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特開2024-160974リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160974
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/54 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01H50/54 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024073415
(22)【出願日】2024-04-30
(31)【優先権主張番号】10 2023 111 832.3
(32)【優先日】2023-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローマン ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヘーネル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】摩耗が少なく動作が安全なコンタクトブリッジアセンブリを提供する。
【解決手段】リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリ(1)であって、コンタクトブリッジ(2)と、2つの固定コンタクトに接触するための、互いに離間した2つのコンタクト(36)と、コンタクトブリッジキャリア(4)と、コンタクトブリッジキャリアとコンタクトブリッジとの間に支持され、かつ作用方向(132)が、コンタクトブリッジキャリアとコンタクトブリッジとを押し離すものである、オーバトラベルばね(8)と、コンタクトブリッジを、オーバトラベルばねの作用方向に対抗してコンタクトブリッジキャリアに保持する、コンタクトブリッジ保持具(6)とを備え、コンタクトブリッジ保持具は、コンタクトブリッジの周りに少なくとも部分的に係合する少なくとも1つのワイヤクリップ(12)を含む、コンタクトブリッジアセンブリに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリ(1)であって、
コンタクトブリッジ(2)と、
2つの固定コンタクト(38)に接触するための、互いに離間した2つのコンタクト(36)と、
コンタクトブリッジキャリア(4)と、
前記コンタクトブリッジキャリア(4)と前記コンタクトブリッジ(2)との間に支持され、かつ作用方向(132)が、前記コンタクトブリッジキャリア(4)と前記コンタクトブリッジ(2)とを押し離すものである、オーバトラベルばね(8)と、
前記コンタクトブリッジ(2)を、前記オーバトラベルばね(8)の前記作用方向(132)に対抗して前記コンタクトブリッジキャリア(4)に保持する、コンタクトブリッジ保持具(6)と
を備え、
前記コンタクトブリッジ保持具(6)は、前記コンタクトブリッジ(2)の周りに少なくとも部分的に係合する少なくとも1つのワイヤクリップ(12)を含む、
コンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記コンタクトブリッジキャリア(4)は、前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)をクリップ留めすることのできる少なくとも1つのロック溝(58、62)を含む、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記コンタクトブリッジアセンブリ(1)は、前記2つのコンタクト(36)の接続線(56)に対して互いに反対に配置された2つのワイヤクリップ(12)を備える、請求項1または2に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記反対に配置されたワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入またはクリップ留めされている、請求項3に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)および前記コンタクトブリッジ(2)が通って延びる空孔(22)を取り囲む、請求項3または4に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記ワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)から前記コンタクトブリッジ(2)の2つの反対に配置された側面(32)へ延びる、請求項1または2に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項7】
駆動ロッド(10)を備え、前記駆動ロッド(10)は、その長手方向軸(94)が前記コンタクトブリッジ(2)と反対を向く前記コンタクトブリッジキャリア(4)の面(76)にある状態で、前記コンタクトブリッジ(2)から離れるように延び、前記長手方向軸(94)の方向において前記コンタクトブリッジキャリア(4)に力伝達方式で接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記駆動ロッド(10)と前記コンタクトブリッジ(2)とはガルバニック絶縁されている、請求項7に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記駆動ロッド(10)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入されるか、または前記コンタクトブリッジキャリア(4)によってオーバモールドされている、請求項7または8に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項10】
圧力板(86)を備え、前記オーバトラベルばね(8)が、前記コンタクトブリッジ(2)と反対を向く端部(136)で前記圧力板(86)に置かれている、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記コンタクトブリッジ(2)の方を向く前記駆動ロッド(10)の端部(96)が、前記圧力板(68)に当接する、請求項7から9のいずれか一項および請求項10に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記圧力板(86)は誘電体(92)から製造されている、請求項10または11に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項13】
