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特開2024-160838中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160838
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B23P19/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076262
(22)【出願日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】523050634
【氏名又は名称】C&Mロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】周 桑完
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BC25
(57)【要約】
【課題】圧縮荷重を受けるための特別な部材を必要とせず、熟練の作業者でなくても簡単かつ正確に組み立てることができ、作業効率を向上することができる中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械を提供する。
【解決手段】上部構造体2と、下部構造体3と、リミッタ機構5とを有し、リミッタ機構5は、リミッターポスト51と、ボルト軸部521およびボルト頭部522を有するリミッターボルト52と、ボルト軸部521の直径よりも水平用ギャップGh分だけ内径が大きい軸部収容ホール53と、ボルト頭部522の最大直径よりも水平用ギャップGh分だけ内径が大きく、ボルト頭部522の底面との間に引張用ギャップGtを形成する頭部収容ホール54と、を備えている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立機械に取り付けられ、対象物を所定の嵌合穴に圧入する際の中心位置を補正する中心誤差補正装置であって、
前記組立機械に固定される上部構造体と、
前記上部構造体に対して複数の弾性体を介して揺動可能に設けられる下部構造体と、
前記下部構造体に荷重が付与された際の揺動範囲を制限するリミッタ機構と、
を有し、
前記リミッタ機構は、
前記上部構造体または前記下部構造体の一方に設けられ、前記上部構造体または前記下部構造体の他方との間に、圧縮荷重が付与された際の揺動範囲を規定する圧縮用ギャップを形成するリミッターポストと、
前記リミッターポスト内に貫通された状態で前記上部構造体または前記下部構造体に締結固定されるボルト軸部、およびその端部にボルト頭部を有するリミッターボルトと、
前記上部構造体または前記下部構造体のうち、前記リミッターボルトが締結固定されていない方に形成され、前記ボルト軸部の直径よりも水平荷重が付与された際の揺動範囲を規定する水平用ギャップ分だけ内径が大きい軸部収容ホールと、
前記軸部収容ホールと連なって形成され、前記ボルト頭部の最大直径よりも前記水平用ギャップ分だけ内径が大きく、かつ、前記ボルト頭部の底面との間に、引張荷重が付与された際の揺動範囲を規定する引張用ギャップを形成する頭部収容ホールと、
を備えている、中心誤差補正装置。
【請求項2】
前記リミッターポストおよび前記下部構造体には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されているとともに、前記上部構造体には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されており、
前記リミッターボルトは、前記ボルト軸部の雄ネジを前記下部構造体の雌ネジ穴に螺合させる際のリードによって前記引張用ギャップを調整するとともに、前記ボルト軸部の雄ネジに螺合させた前記リミッターポストを締め付けることによって固定される、請求項1に記載の中心誤差補正装置。
【請求項3】
前記上部構造体は、前記リミッターポストが一体的に設けられた一体型上部構造体として構成されており、
前記一体型上部構造体には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されているとともに、前記雌ネジ穴と連通する位置に前記ボルト軸部の雄ネジと螺合するナットを収容するナット収容ホールが形成されており、
前記下部構造体には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されており、
前記リミッターボルトは、前記ボルト軸部の雄ネジを前記一体型上部構造体の雌ネジ穴に螺合させる際のリードによって前記引張用ギャップを調整するとともに、前記ボルト軸部の雄ネジに前記ナットを締め付けることによって固定される、請求項1に記載の中心誤差補正装置。
【請求項4】
前記ボルト頭部の底面と前記頭部収容ホールの底面との間には、リング形状のリングスペーサーが設けられており、
前記引張用ギャップは、前記リングスペーサーの上面と前記ボルト頭部の底面との間、または前記リングスペーサーの上面と前記頭部収容ホールの底面との間に形成されるとともに、
前記水平用ギャップは、前記頭部収容ホールの内径と前記リングスペーサーの外径との差と、前記リングスペーサーの内径と前記ボルト軸部の外径との差を足し合わせた寸法に形成されている、請求項2または請求項3に記載の中心誤差補正装置。
【請求項5】
前記上部構造体は、前記リミッターポストが一体的に設けられた一体型上部構造体として構成されており、
前記一体型上部構造体または前記下部構造体の一方には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されているとともに、
前記一体型上部構造体または前記下部構造体の他方には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されており、
前記リミッターボルトには、前記軸部収容ホールよりも大径のスペーサー頭部と、前記ボルト軸部を貫通させるスペーサー軸部とからなる略T字形状のT字スペーサーが設けられており、
前記T字スペーサーは、前記リミッターボルトを前記雌ネジ穴に締め付けることによって前記一体型上部構造体または前記下部構造体に固定されると、前記スペーサー頭部の底面と前記頭部収容ホールの底面との隙間が前記引張用ギャップとなり、前記スペーサー軸部の外径と前記軸部収容ホールの内径との差、かつ前記頭部収容ホールの内径と前記スペーサー頭部の直径との差が前記水平用ギャップとなるように加工されている、請求項1に記載の中心誤差補正装置。
【請求項6】
前記リミッターボルトと前記T字スペーサーの代わりに、前記スペーサー軸部の下端部に前記ボルト軸部が一体的に設けられた一体型T字スペーサーを有している、請求項5に記載の中心誤差補正装置。
【請求項7】
前記上部構造体の下面に設けられた上部キー溝と、
前記下部構造体の上面において、前記上部キー溝と連通する位置に設けられた下部キー溝と、
前記上部キー溝および前記下部キー溝の双方に嵌合可能なロックキーと、
前記ロックキーを上下方向にスライド移動させるロック用アクチュエータと、
を有し、
前記ロック用アクチュエータは、前記組立機械が前記対象物を圧入位置へ搬送している間、前記ロックキーを下降させて前記上部キー溝および前記下部キー溝の略中間位置に移動させるとともに、前記組立機械が前記対象物を前記嵌合穴に圧入する際、前記ロックキーを上昇させて前記上部キー溝の内部に退避させる、請求項1から請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の中心誤差補正装置。
【請求項8】
前記ロックキーの下面における両端部には、少なくとも半円弧以上に形成され、その下面における周縁端部に面取り部を有する一対の誤差補正用突起が設けられている、請求項7に記載の中心誤差補正装置。
【請求項9】
前記上部構造体の下面に設けられた上部キー溝と、
前記下部構造体の上面において、前記上部キー溝の両端部近傍と連通する位置に設けられた一対のロック穴と、
前記上部キー溝に嵌合可能に形成されているとともに、その下面における両端部には前記ロック穴に嵌合可能な一対の誤差補正用突起を備えたロックキーと、
前記ロックキーを上下方向にスライド移動させるロック用アクチュエータと、
を有し、
前記誤差補正用突起のそれぞれは、少なくとも半円弧以上に形成され、その下面における周縁端部に面取り部を有しており、
前記ロック用アクチュエータは、前記組立機械が前記対象物を圧入位置へ搬送している間、前記ロックキーを下降させて前記誤差補正用突起を前記ロック穴に嵌合させるとともに、前記組立機械が前記対象物を前記嵌合穴に圧入する際、前記ロックキーを上昇させて前記誤差補正用突起を前記ロック穴から退避させる、請求項1から請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の中心誤差補正装置。
【請求項10】
前記上部構造体の周縁部を上下方向に貫通する一対の貫通穴によって挟まれた荷重検知部と、
前記貫通穴の内壁面に固定されるひずみゲージと、
を有しており、
前記上部構造体の上面には、前記組立機械に取り付けるための取付面との間に、前記荷重検知部の弾性変形可能な長さ以下の間隔を隔てて設けられた荷重検知用ギャップが設けられている、請求項1から請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の中心誤差補正装置。
【請求項11】
前記上部構造体と前記下部構造体との間の空間を取り囲むように筒状かつ蛇腹状に形成された異物侵入防止用サイドカバーを有している、請求項1から請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の中心誤差補正装置。
【請求項12】
