、ハンドルの固定作業が簡単に行えるとともに、耐久性に優れたハンドル固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハンドル固定具は、
棒状のハンドルを動作させることによって扉を固定する扉固定装置に用いられるハンドル固定具であって、
前記扉又は前記扉の取付枠に設けられるヒンジと、
前記ヒンジの軸と直交する方向に伸ばされて前記ヒンジの軸とともに回動して、前記ハンドルの動作端において前記ハンドルを跨ぎながら前記ハンドルの動作範囲に入って前記ハンドルの動きを規制する第1留め部と、
前記第1留め部の先端から前記ヒンジの軸に沿った方向に伸ばされる延伸部と、
前記延伸部の先端に設けられ、前記第1留め部が前記ハンドルを跨いだ状態からさらに回動した状態で前記ハンドルが嵌る窪み部が設けられる第2留め部と、を備え、
前記ハンドルと前記第1留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、又は前記第1留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられ、
前記ハンドルと前記第2留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、前記第1留め部、延伸部、又は前記第2留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられることを特徴とする。
【0007】
本発明のハンドル固定具によれば、ヒンジの軸を中心に第1留め部、延伸部、及び第2留め部を回動させるだけでハンドルを固定することができる。また、第1留め部がハンドルを跨いだ状態で、さらに第2留め部の窪み部にハンドルが嵌る。このため、仮にハンドルが第2留め部から外れても、第1留め部においてハンドルの動きを規制するため、扉の固定が外れることがない。また、第1留め部から第2留め部までを一体的に構成することが可能であり、簡素な構成とすることができる。このため、外部からの衝撃に強く耐久性に優れる。なお、外力とは、人手による力は勿論のこと、流体シリンダや電気モータ等の何らかのアクチュエータを用いて力を加えることも含むことを意図する。
【0008】
本発明のハンドル固定具の好ましい例は、
前記第1留め部が、その先端に行くほど前記ハンドルとの干渉が強くなるように傾斜して設けられている。
【0009】
本発明のハンドル固定具の好ましい例は、
前記第窪み部に前記ハンドルが嵌められた状態で、前記第2留め部のうち前記扉と反対側に前記ハンドルの側面に当接される外れ防止部を備える。
【0010】
これらの本発明のハンドル固定具の好ましい例によれば、ハンドルがハンドル固定具から外れることをより効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、本発明のハンドル固定具によれば、ハンドルの固定作業が簡単に行えるとともに、耐久性に優れたハンドル固定具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るハンドル固定具と、扉固定装置を説明する図である。
【
図5】ハンドルを解除するときのハンドル固定具の動作を説明する図である。
【
図6】ハンドル固定具の他の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のハンドル固定具1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態のハンドル固定具1は、
図1に示すように、棒状のハンドル55を動作させることによって、扉62を固定する扉固定装置50に用いられるものであり、該ハンドル55をその動作端で固定するものである。
【0014】
先ず、
図1を参照して、扉固定装置50を説明する。ここでは、貨物自動車60の荷台61の扉、又は荷台61に積載されるコンテナの後扉62を例に挙げて説明する。この後扉62は、観音開きとなっており、荷台61の左右の取付枠63にそれぞれ蝶番64にて取付けられている。そして、左の後扉62の上部に係止ピン51が設けられている。また、前記係止ピン51を嵌めるための切欠き53を備える固定板52が、軸支ピン54によって右の後扉62の上部に回動可能に設けられる。さらに、固定板52には棒状のハンドル55が取付けられ、このハンドル55を図中の破線両矢印のように動作させることによって固定板52が回動して、左右の後扉62が固定又は開放される。
図1に示す状態では、ハンドル55は後扉62を固定した状態での動作端にある。また、破線で示すように、ハンドル55の先端56を左下方向に動作させることで固定板52が軸支ピン54を軸に跳ね上がり、後扉62が開放される。ここでは、固定板52による扉固定装置50を説明したが、ハンドルを動作させる態様であれば、様々な扉固定装置に採用することができる。例えば、丸落しと呼ばれる固定具を、ハンドルを用いて動作させる扉固定装置でもよい。また、貨物自動車60の後扉62に限らず様々な扉に用いることも可能である。
