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特開2024-160949診断スキャン取得支援方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160949
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】診断スキャン取得支援方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B6/03 570E
A61B6/03 560D
A61B6/03 560T
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024067120
(22)【出願日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】18/312,436
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・イー・ネット
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA24
4C093FD09
4C093FF15
4C093FF24
4C093FF28
4C093FF34
4C093FG14
(57)【要約】
【課題】診断スキャン取得支援方法およびシステムを提供する。
【解決手段】X線撮像システム(100)のための様々な方法及びシステムが提供される。一実施例では、システムの方法は、自動化モードにおけるX線撮像システムの動作に応答して、第1の画像(400)と第2の画像(500)とから差分画像(600)を生成することを含む。差分画像は表示装置(232)に表示され、関心領域(ROI)(402)の外側の動きが差分画像の解析に基づいて検出されるようにする(1114)。更に、差分画像は造影剤がROIに到達する前に表示される(1122)。
【選択図】図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線撮像システム(100)のための方法であって、
自動モードでのX線撮像システムの操作に応答するステップと、
第1の画像(400)と第2の画像(500)から差分画像(600)を生成するステップと、
表示装置(232)に差分画像(600)を表示し、差分画像の解析に基づいて関心領域(ROI)(402)外の動きを検出できるようにするステップ(1114)と、
を含み、差分画像は造影剤がROIに到達する前に表示される(1122)、方法。
【請求項2】
差分画像(600)は、第2の画像が取得された後に表示され、新たな画像が取得されると表示装置(232)で継続的に更新される(1112)、請求項1記載の方法。
【請求項3】
造影剤がROIに到達すると、差分画像(600)はもはや表示されない(1128)、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の画像はマスク画像(400)であり、第2の画像はコントラスト画像(500)であり、第1の画像と第2の画像の両方が表示装置(232)に表示され、差分画像(600)は、第2の画像から第1の画像を減算することによって生成される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ROI(402)の外側の動きは、差分画像(600)におけるROIの周りの歪み(702)の存在によって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、新たな画像を継続的に取得するステップと、新たな画像による実際の画像を表示するステップとを含み、新たな画像の各々によって新たな差分画像が生成され、表示装置(232)に表示される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
動きがROI(402)の外側で検出されたときに、表示装置(232)で通知を提示するステップ(1118)をさらに含み、通知が、X線撮像システム(100)の動作を支援モードに切り替えるオプションを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
X線撮像システム(100)が支援モードで動作するとき、操作者による動きの視覚的観察に基づく操作者からの入力に基づいてスキャン取得が開始される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
動きは、差分画像(600)内の動きを識別するように訓練された機械学習モデルを使用して、またはオペレータが差分画像を視覚的に観察することによって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
差分画像(600)におけるROI(402)でのコントラストを時間に対してプロットしたグラフ(900)も表示装置(232)に表示され、グラフの各データポイントが、新たなコントラスト画像の取得及びそれに対応する新たな差分画像の生成に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
X線撮像システム(100)であって、
ガントリ(102)の反対側に配置されたX線源(104)及びX線検出器(108)と、
X線源とX線検出器との間でガントリ内に配置された被検体(204)と、
実行可能な命令で構成されたコンピューティング装置(216)のプロセッサであって、実行されると、プロセッサに、
自動モードで動作する場合、コントラスト画像(400)からマスク画像(500)を減算して差分画像(600)を生成するステップ(1112)と、
表示装置に差分画像を表示するステップ(1112)と、
差分画像でROI(402)外の動きが検出された場合、通知を表示するステップ(1118)と、
診断スキャン取得開始要求の受信に応答して診断スキャンを取得するステップ(1130)と
を実行させる、プロセッサとを含み、
診断スキャン取得開始要求は、差分画像においてROI外の動きが検出されなくなったときに受信される、X線撮像システム。
【請求項12】
マスク画像が、X線撮像装置により取得された第1の断面画像(400)であり、コントラスト画像(500)が、マスク画像の後に取得された断面画像であり、コントラスト画像は、所定の頻度で取得され、差分画像とともに表示装置に表示される、請求項11に記載のX線撮像システム(100)。
【請求項13】
差分画像(600)およびコントラスト画像(500)の表示は、差分画像におけるROI(402)のコントラストが閾値コントラストに達するまで、所定の頻度に従ってリフレッシュされ、閾値コントラストは、ROIに造影剤が到達したことを示す、請求項12に記載のX線撮像システム(100)。
【請求項14】
動きは、歪みの存在に基づいて差分画像内の動きを検出するように訓練された機械学習モデルによって、差分画像内で自動的に検出される、請求項11に記載のX線撮像システム(100)。
【請求項15】
機械学習モデルは、差分画像(600)に基づいてROI(402)の新たな位置を決定し、表示装置(232)でのコントラスト画像(500)の表示が更新されたときにコントラスト画像内でROIを再位置決めするようにさらに学習される、請求項14に記載のX線撮像システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、X線画像、特にコンピュータ断層撮影画像の取得に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影法(CT)は、非侵襲的な医用撮像技術として使用することができる。具体的には、CT撮像データ取得は、X線ビームが減衰するように患者などの対象物にX線ビームを通過させ、減衰したX線ビームをX線検出器アレイで収集することを含むことができる。CT撮像システムが造影剤を可視化することを可能にする高コントラスト検出と同様に、骨、軟組織等を含む様々な組織の撮像が可能になる。
【0003】
造影剤が使用される例では、CT撮像システムは、監視された関心領域(ROI)内の画像コントラストの変化を自動的に検出するように構成されることがある。コントラストが閾値を超える変化に応答して、診断スキャンの取得が自動的に開始されることがある。幾つかの実施例では、ROIにおける及び/又はROI近傍の動きが、閾値に達するコントラストの実際の変化のインスタンス(an instance of an actual change)に対して、診断スキャンの早い又は遅い取得をトリガする(trigger early or late acquisition)ことがある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、X線撮像システムは、自動モードでのX線撮像システムの動作に応答して、第1の画像と第2の画像とから差分画像(difference image)を生成し、差分画像を表示装置に表示することを含む。表示装置に画像を表示することにより、関心領域(ROI)外の動きが差画像の解析に基づいて検出されることがある。差分画像は、造影剤がROIに到達する前に表示することができる。このようにして、ROIの外側に動きが存在する場合に診断スキャン取得をトリガするためのオプションのプロセスによって、診断スキャン取得の自動的な開始を支援することができる。これにより、診断スキャン取得の開始は、そうでなければスキャン取得の誤ったトリガーを引き起こす可能性のある動きに対してよりロバストになり得る。その結果、被検体のX線被曝を低減しながら、被検体に関する診断情報をより効率的に得ることができる。
【0005】
上記の簡単な説明は、詳細な説明にさらに記載される概念の一部を簡略化して紹介するために提供されていることを理解されたい。これは、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって独自に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記または本開示のいずれかの部分で指摘された欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより、より良く理解されるであろう。
図1】一実施形態による撮像システムを示す絵画図である。
図2】実施形態による例示的な撮像システムのブロック概略図である。
図3】実施形態による、CT撮像システムによって取得されたスカウト画像を示す。
図4】実施形態による、図2のスカウト画像に基づいてCT撮像システムによって取得された第1の断面画像を示す。
図5】実施形態による、図2のスカウト画像に基づいてCT撮像システムによって取得された第2の断面画像を示す。