請求項1から請求項3、請求項5または請求項6のいずれかに記載の中心誤差補正装置を備えた組立機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立機械に取り付けられ、対象物を所定の嵌合穴に圧入する際の中心位置を補正するための中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軸や軸受け等の対象物を所定の嵌合穴に圧入する場合、対象物と嵌合穴との中心位置に関する中心誤差(芯ずれ)を補正するための技術が用いられている。例えば、特開2003-117738号公報には、部品間の芯ずれや傾きを自動的に修正する弾性中心機器が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-117738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含め、従来の弾性中心機器において、弾性体の過度な変形を規制するリミッタを機能させるには、リミッタの当座面から圧縮荷重を受けるための特別な部材(特許文献1のブラケット10等)が必要となる。当該部材は、高い耐久性を維持させるために、熱処理を施して硬度を高めなければならず、コストと手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、従来の弾性中心機器においては、弾性体が座屈や塑性変形をしない範囲で下部構造体を揺動させるための隙間(特許文献1の隙間t等)が設けられている。しかしながら、これらの隙間を正確に設定するには、熟練の作業者が、弾性中心機器を分解し、リミッタ等を精密に加工し、再度組み立てて測定するという作業を何度も繰り返さなければならず、作業効率が悪いという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、圧縮荷重を受けるための特別な部材を必要とせず、熟練の作業者でなくても簡単かつ正確に組み立てることができ、作業効率を向上することができる中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る中心誤差補正装置は、圧縮荷重を受けるための特別な部材を必要とせず、熟練の作業者でなくても簡単かつ正確に組み立てることができ、作業効率を向上するという課題を解決するために、組立機械に取り付けられ、対象物を所定の嵌合穴に圧入する際の中心位置を補正する中心誤差補正装置であって、前記組立機械に固定される上部構造体と、前記上部構造体に対して複数の弾性体を介して揺動可能に設けられる下部構造体と、前記下部構造体に荷重が付与された際の揺動範囲を制限するリミッタ機構と、を有し、前記リミッタ機構は、前記上部構造体または前記下部構造体の一方に設けられ、前記上部構造体または前記下部構造体の他方との間に、圧縮荷重が付与された際の揺動範囲を規定する圧縮用ギャップを形成するリミッターポストと、前記リミッターポスト内に貫通された状態で前記上部構造体または前記下部構造体に締結固定されるボルト軸部、およびその端部にボルト頭部を有するリミッターボルトと、前記上部構造体または前記下部構造体のうち、前記リミッターボルトが締結固定されていない方に形成され、前記ボルト軸部の直径よりも水平荷重が付与された際の揺動範囲を規定する水平用ギャップ分だけ内径が大きい軸部収容ホールと、前記軸部収容ホールと連なって形成され、前記ボルト頭部の最大直径よりも前記水平用ギャップ分だけ内径が大きく、かつ、前記ボルト頭部の底面との間に、引張荷重が付与された際の揺動範囲を規定する引張用ギャップを形成する頭部収容ホールと、を備えている。
【0008】
また、本発明の一態様として、簡単かつ正確に引張用ギャップを調整して固定するという課題を解決するために、前記リミッターポストおよび前記下部構造体には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されているとともに、前記上部構造体には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されており、前記リミッターボルトは、前記ボルト軸部の雄ネジを前記下部構造体の雌ネジ穴に螺合させる際のリードによって前記引張用ギャップを調整するとともに、前記ボルト軸部の雄ネジに螺合させた前記リミッターポストを締め付けることによって固定されていてもよい。
【0009】
さらに、本発明の一態様として、部品点数を減らして組立作業や部品管理にかかる手間を低減するとともに、下部構造体側の重量を減らして弾性体にかかる負担を低減し、耐久性を向上するという課題を解決するために、前記上部構造体は、前記リミッターポストが一体的に設けられた一体型上部構造体として構成されており、前記一体型上部構造体には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されているとともに、前記雌ネジ穴と連通する位置に前記ボルト軸部の雄ネジと螺合するナットを収容するナット収容ホールが形成されており、前記下部構造体には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されており、前記リミッターボルトは、前記ボルト軸部の雄ネジを前記一体型上部構造体の雌ネジ穴に螺合させる際のリードによって前記引張用ギャップを調整するとともに、前記ボルト軸部の雄ネジに前記ナットを締め付けることによって固定されていてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様として、頭部収容ホールを省スペース化し、空きスペースが少なくても製造できるとともに、安価なボルトをリミッターボルトとして使用し、製造コストを抑制するという課題を解決するために、前記ボルト頭部の底面と前記頭部収容ホールの底面との間には、リング形状のリングスペーサーが設けられており、前記引張用ギャップは、前記リングスペーサーの上面と前記ボルト頭部の底面との間、または前記リングスペーサーの上面と前記頭部収容ホールの底面との間に形成されるとともに、前記水平用ギャップは、前記頭部収容ホールの内径と前記リングスペーサーの外径との差と、前記リングスペーサーの内径と前記ボルト軸部の外径との差を足し合わせた寸法に形成されていてもよい。
【0011】
さらに、本発明の一態様として、組立作業をより一層誰でも簡単かつ正確に行うという課題を解決するために、前記上部構造体は、前記リミッターポストが一体的に設けられた一体型上部構造体として構成されており、前記一体型上部構造体または前記下部構造体の一方には、前記軸部収容ホールおよび前記頭部収容ホールが形成されているとともに、前記一体型上部構造体または前記下部構造体の他方には、前記ボルト軸部の雄ネジと螺合する雌ネジ穴が形成されており、前記リミッターボルトには、前記軸部収容ホールよりも大径のスペーサー頭部と、前記ボルト軸部を貫通させるスペーサー軸部とからなる略T字形状のT字スペーサーが設けられており、前記T字スペーサーは、前記リミッターボルトを前記雌ネジ穴に締め付けることによって前記一体型上部構造体または前記下部構造体に固定されると、前記スペーサー頭部の底面と前記頭部収容ホールの底面との隙間が前記引張用ギャップとなり、前記スペーサー軸部の外径と前記軸部収容ホールの内径との差、かつ前記スペーサー頭部の外形と前記頭部収容ホールの内径との差が前記水平用ギャップとなるように加工されていてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様として、部品点数をさらに減らして、組立作業や部品管理にかかる手間を低減するという課題を解決するために、前記リミッターボルトと前記T字スペーサーの代わりに、前記スペーサー軸部の下端部に前記ボルト軸部が一体的に設けられた一体型T字スペーサーを有していてもよい。
【0013】
さらに、本発明の一態様として、組立作業のサイクルタイムを短縮するとともに組立不良の発生を防止するという課題を解決するために、前記上部構造体の下面に設けられた上部キー溝と、前記下部構造体の上面において、前記上部キー溝と連通する位置に設けられた下部キー溝と、前記上部キー溝および前記下部キー溝の双方に嵌合可能なロックキーと、前記ロックキーを上下方向にスライド移動させるロック用アクチュエータと、を有し、前記ロック用アクチュエータは、前記組立機械が前記対象物を圧入位置へ搬送している間、前記ロックキーを下降させて前記上部キー溝および前記下部キー溝の略中間位置に移動させるとともに、前記組立機械が前記対象物を前記嵌合穴に圧入する際、前記ロックキーを上昇させて前記上部キー溝の内部に退避させてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様として、位置誤差や角度誤差の補正量を大きくすることで、ロックキーや下部構造体の摩耗や損傷を防止し、確実かつ円滑にロックキーを下部キー溝に挿入するという課題を解決するために、前記ロックキーの下面における両端部には、少なくとも半円弧以上に形成され、その下面における周縁端部に面取り部を有する一対の誤差補正用突起が設けられてい
【0015】
