(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160956
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】X線検査デバイスのための供給装置
(51)【国際特許分類】
G01N 23/18 20180101AFI20241108BHJP
B65G 47/18 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G01N23/18
B65G47/18
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024069799
(22)【出願日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】10 2023 111 658.4
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506186673
【氏名又は名称】ヴィポテック ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】ADAM-HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン モルシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン クッケルベルク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シーグリスト
(72)【発明者】
【氏名】ベルント ジンケ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ボール
【テーマコード(参考)】
2G001
3F080
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA08
2G001HA13
2G001JA09
2G001KA05
2G001LA01
2G001PA01
2G001PA11
3F080AA52
3F080BA07
3F080CE03
3F080CF02
3F080CF11
3F080CF16
3F080CG15
3F080DA06
3F080DA17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実質的に垂直のz方向に供給されるばら荷からなる製品流の製品を実質的に水平の搬送方向xへ、およびこれに伴ってz方向に対して垂直のxy方向にある搬送平面へ、移行させるための、検査デバイスのための、特にX線検査装置のための、衛生的に適正なモジュール形式の供給装置を提供する。
【解決手段】供給装置1は、z方向で見て上側の、実質的にz方向を向く入口開口部3と、z方向で見て下側の、実質的にx方向を向く出口開口部5とを有し、両方の開口部3,5は中間領域7と接続され、中間領域は、z方向からx方向への製品の保全的な方向転換を惹起するために、少なくとも搬送方向xで見て裏側の湾曲した壁部を有し、それにより製品の落下運動によって生じる圧力が少なくとも部分割合で壁部により受け止められる。それによって、出口開口部の下方に配置された搬送システムに対する、特に搬送ベルト9に対する、製品流の圧力が低減される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に垂直のz方向に供給されるばら荷(39)からなる製品流の製品を実質的に水平の搬送方向xへ、およびこれに伴ってz方向に対して垂直のx-y方向にある搬送平面へ、移行させるための、検査デバイスのための、特にX線検査装置のための、衛生的に適正なモジュール形式の供給装置(1)において、
a)前記供給装置(1)は、z方向で見て上側の、実質的にz方向を向く入口開口部(3)と、z方向で見て下側の、実質的にx方向を向く出口開口部(5)とを有し、
b)両方の前記開口部(3,5)は中間領域(7)と接続され、前記中間領域(7)は、z方向からx方向への製品の保全的な方向転換を惹起するために、少なくとも搬送方向xで見て裏側の湾曲した壁部(13)を有し、それにより製品の落下運動によって生じる圧力が少なくとも部分割合で前記壁部(13)により受け止められ、それによって前記出口開口部(5)の下方に配置された搬送システムに対する、特に搬送ベルト(9)に対する、製品流の圧力が低減される、供給装置。
【請求項2】