前記圧力板(86)と前記コンタクトブリッジキャリア(4)とは、2つの異なる材料から製造されている、請求項9から12のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項14】
前記圧力板(86)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入されるか、または前記コンタクトブリッジキャリア(4)によってオーバモールドされている、請求項9から13のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)は、曲げられた丸ワイヤ(14)から製造されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトブリッジアセンブリは、リレーまたはコンタクタにおいて電流を切り替えるために使用される。これを行うために、コンタクトブリッジは、通常、リレーまたはコンタクタの固定コンタクトに押し付けられて、回路を閉じるまたは遮断する。この目的のために、コンタクトブリッジは、固定コンタクトに向けて動かされ、この動きは、駆動装置によって生じ、駆動ロッドによってコンタクトブリッジに伝達される。コンタクトブリッジは、通常、コンタクトブリッジ保持具によって保持される。
【0003】
このような構造に関する問題は、動作中にコンタクトブリッジ保持具とコンタクトブリッジとの間に強い摩擦が生じ、摩耗が増加することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、摩耗が少なく動作が安全なコンタクトブリッジアセンブリを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリであって、
コンタクトブリッジと、
2つの固定コンタクトに接触するための、互いに離間した2つのコンタクトと、
コンタクトブリッジキャリアと、
コンタクトブリッジキャリアとコンタクトブリッジとの間に支持され、かつ作用方向が、コンタクトブリッジキャリアとコンタクトブリッジとを押し離すものである、オーバトラベルばね(overtravel spring)と、
コンタクトブリッジを、オーバトラベルばねの作用方向に対抗してコンタクトブリッジキャリアに保持する、コンタクトブリッジ保持具と
を備え、
コンタクトブリッジ保持具は、コンタクトブリッジの周りに少なくとも部分的に係合する少なくとも1つのワイヤクリップを含む、
コンタクトブリッジアセンブリによって満たされる。
【0006】
代替的にまたは追加的に、コンタクトブリッジを、特にオーバトラベルばねの作用方向において、ワイヤクリップの一部分、特に脚部とオーバトラベルばねとの間に配置することができる。上記の種類のコンタクトアセンブリにおいて、通常、打ち抜かれて曲げられた部材が、コンタクトブリッジ保持具に使用される。摩耗を低減させるために、これらの部材を入念にバリ取りするか、または精巧に製造して、コンタクトブリッジをある特定の箇所で摩耗させ得る鋭利な縁部が生じることのないようにしなければならない。これは、以下で提案するワイヤクリップでは不要である。
【0007】
加えて、ワイヤクリップは、材料の消費が少ないことにより、安価に製造できるという利点を有する。いくつかのワイヤクリップを使用する場合、それらのワイヤクリップを同一に構成することができ、コンタクトブリッジアセンブリの製造コストが削減される。ワイヤクリップはコンタクトブリッジ保持具と一体に形成されないため、ワイヤクリップを、コンタクトブリッジ保持具の他の考えられる部品とは別個に交換することができる。これにより、このようなコンタクトブリッジアセンブリのメンテナンスまたは修理のコストを削減することができる。
【0008】
コンタクトブリッジ保持具は、コンタクトブリッジを、特に2つのコンタクト間の領域で保持することができる。オーバトラベルばねは、同様に、2つのコンタクト間の領域で作用することができる。具体的には、オーバトラベルばねは、コンタクトブリッジの長手方向軸と横方向軸とが交差する箇所でコンタクトブリッジに作用することができる。それにより、オーバトラベルばねは、コンタクトブリッジに作用するモーメントを発生させない。
【0009】
オーバトラベルばねは、作用方向に沿った向きの力をコンタクトブリッジに加えることができ、したがって、コンタクトブリッジをワイヤクリップの脚部に少なくとも部分的に押し付けることができる。その結果、ワイヤクリップのさらなる脚部を、コンタクトブリッジキャリアの一部分に押し付けることができる。
【0010】
本発明を、それ自体が有利であり、かつ互いにランダムに組み合わせることのできる以下の特徴によって、さらに改良することができる。
【0011】
さらなる実施形態によれば、コンタクトブリッジキャリアは、少なくとも1つのワイヤクリップをクリップ留めすることのできる少なくとも1つのロック溝を含むことができる。このようにして、少なくとも1つのワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアに離れないように取り付けられる。ワイヤクリップを、ロック溝に回転可能に取り付けることもでき、したがって、ワイヤクリップをロック溝の長手方向軸の周りで折り畳むことができる。このようなコンタクトブリッジアセンブリは、簡単かつ迅速に組み立てるまたは分解することができる。
【0012】
少なくとも1つの溝は、ばねの作用方向に対して垂直に延びることができる。ここでは、ワイヤクリップを、互いに直角または異なる角度で延び得る少なくとも2つのロック溝にクリップ留めすることができる。具体的には、ワイヤクリップは、互いに直角または異なる角度で延び得る少なくとも2つのロック溝にクリップ留めすることのできる脚部を含むことができる。
【0013】
