(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160829
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】穂首及び筆
(51)【国際特許分類】
B43K 1/12 20060101AFI20241108BHJP
B43K 8/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B43K1/12 B
B43K8/02 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076238
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000142920
【氏名又は名称】株式会社呉竹
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】小坂 成章
(72)【発明者】
【氏名】北村 優衣
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA06
2C350HA13
2C350HA14
(57)【要約】
【課題】本発明は、穂首全体に均一にインクを供給することができる穂首、及び筆を提供することを課題とする。
【解決手段】結束した繊維体が溶着されることにより形成される穂首基端部を含む穂首、であって、前記穂首基端部は、軸方向に前記穂首基端部を貫通する複数の貫通孔を有し、前記複数の貫通孔は、前記穂首基端部の横断面内に、前記横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って配置され、前記複数の貫通孔以外の貫通孔は、前記仮想円に沿って配置された前記複数の貫通孔の径方向内側には配置されておらず、前記複数の貫通孔は、各貫通孔の直径が0.5mm以上1.5mm以下であり、前記複数の貫通孔の数は、5個以上10個以下である、ことを特徴とする穂首。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束した繊維体が溶着されることにより形成される穂首基端部を含む穂首、であって、
前記穂首基端部は、軸方向に前記穂首基端部を貫通する複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記穂首基端部の横断面内に、前記横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って配置され、
前記複数の貫通孔以外の貫通孔は、前記仮想円に沿って配置された前記複数の貫通孔の径方向内側には配置されておらず、
前記複数の貫通孔は、各貫通孔の直径が0.5mm以上1.5mm以下であり、
前記複数の貫通孔の数は、5個以上10個以下である、ことを特徴とする穂首。
【請求項2】
前記複数の貫通孔は、前記横断面の半径の長さをRとした場合の、前記横断面の中心から前記各貫通孔の中心点までの長さxの割合x/Rが、0.2以上0.85以下である、請求項1記載の穂首。
【請求項3】
請求項1、又は2に記載の穂首と、
前記穂首基端部を保持するホルダーと、
インクを貯留でき、且つ、前記ホルダーと接続される筆軸と、を備える、ことを特徴とする筆。
【請求項4】
前記筆軸は、前記筆軸が外部から加圧されることにより、前記筆軸に貯留されているインクが穂首先端部に供給される、インク供給機構を有する、ことを特徴とする請求項3記載の筆。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穂首及び筆に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを貯留した筆軸から穂首にインクを供給することができる筆ペンが存在する。インクが供給された穂首は、筆記対象にインクを塗布もしくは筆記することが可能となる。
穂首は、繊維体を集束させた状態で備えるものであるが、繊維体を集束させる方法としては、穂首基端部を溶着させることによって繊維体を一体化する方法が知られている。しかし、この方法を採用することで穂首の製造工程を効率化できる一方で、溶着された部分はインクを流通させることができなくなる。
【0003】
そこで、溶着された穂首基端部の中央に貫通孔を設けることで、穂首にインクを供給する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、高粘度の液体を穂首へ供給するための技術が開示されている。具体的には、特許文献1では、穂首基端部が溶着され、該穂首基端部の中央に貫通孔を有する穂首を備えた塗布具が開示されている。
特許文献1の技術によれば、穂首基端部を溶着しても高粘度の液体を継続的に穂首へ供給することができ、穂首内に保持できる液量を十分に確保することができる。そのため、液切れが起こらず、塗布面域あるいは筆記距離の拡大に貢献しうる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術を一般的な粘度のインクに適用すると、穂首全体に均一にインクを供給することができず、その結果、穂首の太さや形状に応じた適切な塗布、筆記が困難になる等、塗布具としての機能が十分に発揮し得ないという問題が存在する。
