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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160991
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20241108BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074438
(22)【出願日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】23171961.8
(32)【優先日】2023-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル グラウザー
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ガットマン
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエラ ピエロ ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】イマッド サロフィム
(72)【発明者】
【氏名】ステファン シュヴァイクホイザー
(72)【発明者】
【氏名】マルセル トーマン
(72)【発明者】
【氏名】ウルス フォーレンヴァイダー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療試料の分析試験への割り当てを最適化するためのコンピュータ実装方法及び分析試験管理システムを提供する。
【解決手段】1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化するためのコンピュータ実装方法は、1つまたは複数の医療試料の、1つまたは複数の分析試験への初期割り当てを取得するステップと、医療試料または各医療試料のコンプライアンスステータスを判定するステップと、を含む。コンプライアンスステータスは、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかおよび/または医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを示す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを、分析検査室における前記医療試料の処理の前に最適化するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
前記1つまたは複数の医療試料の、前記1つまたは複数の分析試験への初期割り当て(100)を取得するステップと、
前記医療試料または各医療試料のコンプライアンスステータスを判定するステップであって、前記コンプライアンスステータスが、(i)前記医療試料もしくは各医療試料の試料品質メトリックが、前記初期割り当て(100)における前記医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様(300)に違反しているかどうか、および/または(ii)前記医療試料もしくは各医療試料が処理不可能であるかどうかを示す、コンプライアンスステータスを判定するステップと、
1つまたは複数のコンプライアンスステータスが、(i)所与の医療試料の前記試料品質メトリックが前記分析試験仕様(300)に違反していること、および/または(ii)所与の医療試料が処理不可能であることを示す場合に、前記医療試料の処理の前に、緩和措置を実行するステップであって、前記緩和措置が、前記コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて前記医療試料の前記分析試験への前記割り当てを修正するステップを含む、緩和措置を実行するステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記割り当ての前記修正に続いて、修正された割り当てに従って前記医療試料を処理して試験結果を生成するための命令を検査室スケジューリングシステムに転送することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記緩和措置が、修正された割り当てに従って、前記試料に対する前記分析試験の前記コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、前記分析試験に関連付けられた試験オーダにフラグを立てるおよび/または無効にするステップをさらに含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記方法が、前記医療試料または各医療試料の前記試料品質メトリックを導出するステップをさらに含み、前記導出するステップが、
前記試料の収集情報、前記試料の搬送情報、前記試料の遠心分離情報、および前記試料の保存条件情報のうちの1つまたは複数を含む遠隔エージェントからの試料データ(200)を取得することと、
前記試料データ(200)に基づいて前記試料品質メトリックを導出することと、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記医療試料または各医療試料の前記コンプライアンスステータスを判定するステップが、
前記医療試料または各医療試料について、遠隔装置から、前記医療試料の前記試料品質メトリックが、前記初期割り当て(100)におけるその割り当てられた分析試験の前記分析試験仕様(300)に違反しているかどうかの表示を取得すること、
または
前記医療試料または各医療試料の前記試料品質メトリックを取得し、
前記初期割り当て(100)における前記分析試験または各分析試験の前記分析試験仕様を取得し、
前記医療試料または各医療試料について、前記試料品質メトリックが前記初期割り当て(100)におけるその割り当てられた分析試験の前記分析試験仕様(300)に違反しているかどうかを評価するコンプライアンスプロセスを実行すること、
のいずれかを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記割り当てを修正するステップが、
試料品質メトリックが前記初期割り当て(100)におけるその割り当てられた分析試験の前記分析試験仕様(300)に違反する医療試料を識別することと、
前記医療試料について、その初期割り当て(100)におけるその割り当てられた分析試験以外の代替の分析試験であって、その試料品質メトリックが、前記分析試験仕様(300)に違反しない、代替の分析試験を識別することと、
前記医療試料が前記代替の分析試験に割り当てられるように前記割り当てを修正することと、
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記代替の分析試験が前記初期割り当て(100)に存在する試験である、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記代替の分析試験が前記初期割り当て(100)に存在しない試験である、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記医療試料または各医療試料について、その試料品質メトリックが、前記初期割り当て(100)におけるその割り当てられた分析試験以外の前記初期割り当て(100)における前記分析試験または各分析試験の前記分析試験仕様(300)に違反しているかどうかを評価するステップをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記割り当てを修正するステップが、
試料品質メトリックが前記初期割り当て(100)における前記分析試験の前記分析試験仕様(300)のすべてに違反する医療試料を識別することと、
前記医療試料について、前記初期割り当て(100)に存在しない代替の分析試験であり、その試料品質メトリックが、前記分析試験仕様(300)に違反しない、代替の分析試験が存在しないと判定することと、
前記医療試料を前記割り当てから除去することと、
をさらに含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記割り当てにおいて前記医療試料を置き換えるように新しい医療試料を要求するステップをさらに含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記初期割り当て(100)が、各試験が実行されるべき優先度を示す、前記分析試験の優先順位をさらに含み、
前記割り当てを修正するステップが前記優先順位に部分的に基づく、
請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記割り当てを修正するステップが医療試料を2つ以上の分析試験に割り当てることをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記方法が、検査室スケジューリングシステム(20)に通信可能に接続された分析試験管理システムによって実行され、前記分析試験管理システムが、前記初期割り当てに従って、前記医療試料を処理する前に、前記検査室スケジューリングシステム(20)から前記初期割り当てを取得する、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化するための分析試験管理システム(10)であって、
前記1つまたは複数の医療試料の、前記1つまたは複数の分析試験への初期割り当て(100)を、分析検査室における前記医療試料の処理の前に取得するように構成された最適化モジュール(11)と、
コンプライアンスモジュール(12)と、
を備え、前記コンプライアンスモジュール(12)が、
前記医療試料または各医療試料について、(i)前記医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、前記初期割り当て(100)における前記医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様(300)に違反しているかどうか、および/または(ii)前記医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを示すコンプライアンスステータスを決定するように構成され、
前記最適化モジュール(11)は、1つまたは複数のコンプライアンスステータスが、(i)所与の医療試料の前記試料品質メトリックが前記分析試験仕様(300)に違反していること、および/または(ii)所与の医療試料が処理不可能であるかどうかを示す場合、分析検査室における前記医療試料の処理の前に緩和措置を実行するようにさらに構成され、前記緩和措置が、前記コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて前記医療試料の前記分析試験への前記割り当てを修正するステップを含む、