さらに、本発明の一態様として、組立作業のサイクルタイムを短縮するとともに組立不良の発生を防止し、製作のし易さおよび耐久性も向上するという課題を解決するために、前記上部構造体の下面に設けられた上部キー溝と、前記下部構造体の上面において、前記上部キー溝の両端部近傍と連通する位置に設けられた一対のロック穴と、前記上部キー溝に嵌合可能に形成されているとともに、その下面における両端部には前記ロック穴に嵌合可能な一対の誤差補正用突起を備えたロックキーと、前記ロックキーを上下方向にスライド移動させるロック用アクチュエータと、を有し、前記誤差補正用突起のそれぞれは、少なくとも半円弧以上に形成され、その下面における周縁端部に面取り部を有しており、前記ロック用アクチュエータは、前記組立機械が前記対象物を圧入位置へ搬送している間、前記ロックキーを下降させて前記誤差補正用突起を前記ロック穴に嵌合させるとともに、前記組立機械が前記対象物を前記嵌合穴に圧入する際、前記ロックキーを上昇させて前記誤差補正用突起を前記ロック穴から退避させてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様として、過大な圧入反力を自動的に検知するという課題を解決するために、前記上部構造体の周縁部を上下方向に貫通する一対の貫通穴によって挟まれた荷重検知部と、前記貫通穴の内壁面に固定されるひずみゲージと、を有しており、前記上部構造体の上面には、前記組立機械に取り付けるための取付面との間に、前記荷重検知部の弾性変形可能な長さ以下の間隔を隔てて設けられた荷重検知用ギャップが設けられていてもよい。
【0017】
さらに、本発明の一態様として、中心誤差補正装置の内部に粉塵等の異物が侵入するのを防止するという課題を解決するために、前記上部構造体と前記下部構造体との間の空間を取り囲むように筒状かつ蛇腹状に形成された異物侵入防止用サイドカバーを有していてもよい。
【0018】
また、本発明に係る組立機械は、上述したいずれかの態様の中心誤差補正装置を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圧縮荷重を受けるための特別な部材を必要とせず、熟練の作業者でなくても簡単かつ正確に組み立てることができ、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る中心誤差補正装置を備えた組立機械を示す図である。
図2】本発明に係る中心誤差補正装置の第1実施形態を示す(a)正面図および(b)上方斜視図である。
図3】(a)図2(b)におけるA1-A1線断面図、および(b)図3(a)におけるX1部分拡大図である。
図4】(a)リングスペーサーを使用しない場合の断面図、および(b)図4(a)におけるX2部分拡大図である。
図5】(a)第1実施形態の変形例の断面図、および(b)図5(a)におけるX3部分拡大図である。
図6】本発明に係る中心誤差補正装置の第2実施形態を示す(a)正面図および(b)断面図である。
図7図6(b)におけるX4部分拡大図である。
図8】(a)第2実施形態の変形例の断面図、および(b)図8(a)におけるX5部分拡大図である。
図9】本発明に係る中心誤差補正装置の第3実施形態を示す(a)上方斜視図および(b)図9(a)におけるA2-A2線断面図
図10図9(b)におけるX6部分拡大図である。
図11】第3実施形態の変形例1を示す(a)断面図および(b)図11(a)におけるX7部分拡大図である。
図12】第3実施形態の変形例2を示すX7部分拡大図である。
図13】第3実施形態の変形例3を示すX7部分拡大図である。
図14】第3実施形態の変形例4を示すX7部分拡大図である。
図15】オプション1のロック機構を示す(a)分解断面図、(b)ロックキーの斜視図および(c)ロックキーの他の実施例を示す図である。
図16】ロック機構の(a)アンロック状態を示す断面図および(b)ロック状態を示す断面図である。
図17】ロック機構の他の実施例を示す(a)分解断面図、(b)ロックキーの斜視図および(c)ロック状態を示す断面図である。
図18】オプション2において、(a)ロードセル機構を搭載した中心誤差補正装置の一部断面図、(b)上部構造体の斜視図および(c)図18(a)におけるX8部分拡大図である。
図19】オプション3の異物侵入防止用サイドカバーを取り付けた中心誤差補正装置の(a)正面図および(b)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る中心誤差補正装置およびこれを備えた組立機械の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0022】
本発明に係る中心誤差補正装置1は、図1に示すように、組立機械10に取り付けられ、対象物11を所定の嵌合穴に圧入する際の中心位置を補正するための装置である。なお、組立機械10としては、サーボプレスを用いた圧入専用機や、産業用ロボットハンド等のように、圧入作業が可能な全ての組立機械10を含むものである。また、以下の実施形態では、対象物11としてベアリングを用いているが、これに限定されるものではなく、所定の嵌合穴12に圧入されうる対象物11であればよい。
【0023】
さらに、以下の各実施形態では、対象物11を把持するための構成として、径方向に開閉駆動可能な複数の把持指13を有しているが、この構成に限定されるものではなく、グリッパー等の汎用的な把持ツールや、対象物11ごとに用意される専用の把持ツール(特許文献1のベアリングホルダ等)を有していてもよい。なお、図2(b)以降の図面では、把持指13を取り外した状態で図示している。
【0024】
[第1実施形態]
図2および図3は、本発明に係る中心誤差補正装置1Aの第1実施形態を示す図である。本第1実施形態において、中心誤差補正装置1Aは、主として、組立機械10に固定される上部構造体2と、上部構造体2に対して複数の弾性体4を介して揺動可能に設けられる下部構造体3と、下部構造体3に荷重が付与された際の揺動範囲を制限するリミッタ機構5とを有している。以下、各構成について詳細に説明する。
【0025】
上部構造体2は、組立機械10に固定されるものである。本第1実施形態において、上部構造体2は、図2(b)に示すように、略円盤形状に形成されており、その中心から等距離の位置に等角度(120°)の間隔を隔てて、3つの上方連結孔21が形成されている。各上方連結孔21はテーパ状に形成されており、弾性体4の上端部が取り付けられるようになっている。また、上部構造体2には、その中心から等距離の位置に等角度(60°)の間隔を隔てて、後述する軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が6つ形成されている。さらに、上部構造体2には、組立機械10に取り付けるための取付穴22が設けられている。
【0026】
下部構造体3は、上部構造体2に対して揺動可能に設けられるものである。本第1実施形態において、下部構造体3は、図3(a)に示すように、略シルクハット形状に形成されており、そのフランジ部分には、上方連結孔21よりもやや中心側の位置に等角度(120°)の間隔を隔てて、3つの下方連結孔31が形成されている。各下方連結孔31はテーパ状に形成されており、弾性体4の下端部が取り付けられるようになっている。また、下部構造体3には、上部構造体2の軸部収容ホール53および頭部収容ホール54と対応する位置に6つの雌ネジ穴Fが形成されている。さらに、下部構造体3の内部および底部には、把持指13を開閉駆動させるための把持指開閉機構32が設けられている。
【0027】
なお、本第1実施形態において、把持指開閉機構32は、把持指13のそれぞれを着脱可能に固定する複数の把持指固定用スライド部材321と、対象物11の大きさに合わせて把持指固定用スライド部材を放射方向にスライド移動させるアクチュエータ322とから構成されている。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、把持指13を開閉しうる機構であれば他の構成でもよい。
【0028】
弾性体4は、円盤状のゴム板と金属製のワッシャとを交互に積層してなるESP(Elastomer Shear Pad)等によって構成されている。このような弾性体4は、軸線方向の圧縮荷重や引張荷重に対する剛性は大きく、軸線に垂直な剪断方向や捻れ方向の剛性は小さいという性質を有している。本第1実施形態では、弾性体4が3つ設けられており、図3(a)に示すように、その上下端部に固定された皿ボルト41が上方連結孔21と下方連結孔31のそれぞれに引っ掛けられる。これにより、下部構造体3は弾性体4を介して上部構造体2に吊り下げられた状態となるため、揺動可能に連結される。
【0029】
なお、弾性体4は上記構成に限定されるものではなく、上記のような性質を有する弾性体4であればよい。また、弾性体4の数も3つに限定されるものではなく、上部構造体2および下部構造体3の中心から等距離の位置に等角度の間隔を隔てて設けられていれば、4つ以上であってもよい。
【0030】
リミッタ機構5は、下部構造体3に荷重が付与された際の揺動範囲を制限するものである。下部構造体3にかかる荷重としては、圧縮方向、引張方向、水平方向、捻れ方向および傾き方向の荷重が挙げられる。本第1実施形態において、リミッタ機構5は、図3(a)に示すように、リミッターポスト51と、リミッターボルト52と、軸部収容ホール53と、頭部収容ホール54と、リングスペーサー55とを備えている。
【0031】
リミッターポスト51は、下部構造体3に作用する圧縮荷重を受けるものである。本第1実施形態において、リミッターポスト51は、耐荷重の高い剛性素材によって略円柱形状に形成されており、軸線に沿って雌ネジ穴Fが貫通されている。このリミッターポスト51の雌ネジ穴Fは、下部構造体3に設けられた雌ネジ穴Fと同じ内径に形成されている。
【0032】
リミッターボルト52は、下部構造体3に作用する引張荷重や水平荷重を受けるものである。本第1実施形態において、リミッターボルト52は、リミッターポスト51の雌ネジ穴Fおよび下部構造体3の雌ネジ穴Fのそれぞれと螺合するボルト軸部521と、このボルト軸部521の上端部に設けられるボルト頭部522とを有している。そして、図3(a)に示すように、ボルト軸部521にリミッターポスト51を螺合させた状態で、下部構造体3の雌ネジ穴Fに締結固定される。
【0033】
