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特開2024-160817処理装置、処理プログラム及び処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160817
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241108BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076217
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】521312259
【氏名又は名称】株式会社REGAL CORE
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】田之上 隼人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行う方法を提供する。
【解決手段】処理システム1において、処理装置であるサーバ装置は、少なくとも一つのプロセッサを含み、少なくとも一つのプロセッサが、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得し、取得した前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定し、前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信し、前記判定結果及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を、前記依頼者端末装置に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得し、
取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定し、
前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信し、
前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する、
ための処理をするように構成される、処理装置。
【請求項2】
前記所定の法令又はガイドラインは、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、医療機器、健康食品、機能性表示食品、化粧品及び通信販売向け商品のうちの少なくともいずれかにおける規制を定めたものである、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記チェック結果は、前記所定の法令又はガイドラインにおいて前記データの使用可否の判定を行うことが認められている者によって作成されたものである、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記所定の法令又はガイドラインにおいて前記データの使用可否の判定を行うことが認められている者は弁護士である、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサは、学習済み判定モデルに対して前記データを入力することによって得られる出力結果、及び前記データに対する使用可否が対応付けられたデータベースを参照して前記判定結果を生成する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記学習済み判定モデルに対して前記チェック結果を用いた追加学習を行い、次世代学習済み判定モデルを再生成する、
請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサは、再生成前後の学習済み判定モデルについて精度分析を行い、前記精度分析の結果に応じたモデル選択を行う、
請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサは、再生成前後の学習済み判定モデルをメモリに記憶し、再生成前の前記学習済み判定モデルに対して前記チェック結果とは異なる教師データを用いて追加学習を行い、再生成後の前記学習済み判定モデルと同一世代の他の学習済み判定モデルを再生成する、
請求項6に記載の処理装置。
【請求項9】
前記判定結果は、学習済み代替案提案モデルに対して前記データを入力することによって得られる代替案が含まれる、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサにより実行されることにより、
判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得し、
取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定し、
前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信し、
前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する、
ように前記少なくとも一つのプロセッサを機能させる処理プログラム。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得する段階と、
取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定する段階と、
前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信する段階と、
前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する段階と、
を含む処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツに含まれるデータが所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かを判定するための処理装置、処理プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品については、その広告の仕方によっては保健衛生上大きな影響を与える恐れがあるため、例えば、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が存在していた。これにより、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関する適正を欠いた広告は規制されていた。
【0003】
このような事情に関連して、例えば特許文献1には、あらかじめNGセンテンスやNGワードを登録したNG発言データベースを備え、テキストで入力された発言データについてNG発言データベースに照合することでNGか否かを判定し、その結果を報告するためのシステムが記載されている。
【0004】
しかしながら、様々な内容を含んでいるデータを判定対象とする要望もあるが、データの内容によっては判定ができない、又は判定の精度が低下する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-204178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行うための処理装置、処理プログラム又は処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを含み、前記少なくとも一つのプロセッサが、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得し、取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定し、前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信し、前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する、ための処理をするように構成される、処理装置。」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサにより実行されることにより、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得し、取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定し、前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信し、前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する、ように前記少なくとも一つのプロセッサを機能させる処理プログラム。」が提供される。
【0009】
本開示の一態様によれば、「少なくとも1つのプロセッサにより実行される処理方法であって、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置から受け付けて、前記コンテンツから前記データを取得する段階と、取得された前記データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、前記コンテンツ内における前記データの使用可否を判定する段階と、前記データの使用可否の判定結果及び前記判定結果の適否の依頼をチェッカー端末装置に送信する段階と、前記判定結果、及び前記チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を前記依頼者端末装置に送信する段階と、を含む処理方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、コンテンツに含まれるデータが所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行うための処理装置、処理プログラム又は処理方法を提供することができる。
【0011】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る審査処理の概要を概略的に示す図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る第1チェッカー端末装置300の構成の例を示すブロック図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る第2チェッカー端末装置400の構成の例を示すブロック図である。
図7A図7Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される審査用のデータベースを概念的に示す図である。
図7B図7Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される審査用のデータベースを概念的に示す図である。
図7C図7Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶されるコンテンツテーブルを概念的に示す図である。
図8A図8Aは、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図8B図8Bは、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8C図8Cは、本開示の実施形態に係る第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400に出力される画面の例を示す図である。
図8D図8Dは、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図10A図10Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図10B図10Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図11A図11Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において記憶される学習済みモデルの世代管理を概念的に示す図である。
図11B図11Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図12図12は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0014】
<実施形態>
1.本開示に係る処理システム1の概要
本開示に係る処理システム1は、一例としては、主に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の法令又はガイドラインで規制される文言表現が広告等のコンテンツにおいて使用されていないかを審査するために用いられる。ユーザによるその審査の対象となるコンテンツの入力がなされ、処理システム1で当該コンテンツを受け付けると、当該コンテンツから所定のデータ(例えば、テキスト又は画像)を取得する。そして、処理システム1は、取得された所定のデータに対して、上記法令又はガイドラインで規制される文言表現がないか審査をし、その審査結果である総合結果を出力する。
【0015】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る審査処理の概要を概略的に示す図である。具体的に、図1には、審査処理を希望する依頼者であるユーザから審査要求がなされてから、審査結果が当該依頼者に返信されるまでの概略的な流れが示されている。図1に示すように、当該ユーザが使用する依頼者端末装置100から審査対象であるコンテンツ情報及び審査要求がサーバ装置200に送信される。サーバ装置200においては、受信したコンテンツ情報に対して1次判定処理が実施される。また、サーバ装置200は、1次判定処理の結果について、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400に対してチェック要求を行う。
