(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160925
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】基板容器保護装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20241108BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/86
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197923
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】63/500266
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/516865
(32)【優先日】2023-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】潘 詠▲晋▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ちゅ▼ 育辰
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲啓▼専
(72)【発明者】
【氏名】鍾 承恩
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA15
3E096BB03
3E096CA01
3E096CB03
3E096FA07
5F131AA02
5F131CA05
5F131CA09
5F131CA12
5F131CA53
5F131GA13
5F131GA52
5F131JA16
5F131JA20
5F131JA22
5F131JA36
(57)【要約】
【課題】本発明は、基板容器保護装置に関するものであり、特に、基板容器内に搭載された基板を損傷から保護する基板容器保護装置を提供する。
【解決手段】基板容器保護装置は、容器門体と、基板を保持して固定するための制限器と、支持部材と、容器本体と互いに接合され固定されるための弾性接続部材と、静電気防止部材と、を含み、前記静電気防止部材は、弾性干渉によって静電気消散経路を提供することにより、基板に静電気防止する。本発明の基板容器保護装置は、基板容器の基板保護性能を向上させるとともに、振動、ダスト、静電気等が原因での基板への危害を解決することができる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板容器に用いられ、
前記基板容器は、容器本体と容器門体とを含み、前記容器門体は、前記容器本体と互いに閉じるように用いられ、前記容器本体内には、少なくとも支持部材及び基板を収納するための収納部が設けられ、前記容器門体には、陥凹部が設けられている基板容器保護装置であって、
前記容器門体の前記陥凹部に設けられる制限器を含み、
前記制限器は、
前記容器門体に設けられた台座、及び前記台座に枢着された少なくとも1つの可動片を含み、
前記可動片は、枢転側及び自由側を含み、
前記枢転側は、前記容器本体の前記支持部材を支持し、
前記自由側は、前記枢転側の支持力に応じて外に展開して前記基板を支持し、又は前記自由側は、内に収縮することにより、前記制限器によって前記収納部の頂面の高さが前記容器門体の内表面の高さよりも低くなることを特徴とする基板容器保護装置。
【請求項2】
前記制限器は、前記台座と前記可動片との間に設けられる弾性部材を更に含み、前記弾性部材は、前記枢転側の前記支持力に基づいて、前記自由側の外に展開し、又は内に収縮する可動状態の弾性変形量を提供することを特徴とする請求項1に記載の基板容器保護装置。
【請求項3】
前記可動片の数量が2つであるとき、前記2つの前記可動片の前記枢転側が互いにずれて設けられ、前記枢転側が前記容器本体に位置する前記支持部材を支持することを特徴とする請求項1に記載の基板容器保護装置。
【請求項4】
前記容器門体の前記陥凹部に設けられる係止部材を更に含み、前記係止部材は、前記制限器を脱着可能に装設することを特徴とする請求項1に記載の基板容器保護装置。
【請求項5】
前記容器門体の前記陥凹部に設けられる位置限定部材を更に含み、前記位置限定部材は、前記制限器を固定するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の基板容器保護装置。
【請求項6】
基板容器に用いられ、
前記基板容器は、容器本体及び容器門体を含み、前記容器門体は、前記容器本体と互いに閉じるように用いられ、前記容器本体には、複数個の係止溝を有する基板容器保護装置であって、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制限器と、
基板を支持する複数個の支持部材とを含み、
それぞれの前記支持部材は、
前記支持部材の頂面に位置し、対応して前記複数個の係止溝に収納される、突部と、
前記突部に設けられ、剛性接続部材及び弾性接続部材を含む、補強支持部と、を含み、
前記弾性接続部材は、延伸部及び接合部を含み、前記延伸部の一端は、前記剛性接続部材に接続され、前記延伸部の他端は、前記接合部に接続され、前記接合部と前記容器本体の前記係止溝とは、互いに接合され、
前記剛性接続部材の硬度は、前記弾性接続部材の硬度より大きいことを特徴とする基板容器保護装置。
【請求項7】
前記剛性接続部材が、前記突部内に埋設されることを特徴とする請求項6に記載の基板容器保護装置。
【請求項8】
基板容器に用いられ、