湾曲した裏側の前記壁部(13)は前記出口開口部(5)の方向で水平の線へと移行する前に終わり、それにより、湾曲した前記壁部(13)のどの領域も水平方向のx軸に対して接線方向でゼロよりも大きい角度を有することを特徴とする、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記中間領域(7)はその端部領域で前記出口開口部(5)の前に、下方に向かって屈曲する下側エッジ(15)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記供給装置(1)は前記出口開口部(5)に、前記出口開口部(5)の高さを変えるために実質的にz方向の高さに関して位置調節することができる位置調節部材(11,11’)を有することを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項5】
前記位置調節部材(11)は、ばら荷(39)の製品の流動性に合わせた適合化を可能にするために、垂直のz軸に対する傾きに関して調整可能であることを特徴とする、請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記供給装置(1)は前記検査デバイスの動作の進行中に前記搬送システムの搬送速度に合わせた前記位置調節部材(11)の高さおよび/または傾斜角の適合化を可能にする制御装置を有し、それは、
a)可能な限り継続して設定される一定の製品流高さを生起するためであり、および/または、
b)可能な限り継続して設定される一定の質量流量を生起するためであり、および/または、
c)X線検査装置の透過照射幅を最善に活用するためであり、および/または、
d)光学式の検査のために一定の単層性を保証するためである、
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の供給装置。
【請求項7】
前記位置調節部材(11)は湾曲した下側エッジ(31)を有し、それによりばら荷(39)を通るX線放射(33,35,37)の通過経路がどの角度(α)のもとでもほぼ等しい長さになることを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項8】
前記供給装置(1)は前記入口開口部(3)の領域に、特に特に事前定義されたさまざまな接続幅を有するように多段に構成される、接続管(21)を有することを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項9】
先行請求項のうちいずれか1項に記載の供給装置(1)を有する検査装置において、前記供給装置(1)は、側方での取外しまたは差込みが可能となるように、工具なしで操作可能なクックロックによって前記検査装置に配置されることを特徴とする検査装置。
【請求項10】
前記供給装置(1)は両側での利用を可能にするためにx-z平面に対して対称に構成されることを特徴とする、請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
前記供給装置(1)はその内部またはその表面に配置可能な、好ましくはモジュール形式で交換可能な部材、たとえば遮蔽スライダ、フィルタ部材、シーブ、またはバッフル部材を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記供給装置(1)に配置された、または前記供給装置(1)に組み込まれた、吸塵デバイスが設けられることを特徴とする、請求項9から11のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項13】
前記供給装置(1)は部分的に放射線防護ハウジングの構成要素として構成されることを特徴とする、請求項9から12のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項14】
検査デバイスの、特に請求項1から12のいずれか1項に記載の供給装置を有するX線検査デバイスの、検査結果を最適化する方法において、
a)前記入口開口部(3)における供給量、および/または、
b)前記位置調節部材(11)の高さおよび/または傾き、および/または、
c)前記搬送装置の搬送速度
が実質的に継続して一定の製品流高さが生起されるように、および/または前記X線検査装置の透過照射幅が最善に活用されるように、および/または可能な限り高い処理量がもたらされるように、制御されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査デバイスのための、特にX線検査装置のための、供給装置に関し、並びに、そのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類の検査装置および方法は、特に食料品分野のばら荷(たとえば米、コーヒー豆)で、可能性のある異物に関してこれを検査するために利用される。そのために製品流が検査設備を通るように、特にX線検査設備を通るように、搬送システムによって、特に搬送ベルトによって、案内される。このとき製品供給は、ホースを通して上方から行われる。
