(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160941
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】有効成分溶液を調製及び分注するための装置
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061819
(22)【出願日】2024-04-07
(31)【優先権主張番号】23171450.2
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】510340506
【氏名又は名称】ヘレウス メディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】フォーグト,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】クルーゲ,トーマス
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC04
4C047CC13
4C047HH03
4C047HH06
4C047HH07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】有効成分溶液(好ましくは、創傷洗浄溶液)を調製及び分注するための装置を提供する。
【解決手段】有効成分溶液を調製及び分注するための装置100は、容器200への液密接続のために設計及び構成される接続要素109と、容器の隔壁を穿孔するように設計及び構成されるマンドレル102と、固体形態の有効成分を含有するリザーバ103の出口を介して接続要素に流体伝導的に接続することができ、リザーバの出口に配置され、固体形態の有効成分104をリザーバ内に保持するように構成される液体透過性フィルタ106と、容器からリザーバ内に液体を受容するように構成され、且つ/又はリザーバから液体を分注するように構成された流体要素108を有し、装置は、液体を容器からリザーバ内に受容し、有効成分を液体に溶解し、溶解した有効成分を接続要素を介して患者に分注するように設計及び構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分溶液、好ましくは消毒用創傷洗浄溶液を生成するための装置(100)であって、
容器(200)への液密接続のために設計及び構成される接続要素(101)と、
容器の隔壁(201)を穿孔するように設計及び構成されるマンドレル(102)と、
固体形態の有効成分(104)を含有するリザーバであって、前記リザーバの出口(105)を介して前記接続要素(101)に流体伝導的に接続することができるリザーバ(103)と、
前記リザーバの前記出口(105)に配置され、前記リザーバ(103)内に固体形態の前記有効成分(104)を保持するように構成される液体透過性フィルタ(106)と、
容器(200)から前記リザーバ(103)内に液体(202)を受容するように構成され、且つ/又は前記リザーバ(103)から液体(202)を分注するように構成される流体要素(107)とを有し、
前記装置(100)は、液体(202)を容器(200)から前記リザーバ内に受容し、前記有効成分(104)を前記液体(202)に溶解し、前記溶解した有効成分を前記接続要素(101)を介して患者に分注するように設計及び構成されている、装置(100)。
【請求項2】
前記有効成分は、好ましくは、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム、過酸化尿素、塩化トリイソシアヌル酸、ナトリウム-N-クロロ-4-メチルベンゼンスルホンアミド、ナトリウム-N-クロロベンゼンスルホンアミド、オクテニジン、ポリヘキサニド、及びジグルコン酸クロルヘキシジンからなる群から選択される消毒剤である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マンドレル(102)は、容器(200)から前記リザーバ(103)内に液体(202)を受容するように構成される中空内部(115)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体要素(107)は、前記リザーバ(103)内に移動可能に配置され、前記リザーバを液密に閉鎖するプランジャ(108)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
互いに取り外し可能に接続することができる第1の構成要素(150)及び第2の構成要素(160)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の構成要素(150)は、前記接続要素(101)及び前記マンドレル(102)を含有し、且つ/又は前記第2の構成要素(160)は、前記リザーバ(103)、前記フィルタ(106)、及び前記流体要素(107)を含有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記第1の構成要素(150)を前記第2の構成要素(160)に接続することができる接続要素(109)も有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が完全に滅菌され、好ましくは完全に非発熱原性である、