分析試験管理システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療試料の分析試験への割り当てを最適化するためのコンピュータ実装方法および分析試験管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文献によれば、検査室試験に関連するエラーおよび無効な結果の約2/3は、試料が検査室に到着する前の試料の収集、取り扱いおよび処理に起因する。
【0003】
試料が検査室に到着する前に、患者試料の収集から開始して、その後の検査室の試験の成功に影響を及ぼす可能性があるいくつかの活動が行われる。複数の要因が試料の品質に影響を及ぼす可能性がある(例えば、時間、温度暴露、光暴露、衝撃、湿度)。
【0004】
エラーおよび無効な結果をもたらす検査室試験は、いくつかの理由で望ましくない。第一に、このような検査室試験は、患者、医療専門家および検査室スタッフの時間を浪費する。さらに、これらの臨床検査の結果に基づいてその後の医療介入を遅延させる可能性があり、これは患者の転帰に有害となり得る。また、これは、試料の収集およびこれらの試料の試験の両方において、物理的資源の浪費でもある。最後に、無効な結果をもたらす試験を行うと、有用な検査室スループット(すなわち、有効な試験結果をもたらす試料のスループット)が低下する。
【0005】
本発明は、上記の考察に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを、分析検査室における医療試料の処理の前に最適化するためのコンピュータ実装方法が提供される。第1の態様の方法は、1つまたは複数の医療試料の1つまたは複数の分析試験への初期割り当てを取得するステップと、医療試料または各医療試料のコンプライアンスステータスを決定するステップであって、コンプライアンスステータスが、(i)医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうか、および/または(ii)医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを示す、コンプライアンスステータスを決定するステップと、1つまたは複数のコンプライアンスステータスが、(i)所与の医療試料の試料品質メトリックが分析試験仕様に違反していること、および/または(ii)所与の医療試料が処理不可能であることを示す場合、医療試料の処理の前に、緩和措置を実行するステップであって、緩和措置が、コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップを含む、緩和措置を実行するステップと、を含む。
【0007】
このような方法は、所与の医療試料が、割り当てられた分析試験に準拠しているかどうか、したがって、割り当てられた分析試験が(i)医療試料に対して行われた場合に有効な結果を提供する可能性が高いかどうか、および/または(ii)((結果が有効である可能性が高いかまたは無効である可能性が高いかにかかわらず)医療試料に対して行われ得るかどうかをそれぞれ判定することができる。この判定の結果が必要とする緩和措置をとることによって、本方法は、リソース(例えば、検査室リソースおよび試料収集リソースの両方)の無駄な消費を削減し、有用な検査室スループットを向上させることができる。さらに、上記の方法により、患者が、試料品質が悪いために無効であることが判明する分析試験結果を待つことを回避し、したがって適切な医療介入をより早期に受けることが可能になる、より良好な患者の健康転帰が得られる可能性がある。
【0008】
上述の方法は、検査室スケジューリングシステムおよび場合によっては1つまたは複数の遠隔エージェントと通信するように構成された分析試験管理システムによって実行され得る。
【0009】
1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当ては、分析検査室における医療試料の処理の前に最適化されることが理解される。処理は、試料品質試験を実行すること、または試料自体の分析試験仕様に従って試験を実行することのいずれかであってもよい。例えば、試料のアリコートを特定の品質関連分析物について分析して、試料の品質を決定し得る。または、医療試料またはそのアリコートに対して1つまたは複数の分析試験が行われてもよい。1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを、分析検査室における医療試料の処理の前に最適化する本コンピュータ実装方法を実行することによって、検査室リソースおよび/または試薬の浪費が回避され、有用な検査室スループットを向上させることができる。本方法は、検査室スケジューリングシステム(20)に通信可能に接続された分析試験管理システムによって実行され得る。分析試験管理システムは、初期割り当てに従って医療試料を処理する前に、検査室スケジューリングシステム(20)から初期割り当てを取得する。
【0010】
分析試験に「準拠している」と記載されている医療試料は、(i)分析試験仕様に準拠する(すなわち、違反していない)試料品質メトリックを有し、(ii)処理可能である(すなわち、処理不可能ではない)と理解されてもよい。
【0011】
分析試験は、インビトロ診断器具で実施されるもの、またはインビトロ診断器具で実施するのに適したものであってもよい。これらの分析試験は、例えば、試料からの1つもしくは複数の臨床的に関連する値(例えば、血糖値)および/または1つもしくは複数の臨床的に関連するマーカーの表示(例えば、ウイルスまたは酵素の存在)を決定し得る。インビトロ診断器具は、検査室器具またはポイントオブケア装置であってもよい。
【0012】
コンプライアンスステータスの判定は、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを判定することのみを含み得る。コンプライアンスステータスの判定は、医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを判定することのみを含み得る。いくつかの例では、コンプライアンスステータスの判定は、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを判定することと、医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを判定することの両方を含み得る。さらに別の例では、コンプライアンスステータスの判定は、最初に、医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを判定することと、次いで、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、処理可能であると判定された医療試料に対してのみ、初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを判定することとを含み得る。
【0013】
緩和措置は、割り当てられた分析試験に関するコンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、医療試料の分析試験への初期割り当てを修正(すなわち、コンピュータによって自動的に)するステップを含み得る。医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップを含む緩和措置によって、最初に割り当てられた試験の分析試験仕様に準拠しないことが判明したために廃棄される医療試料の数を減らすことが可能である場合がある。
【0014】
緩和措置は、コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、医療試料およびそれぞれの分析試験に関連付けられた試験オーダにフラグを立てることおよび/または無効にすることを含んでもよい。これにより、検査室のオペレータに無効な試験オーダを注意喚起させ、試験オーダの実行、または結果の依拠を防止することが可能になる。
【0015】
検査室オペレータは、例えば、ポイントオブケア装置を使用して試験を実行すること、試験発注者に連絡すること、または試験オーダを手動で検査室スケジュールにルーティングすることによって、フラグが立てられた試験オーダを解決し得る。
【0016】
試料品質メトリックが、対応する分析試験仕様に違反していること、および/または医療試料が処理不可能であることをそれぞれが示す複数のコンプライアンスステータスがある場合、異なる否定的なコンプライアンスステータスに応答して異なる緩和措置をとることが可能である。いくつかの例では、試料品質メトリックが、対応する分析試験に違反していることおよび/または医療試料が処理不可能であることをそれぞれ示す複数のコンプライアンスステータスがある場合、否定的なコンプライアンスステータスに応答して同じ緩和措置をとり得る。
【0017】
緩和措置は、分析試験仕様の違反をオペレータに通知するステップを含み得る。この通知は、以下を含み得る。(i)医療試料の分析試験への割り当ての1つまたは複数の提案された修正、(ii)または各コンプライアンスステータスに基づく通知またはフラグ。緩和措置は、オペレータが提案された修正を受け入れるか拒否することができることをさらに含み得る。試料品質メトリックが分析試験仕様に違反しているにもかかわらず、検査室のオペレータが提案された修正を拒否して試験を実行することを決定するできることは、経験を積み、指標となる結果を取得し、結果を安定性研究に使用することが望まれる場合に有用な場合があり、あるいは追加の試料を取得することに関連付けられたタイムラグもしくは他の問題がある場合に、または医療試料が高価である場合に有用な場合がある。
【0018】
コンプライアンスステータスが、医療試料が処理不可能であるかどうかを示す場合、コンプライアンスステータスを判定するステップは、医療試料または各医療試料が意図された目的地(例えば、検査室)に到着したかどうか、失われた、こぼれたか、さもなければ汚染されたか、もしくは改ざんされたかどうか、または試料の識別ラベル(例えばバーコード)が失われたか、もしくは読み取り不可能になったかどうか、あるいは例えば、試料を収集する時間が不十分であったため、患者の状態/状況が試料を収集することができないことを意味した(例えば、血液がうまく流れておらず、患者の静脈にアクセスできない)ため、試料を提供するために患者が利用できなかったため、試料収集者のためのエラーのため、必要な種類の試料容器がもう利用できなかったなどのために、医療試料が収集されなかったかどうかを判定することをさらに含み得る。これは、試料が処理不可能になる原因を識別することによって、試料が処理不可能であることを示すコンプライアンスステータスを有する医療試料の数を減らすことを支援し得る。
【0019】
試料品質メトリックが参照される場合、メトリックは、1つまたは複数のパラメータまたは統計値を含み得る。品質メトリック(パラメータまたは統計値であるかどうかにかかわらず)は、しきい値を有してもよく、このしきい値を上回るとコンプライアンスステータスは有効であるとみなされ、このしきい値を下回るとコンプライアンスステータスは否定的であるとみなされる。
