(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160832
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】コンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20241108BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076245
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】515315026
【氏名又は名称】株式会社クロス・マーケティンググループ
(71)【出願人】
【識別番号】523132996
【氏名又は名称】加藤 拓巳
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】梅山 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 リツ
(72)【発明者】
【氏名】一木 要輔
(72)【発明者】
【氏名】亀井 晋
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすること。
【解決手段】コンセプト評価調査システムは、通信部と制御部を有する。前記通信部は、複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末と通信する。前記制御部は、前記モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させる。さらに制御部は、当該各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末と通信する通信部と、
前記モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させ、当該各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信する制御部と
を具備するコンセプト評価調査システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンセプト評価調査システムであって、
前記制御部は、所定の標準表示時間に、前記各商品またはサービスの市場占有率を乗じた値を前記表示時間として決定する
コンセプト評価調査システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンセプト評価調査システムであって、
前記制御部は、前記各商品またはサービスの中で購入したい商品または利用したいサービスを前記モニターに選択させるページを前記モニター端末に表示させ、当該ページを介して前記モニター端末で選択された商品またはサービスに関する情報を前記評価情報として受信する
コンセプト評価調査システム。
【請求項4】
複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させ、
前記各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信する
コンセプト評価調査方法。
【請求項5】
情報処理装置に、
複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させるステップと、
前記各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介したコンセプト評価調査に関するデータを処理可能なコンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、新商品や新サービスのコンセプトとして最も評価の良い案を採用したい、新商品や新サービスのターゲット層を見極めたいなどといった場合に行うアンケート調査手法として、コンセプト評価調査(コンセプト受容性調査)が知られている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、商品プロフィールを基に顧客購買調査票を生成して顧客にコンセプト評価調査を行ない、データが記入され回収された調査票における調査回答の表現に対応した評価点に従い、購買意思を含む顧客購買心理を定量化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の販売店では、売上シェアによって、その商品を扱っている販売店数や広告出稿量、売り場面積等が異なることから、少数の商品またはブランドが市場を独占している場合に、異なる複数の商品またはブランドについて一律の基準でコンセプト評価調査を行っても、調査結果と実際の売上結果(市場占有率)との間に乖離が生じてしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることが可能なコンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るコンセプト評価調査システムは、通信部と制御部を有する。前記通信部は、複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末と通信する。前記制御部は、前記モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させる。さらに制御部は、当該各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信する。
【0008】
この構成により、実際の市場占有率に応じて各商品またはサービスのコンセプトページの提示時間を重みづけし、各商品またはサービスを目にする時間や機会を市場と調査とで合わせることで、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができ、調査精度を向上させることができる。
【0009】
前記制御部は、所定の標準表示時間に、前記各商品またはサービスの市場占有率を乗じた値を前記表示時間として決定してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記各商品またはサービスの中で購入したい商品または利用したいサービスを前記モニターに選択させるページを前記モニター端末に表示させ、当該ページを介して前記モニター端末で選択された商品またはサービスに関する情報を前記評価情報として受信してもよい。
【0011】
この構成により、最も購入したい商品または利用したいサービスに関するモニターの回答結果と実際の市場で最も売上高が大きい商品またはサービスとが合致しなくなるのを極力防ぐことができる。
