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特開2024-160996回転炉のための駆動シャフトアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160996
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】回転炉のための駆動シャフトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F27B 7/26 20060101AFI20241108BHJP
   F27B 7/08 20060101ALN20241108BHJP
   G21C 3/62 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
F27B7/26
F27B7/08
G21C3/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074595
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】18/142,275
(32)【優先日】2023-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519461772
【氏名又は名称】エックス-エナジー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス リンネン
【テーマコード(参考)】
4K061
【Fターム(参考)】
4K061AA07
4K061BA09
(57)【要約】
【課題】ウランセラミック燃料が投入された坩堝を壊れることなく回転させるために十分な強度である二部品構成の二次駆動シャフトを提供する。
【解決手段】
本開示は、回転炉のための駆動シャフトアセンブリを対象とする。一つの形態において、回転炉は、坩堝と駆動シャフトアセンブリとを備える。駆動シャフトアセンブリは、一次シャフトと、一次シャフトに結合された二次シャフトとを備える。二次シャフトは、耐熱合金を含む第1の部分であって、第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第1の部分の第1の端部は、一次シャフトに結合するように構成される、第1の部分と、グラファイトを含む第2の部分であって、第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第2の部分の第1の端部は、第1の部分の第2の端部に結合するように構成され、第2の部分の第2の端部は、坩堝に結合するように構成される、第2の部分とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転炉のための駆動シャフトアセンブリであって、
耐熱合金を含む第1の部分であって、前記第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の部分の前記第1の端部は、前記回転炉の前記駆動シャフトアセンブリの一次シャフトに結合するように構成される、第1の部分と、
グラファイトを含む第2の部分であって、前記第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第2の部分の前記第1の端部は、前記第1の部分の前記第2の端部に結合するように構成され、前記第2の部分の前記第2の端部は、前記回転炉の坩堝に結合するように構成される、第2の部分と
を備える二次シャフト
を備える、駆動シャフトアセンブリ。
【請求項2】
前記耐熱合金は、タングステン、タンタル、モリブデン、チタン-ジクロニウム-モリブデン、ハフニウム、又はニオブのうちの一つである、請求項1に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項3】
前記駆動シャフトの前記第1及び第2の部分は、互いにねじにより結合される、請求項1に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の部分の前記第2の端部は、円筒状開口を有し、前記円筒状開口の内壁の少なくとも一部分は、ねじ山が切られ、
前記第2の部分の前記第1の端部は、前記第1の部分の前記第2の端部の前記円筒状開口に受容される大きさを有する円筒状部分を有し、
