(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161050
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】巻回体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65H 16/04 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B65H16/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024140906
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2023177472の分割
【原出願日】2020-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松久 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】道端 善之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 友宏
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 伸治
(72)【発明者】
【氏名】中村 明博
(57)【要約】
【課題】支持軸に対する巻回体の装着作業を容易化できる、巻回体の製造方法を提供する。
【解決手段】回転可能に設けられた支持軸31の外周に芯体61が装着されたときには、一端部側第1凹部6151または他端部側第1凹部6152が、支持軸31の基端部の位置に設けられた第1突起部313に嵌合することで、前記支持軸31と一体的に回転可能となり、前記支持軸31の外周に装着される際には、第2凹部616が、前記支持軸31の先端部の位置に設けられた第2突起部317に係合することで、前記第1突起部313と、前記一端部側第1凹部6151または前記他端部側第1凹部6152とが前記支持軸31の周方向に位置合わせされる芯体61を用い、先に巻回されていた長尺のシートを使い切った後の芯体61に、新たな長尺のシートを巻回する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯体であって、
円筒状に形成され、
外周に長尺のシートを巻回可能であり、
円筒状の内周部を備え、一端部および他端部を有し、
前記内周部には、
前記一端部の位置に設けられ、径方向外方に凹む一端部側第1凹部と、
前記他端部の位置に設けられ、径方向外方に凹む他端部側第1凹部と、
前記一端部の位置から前記他端部の位置にわたって設けられ、径方向外方に凹み、前記一端部側第1凹部および前記他端部側第1凹部に比べて、前記内周部に対する径方向外方への凹み量が小さい第2凹部と、が形成されており、
回転可能に設けられた支持軸の外周に、前記一端部側または前記他端部側から装着可能であり、
前記支持軸の外周に装着されたときには、前記一端部側第1凹部または前記他端部側第1凹部が、前記支持軸の基端部の位置に設けられた第1突起部に嵌合することで、前記支持軸と一体的に回転可能となり、
前記支持軸の外周に装着される際には、前記第2凹部が、前記支持軸の先端部の位置に設けられた第2突起部に係合することで、前記第1突起部と、前記一端部側第1凹部または前記他端部側第1凹部とが前記支持軸の周方向に位置合わせされる芯体を用い、
先に巻回されていた長尺のシートを使い切った後の前記芯体に、新たな長尺のシートを巻回することを含む、巻回体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状のシートである包材を巻いた状態とした巻回体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
帯状のシートである包材を用いて薬剤を包装する薬剤包装装置が存在する。このような薬剤包装装置が備える包材の支持装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の構成は、基台(特許文献1の記載では「機体」、以下のかっこ書きにつき同じ)から支持軸(給紙ドラム)が突出しており、基台により支持軸が回転可能に支持されている。支持軸の外周には芯体(芯筒)が装着される。芯体の外周には包材(包装用紙)が巻回されていてロール状の巻回体とされている。巻回体から順次引き出された包材に対して薬剤を包装することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の巻回体では、支持軸に対して周方向に位置合わせするための構成を備えていなかった。ところが、巻回体は包材が巻回されていることからある程度の重量がある。よって、作業者が巻回体を支持軸に対して周方向に位置合わせすることが難しかった。
【0005】
