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特開2024-160938双方向電源装置、双方向共振コンバータ及び双方向共振コンバータの製造方法
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  • 特開-双方向電源装置、双方向共振コンバータ及び双方向共振コンバータの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160938
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】双方向電源装置、双方向共振コンバータ及び双方向共振コンバータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20241108BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H02M7/12 601A
H02M3/28 Q
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024052149
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】18/311,651
(32)【優先日】2023-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504162361
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】186 Ruey Kuang Road, Neihu, Taipei 114, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】クマール、ミシャ
(72)【発明者】
【氏名】バルボサ・ピーター マントヴァネッリ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス ロハス、セルヒオ
(72)【発明者】
【氏名】黄昭睿
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006AA02
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC01
5H006DA02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
5H730AA18
5H730AS08
5H730BB27
5H730BB57
5H730BB62
5H730BB82
5H730BB88
5H730CC02
5H730CC04
5H730EE04
5H730EE07
5H730EE58
5H730EE59
5H730EE60
5H730FD01
5H730FD51
5H730FG05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単段双方向電源装置、単段双方向共振コンバータ及び単段双方向共振コンバータの製造方法に関する。
【解決手段】コントローラ(150)は、一次側スイッチ(240)と二次側スイッチ(250)の制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に前記一次側スイッチ(240、)と前記二次側スイッチ(250、)を制御することにより、または前記スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチ(240)と二次側スイッチ(250)の制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチ(240)と二次側スイッチ(250)を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向電源装置(100、1000)であって、
前記電源装置(100、1000)は、ACポート(110)と、ライン周波数整流器/インバータ(120)と、双方向共振コンバータ(130)と、コントローラ(150)とを含み、
前記ACポート(110)は、第1動作モードでソースとして、第2動作モードで負荷として構成され、
前記ライン周波数整流器/インバータ(120)は、第1動作モードでACポート(110)からの入力を整流する整流器として機能するように構成された1組のダイオード(210)と、第2動作モードでACポート(110)に供給するインバータとして機能する1組のスイッチ(215、215-1)とを含み、
前記双方向共振コンバータ(130)は、前記ライン周波数整流器/インバータ(120)及びDCポート(140)に結合され、前記双方向共振コンバータ(130)は、変圧器(225、225-1)の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチ(240、240-1)を有する一次側ポート(220、220-1)と、二次側スイッチ(250、250-1)を有する二次側ポート(230、230-1)とを含み、
前記コントローラ(150)は、一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に前記一次側スイッチ(240、240-1)と前記二次側スイッチ(250、250-1)を制御し、前記スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)を制御するように構成される、電源装置(100、1000)。
【請求項2】
前記コントローラ(150)は、更に、前記ACポート(110)におけるAC電流の周波数に基づいて、固定周波数で1組のスイッチ (215、215-1)を制御するように構成される、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項3】
更に、前記ACポート(110)と前記ライン周波数整流器/インバータ(120)との間に配置される電磁干渉(EMI)フィルタ(205)を含む、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項4】
更に、前記ライン周波数整流器/インバータ(120)と前記双方向共振コンバータ(130)との間に配置されるキャパシタ(CB)を含み、前記キャパシタ(CB)にかかる電圧は、整流されたAC電圧である、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項5】
双方向電源装置のACからDCへの動作中、前記コントローラ(150)は、前記一次側スイッチ(240、240-1)の制御から前記二次側スイッチ(250、250-1)の制御への時間遅延を適用する、請求項4に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項6】
前記コントローラ(150)は、更に、前記DC ポート(140)における出力電圧、前記キャパシタ(CB)にかかる電圧、及び前記双方向共振コンバータ(130)の平均入力電圧を取得し、制御電圧を決定するように構成される、請求項5に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項7】
前記コントローラ(150)は、更に、直接電流コントローラまたは加算器から制御電圧を取得するように構成され、前記加算器は、電流コントローラの出力電圧とマッピングされた電圧を加算し、前記マッピングされた電圧は、DCポート(140)における出力電圧VDC、キャパシタにかかる電圧VB、ACポート(110)における電圧、またはDCポート(140)における電力出力間のマッピング電圧である、請求項6に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項8】
前記コントローラ(150)は、制御電圧を、時間遅延を提供する第1リミッタ(315)とスイッチング周波数を提供する第2リミッタ(320)に提供し、第1リミッタ(315)が時間遅延を所定の時間遅延にするか、または第2リミッタ(320)がスイッチング周波数を所定のスイッチング周波数にするかのいずれかであり、両方ともではない、請求項6に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項9】