図6】実施形態による第1の差分画像を示す。
図7】実施形態による第2の差分画像を示す。
図8】実施形態による、CT撮像システムにおけるスキャン取得補助のための高レベル作業フローを示す。
図9】実施形態による、差分画像の関心領域におけるコントラストをプロットしたグラフである。
図10】一実施形態による、CT撮像システムでのスキャン取得支援中に操作者に提示されるディスプレイを示す。
図11A】一実施形態による、アシストスキャン取得を用いて構成されたCT撮像システムを用いてCT画像を取得する方法を示す。
図11B】一実施形態による、アシストスキャン取得を用いて構成されたCT撮像システムを用いてCT画像を取得する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明は、X線撮像システムにおける診断スキャン取得補助の様々な実施形態に関する。より具体的には、関心領域(ROI)における動きの検出に基づいて、CTシステムにおいて診断スキャン取得が自動的にトリガされ、変更されることがある。CTシステムの一例を図1に示し、CTシステムの構成要素のブロック概略図を図2に示す。診断イベント中、CTシステムを方向付けるために、図3に示すようなスカウト画像が最初に取得されることがある。次に、スカウト画像は、関心領域(ROI)に焦点を合わせた断面画像(その例が図4~5に描かれている)を得るためのガイドとして使用されることがある。CTシステムで実施されるスキャン取得開始のモードを決定するために、ROIの周囲に動きがあるか否かを決定するための差分画像が生成されることがある。差分画像の例を図6図7に示す。差分画像は、図8に示される高レベルのワークフローに従ってスキャン収集開始のモードを選択するために使用されることがあり、このワークフローでは、動きが検出された場合にスキャン収集の補助が実施されることがある。スキャン取得の初期段階では、図9のグラフに描かれているように、CTシステムによって取得された断面画像におけるコントラストの差が監視されることがあり、この差は、図10に示されているように、CT画像と共に操作者に表示されることがある。アシストスキャン撮影によるCT画像の取得方法の一例を図11A図11Bに示す。
【0008】
スキャン取得を補助するためのアプローチについて更に説明する前に、CT撮像の一般的な概観を提供する。図1は、CT撮像のために構成された例示的なCTシステム100を示す。特に、CTシステム100は、患者、無生物、1つ又は複数の製造部品、及び/又は体内に存在する歯科インプラント、ステント、及び/又は造影剤などの異物(foreign objects such as dental implants, stents, and/or contrast agents)などの被検体112を撮像するように構成されている。一実施形態では、CTシステム100はガントリ102を含み、ガントリ102は、テーブル114上に横たわる被検体112の撮像に使用するためにX線放射ビーム106(図2参照)を投射するように構成された少なくとも1つのX線源104をさらに含むことができる。具体的には、X線源104は、ガントリ102の反対側に配置された検出器アレイ108に向けてX線放射ビーム106を投射するように構成されている。図1には単一のX線源104のみが描かれているが、特定の実施形態では、患者に対応する異なるエネルギーレベルで投影データを取得するための複数のX線放射ビーム106を投影するために、複数のX線源及び検出器を採用することができる。幾つかの実施形態では、X線源104は、迅速なピークキロ電圧(kVp)切り替えによって二重エネルギージェムストーンスペクトル撮像(GSI:gemstone spectral imaging)を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、採用されるX線検出器は、異なるエネルギーのX線光子を区別することができる光子計数検出器である。他の実施形態では、二重エネルギー投影を生成するために、2組のX線源および検出器が使用され、一方は低kVpで、他方は高kVpである。したがって、本明細書で説明する方法は、二重エネルギー収集技術だけでなく、単一エネルギー収集技術でも実施できることが理解されるべきである。
【0009】
特定の実施形態では、CTシステム100は、反復的又は解析的画像再構成法(an iterative or analytic image reconstruction method)を用いて被検体112の目標体積の画像を再構成するように構成された画像処理装置ユニット110を更に含む。例えば、画像処理装置ユニット110は、患者の目標体積の画像を再構成するためにフィルタリング逆投影(FBP:filtered back projection)のような解析的画像再構成手法を使用することができる。別の例として、画像処理装置ユニット110は、高度統計的反復再構成(ASIR:advanced statistical iterative reconstruction)、共役勾配(CG:conjugate gradient)、最尤期待値最大化(MLEM:maximum likelihood expectation maximization)、モデルベース反復再構成(MBIR:model-based iterative reconstruction)などの反復画像再構成アプローチを使用して、被検体112の目標体積の画像を再構成することができる。本明細書で更に説明するように、幾つかの実施例では、画像処理装置110は、反復的画像再構成アプローチに加えて、FBPのような解析的画像再構成アプローチの両方を使用することができる。
【0010】
幾つかのCT撮像システム構成では、X線源は、デカルト座標系のX-Y-Z平面内に位置するようにコリメートされ、一般に「撮像平面:imaging plane」と呼ばれる円錐形状のX線放射ビームを投射する。X線放射ビームは、患者又は被験者などの撮像対象物を通過する。X線放射ビームは、対象物によって減衰された後、検出器素子のアレイに衝突する。検出器アレイで受光される減衰したX線放射ビームの強度は、対象物による放射ビームの減衰に依存する。アレイの各検出器素子は、検出器位置におけるX線ビームの減衰の測定値である個別の電気信号を生成する。すべての検出器素子からの減衰測定値を個別に取得し、透過プロファイルを作成する。
【0011】
幾つかのCTシステムでは、X線源及び検出器アレイは、放射線ビームが対象物と交差する角度が常に変化するように、撮像平面内及び撮像される対象物の周囲でガントリと共に回転される。あるガントリ角度における検出器アレイからのX線放射減弱測定値群、例えば投影データは、「ビュー」と呼ばれる。対象物の「スキャン」は、X線源及び検出器が1回転する間に異なるガントリ角度、すなわちビュー角度で行われる一連のビューを含む。本明細書で説明する方法の利点は、CT以外の医用撮像モダリティにも生じることが企図されているので、本明細書で使用する場合、用語「ビュー」は、1つのガントリ角度からの投影データに関して上述したような使用に限定されない。用語「ビュー」は、CT、陽電子放出断層(PET)撮影、又は単光子放出CT(SPECT)撮影、及び/又はまだ開発されていないモダリティを含む他のモダリティ、並びに融合実施形態(fused embodiments)におけるそれらの組合せのいずれからであっても、異なる角度からの複数のデータ取得があるときはいつでも、1つのデータ取得を意味するために使用される。
【0012】
投影データは、対象物を通る二次元スライスに対応する画像を再構成するために処理され、投影データが複数のビューまたはスキャンを含むいくつかの例では、対象物の三次元レンダリングが再構成される。一組の投影データから画像を再構成するための一つの方法は、当該技術分野ではフィルタリング逆投影法と呼ばれている。透過トモグラフィ及びエミッショントモグラフィ再構成技法はまた、最尤期待値最大化(MLEM:maximum likelihood expectation maximization)及び順序サブセット期待値再構成技法(ordered-subsets expectation-reconstruction techniques)のような統計的反復技法(statistical iterative methods)、並びに反復再構成技法(iterative reconstruction techniques)を含む。このプロセスは、スキャンからの減衰測定値を「CT数:CT numbers」または「ハウンスフィールド単位:Hounsfield units」と呼ばれる整数に変換し、表示装置上の対応するピクセルの輝度を制御するために使用される。
【0013】
総スキャン時間を短縮するために、「ヘリカル」スキャンを行うことがある。「ヘリカル」スキャンを行うには、所定のスライス数のデータを取得する間に患者を移動させる。このようなシステムでは、コーンビームヘリカルスキャンから1本の螺旋(a single helix:単一のヘリックス)が生成される。コーンビームによってマップされた螺旋は投影データを生成し、そこから各所定スライスの画像を再構成することができる。
【0014】
本明細書で使用する場合、「画像を再構成する:reconstructing an image」という語句は、画像を表すデータは生成されるが、閲覧可能な画像(viewable image)は生成されない本発明の実施形態を除外することを意図していない。したがって、本明細書で使用する場合、「画像」という用語は、閲覧可能な画像と閲覧可能な画像を表すデータの両方を広く指す。しかしながら、多くの実施形態は、少なくとも1つの閲覧可能画像を生成する(または生成するように構成される)。
【0015】
図2は、図1のCTシステム100と同様の例示的な撮像システム200を示す。本開示の態様に従って、撮像システム200は、被検体204(例えば、図1の被検体112)を撮像するように構成されている。一実施形態では、撮像システム200は、検出器アレイ108(図1参照)を含む。検出器アレイ108は、被検体204(患者など)を通過するX線放射ビーム106(図2参照)を一緒に感知して対応する投影データを取得する複数の検出器素子202をさらに含む。従って、一実施形態では、検出器アレイ108は、セル又は検出器素子202の複数の列を含むマルチスライス構成で作製される。このような構成では、投影データを取得するために、検出器素子202の1つ以上の追加の行(one or more additional rows)が並列構成(parallel configuration)で配置される。
【0016】
