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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160944
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ナイフユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/285 20060101AFI20241108BHJP
   A61B 17/3201 20060101ALI20241108BHJP
   A61B 18/12 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
A61B17/285
A61B17/3201
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024065220
(22)【出願日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】23171501
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・ボブ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF14
4C160KK03
4C160MM33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汚染に対して堅牢な改良された外科用器具、特に改良されたナイフユニットを提供する。
【解決手段】ナイフハウジング内に配置された平坦なナイフを備える。ナイフハウジングは、ナイフを内部に配置するように構成されたチャネルを備え、チャネルの壁上には、好ましくはこぶの形態で内側に突出する突起が形成され、突起間にナイフが遊びを有して保持される。ナイフハウジングがプラスチック製である場合、突起は、一次成形中に簡単な方法で作成することができる。ナイフハウジングが、変形方法によって、例えばスタンプ曲げ加工によって、半完成品、例えばシート部品から製造される場合、壁のその外側部に空洞を設けることで、チャネルを狭窄する互いに対向する突起を製造することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に医療用、特に外科用器具(10、10’)上のまたはそのためのナイフユニットであって、
互いから外方を向く2つの平坦な側面(25、26)を有するストリップ形状の本体を備えるナイフ(21)と、
前記ナイフ(21)が休止位置(R)と作動位置(A)との間で長手方向(L)に可動に配置されるチャネル(23)を備えるナイフハウジング(22)と、
を備え、
前記ナイフ(21)が、前記作動位置(A)において前記ナイフハウジング(22)から部分的に動かされ、
前記ナイフハウジング(22)が、前記ナイフ(21)の前記側面(25、26)に面する前記表面(31、32)上の前記チャネル(23)内に突起(33、34)を備える、ナイフユニット。
【請求項2】
前記休止位置(R)において、前記ナイフ(21)の全体が前記ナイフハウジング(22)の内側に位置することを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項3】
前記ナイフ(21)が、前記チャネル(23)内に遊び(S)を有して配置されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項4】
前記チャネル(23)が、平面である互いに面する2つの表面(31、32)によって限定されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項5】
前記ナイフ(21)が金属製であることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項6】
前記ナイフ(21)の端部上にブレード(27)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項7】
前記ブレード(27)が、前記長手方向(L)を横断して配置されることを特徴とする、請求項6に記載のナイフユニット。
【請求項8】
前記ナイフ(21)上に、駆動デバイス(20)に接続するように構成された結合構造体(28)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項9】
すべての突起(33)が、長手方向(L)に向けられた共通の直線上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項10】
前記突起(33、34)が、前記表面(31、32)上の丸みを帯びた隆起部であることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項11】
前記突起(33、34)と前記側面(25、26)との間に線接触または点接触が確立されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項12】
前記突起(33、34)が、こぶであることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項13】
互いに対向して配置された2つのこぶ間の距離(A)が、前記ナイフ(21)の前記側面(25、26)の間で測定される厚さ(D)よりも遊び(S)分ほど長いことを特徴とする、請求項12に記載のナイフユニット。
【請求項14】
前記突起(33、34)が、長手方向(L)に向けられた線上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のナイフユニット。
【請求項15】