【0015】
次に、第1実施形態に係るハンドル固定具1の構成について、
図1ないし
図4を参照して説明する。本実施形態のハンドル固定具1は、ヒンジ10と、第1留め部20と、延伸部22と、第2留め部23と、外れ防止部26とを備える。なお、
図2においてハンドル55は動作端にあり、矢印aはハンドル55を動作させるときのハンドル先端56の軌跡を表わし、矢印bはハンドル55を撓ませるときのハンドル先端56の軌跡である(
図5(A)においても同様)。
【0016】
ヒンジ10は、管13が後扉62に設けられ、その管13に内部の軸12が回動自在に支持されるものである。本実施形態では、ヒンジ10を扉の補強フレーム65に取付板11を介して取付けている。また、
図2における上下方向には軸12が動かないようになっている。図示しないが、他の実施形態として、ヒンジ10を後扉62の周囲にある取付枠63に設けることも可能である。
【0017】
第1留め部20は、ヒンジ10の軸12から軸12と直交する方向に伸ばされて、ヒンジ10の軸12とともに回動する棒状の部材である。この第1留め部20は、ハンドル55の動作端において回動させることで、ハンドル55の先端56を跨ぎながらハンドル55の動作範囲に入ってハンドル55の動きを規制する(
図5(A)参照)。また、第1留め部20をハンドル55を跨がない位置に回動させることで、第1留め部20とハンドル55との干渉がなくなり、ハンドル55を自由に動作させることができるようになる(
図5(B)参照)。また、第1留め部20は、その先端に行くほどハンドル55との干渉が強くなるように傾斜されている。本実施形態では、
図2に示すように先端21側が斜め上を向いている。
【0018】
延伸部22は、第1留め部20の先端21からヒンジ10の軸12に沿った方向に伸ばされる棒状の部材である。このヒンジ10の軸12に沿った方向とは、厳密にヒンジ10の軸12に並行である必要はない。本実施形態は、
図2に示すように、延伸部22がその先端に行くほどヒンジ10の軸12と離れるように、ヒンジ10の軸12に対して斜めとなっている。また、本実施形態では第1留め部20の先端21を折曲げて、第1留め部20と延伸部22との境を明確にしているが、延伸部22と第1留め部20との境を滑らかにして、その区別を無くす構成とすることもできる。
【0019】
第2留め部23は、延伸部22の先端に設けられ、第1留め部20がハンドル55を跨いだ状態からさらに回動された状態で、ハンドル55が嵌る窪み部24が設けられるものである。本実施形態の第2留め部23は、
図4に示すように、棒状の部材を略S字状に曲げて構成される。また、第2留め部23には、ハンドル55が滑らかに窪み部24に誘導されるよう、下方向に曲げられた案内部25が備えられる。
【0020】
外れ防止部26は、第2留め部23の窪み部24にハンドル55が嵌められた状態で、第2留め部23のうち後扉62と反対側に立設されて、ハンドル55の側面に当接されるものである。この外れ防止部26によって、ハンドル55が第2留め部23を乗り越えて外れることを防止している。本実施形態では、第2留め部23と外れ防止部26とを1本の棒状部材で連続的に構成している。
【0021】
次に、
図6を参照して、第2実施形態に係るハンドル固定具100を説明する。なお、上述した第1実施形態に係るハンドル固定具1と同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態のハンドル固定具1では、第1留め部20の根元から延伸されるヒンジ110の軸112が長く構成され、ヒンジ110の管113より突出している。そして、軸112のうち管113より突出した部分にバネ114が設けられている。このバネ114によって、第1留め部20及び第2留め部23が、ハンドル55との干渉が強くなる方向(本図では上方向)に付勢されている。また、第1留め部20及び第2留め部23を外力によって図の下方向に押えることでバネ114が縮み、第1留め部20及び第2留め部23が下方向に移動して、ハンドル55との干渉が軽減される、又は干渉がなくなる。つまり、ヒンジ110の軸112が上下することでヒンジ110が一時的に変位し、それにつれて第1留め部20及び第2留め部23の位置が変わり、ハンドル55と、第1留め部20及び第2留め部23との干渉具合が変わるのである。
【0022】
次に、
図5(A)(B)も加えて、本実施形態のハンドル固定具1の動作を説明する。ここでは、ハンドル55がその動作端でハンドル固定具1によって固定された状態から、固定を解除する動作を説明する。
【0023】
先ず、
図2ないし
図4を参照して、ハンドル55がその動作端でハンドル固定具1によって固定されている状態を説明する。この状態では、第1留め部20、延伸部22、及び第2留め部23が、ヒンジ10の軸12を中心に