前記双方向電源装置のDCからACへの動作中、前記コントローラ(150)は、前記二次側スイッチ(250、250-1)の制御から前記一次側スイッチ(240、240-1)の制御への時間遅延を適用する、請求項4に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項10】
前記コントローラ(150)は、更に、基準発生器(370)からの基準AC電流または基準AC電圧と、キャパシタ(CB)にかかる電圧または双方向共振コンバータ(130)の平均電流とを取得し、制御電圧を決定するように構成される、請求項9に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項11】
前記コントローラ(150)は、前記制御電圧を、時間遅延を提供する第1リミッタ(315)及び、スイッチング周波数を提供する第2リミッタ(320)に提供し、前記第1リミッタ(315)が前記時間遅延を所定の時間遅延にするか、または前記第2リミッタ(320)が前記スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数にするかのいずれかであり、 両方ともではない、請求項10に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項12】
前記双方向共振コンバータ(130)の前記一次側スイッチ(240、240-1)は、フルブリッジまたはハーフブリッジ構成で配置され、前記双方向共振コンバータ(130)の前記二次側スイッチ(250、250-1)は、フルブリッジまたはスタック型ハーフブリッジ構成で配置される、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項13】
前記二次側スイッチ(250、250-1)は、スタック型ハーフブリッジ構成で配置され、前記双方向共振コンバータ(130)の二次側ポート(230、230-1)は、更に、DCポート(140)における出力電圧が閾値以上の場合にスタック型ハーフブリッジ構成を維持し、DCポート(140)における出力電圧が閾値以下の場合にフルブリッジ構成に変換するように制御されるリレーを含む、請求項12に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項14】
前記双方向共振コンバータ(130)は、第2変圧器(225-2)の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、第2一次側スイッチ(240-2)を有する第2一次側ポート(220-2)と第2二次側スイッチ(250-2)を有する二次側ポート(230-2)とを含む、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項15】
第2ライン周波数整流器/インバータ(120)は、前記第2一次側ポート(220-2)に結合される、請求項14に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項16】
前記電源装置(100、1000)は、三相電源装置であり、前記ACポート(110)は、異なる位相の3つのポートを含み、3つのポートのそれぞれは、ライン周波数整流器/インバータ(120)及び双方向共振コンバータ(130)のペアに結合される、請求項1に記載の電源装置(100、1000)。
【請求項17】
双方向共振コンバータ(130)であって、
変圧器(225、225-1)の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチ(240、240-1)を有する一次側ポート(220、220-1)及び二次側スイッチ(250、250-1)を有する二次側ポート(230、230-1)と、
一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に前記一次側スイッチ(240、240-1)と前記二次側スイッチ(250、250-1)を制御し、前記スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)を制御するように構成されるコントローラ(150)と、を含む双方向共振コンバータ(130)。
【請求項18】
前記双方向共振コンバータ(130)の前記一次側スイッチ(240、240-1)は、フルブリッジまたはハーフブリッジ構成で配置され、前記双方向共振コンバータ(130)の前記二次側スイッチ(250、250-1)は、フルブリッジまたはスタック型ハーフブリッジ構成で配置され、前記二次側スイッチ(250、250-1)は、スタック型ハーフブリッジ構成で配置され、前記双方向共振コンバータ(130)の二次側ポート(230、230-1)は、二次側ポートにおける出力電圧が閾値以上の場合にスタック型ハーフブリッジ構成を維持し、出力電圧が閾値以下の場合にフルブリッジ構成に変換するように制御されるリレーを含む、請求項17に記載の双方向共振コンバータ(130)。
【請求項19】
前記双方向共振コンバータ(130)は、第2変圧器(225-2)の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、第2一次側スイッチ(240-2)を有する第2一次側ポート(220-2)と第2二次側ポート(230-2)を有する第2二次側スイッチ(250-2)とを含む、請求項17に記載の双方向共振コンバータ(130)。
【請求項20】
双方向共振コンバータ(130)の製造方法であって、前記製造方法は、
ライン周波数整流器/インバータ(120)をACポート(110)に結合するステップであって、前記ライン周波数整流器/インバータ(120)は、 第1動作モードでACポート(110)からの入力を整流する整流器として機能するように構成された1組のダイオード(210)と、第2動作モードでACポート(110)に供給するインバータとして機能する1組のスイッチ(215、215-1)とを含むステップと、
双方向共振コンバータ(130)をライン周波数整流器/インバータ(120)及び直流ポート(140)に結合するステップであって、前記双方向共振コンバータ(130)は、変圧器(225、225-1)の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチ(240、240-1)を有する一次側ポート(220、220-1)と二次側スイッチ(250、250-1)を有する二次側ポート(230、230-1)とを含むステップと、
コントローラ(150)を、一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に前記一次側スイッチ(240、240-1)と前記二次側スイッチ(250、250-1)を制御し、前記スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)の制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチ(240、240-1)と二次側スイッチ(250、250-1)を制御するように構成するステップと、を含む製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、共振コンバータおよび共振コンバータの製造方法に関し、特に単段双方向電源装置、単段双方向共振コンバータ及び単段双方向共振コンバータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置は通常送電網等からの交流(AC)を直流(DC)に変換する。第1段階で力率改善(PFC)コンバータを使用して交流電圧を直流電圧に変換し、第2段階でDC-DCコンバータを使用して所望の直流電圧を得るという2段階のアプローチが使用される場合がある。通常、PFCとは、線電流を線電圧の形状に追従させることを指す。PFCコンバータは、AC入力の整流と力率改善を行う。通常、DC-DCコンバータは、ソースDCをAC信号に変換するDC-ACコンバータ、電磁誘導によってAC信号を変圧器の二次側に伝える変圧器、および出力に必要な電圧レベルを供給するための二次側のAC-DCコンバータを含むことができる。双方向電源装置とは、AC-DC変換とDC-AC変換の両方を可能にするものを指す。