前記基板容器は、容器本体、基座及び少なくとも一つの支持部材を含み、前記基座は、前記容器本体の底部に設けられ、前記支持部材は、前記容器本体の収納部内に設けられ、前記基座及び前記支持部材の材料は、静電気消散材料である基板容器保護装置であって、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制限器と、
前記容器本体の前記底部と前記基座との間に設けられる、少なくとも1つの静電気防止部材と、を含み、
静電気防止部材は、
前記容器本体の底部に設けられるともに、前記支持部材に接続される固定部と、
一端が前記固定部に接続され、他端が弾性的に前記基座の内表面を支持する弾性接続部材と、を含み、
前記支持部材、前記静電気防止部材及び前記基座が静電気消散経路を形成することを特徴とする基板容器保護装置。
【請求項9】
前記容器本体の前記底部と前記基座とが、干渉排除構造を形成し、前記静電気防止部材が前記干渉排除構造内に設けられることを特徴とする請求項8に記載の基板容器保護装置。
【請求項10】
前記静電気防止部材と前記支持部材の数量がそれぞれ複数である場合、複数個の前記静電気防止部材が、前記支持部材の位置ごとに対応して配置されることを特徴とする請求項8に記載の基板容器保護装置。
【請求項11】
前記静電気防止部材は、導電接続部材を更に有し、前記導電接続部材は、前記固定部が前記容器本体の前記底部を通じて前記支持部材に連結されることを特徴とする請求項8に記載の基板容器保護装置。
【請求項12】
前記導電接続部材の頂面の高さは、前記固定部の前記基座に向いた頂面の高さよりも低いことを特徴とする請求項11に記載の基板容器保護装置。
【請求項13】
前記導電接続部材が、金属ねじであり、前記固定部は、ねじ孔を有し、前記金属ねじは、対応する前記ねじ孔にロックすることにより、前記静電気防止部材が前記容器本体の前記底部を通じて前記支持部材に連結されることを特徴とする請求項11に記載の基板容器保護装置。
【請求項14】
前記固定部は、前記導電接続部材に固着されることを特徴とする請求項11に記載の基板容器保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板容器保護装置に関するものであり、特に、基板容器内に搭載された基板を損傷から保護する基板容器保護装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業における電子部品関連の片状物製品、例えば、電子回路基板、ウエハ、トレイ(tray)、ガラスなどの片状物基板について、保護、搭載、又は搬送するために、しばしば容器でこれらの片状物基板を収納する必要があり、これらの電子部品関連製品又は半導体製造プロセス関連部品の片状物基板を搭載する容器では、内部に保管して搭載された基板の損傷を回避するように、優れた基板容器保護施策を講じる必要がある。
【0003】
既存の基板容器について、非円形基板を搭載する場合を例とすると、いずれも門体が組み合わせられ、かつ門体には、基板変位を制限する制限器が設けられている。非円形基板が基板容器の搭載空間内に収納されているとき、非円形基板から基板容器の開口までの距離は、円形基板から基板容器の開口までの距離よりも長いので、制限器の構造は、非円形基板の側縁まで支持するために、門体の内表面から突き出るように設計される必要があり、これにより、容器の中の基板を固定することができる。この固定により、基板は、搬送過程において振動したり、揺れたりすることがない。しかし、基板容器がロードポート(load port)に搬送されるともに、基板の取放しを行うために門体を開く必要がある場合、制限器が門体の内表面に突き出ているため、機械アームが門体を取り出してロードポートに収納する際に、干渉を受けて、ひいては動作異常が発生しまうことがある。
【0004】
また、従来の基板容器内には、支持部材が設けられるともに、基板、例えば、非円形基板を搭載するために、複数個のトレイが支持部材上に設けられており、積み重ねられたトレイを利用して基板に対して搭載及び積載搬送を繰り返して行う。しかし、トレー及び基板を搭載する基板容器全体の重量は、トレーのない基板容器よりもはるかに重いため、支持部材は、搭載重量と搬送時の下向きの作用力とを受けることにより、支持部材と基板容器との接合箇所に隙間が生じ、ひいては摩擦によってダスト汚染を引き起こし、さらに、支持部材が基板容器内から落下して基板を損傷させることもある。
【0005】
機構干渉や摩擦によるダスト汚染に加えて、静電干渉によって生じた基板の破損や機能性の損失も大きな関心を集めている。トレイ及び基盤を搭載するのに用いられる既存の基板容器は、静電破壊の問題に対していかなる解決策も提供していない。
【0006】
したがって、震動や摩擦が原因で生じた基板の磨耗損傷及びダスト汚染、並びに静電干渉によって生じた微細構造の破壊や機能性の損失など、基板に関わる諸問題の解決方法は、業界が克服する必要のある難題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主要な目的は、制限器の構造設計を改良することであり、基板を支持固定するのに用いられる制限器が門体の内表面に突出しているということが原因で、自動化システムが門体を移載して収納するまでの過程において、制限器の干渉を受けて、動作異常が発生するという、従来の基板容器の問題を解決することができる。
【0008】
本発明のもう一つの目的は、支持部材の構造設計を改良することであり、これにより、基板が振動や摩擦が原因で生じたダスト粒子が引き起こす基板損傷のリスクを解決することができる。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、新規な静電気防止部材を提供することであり、これにより、基板容器内の基板が静電破壊により損傷する問題を解決することができる。