【0016】
第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400においては、1次判定処理の結果に対するチェックが行われ、1次判定結果に対するコメントのみならずコンテンツ内の所定のデータの使用可否が判定される。当該処理が行われることにより、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400においては、チェック結果が生成されることになる。なお、当該チェック結果には、使用が認められないデータについての修正(代替案)が含まれてもよい。そして、当該チェック結果は、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400からサーバ装置200に対して送信される。
【0017】
その後、サーバ装置200においては、1次判定処理の結果及び受信したチェック結果を考慮しつつ2次判定処理が行われ、依頼者からの審査要求への回答となる審査結果(総合結果)が生成される。そして、サーバ装置200から依頼者端末装置100に対して当該審査結果が送信され、依頼者端末装置100において当該審査結果が確認可能となる。なお、当該審査結果には、使用が認められないデータについての修正(代替案)が含まれてもよい。
【0018】
なお、本開示において、法令又はガイドラインには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定商取引法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「健康増進法」、「食品表示法」、「食品表示基準」、「医療広告ガイドライン」など、適性を欠く表示を規制する様々な法令やガイドラインが例として挙げられる。なお、これらは、特に国や地方公共団体によって制定されたものに限らず、特定の業界団体や組合、会社、協会等の組織や個人によって制定されたものであってもよい。また、明示的に「法」や「ガイドライン」と呼ばれるものである必要はなく、基準、ルール、規則、規程などいかなるものであってもよい。また、特に文書で明示的に示され公開されているものである必要はない。更に、法令又はガイドラインには、医師に関連するもの、医療に関連するもの、食品に関連するものに限定されることはなく、画像を評価するために関連する法律であれば、例えば著作権法、金融商品取引法、その他の法律等も対象となる。
【0019】
また、本開示において、法令又はガイドラインの規制の対象となる物品には、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、医療機器、健康食品、機能性表示食品、化粧品及び通信販売向け商品などが例として挙げられる。ただし、これらは当然に一例であって、これらのみに限定されるわけではない。例えば、上記著作権法に基づいて画像に係る判定を行う場合には、人物の写真集、芸術品のカタログ等の著作権法に注意が必要となるものも対象と成り得る。
【0020】
また、本開示において、「コンテンツ」とは、典型的には、文字(テキスト表記)の広告コンテンツが挙げられるが、動画の広告コンテンツ又は静止画の広告コンテンツのいずれであってもよい。また、広告以外のコンテンツとして、例えば、商品パッケージ、商品紹介、包装、会社紹介、SNS上での紹介、ニュース、新聞記事など、様々なものが例として挙げられる。そして、いずれの形式においても、少なくとも一つのデータ(文字、記号、文章、画像、又は動画)が含まれていればよい。すなわち、HTMLと画像データが含まれたウェブページ形式、画像データのみから構成された画像データ形式、特定のOSやハードウェアに依存することなく利用が可能なpdf等の標準化された電子ファイル形式、画像編集や表計算、プレゼンテーションに用いられる電子ファイル形式など、様々な形式のコンテンツが利用可能である。なお、これらコンテンツには、文字又は記号等のテキストがテキストデータとして認識可能な状態で含まれていてもよく、又は上記画像と一体的に組み込まれてもよい。
【0021】
また、本開示において、「データ」とはコンテンツに含まれる何等かの意味のあるものを意味するにすぎない。すなわち、「データ」には文字、記号、文章、画像、並びに動画、及びこれらの組合せが含まれる。例えば、「データ」には何等かの意味を持つ単語並びに当該単語からなる文章、及び所定のシンボル並びにマークが該当する。更に、「データ」には静止画並びに動画、及びこれらの説明文も該当する。
【0022】
また、本開示において、「判定」とはコンテンツに含まれる少なくとも一つのデータが、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内において使用できるか否かを判断する処理である。特に、本開示において、「判定」はサーバ装置200において行われる処理である。これに対して、「チェック」とは、当該判定処理が正しいを確認する処理であり、更にはコンテンツに含まれる少なくとも一つのデータが、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内において使用できるか否かを判定する処理も含まれる。特に、本開示において、「チェック」は第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400において行われる処理である。そして、「審査」は、当該判定及びチェックを行うことでなされる処理である。すなわち、「審査」は、当該判定及びチェックに基づいた総合的な最終判断であり、所定の法令又はガイドラインによる規制に対してコンテンツ自体に問題があるか否かを判断する処理である。このため、本開示において、「審査結果」とは、「判定結果」及び「チェック結果」に基づく「総合結果」という位置づけとなる。また、以下の説明においては、「審査対象」はコンテンツとなり、「判定対象」はコンテンツに含まれるデータとなる。そして、これらの用語については、説明の便宜上のため使い分けた呼称であるにすぎず、各処理を区別することができれば別の呼称であってもよい。
【0023】
更に、「解析」とは、判定と同一であって、コンテンツに含まれる少なくとも一つのデータが、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内において使用できるか否かを判断する処理である。ただし、「解析」については、その対象であるデータを含むコンテンツに対して、依頼者から審査要求がきていないものを対象とする処理として区別している。
【0024】
また、本開示において、「ユーザ」は単に処理システム1により提供されるサービスを利用可能なユーザを意味するにすぎない。本開示では、コンテンツの審査を依頼する者がユーザと呼称される。
【0025】
また、本開示において、「チェッカー」は単に処理システム1のサーバ装置200から提供される判定結果を確認する者に過ぎない。本開示において、「チェッカー」には2種類が存在し、弁護士等の当該確認を行うことが法的に認められている者を「第1チェッカー」とし、法的な認可はないものの実務的に確認を行うことが割り当てられた者を「第2チェッカー」としている。また、同様に「第1チェッカー」により所持される端末装置を第1チェッカー端末装置300とし、「第2チェッカー」により所持される端末装置を第2チェッカー端末装置400とする。他にも、「第1」や「第2」等の記載がなされることがあるが、特に言及する場合を除き、これらは「第1チェッカー」に関するものに対して「第1」が記載され、「第2チェッカー」に関するものに対して「第2」が記載される。
【0026】
なお、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がなされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に、「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれていてもよい。
【0027】
また、本開示において、「審査」、「判定」、「判断」、「チェック」、「確認」、「解析」、「分析」等の記載がなされているが、これらは特定の法令や規制等により定義された意味のみに限定されるわけではない。
【0028】
なお、以下の例においては、テキスト表記で提供される広告コンテンツが法令又はガイドラインにより規制される表現を含むか否かを判定する場合について説明するが、当然この例のみには限定されない。
【0029】
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。図2によれば、処理システム1は、審査の依頼者であるユーザによって保持される依頼者端末装置100、判定処理を実行するサーバ装置200、及びサーバ装置200による判定の結果のチェックが行われる第1チェッカー端末装置300並びに第2チェッカー端末装置400を含む。また、処理システム1においては、各装置がネットワーク500を介して通信可能に接続されている。なお、当該ネットワーク500は、無線、有線又はそれらの組み合わせにより構成されてもよい。そして、処理システム1においては、各装置がメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本実施形態に係る審査の処理が実行される。
【0030】
なお、図2の例では、依頼者端末装置100は1台しか記載されていないが、当然2台以上の依頼者端末装置100を含めることも可能である。また、図2の例では、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400も、それぞれ1台しか記載されていないが、当然2台以上の各装置を含むことが可能である。更に、サーバ装置200は単一のものとして記載されているが、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。そして、依頼者端末装置100、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400を含む処理システム1によって本実施形態に係る処理が実行されるが、サーバ装置200を利用することなく、サーバ装置200の処理を依頼者端末装置100、第1チェッカー端末装置300、又は第2チェッカー端末装置400のみで実行することも可能である。
【0031】
なお、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400を共通化し、1台のチェッカー端末装置としてもよい。
【0032】
以上のように、本開示において、処理装置は、本開示に係る処理プログラムや処理方法を実行可能なものであれば、依頼者端末装置100、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、又は第2チェッカー端末装置400のいずれであってもよい。なお、以下の例においては、特段の記載をしない限り、サーバ装置200が処理装置として機能する場合について説明するが、当然にこの例のみには限定されない。
【0033】
3.依頼者端末装置100の構成
図3は、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100の構成の例を示すブロック図である。依頼者端末装置100は、図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0034】
依頼者端末装置100は、一例としては、ラップトップPCが挙げられる。しかし、それ以外にも、スマートフォンに代表される無線通信可能な携帯型の端末装置、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係る処理プログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。
【0035】
図3によると、依頼者端末装置100は、出力インターフェイス111、プロセッサ112、RAM、ROM、不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ113、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス114、及びタッチパネル並びにハードキー等を含む入力インターフェイス115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0036】
出力インターフェイス111は、プロセッサ112の指示に応じて、カメラ(図示せず)で撮影される画像又はメモリ113に記憶された画像情報、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。出力インターフェイス111の一例としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイから構成されるディスプレイが挙げられるが、必ずしも依頼者端末装置100そのものにディスプレイが備えられている必要はない。例えば、出力インターフェイス111は、有線又は無線で接続されたディスプレイに各種表示のための情報を出力するものであってもよい。つまり、通信インターフェイス114が出力インターフェイス111として機能することもあり得る。
【0037】