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記有効成分を溶解形態で分注するように構成されるノズル(110)も有する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記ノズル(110)は、前記接続要素(101)に流体伝導的に取り外し可能に接続することができる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記接続要素(101)は、液体(202)を容器(200)から前記リザーバ(103)内に受容するように構成される第1のフィードスルー(111)を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記接続要素(101)は、容器(200)から液体(202)を分注するように構成される第2のフィードスルー(112)を有し、前記分注は、好ましくは、前記装置(100)が前記第1のフィードスルー(111)を介して前記リザーバ(103)に接続された状態で可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記リザーバ(103)は、ガンマ線及び/又は電子ビームに対して透過性である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リザーバ(103)は、前記リザーバ(103)を第1の領域と第2の領域とに分割する第2のフィルタを更に有する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
請求項2に記載の装置(100)と、医学的に適合性の液体を有する容器(200)とを有するキットであって、前記装置(100)は、前記容器(200)に取り外し可能に接続することができ、前記キットは、無菌状態で一緒に包装され、好ましくは完全に滅菌され、より好ましくは完全に非発熱原性である、キット。
【請求項16】
有効成分が、液体に溶解され、その後、患者への投与の直前に請求項2に記載の装置又は請求項15に記載のキットによって溶解形態で投与される、医療処置方法において使用するための有効成分。
【請求項17】
有効成分溶液を生成するための方法であって、
a)請求項2に記載の装置(100)を使用して容器(200)から前記装置の前記リザーバ(103)内に液体(202)を受容する工程と、
b)前記リザーバ(103)内の前記有効成分(104)を、工程a)で受容された前記液体(202)と混合する工程と、
c)それによって有効成分溶液を得る工程と、
d)任意選択で、前記有効成分溶液を前記容器(200)内に分注する工程とを含む、方法。
【請求項18】
有効成分溶液を生成するための、請求項2に記載の装置(100)又は請求項15に記載のキットの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術の分野に関し、特に、有効成分溶液(例えば、創傷洗浄溶液)を調製及び分注するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消毒有効成分及び消毒液は、19世紀から知られている。そのような有効成分の例は、次亜塩素酸塩及びそれらの溶液である。次亜塩素酸塩溶液の貯蔵寿命は限られている。この原因は、主に次亜塩素酸イオンの塩素イオンへの変換がゆっくりと進行することである。これは、溶液の次亜塩素酸塩含量が貯蔵時間の増加と共に減少することを意味する。更に、次亜塩素酸イオンを塩化物イオンと酸素に分解することも可能である。
【0003】
消毒用次亜塩素酸塩溶液は従来技術において公知であり、貯蔵安定性を改善するために様々な解決策が提案されている。
【0004】
そのような解決策は、例えば、以下の公報、米国特許第8945630号、米国特許出願公開第2011/0236490号、国際公開第2021001789号、米国特許出願公開第2019328776号、国際公開第2021134041号、国際公開第2022/038507号、国際公開第2020252433号、国際公開第2020174436号、米国特許出願公開第243781号、米国特許出願公開第3749672号、米国特許出願公開第6162371号、国際公開第1991/003936号、米国特許出願公開第641974号、米国特許出願公開第2009/0258083号、国際公開第2010148004号、国際公開第2010148004号、米国特許出願公開第2009/0148342号、国際公開第2016/100543号、国際公開第2020/089693号、及び国際公開第2021/162736号に記載されている。
【0005】
しかしながら、水溶液中の次亜塩素酸イオンの分解からの完全な保護は依然として困難である。
【0006】
更なる課題は、そのような溶液を滅菌形態で提供することであり、その目的は、容器も滅菌且つ安定であることである。例えば、米国特許第4964261号及び米国特許出願公開第2005232848号は、この課題に対処している。
【0007】
次亜塩素酸塩含有溶液を生成するための固体前駆体は、独国特許出願公開第2712574号及び米国特許第4104190号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
好ましい実施形態