【0010】
本発明の一態様は、基板容器に用いられ、基板容器は、容器本体と容器門体とを含み、容器門体は、容器本体と互いに閉じるように用いられ、容器本体内には、少なくとも支持部材及び基板を収納するための収納部が設けられ、容器門体には、陥凹部が設けられている基板容器保護装置を提供する。基板容器保護装置は、容器門体の陥凹部に設けられる制限器を含み、制限器は、容器門体に設けられた台座、及び台座に枢着された少なくとも1つの可動片を含み、可動片は、枢転側及び自由側を含み、枢転側は、容器本体の支持部材を支持し、自由側は、枢転側の支持力に応じて外に展開して基板を支持し、又は自由側は、内に収縮することにより、制限器によって収納部の頂面の高さが容器門体の内表面の高さよりも低くなる。
【0011】
一実施例において、制限器は、台座と可動片との間に設けられる弾性部材を更に含み、弾性部材は、枢転側の支持力に基づいて、自由側の外に展開し、又は内に収縮する可動状態の弾性変形量を提供する。
【0012】
一実施例において、可動片の数量が2つであるとき、2つの可動片の枢転側が互いにずれて設けられ、枢転側が容器本体に位置する支持部材を支持する。
【0013】
一実施例において、容器門体の陥凹部に設けられる係止部材を更に含み、係止部材は、制限器を脱着可能に装設する。
【0014】
一実施例において、容器門体の陥凹部に設けられる位置限定部材を更に含み、位置限定部材は、制限器を固定するために用いられる。
【0015】
本発明の一態様は、基板容器に用いられ、基板容器は、容器本体及び容器門体を含み、容器門体は、容器本体と互いに閉じるように用いられ、容器本体には、複数個の係止溝を有する基板容器保護装置を提供する。また、基板容器保護装置は、上述の態様の制限器と、基板を支持する複数個の支持部材とを含み、それぞれの支持部材は、支持部材の頂面に位置し、対応して複数個の係止溝に収納される、突部と、突部に設けられ、剛性接続部材及び弾性接続部材を含む、補強支持部と、を含み、弾性接続部材は、延伸部及び接合部を含み、延伸部の一端は、剛性接続部材に接続され、延伸部の他端は、接合部に接続され、接合部と容器本体の当該係止溝とは、互いに接合され、剛性接続部材の硬度は、弾性接続部材の硬度より大きい。
【0016】
一実施例において、剛性接続部材が、突部内に埋設される。
【0017】
本発明の一態様は、基板容器に用いられ、基板容器は、容器本体、基座及び少なくとも一つの支持部材を含み、基座は、容器本体の底部に設けられ、支持部材は、容器本体の収納部内に設けられ、基座及び支持部材の材料は、静電気消散材料である基板容器保護装置を提供する。基板容器保護装置は、上述の制限器と、容器本体の底部と基座との間に設けられる、少なくとも1つの静電気防止部材と、を含み、静電気防止部材は、容器本体の底部に設けられるともに、支持部材に接続される固定部と、一端が固定部に接続され、他端が弾性的に基座の内表面を支持する弾性接続部材と、を含み、支持部材、静電気防止部材及び基座が静電気消散経路を形成する。
【0018】
一実施例において、容器本体の底部と基座とが、干渉排除構造を形成し、干渉排除構造内が、支持部材の下方の容器本体の底部に位置し、静電気防止部材が干渉排除構造内に設けられる。
【0019】
一実施例において、静電気防止部材の数量が複数であり、かつと支持部材の数量が複数である場合、複数個の静電気防止部材が、支持部材の位置ごとに対応して配置される。
【0020】
一実施例において、静電気防止部材は、導電接続部材を更に有し、導電接続部材は、固定部が容器本体の底部を通じて支持部材に連結される。
【0021】
一実施例において、導電接続部材の頂面の高さは、固定部の基座に向いた頂面の高さよりも低い。
【0022】
一実施例において、導電接続部材が、金属ねじであり、固定部を容器本体の底部を通じて支持部材の底部にロックする。
【0023】
一実施例において、固定部が導電接続部材に固着されることにより、静電気防止部材は、容器本体の底部を通じて支持部に接続される。
【0024】
一実施例において、固定部は、ねじ孔を有し、金属ねじは、対応するねじ孔にロックすることにより、静電気防止部材が容器本体の底部を通じて支持部に連結される。
【0025】
本発明の基板容器保護装置は、基板が基板容器内に保管して搭載されるときに、制限器によって挟持され固定されるので、変位や振動が生じないようにすることができるだけでなく、制限器の設置は、機構と部材との間に望まない干渉が生じないようにし、効率的な基板の保護、並びに静電気からの保護等の多くの諸機能を兼備している。これにより、容器内の基板を保護するともに、容器内での基板の積載や搬送時の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】本発明における一実施例の基板容器保護装置が用いられた容器本体を示す斜視図である。
【
図1B】本発明における一実施例の基板容器保護装置の容器門体を示す斜視図である。
【
図2】本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器を示す分解図である。
【
図3】本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器を示す斜視図である。
【
図4】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器の正面図である。
【
図5A】本発明における一実施例の基板容器保護装置における制限器の
図4のA-A”線に沿った断面作動図である。
【
図5B】本発明における一実施例の基板容器保護装置における制限器の