軸部収容ホール53は、リミッターボルト52のボルト軸部521を収容するための円形孔である。本第1実施形態において、軸部収容ホール53の内径H2は、図3(b)に示すように、ボルト軸部521の直径B2よりも大きく形成されて隙間が設けられている。そして、当該隙間が水平荷重が付与された際の揺動範囲を規定する水平用ギャップGhとして機能する。すなわち、軸部収容ホール53の内径H2は、ボルト軸部521の直径B2よりも水平用ギャップGh分だけ大きい寸法に形成されている。
【0034】
頭部収容ホール54は、軸部収容ホール53と連なって形成され、リミッターボルト52のボルト頭部522を収容するための円形孔である。本第1実施形態において、頭部収容ホール54の内径H1は、図3(b)に示すように、ボルト頭部522の最大直径B1よりも大きく形成されて隙間が設けられている。そして、当該隙間が水平荷重が付与された際の揺動範囲を規定する水平用ギャップGhとして機能する。すなわち、頭部収容ホール54の内径H1は、ボルト頭部522の最大直径B1よりも水平用ギャップGh分だけ大きい寸法に形成されている。
すなわち、以下の関係式(1)が成立する。
Gh=H1-B1=H2-B2 …式(1)
なお、ボルト頭部522の最大直径B1とは、六角ボルトの場合、対角距離をいうものとする。
【0035】
リングスペーサー55は、ボルト頭部522の底面と頭部収容ホール54の底面との間に設けられるものである。本第1実施形態において、リングスペーサー55はリング形状に形成されており、その外径S1は、図3(b)に示すように、軸部収容ホール53の内径H2より大きく、頭部収容ホール54の内径H1より小さい。また、リングスペーサー55の内径S2は、ボルト軸部521の直径B2よりも大きく、軸部収容ホール53の内径H2より小さい。すなわち、B2<S2<H2<S1<H1の関係となっている。
【0036】
そして、水平用ギャップGhは、図3(b)に示すように、頭部収容ホール54の内径H1とリングスペーサー55の外径S1との差と、リングスペーサー55の内径S2とボルト軸部521の外径B2との差を足し合わせた寸法に形成されている。
すなわち、以下の関係式(2)が成立する。
Gh=(H1-S1)+(S2-B2) …式(2)
【0037】
以上の構成において、本第1実施形態では、図3(b)に示すように、下部構造体3に設けられたリミッターポスト51の上面と上部構造体2の底面との間に隙間が設けられている。そして、当該隙間が圧縮荷重が付与された際の揺動範囲を規定する圧縮用ギャップGpとして機能する。また、圧縮用ギャップGpが所望の寸法となるように、リミッターポスト51が予め決められた長さに加工されている。
【0038】
また、本第1実施形態では、図3(b)に示すように、リングスペーサー55の上面とボルト頭部522の底面との間に隙間が設けられている。そして、当該隙間が引張荷重が付与された際の揺動範囲を規定する引張用ギャップGtとして機能する。また、引張用ギャップGtは、ボルト軸部521の雄ネジを下部構造体3の雌ネジ穴Fに螺合する際のリード(1回転したときに進む距離)によって所望の寸法に調整される。
【0039】
なお、本第1実施形態では、リングスペーサー55を使用しているが、この構成に限定されるものではなく、図4に示すように、リングスペーサー55が無くてもリミッタ機構5は機能する。ただし、リングスペーサー55を使用する場合、ボルト頭部522の最大直径B1は、軸部収容ホール53の内径H2よりも小さいと中心部に引張荷重が集中してしまうし、軸部収容ホール53の内径H2よりも大きいと、その分頭部収容ホール54の内径H1を大きくする必要がある。したがって、B1≒H2であることが望ましいため、上記式(1)より下記式(3)が得られる。
H1=B1+Gh=H2+Gh …式(3)
すなわち、リングスペーサー55を使用する場合、頭部収容ホール54の内径H1は、軸部収容ホール53の内径H2に水平用ギャップGhを足し合わせた寸法であれば足りることとなる。
【0040】
一方、リングスペーサー55を使用しない場合、上記と同様にB1≒H2とすると、ボルト頭部522が引張荷重を受けるのに十分な面積を確保できず、リミッタ機構5が機能しなくなる。よって、図4に示すように、リングスペーサー55を使用せず、ボルト頭部522のみで引張荷重を受けるには、ボルト頭部522の最大直径B1’が下記式(4)を満たすように大きくすることが好ましい。
B1’=H2+Gh …式(4)
ただし、市販のボルトでは、上記式(4)を満たすものは存在しないため、リングスペーサー55を使用しない場合、リミッターボルト52は特注品を用意する必要がある。
【0041】
同様に、頭部収容ホール54の内径H1’も、ボルト頭部522の最大直径B1’よりも水平用ギャップGh分だけ大きくする必要がある。このため、上記式(4)のB1’を代入すると、下記式(5)が得られる。
H1’=B1’+Gh=(H2+Gh)+Gh=H2+2Gh …式(5)
そして、この上記式(5)のH2に上記式(3)のH2を代入すると、下記式(6)が得られる。
H1’=(H1-Gh)+2Gh=H1+Gh …式(6)
【0042】
すなわち、リングスペーサー55を使用する場合の頭部収容ホール54の内径H1は、リングスペーサー55を使用しない場合における頭部収容ホール54の内径H1’と比較して、水平用ギャップGh分だけ小さくすることができる。このため、本第1実施形態のように、上部構造体2に多数の穴(上方連結孔21、軸部収容ホール53および頭部収容ホール54および取付穴22)を設ける必要がある場合や、スペースに余裕がない場合には、省スペースを実現できるリングスペーサー55を用いることが好ましい。
【0043】
つぎに、本第1実施形態の中心誤差補正装置1Aおよびこれを備えた組立機械10による作用について説明する。
【0044】
まず、本第1実施形態の中心誤差補正装置1Aを組み立てる場合、上部構造体2の上方連結孔21に弾性体4の上端部にある皿ボルト41を引っ掛けるとともに、下部構造体3の下方連結孔31に弾性体4の下端部にある皿ボルト41を引っ掛ける。これにより、下部構造体3は複数の弾性体4を介して上部構造体2に吊り下げられた状態となり、揺動可能な状態で連結される。
【0045】
つぎに、リミッターポスト51の雌ネジ穴Fと下部構造体3の雌ネジ穴Fが連通するように、リミッターポスト51を上部構造体2と下部構造体3との間に配置する。そして、リングスペーサー55を挿通させたリミッターボルト52のボルト軸部521を頭部収容ホール54および軸部収容ホール53から挿入し、各雌ネジ穴Fに螺合させる。これにより、各リミッターポスト51が、リミッターボルト52によって下部構造体3に固定される。
【0046】
そして、ボルト頭部522の底面がリングスペーサー55の上面に当接するまでリミッターボルト52を締め付けた後、事前に算出した回転数(回転角度)だけ緩める。これにより、緩めた回転数(回転角度)に応じたリード分だけ隙間が形成されるため、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtに調整される。なお、緩めるべき回転数(回転角度)は、引張用ギャップGtをボルト軸部521のリードで除算することによって算出される。
【0047】
引張用ギャップGtを調整した後、リミッターボルト52を押さえ付けながら、ボルト軸部521の雄ネジに螺合させたリミッターポスト51を締め付ける。これにより、リミッターボルト52が固定されるため、調整後の引張用ギャップGtが変動しない状態となる。また、リミッターポスト51を下部構造体3に締め付けるだけで、その上面と上部構造体2の底面との間には、簡単かつ正確に所望の圧縮用ギャップGpが形成される。
【0048】
さらに、本第1実施形態では、リングスペーサー55を使用することにより、頭部収容ホール54の内径H1とリングスペーサー55の外径S1との差と、リングスペーサー55の内径S2とボルト軸部521の外径B2との差を足し合わせた隙間によって、水平用ギャップGhが形成される。このため、リミッターボルト52として、ボルト頭部522が小さい市販の安価なボルトを使用でき、製造原価が抑制される。また、リングスペーサー55を使用しない場合と比較して頭部収容ホール54を小さくできるため、狭いスペースしかない場合でも、必要な水平用ギャップGhが確保される。
【0049】
つぎに、本第1実施形態の中心誤差補正装置1Aを用いて対象物11を所定の嵌合穴12に圧入する場合、把持指開閉機構32が対象物11の大きさに合わせて把持指13のそれぞれを放射方向にスライド移動させる。これにより、多種多様な対象物11を把持することが可能となる。
【0050】
把持指13によって把持された対象物11は、組立機械10によって所定の嵌合穴12の上方位置に搬送された後、下方に移動されることで圧入される。このとき、図1に示すように、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸との間に中心誤差(芯ズレ)があると、対象物11を下方に移動させたとき、その下面の端縁部が嵌合穴12の縁に設けられた面取り部に接触し、当該接触部分に反力(水平荷重)が作用する。
【0051】
これにより、下部構造体3が上部構造体2に対して対象物11を嵌合穴12の面取り部に沿って水平移動させ、対象物11の中心軸を嵌合穴12の中心軸に自動的に一致させる。このとき、水平用ギャップGhの範囲内で下部構造体3の水平移動が許容される一方、ボルト軸部521が軸部収容ホール53の内周面と当接することで水平用ギャップの範囲を超える水平移動を規制する。このため、弾性体4に過度な水平荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0052】
