(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160998
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】無人航空機の翼パイロンシステム
(51)【国際特許分類】
B64U 10/25 20230101AFI20241108BHJP
B64U 30/40 20230101ALI20241108BHJP
B64U 30/10 20230101ALI20241108BHJP
B64U 10/50 20230101ALI20241108BHJP
B64D 9/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B64U10/25
B64U30/40
B64U30/10
B64U10/50
B64D9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074638
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】18/312,336
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504242618
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン エリ ギャンブル
(57)【要約】
【課題】追加の重量及び/又は容積に対応可能なシステムを提供する。
【解決手段】一実施形態では、システム及び方法は、本体と、本体に結合された第1の翼と、本体に結合された第2の翼とを備える航空機を含み、第2の翼は第1の翼よりも大きい長さを有し、第1の翼及び第2の翼の各々は複数のセグメントを備え、第2の翼は翼パイロンシステムを備える。翼パイロンシステムは、第2の翼の複数のセグメントのうちの1つと、ペイロードと、ペイロードを複数のセグメントのうちの1つに結合するパイロンとを備え、パイロンは複数のセグメントのうちの1つの下に配置され、ペイロードはパイロンの下に配置される。航空機の揚力中心と重心とは整列され、各々は、本体の中心軸からオフセットしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機であって、
本体と、
前記本体に結合された第1の翼と、
前記本体に結合され、前記第1の翼の反対側に配置された第2の翼であって、前記第2の翼は、前記第1の翼よりも大きい長さを有し、前記第1の翼及び前記第2の翼の各々は複数のセグメントを備え、前記第2の翼は、翼パイロンシステムを備える、第2の翼と、
を備え、
前記翼パイロンシステムは、
第2の翼の前記複数のセグメントのうちの1つである翼セグメントと、
ペイロードと、
前記ペイロードを前記翼セグメントに結合するパイロンであって、前記パイロンは前記翼セグメントの下に配置され、前記ペイロードは前記パイロンの下に配置される、パイロンと、
を備え、
前記航空機の揚力中心及び重心の各々は、前記本体の中心軸からオフセットしており、前記揚力中心及び前記重心は、整列している、航空機。
【請求項2】
上方及び下方に偏向するように構成された、前記第1の翼に配置された少なくとも1つのエルロンをさらに備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
上方及び下方に偏向するように構成された、前記第2の翼に配置された少なくとも1つのエルロンをさらに備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項4】
前記本体の後方に配置され、前記本体に固定的に結合された水平尾部スタビライザをさらに備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項5】
前記第2の翼は、前記複数のセグメントの数が前記第1の翼よりも多い、請求項1に記載の航空機。
【請求項6】
前記パイロンは、1又は2以上の締結具によって前記翼セグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、追加の1又は2以上の締結具によって前記パイロンに固定されている、請求項1に記載の航空機。
【請求項7】
前記パイロンは、溶接によって前記翼セグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、溶接によって前記パイロンに固定されている、請求項1に記載の航空機。
【請求項8】
前記翼パイロンシステムは、前記ペイロードから離れて延びる、前記ペイロードに結合されたテールコーンをさらに備える、請求項1に記載の航空機。
【請求項9】
翼パイロンシステムであって、
航空機の翼のセグメントと、
ペイロードと
前記ペイロードを前記セグメントに結合するパイロンであって、前記パイロンは前記セグメントの下に配置され、前記ペイロードは前記パイロンの下に配置される、パイロンと、
を備え、
前記翼パイロンシステムは、前記航空機への統合のために構成されており、前記翼パイロンシステムは、前記航空機の前記翼の1又は2以上のセグメントに結合するように構成されている、翼パイロンシステム。
【請求項10】
前記パイロンは、1又は2以上の締結具によって前記セグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、追加の1又は2以上の締結具によって前記パイロンに固定されている、請求項9に記載の翼パイロンシステム。
【請求項11】