プロセッサ112は、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)、又はCPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本実施形態に係る処理を実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ112は、特に、図8Aの処理シーケンスで示す各処理等を実行する(処理の詳細は、図8Aにおいて説明する。)。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いし、複数のCPUで構成されても良い。また、画像処理に特化したGPU等、他の種類のプロセッサを適宜組み合わせてもよい。
【0038】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本実施形態に係るゲームアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられるメモリである。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。特に、図8Aで示す処理フローで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、図8Aにおいて説明する。)。なお、メモリ113として特に図示はしていないが、入力インターフェイス115を介して取り外し可能な記憶媒体やデータベース等と接続されていてもよい。
【0039】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200や他の端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、本実施形態に係る処理を実行するためのプログラムや、当該処理において利用される各種情報等を、処理の進行に応じて、サーバ装置200から受信するための処理をする。また、当該処理の実行に必要な各種情報をサーバ装置200に送信するための処理をする。本実施形態においては、特にサーバ装置200との間で審査対象となるコンテンツ、及び審査結果の送受信が行われる。
【0040】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、または加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0041】
入力インターフェイス115は、タッチパネル及び/又はハードキー等から構成され、ユーザからの操作入力を受け付けている。タッチパネルは、出力インターフェイス111としてのディスプレイを被覆するように配置され、ディスプレイの表示する画像データに対応する位置座標の情報をプロセッサ112に出力する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本実施形態においては、一例としては、タッチパネルは、指示体によりディスプレイに表示されたオブジェクトの選択や移動等のためのタップ操作やスワイプ操作を検出する。なお、タッチパネルは入力インターフェイス115の一例であって当然他のものを用いることも可能である。プロセッサ112等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス(いわゆるキーボードやマウスのような入力インターフェイス)を用いることも可能である。
【0042】
4.サーバ装置200の構成
図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。サーバ装置200は、図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、サーバ装置200は単一の筐体に図4に図示するものを備える必要はなく、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0043】
図4によると、サーバ装置200は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ211、GPU又はCPU等から構成されるプロセッサ212、通信インターフェイス213、及び入力インターフェイス214を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0044】
メモリ211は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDDを含み、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ212によってロードされ実行される。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212によって処理されている間、データの書き込み及び読み込みを実行するために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0045】
本開示においては、メモリ211は、図7A及び図7Bに示された審査用のデータベース、並びに図7Cに示されたコンテンツテーブルを記憶する。また、本開示においては、メモリ211は、特に、「判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置100から受け付けて、当該コンテンツから当該データを取得する処理」、「取得された当該データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内における当該データの使用可否を判定する処理」、「当該データの使用可否の判定結果及び当該判定結果の適否の依頼を各チェッカー端末装置(第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400)に送信する処理」、及び「当該判定結果、及び各チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を依頼者端末装置100に送信する処理」等のためのプログラムを記憶する。更に、メモリ211は、各種処理において利用される複数の学習済みモデルを記憶する。本実施形態において、学習済みモデルとしては、コンテンツ解析用のモデル、センテンス分解用のモデル、判定処理用のモデル(学習済み判定モデル)、及び代替案選択用のモデルが記憶されている。なお、特に図示はしないものの、メモリ211に記憶される審査用のデータベースは、ネットワークを介して遠隔に設置されたデータベース装置等に記憶されていてもよい。
【0046】
プロセッサ212は、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)又はCPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ211に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。具体的には、プロセッサ212は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ211から読み出して実行する。
【0047】
本開示においては、プロセッサ212は、特に、「判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置100から受け付けて、当該コンテンツから当該データを取得する処理」、「取得された当該データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内における当該データの使用可否を判定する処理」、「当該データの使用可否の判定結果及び当該判定結果の適否の依頼を各チェッカー端末装置(第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400)に送信する処理」、及び「当該判定結果、及び各チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を依頼者端末装置100に送信する処理」等を実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いし、複数のCPUで構成されても良い。
【0048】
通信インターフェイス213は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置された他のサーバ装置、依頼者端末装置100、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他のサーバ装置、依頼者端末装置100、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400から情報を送受信するための処理をする。本開示においては、特に、通信インターフェイス213を介して、コンテンツ及び審査要求が依頼者端末装置100から受信され、審査結果が依頼者端末装置100に送信される。る。また、本開示においては、特に、通信インターフェイス213を介して、チェック要求が第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400に送信され、チェック結果が第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400から受信される。
【0049】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0050】
入力インターフェイス214は、タッチパネルやハードキー等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。本開示においては、後述するモデル生成を実行するための情報入力装置として、入力インターフェイス214が使用される。
【0051】
5.第1チェッカー端末装置300の構成
図5は、本開示の実施形態に係る第1チェッカー端末装置300の構成の例を示すブロック図である。第1チェッカー端末装置300は、図5に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0052】
第1チェッカー端末装置300は、一例としては、ラップトップPCが挙げられる。しかし、それ以外にも、スマートフォンに代表される無線通信可能な携帯型の端末装置、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係る処理プログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。
【0053】
図5によると、第1チェッカー端末装置300は、出力インターフェイス311、プロセッサ312、RAM、ROM、不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ313、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス314、及びタッチパネル並びにハードキー等を含む入力インターフェイス315を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0054】
出力インターフェイス311は、プロセッサ312の指示に応じて、カメラ(図示せず)で撮影される画像又はメモリ313に記憶された画像情報、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。出力インターフェイス311の一例としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイから構成されるディスプレイが挙げられるが、必ずしも第1チェッカー端末装置300そのものにディスプレイが備えられている必要はない。例えば、出力インターフェイス311は、有線又は無線で接続されたディスプレイに各種表示のための情報を出力するものであってもよい。つまり、通信インターフェイス314が出力インターフェイス311として機能することもあり得る。
【0055】
プロセッサ312は、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)、又はCPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ313に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ312は、本実施形態に係る処理を実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ313から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ312は、特に、図8A及び図8Bの処理シーケンスで示す各処理等を実行する(処理の詳細は、図8A及び図8Bにおいて説明する。)。なお、プロセッサ312は、単一のCPUで構成されても良いし、複数のCPUで構成されても良い。また、画像処理に特化したGPU等、他の種類のプロセッサを適宜組み合わせてもよい。
【0056】
メモリ313は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本実施形態に係るゲームアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ312により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられるメモリである。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。特に、図8A及び図8Bで示す処理フローで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、図8A及び図8Bにおいて説明する。)。なお、メモリ313として特に図示はしていないが、入力インターフェイス315を介して取り外し可能な記憶媒体やデータベース等と接続されていてもよい。
【0057】
