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特開2024-160804ハイサイドゲートドライバ回路、モータドライバ回路、ハードディスク装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160804
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ハイサイドゲートドライバ回路、モータドライバ回路、ハードディスク装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20241108BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241108BHJP
   H03K 17/06 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M7/48 Z
H03K17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076191
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】杉江 尚
【テーマコード(参考)】
5H740
5H770
5J055
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BB09
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH05
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
5H770BA01
5H770DA03
5H770DA41
5J055AX05
5J055BX16
5J055CX07
5J055CX20
5J055DX09
5J055DX13
5J055DX22
5J055DX59
5J055DX72
5J055DX83
5J055EY01
5J055EY13
5J055EY21
5J055EZ03
5J055EZ04
5J055EZ20
5J055GX01
5J055GX04
(57)【要約】
【課題】ハイサイドトランジスタを正確に駆動できるハイサイドゲートドライバ回路を提供する。
【解決手段】ハイサイドゲートドライバ回路200は、NチャンネルまたはNPN型のハイサイドトランジスタMHを駆動する。第2レベルシフト回路240は、ハイサイドゲートドライバ回路200の動作を規定するドライバ制御信号CTRLを、ブートストラップ電圧VBSTをハイレベルとする信号にレベルシフトアップする。第2レベルシフト回路240は、第1トランジスタM11および第1抵抗R11を含む。カレントミラー回路246の入力ノードはキャパシタC11と接続され、キャパシタC11に流れる電流を折り返して、第1トランジスタM11のドレインに供給する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NチャンネルまたはNPN型のハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドゲートドライバ回路であって、
前記ハイサイドトランジスタのオン、オフを指示するハイサイド制御信号を、ブートストラップラインに発生するブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第1レベルシフト回路と、
前記ハイサイドゲートドライバ回路の動作を規定するドライバ制御信号を、前記ブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第2レベルシフト回路と、
前記第1レベルシフト回路の出力と、前記第2レベルシフト回路の出力と、を受け、前記ハイサイドトランジスタの状態を規定するプリドライバ制御信号を生成するハイサイドロジック回路と、
前記プリドライバ制御信号に応じて前記ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドプリドライバと、
を備え、
前記第2レベルシフト回路は、
ゲートに前記制御信号に応じた信号を受ける二重拡散型トランジスタである第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインと、前記ブートストラップラインの間に接続されたレシーバ回路と、
第1端が接地された第1キャパシタと、
前記ブートストラップラインと接続され、前記キャパシタの第2端が入力ノードと接続され、出力ノードが前記第1トランジスタの前記ドレインと接続されたカレントミラー回路と、
を含む、ハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項2】
前記第2レベルシフト回路は、前記第1トランジスタのソースと接続された電流源をさらに含む、請求項1に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項3】
前記キャパシタは、MIM(金属-絶縁体-金属)容量である、請求項1または2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項4】
前記キャパシタは、ゲートソース間が接続された二重拡散トランジスタである第2トランジスタを含む、請求項1または2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項5】