【0012】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させ、
前記各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信する、ことを含む。
【0013】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末に、前記コンセプトを示す情報を掲載したコンセプトページを、前記各商品またはサービスごとに、当該各商品またはサービスの市場占有率に応じた表示時間だけ表示させるステップと、
前記各コンセプトページの表示が終了した場合に、前記モニター端末から、前記各商品またはサービスに関する前記モニターの評価情報を受信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバのハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバによる、コンセプト評価調査処理の流れを示したフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバによる、市場占有率に応じたコンセプト提示時間の制御処理を概念的に示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバがモニター端末に表示させるコンセプトページの例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバがモニター端末に表示させる回答入力ページの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るコンセプト評価調査システムの構成を示した図である。
【0018】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上のコンセプト評価調査サーバ100と、複数のモニター端末200と、依頼者端末300とを含む。
【0019】
コンセプト評価調査サーバ100は、依頼者からの依頼に基づいて商品またはサービスのコンセプト評価調査を実施するサーバである。コンセプト評価調査サーバ100は、複数のモニター端末200及び依頼者端末300とインターネット50を介して接続されている。
【0020】
コンセプト評価調査サーバ100は、具体的には、モニター端末200へ、回答ページへのアクセス情報(ハイパーリンク等)と共にコンセプト評価調査回答依頼(メール等のメッセージ)を送信し、モニター端末200から当該コンセプト評価調査の回答情報を受信する。そしてコンセプト評価調査サーバ100は、当該回答情報を集計して依頼者へのコンセプト評価調査結果の納品情報を生成し、依頼者端末300へ送信する。
【0021】
モニター端末200(200A,200B,200C...)は、コンセプト評価調査サーバ100により実施されるコンセプト評価調査の対象ユーザ(回答者;モニター)となる会員として、コンセプト評価調査サーバ100の運営元の企業と契約しているユーザの端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0022】
モニター端末200は、コンセプト評価調査サーバ100からコンセプト評価調査回答依頼及び回答ページを受信してブラウザ等により表示し回答を入力してコンセプト評価調査サーバ100へ回答情報(評価情報)を送信する。
【0023】
依頼者端末300は、コンセプト評価調査を依頼する企業(の担当者等)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。依頼者端末300は、コンセプト評価調査サーバ100へコンセプト評価調査実施依頼を送信し、コンセプト評価調査完了後、コンセプト評価調査サーバ100からコンセプト評価調査結果の納品情報を受信する。
【0024】
本実施形態において、上記コンセプト評価調査サーバ100によってモニター端末200に表示される回答ページは、複数の商品について商品コンセプトを表示する複数のコンセプトページと、当該コンセプトページの表示後に複数の商品のうちモニターが購入したい商品を1つ選択させる回答入力ページとから構成される。また詳細は後述するが、当該コンセプトページの表示に際しては、各商品の市場における売上高シェア(市場占有率)に応じてその表示時間が設定される。
【0025】
[コンセプト評価調査サーバのハードウェア構成]
図2は、上記コンセプト評価調査サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、コンセプト評価調査サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0026】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらコンセプト評価調査サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0027】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0028】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0029】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0030】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0031】
特に本実施形態では、記憶部18は、コンセプト評価調査対象となるモニター情報、コンセプト評価調査においてモニター端末200に表示させるコンセプトページを構成する情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いてコンセプト評価調査サーバ100がコンセプト評価調査に関する処理(回答ページの表示処理や回答情報の集計処理等)を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、依頼者情報データベース、モニター情報データベース、市場売上情報データベース及び調査情報データベースを有している。
【0032】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記モニター端末200及び依頼者端末300との間の通信処理を担う。
【0033】
