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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161011
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】植栽システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20241108BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A01G9/02 B
A01G9/02 E
A01G27/00 502V
A01G27/00 502W
A01G27/00 504Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074872
(22)【出願日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】112116611
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523376567
【氏名又は名称】長煬科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉羽澤
(72)【発明者】
【氏名】楊曜銘
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND02
2B327NE01
2B327NE07
2B327NE09
2B327TA04
2B327TA08
2B327TA14
2B327TC05
2B327TC13
2B327UA08
2B327UA20
2B327UA21
2B327UA26
2B327UA30
(57)【要約】
【課題】植栽システムを提供すること。
【解決手段】植栽システムは、支持手段、少なくとも一つの植栽手段及び水循環手段を含み、前記支持手段は、固定ホルダーを含み、前記固定ホルダーに少なくとも一つの位置決め部が設置され、前記少なくとも一つの植栽手段は、吊り下げ部と少なくとも一つの植栽盆とを含み、前記少なくとも一つの植栽盆は、前記吊り下げ部により前記固定ホルダーの下方にぶら下げられると共に、排水穴を有し、前記吊り下げ部は、頭部を有し、分離可能な形態で前記位置決め部に結合され、前記水循環手段は、管路と栄養液体装置とを含み、前記管路は、少なくとも一つの水排出穴と少なくとも一つの水収集穴を有し、前記栄養液体装置は、前記管路に設置されると共に前記水排出穴と前記水収集穴との間に位置し、灌漑水は、前記水排出穴を通って植物を灌漑した後に、前記植栽盆における排水穴を通って前記水収集穴より前記管路に還流する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持手段、少なくとも一つの植栽手段、及び、水循環手段を含む植栽システムであって、
前記支持手段は、地面に対して高くかけ渡した固定ホルダーを含み、前記固定ホルダーに少なくとも一つの位置決め部を設置し、
前記少なくとも一つの植栽手段は、吊り下げ部と少なくとも一つの植栽盆とを含み、前記少なくとも一つの植栽盆は、前記吊り下げ部により前記固定ホルダーの下方にぶら下げられると共に灌漑用水を排出可能な排水穴を有し、前記吊り下げ部は、前記固定ホルダーにおける前記位置決め部に対して分離可能な形態により前記位置決め部と結合された頭部を有し、
前記水循環手段は、管路と栄養液体装置を含み、前記管路は、少なくとも一つの水排出穴と少なくとも一つの水収集穴とを有し、前記栄養液体装置は、前記管路の水流経路に設けられると共に前記水排出穴と前記水収集穴との間に位置し、灌漑水の成分を調整して制御するためのものであり、灌漑水は、前記水排出穴を介して前記植栽盆内の植物を灌漑し、前記灌漑水は、前記植栽盆における排水穴を介して前記水収集穴より前記管路に還流する、ことを特徴とする植栽システム。
【請求項2】
前記水循環手段における前記管路は、前記栄養液体装置を境界として灌漑管路と水収集管路に分けられ、前記灌漑管路は、前記少なくとも一つの植栽手段における植栽盆の上方に架設され、前記灌漑管路は、前記少なくとも一つの水排出穴を有し、前記水収集管路は、前記少なくとも一つの植栽手段における植栽盆の下方に設置され、前記水収集管路は、前記少なくとも一つの水収集穴を有し、