前記レシーバ回路は、
第1端が前記ブートストラップラインと接続され、第2端が前記第1トランジスタのドレインと接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の前記第1トランジスタの前記ドレインの接続ノードの信号を受けるインバータと、
を含む、請求項1から4のいずれかに記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項6】
前記レシーバ回路は、
前記第1抵抗と並列に接続されたクランプ素子をさらに含む、請求項5に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項7】
前記インバータの上側電源端子は、前記ブートストラップラインと接続され、前記インバータの下側電源端子は、前記ブートストラップ電圧よりも所定電圧レベル低い定電圧ラインと接続された、請求項5または6に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項8】
前記電流源は、
基準電流を生成する基準電流源と、
前記基準電流を折り返すカレントミラー回路と、
を含む、請求項2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【請求項9】
モータドライバ回路であって、
駆動対象のモータと接続されるハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタそれぞれのオン、オフを指示するハイサイド制御信号およびローサイド制御信号を生成するロジック回路と、
前記ハイサイド制御信号に応じて前記ハイサイドトランジスタを駆動する請求項1から8のいずれかに記載のハイサイドゲートドライバ回路と、
前記ローサイド制御信号に応じて前記ローサイドトランジスタを駆動するローサイドゲートドライバと、
を備える、モータドライバ回路。
【請求項10】
モータと、
前記モータを駆動する請求項9に記載のモータドライバ回路と、
を備える、ハードディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドゲートドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DC/DCコンバータ、電力変換装置やモータ駆動回路などのさまざまなアプリケーションにおいて、パワートランジスタおよびその駆動回路(ゲート駆動回路)を含むスイッチング回路が用いられる。
【0003】
大電力のアプリケーションでは、ハイサイドトランジスタに、N型トランジスタ、すなわちNチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やNPG型バイポーラトランジスタ、IGBTなどが利用される。このような構成では、ブートストラップ回路を利用して、ハイサイドトランジスタに印加される入力電圧よりも高いブートストラップ電圧が生成される。
【0004】
ハイサイドプリドライバ回路は、ブートストラップ電圧を利用して、ハイサイドトランジスタをターンオンする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7001460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ブートストラップ回路を利用したスイッチング回路では、ハイサイドゲートドライバ回路に対する制御信号の伝送経路に、レベルシフト回路(レベルシフトアップ回路)が設けられる。レベルシフト回路は、ブートストラップ電圧が発生するブートストラップラインと接続されるため、ブートストラップ電圧の変動の影響を受け、誤動作するおそれがある。
【0007】
本開示は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、ハイサイドトランジスタを正確に駆動できるハイサイドゲートドライバ回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある態様はハイサイドゲートドライバ回路に関する。ハイサイドゲートドライバ回路は、NチャンネルまたはNPN型のハイサイドトランジスタを駆動する。ハイサイドゲートドライバ回路は、ハイサイドトランジスタのオン、オフを指示するハイサイド制御信号を、ブートストラップラインに発生するブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第1レベルシフト回路と、ハイサイドゲートドライバ回路の動作を規定するドライバ制御信号を、ブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第2レベルシフト回路と、第1レベルシフト回路の出力と、第2レベルシフト回路の出力と、を受け、ハイサイドトランジスタの状態を規定するプリドライバ制御信号を生成するハイサイドロジック回路と、プリドライバ制御信号に応じてハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドプリドライバと、を備える。第2レベルシフト回路は、ゲートに制御信号に応じた信号を受ける二重拡散型トランジスタである第1トランジスタと、第1トランジスタのドレインと、ブートストラップラインの間に接続されたレシーバ回路と、第1端が接地された第1キャパシタと、ブートストラップラインと接続され、キャパシタの第2端が入力ノードと接続され、出力ノードが第1トランジスタのドレインと接続されたカレントミラー回路と、を含む。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本開示のある態様によれば、ハイサイドトランジスタを確実に駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るスイッチング回路の回路図である。