通信インターフェイス314は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200や他の端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、実施形態に係る処理を実行するためのプログラムや、当該処理において利用される各種情報等を、処理の進行に応じて、サーバ装置200から受信するための処理をする。また、当該処理の実行に必要な各種情報をサーバ装置200に送信するための処理をする。本実施形態においては、特にサーバ装置200との間でチェック対象となるコンテンツ、チェック要求、及びチェック結果の送受信が行われる。
【0058】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、または加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0059】
入力インターフェイス315は、タッチパネル及び/又はハードキー等から構成され、ユーザからの操作入力を受け付けている。タッチパネルは、出力インターフェイス311としてのディスプレイを被覆するように配置され、ディスプレイの表示する画像データに対応する位置座標の情報をプロセッサ312に出力する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本実施形態においては、一例としては、タッチパネルは、指示体によりディスプレイに表示されたオブジェクトの選択や移動等のためのタップ操作やスワイプ操作を検出する。なお、タッチパネルは入力インターフェイス315の一例であって当然他のものを用いることも可能である。プロセッサ312等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス(いわゆるキーボードやマウスのような入力インターフェイス)を用いることも可能である。
【0060】
6.第2チェッカー端末装置400の構成
図6は、本開示の実施形態に係る第2チェッカー端末装置400の構成の例を示すブロック図である。第2チェッカー端末装置400は、図6に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0061】
第2チェッカー端末装置400は、一例としては、ラップトップPCが挙げられる。しかし、それ以外にも、スマートフォンに代表される無線通信可能な携帯型の端末装置、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係る処理プログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。
【0062】
図6によると、第2チェッカー端末装置400は、出力インターフェイス411、プロセッサ412、RAM、ROM、不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ413、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス414、及びタッチパネル並びにハードキー等を含む入力インターフェイス415を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0063】
出力インターフェイス411は、プロセッサ412の指示に応じて、カメラ(図示せず)で撮影される画像又はメモリ413に記憶された画像情報、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。出力インターフェイス411の一例としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイから構成されるディスプレイが挙げられるが、必ずしも第2チェッカー端末装置400そのものにディスプレイが備えられている必要はない。例えば、出力インターフェイス411は、有線又は無線で接続されたディスプレイに各種表示のための情報を出力するものであってもよい。つまり、通信インターフェイス414が出力インターフェイス411として機能することもあり得る。
【0064】
プロセッサ412は、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)、又はCPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ413に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ412は、本実施形態に係る処理を実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ413から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ412は、特に、図8A及び図8Bの処理シーケンスで示す各処理等を実行する(処理の詳細は、図8A及び図8Bにおいて説明する。)。なお、プロセッサ412は、単一のCPUで構成されても良いし、複数のCPUで構成されても良い。また、画像処理に特化したGPU等、他の種類のプロセッサを適宜組み合わせてもよい。
【0065】
メモリ413は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本実施形態に係るゲームアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ412により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられるメモリである。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。特に、図8A及び図8Bで示す処理フローで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、図8A及び図8Bにおいて説明する。)。なお、メモリ413として特に図示はしていないが、入力インターフェイス415を介して取り外し可能な記憶媒体やデータベース等と接続されていてもよい。
【0066】
通信インターフェイス414は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200や他の端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、本実施形態に係る処理を実行するためのプログラムや、当該処理において利用される各種情報等を、処理の進行に応じて、サーバ装置200から受信するための処理をする。また、当該処理の実行に必要な各種情報をサーバ装置200に送信するための処理をする。本実施形態においては、特にサーバ装置200との間でチェック対象となるコンテンツ、チェック要求、及びチェック結果の送受信が行われる。
【0067】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、または加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0068】
入力インターフェイス415は、タッチパネル及び/又はハードキー等から構成され、ユーザからの操作入力を受け付けている。タッチパネルは、出力インターフェイス411としてのディスプレイを被覆するように配置され、ディスプレイの表示する画像データに対応する位置座標の情報をプロセッサ412に出力する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本実施形態においては、一例としては、タッチパネルは、指示体によりディスプレイに表示されたオブジェクトの選択や移動等のためのタップ操作やスワイプ操作を検出する。なお、タッチパネルは入力インターフェイスの一例であって当然他のものを用いることも可能である。プロセッサ412等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス(いわゆるキーボードやマウスのような入力インターフェイス)を用いることも可能である。
【0069】
7.サーバ装置200のメモリ211に記憶される情報
図7Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される審査用の第1データベースを概念的に示す図である。当該審査用の第1データベースに記憶される情報は、様々は法令やガイドラインに対応して随時更新される。
【0070】
図7Aによると、審査用の第1データベースには、カテゴリ情報、対象情報、可否情報、理由情報及び代替案情報が互いに対応付けて記憶されている。一般的に、規制の対象となる製品に応じてその規制の内容が異なるため、「カテゴリ情報」は、規制の対象となる製品のカテゴリを示す情報である。なお、当該製品のカテゴリは、カテゴリ情報の一例であって、規制の対象を分類するための情報であればいずれでもよい。
【0071】
「対象情報」は、審査対象となるコンテンツに含まれるデータ(本例においてはテキスト)であって、後述する使用可否が判定されるものの情報である。例えば、「小じわ」、「乾燥による小じわを目立たなくする」、「食べるだけで痩せる」、「赤ちゃんのような美肌になれる」、又は「簡単に背が伸びる」がコンテンツを所定の間隔で分割したセンテンス又はフレームに含まれている場合、これらの単語又は文章が判定の対象として登録されている。すなわち、コンテンツ内に含まれる単語又は文章が判定の対象となる。なお、審査対象とするコンテンツ中の特定のデータは、上述したものに限定されることなく、対象製品のカテゴリに応じて様々なデータ(文字、記号、文章、画像、動画等)が選定されることになる。
【0072】
「可否情報」は、カテゴリに示す製品に対して当該データが使用された場合の判定結果を示す情報である。「不適切」は法令やガイドラインによって規制の対象となる表現であることを示す。また、「要注意」は表現の仕方によっては規制の対象となったり、現時点では明確な判定を下すことができない表現であったりすることを示す。更に、「適切」は法令やガイドラインに沿った表現やこれらによる規制の対象とはならない表現であることを示す。なお、可否情報として、不適切、要注意及び適切の3つの情報を記憶するようにしたが、当然にこれらの情報のみには限られない。例えば、「不適切と適切」、「不適切と要注意」又は「適切と要注意」の2つの情報のみにしてもよいし、いずれか1つの情報のみにしてもよいし、より細分化して多数の情報にしてもよいし、不適切や適切と判定される確率を示す数値やレベルの情報にしてもよい。また、その文言も、不適切、要注意、適切等の表現ではなく、NG、グレー、OKや、〇(丸)、×(バツ)、△(三角)などの文言や記号、数字など、いかなるものであってもよい。
【0073】
「理由情報」は、不適切や要注意と判定された理由を示す情報である。理由の一例としては、「不適切な文言」又は「痩せると断定は不可」等がある。なお、当該理由は、上述したものに限定されることなく、対象製品のカテゴリ、審査対象、及び判定対象であるデータに応じて様々な理由が設定されることになる。すなわち、文字等のテキストが判定対象であれば図7Aのような例示となるが、記号、画像、又は動画に対しては、各審査対象に対応した特有の理由が設定されてもよい。
【0074】
「代替案情報」は、不適切や要注意と判定された対象に対して、このような判定結果を受けないようにするための代替案を示す情報である。例えば、判定対象が不適切な情報と判定される場合には、「削除又は修正」に係る情報が対応し、判定対象が要注意と判定される場合には、具体的な注意を促す情報が対応して設定されている。
【0075】
そして、当該審査用の第1データベースは、判定対象の判定処理、判定理由の判定処理、及び代替案の選択処理のために用いることが可能である。なお、各処理において学習済みモデルを利用する場合には、各学習済みモデルの学習のための教師データとして用いることも可能である。
【0076】
図7Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される審査用の第2データベースを概念的に示す図である。当該審査用の第2データベースに記憶される情報は、様々は法令やガイドラインに対応して随時更新される。
【0077】
図7Bによると、審査用の第2データベースには、カテゴリ情報、対象情報、前情報、後情報、可否情報、及び代替案情報が互いに対応付けて記憶されている。一般的に、規制の対象となる製品に応じてその規制の内容が異なるため、「カテゴリ情報」は、審査用の第1データベースと同様に、規制の対象となる製品のカテゴリを示す情報である。なお、当該製品のカテゴリは、カテゴリ情報の一例であって、規制の対象を分類するための情報であればいずれでもよい。
【0078】
「対象情報」は、審査用の第1データベースと同様に、審査対象となるコンテンツに含まれるデータである。例えば、「コラーゲン」、「スキン」、又は「酸化」がコンテンツを所定の間隔で分割したセンテンス又はフレームに含まれている場合には、これらの単語が判定の対象となりうる。なお、審査対象とするコンテンツ中の特定のデータは、上述したものに限定されることなく、対象製品のカテゴリに応じて様々なデータ(文字、記号、文章、画像、動画(等))が選定されることになる。
【0079】
「前情報」は、審査対象となるコンテンツに含まれるデータ(対象情報)の前に位置する単語に関する情報である。一方、「後情報」は、審査対象となるコンテンツに含まれるデータ(対象情報)の後ろに位置する単語に関する情報である。例えば、「酸化」が対象情報の場合に、その単語の前に位置する「肌」という単語、後ろに位置する「の」又は「を」という単語、及び当該「の」又は「を」の更に後に位置する「還元」又は「防止」という単語が登録されている。すなわち、対象情報、前情報、後情報から任意の組合せによって構成される単語又は文章が判定の対象として登録されている。例えば、「肌が酸化」、「肌の酸化を還元」、又は「肌の酸化を防止する」がコンテンツを所定の間隔で分割したセンテンス又はフレームに含まれている場合には、これらの単語又は文章が判定の対象となりうる。同様に、「コラーゲン」に対しても後ろに位置する「の」又は「を」という単語、及び当該「の」又は「を」の更に後に位置する「産出」又は「生成」という単語が登録され、「スキン」に対しても後ろに位置する「ケア」又は「クリニック」という単語が登録されている。このような登録がなされることにより、審査用の第1データベースに登録された単語又は文章とは完全に一致しないものの、同様の意味として使用が不適切と思われる単語及び文章も判定の対象とすることが可能になる。
