(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160813
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】運搬車両及びアオリ水平維持具
(51)【国際特許分類】
B62D 33/027 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B62D33/027 P
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076209
(22)【出願日】2023-05-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】596116189
【氏名又は名称】株式会社カムサー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100208708
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(74)【代理人】
【識別番号】100187997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 厳輝
(72)【発明者】
【氏名】植野 弘志
(57)【要約】
【課題】本発明は、コスト高を抑えるとともに水平状態のアオリを容易かつ簡便に維持することのできる運搬車両を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の一態様に係る運搬車両は、荷台の前方及び/又は後方に配される支柱と、前記荷台の左右及び/又は後部に配されるアオリとを備える運搬車両であって、前記支柱に設けられアオリ水平維持具の上端取付部が取付けられる上端支持部と、前記アオリに設けられ前記アオリ水平維持具の下端取付部が取付けられる下端支持部とを備え、前記上端支持部に上端取付部が取付けられ、前記下端支持部に下端取付部が取付けられた前記アオリ水平維持具によってアオリの水平状態が維持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台の前方及び/又は後方に配される支柱と、前記荷台の左右及び/又は後部に配されるアオリとを備える運搬車両であって、
前記支柱に設けられアオリ水平維持具の上端取付部が取付けられる上端支持部と、
前記アオリに設けられ前記アオリ水平維持具の下端取付部が取付けられる下端支持部とを備え、
前記上端支持部に上端取付部が取付けられ、前記下端支持部に下端取付部が取付けられた前記アオリ水平維持具によってアオリの水平状態が維持される運搬車両。
【請求項2】
前記上端支持部及び/又は前記下端支持部が、
孔部と、
前記孔部に取付けられる取付具と
を有し、
前記取付具が、前記アオリ水平維持具に取付けられる請求項1に記載の運搬車両。
【請求項3】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に着脱可能に取付けられる上端取付部、及び
運搬車両のアオリに設けられた下端支持部に着脱可能に取付けられる下端取付部を有するアオリ水平維持具。
【請求項4】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に上端取付部が取付けられる紐状体と、
水平状態の前記アオリの側面に取付けられるとともに、前記アオリを下方から支持する底面を有する維持具本体と
を備え、
前記維持具本体が前記紐状体によって吊り下げられる構造を有するアオリ水平維持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬車両及びアオリ水平維持具に関する。具体的には、アオリの片端部又は両端部を吊り下げ方式で水平に維持する機構を備える運搬車両及びアオリ水平維持具に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬車両のアオリの水平状態を維持する装置としては、例えば特許第5692833号公報のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記公報のようにトラックに取付けられる装置は、構造が複雑であり、またトラックに取付ける作業が煩雑であり、高価である。
【0005】