【0003】
従って、先行技術における欠点を解消するための双方向電源、双方向共振コンバータ、および双方向共振コンバータの製造方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上の実施例によれば、双方向電源装置は、第1動作モードでソースとして、第2動作モードで負荷としての交流(AC)ポートと、第1動作モードでACポートからのAC入力を整流する整流器として機能し、第2動作モードでACポートに供給するインバータとして機能する1組のスイッチとして機能する1組のダイオードを含むライン周波数整流器/インバータとを含む。双方向共振コンバータは、ライン周波数整流器/インバータ及び直流(DC) ポートに結合される。双方向共振コンバータは、変圧器の一次側と二次側にそれぞれ配置された一次側スイッチを有する一次側ポートと二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。コントローラは、スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。
【0005】
他の実施例によると、双方向共振コンバータは、変圧器の一次側および二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチを有する一次側ポートと二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。コントローラは、 スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。
【0006】
更に他の実施例によると、双方向共振コンバータの製造方法は、ライン周波数整流器/インバータをACポート結合するステップを含む。ライン周波数整流器/インバータは、第1動作モードでACポートからのAC入力を整流する整流器として機能する1組のダイオードと、第2動作モードでACポートに供給するインバータとして機能する1組のスイッチとを含む。 当該方法は、更に、双方向共振コンバータをライン周波数整流器/インバータ及直流(DC) ポートに結合するステップを含む。双方向共振コンバータは、変圧器の一次側および二次側にそれぞれ配置された一次側スイッチを有する一次側ポートと、二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御するように構成される。コントローラは、更に、スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御するように構成される。
【0007】
本発明の上記の内容は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討すれば、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つ以上の実施例による単段双方向電源装置のブロック図である。
図2】例示的な実施形態による単段双方向電源装置の回路図である。
図3A】交流(AC)から直流(DC)への変換中の例示的なコントローラの動作の態様を示す。
図3B】DCからACへの変換中の例示的なコントローラの動作の態様を示す。
図4】1つ以上の実施例に係る単段双方向電源装置の双方向コンバータによって実現される電流整形を示す。
図5】任意の実施例を示す単段双方向電源装置の回路図である。
図6】他の実施例に係る単段双方向電源装置の回路図である。
図7】更に他の実施例に係る単段双方向電源装置の回路図である。
図8】更に他の実施例に係る単段双方向電源装置の回路図である。
図9】更に他の実施例に係る単段双方向電源装置の回路図である。
図10】更に他の実施例に係る単段双方向電源装置の回路図である。
図11】各相の単段双方向電源装置の実施例に係る整流器/インバータおよび双方向コンバータを実装する例示的な三相電源装置のブロック図である。
図12】各相の単段双方向電源装置の他の実施例に係る整流器/インバータおよび双方向コンバータを実装する例示的な三相電源装置のブロック図である。
図13図11の三相電源装置の回路図である。
図14】各相の単段双方向電源装置の更に他の実施例に係る整流器/インバータおよび双方向コンバータを実装する例示的な三相電源装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明の好ましい実施例に関する以下の説明は、例示および説明のみを目的として本明細書に提示されることに留意されたい。 網羅的であること、または開示された正確な形式に限定されることを意図したものではない。
【0010】
AC入力に基づいてDC電圧を供給する電源装置は、通常、入力電流を整形し、DC出力を調整するための2つの別個の段を含んでもよい。単一段のみを採用することで、例えば、部品全体の数を減らし、重量及びコストを削減することができる。単段電源装置の従来のアプローチは、三相単段AC-DCコンバータを含む。各相は、フルブリッジダイオード整流器に接続され、その後にインダクタ-インダクタ-キャパシタ(LLC)コンバータが接続される。このコンバータは、LLC共振回路の直列共振周波数よりも低いスイッチング周波数で動作することによって昇圧モードで動作し、LLC共振回路の直列共振周波数以上のスイッチング周波数で動作することによって降圧モードで動作する。これにより、PFC動作を実現するためのスイッチング周波数のばらつきが大きくなり、変圧器の磁気設計や高効率の実現に課題が生じる。更に、従来の設計は双方向動作には適していない。
【0011】
状況によっては、単段双方向電源装置が好ましい。単段式とは、典型的な二段式電源装置の例では、PFCとDC-DCコンバータの両方が使用されるのとは対照的に、動作が制御可能に変化するアクティブスイッチが電源装置の一段にのみ採用されていることを指す。典型的な二段式電源装置では、PFCは、第1段の電圧の形状に追従するように電流を整形する。PFCは、高周波スイッチングを介してまたは可変スイッチングなしで電流整形を実現することができるが、PFCのスイッチング周波数をAC電流(即ちライン電流)の周波数 と同じにすることはできない。典型的な二段式電源装置の第2段では、DC-DCコンバータは、出力電圧を調整する。本明細書の1つ以上の実施例によれば、単段双方向電源装置の双方向コンバータは、電流整形機能及び出力電圧調整機能の両方を実現する。単段コンバータは、変圧器の一次側および二次側にアクティブスイッチを採用することにより双方向にすることができる。
【0012】
本明細書で詳述する実施例は、スイッチの制御に関連する可変周波数と可変時間遅延の交互の組み合わせを採用する単段双方向電源装置に関する。時間遅延は、双方向コンバータ(例えば、一次側ポート)の1組のスイッチの動作と、双方向コンバータ(例えば、二次側ポート)の別の組のスイッチの動作との間にある。可変とは、スイッチング周波数(fSWmin)または所定の時間遅延(Tdpmin)からの変動を意味する。所定のスイッチング周波数は、最小スイッチング周波数であってもよく、所定の時間遅延は、最小時間遅延であってもよい。
【0013】
あるいは、所定のスイッチング周波数は、所定のスイッチング周波数の組から選択され、所定の時間遅延は、所定の時間遅延の組から選択されてもよい。いずれの場合でも、所定とは、スイッチング周波数または時間遅延がフィードバック制御によって決定されないことを意味する。スイッチの制御は、所定の時間遅延で所定のスイッチング周波数以外の周波数で行われるか、または所定の時間遅延以外の時間遅延で所定のスイッチング周波数で行われる。この制御配置により、スイッチング周波数が大きく変動しないようにしながら、広範囲の入力電圧および出力電圧を処理することができる。様々な例示的な実施形態に示されているように、単段双方向電源装置の構成のいくつかの態様において変形が可能である。
【0014】
