(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160934
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】拡大デバイスを備える、計時器のような携行型物品のためのブレスレット
(51)【国際特許分類】
A44C 5/00 20060101AFI20241108BHJP
A44C 5/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A44C5/00 F
A44C5/02 C
A44C5/02 B
A44C5/02 D
A44C5/02 E
A44C5/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024032092
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】23171138.3
(32)【優先日】2023-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ウィルマン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクヮーレ・トルトラ
(72)【発明者】
【氏名】マレク・ドヴィチク
(72)【発明者】
【氏名】ソフィ・ナーポリ
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ステュエス・ブルバン
(57)【要約】
【課題】 小さいものを観察可能な拡大デバイスを備えるブレスレットを提供する。
【解決手段】 本発明は、携行型物品(1)のためのブレスレット(10)に関し、第1のストランド(11)と第2のストランド(12)を備え、ストランド(11、12)それぞれには、携行型物品(1)のケース(2)に取り付けることができる第1の端があり、第1のストランド(11)は、第1の直径(L1)を有する第1の光学デバイス(21)を備え、第2のストランド(12)は、第1の光学デバイス(21)の第1の直径(L1)よりも小さい第2の直径(L2)を有する第2の光学デバイス(22)を備え、第1の光学デバイス(21)と第2の光学デバイス(22)は、第1のストランド(11)と第2のストランドの重なり合いによる、第1の光学デバイス(21)と第2の光学デバイス(22)の重なり合いが、第1の光学デバイス(21)によって構成する接眼体と、第2の光学デバイス(22)によって構成する対物体とを備える顕微鏡を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携行型物品(1)のためのブレスレット(10)であって、
第1のストランド(11)と第2のストランド(12)を備え、
前記ストランド(11、12)それぞれには、前記携行型物品(1)のケース(2)に取り付けることができる第1の端があり、
前記第1のストランド(11)は、第1の直径(L1)を有する第1の光学デバイス(21)を備え、
前記第2のストランド(12)は、前記第1の光学デバイス(21)の前記第1の直径(L1)よりも小さい第2の直径(L2)を有する第2の光学デバイス(22)を備え、
前記第1の光学デバイス(21)と前記第2の光学デバイス(22)は、前記第1のストランド(11)と前記第2のストランドの重なり合いによる、前記第1の光学デバイス(21)と第2の光学デバイス(22)の重なり合いが、前記第1の光学デバイス(21)によって構成する接眼体と、前記第2の光学デバイス(22)によって構成する対物体とを備える顕微鏡を形成する
ことを特徴とするブレスレット(10)。
【請求項2】
前記第1の光学デバイス(21)は、第1の光学レンズである
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項3】
前記第2の光学デバイス(22)は、第2の光学レンズである
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項4】
前記第1の光学デバイス(21)及び/又は前記第2の光学デバイス(22)は、合成材料、ポリマー材料、鉱物材料、好ましくはガラス又はサファイアガラス、によって作られている
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項5】
前記第1の光学デバイス(21)は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記第1のストランド(11)の厚み(e1)内に、搭載される
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項6】