本発明の目的は、上述した問題及び従来技術の更なる問題の1つ以上を解決することである。例えば、本発明は、すぐに使用できる有効成分溶液が、滅菌生理食塩水又は同等の溶液を含む市販の容器を使用して、迅速に、容易に、且つ経済的に生成され得る、有効成分含有装置を提供する。本発明による装置は固体形態の有効成分を含有するので、装置は、水溶液中で永続的に安定でない有効成分を含有する場合であっても、より長期間貯蔵することができる。更に、液体の滅菌は、本発明による装置の製造中に省略される。いくつかの有効成分は、滅菌中に溶液中でより容易に分解するので、固体形態でより良好に滅菌することができる。いくつかの実施形態では、本発明による装置は、例えば、本発明による装置に取り付けることができるノズルを使用して、装置内で生成された液体を患者に直接分注することを可能にする。
【0009】
これらの目的は、本明細書に記載される方法及び装置、特に、特許請求の範囲に記載されるものによって達成される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態を以下に記載する。
【0011】
実施形態1は、有効成分溶液、好ましくは消毒用創傷洗浄溶液を生成するための装置であって、
容器への液密接続のために設計及び構成される接続要素と、
容器の隔壁を穿孔するように設計及び構成されるマンドレルと、
固体形態の有効成分を含有するリザーバであって、リザーバの出口を介して接続要素に流体伝導的に接続することができるリザーバと、
リザーバの出口に配置され、リザーバ内に固体形態の有効成分を保持するように構成される液体透過性フィルタと、
容器からリザーバ内に液体を受容するように構成され、且つ/又はリザーバから液体を分注するように構成される流体要素とを有し、
装置は、液体を容器からリザーバ内に受容し、有効成分を液体に溶解し、溶解した有効成分を接続要素を介して患者に分注するように設計及び構成されている、装置に関する。
【0012】
実施形態2は、マンドレルは、容器からリザーバ内に液体を受容するように構成される中空内部を有する、実施形態1による装置に関する。
【0013】
実施形態3は、流体要素が、リザーバ内に移動可能に配置され、リザーバを液密に閉鎖するプランジャを有する、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0014】
実施形態4は、互いに取り外し可能に接続することができる第1の構成要素及び第2の構成要素を有する、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0015】
実施形態5は、第1の構成要素は、接続要素及びマンドレルを含有し、且つ/又は第2の構成要素がリザーバ、フィルタ、及び流体要素を含有する、実施形態4による装置に関する。
【0016】
実施形態6は、第1の構成要素を第2の構成要素に接続することができるねじ山も有する、実施形態4又は5による装置に関する。
【0017】
実施形態7は、装置が完全に滅菌され、好ましくは完全に非発熱原性である、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0018】
実施形態8は、装置は、有効成分を溶解形態で分注するように構成される噴霧ノズルも有する、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0019】
実施形態9は、噴霧ノズルは、接続要素に流体伝導的に取り外し可能に接続することができる、実施形態8による装置に関する。
【0020】
実施形態10は、有効成分は、好ましくは、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム、過酸化尿素、塩化トリイソシアヌル酸、ナトリウム-N-クロロ-4-メチルベンゼンスルホンアミド、ナトリウム-N-クロロベンゼンスルホンアミド、オクテニジン、ポリヘキサニド、及びジグルコン酸クロルヘキシジンからなる群から選択される消毒剤である、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0021】
実施形態11は、接続要素は、液体を容器からリザーバ内に受容するように構成される第1のフィードスルーを有する、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0022】
実施形態12は、接続要素は、容器から液体を分注するように構成される第2のフィードスルーを有し、分注は、好ましくは、装置が実施形態11による第1のフィードスルーを介してリザーバに接続された状態で可能である、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0023】
実施形態13は、リザーバがガンマ線及び/又は電子ビームに対して透過性である、前述の実施形態のいずれか1つによる装置に関する。
【0024】
更なる態様は、実施形態1から13のうちの1つによる装置と、医学的に適合性の液体を有する容器とを有するキットであって、装置は、容器に取り外し可能に接続することができ、キットは、無菌状態で一緒に包装され、好ましくは完全に滅菌され、より好ましくは完全に発熱物質を含まない、キットに関する。
【0025】
別の態様は、有効成分は、液体に溶解され、その後、患者への投与の直前に、前述の実施形態のいずれか1つによる装置によって溶解形態で投与される、医療処置方法において使用するための有効成分に関する。
【0026】