図1は、1つ以上の実施例による単段双方向電源装置100のブロック図である。前記単段双方向電源装置100は、ACポート110、ライン周波数整流器/インバータ120、双方向コンバータ130、DCポート140、コントローラ150を含む。電流は、ACポート110とライン周波数整流器/インバータ120との間では正弦波として整形され、ライン周波数整流器/インバータ120と双方向コンバータ130との間では全波整流された正弦波として整形され、双方向コンバータ130とDCポート140との間ではライン(即ちDC)として整形される。単段とは、単段双方向電源装置100の1つの態様である双方向コンバータ130のみが、動作を制御可能に変更できるアクティブスイッチを含むことを意味する。双方向とは、電力が、ACポート110からDCポート140へ、またはDCポート140からACポート110へ流れてもよいことを意味する。
【0015】
ライン周波数整流器/インバータ120は、1組のダイオード210及び1組のスイッチ215(図2を参照)を含む。ACポート110からDCポート140への電力の流れの間、ダイオード210の組は、ライン周波数整流器として機能し、ACを整流されたACに変換し、DCポート140からACポート110の電力の流れの間、 スイッチ215は、ライン周波数インバータとして機能し、整流されたACをACに戻す。ライン周波数整流器/インバータ120のスイッチ215は、一定のACライン周波数(例えば60ヘルツ)で動作する。即ち、従来のPFC段とは異なり、例えば、ライン周波数整流器/インバータ120は、双方向コンバータ130と同様に、単段双方向電源装置100の可変周波数スイッチング段ではない。その代わりに、ライン周波数整流器/インバータ120のスイッチ215のスイッチング周波数は、ACポート110のライン周波数のままである。
【0016】
ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130は、図2及び図5~10に示すように、異なる実施例に従って実施してもよい。すべての実施例において、双方向コンバータ130は、例えば、図2に示すように、一次側ポート220二次側ポート230を有する少なくとも1つの変圧器225を含む。更に、全ての実施例は、図2に示すように、一次側ポート220に一次側スイッチ240及び二次側ポート230に二次側スイッチ250を含む。コントローラ150は、DCポート140における出力DC電圧と、ACからDCへの変換中の双方向コンバータ130に流れる電流と、基準AC電流または電圧と、DCからACへの変換中の双方向コンバータ130から流れる電流とに基づいて、これらの一次側スイッチ240及び二次側スイッチ250を制御する。本開示のライン周波数整流器/インバータ及び双方向コンバータは、同じコントローラによって制御されてもよく、それぞれ2つのコントローラによって制御されてもよい。
【0017】
図2は、例示的な実施例による単段双方向電源装置100の回路図である。コントローラ150は、図3A及び図3Bに詳細に示される。図2の例示的な実施例は、ACからDCへの変換を示す。このように、ACポート110は、送電網等からのACソース201(VAC)で示され、DCポート140は、出力DC電圧(VDC)を受ける負荷で示される。電流iACは、図示のように、ACポート110から流れる。EMIフィルタ205は、図2に示す例示的な実施例によるフルブリッジ線周波数整流器/インバータであるライン周波数整流器/インバータ120へのAC入力の前に、電流iACから高周波コモンモードノイズおよび差動モードノイズをフィルタリングするために使用されてもよい。
【0018】
ライン周波数整流器/インバータ120では、ダイオード210の組は、ダイオードD-Dを含み、スイッチ215の組は、スイッチSI1-SI4を含む。前述のように、これらのスイッチ215は、変高周波数スイッチではない(異なる高周波スイッチング周波数で動作するように制御されない)。実際には、常に一定のACライン周波数(例えばライン周波数が60Hzである場合には60ヘルツ(Hz)で動作する。キャパシタCは、ライン周波数整流器/インバータ120と双方向コンバータ130とを分離する。ライン周波数整流器/インバータ120は、図2に示すACからDCへの実施例では、フルブリッジ線路整流器として実現され、コンデンサCにかかる電圧Vがソース電圧VACのピークまでゼロから変動するように、ACソース201(VAC)を整流する。電圧Vを、ACリップルを有するDCではなく、整流されたACとして得るために、キャパシタCの容量は小さくてもよい。
【0019】
ライン周波数整流器/インバータ120は、スイッチSI1~SI4を無効にすることによって、またはスイッチSI1~SI4を同期整流器として動作させることによって、ダイオードD~Dによって形成されるフルブリッジダイオード整流器として実装されてもよい。その後、双方向コンバータ130は、整流されたAC電圧(V)を出力DC電圧(VDC)に変換する。双方向コンバータ130がDCをACに変換する実施例によると、ライン周波数整流器/インバータ120は、AC電圧の正の半サイクルの間にスイッチSI1およびSI3を動作させ、スイッチSI2およびSI4を動作させることによってインバータとして実装されてもよい。この実施例によると、双方向コンバータ130は、DC入力(VDC)をAC電圧(V)に変換する。
【0020】
双方向コンバータ130は、前述したように、変圧器225の一次側ポート220及び二次側ポート230を含む。一次側ポート220は、N巻の一次巻線223を含み、二次側ポート230は、N巻の二次巻線227を含む。前述したように、一次側ポート220は、一次側スイッチ240を含み、一次側スイッチ240は、スイッチSP1-SP4を含む。二次側ポート230は、二次側スイッチ250を含み、二次側スイッチ250は、スイッチSS1-SS4を含む。図2に示す例示的な一次側ポート220は、インダクタLR、インダクタL、キャパシタCR1を含み、これは、LLC共振回路である共振回路245である。一次側電流iLRは、インダクタLRを流れる。別の実施例によると、一次側ポート220は、異なる共振回路245を含んでもよい。例えば、一次側ポート220は、CLLCまたはCLLLC共振コンバータ、または直列のインダクタおよびコンデンサからなる直列共振コンバータ(SRC)を実装してもよい。
【0021】
二次側ポート230は、ブロッキングキャパシタCB1を含む。図2に示すように、二次側電流は、ブロッキングキャパシタCB1を流れる。二次側ポート230は、リレーR、R、Rを介して動的に変更され、フルブリッジ構成またはスタック型ハーフブリッジ構成のいずれかで動作してもよい。このような配置により、広範囲のDC出力電圧を出力することができる。例えば、VDCの値が比較的大きい(例えば、所定の閾値電圧以上)場合、スタック型ハーフブリッジ構成について、リレーR及びRがオフになり、リレーRがオンになるように(例えばコントローラ150によって)制御されてもよい。 この場合、ブロッキングキャパシタCB1にかかる平均電圧は、出力DC電圧(VDC)の半分に等しいため、変圧器225の二次側端子の電圧は、-VDC/2からVDC/2まで変化する。
【0022】
あるいは、リレーR及びRは、VDCの値が比較的小さい(例えば、閾値電圧以下)場合、フルブリッジ構成について、リレーR及びRがオンになり、リレーRがオフになる)ように制御されてもよい。この場合、ブロッキングキャパシタCB1にかかる平均電圧はゼロであり、変圧器225の二次側端子の電圧は+VDC~-VDCで変化する。その結果、VDCの値が高い場合のスタック型ハーフブリッジ構成の動作は、VDCの値が低い場合のフルブリッジ構成の動作と同様であってもよい。リレーR、R及びRの制御の基礎となる閾値電圧は、二次側スイッチ250の定格電圧に依存してもよい。
【0023】
前述したように、スイッチ240、250の制御は、スイッチ240、250間の可変時間遅延を有する所定のスイッチング周波数と、可変スイッチング周波数を有するスイッチ240、250間の所定の時間遅延との間で交互に行われてもよい。このような制御方式により、全体的なスイッチング周波数範囲の要件を低減することができる。図3A及び3Bは、コントローラ150の動作を詳細に示す。
【0024】