【0020】
本方法は、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックを導出するステップをさらに含み得る。そのステップは、試料の収集情報、試料からの搬送情報、試料の遠心分離情報、および試料の保存条件情報のうちの1つまたは複数を含む試料データを取得することと、試料データに基づいて試料品質メトリックを導出することと、を含む。試料データ(200)は、遠隔エージェントから取得されてもよい。遠隔エージェントは、例えば、試料が搬送される搬送装置内の1つまたは複数のセンサであってもよい。分析試験管理システムは、センサに通信可能に接続し、センサから試料データを取得し得る。別の実施形態では、遠隔エージェントは、例えば試料の収集場所に配置されたコンピュータ内のプロセッサであってもよい。プロセッサは、例えば患者の状態、または試料を適切に収集できなかったかどうか、または収集時間などの、試料収集に関する試料データを含み得る。このような試料データのさらなる例を以下に提供する。分析試験管理システムは、試料データ(200)を取得するためにプロセッサに通信可能に接続されてもよい。
【0021】
センサは、例えば、搬送中の温度または湿度などを測定し得る。
【0022】
有利には、試料品質メトリックが試料データに基づいていることは、試料品質メトリックが、医療分析試験がその医療試料に対して首尾よく実施され得るかどうかに関連する情報を反映することを意味する。
【0023】
所与の試料の収集情報は、収集タイムスタンプ、患者データ、収集観察、収集後の試料の画像、および試料固定時間のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0024】
患者データは、患者IDおよび患者人口統計のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0025】
試料の搬送情報は、搬送中の試料温度測定値、搬送中の試料光曝露測定値、搬送中の試料衝撃曝露測定値、試料容器付加情報、およびGPSデータのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0026】
試料の遠心分離情報は、遠心分離が行われたかどうかの表示、遠心分離までの収集時間測定値、および遠心分離仕様のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0027】
試料の保存条件情報は、保存中の温度測定値、保存中の試料光曝露測定値、保存中の湿度測定値、保存中の試料衝撃曝露測定値、および保存期間測定値のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0028】
割り当てられた分析試験に関する医療試料または各医療試料のコンプライアンスステータスを判定するステップは、医療試料または各医療試料について、遠隔装置から、医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかの表示を取得すること、または各医療試料の試料品質メトリックを取得すること、初期割り当てにおける分析試験または各分析試験の分析試験仕様を取得すること、および医療試料または各医療試料について、試料品質メトリックが初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを評価するコンプライアンスプロセスを実行することのいずれかを含み得る。有利には、遠隔装置を介してコンプライアンスステータスを判定することにより、コンプライアンスプロセスが遠隔装置によって既に実行されている場合に、コンプライアンスプロセスの重複を回避することができる。(コンプライアンスプロセスを実行する第三者からコンプライアンスステータスを取得するのではなく)コンプライアンスプロセスを実行するコンピュータシステムを介したコンプライアンスステータスの判定は、試験仕様を第三者に提供する必要がないため、有利であり得る。特に、試験仕様が少なくとも部分的に検査室オペレータから得られた情報に基づく場合、このデータに基づく試験仕様を第三者に提供しないことが、情報セキュリティおよび機密性の観点から望ましい場合がある。
【0029】
割り当てを修正するプロセスは、遠隔装置を介して、または方法を実施するコンピュータによって直接行われてもよい。修正は、初期割り当てにおける1つまたは複数の分析試験に対する1つまたは複数の医療試料の再マッチングを含み得る。このような再マッチングは、初期割り当てにおける1つまたは複数の分析試験のうちのどれに各医療試料が準拠しているかの知識に基づいてもよい。有利には、このような再マッチングは、たとえ分析試験への医療試料の初期割り当てが1つまたは複数の無効な試験が行われる結果となったとしても、初期割り当てに存在するすべての分析試験が有効に行われることを可能にし得る。
【0030】
試料品質メトリックには、ヘモグロビン、黄疸および脂質血症の指数が含まれてもよい。一実施形態では、試料品質のメトリックには溶血指数(例えば、H指数)が含まれない。
【0031】
分析試験仕様は、以下のうちの1つまたは複数から得られてもよい。IVDベンダー情報、検査室要件(検査室ペレータによる)、ベストプラクティスおよび一般的なガイドラインを示すデータ、ならびにチューブ製造業者のガイドライン。さらに、分析試験仕様は、分析試験、または調和/標準化された試験コード、例えばLOINC、SNOMED(CT)、JLAC10および/またはC-NPUコードから生じる試験のファミリに特有のものとすることができる。
【0032】
分析試験仕様は、調和/標準化された試験コードおよび/または分析試験の別の記述に基づいて得られてもよい。試験コードと分析試験の別の記述の両方を使用することは、試験コードと分析試験との1対1のマッピングがない場合に有利である。
【0033】
分析試験のための分析試験仕様は、試験供給業者または試料容器製造業者から取得されてもよい。あるいは、分析試験仕様はデータベースから取得されてもよく、データベース内の試験仕様は、試験供給業者から取得された情報、試料容器製造業者から取得された情報、および検査室オペレータから取得された情報のうちの1つまたは複数に基づく。データベースは、コンピュータシステムの内部にあってもよく、またはネットワーク接続を介してコンピュータシステムによってアクセス可能であってもよい。
【0034】
本方法は、初期割り当てによる試験仕様違反の合計を決定するステップをさらに含み得る。その場合、割り当てを修正することは、試験仕様違反の合計を目的関数として最小化最適化を実行することを含んでもよい。このような方法は、試験仕様違反のない修正された割り当てに到達することが不可能な場合に、試料の分析試験への修正された割り当てにより依然として実行することができる、初期割り当てに列挙された分析試験の数を最大化することができる。
【0035】
最小化最適化は、一組の制約および1つまたは複数の決定変数間の関係に基づいて初期割り当てを修正することによって、試験仕様違反の総数、合計、または加重合計を最小化するように機能する方法またはアルゴリズムであってもよい。最適化は、1つまたは複数の決定変数(例えば、どの試料に対してどの試験を行うべきか)、目的関数(例えば、試験仕様違反の総数、合計、または加重合計)、および1つまたは複数の制約(例えば、試料の利用可能な正味体積を超えない)を含むモデルを使用し得る。検査室の最適化のための決定変数、目的関数、および制約に関するデータは、試料のオーダデータ、試験仕様、および試料品質メトリックから得られてもよい。最小化最適化は、実行される分析試験の優先順位が試験仕様違反の数と共に目的関数に組み込まれるように構成されてもよく、例えば、試験仕様違反の加重和は、優先順位を重みとして使用してもよい。目的関数とは、一組の制約を遵守し、1つまたは複数の決定変数間の関係を考慮しながら、最適化が最大化または最小化を試みる任意の数学関数を意味してもよい。
【0036】
割り当てを修正するステップは、試料品質メトリックが初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反している医療試料を識別することと、その医療試料について、初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験以外の代替の分析試験であって、その試料品質メトリックがその医療試料の分析試験仕様に違反しない代替の分析試験を識別することと、医療試料が代替の分析試験に割り当てられるように割り当てを修正することと、をさらに含み得る。有利には、この方法によって、試料(および検査室リソース)が、その試料に対して実行される仕様に準拠していない試験によって無駄になることを回避することによって、および試料が、その試料に対して最初に割り当てられた試験に準拠していないために廃棄されることを回避することによって、医療試料をより効率的に利用することができる。割り当てを修正するステップ内のこれらの追加のプロセスは、第三者によって行われ、分析試験管理システムに提供されてもよく、または分析試験管理システム自体がこれらの追加のプロセスを行ってもよい。
【0037】
代替の分析試験は、初期割り当てに存在する試験であってもよい。これは、この代替の分析試験に最初に割り当てられた医療試料が、最初に割り当てられた医療試料の試料品質メトリックによって試験仕様が違反された分析試験の分析試験仕様に違反しない試料品質メトリックを有する場合に有利である。このような場合、医療試料に割り当てられた分析試験を直接置き換えることができる。
【0038】
あるいは、代替の分析試験は、初期割り当てに存在しない試験であってもよい。代替の分析試験は、最初に割り当てられた提供者の試料メトリックによって仕様が違反された、最初の割り当てにおける割り当てられた試験と同じ目的のために行われ得る試験であってもよい。例えば、代替の分析試験は、異なる提供者からの同じ目的(および場合によっては同じパラメータ)の試験であってもよい。有利には、これにより、医療試料の分析試験への初期割り当てにおいて試験仕様違反がある場合でも、試料の試験から同じパラメータの値を得ることが可能である場合がある。
【0039】
本方法は、医療試料または各医療試料について、その試料品質メトリックが、初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験以外の初期割り当てにおける分析試験または各分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを評価するステップをさらに含み得る。このようなステップは、医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップを後に実行する場合に有益であり得る。
【0040】