図4のA-A”線に沿った断面作動図である。
【
図5C】本発明における一実施例の基板容器保護装置における制限器の
図4のA-A”線に沿った断面作動図である。
【
図6A】本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器が、容器門体に取り付けられる前を示す模式図である。
【
図6B】本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器が、容器門体に取り付けられた後を示す模式図である。
【
図8A】本発明における一実施例の基板容器保護装置の支持部材を示す斜視図である。
【
図8B】本発明における一実施例の基板容器保護装置の弾性接続部材を示す斜視図である。
【
図8C】本発明における一実施例の基板容器保護装置の弾性接続部材が剛性接続部材に接続されたことを示す斜視図である。
【
図9】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器を示す斜視図である。
【
図10】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器を示す分解図である。
【
図11】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた静電気防止部材と支持部材と基座とが電気的に接続された箇所を示す例示的な拡大図である。
【
図12】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた静電気防止部材と支持部材と基座とが電気的に接続された箇所を示す例示的な拡大図である。
【
図13】本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術内容を詳細に説明するため、以下に実施形態を併せるともに、図面を合わせてさらに説明する。なお、本文の内容における「第一」、「第二」、「第三」などの用語は、それぞれの部品間の違いを区別するために用いられるものであり、部品そのものを限定するものでも、部品の特定の順序を示すものでもない。また、本文の内容において、具体的な数量を特に指定していない場合、「一」は、一個の部品又は一個より多いの部品を指す。
【0028】
本発明の目的、特徴、及び効果を十分に理解できるように、以下に具体的な実施例を、図面と合わせて詳細に説明する。
【0029】
図1A乃至
図4を同時に参照されたい。
図1Aは、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた容器本体100を示す斜視図である。
図1Bは、本発明における一実施例の基板容器保護装置の容器門体200を示す斜視図である。
図2は、本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器を示す分解図である。
図3は、本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器を示す斜視図である。
図4は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器10の正面図である。
【0030】
基板容器10は、容器本体100を含み、容器本体100内には、少なくとも1つの支持部材110及び基板600を収納するための収納部150が設けられ、本実施例の基板600は、非円形の片状物製品を例とする場合、例えば、トレイに搭載したウエハや回路基板である。本実施例において、複数個の基板600を互いに積み重ねて収納できるために、基板600を収納するニーズを満たすように、対応して複数個の支持部材110を配置し、また、2組を収納できる積み重ねられた複数個の基板600を例とした場合、十分な基板支持能力を提供するために、間隔をおいて分布する3つの支持部材110が容器本体100内に設けられるともに、2組の積み重ねられた複数個の基板600の隣合側に位置する。
【0031】
基板容器10は、容器門体200を含み、容器門体200は、容器本体100と互いに閉合するのに用いられる。容器門体200の、収納部150方向に向かう内表面201には、陥凹部210が設けられている。基板容器保護装置は、容器門体200の陥凹部210に設けられた制限器300を含む。制限器300の細部構造についてさらに説明する。制限器300は、台座310と、少なくとも1つの可動片320を含む。台座310は、容器門体200の陥凹部210に設けられ、かつ容器門体200の内表面201から離れている。ここでは、可動片320の数量が2つである場合を例とし、2組の積み重ねられた複数個の基板600を支持するようにする。可動片320は、第一部分である枢転側321、及び枢転側321に接続される第二部分である自由側322を含む。可動片320は、枢軸330を通じて台座310に枢着され、また、2つの可動片320の枢転側321は、互いにずれて設けられる。
【0032】
制限器300は、台座310と可動片320との間に設けられる弾性部材340をさらに含む。弾性部材340は、枢転側321の支持力に基づいて、自由側322の、外への展開と内への収縮である、可動状態の弾性変化量を提供する。弾性部材340は、ばね、ねじりばね、又はその他の弾性変位エネルギーを蓄積又は放出できる部品である。枢転側321は、容器本体100の支持部材110を支持するのに用いられ、ここで枢転側321は、収納部150の中心位置に位置する支持部材110を支持し、自由側322は、2組の積み重ねられた複数個の基板600の位置に対応する。例えば、可動片320の枢転側321と自由側322とは、枢軸330を支点として、シーソー原理のように作動し、枢転側321が上向きに反り上がると、自由側322は、対応して下向きになり、その逆も同様である。枢転側321が支持部材110に当接すると、自由側322は、枢転側321の支持力に基づいて、対応して外に展開するともに、基板600を支え、又は自由側322が内側に収縮することにより、制限器300の、収納部150に向いた頂面の高さが容器門体200の内表面201の高さより低くなる、即ち、自由側322が内に収縮した場合、制限器300全体は、いずれも陥凹部210内に位置し、容器門体200の内表面201の平面の高さを超えていない。