前記ナイフハウジング(22)が、交換可能なカートリッジ(24)の一部であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のナイフユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立型ユニットとしての、または外科用器具の構成要素としての外科用器具のナイフユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、外科用器具は、組織を把持することができる鉗子状のツール部分を備える。多くの場合、可動に支持されたナイフがこの器具に割り当てられ、鉗子によって把持された組織を切断するのに役立つ。
【0003】
例えば、特許文献1は、この目的のために、示された構成のツールが配置された遠位端に長手方向シャフトを有する腹腔鏡使用のために構成された器具を開示している。
【0004】
器具内に保持された組織を切断するのに役立つナイフは、長手方向に遠位方向に送られる場合に組織を切断するために、横方向に湾曲したチャネル内の鉗子状ツールのジョー内で案内される。
【0005】
2つのジョーは、器具によって保持された組織を加熱し、したがって凝固させるために電流を印加することができる電極を備える。これにより、ナイフ温度に応じて組織がナイフにくっつくリスクが存在する。電極からナイフへの熱伝達によるナイフの過度の加熱を回避するために、ナイフチャネルの側面に歯が配置され、この歯は、長手方向に互いに離間した小さな接触面でのみナイフに接触する。
【0006】
さらに、特許文献2は、関連する再使用可能なメスハンドルを有する使い捨てメス用のブレードユニットを開示している。ブレードホルダおよびブレード保護が、メスのブレードに割り当てられる。ブレードホルダおよびハンドルがブレード保護部内で容易に摺動するように、ブレード保護部には、内側に、長手方向に延在する摺動リブが設けられている。
【0007】
さらに、特許文献3は、ジョー間に保持された組織を切断する、長手方向に移動可能なナイフなどの電気外科用切断器具の切断要素のための固着防止コーティングを開示している。そのような固着防止コーティングは、例えば、電気外科用切断デバイスの絶縁要素上に設けることができる。疎水性構造は、表面の微細な突起およびくぼみによって、組織と絶縁要素との間の領域を最小にするために接触を限定することができる。
【0008】
さらに、長手方向に可動に支持されたナイフが、器具から分離することができる個々のカートリッジの内部に支持されている、密封器具用のナイフカートリッジが、特許文献4から知られている。
【0009】
患者に対する器具の使用中、ナイフは長手方向に複数回移動される可能性があり、それによって組織液がナイフチャネル内に変位される可能性がある。その後、ナイフが特定の時間操作されない場合、ナイフはくっつきやすくなる可能性があり、それにより、ナイフは、辛うじて動かすことができるか、または全く動かすことができなくなる。これにより、操作プロセスが持続的に妨害され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0051316号明細書
【特許文献2】欧州特許第2893886号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2022/0331498号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第3815642号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、改良された器具、特に改良されたナイフユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載のナイフユニットによって解決される。
【0013】
本発明によるナイフユニットは、ナイフを内部に配置するための長手方向に延びるチャネルを有するナイフハウジングを備える。チャネルは、その内部にストリップ状ナイフを完全に配置するのに十分な長さを有し、それにより、ナイフは、チャネルの端部から突出しないか、またはわずかしか突出しない。一方、ナイフは、生体組織を切断するために長手方向にチャネルから十分に遠くに移動することができるように十分な長さを有し、それにより、ナイフはナイフスロット全体を通過し、ここでナイフの後部(近位)部分は、例えば鉗子状器具のジョーのナイフスロット内など、チャネルの内側に依然として残る。
【0014】
ナイフハウジングは、外科用器具、その器具と解放可能に接続されたナイフカートリッジまたはナイフカセットの一部とすることができる。カートリッジまたはカセットは、特許文献4のモデルに従って、または別の方法でも構成することができる。ナイフハウジングが器具の一部である場合、チャネルは、好ましくは滑らかで段差のない上述のナイフスロット内に移行する。しかしながら、ナイフハウジングがナイフカセットまたはナイフカートリッジの一部である場合、ナイフハウジングのチャネルが器具のナイフスロットにスムーズに隣接するようにナイフカセットまたはナイフカートリッジを保持する取り付け手段が器具上に設けられる。
【0015】
ナイフハウジングは、ナイフの側面に面する表面上のそのチャネルの内側に突起を備える。これらの突起は、チャネルの表面とナイフの側面との間に最小距離が常に維持されるという効果を有する。組織の切断中にナイフが長手方向に前後に動かされ、分泌物、組織残留物などがチャネル内に変位する場合、突起によって保証される表面と側面との間の最小距離により、ナイフがチャネル内にくっつかないことが保証される。また、器具が手術中に最初脇に置かれ、より短いまたはより長い期間の後に再び使用される場合、ナイフのくっつきは起こり得ず、したがって器具の使用の不具合が起こり得ない。
【0016】
