(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160889
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】梅酢配合臓器脱の塗布剤及び飲用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 36/736 20060101AFI20241108BHJP
A61K 36/535 20060101ALI20241108BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20241108BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20241108BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20241108BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241108BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20241108BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20241108BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20241108BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20241108BHJP
A23L 2/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61K36/736
A61K36/535
A61K9/08
A61K47/46
A61K47/04
A61P1/00
A61P15/00
A61P43/00 101
A61P13/10
A23L33/105
A23L19/00 D
A23L2/00 F
A23L2/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076389
(22)【出願日】2023-05-04
(71)【出願人】
【識別番号】311014093
【氏名又は名称】堀本 邦男
(74)【代理人】
【識別番号】100081581
【弁理士】
【氏名又は名称】内山 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】堀本 邦男
【テーマコード(参考)】
4B016
4B018
4B117
4C076
4C088
【Fターム(参考)】
4B016LC07
4B016LE05
4B016LG03
4B016LG16
4B016LK01
4B016LP02
4B016LP13
4B018LB08
4B018LE05
4B018MD02
4B018MD52
4B018MD66
4B018MD77
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF14
4B117LC04
4B117LG04
4B117LG18
4B117LK01
4B117LK04
4B117LK20
4B117LK27
4B117LP01
4C076AA12
4C076BB01
4C076BB29
4C076BB30
4C076CC09
4C076CC16
4C076CC17
4C076DD22T
4C076EE57T
4C076FF52
4C088AB38
4C088AB52
4C088AC04
4C088AC05
4C088BA09
4C088BA19
4C088BA37
4C088CA03
4C088MA07
4C088MA52
4C088MA56
4C088MA60
4C088NA14
4C088ZA66
4C088ZA81
(57)【要約】
【課題】梅酢を主成分とする臓器脱の塗布剤、飲用剤の提供
【解決手段】
梅酢を塩及び又はシソと漬け込み、その上澄み液を成分とする塗布剤、飲用剤であって、ワセリン等の油脂と混合したクリーム状でも、上澄み液原液そのまま用いても良い。それらを直接患部に塗布も可能であるが、原液ストレートあるいは水、炭酸、その他飲料に適したものとの混合状態で飲用することも可能である。
塗布回数や頻度、塗布方法について限定はない。塗布と飲用を併用すると効果が高くなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梅の実に塩を添加して重石をして上澄みとして得られた白梅酢成分及びまたは梅の実に塩とシソを添加して重石をして上澄みとして得られた赤梅酢成分を含むことを特徴とする臓器脱の塗布剤。