前記少なくとも一つの植栽手段の植栽盆は、底壁と前記底壁の周縁に周り設置された側壁とを含み、前記底壁と前記側壁は、上方に開口を有する受容空間を囲んで形成し、前記側壁は、径方向に沿って外へ設置された少なくとも一つの外側凸部を有し、前記外側凸部は、前記受容空間と前記植栽盆の外部に連通する外側拡張空間とを有し、前記外側凸部の外側拡張空間に灌漑水の一部を積み上げ、前記受容空間に連通する前記排水穴を前記底壁に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の植栽システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの植栽手段は、複数の植栽盆を含み、前記複数の植栽盆を分離可能な形態で積み重ねて設置し、そのうち、各植栽盆は、それぞれ中空管を有し、
上下に積み重ねて設置された二つの植栽盆は、少なくとも一つの留め部により接続され、
前記吊り下げ部は、直列部と阻みを有し、前記直列部は、前記複数の中空管を通り抜け、前記阻みは、前記植栽盆が前記直列部に対してすり抜けないように、前記直列部の底端に設置されると共に最も下方に位置する植栽盆の底壁と接触し、前記直列部の先端が前記頭部に連結される、ことを特徴とする請求項2に記載の植栽システム。
【請求項4】
前記水循環手段は、少なくとも一つの水収集部を含み、前記水収集部は、前記水収集管路に接続されると共に、前記水排出穴と連通する集め穴を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の植栽システム。
【請求項5】
前記栄養液体装置は、水質センサーと養分調整器を含み、前記水質センサーは、前記養分調整器に電気接続されると共に灌漑水における成分を検知するためのものであり、前記水質センサーは、灌漑水における成分を調整するように前記養分調整器を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の植栽システム。
【請求項6】
前記水循環手段は、前記管路における水流経路に設置されると共に前記少なくとも一つの水排出穴と前記少なくとも一つの水収集穴との間に位置するろ過装置をさらに含み、前記ろ過装置は、灌漑水をろ過するためのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の植栽システム。
【請求項7】
前記固定ホルダーにおける位置決め部は、二つの受座を含み、前記二つの受座は、間隔をおいて設置されると共に、開口が上へ向かう係合溝をそれぞれ有し、前記吊り下げ部における頭部は、横方向ロッドを含み、前記横方向ロッドにおける両端は、前記二つの受座における係合溝に跨って接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の植栽システム。
【請求項8】
前記吊り下げ部における頭部を移出したり前記固定ホルダーにおける位置決め部に置いたりするための運搬装置を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の植栽システム。
【請求項9】
前記運搬装置は、軌道と吊り下げ機構を含み、前記軌道は、前記固定ホルダーの上方に架設され、前記吊り下げ機構は、前記軌道に沿って移動可能であり、前記吊り下げ機構は、吊りフックを含み、前記吊りフックは、前記頭部に引きかけられ、制御されると昇降が可能である、ことを特徴とする請求項8に記載の植栽システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業システムに関し、特に、大規模栽培に適する植栽システムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界の人口が増えるにつれ増えつつある食糧のニーズに応じるためには、現在の農業システムにとって、一般的に、大量の農産物を生産して人類の発展や使用に供することが必要である。
【0003】
従来の農業システムは、一般的に、室外環境や室内環境に適用される。室外環境に適用される農業システムは、一般的に、農田の泥土に植物を栽培するものである。室内環境に適用される農業システムは、一般的に、温室に稼働したり、温度、湿度や日光などの外在する環境要素を調整して制御するシステムを有した室内環境に稼働したりするものである。
【0004】