さらに、ワイヤクリップを空孔(eye)の周りで曲げることができ、コンタクトブリッジの一部分が空孔の内部に突出することができる。ここでは、コンタクトブリッジの一部分は、例えば、突起であってよい。この部分またはこの部分の様々な構成は、ワイヤクリップまたはワイヤクリップの脚部を受け入れる少なくとも1つの受入溝を含むことができる。具体的には、ワイヤクリップまたはワイヤクリップの脚部を、オーバトラベルばねによって受入溝に押し込むことができる。
【0014】
受入溝の代わりに、および/または受入溝に加えて、コンタクトブリッジの一部分は、切欠き、トラフ、または間隙などの任意の種類の窪みを含むことができる。ここでは、受入溝または窪みの内側輪郭は、ワイヤクリップまたはワイヤクリップの脚部の外側輪郭に相補的に構成され得ることが好ましい。
【0015】
ワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジが通って突出する空孔を含むことができる。具体的には、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジの一部分が、空孔を通って突出することができ、またはコンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジの一部分に、ワイヤクリップを絡ませことができる。一部分は、例えば、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジから突出する突起であってよい。
【0016】
さらなる有利な実施形態によれば、コンタクトブリッジアセンブリは、2つのコンタクトの接続線に対して互いに反対に配置された2つのワイヤクリップを備えることができる。このような構成は、コンタクトブリッジが2つのワイヤクリップによってコンタクトブリッジ保持具に重複して接続されているため、より安定し、安全である。加えて、ワイヤクリップが2つのコンタクトの接続線に対して対称である配置により、コンタクトブリッジアセンブリに外側から作用する機械力が、コンタクトブリッジアセンブリの部品に対して対称に分散される。これにより、コンタクトブリッジアセンブリにかかる負荷、したがってコンタクトブリッジアセンブリの摩耗が低減する。加えて、このような構成は、コンタクトブリッジが2つのコンタクトの接続線の周りで傾斜することを防ぐ。
これは、コンタクトブリッジに配置された2つのコンタクトが、固定コンタクトに完全に接触できることを保証する。これにより、本発明によるコンタクトブリッジアセンブリを使用可能なリレーまたはコンタクタの信頼性が高まる。
【0017】
具体的には、コンタクトブリッジアセンブリは、2つのコンタクトの接続線に対して互いに反対に配置された2つのワイヤクリップを備えることができる。ワイヤクリップを、様々な異なる形状を有し得る中央空孔の周りで曲げることができる。例えば、中央空孔は、矩形、正方形、円形、長円形、楕円形、多角形、三角形、台形、または菱形であってよい。
【0018】
さらなる態様によれば、反対に配置されたワイヤクリップを、コンタクトブリッジキャリアに挿入またはクリップ留めすることができる。このようにして、ワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアに離れないように取り付けられ、コンタクトブリッジアセンブリの組立てが簡単になる。ワイヤクリップの1つの脚部が、折れて(折り畳まれた状態から開くことによって、by folding away)コンタクトブリッジの突起から外れた場合、ワイヤクリップは、脚部がクリップ留めされていることによって、完全に外れることに対抗して固定されたままである。このようにして、コンタクトアセンブリは、損傷から保護される。
【0019】
ワイヤクリップ、または特にワイヤクリップの2つの端部を、オーバトラベルばねの作用方向に対して垂直に向けられた挿入方向で、コンタクトブリッジキャリアに挿入することができる。
【0020】
ワイヤクリップを、ロック溝のうちの1つにクリップ留めして、このロック溝の周りで他のロック溝に旋回することができるようにしてもよい。コンタクトブリッジキャリアは、少なくとも3つのロック溝を含むことができ、ワイヤクリップを、3つのロック溝のうちの1つに旋回可能にクリップ留めすることができ、旋回によって他の2つのロック溝にロックすることができる。具体的には、ワイヤクリップの1つの脚部を、3つのロック溝のうちの1つにクリップ留めすることができ、または他の2つのロック溝にそれぞれロックすることができる。
【0021】
さらなる有利な実施形態によれば、少なくとも1つのワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジが通って延びる空孔を取り囲むことができる。ワイヤクリップのこのような構成は、コンタクトブリッジキャリアおよびコンタクトブリッジの突起が、ワイヤクリップによって取り囲まれ、それにより互いにポジティブフィットで接続され得るため、構造上有利である。
【0022】
少なくとも1つのワイヤクリップを、特に折り畳みまたは旋回動作によって、コンタクトブリッジの突起に取り付けることができる。これにより、コンタクトブリッジアセンブリの組立ておよび分解が簡単になる。
【0023】
さらなる実施形態によれば、ワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアからコンタクトブリッジの2つの反対に配置された側面へ延びることができる。このようなワイヤクリップにより、コンタクトブリッジキャリアの部品数が少なくなり、製造コストが削減され、組立ての労力が少なくなる。
【0024】
具体的には、ワイヤクリップは、コンタクトブリッジキャリアからコンタクトブリッジおよびコンタクトブリッジキャリアの2つの反対に配置された側面へ延びることができる。ワイヤクリップの2つの側面は、コンタクトブリッジの2つのコンタクト間の接続線に対して互いに反対に配置されていてよい。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、コンタクトブリッジアセンブリは、駆動ロッドを備え、駆動ロッドは、その長手方向がコンタクトブリッジと反対を向くコンタクトブリッジキャリアの面(側、side)にある状態で、コンタクトブリッジから離れるように延び、長手方向においてコンタクトブリッジキャリアに力伝達方式で接続されている。このような配置により、駆動ロッドの直線運動をコンタクトブリッジに伝達することができる。このようにして、コンタクトブリッジを、固定コンタクトに向けて、または固定コンタクトから離して動かすことができる。したがって、コンタクトブリッジを使用して、固定コンタクト間の電流の流れを確立または遮断することができる。駆動ロッドは、電磁駆動システムのアーマチュアであってよい。