図2図2は、ハイサイドゲートドライバ回路の回路図である。
図3図3は、一実施例に係る第2レベルシフト回路の回路図である。
図4図4は、ハイサイドゲートドライバ回路の動作を説明する図である。
図5図5は、比較技術に係る第2レベルシフト回路の回路図である。
図6図6は、図5の第2レベルシフト回路の動作を説明する図である。
図7図7は、図3の第2レベルシフト回路の動作を説明する図である。
図8図8は、変形例に係る第2レベルシフト回路の回路図である。
図9図9は、モータドライバ回路の回路図である。
図10図10は、図9のモータドライバ回路を備えるハードディスク装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0013】
一実施形態に係るハイサイドゲートドライバ回路は、NチャンネルまたはNPN型のハイサイドトランジスタを駆動する。ハイサイドゲートドライバ回路は、ハイサイドトランジスタのオン、オフを指示するハイサイド制御信号を、ブートストラップラインに発生するブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第1レベルシフト回路と、ハイサイドゲートドライバ回路の動作を規定するドライバ制御信号を、ブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第2レベルシフト回路と、第1レベルシフト回路の出力と、第2レベルシフト回路の出力と、を受け、ハイサイドトランジスタの状態を規定するプリドライバ制御信号を生成するハイサイドロジック回路と、プリドライバ制御信号に応じてハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドプリドライバと、を備える。第2レベルシフト回路は、ゲートに制御信号に応じた信号を受ける二重拡散型(DMOS:Double Diffusion Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第1トランジスタと、第1トランジスタのドレインと、ブートストラップラインの間に接続されたレシーバ回路と、第1端が接地された第1キャパシタと、ブートストラップラインと接続され、キャパシタの第2端が入力ノードと接続され、出力ノードが第1トランジスタのドレインと接続されたカレントミラー回路と、を含む。
【0014】
DMOSトランジスタである第1トランジスタのドレイン接地間には、大きな寄生容量が存在する。ハイサイドトランジスタのスイッチング速度が速い場合、ブートストラップ電圧も、高速に遷移することになる。第1トランジスタがオフの状態では、第1トランジスタのドレイン電圧は、ブートストラップ電圧と等しいことが期待される。ところが、ブートストラップ電圧が高速に遷移すると、寄生容量の影響で第1トランジスタのドレイン電圧がブートストラップ電圧よりも低くなり、レシーバ回路が誤動作する。上記構成では、ブートストラップ電圧が上昇すると、第1キャパシタに電流が流れ込む。この電流がカレントミラー回路によって折り返されて、第1トランジスタのドレインに供給される。これにより、第1トランジスタのドレイン電圧をブートストラップ電圧に近いレベルに維持することができ、レシーバ回路の誤動作を防止できる。
【0015】
一実施形態において、第2レベルシフト回路は、第1トランジスタのソースと接続された電流源をさらに含んでもよい。これにより、第1トランジスタがオン状態における回路電流を、電流源によって制限することができ、消費電流の増加を抑制できる。
【0016】
一実施形態において、キャパシタは、MIM(金属-絶縁体-金属)容量であってもよい。
【0017】
一実施形態において、キャパシタは、ゲートソース間が接続された二重拡散トランジスタである第2トランジスタを含んでもよい。
【0018】
一実施形態において、レシーバ回路は、第1端がブートストラップラインと接続され、第2端が第1トランジスタのドレインと接続された第1抵抗と、第1抵抗の第1トランジスタのドレインの接続ノードの信号を受けるインバータと、を含んでもよい。
【0019】
一実施形態において、レシーバ回路は、第1抵抗と並列に接続されたクランプ素子をさらに含んでもよい。第1トランジスタのドレインの電圧の変動範囲を制限することができる。
【0020】
一実施形態において、インバータの上側電源端子は、ブートストラップラインと接続され、インバータの下側電源端子は、ブートストラップ電圧よりも所定電圧レベル低い定電圧ラインと接続されてもよい。
【0021】
一実施形態に係るモータドライバ回路は、駆動対象のモータと接続されるハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタそれぞれのオン、オフを指示するハイサイド制御信号およびローサイド制御信号を生成するロジック回路と、ハイサイド制御信号に応じてハイサイドトランジスタを駆動する上述のいずれかのハイサイドゲートドライバ回路と、ローサイド制御信号に応じてローサイドトランジスタを駆動するローサイドゲートドライバと、を備えてもよい。
