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  • 特開-フレキシブル基板の配線構造 図1
  • 特開-フレキシブル基板の配線構造 図2
  • 特開-フレキシブル基板の配線構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160908
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】フレキシブル基板の配線構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108503
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】112116674
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 厚昌
(72)【発明者】
【氏名】許 文萍
(72)【発明者】
【氏名】郭 庭宜
(72)【発明者】
【氏名】謝 依凌
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA02
5E338AA12
5E338BB75
5E338CC09
5E338CD13
5E338CD40
5E338EE23
5E338EE33
(57)【要約】
【課題】フレキシブル基板の配線構造を提供する。
【解決手段】フレキシブル基板110と、回路層120と、冗長回線層130と、を備える。回路層120及び冗長回線層130はフレキシブル基板110に設置される。回路層120は複数の第1インナーリード121と、複数の第2インナーリード122と、逆U字接続回路123と、水平インナーリード124と、を有している。冗長回線層130は複数の冗長回線131を有し、そのうちの1つの冗長回線131は第1インナーリード121と第2インナーリード122との間に位置し、他の冗長回線131は第2インナーリード122の間に位置している。冗長回線131により逆U字接続回路123の両側にある回路間の空間を同じにすることで、逆U字接続回路123と水平インナーリード124との間にあるエッチング空間でエッチング液が横方向に流動するのを回避している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ実装エリア(CA)を有している表面(111)を含み、前記チップ実装エリアには複数の第1バンプ設置点(B1)及び複数の第2バンプ設置点(B2)を有しているフレキシブル基板(110)と、
前記表面に設置されている回路層(120)であって、複数の第1インナーリード(121)と、複数の第2インナーリード(122)と、逆U字接続回路(123)と、水平インナーリード(124)と、を有し、各前記第1インナーリードの第1接続端(121a)は各前記第1バンプ設置点に設置され、隣接する前記第1インナーリードの間には第1間隔(D1)を有し、各前記第2インナーリードの第2接続端(122a)は各前記第2バンプ設置点に設置され、隣接する前記第2インナーリードの間には第2間隔(D2)を有し、前記第2間隔は前記第1間隔より大きく、前記逆U字接続回路は第1接続部分(123a)と、第2接続部分(123b)と、水平部分(123c)と、を含み、前記水平部分は前記第1接続部分と前記第2接続部分との間に位置し、前記第1接続部分はそのうちの1つの前記第1インナーリードの前記第1接続端に接続され、前記第2接続部分は他の前記第1インナーリードの前記第1接続端に接続され、前記水平インナーリードは前記チップ実装エリアに位置し、前記水平インナーリードは前記逆U字接続回路の前記水平部分に隣接し、前記水平インナーリードと前記水平部分との間にはエッチングチャネル(ET)を有している回路層と、
複数の冗長回線(131)を有する冗長回線層(130)であって、1つの前記冗長回線は前記第1インナーリードと前記第2インナーリードとの間に位置し、他の前記冗長回線は隣接する前記第2インナーリードの間に位置し、前記冗長回線と隣接する前記第2インナーリードとの間には第3間隔(D3)を有し、前記第3間隔と前記第1間隔との間の差値は5μm未満である冗長回線層と、を備えていることを特徴とするフレキシブル基板の配線構造。
【請求項2】
前記エッチングチャネルは25μm未満の幅(W)を有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項3】
前記逆U字接続回路の前記第1接続部分と前記第2接続部分との間には200μm未満の第1距離(L1)を有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項4】