また、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸とが一致されることで、対象物11が嵌合穴12にスムーズに圧入される。このため、対象物11や嵌合穴12側の部品が損傷したり、組立機械10に悪影響が及んでしまうことが抑制される。また、下部構造体3に圧縮荷重が付与されると、圧縮用ギャップGpの範囲内で下部構造体3の圧縮方向の移動が許容される一方、リミッターポスト51の上面が上部構造体2の底面に当接することで、圧縮用ギャップGpを超える圧縮を規制する。これにより、圧縮荷重を受けるための特別な部材を設けなくても、圧縮荷重が上部構造体2を介して堅強な組立機械10へと伝達されるため、弾性体4に過度な圧縮荷重がかかることがなく、破損や塑性変形が防止される。
【0053】
さらに、下部構造体3に引張荷重が付与された際には、引張用ギャップGtの範囲内で下部構造体3の引張方向の移動が許容される一方、ボルト頭部522の底面がリングスペーサー55の上面と当接することで、引張用ギャップGtの範囲を超える引っ張りを規制する。このため、弾性体4に過度な引張荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0054】
以上のような本第1実施形態の中心誤差補正装置1Aおよびこれを備えた組立機械10によれば、以下のような効果を奏する。
1.圧縮荷重を受けるための特別な部材を必要とせず、熟練の作業者でなくても簡単かつ正確に組み立てることができ、作業効率を向上することができる。
2.中心誤差を補正するのに必要な揺動範囲を確保しつつ、弾性体4の破損や塑性変形を防止することができる。
3.リングスペーサー55によって頭部収容ホール54の省スペース化を実現し、空きスペースが少なくても製造できるとともに、市販の安価なボルトをリミッターボルト52として使用できるため、製造コストを抑制することができる。
【0055】
なお、上述した本第1実施形態では、リミッターポスト51およびリミッターボルト52を下部構造体3側に設けているが、この構成に限定されるものではなく、上部構造体2側に設けてもよい。具体的には、図5に示すように、上部構造体2の上面側には、各雌ネジ穴Fと連通する位置にボルト軸部521の雄ネジと螺合するナット56を収容するナット収容ホール23が形成されている。一方、下部構造体3には、図5に示すように、リミッターポスト51と対応する位置に、軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が形成されている。
【0056】
以上の構成を有する本第1実施形態の変形例に係る中心誤差補正装置1Aを組み立てる場合、まず、複数の弾性体4を用いて上部構造体2に対して下部構造体3を吊り下げ、揺動可能な状態で連結する。つぎに、リミッターポスト51の雌ネジ穴Fと上部構造体2の雌ネジ穴Fが連通するように、リミッターポスト51を上部構造体2と下部構造体3との間に配置する。そして、リミッターボルト52のボルト軸部521を頭部収容ホール54および軸部収容ホール53から挿入し、各雌ネジ穴Fに螺合させる。これにより、各リミッターポスト51が、リミッターボルト52によって上部構造体2に固定される。
【0057】
つぎに、図5(b)に示すように、ボルト頭部522の底面が頭部収容ホール54の底面に当接するまでリミッターボルト52を締め付けた後、事前に算出した回転数(回転角度)だけ緩める。これにより、ボルト頭部522の底面と頭部収容ホール54の底面との間には、緩めた回転数(回転角度)に応じたリード分だけ隙間が形成されるため、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtに調整される。
【0058】
引張用ギャップGtを調整した後、リミッターボルト52を押さえ付けながら、ボルト軸部521の雄ネジに螺合させたリミッターポスト51を締め付ける。これにより、リミッターボルト52が固定されるため、調整後の引張用ギャップGtが変動しない状態となる。また、リミッターポスト51を上部構造体2に締め付けるだけで、その下面と下部構造体2の上面との間には、簡単かつ正確に所望の圧縮用ギャップGpが形成される。
【0059】
さらに、図5(a)に示すように、ナット収容ホール23に突出されたボルト軸部521の雄ネジにワッシャを介してナット56を締め付ける。これにより、リミッターボルト52がリミッターポスト51とナット56によって二重に締結されるため、緩み止め効果が向上し、調整後の引張用ギャップGtが変動しない状態となる。
【0060】
なお、本変形例では、リングスペーサー55を使用していないため、頭部収容ホール54の内径H1’とボルト頭部522の最大直径B1’との差、および軸部収容ホールの内径H2とボルト軸部の外径B2との差によって、水平用ギャップGhが形成される。
【0061】
[第2実施形態]
つぎに、本発明に係る第2実施形態の中心誤差補正装置1Bについて説明する。なお、本第2実施形態の構成のうち、上述した第1実施形態と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
【0062】
本第2実施形態の特徴は、上部構造体2とリミッターポスト51とが一体的に設けられた一体型上部構造体2Bを使用する点にある。具体的には、図6に示すように、一体型上部構造体2Bは、略円盤形状に形成されており、その底面には中心から等距離の位置に等角度(60°)の間隔を隔てて、6つのリミッターポスト51が一体的に設けられている。各リミッターポスト51は、断面略環状扇形に形成されており、圧縮用ギャップGpが所望の寸法となるように、予め決められた寸法に加工されている。
【0063】
また、本第2実施形態において、一体型上部構造体2Bの各リミッターポスト51には、図6(b)および図7に示すように、ボルト軸部521の雄ネジと螺合する雌ネジ穴Fが形成されている。そして、一体型上部構造体2Bの上面側には、各雌ネジ穴Fと連通する位置にボルト軸部521の雄ネジと螺合するナット56を収容するナット収容ホール23が形成されている。一方、下部構造体3には、一体型上部構造体2Bのリミッターポスト51と対応する位置に、軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が形成されている。
【0064】
以上の構成において、本第2実施形態の中心誤差補正装置1Bを組み立てる場合、まず、第1実施形態と同様、複数の弾性体4を用いて一体型上部構造体2Bに対して下部構造体3を吊り下げ、揺動可能な状態で連結する。これにより、図7に示すように、リミッターポスト51の下面と下部構造体3の上面との間には、簡単かつ正確に所望の圧縮用ギャップGpが形成される。
【0065】
つぎに、図6(b)および図7に示すように、リングスペーサー55を挿通させたリミッターボルト52のボルト軸部521を頭部収容ホール54および軸部収容ホール53から挿入し、一体型上部構造体2Bの雌ネジ穴Fに螺合させる。そして、リングスペーサー55の上面が頭部収容ホール54の底面に当接するまでリミッターボルト52を締め付けた後、事前に算出した回転数(回転角度)だけ緩める。これにより、リングスペーサー55の上面と頭部収容ホール54の底面との間には、緩めた回転数(回転角度)に応じたリード分だけ隙間が形成されるため、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtに調整される。
【0066】
引張用ギャップGtを調整した後、リミッターボルト52を押さえ付けながら、図6(b)に示すように、ナット収容ホール23に突出されたボルト軸部521の雄ネジにワッシャを介してナット56を締め付ける。これにより、リミッターボルト52が固定されるため、調整後の引張用ギャップGtが変動しない状態となる。
【0067】
また、本第2実施形態においても、第1実施形態と同様、リングスペーサー55を使用することにより、頭部収容ホール54の内径H1とリングスペーサー55の外径S1との差と、リングスペーサー55の内径S2とボルト軸部521の外径B2との差を足し合わせた隙間によって、水平用ギャップGhが形成される。しかしながら、必ずしもリングスペーサー55は使用する必要はない。
【0068】
つぎに、本第2実施形態の中心誤差補正装置1Bを用いて対象物11を所定の嵌合穴12に圧入する場合、把持指13によって把持された対象物11は、組立機械10によって所定の嵌合穴12の上方位置に搬送された後、下方に移動されることで圧入される。このとき、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸との間に中心誤差(芯ズレ)があると、対象物11を下方に移動させたとき、その下面の端縁部が嵌合穴12の縁に設けられた面取り部に接触し、当該接触部分に反力(水平荷重)が作用する。
【0069】
これにより、下部構造体3が一体型上部構造体2Bに対して対象物11を嵌合穴12の面取り部に沿って水平移動させ、対象物11の中心軸を嵌合穴12の中心軸に自動的に一致させる。このとき、水平用ギャップGhの範囲内で下部構造体3の水平移動が許容される一方、ボルト軸部521が軸部収容ホール53の内周面と当接することで水平用ギャップGhの範囲を超える水平移動を規制する。このため、弾性体4に過度な水平荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0070】