好ましくは、休止位置において、ナイフの全体がナイフハウジング内に位置する。そうすることで、ナイフのエッジが保護される。さらに、ナイフユニットは、それが独立型ナイフカセットまたはナイフカートリッジとして構成される場合、操作人員の傷害のリスクを低減または排除することができる。
【0017】
好ましくは、ナイフは、遊び、特に横方向の遊びを伴ってチャネルの内側に配置される。遊びは、好ましくは100分の数ミリメートルの量を有し、チャネルの他方の表面から延びる突起の高さは、好ましくは少なくとも1/10ミリメートルの量を有する。このようにして、毛細管効果が大幅に阻害され、そうでなければ体液、分泌物、特にアルブミン液体のチャネルへの容易な進入をもたらし得る。
【0018】
好ましくは、ナイフは金属製、例えばステンレス製である。同様に、ナイフハウジングは、好ましくは金属製または代替的にプラスチック製であることができる。チャネルの横方向表面に突起を配置することにより、簡単で信頼性の高い製造技術の使用が可能になる。例えば、ナイフは、塑性変形無しで、例えば平坦な材料からの適切な分離方法によって、平坦な部品として製造することができる。反対に、ナイフハウジングは、例えば、スタンプ曲げ部品として作成することができ、ここでは、例えば、エンボス加工によって内側に延びる突起を製造することができる。しかしながら、ナイフハウジングは、プラスチックから構成することもできる。それとは無関係に、突起とナイフの側面との間に局所的な接触、例えば、点接触または線に沿った、特に長手方向(移動方向)に延びる線、好ましくは特に中断された線に沿った接触のみが確立される。これにより、突起は、好ましくは丸みを帯び、したがってそれぞれの表面に段差なく移行する。これは、特に組織の残留物または分泌物がチャネルの内側に存在する場合、ナイフとナイフガイドとの間の潜在的な摩擦を低減する。
【0019】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、従属請求項、明細書および関連する図面から導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるナイフユニットを有する器具の概略斜視図である。
図2】本発明による取り外し可能なナイフユニットを有する器具の概略斜視図である。
図3図1または図2による器具のナイフユニットの概略斜視図である。
図4図3によるナイフユニットの長手方向断面分解図である。
図5図3によるナイフユニットの断面図である。
図6図5によるナイフユニットの部分長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
2つのジョー11および12によって組織を保持し、凝固させ、分離するように構成された器具10が、図1に示されている。この目的のために、ジョー11、12には、電流を通すことによってそれらの間に保持された組織を加熱し、したがって凝固させるために、互いに対向するその側面に電極13、14が設けられる。ジョー11、12の開閉は、ハンドル15、16によって支持され、ハンドル内へとジョー11、12は移行し、ヒンジ17でヒンジ式に互いに接続される。電極13、14、したがって組織に電流を印加するのに必要な電力は、発電機からケーブル18を介して供給することができる。
【0022】
ジョー11、12の少なくとも一方内、好ましくは両方内に、ナイフスロット19がそれぞれ配置される。適切な操作要素、例えばハンドル15、16の一方上に配置されたスライダ20によって、ナイフ21をナイフスロット19内で移動させることができる。ハンドル15、16の一方上に配置されたスライダ20などの適切な操作デバイスが、ナイフの操作に役立つ。
【0023】
ナイフ21は、図3図4図5、および図6に異なる文脈で個別に示されている。ナイフ21は、長手方向Lを画定するチャネル23内のナイフハウジング22内に配置される。ナイフハウジング22は、ハンドル15の一部とすることができ、したがって器具10と取り外し不能に接続することができる。あるいは、ナイフハウジング22は、ナイフカセット24の一部とすることができ、ナイフカセットは、使用後にナイフカセット24およびこれと共にナイフ21を交換することができるように、ハンドル15、16の一方に取り外し可能に配置される。そのような器具10’は、図2に概略的に示されている。この器具は、特に再使用可能な滅菌可能器具10’とすることができ、この滅菌可能器具は、使用前に、再滅菌不可能な、したがって再使用不可能なものであるが、滅菌されて設けられたナイフカセット24に接続される。
【0024】
ナイフ21を操作するために、すなわちナイフ21を長手方向Lに移動させるために、ここでもスライダ20をカセットに直接設けることができ、または任意の他の適切な操作要素を器具10’の別の位置に設けることができる。それとは別に、図1の文脈で提供される説明は、それに従って、既に導入された参照符号に基づいて図2の器具10’にも同様に適用される。
【0025】
図1による器具10および図2による器具10’では、ナイフ21およびナイフハウジング22は、図3図6に示す原理に従って構成される。
【0026】
ナイフ21は、好ましくは、互いに外方を向く側面25、26を形成する2つの平坦な側部を有する均一な厚さの平坦なストリップ形状のシート部品である。ナイフ21の面端部には、切断エッジ27が形成されており、切断エッジは横方向に、したがって長手方向Lに対して斜めまたは直交して配向することができる。それとは別に、ナイフ21は、好ましくは両方の側面25、26上で平坦であり、中断無しに、すなわち開口部、スリットなど無しに、全体的にまたは少なくとも大部分が構成される。
【0027】
切断エッジ27とは反対側のその端部に、ナイフ21は、例えばスライダ20の形態の操作機構によって長手方向Lにまたは長手方向Lに対して具体的に移動されるために、結合構造体28を備えることができる。結合構造体28は、長手方向Lを横断する口状の空洞開口部、突起などとすることができる。