前記第2の光学デバイス(21)は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記第2のストランド(12)の厚み(e2)内に、搭載される
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項7】
前記ブレスレット(10)は、前記ブレスレット(10)の前記第1のストランド(11)と前記第2のストランドが重なり合っているときに、前記第1の光学デバイス(21)と前記第2の光学デバイス(22)の間に隙間(d)があることを確実にするように構成している少なくとも1つのスペーサー(13、14)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレット(10)。
【請求項8】
前記ブレスレット(10)には、輪(13、14)があり、
前記少なくとも1つのスペーサーは、前記輪によって形成される
ことを特徴とする請求項7に記載のブレスレット(10)。
【請求項9】
前記ブレスレット(10)は、2つのスペーサー(13、14)を備える
ことを特徴とする請求項7に記載のブレスレット(10)。
【請求項10】
前記ブレスレット(10)には、前記2つのスペーサーを形成する第1の輪(13)と第2の輪(14)があり、
前記第1の輪(13)と前記第2の輪(14)は、前記第1のストランド(11)と前記第2のストランド(12)が重なり合っているときに、前記第1の光学デバイス(21)と前記第2の光学デバイス(22)の間に隙間(d)があることを確実にするように構成している寸法構成を有する
ことを特徴とする請求項9に記載のブレスレット(10)。
【請求項11】
2つの前記輪(13、14)は、前記第1の光学デバイス(21)又は前記第2の光学デバイス(22)を覆って前記光学デバイス(21、22)を保護するための要素を形成するように位置を調整可能である
ことを特徴とする請求項10に記載のブレスレット(10)。
【請求項12】
前記ブレスレット(10)は、前記第1の光学デバイス(21)と前記第2の光学デバイス(22)の同心重なり合いを確実にする手段を備える
ことを特徴とする請求項11に記載のブレスレット(10)。
【請求項13】
前記ブレスレット(10)は、重なり合った前記第1のストランド(11)と前記第2のストランド(12)を適切な位置に保持するための結合手段(13.5、14.5、17、18)を備える
ことを特徴とする請求項12に記載のブレスレット(10)。
【請求項14】
前記ブレスレット(10)は、皮革、金属性材料、ポリマー材料、合成材料、セラミックス材料、天然材料、生物由来材料、又は少なくとも2つのこれらの材料の組み合わせによって作られている
ことを特徴とする請求項13に記載のブレスレット(10)。
【請求項15】
携行型時計用ムーブメントを組み込んだケース(2)と、前記ケース(2)に取り付けられた請求項1に記載のブレスレットとを備える計時器である
ことを特徴とするウェアラブル物品(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器のような携行型物品のケース、例えば、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)のケース、に固定されるように意図されたブレスレットに関する。
【0002】
本発明は、特に、ウェアラブル(着用可能な)物品又は別の物品、例えば、計時器、の構成要素又は細部をユーザーが観察することを可能にする拡大デバイスを備えるブレスレットに関する。
【背景技術】
【0003】
拡大鏡やフレネルレンズのような拡大デバイスを組み込んだブレスレットやストラップが知られている。例えば、米国特許US5601222は、ストラップのストランドの1つに搭載された拡大細長材を組み込んだ携行型時計ストラップについて記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような拡大デバイスの拡大率は限られ、計時器に取り付けられた携行型時計用ムーブメントのような非常に小さな細部の観察には向いていない。
【0005】
したがって、このような拡大デバイスを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに関連して、本発明は、携行型物品のためのブレスレットを提案するものであり、このブレスレットは、第1のストランドと第2のストランドを備え、前記ストランドそれぞれには、前記携行型物品のケースに取り付けることができる第1の端があり、前記第1のストランドは、第1の直径を有する第1の光学デバイスを備え、前記第2のストランドは、前記第1の光学デバイスの前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の光学デバイスを備え、前記第1の光学デバイスと前記第2の光学デバイスは、前記第1のストランドと前記第2のストランドの重なり合いによる、前記第1の光学デバイスと第2の光学デバイスの重なり合いが、前記第1の光学デバイスによって構成する接眼体(eyepiece)と、前記第2の光学デバイスによって構成する対物体(objective)とを備える顕微鏡を形成する。