【0022】
一実施形態に係るハードディスク装置は、モータと、モータを駆動する上述のいずれかのモータドライバ回路と、を備えてもよい。
【0023】
(実施形態)
以下、本発明を好適な実施形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0024】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0025】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0026】
また、「信号A(電圧、電流)が信号B(電圧、電流)に応じている」とは、信号Aが信号Bと相関を有することを意味し、具体的には、(i)信号Aが信号Bである場合、(ii)信号Aが信号Bに比例する場合、(iii)信号Aが信号Bをレベルシフトして得られる場合、(iv)信号Aが信号Bを増幅して得られる場合、(v)信号Aが信号Bを反転して得られる場合、(vi)あるいはそれらの任意の組み合わせ、等を意味する。「応じて」の範囲は、信号A、Bの種類、用途に応じて定まることが当業者には理解される。
【0027】
図1は、実施形態に係るスイッチング回路100の回路図である。スイッチング回路100は、ハイサイドトランジスタMH、ローサイドトランジスタML、ブートストラップキャパシタCBSTおよびゲートドライバ回路300を備える。
【0028】
出力ライン104には図示しない負荷が接続される。負荷の種類は特に限定されないが、一般的にはインダクタ(コイル、リアクトル)やトランスの巻線などの誘導性負荷が接続される。
【0029】
ハイサイドトランジスタMHは、入力ライン102と出力ライン104の間に接続される。ローサイドトランジスタMLは、出力ライン104と接地ライン106の間に接続される。ハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLはいずれもN型(NチャンネルあるいはNPN型)であり、本実施形態では、MOSFETである。なおハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLの種類は特に限定されず、Siデバイスであってもよいし、GaNやSiCなどの化合物デバイスあるいはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。なお、本実施形態では、ハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLは、ディスクリート部品であり、ゲートドライバ回路300の外部に設けられているが、それらはゲートドライバ回路300に集積化されてもよい。
【0030】
ゲートドライバ回路300は、ハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLを駆動し、以下の3つの状態を発生させる。
ロー出力状態φ1: MH=OFF,ML=ON
ハイインピーダンス状態φ2: MH=OFF,ML=OFF
ハイ出力状態φ3: MH=ON,ML=OFF
【0031】
ゲートドライバ回路300は、ロジック回路310、ローサイドゲートドライバ回路320、ハイサイドゲートドライバ回路200を備え、それらが半導体チップに集積化されたIC(Integrated Circuit)である。
【0032】
ゲートドライバ回路300のスイッチング(SW)ピンは、出力ライン104と接続され、ハイサイドゲート(HG)ピンは、ハイサイドトランジスタMHのゲートと接続され、ローサイドゲート(LG)ピンは、ローサイドトランジスタMLのゲートと接続される。またブートストラップ(BST)ピンとSWピンの間には、ブートストラップキャパシタCBSTが接続される。
【0033】
ロジック回路310は、ハイサイドトランジスタMHのオン、オフを指示するハイサイド制御信号HG_CNTと、ローサイドトランジスタMLのオン、オフを指示するローサイド制御信号LG_CNTを生成する。たとえば制御信号HG_CNT,LG_CNTは、ハイがオン、ローがオフに対応付けられる。これらの制御信号HG_CNTおよびLG_CNTの生成手法は、スイッチング回路100の機能、アプリケーションごとに異なってよく、特に限定されるものでない。
【0034】
またロジック回路310は、ハイサイドゲートドライバ回路200の動作状態を規定するドライバ制御信号CTRLを生成する。ドライバ制御信号CTRLの種類は特に限定されず、ハイサイドトランジスタMHのオン、オフ以外の情報を指定する信号である。本実施形態では、ドライバ制御信号CTRLは、ハイサイドゲートドライバ回路200のイネーブル信号EN\であるものとする。\は負論理を表す。
【0035】
つまり、ハイサイドゲートドライバ回路200は、イネーブル信号EN\がアサート(ここではローとする)のときに動作状態となり、ハイサイド制御信号HG_CTLに応じてハイサイドトランジスタMHをスイッチングする。ハイサイドゲートドライバ回路200は、イネーブル信号ENがネゲート(ここではハイとする)のときに停止状態となり、ハイサイド制御信号HG_CTLに応じてハイサイドトランジスタMHをスイッチングする。
【0036】