前記第2の部分の前記第1の端部の前記円筒状部分の外部の少なくとも一部分は、ねじ山が切られ、前記第1の部分の前記円筒状開口の前記内壁のねじ山及び前記第2の部分の前記円筒状部分の前記外部のねじ山は、前記第2の部分の前記第1の端部が前記第1の部分の前記第2の端部の前記円筒状開口に受容されたとき、互いに係合するよう構成される、請求項3に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項5】
前記第2の部分は、
円筒状部分と、
前記円筒状部分に隣接する矩形状部分と、
前記矩形状部分に隣接する丸形状部分と
を有する、請求項1に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項6】
前記二次シャフトの前記第1の部分は、空気通路を有し、
前記二次シャフトの前記第2の部分は、空気通路を有し、
前記二次シャフトの前記第1の部分が前記二次シャフトの前記第2の部分に結合されたとき、前記第1の部分の前記空気通路は、少なくとも気体が前記二次シャフトを通って流動し得るように前記第2の部分の前記空気通路と連通し、
前記第1の部分の前記空気通路及び前記第2の部分の前記空気通路の内径は、少なくとも3インチである、請求項1に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項7】
前記二次シャフトが前記回転炉の前記一次シャフトに結合されたとき、前記二次シャフトの前記第1の部分の前記空気通路は、前記一次シャフトの空気通路と連通し、
前記駆動シャフトの前記第1の部分は、液体が前記一次シャフトから前記二次シャフトに進入することを防止するように構成された構造を有する、請求項6に記載の駆動シャフトアセンブリ。
【請求項8】
回転炉であって、
坩堝と、
駆動シャフトアセンブリであって
一次シャフトと、
前記一次シャフトに結合された二次シャフトと
を備え、前記二次シャフトは、
耐熱合金を含む第1の部分であって、前記第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の部分の前記第1の端部は、前記一次シャフトに結合するように構成される、第1の部分と、
グラファイトを含む第2の部分であって、前記第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第2の部分の前記第1の端部は、前記第1の部分の前記第2の端部に結合するように構成され、前記第2の部分の前記第2の端部は、前記坩堝に結合するように構成される、第2の部分と
を備える、
回転炉。
【請求項9】
前記耐熱合金は、タングステン、タンタル、モリブデン、チタン-ジクロニウム-モリブデン、ハフニウム、又はニオブのうちの一つである、請求項8に記載の回転炉。
【請求項10】
前記二次シャフトの前記第1及び第2の部分は、互いにねじにより結合される、請求項8に記載の回転炉。
【請求項11】
前記二次シャフトの前記第1の部分の前記第2の端部は、円筒状開口を有し、前記円筒状開口の内壁の少なくとも一部分は、ねじ山が切られ、
前記二次シャフトの前記第2の部分の前記第1の端部は、前記第1の部分の前記第2の端部の前記円筒状開口に受容される大きさを有する円筒状部分を有し、
前記第2の部分の前記第1の端部の前記円筒状部分の外部の少なくとも一部分は、ねじ山が切られ、前記第1の部分の前記円筒状開口の前記内壁のねじ山及び前記第2の部分の前記円筒状部分の前記外部のねじ山は、前記第2の部分の前記第1の端部が前記第1の部分の前記第2の端部の前記円筒状開口に受容されたとき、互いに係合するよう構成される、請求項10に記載の回転炉。
【請求項12】
前記二次シャフトの前記第2の部分は、
前記第2の部分の前記第2の端部の遠位端部に位置する丸形状部分であって、前記丸形状部分は、前記坩堝が前記二次シャフトの前記第2の部分の前記第2の端部の少なくとも一部分を受容したときに前記坩堝の第1の端部との間に封止を作るように構成される、前記丸形状部分と、
前記丸形状部分に隣接する矩形状部分であって、前記矩形状部分は、前記坩堝が前記二次シャフトの前記第2の部分の前記第2の端部の少なくとも一部分を受容したときに前記坩堝の前記第1の端部の相補的に形作られた開口と係合するように構成される、前記矩形状部分と
を有する、請求項8に記載の回転炉。
【請求項13】