しかしながら、室外環境と室内環境とに適用された従来の農業システムには欠陥がまだ存在している。室外環境に適用される農業システムは、一般的に、比較的大きな土地の面積が必要になる。さもなければ、栽培と農作物の生産とを大規模で実施できなくなる。そうすると、土地のコストが向上になり、しかも、植物に灌漑を行うと多く過ぎる水分が泥に流れ込み、大事な水資源を循環させて再度利用することにも不利益をもたらす。室内環境に適用される農業システムは、一般的に、植物を泥又は盆栽に栽培して固定することが一般である。農作物を収穫しようとする場合には、作業者が、先に、ある植物まで移動して収穫を行い、次に、他の植物まで移動して次の収穫を行うわけである。このような収穫のやり方は、作業者による収穫に不便が招致されてしまい、収穫に効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことに鑑み、本発明は、植栽システムを提供することを目的とする。前記植栽システムは、空間が限られた環境に大量の植物を栽培し、ひいては、土地のコストを削減しながら、灌漑水を循環させて再度利用して、水資源の無駄を抑えることができる。また、植物を異なる箇所に移動させることができることから、作業者による収穫が便利になる。故に、収穫に効率が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する植栽システムは、支持手段、少なくとも一つの植栽手段、及び、水循環手段を含む。前記支持手段は、地面に対して高くかけ渡した固定ホルダーを含み、前記固定ホルダーに少なくとも一つの位置決め部を設置する。前記少なくとも一つの植栽手段は、吊り下げ部と少なくとも一つの植栽盆とを含み、前記少なくとも一つの植栽盆は、前記吊り下げ部により前記固定ホルダーの下方にぶら下げられると共に灌漑用水を排出可能な排水穴を有する。前記吊り下げ部は、前記固定ホルダーにおける前記位置決め部に対して分離可能な前記位置決め部と結合された頭部を有する。前記水循環手段は、管路と栄養液体装置を含み、前記管路は、少なくとも一つの水排出穴と少なくとも一つの水収集穴とを有し、前記栄養液体装置は、前記管路の水流経路に設けられると共に前記水排出穴と前記水収集穴との間に位置する。また、灌漑水は、前記水排出穴を介して前記植栽盆の植物を灌漑し、前記灌漑水は、前記植栽盆における排水穴を介して前記水収集穴より前記管路に還流する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、以下の通りである。前記水循環手段により、灌漑水を効果的に循環させて再度利用して、水資源の無駄を削減することができる。しかも、前記吊り下げ部における頭部は、前記固定ホルダーにおける前記位置決め部に対して分離可能な形態で前記位置決め部と結合されることから、前記少なくとも一つの植栽手段を異なる箇所に運搬することができ、作業者による収穫が便利になり、それにより収穫に効率が向上する。また、複数の植栽盆を設置する場合には、従来の農業システムにより大量の植物を植栽すると大量の空間が必要になる一方、本発明に係る前記植栽システムによると、前記複数の植栽盆を互いに積み重ねる技術手段を用いて前記少なくとも一つの植栽手段を設置することに必要な空間を少なくすることができ、限られた空間にも大量の植物を植栽することができ、土地のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明における好ましい実施例に係る植栽システムを示す斜視図である。
図2】本発明における上記の好ましい実施例に係る構成の一部を示す模式図である。
図3図1における一部を示す拡大図である。
図4図3における4-4方向の断面図である。
図5図3における5-5方向の断面図である。
図6】本発明に係る植栽盆を積み重ねた時の断面図である。
図7】本発明における上記の好ましい実施例に係る構成の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を明確に説明するためには、好ましい実施例を挙げて図面を参照しながら以下のように詳しく説明する。図1乃至図6に示すように、本発明における好ましい実施例に係る植栽システム100は、支持手段10、少なくとも一つの植栽手段20、及び、水循環手段30を含む。前記の支持手段10、植栽手段20及び水循環手段30は、培養室に位置しており、支持手段10が植栽手段20を支持するためのものであり、水循環手段30が植栽手段20に灌漑する作業を行うためのものである。
【0010】
