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▶ 永井 陽子の特許一覧

特開2024-160821温水素水およびその作製装置およびその作製方法
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  • 特開-温水素水およびその作製装置およびその作製方法 図1
  • 特開-温水素水およびその作製装置およびその作製方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160821
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】温水素水およびその作製装置およびその作製方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
C01B3/04 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076224
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】515307102
【氏名又は名称】永井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀明
(57)【要約】
【課題】水素水を移用して水素による健康の増進効果を高めること。
【解決手段】本発明は、水素発生装置から発生した水素を30℃以上の水温を有する温水に通して、前記温水に水素を溶存する温水素水であり、前記水温は、30℃~80℃で、前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であり、前記温水素水は飲料水として使用される。また、本発明は、水素発生装置、温水を貯留する温水貯留容器、および前記水素発生装置から出る水素を通し前記温水貯留容器に貯留した温水中に水素を導入する水素導入管を有する温水素水を作製する温水素水作製装置である。さらに、本発明は、水素発生装置で水素を作製し、前記水素発生装置で作製した水素を温水貯留容器に貯留した温水中に導入して温水素水を作製することを特徴とする温水素水を作製する方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生装置から発生した水素を30℃以上の水温を有する温水に通して、前記温水に水素を溶存する温水素水。
【請求項2】
前記水温は、30℃~80℃であることを特徴とする請求項1に記載の温水素水。
【請求項3】
前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であることを特徴とする請求項1に記載の温水素水発生装置。
【請求項4】
前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載の温水素水。
【請求項5】
水素発生装置、温水を貯留する温水貯留容器、および前記水素発生装置から出る水素を通し前記温水貯留容器に貯留した温水中に水素を導入する水素導入管を有する温水素水を作製する、温水素水作製装置。
【請求項6】
前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であることを特徴とする請求項5に記載の温水素水発生装置。
【請求項7】
前記水素発生剤は、酸化カルシウム(CaO)とアルミニウム(Al)を含むことを特徴とする請求項6に記載の温水素水発生装置。
【請求項8】
前記温水貯留容器は、貯留した水を加熱して温水にする加熱装置または加熱機構を有することを特徴とする請求項5に記載の温水素水発生装置。
【請求項9】
前記温水貯留容器は、温水を一定温度に維持する機構を有することを特徴とする請求項8に記載の温水素水発生装置。
【請求項10】
前記温水貯留容器の温水の温度は30℃~80℃であることを特徴とする請求項5に記載の温水素水発生装置。
【請求項11】
前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする、請求項5~10のいずれかの項に記載の温水素水。
【請求項12】
水素発生装置で水素を作製し、前記水素発生装置で作製した水素を温水貯留容器に貯留した温水中に導入して温水素水を作製することを特徴とする、温水素水を作製する方法。
【請求項13】
前記水素発生装置で水素を作製する方法は、水素発生剤と水の化学反応から作製する方法であることを特徴とする、請求項12に記載の温水素水を作製する方法。
【請求項14】
前記温水貯留容器に貯留した温水は一定温度に保持された後に前記水素発生装置で作製した水素を前記温水貯留容器に貯留した温水中に導入することを特徴とする、請求項10に記載の作製する方法。
【請求項15】
前記温水素水の温度は30℃~80℃であることを特徴とする、請求項10に記載の温水素水を作製する方法。
【請求項16】
前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする、請求項12~15のいずれかの項に記載の温水素水を作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスを用いた健康システムに関するもので、特に水素水に関する。
【背景技術】
【0002】
近年水素は水素自動車の燃料として注目されているが、水素を水に溶かした水素水が健康増進に有用であることが報告されている。たとえば、水素水を日常的に飲料すると細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が認められ、一部の病院では治療の一環として水素の摂取等が取り入れられている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-086857