本発明は、支持軸に対する巻回体の装着作業を容易化できる、芯体を有する巻回体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、芯体であって、円筒状に形成され、外周に長尺のシートを巻回可能であり、円筒状の内周部を備え、一端部および他端部を有し、前記内周部には、前記一端部の位置に設けられ、径方向外方に凹む一端部側第1凹部と、前記他端部の位置に設けられ、径方向外方に凹む他端部側第1凹部と、前記一端部の位置から前記他端部の位置にわたって設けられ、径方向外方に凹み、前記一端部側第1凹部および前記他端部側第1凹部に比べて、前記内周部に対する径方向外方への凹み量が小さい第2凹部と、が形成されており、回転可能に設けられた支持軸の外周に、前記一端部側または前記他端部側から装着可能であり、前記支持軸の外周に装着されたときには、前記一端部側第1凹部または前記他端部側第1凹部が、前記支持軸の基端部の位置に設けられた第1突起部に嵌合することで、前記支持軸と一体的に回転可能となり、前記支持軸の外周に装着される際には、前記第2凹部が、前記支持軸の先端部の位置に設けられた第2突起部に係合することで、前記第1突起部と、前記一端部側第1凹部または前記他端部側第1凹部とが前記支持軸の周方向に位置合わせされる芯体を用い、先に巻回されていた長尺のシートを使い切った後の前記芯体に、新たな長尺のシートを巻回することを含む、巻回体の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、第2突起部と第2凹部とが係合することで、第1突起部と、一端部側第1凹部または他端部側第1凹部とが中心軸線まわりの周方向に位置合わせされる。このため、包材が巻回されている巻回体であっても周方向に位置合わせしやすい。このため、支持軸に対する巻回体の装着作業を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤包装装置における包装部の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】前記包装部のうち支持軸と巻回体における芯体とを示す斜視図である。
【
図4】前記包装部のうち支持軸と装着状態とした前記芯体を示す斜視図である。
【
図5】前記支持軸に対して前記芯体の周方向の位置合わせが行われる様子を説明するための図である。
【
図6】前記支持軸の他の形態の一例(その1)を示す斜視図である。
【
図7】前記支持軸の他の形態の一例(その2)を示す斜視図である。
【
図8】前記芯体の他の形態の一例(変形例)の正面、平面、左側面側から見た縮小斜視図である。
【
図9】前記変形例の正面、平面から見た縮小斜視図である。
【
図15】前記変形例の
図10におけるXV-XV拡大断面図である。
【
図16】前記変形例の
図10におけるXVI-XVI拡大断面図である。
【
図17】前記変形例の
図10におけるXVII-XVII断面図である。
【
図18】前記変形例の
図11におけるXVIII-XVIII拡大端面図である。
【
図19】前記変形例に係る芯体を、支持軸と包材をロール状にしたものと共に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明につき、巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせの一実施形態を取り上げて説明を行う。以下の説明において、「基端側」は
図2における左側に対応し、「先端側」は
図2における右側に対応している。また、以下の説明における「軸方向」とは、支持軸31の軸方向のことである。また、各構成要素に付した符号については、機能に着目したことにより異なる名称が付けられていても同一の符号を用いていることがある。また、同一形状の複数の構成要素についても、各々には同一の符号を用いている。
【0010】
-巻回体-
図1に示すように、巻回体6は、包材62が巻回されて構成されている。巻回体6は、芯体61と包材62とを備える。芯体61は、円筒状に形成されている。芯体61の材質としては、硬質樹脂などが挙げられる。包材62は、帯状に形成されている。換言すると、包材62は、長尺シート状に形成されている。包材62は、基材と熱溶着層とを備えており、ヒートシールにより接着可能である。基材としては、グラシン紙およびセロファン紙などが挙げられる。熱溶着層は、基材上に形成されている。熱溶着層の材質としては、ポリエチレンなどが挙げられる。包材62は、芯体61の外周に巻回されている。本実施形態では、包材62は、その幅方向(短手方向)の中央で、熱溶着層が内側になるように半分に折られた状態で、芯体61の外周に巻回されている。
【0011】
-薬剤包装装置-
図1に示すように、薬剤包装装置1は、包材62を用いて薬剤を包装する。薬剤としては、錠剤および散剤などが挙げられる。薬剤包装装置1は、巻回体6を支持する支持軸31を備える。なお、
図1において、支持軸31は省略されている。薬剤包装装置1は、支持軸31によって支持された巻回体6から巻き出された包材62を用いて、薬剤を包装する。
【0012】
薬剤包装装置1は、薬剤の包装を行う部分である包装部2を備える。包装部2は、包材供給部3と、包材搬送部4と、包装体形成部5と、を備える。包材供給部3は、包材62を供給する。包材搬送部4は、包材供給部3によって供給される包材62を搬送する。包装体形成部5は、包材搬送部4によって搬送される包材62を用いて、薬剤が包装された包装体を形成する。包材62は、その長手方向(図示した矢印Fの方向)に搬送される。包装部2においては、包材62の搬送方向の上流側から下流側に向かって、包材供給部3、包材搬送部4および包装体形成部5が、この順に位置している。
【0013】
-包材供給部-
包材供給部3は、包材62を包材搬送部4以降に送る部分である。包材供給部3には巻回体6が周方向に回転可能なように配置される。巻回体6が回転することで、包材62が巻回体6から長手方向に引き出される。
【0014】
-包材搬送部-
包材搬送部4は、包材62を長手方向に搬送し、搬送方向下流側の包装体形成部5に供給する。包材搬送部4は、主に、張力調整機構41と折り返しバー42を備えている。張力調整機構41は、軸間距離が変動する複数のローラ411~413の間に包材62を折り返すように架け渡すことにより、張力を調整する機構である。本実施形態の張力調整機構41は、例えば軸線の位置が不動である2本の固定ローラ411,412と、基台に対して軸線の位置が湾曲するように移動する1本のダンサローラ413が組み合わされている。折り返しバー42は、張力調整機構41から上方に搬送される包材62の搬送方向を斜め下方向に転換する。包材搬送部4には、例えば包材62の表面に薬剤の処方情報等を印刷する印刷部43を設けることができる。