前記一次シャフトに結合された駆動モータであって、前記駆動モータは、前記一次シャフトを回転させるように構成される、前記駆動モータ
を更に備え、
前記一次シャフトの回転が、前記二次シャフトを回転させ、
前記二次シャフトの回転が、前記坩堝を回転させる、請求項12に記載の回転炉。
【請求項14】
前記坩堝の回転が、前記二次シャフトを回転させ、
前記二次シャフトの回転が、前記一次シャフトを回転させる、請求項12に記載の回転炉。
【請求項15】
前記一次シャフトに結合された後退ばねローダ
を更に備える、請求項14に記載の回転炉。
【請求項16】
前記二次駆動シャフトの前記第1の部分は、空気通路を有し、
前記二次駆動シャフトの前記第2の部分は、空気通路を有し、
前記二次駆動シャフトの前記第1の部分が前記二次駆動シャフトの前記第2の部分に結合されたとき、前記第1の部分の前記空気通路は、少なくとも気体が前記二次駆動シャフトを通って流動し得るように前記第2の部分の前記空気通路と連通し、
前記第1の第2の前記空気通路及び前記第2の部分の前記空気通路の内径は、少なくとも3インチである、請求項8に記載の回転炉。
【請求項17】
前記二次シャフトが前記坩堝に結合されたとき、気体が、
前記二次シャフトの前記第1の部分の前記空気通路から前記二次シャフトの前記第2の部分の前記空気通路内へ、及び前記坩堝の内部へ流動する、又は、
前記坩堝の前記内部から前記二次シャフトの前記第2の部分の前記空気通路内へ、及び前記二次シャフトの前記第1の部分の前記空気通路内へ流動する
のうちの少なくとも一つである、請求項16に記載の回転炉。
【請求項18】
第2の駆動シャフトアセンブリであって
第2の一次シャフトと、
前記第2の一次シャフトに結合された第2の二次シャフトと
を備え、前記第2の二次シャフトは、
耐熱合金を含む第1の部分であって、前記第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の部分の前記第1の端部は、前記第2の一次駆動シャフトに結合するように構成される、第1の部分と、
グラファイトを含む第2の部分であって、前記第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記第2の部分の前記第1の端部は、前記第2の二次シャフトの前記第1の部分の前記第2の端部に結合するように構成され、前記第2の部分の前記第2の端部は、前記坩堝に結合するように構成される、第2の部分と
を備える、第2の駆動シャフトアセンブリ
を更に備え、
前記二次シャフトの前記第2の端部は、前記坩堝の第1の端部に結合し、前記第2の二次シャフトの前記第2の端部は、前記坩堝の第2の端部に結合する、請求項8に記載の回転炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
回転炉は、継続的な混合過程において、材料を高温まで上昇させるために使用されるデバイスである。
【背景技術】
【0002】
回転炉は坩堝などの円筒状容器を含み、これは水平状態から傾けられてもよく、傾けられなくてもよい。動作中に、坩堝は、材料が投入され、加熱され、その長手軸の周りで回転される。回転炉がウランセラミック燃料の変換のために利用されるとき、坩堝を回転させる駆動トレインに問題が生じることがある。ウランセラミック燃料が投入された坩堝の重量からのトルクに起因して、従来の高温回転炉における駆動トレインの駆動シャフトは頻繁に壊れてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上述された問題に対処するものであり、ウランセラミック燃料が投入された坩堝を壊れることなく回転させるために十分な強度である二部品構成の二次駆動シャフトを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本開示は、回転炉のための駆動シャフトを提供する。いくつかの実施態様において、回転炉のための駆動シャフトは、第1の部分と第2の部分とを備える二次シャフトを備える。二次シャフトの第1の部分は、耐熱合金を含み、第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第1の部分の第1の端部は、回転炉の駆動シャフトアセンブリの一次シャフトに結合するように構成される。二次シャフトの第2の部分は、グラファイトを含み、第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第2の部分の第1の端部は、第1の部分の第2の端部に結合するように構成され、第2の部分の第2の端部は、回転炉の坩堝に結合するように構成される。