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の水素水以上に健康増進に有用な水素水を提供することである。特に常温(そのときの水温)で作製される水素水よりも水素ガス(H2ガス)が多量に溶存している水素水を提供し、水素による健康の増進効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水を暖めた温水中に水素を通して作製する温水素水に関するものであり、具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、水素発生装置から発生した水素を30℃以上または40℃以上の水温を有する温水に通して、前記温水に水素を溶存する温水素水であり、前記水温は、30℃~80℃または40℃~80℃で、前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であり、前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする。
(2)本発明は、水素発生装置、温水を貯留する温水貯留容器、および前記水素発生装置から出る水素を通し前記温水貯留容器に貯留した温水中に水素を導入する水素導入管を有する温水素水を作製する温水素水作製装置であり、前記水素発生装置は、水素発生剤を水中に入れて水素を発生させる装置であり、前記水素発生剤は、酸化カルシウム(CaO)とアルミニウム(Al)を含み、前記温水貯留容器は、貯留した水を加熱して温水にする加熱装置または加熱機構を有し、また前記温水貯留容器は、一定温度の温水を維持する機構を有し、前記温水貯留容器の温水の温度は30℃~80℃または40℃~80℃であり、前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする。
(3)本発明は、水素発生装置で水素を作製し、前記水素発生装置で作製した水素を温水貯留容器に貯留した温水中に導入して温水素水を作製することを特徴とする温水素水を作製する方法であり、前記水素発生装置で水素を作製する方法は、水素発生剤と水の化学反応から作製する方法であり、前記温水貯留容器に貯留した温水は一定温度に保持された後に前記水素発生装置で作製した水素を前記温水貯留容器に貯留した温水中に導入するものであり、前記温水素水の温度は30℃~80℃または40℃~80℃であり、前記温水素水は飲料水として使用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の温水素水は、常温(そのときの水温)以上の水温(温水)中で水素を吹き入れて(注入して)作製した水素水であり、常温(そのときの水温)で作製される水素水より多量の水素を温水中に含有する。その温水素水を飲料とすることによって、常温の水素水の飲料よりも健康増進効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の温水素水の作製装置および作製方法を示す図である。
図2図2は、本発明の温水素作製装置を用いた水素を注入した水素水の温度とその水素水の還元電位との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、温水素水およびその作製方法と温水素水を用いた健康増進法に関するものである。図1は、本発明の温水素水の作製装置および作製方法の一例を示す図である。本発明の温水素水の作製装置10は、水素発生装置11、水素発生装置11で発生した水素を水素導入管(第1の水素導入管)15を通して導入(注入)する水素水容器17、水素水容器17から集められた水素をさらに水素導入管(第2の水素導入管)19を通して、水素を種々の器具や身体に供給する。たとえば、水素混合ミスト装置などの付随装置や、口や鼻や眼等に水素を供給する水素吸入装置などである。
【0009】
水素発生器11において、たとえば、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)を入れた(これらは粉末状になっている)水素発生剤ホルダー12を水素発生容器11に入れた後、水素発生容器11内に水31を入れると、アルミニウム(Al)が水素発生反応促進剤になり水素(H2)が発生する。その化学反応式は、CaO+Al+5H2O→Ca(OH)+Al(OH)+2H2である。水素発生容器11はキャップ13で蓋がされている。水素(H2)が発生すると水素は、多数の気泡21となり水素発生容器11において水31の上方に上がって、水素発生容器11の上部である蓋(キャップ)13の下部の空間22に集まり、水素発生容器11のキャップ13の下部の空間の圧力が高まる。キャップ13には気体出口14が形成されており、水素発生容器11内の水素は気体出口14から押し出される。気体出口14には水素導入管15が接続されているので、気体出口14から押し出された水素は水素導入管15を通る。
【0010】