【0033】
次に、本発明の新規な制限器構造設計を応用することにより、基板を支持固定するのに用いられる制限器が門体の内表面に突出しているということが原因で、自動化システムが門体を移載して収納するまでの過程において、制限器の干渉を受けて、動作異常が発生するという、従来の基板容器の問題を解決する方法について説明する。本発明における一実施例において、弾性部材340により、可動片320の第一部分である枢転側321が、第二部分である自由側322に対して、より突出する位置に保たれ、本文において、枢転側321が自由側322よりも突き出るの高さの状態を第一状態位置と定義する。また、可動部品320の第一部分である枢転側321が力を受けて下押しされると、可動片320の第二部分である自由側322は、第一部分である枢転側321に対して、より高く突出する位置まで反り上がり、本文において、第二部分である自由側322が第一部分である枢転側321よりも高く突出しているの高さを有している状態を第二状態位置と定義する。
【0034】
図5A乃至
図5Cは、本発明における一実施例の基板容器保護装置の
図4のA-A”線に沿った断面作動図である。
図5Aは、支持部材110が制限器300の可動片320に接触していない状態、すなわち可動片320が第一状態位置にある状態を示している。また、
図5Bは、支持部材110が制限器300の可動片320の第一部分である枢転側321に接触したばかりの状態、すなわち可動片320が第一状態位置から第二状態位置へと変化し始めた状態を示している。
図5Cは、支持部材110が制限器300の可動片320の第一部分である枢転側321に当接して、当該枢転側321を押し付けた状態、すなわち可動片320が第二状態位置にある状態を示している。可動片320が第一状態位置にある場合、可動片320の第一部分である枢転側321は、制限器300及び可動片320全体の台座310からの最も遠い点、すなわち可動片320の第一部分である枢転側321は、可動片320全体の最も高い点となる。これにより、第一部分である枢転側321が、最も早く対応される他の部品と接触することができる(例えば支持部材110が当接し接触する、一実施例において、即ち中央に位置する支持部材110が当接し接触する)。
【0035】
本発明における一実施例において、容器本体100の両内側及び中心位置には、それぞれ支持部材110が設けられ、配置位置は、容器本体100の両側及び中心位置であり、隣接する支持部材110の間には、それぞれ基板600を搭載する、第一搭載部151及び第二搭載部152に分けられる2つの収納部が定義される。
図5Aに示すように、容器門体200が容器本体100から取り外されたとき、枢転側321は支持力を受けないため、弾性部材340は弾性解放状態となり、このとき、可動片320は第一状態位置にあり、枢転側321は、制限器300全体においての高さが最も高い部分(即ち、最も突出している部分)であり、枢転側321の頂面の高さHは、容器門体200の内表面201の高さを超えていない。制限器300全体がいずれも陥凹部210の中に一しているので、機械アームが容器門体200を取り出してロードポートに収納するとき、完全に制限器300の干渉を受けることなく、容器門体200をスムーズに収納することができる。これにより、従来の制限器が干渉によりシステム異常を起こす問題を克服することができる。
【0036】
また、
図5Bから
図5Cに示すように、容器門体200が容器本体100に近づくと、可動片320の第一部分である枢転側321が、最初に、中央に位置する支持部材110に接触し、容器門体200が容器本体100の収納部に近づくにつれて、支持部材110の第一部分である枢転側321に当接して付勢する力が大きくなるため、このとき、弾性部材340が弾性圧縮により弾性エネルギーを蓄積する。また、同時に、弾性部材340は、台座310上の枢軸330を回転させることにより、第二部分である自由側322が連動して、制限器300の台座310から遠ざかるともに外に展開し、第一搭載部151及び第二搭載部152に向かって近づき、容器門体200と容器本体100とが完全に閉じると、可動片320は、第二状態位置にある、即ち、自由側322が収納部に向かって伸び広がる幅は、第一搭載部151及び第二搭載部152における基板600に当接し、それらを固定するのにちょうど十分である。容器門体200が閉じた状態を解除して、もう一度開くとき、支持部材110が第一部分である枢転側321に対して与える力を解除するので、弾性部材340に弾性位置エネルギーを放出させることにより、可動片320は、
図5Aの状態、即ち、第一状態位置に再度戻り、同時に、台座310上の枢軸330が回転することにより、第二部分である自由側322も元の位置に戻る。
【0037】
図6A及び
図6Bは、それぞれ本発明における一実施例の基板容器保護装置の制限器が、容器門体に取り付けられる前と後とを示す模式図である。本発明における一実施例において、基板容器保護装置は、容器門体200の陥凹部210に設けられた係止部材220をさらに含み、制限器300は、係止部材220に嵌め込まれ、係止方式で容器門体200の陥凹部210に取り付けられ、例えば、取り付け方向IDに沿って係止部材220に嵌め込み、これにより、必要に応じて制限器300を柔軟に脱着可能である。基板容器保護装置は、容器門体200の陥凹部210に設けられた位置限定部材230をさらに含む。