ブートストラップ回路を構成する整流素子D1のカソードは、ブートストラップライン302を介してBSTピンと接続される。整流素子D1のアノードには、第1定電圧VREG1が印加される。第1定電圧VREG1は、ゲートドライバ回路300の内部または外部の電源回路によって生成される。第1定電圧VREG1は、ハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLのしきい値電圧Vth(gs)より高い電圧である。
【0037】
ローサイドゲートドライバ回路320は、ローサイド制御信号LG_CNTにもとづいて、ローサイドトランジスタMLを駆動する。ローサイドゲートドライバ回路320の上側電源端子には、第1定電圧VREG1が供給され、ローサイドゲートドライバ回路320の下側電源端子は接地ライン306と接続される。ローサイドゲートドライバ回路320は、ローサイド制御信号LG_CNTがローサイドトランジスタMLのオンを指示するとき、LG端子に、ハイレベルVREG1であるゲート電圧VLGを発生し、ローサイド制御信号LG_CNTがローサイドトランジスタMLのオフを指示するとき、LG端子に、ローレベル0Vであるゲート電圧VLGを発生する。
【0038】
ハイサイドゲートドライバ回路200は、ハイサイド制御信号HG_CNTおよびイネーブル信号ENにもとづいて、ハイサイドトランジスタMHを駆動する。ハイサイドゲートドライバ回路200は、ブートストラップライン302およびスイッチングライン304と接続される。スイッチングライン304は、SWピンを介して、ハイサイドトランジスタMHのソースおよびローサイドトランジスタMLのドレインと接続される。スイッチング回路100のスイッチング動作と連動して、スイッチングライン304には、VINまたは0Vであるスイッチング電圧VSWが発生する。またブートストラップライン302には、ブートストラップ電圧VBSTが発生する。
BST=VSW+VREG1-Vf
Vfは整流素子D1の順方向電圧である。VREG1-Vf=ΔVとすると、
BST=VSW+ΔV
となり、ブートストラップライン302には、スイッチング電圧VSWに対してΔV1高いブートストラップ電圧VBSTが発生する。
【0039】
ハイサイドゲートドライバ回路200は、ハイサイド制御信号HG_CNTがハイサイドトランジスタMHのオンを指示するとき、HG端子に、ハイレベルVBSTであるゲート電圧VHGを発生し、ハイサイド制御信号HG_CNTがハイサイドトランジスタMHのオフを指示するとき、HG端子に、ローレベルVSWであるゲート電圧VHGを発生する。
【0040】
ハイサイドゲートドライバ回路200は、プリドライバ210、ハイサイドロジック回路220、第1レベルシフト回路230、第2レベルシフト回路240を備える。
【0041】
第1レベルシフト回路230は、ハイサイド制御信号HG_CNTをレベルシフトアップし、レベルシフトされた制御信号(HG_CNT_LVS)を、ハイサイドロジック回路220に受け渡す。第2レベルシフト回路240は、イネーブル信号ENをレベルシフトアップし、レベルシフト後のイネーブル信号(EN_LVS)を、ハイサイドロジック回路220に受け渡す。
【0042】
レベルシフト後の制御信号HG_CNT_LVS,EN_LVSは、ブートストラップ電圧VBSTをハイレベルとする電圧である。また制御信号HG_CNT_LVS,EN_LVSのローレベルは、本実施形態では、第2定電圧VREG2である。第2定電圧VREG2は、ブートストラップ電圧VBSTを基準として生成される電圧であり、VREG2=VBST-ΔVである。第2定電圧VREG2が発生するラインを、第2定電圧ライン308と称する。なお、制御信号HG_CNT_LVS,EN_LVSのローレベルを、スイッチング電圧VSWとしてもよい。
【0043】
ハイサイドロジック回路220は、イネーブル信号EN_LVSおよびハイサイド制御信号HG_CNT_LVSを受ける。ハイサイドロジック回路220は、イネーブル信号EN_LVSがアサートレベルであるとき、イネーブル状態となり、ハイサイド制御信号HG_CNT_LVSにもとづくプリドライバ制御信号HG_OUTを出力する。
【0044】
ハイサイドロジック回路220は、イネーブル信号EN_LVSがネゲートレベルであるとき、ディセーブル状態となり、プリドライバ制御信号HG_OUTを、プリドライバ210の出力がハイインピーダンスとなるように設定する。
【0045】
プリドライバ210の上側電源端子は、ブートストラップライン302と接続され、プリドライバ210の下側電源端子は、スイッチングライン304と接続される。プリドライバ210は、プリドライバ制御信号HG_OUTにもとづいてHGピンにゲート電圧VHGを発生する。
【0046】
以上がスイッチング回路100の全体構成である。続いて、第2レベルシフト回路240の構成について説明する。
【0047】
図2は、ハイサイドゲートドライバ回路200の回路図である。ハイサイドゲートドライバ回路200は、プリドライバ210、ハイサイドロジック回路220、第1レベルシフト回路230、第2レベルシフト回路240を備える。
【0048】
第2レベルシフト回路240は、第1トランジスタM11、電流源242、レシーバ回路244、第1キャパシタC11、カレントミラー回路246を備える。
【0049】