前記パイロンは、溶接によってセグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、溶接によってパイロンに固定されている、請求項9に記載の翼パイロンシステム。
【請求項12】
前記ペイロードから離れて延びる、前記ペイロードに結合されたテールコーンをさらに備える、請求項9に記載の翼パイロンシステム。
【請求項13】
航空機であって、
本体と、
前記本体に結合された第1の翼と、
前記本体に結合され、前記第1の翼の反対側に配置された第2の翼であって、前記第2の翼は、複数のセグメントと、翼パイロンシステムとを備える、第2の翼と、
を備え、
前記翼パイロンシステムは、
前記第2の翼の前記複数のセグメントのうちの1つである翼セグメントと、
ペイロードと、
前記ペイロードを前記翼セグメントに結合するパイロンと、
を備え、
前記パイロンは、前記翼セグメントの下に配置され、前記ペイロードは前記パイロンの下に配置されている、航空機。
【請求項14】
前記第2の翼は、前記第1の翼よりも大きい長さを有する、請求項13に記載の航空機。
【請求項15】
上方及び下方に偏向するように構成された、前記第1の翼に配置された少なくとも1つのエルロンをさらに備える、請求項13に記載の航空機。
【請求項16】
上方及び下方に偏向するように構成された、前記第2の翼に配置された少なくとも1つのエルロンをさらに備える、請求項15に記載の航空機。
【請求項17】
前記航空機の揚力中心及び重心の各々は、前記本体の中心軸からオフセットすると共に整列している、請求項13に記載の航空機。
【請求項18】
前記パイロンは、1又は2以上の締結具によって前記翼セグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、追加の1又は2以上の締結具によって前記パイロンに固定されている、請求項13に記載の航空機。
【請求項19】
前記パイロンは、溶接によって前記翼セグメントの下面に固定され、前記ペイロードは、溶接によって前記パイロンに固定されている、請求項13に記載の航空機。
【請求項20】
前記翼パイロンシステムは、前記ペイロードから離れて延びる、前記ペイロードに結合されたテールコーンをさらに備える、請求項13に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無人航空機に関し、より具体的には、無人航空機の翼パイロンシステム(WING PYLON SYSTEM)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の動力源として内燃機関が使用されてきた。無人航空機は、より低コスト、より少ないメンテナンス、及びより小さいシステム質量を目的として、動力を供給するためにバッテリ及び代替動力源又は発電機を使用することができる。航空機の胴体及び翼は通常、目的の重量及び容積を支えるように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、要求が変化すると、追加の必須の重量及び/又は容積という問題が生じる場合がある。
【0004】
本開示の理解を助けるために、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】特定の実施形態による例示的な輸送手段を示す。
【
図2A】特定の実施形態による、
図1の例示的な輸送手段のための例示的な翼パイロンシステムを示す。
【
図2B】特定の実施形態による、
図1の例示的な輸送手段のための例示的な翼パイロンシステムを示す。
【
図3A】特定の実施形態による、例示的な燃料システムを備えた例示的な輸送手段の正面図を示す。
【
図3B】特定の実施形態による、例示的な燃料システムを備えた例示的な輸送手段の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示のより良い理解を助けるために、特定の実施形態の以下の実施例を示す。以下の実施例は、本開示の範囲を限定する又は規定するように解釈されるものではない。本開示の実施形態及びその利点は、
図1から3Bを参照することによって最もよく理解され、同様の番号は、同様の及び対応する要素を示すために使用される。本明細書では、航空機に電力を供給し構造的に支持するための1又は2以上のバッテリの利用を可能にする様々なシステム及び方法を説明する。
【0007】
図1は、例示的な輸送手段100を示す。輸送手段100は、航空機などの輸送用に構成された何らかの適切な輸送手段(vessel)とすることができる。輸送手段100は、本体102(例えば、胴体)、第1の翼104、及び第2の翼106を含むことができる。図示されるように、第1の翼104及び第2の翼106の両方は、本体102に結合することができ、第1の翼104は、第2の翼106の反対側に配置することができる。第1の翼104及び第2の翼106は、本体102から横方向に離れて延びることができ、輸送手段100のための揚力を発生するように構成することができる。輸送手段100は、何らかの適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの何らかの組み合わせとすることができる。実施形態では、本体102は円筒形とすることができ、第1の翼104及び第2の翼106は略矩形とすることができる。図示されるように、輸送手段100は、第1のタンク108をさらに備えることができる。
【0008】