図示しないが、上記モニター端末200のハードウェア構成も上記コンセプト評価調査サーバ100のハードウェア構成と同様である。またモニター端末200には、上記コンセプト評価調査サーバ100と接続して商品コンセプト評価に関する処理を実行するためのアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションを介してコンセプト評価調査サーバ100にアクセスしてもよい。
【0034】
[コンセプト評価調査サーバのデータベース構成]
図3は、上記コンセプト評価調査サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0035】
同図に示すように、コンセプト評価調査サーバ100は、記憶部18に、依頼者情報データベース31、モニター情報データベース32、市場売上情報データベース33、及び調査情報データベース34を有している。
【0036】
依頼者情報データベース31は、コンセプト評価調査サーバ100の運営元企業の顧客であるコンセプト評価調査の依頼者に関する情報を記憶する。具体的には、依頼者情報データベース31は、ユーザID、パスワード、企業名、担当者名、メールアドレス、電話番号、住所等の情報を依頼者毎に記憶している。
【0037】
モニター情報データベース32は、上記コンセプト評価調査サーバ100の運営元とモニター契約を締結している消費者であるモニター(モニター端末200のユーザ)に関する情報を記憶する。具体的には、モニター情報データベース32は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所(居住地)、年齢(層)、性別、家族構成(既婚/未婚、または家族の人数、子供の有無等)、職業(職種、学校)、年収(世帯年収、個人年収)、使用しているSNS、居住形態(戸建て、マンション、持ち家、賃貸など)、携帯電話(キャリア情報)、自動車の保有状況、免許の有無など、趣味の関心事項等の情報をモニター毎に記憶している。
【0038】
市場売上情報データベース33は、コンセプト評価の対象となる複数の商品(ブランド)の市場における売上高を示すデータを記憶している。当該データは、他の調査会社から受信したモニターの購買履歴データから作成されたものであってもよいし、各販売店から直接または他社を介して受信したPOS(Point of Sale)データから集計されたものであってもよい。当該売上情報データは、例えば1日、1週間等の定期的なタイミングで最新のものに更新される。さらに当該データから、各商品の市場における売上高シェア(市場占有率)が算出され当該市場売上情報データベース33に記憶されてもよい。
【0039】
調査情報データベース34は、上記モニターを対象に作成されたコンセプト評価調査に関する情報、すなわち、各モニター端末200に表示させる回答ページ(上記商品コンセプトページ及び回答入力ページ)を構成するデータ(テキストや画像)や、各モニター端末200から受信した回答データ等を記憶している。
【0040】
これら各データベースは、後述するコンセプト評価調査サーバ100によるコンセプト評価調査処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0041】
[コンセプト評価調査サーバの動作]
次に、以上のように構成されたコンセプト評価調査サーバ100の動作について説明する。当該動作は、コンセプト評価調査サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0042】
図4は、コンセプト評価調査サーバ100による、コンセプト評価調査処理の流れを示したフローチャートである。
【0043】
同図の処理の前処理として、コンセプト評価調査サーバ100のCPU11は、依頼者からのコンセプト評価調査依頼を受け、回答ページ(商品コンセプトページや回答入力ページ)を作成し、上記調査情報データベース34に記憶しておく。
【0044】
CPU11はまず、複数のモニター端末200へ、コンセプト評価調査回答依頼をメール等のメッセージで送信する(ステップ41)。当該回答依頼には、回答ページへのアクセス情報(ハイパーリンク等)が含まれる。
【0045】
コンセプト評価調査回答依頼を送信するモニター端末200の数は、依頼者によってコンセプト評価調査依頼時に予め定められた回答サンプル数に、回答が得られない場合を考慮して所定数または所定割合の数を加えた数とされる(例えば依頼された1000サンプルに対して1080のモニター端末200へ送信)。
【0046】
続いてCPU11は、いずれかのモニター端末200から、回答ページアクセスあったか否かを判断する(ステップ42)。
【0047】
回答ページにアクセスがあったと判断した場合(ステップ42のYes)、CPU11は、
図5に示すように、上記市場売上情報データベース33を参照し、所定の標準表示時間に、調査対象の各商品の直近の売上高シェア(市場占有率)を乗じることで、各商品のコンセプトページの表示時間を設定する(ステップ43)。当該売上高シェアは、調査対象の各商品の売上高データからリアルタイムに算出してもよいし、例えば売上高データの更新時等に予め算出していてもよい。
【0048】
標準表示時間は例えば30秒~60秒であるが、これに限られない。例えば、標準表示時間を60秒とすると、売上高シェアが40%の商品については、そのコンセプトページの表示時間は、60×0.4=24秒と設定され、売上高シェアが10%の商品については、そのコンセプトページの表示時間は、60×0.1=6秒と設定される。
【0049】
続いてCPU11は、モニター端末200に上記各商品のコンセプトページを順次表示させる(ステップ44)。
図5は、当該コンセプトページの表示例を示した図である。
【0050】
同図に示すように、コンセプトページは、商品(同図の例ではドライヤー)のコンセプト(コンセプト、特徴、基本性能、商品イメージ、商品ブランド名、価格、企業ブランド名等)を示すコンセプト情報61を含む。
【0051】
またコンセプト情報61の例えば下部には、現在表示中のページの前のページへ表示を遷移するための戻るボタン64と、次のページへ表示を遷移するための進むボタン65が設けられる。
【0052】
同図(A)、(B)、(C)に示すように、CPU11は、1つの商品について、掲載内容の異なる複数のコンセプトページをスライドショーのように切り替えて表示させる。例えば、同図(A)のページでは商品のコンセプト及び特徴が表示され、同図(B)のページでは商品イメージが表示され、同図(C)のページでは商品ブランド名、価格、企業ブランド名が表示されるといったように、掲載内容が切り替わる。
【0053】