【0080】
「可否情報」は、審査用の第1データベースと同様に、カテゴリに示す製品に対して判定対象に示すデータが使用された場合の判定結果を示す情報である。「代替案情報」も、審査用の第1データベースと同様に、不適切や要注意と判定判断された判定対象に対して、このような判定結果を受けないようにするための代替案を示す情報である。例えば、判定対象が不適切なデータと判断される場合には、「削除又は修正」に係る情報が対応し、判定対象が要注意と判断される場合には、具体的な注意を促す情報が対応して設定されている。
【0081】
そして、当該審査用の第2データベースは、審査用の第1データベースと同様に、判定対象の判定処理、判定理由の判定処理、及び代替案の選択処理のために用いることが可能である。なお、各処理において学習済みモデルを利用する場合には、各学習済みモデルの学習のための教師データとして用いることも可能である。
【0082】
なお、図7Bの審査用の第2データベースにおいては、「理由情報」が記憶されていなかったが、審査用の第1データベースと同様に、不適切や要注意と判定された理由を示す情報を「理由情報」として記憶してもよい。
【0083】
以上のように、図7Aに示すような特定の単語又は文章を使用不可として登録した審査用の第1データベースと、図7Bに示すような特定の単語及びその前後の単語から任意の組合せによって構成される単語又は文章を使用不可として登録した審査用の第2データベースとから、特定の表現(正規表現)の使用可否を判定するために用いられる正規化データベースが構成される。なお、判定対象に静止画又は動画が含まれる場合には、当該静止画又は動画に関する使用可否が登録されたデータベースも当該正規化データベースに含まれることになる。
【0084】
図7Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶されるコンテンツテーブルを概念的に示す図である。依頼者端末装置100からコンテンツを受信するごとに生成され、随時更新される。
【0085】
図7Cによると、コンテンツテーブルには、コンテンツID情報、カテゴリ情報、審査対象情報、位置情報、可否情報、理由情報、代替案情報等が互いに対応付けて記憶されている。「コンテンツID情報」は、審査対象となる各コンテンツを特定するための情報で、各コンテンツに固有の情報である。当該コンテンツID情報は、依頼者端末装置100から新たなコンテンツがサーバ装置200に送信され、サーバ装置200のメモリ211において記憶されるごとに新たに生成される。「カテゴリ情報」は、審査対象となるコンテンツが広告として用いられる製品のカテゴリを特定するための情報である。「審査対象情報」は、各コンテンツに含まれる各種データ(文字、記号、文章、画像、動画等)である。ここに格納されるデータは、例えばテキストデータそのものであってもよいし、テキストデータが格納された場所やテキストデータを識別する情報であってもよい。また、コンテンツに画像データが含まれる場合、画像データそのものであってもよいし、画像データが格納された場所や画像データを識別する情報であってもよい。ここで、実施形態では、コンテンツには少なくとも一つのデータが含まれることが前提となっているため、同一のコンテンツID情報に対して、複数のデータが対応付けて記憶されることもある。
【0086】
「位置情報」は、各データがコンテンツにおいて配置された位置を特定するための情報である。当該情報は、コンテンツ又はフレームにおける各画像が配置された座標、コンテンツ又はフレームの端からのピクセル数、行数や列数等の配置位置等、各画像の大まかな位置が特定できさえすればいずれの情報であってもよい。「可否情報」、「理由情報」及び「代替案情報」は、いずれも判定結果情報の一つであり、図7Aで説明した各情報が、各データに対応付けて記憶される。これらの情報は、プロセッサ212によって、データの判定処理、判定理由の判定処理、及び代替案の選択処理が行われるごとに、その判定対象となったデータに対応付けて記憶される。
【0087】
8.処理システム1により実行される処理シーケンス
以下に、図8A及び図9を参照しつつ、処理システム1において実行される処理シーケンスを具体的に説明する。
【0088】
(A)コンテンツ入力から当該コンテンツの審査及びその結果報告
図8Aは、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、図8Aは、審査対象となるコンテンツの入力から実際の審査(判定及びチェック)を経て、最終的な審査結果を返信し且つ保管するまでに、依頼者端末装置100、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0089】
図8Aによると、先ず、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザ(審査の依頼者)の操作入力を受け付け、審査対象となるコンテンツを取得する(S10:コンテンツ取得)。その後、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、当該コンテンツに係るコンテンツ情報をメモリ113に記憶するとともに、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T11)。
【0090】
より具体的なコンテンツ取得に係る処理としては、依頼者端末装置100においてコンテンツ審査ツールを起動すると、図8Bに示すようなコンテンツ登録画面が、依頼者端末装置100のディスプレイに表示される。図8Bによれば、コンテンツ登録画面は、審査対象となるコンテンツの形式を選択する形式選択エリア121、審査対象となるコンテンツの格納場所を示す格納場所入力エリア122、審査対象となるコンテンツによって広告される製品のカテゴリのカテゴリ入力エリア123、及び登録開始指示をサーバ装置200に送信するための登録開始ボタン124を備える。依頼者端末装置100の利用者であるユーザは、入力インターフェイス115を介して形式選択エリア121から判定対象となるコンテンツの形式を選択する。そして選択がされると、それに対応するチェックボックスが黒塗り表示される。次に、当該ユーザは、入力インターフェイス115を介して、審査対象となるコンテンツに対応する格納場所入力エリア122を選択して、その格納場所を入力する。更に、当該ユーザは、入力インターフェイス115を介して、審査対象となるコンテンツによって広告される製品のカテゴリをカテゴリ入力エリア123に入力する。こののち、当該ユーザが登録開始ボタン124を選択すると、格納場所入力エリア122に入力された格納場所に記憶されたコンテンツ情報が登録開始指示と共に読み出されてサーバ装置200へ送信される。
【0091】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信したコンテンツ情報をメモリ211に記憶する。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、コンテンツ情報を登録し、図7Cに示すようなコンテンツテーブルを生成する(S11:コンテンツ登録)。
【0092】
次に、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザ(審査の依頼者)の操作入力を受け付け、審査対象となるコンテンツに係る審査要求の設定を行う(S12:審査要求設定)。当該審査請求の設定の対象とは、例えば、審査対象となるコンテンツの情報、審査結果の回答希望日、及び代替案の提案の有無等であってもよく、コンテンツの審査に関連する種々の事項が設定されてもよい。その後、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、当該コンテンツに係る審査要求及び設定情報を、通信インターフェイス114を介して、サーバ装置200に送信する(T12)。
【0093】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した審査要求及び設定情報に基づき、コンテンツデータベースから審査対象であるコンテンツを特定し、当該コンテンツに含まれるデータに係る1次判定処理を実行する(S13)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された判定用のプログラムを読みだして実行し、複数の1次判定処理を行う。なお、1次判定処理の詳細については、図10Aを参照しつつ後述する。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、1次判定結果をメモリ211に記憶する。
【0094】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、1次判定結果に係るチェック要求を通信インターフェイス213を介して、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400に送信する(T13、T14)。ここで、チェック要求には、判定したデータを含むコンテンツ情報、審査要求の設定に係る情報、及び1次判定結果に係る情報が含まれてもよい。
【0095】
次に、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、通信インターフェイス314を介してチェック要求を受け付け、チェック対象となる1次判定結果及びチェック対象となるコンテンツ情報等を取得する。そして、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、チェック対象に係る各種の情報を出力インターフェイス311を介して表示し、第1チェッカー端末装置300の操作者である第1チェッカーが確認及びチェック処理を可能とする状態にする。これにより、法的にチェックを行うことが認められた弁護士等の第1チェッカーは、出力インターフェイス311を介して表示された情報に基づいて、第1チェック処理を行うことが可能となる(S14)。
【0096】
ここで、図8Cは、本開示の実施形態に係る第1チェッカー端末装置300に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図8Cは、サーバ装置200から受信した1次判定結果を含み、第1チェッカーがチェック処理を可能とするための画面であって、出力インターフェイス311を介してディスプレイに出力したときのチェック処理画面である。図8Cによると、当該チェック画面には、審査対象となったコンテンツが表示されるコンテンツ表示領域330が含まれる。このコンテンツ表示領域330には、審査対象となったコンテンツが表示される。そして、当該コンテンツ内には、コンテンツ内の使用可否が判定された判定対象である5つのデータが含まれている。より具体的に、コンテンツ内には、テキストT1を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域331、テキストT2を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域332、テキストT3を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域333、テキストT4を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域334、及びテキストT5を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域335が形成されている。これにより、第1チェッカーはチェック対象となるデータを視認することができる。
【0097】
また、図8Cによると、コンテンツ表示領域330の右側には、判定結果リスト表示領域340が表示される。この判定結果リスト表示領域340には、判定対象となった各テキストデータ(テキストT1~T5)に対応するように設けられた対象ボックス341~345が表示される。当該対象ボックス341~345には、各テキストデータに対応付けられた可否情報、理由情報、及び代替案情報が記載されているが、選択しないテキストデータ(テキストT2~T5)については、縮小して表示され判定対象となったテキストデータの説明文を示す情報のみが表示されている。また、各対象ボックス341~345は、各テキストデータに対応付けられた可否情報に基づいて、その使用の可否の判定の結果が識別可能な態様で表示される。例えば、図8Cの例では、「テキストT1」には可否情報として「不可」が表示され、この対象ボックス341は太線で囲まれた態様で表示される。他方、選択されていない他の対象ボックス342~345は、破線で囲まれた態様で表示される。
【0098】
また、コンテンツ表示領域330の下部には、第1チェッカーである弁護士がチェックした旨を示すための第1チェックボックス350が設けられている。また、第1チェックボックス350に隣接して、第2チェッカーである実務的に確認を行うことが割り当てられた通常の者がチェックした旨を示すための第2チェックボックス360が設けられている。
【0099】