また、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸とが一致されることで、対象物11が嵌合穴12にスムーズに圧入される。このため、対象物11や嵌合穴12側の部品が損傷したり、組立機械10に悪影響が及んでしまうことが抑制される。また、下部構造体3に圧縮荷重が付与されると、圧縮用ギャップGpの範囲内で下部構造体3の圧縮方向の移動が許容される一方、下部構造体3の上面がリミッターポスト51の底面に当接することで、圧縮用ギャップGpを超える圧縮を規制する。これにより、圧縮荷重を受けるための特別な部材を設けなくても、圧縮荷重が一体型上部構造体2Bを介して堅強な組立機械10へと伝達され、弾性体4に過度な圧縮荷重がかかることがないため、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0071】
さらに、下部構造体3に引張荷重が付与された際には、引張用ギャップGtの範囲内で下部構造体3の引張方向の移動が許容される一方、頭部収容ホール54の底面がリングスペーサー55の上面と当接することで、引張用ギャップGtの範囲を超える引張方向の移動を規制する。このため、弾性体4に過度な引張荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0072】
以上のような、本第2実施形態の中心誤差補正装置1Bおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第1実施形態と比較して、一体型上部構造体2Bを使用することで部品点数が減少するため、組立作業や部品管理にかかる手間を低減することができる。さらに、中心誤差を補正する際に揺動する下部構造体3側の重量が減少するため、弾性体4にかかる負担が低減し、耐久性を向上することができる。
【0073】
なお、上述した本第2実施形態では、上部構造体2側にナット収容ホール23を設け、下部構造体3側に軸部収容ホール53および頭部収容ホール54を設けているが、この構成に限定されるものではなく、上下を逆にして設けてもよい。具体的には、図8(a)に示すように、一体型上部構造体2Bには、軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が形成されている。一方、下部構造体3の下面側には、リミッターポスト51と対応する位置にナット収容ホール23と雌ネジ穴Fが形成されている。
【0074】
以上の構成を有する本第2実施形態の変形例に係る中心誤差補正装置1Bを組み立てる場合、まず、複数の弾性体4を用いて一体型上部構造体2Bに対して下部構造体3を吊り下げ、揺動可能な状態で連結する。これにより、図8(b)に示すように、リミッターポスト51の下面と下部構造体3の上面との間に、簡単かつ正確に所望の圧縮用ギャップGpが形成される。
【0075】
つぎに、リングスペーサー55を挿通させたリミッターボルト52のボルト軸部521を頭部収容ホール54および軸部収容ホール53から挿入し、下部構造体3の雌ネジ穴Fに螺合させる。そして、ボルト頭部522の底面がリングスペーサー55の上面に当接するまでリミッターボルト52を締め付けた後、事前に算出した回転数(回転角度)だけ緩める。これにより、ボルト頭部522の底面とリングスペーサー55の上面との間には、緩めた回転数(回転角度)に応じたリード分だけ隙間が形成されるため、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtに調整される。
【0076】
引張用ギャップGtを調整した後、リミッターボルト52を押さえ付けながら、図8(a)に示すように、ナット収容ホール23に突出されたボルト軸部521の雄ネジにワッシャを介してナット56を締め付ける。これにより、リミッターボルト52が固定されるため、調整後の引張用ギャップGtが変動しない状態となる。
【0077】
また、本変形例においても、リングスペーサー55を使用することにより、頭部収容ホール54の内径H1とリングスペーサー55の外径S1との差と、リングスペーサー55の内径S2とボルト軸部521の外径B2との差を足し合わせた隙間によって、水平用ギャップGhが形成される。しかしながら、必ずしもリングスペーサー55は使用する必要はない。
【0078】
[第3実施形態]
つぎに、本発明に係る第3実施形態の中心誤差補正装置1Cについて説明する。なお、本第3実施形態の構成のうち、上述した各実施形態と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
【0079】
本第3実施形態の特徴は、上述した一体型上部構造体2Bを使用する他、下部構造体3にT字スペーサー57を設ける点にある。具体的には、図9および図10に示すように、一体型上部構造体2Bには、リミッターポスト51を貫通するように軸部収容ホール53が形成されており、その上面側には頭部収容ホール54が連なって形成されている。一方、下部構造体3には、リミッターポスト51と対応する位置に、リミッターボルト52のボルト軸部521の雄ネジと螺合する雌ネジ穴Fが形成されている。
【0080】
また、本第3実施形態において、リミッターボルト52は、六角穴付きボルトによって構成されているとともに、図9に示すように、略T字形状のT字スペーサー57が設けられている。このT字スペーサー57は、ボルト頭部522の最大直径B1よりも大径で頭部収容ホール54の内径H1よりも小径の直径T1を有するスペーサー頭部571と、ボルト軸部521の外形B2よりも大径で軸部収容ホール53の内径H2よりも小径の直径T2を有するスペーサー軸部572とを有している。また、スペーサー頭部571には、リミッターボルト52のボルト頭部522を収容する頭部穴573が設けられ、スペーサー軸部572には、リミッターボルト52のボルト軸部521を貫通させる軸部穴574が設けられている。
【0081】
さらに、T字スペーサー57は、リミッターボルト52を雌ネジ穴Fに締め付けることによって下部構造体3に固定されると、図10に示すように、スペーサー頭部571の底面と頭部収容ホール54の底面との隙間が引張用ギャップGtとなり、スペーサー軸部572の外径T2と軸部収容ホール53の内径H2との差、かつ頭部収容ホールの内径H1とスペーサー頭部の直径T1との差が水平用ギャップGhとなるように予め加工されている。
【0082】
以上の構成において、本第3実施形態の中心誤差補正装置1Cを組み立てる場合、まず、複数の弾性体4を用いて一体型上部構造体2Bに対して下部構造体3を吊り下げ、揺動可能な状態で連結する。これにより、図10に示すように、リミッターポスト51の下面と下部構造体3の上面との間には、簡単かつ正確に所望の圧縮用ギャップGpが形成される。
【0083】
つぎに、図10に示すように、T字スペーサー57を挿通させたリミッターボルト52のボルト軸部521を頭部収容ホール54および軸部収容ホール53から挿入し、下部構造体3の雌ネジ穴Fに螺合させて締め付ける。これにより、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtおよび水平用ギャップGhが形成され、その状態が維持される。
【0084】
つぎに、本第3実施形態の中心誤差補正装置1Cを用いて対象物11を所定の嵌合穴12に圧入する場合、把持指13によって把持された対象物11は、組立機械10によって所定の嵌合穴12の上方位置に搬送された後、下方に移動されることで圧入される。このとき、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸との間に中心誤差(芯ズレ)があると、対象物11を下方に移動させたとき、その下面の端縁部が嵌合穴12の縁に設けられた面取り部に接触し、当該接触部分に反力(水平荷重)が作用する。
【0085】
これにより、下部構造体3が一体型上部構造体2Bに対して対象物11を嵌合穴12の面取り部に沿って水平移動させ、対象物11の中心軸を嵌合穴12の中心軸に自動的に一致させる。このとき、水平用ギャップGhの範囲内で下部構造体3の水平移動が許容される一方、スペーサー軸部572が軸部収容ホール53の内周面と当接することで水平用ギャップGhの範囲を超える水平移動を規制する。このため、弾性体4に過度な水平荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0086】
また、対象物11の中心軸と嵌合穴12の中心軸とが一致されることで、対象物11が嵌合穴12にスムーズに圧入される。このため、対象物11や嵌合穴12側の部品が損傷したり、組立機械10に悪影響が及んでしまうことが抑制される。また、下部構造体3に圧縮荷重が付与されると、圧縮用ギャップGpの範囲内で下部構造体3の圧縮方向の移動が許容される一方、下部構造体3の上面がリミッターポスト51の底面に当接することで、圧縮用ギャップGpを超える圧縮を規制する。これにより、圧縮荷重を受けるための特別な部材を設けなくても、圧縮荷重が一体型上部構造体2Bを介して堅強な組立機械10へと伝達され、弾性体4に過度な圧縮荷重がかかることがないため、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0087】
さらに、下部構造体3に引張荷重が付与された際には、引張用ギャップGtの範囲内で下部構造体3の引張方向の移動が許容される一方、スペーサー頭部571の底面が頭部収容ホール54の底面と当接することで、引張用ギャップGtの範囲を超える引張方向の移動を規制する。このため、弾性体4に過度な引張荷重がかかることがなく、破損や塑性変形してしまうことが防止される。
【0088】
以上のような、本第3実施形態の中心誤差補正装置1Cおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏する。また、リミッターボルト52でT字スペーサー57を締め付けるだけで、簡単かつ正確に所望の引張用ギャップGtおよび水平用ギャップGhが形成されるため、より一層誰でも簡単かつ正確に組み立てることができる。
【0089】