更なる態様は、有効成分溶液を調製するための方法であって、
a)実施形態1から13のいずれか1つに記載の装置を使用して容器から装置のリザーバ内に液体を受容する工程と、
b)リザーバ内の有効成分を、工程a)で受容された液体と混合する工程と、
c)それによって有効成分溶液を得る工程と、
d)任意選択で、有効成分溶液を容器内に分注する工程とを含む、方法に関する。
【0027】
別の態様は、有効成分溶液を生成するための、実施形態1から13のいずれか1つによる装置の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、容器に接続することができる装置の第1の部分を示す。
【
図2】
図2は、本発明による装置に接続することができる容器を示す。
【
図3】
図3は、容器に取り付けられた本発明による装置の第1の部分を示す。
【
図4】
図4は、有効成分のためのリザーバと、容器から液体を輸送するための流体要素とを有する、本発明による装置の第2の部分を示す。
【
図5】
図5は、容器に接続された本発明による装置を示す。
【
図6】
図6は、クロージャ又は装置の第2の部分に接続するためのねじ山を有する、本発明による装置の第1の部分を示す。
【
図7】
図7は、ねじ山を介して装置の第2の部分に接続される、
図6による本発明による装置の第1の部分を示す。
【
図8】
図8は、ねじ山を介してノズルに接続される、
図6による本発明による装置の第1の部分を示す。
【
図11】
図11は、本発明による装置と共に使用することができるジョイントを有するノズルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に記載の実施形態に関して、特定の特徴(例えば、材料)を「有する(have)」、「含有する(contain)」又は「含む(comprise)」要素は、原則として、関連する要素がその特徴のみからなる、すなわち、他の構成要素を含まない更なる実施形態が常に企図される。用語「含む(comprise)」又は「含んでいる(comprising)」は、本明細書において、用語「含有する(contain)」、「含有している(containing)」、「有する(have)」又は「有している(having)」と同義的に使用される。
【0030】
一実施形態では、要素が単数形で示される場合、2つ以上のそのような要素が存在する実施形態も企図される。複数形の要素に対する用語の使用は、基本的に、単一の対応する要素のみが含まれる実施形態も包含する。別段の指示がない限り、又は文脈から明確に除外されない限り、異なる実施形態の特徴が、本明細書に記載される他の実施形態にも存在し得ることが原理的に可能であり、これによって明確に企図される。同様に、原則として、方法に関連して本明細書に記載される全ての特徴は、本明細書に記載される製品及び装置にも適用可能であり、逆もまた同様であることが企図される。単に説明を簡潔にするために、全てのそのような考慮される組み合わせは、全ての事例において明示的に列挙されているわけではない。本明細書に記載される特徴と同等であることが知られている技術的解決手段もまた、本発明の範囲によって原理的に包含されることが意図されている。
【0031】
実施形態1は、有効成分溶液を生成するための装置であって、
容器への液密接続のために設計及び構成される接続要素と、
容器の隔壁を穿孔するように設計及び構成されるマンドレルと、
固体形態の有効成分を含有するリザーバであって、リザーバの出口を介して接続要素に流体伝導的に接続することができるリザーバと、
リザーバの出口に配置され、固体形態の有効成分をリザーバ内に保持するように構成される液体透過性フィルタと、
リザーバ内に容器から液体を受容するように構成され、且つ/又はリザーバから液体を分注するように構成される流体要素とを有し、
装置は、液体を容器からリザーバ内に受容し、有効成分を液体に溶解し、溶解した有効成分を接続要素を介して患者に分注するように設計及び構成されている、装置について記載する。
【0032】
装置は、有効成分を含む。有効成分は、好ましくは消毒有効成分である。有効成分溶液は、好ましくは消毒用創傷洗浄溶液である。「殺菌性」及び「抗菌性」という用語は、本明細書において同義的に使用され、有効成分の殺菌効果又は殺真菌効果、すなわち、殺菌性の効果を示す。装置は、賦形剤を更に含有することができる。有効成分は、そのような賦形剤との混合物として存在することができる。賦形剤は、例えば緩衝物質を含むことができる。一実施形態では、賦形剤は、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸ラクトン、グルコン酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸、及びクエン酸一ナトリウムからなる群から選択される。
【0033】
装置は、接続要素を有する。接続要素は、装置を容器に液密接続するように設計及び構成される。このような容器は、例えば、生理食塩水、注入溶液、及び同様の液体医療製品が市販されているパッケージであり得る。例えば、ボトル又はフィルムバッグがこの目的のために使用される。これらの容器は、しばしばプラスチックからなる。容器は、可撓性の、好ましくは弾性変形可能な外壁を有する容器とすることができ、その結果、その中に含有された液体は、容器を圧縮することによって容器から放出することができる。容器は、装置のマンドレルによって穿孔することができる隔壁を含むことができる。