【0003】
搬送物の落下高度が大きいため(数メートル)、一連の問題が引き起こされる。たとえば製品が破損する可能性があり、たとえばコーヒー豆などでは、完全な製品だけが所望される。さらに、特にベルトなどの搬送システムから、ないしは側方の案内部(側方案内部)から、製品が飛び出して、検査を難しくする可能性がある。
【0004】
さらに、多くのダスト発生が検査に悪影響を及ぼし、検査デバイス並びに搬送システムを汚したり、さらには損傷させる可能性がある。とりわけ発火性のダスト・空気・混合物の発生は絶対に回避されるべきであり、特に、圧縮空気ブラストの使用は許容されない(ダスト発生)。
【0005】
ベルト幅にわたっての不規則な製品流高さが、検査を、特にX線評価を、難しくする。
【0006】
上方からの相当な動圧がベルト始動を難しくし、いっそう高いモータ電流および/またはいっそう大型に設計された駆動モータを必要とする。
【0007】
従来式に作動する検査設備では、供給ホッパーへのアクセスが、およびそれに伴って洗浄のための取外しが、困難である。さらに、粒子が細かいばら荷の場合、しばしば(側方案内部の下での閉塞、管理できない飛び出しなどによって)機械故障が起こる。
【発明の概要】
【0008】
したがって本発明の課題は、上記の欠点を防止し、ばら荷からなる製品流の製品のz方向からx方向への保全的な方向転換を惹起する、検査デバイスのための供給装置、並びにこのような種類の供給装置を有する検査デバイス、および、このような種類の供給装置を有する検査デバイスの検査結果を最適化する方法を提供することにある。
【0009】
この課題は本発明により、請求項1の特徴を有する供給装置、請求項9の特徴を有する検査デバイス、並びに、請求項14の特徴を有する方法によって解決される。
【0010】
本発明による供給装置は、-搬送方向xで見て-裏側の湾曲した壁部として構成される中間領域を有する。このとき壁部の湾曲は、断面(x-z平面)で見て、実質的に垂直方向の向き(z軸)からほぼ水平方向の向き(x軸)へと移行する曲線に沿って行われる。壁部は水平の線へと達する前に終わっているのが好ましく、それによりx軸とともにゼロよりも大きい角度が形成される。
【0011】
湾曲は、本発明の意味においては任意の曲線に沿って行うことができ、湾曲という概念は、1つの直線領域を有する、または不連続の移行部を含む複数の直線領域を有する、曲線も含む。少なくとも裏側の壁部はコーナーやエッジを有さないのが好ましく、それにより、特に未包装の食品などの製品が、特にナッツ、豆、米などが、損傷するリスクを低減することができる。
【0012】
本発明の意味において製品とは、以下において製品と呼んでいる場合であっても、ばら荷からなる製品流の製品をいう。したがって、個別に存在する製品ないしは離散的な製品、たとえば個別に存在する、または加工時に個別化される、ビン、カップ、密封袋、錠剤などは、ばら荷からなる製品流の製品であるとは理解されない。
【0013】
いずれのケースでもこのような壁部によって、z方向から(ほぼ)x方向への製品の保全的な方向転換が惹起される。このとき(垂直に落下する)製品の圧力が少なくとも部分的に壁部によって受け止められ、それにより、出口開口部の下方に配置された搬送システムに対する、特に搬送ベルトに対する、(重量の力および/または運動エネルギーの結果として)生じる製品流(柱)の圧力が低減される(これはベルト停止時には静的な圧力であり、稼働時には動的な圧力である)。それにより、搬送システムの負荷を低減することができるという利点がある。特にベルト始動が容易になり、それにより、いっそう高いモータ電流および/またはいっそう大型に設計された駆動モータが必要なくなる。このとき検査デバイスの動作は、検査そのものだけでなく、場合により存在する保守モード、洗浄モードなどの、他のモードも含むのが好ましい。
【0014】
供給装置は、衛生的に適正な、容易に洗浄することができる素材、好ましくは特殊鋼からなり、それにより食品分野での使用に懸念がなくなる。供給装置はモジュールとして構成されるのが好ましく、それにより、検査デバイスないし検査システムへの挿入と取出を-それぞれ別様に構成される供給装置の間での転換も含めて-、簡易な方式で行うことができる。それにより、特にシーブやバッフル部材などの取替を必要とする製品変更時に、さまざまな要求事項への対応を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、湾曲した裏側の壁部は出口開口部の方向で水平の線へと移行する前に終わり、それにより、湾曲のどの領域も水平方向のx軸に対して接線方向でゼロよりも大きい角度を有する。それにより、供給装置内での製品の残留、さらにはその閉塞が回避される。