前記支持手段10は、固定ホルダー12を含む。本実施例では、固定ホルダー12は、複数の立脚13を地面に対して横方向に高くかけ渡したものであるが、説明を必要にするのは、固定ホルダー12を高くかけ渡す形態について、前記立脚13を用いるということに限らず、例えば、固定ホルダー12の両端を直接に建築物の壁に固定してもよい。前記固定ホルダー12には、対応する植栽手段20と連結するための少なくとも一つの位置決め部14を設置する。本実施例に係る位置決め部14は、二つの受座142で構成されており、図2図3に示すように、前記二つの受座142を固定ホルダー12の外側にしっかりと固定すると共に距離を置いて設置する。各受座142は、図4に示すように、開口が上へ向かう係合溝144を有し、本実施例に係る係合溝144がV字溝である。
【0011】
図3図4に示すように、前記少なくとも一つの植栽手段20は、少なくとも一つの植栽盆22と吊り下げ部24とを含み、前記少なくとも一つの植栽盆22が前記吊り下げ部24により前記固定ホルダー12の下方にぶら下げられる。
【0012】
図3図5に示すように、前記少なくとも一つの植栽手段20の植栽盆22は、底壁222と、前記底壁の周縁に沿って設置された側壁224とを含む。前記底壁222と前記側壁224は、上方に開口を有する受容空間S1を囲んで形成する。また、前記底壁222は、前記受容空間S1と連通する排水穴222aを有する。前記側壁224は、径方向に外へ設置された少なくとも一つの外側凸部224aを有する。前記少なくとも一つの外側凸部224aは、前記空置空間と前記植栽盆22の外部とに連通する外側拡張空間S2を有する。前記外側凸部224aは、外側拡張空間S2に、灌漑水の一部を溜める。前記少なくとも一つの植栽盆22に灌漑しようとする場合には、前記外側凸部224aにおける外側拡張空間S2に、灌漑水の一部を植物に吸収のために積み上げる。余分な灌漑水は、前記外側凸部224aより前記側壁224の内側に沿って前記底壁222に流れながら、前記排水穴222aを介して下方へ排出する。
【0013】
本実施例では、前記少なくとも一つの栽手段20における植栽盆22は、数について複数を例に説明する。前記複数の植栽盆22は、分離可能な形態で積み重ねるように設置され、各前記植栽盆22の底壁222に中空管226を連続する。前記中空管226は、前記植栽盆22の軸心に位置すると、前記排水穴222aが前記中空管226の周縁に位置することになる。なお、図5に示すように、前記複数の植栽盆22を積み重ねて設置する時に安定性を高めるためには、少なくとも一つの留め部228を、積み重ねて設置された二つの植栽盆22の間に設置して、前記二つの植栽盆22を連続する。本実施例では、前記少なくとも一つの留め部228について四つを例に説明し、各前記留め部228を前記二つの植栽盆22における側壁224の外側にそれぞれ位置する。他の実施例では、前記少なくとも一つの留め部228の数についても一つ又は複数でも構わない。前記少なくとも一つの留め部228は、上下に積み重ねて設置された二つの植栽盆22を連続すると共に前記複数の植栽盆22を積み重ねて設置する時に安定性を高めることができればよい。
【0014】
前記少なくとも一つの植栽手段20の吊り下げ部24は、横方向ロッド241を例に挙げる頭部を有する。前記横方向ロッド241は、両端が前記二つの受座142における前記係合溝144に跨って設置される。本実施例では、前記横方向ロッド241は、両端に下へ凸となる押さえ242をそれぞれ有する。前記押さえ242は、前記係合溝144と組み合わせられ、前記吊り下げ部24を前記固定ホルダー12における前記少なくとも一つの位置決め部14に設置した場合に、前記横方向ロッド241における前記二つの押さえ242がそれぞれ上から下へ前記二つの受座142における前記係合溝144に挿入されることになる。前記吊り下げ部24は、直列部24aと阻み24bをさらに含む。前記直列部24aは、先端が前記吊り下げ部24における横方向ロッド241と連結される。前記直列部24aは、前記積み重ねて設置された複数の植栽盆22における前記複数の中空管226を通る。前記阻み24bは、前記直列部24aの底部に設けられると共に最も下方に位置する植栽盆22における底壁222と接触することにより、前記植栽盆22が前記直列部24aに対して滑りぬけることができなくなる。他の実施例では、前記植栽盆22の数について一つ以上でも構わない。使用者は、栽培しようとする植物のニーズに応じ、または、前記固定ホルダー12を地面に対して高くかけ渡す高さに基づいて前記植栽盆22の数を適当に設置してもよい。前記直列部24aは、剛性を持つ細棒でもよいし、鋼索でもよい。
【0015】
図1図2に示すように、本実施例に係る固定ホルダー12にある位置決め部14及び植栽手段20は、数が複数であることから、培養室に大量の栽植を行うことができる。