【0026】
さらなる実施形態によれば、駆動ロッドとコンタクトブリッジとを、ガルバニック絶縁する(galvanically isolated)ことができる。コンタクトブリッジアセンブリの負荷側で、大電流が流れる。具体的には、電気負荷の切替え時に、高電圧ピークおよびアークが、コンタクトブリッジのコンタクトで生じることがあり、駆動側の電子部品に害を及ぼすことがある。駆動ロッドとコンタクトブリッジとをガルバニック絶縁することによって、負荷側が駆動側から電気的に切り離され、それにより、駆動側の電子部品を損傷から保護する。
【0027】
さらなる有利な実施形態によれば、駆動ロッドを、コンタクトブリッジキャリアに挿入することができ、またはコンタクトブリッジキャリアによってオーバモールドすることができる。この構成は、駆動ロッドがコンタクトブリッジキャリアに安定して取り付けられることを保証し、それにより、力または動きを、駆動ロッドからコンタクトブリッジキャリアに確実かつ安全に伝達することができる。
【0028】
駆動ロッドは、コンタクトブリッジの方を向く端部に頭部を含むことができる。頭部は、厚みがあり、コンタクトブリッジ保持具に配置され得ることが好ましい。
【0029】
駆動ロッドを、長手方向または長手方向に対して横方向にコンタクトブリッジキャリアに挿入することができる。この目的のために、コンタクトブリッジキャリアは、例えば挿入スロットの形態のレセプタクルを含むことができる。
【0030】
さらなる有利な実施形態によれば、コンタクトブリッジアセンブリは、圧力板を備えることができ、オーバトラベルばねが、コンタクトブリッジと反対を向く端部で、この圧力板に置かれている。大きいばね力ならびにばねと支持面との相対運動により、機械的負荷、特に摩擦がばねの支持面に生じる。これにより、支持面に摩耗または他の損傷を生じることがある。機械的耐性があるように構成され得る圧力板を設けることによって、コンタクトブリッジキャリアは損傷から保護される。
【0031】
さらなる態様によれば、コンタクトブリッジの方を向く駆動ロッドの端部が、圧力板に当接することができる。駆動ロッドによって、大きい力がコンタクトブリッジキャリアに伝達され、駆動ロッドの端部と、駆動ロッドの端部が固定された材料との間に、圧縮応力、引張応力、または摩擦などの機械的負荷が生じる。駆動ロッドの端部が圧力板に当接することにより、コンタクトブリッジキャリアは損傷から保護される。
【0032】
さらなる有利な実施形態によれば、圧力板を誘電体から製造することができる。このようにして、負荷側を駆動側からガルバニックに分離して、駆動側の電子機器を負荷側の高電圧から保護することができる。このようなコンタクトブリッジアセンブリは、コンタクトブリッジキャリアを非導電性にするための複雑な加工が不要になるため、安価に製造することができる。さらに、圧力板は、いくつかの機能、特に機械的保護機能および絶縁機能を同時に満たし、それにより、コンタクトブリッジアセンブリの部品数が少なくなる。
【0033】
さらなる実施形態によれば、圧力板とコンタクトブリッジキャリアとを、2つの異なる材料から製造することができる。このようにして、材料をそれぞれ、圧力板またはコンタクトブリッジキャリアのそれぞれの要件に特に合わせることができる。これにより、材料が過大になることを防ぎ、それにより、コンタクトブリッジアセンブリのコストを削減する。
【0034】
一実施形態において、圧力板は、少なくとも1つのワイヤクリップと駆動ロッドとの間に配置されている。
【0035】
さらなる態様によれば、圧力板を、コンタクトブリッジキャリアに挿入することができ、またはコンタクトブリッジキャリアによってオーバモールドすることができる。圧力板をコンタクトブリッジキャリアに挿入する場合、圧力板を、特に容易に組み立て、分解することができる。圧力板をコンタクトブリッジキャリアによってオーバモールドする場合、特に自動生産の状況で、コンタクトブリッジアセンブリを安価に製造することができる。さらに、圧力板は、コンタクトブリッジキャリアに密に嵌り、圧力板の変位を抑制することが保証される。
【0036】
さらなる有利な実施形態によれば、少なくとも1つのワイヤクリップを、曲げられた丸ワイヤから製造することができる。このようなワイヤクリップは、最初の半製品と形成プロセスとの両方が安価であるため、安価に製造することができる。加えて、曲げられた丸ワイヤは、円形断面領域を有し、したがって、コンタクトブリッジまたはコンタクトブリッジキャリアの材料に損傷を与え得る縁部が支持面に存在しない。したがって、本実施形態によるコンタクトブリッジアセンブリは、特に摩耗が少ない。
【0037】
以下で、添付図面を参照しながら、実施形態を用いて、本発明をより詳細に説明する。上記の実施形態に従って、以下の実施形態に存在する個々の特徴に関連する技術的効果が重要でなければ、その特徴を省略することができる。逆に、前述したが以下の実施形態に存在しない特徴に関連する技術的効果が、特定の用途にとって重要であれば、その特徴を実施形態に追加することができる。
【0038】
以下で、構造および/または機能に関して互いに対応する要素に、同一の参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】可能な実施形態によるコンタクトブリッジアセンブリの概略斜視分解図である。
図2】可能な実施形態による、組立て状態のコンタクトブリッジアセンブリの概略断面図である。
図3】可能な実施形態による、組立て中のコンタクトアセンブリの概略斜視図である。
図4】さらなる可能な実施形態による、組立て状態のコンタクトブリッジアセンブリの概略断面図である。
図5】可能な実施形態による、組立て状態のコンタクトブリッジアセンブリの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下で、最初に、図1図3を参照しながら、コンタクトブリッジアセンブリ1の構成部品について説明する。
【0041】
コンタクトブリッジアセンブリ1は、コンタクトブリッジ2、コンタクトブリッジキャリア4、コンタクトブリッジ保持具6、オーバトラベルばね8、および駆動ロッド10を備える。