【0015】
-包装体形成部-
包装体形成部5は、処方に応じて包材62に薬剤を供給し、包材62を接着することで1包ごとに包装する部分である。包装体形成部5は、主に、三角板51、ホッパ52、包材接着部53を備えている。三角板51は、折り返しバー42の搬送方向下流側に位置し、幅方向で半折りされた状態の包材62の一方側と他方側とを押し開くことで、長手方向視で断面V字状の形態にする部分である。ホッパ52は、包材62が三角板51により押し開かれた断面V字状の空間62Sに、上部521に比べて横断面積が縮小して形成された下部522の一部が挿入されている。ホッパ52の上方に設けられた薬剤供給機構(図示しない)により、処方に応じて供給された薬剤が、ホッパ52の内部を経由して包材62に供給される。包材接着部53は、包材62を熱溶着する等して、薬剤が供給された包材62を1包ずつ区画するように接着する部分である。包装体形成部5はこの他、例えば、包材接着部53により接着された包材62に切断を容易にするためのミシン目を形成するためのミシン目形成部(図示しない)を設けることができる。
【0016】
-支持軸-
図2に示すように、支持軸31は、円柱状に形成されている。支持軸31は、その一部として、円筒状の外周部を備える。支持軸31の外周部における外周(支持軸31の外周)には、巻回体6、詳しくは巻回体6の芯体61が、装着される。
【0017】
支持軸31は、基台に対して回転可能に設けられている。なお、
図2において、基台は支持軸31の左方に存在するが、図示は省略されている。支持軸31は、支持軸31の外周部の中心軸線(支持軸31の中心軸線)まわりに回転可能である。
【0018】
支持軸31は、駆動部によって駆動される。駆動部は、基台の内部に設けられている。駆動部としては、ステッピングモータなどが挙げられる。駆動部は、支持軸31を、第1回転方向と、この第1回転方向とは反対の第2回転方向と、に回転させる。支持軸31が第1回転方向に回転されることで、支持軸31によって支持された巻回体6から包材62が巻き出される。支持軸31が第2回転方向に回転されることで、支持軸31によって支持された巻回体6に包材62が巻き戻される。駆動部は、包装体形成部5への包材62の搬送に応じて、支持軸31を間欠的に回転させる。
【0019】
支持軸31は、基台に対して片持ち支持されている。支持軸31は、基端部(
図2における左部)および先端部(
図2における右部)を有する。このような支持軸31の外周には、支持軸31の先端部側から、芯体61が装着される。以下、支持軸31の先端部から支持軸31の基端部に向かう方向を「装着方向」という場合があり、支持軸31の基端部から支持軸31の先端部に向かう方向を「取り外し方向」という場合がある。
【0020】
支持軸31は、支持軸本体31Aと支持軸先端体31Bとを備えるともいえる。支持軸本体31Aは、支持軸31の基端部を含む部分である。支持軸先端体31Bは、支持軸31の先端部を含む部分である。支持軸先端体31Bは、支持軸本体31Aとは別体に設けられ、支持軸本体31Aの先端部に取り付けられている。支持軸本体31Aから支持軸先端体31Bを取り外すことで、支持軸本体31Aの内部が開放される。そのため、支持軸31の内部に後述の磁気検出部などの部品が搭載される場合に、その部品の、取り付け作業やメンテナンス作業が容易になる。支持軸先端体31Bは、支持軸本体31Aと一体に形成されてもよい。支持軸先端体31Bは、支持軸本体31Aに対する芯体61の装着作業を補助する装着補助部として機能する。支持軸先端体31Bは、本実施形態の巻回体6と組み合わせて用いられる。
【0021】
また、支持軸31は、前述した支持軸本体31Aと支持軸先端体31Bとは異なる観点での区別として、主軸部311と基端軸部312とを備えるともいえる。主軸部311は、支持軸31の先端部を含む部分である。主軸部311は、一定の径寸法を有する。基端軸部312は、主軸部311よりも支持軸31の基端部側に位置する。基端軸部312は、支持軸31の基端部を含む部分である。基端軸部312は、主軸部311よりも径寸法が大きい。主軸部311と基端軸部312との間には、
図2に示すように周方向に延びる段差が形成されている。
【0022】
支持軸31の外周部には、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の第1突起部313と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の第2突起部317と、少なくとも1個(本実施形態では1個)の第3突起部318と、が形成されている。
【0023】
各第1突起部313は、支持軸31の基端部の位置に設けられ、支持軸31の径方向外方に突出している。各第1突起部313は、支持軸本体31Aに設けられている。各第1突起部313は、基端軸部312に設けられている。各第1突起部313は、支持軸31の基端部において、支持軸31の軸方向に延びている。
【0024】
各第1突起部313は、支持軸31の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各第1突起部313は、支持軸31の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、4個の第1突起部313~313が、支持軸31の周方向に90°間隔で設けられている。支持軸31を基端部側から見たとき、支持軸31の周方向において、
図2にて上側に示される第1の第1突起部313の角度位置を基準(以下の記載でもこれを、支持軸31に関する角度位置の基準とする)の角度である0°とすると、第2の第1突起部313(
