(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160981
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】搬送装置および検査室試料分配システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20241108BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G01N35/04 G
B65G54/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074164
(22)【出願日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】23171146.6
(32)【優先日】2023-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル シャープ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ヌスバウム
(72)【発明者】
【氏名】マティアス エーデルマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ウィリアム ベイツ
【テーマコード(参考)】
2G058
3F021
【Fターム(参考)】
2G058CB09
2G058CB16
2G058CF06
2G058CF17
3F021AA05
3F021BA02
3F021CA01
3F021DA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試料キャリアの信頼性が高く正確な位置検出が達成される搬送装置およびこのような搬送装置を有する検査室システムの提供。
【解決手段】検査室試料分配システム(50)用の搬送装置(1)は、試料容器キャリア(60)を運搬するように構成された搬送面(3)を有するトップカバー(2)と、試料容器キャリア(60)との磁気駆動相互作用のために搬送面(3)に磁場を生成するように構成されている、電磁作動アセンブリ(4)と、作動アセンブリ(4)を支えるための支持構造体(5)と、支持構造体(5)とトップカバー(2)との間に配置され、試料容器キャリア(6)の搬送装置(1)に対する位置を検出するように構成されている、センサ基板(6)と、センサ基板(6)がトップカバー(2)の内面(8)に対して面一に保持されるように、センサ基板(6)と支持構造体(5)との間に付勢されている複数の弾性要素(7)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室試料分配システム(50)用の搬送装置(1)であって、前記搬送装置(1)が、
搬送面(3)を有するトップカバー(2)であって、前記搬送面(3)が試料容器キャリア(60)を運搬するように構成された、トップカバー(2)と、
電磁作動アセンブリ(4)であって、前記搬送面(3)上に配置された試料容器キャリア(60)との磁気駆動相互作用のために前記搬送面(3)に磁場を生成するように構成された、電磁作動アセンブリ(4)と、
前記作動アセンブリ(4)を支えるための支持構造体(5)と、
前記支持構造体(5)と前記トップカバー(2)との間に配置されたセンサ基板(6)であって、前記搬送面(3)上に配置された試料容器キャリア(60)の前記搬送装置(1)に対する位置を検出するように構成された、センサ基板(6)と、
前記センサ基板(6)が、弾性要素(7)の付勢から生じる付勢力によって前記トップカバー(2)の内面(8)に対して面一に保持されるように、前記センサ基板(6)と前記支持構造体(5)との間に付勢されている複数の弾性要素(7)と
を備える、搬送装置(1)。
【請求項2】
複数の前記弾性要素(7)のうちの少なくとも1つが、平坦面(10)が前記支持構造体(5)に面する略半球状の部分(9)を有し、好ましくは、前記平坦面(10)は、それぞれの前記弾性要素(7)の半径方向突出部(11)によって少なくとも部分的に継ぎ合わされている、
請求項1に記載の搬送装置(1)。
【請求項3】
複数の前記弾性要素(7)が、前記センサ基板(6)の中心(12)の周りに均等に、特に等距離に分布し、および/または
複数の前記弾性要素(7)が前記内面(8)の対称軸から外れて配置され、および/または
少なくとも3つ、特に4つの弾性要素(7)が存在する、
請求項1または2に記載の搬送装置(1)。
【請求項4】
前記支持構造体(5)が格子状体(13)を有し、
前記格子状体(13)が複数の凹部(14)を備え、前記凹部(14)が格子パターンに配置され、
前記支持構造体(5)が複数のスペーサ部(15)を有し、前記スペーサ部(15)の少なくとも1つが、各凹部(14)の縁部(16)において前記格子状体(13)から前記センサ基板(6)に向かって突出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送装置(1)。
【請求項5】
前記支持構造体(5)および/または前記センサ基板(6)および/または前記トップカバー(2)および/または前記作動アセンブリ(4)が、前記支持構造体(5)および/または前記センサ基板(6)および/または前記トップカバー(2)および/または前記作動アセンブリ(4)を互いに対して位置合わせするための複数の一体型位置決め要素(17)を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送装置(1)。