このとき、CPU11は、上記各商品について設定された表示時間に応じて、各ページの切替速度を可変して表示させてもよい。例えば、設定された表示時間をページ数で割った値を各ページの表示時間(ページ切替までの待機時間)として設定してもよい(設定時間が30秒でページ数が3つであれば、各ページの表示時間は10秒)。
【0054】
これに代えてCPU11は、各ページの表示時間は商品によらず固定として、上記設定した表示時間が経過したときに(全てのページを表示していなくても)表示を終了させてもよい。またモニター端末200により戻るボタン64または進むボタン65が操作された場合には、それに応じてページを切り替え、上記設定した表示時間が経過したときに表示を終了させてもよい。
【0055】
図4に戻り、CPU11は、表示中のコンセプトページについて、上記設定した表示時間が経過したか否かを判断する(ステップ45)。
【0056】
設定した表示時間が経過したと判断した場合(ステップ45のYes)、CPU11は、全ての商品のコンセプトページの表示が終了したか否かを判断する(ステップ46)。
【0057】
全ての商品のコンセプトページの表示が終了していないと判断した場合(ステップ46のNo)、CPU11は、残りの商品についてコンセプトページを表示させ上記ステップ44移行の処理を繰り返す。
【0058】
一方、全ての商品のコンセプトページの表示が終了したと判断した場合(ステップ46のYes)、CPU11は、モニター端末200に、購入希望商品の回答入力ページを表示させる(ステップ47)。
【0059】
図6は、当該回答入力ページの表示例を示した図である。同図に示すように、回答入力ページには、例えば、「これまで見ていただいた以下の商品の中で、どれを最も購入したいですか?」といった設問66と、上記コンセプトページに表示された複数の商品の中から1つの商品を選択させるための選択肢67と、対応する商品画像68とが表示される。
【0060】
選択肢67は、例えばラジオボタン(及び商品名)であるが、これに限られず、チェックボックスやプルダウンメニュー等の他の形式で表示されてもよい。
【0061】
また当該回答入力ページの例えば下部には、選択した選択肢67を示す情報を回答情報(評価情報)としてコンセプト評価調査サーバ100へ送信するための回答送信ボタン69が設けられる。
【0062】
図4に戻り、CPU11は、前記モニター端末200から、当該回答入力ページの回答送信ボタン69を介して、回答情報を受信したか否かを判断する(ステップ48)。
【0063】
モニター端末200から回答情報を受信したと判断した場合(ステップ48のYes)、CPU11は、当該回答情報を調査情報データベース34に記憶する(ステップ49)。
【0064】
続いてCPU11は、上記調査情報データベース34を参照し、上記蓄積された回答情報のサンプル数が依頼者の定めた所定数に達したか否かを判断する(ステップ50)。
【0065】
上記回答情報のサンプル数が上記所定数に達したと判断した場合(ステップ49のYes)、当該所定数の回答情報を、回答モニターの属性情報(上記モニター情報データベース32を参照)等の各種項目ごとに集計等して加工し、また整形等して、依頼者へ納品するための納品データを生成する(ステップ51)。
【0066】
一方、上記回答情報の蓄積サンプル数が上記所定数に達していないと判断した場合(ステップ50のNo)、CPU11は上記ステップ42に戻り、当該回答情報のサンプル数が所定数に達するまで、上記処理を繰り返し実行する。
【0067】
そしてCPU11は、上記生成した納品データを依頼者端末300へ送信し(ステップ52)、処理を終了する。
【0068】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、コンセプト評価調査サーバ100は、実際の市場占有率に応じて各商品のコンセプトページの提示時間を重みづけし、各商品を目にする時間や機会を市場と調査とで合わせることで、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができ、調査精度を向上させることができる。
【0069】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0070】
上述の実施形態では、コンセプト評価調査サーバ100は、各商品のコンセプトページの表示時間を、所定の標準表示時間に各商品の市場占有率を乗じた値に設定していたが、当該表示時間の設定手法はこれに限られず、例えば、各商品の市場占有率が示す値と同じ秒数に(例えば市場占有率が40%であれば40秒)表示時間が設定されてもよい。
【0071】
上述の実施形態では商品がコンセプト評価調査の対象とされたが、サービスがコンセプト評価調査の対象とされてもよい。この場合、複数のサービスのコンセプトページが上記市場占有率に応じてモニター端末200に閲覧された後、それらのサービスの中でモニターが利用したいサービスが回答入力ページを介してモニター端末200で選択され、それを示す回答情報がコンセプト評価調査サーバ100へ送信される。
【0072】
上述の実施形態では、コンセプト評価調査サーバ100は、回答入力ページにおいて、コンセプトページで表示された商品の中から最も購入したい商品をモニターに選択させ、その選択結果を回答情報(評価情報)としてモニター端末200から受信していたが、回答情報(評価情報)の形式はこれに限られず、例えば、コンセプトページで表示された各商品を例えば10段階、5段階といった段階別で評価した値を回答情報(評価情報)として受信してもよい。
【0073】
上述の実施形態で示したコンセプト評価調査サーバ100は、その機能が複数のサーバや情報処理装置に分散されたシステムとして構成されていても構わない。例えば、上述の処理のうち、上記市場占有率に応じた商品コンセプトページの表示処理や回答入力ページの表示処理(モニター端末200との通信処理)と、回答情報の集計処理及び納品データの生成・送信処理(依頼者端末300との通信処理)とは、別個のサーバで実行されてもよい。
【0074】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「コンセプト評価調査方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「コンセプト評価調査方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0075】
11……CPU
18……記憶部
19……通信部
31……依頼者情報データベース
32……モニター情報データベース
33……市場売上情報データベース
34……調査情報データベース
61……コンセプト情報
100…コンセプト評価調査サーバ
200…モニター端末
300…依頼者端末