図2にて手前側に示される)の角度位置は90°、第3の第1突起部313(第1の第1突起部313の径方向反対側にあるため、
図2には示されていない)の角度位置は180°、第4の第1突起部313(
図2にて奥側に示される)の角度位置は270°である。
【0025】
各第2突起部317は、支持軸31の先端部の位置に設けられ、支持軸31の径方向外方に突出している。各第2突起部317は、支持軸先端体31Bに設けられている。各第2突起部317は、主軸部311に設けられている。各第2突起部317は、支持軸31の先端部において、支持軸31の軸方向に延びている。各第2突起部317は、各第1突起部313に比べて、支持軸31の外周部に対する径方向外方への突出量が小さい。
【0026】
各第2突起部317は、本体部3171と、先細部3172と、を備える。本体部3171の幅寸法(支持軸31の周方向における寸法)は、支持軸31の軸方向において一定である。先細部3172は、本体部3171に対して支持軸31の先端部側に設けられている。先細部3172は、本体部3171に連なっている。先細部3172は、支持軸31の基端部から支持軸31の先端部に向かう方向に進むにつれて、支持軸31の周方向両側から狭まっている。
【0027】
各第2突起部317は、支持軸31の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各第2突起部317は、支持軸31の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第2突起部317,317が、支持軸31の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、支持軸31の周方向において、2個の第2突起部317,317の各々が、4個の第1突起部のうちの2個の第1突起部313,313の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。支持軸31を基端部側から見たとき、支持軸31の周方向において、第1の第1突起部313の角度位置を0°とすると、第1および第2の第2突起部317,317の各々の角度位置は、0°、180°である。
【0028】
第3突起部318は、支持軸31の基端部と支持軸31の先端部との間の中間位置に設けられ、支持軸31の径方向外方に突出している。第3突起部318は、支持軸本体31Aに設けられている。第3突起部318は、主軸部311に設けられている。第3突起部318は、支持軸31の基端部と支持軸31の先端部との間の中間部において、支持軸31の軸方向に延びている。第3突起部318は、各第1突起部313に比べて、支持軸31の外周部に対する径方向外方への突出量が小さい。第3突起部318は、支持軸31の外周部に対する径方向外方への突出量が、各第2突起部317と同一である。第3突起部318の幅寸法(支持軸31の周方向における寸法)は、支持軸31の軸方向において一定である。第3突起部318の幅寸法は、各第2突起部317の本体部3171の幅寸法と同一である。
【0029】
第3突起部318は、支持軸31の周方向において、所定の角度位置に設けられている。本実施形態では、支持軸31の周方向において、第3突起部318が、2個の第2突起部317,317のうちの1個の第2突起部317に対して、同一の角度位置に設けられている。支持軸31を基端部側から見たとき、支持軸31の周方向において、第1の第1突起部313の角度位置を0°とすると、第3突起部318の角度位置は、0°である。
【0030】
支持軸31は、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の出没部316を備える。各出没部316は、支持軸31の先端部寄りの位置に設けられている。各出没部316は、支持軸先端体31Bに設けられている。各出没部316は、支持軸本体31Aに設けられてもよい。各出没部316は、主軸部311に設けられている。
【0031】
各出没部316は、支持軸31の外周部に対して出没可能に設けられている。各出没部316は、球状または半球状に形成されている。各出没部316は、支持軸31の内部に埋まっている。支持軸31の外周部には、出没部316の個数と同数の丸孔が形成されている。各丸孔は、支持軸31の外周部を、支持軸31の径方向に貫通している。各出没部316は、その一部が丸孔から径方向外方に突出する。各出没部316は、図示しないばねによって、支持軸31の径方向外方に付勢されている。ばねは、支持軸の内部に設けられている。
【0032】
各出没部316は、支持軸31の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各出没部316は、支持軸31の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の出没部316,316が、第1および第2の出没部316,316として、支持軸31の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、支持軸31の周方向において、2個の出没部316,316の各々が、2個の第2突起部317,317の各々に対して、異なる角度位置に設けられている。具体的には、支持軸31の周方向において、2個の出没部316,316の各々が、2個の第2突起部317,317の各々に対して、90°異なる角度位置に設けられている。支持軸31の周方向において、2個の出没部316,316の各々が、第2および第4の第1突起部313,313の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。支持軸31を基端部側から見たとき、支持軸31の周方向において、第1の第1突起部313の角度位置を0°とすると、第1および第2の出没部316,316の各々の角度位置は、90°、270°である。