【0034】
装置の接続要素は、好ましくは、形状嵌合で容器に接続可能であり得る。例えば、接続要素は、プラスチックボトルの開口部又はフィルムパウチの接続部に取り付け可能であり得る。
【0035】
装置は、容器の隔壁を穿孔するように設計及び構成されるマンドレルを更に含有する。この目的のために、マンドレルはテーパ形状を有することができ、その先端は、マンドレルの圧力を隔壁に手動で加えることによって、容器の隔壁を貫通することができる。同等の構造が、注入溶液を有する容器に注入セットを接続するために使用される。
【0036】
装置は更にリザーバを有する。リザーバは、固体形態(例えば、粉末)の有効成分を含有する。リザーバは、シリンジの内部と同様の実質的に円筒形の形状を有することができる。
【0037】
装置は、含有された有効成分を溶解形態で容器内に分注するように構成することができる。
【0038】
フィルタがリザーバの出口に配置される。このフィルタは、有効成分が液体に溶解しない限り、リザーバ内に有効成分を保持するように構成される。このようにして、有効成分が溶解していない形態で患者に送達されることを防ぐことができる。しかしながら、有効成分のみが、もっぱら溶解形態で患者に送達され得ることが望ましい。この目的のために、フィルタは、好ましくは液体透過性であり得る。フィルタは、好ましくは気体透過性である。気体透過性フィルタは、例えば、特に本発明による装置の製造中に、リザーバを有効成分でより容易に充填することを可能にする。この目的のために、有効成分は、好ましくは、圧縮空気又は真空を使用してリザーバ内に導入することができ、気体透過性フィルタは、気体を通過させるが、有効成分をリザーバ内に保持する。
【0039】
フィルタは、例えば、ディスクの形状を有することができる。フィルタは、好ましくは開放多孔性を有する。いくつかの実施形態では、フィルタは、5μm未満、好ましくは3μm未満、特に好ましくは1μm未満の孔径を有する開孔を有する。この孔径は、対応する粒径を有する球状粒子を除外することによって決定することができる。したがって、それは公称孔径である。
【0040】
フィルタは、リザーバ内のホルダによって固定することができる。ホルダは、例えばクランプリングの形態で設計することができる。任意選択的に、フィルタは、リザーバの壁の凹部に固定することができる。
【0041】
フィルタは、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、又はポリテトラフルオロエチレンを有することができる。
【0042】
フィルタは、織布フィルタ又は不織布フィルタであり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、リザーバは、リザーバを2つの別個の領域、すなわち、第1の領域及び第2の領域に分割する第2のフィルタを含む。第2のフィルタは、第2のホルダによってリザーバ内に固定することができる。第1の領域は第1の有効成分を含有することができ、第2の領域は第1の有効成分とは異なる第2の有効成分を含有することができる。第1の有効成分及び第2の有効成分は、好ましくは各々、固体形態、例えば粉末形態である。そのような実施形態は、装置の貯蔵中に2つの有効成分が固体形態で互いに接触することなく、2つの異なる有効成分を有する有効成分溶液の生成を可能にする。
【0044】
リザーバは、リザーバと容器の容積の比が1:25~1:500の比になるような寸法にすることができる。容器の容積は、例えば、250mL、500mL、又は1,000mLであり得る。したがって、リザーバの容積は、例えば、0.5~10mL、1~20mL、又は2~40mLであり得る。
【0045】
装置は、流体要素も有する。流体要素は、容器からリザーバ内に液体を受容するように構成されることが好ましい。代替的又は追加的に、流体要素は、リザーバから液体を分注するように構成され得る。流体要素は、液体を能動的に搬送するように構成されることが好ましい。流体要素は、例えば、液体を搬送するためのプランジャを有することができる。流体要素は、シリンジ又はポンプを有することができる。
【0046】
一実施形態では、マンドレルは、容器からリザーバ内に液体を受容するように構成される中空内部を有する。この場合、マンドレルは、例えば、中空針の形態で設計することができる。マンドレルは、例えば、プラスチックからなるか、又はプラスチックを含むことができる。
【0047】
好ましくは、マンドレルは、生理食塩水用の市販の容器の隔壁を貫通するのに十分な剛性を有するが、医療従事者を傷つける危険性があるほど硬くて堅固ではない。一実施形態では、マンドレルは金属針ではない。
【0048】
一実施形態では、流体要素は、リザーバ内に移動可能に配置され、リザーバを液密に閉鎖するプランジャを有する。したがって、流体要素は、例えば、シリンジ又はシリンジポンプとして設計することができる。流体要素は、液体を移動させるための他のタイプの手段、例えば、膜ポンプ、蠕動ポンプ、圧縮空気カートリッジ、又は外部圧力若しくは真空源のための接続部も有することができる。
【0049】