水素水容器17には水32が入っており、(水32は、たとえば、水道水や市販水や蒸留水や純水等の飲料水に適する水である。)その入り口は蓋25で閉じられており、蓋25と水素水容器17内の水32の間には空間24が存在する。水素導入管15は蓋25に形成された水素導入入口18に接続しており、さらに水素導入入口18は水素水容器17内の水素吸入管16に接続して、水素吸入管16は水素水容器17の水中に入っていて、水素は、水中32に入れられた水素吸入管16の出口から多数の気泡23となって水素水容器17の水中32に出ていく。水素水容器17の水中に出た水素気泡23は、水素水容器17の上部の空間24に集まり、水素水容器17の蓋25に形成された出口26から出ていく。水素水容器17の蓋25の出口26には第2の水素導入管19が接続し、この第2の水素導入管19から水素が出ていく。尚。水素導入管15および水素吸入管16は一体となった一つなぎのチューブ(管)でも良い。水素水容器17内に入った水32には水素が溶け込んでいるので、その水は水素水となり飲料できる。
【0011】
ここで、本発明の水素水容器17はたとえば加熱装置または加熱機構27で暖められており、水素水容器17は常温(加熱する前の水温)以上の温水となっている。通常は30℃以上の温水であるが、加熱する前の水温が30℃であれば、温水の温度は好適には40℃以上である。図1では、水素水容器17が加熱装置27の上に配置されており、水素水容器17の下部から暖められているが、水素水容器17の周囲に加熱装置27が取り囲んで配置されて水素水容器17を暖めても良い。また、水素水容器17と加熱装置(加熱機構)が一体となっていても良い。すなわち、加熱装置(加熱機構)付き水素水容器(温水貯留容器)、たとえば電気ケトルとか、加熱式魔法瓶とかでも良い。さらに、たとえば、水素容器17内の水32が30℃または40℃以上の一定の温度に保持されるように制御されていても良い。水素水容器17内の水32が30℃以上または40℃以上の温水は常温水より水素を多量に含む。従って、飲料水としての水素水の健康増進効果がさらに高まる。尚、本発明の水素水容器17では、その中に入れた水は加熱装置27で暖められて温水になっているので、水素水容器17は温水貯留容器と呼んでも良い。また、温水貯留容器17に水素を導入(注入)した後の温水は水素を多量に溶存するので、温水素水と呼ぶ。水素は温水素中の水分子の隙間に入り込んで溶存していると考えられている。
【0012】
尚、第2の導入管19等に圧力弁を配置して、水素水容器17の上部の空間24の圧力が一定以上の圧力にならないと水素が第2の導入管19から出ていかないようにしても良い。この場合、空間24の圧力が高く(たとえば、3~5atm)なるようにしておけば、水素容器17内の水32も圧力が高くなるので、水素容器17内の水中32に溶存する水素量が増大する。従って、温水素水にさらに圧力効果が加わるので、飲料水としての水素水の健康増進効果をさらに高めることができる。
【0013】
図2は、本発明の温水素作製装置を用いた水素を注入(導入)した水素水の温度とその水素水の還元電位との関係を示す図である。縦軸が水素水の温度(水温)(℃)で、横軸が還元電位(単位mV)を示す。水を暖めて一定温度とした後に、一定量の水素を注入して水素水を作製し、その状態で酸化還元電位測定装置(ORPメーター)を用いて水素水の還元電位を測定した。一定量(30g)の水素発生剤(CaO+Al)を用いて水素発生(バブリング開始)から一定時間経過後(5分後)に測定している。図2から分かるよう水温が上がるほど還元電位(ORP)は下がる。ここで、還元電位はマイナスの値であるから、還元電位が下がるということは水素水中の水素溶存量が多いということを意味する。図2から、水温25℃でORPは約-760mV、水温40℃でORPは約-800mV、水温60℃でORPは約-840mV、水温80℃でORPは約-900mVである。酸化還元電位は+200mV以下(ORP<+200mV)であれば、若返りの効果があると言われており、ORPが負電位になり、その絶対値が大きくなるほど還元力(酸化を止める力)が強くなり、老化をおさえて若返りの効果が大きくなると言われている。これまでは、常温(たとえば、15℃~25℃)で作製した水素水でも若返り効果があると言われてきたが、図2に示すように、30℃以上に暖めた水(温水)で水素水を作製するとさらに若返りの効果がある。特に40℃~80℃で暖めた水で水素水を作製した温水素水の若返りの効果は格別であることが分かった。30℃~80℃で暖めた水で作製した水素水を本発明では温水素水と呼ぶ。尚、80℃以上で暖めた水は飲料水とするには熱すぎるので、本発明では特に40℃~80℃で暖めた水に水素を注入して作製した温水素水が有効である。
【0014】
以上詳細に説明したように、本発明は一定の温度(約30℃~約80℃の間)に暖めた温水に水素を注入して、温水素水を作製する。この温水素水は常温(そのときの水温であるが、通常は15℃~25℃)で作製した水素水に比べて酸化還元電位が負電位でしかも大きい。すなわち、この温水素水は水素溶存量が常温(15℃~25℃)で作製した水素水に比べてかなり多い(高濃度の水素含有水素水である)。従って、この温水素水を飲料として使用することによって、常温作製の水素水に比べても、細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が大きくなることが期待できる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0015】
水素は分子が小さく身体の皮膚や細胞を通して浸入するので、本発明の温水素水は飲料水として飲めば食道・胃・小腸・大腸の各部所に供給されて、健康増進を高めることができる。
【符号の説明】
【0016】
10温水素水作製装置、11水素発生装置、12水素発生剤ホルダー、13キャップ、
14気体出口、15(第1の)水素導入管、16水素吸入管、17水素水容器、
18水素導入入口、19(第2の)水素導入管、20出口、21気泡、22空間、
23気泡、24空間、25蓋、26出口、27加熱装置、31水、32水、
図1
図2