なお、いわゆる軽トラ市などにおいて水平状態のアオリを多目的に利用できれば、利用者(農家)にとって利便性が高い。また、軽トラック以外のウィング車などの種々のトラックにおいても、アオリを作業台として利用したり、荷台の積み下ろし作業の際の荷物の仮置き台として利用したり、作業者が荷台に乗って積み下ろし作業を行う作業ステージとして利用したり、水平状態のアオリを多目的に利用できる。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、コスト高を抑えるとともに水平状態のアオリを容易かつ簡便に維持することのできる運搬車両及びアオリ水平維持具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る運搬車両は、荷台の前方及び/又は後方に配される支柱と、前記荷台の左右及び/又は後部に配されるアオリとを備える運搬車両であって、前記支柱に設けられアオリ水平維持具の上端取付部が取付けられる上端支持部と、前記アオリに設けられ前記アオリ水平維持具の下端取付部が取付けられる下端支持部とを備え、前記上端支持部に上端取付部が取付けられ、前記下端支持部に下端取付部が取付けられた前記アオリ水平維持具によってアオリの水平状態が維持される。
【0008】
当該運搬車両は、前記支柱の上端支持部と前記アオリの下端支持部との間に力学的に配されるアオリ水平維持具によってアオリの水平状態を維持できる。なお、本発明において「前方」とは車両の進行方向であり、「後方」とは前方の逆方向を意味する。また、「水平」とは、完全な水平(重力方向に対して垂直)のみならず、例えば、アオリを載置台や作業台として利用するに適した角度などを含む概念である。アオリの角度に関しては、バラ物(例えばキャベツ、スイカ等の丸いもの)を仮置きする場合は、落下防止のために水平より少し高く設定することがある。また、「支柱」とは、軽トラックの鳥居や、ウイングトラックのリアドアのフレームなどを含む概念である。また、支柱は、必要に応じ、軽トラックや平ボデートラックの後部に増設されるものである。さらに、「アオリ」とは、荷台の左右の側アオリ、及び荷台後方の後部アオリを含む。
【0009】
前記上端支持部及び/又は前記下端支持部が、孔部と、前記孔部に取付けられる取付具とを有し、前記取付具が、前記アオリ水平維持具に取付けられるとよい。このような簡易な構造によって、アオリの水平状態を好適かつ簡便に維持できる。
【0010】
本発明の一態様に係るアオリ水平維持具は、運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に着脱可能に取付けられる上端取付部、及び運搬車両のアオリに設けられた下端支持部に着脱可能に取付けられる下端取付部を有する。
【0011】
当該アオリ水平維持具は、前記支柱の上端支持部と前記アオリの下端支持部との間に配されることで、アオリの水平状態を維持できる。
【0012】
本発明の一態様に係るアオリ水平維持具は、運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に上端取付部が取付けられる紐状体と、水平状態の前記アオリの側面に取付けられるとともに、前記アオリを下方から支持する底面を有する維持具本体とを備え、前記維持具本体が前記紐状体によって吊り下げられる構造を有する。
【0013】
当該アオリ水平維持具は、維持具本体の底面によって水平状態のアオリを支持し、この維持具本体を紐状体によって吊り下げることで、アオリの水平状態を維持することができる。つまり、例えば、荷台に備わるロープ掛け用フックと上端支持部とを紐状体で繋ぎ、前記紐状体の張力と前記維持具本体とによってアオリを水平に維持する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係る運搬車両及びアオリ水平維持具は、比較的簡易な構成からなるので、コスト高を抑えるとともに容易かつ簡便に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の運搬車両の要部を示す模式的背面図である。
【
図2】
図2は、
図1の運搬車両の要部を示す模式的背面図である。
【
図3】
図3は、
図1の運搬車両の要部を示す模式的側面図である。
【
図4】
図4は、
図1の運搬車両の上端支持部の模式的説明図である。
【
図5】
図5は、
図4と異なる上端支持部の模式的説明面である。
【
図9】
図9は、本発明の第二実施形態のアオリ水平維持具の水平状態における要部概略的背面図である。
【
図10】
図10は、
図9のアオリ水平維持具の水平状態における要部概略的底面図である。
【
図12】
図12は、
図9のアオリ水平維持具の水平状態要部における概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0017】
<第一実施形態>
当該運搬車両100(例えば軽トラック、小型トラック、ウイングトラックなど)は、荷台102の側方(荷台の左右)に配されるアオリ104を備え、このアオリ104は、
図1及び
図2に示すように荷台102にヒンジ106を介して上下方向に傾動可能に取付けられている。このアオリ104は、
図2に示すように、板状の当該アオリ水平維持具200によって水平状態が維持される。
【0018】