一実施形態では、装置は、互いに取り外し可能に接続することができる第1の構成要素及び第2の構成要素を有する。例えば、第1の構成要素は、接続要素及びマンドレルを含有することができ、且つ/又は第2の構成要素は、リザーバ、フィルタ、及び流体要素を含有することができる。第1の構成要素及び第2の構成要素は、接続要素、好ましくは形状嵌合接続要素によって、例えば、ねじ山又はスナップフックによって、互いに接続可能であり得る。好ましいねじ山はルアーロックねじ山である。第1の構成要素は、好ましくは、第2の構成要素の雌ねじに接続することができる雄ねじを有することができる。第2の構成要素は、第1の構成要素の雌ねじに接続することができる雄ねじを有することができる。
【0050】
一実施形態では、第1の構成要素は、容器に流体接続されるように構成することができ、一方、第2の構成要素は、第1の構成要素から切り離され、任意選択で別の装置によって、例えばクロージャ又はノズルによって交換される。したがって、第1の構成要素は、他の構成要素のための一種の多機能クイックコネクタとして機能することができる。第2の構成要素は、シリンジ、特に好ましくはルアーロックシリンジを含むことができる。
【0051】
上記で示したように、装置は、本発明による装置の個々の部品、特に第1の構成要素及び第2の構成要素を互いに接続するために、又は装置を更なる装置に接続するために、或いはその両方のために、接続要素を含むことができる。この場合、単一の接続要素が複数の異なる部品に択一的に接続されるように構成され得るか、又はいくつかの接続要素が装置の異なる位置に設けられ得る。接続要素は、好ましくは、形状嵌合接続要素である。そのような接続要素の例は、ねじ山である。いくつかの実施形態では、接続要素はルアーロックねじ山である。
【0052】
一実施形態では、装置は、第1の構成要素を第2の構成要素に接続することができる接続要素を有する。いくつかの実施形態では、同じ接続要素が、装置をクロージャ、ノズル、又は別の分注装置に接続するように更に構成される。或いは、これらの目的のために、互いに異なる個々の接続要素を設けることができる。
【0053】
一実施形態では、装置は完全に滅菌される。一実施形態では、装置は完全に発熱物質を含まない。「滅菌された」という用語は、例えばDIN EN 556-1規格などの通常の規格に従って装置を医学的に使用することができるように、病原体を除去又は死滅させるための方法にかけられた装置を指す。滅菌のための方法は、例えば、オートクレーブ処置、電子ビーム若しくはガンマ線による照射、又は消毒物質(例えば、エチレンオキシド)による処置を含む。同様に、「非発熱原性」という用語は、発熱物質を除去又は分解するための当該技術分野で慣例的な処置を施された装置を指す。本装置が非発熱原性であるかどうかは、Ph.Eur.第2.6.14章に従ったReynolds Amebocyte Lysate(LAL)試験を用いて試験することができる。本出願の優先日時点で最新の規格又は文書が、各々の場合に適用される。
【0054】
一実施形態では、装置は、有効成分を溶解形態で分注するように構成されるノズルを更に有する。ノズルは、一端が尖っている実質的に円筒形の中空本体を有することができる。ノズルは、任意選択で、装置全体に対してノズルの開口部を横方向に曲げることによって異なる方向への液体の分注を可能にするジョイントを含むことができる。
【0055】
ノズルは、好ましくは、取り外し可能な流体伝導的に接続要素に接続することができる。これは、形状嵌合接続要素、例えば、ねじ山、好ましくはルアーロックねじ山を介して可能にすることができる。
【0056】
装置は、シールドを更に含むことができる。シールドは、放出された液体、特に有効成分溶液の飛散から装置の部品を保護するように構成され得る。シールドは、ノズル上に又はノズルに空間的に近接して配置することができる。シールドは、ディスクの形状を有することができる。シールドは、パラボラアンテナと同様の凹状湾曲を有することができる。シールドは、シールドを装置の出力に取り付けるように構成される中央に配置された凹部を有することができる。
【0057】
一実施形態では、装置に含まれる有効成分は、消毒剤である。一実施形態では、消毒剤は、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム、過酸化尿素、塩化トリイソシアヌル酸、ナトリウム-N-クロロ-4-メチルベンゼンスルホンアミド、ナトリウム-N-クロロベンゼンスルホンアミド、オクテニジン、ポリヘキサニド、及びジグルコン酸クロルヘキシジンからなる群から選択される。一実施形態では、消毒剤は次亜塩素酸塩である。
【0058】
一実施形態において、有効成分は、300μm未満、好ましくは200μm未満、特に好ましくは100μm未満の平均粒径を有する粉末として存在する。粒径が小さいため、有効成分の粒子の迅速な溶解を達成することができる。有効成分の粒径は、好ましくはフィルタの排除体積を超えることができる。粒子のこの平均直径は、当該技術分野において慣習的であるように、分別スクリーニングによって決定することができる。一実施形態では、有効成分は、円筒形プレスブランクとして、又は円筒形凝固溶融物として存在する。
【0059】
一実施形態では、接続要素は、液体を容器からリザーバ内に受容するように構成される第1のフィードスルーを有する。第1のフィードスルーは、好ましくは、接続要素(特にマンドレル)とリザーバとの間の流体伝導接続を形成する。
【0060】