医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップは、試料品質メトリックが、初期割り当てにおいて分析試験の分析試験仕様のすべてに違反している医療試料を識別することと、医療試料について、初期割り当てに存在しない代替の分析試験であって、その試料品質メトリックが分析試験仕様に違反しない代替の分析試験が存在しないと判定することと、医療試料を割り当てから除去することとをさらに含み得る。一実施形態では、分析試験管理システムは、医療試料を処理する前に、初期割り当てから医療試料を除去するための指示を検査室スケジューリングシステムに送信する。有利には、これにより、このような分析試験の結果が無効になることが立証された医療試料に対して分析試験が行われることが回避され、それにより、リソースの使用が低減され、有用な検査室スループットの向上が促進される。
【0041】
医療試料が割り当てから除去された場合、本方法は、割り当て内の医療試料を置き換えるために新しい医療試料を要求するステップをさらに含み得る。これにより、新しい医療試料が提供されると、目的の試験結果を得るために意図した分析試験を実行することが容易になる。新しい試料の要求は、医療試料を処理する前に行われ得る。これにより、コスト、リソース、および時間が節約される。
【0042】
初期割り当ては、各試験が実行されるべき優先度を示す分析試験の優先順位をさらに含み得る。割り当てを修正するステップは、優先順位に部分的に基づいてもよい。有利には、これにより、割り当てを修正する場合に最も重要な分析試験が優先されることを確実にすることができ、その結果、割り当ての修正後であっても、初期割り当ての分析試験のすべてが実行され得るとは限らない場合でも、これらの最も重要な分析試験は依然として実行される。
【0043】
優先順位は、加重和、例えば、所与の試料が所与の試験にどの程度適しているか(例えば、結果が臨床的にどの程度比較可能か)、試験が「緊急」ステータスを与えられるかどうか、試料の体積の何分の1が所与の試験によって使用されるか、試験結果を取得する時間感度、および試験結果が、例えば、診断のために、必須であるかまたは補助的であるかどうかを含む因子に基づく加重和であってもよい。優先順位は、試験発注者の好みに基づいてもよい。優先順位は、検査室の好みに基づいてもよい。検査室の好みは、結果出力までの時間、試験を行うための試料の安定性、試料容器情報(例えば、サイズ、検査室の器具との適合性)、試薬の利用可能性、および試験のための器具の状態を反映し得る。
【0044】
本方法は、検査室情報システム、ヘルスケア情報システム、または検査室情報管理システムに修正された割り当てを配布するステップをさらに含み得る。
【0045】
割り当てを修正するステップは、医療試料を2つ以上の分析試験に割り当てることをさらに含み得る。医療試料が複数の分析試験に割り当てられる場合、本方法は、試料からのアリコートの作成を指示するステップをさらに含み得る。これにより、医療試料と分析試験との1対1の一致があり、普通であればその分析試験に割り当てる準拠医療試料がない場合に、より大きな割合の分析試験を実行することが可能になる。
【0046】
本方法は、割り当ての修正に続いて、修正された割り当てに従って医療試料を処理して試験結果を生成するための指示を検査室スケジューリングシステムに転送することをさらに含み得る。
【0047】
したがって、無効な試験結果によって引き起こされるその後の医療介入に対する遅延を回避すること、無効な結果をもたらす試験を行うリソースを浪費することを回避すること、および検査室スループットを向上させることを含む、修正された割り当ての利点は、人間の介入なしに実現され得る。
【0048】
あるいは、修正された割り当ては、表示手段に提供されてもよい。このような場合、本方法は、修正された割り当てにおいて、医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反した医療試料の表示を提供することをさらに含み得る。
【0049】
第2の態様では、1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化するための分析試験管理システムが提供される。本システムは、1つまたは複数の医療試料の、1つまたは複数の分析試験への初期割り当てを取得するように構成された最適化モジュールと、医療試料または各医療試料について、以下を示すコンプライアンスステータスを判定するように構成されたコンプライアンスモジュールと、を備える。(i)医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおける医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうか、および/または(ii)医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうか。最適化モジュールは、1つまたは複数のコンプライアンスステータスが、(i)所与の医療試料の試料品質メトリックが分析試験仕様に違反していること、および/または(ii)所与の試料が処理不可能であるかどうかを示す場合、分析検査室での医療サンプルの処理の前に緩和措置を実行するようにさらに構成され、緩和措置が、コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップを含む。
【0050】
あるいは、最適化モジュールは、分析試験管理システムと通信するように構成された第三者システム内に設けられてもよい。
【0051】
このようなシステムは、所与の医療試料が、それが割り当てられた分析試験に準拠しているかどうか、したがって、割り当てられた分析試験が(i)医療試料に対して行われた場合に有効な結果を提供する可能性が高いかどうか、および/または(ii)(結果が有効である可能性が高いかまたは無効である可能性が高いかにかかわらず)医療試料に対して行われ得るかどうかを判定することができる。この判定の結果が必要とする緩和措置をとることにより、システムは、リソース(例えば、検査室リソースと試料収集リソースの両方)の無駄な消費を削減し、有用な検査室スループットを向上させることができる。さらに、上記の方法により、患者が、試料品質が悪いために無効であることが判明する分析試験結果を待つことを回避し、したがって適切な医療介入をより早期に受けることが可能になる、より良好な患者の健康転帰が得られる可能性がある。
【0052】
緩和措置は、修正された割り当てに従って、試料に割り当てられた分析に関するコンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、医療試料の分析試験への割り当てを修正することを含み得る。医療試料の分析試験への割り当てを修正するステップを含む緩和措置によって、最初に割り当てられた試験の分析試験仕様に準拠しないことが判明したために廃棄される医療試料の数を減らすことが可能であってもよい。
【0053】
緩和措置は、コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて、医療試料およびそれぞれの分析試験に関連付けられた試験オーダにフラグを立てるおよび/または無効にするさらなるステップを含み得る。さらなる実施形態では、試験オーダのフラグ付けおよび/または無効化は、医療試料が修正された割り当てに従って処理されるときに試験結果のフラグをもたらす。
【0054】
これにより、検査室のオペレータに無効な試験オーダ/結果を注意喚起させ、試験オーダ/結果に依拠することを防止することが可能になる。
【0055】
緩和措置は、分析試験仕様の違反をオペレータに通知するステップを含み得る。この通知は、(i)医療試料の分析試験への割り当ての1つまたは複数の提案された修正、(ii)コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づく通知および/またはフラグ、ならびに/あるいは(iii)分析試験に関連付けられた試験オーダおよび/または試験結果が、コンプライアンスステータスまたは各コンプライアンスステータスに基づいて無効であるという表示を含み得る。
【0056】
最適化モジュールは、試料の収集情報、試料の搬送情報、試料の遠心分離情報、および試料の保存条件情報のうちの1つまたは複数を含む試料データを取得し、試料データに基づいて試料品質メトリックを導出するように構成されることによって、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックを導出するように構成されてもよい。
【0057】
コンプライアンスモジュールは、医療試料または各医療試料について、遠隔装置から、医療試料の試料品質メトリックが初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかの表示を取得し、または、医療試料または各医療試料について試料品質メトリックを取得し、初期割り当てにおける分析試験または各分析試験の分析試験仕様を取得し、医療試料または各医療試料について、試料品質メトリックが初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様(300)に違反しているかどうかを評価するコンプライアンスプロセスを実行するように構成されることによってコンプライアンスステータスを判定するように構成されてもよい。
【0058】
最適化モジュールは、試料品質メトリックが初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反する医療試料を識別し、その医療試料について、初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験以外の代替の分析試験であって、その試料品質メトリックがその医療試料の分析試験仕様に違反しない代替の分析試験を識別し、医療試料が代替の分析試験に割り当てられるように割り当てを修正するように構成されることによって、割り当てを修正するように構成されてもよい。代替の分析試験は、初期割り当てに存在する試験であってもよく、または初期割り当てに存在しない試験であってもよい。
【0059】
コンプライアンスモジュールは、医療試料または各医療試料について、その試料品質メトリックが、初期割り当てにおけるその割り当てられた分析試験以外の、初期割り当てにおける分析試験または各分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを評価するようにさらに構成されてもよい。
【0060】
最適化モジュールは、試料品質メトリックが、初期割り当てにおいて分析試験の分析試験仕様のすべてに違反している医療試料を識別し、医療試料について、初期割り当てに存在しない代替の分析試験であって、その試料品質メトリックが、分析試験仕様に違反しない代替の分析試験が存在しないと判定し、医療試料を割り当てから除去するように構成されることによって割り当てを修正するように構成されてもよい。最適化モジュールは、割り当てにおける医療試料を置き換えるように新しい医療試料を要求するように構成され得る。
【0061】