第1トランジスタM11は、二重拡散型(DMOS)トランジスタであり、そのゲートに、ドライバ制御信号CTRL(イネーブル信号EN\)を受ける。ドライバ制御信号CTRLがハイのとき、第1トランジスタM11はオンとなり、ドライバ制御信号CTRLがローのとき、第1トランジスタM11はオフとなる。
【0050】
電流源242は、第1トランジスタM11のソースと接続される。電流源242は第1電流Iを発生し、第1トランジスタM11がオンのときに、ブートストラップライン302から接地に流れる電流を制限する。これにより第2レベルシフト回路240の消費電力が削減される。
【0051】
第1トランジスタM11は、オープンドレイン型のトランスミッタ回路と把握することができる。レシーバ回路244は、ブートストラップライン302と第1トランジスタM11のドレインの間に接続される。レシーバ回路244は、第1トランジスタM11であるトランスミッタ回路の出力信号を受信する。第1トランジスタM11のドレインをノードAと称する。
【0052】
第1キャパシタC11は、第1端が接地される。カレントミラー回路246は、ブートストラップライン302と接続される。カレントミラー回路246の入力ノードは、キャパシタC11の第2端と接続され、出力ノードは、第1トランジスタM11のドレイン(ノードA)と接続される。
【0053】
図3は、一実施例に係る第2レベルシフト回路240Aの回路図である。電流源242は、基準電流源250と、NMOSトランジスタM31,M32からなるカレントミラー回路252と、を含む。カレントミラー回路252は、基準電流源250が生成する基準電流IREFを折り返し、第1電流Iを出力する。
【0054】
第1キャパシタC11は、MIM(金属-絶縁体-金属)容量である。第1キャパシタC11は、拡散容量であってもよい。
【0055】
カレントミラー回路246は、PMOSトランジスタM21,M22を含む。第1キャパシタC11に流れ込む第2電流Iが、カレントミラー回路246によって折り返され、第2電流Iに比例する第3電流Iが第1トランジスタM11のドレインに供給される。
【0056】
レシーバ回路244は、第1抵抗R11、クランプ素子254、インバータ256を含む。第1抵抗R11は、ブートストラップライン302と第1トランジスタM11のドレインの間に接続され、プルアップ抵抗として機能する。クランプ素子254は、第1トランジスタM11のドレインの電圧が、ブートストラップ電圧VBSTを基準とするクランプレベルより低くならないようにクランプする。たとえばクランプ素子254は、ツェナーダイオードを用いてもよいし、その他の素子を用いてもよい。
【0057】
インバータ256は、上側電源端子がブートストラップライン302と接続され、下側電源端子が第2定電圧ライン308と接続される。インバータ256をはじめとする回路要素はCMOS構造を有しており、上側電源端子とは、その内部のPMOSトランジスタのソースに対応し、下側電源端子とは、その内部のNMOSトランジスタのソースに対応する。インバータ256の入力ノードは、第1トランジスタM11のドレインと接続される。
【0058】
以上が第2レベルシフト回路240Aの構成例である。続いてハイサイドゲートドライバ回路200の動作を説明する。
【0059】
図4は、ハイサイドゲートドライバ回路200の動作を説明する図である。イネーブル信号EN\はローであり、ハイサイドゲートドライバ回路200はイネーブル状態となっている。
【0060】
時刻tより前、ハイサイド制御信号HG_CNTがロー、ローサイド制御信号LG_CNTがハイであり、ハイサイドトランジスタMHはオフ、ローサイドトランジスタMLはオンとなっている。このときスイッチング電圧VSWは0Vである。
【0061】
時刻tに、ローサイド制御信号LG_CNTがローとなると、ローサイドトランジスタMLがターンオフする。
【0062】
続いて、時刻tに、ハイサイド制御信号HG_CNTがハイとなると、ハイサイドトランジスタMHがターンオンする。これにより、スイッチング電圧VSWが入力電圧VINに向かって上昇する。スイッチング電圧VSWが上昇すると、ブートストラップ電圧VBSTもそれに追従して上昇する。
BST=VSW+ΔV
【0063】
このようにハイサイドトランジスタMHのスイッチングに応じて、ブートストラップ電圧VBSTは急峻に変動する。ブートストラップ電圧VBSTの急峻な変動は、第2レベルシフト回路240の動作に影響を与える。この影響を、比較技術を参照して説明する。
【0064】
図5は、比較技術に係る第2レベルシフト回路240Rの回路図である。第2レベルシフト回路240Rは、図2の第2レベルシフト回路240Aから、第1キャパシタC11およびカレントミラー回路246を省略したものである。
【0065】
本発明者は、図5の第2レベルシフト回路240Rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0066】
図6は、図5の第2レベルシフト回路240Rの動作を説明する図である。図4で説明した動作において、ドライバ制御信号CTRL(イネーブル信号EN\)はローであるから、第1トランジスタM11はオフ状態である。このとき、第1抵抗R11には電流が流れない。したがって、ブートストラップ電圧VBSTの変動が無ければ、ノードAの電位Vはブートストラップ電圧VBSTと等しい。
【0067】