【0007】
本発明に係るブレスレットは、前の段落に記載した特徴に加えて、個々に又は任意の技術的に可能な組み合わせで考慮される、以下の特徴のうちの1つ又は複数の追加の特徴を有することができる。
- 前記第1の光学デバイスは、第1の光学レンズである。
- 前記第2の光学デバイスは、第2の光学レンズである。
- 前記第1の光学デバイスの前記第1の光学レンズの焦点距離f1は、100mmであり、前記第2の光学デバイスの前記第2の光学レンズの焦点距離f2は、27mmである。
- 前記第1の光学デバイス及び/又は前記第2の光学デバイスは、合成材料、ポリマー材料、鉱物材料、好ましくはガラス又はサファイアガラス、によって作られている。
- 前記第1の光学デバイスは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記第1のストランドの厚み内に、搭載される。
- 前記第2の光学デバイスは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、前記第2のストランドの厚み内に、搭載される。
- 前記ブレスレットは、前記ブレスレットの前記第1のストランドと前記第2のストランドが重なり合っているときに、前記第1の光学デバイスと前記第2の光学デバイスの間に隙間があることを確実にするように構成している少なくとも1つのスペーサーを備える。
- 前記ブレスレットには、輪があり、前記少なくとも1つのスペーサーは、前記輪によって形成される。
- 前記ブレスレットは、2つのスペーサーを備える。
- 前記ブレスレットには、前記2つのスペーサーを形成する第1の輪と第2の輪があり、前記第1の輪と前記第2の輪は、前記第1のストランドと前記第2のストランドが重なり合っているときに、前記第1の光学デバイスと前記第2の光学デバイスの間に隙間があることを確実にするように構成している寸法構成を有する。
- 2つの前記輪は、特に前記携行型物品が装着されているときに、前記第1の光学デバイス又は前記第2の光学デバイスを覆って前記光学デバイスを保護するための保護要素を形成するように位置を調整可能である。
- 前記ブレスレットは、前記第1の光学デバイスと前記第2の光学デバイスの同心重なり合いを確実にする手段を備える。
- 前記ブレスレットは、重なり合った前記第1のストランドと前記第2のストランドを適切な位置に保持するための結合手段を備える。
- 前記ブレスレットは、皮革、金属性材料、ポリマー材料、合成材料、セラミックス材料、天然材料、生物由来材料、又は少なくとも2つのこれらの材料の組み合わせによって作られている。
【0008】
本発明は、さらに、携行型時計用ムーブメントを組み込んだケースと、このケースに取り付けられた本発明に係るブレスレットとを備える計時器に関する。
【0009】
図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、本発明の目的、利点及び特徴が明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る携行型物品1を上から見た概略図である。
【
図2】
図1に示している携行型物品1を側方から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
すべての図において、共通の要素には、特に別の記載をしていないかぎり、同じ参照番号を割り当てている。
【0012】
図1は、本発明に係る携行型物品1を上から見た概略図である。
【0013】
図2は、
図1に示している携行型物品1を側方から見た概略図である。
【0014】
この携行型物品1は、ここで、ユーザーの手首に装着されるように意図された腕時計のような計時器の形態である。また、携行型物品1は、ブレスレットを介して手首などに装着されるように意図された任意の他の携行型物品であることができることが理解されるであろう。
【0015】
携行型物品1は、計時器用ムーブメント(簡明性のためにここでは示していない)などを受けるように設計されているケース2を備える。計時器用ムーブメントは、情報、例えば現在時刻、を表示する手段を担持し駆動する。
【0016】