各前記冗長回線と前記逆U字接続回路の前記第2接続部分との間の第2距離(L2)は1000μmを超えないことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項5】
前記逆U字接続回路は第1突起部分及び第2突起部分を有し、前記第1突起部分は前記第1接続部分及び前記水平部分に接続されていると共に前記第1接続部分に突出し、前記第2突起部分は前記第2接続部分及び前記水平部分に接続されていると共に前記第2接続部分に突出し、前記第1突起部分及び前記第2突起部分の長さは50~100μmの間の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項6】
前記第1インナーリードは前記第2インナーリードに平行し、前記水平部分と前記第1インナーリード及び前記第2インナーリードとの間には角度差を有し、前記角度差は30~150度の間の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項7】
前記角度差は90度であることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項8】
前記第1インナーリードの第1延伸線は前記水平インナーリードと交差し、前記第2インナーリードの第2延伸線は前記水平インナーリードと交差しないことを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項9】
前記第1インナーリードと前記第2インナーリードとの間には複数の前記冗長回線を有していることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【請求項10】
前記第3間隔は前記第1間隔に等しいことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル基板に関し、より詳しくは、フレキシブル基板の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子表示装置は軽量薄型化やベゼルレスが求められている。フレキシブル回路基板で製造される駆動ICは可撓性を有しているため湾曲でき、制御回路基板を表示パネルの背面に設置し、湾曲させた駆動ICを表示パネルの正面に位置している電極に電気的に接続することで、電子表示装置のベゼルレス構造を達成することができる。
【0003】
従来のフレキシブル回路基板はフレキシブル基板及びフレキシブル基板に位置している回路層を有し、回路層はフォトリソグラフィプロセスによりフレキシブル基板上の金属層にパターン化エッチングを施すことで形成されている。パターン化エッチングでは、保留したい回路をフォトレジストにより被覆した後、被覆されていない金属層をエッチング液により除去するため、エッチングにより獲得する回路の完全性にとって、エッチング液の流動が非常に重要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレキシブル回路基板の回路は回路の密度が異なるため、エッチングの過程で縦方向に流動するエッチング液の流速に差異が生じることで横方向に流動し、横方向に流動するエッチング液が狭窄な回路間でアンダーカットを引き起こし、空間に金属粒子が残留する問題が生じた。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレキシブル基板の配線構造を提供することにある。つまり、間隔が大きい第2インナーリードの間に冗長回線を増設し、冗長回線と第2インナーリードとの間の間隔を隣接する第1インナーリードとの間の間隔と同じにし、逆U字接続回路の両側の回路の間にある空間の大きさを互いに近付けることで、逆U字接続回路と水平インナーリードとの間のエッチングチャネル中でエッチング液が横方向に流動しないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様によれば、フレキシブル基板の配線構造が提供される。フレキシブル基板(110)と、回路層(120)と、冗長回線層(130)と、を含んで構成されている。前記フレキシブル基板はチップ実装エリア(CA)を有している表面(111)を含み、前記チップ実装エリアには複数の第1バンプ設置点(B1)及び複数の第2バンプ設置点(B2)を有している。前記回路層は前記表面に設置され、前記回路層は複数の第1インナーリード(121)と、複数の第2インナーリード(122)と、逆U字接続回路(123)と、水平インナーリード(124)と、を含む。各前記第1インナーリードの第1接続端(121a)は各前記第1バンプ設置点に設置され、隣接する前記第1インナーリードの間には第1間隔(D1)を有している。