つぎに、本第3実施形態の構成のうち、リミッターボルト52やT字スペーサー57の形状・配置が異なる変形例1~4について説明する。なお、以下の変形例1~4は、図11(a)におけるX7部分のみが異なる構成を有している。
【0090】
(変形例1)
図11(a),(b)は、上述した第3実施形態の変形例1に係る中心誤差方正装置1Caを示す図である。本変形例1において、リミッターボルト52は、六角ボルトによって構成されている。一方、T字スペーサー57は、スペーサー頭部571に頭部穴573が設けられておらず、円盤形状に形成されている。そして、スペーサー頭部571およびスペーサー軸部572を貫通するように軸部穴574が形成されている。
【0091】
以上のような変形例1に係る中心誤差補正装置1Caおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した第3実施形態と同様の作用効果を奏する。また、T字スペーサー57の形状が簡素化されるため、加工が容易になる。
【0092】
(変形例2)
図12は、上述した第3実施形態の変形例2に係る中心誤差方正装置1Cbを示す図である。本変形例2では、リミッターボルト52とT字スペーサー57の代わりに、図12に示すように、スペーサー軸部572の下端部にボルト軸部521が一体的に設けられた一体型T字スペーサー58が設けられている。この一体型T字スペーサー58は、スペーサー頭部571に頭部穴573ではなく、六角穴581が形成されており、六角レンチ等によって直接締め付け可能に構成されている。
【0093】
以上のような、変形例2に係る中心誤差補正装置1Cbおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した第3実施形態と同様の作用効果を奏する。また、リミッターボルト52とT字スペーサー57の代わりに、一体型T字スペーサー58を使用することで、第3実施形態と比較して部品点数が減少するため、組立作業や部品管理にかかる手間を低減することができる。
【0094】
(変形例3)
図13は、上述した第3実施形態の変形例3に係る中心誤差方正装置1Ccを示す図である。本変形例3では、リミッターボルト52およびT字スペーサー57が、一体型上部構造体2Bに設けられている。具体的には、図13に示すように、一体型上部構造体2Bのリミッターポスト51には、リミッターボルト52のボルト軸部521の雄ネジと螺合する雌ネジ穴Fが形成されている。一方、下部構造体3には、雌ネジ穴Fと対応する位置に軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が連なって形成されている。
【0095】
以上のような変形例3に係る中心誤差補正装置1Ccおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した第3実施形態と同様の作用効果を奏する。また、中心誤差を補正する際に揺動する下部構造体3側の重量が減少するため、弾性体4にかかる負担が低減し、耐久性を向上することができる。
【0096】
(変形例4)
図14は、上述した第3実施形態の変形例4に係る中心誤差方正装置1Cdを示す図である。本変形例4では、変形例3におけるリミッターボルト52とT字スペーサー57の代わりに、スペーサー軸部572の下端部にボルト軸部521が一体的に設けられた一体型T字スペーサー58が設けられている。この一体型T字スペーサー58は、スペーサー頭部571に頭部穴573ではなく、六角穴581が形成されており、六角レンチ等によって直接締め付け可能に構成されている。
【0097】
以上のような、変形例4に係る中心誤差補正装置1Cdおよびこれを備えた組立機械10によれば、上述した変形例3と同様の作用効果を奏する。また、リミッターボルト52とT字スペーサー57の代わりに、一体型T字スペーサー58を使用することで、変形例3と比較して部品点数が減少するため、組立作業や部品管理にかかる手間を低減することができる。
【0098】
以上の各変形例に示す通り、本第3実施形態の中心誤差補正装置1Cにおいては、一体型上部構造体2Bまたは下部構造体3の一方に、軸部収容ホール53および頭部収容ホール54が形成されており、一体型上部構造体2Bまたは下部構造体3の他方に、ボルト軸部521の雄ネジと螺合する雌ネジ穴Fが形成されていればよい。
【0099】
また、以上の各実施形態に示すとおり、本発明に係る中心誤差補正装置1において、リミッターポスト51は、上部構造体2または下部構造体3の一方に設けられ、上部構造体2または下部構造体3の他方との間に、圧縮荷重が付与された際の揺動範囲を規定する圧縮用ギャップGpを形成するものであればよい。
【0100】
また、リミッターボルト52は、リミッターポスト51内に貫通された状態で上部構造体2または下部構造体3に締結固定されるボルト軸部521、およびその端部にボルト頭部522を有するものであればよい。さらに、軸部収容ホール53は、上部構造体2または下部構造体3のうち、リミッターボルト52が締結固定されていない方に形成され、ボルト軸部521の直径よりも水平荷重が付与された際の揺動範囲を規定する水平用ギャップGh分だけ内径が大きいものであればよい。
【0101】
[オプション構成]
つぎに、本発明に係る中心誤差補正装置1において、任意に追加可能なオプションについて説明する。なお、以下に述べるオプション構成のうち、上述した各実施形態と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。また、以下に示すオプションは、上述した各実施形態にも適宜、適用することができる。
【0102】
(1)オプション1:ロック機構
オプション1は、組立機械10が対象物11を搬送中に、下部構造体3の揺動をロックするためのロック機構6である。具体的には、ロック機構6は、図15(a),(b)に示すように、上部構造体2の下面に設けられた上部キー溝61と、下部構造体3の上面に設けられた下部キー溝62と、上部キー溝61および下部キー溝62の双方に嵌合可能なロックキー63と、このロックキー63を上下方向にスライド移動させるロック用アクチュエータ64とを有している。
【0103】
上部キー溝61および下部キー溝62は、図15(a)に示すように、角丸長方形状の凹溝として形成されており、互いに連通する位置に設けられている。また、下部キー溝62の内周縁部には面取り部62aが設けられている。
【0104】
ロックキー63は、図15(b)に示すように、上部キー溝61および下部キー溝62の双方に嵌合する角丸長方形状に形成されている。また、ロックキー63の下面における両端部には、半円弧の断面形状を有し、その下面における周縁端部に面取り部63aを有する一対の誤差補正用突起631が設けられている。
【0105】
なお、誤差補正用突起631の形状は半円弧形状に限定されるものではなく、少なくとも半円弧以上であればよく、円形状であってもよい。また、誤差補正用突起631は必須の構成ではなく、図15(c)のように、誤差補正用突起631を設けなくてもよい。この場合、ロックキー63の下面における周縁端部に面取り部を設けることが好ましい。ただし、誤差補正用突起631がないロックキー63は、下部構造体3の上面と面接触し易くなってしまうため、後述する位置誤差や角度誤差の補正量は、誤差補正用突起631を設けた方が大きく確保することができる。
【0106】
ロック用アクチュエータ64は、図15(a)に示すように、エアシリンダ641内を上下動するロックピストン部材642と、ロックピストン部材642の上部空間内に圧縮空気を供給するロック用エアポート643と、ロックピストン部材642の下部空間内に圧縮空気を供給するロック解除用エアポート644とによって構成されている。そして、ロックピストン部材642の中心から下方に突出された接続ロッド645の下端部にロックキー63の中心が固定されている。
【0107】
以上の構成において、ロック用アクチュエータ64は、組立機械10が対象物11を圧入位置へ搬送している間、ロック用エアポート643からエアシリンダ641内に圧縮空気を供給する。これにより、図16(a)に示すように、ロックピストン部材642とともにロックキー63が下降し、上部キー溝61および下部キー溝62の略中間位置に移動することでロック状態となる。このロック状態では、上部キー溝61および下部キー溝62の双方がロックキー63と嵌合し、上下方向以外の動作が互いに拘束されるため、上部構造体2に対する下部構造体3の水平方向における揺動や捻れ方向の回転が防止される。
【0108】
また、ロックキー63が下部キー溝62に挿入される際、ロックキー63と下部キー溝62との間に、前後左右方向における位置誤差や、中心軸に関する角度誤差があっても、誤差補正用突起631の面取り部63aが下部キー溝62の面取り部62aに接触する。このため、接触反力の水平分力によって下部構造体3が水平方向および回転方向に揺動し、位置誤差や角度誤差を補正する。よって、ロックキー63が下部構造体3の上面に面接触することがなく、摩耗や損傷が防止されるとともに、確実かつ円滑に下部キー溝62に挿入される。
【0109】
一方、ロック用アクチュエータ64は、組立機械10が対象物11を嵌合穴12に圧入する際、ロック解除用エアポート644からエアシリンダ641内に圧縮空気を供給する。これにより、図16(b)に示すように、ロックピストン部材642とともにロックキー63が上昇し、上部キー溝61の内部に退避することでアンロック状態となる。このアンロック状態では、ロックキー63が下部キー溝62から抜き出されて干渉しなくなるため、下部構造体3は上部構造体2に対して揺動可能な状態となる。
【0110】