【0006】
本発明は、穂首全体に均一にインクを供給することができる穂首、及び筆を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る穂首は、
結束した繊維体が溶着されることにより形成される穂首基端部を含む穂首、であって、
前記穂首基端部は、軸方向に前記穂首基端部を貫通する複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔は、前記穂首基端部の横断面内に、前記横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って配置され、
前記複数の貫通孔以外の貫通孔は、前記仮想円に沿って配置された前記複数の貫通孔の径方向内側には配置されておらず、
前記複数の貫通孔は、各貫通孔の直径が0.5mm以上1.5mm以下であり、
前記複数の貫通孔の数は、5個以上10個以下である。
【0008】
本発明に係る前記穂首では、
前記複数の貫通孔は、前記横断面の半径の長さをRとした場合の、前記横断面の中心から前記各貫通孔の中心点までの長さxの割合x/Rが、0.2以上0.85以下であってもよい。
【0009】
本発明に係る筆は、
前記穂首と、
前記穂首基端部を保持するホルダーと、
インクを貯留でき、且つ、前記ホルダーと接続される筆軸と、を備える。
【0010】
本発明に係る前記筆では、
前記筆軸は、前記筆軸が外部から加圧されることにより、前記筆軸に貯留されているインクが穂首先端部に供給される、インク供給機構を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、穂首全体に均一にインクを供給することができる穂首、及び筆が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る筆の全体断面図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る穂首の穂首基端部横断面図であって、
図1におけるII-II断面を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係る穂首の穂首基端部横断面図であって、
図1のII-II断面における、穂首基端部の横断面の半径の長さと、穂首基端部の横断面の中心から貫通孔の中心点までの長さを示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係る穂首の穂首基端部横断面図であって、
図1のII-II断面における、一の貫通孔の中心と、穂首基端部の横断面の中心点と、該一の貫通孔と隣接する貫通孔の中心と、の3点をつなぐ線により得られる中心角を示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係る穂首の穂首基端部横断面図であって、
図1のII-II断面における、穂首基端部の横断面の半径の長さと、貫通孔の直径の長さを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(穂首)
以下に、本発明に係る穂首の一実施形態について詳しく説明する。
穂首10は、複数の繊維が軸方向に揃えて束ねられることにより構成された繊維体を備える。また、前記穂首10は、
図1に示す如く、結束した前記繊維体が基端側において溶着されることによって形成される穂首基端部11と、該穂首基端部11の反対側において塗布又は筆記対象物に対してインクを塗布又は筆記するための穂首先端部12と、を有する。
【0014】
前記穂首基端部11は、複数の貫通孔13を有する。本実施形態においては、前記穂首基端部11の横断面の形状は、
図2に示す如く、円形である。
前記複数の貫通孔13は、前記穂首基端部11を軸方向に貫通する。インクは、前記穂首基端部11における溶着された部分を流通することができず、前記複数の貫通孔13を通じて流通することができるように構成されている。
【0015】
ここで、本発明における筆及び穂首の先端側とは、筆記対象に向けられる側を指し、筆及び穂首の基端側とは、その逆側を指す。また、筆及び穂首における軸方向とは、先端側と基端側とを結ぶ方向を指し、径方向とは、軸方向と直交する方向を指す。さらに、横断面とは、軸方向に対して直交する断面を指す。
【0016】
前記穂首先端部12の形状は、ストレート形状のものとすることができる。なお、前記穂首先端部12の形状は、これに限定されない。例えば、前記穂首先端部12の形状は、テーパー形状やフラット形状のものとすることもできる。
【0017】
前記穂首先端部12における繊維体は、該繊維体を構成する各繊維が互いに溶着されておらず、それぞれ独立している。各繊維は、単繊維又は複合繊維のいずれで構成されてもよい。また、各繊維の材質は、特に限定されない。例えば、各繊維の材質は、獣毛、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等、を用いたものを採用することができる。
【0018】
(複数の貫通孔)
前記複数の貫通孔13は、
図2に示す如く、前記穂首基端部11の横断面内に、前記横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って配置される。また、前記仮想円に沿って配置された前記複数の貫通孔の径方向内側には、他の貫通孔が配置されていない。