各前記第2インナーリードの第2接続端(122a)は各前記第2バンプ設置点に設置され、隣接する前記第2インナーリードの間には第2間隔(D2)を有し、前記第2間隔は前記第1間隔より大きい。前記逆U字接続回路は第1接続部分(123a)と、第2接続部分(123b)と、水平部分(123c)と、を有している。前記水平部分は前記第1接続部分と前記第2接続部分との間に位置し、前記第1接続部分はそのうちの1つの前記第1インナーリードの前記第1接続端に接続され、前記第2接続部分は他の前記第1インナーリードの前記第1接続端に接続されている。前記水平インナーリードは前記チップ実装エリアに位置し、前記水平インナーリードは前記逆U字接続回路の前記水平部分に隣接し、前記水平インナーリードと前記水平部分との間にはエッチングチャネル(ET)を有している。前記冗長回線層は複数の冗長回線(131)を有し、そのうちの1つの前記冗長回線は前記第1インナーリードと前記第2インナーリードとの間に位置し、他の前記冗長回線は隣接する前記第2インナーリードの間に位置している。前記冗長回線と隣接する前記第2インナーリードとの間には第3間隔(D3)を有し、前記第3間隔と前記第1間隔との間の差値は5μm未満である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は冗長回線層の冗長回線を設置することで、エッチングチャネルの両側の回路間の空間を同じにし、エッチングチャネルの両側の流速に差異が生じる問題を減少させ、エッチングチャネル中にアンダーカットを引き起こす横方向の流動を発生させないようにしている。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施例に係るフレキシブル基板の配線構造を示す平面図である。
図2】本発明の第1実施例に係るフレキシブル基板の配線構造を示す部分拡大図である。
図3】本発明の第2実施例に係るフレキシブル基板の配線構造を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0012】
まず、図1図3を参照しながら、本発明のフレキシブル基板の配線構造について説明する。
【第1実施例】
【0013】
図1は本発明の第1実施例に係るフレキシブル基板の配線構造100を示す平面図である。図2図1に示す部分拡大図である。フレキシブル基板の配線構造100はフレキシブル基板110及び回路層120を備える。フレキシブル基板110は表面111を有する。回路層120は表面111に設置されている。表面111はチップ実装エリアCAを有し、チップ実装エリアCAはフリップチッププロセスによりダイ(図示せず)をその中に設置するために用いられている。また、チップ実装エリアCAは複数の第1バンプ設置点B1及び複数の第2バンプ設置点B2を有し、第1バンプ設置点B1及び第2バンプ設置点B2はダイにある複数の第1バンプ及び複数の第2バンプをそれぞれ設置するために用いられている。図1の回路層120は空白ブロックで表示しているが、実際の回路層120は複数の微細回路で構成されている。
【0014】
回路層120は複数の第1インナーリード121と、複数の第2インナーリード122と、逆U字接続回路123と、水平インナーリード124と、を有している。各第1インナーリード121の第1接続端121aは各第1バンプ設置点B1に設置され、後続のフリップチップ実装されるダイの第1バンプに電気的に接続され、各第1バンプが各第1インナーリード121を介して信号を伝送可能になっている。隣接する第1インナーリード121の間には第1間隔D1を有している。
【0015】
各第2インナーリード122の第2接続端122aは各第2バンプ設置点B2に設置され、後続のフリップチップ実装されるダイの第2バンプに電気的に接続され、第2バンプが各第2インナーリード122を介して信号を伝送可能になっている。隣接する第2インナーリード122の間には第2間隔D2を有し、第2間隔D2は第1間隔D1より大きい。
【0016】
逆U字接続回路123は第1接続部分123aと、第2接続部分123bと、水平部分123cと、を有している。水平部分123cの両端は第1接続部分123a及び第2接続部分123bにそれぞれ接続されていると共に第1接続部分123aと第2接続部分123bとの間に位置し、第1接続部分123a、第2接続部分123b、及び水平部分123cは逆U字型を呈している。第1接続部分123aはそのうちの1つの第1インナーリード121の第1接続端121aに接続され、第2接続部分123bは他の第1インナーリード121の第1接続端121aに接続されている。後続のフリップチップ実装されるダイの2つの第1バンプが2つの第1インナーリード121の第1接続端121aに電気的に接続されると、2つの第1接続端121aに接続されている逆U字接続回路123を介して信号が伝送される。