いくつかの例では、初期割り当ては、各試験が実行されるべき優先度を示す分析試験の優先順位をさらに含んでもよく、最適化モジュールは、優先順位に部分的に基づいて割り当てを修正してもよい。
【0062】
最適化モジュールは、医療試料を2つ以上の分析試験に割り当てるようにさらに構成されることによって、割り当てを修正するように構成されてもよい。このような場合、システムは、試料からのアリコートの作成を指示し得る。
【0063】
最適化モジュールは、修正された割り当てを自動的に実施するために、修正された割り当てを検査室スケジューリングシステムに提供するように構成されてもよい。
【0064】
本明細書で論じる最適化モジュールおよびコンプライアンスモジュールは、1つまたは複数のコンピュータ上で実行されるソフトウェアまたはソフトウェアスイートの要素として実装されてもよい。
【0065】
システムは、検査室情報システムであってもよい。システムは、ヘルスケア情報システムであってもよい。システムは、病院情報システムであってもよい。システムは、検査室情報管理システムであってもよい。
【0066】
システムは、各モジュールが同じコンピュータまたはローカル・コンピュータ・ネットワーク上に配置され得るという点で集中型システムであってもよく、モジュールのうちの1つまたは複数が1つまたは複数の他のモジュールとは異なるコンピュータまたはローカル・コンピュータ・ネットワークに配置され得るという点で非集中型システムであってもよい。
【0067】
システムは、検査室ミドルウェアとして実装されてもよい。
【0068】
システムは、試料の搬送中に試料データを取得できるように、試料搬送システム(例えば、検査室内のコンベヤ、または医療試料もしくは各医療試料を搬送する車両)または医療試料または各医療試料を収容する搬送箱(例えば、事前分析搬送箱)とネットワーク通信し得る。
【0069】
第3の態様では、1つまたは複数の分析試験に対する1つまたは複数の医療試料の適合性を評価するためのコンピュータ実装方法が提供され、本方法は、医療試料または各医療試料の試料品質メトリックを取得するステップと、分析試験または各分析試験の分析試験仕様を取得するステップと、医療試料または各医療試料について、その試料品質メトリックが分析試験または各分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかを評価するコンプライアンスプロセスを実行するステップと、または各医療試料について、その試料品質メトリックが医療試料または各分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうかの表示を出力するステップと、を含む。
【0070】
本発明は、このような組合せが明らかに許容されないかまたは明示的に回避される場合を除き、記載された態様および好ましい特徴の組合せを含む。
【図面の簡単な説明】
【0071】
次に、本発明の原理を示す実施形態および実験を、添付の図を参照して説明する。
【0072】
図1】ネットワーク内の分析試験管理システムを示すブロック図である。
図2】1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化する方法のフローチャートである。
図3】ネットワーク内の分析試験管理システムを示すブロック図である。
図4】医療試料の試料品質メトリックを取得するための方法のフローチャートである。
図5】医療試料の分析試験への初期割り当てに列挙された1つまたは複数の分析試験に対する1つまたは複数の医療試料のコンプライアンス状態を判定する方法のフローチャートである。
図6図2のフローチャートを修正したものであり、1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化する方法のフローチャートである。
図7A】分析試験への医療試料の初期割り当てを示す図である。
図7B】これらの医療試料の分析試験へのコンプライアンスステータスの判定結果を示す図である。
図7C】分析試験への医療試料の修正された割り当てを示す図である。
図8A】分析試験への医療試料の初期割り当てを示す図である。
図8B】これらの医療試料の分析試験へのコンプライアンスステータスの判定結果を示す図である。
図8C】分析試験への医療試料の可能な修正された割り当てを示す図である。
図8D】分析試験への医療試料の可能な修正された割り当てを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
ここで、本発明の態様および実施形態を、添付の図を参照して説明する。さらなる態様および実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0074】
図1は、ネットワーク内の分析試験管理システム10を示すブロック図である。分析試験管理システム10は、検査室情報システム、ヘルスケア情報システム、または検査室情報管理システムとして、またはその内部に実装されてもよい。システム10は、1つまたは複数の医療試料の、これらの試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化するようにネットワーク内に構成される。医療試料の分析試験への初期割り当ては、システム10がネットワーク通信している検査室スケジューリングシステム20からシステム10に提供される。システム10はまた、医療試料の分析試験への割り当てを最適化するための情報を取得するために、システム10によって使用可能なアプリケーションまたはサービスの形態をとる1つまたは複数の第三者40とネットワーク通信する。システム10は第三者40と通信して、各医療試料について、(i)医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当てにおける医療試料または各医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様に違反しているかどうか、および/または(ii)医療試料または各医療試料が処理不可能であるかどうかを示すコンプライアンスステータスを判定する。この判定は、一部には、第三者40が医療試料について収集した試料データ200に基づく。判定はまた、(以下の図4に関連してさらに説明されるコンプライアンスステータスの判定がどのように行われるかに応じて)システム10および/または第三者40によって得られる初期割り当てにおける試験の分析試験仕様300に基づく。試験仕様300は、試験供給業者310からのデータ、試験中に容器が使用される容器製造業者320からのデータ、および例えば、以前の試験を行う際に得られた経験を反映した検査室オペレータ330からのデータを含む、いくつかの情報源に基づいてもよい。分析試験に関する医療試料のコンプライアンスステータスを判定する際に使用される分析試験仕様300は、分析試験管理システム10および/または第三者40によって、試験コード、例えばLOINCコードと分析試験の説明との組合せを使用して検索される。それぞれの分析試験について医療試料のコンプライアンスステータスを取得すると、システム10は、分析検査室において医療試料を処理する前に最適化プロセスを行って、試験仕様違反の総数および/または処理不可能な試料の数を減らすことができる。医療試料の分析試験への最適化された割り当ては、分析試験管理システム10から検査室スケジューリングシステム20に出力される。医療試料の分析試験への割り当ての最適化は、第三者によって行われてもよく、その後、最適化された割り当てが、検査室スケジューリングシステム20への配布のために第三者から分析試験管理システム10に提供されてもよく、あるいは、分析試験管理システム10自体が最適化を行ってもよい。
【0075】
図2は、1つまたは複数の医療試料の、これらの試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化するコンピュータ実装方法を示すフローチャートである。図2に示す方法は、図3に示すような分析試験管理システム10によって実施され得る。所与の分析試験が医療試料に対して首尾よく実施され、有効な結果を生成するためには、医療試料は、(i)所与の分析試験の分析試験仕様に準拠する試料品質メトリックを有し、(ii)処理可能であるべきである。
【0076】
典型的には、以下の事象の1つまたは複数が発生した場合、医療試料は処理不可能であることが分かる。すなわち、医療試料が、医療試料に対して分析試験が行われることになっていた意図された目的地(例えば、検査室)に到着していない、医療試料が失われた、医療試料がこぼれた、さもなければ汚染されたもしくは改ざんされた、医療試料が収集されなかった、試料の識別ラベル(例えば、バーコード)が失われたもしくは読み取り不可能になった場合である。
【0077】
一方、分析試験仕様300は、試料に対してその分析試験を行うために、試料が満たさなければならない1つまたは複数のメトリックの値を指定する。例えば、試験仕様300は、試料を入手してから試料に対して試験を行うまでの時間、最小および最大の温度曝露、遠心分離設定(遠心分離が必要な場合)、試料を入手してから遠心分離を行うまでの時間(遠心分離が必要な場合)、光曝露、最大および最小の湿度曝露、衝撃曝露、および試料容器の特性などのパラメータに関連し得る。
【0078】
ステップS100において、医療試料の分析試験への初期割り当て100が取得される。図3において、これは、入力/出力(I/O)モジュール13を介して最適化モジュール11によって取得される。典型的には、医療試料は、各医療試料について特定の分析試験を念頭に置いて収集され、初期割り当て100は、医療試料と分析試験のペアリングを反映する。試料と試験との間には1対1の関係が一般的であるが、初期割り当て100が、1つの試料に対して2つ以上の分析試験を実行することを示すことも可能である。試料からアリコートを作成することによって、または先行する分析試験が試料を変化させない場合は、試料に対して複数の分析試験が行われてもよい。
【0079】
ステップS300において、初期割り当て100における各医療試料のその対応する分析試験に対するコンプライアンスステータスが判定される。分析試験管理システム10は、ステップS300を実行するためのコンプライアンスモジュール12を備える。本例では、分析試験に「準拠している」と記載されている医療試料は、(i)処理可能であり(すなわち、処理不可能ではない)、(ii)それぞれが分析試験仕様300に準拠する(すなわち、違反していない)1つまたは複数の試料品質メトリックを有すると理解されてもよい。しかしながら、上述のように、他の例では、(i)および(ii)の一方のみが判定されてもよく、または(ii)の判定は、(i)の判定からの肯定的な所見に依存してもよい。すなわち、コンプライアンスモジュール12は、医療試料が処理可能であると最初に判定し、処理可能であると分かった各医療試料についてのみ(ii)を判定してもよい。(i)または(ii)のいずれかが否定的である(試料が処理不可能である、または分析試験仕様に違反している)と判定された場合、その医療試料の全体的なコンプライアンスステータスは、否定的である(すなわち、(i)および(ii)の少なくとも一方に準拠しない)とみなされ得る。