【請求項6】
前記支持構造体(5)が、その側縁部(18)および/または角部(19)に、複数の搬送装置(1)の複数の支持構造体(5)を互いに隣り合わせに着脱可能に連結するための相補的なレッジ(20)および/またはスナップフック(21)を有し、
前記レッジ(20)および/または前記スナップフック(21)が、好ましくは、それぞれの別の支持構造体に対する前記支持構造体(5)の1つの向きにおいてのみ連結が可能であるように、前記側縁部(18)および/または前記角部(19)に沿って分布している、請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送装置(1)。
【請求項7】
前記弾性要素(7)が、前記トップカバー(2)を前記支持構造体(5)に保持するねじ接続部(22)によって付勢される、特に圧縮される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の搬送装置(1)。
【請求項8】
前記支持構造体(5)が、前記支持構造体(5)の本体(13)を補強するための、および/または前記センサ基板(6)と前記支持構造体(5)との間に形成された中間空間(24)を通して冷却空気を案内するための一体型リブ(23)を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の搬送装置(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の搬送装置(1)と、
前記搬送面(3)上に配置可能な複数の試料容器キャリア(60)であって、前記試料容器キャリア(60)のそれぞれが、前記電磁作動アセンブリ(4)によって生成された前記磁場と前記磁気駆動相互作用するための磁気作動デバイスを有する、複数の試料容器キャリア(60)と、
前記搬送面(3)上に配置された試料容器キャリア(60)の動きを制御するように前記電磁作動アセンブリ(3)を制御するように構成された制御装置(100)と
を備える、検査室試料分配システム(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査室試料分配システム用の搬送装置に関する。さらに、本発明は、このような検査室試料分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
検査室試料分配システムは、検査室の部分的または完全な自動化を提供する検査室自動化システム内で一般的に使用される。このような検査室自動化システムは、検査室試料分配システムによって試料を分配することができるいくつかの検査室ステーションを備えることができる。典型的には、このような検査室試料分配システムは、分析される試料を検査室ステーションに運び、検査室ステーションから運び出すように構成されている。ここで、検査室試料分配システムは通常、試料容器キャリアの位置を検出するためのセンサ基板を有する搬送装置を備え、試料容器キャリアは搬送装置の搬送面上で移動可能である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、改善された特性を有する搬送装置およびこのような搬送装置を有する検査室システムを提供することである。特に、試料キャリアの信頼性が高く正確な位置検出が達成されるべきである。
【0004】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
本発明による搬送装置は、検査室試料分配システムで使用されるように構成されている。搬送装置は、搬送面を有するトップカバーを備える。搬送面は、試料容器キャリアを運搬するように構成されている。試料容器キャリアのそれぞれは、試料容器をそれぞれ保持するように構成することができる。搬送装置は、電磁作動アセンブリを備える。電磁作動アセンブリは、搬送面上に配置された試料容器キャリアとの磁気駆動相互作用のために搬送面に磁場を生成するように構成されている。換言すると、搬送面上に配置された試料容器キャリアは、電磁作動アセンブリによって生成された磁場から生じる磁気駆動相互作用によって搬送面に沿って駆動され得る。搬送装置は、作動アセンブリを支えるための支持構造体をさらに有する。作動アセンブリは、支持構造体に取り付けられ得る。作動アセンブリは、電場を生成するための電流を特に選択的に供給することができるいくつかの電気コイルを含むことができる。搬送装置は、支持構造体とトップカバーとの間に配置されたセンサ基板を備える。ここで、センサ基板は、搬送面上に配置された試料容器キャリアの搬送装置に対する位置を検出するように構成されている。搬送装置は、複数の弾性要素、例えばゴムバンパーを有する。弾性要素は、センサ基板が、弾性要素の付勢から生じる付勢力によってトップカバーの内面に対して面一に保持されるように、センサ基板と支持構造体との間に付勢されている。したがって、弾性要素は、センサ基板を内面に向かって押すことができる。弾性要素は、搬送面に作用する力を吸収するためのばねとして作用することができる。弾性要素は、支持構造体に作用する力をセンサ基板に柔軟に伝達することができる。