ここで、「仮想円」とは、前記穂首基端部11の横断面の中心を中心点とする円である。また、前記「仮想円」は、前記横断面の外周円より面積が小さい円である。さらに、前記「仮想円」は、仮想上のものであって、前記複数の貫通孔13の、前記横断面における位置を特定するために用いられるものであり、実際に円が描かれている必要はない。
【0019】
前記複数の貫通孔13は、
図3に示す如く、前記横断面の半径の長さをRとした場合の、前記横断面の中心から前記各貫通孔の中心点までの長さxの割合x/Rが、0.20以上0.85以下となるように配置されていればよく、好ましくは、前記割合x/Rは、0.30以上0.70以下であり、より好ましくは、割合x/Rは、0.45以上0.55以下である。
なお、前記複数の貫通孔13の中心は、真円である仮想円の線上に正確に配置されている必要はなく、該仮想円から径方向の内側又は外側へ、多少ずれた位置に配置されていてもよい。
【0020】
前記複数の貫通孔13が上記態様で配置されることにより、穂首の基端側から穂首の径方向の全体にわたって均一にインクが供給されやすくなる。言い換えると、穂首の基端側からインクを供給した際に、インクが径方向へ広がらずに穂首先端部へと軸方向に流れてしまい、その結果、穂首先端部からインクが滴り落ちる現象(以下、「液だれ」という)を防ぐことができる。
【0021】
前記複数の貫通孔13は、前記横断面において、前記仮想円に沿って、概ね等間隔に配置されていることが好ましい。すなわち、前記複数の貫通孔13は、前記複数の貫通孔13がy個配置されている場合に、一の貫通孔13aの中心と前記横断面の中心とを結ぶ線、および、該一の貫通孔13aと隣接する他の貫通孔13bの中心と前記横断面の中心とを結ぶ線、とが交差する角度(中心角z)が、360/y±5度の範囲内となるように、配置されてもよい。具体的には、前記複数の貫通孔13は、
図4に示す如く、前記複数の貫通孔13が6個配置されている場合、中心角zは、60±5度の範囲内となるように配置される。
【0022】
前記複数の貫通孔13は、前記横断面において、形状が円形となるように形成される。また、前記複数の貫通孔13は、前記各貫通孔の直径が、0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
前記複数の貫通孔13は、例えば、ドリル加工やレーザー加工により形成することができる。
【0023】
前記複数の貫通孔13は、
図5に示す如く、前記横断面の半径の長さをRとした場合の、前記各貫通孔の直径の長さdの割合d/Rが、0.1以上0.5以下であってもよい。
前記割合d/Rが、上記範囲内にあることにより、穂首全体に均一にインクを供給することができ、液だれを防ぐことができる。
【0024】
前記複数の貫通孔13の数は、5個以上10個以下であることが好ましい。
前記複数の貫通孔13の数が、上記範囲内にあることにより、穂首全体に均一にインクを供給することができ、液だれを防ぐことができる。
【0025】
前記横断面の外周円の面積に対する、前記複数の貫通孔13の面積の合計の割合は、1%以上20%以下であることが好ましく、1%以上10%以下であることがより好ましく、1%以上5%以下であることがさらに好ましい。
【0026】
(筆)
以下に、本発明に係る筆1の一実施形態について詳しく説明する。
筆1は、結束した繊維体が溶着されることにより形成される穂首基端部11を含む穂首10と、インク貯留部31及びインク供給部32を有する筆軸30と、穂首10と筆軸30を連結させる筒状のホルダー20と、を備える。なお、穂首10は、上記実施形態において説明したとおりであり、ここでは説明を割愛する。
【0027】
前記ホルダー20は、
図1に示す如く、先端側が前記穂首基端部11を保持する態様で穂首10と接続される。また、前記ホルダー20は、基端側が前記筆軸30の先端側と接続される。
【0028】
前記インク貯留部31は、有底筒状に形成され、先端側が開口している。
前記インク供給部32は、前記インク貯留部31から穂首へ、インクを供給するための部材である。また、前記インク供給部32は、
図1に示す如く、前記インク貯留部31の先端側開口の内側に嵌合して備えられる。さらに、前記インク供給部32は、前記インク供給部32を軸方向に貫通する流通路33を含む。本実施形態では、前記インク供給部32は、前記インク貯留部31の内側に配置される第一インク供給部32aと、前記第一インク供給部32aと隣接して前記インク貯留部31の外側に配置される第二インク供給部32bと、を備える。また、本実施形態では、前記流通路33は、前記第一インク供給部32aの内側に形成される第一流通路33aと、前記第二インク供給部32bの内側に形成され、且つ、前記第一流通路33aよりも内径の小さい第二流通路33bと、により構成される。そして、前記インク供給部32と、前記ホルダー20と、穂首基端部11と、により形成される空間は、インク室40を形成している。
【0029】
(インク供給機構)
前記筆軸30は、前記筆軸30が外部から加圧されることにより、前記筆軸30に貯留されているインクが穂首先端部12に供給される、インク供給機構を有する。
【0030】