当該運搬車両100は、荷台102の前方に配される支柱110(いわゆる鳥居)を備え、また、支柱110に設けられ水平状態のアオリ104(側アオリ)を支持するアオリ水平維持具200の上端に設けられる上端取付部が取付けられる上端支持部110aを備えている。この上端支持部110aは、立設状態のアオリ104の上端よりも支柱110の上方に設けられる。当該運搬車両100は、アオリ104に設けられアオリ水平維持具200の下端に設けられる下端取付部が取付けられる下端支持部104aを備えている。この上端支持部110a及び下端支持部104aに前記上端取付部及び前記下端取付部それぞれが取付けられたアオリ水平維持具200によって前述のようにアオリ104の水平状態が維持される。
【0019】
上端支持部110aは、アオリ104の開閉に支障を生じない部分に設けられていることが好ましい。また、上端支持部110aは、荷物の積み付け等の妨げにならないように設けられていることが好ましい。上端支持部110aは、本実施形態においては支柱110の後面(運搬車両100の走行方向の反対側の面)に形成された孔部110bと、孔部110bに差し込まれた
図3及び
図4に示すようなピン状のフック110c(取付具)とを有している。このような簡易な構造によって、アオリ104の水平状態を好適かつ簡便に維持できる。なお、孔部110bは、支柱110の内側にかけて下方に傾斜するように設けられていることが好ましい。また、変形例として、前記取付具としては、
図5に示すようにネジ式のもので支柱110に螺合されるもの(螺合式取付具110d)も採用可能である。ピン状のフック110cとネジ式の取付具(螺合式取付具110d)とは、孔部110bの形状に応じて使い分けることができる。例えば孔部110bが支柱110の内側にかけて上方に傾斜し、又は水平に延びている場合、ネジ式の取付具(螺合式取付具110d)を使用することが望まれる。また、孔部110bが支柱100の内側にかけて下方に傾斜している場合でも、傾斜角度が緩やかであれば、ネジ式の取付具(螺合式取付具110d)を使用することが望まれる場合がある。また、前記取付具としては、
図6に示すように支柱110に固定されるフック式のもの(フック式取付具110e)、
図7A、Bに示すように支柱110に固定される環状部を有するもの(環状部式取付具110f)も採用可能である。また、上端支持部110aは、支柱110の後面に形成されるものに限定されず、側面又は前面に形成されるものであってもよい。
【0020】
下端支持部104aは、アオリ104の開閉に支障を生じない部分に設けられていることが好ましい。また、下端支持部104aは、荷物の積み付け等の妨げにならないように設けられていることが好ましい。下端支持部104aは、本実施形態においてはアオリ104の前面に形成され、上端支持部110aと同様の構成のものを採用することができる。なお、下端支持部104aは、アオリ104の前面に形成されるものに限定されず、上面(水平時の側面)又は側面(水平時の下面)に形成されるものであってもよい。
【0021】
当該アオリ水平維持具200は、前述のように上端支持部110a及び下端支持部104aにそれぞれ取付けられる上端取付部及び下端取付部を備え、アオリ104の水平状態を維持する部材である。当該アオリ水平維持具200は、チェーン等の紐状体を採用することができ、その他、ターンバックルや平棒を採用することも可能である。平棒を採用する場合にあって、上端支持部110aの取付面と下端支持部104aの取付面との角度が異なる場合(例えば上端支持部110aが支柱110の側面に形成され、下端支持部104aがアオリ104の前面に設けられている場合)、
図8A、Bに示すようにアオリ水平維持具200の平棒が中央にねじれ部200aを有することも可能である。なお、アオリ水平維持具200の上端支持部110a及び下端支持部104aへの取付手法も特に限定されず、例えば巻き付け、孔やフック等を用いた引っ掛けなど種々の手法を採用することができるが、アオリ水平維持具200の上端取付部は、上端支持部110aに着脱可能に取付けられることが好ましく、上端支持部110aの前記取付具に着脱可能に取付けられることがより好ましい。下端取付部は、下端支持部104aに着脱可能に取付けられることが好ましく、下端支持部104aの前記取付具に着脱可能に取付けられることがより好ましい。また、
図8A、Bに示すような平棒のアオリ水平維持具200の場合、上端取付部及び下端取付部に環状の又は楕円状の少なくとも1リンク(チェーン状の物)及び/又はフック状のものを有するとよく、これにより上端支持部110a、下端支持部104aへの取付けが容易となる。
【0022】
<使用方法>
当該アオリ水平維持具200によって、支柱110の上端支持部110aにアオリ水平維持具200の上端取付部を取付け、アオリ104の下端支持部104aにアオリ水平維持具200の下端取付部を取付けることでアオリ104の水平状態を維持することができる。
【0023】
<利点>
当該運搬車両100にあっては、比較的簡単な構成によって、アオリ104の水平状態を維持することができ、また、その取り扱いが容易である。さらに、水平状態のアオリ104を作業台として任意の場所で簡単に安定したスペースとして利用できる。また、荷物の積み下ろし作業時に荷物の仮置きスペースとして利用できる。さらに、荷台102上で作業する者の最適位置を提供する踊り場として利用できる。