【0005】
いくつかの実施態様において、第1の部分の耐熱合金は、タングステン、タンタル、モリブデン、チタン-ジクロニウム-モリブデン、ハフニウム、又はニオブのうちの一つである。
【0006】
いくつかの実施態様において、二次シャフトの第2の部分は、円筒状部分と、円筒状部分に隣接する矩形状部分と、矩形状部分に隣接する丸形状部分とを有する。
【0007】
いくつかの実施態様において、二次シャフトの第1の部分は、空気通路を有し、二次シャフトの第2の部分は、空気通路を有し、二次シャフトの第1の部分が二次シャフトの第2の部分に結合されたとき、第1の部分の空気通路は、少なくとも気体が二次シャフトを通って流動し得るように第2の部分の空気通路と連通し、第1の第2の空気通路及び第2の部分の空気通路の内径は、少なくとも3インチである。
【0008】
別の態様において、本開示は回転炉を提供する。いくつかの実施態様において、回転炉は、坩堝と駆動シャフトアセンブリとを備える。駆動シャフトアセンブリは、一次シャフトと、一次シャフトに結合された二次シャフトとを備える。二次シャフトは、耐熱合金を含む第1の部分を備え、第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第1の部分の第1の端部は、一次シャフトに結合するように構成される。二次シャフトは、グラファイトを含む第2の部分を更に備え、第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第2の部分の第1の端部は、第1の部分の第2の端部に結合するように構成され、第2の部分の第2の端部は、坩堝に結合するように構成される。
【0009】
いくつかの実施態様において、耐熱合金は、タングステン、タンタル、モリブデン、チタン-ジクロニウム-モリブデン、ハフニウム、又はニオブのうちの一つである。
【0010】
いくつかの実施態様において、二次シャフトの第2の部分は、第2の部分の第2の端部の遠位端部に位置する丸形状部分であって、丸形状部分は、坩堝が二次シャフトの第2の部分の第2の端部の少なくとも一部分を受容したときに坩堝の第1の端部との間に封止を作るように構成される、丸形状部分と、丸形状部分に隣接する矩形状部分であって、矩形状部分は、坩堝が二次シャフトの第2の部分の第2の端部の少なくとも一部分を受容したときに坩堝の第1の端部の相補的に形作られた開口と係合するように構成される、矩形状部分とを有する。
【0011】
いくつかの実施態様において、二次駆動シャフトの第1の部分は、空気通路を有し、二次駆動シャフトの第2の部分は、空気通路を有し、二次駆動シャフトの第1の部分が二次駆動シャフトの第2の部分に結合されたとき、第1の部分の空気通路は、少なくとも気体が二次駆動シャフトを通って流動し得るように第2の部分の空気通路と連通し、第1の第2の空気通路及び第2の部分の空気通路の内径は、少なくとも3インチである。
【0012】
いくつかの実施態様において、二次シャフトが坩堝に結合されたとき、気体が、二次シャフトの第1の部分の空気通路から二次シャフトの第2の部分の空気通路内へ、及び坩堝の内部へ流動する、又は、坩堝の内部から二次シャフトの第2の部分の空気通路内へ、及び二次シャフトの第1の部分の空気通路内へ流動する、のうちの少なくとも一つである。
【0013】
いくつかの実施態様において、回転炉は、第2の駆動シャフトアセンブリを更に備え、第2の駆動シャフトアセンブリは、第2の一次シャフトと、第2の一次シャフトに結合された第2の二次シャフトとを備える。
【0014】
第2の二次シャフトは、耐熱合金を含む第1の部分であって、第1の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第1の部分の第1の端部は、第2の一次駆動シャフトに結合するように構成される、第1の部分と、グラファイトを含む第2の部分であって、第2の部分は、第1の端部と第2の端部とを有し、第2の部分の第1の端部は、第2の二次シャフトの第1の部分の第2の端部に結合するように構成され、第2の部分の第2の端部は、坩堝に結合するように構成される、第2の部分とを備え、二次シャフトの第2の端部は、坩堝の第1の端部に結合し、第2の二次シャフトの第2の端部は、坩堝の第2の端部に結合する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】回転炉の断面側面図である。