【0080】
分析試験に関する各医療試料のコンプライアンスステータスを判定するための1つの方法は、各医療試料について、遠隔装置から、試料の試料品質メトリックがその割り当てられた分析試験の分析試験仕様300に違反しているかどうかの表示を取得することである。例えば、遠隔装置は、最初に医療試料を取得して分析試験オーダを行ったシステム内に含まれてもよく、そのシステムは試料のコンプライアンスステータスを既に考慮していてもよい。
【0081】
しかしながら、図3のシステム10は、I/Oモジュール13を介して取得した試料データ200および試験仕様300を内部的に使用して、割り当てられた分析試験に関する医療試料のコンプライアンスステータスを判定するように構成される。コンプライアンスステータスを判定する図3のシステム10に含まれるステップは、図4に示されており、以下でさらに説明される。図3に示すシステム10は、外部ソース、すなわち試験供給業者および/または試料容器製造業者などの第三者40から試験仕様300を取得する。これは、典型的には、LOINCコードおよび/または各分析試験の別の説明を第三者40に提供することによって行われ、第三者40はこれを使用して、システム10に戻す適切な試験仕様300を識別することができる。しかしながら、試験仕様300は、システム10の内部のデータベース14から取得されてもよい。データベース14は、システム10が以前に参照した試験仕様300を記憶していてもよく、または第三者40によって提供されたものから修正された試験仕様300を記憶していてもよい(例えば、対応する分析試験を行う検査室からのフィードバックが試験仕様300に組み込まれている場合)。
【0082】
ステップS300で判定されたコンプライアンスステータスはまた、医療試料が処理不可能であることを示すこともある。このような場合、システム10は、処理不可能であることが分かった医療試料の根本原因が何であったか(例えば、試料が失われたためか、意図された目的地に到着しなかったためかなど)を判定するようにさらに構成されてもよい。試料が処理不可能であるか否かは、(例えば、その試料の試料データ200が欠落している場合は)システムによって内部的に、または(例えば、第三者40が、試料が輸送中に失われたことを知っている場合は)試料が処理不可能であることをシステム10に通知する第三者40によって判定されてもよい。
【0083】
割り当てられた分析試験に関する各医療試料のコンプライアンスステータスを判定した後、ステップS500は、否定的な少なくとも1つのコンプライアンスステータスがあるかどうか、すなわち、試験仕様300の違反の総数(すなわち、初期割り当て100において医療試料に割り当てられたそれぞれの分析試験の試験仕様300に違反する試料品質メトリックを有する医療試料の数の合計)および/または処理不可能な試料の総数がゼロより大きいかどうかをチェックすることを含む。ステップS500でのチェックがノーである(否定的なコンプライアンスステータスがない)場合、医療試料の分析試験への初期割り当てが適切であること、および/またはすべての医療試料が処理可能であることが確立されたため、システム10は緩和措置を実行することに進まない(ステップS800)。しかしながら、ステップS500でのチェックがイエスである(少なくとも1つの否定的なコンプライアンスステータスがある)場合、システム10は、方法のステップS700に進み、医療試料の分析試験への初期割り当て100が分析試験仕様300の違反をもたらす(すなわち、初期割り当て100に列挙された試験が、無効な結果を返す可能性が高い)、および/または初期割り当て100に列挙された試料のうちの1つまたは複数が処理不可能である(すなわち、初期割り当て100に列挙された対応する試験を、その試料に対して行うことができない)という判定に応答して、最適化モジュール11によって緩和措置がとられる。
【0084】
緩和措置の1つの可能なタイプは、最適化モジュール11が、医療試料のコンプライアンスステータスに基づいて、医療試料の分析試験への割り当てを修正することである。このタイプの緩和措置は、以下の図6図8に関連してさらに説明される。例えば、2つの試料の2つのそれぞれの試験への割り当てを置き換えることによって割り当てを修正できる場合(例えば、図7A図7Cを参照されたい。図7A図7Cでは、試験T2およびT4は、初期割り当て(図7A)と修正された割り当て(図7C)との間で割り当てが置き換えられている)、試料品質メトリックが最初に割り当てられた試験の分析試験仕様300に準拠しないことが判明したために廃棄される医療試料の数を減らすことができ、初期割り当て100に列挙された実施可能な試験の割合を増加させることができる。修正は、典型的には、試験仕様違反の合計を目的関数として最小化最適化を実行することによって行われる。
【0085】
緩和措置の別の可能なタイプは、最適化モジュール11が、(i)医療試料または各医療試料の試料品質メトリックが、修正された割り当てにおいて医療試料の割り当てられた分析試験の分析試験仕様300に違反していること、および/または(ii)各医療試料が処理不可能であることを示すコンプライアンスステータスを有する医療試料に関連付けられた試験オーダおよび/または試験結果に、追加的にフラグを立て、ならびに/あるいは無効にすることである。
【0086】
ステップS900において、割り当ておよび立てられた任意のフラグが、I/Oモジュール13を介してシステム10から出力される。フラグは、存在する場合、表示手段30を介して検査室オペレータに通知されてもよい。修正された割り当ては、存在する場合、表示手段30を介して検査室オペレータに再検討のために通知されてもよい。オペレータへの通知は、単に情報提供を目的とするものであってもよく、修正された割り当ては、検査室スケジューリングシステム20によって自動的に実施されてもよい。あるいは、通知は、オペレータが提案された修正された割り当てを受け入れるか拒否するかを決定することができるようなものであってもよい。
【0087】
図4は、図3のシステム10が初期割り当て100において割り当てられた分析試験に関する医療試料のコンプライアンスステータスを判定する方法を示す。図4では、簡単にするために、各医療試料が単一の試料品質メトリックを有し、各試験仕様がその試料品質メトリックの値を指定すると仮定される。しかしながら、上述したように、医療試料が複数の試料品質メトリックを有することが可能であり、それらのすべてが、医療試料がその分析試験に準拠するための試験仕様に準拠しなければならない。
【0088】
ステップS310において、n個の試料品質メトリックがコンプライアンスモジュール12によって取得され、各試料品質メトリックは、システム10によって取得された初期割り当て100に列挙されたそれぞれの医療試料に対応する(すなわち、n個の医療試料が初期割り当て100に列挙されている)。試料品質メトリックを取得するステップは、図5に関連してさらに説明される。ステップS320において、m個の試験仕様300がコンプライアンスモジュール12によって取得され、各試験仕様300は、システム10によって取得された初期割り当て100に列挙されたそれぞれの分析試験に対応する。ステップS310およびステップS320は、互いに並行して、またはいずれかの順序で互いに順次実行されてもよい。
【0089】
ステップS330において、コンプライアンスモジュール12によって、ステップS310およびS320でそれぞれ取得された試料品質メトリックおよび試験仕様300に基づいてコンプライアンスプロセスが実行される。図4に示す方法の場合、判定されたコンプライアンスステータスは、医療試料の試料品質メトリックが、初期割り当て100に列挙されたそれぞれの分析試験の試験仕様300に違反しているかどうかを示す。
【0090】
ステップS330は、m個の試験を実行する反復プロセスを表す複数のサブステップを含み、各サブステップが、それぞれの医療試料のコンプライアンスステータスを判定する。ステップS331として、反復プロセスのカウンタiが0に設定される。ステップS332において、m個の試験仕様300から試験仕様iが選択される。次いで、ステップS333は、初期割り当て100を使用して、試験仕様iが関連する試験に対応する試料を決定するための検索である。続いて、ステップS334において、ステップS333で検索された試料に対応する試料品質メトリックが選択される。ステップS335において、サンプル品質メトリックと試験仕様iとの比較が、サンプル品質メトリックが試験仕様300に違反しているかどうかを判定するために使用される。ステップS335の結果に応じて、試験仕様300の違反(ステップS336)または試験仕様300の非違反(ステップS337)が、割り当てられた分析試験iに関する医療試料のコンプライアンスステータスとして記録される。次いで、ステップ338は、試験仕様300のすべてが考慮されたかどうかをチェックし、試験仕様300がすべて考慮されていない場合、方法はステップS339を介してステップS332に戻り、次の試験仕様300を選択し、試験仕様300がすべて考慮された場合は、コンプライアンス処理ステップS330は完了する。
【0091】
図5は、初期割り当て100に列挙された医療試料の試料品質メトリックを取得する図4のステップS310が実施され得る方法を示す。図5の方法は、単一の医療試料の試料品質メトリックを取得するためのものである。この方法は、初期割り当て100に列挙されたすべての医療試料の試料品質メトリックが得られるまで繰り返され得る。
【0092】
ステップS311において、試料データ200が取得される。試料データ200は、システム10の外部のデータソースから取得された医療試料に関する情報であるため、この試料データ200は、外部データソースと通信するI/Oモジュール13を介してシステム10のコンプライアンスモジュール12によって取得される。試料データ200は、試料の収集情報、試料からの搬送情報、試料の遠心分離情報、および試料の保存条件情報のうちの1つまたは複数を含み得る。所与の試料の収集情報は、収集タイムスタンプ、患者データ、収集観察、収集後の試料の画像、試料固定時間のうちの1つまたは複数を含み得る。患者データは、患者IDおよび患者人口統計のうちの1つまたは複数を含み得る。試料の搬送情報は、搬送中の試料温度測定値、搬送中の試料光曝露測定値、搬送中の試料衝撃曝露測定値および試料容器付加情報、ならびにGPSデータのうちの1つまたは複数を含み得る。試料の遠心分離情報は、遠心分離が行われたかどうかの表示、遠心分離までの収集時間測定値、および遠心分離仕様のうちの1つまたは複数を含み得る。試料の保存条件情報は、保存中の温度測定値、保存中の試料光曝露測定値、保存中の湿度測定値、保存中の試料衝撃曝露測定値、および保存期間測定値のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0093】