図6Bの矢印で示すように、位置限定部材230は、制限器300の位置決め位置Lを提供することにより、制限器300が振動やその他原因で予期せず滑り落ちたり脱落したりするのを防ぐことができる。
【0038】
本発明は、支持の不安定さにより、基板容器との間に隙間や振動、摩擦がダスト汚染や基板損傷を引き起こすという従来の支持部品の問題を更に解決する。本実施例は、前述の基板容器と制限器とに用いられる、同一の部品構造、同一の部品符号及び機能についての再度の説明は省略し、相違点のみ説明する。
図7A乃至
図8Cを参照されたい。
図7Aは、
図1AのB-B”線に沿った断面上面図である。
図7Bは、
図7Aの支持部材の部分拡大図である。
図7Cは、
図7Aの支持部材の部分拡大斜視図である。
図8Aは、本発明における一実施例の基板容器保護装置の支持部材を示す斜視図である。
図8Bは、本発明における一実施例の基板容器保護装置の弾性接続部材を示す斜視図である。
図8Cは、本発明における一実施例の基板容器保護装置の弾性接続部材が剛性接続部材に接続されたことを示す斜視図である。
【0039】
容器本体100は、複数個の係止溝101を有し、基板容器保護装置は、基板600を支持するために、複数個の支持部材110を含む。それぞれの支持部材110は、突部111と補強支持部112を含む。突部111は、容器本体100の係止溝101に対応して収納されるように、支持部材110の頂面に位置しており、これにより、支持部材110を係止溝101を介して容器本体100内に固定する。補強支持部112(reinforced support)は、突部111上に設置され、補強支持部112は、剛性接続部材120及び弾性接続部材130を含む。弾性接続部材130は、延伸部131及び接合部135を含み、延伸部131の一端は、剛性接続部材120に接続され、延伸部131の他端は、接合部135に接続され、接合部135は、容器本体100の係止溝101と連結されている。
図7B及び
図7Cに示すように、延伸部131は、係止溝101の外に延伸し、接合部135は、係止溝101の外側部に接合されている。これにより、支持部材110が容器本体100内に安定的に固定されるという把持効果を提供することができる。ここで、より明確な説明のために、
図7Cの係止溝101は、弾性接続部材130の延伸部131を可視化するために、透視されている。ここで、剛性接続部材120の材料の硬度は、弾性接続部材130の材料の硬度よりも大きい。剛性接続部材120は、安定的に固定するために、突部111内に埋設することができる。剛性接続部材120と支持部材110とは、同じ材料であってもよい。剛性接続部材120と支持部材110とは、一体に形成して設けられるが、これに限られない。
【0040】
具体的には、支持部材110を容器本体100に取り付けるとき、支持部材110全体は、容器本体100の開口から平行に滑り込ませて収納部150に収納され、突部111を係止溝101に挿入すると、このとき弾性接続部材130の接合部135は、突部111の側表面に突き出るように延伸しているため、接合部135が力を受けることにより、弾性接続部材130が弾性変形し、支持部材110と容器本体100とが完全にかみ合うと、弾性接続部材130が弾性変形を解除し、接合部135が係止溝101の外側部に接合する。これにより、支持部材110が容器本体100から脱落するのを防ぐことができる。弾性接続部材130は、剛性接続部材120と係止溝101との間の接続及び緩衝の部品として機能し、接続固定の作用があるだけでなく、両者間の衝撃力や摩擦力を吸収することもできるので、支持部材110全体が容器本体100に安定的にかみ合う。これにより、摩擦による粉じんの発生を防ぎ、衝撃による部品のひび割れや劣化を防止でき、落下や振動が発生しても、支持部材110は、容器本体100から脱落しない。
【0041】
本発明における一実施例において、弾性接続部材130の延伸部131は、延伸部131の弾性を向上させ、その弾性材質が変形したときの耐久性を高めるために、孔132を有している。
【0042】
本発明における一実施例において、剛性接続部材120の材質は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、炭素繊維及びAPWA材料の混合物を採用でき、弾性接続部材130に比べて、より優れた剛性を有する。
【0043】
本発明における一実施例において、弾性接続部材130の材質は、ポリカーボネート及びナノカーボンチューブ材料の組み合わせを採用でき、弾性接続部材130に比べて、より優れた弾性を有するともに、容器本体100と摩擦して粉じんが発生しにくい。しかしながら、本発明はこれに限らず、剛性接続部材120及び弾性接続部材130の材質は、必要に応じて調整変更することができる。ただし、剛性接続部材120の材質の硬度は、補強支持部112が突部111から断裂するのを避けるために、弾性接続部材130の硬度よりも大きくする必要がある。
【0044】
このように、本発明の基板容器保護装置は、弾性接続部材と剛性接続部材を組み合わせた支持部材により、適切に荷重を支え、容器本体に安定的に固着することができるので、間隙、振動、摩擦が原因でダスト汚染や損傷が発生するという問題を防止することができる。
【0045】
本発明の一形態は、基板容器に対して静電気防止を行うことができる、基板容器保護装置をさらに提供する。本実施例は、前述の基板容器、制限器、支持部材が用いられた、同一の部品構造、同一の部品符号及び機能についての再度の説明は省略し、相違点のみ説明する。