【0016】
図2に示すように、前記水循環手段30は、管路32と栄養液体装置33を有する。前記管路32は、少なくとも一つの水排出穴36と少なくとも一つの水収集穴38を有する。前記栄養液体装置33は、灌漑水の成分を調整して制御するために、前記管路32の水流経路に設けられると共に前記少なくとも一つの水排出穴36と前記少なくとも一つの水収集穴38との間に位置する。また、前記灌漑水は、前記少なくとも一つの水排出穴36を介して前記植栽盆22の内の植物を灌漑し、前記植栽盆22における排水穴222aを介して前記水収集穴38より管路に還流する。
【0017】
再度説明するのは、本実施例において、前記管路32が、前記栄養液体装置33を境界として灌漑管路32aと水収集管路32bとに分けられる。前記灌漑管路32aは、前記少なくとも一つの植栽手段20における植栽盆22の上方に架設されると共に前記少なくとも一つの水排出穴36を有する。前記水収集管路32bは、前記少なくとも一つの植栽手段20における植栽盆22の下方に設けられると共に前記少なくとも一つの水収集穴38を有する。前記水循環手段30は、少なくとも一つの水収集部39を有する。前記少なくとも一つの水収集部39は、前記水収集管路32bに接続されると共に前記少なくとも一つの水排出穴36に連通する集め穴39aを有する。余計な灌漑水は、前記少なくとも一つの植栽手段20における植栽盆22の前記排水穴222aを下方へ排出する場合に、前記少なくとも一つの水収集部39により余計な灌漑水を収集しながら、前記集め穴39aを介して前記少なくとも一つの水排出穴36より前記水収集管路32bまで流れる。前記栄養液体装置33により灌漑水の成分を調整して制御してから、前記灌漑管路32aの前記少なくとも一つの水排出穴36により、前記少なくとも一つの植栽手段20における植栽盆242に再度灌漑する。他の実施例においては、少なくとも一つの水排出穴36から水を流しだして前記植栽盆22内の植物を灌漑できれば、前記灌漑管路32aを前記少なくとも一つの植栽手段20における植栽盆22の下方に代わって設置してもよい。また、前記少なくとも一つの水収集穴38により前記灌漑水を収集できれば、前記少なくとも一つの水収集部39と前記集め穴39aを省略してもよい。
【0018】
図2に示すように、前記栄養液体装置33は、水質センサー33aと養分調整器33bを含み、前記水質センサー33aは、前記養分調整器33bに電気接続されると共に前記管路32における前記灌漑水の成分を検知し、その検知範囲が、窒素、リンやカリウムなど、植物の生長にとって必要な栄養素の濃度を含むが、それらの限りでない。前記水質センサー33aは、その検知結果によって、前記養分調整器33bが一つ又は複数の種類の栄養液体を前記管路32に放出するように制御することから、前記灌漑水における栄養素の成分を変更して植物の生長にとって最適な栄養素の成分を達成することができる。例を挙げると、前記灌漑水にカリウム濃度が植物の生長にとって最適なカリウム濃度よりも低いと前記水質センサー33aが検知した場合に、前記水質センサー33aは、情報を前記養分調整器33bに送信し、前記養分調整器33bがカリウム溶液を前記管路32に放出するように制御し、前記灌漑水におけるカリウム濃度を高めて植物の生長にとって最も適当なカリウム濃度を図る。
【0019】
本実施例では、前記水循環手段30は、ろ過装置34をさらに含み、ろ過装置34は、前記管路32における水流経路に設けられると共に前記少なくとも一つの水排出穴36と前記少なくとも一つの水収集穴38との間に設置される。また、前記ろ過装置34は、前記栄養液体装置33と前記水収集穴38との間に設置される。前記ろ過装置34は、灌漑水における固体の粒子をろ過して、固体の粒子による塞ぎにより、前記水循環手段30における灌漑水の流れに影響を与えてしまうということを避けるためのものである。他の実施例では、前記ろ過装置34は、前記水循環手段30における灌漑水の流れが影響されなければ省略してもよい。
【0020】