特定の実施形態では、撮像システム200は、所望の投影データを取得するために、被検体204の周囲の異なる角度位置を横断するように構成される。従って、ガントリ102及びその上に取り付けられた構成要素は、例えば、異なるエネルギーレベルで投影データを取得するために、回転中心206を中心に回転するように構成され得る。あるいは、被検体204に対する投影角度が時間の関数として変化する実施形態では、取り付けられた構成要素は、円のセグメントに沿ってではなく、一般的な曲線に沿って移動するように構成されてもよい。
【0017】
X線源104及び検出器アレイ108が回転すると、検出器アレイ108は減衰したX線ビームのデータを収集する。検出器アレイ108によって収集されたデータは、スキャンされた被検体204の減弱係数の線積分を表すようにデータを調整するために、前処理及び較正を受ける。処理されたデータは、一般に投影と呼ばれる。
【0018】
いくつかの例では、検出器アレイ108の個々の検出器又は検出器素子202は、個々の光子の相互作用(interactions of individual photons)を1つ以上のエネルギービンに登録する光子計数検出器(photon-counting detectors)を含むことができる。本明細書で説明する方法は、エネルギー積分検出器(energy-integrating detectors)でも実施できることを理解されたい。
【0019】
取得した投影データのセットは、基底物質分解(BMD:basis material decomposition)に使用することができる。BMDの間、測定された投影は一組の材料密度投影に変換される。材料密度投影は再構成されて、骨、軟組織、及び/又は造影剤マップなどのそれぞれの基底物質の材料密度マップ又は画像の組又はセットを形成することができる。密度マップ又は画像は、次いで、撮像された容積内の基礎材料、例えば、骨、軟組織、及び/又は造影剤のボリュームレンダリングを形成するように関連付けられることがある。
【0020】
一旦再構成されると、撮像システム200によって生成された基底物質画像は、2つの基底物質の密度で表される被検体204の内部特徴を明らかにする。密度画像は、これらの特徴を示すために表示することができる。病状のような医学的状態、より一般的には医学的事象の診断に対する従来のアプローチでは、放射線科医又は医師は、関心のある特徴的な特徴を識別するために密度画像のハードコピー又は表示を考慮する。このような特徴には、病変、特定の解剖学的構造又は臓器のサイズ及び形状、並びに個々の医師の技量及び知識に基づいて画像から識別可能なその他の特徴が含まれる。
【0021】
一実施形態では、撮像システム200は、ガントリ102の回転やX線源104の動作などの構成要素の動きを制御する制御機構208を含む。ある実施形態では、制御機構208は、X線源104に電力及びタイミング信号を供給するように構成されたX線コントローラ210を更に含む。さらに、制御機構208は、撮像要件に基づいてガントリ102の回転速度及び/又は位置を制御するように構成されたガントリモータコントローラ212を含む。
【0022】
特定の実施形態では、制御機構208は、検出器素子202から受信したアナログデータをサンプリングし、後続の処理のためにアナログデータをデジタル信号に変換するように構成されたデータ収集システム(DAS:data acquisition system)214をさらに含む。DAS214は、本明細書でさらに説明されるように、検出器素子202のサブセットからのアナログデータをいわゆるマクロ検出器に選択的に集約するようにさらに構成され得る。DAS214によってサンプリングされデジタル化されたデータは、コンピュータまたはコンピューティング装置216に送信される。一実施例では、コンピューティング装置216は、データを記憶装置または大容量記憶装置218に格納する。記憶装置218は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスク(商標)ドライブ、コンパクトディスク読み書き(CD-R/W)ドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)ドライブ、フラッシュドライブ、および/またはソリッドステート記憶装置ドライブを含むことができる。
【0023】
さらに、コンピューティング装置216は、データ収集及び/又は処理などのシステム動作を制御するために、DAS214、X線コントローラ210、及びガントリ・モータ・コントローラ212のうちの1つ以上にコマンド及びパラメータを提供する。特定の実施形態では、コンピューティング装置216は、オペレータ入力に基づいてシステム動作を制御する。コンピューティング装置216は、例えば、コンピューティング装置216に動作可能に結合されたオペレータコンソール220を介して、コマンド及び/又は走査パラメータを含むオペレータ入力を受信する。オペレータコンソール220は、オペレータがコマンド及び/又は走査パラメータを指定できるように、キーボード(図示せず)又はタッチスクリーンを含み得る。
【0024】
幾つかの例では、本明細書で説明するように、コンピューティング装置216は、自動スキャン取得モードに従ってトリガに応答して診断スキャンの取得を開始するための命令、例えばアルゴリズムで構成され得る。トリガは、一実施例では、ROIにおける造影剤の検出に対応する、少なくとも閾値量による画像コントラストの変化であってもよい。指示はまた、ROI近傍(例えば、ROIを取り囲む領域)の動きを検出することを可能にすることがあり、これは、操作者に提示される補助スキャン収集モードに従って収集を開始するためのオプションを促すことがある。自動スキャン収集モード及び支援スキャン収集モードの更なる詳細は、図3図11を参照して以下に更に提供される。
【0025】
図2には1つのオペレータコンソール220のみが図示されているが、例えば、システムパラメータの入力又は出力、検査の要求、データのプロット、及び/又は画像の閲覧のために、複数のオペレータコンソールが撮像システム200に結合され得る。更に、特定の実施形態では、撮像システム200は、インターネット及び/又は仮想プライベート・ネットワーク、無線電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク、無線ワイドエリアネットワーク、有線ワイドエリアネットワーク等の1つ又は複数の構成可能な有線及び/又は無線ネットワークを介して、例えば、機関又は病院内、又は全く異なる場所のローカル又はリモートのいずれかに配置された複数のディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及び/又は同様の装置に結合され得る。
【0026】
一実施形態では、例えば、撮像システム200は、画像保存通信システム(PACS:picture archiving and communications system)224を含むか、又はこれに結合されている。例示的な実施態様では、PACS224は更に、放射線科情報システム、病院情報システム、及び/又は内部又は外部ネットワーク(図示せず)などの遠隔システムに結合され、異なる場所にいるオペレータがコマンド及びパラメータを供給し、及び/又は画像データにアクセスできるようにする。
【0027】
コンピューティング装置216は、オペレータから供給された及び/又はシステムで定義されたコマンド及びパラメータを使用して、テーブルモータコントローラ226を動作させ、このテーブルモータコントローラ226は、電動テーブルであり得るテーブル114を制御することができる。具体的には、テーブルモータコントローラ226は、被検体204の目標体積(target volume:ターゲットボリューム)に対応する投影データを取得するために、被検体204をガントリ102内に適切に位置決めするためにテーブル114を移動させることができる。
【0028】
前述のように、DAS214は、検出器素子202によって取得された投影データをサンプリングし、デジタル化する。その後、画像再構成器230が、サンプリングされデジタル化されたX線データを使用して高速再構成を実行する。図2は、画像再構成器230を別個の実体として図示しているが、特定の実施形態では、画像再構成器230は、コンピューティング装置216の一部を形成することができる。あるいは、画像再構成器230は撮像システム200に存在せず、代わりにコンピューティング装置216が画像再構成器230の1つ以上の機能を実行することもできる。更に、画像再構成装置230は、ローカル又はリモートに配置されてもよく、有線又は無線ネットワークを用いて撮像システム200に動作可能に接続されてもよい。特に、例示的な一実施形態では、画像再構成器230のために「クラウド」ネットワーククラスタ内のコンピューティングリソースを使用することができる。
【0029】
一実施形態では、画像再構成装置230は、再構成された画像を記憶装置218に記憶する。あるいは、画像再構成器230は、診断及び評価のために有用な患者情報を生成するために、再構成された画像をコンピューティング装置216に送信してもよい。特定の実施形態では、コンピューティング装置216は、再構成された画像及び/又は患者情報を、コンピューティング装置216及び/又は画像再構成器230に通信可能に結合されたディスプレイ又は表示デバイス232に送信することができる。幾つかの実施形態では、再構成された画像は、コンピューティング装置216又は画像再構成装置230から、短期又は長期の保存のために記憶装置218に送信されることがある。
【0030】
本明細書でさらに説明する様々な方法及びプロセス(図11A図11Bを参照して後述する方法など)は、撮像システム200内のコンピューティング装置(又はコントローラ)上の非一過性メモリに実行可能命令として記憶され得る。一実施形態では、コンピューティング装置216は、スキャン取得の初期段階において、順次取得される2つの画像に基づいて差分画像を自動的に生成するために、そのような実行可能命令を含むことができる。差分画像は、ROIの近傍ではあるがROIの外側で動きが生じているか否かを判定するために使用することができ、その判定は、実行可能命令に従って、自動モードと支援モードとの間(between an automated and an assisted mode)でスキャン取得の開始を調整するために使用することができる。
【0031】
診断スキャン開始時に自動モード又は支援モードのいずれかでのCTシステムの動作を可能にすることにより、スキャン取得の開始がROI内の造影剤の出現により密接に対応し、それによりCTシステムにより出力される再構成画像の品質が向上する可能性がある。自動化モードでは、オペレータの入力なしにスキャン撮影を開始することができ、一方、支援モードでは、オペレータ又は機械学習モデルからの入力によりスキャン撮影を開始することができる。例えば、被検体のCT撮像中、CTシステムの作動中に被検体が動くことがある。解像度を向上させるために造影剤が使用される場合など、いくつかの実施例では、CTシステムは、以前に取得された画像と比較して、ROIの取得された画像におけるコントラスト(例えば、画像コントラスト)の増加が閾値に達することが検出されると、スキャン取得を自動的に開始するように構成され得る。しかしながら、被験者に動きが生じると、取得された画像の歪みが診断スキャン取得を誤ってトリガする可能性がある。幾つかの例では、コントラストの増加の不正確な検出は、画像ノイズの結果として生じることもある。