【0042】
コンタクトブリッジ保持具6は、曲げられた丸ワイヤ14から製造され得る少なくとも1つのワイヤクリップ12を含む。例えば、ここに示す矩形形状のワイヤクリップについて、ワイヤクリップ12は、互いに平行に延びる上脚部16と下脚部18とを含む。ワイヤクリップは、異なる形状であってもよく、したがって、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形、三角形、台形、または菱形であってもよい。ワイヤクリップ12は、互いに平行に延び、かつワイヤクリップ12の上脚部16または下脚部18に対して直交して延びる2つの横脚部20をさらに含む。ワイヤクリップ12の脚部16、18、20は、略矩形の空孔22を取り囲む。空孔22は、異なる形状であってもよく、したがって、例えば、円形、長円形、楕円形、多角形、三角形、台形、または菱形であってもよい。
脚部16、18、20のうちの1つに、ワイヤクリップ12は間隙24を含み、この間隙24で、ワイヤクリップ12の2つの端部26が互いに対向して配置されている。図3において、間隙24は、ワイヤクリップ12の下脚部18に配置されている。
【0043】
コンタクトブリッジ2は、略直方体であり、突起28を含み、この突起28は、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に対して互いに反対に配置された、コンタクトブリッジ2の2つの側面32に配置されている。突起28は、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に沿って、かつコンタクトブリッジ2の横方向軸34に沿って延びる。突起28は、コンタクトブリッジ保持具6のワイヤクリップ12をその周りに係合させるためのものである。
【0044】
コンタクトブリッジ2は、コンタクトブリッジ2の横方向軸34に対して互いに反対に配置された、互いに離間した2つのコンタクト36を含む。コンタクト36は、リレーまたはコンタクタの2つの固定コンタクト38に接触するために設けられている。
【0045】
コンタクトブリッジ2の長手方向軸30とコンタクトブリッジ2の横方向軸34とは、リング状隆起42が周りに配置されたコンタクトブリッジの中心40で交差する。リング状隆起42は、軸方向44の周りで、軸方向44に沿ってコンタクトブリッジ2の上面46から離れるように延びる。コンタクトブリッジ2は、リング状溝48をさらに設け、このリング状溝48は、コンタクトブリッジ2の下面50に配置され、軸方向44の周りで、コンタクトブリッジ2の下面50からコンタクトブリッジ2の上面46に向かう方向に延びる。リング状溝48は、コンタクトブリッジ2の方を向くオーバトラベルばね8の端部52を受け入れるように設けられている。
【0046】
コンタクトブリッジキャリア4は、略直方体の形状を有し、コンタクト36の接続線56に対して互いに反対に配置された2つの凹部54を有する。コンタクト36の接続線56は、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に沿って延びる。凹部54はそれぞれ、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に平行に、またはコンタクト36の接続線56に平行にそれぞれ延びる水平ロック溝58を含む。水平ロック溝58は、ワイヤクリップ12の下脚部18を水平ロック溝58にクリップ留めすることができるように構成されている。具体的には、水平ロック溝58にクリップ留めされたワイヤクリップ12を、水平ロック溝58の長手方向軸60の周りで回転可能または折り畳み可能に取り付けることができる。
【0047】
コンタクトブリッジキャリア4は、略直方体のコンタクトブリッジキャリア4の垂直縁部64に沿って延びる垂直ロック溝62を含む。垂直ロック溝62は、軸方向44に沿って互いに平行に延びる長手方向軸66を有する。垂直ロック溝62は、ワイヤクリップ12の横脚部20を垂直ロック溝62にクリップ留めまたはロックすることができるように設けられている。
【0048】
コンタクトブリッジキャリア4は、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に対して互いに反対に配置されたコンタクトブリッジキャリア4の垂直ロック溝62と側壁68との間に、ベベル70を含むことができる。ベベル70は、組立て中に、ワイヤクリップ12の横脚部20が垂直ロック溝62にアクセス可能になるように設けられている。具体的には、ベベル70により、組立て中にワイヤクリップ12が水平ロック溝58の長手方向軸60の周りで折り畳まれたときに、ワイヤクリップ12の横脚部20を垂直ロック溝62にクリップ留めすることができる。
【0049】
コンタクトブリッジキャリア4は、長手方向軸74が軸方向44に沿って延びる円筒形開口部72を含む。開口部72は、コンタクトブリッジキャリア4の上面76から、コンタクトブリッジキャリア4の上面76とコンタクトブリッジキャリア4の下面80との間に配置された軸方向44のポイント78まで延びる。開口部72は、コンタクトブリッジキャリア4の上面76からアクセス可能であり、オーバトラベルばね8を受け入れるためのものである。
【0050】
コンタクトブリッジキャリア4の上面76は、開口部72の上面(上側、upper side)84に配置され、かつ軸方向44の周りに延びる面取り部82を有することができる。面取り部82により、コンタクトブリッジアセンブリ4の組立て、特にオーバトラベルばね8を軸方向44に沿って開口部72に挿入することが容易になり得る。
【0051】
コンタクトブリッジキャリア4の圧力板86は、コンタクトブリッジキャリア4を通って、軸方向44に対して直交して延び、コンタクトブリッジキャリア4の上面76に平行かつコンタクトブリッジキャリア4の下面80に平行に配置されている。圧力板86は、開口部72の下面(下側、underside)88の平面に位置し、したがって、開口部72の下面88は、圧力板86の上面90に軸方向44に隣接する。圧力板86を、コンタクトブリッジキャリア4に挿入することができ、またはコンタクトブリッジキャリア4によってオーバモールドすることができる。圧力板86を誘電体92から製造して、駆動ロッド10とコンタクトブリッジ2とを互いに電気的に絶縁させることができる。