図2】一次シャフトと、二次シャフトと、坩堝の一端部とを含む回転炉の一部分の拡大図である。
図3a図3aは、二次シャフトの第1の部分の斜視図である。
図3b図3bは、二次シャフトの第1の部分の背面図である。
図3c図3cは、二次シャフトの第1の部分の断面側面図である。
図3d図3dは、二次シャフトの第1の部分の正面図である。
図3e図3eは、一次シャフトと二次シャフトの第1の部分との間の接続部の拡大図であって、液体が一次シャフトから二次シャフトに進入することを防止する構造を示す。
図4a図4aは、二次シャフトの第2の部分の斜視図である。
図4b図4bは、二次シャフトの第2の部分の背面図である。
図4c図4cは、二次シャフトの第2の部分の断面側面図である。
図4d図4dは、二次シャフトの第2の部分の正面図である。
図5a図5aは、駆動シャフトアセンブリの二次シャフトの第2の部分に結合された駆動シャフトアセンブリの二次シャフトの第1の部分の側面図である。
図5b図5bは、駆動シャフトアセンブリの二次シャフトの第2の部分に結合された駆動シャフトアセンブリの二次シャフトの第1の部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、回転炉のための駆動シャフトアセンブリを対象とする。ウランセラミック燃料が投入された坩堝を回転させたときにドラフトシャフトアセンブリが壊れてしまうという上述された問題に対処するために、本開示において開示される駆動シャフトアセンブリの実施態様は、少なくとも二つの部分を備える二次シャフトを利用する。第1の部分は、駆動シャフトを強化する第1の材料を含み、第2の部分は、坩堝の単純化された搬入及び搬出を提供する第2の材料を含む。加えて、本開示において開示される駆動シャフトアセンブリの実施態様は、ウランセラミック燃料を変換するときに目詰まりを低減する改善された空気通路を提供する。
【0017】
図1は、回転炉100の断面側面図である。いくつかの実施態様において、回転炉100は、第1の駆動シャフトアセンブリ102と、後退ばねローダ104と、ホットゾーン炉106と、坩堝108と、第2の駆動シャフトアセンブリ110と、駆動モータ112とを含む。
【0018】
後退ばねローダ104は、第1のドラフトシャフトアセンブリ102に結合され、第1の駆動シャフトアセンブリ102を第1の駆動シャフトアセンブリ102が坩堝108の第1の端部と係合される位置から後退位置へと後退させるように構成される。後退ばねローダ104は、更に、第1の駆動シャフトアセンブリ102を後退位置から第1の駆動シャフトアセンブリ102が坩堝108の第1の端部と係合される位置へと戻すように移動させるように構成される。
【0019】
同様に、駆動モータ112は、第2の駆動シャフトアセンブリ110に結合され、第2の駆動シャフトアセンブリ110を第2の駆動シャフトアセンブリ110が坩堝108の第2の端部と係合される位置から後退位置へと後退させるように構成される。駆動モータ112は、更に、第2の駆動シャフトアセンブリ110を後退位置から第2の駆動シャフトアセンブリ110が坩堝108の第2の端部と係合される元の位置へと戻すように移動させるように構成される。
【0020】
駆動モータ112は、更に、第2の駆動シャフトアセンブリ110を回転させるように構成され、次に、第2の駆動シャフトアセンブリ110は、第2の駆動シャフトアセンブリ100に結合された坩堝108を回転させ、坩堝108に結合された第1の駆動シャフトアセンブリ102を回転させる。
【0021】
図1において示された回転炉の動作中に、第1及び第2の駆動アセンブリ102、110が後退位置にある間に、坩堝108はホットゾーン炉106から取り外される。坩堝108には、変換のための材料が投入される。ウランセラミック燃料の変換を取り扱う本出願において記載されているような実施態様において、坩堝108には、例えば、二ウラン酸アンモニウム、二酸化ウラン、ウラン炭酸化物(uranium oxycarbide)、窒化ウラン、硝酸ウラニル、U3O8、又はグラファイトと混合された酸化ウランが投入され得る。
【0022】