【0032】
その結果、再構成された画像は、スキャン取得のトリガが不正確であるために、例えば解像度や鮮明度などの画質が悪く、被検体の更なるスキャンを要求する可能性がある。更に、スキャン収集開始の自動化モードが、コントラストの増大が閾値に達したこと以外の事象(イベント)によってトリガされる傾向があるため、操作者は、スキャン収集開始の自動化モードの使用を思いとどまる可能性がある。その結果、操作者は、スキャン取得のトリガを手動に全面的に依存する可能性があり、これは、ワークフローの効率を低下させ、操作者の負担を増大させる可能性がある。
【0033】
一実施例では、本明細書で説明するように、上述の問題は、自動化モードと連動して動作し得るスキャン取得開始のための支援モードをCTシステムに適応させることによって少なくとも部分的に対処され得る。支援モードは、スカウト画像が得られた後であって造影剤がROIに到達すると予測される前など、初期フレーム収集及び評価の間に少なくとも1つの差分画像を生成する指示を含むことができる。差分画像は、実際の現在の画像及び初期マスク画像から生成されることがあり、例えば図2の表示装置232のような操作コンソールの表示画面において操作者に表示されることがある。これにより、操作者は、自動モードでの操作をオーバーライドして、代わりに、差分画像の観察に基づいてスキャン取得の支援モードでの操作を選択することができる。また、ROIの実際の画像、例えばCTシステムによって取得された断面画像が表示スクリーンに投影されることもあり、これによって付加的又は代替的に、操作者は実際の画像の動きを監視することができる。
【0034】
別の実施例では、自動化されたプロセスを使用して、スキャン取得の誤ったトリガにつながる可能性のある歪みを引き起こす可能性のある動きについて差分画像を評価することができる。動きが存在すると判定されると、操作者に通知され、操作者がスキャン取得を手動でトリガすることができるスキャン取得の支援モードに切り替えるオプションが提示されることがある。画像処理アルゴリズムによる差分画像の処理と同時に、操作者は表示画面において差分画像を観察し、差分画像の目視検査に基づいて支援モードでの動作を手動で選択することもできる。
【0035】
例えば、機械学習アルゴリズムを使用して差分画像を解析し、動きを特定する(identify motion)ことができる。動きが検出されると、機械学習アルゴリズムは、動きが検出されなくなるまでスキャン取得の開始を遅延させる命令を含むことができる。このように、スキャン取得は、機械学習によって支援される自動化モードを経由して開始されることがある。
【0036】
さらに、機械学習アルゴリズムは、スキャン取得開始前のフレーム収集中にフレームからフレームへROIの位置を調整する(adjust a position of the ROI from frame to frame during frame collection)ために使用されることがある。例えば、訓練された機械学習モデルは、画像内のROIを識別し、差分画像に基づいてROIの位置を追跡し、ROIを有する更新された画像をリアルタイムで出力するように構成され得る。一例として、機械学習モデルは、取得されたデータ、及びROIの移動をシミュレートするために既知の方法で操作された、例えば移動されたデータに基づいて学習され得る。例えば、教師あり学習は、物体が移動する複数のシミュレーションとともに、動きのない参照画像を用いて達成することができる。機械学習モデルは、再構成された時間フレーム間で患者の動きが検出されたかどうかの指標を出力することができる。
【0037】
あるいは、ROIの再位置合わせは、高速画像位置合わせアルゴリズム動作(fast image alignment algorithm motion)を用いて実行することもできる。例えば、初期画像、例えばマスク画像を、その後に取得される画像を位置合わせするためのテンプレートとして使用することができる。画像位置合わせを達成するために、剛体レジストレーションアプローチや変形可能レジストレーションアプローチなどの画像レジストレーションアルゴリズム(Image registration algorithms such as rigid registration and deformable registration approaches)を使用してもよいし、機械学習モデルについて上述したのと同様の方法でレジストレーションモデルをトレーニングしてもよい。表示された実際の画像が更新されると、ROIは実際の画像内で再配置される。
【0038】
ROIの位置を追跡するための別のオプションとして、マスク画像などの画像全体を、ROIを配置する前に登録することができる。その後に取得される画像は、ROIに近接する容易に識別可能な特徴であるランドマークに対して相対的に登録することができる。画像登録により、被検体の動きに対してROIの位置を更新することができる。このような自動化されたROI位置合わせは、患者の動きにもかかわらずCT数の正確な測定を提供することができる。自動化された位置合わせは、機械学習モデルに関して上述したように訓練されたモデルを用いて達成することができるが、モデルの出力は、代わりに、動きが発生したか否かを示す二値ではなく、ROIを並進させるための座標であってもよい。あるいは、高速画像アライメントが利用される例では、ROIの並進は要求されないが、高速画像アライメントが適用される場合にはROIの並進が要求される。いずれの例においても、ユーザは画像を観察することができ、ROIは、大動脈のような関心解剖学上にしっかりと(robustly)位置決めされることができる。しかしながら、画像位置合わせは比較的遅いプロセスであり、動きによってROIが撮像平面から外れる場合には適用できないことがある。
【0039】
アシストスキャン取得開始(assisted scan acquisition initiation)の詳細は、図3図11の以下の説明において提供される。最初に図3に目を向けると、スカウト画像300の一例が示されている。スカウト画像300は、撮像イベントの開始時にCTシステムによって取得され、撮像されるターゲット領域を示すために使用されることがある。例えば、スカウト画像300は、被検体の解剖学的領域を含むデジタルX線写真、例えば二次元X線画像であって、そこから断面画像を取得することができる。後続のCTスキャン取得のスキャン範囲は、スカウト画像300によって定義されることがある。
【0040】
CTスキャン取得のための所望のスキャン平面を示すために、スカウト画像300上にマーカを配置することができる。例えば、操作者は、スカウト画像300に直接ライン302を追加することができ、このライン302は、次に、CTシステムのガントリ、例えば、図1及び図2のガントリ102を、指示されたスキャン平面を目標とするように位置決めするために使用することができる。次に、断面画像がライン302に従って収集されることがある。スカウト画像300のライン302に対応する第1の断面画像400の例が図4に描かれている。
【0041】
第1の断面画像400は、被検体の解剖学的構造のスライスを示すフレームであり、CTシステムのガントリが静止している間に取得されることがある。ROI402を示すマーカが、データ収集が望まれる特定の位置を示すために、例えば操作者によって第1の断面画像400上に配置されることがある。ROI402は、一例として、例えば骨などの他の解剖学的特徴であるランドマーク404に隣接している可能性のある大動脈である可能性がある。
【0042】
自動化されたスキャン取得開始が実施される場合、ROI402は、視覚パラメータ(visual parameter)の変化を監視することができる。例えば、造影剤が被検体に導入され、例えば注入又は摂取され(injected or ingested)、第1の断面画像400に続いて収集されたフレーム(ガントリも静止したまま)が、造影剤が被検体内を循環する際のROIにおけるコントラストの変化について監視され得る。
【0043】
一例として、ROI402及びランドマーク404を含む第1の断面画像400と同じ視野(FOV)をキャプチャする第2の断面画像500が図5に描かれている。第2の断面画像500は、所定の画像取得頻度に従って、第1の断面画像400が取得された直後に収集されたフレームであってもよい。あるいは、第2の断面画像500は、第1の断面画像400の後に取得されたフレームであってもよいが、その直後ではない(例えば、その間に追加のフレームが収集された)。
【0044】
第2の断面画像500では、造影剤の浸潤(infiltration of the contrast agent)によりROI402におけるコントラストが増加することがある。コントラストの変化は、X線の減衰に影響を与える可能性があり、造影剤がROI402に到達したときのスキャンにおいてコントラストの変化を観察することができる。スキャンは画像処理アルゴリズムを使用して処理され、フレーム内のROI402におけるコントラストの変化が予め設定された閾値に達すると、診断スキャンの取得が自動的に開始されることがある。
【0045】
しかしながら、スキャン収集開始の自動化モードは、ROIにおけるコントラストが変化しているように見える原因となる動きに対してロバストでない可能性があり(may not be robust:安定的でない可能性があり)、その結果、スキャン収集の誤ったトリガが発生する。例えば、画像間のコントラストの変化を監視するための画像収集の初期期間中に被験者が動くと、隣接する解剖学的特徴がマークされたROI内に移動する可能性がある。一例として、ランドマーク404は、被検体が動くと、オペレータによってROI402としてマークされた領域に移動する可能性がある。骨対大動脈のコントラストの差は、コントラストの変化が閾値に達し、診断スキャンの取得を起動させるのに十分な場合がある。
【0046】
ROIの周囲及び外側の動きは、取得された断面画像から生成された差分画像から検出することができる。差分画像は、フレームが異なる時点で収集される、別の画像フレームからの1つの画像フレームの減算から生じる画像であってもよい。ROI402の外側に動きが生じない場合、図6に描かれた第1の差分画像600が生成されることがある。
【0047】