【0024】
当該アオリ水平維持具200は、支柱110の上端支持部110aとアオリ104の下端支持部104aとの間に配されることで、アオリ104の水平状態を維持できる。
【0025】
<第二実施形態>
第二実施形態のアオリ水平維持具200は、
図9に示すように水平状態のアオリ104の側部(直立状態の上部)に取付けられるとともに、前記アオリ104を下方(直立状態の側面)から支持する底面を有する維持具本体210を備えている。また、当該アオリ水平維持具200は、第一実施形態の運搬車両100の上端支持部110aに取付けられる紐状体(図示省略)を備え、水平状態のアオリ104を支持する維持具本体210を紐状体によって吊り下げるように設けられている。本実施形態において、アオリ104の側部は、下端支持部として構成されている。
【0026】
維持具本体210は、前記底面を有する略C状の保持部212と、この保持部212の下部(直立状態の側部)に前記紐状体が取付けられる取付部214とを備えている。取付部214の配置及び個数は特に限定されるものではないが、例えば
図9乃至
図12に示すように、保持部212の前後に一対設けられ、内部に前記紐状体が挿通可能な挿通孔214aが形成されていることが好ましい。なお、挿通孔214aは、図示上内面がR状の湾曲面としているが、この湾曲面は必須ではない。また、取付部214は、挿通孔214aに代えて、前記紐状体を係止可能な断面略C字状のフックを有していてもよい。
【0027】
図9乃至
図12に示すように、当該アオリ水平維持具200においては、前記紐状体の張力の鉛直成分はアオリ104を下方から支持する力となる。また、前記紐状体の張力の水平成分は、維持具本体210をヒンジ106側に密着させる力となり、また前後方向において維持具本体201を適切に維持する力となる。また、維持具本体210の前端とアオリ104の前端とが面一になるように配置されることで、維持具本体210が後方に引っ張る力を受け止めるように設けられている。
【0028】
当該アオリ水平維持具200は、荷台102の前方に前記紐状体の一端(前端)が配置され、荷台102の後方に前記紐状体の他端(後端)が配置される。当該アオリ水平維持具200は、前記紐状体の前端に上端取付部(前端取付部)を有し、前記紐状体の後端に後端取付部を有する。また、当該アオリ水平維持具200は、保持部212の内面が下端取付部として構成されている。前記上端取付部は、荷台102の前方に配置される上端支持部110aに取り付けられ、前記後端取付部は、荷台102の後方に配置されるロープ掛け用フック等に取り付けられる。前記紐状体は、例えば全体としてU字状に配置される。前記紐状体の中間部分は、一対の取付部214の挿通孔214aに挿通され、保持部212を所定の位置に保持する。このように構成されることで、水平状態のアオリ104を支持する維持具本体210が紐状体によって吊り下げられる。
【0029】
<利点>
当該アオリ水平維持具200は、維持具本体210の底面によって水平状態のアオリ104を支持し、この維持具本体210を前記紐状体によって吊り下げることで、アオリ104の水平状態を維持することができる。つまり、例えば、荷台102に備わるロープ掛け用フックと上端支持部110aとを紐状体で繋ぎ、前記紐状体の張力と維持具本体210とによってアオリ104を水平に維持することができる。
【0030】
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0031】
前記実施形態においては、荷台の前方の支柱(鳥居)に上端支持部を設けたものについて主に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ウイングトラックの荷台の後方のリアドアの支柱に上端支持部を設けることも可能である。また、ウイングトラックのようにアオリの前後長さが大きい場合、前後に当該アオリ水平維持具を用いることもでき、さらにはアオリ中央にその他の水平維持具を用いることも可能である。さらに、当該アオリ水平維持具は、運搬車両の後部アオリにも適用することができ、例えば、片側又は両側の側アオリ及び後部アオリにそれぞれ当該アオリ水平維持具を用いて、片側又は両側の側アオリ及び後部アオリの水平状態を維持することも可能である。
【0032】
また、前記第二実施形態においては、紐状体を挿通する挿通孔を有する取付部を維持具本体が備えるものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば取付部として維持具本体が紐状体をガイドするガイド部を備える構成を採用することも可能である。このガイド部としては、水平状態のアオリの支持の際に、紐状体を所望の方向に配されるよう設けることが好ましい、例えば、運搬車両の支柱に固定される上端からの紐状体を水平方向にガイドする部位と、この水平方向にガイドされた紐状体を荷台側にガイドする部位とを有することが好ましい。