【0052】
コンタクトブリッジアセンブリ1の駆動ロッド10は、長手方向軸94が軸方向44に沿って延びる略円筒形の形状を有する。駆動ロッド10は、コンタクトブリッジ2の方を向く端部96に、コンタクトブリッジキャリア4の下部100に堅固に取り付けられた頭部98を含む。
【0053】
図2に示すように、駆動ロッド10の頭部98を、コンタクトブリッジキャリア4によってオーバモールドすることができる。この場合、駆動ロッド10は、コンタクトブリッジキャリア4に堅固に接続され、したがって、駆動ロッド10とコンタクトブリッジキャリア4との相対運動が排除される。さらに、駆動ロッド10の頭部98と圧力板86とが接触しない。駆動ロッド10の頭部98は、コンタクトブリッジキャリア4の材料によって完全に取り囲まれている。
【0054】
図4に示す実施形態によれば、駆動ロッド10をコンタクトブリッジキャリア4に挿入することもできる。この目的のために、コンタクトブリッジキャリア4は、コンタクトブリッジキャリア4の下面80から開口部72の下面88まで軸方向44に沿って延びる、例えばスロットの形態のレセプタクル102を含むことができる。レセプタクル102は、開口部72に移行する。駆動ロッド10を、頭部98の下面104がコンタクトブリッジキャリア4の下部100のベース106に当接するまで、コンタクトブリッジキャリア4の開口部72を通して、軸方向44に沿ってレセプタクル102に挿入することができる。この状態で、コンタクトブリッジ2の方を向く駆動ロッド10の端部96は、圧力板86に当接することができる。
【0055】
以下で、再び図1図3を参照する。
【0056】
コンタクトブリッジアセンブリ1のオーバトラベルばね8は、略円筒形の形状を有する。オーバトラベルばね8は、ばね高さ120だけ互いに軸方向44に離間した2つの端部118を含む。無負荷状態122で、オーバトラベルばね8は、無負荷ばね高さ(unloaded spring height)124を有し、負荷状態126で、オーバトラベルばね8は有負荷ばね高さ(loaded spring height)128を有する。無負荷ばね高さ124は、有負荷ばね高さ128よりも大きい。オーバトラベルばね8が軸方向44に圧縮されると、負荷状態126になる。オーバトラベルばね8の長手方向軸130は、軸方向44に沿って延びる。オーバトラベルばね8は、コンタクトブリッジキャリア4とコンタクトブリッジ2とを軸方向44に沿って押し離す作用方向132を有する。
【0057】
以下で、図2および図5を参照しながら、組立て状態134のコンタクトブリッジアセンブリ4を説明する。
【0058】
組立て状態134で、駆動ロッド10の頭部98は、コンタクトブリッジキャリア4の下部100に接続されている。ここでは、駆動ロッド10を、コンタクトブリッジキャリア4に堅固に接続することができる。
【0059】
オーバトラベルばね8は、コンタクトブリッジキャリア4の開口部72に挿入され、したがって、オーバトラベルばね8の長手方向軸130は、開口部72の長手方向軸74、駆動ロッド10の長手方向軸94、および軸方向44に沿って延びる。コンタクトブリッジ2と反対を向くオーバトラベルばね8の端部136は、圧力板86に当接し、コンタクトブリッジ2の方を向くオーバトラベルばね8の端部52は、コンタクトブリッジ2の下面50に当接する。具体的には、コンタクトブリッジ2の方を向くオーバトラベルばね8の端部52に配置された、オーバトラベルばね8の少なくとも1つのばね巻線138を、コンタクトブリッジ2の下面50のリング状溝48に受け入れることができる。
このようにして、オーバトラベルばね8は、軸方向44またはオーバトラベルばね8の長手方向軸130に対して垂直な動きに対抗して、コンタクトブリッジアセンブリ1に固定される。組立て状態134で、オーバトラベルばね8は、コンタクトブリッジキャリア4に対して軸方向44の周りで回転することができるだけである。
【0060】
ワイヤクリップ12の下脚部18は、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58にクリップ留めされ、したがって、下脚部18は、その上面140で圧力板86の下面142に接触している。ワイヤクリップ12の下脚部18の長手方向軸144は、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58の長手方向軸60に沿って延びる。コンタクトブリッジキャリア4の突起146は、ワイヤクリップ12の空孔(eye)22を通って突出し、したがってワイヤクリップ12は、コンタクトブリッジキャリア4の突起146の周りに係合する。
【0061】
ワイヤクリップ12の上脚部16の下面148は、コンタクトブリッジ2の突起28の上面150に接触している。ワイヤクリップ12の上脚部16の長手方向軸152は、コンタクトブリッジ2の長手方向軸30に沿って延びる。コンタクトブリッジ2の突起28は、ワイヤクリップ12の空孔22を通って延び、したがって、ワイヤクリップ12は、コンタクトブリッジ2の突起28の周りに係合する。
【0062】
組立て状態134で、オーバトラベルばね8は、長手方向軸130に沿って、または作用方向132と反対の方向にそれぞれ圧縮される。オーバトラベルばね8は、有負荷ばね高さ128を有する。オーバトラベルばね8により、作用方向132に沿って反力154が生じ、この反力154は、コンタクトブリッジ2とコンタクトブリッジキャリア4または圧力板86とを軸方向44に沿って押し離す傾向がある。その結果、オーバトラベルばね8は、コンタクトブリッジ2をコンタクトブリッジキャリア4から軸方向44に押し離し、したがって、コンタクトブリッジ2の突起28の上面150は、ワイヤクリップ12の上脚部16の下面148に押し付けられる。これにより、ワイヤクリップ12の下脚部18の上面150は、圧力板86の下面142に押し付けられる。
【0063】
さらに、ワイヤクリップ12の横脚部20は、コンタクトブリッジキャリア4の垂直ロック溝62にクリップ留めされる。その結果、ワイヤクリップ12の横脚部20の長手方向軸166は、コンタクトブリッジキャリア4の垂直ロック溝62の長手方向軸66に沿って延びる。ワイヤクリップ12の横脚部20をコンタクトブリッジキャリア4の垂直ロック溝62にクリップ留めすることによって、ワイヤクリップ12が、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58の長手方向軸60の周りで回転できないようにする。このようにして、コンタクトブリッジアセンブリ1が緩むことを防ぐ。