図3Aは、実施例によるコントローラ150の動作を示す。具体的に、ACからDCへの変換中のコントローラ150の機能を示す。図3Aの右下に示されるように、DCポート140において双方向コンバータ130によって提供される出力DC電圧(VDC)は、例えば、DCポート140における負荷のための所望のDC電圧を表す基準DC電圧(VDCref)から減算されてもよい。減算器303の結果(E1)は、例えば比例積分(PI)コントローラであってもよい電圧コントローラ305に提供される。公知のPIコントローラは、出力(図示のVEA)が入力誤差(E1)に比例する比例制御と、出力VEAが入力誤差E1の積分に比例する積分制御とを組み合わせる。電圧コントローラ305は、誤差増幅器としてみなされてもよい。
【0025】
電圧コントローラ305の出力である電圧VEAは、整流されたAC電圧(V)とともに乗算器307に供給される。電圧VEAは、入力アドミタンスを示し、整流されたAC電圧Vは電圧の形状を示す。乗算器307の出力は、減算器309に供給される基準電流Irefである。
【0026】
双方向コンバータの入力における電流iBRは脈動電流である。そのため、図4を参照して説明したように、フィルタリングされた電流iBRfが感知されるか、または平均電流iBR,avgが決定されてもよい。この感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgは、減算器309で基準電流Irefから減算され、その結果(E2)が電流コントローラ310に供給される。電流コントローラ310は、例えば、電圧コントローラのようなPIコントローラであってもよい。図3Aに示すように、例示的な実施例によると、電流コントローラ310は、電圧Vieaを出力する。
【0027】
図3Aに示す別の実施例によると、フィードフォワードアプローチが使用されてもよい。具体的に、出力DC電圧(VDC)、DCポート140の出力電圧、ACソース201(VAC)、及び/または整流されたAC電圧(VB)と、既知の値に基づいて計算された電圧V311との間でマッピング311が作成されてもよい。このマッピングされた電圧V311は、加算器312で電流コントローラ310の出力V310に加算され、電圧Vieaを提供する。このフィードフォワードアプローチによれば、より少ない制御サイクルで必要なVieaに到達することができ、全高調波歪みの改善を達成することができる。電流コントローラ出力Vieaにより、コントローラ150は、所定のスイッチング周波数fswminにおけるスイッチ240、250間の決定された割合の割合時間遅延Tdp、または所定の時間遅延Tdpminにおける決定されたスイッチング周波数fSWのいずれかを出力する。時間遅延の割合Tdpは、スイッチング周期TSWに対して次のようになる。
【0028】
電流コントローラ出力Vieaは、感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgが基準電流Irefよりも小さい場合に正の値となる。この場合、リミッタ315において、スケールレベルVLimFは0に設定され、リミッタ320において、スケール値VLimDは、上限値VLHのゼロでない値である。あるいは、感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgが基準電流Irefよりも大きい場合、電流コントローラ出力Vieaは負の値となる。この場合、リミッタ315において、スケールレベルVLimFは下限値VLLのゼロでない値であり、リミッタ320において、スケール値VLimDは0に設定される。
【0029】
ゲインKは、スケール値VLimfを、減算器327において所定のスイッチング周波数fSWminから減算される周波数ffに変換し、スイッチ240、250が制御されるスイッチング周波数fSWを提供する。ゲインKTDは、スケール値VLimDを、加算器333において所定の時間遅延Tdpminに加算される割合時間遅延Tに変換し、スイッチ240、250を分離制御する割合時間遅延Tdpを提供する。感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgが基準電流Iref(Vieaは正の値)よりも小さい場合、スケール値VLimfは0に設定され、スケール値VLimDはゼロではない。この場合、スイッチング周波数fSWは、fSWminに設定されるが、割合時間遅延Tdpは、スケール値VLimDに基づいてTdpminから変更される。
【0030】
一方、感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgが基準電流Iref(Vieaは負の値)よりも大きい場合、スケール値VLimfは、ゼロではなく、スケール値VLimDは0に設定される。この場合、スイッチング周波数fswは、スケール値VLimfに基づいてfSWminから変更されるが、割合時間遅延Tdpは、Tdpminに設定される。1つの所定のスイッチング周波数fSWmin及び1つの所定の時間遅延Tdpminが例示のため示されるが、前述したように、1組の所定の値を選択してもよい。例えば、全高調波歪み(THD)を改善し、スイッチング周波数範囲を制限するために、キャパシタCにかかる電圧Vの値に基づいて、1組の所定の値から所定の時間遅延Tdpminを選択してもよい。
【0031】
図3Aは、整流器/インバータ120のスイッチ215が可変高周波スイッチではなく、双方向コンバータによって供給される出力DC電圧(VDC)に基づいて決定されるスイッチング周波数fSWおよび割合時間遅延Tdpの値によって影響を受けないことを示す。代わりに、コンパレータ360は、図示のように、ACポート110からの電流iACを0と比較する。iAC>0である場合、コンパレータ360出力はハイになる。この場合、スイッチS11及びS13は、オンである。更に、インバータ365に基づいて、整流器/インバータ120の相補スイッチS12及びS14は、オフ(開)である。あるいは、iAC<0である場合、コンパレータ360の出力はローになる。この場合、スイッチS11及びS13は、オフ(開)である。更に、インバータ365に基づいて、整流器/インバータ120の相補スイッチS12及びS14は、オンである。
【0032】
ACからDCへ変換する場合、一次側スイッチ240は、二次側スイッチ250をリードする。そのため、図3Aに示すように、一次側スイッチ240は、スイッチング周波数fSWによってのみ影響を受け、二次側スイッチ250は、スイッチング周波数fSWと、一次側スイッチ240に対する二次側スイッチ250の制御の遅延を定義する割合時間遅延Tdpの両方によって影響を受ける。
【0033】
具体的に、スイッチング周波数fSWは、 デジタルパルス幅変調器(DPWM)340に供給され、一次側スイッチSP1-SP4のそれぞれがオンまたはオフになる周波数を制御する。 スイッチング周波数fSW及び割合時間遅延Tdpの両方が、DPWM350に供給され、二次側スイッチSS1-SS4の制御に影響を与える。コンパレータ355もDPWM350に入力を供給し、二次側スイッチ250が同期整流器として動作してDC出力を生成する機能を制御する。コンパレータ355は、ブロッキングキャパシタCB1を流れる二次側電流isと0を比較する。即ち、is>0である場合、コンパレータ355の出力はハイになる。一方、is<0である場合、コンパレータ355の出力はローになる。
【0034】
図3Bは、実施例によるコントローラ150の動作の態様を示す。具体的に、DCからACへの変換時のコントローラ150の機能を示す。図3Aとの比較は、図3Bでは、制御される出力がDCポート140ではなく、ACポート110であるため、Vieaの生成が異なることを示す。図示のように、基準発生器370は、ACポート110における所望の出力を表すことができる基準AC電流iAC,refまたは基準AC電圧VAC,refを発生する。整流器380は、基準AC電流iAC,refに基づいて整流された基準AC電流|iAC,ref|、または基準AC電圧VAC,refに基づいて整流された基準AC電圧|VAC,ref|を供給する。減算器385において、感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgが、整流された基準AC電流|iAC,ref| から減算されるかまたは整流されたAC電圧Vが整流された基準AC電圧|VAC,ref|から減算されて出力E3が供給される。E3は、電流コントローラ310(基準発生器370が基準AC電流iAC,refを供給する場合)または電圧コントローラ305(基準発生器370が基準AC電圧VAC,refを供給する場合)に供給され、出力Vieaを得る。