試料容器の位置がセンサ基板によって検出されるためには、センサ基板がトップカバーの内面と十分に接触していることが、重要ではないとしても、有益である。したがって、センサ基板が付勢力によって内面に押し付けられることにより、特に信頼性の高い正確な位置検出が可能になる。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、弾性要素の少なくとも1つは、略半球状の部分を有する。半球状部分は、支持構造体に面する平坦面を有する。好ましくは、平坦面は、それぞれの弾性要素の半径方向突出部によって少なくとも部分的に継ぎ合わされる。このような弾性要素の平坦面は、例えば接着剤による支持構造体への弾性要素の正確な位置決めおよび取り付けを可能にする。半球状の部分は、センサ基板と支持構造体との間の弾性要素の変形に応じて、付勢力の漸進的な特性を可能にする。さらに、半球状の部分は、センサ基板および弾性要素が特定の小さな接触領域で接触することにつながる。支持構造体は、弾性要素のそれぞれに割り当てられた開口部を有することができ、弾性要素は、これらの開口部のうちの1つによってそれぞれ部分的に受け入れられる。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、弾性要素は、センサ基板の中心の周りに均等に、特に互いに対して等距離に分布する。これにより、センサ基板をトップカバーの内面に特に均等に押し付けることができる。センサ基板を内面に均等に押し付けることは、搬送装置の全体的な平坦度を維持する上で望ましい。したがって、トップカバーと係合する力は、搬送面のヒケマークおよび/または曲げを生じさせないように均等に吸収され得る。代替的または追加的に、弾性要素は、内面の対称軸から外れて配置される。このようにして、特定の少数の弾性要素は、センサ基板を内面に対して面一に保持するのに十分であり得る。代替的または追加的に、少なくとも3つ、特に4つの弾性要素が存在する。センサ基板の転倒を回避するには、3つの弾性要素で十分な場合がある。4つの弾性要素は、トップカバーおよびセンサ基板が矩形、特に正方形の形状を有する場合に特に便利であり得る。センサ基板の中心は、センサ基板上への搬送面の中心の重力投影に対応してもよい。センサ基板の中心および/または搬送面の中心は、共通の仮想軸上にあってもよく、共通の仮想軸は搬送面に対して垂直である。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、支持構造体は格子状体を有する。ここで、格子状体は複数の凹部を含み、凹部は格子パターンに配置されている。凹部は、貫通孔であってもよい。支持構造体は、複数のスペーサ部を有し、複数のスペーサ部の少なくとも1つは、各凹部の縁部において格子状体からセンサ基板に向かって突出している。いくつかのスペーサ部を各凹部の周りに分布させることができる。例えば、4つのスペーサ部を各凹部の周りに配置することができ、特に4つの尖ったクラウン形状を形成することができる。スペーサ部は、凹部によって受け入れられたコイルの上端がセンサ基板と接触するのを防止する役割を果たす。特に、各凹部の周りに分布するスペーサ部は、トップカバーを取り外すときにコイルの上端がどこかに引っ掛かるのを防止する役割を果たす。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、支持構造体および/またはセンサ基板および/またはトップカバーおよび/または作動アセンブリは、それぞれ複数の一体型位置決め要素を有する。換言すると、支持構造体、センサ基板、トップカバー、および作動アセンブリの少なくとも1つは、複数の一体型位置決め要素を有することができる。位置決め要素は、位置決め要素を有するそれぞれの構成要素を互いに対して位置合わせするように構成されている。このような一体型位置決め要素は、搬送装置の組み立てを大幅に簡素化することができる。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、支持構造体は、その側縁部および/または角部において、複数の搬送装置の複数の支持構造体を互いに隣り合わせに着脱可能に連結するための相補的なレッジおよび/またはスナップフックを有する。好ましくは、レッジおよび/またはスナップフックは、それぞれの別の支持構造体に対する1つの搬送装置の支持構造体の1つの向きにおいてのみ連結が可能であるように、側縁部および/または角部に沿って分布している。同等または同仕様のいくつかの搬送装置を互いに隣り合わせに連結することによって、搬送装置配列を設定することができる。このような搬送装置アセンブリは、隣接する搬送装置の搬送面のそれぞれを含む共通の搬送面を有することができる。このようにして、共通搬送面は、検査室試料分配システムの実験ステーション間の特定の距離を克服するように柔軟に適合させることができる。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、弾性要素は、トップカバーを支持構造体に保持するねじ接続部によって付勢される、特に圧縮される。その結果、特に堅牢で、同時にメンテナンス性の良好な搬送装置を実現することができる。ねじ接続部は、搬送面に作用する力を支持構造体に少なくとも部分的に伝達することができる。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、支持構造体は、支持構造体の本体を補強するための、および/またはセンサ基板と支持構造体との間に形成された中間空間を通して冷却空気を案内するための一体型リブを有する。支持構造体により、搬送装置全体に大幅な剛性を追加することができる。支持構造体の本体を補強することは、搬送装置の全体的な平坦度を維持するのに役立ち得る。搬送装置の全体的な平坦度は、搬送面の上に試料容器キャリアを正確に配置するために重要であり得る。冷却空気を中間空間を通って案内する一体型リブによって、冷却空気を搬送装置の特に熱を受けやすい領域に導くことができる。