坩堝108に材料が投入されると、坩堝108はホットゾーン炉106内に設置される。更に、第1及び第2の駆動シャフトアセンブリ102、110は、それらの後退位置から第1の駆動シャフトアセンブリ102が坩堝108の第1の端部と係合し、第2の駆動シャフトアセンブリ110が坩堝108の第2の端部と係合する位置へと移動される。
【0023】
プログラムが材料の変換を開始すると、ホットゾーン炉106が昇温され、それによって坩堝108を加熱する。加えて、駆動モータ112は第2の駆動シャフトアセンブリ110をゆっくりと旋回させる。第2の駆動シャフトアセンブリ110の旋回は坩堝108を旋回させ、これは、追加的に、第1の駆動シャフトアセンブリ102を旋回させる。
【0024】
上記で論じられたように、従来の回転炉がウランセラミック燃料の変換のために利用されるとき、坩堝を回転させる駆動トレインに問題が生じ得る。ウランセラミック燃料が投入された坩堝の重量により、従来の回転炉における駆動トレインの駆動シャフトは、頻繁に壊れてしまう。上述された第1及び第2の駆動シャフトアセンブリ102、110などの回転炉の駆動シャフトアセンブリは、二次シャフト116に結合された一次シャフト114を含み得る。従来の回転炉において、二次シャフト116はグラファイト製である。図2を参照すると、ウランセラミック燃料の変換を実施するとき、二次シャフト116におけるグラファイトの脆弱性により、坩堝108の回転から及ぼされるトルクは、第1及び/又は第2の駆動シャフトアセンブリ102、110の一次シャフト114と二次シャフト116との間の接続ポイント118における又はその近くにおける破壊を頻繁にもたらす。
【0025】
動作中に駆動シャフトアセンブリが壊れてしまうことに加えて、従来の回転炉は、ウランセラミック燃料の変換において利用されたとき、目詰まりの問題に頻繁に遭遇する。変換中にホットゾーン炉106が坩堝108を加熱し、駆動モータ112が坩堝108を旋回させる間に、気体が第2の駆動シャフトアセンブリ110の空気通路から坩堝108の内部へ、次いで第1の駆動シャフトアセンブリ102の空気通路内へと流動する。目詰まりの問題は、典型的には、第1のドラフトシャフトアセンブリ102において、より具体的には、ホットゾーン炉106から離れた二次シャフト116における冷却により、一次シャフト114との接続部に隣接する、二次シャフト116におけるポイント120において発生する。
【0026】
ウランセラミック燃料の変換において、ウランセラミックを様々な酸化物、窒化物、及び炭化物に酸化、還元、及び/又は変換するために気体が利用される。ウランセラミック燃料の変換のために使用される気体としては、例えば、一酸化炭素、窒素、二酸化炭素、水素、及びアンモニアなどがあり得る。
【0027】
ウランセラミック燃料を変換するために回転炉が利用されるときに駆動シャフトアセンブリを壊してしまうという問題及び駆動シャフトアセンブリ内の空気通路の目詰まりの問題に対処するために、本開示は、回転炉のための駆動シャフトアセンブリ102、110を提供し、駆動シャフトアセンブリ102、110の二次シャフト116は、異なる材料を含む二つの部分を備え、駆動シャフトアセンブリ102、110の二次シャフト116は、目詰まりを低減するために十分な大きさである内部空気通路も含む。
【0028】
図3a~図3dは、駆動シャフトアセンブリの二次シャフト116の第1の部分122を示す図であり、図4a~図4dは、駆動シャフトアセンブリの二次駆動シャフトの第2の部分124を示す図であり、図5は、二次シャフト116の第2の部分124に結合された二次シャフト116の第1の部分122の斜視図である。
【0029】
図3a~図3dを参照すると、駆動シャフトアセンブリの二次シャフト116の第1の部分122の本体部は、全体的に、より大きな円筒部128に接続された長細状の円筒部126として形作られる。二次シャフト116の第1の部分122の第1の端部130は、一次シャフト114の端部に結合するように構成される。
【0030】
いくつかの実施態様において、第1の部分122の第1の端部130は、一次シャフト114の端部を受容するように構成された開口134を有し得る。いくつかの実施態様において、開口134を画定する壁部は、一次シャフト114の少なくとも一部の外部に位置する相補的なねじ山を受容しこれと係合するように構成された、ねじ山を含み得る。
【0031】