【請求項2】
3cm以上6cm以下の広口瓶に収納されていることを特徴とする請求項1記載の臓器脱の液状塗布剤。
【請求項3】
請求項1に係る白梅酢成分及び又は赤梅酢成分を含むストレートあるいは水、蜂蜜、炭酸等の希釈液により薄めた臓器脱飲用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に身体の臓器脱(骨盤臓器脱)すなわち、骨盤内の臓器が下方に下垂する、脱肛・子宮脱・膀胱脱症状等に効果をもたらす塗布剤及び飲用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在までのこれら臓器脱についての改善あるいは治療法としては、粘膜などの保護剤を塗布したり、便排出時のいきみを防止するために、お通じを良くする薬を内服したりするか、物理的に下垂しないように支持具をあてがう程度であり、ひどくなると外科的に対応していたが、再発も多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録第3029310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、外科的治療では、再発することも多く、体に痛みや体調変化を起こし、費用も時間もかかる対応策であった。また手術方法も、該当箇所が肛門である場合は、人体を逆さに吊るすようにして、股を開いて手術するケースもあり、手術を受けることそのものが大変患者に負担を強いる問題を抱えていた。またこれらの疾患に対する治療薬はなかった。
【0005】
また特許文献1などでは、物理的に脱肛を保持あるいは防止しようとするものであって補助的な解決にすぎず、道具が体形に合わない、あるいは肌に直につけることになり、肛門であれば、便等が付着し、そのたびに取り換え洗うという作業が発生したり、出てきた臓器を締め付けたり押し込んだりするため、道具によって臓器そのものを傷つけたりする場合もあり、実用的ではなかった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するために日々簡易で効果的な対処方法を模索する中で、既存の梅酢の新しい用途を発見したものである。すなわち患部に梅酢を主成分とするクリーム又は液を直接塗布することにより、角質内に薬の成分が浸透し、臓器脱を根治することが可能である梅酢成分配合塗布剤を提供することを目的とする。また、塗布と同時にあるいは塗布をせず、梅酢を他の飲料、水、蜂蜜、炭酸等と混合してあるいはストレートで飲用して臓器脱等を改善する飲用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明に係る梅酢成分配合塗布剤は、梅の実に塩を添加して重石をして得られた白梅酢及びまたは梅の実に塩とシソを添加して重石をして得られた赤梅酢を含み軟膏状あるいは液状としたこと要旨とする。
【0008】
また、本発明に係る臓器脱の飲用剤は白梅酢及び又は赤梅酢を適宜の飲料あるいは希釈液と混合してあるいはストレートで飲用することを要旨とする。
【0009】
また、本発明に係る前記臓器脱の液状塗布剤は直径3cmから6cmの広口容器に入れたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る梅酢成分配合塗布剤は白梅酢あるいは赤梅酢を含んでいる。白梅酢は、梅のエキスが塩分による浸透圧で浸みだしたもので、 その有効成分も元の果実由来のものである。すなわち有効成分ポリフェノールやクエン酸には、さまざまなウイルスの増殖抑制や消毒効果がある。まず梅酢に含まれるクエン酸は水垢をきれいにする作用があることからわかるように強い殺菌作用が見られる。
臓器脱の原因は、臓器を支えている筋肉や筋の老化はもちろんのこと、該当箇所の細胞を痛めてしまうことによる劣化が考えられる。これらを梅酢が防止してくれるため、より筋肉の衰え防止に役立つものと思われる。また、梅酢が口唇ヘルペス、ポリオ、手足口病、ノロなどのウイルスにも増殖抑制効果があると期待されていることや動物実験による血圧上昇を抑制する効果の確認などから、便通の折、イキム動作が不要となり、体の全体調整がなされるため、脱肛なども起きにくいものと推測される。
【0011】
さらに梅酢に含まれているリオニレシノール(梅リグナン)という成分には抗酸化作用があり、活性酸素による老化や疾病などの影響を防ぐといわれている。そして、梅肉エキスでは血液の流れを改善する効果が報告されており、梅酢で血液の流れが改善される結果として高血圧が抑制されるとともに、筋肉の衰えを防止し、弛緩も防止されるのではと考えられる。さらには梅酢には強い抗炎症作用があるため、衰えた筋肉の炎症を抑えるとともに、梅酢に含まれるリオニレシノール(梅リグナン)という成分には、がんの発生につながるDNAの突然変異を抑制したり、修復したりする効果まで認められる。