【0035】
Vieaに基づくスイッチング周波数fSW及び割合時間遅延Tdpの決定は、図3Aを参照して説明した決定と同じであり、ここで説明を省略する。前述したように、スイッチ240、 250の制御は、スイッチング周波数fSWに基づいており、スイッチ240の制御は、割合時間遅延Tdpにも基づいているが、スイッチ215は、ACライン周波数で動作し、スイッチング周波数fSWまたは割合時間遅延Tdpに基づいては制御されない。
【0036】
代わりに、基準発生器370の出力(基準AC電流iAC,refまたは基準AC電圧VAC,ref)は、0でコンパレータ360に供給される。基準発生器370の出力が0よりも大きい場合、コンパレータ360の出力はハイである。この場合、スイッチS11及びS13は、オンである。更に、インバータ365に基づいて、整流器/インバータ120の相補スイッチS12及びS14は、オフ(開)である。あるいは、基準発生器370の出力が0よりも小さい場合、コンパレータ360の出力は、ローである。この場合、スイッチS11及びS13は、オフ(開)である。更に、インバータ365に基づいて、整流器/インバータ120の相補スイッチS12及びS14は、オンである。
【0037】
図3Aを参考して説明したACからDCkへの変換とは異なり、図3Bに示すDCからACへの変換においては、二次側スイッチ250が一次側スイッチ240をリートする。 そのため、図3Bに示すように、二次側スイッチは、スイッチング周波数fSWによってのみ制御され、一次側スイッチ240は、スイッチング周波数fSW及び二次側スイッチ250に対する一次側スイッチ240の制御の遅延を定義する割合時間遅延Tdpの両方によって制御される。
【0038】
具体的に、スイッチング周波数fSWは、DPWM 340に供給され、二次側スイッチSS1-SS4のそれぞれがオンまたはオフに周波数を制御する。スイッチング周波数fSW及び割合時間遅延Tdpの両方が、DPWM350に供給され、一次側スイッチSP1-SP4のそれぞれの制御に影響を与える。コンパレータ355もDPWM350に入力を供給し、一次側スイッチ240を同期整流器として動作させるのに役立つ。コンパレータ355は、インダクタLRを流れる一次側電流iLRと0を比較する。つまり、iLR>0である場合、コンパレータ355の出力は、ハイである。あるいは、iLR<0である場合、コンパレータ355の出力は、ローである。
【0039】
図4は、図3A及び図3Bを参照して説明した制御に基づいて双方向コンバータ130によって実行される電流整形を示す。図4に示される値は、図2の例示的な回路図に示される。 出力DC電圧VDCは、 図6では出力電圧Vとして示される。ACポート110からの電流iACは、一次側スイッチ240と二次側スイッチ250の間の割合(%)時間遅延Tdpおよびキロヘルツ(kHz)で示されるスイッチング周波数fswの制御を介して整形される。ソース電圧VAC及びキャパシタ216Cにかかる電圧Vも出力DC電圧VDCとともにボルト(V)で示される。
【0040】
図4は、ソース電圧VACが0を超えると、割合時間遅延Tdpは減少し始める。ソース電圧VACが0から増加すると、スイッチング周波数fSWが固定される一方で、割合時間遅延Tdpは減少する。ソース電圧VACがピーク値に近づくと、スイッチング周波数fSWが増加する一方で、割合時間遅延Tdpは固定される。ソース電圧VACがそのピーク値から減少すると、スイッチング周波数fSWは減少するが、割合時間遅延Tdpは固定される。ソース電圧VACが0交差まで減少すると、スイッチング周波数fSWが固定される一方で、割合時間遅延Tdpは増加する。図3A及び図3Bを参照して説明したように、時間遅延割合Tdpおよびスイッチング周波数fSWのこの制御方式は、双方向コンバータ130の一次側スイッチ240および二次側スイッチ250を制御する。図4に示すように、この制御は、ACポート110からの電流iACをソース電圧VACの形状に追従するように整形する。
【0041】
図5は、任意の実施例の単段双方向電源装置100の回路図を示す。図5の例示的な単段双方向電源装置100は、図3A及び図3Bを参照して説明した制御方式において使用される感知されたまたは得られた電流iBRf/iBR,avgを決定するためのA、B、およびCで示される3つの異なるアプローチを示すために使用される。例示的な実施例による単段双方向電源装置100では、これらのアプローチのうち1つのみが実施されてもよい。図5に示される例示的な単段双方向電源装置100は、図2に示されるものと同様の構成であり、関連する構成要素のみに符号を付与して説明される。コントローラ150の図示は省略されている。一般に、単段双方向電源100は、ACポート110、ライン周波数整流器/インバータ120、双方向コンバータ130及びDCポート140を含む。
【0042】
Aで示すアプローチでは、ライン周波数整流器/インバータ120とキャパシタCとの間に検出抵抗器Rsenseが含まれてもよい。キャパシタCは、前述のように小さな値の容量を有してもよく、電流iBRの高周波数リップルを吸収してもよい。そのため、リップルが非常に小さいフィルタリングされた電流iBRfが検出抵抗Rsenseを流れる。このフィルタリングされた電流iBRfの大きさは、双方向コンバータ130への入力電流iBRの平均値iBR,avgである。その結果、検出抵抗器Rsenseにかかる電圧を測定することによって得られるフィルタリングされた電流電流iBRfは、例示的な実施例によるコントローラ150によって使用され得る検出電流である。
【0043】
Bで示されるアプローチは、スイッチSP及びSpがオン(即ち閉)である場合、iBR=iLRであるという事実に基づく。そのため、双方向コンバータ130への入力電流iBRの平均値iBR,avgは、スイッチSP及びSpがオンのとき、半スイッチング期間TSW /2にわたって電流iLRを積分することによって得ることができる。具体的に、平均値iBR,avgは、以下の式によって求められる。
式(2)において、TonはスイッチSP1がオンである時間、Toff はスイッチSP1がオフである時間、スイッチング期間TSWは、1/fSWまたはスイッチング周波数の逆数である。スイッチング期間TSWの半分の間の共振インダクタ電流iLRの積分は、共振キャパシタCRにかかる電圧VCRの差に比例する。そのため、式(2)は、以下のように変更されてもよい。
式(3)において、VCRonはスイッチSP1がオンである時の共振キャパシタCRにかかる電圧であり、VCRoffはスイッチSP1がオフである時の共振キャパシタCR にかかる電圧である。双方向コンバータ130への入力電流iBRの平均値iBR,avgは、式(2)及び式(3)から以下のように求めることができる。
スイッチSP1がオンである時の共振キャパシタCRにかかる電圧VCRonの値は、s the same as スイッチSP1がオフである時の共振キャパシタCRにかかる電圧VCRoffの値と同じである(VCRoff =-VCRon)ため、式(4)を以下のように書き換えてもよい。
【0044】
Cで示されるアプローチは、変流器510を含む。Bで示されるアプローチと同様に、このアプローチは、スイッチSP1及びSP3がオンである時にiBR = iLRであるという事実に依存する。Bで示されたアプローチとの違いは、双方向コンバータ130への入力電流 iBRの平均値iBR,avgを決定するために、iLRが変流器510を用いて感知されることである。
変流器510の出力における電圧は、フィルタ抵抗Rfおよびフィルタ容量Cfを含むRCフィルタ520を使用してローパスフィルタ処理される。RCフィルタ520の出力電圧ViLRfは、半スイッチング期間の終わり(つまり、スイッチSP1のオフである時)に感知され、入力電流iBRの平均値iBR,avgを以下のように求められる。
式(6)において、ViLRf,offは、スイッチSP1がオフの時の出力電圧ViLRf の値である。更に、
式(8)において、RCTは、変流器510の出力における負荷抵抗であり、NCTは、変流器510の二次側の巻数である。.