【0028】
例えば、ナイフハウジング22は、U字形断面を有する屈曲シート部品、例えばスタンプ屈曲部品、またはプラスチック部品とすることができる。ナイフハウジングは、対向する表面31、32を有する2つの壁29、30を備える。表面31、32には、突起33、34が、互いに対向し、その間に遊びを有してナイフ21を保持しながら配置される。突起33、34は、図6に示すように、外側からそれぞれの壁29、30内に形成された凹部によって形成することができる。突起33、34は、例えば丸みを帯びた隆起部の形態で、内向きのこぶを形成する。対向して配置された2つのこぶ33、34の間には、距離Aが画定される。この距離は、ナイフの側面25、26の間で測定されるナイフ21の厚さDよりも長い。距離Aと厚さDとの差は遊びSであり、この遊びは、好ましくは約0.05mmの量を有する。この遊びは、より大きく、例えば0.1mmであることができ、またはより小さく、例えばわずか0.03mmであることができる。突起33、34は、好ましくは、それぞれの表面31、32を越えて約0.1mmの絶対値で隆起する。距離Aは、ナイフ21の厚さDが例えば0.15mm程度であれば、約0.2mmが好ましい。
【0029】
これまでに説明したナイフ21およびナイフハウジング22から少なくともなるナイフユニットは、図1または図2による器具10または10’に関連して以下のように動作する。
【0030】
組織、例えば血管もしくは他の管または他の生体組織の凝固および切断のために、組織は、ジョー11、12を閉じることによって保持され、凝固効果を生み出すために電極13、14によって電流が印加される。凝固効果が十分に良好に進められると、ナイフ21の切断エッジ27によって組織を切断することができる。ナイフ21は、この目的のために、スライダ20または別の適切な操作器官を操作することによって、図3に破線で示す休止位置Rから少なくとも部分的に出て作動位置Aに移行される。これにより、ナイフ21の遠位部分は、チャネル23を離れ、閉じたジョー11、12の間のナイフスロット19内を、その遠位端に向かう方向に延びる。これにより、ナイフ21は組織を切断する。切断の完了後、ナイフ21をナイフスロット19からチャネル23内に再び移動させることができる。器具10または10’が再び開かれると、このとき互いに分離され、凝固プロセスによってシールされている端部、例えば血管の端部は、解放される。
【0031】
動作中、このプロセスは、複数回または多数回繰り返され得る。これにより、生体組織をその側面25、26と接触させたナイフ21は、分泌物および組織をチャネル23内に変位させる可能性がある。さらに、湿潤環境での操作により、液体がナイフハウジング22に到達する可能性がある。しかしながら、突起33、34は、表面31、32とそれに対向して配置されたナイフ21の側面25、26との間に狭すぎる間隙が形成されることを回避する。そうでなければ液体のチャネル23内への進入を支援する毛細管間隙の形成が、回避される。さらに、突起33、34は、液体がチャネル23に入ったとしても、ナイフ21が移動しにくくなり、引っかかり、くっつくことさえも回避する。
【0032】
それらの滑らかな湾曲により、突起33、34は、ナイフ上に存在する凝固または強化された組織液に対する剥離部として役立つのに適している。それにより、図4から明らかなように、突起33が長手方向L、すなわちナイフ21の移動方向に連続して共通の線上に配置され、それにより、(図5の垂直方向に見て)移動方向Lに直交するそれらの寸法が、同じ方向に測定されたチャネル23の深さTまたはナイフ21の高さHよりも著しく小さいことが特に有用である。
【0033】
特にこぶの形態で、長手方向Lに離間した突起33は、ナイフ21の側面25、26にくっついた材料を拭き取り、それを側面25と表面31との間のすき間に無害に集めることができる。突起34および側面26、ならびに表面32についても同様である。その結果、ナイフ21は、実際に、組織液がチャネル23に入り、場合によってはナイフ21上に固定された場合でも、長手方向にスムーズに可動なままである。さらに、チャネル23内への液体の進入の傾向が低減される。
【0034】
改良されたナイフユニットを有する器具10は、ナイフハウジング22内に配置された平坦なナイフ21を備える。ナイフハウジングは、ナイフ21を内部に配置するように構成されたチャネル23を備え、チャネル23の壁には、好ましくはこぶの形態で内側に突出する突起33、34が形成され、突起間にナイフ21が遊びを有して保持される。ナイフハウジング22がプラスチックで作られている場合、突起33、34は、一次成形中に簡単な方法で作成することができる。ナイフハウジング22が、変形方法によって、例えばスタンプ曲げ加工によって、半完成品、例えばシート部品から製造される場合、壁29、30のその外側部に空洞を設けることで、チャネル23を狭窄する互いに対向する突起33、34を製造することができる。本発明によるナイフユニットは、汚染に対して特に堅牢である。
【符号の説明】
【0035】
10,10’ 器具
11,12 ジョー
13,14 電極
15,16 ハンドル
17 ヒンジ
18 ケーブル
19 ナイフスロット
20 スライダ
21 ナイフ
22 ナイフハウジング
23 チャネル
L 長手方向
24 ナイフカセット
25,26 ナイフ21の側面
27 切断エッジ
28 結合構造体
29,30 ナイフハウジング22の壁
31,32 壁29、30の表面(内面)
A 距離
D ナイフ21の厚さ
S チャネル23内側のナイフの横方向の遊び
33,34 突起
T チャネル23の深さ
H ナイフ21の高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】
図1
図2
図3
図4
図5
図6