第1のタンク108は、輸送手段100の動力源として使用される燃料を収容又は格納するように使用可能とすることができる。限定されるものではないが、第1のタンク108は、約8.6リットルなどの何らかの適切な体積の燃料を収容するように使用可能とすることができる。実施形態では、燃料は、プロパンのようなエネルギーを生成するための何らかの適切な流体とすることができる。例えば、第1のタンク108は、本体102に流体的に接続され、エネルギーを生成するために消費される燃料を本体102に導くように使用可能とすることができる。図示されるように、第1のタンク108は、第1の翼104に沿って配置することができる。1又は2以上の実施形態では、第1のタンク108は、代替的に、第1の翼104ではなく第2の翼106に沿って配置することができる。限定されるものではないが、第1のタンク108は、締結具、溶接、接着剤、相互連結構成要素、締まり嵌めの使用、及びそれらの何らかの組み合わせを含む何らかの適切な方法によって、第1の翼104又は第2の翼106に固定することができる。実施形態では、適切な締結具は、スタッド、ボルト、ナット、ワッシャー、ねじ、釘、リベット、ブラケット、クランプなどを含むことができる。1又は2つ以上の実施形態では、第1のタンク108は、輸送手段100が消費する燃料を収容するのではなく、輸送手段100によって輸送される何らかの適切なペイロードを収容するように構成することができる。
【0009】
第1のタンク108は、本体102から適当な距離だけオフセットすることができる。第1のタンク108は、何らかの適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの何らかの組み合わせとすることができる。
図1を参照すると、第1のタンク108は略円筒形とすることができる。実施形態では、第1のタンク108は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの何らかの組み合わせを含む、何らかの適切な材料で構成することができる。限定されるものではないが、第1のタンク108は炭素繊維材料で構成することができる。第1のタンク108は、輸送手段100の飛行中に第1のタンク108の周りの空気流の空力特性を改善するように構成されている、第1のタンク108の遠位端に配置されたテールコーン110を備えることができる。
【0010】
図示されるように、輸送手段100は、1又は2以上のエルロン112、第1の尾部スタビライザ114、及び第2の尾部スタビライザ116をさらに備えることができる。1又は2以上のエルロン112は、上方及び下方に偏向するように構成することができる。1又は2以上のエルロン112の各々は、航空機の各翼の後縁の一部を形成するヒンジで連結された飛行制御面とすることができる。1又は2以上のエルロン112は、航空機をロール(又は航空機の長手方向軸の周りの動き)制御するために二つ一組で使用することができる。例えば、第1の翼104に配置された少なくとも1つのエルロン112a及び第2の翼106に配置された少なくとも1つのエルロン112bが存在することができる。エルロン112a、112bは、一方が下方に動かされると他方が上方に動かされるように一対として動作することができ、下がるエルロンはそれぞれの翼の揚力を増加させることができ、上がるエルロンはそれぞれの翼の揚力を減少させることができ、輸送手段100の長手方向軸線に関するローリングモーメントが生じる。
【0011】
第1の尾部スタビライザ114及び第2の尾部スタビライザ116の各々は、本体102の後方又は遠位に配置され、本体102に固定可能に結合することができる。実施形態では、第1の尾部スタビライザ114は、輸送手段100の水平スタビライザとすることができる。第1の尾部スタビライザ114は、輸送手段100の長手方向のバランス(又は「ピッチ」)を維持するために使用することができる。第1の尾部スタビライザ114は、重心の周りのゼロのピッチモーメントの所望の総和を得るために、本体102からの所定の距離で垂直力を作用させることができる。第1の尾部スタビライザ114によって及ぼされる垂直力は、飛行条件によって、詳細には、航空機の揚力係数及び圧力中心の位置に影響を及ぼす翼のたわみに従って、及び重心の位置(これは、航空機の荷重及び燃料消費によって変化する場合がある)によって様々とすることができる。第2の尾部スタビライザ116は、垂直スタビライザとすることができる。第2の尾部スタビライザ116は、方向(又は「ヨー」)安定性をもたらすことができ、固定されたフィンと、フィンの後縁にヒンジで連結された可動制御ラダーとを備えることができる。
【0012】
本開示では、本明細書に記載の方法及びシステムの適用例として輸送手段100の実施例を用いるが、本開示では、第1のタンク108を組み込むことができる何らかの適切な装置又は構造体も想定される。例えば、輸送手段100は、航空機、陸上クラフト、水上クラフト、列車、ホバークラフト、及びヘリコプターを含む何らかのタイプの輸送手段とすることができる。
【0013】
図2A-2Bは、輸送手段100(
図1を参照)のための例示的な翼パイロンシステム200を示す。翼パイロンシステム200は、第1の翼104(
図1を参照)及び/又は第2の翼106(
図1を参照)に統合するように構成されたモジュール式構成要素とすることができる。例えば、第1の翼104及び/又は第2の翼106は、構造的に、それぞれの翼の長さにまたがり、上記翼の構成を構成する複数のセグメント(以下でさらに説明する)を含むことができる。1又は2以上の実施形態では、翼パイロンシステム200は、それらの複数のセグメントの1つとして指定され、第1の翼104及び/又は第2の翼106に組み込むことができる。
【0014】