【0016】
中間領域はその端部領域で出口開口部に達する前に終わることができ、それにより、中間領域の下側端部と出口開口部および場合により存在する位置調節部材との間に、x方向で見て隙間が存在する。
【0017】
本発明の別の実施形態では、中間領域はその端部領域で出口開口部の前に、下方に向かって屈曲する下側エッジを有する。このことは、製品供給の終了後の安全な空運転を可能にする。下側エッジは搬送平面の上側の近傍まで達するのが好ましく、それにより、この下側エッジが搬送平面を、特にベルトを、製品流の装入前に空になるよう清掃する。
【0018】
本発明の特別に好ましい実施形態では、供給装置は出口側ないし出口開口部に、実質的に高さ方向でz方向へ位置調節することができる、たとえば好ましくは平坦に構成される位置調節薄板または位置調節フラップの形態の位置調節部材を有する。このような位置調節部材により、出口開口部の高さを簡易な方式で(可変に)調整することができる。位置調節部材と、屈曲した下側エッジの端部との間に明らかな間隔があるのが好ましい。
【0019】
位置調節部材は、本発明の別の実施形態では、垂直方向のz軸に対する傾きに関して調整可能である。相応の調整により、そのつどの製品の流動性に合わせた適合化が可能となる。
【0020】
位置調節部材およびその相応の調整(垂直方向および/または傾き)により、製品流高さも、ないしは製品流カバーの厚みも、所望の程度に制限することができ、それにより透過照射のために低いエネルギーで十分であり、特に、X線源の出力を低減することができる。
【0021】
透過照射およびこれに伴って製品流の検査画像のグレー値は、容積あたりのその質量、ないしその密度、すなわち、かさ密度に依存するので、製品流密度ないしかさ密度に依存して製品流高さを選択するのも好ましく、それにより、質量流量を設定された程度に合わせて一定に保つことができる。たとえば、かさ密度が高いときには低い製品流高さが調整され、それにより放射エネルギーを高くする必要がなくなる。
【0022】
さらに、製品流の一定の単層性を確保することが考えられる。そのようにして、純粋に光学式の検査も最高の品質で行うことができる。ばら荷の下側に位置する目に見えない層が隠されることが回避されるからである。
【0023】
z方向への位置調節および/または傾きの調整は、手動式または自動式に(好ましくは現在調整されている高さを表示しながら)行うことができる。さらに、行われた調整を特に生産証明として(相応の記憶デバイスで)保存し、アーカイビングすることが考えられる。
【0024】
本発明の別の実施形態では、供給装置は、検査デバイスの動作の進行中に搬送システムの搬送速度に合わせた位置調節部材の高さおよび/または傾斜角の適合化を可能にする制御装置を有する。位置調節部材の適合化は、たとえば制御可能なアクチュエータ、調節モータなどによって行うことができる。
【0025】
このようにして、特にx方向で見たときの、可能な限り継続して設定される一定の製品流高さを、およびこれに伴って一定に搬送される製品容積を、生起することができる。y方向では可変の高さが意図されていてもよい。たとえば、X線検査装置の透過照射幅を、および搬送デバイスの搬送幅ないしベルト幅を、最善に活用するために、製品流高さを側方縁部に向かって下げていくことが考えられる。
【0026】
本発明の別の実施形態では、位置調節部材は湾曲した下側エッジを有し、それにより、ばら荷を通るX線放射の通過経路に合わせてy方向で製品流高さを適合化することができ、通過経路が好ましくはどの角度のもとでもほぼ等しい長さになる。それに応じて、y方向で見てX線源から扇型に広がるX線放射を利用することができ、均一な製品流の検査画像のグレー値が、-長い透過照射経路によって増えていく吸収に基づいて-縁部に向かって変化することがない。特に下側エッジは、x-z平面に対して対称に中央で隆起する領域であってよく、側方で連続的に下方へと向かっていく側辺を有することができる。
【0027】
本発明の特別な実施形態では、供給装置は入口開口部の領域に、特に事前定義されたさまざまな接続幅を有するように多段に構成される、接続管を有する。このようにして、多くの場合に規格化されている、さまざまな接続幅を有する異なる検査装置で、同一の供給装置を利用することができる。接続管により、たとえばフレキシブルな結合によって、またはクリアランスを設けることによって、機械的な連結解除を行えるのが好ましい。それに伴って接続管は、たとえば振動管によって引き起こされる揺れに対する防護部としての役目も果たすことができる。さらに、接続管が防塵部として機能し、外部へのダスト漏出を防止することが考えられる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、供給装置は、上方に配置された接続管から(たとえば接続管と差込部に相補的に構成された相応の案内部を通じて)引き出すことができる、およびこれに嵌め込むことができる、中間領域との差込部を有する。