【0012】
一般に体内で「慢性炎症」という現象が起こると、血管や肝臓、膵臓など、全身で生活習慣病を悪化させることが知られており、梅酢を摂ることで生活習慣病の予防につながる可能性が期待されている。動物実験で高脂肪な食事をとった場合に梅酢によって体重、内臓脂肪、皮下脂肪、体脂肪率などの増加を抑制する効果があることがわかった。また、血液の中のLDLコレステロール値の減少などをもたらす効果もあり、梅酢の摂取は血中の脂肪が原因となる動脈硬化などの病気の予防にもつながる。
以上のことから本発明に係る臓器脱用梅酢成分配合塗布剤は、患部の雑菌の繁殖や炎症を防止することで患部近傍の筋肉組織を健全化し、臓器の保持を有効とすることで臓器脱の改善をはかることができる。また塗布するだけでなく、経口することも可能であるため体の内外両面から筋肉状況を正常に保ち、臓器脱等の改善防止につながる。塗布用梅酢はアルコール溶液や軟膏成分例えば白色ワセリンなどを基剤とすることで長期保存を可能とし、液状あるいは軟膏状などの薬剤とできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】臓器脱の説明図であり A膀胱脱 B子宮脱 C 脱肛を示す。
【
図2】脱肛患部に広口容器から液状塗布剤をガーゼにしみ込ませ患部に塗布する説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る塗布剤及び飲用剤の主成分梅酢は梅のエキスが塩分による浸透圧で浸みだしたものであり、その有効成分も元の果実由来のものとなる。梅酢の作成方法は、塗布用の治療薬の場合は梅に塩をまぶして梅のエキスがでてきたらそれをそのまま用いても良いし、アルコール等の添加成分と合わせて容器に保存する。一方水分や蜂蜜等と合わせ飲みやすくして体内に取り込んでも良い。今まで梅干しの上澄液すなわち残りエキスを脱肛等の臓器脱治療に用いた例はなかった。
これまで、梅酢は中の梅を食した後は捨てられることが多く、誰も臓器脱の患部に塗布しようとか治療のために飲用しようとは思われなかったため、このような効果が認められることはなく、本発明者が初めて効果を確認したものである。本願発明は、発明者が脱肛につけて自ら脱肛の改善が見られたことを記録し、他の患者にも進めてみた結果、同様の効果が高い確率で確認できたものであり研究を重ねた上で完成させたものである。
【実施例0015】
本実施例では本発明の塗布剤及び飲用剤の主成分である梅酢の作成方法を説明する。
まず、梅の実を用意し、竹串またはつまようじを使ってヘタをひとつひとつ丁寧に取り除く。次に梅を水できれいに洗う。洗い終わったら、清潔なタオルで水気をふき取る。しっかりと乾燥させる。次に袋を容器に掛け、梅と塩を交互に入れる。 その後、梅と塩がしっかり混ざるように袋を振る。袋は、清潔なビニール袋などでよい。その後空気を抜くように袋の口をねじる。そして重石を乗せる。梅と同じか、倍くらいの重さの重石をのせる。フタをして1週間保存する。紙か布でフタをして風通しの良い冷暗所に置いておく。1週間ほどすると、梅酢があがってくる。
【0016】
梅酢のあがり具合を確認する。目安として1週間ほどして、つけもの袋の中に梅酢が上がってきて、梅が浸かっていれば良い浸かり具合といえる。この上澄液が白梅酢である。 次にさらにもみ紫蘇(赤紫蘇)を梅の上に平らに乗せて、梅の約半分の重さの重石(またはペットボトル)をのせ2週間ほど置くと赤梅酢が上澄みとしてとれる。
【0017】
このようにして製造した白梅酢と赤梅酢はどちらも臓器脱の治療に効果的である。原液のままでも良いし、水やアルコール焼酎、その他、エチルアルコールを混合して用いることができる。アルコール濃度は任意であるが、保存性を高める観点から、25度から35度程度のものを用いることが好ましい。製造した塗布剤又は飲用剤は、小分けしてなるべく空気が触れないように密閉性のある容器に入れて保存するとよい。なお塗布剤はクリーム状としたり、ガーゼに浸す液状の場合は蓋を取りガーゼにしみ込ませることができる広口容器に入れて保存することが好ましい。直径3cm以下の口だと小さいために何度も容器からガーゼにしみ込ませる必要があり、また7cm以上だと口が大きすぎて1回にが^ゼにしみ込む量が多くなり、患部に適した塗布とはならない。飲用剤はストレートでも良いし、水、炭酸、ジュース、蜂蜜、その他の飲料と適宜混合して飲みやすくしても良い。