前記インク供給機構においては、まず、前記インク貯留部31が、外部から加圧されることで、前記インク貯留部31の内圧が高くなり、前記インク貯留部31にあるインクが、前記インク貯留部31から前記流通路33を通じてインク室40に押し出される。
次に、該加圧を中止することで、前記インク貯留部31の内圧が減圧し、インク室40の空気が前記インク貯留部31に入り込む。これによって、前記インク貯留部31のインクと、インク室40の空気とが入れ替わる。
続いて、前記インク貯留部31が、再度外部から加圧されると、前記インク室40へ押し出されたインクが、前記貫通孔13を通じて前記穂首10へと供給されることとなる。
【0031】
本実施形態に係る筆1においては、このようなインク供給機構により、インクを、迅速且つ容易に穂首全体へと行き亘らせることができる。
【実施例0032】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
まず、以下のような9種類の穂首a乃至i(実施例1~2、および比較例1~7)を用意した。
【0034】
実施例1(穂首a)
ポリエステル製の繊維を束ね、その基端側を溶着させて軸方向の厚みが0.7mm、直径が11.3mmである穂首基端部を形成した。さらに、穂首基端部の横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って、均等に配置された6個の貫通孔を形成した。作成された実施例1の穂首は、横断面の半径の長さをRとした場合の、該横断面の中心から各貫通孔の中心点までの長さxの割合x/Rは、0.5であり、各貫通孔の直径が1mmであった。
【0035】
実施例2(穂首b)
各貫通孔の直径を1.5mmとしたことを除き、他は実施例1と同様にして実施例2の穂首を作成した。
【0036】
比較例1(穂首c)
穂首基端部の横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って、均等に配置された貫通孔を5個とし、該横断面の中心に配置された1個の貫通孔を形成したことを除き、他は実施例1と同様にして比較例1の穂首を作成した。
【0037】
比較例2(穂首d)
貫通孔を4個としたことを除き、他は実施例1と同様にして比較例2の穂首を作成した。
【0038】
比較例3(穂首e)
貫通孔を4個とし、各貫通孔の直径を1.5mmとしたことを除き、他は実施例1と同様にして比較例3の穂首を作成した。
【0039】
比較例4(穂首f)
穂首基端部の横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って、均等に配置された貫通孔を3個とし、該横断面の中心に配置された1個の貫通孔を形成したことを除き、他は実施例1と同様にして比較例4の穂首を作成した。
【0040】
比較例5(穂首g)
貫通孔を2個としたことを除き、他は実施例1と同様にして比較例5の穂首を作成した。
【0041】
比較例6(穂首h)
貫通孔を2個とし、各貫通孔の直径を1.5mmとしたことを除き、他は実施例1と同様にして比較例6の穂首を作成した。
【0042】
比較例7(穂首i)
穂首基端部の横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って、貫通孔を配置せず、該横断面の中心に配置された1個の貫通孔を形成し、該貫通孔の直径を1.5mmとしたことを除き、他は実施例1と同様にして比較例7の穂首を作成した。
【0043】
(試験)
実施例および比較例の穂首を、インク貯留部が備えられた筆に装着し、インク貯留部に貯留したインクを押し出した際に、該インクが穂首全体に行き亘るか否かあるいはインクが穂首から液だれするか否かについて、について、評価を行った。
また、インクが穂首全体に行き亘る場合については、穂首に対してインクの供給を開始してから、穂首全体にインクが行き亘るまでにかかる時間について、評価した。
以上の結果を下記表に示す。
【0044】
【0045】
上記の表によると、貫通孔の直径が1.5mmのものよりも1mmである穂首の方が、インクを穂首全体へ均一に供給しやすくなっていることが示されている。
一方で、上記の表は、穂首が有する貫通孔の数が増えると、インクを穂首全体へ均一に供給しやすく、インクの供給にかかる時間も短くなっていることを示している。
すなわち、上記結果によると、穂首は、貫通孔の径と数が所定の範囲内であれば、より適切な速さで穂首全体へ均一にインクが供給できることがわかる。
【0046】
さらに、上記の表は、穂首基端部の横断面の中心に貫通孔が配置された場合、液だれが発生しやすくなっていることを示している。
すなわち、穂首は、貫通孔が、該横断面の中心を中心点とする仮想円に沿って配置され、該貫通孔以外の貫通孔が、該仮想円に沿って配置された該貫通孔の径方向内側には配置されていないことにより、液だれを防止しやすくなることがわかる。
【0047】
以上の結果からもわかるように本発明に係る穂首は、穂首全体に均一にインクを供給することができ、液だれを防ぐことができる。
1:筆、10:穂首、11:穂首基端部、12:穂首先端部、13:複数の貫通孔、20:ホルダー、30:筆軸、31:インク貯留部、32:インク供給部、32a:第一インク供給部、32b:第二インク供給部、33:流通路、33a:第一流通路、33b:第二流通路、40:インク室