【0045】
図6は、例示的な実施例による単段双方向電源装置 100の回路図である。図2を参照して説明した構成要素はすべて再度詳述しない。ライン周波数整流器/インバータ120は、図6に示される単段双方向電源装置100の例示的なACからDCへの動作中に、スイッチ215が無効になった状態で示される。 図2の例示的な構成に比較すると、図6に示す例示的構成は、双方向コンバータ130の二次側スイッチ250のフルブリッジ配置を含む。
【0046】
ACからDCへの動作では、双方向コンバータ130の入力電圧は、0から入力電圧VL-Lのピークまで動作する。図3Aおよび図3Bを参照して説明した制御方式は、図6に示す例示的な単段双方向電源装置100に適用されてもよい。具体的に、ACからDCへの動作の場合にはDCポート140における出力DC電圧VDCに基づいて、またはDCからACへの動作の場合には基準発生器370の出力に基づいて、スイッチ240、250の動作間の制御された時間遅延とともに所定のスイッチング周波数が使用されてもよく、または制御されたスイッチング周波数とともに所定の時間遅延が使用されてもよい。
【0047】
図7は、例示的な実施例による単段双方向電源装置100の回路図である。図2および図6にも示されている上記で説明した構成要素については、再度詳述しない。図2を参照して説明したように、二次側ポート230は、リレーR1、R2、及びR3を介して動的に変更され、フルブリッジ構成またはスタック型ハーフブリッジ構成のいずれかで動作してもよい。図7に示す例示的な構成は、双方向コンバータ130の一次側スイッチ240のハーフブリッジ配置を含む。このように、一次側スイッチ240は、2つだけである。この場合、ACからDCへの動作中のDPWM340の出力、DCからACへの動作中のDPWM350の出力は、2つの一次側スイッチSP1及びSP2を制御する。
【0048】
その他のあらゆる方法において、図3A及び図3Bを参照して説明した制御方式は、図7に示す例示的な単段双方向電源装置100に適用されてもよい。具体的に、ACからDCへの動作の場合にはDCポート140における出力DC電圧VDCに基づいて、またはDCからAC への動作の場合には基準発生器370の出力に基づいて、スイッチ240、250の動作間の制御された時間遅延とともに所定のスイッチング周波数が使用されてもよく、または制御されたスイッチング周波数とともに所定の最小時間遅延が使用されてもよい。
【0049】
図8は、例示的な実施例による単段双方向電源装置100の回路図である。例示的な構成では、単段双方向コンバータ130は、2つの部分に分割され、それぞれが一次側ポート220-1、220-2と二次側ポート230-1、230-2と分離する変圧器225-1、225-2を有する。各部分は、トランスの二次側にフルブリッジ構成を有する図2の構成に類似している。2組の一次側スイッチ240-1及び240-2は、入力側で並列に接続されている。2組の二次側スイッチ250-1及び250-2は、コントローラ150によるリレーR、R、及びRの制御に基づいて並列または直列に接続されてもよい。いずれの配置においても、二次側スイッチ250-1及び250-2は、いずれもフルブリッジ構成を有する。
【0050】
DCポート140における出力DC電圧VDCが閾値電圧よりも小さい場合、リレーR及びRがオンになり、リレーRはオフになり、これにより、二次側スイッチ250-1と250-2が並列接続される。DCポート140における出力DC電圧VDCが閾値電圧よりも大きい場合、リレーR及びRがオフになり、リレーRはオンにり、これにより、二次側スイッチ250-1と250-2が直列接続される。この例示的な構成では、図3A及び図3Bを参照して説明した制御方式によると、ACからDCへの動作中のDPWM340の出力と、DCからACへの動作中のDPWM350の出力とが、一次側スイッチ240-1及び240-2の両方の組を制御し、ACからDCへの動作中のDPWM350の出力と、DCからACへの動作中のDPWM340の出力とが、二次側スイッチ250-1及び250-2の両方の組を制御する。
【0051】
図9は、例示的な実施例による単段双方向電源装置100の回路図である。例示的な構成では、単段双方向コンバータ130は、2つの部分に分割され、それぞれが一次側ポート220-1、220-2と二次側ポート230-1、230-2とを分離する変圧器225-1、225-2を備える。図7に示す構成と同様に、一次側スイッチ240-1、240-2は、 共にハーフブリッジ配置を有する。そのため、第1部分の一次側スイッチ240-1には、スイッチSP11、SP21の2つしかなく、第2部分の一次側スイッチ240-2には、スイッチSP12、SP22の2つしかない。この場合、ACからDCへの動作中のDPWM340の出力と、 DCからACへの動作中のDPWM350の出力とが、一次側スイッチ240-1の2つのスイッチSP11、SP21と、一次側スイッチ240-2の2つのスイッチSP12、SP22とを制御する。
【0052】
2つの二次側ポート230-1、230-2では、それぞれの二次側スイッチ250-1、250-2は、フルブリッジ構成になっている。2組の一次側スイッチ240-1、240-2は、並列に接続されている。2組の二次側スイッチ250-1、250-2は、図8を参照して説明した配置と同様に、コントローラ150によるリレーR、R及びRの制御に基づいて並列または直列に接続されてもよい。単段双方向電源装置100について説明したすべての様々な構成に当てはまるように、図3Aおよび図3Bを参照して説明した制御方式は、図9に示される構成に使用される。
【0053】
図10は、例示的な実施例による単段双方向電源装置100の回路図である。コントローラ150は、図10の構成の一部であるが、図示されていない。例示的な構成では、EMIフィルタ205の直後では、2つの部分に分割される。従って、ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130の両方が2つの部分に分割される。双方向コンバータ130の各部分は、一次側ポート 220-1、220-2と二次側ポート230-1、230-2とを分離する変圧器225-1、225-2を含む。ライン周波数整流器/インバータ120と一次側及び二次側スイッチ240-1、240-2、250-1、250-2は、いずれもフルブリッジ構成となっている。ライン周波数整流器/インバータ120の各部分と関連する一次側ポート220-1、220-2は、互いに並列である。 2組の二次側スイッチ250-1、250-2は、図8を参照して説明した配置と同様に、コントローラ150によるリレーR、R及びRの制御に基づいて並列または直列に接続されてもよい。単段双方向電源装置100について説明したすべての様々な構成に当てはまるように、図3Aおよび図3Bを参照して説明した制御方式は、DPWM340およびDPWM350のそれぞれが、図3Aおよび図3Bに示されるように、4つではなく8つのスイッチ(即ち、240-1及び240-2の両方または250-1および250-2の両方)を制御する、図10に示される構成に使用される。
【0054】
図11~14は、図3Aおよび図3Bを参照して説明した制御方式とともに、ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130の様々な実施例を含む三相電源1000の異なる実施例を示す。図11は、1つ以上の実施例による各相の整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130を実装する三相電源装置 1000のブロック図である。図示のように、各相の整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130は、図3A及び図3Bを参照して説明した制御を実施する別個のコントローラ150によって制御される。この例示的な構成は、図3A及び図3Bを参照して説明した制御方式を実装できる様々な方法を限定することを意図したものではない。代替実施例によると、制御機能は、1つのコントローラ150に結合されてもよく、または2つまたは3つ以上のコントローラ150に分割されてもよい。
【0055】
図11の例示的な実施例では、三相は、共通のEMIフィルタ205を共有する。更に、各ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130のペアは、相間入力端子(phase-to-phase input terminals)に接続される。各ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130のペアは、図2、6~10を参照して詳述した実施例のいずれかに従って実装されてもよい。異なる位相に関連する電圧VTN、VSN、VRNは、互いに120度位相シフトされる。従って、三相の出力DC電圧(VDC,1, VDC,2, VDC,3)のリップルも互いに120度位相シフトしている。3つの整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130のペアが並列に接続されているため、DC出力電圧VDCのリップルは非常に小さい。
【0056】
図12は、1つ以上の実施例による各相のライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130を実装する三相電源装置1000をブロック図である。図12に示す構成は、各相に対して別個のEMIフィルタ205が設けられている点で、図11に示す 構成とは異なる。この実施例は、図13に更に詳細に示されている。