また、携行型物品1は、フレキシブルな又は関節式のブレスレット10を備え、その2つの端は、ここでは詳細に説明しないアドホック固定システムを介して、ケース2のミドル部に、例えば取り外し可能に、結合されるように意図されている。
【0017】
ブレスレット10は、厚みe1を有する第1のストランド11と、厚みe2を有する第2のストランド12とを備え、これらのストランド11、12はそれぞれ、一端がケース2に取り付けられる。
【0018】
ブレスレット10は、典型的には、クラスプ15、例えば、ピンバックル、シングル又はダブルの折りたたみ式クラスプ、クリップ、スライド、スクラッチ式又は弾性のクラスプ、を備え、ブレスレット10のストランド11、12の他の2つの端どうしが取り付けられ、携行型物品1が手首に装着されることを可能にする。
【0019】
第1のストランド11は、少なくとも部分的に第1のストランド11の厚みe1内に搭載される、第1の光学デバイス21を備える。第1の光学デバイス21は、例えば、光学レンズである。
【0020】
第1の光学デバイス21は、第1の直径L1及び第1の焦点距離f1の特徴を有する。
【0021】
第2のストランド12は、少なくとも部分的に第2のストランド12の厚みe2内に搭載される第2の光学デバイス22を備える。第2の光学デバイス22は、例えば、光学レンズである。
【0022】
第2の光学デバイス22は、第2の直径L2及び第2の焦点距離f2の特徴を有する。
【0023】
第1の光学デバイス21の直径L1は、第2の光学デバイス22の直径L2よりも大きい。
【0024】
例えば、第1の光学デバイス21は、平凸状の光学レンズである。
【0025】
例えば、第1の光学デバイス21は、直径L1が15mm、焦点距離f1が60mm、中心厚みが2mmの光学レンズである。
【0026】
例えば、第2の光学デバイス22は、平凸状の光学レンズである。
【0027】
例えば、第2の光学デバイス22は、直径L2が9mm、焦点距離f2が13.5mm、中心厚みが2mmである光学レンズである。
【0028】
第1の光学デバイス21と第2の光学デバイス22が重なり合って、ブレスレット10は第1のストランド11と第2のストランド12が重なり合うことを可能にするように構成しており、これによって、第1の光学デバイス21によって形成される接眼体と、第2の光学デバイス22によって形成される対物体とからなる携行型顕微鏡タイプの拡大デバイスを作る。
【0029】
上記の光学デバイス21、22の光学性質を組み合わせ、それらを、接眼体としての第1の光学デバイス21と、対物体としての第2の光学デバイス22と、離間距離dを1.5mmにして重ね合わせることによって、焦点距離が11mmのオーダーの顕微鏡タイプの拡大デバイスが得られる。これは、×22のオーダーの拡大率に相当する。
【0030】
当然、前の段落で述べた重ね合わせは、ユーザーがこの物品を手首に装着していないときに可能である。
【0031】
携行型のブレスレット10の顕微鏡を形成するために、顕微鏡の接眼体を構成する第1の光学デバイス21を備える第1のストランド11は、顕微鏡の対物体を構成する第2の光学デバイス22を備える第2のストランド12の上に配置される。
【0032】
したがって、携行型顕微鏡を形成するために、
図2に示しているように、第1のストランド11は、ユーザー側にあるように意図されており、第2のストランド12は、観察対象物品A側にあるように意図されている。
【0033】
第1の光学デバイス21及び/又は第2の光学デバイス22は、合成材料、ポリマー材料又は鉱物材料によって作られている。
【0034】
好ましくは、第1の光学デバイス21及び/又は第2の光学デバイス22は、ガラス又はサファイアガラスによって作られている。
【0035】
好ましくは、完全に第1の光学デバイス21は、第1のストランド11の厚みe1内に搭載されている。したがって、第1のストランド11の厚みe1は、第1の光学デバイス21の厚みよりも大きい。
【0036】
例えば、第1の光学デバイス21は、第1のストランド11の少なくとも上側外面11.1又は下側外面11.2と面一である。
【0037】
例えば、第1の光学デバイス21は、第1のストランド11の上側外面11.1から突出してもよいが、携行型物品1を持ち運ぶ際の不快感を防ぐために、下側外面11.2から第1の光学デバイス21の一部が突出することは避けるべきである。
【0038】
好ましくは、第2の光学デバイス22は、完全に第2のストランド12の厚みe2内に搭載されている。このように、第2のストランド11の厚みe2は、第2の光学デバイス21の厚みよりも大きい。
【0039】
例えば、第2の光学デバイス22は、第2のストランド12の少なくとも1つの上側外面12.1又は下側外面12.2と面一である。
【0040】