図9~13を参照されたい。
図9は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器10を示す斜視図である。
図10は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器を示す分解図である。
図11は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた静電気防止部材と支持部材と基座とが電気的に接続された箇所を示す例示的な拡大図である。
図12は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた静電気防止部材と支持部材と基座とが電気的に接続された箇所を示す例示的な拡大図である。
図13は、本発明における一実施例の基板容器保護装置に用いられた基板容器を示す分解図である。基板容器10は、容器本体100、基座400及び支持部材110を含む。基座400は、容器本体100の底部102に設けられ、支持部材110は、容器本体100の収納部150に設けられ、基座400及び支持部材110の材料は、静電気消散材料である。基板容器保護装置は、容器本体100の底部102と基座400との間に設けられる静電気防止部材500を含む。支持部材110は、静電気防止部材500を介して基座400に電気的に接続され、支持部材110、静電気防止部材500が、基座400との間に静電気消散経路を形成するので、電荷を基座400を介して電気的に伝導し排除することができ、支持部材110が搭載された基板600に電荷が蓄積するのを防ぎ、静電気防止の機能を奏することができる。
【0046】
本発明における一実施例において、複数個の静電気防止部材500を設けることにより、支持部材110と基座400とを電気的に接続し、異なる位置で静電気の電荷を排除することができる。
【0047】
図10及び
図13を参照されたい。本発明における一実施例において、基座400は、標準構造設計において、機台上の3つの位置決めピン(KC Pin)に対応する3つの位置決め溝を有することにより、基板容器は、機台において位置決めされることができる。したがって、本発明は、標準構造条件を回避して、静電気防止部材500を取り付けるために、新規な干渉排除構造410を設計する。干渉排除構造410は、基座400と容器本体100の底部102との間に設けられる。このように、基座400と容器本体100を変更しない標準構造において静電気防止部材500を収納し、干渉なく静電気防止部材500を設けることにより、新規な機能である静電気消散経路を付与することができる。干渉排除構造410は、突出干渉構造を有しない平坦な部分であるか、導電接触部が凸設されており、干渉排除構造410は、容器本体100の1つ又は複数個の支持部材110の下方に対応して定義形成される。これにより、静電気防止部材500は、支持部材110の位置に対応して、干渉排除構造410内に対応して設けられることができる。
【0048】
本発明における一実施例において、
図10に示すように、静電気防止部材500及び支持部材110の数量がいずれも複数個である場合、これらの静電気防止部材500は、それぞれの支持部材110の位置に対応して設けられる。本実施例において、
図10及び
図13を同時に参照すると、間隔をおいて分布する3つの支持部材110は、容器本体100内に設けられるともに、2組の積み重ねられた複数個の基板600の隣合側に位置する。容器本体100の両内側に位置する支持部材110の下方において、その対応する容器本体100の底部102と基座400の内表面401との間の干渉排除構造410は、平坦な部分であってもよい。容器本体100の中心位置に配置された支持部材110の下方において、その対応する容器本体100の底部102と基座400の内表面401との間の干渉排除構造410は、導電接触部が凸設されてもよい。例えば、容器本体100の底部102には、第一導電接触部103が凸設され、基座400の内表面401には、第二導電接触部402が凸設され、第一導電接触部103と第二導電接触部402は、ドッキング連結するともに、静電気防止部材500を収納可能な空間が形成され、容器本体100と基座400とを干渉することない構造条件において、支持部材110と基座400とを接続させることができる。これにより、静電気の電荷を排除し、静電気消散経路を実現することができる。
【0049】
静電気防止部材500の細部構造設計についてさらに説明すると、
図11に示すように、静電気防止部材500は、固定部510と弾性接続部材520とを含む。固定部510は、容器本体100の底部102に直接設けられるともに、支持部材110に接続される。弾性接続部材520の一端は、固定部510に接続され、他端は、基座400の内表面401上の構造を柔軟に支持する。容器本体100の底部102と基座400の内表面401との間には間隙があるため、その間隙の高さは、静電気防止部材500を設けるのに十分であり、継続的な静電気消散機能を維持するために、弾性接続部材520は、弾性長さと弾性曲度を有し、弾性接続部材520の固定部510から離れる一端は、基座400の内表面401と支持接触するともに、電気的に接続しており、弾性接続部材520が延伸した弾性長さと、基座400内の内表面401との間には、十分な弾性干渉距離が形成される。弾性接続部材520の弾性曲度は、固定部510から離れており、弾性曲度は、基座400の内表面401に向かって支持し、柔軟に干渉するともに、蓄積された静電気の電荷を排除すると同時に、接触摩擦を減少させ、支持平滑度を向上させることができる。弾性曲度は、上係合構造521であってもよく、これにより、静電気防止部材500の弾性接続部材520と基座400とが電気的接続することができる接触可能面積を増加させることに役立つ。