図示されるように、翼パイロンシステム200は、翼セグメント202、ペイロード204、及びパイロン206を備えることができる。翼セグメント202は、第1の翼104又は第2の翼106の一部とすることができる。翼セグメント202は、第1の翼104又は第2の翼106の何らかの適切な長さを含むことができる。実施形態では、第1の翼104及び/又は第2の翼106は、上記翼構造体を形成するために一緒に結合又は固定される複数のセグメント(ここで、翼セグメント202は複数のセグメントのうちの1つである)に分割すること又は区分化することができる。翼セグメント202は、残りの複数のセグメントと実質的に同一又は類似の寸法を構成することができる。翼セグメント202は、輸送手段100の本体102(
図1を参照)及び/又は第1の翼104又は第2の翼106のいずれかのための残りの複数のセグメントに結合するように構成することができる。実施形態では、翼セグメント202は、締結具、溶接、接着剤、相互連結構成要素、締まり嵌めの使用、及びそれらの何らかの組み合わせ含む何らかの適切な方法によって、第1の翼104又は第2の翼106内に結合しかつしっかりと組み込むことができる。実施形態では、適切な締結具は、スタッド、ボルト、ナット、ワッシャー、ねじ、釘、リベット、ブラケット、クランプなどを含むことができる。
【0015】
実施形態では、パイロン206は、翼セグメント202の下に配置することができる。1又は2以上の実施形態では、パイロン206は、翼セグメント202の上、前、又は後など、翼セグメント202に沿った他の何らかの適切な位置の周りに配置することができる。パイロン206は、航空機のフレーム(すなわち、第1の翼104又は第2の翼106のうちの1つ)を、輸送される物品又は物体(ペイロード204など)に連結するように構成することができる。1又は2以上の実施形態では、パイロン206は、1又は2以上の締結具によって、溶接によって、又はそれらの組み合わせによって、翼セグメント202の下面に固定することができる。パイロン206は、空気抵抗を低減するために空気力学的に設計することができる。パイロン206は、何らかの適切な大きさ、高さ、形状、及びそれらの何らかの組み合わせとすることができる。さらなる実施形態では、パイロン206は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの何らかの組み合わせを含む、何らかの適切な材料から構成することができる。限定されるものではないが、パイロン206は、くさび状アダプタ又はスタブ翼パイロンとすることができる。パイロン206は、ペイロード204を輸送手段100にしっかりと取り付けるように構成することができる。
【0016】
1又は2以上の実施形態では、ペイロード204は、パイロン206の下に配置することができる。1又は2以上の実施形態では、ペイロード204は、パイロン206に沿った他の何らかの適切な位置の周りに配置することができる。ペイロード204は、1又は2以上の締結具によって、溶接によって、又はそれらの組み合わせによってパイロン206に固定することができる。実施形態では、ペイロード204は、上述したように、輸送手段100のための燃料を収容するように構成された第1のタンク108とすることができる。他の実施形態では、ペイロード204は、輸送手段100が消費する燃料を収容するのではなく、輸送手段100によって輸送される何らかの適切なペイロードを収容するように構成することができる。第1のタンク108と同様に、ペイロード204は、何らかの適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの何らかの組み合わせとすることができる。さらなる実施形態では、ペイロード204は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの何らかの組み合わせを含む、何らかの適切な材料で構成することができる。図示されるように、ペイロード204は、テールコーン110を備えることができ、テールコーン110は、ペイロード204の遠位端に配置されており、輸送手段100の飛行中にペイロード204の周りの空気流の空力特性を改善するように構成されている。実施形態では、テールコーン110は、ペイロード204から離れて延びることができる。
【0017】
図3A-3Bは、翼パイロンシステム200の有無による輸送手段100の正面図の比較を示す。例えば、
図3Aに図示される輸送手段100は、翼パイロンシステム200を含んでおらず、
図3Bに図示される輸送手段100は、翼パイロンシステム200を含んでいる。さらにこの実施例では、
図3Aの輸送手段100は、各翼について3つの分割された翼セグメントを有することができ、
図3Bの第2の翼106は、4つの分割された翼セグメントを有することができ、そのうちの1つは翼パイロンシステム200である。1又は2以上の実施形態では、輸送手段100は、典型的には、輸送手段100の中心軸300に一致する揚力中心及び重心を含むことができる。第1のタンク108(
図1を参照)又は何らかの他の同様のペイロードを含むことにより、重心は、
図3Aに示されるように、横方向に移動し、中心軸300からオフセットする場合がある。揚力中心と重心とが一致しない場合、輸送手段100のバランス及び安定性など、輸送手段100の動作に問題が生じる可能性がある。輸送手段100は、第1のタンク108を備えるのではなく、翼パイロンシステム200を組み込むことができる。翼パイロンシステム200を含むことによって、ペイロード204(