ハイサイドトランジスタMHのターンオンにともなって、ブートストラップ電圧VBSTが、0Vから跳ね上がるときにも、ブートストラップ電圧VBSTとノードAの電圧Vの電位差はゼロでなければならない。ところが、ノードAの寄生容量Cpが大きいと、ノードAの上昇がブートストラップ電圧VBSTに対して遅れることとなる。この寄生容量Cpは、第1トランジスタM11であるDMOSトランジスタの容量が支配的である。
【0068】
その結果、ブートストラップライン302とノードAの間に電位差が生ずる。この電位差がインバータ256のしきい値電圧VTHより大きくなると、インバータ256の入力がローと誤判定され、インバータ256の出力、つまりレベルシフト後のイネーブル信号EN_LVSが反転する。これにより、ハイサイドロジック回路220がディセーブル状態となり、誤動作を引き起こす。
【0069】
これが第2レベルシフト回路240Rにおいて発生する問題である。この問題は、以下で説明するように、実施形態に係る第2レベルシフト回路240によって解決される。
【0070】
図7は、図3の第2レベルシフト回路240Aの動作を説明する図である。図7には、第2レベルシフト回路240Aの動作を実線で、比較技術に係る第2レベルシフト回路240Rの動作を破線で示している。
【0071】
時刻tにハイサイドトランジスタMHがターンオンすると、ブートストラップ電圧VBSTが上昇する。このとき、第1キャパシタC11に対して、電流Iが流れる。この電流Iが、カレントミラー回路246によって折り返され、電流IがノードAに供給される。この電流Iが供給されることにより、ノードAの寄生容量Cpが充電され、ノードAの電圧Vが、比較技術に比べて高速に上昇する。
【0072】
これにより、ブートストラップ電圧VBSTと電圧Vの差が、比較技術に比べて小さくなる。その結果、インバータ256の出力EN_LVSはローを維持し、誤動作を防止することができる。
【0073】
続いて第2レベルシフト回路240の変形例を説明する。
【0074】
(変形例1)
図8は、変形例1に係る第2レベルシフト回路240Bの回路図である。この変形例において、カレントミラー回路246の入力側には、ゲートドレイン間が結線されたDMOSトランジスタM12が接続されており、DMOSトランジスタM12の寄生容量が、第1キャパシタC11として機能する。
【0075】
(変形例2)
図2の電流源242は省略してもよい。
【0076】
(変形例3)
レシーバ回路244の構成は、プルアップ抵抗とインバータの組み合わせには限定されない。たとえばレシーバ回路244は、クロスカップルされたPMOSトランジスタのペアを含むラッチ回路であってもよい。
【0077】
(変形例4)
図2の第2レベルシフト回路240は、1個のドライバ制御信号CTRLのハイとローによって、二値の信号を伝送したが、本開示は、それに限定されない。たとえばハイサイドゲートドライバ回路200は、2個の第2レベルシフト回路240を含む。ロジック回路310は、セットパルスとリセットパルスを発生してもよい。セットパルスは、一方の第2レベルシフト回路240の第1トランジスタM11のゲートに入力される。リセットパルスは、他方の第2レベルシフト回路240の第1トランジスタM11のゲートに入力される。2個の第2レベルシフト回路240により、セットパルスおよびリセットパルスを、ハイサイドロジック回路220に伝送する。ハイサイドロジック回路220には、SRフリップフロップ(ラッチ)が設けられており、セットパルスとリセットパルスが二値の信号に変換される。
【0078】
(用途)
ゲートドライバ回路300は、モータドライバ回路に利用することができる。図9は、モータドライバ回路700の回路図である。モータドライバ回路700は、3相DCモータ701を駆動する。
【0079】
モータドライバ回路700は、三相インバータ710およびモータドライバIC600を備える。三相インバータ710は、U相、V相、W相のレグを含み、各レグは、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含んでいる。
【0080】
モータドライバIC600は、U相、V相、W相のゲートドライバ回路620U,620V,620Wを含む。各ゲートドライバ回路620は上述のゲートドライバ回路300に対応しており、ハイサイドゲートドライバ回路200と、ローサイドゲートドライバ回路320を含む。
【0081】
図10は、図9のモータドライバ回路700を備えるハードディスク装置900を示す図である。ハードディスク装置900は、プラッタ902、スイングアーム904、ヘッド906、スピンドルモータ910、シークモータ912、モータドライバ回路920を備える。モータドライバ回路920は、スピンドルモータ910やシークモータ912を駆動する。
【0082】
スピンドルモータ910は、三相ブラシレスDCモータである。図9のモータドライバIC600は、モータドライバ回路920内の、スピンドルモータ910を駆動する部分として利用することができる。
【0083】
なお、モータドライバ回路の用途は、スピンドルモータの駆動には限定されず、ファンモータなどの駆動にも利用できる。また駆動対象のモータは3相に限定されず、単相モータにも適用できる。
【0084】
また、ゲートドライバ回路300の用途はモータドライバ回路に限定されず、DC/DCコンバータなどその他の回路にも利用することができる。
【0085】
実施形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【0086】
(付記)
本明細書には以下の技術が開示される。