例えば、第2の光学デバイス22は、第2のストランド12の上側外面12.1から突出してもよいが、携行型物品1を持ち運ぶ際の不快感を防ぐために、下側外面12.2から第2の光学デバイス22の一部が突出することは避けるべきである。
【0041】
本出願において、上側外面は、ユーザーに見えるブレスレット10の面であると考え、下側外面は、少なくとも部分的に装着者の皮膚と接触しているブレスレットの面であると考える。
【0042】
ブレスレット10には、ブレスレット10の第1のストランド11と第2のストランド12が重なり合うときに第1の光学デバイス21と第2の光学デバイス22の間の離間距離を与える少なくとも1つのスペーサーがあり、これによって、光学デバイス21、22の性質に応じた正しい隙間dがあることを確実にする。
【0043】
好ましくは、ブレスレット10には、2つのスペーサーがある。スペーサーは、例えば、第1の光学デバイス21と第2の光学デバイス22の両側に配置される。
【0044】
典型的には、ブレスレット10には、ブレスレット10の第2のストランド12に取り付けられた2つの輪13、14がある。
【0045】
例えば、第1の輪14は、第2のストランド12に固定され、第2の輪13は、可動であり、すなわち、第2のストランド12に沿って動くことができ、したがって、ブレスレット10上の適切な位置に調整可能である。
【0046】
1つの変異形態において、第1の輪14と第2の輪13は、可動であり、すなわち、それらは第2のストランド12に沿って動くことができ、したがって、ブレスレット10におけるそれらの第1の輪14と第2の輪13の位置を調整することができる。
【0047】
当然、輪13、14をブレスレット10の第1のストランド11に取り付けることができ、また、ブレスレット10の各ストランド11、12が輪13、14を担持することができる。
【0048】
輪13、14が可動であることは、それらの輪13、14が光学デバイス21、22に対向するように配置されて、ユーザーが携行型物品1を手首に装着するときに、光学デバイス21、22を覆って保護要素を形成することができることを意味する。
【0049】
好ましくは、第1の輪14が固定されている場合、第2の輪13は、動くことができ、第1の光学デバイス21の直径L1と同等又はそれよりも大きい幅があって、第1の光学デバイス21を完全に覆うことができるようにする。
【0050】
例えば、輪13、14は、ブレスレット10のスペーサーを形成し、第1の光学デバイス21と第2の光学デバイス22の間に隙間(すなわち、離間距離)dがあることを確実にするように構成している。このようにして、輪13、14は、用いられる光学デバイス21、22に従って必要とされる隙間dがあることを確実にするために必要な寸法構成を有する。
【0051】
ブレスレット10は、第1の光学デバイス21と第2の光学デバイス22の同心重なり合いを確実にする手段を備えることができる。
【0052】
また、ブレスレット10は、ユーザーによる観察を容易にするために、2つのストランド11、12どうしが接触しながら重なり合ったままにするための結合要素を備えることができ、これによって、このユーザーが2つのストランド11、12を適切な位置に維持する必要はなくなる。この結合要素は、例えば、可逆的な機械的又は磁気的な結合要素である。
【0053】
例えば、圧力タイプの機械的な結合要素、又は磁気結合のための磁気的かつ強磁性の要素であるが、これに限定されない。
【0054】
例えば、輪13、14はそれぞれ、その材料の厚み内において強磁性体13.5、14.5を組み込むことができ、輪13、14を担持しないブレスレット10のストランド(この例において第1のストランド11)は、その厚み内に、磁気引力によって強磁性体13.5、14.5と連係するように構成している、2つの磁石17、18を組み込むことができる。
【0055】
ブレスレット10は、皮革、金属、合成材料、ポリマー材料、セラミックス材料、天然材料、生物由来材料、又は少なくとも2つのこれらの材料の組み合わせによって作ることができる。
【0056】
ブレスレット10の製造に用いられる材料に応じて、光学デバイス21、22は、この目的のために形成された切り欠き又はハウジング内に挿入されて、接着、溶接などによってこのような切り欠き又はハウジングに固定することができる。
【0057】
また、光学デバイス21、22をオーバーモールドによってブレスレット10のストランド11、12に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 携行型物品
2 ケース
10 ブレスレット
11 第1のストランド
12 第2のストランド
13 第1の輪
13.5、14.5、17、18 結合手段
14 第2の輪
21 第1の光学デバイス
22 第2の光学デバイス
【外国語明細書】