一実施形態では、装置は、容器から液体を分注するように構成される。この場合、分注は、好ましくは、装置が上述の第1のフィードスルーを介してリザーバに流体接続された状態で可能である。例えば、そのような実施形態を用いて、装置に接続された容器からの液体を最初に装置のリザーバ内に受容することができ、液体に含まれる有効成分を溶解することができ、その後、装置が容器に接続されている間に、溶解した有効成分を容器内に分注することができる。次いで、溶解した有効成分は、装置、特に装置の第1の構成要素が依然として容器に接続されている間に、装置を介して容器から患者に分注することができる。必要に応じて、装置は、放出された有効成分を分注するためのノズル又は別の分注装置に接続することができ、装置の第2の構成要素は、任意選択でノズル又は他の分注装置と交換することができる。液体は、好ましくは医学的に適合性の液体である。液体は、好ましくは内部適用に適している。
【0061】
一実施形態では、リザーバは、ガンマ線及び/又は電子ビームに対して透過性である。これは、完全に滅菌された装置を得るために、ガンマ線及び/又は電子ビームを使用して、装置の内部及び含有される有効成分を滅菌することを可能にする。
【0062】
一実施形態では、マンドレル及びリザーバは共に移送軸を画定し、リザーバからの及び/又はリザーバ内への液体の分注は、この移送軸に沿って行うことができる。一実施形態では、容器及びリザーバは共に移送軸を画定し、液体は、この移送軸に沿ってリザーバから分注され得る、及び/又はリザーバ内に受容され得る。
【0063】
別の態様は、前述の実施形態のいずれか1つによる装置と、医学的に適合性の液体を有する容器とを有するキットであって、装置は、容器に取り外し可能に接続することができるキットに関する。一実施形態では、キットの構成要素、すなわち装置及び容器は、無菌状態で一緒に包装される。一実施形態では、キットの構成要素は各々、完全に滅菌される。一実施形態では、キットの構成要素は各々、完全に発熱物質を含まない。キットは更に、液体を分注するための分注装置、例えばノズル又はリンス装置、例えば欧州特許第4035605号によるリンス装置を含有することができ、これは参照により本明細書に完全に組み込まれる。医学的に適合性の液体は、注入溶液又は医療用リンス溶液を含むことができる。医学的に適合性の液体は、生理食塩水、リンガー溶液、又は同等の塩含有溶液を含むことができる。医学的に適合性の液体は、好ましくは滅菌であり、及び/又は発熱物質を含まない。
【0064】
更なる態様は、医療処置方法において使用するための有効成分に関し、有効成分は、患者への投与の直前に液体に溶解され、その後、溶解形態で投与される。有効成分は、薬理学的効果を有する物質であり得る。有効成分は、例えば抗菌効果を有し得る。
【0065】
別の態様は、本明細書に記載される患者への投与の直前に本明細書に記載される装置を使用して活性剤が液体に溶解され、その後溶解形態で投与される、医療処置方法に関する。液体は、好ましくは、本明細書に記載されるような医学的に適合性の液体である。処置方法は、例えば、布地の消毒を含むことができる。処置方法は、外科的関節手術、例えば、関節インプラントの移植又は交換を含むことができる。関節インプラントは、例えば、スペーサであり得る。関節手術は、例えば、外科的股関節、膝、肩、又は背中手術を含むことができる。処置方法は、炎症状態の治療を更に含むことができる。処置方法は、例えば、関節関節症又は関節感染症の処置を含むことができる。
【0066】
更なる態様は、有効成分溶液を調製するための方法であって、
a)本明細書に記載の装置を使用して容器から装置のリザーバ内に液体を受容する工程と、
b)装置のリザーバ内の有効成分を、工程a)で受容された液体と混合する工程と、
c)それによって有効成分溶液を得る工程と、
d)任意選択で、有効成分溶液を容器内に分注する工程とを含む、方法に関する。
【0067】
本方法は、好ましくは、a)、b)、c)又はa)、b)、c)、d)の順序で行うことができる。本方法は、有効成分溶液を装置又は容器から放出する工程を更に含むことができる。有効成分溶液は、好ましくは、本明細書の他の箇所でより詳細に記載されるように、装置を介して容器から放出され得る。
【0068】
更なる態様は、上に示した方法に従って生成することができる有効成分溶液に関する。
【0069】
更なる態様は、有効成分溶液を生成するための、本明細書に記載される装置又は本明細書に記載されるキットの使用に関する。
【実施例0070】
以下、実施例を使用して本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことを理解されたい。ここで説明した特徴の代わりに他の同等の手段を同様に使用できることは、当業者には明らかであろう。
【0071】
図面
図1は、例として、装置100の第1の構成要素150を示し、構成要素は、容器200に接続することができる。装置の第1の構成要素150は、形状嵌合で容器に接続することができる接続要素101を有し、例えば、この目的のために注入ボトル又はフィルムパウチのヘッドに接続部が設けられる。装置は、容器の隔壁201を穿孔することができるマンドレル102も有する。マンドレル102は、液体を容器から装置内に案内するための内部空洞115を有する。内部空洞は、装置のフィードスルー111に接続される。装置100の第1の構成要素150は、装置の第1の構成要素150を装置の第2の構成要素160に接続することができる接続要素109も有する。この例における接続要素109は、ルアーロックねじ山として設計される。
【0072】