【0029】
それにより、さまざまな形状および/またはジオメトリーを有する、特にさまざまに構成された湾曲する壁部を有する、さまざまな差込部を、要求事項(製品の流動性、粘着特性、分離剤の種類、塊形成、飛び出し、粗粒性など)に応じて利用することが可能である。たとえば、それぞれ異なる(フォーマット)セットの差込部を一揃い留保しておき、必要に応じて、特に工具を用いない簡易な差込によって、モジュール形式で利用することが考えられる。たとえばばら荷としてのレーズンは-その粘着特性の帰結として-各々の領域で、特に壁部の下側端部で、滞留を防止するために、粘着性の低い製品よりも高い勾配を必要とする。
【0030】
本発明の別の実施形態では、供給配管にある制御式の遮蔽スライダによる製品流の作動(導入リリース)は、ベルトが進行し、それによって出口開口部の下方に配置された搬送システムに対する動圧を低下させることができに、もしくはさらに防止することができるときに、初めて行われる。
【0031】
供給装置は、工具なしで操作可能なクイックロックによって、側方での取出または差込が特に実質的にy方向で可能となるように、検査装置に配置される。それにより、検査装置をそれ以上に解体することなく、快適で簡易で迅速な取替が可能になるという利点がある。
【0032】
本発明の別の実施形態では、供給装置は、両側での、特に側方でオフセットされた、利用を可能にするために、x-z平面に対して対称に構成される。それにより、いっそう簡易な製造に加えて、さほど大きな改変を加えることなく、搬送方向を変更することもできる。
【0033】
本発明の特別に好ましい実施形態では、供給装置は相応の検査装置での利用のために、これに配置された、または配置可能な、好ましくはモジュール形式で交換可能な、特に挿入可能または差込可能な、部材を有し、たとえば遮蔽スライダ、フィルタ部材、シーブ、またはバッフル部材を有する。これらの部材は接続管の領域に、特に接続管の表面または内部に、配置されるのが好ましい。これらの部材は、差込可能かつ引出可能なインサートの形態で存在するのが好ましく、これらの部材は使用時にそれ自体としてモジュール形式に交換可能に挿入することができ、または差し込むことができるのが特別に好ましい。それにより、ばら荷の種類に依存して、供給装置の利用分野を簡易な方式で拡張することができる。これらの部材は、利用者ないし操作者自身によって差込または挿入をすることができ、係止位置も考えられる。
【0034】
本発明のさらに別の実施形態では、供給装置に配置された、または供給装置に組み込まれた、吸塵デバイスが設けられる。この吸塵デバイスは、接続管の領域に、特に接続管の表面または内部に、設けられていてよいのが好ましい。それにより、汚れや検査結果への悪影響、および、特に発火性のダスト・空気・混合物の発生のリスクを回避することができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、供給装置は部分的に(検査装置の)放射線防護ハウジングの構成要素として構成される。このとき、特に(製品流の)上流側に配置される湾曲した壁部は、同時に検査デバイスの(放射線防護)ハウジング壁部としての役目を果たし、放射に対する、特に放射線に対する、防護機能/遮蔽機能を担うことができる。それにより、小さい設計サイズが簡易な方式で可能となる。
【0036】
特別な実施形態では、(X線)検査結果を最適化する本発明の方法に基づき、入口開口部での供給量、および/または位置調節部材の高さおよび/または傾き、および/または搬送速度が調整ないし制御される。さらに、調整可能な側方案内部を設けることが考えられ、側方案内部の横方向間隔を、それ自体として、または上記の調製手段との組み合わせで、相応に制御することができる。このとき調整ないし制御は、実質的に継続して一定の-かつ所望の場合には小さい-製品流高さが生起されるように、および/または(X線)検査装置の透過照射幅が最善に活用されるように、および/または可能な限り高い処理量がもたらされるように、行われる。
【0037】
本発明のその他の好ましい実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0038】
次に、図面に示されている本発明の実施形態を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【0039】
図面には次のものが示されている:
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】搬送ベルトと、高さ調節可能な閉じた薄板と、手回し車とを有する供給ホッパーを示す斜視図である。