【0033】
支持軸31は、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の移動部314をさらに備える。各移動部314は、支持軸31の基端部の位置に設けられている。各移動部314は、支持軸本体31Aに設けられている。各移動部314は、基端軸部312に設けられている。各移動部314は、支持軸31の軸方向に移動可能に設けられている。各移動部314は、棒状に形成されており、支持軸31の径方向に延びている。各移動部314の先端は、支持軸31の外周に芯体61が装着された状態において、芯体61の外周面よりも支持軸31の径方向外方に突出する。各移動部314は、後退位置と前進位置とにわたって移動可能である。前進位置は、後退位置に対して、支持軸31の基端部から支持軸31の先端部に向かう方向に進んだ位置である。各移動部314は、図示しないばねによって、支持軸31の基端部から支持軸31の先端部に向かう方向に付勢されている。ばねは、支持軸31の内部に設けられている。
【0034】
各移動部314は、支持軸31の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各移動部314は、支持軸31の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の移動部314,314が、第1および第2の移動部314,314として、支持軸31の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、支持軸31の周方向において、2個の移動部314,314の各々が、第2および第4の第1突起部313,313に対して、同一の角度位置に設けられている。このため、2個の移動部314,314の各々は、第2および第4の第1突起部313,313から径方向外方に突出するように設けられている。支持軸31を基端部側から見たとき、支持軸31の周方向において、第1の第1突起部313の角度位置を0°とすると、第1および第2の移動部314,314の各々の角度位置は、90°、270°である。
【0035】
第1の移動部314は、第1の第1突起部313(角度位置0°)に対して90°の角度位置にある第2の第1突起部313に設けられている。第2の第1突起部313の径方向での外面には、支持軸31の軸方向に延びる切欠部としての第1の長孔315が形成されている。第1の長孔315は、第2の第1突起部313を、支持軸31の径方向に貫通している。第1の移動部314は、第1の長孔315を貫通し、その先端を含む一部が、第1の長孔315から支持軸31の径方向外方に突出している。
【0036】
一方、第2の移動部314は、第1の第1突起部313(角度位置0°)に対して270°の角度位置にある第4の第1突起部313に設けられている。第4の第1突起部313の径方向での外面には、支持軸31の軸方向に延びる切欠部としての第2の長孔315が形成されている。第2の長孔315は、第4の第1突起部313を、支持軸31の径方向に貫通している。第2の移動部314は、第2の長孔315を貫通し、その先端を含む一部が、第2の長孔315から支持軸31の径方向外方に突出している。
【0037】
-芯体-
図2および
図3に示すように、芯体61は、円筒状に形成されている。芯体61は、その一部として、径方向で外側の領域である円筒状の外周部と、径方向で内側の領域である円筒状の内周部(図示しない)と、を備える。芯体61は、一端部(
図2、
図3における左端部)および他端部(
図2、
図3における右端部)を有する。芯体61は、その中心軸線に平行な軸方向の中央でその中心軸線に直交する仮想平面に対して、基本的に、対称に形成されている。つまり、前記仮想平面を境として、芯体61の一端部側の形状と他端部側の形状が鏡像の関係にある。このような芯体61は、支持軸31の外周に対して、芯体61の一端部側からも装着可能であり、かつ、芯体61の他端部側からも装着可能である。
【0038】
芯体61の外径寸法は、芯体61の軸方向において一定である。芯体61の外周部における外周には、段差がない。そのため、芯体61の外周に包材62が巻回されても、その包材62には段差痕が生じない。
【0039】
芯体61の内周部には、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の一端部側第1凹部6151と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の他端部側第1凹部6152と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の第2凹部616と、が形成されている。各一端部側第1凹部6151および各他端部側第1凹部6152は、第1凹部615として機能する。
【0040】
一端部側第1凹部6151の個数は、支持軸31における第1突起部313の個数と同一である。なお、一端部側第1凹部6151の個数は、支持軸31における第1突起部313の個数より多くてもよい。他端部側第1凹部6152の個数は、支持軸31における第1突起部313の個数と同一である。なお、他端部側第1凹部6152の個数は、支持軸31における第1突起部313の個数より多くてもよい。第2凹部616の個数は、支持軸31における第2突起部317の個数と同一である。なお、第2凹部616の個数は、支持軸31における第2突起部317の個数より多くてもよい。
【0041】