図3における時計方向に回動されている。そして、ハンドル55が第2留め部23の窪み部24に嵌められて規制状態となっている。これにより、ハンドル55が動作することがない。この規制状態において、ハンドル55と窪み部24は、ハンドル55、第1留め部20、延伸部22、又は第2留め部23の少なくとも一部による撓みにより、互いに当接され押し付け合う方向に付勢されている。このため、外力を加えてハンドル55、第1留め部20、延伸部22、又は第2留め部23の少なくとも一部をさらに撓ませて変形させない限り外れることはない。
【0024】
また、ハンドル55を窪み部24に嵌めるときも、案内部25が窪み部24より盛り上がっている。このため、ハンドル55と第2留め部23は、外力が加えられない状態である自由位置では互いが干渉し、自然には嵌らないように構成される。つまり、ハンドル55を窪み部24に嵌めるときは、外力を加えてハンドル55、第1留め部20、延伸部22、又は第2留め部23の少なくとも一部を撓ませる必要がある。このように、外力を加えてハンドル55、第1留め部20、延伸部22、又は第2留め部23の少なくとも一部に撓みを生じさせて変形させることで、ハンドル55と第2留め部23との規制状態と非規制状態を切替えている。なお、第2実施形態に係るハンドル固定具100においては、ハンドル55、第1留め部20、延伸部22、又は第2留め部23の少なくとも一部による撓みに替えて、ヒンジ110の軸112を上下させてヒンジ110を変位させることができる。
【0025】
次に、
図2に示す状態から外力を加えることでハンドル55等を撓ませ、第1留め部20、延伸部22、及び第2留め部23を、ヒンジ10の軸12を中心に
図3における反時計方向に回して、
図5(A)に示す状態にする。このとき、ハンドル55と第2留め部23との係止は解除され、ハンドル55は第2留め部23との関係においては非規制状態となっている。しかし、第1留め部20がハンドル55を跨いでおり、かつ第1留め部20が図中矢印aに示すハンドル55の先端56の軌跡より内側(ハンドル55の支点側、すなわち固定板52の軸支ピン54側)にある。このため、ハンドル55の先端56と第1留め部20とが、外力が加えられない状態である自由位置では干渉して、第1留め部20によるハンドル55の規制状態が維持される。
【0026】
そこで、外力を加えることで、ハンドル55、又は第1留め部20の少なくとも一部を撓ませることで、第1留め部20がハンドル55の先端56を乗り越える(本図では下をくぐる)ようにする。具体的には、第2留め部23や延伸部22を手に持って
図3における反時計方向へさらに回動させる。また、同時にハンドル55を手に持って、
図5(A)の矢印b方向に撓ませても良い。すると、ハンドル55、又は第1留め部20の少なくとも一部が撓んで、第1留め部20がハンドル55の先端56を乗り越える。これにより、
図3の破線で示す状態、及び
図5(B)に示す状態となり、ハンドル55は非規制状態となる。なお、第2実施形態に係るハンドル固定具100においては、ハンドル55、又は第1留め部20の少なくとも一部による撓みに替えて、ヒンジ110の軸112を上下させることができる。
【0027】
また、本実施形態のハンドル固定具1では、ハンドル55の支点である固定板52の軸支ピン54の軸方向(貨物自動車60の前後方向)からみて、ハンドル55の先端56がヒンジ10の位置を越えて配置されている。すなわち、ハンドル55の先端56とヒンジ10の位置とがオフセットされてずれている(
図5(A)符号g参照)。このため、第1留め部20等を
図5(A)から
図5(B)に示す状態に回動させるとき、第1留め部20をヒンジ10の軸12を中心に回動させればさせるほど、ハンドル55は第1留め部20の先端21側と当接されて干渉する。ここで、第1留め部20は、先端21に行くほどハンドル55との干渉が強くなるように傾斜されている。このため、第1留め部20がハンドル55の先端56を乗り越える瞬間に、最も大きな外力を必要とする。これらのことから、外力を加えない状態では、ハンドル55と第1留め部20との規制状態が確実に保たれるようになる。
【0028】
一方、ハンドル固定具1によって動作端にあるハンドル55を固定する場合は、上述した説明と逆のことを行なえばよい。具体的には、ヒンジ10の軸12を中心に第1留め部20等を
図3の破線に示す状態から反時計方向に回動させる。そして、ハンドル55や第1留め部20等に外力を加えて操作し、
図5(B)に示す状態から
図5(A)、そして
図2の状態にすればよい。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態のハンドル固定具1によれば、ヒンジ10を軸に第1留め部20や第2留め部23等を回動させるという略1つの動作でハンドル55の規制状態と非規制状態とを切替えることができる。また、第2留め部23と第1留め部20の2つの留め部によってハンドル55を留めており、仮に第2留め部23が外れても第1留め部20でハンドル55を規制状態に保つことができる。これにより、ハンドル固定具1がハンドル55から外れる危険性を低減させている。