図2A-2Bを参照)は、第1のタンク108として機能することができる。翼パイロンシステム200を組み込んだそれぞれの翼は、翼パイロンシステム200を組み込んでいない翼よりも大きな長さを構成することができる。例えば、
図3Bに示されるように、翼パイロンシステム200を組み込んだ第2の翼106は、第1の翼104よりも大きな長さを構成することができる。さらに、翼パイロンシステム200と第2の翼106との統合は、翼の揚力を増加させ、重心と揚力中心の両方を対称方向に移動させて、輸送手段100の揚力と重量のバランスをとることができる。
【0018】
翼パイロンシステム200を備える第2の翼106は、上記翼への重量の影響を相殺することができる。実施形態では、所与の翼への荷重が増加する場合、その翼はより強力に作用する必要があり、より高速で飛行する必要があり、それによってより大きな抗力が生じる。翼パイロンシステム200の追加は、重量の影響を相殺し、翼面荷重を、追加の荷重のない元の航空機の翼面荷重以下に又は実質的に同じに維持することができる。これらの実施形態では、輸送手段100は、オフセットした重心及び揚力に対応するために増加した寸法の第1の尾部スタビライザ114(
図1を参照)をさらに備えることができる。例えば、限定されるものではないが、追加の荷重なしの(すなわち、第1のタンク108を備えていない)輸送手段100の第2の翼106の面積は約13.8ft
2(1.28m
2)であり、輸送手段100の重量は約48ポンド(21.8kg)であり、第2の翼106の翼面荷重は3.5ポンド/ft
2(17.1kg/m
2)である。第1のタンク108が第2の翼106に取り付けられているような、追加の荷重を有する輸送手段100の場合、重心がオフセットされ、輸送手段100の重量が約54ポンド(24.5kg)に増加し、第2の翼106の翼荷重は3.9ポンド/ft
2(19.0kg/m
2)になる場合がある。第2の翼106に含まれる翼パイロンシステム200を有する輸送手段100の場合、第2の翼106の面積は約15.8ft
2(1.47m
2)であり、輸送手段100の重量は約54ポンド(24.5kg)であり、第2の翼106の翼面荷重は3.4ポンド/ft
2(16.6kg/m
2)になる場合がある。
【0019】
本開示は、本明細書に開示された様々な実施形態及び実施例に関してそれぞれ説明された様々な技術的利点のような、多数の利点を提供することができる。他の技術的利点は、添付の図面、明細書、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかであろう。さらに、本開示では特定の利点が列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全て、一部を含む場合、又は全く含まない場合もある。
【0020】
本明細書では、「又は」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、包括的であり限定的ではない。従って、本明細書では、「A又はB」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、「A、B、又はその両方」を意味する。さらに、「及び」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、共同的及び個別的である。従って、本明細書では、「A及びB」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、「共同的又は個別的にAとB」を意味する。
【0021】
本開示の範囲は、当業者であれば理解することができる本明細書に説明し又は図示した例示的な実施形態に対する全ての変更、置換、変形、代替、及び修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書で説明又は図示の例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示は、本明細書でそれぞれの実施形態を特定の構成要素、要素、特徴、機能、作動、又はステップを含むものとして説明して図示したが、これらの実施形態は、いずれも本明細書の何らかの箇所で説明又は図示した構成要素、要素、特徴、機能、作動、又はステップのいずれかに関して当業者が理解することになる何らかの組み合わせ又は並び替えを含むこともできる。さらに特許請求の範囲において、装置又はシステム又は装置又はシステムの構成要素が特定の機能を実行するようになっている、配置される、機能を含む、構成される、有効にされる、作動可能であるか又は作動するという言及は、その装置、システム、又は構成要素がそのようになっている、配置される、機能を含む、構成される、有効にされる、作動可能であるか又は作動する限り、その装置、システム、構成要素又はその特定の機能が起動している、オンになっているか、又はアンロックになっているか否かに関わらずその装置、システム、構成要素を包含する。加えて、本開示は、特定の利点を提供する特定の実施形態を説明又は図示するが、特定の実施形態は、これらの利点を何れも提供しない場合があり、一部又は全て提供する場合がある。
【符号の説明】
【0022】
100 輸送手段
102 本体
104 第1の翼
106 第2の翼
108 第1のタンク
110 テールコーン
112 エルロン
112a 第1のエルロン
112b 第2のエルロン
114 第1の尾部スタビライザ
116 第2の尾部スタビライザ
200 翼パイロンシステム
202 翼セグメント
204 ペイロード
206 パイロン
300 中心軸