各一端部側第1凹部6151は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の一端部側から装着されたときに、支持軸31の各第1突起部313と嵌合する。各一端部側第1凹部6151は、芯体61の一端部の位置に設けられ、芯体61の径方向外方に凹んでいる。
【0042】
各一端部側第1凹部6151は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各一端部側第1凹部6151は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、4個の一端部側第1凹部6151~6151が、芯体61の周方向に90°間隔で設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を基準(以下の記載でもこれを、芯体61に関する角度位置の基準とする)の角度である0°とすると、第2~第4の一端部側第1凹部6151~6151の各々の角度位置は、90°、180°、270°である。この角度位置の関係は、支持軸31における4個の第1突起部313~313の角度位置の関係と同じである。
【0043】
各一端部側第1凹部6151は、芯体61の一端部において、芯体61の軸方向に延びている。各一端部側第1凹部6151は、端部を有する。端部は、芯体61の一端部において、芯体61の一端部の端面(以下、「一端面」という)の位置に対して、芯体61の他端部側にずれた位置に位置する。各一端部側第1凹部6151は、芯体61の一端面まで延び、芯体61の一端面で開口している。各一端部側第1凹部6151は、芯体61の一端面の近傍で、芯体61の一端面に近づくにつれて、芯体61の周方向両側に拡がっている。
【0044】
各他端部側第1凹部6152は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の他端部側から装着されたときに、支持軸31の各第1突起部313に嵌合する。各他端部側第1凹部6152は、芯体61の他端部の位置に設けられ、芯体61の径方向外方に凹んでいる。
【0045】
各他端部側第1凹部6152は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各他端部側第1凹部6152は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、4個の他端部側第1凹部6152が、芯体61の周方向に90°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、4個の他端部側第1凹部6152~6152の各々が、4個の一端部側第1凹部6151~6151の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1~第4の他端部側第1凹部6152~6152の各々の角度位置は、0°、90°、180°、270°である。この角度位置の関係は、各一端部側第1凹部6151と同様、支持軸31における4個の第1突起部313~313の角度位置の関係と同じである。
【0046】
各他端部側第1凹部6152は、芯体61の他端部において、芯体61の軸方向に延びている。各他端部側第1凹部6152は、端部を有する。端部は、芯体61の他端部において、芯体61の他端部の端面(以下、「他端面」という)の位置に対して、芯体61の一端部側にずれた位置に位置する。各他端部側第1凹部6152は、芯体61の他端面まで延び、芯体61の他端面で開口している。各他端部側第1凹部6152は、芯体61の他端面の近傍で、芯体61の他端面に近づくにつれて、芯体61の周方向両側に拡がっている。
【0047】
各第2凹部616は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、支持軸31の第2突起部317と係合する。各第2凹部616は、芯体61の一端部の位置から芯体61の他端部の位置にわたって設けられ、芯体61の径方向外方に凹んでいる。各第2凹部616は、各一端部側第1凹部6151および各他端部側第1凹部6152に比べて、芯体61の内周部(詳しくは、芯体61の内周面)に対する径方向外方への凹み量が小さい。したがって各第2凹部616が形成されることによる芯体61の強度低下を防ぐことができる。
【0048】
各第2凹部616は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各第2凹部616は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第2凹部616,616が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の第2凹部616,616の各々が、4個の一端部側第1凹部6151のうちの2個の一端部側第1凹部6151,6151の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の第2凹部616,616の各々の角度位置は、0°、180°である。この角度位置の関係は、支持軸31における2個の第2突起部317,317の角度位置の関係と同じである。
【0049】
各第2凹部616は、芯体61の一端部の位置と芯体61の他端部の位置との間にわたって、芯体61の軸方向に延びている。各第2凹部616は、芯体61の一端面まで延び、芯体61の一端面で開口している。各第2凹部616は、芯体61の一端部の位置において、芯体61の周方向に互いに連なっている。すなわち、第2凹部616は、芯体61の一端部の位置において、芯体61の全周にわたって形成されている。各第2凹部616は、芯体61の他端面まで延び、芯体61の他端面で開口している。各第2凹部616は、芯体61の他端部の位置において、芯体61の周方向に互いに連なっている。すなわち、第2凹部616は、芯体61の他端部の位置において、芯体61の全周にわたって形成されている。