一例では、第1の差分画像600は、造影剤が被験者に送達される前に取得された第1の断面画像を、造影剤が被験者に送達された後に取得された第2の断面画像から減算することによって生成され得る。第1の断面画像はマスク画像と呼ばれることがあり、第2の断面画像はコントラスト画像と呼ばれることがある。マスク画像は、ピクセル毎にコントラスト画像から減算されて第1の差分画像600を生成することができ、この差分画像はリアルタイムで操作者に表示されることができる。第1の差分画像600におけるROI402は、ROI402を取り囲む領域に対して高いコントラストを示す明瞭な円形のスポットである。しかしながら、差分画像におけるROIの外観のバリエーションは、ROIにおいて対象とされる解剖学的特徴のタイプに応じて変化し得ることが理解されよう。
【0048】
しかしながら、ROI402において及び/又はROI402の周囲において動きが生じる場合には、代わりに、図7に示す第2の差分画像700のような差分画像を生成することができる。第2の差分画像700は、上述したように、例えば、後に取得された第2の断面画像(例えば、コントラスト画像)から第1の断面画像(例えば、マスク画像)を減算することによって生成することができる。第2の差分画像700において、ROI402はまた、周囲の領域に対して高いコントラストを有する明るい円形のスポットとして表示される。差分画像700には、歪み702として現れる可能性のある付加的な構造も見える。歪み702は、第1及び第2の断面画像において捕捉された解剖学的特徴の位置ずれから生じる可能性があり、位置ずれは、ROI402における及び/又はROI402の周囲における移動の結果である。
【0049】
一実施例では、第2の差分画像700がオペレータに表示されるとき、オペレータは歪み702を観察し、診断スキャン取得の誤ったトリガを緩和するためにCTシステムにおける自動スキャン取得開始をオーバーライドする(override automated scan acquisition initiation:自動スキャン取得開始を無効にして置き換えを行う)ことを選択することができる。別の例として、CTスキャン取得イベントの初期監視期間中にリアルタイムで生成された差分画像は、画像処理アルゴリズム(例えば、ソフトウェア)を用いて処理され、図7の歪み702のような歪みを識別することによって動きを検出することができる。差分画像から歪みを識別すると、画像処理アルゴリズムは、動きが検出された旨の通知を操作者に表示する命令を含むことができる。次に、操作者は、例えば、自動化されたスキャン取得開始を継続することによって、又は手動、操作者作動の開始に切り替えることによって、どのように処理を進めるかを決定することができる。
【0050】
加えて又は代替的に、機械学習モデルの機械学習アルゴリズムは、差分画像に基づいてROI内の動きを検出するように訓練され得る。例えば、機械学習アルゴリズムは、特徴マッピング、画像レジストレーション、画像分類などの様々な技法を用いて、歪みの存在について差分画像を分析するように訓練することができる。さらに、機械学習アルゴリズムは、後続の時間フレーム間でボリュームを再サンプリングすることによって患者の動きをシミュレートすることによって訓練することができる。歪みの検出時に、機械学習アルゴリズムは、一例として、画像処理アルゴリズムを介した処理を参照して上述したように、検出された動きを操作者に通知するように構成されることがある。これにより、操作者は、自動化された又はアシストされた(例えば、手動の)スキャン取得開始を進めるか否かを決定することができる。
【0051】
別の例として、学習された機械学習モデルは、スキャン取得開始の自動モードに統合されることがある。例えば、差分画像は、歪みの識別に基づいてROI内の動きを検出するために、機械学習モデルによって自動的に監視及び分析され得る。ROI内の動きを検出すると、学習された機械学習モデルは、スキャン取得開始の自動化モード(例えば、動きが検出されない場合に使用される自動化モードのデフォルト設定)を上書きすることができる。
【0052】
機械学習モデルはさらに、差分画像に基づいてベクトルマップを生成するように構成されてもよく、このベクトルマップは、スキャンされる標的解剖学的特徴の実際の位置を反映するようにROIの再位置決めをガイドするために使用されてもよい。コントラスト画像及び/又は差分画像は、新たに取得された画像フレーム毎に再位置決めされたROIで更新され、コントラストを監視することができる。コントラストが閾値に達すると、スキャン取得が開始されることがある。
【0053】
機械学習モデルは、機械学習支援自動モードで実装され得るが、オペレータが機械学習支援自動モードを上書きし、手動開始スキャン取得に切り替えるためのオプションが提供され得る。オペレータが手動でスキャン取得を開始することを選択した場合、機械学習モデルは、コントラスト画像及び/又は差分画像におけるROIの再位置決め及び更新を継続することができる。
【0054】
あるいは、上述のように、高速画像位置合わせアルゴリズム又は画像レジストレーションに基づいてROIを再位置合わせすることもできる。高速画像位置合わせアルゴリズムが使用される場合、造影画像及び/又は差分画像は、画像が更新されるときに、再位置決めされたROIと共に表示され得る。画像レジストレーションの場合、リアルタイムで取得されたコントラスト断面画像は、スキャン取得イベントの開始時に取得されたマスク断面画像にレジストレーションされることがある。ROIの近傍又は周囲で、例えば操作者又は機械学習モデルによって動きが検出されると、その動きを用いてROIを再位置決めすることができる。
【0055】
例えば、上述したように、マスク画像及びコントラスト画像において識別されたランドマークに基づいて画像を登録することができる。例えば、マスク画像における、骨を表す図4及び図5のランドマーク404に対するROI402の位置が決定され得る。ランドマーク404はより不透明であり、そのコントラストは造影剤に依存しない場合がある。ランドマークの位置の変化がマッピングされ、ランドマークに対するROIの相対位置に応じてROIを再位置決めするために使用されることがある。
【0056】
画像レジストレーションは、二次元画像の位置合わせに広く使用されている、画像を再位置合わせするための確立された方法を提供することができる。しかしながら、CTシステムの場合、ROIの動きは撮像平面内で発生することもあれば、被検体の動き方に応じて撮像平面からずれることもある。このように、画像位置合わせは、撮像平面内の動き補償には信頼できるが、撮像平面に沿った方向以外の方向の動きには追従できない場合がある。同様に、高速画像位置合わせアルゴリズムは、2次元画像の位置合わせのための効率的な手法に過ぎない場合がある。さらに、画像位置合わせは、反復的で、計算集約的なプロセスである可能性があり、フレームキャプチャの頻度よりも長い完了時間を要求する可能性がある。このように、機械学習モデルを使用したROIの再位置合わせは、より効率的でよりロバストである可能性がある。
【0057】
スキャン捕捉開始の自動化モード及び支援モードを有するように構成されたCTシステムの高レベルワークフロー800を図8に示す。一例として、CTシステムは図2の撮像システム200であり得る。ワークフロー800の802では、造影剤の閾値増加がスキャン収集開始のトリガとして設定され(a threshold increase in contrast is set as a trigger for initiating scan acquisition)、これは収集のkVp及び使用される造影剤注入プロトコルに依存し得る。閾値は、スカウト画像が取得される前に設定されてもよいし、スカウト画像が取得された後であって断面画像の取得が開始される前に設定されてもよい(例えば、診断スキャン取得のトリガとして使用される断面画像)。閾値が設定された後、断面画像の収集が開始されることがあり、これにはマスク画像に続いて造影画像を収集することが含まれる。操作者はマスク画像でROIを指定することができ、このROIはその後に撮影される造影画像に伝搬される(propagated to the subsequently captured contrast images)。
【0058】
マスク画像から差分画像が生成され、差分画像からROIにおけるコントラストが決定されることがある。差分画像は、コントラスト画像の画像取得頻度に対応するレートで更新されることがある。ワークフロー800の804において、差分画像は、上述した戦略のいずれかに従って、ROIの外側及び差分画像のフレーム内の動きを検出するために使用されてもよい。動きが検出されない場合、ワークフロー800は806に進み、オペレータ入力に依存しない自動化モードを介して診断スキャン取得を開始する。例えば、差分画像のコントラストが閾値に達したと判定されると、スキャン取得がトリガされ得る。
【0059】
しかしながら、804で動きが検出された場合、ワークフロー800は、代わりに808に進み、診断スキャン取得開始のための支援モードに切り替える。幾つかの実施例では、動きの検出に応答して支援モードに自動的に切り替わるのではなく、オペレータからの入力を要求するプロンプトが表示され、動きが検出されたことのアラートを提供し、支援モードに切り替えるオプションを提示することができる。支援モードは、オペレータがスキャン取得を開始することに依存してもよいし、機械学習モデルに依存してもよい。一実施例では、オペレータによるアシスト時(支援時)には、オペレータがスキャン取得をトリガするタイミングをよりよく識別できるようにするために、高速画像アライメント又は機械学習モデルのいずれかによって、ROIを再位置決めするオプションが提供され得る。機械学習モデルによって支援される場合、ROIは再配置され、コントラストの変化を監視することができる。
【0060】
CTシステムにおけるアシスト及び自動スキャン取得開始を実行するための命令を提供するアルゴリズムは、例えば表示画面において操作者に情報を出力及び表示するためのコマンドを含むことができる。表示された情報は、図9に示すように、差画像のROIにおけるコントラストを経時的にプロットしたリアルタイムグラフ900を含むことがあり、差画像におけるコントラストは、差画像を生成するために使用された画像間のコントラストの変化を代表する。複数のデータポイント902の各々は、差画像が新しいコントラスト画像での取得に基づいて更新されるときに生成されることがあり、差画像は、ROIが画像フレーム間で再位置決めされるような動きを考慮する。コントラスト画像は、予め設定された頻度に従って収集されることがあり、リアルタイムグラフ900は、予め設定された頻度に対応する速度で新しいデータポイントで更新されることがある。
【0061】