【0030】
また、ハンドル固定具1を、ヒンジ10の管13と、数本の鋼材を曲げたものとで製造することが可能である。このため、構成が簡素であり、故障も少なくでき、耐久性に優れたハンドル固定具1とすることができる。仮に、第1留め部20、延伸部22、第2留め部23が曲がったり折れたりしても、現場で曲げを修正したり溶接したりして修理することが容易である。
【符号の説明】
【0031】
1,100・・ハンドル固定具、
10,110・・ヒンジ、11・・取付板、12,112・・軸(ヒンジ)、13・・管、114・・バネ、
20・・第1留め部、21・・先端(第1留め部)、22・・延伸部、23・・第2留め部、24・・窪み部、25・・案内部、26・・外れ防止部、
50・・扉固定装置、51・・係止ピン、52・・固定板、53・・切欠き、54・・軸支ピン、55・・ハンドル、56・・先端(ハンドル)、
60・・貨物自動車、61・・荷台、62・・後扉(扉)、63・・取付枠、64・・蝶番、65・・補強フレーム、
【手続補正書】
【提出日】2023-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状のハンドルを動作させることによって扉を固定する扉固定装置に用いられるハンドル固定具であって、
前記扉又は前記扉の取付枠に設けられるヒンジと、
前記ヒンジの軸と直交する方向に伸ばされて前記ヒンジの軸とともに回動して、前記ハンドルの動作端において前記ハンドルを跨ぎながら前記ハンドルの動作範囲に入って前記ハンドルの動きを規制する第1留め部と、
前記第1留め部の先端から前記ヒンジの軸に沿った方向に伸ばされる延伸部と、
前記延伸部の先端に設けられ、前記第1留め部が前記ハンドルを跨いだ状態からさらに回動した状態で前記ハンドルが嵌る窪み部が設けられる第2留め部と、を備え、
前記ハンドルと前記第1留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、又は前記第1留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられ、
前記ハンドルと前記第2留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態又は非規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、前記第1留め部、前記延伸部、又は前記第2留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられることを特徴とするハンドル固定具。
【請求項2】
前記第1留め部が、その先端に行くほど前記ハンドルとの干渉が強くなるように傾斜して設けられている請求項1に記載のハンドル固定具。
【請求項3】
前記窪み部に前記ハンドルが嵌められた状態で、前記第2留め部のうち前記扉と反対側に前記ハンドルの側面に当接される外れ防止部を備える請求項1又は2に記載のハンドル固定具。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状のハンドルを動作させることによって扉を固定する扉固定装置に用いられるハンドル固定具であって、
前記扉又は前記扉の取付枠に設けられるヒンジと、
前記ヒンジの軸と直交する方向に伸ばされて前記ヒンジの軸とともに回動して、前記ハンドルの動作端において前記ハンドルを跨ぎながら前記ハンドルの動作範囲に入って前記ハンドルの動きを規制する第1留め部と、
前記第1留め部の先端から前記ヒンジの軸に沿った方向に伸ばされる延伸部と、
前記延伸部の先端に設けられ、前記第1留め部が前記ハンドルを跨いだ状態からさらに回動した状態で前記ハンドルが嵌る窪み部が設けられる第2留め部と、を備え、
前記ハンドルと前記第1留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、又は前記第1留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられ、
前記ハンドルと前記第2留め部は、外力が加えられないときは互いが干渉することで前記ハンドルの規制状態が維持され、外力が加えられることにより前記ハンドル、前記ヒンジ、前記第1留め部、前記延伸部、又は前記第2留め部の少なくとも一部が一時的に変形又は変位することで前記ハンドルの規制状態と非規制状態が切替えられることを特徴とするハンドル固定具。
【請求項2】
前記第1留め部が、その先端に行くほど前記ハンドルとの干渉が強くなるように傾斜して設けられている請求項1に記載のハンドル固定具。
【請求項3】
前記窪み部に前記ハンドルが嵌められた状態で、前記第2留め部のうち前記扉と反対側に前記ハンドルの側面に当接される外れ防止部を備える請求項1又は2に記載のハンドル固定具。