【0050】
各第2凹部616は、一端部側誘導部6162と、他端部側誘導部6163と、案内部6161と、を備える。
【0051】
一端部側誘導部6162は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の一端部側から装着される際に、第2突起部317を誘導する。一端部側誘導部6162は、芯体61の一端部寄りの位置に設けられている。一端部側誘導部6162は、芯体61の軸方向中央部の位置よりも、芯体61の一端部側に設けられている。一端部側誘導部6162は、芯体61の一端部から芯体61の他端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向に平行な幅寸法が縮小している。一端部側誘導部6162は、芯体61の一端部から芯体61の他端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向両側から狭まっている。
【0052】
他端部側誘導部6163は、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の他端部側から装着される際に、第2突起部317を誘導する。他端部側誘導部6163は、芯体61の他端部寄りの位置に設けられている。他端部側誘導部6163は、芯体61の軸方向中央部の位置よりも、芯体61の他端部側に設けられている。他端部側誘導部6163は、芯体61の他端部から芯体61の一端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向に平行な幅寸法が縮小している。他端部側誘導部6163は、芯体61の他端部から芯体61の一端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向両側から狭まっている。
【0053】
案内部6161は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、第2突起部317を案内する。案内部6161は、一端部側誘導部6162と他端部側誘導部6163との間に設けられている。本実施形態では、案内部6161は、芯体61の軸方向中央部に設けられている。案内部6161は、一端部側誘導部6162の位置よりも芯体61の他端部側に設けられている。案内部6161は、一端部側誘導部6162に連なっている。案内部6161は、他端部側誘導部6163の位置よりも芯体61の一端部側に設けられている。案内部6161は、他端部側誘導部6163に連なっている。
【0054】
案内部6161の幅寸法(芯体61の周方向における寸法)は、芯体61の軸方向において一定である。案内部6161の幅寸法は、支持軸31の第2突起部317の幅寸法(支持軸31の周方向における寸法)、詳しくは第2突起部317の本体部の幅寸法と略同一である。案内部6161の幅寸法は、第2突起部317が案内部6161を芯体61の軸方向に移動することを許容する程度に、第2突起部317の幅寸法よりもわずかに大きい。
【0055】
各第2凹部616は、自由領域と遷移領域と制限領域とを備えるともいえる。各第2凹部616において、芯体61の一端部の位置および芯体61の他端部の位置に対応する領域は、自由領域である。自由領域では、芯体61の回転を制限せずに許容する。一端部側誘導部6162および他端部側誘導部6163の領域は、遷移領域である。遷移領域では、芯体61の軸方向中央に近づくにつれて芯体61の回転可能な範囲が小さくなる。案内部6161の領域は、制限領域である。制限領域では、芯体61の回転が実質的に不可能なように制限される。
【0056】
芯体61の内周部は、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の内周面部617を備える。各内周面部617には、芯体61の内周面が形成されている。各内周面部617は、芯体61の一端部と芯体61の他端部との間に設けられている。各内周面部617は、芯体61の周方向において、第2凹部616に囲まれるようにして設けられている。
【0057】
各内周面部617は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各内周面部617は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の内周面部617が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の内周面部617,617の各々が、2個の第2凹部616の各々に対して、90°ずれた角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の内周面部617,617の各々の角度位置は、90°、270°である。
【0058】
各内周面部617は、芯体61の一端部と芯体61の他端部との間の中間位置において、軸方向に延びている。ただし、各内周面部617は、芯体61の一端面までは延びていない。第1の内周面部617の一端部は、第2の一端部側第1凹部6151の端部に連なる。第2の内周面部617の一端部は、第4の一端部側第1凹部6151の端部に連なる。各内周面部617は、芯体61の他端面までは延びていない。第1の内周面部617の他端部は、第2の他端部側第1凹部6152の端部に連なる。第2の内周面部617の他端部は、第4の他端部側第1凹部6152の端部に連なる。
【0059】