リアルタイムグラフ900は、破線で示すように、閾値コントラスト(threshold contrast)904を含むことがある。閾値コントラスト904は、造影剤がROIに到達したことを示すコントラストの増加であってもよい。リアルタイムグラフ900は、診断スキャン取得がトリガされる前など、CT撮像イベントの少なくとも初期段階において表示されることがある。
【0062】
リアルタイムグラフ900の表示はまた、自動スキャン取得開始のオーバーライドが許容される期間の視覚的カウントダウン(visual count down)を操作者に提供することができる。例えば、ブラケット906によって示される期間中、操作者は、(操作者又は機械学習モデルによって)動きが検出された場合、スキャン取得開始の支援モードに切り替えるオプションを提示され得る。この期間は、マスク画像として使用され得る第1の断面画像が取得された後、コントラストが閾値コントラスト904に達する前から延びる可能性がある。タイマー期間が満了する前に支援モードへの切り替えが指示されない場合、コントラストが閾値コントラスト904に達すると、診断スキャンの取得が進められることがある。
【0063】
操作者がブラケット906によって示された期間内に支援モードに切り替えることを選択した場合、リアルタイムのグラフ900の表示は維持され、図10を参照して後述するような画像の表示は、新しい画像が収集され生成されるにつれて継続的に更新され得る。しかしながら、ブラケット906によって示された期間の後では、支援モードに切り替えるオプションはもはや利用可能でなくなり、グラフ900は表示から削除されることがある。
【0064】
表示画面1000の一例において図10に示すように、リアルタイムグラフ900は断面画像と共に表示されることがあり、この断面画像は図4の第1の断面画像400であってもよいが、他の例では図5の第2の断面画像500であってもよく、或いはCT撮像イベントの初期段階で直近に撮像された任意のマスク画像又はコントラスト画像であってもよい。
【0065】
また、表示画面1000は、一例として図7の第2の差分画像700であってもよい差分画像を表示してもよい。表示された差分画像は、直近に生成された差分画像であってよく、新しい造影画像が得られるにつれて更新されてよい。断面画像及び差分画像は、CT撮像イベントの初期段階において提示されることがあり、操作者が断面画像におけるコントラスト及び鮮明度の変化及び差分画像における歪みの存在を観察することを可能にする。
【0066】
例えば、断面画像400は、新しい断面画像が取得されるごとに表示され、更新される。断面画像の各リフレッシュは、断面画像が取得されるにつれて追加されるリアルタイムグラフ900のデータポイント902の1つに対応することがある。差分画像は、図9のブラケット906によって示されるように、マスク画像であってもよい第1の断面画像が取得された後に表示されることがある。幾つかの実施例では、画像のROIの周りの動きが断面画像で見えることがあり、操作者が支援モードが望ましいかどうかを決定するために使用することができる。例えば、選択可能なボタンのような、支援モードへの切り替えのための手動作動要求が表示画面1000に含まれることがある。
【0067】
図9のブラケット906によって示される期間により、オペレータは、各新しい断面画像が取得され、差分画像を生成するために使用されるにつれて更新される差分画像を監視することができる。一実施例では、差分画像に歪みが存在する場合、その歪みはオペレータによって容易に観察され得、画像のROIの外側で検出された動きに関する通知の表示を追加的にトリガし得る。通知の表示は、画像処理ソフトウェアによって出力され得る。更に、スキャン取得開始の支援モードに切り替えるオプションを提示することができる。
【0068】
操作者が支援モードを選択した場合、操作者は差分画像を監視し、目視観察に基づいてスキャン取得を開始することができる。例えば、オペレータが、歪みが差分画像にもはや存在しないことを観察したときに、スキャン取得を手動でトリガすることができる。歪みが図9のブラケット906によって示される期間を通して持続する場合、操作者はスキャン取得を中止することができるか、又はグラフ900のデータポイント902が閾値コントラスト904に達したときにスキャン取得の開始を許可することができる。
【0069】
あるいは、断面画像の取得開始から機械学習モデルを使用して、歪みについて差分画像を監視することもできる。ROI外の動きを示す歪みが検出された場合、機械学習モデルは、スキャン取得のトリガを制御するために、自動スキャン取得開始を自動的に上書きすることができる。スキャン取得は、差分画像において動きが検出されなくなったときに、機械学習モデルによってトリガされ得る。機械学習モデルは、グラフ900のデータポイント902に従ってコントラストを監視する命令を含むこともできる。図9のブラケット906に示されるように期間が経過し、ROIの外側で依然として動きが検出される場合、オペレータは、例えば、スキャン取得を中止するか、又はスキャン取得を続行するかのオプションを提示され得る。グラフ900は、コントラストが閾値コントラスト904に達するまで、又は差分画像において動きが検出されずスキャン取得が開始されるまで表示され得る。同様に、スキャン取得が開始されると、差分画像は表示画面1000から削除される場合がある。
【0070】
このようにして、CTシステムにおける自動スキャン収集開始の使用は、そうでなければスキャン収集の誤ったトリガにつながる可能性のあるROIの外で発生する動きに対してよりロバストになり得る。動きが検出されたときに自動モードをオーバーライドするために使用され得る支援モードを実装することによって、スキャン収集はオペレータの裁量で、又は機械学習モデルによる解析に従ってトリガされ得る。動きは、画像内のコントラストの変化が閾値に達するまで連続的に取得され更新されるコントラスト画像からマスク画像を減算することによって生成される差分画像から特定され得る。支援モード(例えば、機械学習モデルまたは操作者による)を自動化モードをサポートするオプションとして構成することにより、自動化モードの使用が操作者にとってより魅力的になる可能性がある。全体的な作業フロー及び効率が向上する一方で、被検体のX線被曝が低減する可能性がある。
【0071】
診断用CTスキャンを取得するための方法1100の一例が図11A~11Bに描かれている。方法1100を実行するための命令は、コントローラのメモリに記憶された命令に基づいて、図2のコンピューティング装置216などのコンピューティング装置のプロセッサによって実行されることがある。一実施例では、CTシステムは、図2のCTシステム100又は撮像システム200であってもよい。命令は、高速画像位置合わせアルゴリズム、及び/又はCTシステムによって取得され生成された画像を解析するように訓練された機械学習モデルのアルゴリズムを含んでもよい。CTシステムは、差分画像のコントラストが自動的に監視され得る自動モード、画像及び走査の収集が操作者によって制御される手動モード、及び自動モードと連動して実行され得る補助モードで動作するように構成され得る。
【0072】
方法1100の実行に先立って、又は方法1100の開始時に、造影剤をスキャン(走査)される被験者に送達することができる。例えば、造影剤は被検体に注射されるか又は被検体により摂取される(the contrast agent may be injected into or ingested by the subject)。造影剤が被検体内を循環して被検体の標的領域に到達するまでの推定持続時間が予め決定され、方法1100の実行の時間枠基準として使用されることがある。例えば、方法1100は、増強されたコントラストが観察され得るように、対象への造影剤の送達と標的領域への造影剤の循環との間の持続時間内に実行され得る。このように、以下にさらに説明するような差分画像及びグラフなどの特定の要素は、造影剤がROIに到達する前にのみ生成及び表示され得る。
【0073】
最初に図11Aに目を向けると、1102において、方法1100は、自動化された動作モードが操作者によって選択されているかどうかを確認することを含む。自動化モードが選択されていない場合、方法1100は手動モードで動作するために1104に進む。手動モードでは、操作者は、CTシステムによって取得され、図2の表示装置232のような表示装置(ディスプレイ装置)に表示された断面画像を観察することができる。操作者は、差分画像の観察に基づいて時間フレーム間の動きが明らかな場合に、診断スキャンの取得を手動で開始することができる。
【0074】
例えば操作者によって自動化モードが選択された場合、方法1100はスカウト画像を取得するために1106に進む。例えば、スカウト画像は図3のスカウト画像300であってよく、被検体に対してCTシステムを方向付けるため、及び断面画像がどこから取得されるかを示すために使用される。スカウト画像が取得された後、1108でマスク画像が取得される。マスク画像は、CTシステムのガントリを静止させた状態でスカウト画像に示された領域で得られる第1の断面画像であることがある。
【0075】
1110で、方法1100は、ROIが指示されている(indicated:表示されている、指摘されている、示唆されている)かどうかを確認することを含む。例えば、ROIは、オペレータがマスク画像上でマーカを選択又は配置することによって指示され得る。ROIが指示されていない場合、方法1100は、ROIが指示されるまで1110で保持される。オペレータによってROIが指示された場合、方法1100は1112に進み、コントラスト画像を収集し、コントラスト画像及びマスク画像に基づいて差分画像を生成する。コントラスト画像及び差分画像は、図9及び図10のグラフ900のような、差分画像のROIにおけるコントラストを時間と共にプロットしたグラフと共に操作者に表示することができる。差分画像は、コントラスト画像から画素毎にマスク画像を減算することによって生成することができ、その結果、図6~7に描かれた差分画像の例のような画像が得られる。
【0076】
1114において、方法1100は、ROIの外側の、差分画像において動きが検出されるかどうかを確認することを含む。例えば、被検体における動きは、差分画像における、図7の歪み702のような歪みの存在によって示され得る。歪みは、視覚的観察に基づいて操作者が識別することもできるし、機械学習モデルによって識別することもできる。動きが検出されない場合、方法1100は、差分画像内のROIにおけるコントラストが閾値コントラストに達するか否かを確認するために1116に続く。閾値コントラストは、造影剤がROIに到達したときに予想されるコントラストの変化に対応することがある。
【0077】