【0087】
(項目1)
NチャンネルまたはNPN型のハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドゲートドライバ回路であって、
前記ハイサイドトランジスタのオン、オフを指示するハイサイド制御信号を、ブートストラップラインに発生するブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第1レベルシフト回路と、
前記ハイサイドゲートドライバ回路の動作を規定するドライバ制御信号を、前記ブートストラップ電圧をハイレベルとする信号にレベルシフトアップする第2レベルシフト回路と、
前記第1レベルシフト回路の出力と、前記第2レベルシフト回路の出力と、を受け、前記ハイサイドトランジスタの状態を規定するプリドライバ制御信号を生成するハイサイドロジック回路と、
前記プリドライバ制御信号に応じて前記ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドプリドライバと、
を備え、
前記第2レベルシフト回路は、
ゲートに前記制御信号に応じた信号を受ける二重拡散型トランジスタである第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインと、前記ブートストラップラインの間に接続されたレシーバ回路と、
第1端が接地された第1キャパシタと、
前記ブートストラップラインと接続され、前記キャパシタの第2端が入力ノードと接続され、出力ノードが前記第1トランジスタの前記ドレインと接続されたカレントミラー回路と、
を含む、ハイサイドゲートドライバ回路。
【0088】
(項目2)
前記第2レベルシフト回路は、前記第1トランジスタのソースと接続された電流源をさらに含む、項目1に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0089】
(項目3)
前記キャパシタは、MIM(金属-絶縁体-金属)容量である、項目1または2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0090】
(項目4)
前記キャパシタは、ゲートソース間が接続された二重拡散トランジスタである第2トランジスタを含む、項目1または2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0091】
(項目5)
前記レシーバ回路は、
第1端が前記ブートストラップラインと接続され、第2端が前記第1トランジスタのドレインと接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の前記第1トランジスタの前記ドレインの接続ノードの信号を受けるインバータと、
を含む、項目1から4のいずれかに記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0092】
(項目6)
前記レシーバ回路は、
前記第1抵抗と並列に接続されたクランプ素子をさらに含む、項目5に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0093】
(項目7)
前記インバータの上側電源端子は、前記ブートストラップラインと接続され、前記インバータの下側電源端子は、前記ブートストラップ電圧よりも所定電圧レベル低い定電圧ラインと接続された、項目5または6に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0094】
(項目8)
前記電流源は、
基準電流を生成する基準電流源と、
前記基準電流を折り返すカレントミラー回路と、
を含む、項目2に記載のハイサイドゲートドライバ回路。
【0095】
(項目9)
モータドライバ回路であって、
駆動対象のモータと接続されるハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタそれぞれのオン、オフを指示するハイサイド制御信号およびローサイド制御信号を生成するロジック回路と、
前記ハイサイド制御信号に応じて前記ハイサイドトランジスタを駆動する項目1から8のいずれかに記載のハイサイドゲートドライバ回路と、
前記ローサイド制御信号に応じて前記ローサイドトランジスタを駆動するローサイドゲートドライバと、
を備える、モータドライバ回路。
【0096】
(項目10)
モータと、
前記モータを駆動する項目9に記載のモータドライバ回路と、
を備える、ハードディスク装置。
【符号の説明】
【0097】
100 スイッチング回路
102 入力ライン
104 出力ライン
106 接地ライン
300 ゲートドライバ回路
302 ブートストラップライン
304 スイッチングライン
306 接地ライン
310 ロジック回路
320 ローサイドゲートドライバ回路
200 ハイサイドゲートドライバ回路
210 プリドライバ
220 ハイサイドロジック回路
230 第1レベルシフト回路
240 第2レベルシフト回路
M11 第1トランジスタ
242 電流源
244 レシーバ回路
246 カレントミラー回路
250 基準電流源
252 カレントミラー回路
254 クランプ素子
256 インバータ
C11 第1キャパシタ
R11 第1抵抗
MH ハイサイドトランジスタ
ML ローサイドトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10