【0064】
以下で、コンタクトブリッジアセンブリ1の組立てを説明する。組立てステップの順序は、要望に応じて変更することができ、以下に示す順序に限定されない。
【0065】
第1のステップで、ワイヤクリップ12の下脚部18が、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58にクリップ留めされる。ここでは、ワイヤクリップ12の下脚部18の長手方向軸144は、水平ロック溝58の長手方向軸60に沿って延びる。この状態で、ワイヤクリップ12は、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58の長手方向軸60の周りで回転可能に取り付けられる。
【0066】
コンタクトブリッジアセンブリ1が、コンタクトブリッジキャリア4に挿入された駆動ロッド10を擁する場合、駆動ロッド10は、第2のステップで取り付けられる。この目的のために、駆動ロッド10は、頭部98の下面104がコンタクトブリッジキャリア4の下部100のベース106に当接するまで、コンタクトブリッジキャリア4の開口部72を通して、軸方向44に沿ってコンタクトブリッジキャリア4のレセプタクル102に挿入される。この状態で、コンタクトブリッジ2の方を向く駆動ロッド10の端部96は、圧力板86に当接する。駆動ロッド10がコンタクトブリッジキャリア4によってオーバモールドされる場合、駆動ロッド10を取り付ける必要はなく、第2のステップは省略される。
【0067】
コンタクトブリッジアセンブリ1が、コンタクトブリッジキャリア4に挿入された圧力板86を備える場合、圧力板86を第3のステップで取り付けなければならない。この目的のために、圧力板86を、例えば、コンタクトブリッジキャリア4の挿入開口部158を通して、挿入方向156に沿ってコンタクトブリッジキャリア4に挿入することができる(図5)。挿入方向156は、挿入開口部158の垂直軸160に沿って、かつ軸方向44に対して垂直に延びる。圧力板86がコンタクトブリッジキャリア4によってオーバモールドされる場合、圧力板86を取り付ける必要はなく、第3のステップは省略される。この場合、駆動ロッド10を、コンタクトブリッジキャリア4の開口部72を通してレセプタクル102に挿入することはできない。
その場合、駆動ロッド10を、例えば圧力板86と共にオーバモールドするか、またはレセプタクルによってコンタクトブリッジキャリア4に横方向に挿入することができる。
【0068】
第4のステップで、オーバトラベルばね8が、コンタクトブリッジキャリア4の開口部72に挿入され、したがって、オーバトラベルばね8の長手方向軸130は、開口部72の長手方向軸74、駆動ロッド10の長手方向軸94、および軸方向44に沿って延びる。コンタクトブリッジ2と反対を向くオーバトラベルばね8の端部136は、圧力板86に当接する。オーバトラベルばね8は、無負荷状態122にあり、まだ圧縮されていない。
【0069】
第5のステップで、コンタクトブリッジ2が、オーバトラベルばね8に配置され、したがって、コンタクトブリッジ2の方を向くオーバトラベルばね8の端部52は、コンタクトブリッジ2のリング状溝48に受け入れられる。コンタクトブリッジ2は、圧力板86およびコンタクトブリッジキャリア4の上面76に平行に配置される。コンタクトブリッジ2の長手方向軸30は、コンタクトブリッジキャリア4の水平ロック溝58の長手方向軸60に平行に延びる。
【0070】
第6のステップで、コンタクトブリッジ2が、圧力板86に向かって軸方向44に沿って動かされ、オーバトラベルばね8が圧縮される。ワイヤクリップ12を取り付けることができるように、コンタクトブリッジ2の突起28の上面150と圧力板86の下面142との間の軸方向44の第1の距離162(図2参照)は、ワイヤクリップ12の上脚部16の下面148とワイヤクリップ12の下脚部18の上面140との間の第2の距離164(図3参照)よりも小さくなければならない。
【0071】
第7のステップで、水平ロック溝58にクリップ留めされたワイヤクリップ12が、水平ロック溝58の長手方向軸60の周りでコンタクトブリッジ2の方向に折り畳まれる。ワイヤクリップ12の横脚部20の長手方向軸166が軸方向44に沿って延びると、第7のステップは終了する。その場合、ワイヤクリップ12の上脚部16の下面148は、コンタクトブリッジ2の突起28の上面150に当接する。第7のステップの終了後、コンタクトアセンブリ1は、組立て状態134になる。
【符号の説明】
【0072】
1 コンタクトブリッジアセンブリ
2 コンタクトブリッジ
4 コンタクトブリッジキャリア
6 コンタクトブリッジ保持具
8 オーバトラベルばね
10 駆動ロッド
12 ワイヤクリップ
14 曲げられた丸ワイヤ
16 上脚部
18 下脚部
20 横脚部
22 空孔
24 間隙
26 ワイヤクリップの端部
28 コンタクトブリッジの突起
30 コンタクトブリッジの長手方向軸
32 コンタクトブリッジの側面
34 コンタクトブリッジの横方向軸
36 コンタクト
38 固定コンタクト
40 コンタクトブリッジの中心点
42 リング状隆起
44 軸方向
46 コンタクトブリッジの上面
48 リング状溝
50 コンタクトブリッジの下面
52 コンタクトブリッジの方を向くオーバトラベルばねの端部
54 凹部
56 接続線
58 水平ロック溝
60 水平ロック溝の長手方向軸
62 垂直ロック溝
64 垂直縁部
66 垂直ロック溝の長手方向軸
68 側壁
70 面取り部
72 開口部
74 開口部の長手方向軸
76 コンタクトブリッジキャリアの上面
78 ポイント
80 コンタクトブリッジキャリアの下面
82 ベベル
84 開口部の上面
86 圧力板
88 開口部の下面
90 圧力板の上面
92 誘電体
94 駆動ロッドの長手方向軸
96 コンタクトブリッジの方を向く駆動ロッドの端部
98 頭部
100 コンタクトブリッジキャリアの下部
102 レセプタクル
104 頭部の下面
106 ベース
118 オーバトラベルばねの端部
120 ばね高さ
122 無負荷状態
124 無負荷ばね高さ
126 負荷状態
128 有負荷ばね高さ