【0050】
本発明における一実施例において、
図12に示すように、静電気防止部材500は、導電接続部材420をさらに含み、導電接続部材420は、固定部510を容器本体100の底部102を介して支持部材110に接続するのに用いられる。固定部510は、導電接続部材420に固着されるともに、電気的接続ECが保たれる。導電接続部材420は、例えば、金属ねじであり、固定部510は、ねじ孔(図示しない)を有し、金属ねじがねじ孔に対応してロックすることにより、静電気防止部材500は、容器本体100の底部102を介して支持部材110に接続されることができる。導電接続部材420の頂面の高さは、固定部510の基座400に向いた内表面401の頂面の高さよりも低い。導電接続部材420は、基座400の内表面401に接触することなく、かつ直接干渉力を受けることない状況で、支持部材110の静電気防止を実現することができる。本発明の導電接続部材420は、容器本体100の底部102を介して支持部材110に直接接続されるため、基座400と容器本体100との組み合わせに影響しない。したがって、本発明は、ねじを用いて基座400から容器本体の底部を介して支持部材にロックする場合に、ねじの締め付け力の大きさによって生じる、支持部材の高さ寸法、細部寸法の変化又は、支持部材の変形や変位等の構造干渉による異常や製品の品質の低下等の従来の諸問題を解決することができる。
【0051】
静電気防止部材500は、異なる構造及び組み立て方法であってもよく、たとえば、静電気防止部材500の固定部は、導電接続部材420に被せて設けられることにより、固定部510は、上下にスライドするともに、電気的接続を維持することができる。また、一実施例において、導電接続部材420の一端は、支持部材110に接続され、導電接続部材420の他端は、容器本体100に埋設され、静電気防止部材500の固定部510は、容器本体100に埋設されるともに、導電接続部材420と電気的に接続される。別の一実施例において、静電気防止部材500の固定部510は、容器本体100に穿設され、支持部材110に直接固定されるともに、電気的に接続される。上記のいかなる種類の静電気防止部材500が異なる構造又は組み立て方法であったとしても、基座と容器本体との間に静電気防止部材500が設けられるともに、基板容器内の基板が静電破壊によって損傷される問題を解決できる限り、本発明の技術的範囲に属する。
【0052】
本発明における一実施例において、静電気防止部材500の材質は、カーボンナノチューブを有する帯電防止性プラスチック、例えば、帯電防止性PCである。
【0053】
要約すると、本発明の基板容器保護装置は、制限器の構造設計を改良することにより、基板を支持固定するのに用いられる制限器が門体の内表面に突出しているということが原因で、自動化システムが門体を移載して収納するまでの過程において、制限器の干渉を受けて、ひいては動作異常が発生するという、従来の基板容器の問題を解決することができる。さらに、本発明は、基板を基板容器内に保管して搭載するときに、制限器によって挟持され固定されるので、変位や振動が生じないようにすることができるだけでなく、制限器の設置は、機構と部材との間に予期しない干渉が生じないようにすることができ、かつ弾性接続部材と剛性接続部材との組み合わせを有する支持部材も適切に荷重を支え、容器本体に安定的に固着することができるので、間隙、振動、摩擦が原因で、ダスト粒子を発生させる等の諸多汚染や損傷の問題を解決することができる。さらに、本発明は、本発明の基板容器保護装置の静電気防止部材と基座との干渉を静電放電(ESD防止)の接続として利用することにより、弾性のある静電気防止部材を基板容器の支持部材と基座の帯電防止接続の橋渡しとして利用することができる。これにより、容器内の基板を保護するという目的を達成するともに、基板の、容器内での積載や搬送時の安全性を向上させることができる。
【0054】
本発明は、上記においてより優れた実施例として既に開示されているが、当業者は、当該実施例が本発明を説明するためのものに過ぎないと理解すべきであり、本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。注意すべきことは、上記実施例及び前記実施例の等価変更や置換は、いずれも本発明の範疇内に含まれるものとして設定されるということである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により特定されたものに準じ、添付された特許請求の範囲に記載された請求項の発明の範囲は、すべての補正、類似するアレンジ及びフローがその中に含まれるように、もっとも広義な解釈を採用すべきである。
【符号の説明】
【0055】
10 基板容器
100 容器本体
101 係止溝
102 底部
103 第一導電接触部
110 支持部材
111 突部
112 補強支持部
120 剛性接続部材
130 弾性接続部材
131 延伸部
132 孔
135 接合部
150 収納部
151 第一搭載部
152 第二搭載部
200 容器門体
201 内表面
210 陥凹部
220 係止部材
230 位置限定部材
300 制限器
310 台座
320 可動片
321 枢転側
322 自由側
330 枢軸
340 弾性部材
400 基座
401 内表面
402 第二導電接触部
410 干渉排除構造
420 導電接続部材
500 静電気防止部材
510 固定部
520 弾性接続部材
521 上係合構造
600 基板
EC 電気的接続
H 頂面の高さ
ID 取り付け方向
L 位置限定位置