【0017】
水平インナーリード124はチップ実装エリアCAに位置し、水平インナーリード124の水平接続端124aはチップ実装エリアCAの第3バンプ設置点B3に設置され、後続のフリップチップ実装されるダイの第3バンプに電気的に接続され、水平インナーリード124は逆U字接続回路123の水平部分123cに隣接している。水平インナーリード124と水平部分123cとの間にはエッチングチャネルETを有し、エッチングチャネルETは25μm未満の幅Wを有している。
【0018】
図1の例では、本実施例では、フレキシブル回路基板はロール・ツー・ロール(roll to roll)プロセスを採用してエッチングプロセスを実行し、ロール・ツー・ロールプロセスは複数のフレキシブル回路基板を接続してテープを形成し、テープをエッチング液に浸漬すると共にローラーによりテープの両端を転動し、テープを構成するフレキシブル回路基板をエッチング液中で移動させ、フォトレジストにより被覆されていない金属層に対しエッチング液によりエッチングを行ってパターン化された回路を形成している。本実施例のフレキシブル回路基板のテープは図面中のY軸方向に向けて移動するため、エッチング液もフレキシブル回路基板に対しY軸方向に沿って縦方向に移動する。図2に示すように、第2インナーリード122の間にある第2間隔D2が第1インナーリード121の間にある第1間隔D1よりも大きいため、第2インナーリード122の間にある空間が第1インナーリード121の間にある空間より大きくなり、第2インナーリード122を流れるエッチング液の速度が、第1インナーリード121を流れる速度よりも速くなる。エッチングチャネルETの両端でエッチング液が異なる速度で流動するため、エッチングチャネルETの両端の圧力差によりエッチング液がエッチングチャネルET中でX軸方向の横方向に流動する。また、エッチングチャネルETの幅Wが狭いため、横方向に流動するエッチング液がエッチングチャネルET中でアンダーカット(undercut)問題を引き起こし、エッチングチャネルET中の水平インナーリード124及び水平部分123cの側壁が過度にエッチングされ、水平インナーリード124及び水平部分123cではアンダーカットにより発生する金属くずがエッチングチャネルETの中央部に沈積して金属が残留する。
【0019】
図2の例では、エッチング液がエッチングチャネルET中で横方向に流動するのを回避するため、本実施例のフレキシブル基板の配線構造100は冗長回線層130を更に備え、冗長回線層130は複数の冗長回線131を有し、冗長回線131は如何なるバンプ設置点とも接続されず、即ち、電流が冗長回線131を流れない。そのうちの1つの冗長回線131は第1インナーリード121と第2インナーリード122との間に位置し、他の冗長回線131は隣接する第2インナーリード122の間に位置している。冗長回線131と隣接する第2インナーリード122との間には第3間隔D3を有し、第3間隔D3と第1間隔D1との間の差値は5μm未満である。冗長回線131により第2インナーリード122の間にある空間を補填することで、エッチングチャネルETの両側にある回路の間の空間の大きさが略同じになり、エッチングチャネルETの両側のエッチング液の流速が互いに近付くため横方向に流動せず、エッチングチャネルET中でアンダーカット問題が発生しない。好ましくは、各冗長回線131の線幅を調整することで第3間隔D3を第1間隔D1に等しくし、エッチングチャネルETの両側の回路の間にある空間の大きさを完全に同じにする。
【0020】
本実施例の第1インナーリード121と第2インナーリード122との間及び隣接する第2インナーリード122の間の空間は小さいため、第1インナーリード121と第2インナーリード122との間及び隣接する第2インナーリード122の間には1つの冗長回線131のみを設置している。但し、他の実施例では、第1インナーリード121と第2インナーリード122との間または隣接する第2インナーリード122の間の空間が大きい場合、第1インナーリード121と第2インナーリード122との間または隣接する第2インナーリード122の間には複数の冗長回線131を設置し、第3間隔D3を第1間隔D1に略等しくする。
【0021】
図2に戻って、本実施例では、逆U字接続回路123の第1接続部分123aと第2接続部分123bとの間には200μm未満の第1距離L1を有している。エッチングチャネルETの長さが短いため、横方向に流動するエッチング液はエッチングチャネルET中での流速が速く、エッチングチャネルET中のアンダーカット問題が更に深刻になる。よって、本実施例は冗長回線131を設置することで、エッチング液が横方向に流動しないようにし、アンダーカット問題をより明確に改善している。