他の実施態様において、図3eにおいて図示されるように、一次シャフト114は、二次シャフト116の第1の部分122の第1の端部130を受容するように構成された開口を有する。いくつかの実施態様において、一次シャフト114の開口を画定する壁部は、二次シャフト116の第1の部分122の第1の端部130の外部に形成された相補的なねじ山を受容しこれと係合するように構成された、ねじ山を有し得る。この構成のいくつかの実施態様において、二次シャフトの第1の部分122は、しばしば水冷される一次シャフト114から、凝縮する水が二次シャフト116及びホットゾーン炉106内に移動することを防止するように位置する、リップ131などの構成を有する。
【0032】
二次シャフトの第1の部分122の第2の端部132は、二次シャフト116の第2の部分124に結合するように構成される。第1の部分のより大きな円筒部128は、受容されたときに二次シャフト116の第2の部分124の端部の少なくとも一部分と相補的になる大きさを有する領域を有する円筒状開口136を有する。いくつかの実施態様において、円筒状開口136を画定する壁部は、二次シャフトの第2の部分124の少なくとも一部の外部に位置する相補的なねじ山を受容し係合するように構成された、ねじ山を含み得る。
【0033】
駆動アセンブリ102、110の二次シャフト116を強化するために、二次シャフト116の第1の部分122及び第2の部分124は、異なる材料を含む。いくつかの実施態様において、二次シャフト116の第1の部分122は、タングステン、タンタル、モリブデン、又はチタン-ジクロニウム-モリブデン(TZM)などの耐熱合金を含む。当業者は、これらの耐熱合金はしばしば砕けにくいこと、及び砕けやすいものでも、壊れることを回避するのに十分な厚さであること、又は駆動アセンブリ102、110の二次シャフト116がホットゾーン炉106によって加熱されるにつれて著しく酸化することを理解されよう。グラファイトを含む従来の二次駆動シャフト116と比べて、耐熱合金は、二次シャフト116に強度と、坩堝108を回転させるためのトルク要件を処理する性能とを提供する。
【0034】
図4a~図4dを参照すると、駆動アセンブリシャフトの二次シャフト116の第2の部分124の本体部は、全体的に、矩形状に形作られた部分140に隣接する円筒状に形作られた部分138を含み、矩形状に形作られた部分140は、丸形状端部142に隣接する。
【0035】
二次シャフト116の第2の部分124の第1の端部144は円筒状の形状を有し、二次シャフト116の第1の部分112の第2の端部132に結合するように構成される。上述したように、第2の部分124の第1の端部144は、一体に結合されたときに二次シャフト116の第1の部分112の第2の端部132の開口136の大きさと相補的になる大きさを有し得る。加えて、第2の部分124の第1の端部144の外部の少なくとも一部分は、第1の部分124の第2の端部の開口136の壁部のねじ山と係合するように構成されたねじ山を有し得る。
【0036】
二次シャフト116の第2の部分124の第2の端部146は、坩堝108と結合するように構成される。いくつかの実施態様において、矩形状に形作られた部分140は、坩堝108の端部に形成された相補的な矩形状開口と係合するように構成される。他の構成において、矩形状ではなく、例えば、三角形状、五角形状、六角形状などの他の形状が使用され得ることが理解されよう。
【0037】
加えて、二次シャフト116の第2の部分124の丸形状端部142は、坩堝108の端部の相補的に形作られた部分と係合し、坩堝の端部との間に封止を作るように構成される。
【0038】
二次シャフト116の第2の部分124はグラファイトを含む。グラファイトは、二次シャフト116及び坩堝108が加熱されたとき、二次シャフト116の第2の部分124が坩堝108に融着することを防止し、坩堝108を搬入及び搬出するときに使い易さを提供する。加えて、以下においてより詳細に記載されるように、グラファイトは、気体が第2の駆動シャフトアセンブリ110内の空気通路から坩堝108の内部へ、次いで第1の駆動シャフトアセンブリ102内の空気通路内へと流動し得るように、二次シャフト116の第2の部分124が坩堝108と係合したときに効率的な封止を提供する。
【0039】