【
図2】
図1の搬送ベルトを有する、位置調節薄板が開いている供給ホッパーを示す斜視図である。
【
図3】
図1の供給ホッパーを位置調節薄板と手回し車なしで単独図として示す縦断面図である。
【
図4】
図2の搬送ベルトを有する供給ホッパーを示す側面図(縦断面図)である。
【
図5】
図1の搬送ベルトを有する供給ホッパーを示す(切断平面A-A’-B-B’に沿った)横断面図である。
【
図6】
図5の単独図として供給ホッパーの差込部を示す斜視図である。
【
図7】下側エッジが湾曲した位置調節薄板を有する、
図6の供給ホッパーの差込部を示す前面図である。
【
図8】ビーム推移を示す模式的な断面図(横断面図)である。
【
図9】バッフルロッドを有する差込部を有する、
図3の供給ホッパーを示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1、
図2、および
図4に模式的に示す、供給ホッパー1の形態の本発明の供給装置は、上側の入口開口部3と下側の出口開口部5とを有している。
【0042】
上側の入口開口部3は実質的にz方向を向いており、たとえば米、レーズン、ナッツ、コーヒー豆などのばら荷を収容する役目を果たす。この模式図では図面の見やすさの都合上、貯蔵容器への接続部の図示は省略しており、供給装置の保持部の図示も同様に省略している。このことは当業者に周知だからである。
【0043】
下側の出口開口部は実質的にx方向を、ないし搬送ベルト9の搬送方向を、向いており、それにより、ばら荷は垂直の落下方向(z方向)から水平の搬送ベルト(x-y平面)へと方向転換される。
【0044】
搬送ベルトは、搬送されるべきばら荷を側方で区切って案内するために、側方の後側の案内部17を有している。前側の側方の案内部の図示は省略しているが、その理由は、図面の見やすさを良くするためにすぎない。
【0045】
下側の出口開口部5の終端部として、たとえば薄板の形態の位置調節部材11が配置されている。この位置調節部材は、その位置に関してz方向へスライドさせることができ、たとえば手回し車19によって固定することができる。
【0046】
図3および
図4に示す供給ホッパー1の側面図から明らかとなるように(
図4では搬送ベルト9なしで単独図として、
図3では搬送ベルトとともに)、位置調節部材11は垂直のz方向に対して傾きを有していて、x方向で見て、その下側エッジをもって右方に向かって若干傾くように配置されている。この傾きによって、搬送ベルト9へのばら荷の連続的な装入が容易になり、傾きの度合いは、ばら荷の流動性に依存して調整することができる。
【0047】
供給ホッパー1は、上側の入口開口部3から中間領域7を介して下側の出口開口部5へと移行し、出口開口部5の方向で断面が狭くなっていく。
【0048】
中間領域は、x方向ないし搬送方向で見て、ばら荷のための方向転換シュートとしての役目を果たす裏側の壁部13を有している。z方向からほぼx方向への移行は、ここでは壁部13の相応の湾曲によって行われ、この湾曲は連続するカーブとして構成されていなくてもよく、-図示するように-互いに連続する複数の直線状のプレートとして構成されていてよい。裏壁13はどの個所にも接線方向の水平領域を有さないのが好ましく、それにより、供給ホッパー1の中での製品の滞留を回避することができる。
【0049】
壁部13はその下側の端部領域に(
図6も参照)、終端の位置調節部材11ないし出口開口部5よりも明らかに手前に、下側エッジ15の形態の降下していく領域を有している。それによって供給ホッパーを空にすることが促進され、ばら荷の製品流の停滞が回避される。
【0050】
さらに、中間領域7の端部領域の下側エッジ15により、ばら荷が装入される前にベルトが空になるように清掃され、それに伴い、製品流への汚れの侵入を防止することができる。
【0051】
図4は、位置調節部材11を完全に開いた位置で示している。
図4とは異なり、
図3には位置調節部材11並びに手回し車19が含まれていない。
【0052】
供給ホッパー1はその上側領域に、たとえばフランジを介して結合される図示しない供給管による接続の役目を果たす接続管21を有している。
【0053】
この接続管と、下方に配置される差込部23とが結合されていて、この差込部は好ましくはy方向で前方に向かって、たとえば接続管と差込部に相補的に構成される相応の案内部25を介して、接続管に差し込むことができる。
【0054】
差込と引出を簡易化するために、差込部は側方に(
図4では前側に)グリップ27を上側領域に有している。
【0055】