そして、第1チェッカーは、図8Cに示された画面上において、判定対象となっているテキストデータの使用可否について、1次判定結果を考慮しつつ第1チェック処理を行う。より具体的に、対象ボックス341~345には1次判定結果が表示されているため、対象ボックス341~345が第1チェッカーに参照されることにより、当該1次判定結果が確認され、その判定結果のチェックが第1チェッカーによって行われる。そして、判定結果に修正を加える必要がある場合、入力インターフェイス315を介した第1チェッカーの操作により、対象ボックス341~345内の情報が修正される。全ての判定対象であるテキストデータのチェックが完了すると、入力インターフェイス315を介した第1チェッカーの操作により、第1チェックボックス350にチェックが入れられることになる。
【0100】
なお、第1チェッカー端末装置300に表示されたコンテンツ表示領域330において、判定対象として判定されなかったテキストデータが存在する場合、対象から漏れていたテキストデータを判定対象として追加の判定処理が第1チェッカーによって行われ、当該判定結果をチェック結果に含める形の追加処理が行われてもよい。
【0101】
その後、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、第1チェッカーによる第1チェック処理が完了すると(S14)、通信インターフェイス314を介してチェック結果をサーバ装置200に送信する(T15)。
【0102】
次に、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、通信インターフェイス414を介してチェック要求を受け付け、チェック対象となる1次判定結果及びチェック対象となるコンテンツ情報等を取得する。そして、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、チェック対象に係る各種の情報を出力インターフェイス411を介して表示し、第2チェッカー端末装置400の操作者である第2チェッカーが確認及びチェック処理を可能とする状態にする。これにより、第2チェッカーは、出力インターフェイス411を介して表示された情報に基づいて、第2チェック処理を行うことが可能となる(S15)。
【0103】
第2チェッカー端末装置400において表示されるチェック処理画面も、図8Cと同一の画面である。このため、詳細な画面の説明及び処理の説明は省略するものの、第2チェッカーは第1チェッカーと同様にチェック処理を行うことができる。ただし、第2チェッカーは、弁護士でない場合が想定されているため、第2チェックボックス360にチェックを入れることになる。そして、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、第2チェッカーによる第2チェック処理が完了すると(S15)、通信インターフェイス414を介してチェック結果をサーバ装置200に送信する(T16)。
【0104】
なお、第1チェッカーによる第1チェック処理(S14)と、第2チェッカーによる第2チェック処理(S15)とは、順番が逆になってもよく、同時に進行してもよい。
【0105】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、第1チェッカー端末装置300から受信した第1チェックの結果をメモリ211に記憶する(S16:第1チェック登録)。また、サーバ装置200のプロセッサ212は、第2チェッカー端末装置400から受信した第2チェックの結果をメモリ211に記憶する(S17:第2チェック登録)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、登録した各チェック結果、及び1次判定処理の結果に基づいて、当該コンテンツに含まれるデータに係る2次判定処理を実行する(S18)。なお、2次判定処理の詳細については、図10Bを参照しつつ後述する。
【0106】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、2次判定結果を最終的な審査結果としてメモリ211に記憶し、当該審査結果を管理する(S19)。ここで、管理とは、一定期間が経過した後において、当該審査結果を削除すること、当該審査結果を用いて後述するAIメンテナンスを行うこと、又は再審査等を行うことが該当する。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して依頼者端末装置100に最終的な審査結果を送信する(T17)。ここで、最終的な審査結果には、法的にチェックを行うことが認められた弁護士等のチェック済みである旨の情報が付加されている。
【0107】
次に、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して審査結果を受け付け、審査結果に係る各種の情報を取得する。そして、依頼者端末装置100のプロセッサ112は、最終的な審査結果を出力インターフェイス111を介して表示し、依頼者端末装置100の操作者である審査の依頼者が確認を可能とする状態にする(S20:審査結果出力)。これにより、審査の依頼者は、コンテンツに含まれる各種の情報が所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて使用可能であるか否かを把握することができる。
【0108】
ここで、図8Dは、本開示の実施形態に係る依頼者端末装置100に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図8Dは、サーバ装置200から受信した審査結果を表示する画面であって、出力インターフェイス111を介してディスプレイに出力したときの審査結果表示画面である。図8Dによると、当該審査結果表示画面には、審査対象となったコンテンツが表示されるコンテンツ表示領域130が含まれる。このコンテンツ表示領域130には、審査対象となったコンテンツが表示される。そして、当該コンテンツ内には、コンテンツ内の使用可否が判定された判定対象である5つのデータが含まれている。より具体的に、コンテンツ内には、テキストT1を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域131、テキストT2を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域132、テキストT3を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域133、テキストT4を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域134、及びテキストT5を破線によって囲むように設定されたデータ表示領域135が形成されている。これにより、審査の依頼者は審査対象となったコンテンツ全体及び当該コンテンツに含まれる各データを視認することができる。
【0109】
また、図8Dによると、コンテンツ表示領域130の右側には、判定結果リスト表示領域140が表示される。この判定結果リスト表示領域140には、判定対象となった各テキストデータ(テキストT1~T5)に対応するように設けられた対象ボックス141~145が表示される。当該対象ボックス141~145には、各テキストデータに対応付けられた可否情報、理由情報、及び代替案情報が記載されているが、選択しないテキストデータ(テキストT2~T5)については、縮小して表示され判定対象となったテキストデータの説明文を示す情報のみが表示されている。また、各対象ボックス141~145は、各テキストデータに対応付けられた可否情報に基づいて、その使用の可否の判定の結果が識別可能な態様で表示される。例えば、図8Dの例では、「テキストT1」には可否情報として「不可」が表示され、この対象ボックス141は太線で囲まれた態様で表示される。他方、選択されていない他の対象ボックス142~145は、破線で囲まれた態様で表示される。
【0110】
また、コンテンツ表示領域130の上部には、不適切箇所表示領域151及び要注意箇所表示領域152が表示される。不適切箇所表示領域151には、審査対象となったコンテンツにおいて、不適切と判断されたデータの数が、可否情報に基づいて加算され、表示される。要注意箇所表示領域152には、審査対象となったコンテンツにおいて、要注意と判定されたデータの数が、可否情報に基づいて加算され、表示される。
【0111】
また、判定結果リスト表示領域140の上部には、コンテンツに係るデータの使用可否について法的に認められた者が承認していることを示す承認表示領域160が表示される。すなわち、表示されている審査結果は、法的に審査が認められている弁護士等がチェックしたことの旨の表示がなされている。これにより当該審査が法的にも認められているものであることを明確にすることができている。なお、当該承認表示領域160には、第1チェッカーである弁護士の氏名やサインを記載してもよい。
【0112】
(B)学習済みモデル及びデータベースのメンテナンス
図9は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、図9は、審査対象となるコンテンツに含まれるデータの処理を行うために用いられる学習済みモデル(AI:artificial intelligence)、及び上述した正規化データベースのメンテナンスに関し、サーバ装置200、第1チェッカー端末装置300、及び第2チェッカー端末装置400の間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0113】
図9によると、先ず、サーバ装置200のプロセッサ212は、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツを収集し、収集したコンテンツをメモリ211に登録する(S21)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶されたコンテンツ収集用のプログラムを実行し、通信インターフェイス213を介してインターネット上に存在する種々のコンテンツを収集してもよい。また、サーバ装置200のプロセッサ212は、サーバ装置200の運営者等による入力インターフェイス214を介した入力によってコンテンツを収集してもよい。そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、図7Cに示すようなコンテンツテーブルを生成する。
【0114】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、収集したコンテンツに含まれるデータに係る1次解析処理を実行する(S22)。具体的に、プロセッサ212は、図8Aの1次判定処理(S13)と同様に、メモリ211に記憶された判定用のプログラムを読みだして実行し、複数の1次解析処理を行う。ここで、1次解析処理は、1次判定処理と区別するために名称が異なっているが、収集したコンテンツに含まれるデータについて、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて使用可否を判定することであり、1次判定処理と同一の処理である。このため、その詳細な説明は省略する。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、1次解析結果をメモリ211に記憶する。
【0115】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、1次解析結果に係るチェック要求を通信インターフェイス213を介して、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400に送信する(T21、T22)。ここで、チェック要求には、解析(判定)したデータを含むコンテンツ情報、及び1次解析結果に係る情報が含まれてもよい。
【0116】
次に、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、通信インターフェイス314を介してチェック要求を受け付け、チェック対象となる1次解析結果及びチェック対象となるコンテンツ情報等を取得する。そして、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、チェック対象に係る各種の情報を出力インターフェイス311を介して表示し、第1チェッカー端末装置300の操作者である第1チェッカーが確認及びチェック処理を可能とする状態にする。これにより、法的にチェックを行うことが認められた弁護士等の第1チェッカーは、出力インターフェイス311を介して表示された情報に基づいて、第1チェック処理を行うことが可能となる(S23)。なお、S23においける第1チェック処理と、図8AのS14における第1チェック処理は同一の内容となるため、詳細な説明は省略する。
【0117】
その後、第1チェッカー端末装置300のプロセッサ312は、第1チェッカーによる第1チェック処理が完了すると(S23)、通信インターフェイス314を介してチェック結果をサーバ装置200に送信する(T23)。
【0118】
次に、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、通信インターフェイス414を介してチェック要求を受け付け、チェック対象となる1次解析結果及びチェック対象となるコンテンツ情報等を取得する。そして、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、チェック対象に係る各種の情報を出力インターフェイス411を介して表示し、第2チェッカー端末装置400の操作者である第2チェッカーが確認及びチェック処理を可能とする状態にする。これにより、第2チェッカーは、出力インターフェイス411を介して表示された情報に基づいて、第2チェック処理を行うことが可能となる(S24)。なお、S24における第2チェック処理と、図8AのS15における第2チェック処理は同一の内容となるため、詳細な説明は省略する。
【0119】
その後、第2チェッカー端末装置400のプロセッサ412は、第2チェッカーによる第2チェック処理が完了すると(S24)、通信インターフェイス414を介してチェック結果をサーバ装置200に送信する(T24)。