【0013】
本発明による検査室試料分配システムは、上述の本発明による搬送装置を備える。検査室試料分配システムは、搬送装置の搬送面上に配置可能な複数の試料容器キャリアをさらに備える。試料容器キャリアのそれぞれは、電磁作動アセンブリによって生成された磁場と磁気駆動相互作用するための磁気作動デバイスを有する。検査室試料分配システムは、搬送面上に配置された試料容器キャリアの動きを制御するように電磁作動アセンブリを制御するように構成された制御装置を有する。本発明による搬送装置の前述の利点は、このような搬送装置を有する本発明による検査室試料分配システムに転用される。
【0014】
好ましくは、検査室試料分配システムは、前記搬送装置の搬送面が共通の搬送面を形成するように互いに連結された複数の搬送装置の搬送装置配列を有する。搬送装置配列内では、搬送装置をモジュール式に連結して、共通の搬送面を検査室試料分配システムの検査室ステーション間の特定の距離に一致させることができる。
【0015】
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲ならびに図面によって示される本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。ここで、同じ参照符号は、同等または同様あるいは機能的に同等の構成要素に関する。
【0016】
上記の特徴および以下に記載される特徴は、記載された組合せにおいてそれぞれ使用可能であるだけでなく、他の組合せにおいてもまたは本発明の枠を離れることなく単独で使用可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による搬送装置を有する本発明による検査室試料分配システムの一実施形態を断面図で概略的に示す図である。
【
図2】
図1の搬送装置のためのトップカバーを示す斜視図である。
【
図3】
図1の搬送装置の支持構造体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
検査室試料分配システム50は、検査室自動化システムでの使用に適合されてもよい。検査室試料分配システム50は、検査室自動化システム内で分析される試料を搬送するように構成される。検査室自動化システムは、試料を分析するための検査室ステーションを有することができる。検査室試料分配システム50は、複数の試料容器キャリア60を備える。各試料容器キャリア60は、試料容器を支持するように構成されている。このような試料容器は、試料を収容することができる。さらに、検査室試料分配システム50は、本発明による搬送装置1を備える。
【0019】
搬送装置1は、トップカバー2を備える。トップカバー2は、搬送面3を有する。搬送面3は、試料容器キャリア60を運搬するように構成されている。したがって、試料容器キャリア60は、搬送面3上に配置可能である。搬送装置1は、電磁作動アセンブリ4を有する。電磁作動アセンブリ4は、搬送面3の上に配置された試料容器キャリア60との磁気駆動相互作用のために搬送面3に磁場を生成するように構成されている。ここで、試料容器キャリア60のそれぞれは磁気作動デバイスを有する。磁気作動デバイスは、電磁作動アセンブリ4によって生成された磁場と磁気駆動相互作用するように構成されている。
【0020】
検査室試料分配システム50は、制御装置100を備える。制御装置100は、電磁作動アセンブリ3を制御して、搬送面3上に配置された試料容器キャリア60の移動を制御するように構成されている。搬送装置1を制御することによって、試料容器を保持する試料容器キャリア60は、試料が検査室ステーション間で分配されるように、搬送面3に沿って移動することができる。
【0021】
搬送装置1は、作動アセンブリ4を支えるための支持構造体5を備える。ここで、搬送装置1は、センサ基板6を有する。センサ基板6は、支持構造体5とトップカバー2との間に配置されている。センサ基板6は、搬送面3上に配置された試料容器キャリア60の搬送装置1に対する位置を検出する。センサ基板6によって検出された試料容器キャリア60の位置は、検査室試料分配システム50の制御装置100にフィードバックされ得る。
【0022】
搬送装置1は、複数の弾性要素7を備える。トップカバー2は、内面8を有する。弾性要素7は、センサ基板6が弾性要素7の付勢から生じる付勢力によって内面8に対して面一に保持されるように、センサ基板6と支持構造体5との間に付勢されている。例えば、搬送装置1は、ねじ接続部22を有する。トップカバー2および支持構造体5は、ねじ接続部22によって互いに保持され得る。ここで、弾性要素7は、トップカバー2を支持構造体5に保持するねじ接続部22によって付勢され得る、特に圧縮され得る。弾性要素7は、センサ基板6のためのサスペンションを形成することができる。前記サスペンションは、例えば慣性に関連する、センサ基板6の支持構造体5に対する動きの弾性補償および減衰を可能にすることができる。