ステップS312において、医療試料の試料品質メトリックが、その試料の試料データ200に基づいて導出される。試料品質メトリックが参照される場合、メトリックは、パラメータまたは統計値であってもよい。また、単一の試料品質メトリックが参照される場合、複数の試料品質メトリックが存在することが可能であり、試料品質メトリックは、1つもしくは複数のパラメータおよび/または1つもしくは複数の統計値の組合せであってもよい。一般的な試料品質のメトリックは、血清または血漿中のヘモグロビン(H)、黄疸(I)、および脂質血症(L)指数(H/I/L指数)である。
【0094】
図6は、1つまたは複数の医療試料の、これらの医療試料に対して行われる1つまたは複数の分析試験への割り当てを最適化する方法のフローチャートである。図6のフローチャートは、図2のフローチャートの変形例である。図6は、各試料について、その試料品質メトリックが、初期割り当て100におけるその割り当てられた分析試験以外の初期割り当て100における各分析試験の分析試験仕様300に違反しているかどうかを判定する追加のステップS600を含む。図6はまた、緩和措置の一例の実行に関与するサブステップに関するステップS700の追加の詳細を含む。
【0095】
図6のフローチャートによって示される方法は、図7A図7Cおよび図8A図8Dに関連して以下に説明される。図7Aは、4つの医療試料(S1~S4)の、4つの分析試験(T1~T4)への初期割り当て100を示す表である。図7Bは、図7Aの分析試験T1~T4の試験仕様300のそれぞれに関して、医療試料S1~S4の試料品質メトリックのそれぞれのコンプライアンスステータス(YまたはN、準拠および非準拠にそれぞれ対応)を示す表である。図7Cは、医療試料S1~S4の、分析試験T1~T4への修正された割り当てを示す表である。図7Aと同様に、図8Aは、4つの医療試料S1~S4の、4つの分析試験T1~T4への初期割り当て100を示す表であるが、図8Aは、各試験が実行されるべき優先度を示す分析試験の優先順位も含み、試験T2が最高(実行するのに最も重要)にランク付けされ、試験T4が最低(実行するのに最も重要でない)にランク付けされている。図7Bと同様に、図8Bは、図8Aの分析試験T1~T4の試験仕様300のそれぞれに関して、医療試料S1~S4の試料品質メトリックのそれぞれのコンプライアンスステータス(YまたはN、準拠および非準拠にそれぞれ対応)を示す表である。図8Cおよび図8Dは、医療試料の、分析試験T1~T4への代替の修正された割り当てを有する表である。
【0096】
図6のステップS100、S300、S500、S800およびS900は、図2に関連して上述したステップS100、S300、S500、S800およびS900と同じであり、したがって、これらのステップの説明は図6の説明から省略される。
【0097】
図6のフローチャートは、ステップS500でのチェックがイエスである場合、図6のフローチャートがステップS600に進むという点で図2のフローチャートとは異なり、初期割り当て100における各医療試料について、その試料品質メトリックが、初期割り当て100におけるその割り当てられた分析試験以外の初期割り当て100における各分析試験の分析試験仕様300に違反しているかどうかが判定される。ステップS600は、図3のシステム10内のコンプライアンスモジュール12によって行われる。図6では、ステップS600は、各医療試料を評価するための反復ループを構成する複数のサブステップS610~S650を含むように示されている。ステップS610において、反復プロセスのカウンタiが0に設定される。ステップS620において、n個の医療試料から医療試料iが選択される。次いで、ステップS630は、医療試料iの試料品質メトリックが、初期割り当て100において割り当てられなかった試験の分析試験仕様300に違反しているかどうかを評価することを含み、その結果が記録される。次いで、ステップS640は、すべての医療試料が考慮されたかどうかをチェックし、医療試料がすべて考慮されていない場合、方法はステップS650を介してステップS620に戻り、次の医療試料を選択し、医療試料がすべて考慮された場合、ステップS600は完了する。
【0098】
図7Aおよび図7Bを参照すると、図7Aの初期割り当て100の場合、図7Aおよび図7Bが示すように、試料S2は最初に試験T2に割り当てられるが、S2の試料品質統計値はT2の試験仕様300に違反しているため、ステップS500のチェックはイエスであり、方法はステップS600に進むことを意味する。図6のステップS600は、試料S1の試料品質メトリックが分析試験T2~T4の試験仕様300に違反しているかどうか(図7AではS1がT1に割り当てられているため)、試料S2の試料品質メトリックが分析試験T1、T3およびT4の試験仕様300に違反しているかどうか(図7AではS2がT2に割り当てられているため)、試料S3の試料品質メトリックが分析試験T1、T2およびT4の試験仕様300に違反しているかどうか(図7AではS3がT3に割り当てられているため)、および試料S4の試料品質メトリックが分析試験T1~T3の試験仕様300に違反しているかどうか(図7AではS4がT4に割り当てられているため)を判定するものとして理解することができる。ステップS600の結果が図7Bに示されており、試料S2は試験T4に準拠しており、試料S4は試験T2に準拠しているが、それ以外の場合は、医療試料は初期割り当て100において割り当てられなかった試験に準拠していない。
【0099】
ステップS600に続いて、図6のフローチャートはステップS700に進み、図3のシステム10の最適化モジュール11によって緩和措置がとられる。図6のステップS700によって表される緩和措置は、ステップS500におけるイエスの判定に応答してとられ得る緩和措置の一例である。図6のステップS700は、複数のサブステップS710~S760を含む。
【0100】
最初に、ステップ710において、試料品質メトリックが初期割り当て100におけるすべての分析試験のすべての試験仕様300に違反している医療試料が初期割り当て100にあるかどうかがチェックされる。例として、図7Bの表は、試料S1~S4のそれぞれが試験T1~T4の少なくとも1つの試験に準拠しているため、初期割り当てにおける試験仕様300のすべてに違反する試料を含まない(その試験が初期割り当て100において試料が割り当てられた試験でない場合であっても)。対照的に、図8Bでは、試料S2は、初期割り当て100に列挙されたすべての試験T1~T4の試験仕様300に違反していることが示されている。したがって、ステップS710でのチェックは、図7Bの試料および試験ではノーとして、図8Bの試料および試験ではイエスとして回答される。
【0101】
最初に図7Bの試料および試験の例を考慮すると、方法はステップS750に進み、初期割り当て100と比較して発生する試験仕様300の違反の総数を減らすために、医療試料の分析試験への割り当てが修正される。初期割り当て100を修正するプロセスは、試料品質の統計が初期割り当て100において割り当てられた分析試験の分析試験仕様300に違反している医療試料を識別することをさらに含んでもよく、試料S2は、試験T2の分析試験仕様に違反する試料品質統計値を有する。ステップS750は、医療試料S2について、初期割り当て100においてその割り当てられた分析試験以外に、その試料品質メトリックが分析試験仕様300に違反していない代替の分析試験があるかどうかを識別することをさらに含み得て、図7Bの場合、S2の試料品質統計値は、試験T4の試験仕様300に違反していない。試験T4は、初期割り当て100において医療試料S4が割り当てられており(図7A参照)、試料S4は、試験T2およびT4の試験仕様300に準拠している(図7B参照)。したがって、最初に割り当てられた試験に準拠していない試料S2が、試料S2が準拠する代替の分析試験T4に再割り当てされるように、また、その試料がT4に割り当てられためS2によって置き換えられた試料S4が、T2に再割り当てされるように、割り当てを修正することが可能であり、試料S4は、T2の試験仕様300に準拠する。修正された割り当てを図7Cの表に示す。したがって、初期割り当て100に列挙されたすべての分析試験は、試料品質の統計値がそれぞれの試験仕様300を満たす医療試料に対して実行され得て、初期割り当て100に列挙されたすべての医療試料がこれらの分析試験を行う際に使用される。
【0102】
図7A図7Cに示す例では、試料S2が再割り当てされる代替の分析試験T4は、初期割り当て100に存在する分析試験である。
【0103】
図8Bの試料および試験の例を考慮すると、試料S2は初期割り当て100における試験T1~T4のすべての分析試験仕様に違反しているため、方法は図6のステップS710からステップS720に進む。ステップS720において、試料S2が初期割り当て100に存在しない代替の分析試験に準拠しているかどうかがチェックされる。例えば、最初に割り当てられた試験T2と同じ目的で(場合によっては同じパラメータを取得するために)行われる代替の試験であるが、試験仕様試料S2の試料品質メトリックが準拠する代替の試験があるかどうかがチェックされる。このような代替の分析試験を識別することが可能である場合、方法はステップS760に進み、試料S2が初期割り当て100に存在しない代替の分析試験に割り当てられる。初期割り当て100にない代替分析試験への医療試料の割り当てに続いて、方法はステップS750に進み、違反の総数をさらに減少させようと試みるために、試料への試験の割り当てを修正することがさらに試みられる。しかしながら、ステップS740の後に違反の総数が現在ゼロであることも可能であり、その場合、割り当てはステップS750においてさらに修正されない。
【0104】
しかしながら、図8A図8Dの場合、このような代替の分析試験は識別されず、したがって、方法は図6のステップS730に進む。ステップS730において、医療試料S2は、その試料品質メトリックが、初期割り当て100における試験、および初期割り当てにない代替の分析試験の試験仕様300のすべてに違反し、したがって使用されないため、試験への試料の割り当てから除去される。続いて、ステップS740において、試料S2を置き換えるために新しい医療試料が要求される。新しい医療試料の要求は、いくつかの異なる方法で実行されてもよい。図8Cに示す1つの選択肢は、完全に新しい試料、この場合は試料S5が要求されることである。新しく要求された試料S5のコンプライアンスステータスも、その試料S5が割り当てられる分析試験に関して決定されてもよい。図8Dに示される代替の選択肢は、1つの医療試料を2つ以上の分析試験に割り当てることである。複数の分析試験内の分析試験が試料を変更する場合、複数の分析試験への1つの医療試料の割り当ては、複数の分析試験に割り当てられた医療試料からのアリコートの作成を指示することを含み得る。しかしながら、複数の分析試験が試料を変更しない場合(例えば、分光分析試験)、複数の分析試験への医療試料の割り当ては、アリコートの作成を必要としない場合がある。図8Dでは、試料S4は、(試料S4が最初に割り当てられ、準拠している)試験T4に割り当てられ、試料S4のアリコート(図8DのS4’で示される)は、試料S4の試料品質メトリックも試験T2の分析試験仕様300(図8Bを参照)に準拠しているため、試料S2を置き換えるために試験T2に割り当てられる。