【0057】
図13は、図12に示す三相電源装置1000の回路図である。 図示のように、各ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130のペアの例示的な実施例は、図2に示す実施例と同様である。リレーR、R、及びRは、1つ以上のコントローラによってまたは個別のコントローラによって制御され、3つの双方向コンバータ130の二次側ポート230をフルブリッジまたはスタック型ハーフブリッジ配置で接続してもよい。 リレーR、R、及びRの制御は、図8を参照して説明したように、出力DC電圧VDCの値に基づいてもよい。
【0058】
図14は、1つ以上の実施例による各相のライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130を実装する三相電源装置1000のブロック図である。図14に示す実施例は、各ライン周波数整流器/インバータ120及び双方向コンバータ130のペアが相中入力端子(phase-neutral input terminals)(相間入力端子ではなく)に接続される点で、図12示す実施例と異なる。図14の他の例示的な変形例では、図11に示すように、三相が共通のEMIフィルタ205を共有する。
【0059】
本明細書で詳述する様々な態様および実施形態によれば、
【0060】
双方向電源装置は、第1動作モードではソースとして、第2動作モードでは負荷としての交流(AC) ポートと、第1動作モードではACポートからのAC入力を整流する整流器として機能する1組のダイオード及び第2動作モードではACポートに供給するインバータとして機能する1組のスイッチを含むライン周波数整流器/インバータとを備える。双方向共振コンバータは、直流(DC) ポートに結合される。双方向共振コンバータは、変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチを有する一次側ポートと二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。コントローラは、スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。
【0061】
コントローラは、ACポートにおけるAC電流の周波数に基づいて、固定周波数でスイッチの組を制御する。
【0062】
電磁干渉(EMI)フィルタは、ACポートとライン周波数整流器/インバータとの間に配置される。
【0063】
ライン周波数整流器/インバータと双方向共振コンバータとの間にキャパシタが配置される。キャパシタにかかる電圧VBは、整流されたAC電圧である。
【0064】
双方向電源装置のACからDCへの動作中、コントローラは、一次側スイッチの制御から二次側スイッチの制御への時間遅延を適用する。
【0065】
コントローラは、DCポートにおける出力電圧VDC、キャパシタにかかる電圧VB、双方向共振コンバータの平均入力電流iBR,avgを取得して制御電圧Vieaを決定する。
【0066】
コントローラは、直接電流コントローラまたは加算器から制御電圧Vieaを取得する。当該加算器は、電流コントローラの出力電圧とマッピングされた電圧を加算する。当該マッピングされた電圧は、DCポートにおける出力電圧VDC、キャパシタにかかる電圧VB、ACポートにおける電圧VAC、またはDCポートにおける電力出力間のマッピング電圧である。
【0067】
コントローラは、制御電圧Vieaを、時間遅延を提供する第1リミッタとスイッチング周波数を提供する第2リミッタに提供し、第1リミッタが時間遅延を所定の時間遅延にするか、または第2リミッタがスイッチング周波数を所定のスイッチング周波数にするかのいずれかであり、両方ともではない。
【0068】
双方向電源装置のDCからACへの動作中、コントローラは、二次側スイッチの制御から一次側スイッチの制御への時間遅延を適用する。
【0069】
コントローラは、基準発生器からの基準AC電流iAC,refまたは基準AC電圧VAC,ref、キャパシタにかかる電圧VBを取得し、制御電圧Vieaを決定する。
【0070】
コントローラは、制御電圧Vieaを、時間遅延を提供する第1リミッタとスイッチング周波数を提供する第2リミッタに提供し、第1リミッタが時間遅延を所定の時間遅延にするか、または第2リミッタがスイッチング周波数を所定のスイッチング周波数にするかのいずれかであり、両方ともではない。
【0071】
双方向共振コンバータの一次側スイッチは、フルブリッジまたはハーフブリッジ構成で配置され、双方向共振コンバータの二次側スイッチは、フルブリッジまたはスタック型ハーフブリッジ構成で配置される。
【0072】
二次側スイッチは、スタック型ハーフブリッジ構成で配置され、二次側ポートは、DCポートにおける出力電圧VDCが閾値以上の場合にスタック型ハーフブリッジ構成を維持し、DCポートにおける出力電圧VDCが閾値以下の場合にフルブリッジ構成に変換するように制御されるリレーを含む。
【0073】
双方向共振コンバータは、第2変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、第2一次側スイッチを有する第2一次側ポートと、第2二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。
【0074】
第2ライン周波数整流器/インバータは、第2一次側ポートに結合される。
【0075】
電源装置は、三相電源装置であり、ACポートは、異なる位相の3つのポートを含み、3つのポートのそれぞれは、ライン周波数整流器/インバータ及び双方向共振コンバータのペアに結合される。
【0076】
双方向共振コンバータは、変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチを有する一次側ポートと二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。コントローラは、スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御する。
【0077】
双方向共振コンバータの一次側スイッチはフルブリッジまたはハーフブリッジ構成に配置され、双方向共振コンバータの二次側スイッチはフルブリッジまたはスタック型ハーフブリッジ構成に配置され、二次側スイッチはスタック型ハーフブリッジ構成に配置される。二次側ポートは、二次側ポートにおける出力電圧VDCが閾値以上の場合にスタック型ハーフブリッジ構成を維持し、出力電圧VDCが閾値以下の場合にフルブリッジ構成に変換するように制御されるリレーを含む。
【0078】
双方向共振コンバータは、第2変圧器の一次側および二次側にそれぞれ配置された、第2一次側スイッチを有する第2一次側ポートと第2二次側スイッチを有する第2二次側ポートとを含む。
【0079】
双方向共振コンバータの製造方法は、ライン周波数整流器/インバータをACポートに結合することを含む。ライン周波数整流器/インバータは、 第1の動作モードでACポートからのAC入力を整流する整流器として機能する1組のダイオードと、第2動作モードでACポートに供給するインバータとして機能する1組のスイッチを含む。前記方法は、更に、双方向共振コンバータをライン周波数整流器/インバータ及び直流(DC) ポートに結合することを含む。一実施例では、双方向共振コンバータ及びライン周波数整流器/インバータは、実際の必要に応じて、同一のPCB上に集積してもよく、異なるPCB上に集積してもよい。一実施例では、AC入力及びライン周波数整流器/インバータは、1つのケースに配置されてもよく、双方向共振コンバータ及びDC入力は、他のケースに配置されてもよく、2つのケースは、外部配線を介して互いに接続されてもよい。 双方向共振コンバータは、変圧器の一次側及び二次側にそれぞれ配置された、一次側スイッチを有する一次側ポートと二次側スイッチを有する二次側ポートとを含む。コントローラは、一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を所定の時間遅延に設定しながら、決定された値に基づいてスイッチング周波数を制御することにより、第1制御モード中に一次側スイッチ及び二次側スイッチを制御するように構成される。コントローラは、更に、スイッチング周波数を所定のスイッチング周波数に設定しながら、決定された値に基づいて一次側スイッチと二次側スイッチの制御間の時間遅延を制御することにより、第2制御モード中に一次側スイッチと二次側スイッチを制御するように構成される。
【0080】
本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられているものについて説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定される必要はないことを理解されたい。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な修正及び類似の構成を網羅することが意図されており、そのような修正及び類似の構成のすべてを包含するように、最も広い解釈に従うべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】