【0023】
例えば、弾性要素7の少なくとも1つは、略半球状の部分9を有する。半球状の部分9は、平坦面10を有する。平坦面10は、支持構造体5に面する。平坦面10は、弾性要素7の半径方向突出部11によって少なくとも部分的に継ぎ合わされ得る。搬送装置1は、3つの弾性要素7を有することができる。図に示す実施形態では、4つの弾性要素7が存在し、各弾性要素は、略半球状の部分9と、この場合、平坦面10を完全に継ぎ合わす半径方向突出部11とを有する。弾性要素7は、センサ基板6の中心2の周りに均等に分布している。ここで、弾性要素7は、中心12の周りに等距離で分布することができる。図の例では、弾性要素7は、内面8の対称軸から外れて配置されている。特に、弾性要素7はいずれも、内面8のいずれの対称軸にも配置されていない。
【0024】
図3で最もよくわかるように、支持構造体5は、格子状体13を有する。格子状体13は、複数の凹部14を備える。凹部14は、角ばった形状、または図に示すように、丸みを帯びた、例えば円形の断面形状を有することができる。凹部14は、格子パターンで配置されている。格子パターンは、凹部14の行および列を含むことができる。前記行および列は、重力に対して、および/または互いに垂直であってもよい。支持構造体5は、複数のスペーサ部15を備える。これらスペーサ部15の少なくとも1つは、格子状体13から突出している。各凹部14は、縁部16を有する。ここで、各凹部14の縁部16には、スペーサ部15の少なくとも1つが存在する。凹部14の縁部16に配置されたスペーサ部15は、センサ基板6に向かって突出している。図に示す例では、4つのスペーサ部15が縁部16の大部分に配置されている。
【0025】
搬送装置1、ならびにそのトップカバー2、その支持構造体5、その電磁作動アセンブリ4および/またはそのセンサ基板6は、矩形、特に正方形の外周の実質的に板状またはパネル状の形状を有してもよい。搬送装置1の前述の構成要素のそれぞれは、搬送装置1を組み立てるときに前記構成要素がスタック状に配置され得るように、同じタイプの形状の外周を有してもよい。外周は、それぞれの仮想平面内に延びてもよく、これらの仮想平面は互いに平行であり、重力に垂直である。
【0026】
図に示す実施形態では、支持構造体5およびトップカバー2はそれぞれ、複数の一体型位置決め要素17を有する。支持構造体5の位置決め要素17およびトップカバー2の位置決め要素17は、相補的に成形されて配置されている。一体型位置決め要素17は、支持構造体5とトップカバー2とを互いに対して位置合わせするように構成されている。代替的または追加的に、センサ基板6および/または作動アセンブリ4は、互いに位置合わせするための、ならびに/あるいは支持構造体5および/またはトップカバー2に対して位置合わせするための複数の一体型位置決め要素17を有することができる。支持構造体5は、2つの孔を有することができ、1つは支持構造体5の中心にあり、1つは支持構造体5の縁部18の近くまたは縁部にある。搬送装置1は、図示しない背鉄を有していてもよい。どちらの孔も、背鉄に存在する対応するピンと干渉して、支持構造体5を背鉄に対して正確にセンタリングし、位置決めすることができる。一体型位置決め要素17は、力を搬送面3に伝達することができ、伝達された力は、支持構造体5をトップカバー2に保持するセンサ基板6および/またはねじ接続部22に作用する。
【0027】
図3による支持構造体5は一体型リブ23を有する。一体型リブ23は、支持構造体5の本体13を補強するように構成されている。さらに、一体型リブ23は、中間空間24を通して冷却空気を導くように構成されており、中間空間24はセンサ基板6と支持構造体5との間に形成されている。
【0028】
支持構造体5は、側縁部18および角部19を有する。支持構造体5は、レッジ20およびスナップフック21を備える。レッジ20およびスナップフック21は、形状および配置が相補的である。レッジ20およびスナップフック21は、側縁部18および角部19に配置されている。レッジ20およびスナップフック21は、側縁部18および角部19に沿って分布することができる。
図3で最もよくわかるように、スナップフック21は、2つの側縁部18と、これらの側縁部18間の角部19に直接存在する。残りの2つの側縁部18は、レッジ20を有する。レッジ20およびスナップフック21は、複数の搬送装置1の複数の支持構造体5を互いに隣り合わせに着脱可能に連結するように構成されている。このようにして、複数の搬送装置1を、単一の搬送装置1の表面の複数を覆うように互いに隣接して取り付けることができる。これにより、互いに取り付けられた複数の搬送装置1のすべての搬送面3を含む共通の搬送面を達成することができる。ここで、レッジ20およびスナップフック21は、それぞれの別の支持構造体に対する支持構造体5の1つの向きにおいてのみ連結が可能であるように配置および成形されている。したがって、レッジ20およびスナップフック21の配置および/または形状は、ポカヨケの原理を実現することができる。連結された搬送装置1は、搬送装置配列を形成することができる。このような搬送装置配列のすべての搬送装置1は、共通の制御装置100によって制御されてもよい。
【外国語明細書】