【0120】
なお、第1チェッカーによる第1チェック処理(S23)と、第2チェッカーによる第2チェック処理(S24)とは、順番が逆になってもよく、同時に進行してもよい。
【0121】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、第1チェッカー端末装置300から受信した第1チェックの結果をメモリ211に記憶させる(S25:第1チェック登録)。また、サーバ装置200のプロセッサ212は、第2チェッカー端末装置400から受信した第2チェックの結果をメモリ211に記憶させる(S26:第2チェック登録)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、登録した各チェック結果、及び1次解析処理の結果に基づいて、当該コンテンツに含まれるデータに係る2次解析処理を実行する(S27)。なお、2次解析処理の詳細については、図8AのS18における2次判定処理と同一内容となるため、その説明は省略する。
【0122】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、2次解析結果を最終的な解析結果としてメモリ211に記憶させる(S28:解析結果の蓄積)。なお、S21において複数のコンテンツを収集して登録することにより、複数のコンテンツに対する解析結果がメモリ211に記憶され、様々なパターンのコンテンツに対する解析結果が蓄積されることになる。
【0123】
その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、蓄積した解析結果を用いて学習済みモデルのメンテナンスを行う(S29:AIメンテナンス)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、蓄積した解析結果を教師データとして、学習済みモデルの再学習を実行し、より最適なモデルを生成する。当該AIメンテナンスのより詳細内容の説明は、図11A及び図11Bの説明の際に追って行う。
【0124】
そして、サーバ装置200のプロセッサ212は、蓄積した解析結果を用いて正規化データベースのメンテナンスを行う(S30:DBメンテナンス)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、蓄積した解析結果において、コンテンツ内において使用が認められないと判定される確率が非常に高いデータ等を、当該正規化データベースに新たに追加登録する。当該DBメンテナンスのより詳細な内容の説明は、図12の説明の際に追って行う。
【0125】
9.サーバ装置200において実行される処理フロー
以下、図8A及び図9に記載された1次判定処理(1次解析処理)、2次判定処理(2次解析処理)、AIメンテナンスの処理、及びDBメンテナンスの処理について、サーバ装置200において実行される処理フローを具体的に説明する。
【0126】
(A)1次判定処理(1次解析処理)に係る処理フロー
図10Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的に、図10Aは、図8AのS13の1次判定処理及び図9のS22の1次解析処理の一例であり、メモリ211に記憶された各種の学習済みモデル及び正規化データベースを利用した処理フローを示す図である。
【0127】
図10Aによると、先ず、プロセッサ212は、コンテンツ解析を行う(S111)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶されたコンテンツ解析用のモデルを用いて、審査又は解析対象となるコンテンツの解析を行う。例えば、プロセッサ212は、判定対象となりうるデータ(文字、記号、文章、画像、動画等)を含むコンテンツを当該コンテンツ解析用のモデルに入力し、コンテンツに含まれる当該データの抽出結果を出力情報として取得する。より具体的な例として、文章による宣伝広告がなされているWebページをコンテンツとして入力すると、当該宣伝広告部分の文章がデータとして抽出される。
【0128】
次に、プロセッサ212は、センテンス分割を行う(S112)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶されたセンテンス分割用のモデルを用いて、S111において抽出されたデータに対して、センテンスごとに分割するための処理を行う。例えば、プロセッサ212は、S111における出力結果(抽出されたデータの1つ)を当該センテンス分割用のモデルに入力し、当該データを更に細かなセンテンスとして分割された結果を出力情報として取得する。より具体的な例として、Webページから抽出された当該宣伝広告部分の文章がセンテンス分割用のモデルに入力されると、当該文章が句点によって所定のセンテンスで区切られ、区切られた各センテンスが出力される。
【0129】
次に、プロセッサ212は、AI判定処理を行う(S113)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された判定処理用のモデルを用いて、S112において分割された各センテンスに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該センテンスに係る使用可否を判定する。例えば、プロセッサ212は、S112における出力結果(分割されたセンテンス)を判定処理用のモデルに入力し、当該センテンスが所定の法令又はガイドラインに適合しているか否かの結果を出力情報として取得する。より具体的な例として、センテンス分割された当該宣伝広告部分の文章の一部が判定処理用のモデルに入力されると、当該文章内に法令又はガイドラインに適合しない又は適合しない可能性がある単語又は表現が抽出されるとともに、その理由も出力される。
【0130】
次に、プロセッサ212は、DB比較判定処理を行う(S114)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された正規化データベースを用いて、AI判定処理後のコンテンツに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内のデータの使用可否を判定する。例えば、プロセッサ212は、コンテンツ内のデータと、正規化データベースに登録されたデータを比較し、当該データ内に法令又はガイドラインに適合しない又は適合しない可能性がある単語又は表現を検索して抽出する。この際に、当該データ内に法令又はガイドラインに適合しない又は適合しない可能性がある単語又は表現が存在すると、プロセッサ212は、その理由も正規化データベースから読みだすことになる。
【0131】
そして、プロセッサ212は、AI判定処理(S113)の結果及びDB比較判定処理(S114)の結果を組合せ、1次判定処理又は1次解析処理の結果として、メモリ211に記憶させる。
【0132】
(B)2次判定処理(2次解析処理)に係る処理フロー
図10Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的に、図10Bは、図8AのS18の2次判定処理及び図9のS27の2次解析処理の一例であり、メモリ211に記憶された各種の学習済みモデルを利用した処理フローを示す図である。
【0133】
図10Bによると、先ず、プロセッサ212は、1次判定処理の結果と第1チェックの結果との比較を行う(S121)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された1次判定処理の結果と、第1チェックの結果とを読み出して比較し、第1チェックが行われることによって1次判定処理の結果が修正又は追加されている部分を抽出する。より具体的な例として、1次判定結果においては使用が適切と判定されたデータについて、第1チェックによって当該判定が修正され不適切となった場合に、当該データに係る判定が抽出されることになる。
【0134】
次に、プロセッサ212は、1次判定処理の結果と第2チェックの結果との比較を行う(S122)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された1次判定処理の結果と、第2チェックの結果とを読み出して比較し、第2チェックが行われることによって1次判定処理の結果が修正又は追加されている部分を抽出する。より具体的な例として、1次判定結果においては使用が適切と判定されたデータについて、第2チェックによって当該判定が修正され不適切となった場合に、当該データに係る判定が抽出されることになる。
【0135】
次に、プロセッサ212は、S121における比較結果、S122における比較結果、及び1次判定処理の結果を考慮して、総合的な判定処理を行う(S123:総合判定処理)。例えば、プロセッサ212は、1次判定処理の結果、第1チェックの結果、及び第2チェックの結果において、2つが同一であるものの残り1つが異なる場合、当該同一となる2つの結果を優先して採用するようにしてもよい。また、3つの結果が異なる場合、事前に登録されている優先順位(例えば、第1チェッカー>第2チェッカー>サーバ装置200)に応じて、プロセッサ212は、最終的な判定結果を決定してもよい。
【0136】
次に、プロセッサ212は、代替案選択の処理を行う(S124)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された代替案選択用のモデルを用いて、S123の総合判定の結果において使用が不適切と判断されているデータに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に対応できる代替案を選択する。例えば、プロセッサ212は、S123における総合判定の結果(コンテンツ、データ、可否判定を含む情報)を代替案選択用のモデルに入力し、当該センテンスが所定の法令又はガイドラインに適合するための代替案を出力情報として取得する。そして、プロセッサ212は、S123の最終的な判定結果に当該代替案を追加し、コンテンツに対する最終的な審査結果としてメモリ211に記憶させる。
【0137】
(C)AIメンテナンスの処理に係る処理フロー
図11Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において記憶される学習済みモデルの世代管理を概念的に示す図である。また、図11Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的に、図11Bは、学習済みモデルの更新を行うために行われる処理フローを示す。ここで、本実施形態においては、学習済みモデルとして、コンテンツ解析用のモデル、センテンス分解用のモデル、判定処理用のモデル、及び代替案選択用のモデルが記憶されているが、これらの各モデルに対して以下に説明するモデル管理及びモデル更新が行われている。
【0138】
先ず、図11Aに示すように、学習済みモデルのそれぞれは、初期段階に生成された1次モデル(第1世代のモデル)をベースとし、新たな教師データによる追加学習を経て更新されている。具体的に、1次モデルに対して教師データαを用いて追加学習を経ることにより、1次モデルが第2世代のモデルの1つである2Aモデルに更新される。更に、当該2Aモデルに対して、教師データα1を用いて追加学習を経ることにより、2Aモデルが第3世代のモデルの1つである3Aモデルに更新される。
【0139】
一方、1次モデルに対して、教師データαとは異なる教師データβを用いて追加学習を行った場合、1次モデルが第2世代のモデルの1つである2Bモデルに更新される。更に、当該2Bモデルに対して、教師データβ1を用いて追加学習を経る場合、2Bモデルが第3世代のモデルの1つである3B-1モデルに更新され、教師データβ1とは異なる教師データβ2を用いて追加学習を経る場合、2Bモデルが第3世代のモデルの1つである3B-2モデルに更新される。
【0140】
本実施形態において、各モデルは、サーバ装置200のメモリ211に記憶され、適宜使用又は更新が可能になっている。すなわち、2Aモデルまで更新したものの、当該2Aモデルでは正確な判定ができない場合には、1次モデルに戻って別の教師データを使用した再学習を行い、第2世代の別の学習済みモデルを再生成することができる。すなわち、本実施形態においては、以前の世代のモデルを使用して再度の学習を行い、世代は同一であるものの異なるモデルを後から複数生成することが可能になる。そして、様々な学習済みモデルによる各判定を検証することができ、最適な学習済みモデルを選択し、より高精度の判定及び審査を行うことが可能になる。
【0141】
次に、図11Aのような学習済みモデルの管理を行ううえで、学習済みモデルをどのように更新するか、すなわち学習済みモデルの再生成について説明する。図11Bに示すように、サーバ装置200のプロセッサ212は、図9のS28において蓄積された解析結果をメモリ211から読み出す(S211)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、当該解析結果に含まれる、カテゴリ、追加学習用コンテンツ、追加学習用データ、審査結果、代替案を抽出する(S212)。ここで、カテゴリ、追加学習用コンテンツ、追加学習用データ、審査結果、及び代替案は、一つのコンテンツに関する情報として関連付けられたものである。
【0142】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、コンテンツ解析用のモデルの再生成を行う(S213)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、抽出した追加学習用コンテンツ、及び追加学習用データを教師データとして使用し、再学習の対象となるコンテンツ解析用のモデルの追加学習を実行する。すなわち、追加学習用コンテンツを入力すると追加学習用データが抽出されるように、コンテンツ解析用のモデルの再学習が行われることになる。