以上のようなオプション1のロック機構6によれば、組立機械10が対象物11を圧入位置へ搬送している間は、ロック用アクチュエータ64がロック状態にする。このため、搬送が完了してから組み立てるまでのサイクルタイムが短縮される。一方、組立機械10が対象物11を嵌合穴12に圧入する際は、ロック用アクチュエータ64がアンロック状態にする。このため、下部構造体3が上部構造体2に対して自由に揺動し、確実に中心誤差を補正するため、組立不良の発生を防止することができる。
【0111】
なお、ロック用アクチュエータ64は、上述した構成に限定されるものではなく、ソレノイド等のリニアアクチュエータでもよい。また、ロックキー63は角丸長方形状に限定されるものではなく、上部キー溝61および下部キー溝62の双方に嵌合し、上部構造体2に対する下部構造体3の水平方向における揺動や捻れ方向の回転を防止しうる形状であればよい。さらに、面取り部62a,63aの面取り量を適宜調整することで、位置誤差や角度誤差の補正量を調整することができる。
【0112】
つぎに、ロック機構6の他の実施例について説明する。なお、本実施例の構成のうち、上述した構成と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
【0113】
本実施例におけるロック機構6の特徴は、図17(a),(b)に示すように、下部構造体3の上面において、上部キー溝61の両端部近傍と連通する位置に一対のロック穴65が設けられているとともに、ロックキー63の下面における両端部に、各ロック穴65に嵌合可能な一対の誤差補正用突起631が設けられている点にある。
【0114】
本実施例において、ロック穴65は円形状に形成されており、その内周縁部には面取り部65aが設けられている。また、誤差補正用突起631はロック穴65に嵌合する円形状に形成されており、その下面における周縁端部には面取り部63aが設けられている。なお、ロック穴65および誤差補正用突起631の形状は円形状に限定されるものではなく、少なくとも半円弧以上であればよい。
【0115】
以上の構成において、ロック用アクチュエータ64は、組立機械10が対象物11を圧入位置へ搬送している間、ロック用エアポート643からエアシリンダ641内に圧縮空気を供給する。これにより、図17(c)に示すように、ロックピストン部材642とともにロックキー63が下降し、誤差補正用突起631をロック穴65に嵌合させることでロック状態となる。このロック状態では、誤差補正用突起631とロック穴65とが、上下方向以外の動作が互いに拘束されるため、上部構造体2に対する下部構造体3の水平方向における揺動や捻れ方向の回転が防止される。
【0116】
また、誤差補正用突起631がロック穴65に嵌入される際、誤差補正用突起631とロック穴65との間に、前後左右方向における位置誤差や、中心軸に関する角度誤差があっても、誤差補正用突起631の面取り部63aがロック穴65の面取り部65aに接触する。このため、接触反力の水平分力によって下部構造体3が水平方向および回転方向に揺動し、位置誤差や角度誤差を補正する。よって、誤差補正用突起631は確実かつ円滑にロック穴65に嵌入される。
【0117】
一方、ロック用アクチュエータ64は、組立機械10が対象物11を嵌合穴12に圧入する際、ロック解除用エアポート644からエアシリンダ641内に圧縮空気を供給する。これにより、ロックピストン部材642とともにロックキー63が上昇し、上部キー溝61の内部に退避することでアンロック状態となる。このアンロック状態では、誤差補正用突起631がロック穴65から抜き出されて干渉しなくなるため、下部構造体2は上部構造体2に対して揺動可能な状態となる。
【0118】
以上のようなロック機構6の他の実施例によれば、上述した実施例と比較して、下部構造体3に下部キー溝62を設ける必要がなく、誤差補正用突起631とロック穴65とによってロック機構6が機能する。このため、上述した実施例の作用効果に加えて、製作し易く、耐久性も向上することができる。
【0119】
なお、図15~17では、上部構造体2として一体型上部構造体2Bを用いた中心誤差補正装置1を例示しているが、上部構造体2を用いた中心誤差補正装置1にもロック機構2は適用できる。
【0120】
(2)オプション2:ロードセル機構
オプション2は、対象物11を嵌合穴12に圧入する際に発生する圧入反力の大きさ(荷重)をリアルタイムで計測するロードセル機構7である。具体的には、ロードセル機構7は、図18(b)に示すように、上部構造体2の周縁部を上下方向に貫通する一対の貫通穴71によって挟まれた荷重検知部72と、貫通穴71の内壁面に固定されるひずみゲージ73と、ひずみゲージ73のひずみによる抵抗の変化分に比例した電圧を出力するジャンクションボックス74とを有している。
【0121】
また、上部構造体2の上面には、組立機械10に固定される支持部75と、圧縮荷重によって弾性変形する弾性変形部76とが分離溝77によって分離されている。そして、上部構造体2の上面には、図18(c)に示すように、組立機械10に取り付けるための取付面との間に、荷重検知部72の弾性変形可能な長さ以下の間隔を隔てて設けられた荷重検知用ギャップ78が設けられている。
【0122】
以上の構成により、対象物11を嵌合穴12に圧入する際、圧入反力によって弾性体4が圧縮されると、リミッタ-ポスト51の下面と下部構造体3の上面とが圧縮用ギャップGpの分だけ相対的に近接し、互いに密着する。そうすると、圧入反力が、弾性体4およびリミッタ-ポスト51を介して上部構造体2に伝達されるため、荷重検知部72が弾性変形する。これにより、ひずみゲージ73の弾性変形に応じて変化した抵抗値が、ジャンクションボックス74に出力されて荷重が計測される。
【0123】
このとき、荷重検知用ギャップ78は、荷重検知部72の弾性変形可能な長さ以下の間隔で設けられているため、上部構造体2に大きな圧入反力がかかって破損するおそれがない。なお、圧縮用ギャップGpがゼロになるまでは、弾性体4が伝達する圧入反力を検知する。
【0124】
以上のようなオプション2のロードセル機構7によれば、対象物11を嵌合穴12に圧入する際に発生する圧入反力の大きさ(荷重)をリアルタイムで計測することができ、過大な圧入反力を自動的に検知することができる。また。ロードセル機構7が上部構造体2に内蔵されるため、上部構造体2と組立機械10との間に設置するよりも、コストや手間を低減することができる。
【0125】
なお、図18は、上述した第3実施形態の変形例4にロードセル機構7を適用した例を図示しており、一体型上部構造体2Bと下部構造体3の間には、圧縮荷重を補助的に受けるための圧縮補助用リミッターポスト59が設けられている。また、ロードセル機構7は、上部構造体2を用いた中心誤差補正装置1にも適用できる。
【0126】
(3)オプション3:異物侵入防止機構
オプション3は、中心誤差補正装置1の内部に粉塵等の異物が侵入するのを防止する異物侵入防止機構8である。具体的には、図19(a),(b)に示すように、一体型上部構造体2Bと下部構造体3との間の空間を取り囲むように筒状かつ蛇腹状に形成された異物侵入防止用サイドカバー81が設けられている。これにより、一体型上部構造体2Bに対する下部構造体3の揺動動作を阻害することなく、一体型上部構造体2Bと下部構造体3との間に粉塵等の異物が侵入するのを防止することができる。
【0127】
なお、図19では、上部構造体2として一体型上部構造体2Bを用いた中心誤差補正装置1を例示しているが、上部構造体2を用いた中心誤差補正装置1にも適用できる。
【0128】
なお、本発明に係る中心誤差補正装置1は、前述した実施形態およびオプションに限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0129】
1,1A,1B,1C,1Ca,1Cb,1Cc,1Cd 中心誤差補正装置
2 上部構造体
2B 一体型上部構造体
3 下部構造体
4 弾性体
5 リミッタ機構
6 ロック機構
7 ロードセル機構
8 異物侵入防止機構
10 組立機械
11 対象物
12 嵌合穴
13 把持指
21 上方連結孔
22 取付穴
23 ナット収容ホール
31 下方連結孔
32 把持指開閉機構
321 把持指固定用スライド部材
322 アクチュエータ
41 皿ボルト
51 リミッターポスト
52 リミッターボルト
521 ボルト軸部
522 ボルト頭部
53 軸部収容ホール
54 頭部収容ホール
55 リングスペーサー
56 ナット
57 T字スペーサー
571 スペーサー頭部
572 スペーサー軸部
573 頭部穴
574 軸部穴
58 一体型T字スペーサー
581 六角穴
59 圧縮補助用リミッターポスト
61 上部キー溝
62 下部キー溝
62a 面取り部
63 ロックキー
63a 面取り部
631 誤差補正用突起
64 ロック用アクチュエータ
641 エアシリンダ
642 ロックピストン部材
643 ロック用エアポート
644 ロック解除用エアポート
645 接続ロッド
65 ロック穴
65a 面取り部
71 貫通穴
72 荷重検知部
73 ひずみゲージ
74 ジャンクションボックス
75 支持部
76 弾性変形部
77 分離溝
78 荷重検知用ギャップ
81 異物侵入防止用サイドカバー
Gh 水平用ギャップ
Gp 圧縮用ギャップ
Gt 引張用ギャップ
F 雌ネジ穴
H1 頭部収容ホールの内径(リングスペーサーを使用する場合)
H1’ 頭部収容ホールの内径(リングスペーサーを使用しない場合)
H2 軸部収容ホールの内径
B1 ボルト頭部の最大直径(リングスペーサーを使用する場合)
B1’ ボルト頭部の最大直径(リングスペーサーを使用しない場合)
B2 ボルト軸部の外径
S1 リングスペーサーの外径
S2 リングスペーサーの内径
T1 T字スペーサーのスペーサー頭部の直径
T2 T字スペーサーのスペーサー軸部の直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19