図2は、本発明による装置に接続することができる容器200を示す。容器200は、医学的に適合性の液体202を含有し、容器を外部に対して封止する隔壁201を有する。隔壁201は、弾性材料、例えばシリコーンから形成される。隔壁は、本発明による装置に接続する前に除去することができるシールによって更に保護することができる。
【0073】
図3は、容器200に取り付けられた本発明による装置の第1の構成要素150を示す。マンドレル102は、液体202が容器から空洞115及び第1のフィードスルー109を通って装置内に移送され得るように、容器200の隔壁201を貫通する。装置は、第1のねじ山109及び第2のねじ山113を含む。第1の構成要素150の両方のねじ山(109、113)は、ここでは雄ねじ山として設計される。
【0074】
図4は、有効成分104のためのリザーバ103と、容器200から液体202を輸送するための流体要素107とを有する本発明による装置100の第2の部分160を示す。流体要素107は、ここではシリンジとして設計される。有効成分104は、リザーバ103内に固体粉末として配置される。装置は、リザーバ103内に有効成分104を保持するためのフィルタ106も有する。有効成分104は、溶解形態でのみフィルタ106を通過することができる。フィルタ106は、ホルダ116によってリザーバ103内に固定されて、リザーバ103を外部に対して封止し、固体有効成分104がフィルタ106を通過してリザーバ103から出ることができないようにする。第2の構成要素160は、第1の構成要素150に接続するための接続要素を有する。第2の構成要素160のこの接続要素は、第1の構成要素150の接続要素と相補的である。ここに示される例では、第2の構成要素160はルアーロック雌ねじを有する。
【0075】
図5は、容器200に接続された本発明による装置100を示す。装置の第1の構成要素150は、接続要素109を介して、装置の第2の構成要素160に流体伝導的に且つ液密に接続される。接続要素101は容器200に接続され、マンドレル102は容器の隔壁を通して容器内に挿入される。容器の内部は、マンドレルの空洞115を介してリザーバ103に流体伝導的に接続される。ここではプランジャ108を有する流体要素を用いて、液体を容器200からリザーバ103に供給することができる。
【0076】
図6は、クロージャ114又は装置160の第2の構成要素への接続のための接続要素109を有する、本発明による装置の第1の構成要素150を示す。ここに示される実施形態において、ねじ山として設計された接続要素109は、代替的に、異なる要素に接続され得る。ねじ山109は、装置160の第2の構成要素に流体伝導的に接続され得るか、又はクロージャ114を使用して液密に閉鎖され得るかのいずれかである。
【0077】
図7は、ねじ山109によって装置の第2の構成要素160に接続される、
図6による本発明による装置の第1の構成要素150を示す。この構成では、装置の2つの構成要素150及び160の相互作用によって、液体を容器200から除去することができる。液体は、容器200から第1のフィードスルー111を介してリザーバ103内に圧送することができる。リザーバ103内では、リザーバ103内に含有された有効成分104は、液体を用いて溶解することができ、このようにして得られた有効成分溶液は、フィルタ106を通して容器200内に案内することができる。その後、装置の第2の構成要素160を取り外すことができ、有効成分溶液を装置の第1の構成要素150によって容器から分注することができ、例えば患者に分注することができる。
【0078】
図8は、ねじ山109を介してノズル110に接続することができる、
図6による本発明による装置の第1の構成要素150を示す。ノズル110及びフィードスルー111を使用して、装置を使用して生成された有効成分溶液を容器200から分注することができる。必要に応じて、接続要素109にクロージャ114を取り付けることによって、フィードスルー111を液密に封止することができる。
【0079】
図9は、容器200及び外部分注装置に同時に接続された本発明による装置を示す。この目的のために、装置は、ここではクロージャ114によって液密に閉鎖される第1のフィードスルー111に加えて、外部分注装置に接続するように構成される第2のフィードスルー112を含む。ここに示される構成では、第1の構成要素150は、接続要素101によって容器200に流体伝導的に接続され、それにより、装置を用いて生成された有効成分溶液を、第2のフィードスルー112を介して容器200から分注することができる。
【0080】
図10は、ノズル110及びシールド117を備える装置の第1の構成要素を示す。第1の構成要素は、容器200から有効成分溶液を分注するように構成される。ここに示される例におけるシールド117は、第1の構成要素150及び/又はノズル110に固定するための中央の円筒形の凹部を有する。シールドは、有効成分溶液がノズル110によって放出される場合、スプラッシュガードとして機能することができる。
【0081】
図11は、本発明による装置と共に使用することができるジョイント118を有するノズル110を示す。ジョイント118を用いて、ノズル110は、ノズルの出口開口部がノズルの接続部と180°とは異なる角度を形成するように曲げることができる。したがって、装置全体を回転させることなく、異なる方向に有効成分溶液を放出することができる。