【0143】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、センテンス分解用のモデルの再生成を行う(S214)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、抽出した追加学習用コンテンツ、追加学習用データ、審査結果を教師データとして使用し、再学習の対象となるセンテンス分解用のモデルの追加学習を実行する。すなわち、所定の追加学習用データを入力すると審査結果において判定対象となっているセンテンス単位のデータに分割できるように、センテンス分割用のモデルの再学習が行われることになる。
【0144】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、判定処理用のモデルの再生成を行う(S215)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、抽出したカテゴリの情報、追加学習用コンテンツ、追加学習用データ、及び審査結果を教師データとして使用し、再学習の対象となる判定処理用のモデルの追加学習を実行する。すなわち、所定のカテゴリにおいて、追加学習用コンテンツを入力すると所定の審査結果が得られる判定がなされるように、判定処理用のモデルの再学習が行われることになる。
【0145】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、代替案選択用のモデルの再生成を行う(S216)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、抽出したカテゴリの情報、追加学習用コンテンツ、追加学習用データ、審査結果、代替案を教師データとして使用し、再学習の対象となる代替案選択用のモデルの追加学習を実行する。すなわち、所定のカテゴリにおいて、追加学習用コンテンツを入力して得られる所定の審査結果に対して、所定の代替案が提案されるように代替案選択用のモデルの再学習が行われることになる。
【0146】
次に、サーバ装置200のプロセッサ212は、再生成された各モデルの精度分析を行う(S217)。例えば、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に蓄積された他の解析結果、審査結果を利用して、各モデルを使用し、各モデルの出力結果が既に得られている結果と一致するか否を解析し、当該精度分析を行ってもよい。そして、当該精度分析結果は、各モデルに紐づけられてメモリ211に記憶される。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、精度分析結果が最も優れたモデルを選択し、コンテンツの審査において利用する学習済みモデルに設定する。
【0147】
上記のような処理が複数回行われることにより、複数のモデル及び各モデルの評価が蓄積されることになる。このため、世代を問わないモデルの再選択及び当該再選択したモデルから更なるモデル更新を行うことが可能になる。これにより、学習済みモデルの精度が継続的に向上し、更には従来にないコンテンツやデータが出現した場合であっても、高精度の審査を行うことが可能になる。
【0148】
(D)DBメンテナンスの処理に係る処理フロー
図12は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的に、図12は、正規化データベースの更新を行うために行われる処理フローを示す。
【0149】
先ず、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶された過去の審査結果を読み出す(S311)。次に、プロセッサ212は、過去の審査結果においてNG確定の新たなデータ及び正規表現が存在するかを判断する(S312)。ここで、新たなデータ及び正規表現とは、S312の時点においてデータベースに登録されていなかったものをいう。具体的に、プロセッサ212は、過去の審査結果において、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて使用が認められないことが確定的なデータを検索する。そして、プロセッサ212は、当該検索によって抽出したデータが図7Aのデータベースに登録されているか否かを判断し、NG確定の新たなデータを抽出する。また、プロセッサ212は、当該検索によって抽出したデータが図7Bのデータベースに登録されているか否かを判断し、正規表現としての登録の有無も判断する。
【0150】
次に、S312においてNG確定の新たなデータ及び正規表現が存在すると判断された場合、プロセッサ212は、当該データに関する代替案を上記審査結果から抽出する(S313:代替案抽出)。そして、プロセッサ212は、S312において抽出したデータ、及びS313において抽出した代替案を正規化データベースに追加し、データベースの更新を行う(S314:DB更新)。
【0151】
以上のように、本実施形態においては、AI判定処理及びその後のチェック処理の結果を利用し、正規化データベースを更新することになる。これにより、AI判定処理では判定することが困難であっても、チェッカーによる判定によって使用が認められないとされたデータを、1次判定処理において抽出することが可能になる。
【0152】
10.本開示の実施形態のまとめ
本開示の実施形態に係る処理装置は、少なくとも一つのプロセッサ212を含み、当該少なくとも一つのプロセッサ212が、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置100から受け付けて、当該コンテンツから当該データを取得し、取得された当該データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内における当該データの使用可否を判定し、当該データの使用可否の判定結果及び当該判定結果の適否の依頼を各チェッカー端末装置(第1チェッカー端末装置300、第2チェッカー端末装置400)に送信し、当該判定結果、及び当該各チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を依頼者端末装置100に送信する、ための処理をするように構成されている。このような構成により、コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行うことができる。
【0153】
上記構成において、所定の法令又はガイドラインは、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、医療機器、健康食品、機能性表示食品、化粧品及び通信販売向け商品のうちの少なくともいずれかにおける規制を定めたものであってもよい。これにより、コンテンツに含まれるデータの内容が薬機に係る規制を受けるか否かを高精度に行うことができる。
【0154】
上記構成において、当該チェック結果は、所定の法令又はガイドラインにおいて当該データの使用可否の判定を行うことが認められている者によって作成されたものであってもよい。ここで、当該所定の法令又はガイドラインにおいて当該データの使用可否の判定を行うことが認められている者は弁護士であってもよい。これにより、依頼者端末装置100に送信される総合結果には法的に認められた確認が含まれることになり、当該総合結果に対する法的な問題を解消することができる。
【0155】
上記構成において、当該少なくとも一つのプロセッサ212は、学習済み判定モデルに対して当該データを入力することによって得られる出力結果、及び当該データに対する使用可否が対応付けられたデータベースを参照して当該判定結果を生成してもよい。この場合に、当該少なくとも一つのプロセッサ212は、当該学習済み判定モデルに対して当該チェック結果を用いた追加学習を行い、次世代学習済み判定モデルを再生成してもよい。また、当該少なくとも一つのプロセッサ212は、再生成前後の学習済み判定モデルについて精度分析を行い、当該精度分析の結果に応じたモデル選択を行ってもよい。一方、当該少なくとも一つのプロセッサ212は、再生成前後の学習済み判定モデルをメモリ211に記憶し、再生成前の当該学習済み判定モデルに対して当該チェック結果とは異なる教師データを用いて追加学習を行い、再生成前の当該学習済み判定モデルとは同一世代の他の学習済み判定モデルを再生成してもよい。このような構成により、コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより一層高精度に行うことができる。
【0156】
上記構成において、当該判定結果は、学習済み代替案提案モデルに対して当該データを入力することによって得られる代替案が含まれてもよい。これにより、依頼者に対してより有効な審査結果を提供することが可能になる。
【0157】
本開示の実施形態に係る処理プログラムは、少なくとも一つのプロセッサ212により実行されることにより、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置100から受け付けて、当該コンテンツから当該データを取得し、取得された当該データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内における当該データの使用可否を判定し、当該データの使用可否の判定結果及び当該判定結果の適否の依頼を各チェッカー端末装置(第1チェッカー端末装置300、第2チェッカー端末装置400)に送信し、当該判定結果、及び当該各チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を当該依頼者端末装置100に送信する、ように当該少なくとも一つのプロセッサ212を機能させる。このような構成により、コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行うことができる。
【0158】
本開示の実施形態に係る処理方法は、少なくとも1つのプロセッサ212により実行される処理方法であって、判定対象となる少なくとも一つのデータが含まれるコンテンツの入力を依頼者端末装置100から受け付けて、当該コンテンツから当該データを取得する段階と、取得された当該データのそれぞれに対して、所定の法令又はガイドラインによる規制に基づいて、当該コンテンツ内における当該データの使用可否を判定する段階と、当該データの使用可否の判定結果及び当該判定結果の適否の依頼を各チェッカー端末装置(第1チェッカー端末装置300、第2チェッカー端末装置400)に送信する段階と、当該判定結果、及び当該各チェッカー端末装置から受信したチェック結果に基づいて生成された総合結果を当該依頼者端末装置100に送信する段階と、を含む。このような構成により、コンテンツに含まれるデータの内容が所定の法令又はガイドラインによる規制を受けるか否かの判定をより高精度に行うことができる。
【0159】
11.変形例
上記実施形態においては、2人のチェッカーにチェック要求をすることになっていたが、チェッカーの人数は1人であってもよく、3人以上であってもよい。いずれの場合であっても、弁護士等の法的に確認処理(チェック処理)をすることが認められている者がチェッカーに含まれることが重要となる。また、上記実施形態においては、法的には確認処理をすることが認められていない通常のチェッカーを設けていたが、弁護士等の法的に確認処理をすることが認められている者のみをチェッカーに設定してもよい。更に、上記実施形態においては、2次判定処理をサーバ装置200のプロセッサ212が行っていたが、サーバ装置200の管理者が1次判定結果、及び各チェック結果に基づいて、チェッカーの処理と同様の方法によって2次判定処理を行ってもよい。この場合には、サーバ装置200にも、第1チェッカー端末装置300のようなチェック画面が表示されることになる。
【0160】
上記実施形態においては、AIモデルをメンテナンスする際に、審査結果とは異なる解析結果を用いて追加学習することになっていたが、これに限定されない。例えば、メモリ211に蓄積された審査結果を用いて、設定されているモデル又は他のモデルの追加学習を行い、新たなモデルを生成してもよい。
【0161】
上記実施形態においては、正規化データベースの更新については、審査結果と既存の正規化データベースとを比較して行われていたが、これに限定されない。例えば、正規化データベースの更新を行える学習済みモデルを予め生成し、このようなAIモデルを使用して、正規化データベースを更新してもよい。
【0162】
上記実施形態においては、2次判定処理(図10B)の際に1次判定処理と第1チェックとの比較、及び1次判定処理と第2チェックとの比較を行っていたが、当該比較を行わず、第1チェック及び第2チェックの結果に基づいて、総合的な2次判定処理を行ってもよい。これは、第1チェッカー端末装置300及び第2チェッカー端末装置400には、1次判定処理の結果が送付されているため、当該1次判定処理の結果を各チェッカーが修正等することにより、2次判定処理における当該比較処理を省略することも可能となる。
【0163】
上記実施形態においては、図8C及び図8Dにおける出力画面は一例であり、各領域の表示場所を適宜変更してもよい。例えば、判定又はチェック結果を画面の右側に表示していたが、画面の上、下、又は左側に表示してもよい。その他の表示領域は、他の表示領域の表示場所に合わせ、適宜最適な場所に表示することが可能である。
【0164】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0165】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【符号の説明】
【0166】
100 依頼者端末装置
200 サーバ装置
300 第1チェッカー端末装置
400 第2チェッカー端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12