コントラストが閾値に達しない場合、方法1100は1112に戻り、別のコントラスト画像を収集し、対応する差分画像を生成する。新たに取得されたコントラスト画像及び対応する差分画像は、以前のコントラスト画像及び差分画像を置き換えることができ、それにより表示デバイスにおける表示が更新される。また、グラフは、新たに生成された差分画像におけるコントラストに対応する新たなデータ点を含むように更新されることもある。コントラストが1116で閾値を満たす場合、方法1100は1128(図11Bに示すように)に進み、以下に説明するように、ディスプレイから差分画像及びグラフを削除する。
【0078】
1114に戻り、差分画像で動きが検出された場合、方法1100は1118に進み、動きが存在することをオペレータに通知または警告を表示する。通知又は警告を表示することは、操作の支援モードに切り替えるためのオプションを表示すること又は操作者に促すことを含むこともできる。1120において、方法1100は、支援モードが要求されたかどうかを確認することを含む。1120において、支援モードの要求が確認されない場合、方法1100は、上述したように1116に進み、差分画像におけるコントラストが閾値に達するか否かを確認する。支援モードの要求が1120で確認された場合、方法1100は1122に進み、コントラスト画像の取得、差分画像の生成、画像及びグラフの表示の更新を継続する。
【0079】
一実施例では、コントラスト画像の表示をリフレッシュすることは、被検体の動きを補償するためにフレーム毎にROIを再配置することを含むことがある。ROIは、一例として、高速画像位置合わせアルゴリズムを使用して再位置決めされ得る。別の例では、ROIを配置する前にマスク画像を登録(register)し、ROIを再位置決めする代わりにコントラスト画像をマスク画像に登録(register)することができる。さらに他の例では、ROIは、ROIの移動を予測するために機械学習モデルによって生成されたベクトルマップに基づいて、機械学習モデルによって再配置される場合がある。例えば、ベクトルマップは、例えば歪みを解析することによって、差分画像から生成されることがある。ある実施態様では、表示されたコントラスト画像内のROIの位置を更新するために機械学習モデルを使用することは、画像レジストレーションよりも高速で計算集約的でない(less computing-intensive)場合がある。
【0080】
次に図11Bに目を向けると、1124において、方法1100は、1116で上述したように、差分画像におけるROIのコントラストが閾値に達するか否かを確認することを含む。コントラストが閾値に達しない場合、方法1100は1126に進み、診断スキャンを開始する要求が受信されたか否かを確認する。要求が受信されない場合、方法1100は1124に戻り、コントラストが閾値に達するか否かを再び確認する。1126において、診断スキャンを開始する要求が受信された場合、方法1100は1128に進み、差分画像及びグラフの表示を停止する。換言すれば、差分画像はもはや生成されず、差分画像及びグラフの両方が表示装置におけるディスプレイから削除され得る。支援モードに切り替えるオプションは、まだ選択されていなければ、もはや利用できない。方法1100は次に1130に進み、ROIの診断スキャンの取得を開始する。スキャン取得を開始する要求は、オペレータが、差分画像に歪みがもはや存在しないことを観察したときに、オペレータから受け取ることができる。あるいは、この要求は、機械学習モデルが、差分画像の解析に基づいて、動きがもはや存在しないと決定したときに、機械学習モデルから受け取ることができる。
【0081】
1124に戻り、差画像のROIにおけるコントラストが閾値に達した場合、方法1100は1132に進み、スキャン取得を中止する要求が受信されたか否かを確認する。例えば、オペレータは、動きが止まらない場合及び/又は動きが診断スキャンから有用な情報を得る能力が損なわれる程度である場合に、スキャン取得を中止するように要求することができる。同様に、機械学習モデルが、動きが大きすぎてROIを確実に追跡することができず、結果として得られるスキャンが使い物にならなくなる可能性が高いと判断した場合、スキャン取得を中止する要求を機械学習モデルから受信することができる。中止要求が1132で受信された場合、スキャン取得イベントは1134で終了する。中止要求が受信されない場合、方法1100は1128に進み、表示画面における表示から差分画像及びグラフを削除する。方法1100は1130に進み、診断スキャンの取得を開始する。
【0082】
図1は、様々な構成要素の相対的な位置関係を伴う構成例を示している。互いに直接接触している、または直接結合しているように示されている場合、そのような要素は、少なくとも一例において、それぞれ直接接触している、または直接結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続または隣接して示されている要素は、少なくとも一例において、それぞれ連続または隣接している場合がある。一例として、互いに面接触して敷設された構成要素は、面接触していると称される場合がある。別の例として、少なくとも一例において、互いに離間して配置され、その間に空間のみが存在し、他の構成要素が存在しない要素は、そのように呼ばれることがある。さらに別の例として、互いの上/下、互いの反対側、または互いの左/右に示された要素は、互いに対してそのように呼ばれることがある。さらに、図に示すように、少なくとも一例において、最上部の要素または要素の点を構成要素の「上部」と呼び、最下部の要素または要素の点を構成要素の「底部」と呼ぶことがある。本明細書で使用されるように、上/下、上/下、上/下は、図の垂直軸に対する相対的なものであり、図の要素の互いに対する位置関係を表すために使用される場合がある。このように、他の要素の上に示されている要素は、一例では、他の要素の垂直方向の上に配置されている。さらに別の例として、図内に描かれている要素の形状は、それらの形状(例えば、円形である、直線である、平面である、湾曲している、丸みを帯びている、面取りされている、角度がついているなど)を有すると称されることがある。さらに、互いに交差して示された要素は、少なくとも一例において、交差要素または互いに交差していると称される場合がある。さらに、別の要素内に示されている要素や、別の要素の外側に示されている要素は、一例としてそのように呼ばれることがある。
【0083】
本開示はまた、X線撮像システムのための方法であって、自動化モードにおけるX線撮像システムの動作に応答して、第1の画像と第2の画像とから差分画像を生成するステップと、差分画像の解析に基づいて関心領域(ROI)の外側の動きを検出できるようにするために、差分画像を表示装置に表示するステップであって、差分画像は造影剤がROIに到達する前に表示される、ステップと、を含む方法のサポートを提供する。本方法の第1の実施例では、差分画像は第2の画像が取得された後に表示され、新たな画像が取得されると表示装置において継続的に更新される。本方法の第2の実施例では、第1の実施例を任意に含むが、造影剤がROIに到達すると、差分画像はもはや表示されない。本方法の第3の実施例では、任意選択で、第1及び第2の実施例の一方又は両方を含み、第1の画像はマスク画像であり、第2の画像はコントラスト画像であり、第1の画像及び第2の画像の両方が表示装置に表示され、差分画像は、第2の画像から第1の画像を減算することによって生成される。本方法の第4の実施例では、任意に、第1から第3の実施例の1つ以上またはそれぞれを含み、ROIの外側の動きは、差分画像におけるROIの周囲の歪みの存在によって検出される。本方法の第5の実施例において、任意選択で、第1乃至第4の実施例の1つ以上又は各々を含み、本方法は更に、新たな画像を継続的に取得することと、新たな画像を用いて実際の画像を表示することと、を含み、新たな差分画像は、新たな画像の各々を用いて生成され、表示装置に表示される。本方法の第6の実施例において、任意選択で、第1乃至第5の実施例の1つ以上又は各々を含み、本方法は更に、ROIの外側で動きが検出された場合に、表示装置で通知を提示する工程と、通知には、X線撮像システムの動作を支援モードに切り替えるオプションが含まれる。本方法の第7の実施例では、任意選択で、第1乃至第6の実施例のうちの1つ以上又は各実施例を含み、X線撮像システムが支援モードで動作するとき、操作者による動きの視覚的観察に基づく操作者からの入力に基づいてスキャン取得が開始される。本方法の第8の実施例では、任意選択で、第1乃至第7の実施例のうちの1つ以上又は各実施例を含み、差分画像内の動きを識別するように訓練された機械学習モデルを用いて、又は操作者が差分画像を視覚的に観察することによって、動きが検出される。本方法の第9の実施例では、任意選択で、第1乃至第8の実施例の1つ以上又は各々を含み、時間に対する差分画像のROIにおけるコントラストをプロットしたグラフも表示装置に表示され、グラフの各データ点は、新たなコントラスト画像の取得及び新たな差分画像の対応する生成に対応する。
【0084】
本開示はまた、ガントリの対向する側に配置されたX線源及びX線検出器と、X線源とX線検出器との間の、ガントリ内に配置された被検体と、実行可能な命令で構成されたコンピューティング装置のプロセッサであって、実行されると、プロセッサに以下を行わせるプロセッサと、を備える、X線撮像システムのサポートを提供する:自動モードで動作しているときに、コントラスト画像からマスク画像を減算することによって差分画像を生成するステップと、差分画像を表示装置に表示するステップと、差分画像においてROIの外側の動きが検出されたときに通知を表示するステップと、診断スキャン取得を開始する要求を受信することに応答して診断スキャンを取得するステップであって、診断スキャン取得を開始する要求は、差分画像においてROIの外側の動きが検出されなくなったときに受信される、ステップとを実行させる。本システムの第1の実施例において、マスク画像は、X線撮像装置によって取得された第1の断面画像であり、コントラスト画像は、マスク画像の後に取得された断面画像であり、コントラスト画像は、所定の頻度で取得され、差分画像と共に表示装置に表示される。システムの第2の実施例では、オプションとして、第1の実施例を含み、差分画像及びコントラスト画像の表示は、差分画像におけるROIでのコントラストが閾値コントラストに達するまで、所定の頻度に従ってリフレッシュされ、閾値コントラストは、ROIに造影剤が到達したことを示す。システムの第3の実施例では、オプションとして、第1及び第2の実施例の一方又は両方を含み、歪みの存在に基づいて差分画像内の動きを検出するように訓練された機械学習モデルによって、差分画像内の動きが自動的に検出される。システムの第4の実施例では、任意選択で、第1から第3の実施例の1つ以上又は各々を含み、機械学習モデルは、差分画像に基づいてROIの新たな位置を決定し、表示装置でのコントラスト画像の表示が更新されたときにコントラスト画像内でROIを再位置決めするように更に訓練される。