【0105】
さらに、上述したように、図8A図8Cおよび図8Dでは、分析試験の優先順位が提供されており、各試験が実行されるべき優先度を示す。図8Cの修正された割り当てを提供するために割り当てを修正するステップは、優先順位に基づいていた。これは、図8Cの割り当てによって見ることができ、最も高い優先度の試験である試験T2に対して新しい試料が要求されるのではなく、試料S4が試験T2に再割り当てされ、要求された新しい試料S5が試験T2よりも低い優先順位を有する試験T4に割り当てられる。このようにして、新しい試料の要求および取得に関連付けられた任意のタイムラグは、試験T2ではなく試験T4を実行する能力を遅延させ、これは試験T2がより高い優先度を有する場合に好ましい。優先順位は、加重和、例えば、所与の試料が所与の試験にどの程度適しているか、試験が「URGENT」ステータスを与えられるかどうか、試料の体積のどの割合が所与の試験によって使用されるか、試験結果を取得する時間感度;試験結果が、例えば診断のために、必須であるか、または補助的であるかどうか、を含む要因に基づく重み付き和であってもよい。典型的には、優先順位は、試験発注者の好みおよび/または検査室の好みに基づく。
【0106】
新しい医療試料の要求に続いて、方法はステップS750に進み、違反の総数をさらに減少させようと試みるために、試料への試験の割り当てを修正することがさらに試みられる。しかしながら、ステップS740の後に違反の総数が現在ゼロであることも可能であり、その場合、割り当てはステップS750でさらに修正されない。
【0107】
本明細書で使用される「検査室器具」という用語は、1つもしくは複数の生物学的試料および/または1つもしくは複数の試薬に対して1つもしくは複数の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能なあらゆる装置または装置構成要素を包含する。「器具」という用語は、分析前の器具、分析後の器具、また分析器具も包含する。
【0108】
本明細書で使用される「分析器」/「分析器具」という用語は、測定値を取得するように構成されたあらゆる装置または装置構成要素を包含する。分析器は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的または他の技術的手順を介して、試料またはその成分のパラメータ値を決定するように動作可能である。分析器は、試料または少なくとも1つの分析物のパラメータを測定し、得られた測定値を返すように動作可能であってもよい。分析器によって返される可能性のある分析結果のリストには、試料中の分析物の濃度、試料中の分析物の存在(検出レベルを超える濃度に対応する)を示すデジタル(イエスまたはノー)結果、光学パラメータ、DNAまたはRNA配列、タンパク質または代謝産物の質量分析から得られたデータ、および様々なタイプの物理的または化学的パラメータが含まれるが、これらに限定されない。分析器具は、試料および/または試薬のピペット操作、投与、および混合を補助するユニットを備えてもよい。分析器は、分析を行うための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備えてもよい。試薬は、例えば、個々の試薬または試薬群を含む容器またはカセットの形態で準備されてもよく、貯蔵区画またはコンベヤ内の適切な容器または位置に配置されてもよい。これは、消耗品供給ユニットを備えてもよい。分析器は、ワークフローが特定のタイプの分析に最適化されたプロセスおよび検出システムを備えてもよい。このような分析器の例としては、化学的または生物学的反応の結果を検出し、あるいは化学的または生物学的反応の進行をモニタリングするために使用される臨床化学分析器、凝固化学分析器、免疫化学分析器、尿分析器、核酸分析器がある。
【0109】
本明細書で使用される「分析前の器具」という用語は、遠心分離、再懸濁(例えば、混合またはボルテックスによる)、キャッピング、デキャッピング、再キャッピング、仕分け、チューブタイプの識別、試料品質の決定、および/または分注ステップを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の分析前のワークフローステップを実行するように構成されたあらゆる装置または装置構成要素を包含する。そのステップは、化学物質または緩衝液を試料に添加すること、試料を濃縮すること、試料を培養することなどを含み得る。
【0110】
本明細書で使用される「分析後の器具」という用語は、試料の取り出し、搬送、再キャッピング、デキャッピング、一時的保存/バッファリング、保存(冷蔵または非冷蔵)、回収、および/または廃棄を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の分析後のワークフローステップを実行するように構成されたあらゆる装置または装置構成要素を包含する。
【0111】
本明細書で使用される「ポイントオブケア機器」という用語は、(限定はしないが)血糖試験、凝固試験、血液ガスおよび電解質分析、尿試験、心臓マーカー分析、ヘモグロビン診断、感染症疾患試験、コレステロールスクリーニング、または核酸試験のNATなどのポイントオブケア環境で使用されるあらゆる分析器を包含する。結果は、1つまたは複数のPOC分析器/デバイス上で直接確認されてもよく、またはヘルスケア情報管理システムに送信され表示されてもよい。
【0112】
本明細書で使用される「接続された」という用語は、2つ以上の要素間の直接的な通信経路と間接的な通信経路の両方を包含する。通信経路は、有線接続などの物理的エンティティを介して提供されてもよく、またはネットワークなどの非物理的通信システムを介して提供されてもよい。
【0113】
上記の実施形態のシステムおよび方法は、記載された構造的構成要素およびユーザインタラクションに加えて、コンピュータシステム(特に、コンピュータハードウェアまたはコンピュータソフトウェア)に実装されてもよい。
【0114】
「コンピュータシステム」という用語は、上述した実施形態によるシステムを具現化するかまたは方法を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、およびデータ記憶装置を含む。例えば、コンピュータシステムは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、およびデータ記憶装置を備えてもよい。コンピュータシステムは、視覚出力表示を提供するモニタを有してよい。データ記憶装置は、RAM、ディスクドライブ、または他のコンピュータ可読媒体を備えてもよい。コンピュータシステムは、ネットワークによって接続され、そのネットワークを介して互いに通信することができる複数のコンピューティングデバイスを含んでもよく、このような場合、コンピュータネットワークと呼ばれることがある。
【0115】
上記の実施形態の方法は、コンピュータプログラムとして提供されてもよく、あるいはコンピュータ上で実行されると、上記の1つまたは複数の方法を実行するように構成されたコンピュータプログラムを担持するコンピュータプログラム製品またはコンピュータ可読媒体として提供されてもよい。
【0116】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定されることなく、コンピュータまたはコンピュータシステムによって直接読み取られ、アクセスされ得る任意の非一過性媒体を含む。媒体としては、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、光ディスクまたはCD-ROMなどの光記憶媒体、RAM、ROM、およびフラッシュメモリを含むメモリなどの電気的記憶媒体、ならびに磁気/光学記憶媒体などの上記のハイブリッドおよび組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
以上の説明、または以下の特許請求の範囲、あるいは添付の図面に開示され、具体的な形態で表現されるか、または開示された機能を実行するための手段または開示された結果を得るための方法もしくはプロセスに関して表現された特徴は、必要に応じて、個別に、またはこのような特徴の任意の組合せにおいて、本発明を多様な形態で実現するために利用され得る。
【0118】
本発明は上述した例示的な実施形態と併せて説明されてきたが、本開示が与えられると、多くの同等の修正および変形は当業者にとって明らかであろう。したがって、上述した本発明の例示的な実施形態は、例示的なものであり、限定的ではないとみなされる。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更が行われてもよい。
【0119】
誤解を避けるために、本明細書に提供されるあらゆる理論的説明は、読者の理解を向上させる目的で提供されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれによっても拘束されることを望まない。
【0120】
本明細書で使用されるいかなる項目の見出しも、構成上の目的のみのためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0121】
以下の特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「備える(comprise)」および「含む(include)」という語、ならびに「備える(comprises)」、「含む(comprising)」、および「含んでいる(including)」などの変形形態は、記載された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップ群を包含するが、任意の他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップ群を排除することを意味しないと理解される。
【0122】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現されることがある。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって、値が近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関する「約」という用語は任意であり、例えば+/-10%を意味する。
【符号の説明】
【0123】
10 分析試験管理システム
11 最適化モジュール
12 コンプライアンスモジュール
13 I/Oモジュール
14 データベース
20 検査室スケジューリングシステム
30 表示手段
40 第三者
100 初期割り当て
200 試料データ
300 試験仕様
310 試験供給業者データ
320 容器製造業者データ
330 オペレータ入力データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
【外国語明細書】