図5から明らかなように、供給ホッパーはx-z平面に関して対称に構成されており、それにより反転した位置での差込も可能である。それにより、所望される場合には、差込部23を接続管21へ単に逆に挿入することによって、既存のシステムのベルト進行方向の切換を行うことができ、それ以外に設備変更の必要がない。
【0056】
図7に示す供給ホッパー1は、
図1および
図2の位置調節部材11とは異なり、直線状の下側エッジに代えて、湾曲した下側エッジ31を有する位置調節部材11’を備えている。
【0057】
下側エッジの湾曲はx-z平面に対して対称に構成されて、中央で隆起する領域と、連続的に下方へと向かっていく側辺とを有している。y方向における製品流高さを、このような湾曲した下側エッジ31によって、ばら荷を通るX線放射33の通過経路に合わせて適合化することができる。
【0058】
位置調節部材11’は、位置調節部材11と同様に垂直の長孔29を有しており、それにより位置調節部材11,11’をz方向へスライドさせて、所望の位置で手回し車19により固定することができる。
【0059】
図8から明らかなように、典型的な扇型のX線放射33のもとで、すなわち点状の放射源から広がる扇型の光路のもとで、中央のビーム35はy軸に対して垂直に向くのに対して、光路はベルト側に向かって大きくなっていく角度αを有する。それに応じて、ばら荷ないし製品流を通るX線ビームの経路(X線検出器まで、特にラインカメラまで)は、中心との距離に依存して、ないし中心垂線とともに形成される角度αに依存して、長くなっていく。
【0060】
たとえば
図8に図示しているビーム37の例では、製品流を通るX線ビームの経路は(当たった個所での)製品流の高さに対応するのではなく、さらに長い経路に対応しており、すなわち、余弦定理に従って高さと角度αのコサインとの商に相当する。
【0061】
光路=製品流高さ/cosα
【0062】
ベルト幅(y方向)にわたっての下側エッジの湾曲、およびこれに伴う製品流の高さを、X線放射33のジオメトリーに応じて、好ましくは、製品流を通る放射経路ないし通過経路がベルト幅(y方向)にわたって一定となるように選択することができる。それに応じて、グレー値が縁部へと変化することなく、y方向で見て扇型にX線源から広がっていくX線放射を利用することができる。
【0063】
図9に示す接続管21の実施形態は、基本的に、上で説明した接続管21に相当しているが、接続管に配置されたバッフルロッド41および45を追加的に示している。
【0064】
y方向を向く上側の(好ましくは2つの)バッフルロッド41は、グリップ43を通じてx方向に沿って接続管21へインサートとして差し込んだり、引き出したりすることができる。x方向を向く下側の(好ましくは4つの)バッフルロッド45は、グリップ47を通じてy方向に沿って接続管21へインサートとして差し込んだり、引き出したりすることができる。当然ながら、これ以外の数および/またはこれ以外の種類の部材、たとえば遮蔽スライダ、フィルタ部材、シーブ、またはバッフル部材などを有する、これ以外の差込部を差し込むこともできる。さらに、差込部そのものにも部材を、特にロッドを、モジュール形式で交換可能なように挿入または差し込むこともできる。
【0065】
このときバッフルロッド41および45は、上から供給されるばら荷39をより良く配分するために、-ばら荷39の種類に依存して-適切なジオメトリーで配置されていてよい。
【0066】
たとえば
図9に示すように、第1の上側の列に2つの上側のバッフルロッド41が、その下に位置する下側の列の4つの下側の-
接続管21の内部空間にわたって配分された-バッフルロッド45に対して横向きに配置されていてよい。
【0067】
バッフルロッドの配置は、最善の、好ましくは均等な、配分を可能にするために、バッフルロッドの種類および/またはその位置に関して、そのつどのばら荷39に合わせて適合化することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 供給ホッパー
3 上側の入口開口部
5 下側の出口開口部
7 中間領域
9 搬送ベルト
11 直線状の下側エッジを有する位置調節部材
11’ 湾曲した下側エッジを有する位置調節部材
13 壁部
15 壁部の端部領域の下側エッジ
17 後側の側方案内部
18 前側の側方案内部
19 手回し車
21 接続管
23 差込部
25 案内部
27 グリップ
29 長孔
31 位置調節部材の湾曲した下側エッジ
33 扇型のX線放射
35 光路 中心垂線
37 角度αを有する光路
39 ばら荷
41 上側のバッフルロッド
43 上側のバッフルロッドのためのグリップ
45 下側のバッフルロッド
47 下側のバッフルロッドのためのグリップ
49 下側のバッフルロッド
51 フランジ
x 搬送ベルトの搬送方向
y 搬送ベルトの横方向
z 供給ホッパーないし供給装置の高さ方向
α 中心垂線に対する光路の角度
【外国語明細書】