【0085】
本開示はまた、X線撮像システムを操作するための方法のサポートを提供する。自動スキャン収集開始モードにおけるX線撮像システムの動作に応答して、マスク画像とコントラスト画像とから差分画像を生成し、差分画像とコントラスト画像とを表示デバイスに表示するステップであって、関心領域(ROI)外の差分画像において動きが検出された場合に、X線撮像システムの動作を支援スキャン収集開始モードに切り替えるオプションを提供する、ステップと動作を補助スキャン収集開始モードに切り替える確認を受信すると、差分画像及びコントラスト画像の表示を継続的にリフレッシュするステップであって、表示をリフレッシュすることは、動きを補償するためにROIを再位置決めすることを含む、ステップと、診断スキャン収集を開始する要求を受信することに応答して、診断スキャン収集を開始するステップとを含む。本方法の第1の実施例において、本方法は、オペレータ又は機械学習モデルから中止要求を受信した場合に、診断スキャン撮影を中止することを更に含む。本方法の第2の実施例において、任意に第1の実施例を含むが、ROIの再位置決めは、高速画像位置合わせアルゴリズムを使用してROIのフレーム間の新しい位置でコントラスト画像を更新することを含む。本方法の第3の実施例では、任意に第1及び第2の実施例の一方又は両方を含み、ROIの位置は画像登録に基づいてコントラスト画像内で追跡され、画像登録はROIがコントラスト画像内で指示される前に実施される。本方法の第4の実施例において、任意選択で、第1乃至第3の実施例のうちの1つ以上又は各実施例を含み、ROIを再位置決めすることは、機械学習モデルによって造影画像内のROIの位置をフレーム毎に更新することを含み、機械学習モデルは、ROIの位置を決定するために差分画像に基づいてベクトルマップを生成するように構成される。
【0086】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、「a」または「an」という単語で進められる要素またはステップは、そのような除外が明示的に記載されない限り、当該要素またはステップの複数形を除外しないと理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。さらに、反対のことが明示的に記載されていない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「含む」、「備える」、または「有する」実施形態は、その特性を有しない追加のそのような要素を含み得る。用語「含む」および「有する」は、それぞれの用語「含む」および「有する」の平易な等価語として使用される。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単にラベルとして使用されており、数値的要件や特定の位置順序をその対象に課すことを意図していない。
【0087】
本明細書では、最良の態様を含む本発明を開示するために実施例を用い、また、関連技術分野における通常の知識を有する者が、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた方法の実行を含め、本発明を実施できるようにするために実施例を用いる。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0088】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施態様1]
X線撮像システムのための方法であって、
自動モードでのX線撮像システムの操作に応答するステップと、
第1の画像と第2の画像から差分画像を生成するステップと、
表示装置に差分画像を表示し、差分画像の解析に基づいて関心領域(ROI)外の動きを検出できるようにするステップと、
を含み、差分画像は造影剤がROIに到達する前に表示される、方法。
[実施態様2]
差分画像は、第2の画像が取得された後に表示され、新たな画像が取得されると表示装置で継続的に更新される、実施態様1記載の方法。
[実施態様3]
造影剤がROIに到達すると、差分画像はもはや表示されない、実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
第1の画像はマスク画像であり、第2の画像はコントラスト画像であり、第1の画像と第2の画像の両方が表示装置に表示され、差分画像は、第2の画像から第1の画像を減算することによって生成される、実施態様1記載の方法。
[実施態様5]
ROIの外側の動きは、差分画像におけるROIの周りの歪みの存在によって検出される、実施態様1に記載の方法。
[実施態様6]
さらに、新たな画像を継続的に取得するステップと、新たな画像による実際の画像を表示するステップとを含み、新たな画像の各々によって新たな差分画像が生成され、表示装置に表示される、実施態様1記載の方法。
[実施態様7]
動きがROIの外側で検出されたときに、表示装置で通知を提示するステップをさらに含み、通知が、X線撮像システムの動作を支援モードに切り替えるオプションを含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様8]
X線撮像システムが支援モードで動作するとき、操作者による動きの視覚的観察に基づく操作者からの入力に基づいてスキャン取得が開始される、実施態様7に記載の方法。
[実施態様9]
動きは、差分画像内の動きを識別するように訓練された機械学習モデルを使用して、またはオペレータが差分画像を視覚的に観察することによって検出される、実施態様1に記載の方法。
[実施態様10]
差分画像におけるROIでのコントラストを時間に対してプロットしたグラフも表示装置に表示され、グラフの各データポイントが、新たなコントラスト画像の取得及びそれに対応する新たな差分画像の生成に対応する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様11]
X線撮像システムであって、
ガントリの反対側に配置されたX線源及びX線検出器と、
X線源とX線検出器との間でガントリ内に配置された被検体と、
実行可能な命令で構成されたコンピューティング装置のプロセッサであって、実行されると、プロセッサに、
自動モードで動作する場合、コントラスト画像からマスク画像を減算して差分画像を生成するステップと、
表示装置に差分画像を表示するステップと、
差分画像でROI外の動きが検出された場合、通知を表示するステップと、
診断スキャン取得開始要求の受信に応答して診断スキャンを取得するステップと
を実行させる、プロセッサとを含み、
診断スキャン取得開始要求は、差分画像においてROI外の動きが検出されなくなったときに受信される、X線撮像システム。
[実施態様12]
マスク画像が、X線撮像装置により取得された第1の断面画像であり、コントラスト画像が、マスク画像の後に取得された断面画像であり、コントラスト画像は、所定の頻度で取得され、差分画像とともに表示装置に表示される、実施態様11に記載のX線撮像システム。
[実施態様13]
差分画像およびコントラスト画像の表示は、差分画像におけるROIのコントラストが閾値コントラストに達するまで、所定の頻度に従ってリフレッシュされ、閾値コントラストは、ROIに造影剤が到達したことを示す、実施態様12に記載のX線撮像システム。
[実施態様14]
動きは、歪みの存在に基づいて差分画像内の動きを検出するように訓練された機械学習モデルによって、差分画像内で自動的に検出される、実施態様11に記載のX線撮像システム。
[実施態様15]
機械学習モデルは、差分画像に基づいてROIの新たな位置を決定し、表示装置でのコントラスト画像の表示が更新されたときにコントラスト画像内でROIを再位置決めするようにさらに学習される、実施態様14に記載のX線撮像システム。
[実施態様16]
X線撮像システムを操作する方法であって、
自動スキャン収集開始モードにおけるX線画像撮影システムの操作に応答して、マスク画像とコントラスト画像から差分画像を生成し、差分画像とコントラスト画像を表示デバイスに表示するステップと、
関心領域(ROI)外の差分画像で動きが検出された場合に、X線撮像システムの動作を支援スキャン収集開始モードに切り替えるオプションを提供するステップと、
操作を支援スキャン取得開始モードに切り替える確認を受信すると、差分画像およびコントラスト画像の表示を継続的に更新するステップであって、表示を更新することは、動きを補償するためにROIを再位置決めすることを含む、前記ステップと、
診断スキャン取得を開始する要求を受信したことに応答して、診断スキャン取得を開始するステップと、を含む、方法。
[実施態様17]
オペレータまたは機械学習モデルから中止要求を受信した場合に、診断スキャン取得を中止するステップをさらに含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
ROIの再位置決めは、高速画像位置合わせアルゴリズムを使用して、ROIのフレーム間の新しい位置でコントラスト画像を更新するステップを含む、実施態様16記載の方法。
[実施態様19]
ROIの位置が画像登録に基づいてコントラスト画像内で追跡され、ROIがコントラスト画像内で指示される前に画像登録が行われる、実施態様16記載の方法。
[実施態様20]
ROIを再位置決めすることは、機械学習モデルによってコントラスト画像内のROIの位置をフレームごとに更新することを含み、機械学習モデルは、ROIの位置を決定するために差分画像に基づいてベクトルマップを生成するように構成される、実施態様16に記載の方法。
【符号の説明】
【0089】
100:CTシステム 102:ガントリ 104:X線源 106:X線放射ビーム 108:検出器アレイ 110:画像処理ユニット 112、204:被検体 114:テーブル 200:撮像システム 202:検出器素子 206:回転中心 208:制御機構 210:X線コントローラ 212:ガントリモータコントローラ 214:DAS 216:コンピューティング装置 218:大容量記憶装置 220:オペレータコンソール 224:PACS 226:テーブルモータコントローラ 230:画像再構成器 232:ディスプレイ 300:スカウト画像 302:ライン 400:第1の断面画像 402:ROI 404:ランドマーク 500:第2の断面画像 600:第1の差分画像 700:第2の差分画像 702:歪み 900:リアルタイムグラフ 902:データポイント 904:閾値コントラスト 906:リアルタイムグラフ 1000:表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【外国語明細書】