【0033】
さらに、第一実施形態の運搬車両は、前記構成を有する新車の運搬車両のみならず、現在稼働中の中古車両・廃車に前記構成を追加加工された運搬車両であってもよい。
【0034】
また、上部支持部は、支柱の内側に設けると、その位置まで荷物が有る場合に着脱できず、また、支柱の側面に付ける場合、ウィング車の場合は上部支持部の一部又は全部が突起していると、ウィングが閉まらないおそれであるため、前面に備えることが好ましい。さらには、アオリに設ける下部支持部を着脱式にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明は、比較的簡易な構成によってアオリの水平状態が得られ、この水平状態のアオリを種々の利用にすることができる。
【符号の説明】
【0036】
100 運搬車両
102 荷台
104 アオリ
104a 下端支持部
106 ヒンジ
110 支柱
110a 上端支持部
110b 孔部
110c フック
110d 螺合式取付具
110e フック式取付具
110f 環状部式取付具
200 アオリ水平維持具
200a ねじれ部
210 維持具本体
212 保持部
214 取付部
214a 挿通孔
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台の前方及び/又は後方に配される支柱と、前記荷台の左右及び/又は後部に配されるアオリとを備える運搬車両であって、
前記支柱に設けられアオリ水平維持具の上端取付部が取付けられる上端支持部と、
前記アオリに設けられ前記アオリ水平維持具の下端取付部が取付けられる下端支持部とを備え、
前記上端支持部が、前記支柱に形成された孔部と、前記孔部に差し込まれるピン状又はネジ式の軸部を有する取付具とを有しており、
前記取付具に上端取付部が着脱可能に取付けられ、前記下端支持部に下端取付部が取付けられた前記アオリ水平維持具によってアオリの水平状態が維持される運搬車両。
【請求項2】
前記孔部は、前記支柱の外面から内側にかけて下方に傾斜するように延びている請求項1に記載の運搬車両。
【請求項3】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に着脱可能に取付けられる上端取付部、及び
運搬車両のアオリに設けられた下端支持部に着脱可能に取付けられる下端取付部を備えており、
前記上端取付部は、前記支柱に形成された孔部に差し込まれているピン状又はネジ式の軸部を有する取付具に取付けられるアオリ水平維持具。
【請求項4】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に上端取付部が取付けられる紐状体と、
水平状態のアオリの側面に取付けられるとともに、前記アオリを下方から支持する底面を有する維持具本体と
を備え、
前記上端取付部は、前記支柱に形成された孔部に差し込まれているピン状又はネジ式の軸部を有する取付具に着脱可能に取付けられ、
前記維持具本体が前記紐状体によって吊り下げられる構造を有するアオリ水平維持具。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台の前方及び/又は後方に配される支柱と、前記荷台の左右及び/又は後部に配されるアオリとを備える運搬車両であって、
前記支柱に設けられアオリ水平維持具の上端取付部が取付けられる上端支持部と、
前記アオリに設けられ前記アオリ水平維持具の下端取付部が取付けられる下端支持部とを備え、
前記上端支持部が、前記支柱に形成された孔部と、前記孔部に差し込まれるピン状又はネジ式の軸部を有する取付具とを有しており、
前記孔部は、前記支柱の外面から内側にかけて下方に傾斜するように延びており、
前記取付具に上端取付部が着脱可能に取付けられ、前記下端支持部に下端取付部が取付けられた前記アオリ水平維持具によってアオリの水平状態が維持される運搬車両。
【請求項2】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に着脱可能に取付けられる上端取付部、及び
運搬車両のアオリに設けられた下端支持部に着脱可能に取付けられる下端取付部を備えており、
前記上端取付部は、前記支柱に形成された孔部に差し込まれているピン状又はネジ式の軸部を有する取付具に取付けられ、
前記孔部は、前記支柱の外面から内側にかけて下方に傾斜するように延びているアオリ水平維持具。
【請求項3】
運搬車両の荷台の前方及び/又は後方に配される支柱に設けられた上端支持部に上端取付部が取付けられる紐状体と、
水平状態のアオリの側面に取付けられるとともに、前記アオリを下方から支持する底面を有する維持具本体と
を備え、
前記上端取付部は、前記支柱に形成された孔部に差し込まれているピン状又はネジ式の軸部を有する取付具に着脱可能に取付けられ、
前記孔部は、前記支柱の外面から内側にかけて下方に傾斜するように延びており、
前記維持具本体が前記紐状体によって吊り下げられる構造を有するアオリ水平維持具。