なお、前記植栽システム100は、図7に示すように、運搬装置40をさらに含んでもよい。前記運搬装置40は、植栽手段20を移出したり前記固定ホルダー12の位置決め部14に置いたりするためのものである。前記運搬装置40は、軌道42、コントローラー44及び吊り下げ機構46を含む。本実施例では、前記軌道42は、培養室における上方の空間に架設され、二つのレール42aと横梁42bを含み、前記二つのレール42aは、平行にして設置され、前記横梁42bは、前記二つのレール42aに跨ぐと共に、前記コントローラー44により制御されると、前記二つのレール42aが提供する経路に沿って移動可能である。前記吊り下げ機構46は、前記横梁42bに取り付けられ、電動機器46a、可動部46b及び吊りフック46cを含み、そのうち、前記電動機器46aが前記横梁42bに取り付けられると共に前記コントローラー44により制御されると前記横梁42bに沿って移動可能であり、前記可動部46bは、鋼索であり、その一部が電動機器46aの回転軸(不図未)に巻かれる。前記コントローラー44は、前記回転軸が可動部46bを放出する長さを制御することができる。前記吊りフック46cは、可動部46bの一方端に連続される。前記吊りフック46cは、前記吊り下げ部24の頭部に引きかけられると共に、制御されると昇降する。前記少なくとも一つの植栽手段20を必要に応じて他の箇所に移動する場合には、利用者が、前記コントローラー44により、先に前記横梁42bが前記二つのレール42aの提供する経路に沿って前記固定ホルダー12の上方まで移動するように制御し、次に、前記電動機器46aが前記横梁42bに沿って前記植栽手段20の上方に移動するように制御し、次に、前記電動機器46aにおける回転軸が前記可動部46bを放出する長さを制御して、前記吊りフック46cを下って前記吊り下げ部24の頭部に引き掛ける。前記回転軸により前記可動部46bを取り戻して前記吊りフック46cを上げる場合には、前記横方向ロッド241における押さえ242を前記受座142における係合溝144より離れだし、前記頭部を前記固定ホルダー12の前記位置決め部14から移出し、使用者が前記コントローラー44により前記電動機器46aと前記横梁42bの移動を制御し、前記植栽手段20を他の箇所に移動して、使用者による収穫に便利をもたらす。
【0021】
本実施例では、前記植栽システム100は、前記運搬装置40における軌道42と吊り下げ機構44により、前記吊り下げ部24における頭部を移出したり前記固定ホルダー12における位置決め部14に置いたりする。他の実施例では、前記運搬装置40は、無人運搬装置に代わってもよい。あるいは、何れかの運搬装置は、前記吊り下げ部24における頭部を移出したり前記固定ホルダー12における位置決め部14に置いたりすることにより、前記少なくとも一つの植栽手段20を前記支持手段10より離れだす。
【0022】
以上より、本発明の効果が以下のとおりである。前記水循環手段30により、灌漑水を効果的に循環させて再度利用して、水資源の無駄を削減することができる。しかも、前記吊り下げ部24における頭部は、前記固定ホルダー12における前記位置決め部14に対して分離可能な形態により前記位置決め部14と結合させることから、前記少なくとも一つの植栽手段20を、異なる箇所に運搬装置40により運搬することができ、作業者による収穫が便利になり、それにより収穫に効率が向上する。また、複数の植栽盆22を設置する場合に、従来の農業システムにより大量の植物を植栽すると大量の空間が必要になる一方、本発明に係る前記植栽システム100によると、前記複数の植栽盆22を互いに積み重ねる技術手段を用いて、前記少なくとも一つの植栽手段20を設置することに必要な空間を削減して、限られた空間に大量の植物を植栽することができ、土地のコストを削減することができる。
【0023】
以上に説明したのは、本発明における好ましい実施可能実施例に過ぎず、本発明の明細書と共に特許の範囲を適用して得られる均等置換があれば、いずれも、本発明の特許範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0024】
100 植栽システム
10 支持手段
12 固定ホルダー
13 立脚
14 位置決め部
142 受座
144 係合溝
20 植栽手段
22 植栽盆
222 底壁
222a 排水穴
224 側壁
224a 外側凸部
226 中空管
228 留め部
24 吊り下げ部
24a 直列部
24b 阻み
241 横方向ロッド
242 押さえ
30 水循環手段
32 管路
32a 灌漑管路
32b 水収集管路
33 栄養液体装置
33a 水質センサー
33b 養分調整器
34 ろ過装置
36 水排出穴
38 水収集穴
39 水収集部
39a 集め穴
40 運搬装置
42 軌道
42a レール
42b 横梁
44 コントローラー
46 吊り下げ機構
46a 電動機器
46b 可動部
46c 吊りフック
S1 受容空間
S2 外側拡張空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7