二次シャフト116の第1の部分122は、第1の部分122を通って気体が流動することを可能とする、第1の部分122の長さにわたって延在する少なくとも一つの空気通路148を含む(図3a~図3dを参照)。同様に、二次シャフト116の第2の部分124は、第2の部分122を通って気体が流動することを可能とする、第2の部分124の長さにわたって延在する少なくとも一つの空気通路150を含む(図4a~図4dを参照)。
【0040】
二次シャフト116の第1の部分122及び第2の部分124は、第1及び第2の部分122、124が一体に結合されたとき、第1の部分122の空気通路148が第2の部分の空気通路150と連通するように構成される(図5を参照)。それ故、気体は、二次シャフト116の第1及び第2の部分122、124を通って流動することができる。
【0041】
二次シャフト116は、更に、二次シャフト116が一次シャフト114に結合されたとき、気体が駆動シャフトアセンブリ102、110を通って流動し得るように、二次シャフト116の空気通路148、150が一次シャフト114の空気通路と連通するように構成される。
【0042】
同様に、二次シャフト116は、更に、二次シャフト116の第2の部分124が坩堝108に結合されたとき、空気が二次シャフト116から坩堝108の内部へと流動し得るように、又は空気が坩堝108の内部から二次シャフト116内へと流動し得るように、第2の部分124の空気通路150が坩堝108の空気通路と連通するように構成される。
【0043】
当業者は、上記のことに鑑みて、第1の駆動シャフトアセンブリ102が坩堝108に結合され、第2の駆動シャフトアセンブリ110が坩堝108に結合されたとき、回転炉100を通って空気流動路が提供されることを理解されよう。特に、気体は、気体入口152において進入し得、第2の駆動シャフトアセンブリ110の空気通路を通って流動し得、坩堝108の内部を通って流動し得、第1の駆動シャフトアセンブリ112の空気通路を通って流動し得、気体出口154から外に流出し得る。
【0044】
上述したように、ウランセラミック燃料の変換中に、従来の回転炉の駆動シャフトアセンブリでは、一次シャフト114との接続部に隣接する二次シャフト116のポイント120において目詰まりの問題が頻繁に発生する。多くの場合、目詰まりは、ホットゾーン炉106から離れた二次シャフトの温度がより低い部分において空気通路に堆積し、目詰まりさせる材料による。ウランセラミック燃料の変換において、堆積する材料は、しばしば、変換中に原材料から蒸発するシリコンなどの不純物である。空気通路に堆積し、目詰まりさせる可能性のある他の材料としては、水、炭素、及び熱分解からの樹脂副産物などがあり得る。
【0045】
この問題に対処するために、いくつかの実施態様において、二次シャフト116の第1の部分122の空気通路148及び第2の部分124の空気通路150は、気体の流動を依然として維持しつつ材料の堆積を許容するように拡大される。いくつかの実施態様において、二次シャフト116の第1及び第2の部分122、124の空気通路148、150の直径は、少なくとも3インチである。
【0046】
ウランセラミック燃料が投入された坩堝を回転させたときにドラフトシャフトが壊れてしまうという問題に対処する回転炉のための駆動シャフトアセンブリの形態が、図1図5に関連して上述されている。いくつかの実施態様において、駆動シャフトアセンブリは、二つの部分を含む二次シャフトを含む。駆動シャフトアセンブリの一次シャフトに結合される二次シャフトの第1の部分において、二次シャフトの強度を増加するために耐熱合金が利用される。回転炉の坩堝に結合される二次シャフトの第2の部分において、坩堝を搬入及び搬出するときに使い易さを提供するためにグラファイトが利用される。加えて、上述された駆動シャフトアセンブリの二次シャフト内の空気通路は、ウランセラミック燃料を変換するときに目詰まりを低減させるように改善されている。
【0047】
本開示の特定の実施形態及び実施態様が本明細書において具体的に記載されたが、本明細書において図示及び説明された様々な実施形態に対する変形及び修正が本開示の精神及び範囲から逸脱することなく行われ得ることは、本開示が関連する技術分野の当業者には明らかであろう。それ故、本開示は、添付の特許請求の範囲及び適用可能な法の原則によって要求される範囲だけに制限されることが意図される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
【外国語明細書】