【0022】
図2に示すように、本実施例では、逆U字接続回路123との距離が近い回路ほど横方向の流動問題が発生しやすくなり、但し、逆U字接続回路123との距離が遠い回路ほど横方向の流動問題が発生しにくくなる。よって、各冗長回線131と逆U字接続回路123の第2接続部分123bとの間の第2距離L2は1000μmより大きくないため、逆U字接続回路123の第2接続部分123bとの距離が1000μm以内である場合に冗長回線131を設置し、逆U字接続回路123の両側にある回路の間の空間の大きさを互いに近付ける。
【0023】
図2に示すように、第1インナーリード121は第2インナーリード122に平行し、水平部分123cと第1インナーリード121及び第2インナーリード122との間には角度差を有している。本実施例では、角度差は90度であり、即ち、水平部分123cと第1インナーリード121及び第2インナーリード122との間は垂直になっている。この際、エッチング液の横方向の流動がエッチングチャネルET中のアンダーカットを深刻にする。他の実施例では、角度差が30~150度の間の範囲である場合、エッチング液の横方向の流動がエッチングチャネルET中でアンダーカットを引き起こす。よって、本実施例は冗長回線131によりエッチングチャネルETの両側の流速を同じにすることでエッチング液の横方向の流動を抑制する。水平部分123cと第1インナーリード121及び第2インナーリード122との間の角度差を30~150度にすることで、エッチングチャネルET中でのアンダーカットを回避している。
【0024】
図2に示すように、本実施例では、第1インナーリード121の第1延伸線は水平インナーリード124と交差し、第2インナーリード122の第2延伸線は水平インナーリード124と交差せず、第1インナーリード121の第1延伸線のみが水平インナーリード124と交差するため、エッチング液の流速は第1インナーリード121の間にある空間を流れる際に水平インナーリード124により阻まれて低下し、相対的に、エッチング液が第2インナーリード122の間にある空間を流れる際には水平インナーリード124により阻まれないため流速が速く、加えて、第2インナーリード122の間にある第2間隔D2が第1インナーリード121の間にある第1間隔D1より大きいため、エッチングチャネルETの両側でエッチング液が流速が異なり、エッチングチャネルET中で横方向に流動してアンダーカットを発生させる。本実施例は冗長回線131を設置することでエッチングチャネルETの両側のエッチング液の流速に差異が生じる問題を大幅に改善し、横方向に流動させないようにしている。
【第2実施例】
【0025】
図3図1に示す部分拡大図である。本実施例の第1実施例との相違点について、逆U字接続回路123は第1突起部分123d及び第2突起部分123eを有し、第1突起部分123dは第1接続部分123a及び水平部分123cに接続されていると共に第1接続部分123aに突出し、第2突起部分123eは第2接続部分123b及び水平部分123cに接続されていると共に第2接続部分123bに突出している。第1突起部分123d及び第2突起部分123eの長さLEは50~100μmの間の範囲である。第1突起部分123d及び第2突起部分123eがエッチングチャネルET全体の長さを増加することで、エッチングチャネルET中でエッチング液が横方向に流動する流速を低下させ、エッチングチャネルET中のアンダーカットを減少させている。
【0026】
本発明は冗長回線層130の冗長回線131を設置することで、エッチングチャネルETの両側にある回路間の空間を同じにし、エッチングチャネルETの両側で流速に差異が生じる問題を減少させ、エッチングチャネルET中で横方向に流動してアンダーカットが発生しないようにしている。
【0027】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0028】
100 フレキシブル基板の配線構造
110 フレキシブル基板
111 表面
120 回路層
121 第1インナーリード
121a 第1接続端
122 第2インナーリード
122a 第2接続端
123 逆U字接続回路
123a 第1接続部分
123b 第2接続部分
123c 水平部分
123d 第1突起部分
123e 第2突起部分
124 水平インナーリード
124a 水平接続端
130 冗長回線層
131 冗長回線
CA チップ実装エリア
B1 第1バンプ設置点
B2 第2バンプ設置点
D1 第1間隔
D2 第2間隔
ET エッチングチャネル
W 幅
L1 第1距離
L2 第2距離
B3 第3バンプ設置点
D3 第3間隔
図1
図2
図3