130 オーバトラベルばねの長手方向軸
132 作用方向
134 取付け状態
136 コンタクトブリッジと反対を向くオーバトラベルばねの端部
138 ばね巻線
140 下脚部の上面
142 圧力板の下面
144 下脚部の長手方向軸
146 コンタクトブリッジキャリアの突起
148 上脚部の下面
150 コンタクトブリッジの突起の上面
152 上脚部の長手方向軸
154 反力
156 挿入方向
158 挿入開口部
160 挿入開口部の垂直軸
162 第1の距離
164 第2の距離
166 横脚部の長手方向軸
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレーまたはコンタクタのためのコンタクトブリッジアセンブリ(1)であって、
コンタクトブリッジ(2)と、
2つの固定コンタクト(38)に接触するための、互いに離間した2つのコンタクト(36)と、
コンタクトブリッジキャリア(4)と、
前記コンタクトブリッジキャリア(4)と前記コンタクトブリッジ(2)との間に支持され、かつ作用方向(132)が、前記コンタクトブリッジキャリア(4)と前記コンタクトブリッジ(2)とを押し離すものである、オーバトラベルばね(8)と、
前記コンタクトブリッジ(2)を、前記オーバトラベルばね(8)の前記作用方向(132)に対抗して前記コンタクトブリッジキャリア(4)に保持する、コンタクトブリッジ保持具(6)と
を備え、
前記コンタクトブリッジ保持具(6)は、前記コンタクトブリッジ(2)の周りに少なくとも部分的に係合する少なくとも1つのワイヤクリップ(12)を含む、
コンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記コンタクトブリッジキャリア(4)は、前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)をクリップ留めすることのできる少なくとも1つのロック溝(58、62)を含む、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記コンタクトブリッジアセンブリ(1)は、前記2つのコンタクト(36)の接続線(56)に対して互いに反対に配置された2つのワイヤクリップ(12)を備える、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記反対に配置されたワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入またはクリップ留めされている、請求項3に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)および前記コンタクトブリッジ(2)が通って延びる空孔(22)を取り囲む、請求項3に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記ワイヤクリップ(12)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)から前記コンタクトブリッジ(2)の2つの反対に配置された側面(32)へ延びる、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項7】
駆動ロッド(10)を備え、前記駆動ロッド(10)は、その長手方向軸(94)が前記コンタクトブリッジ(2)と反対を向く前記コンタクトブリッジキャリア(4)の面(80)にある状態で、前記コンタクトブリッジ(2)から離れるように延び、前記長手方向軸(94)の方向において前記コンタクトブリッジキャリア(4)に力伝達方式で接続されている、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記駆動ロッド(10)と前記コンタクトブリッジ(2)とはガルバニック絶縁されている、請求項7に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記駆動ロッド(10)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入されるか、または前記コンタクトブリッジキャリア(4)によってオーバモールドされている、請求項7に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項10】
圧力板(86)を備え、前記オーバトラベルばね(8)が、前記コンタクトブリッジ(2)と反対を向く端部(136)で前記圧力板(86)に置かれている、請求項1に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項11】
駆動ロッド(10)を備え、前記駆動ロッド(10)は、その長手方向軸(94)が前記コンタクトブリッジ(2)と反対を向く前記コンタクトブリッジキャリア(4)の面(80)にある状態で、前記コンタクトブリッジ(2)から離れるように延び、前記長手方向軸(94)の方向において前記コンタクトブリッジキャリア(4)に力伝達方式で接続されており、
前記コンタクトブリッジ(2)の方を向く前記駆動ロッド(10)の端部(96)が、前記圧力板(86)に当接する、請求項10に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記圧力板(86)は誘電体(92)から製造されている、請求項10に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項13】
前記圧力板(86)と前記コンタクトブリッジキャリア(4)とは、2つの異なる材料から製造されている、請求項10に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項14】
前記圧力板(86)は、前記コンタクトブリッジキャリア(4)に挿入されるか、または前記コンタクトブリッジキャリア(4)によってオーバモールドされている、請求項10に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのワイヤクリップ(12)は、曲げられた丸ワイヤ(14)から製造されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のコンタクトブリッジアセンブリ(1)。
【外国語明細書】