各内周面部617の形状は、第2凹部616の形状に対応している。各内周面部617の一端部寄りの部分は、各一端部側誘導部6162の形状に対応するように、芯体61の一端部から芯体61の他端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向両側に拡がっている。各内周面部617の他端部寄りの部分は、各他端部側誘導部6163の形状に対応するように、芯体61の他端部から芯体61の一端部に向かう方向に進むにつれて、芯体61の周方向両側に拡がっている。各内周面部617の軸方向中央部は、各案内部6161の形状に対応するように、幅寸法(芯体61の周方向における寸法)が、芯体61の軸方向において一定である。
【0060】
芯体61は、薄肉部618と厚肉部619とを備えるともいえる。薄肉部618は、各第2凹部616に対応する部分である。厚肉部619は、薄肉部618よりも肉厚が大きい。厚肉部619は、各内周面部617に対応する部分である。
【0061】
芯体61の内周部には、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の第1引掛凹部6152と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の第2引掛凹部6151と、がさらに形成されている。
【0062】
各第1引掛凹部6152には、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の一端部側から装着された場合に、各出没部316が引っ掛かる。各第1引掛凹部6152は、芯体61の他端部寄りの位置に設けられ、芯体61の径方向外方に凹んでいる。各第1引掛凹部6152は、芯体61の他端部側に臨む段差部615aを有する。
【0063】
各第1引掛凹部6152は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各第1引掛凹部6152は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第1引掛凹部6152が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の第1引掛凹部6152,6152の各々が、第1および第2の第1引掛凹部6152,6152として、2個の内周面部617,617の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の第1引掛凹部6152,6152の各々の角度位置は、90°、270°である。
【0064】
第1の第1引掛凹部6152は、第2の他端部側第1凹部6152と一体に形成されている。第1の第1引掛凹部6152は、第2の他端部側第1凹部6152とは別体に形成されてもよい。第1の第1引掛凹部6152は、たとえば第2の他端部側第1凹部6152の位置よりも、芯体61の軸方向中央部側に設けられてもよい。
【0065】
第2の第1引掛凹部6152は、第4の他端部側第1凹部6152と一体に形成されている。第2の第1引掛凹部6152は、第4の他端部側第1凹部6152とは別体に形成されてもよい。第2の第1引掛凹部6152は、たとえば第4の他端部側第1凹部6152の位置よりも、芯体61の軸方向中央部側に設けられてもよい。
【0066】
各第2引掛凹部6151には、支持軸31の外周に、芯体61が、芯体61の他端部側から装着された場合に、各出没部316が引っ掛かる。各第2引掛凹部6151は、芯体61の一端部寄りの位置に設けられ、芯体61の径方向外方に凹んでいる。各第2引掛凹部6151は、芯体61の一端部側に臨む段差部615aを有する。
【0067】
各第2引掛凹部6151は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各第2引掛凹部6151は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、2個の第2引掛凹部6151が、芯体61の周方向に180°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の第2引掛凹部6151,6151の各々が、第1および第2の第2引掛凹部6151,6151として、2個の内周面部617,617の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の第2引掛凹部6151,6151の各々の角度位置は、90°、270°である。
【0068】
第1の第2引掛凹部6151は、第2の一端部側第1凹部6151と一体に形成されている。第1の第2引掛凹部6151は、第2の一端部側第1凹部6151とは別体に形成されてもよい。第1の第2引掛凹部6151は、たとえば第2の一端部側第1凹部6151の位置よりも、芯体61の軸方向中央部側に設けられてもよい。
【0069】
第2の第2引掛凹部6151は、第4の一端部側第1凹部6151と一体に形成されている。第2の第2引掛凹部6151は、第4の一端部側第1凹部6151とは別体に形成されてもよい。第2の第2引掛凹部6151は、たとえば第4の一端部側第1凹部6151の位置よりも、芯体61の軸方向中央部側に設けられてもよい。
【0070】
芯体61には、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の一端部側切欠部6111と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には4個)の他端部側切欠部6112と、が形成されている。各一端部側切欠部6111および各他端部側切欠部6112は、切欠部611として機能する。
【0071】
各一端部側切欠部6111には、芯体61の一端部側から、移動部314が進入可能である。各一端部側切欠部6111は、芯体61の一端部の位置に設けられ、芯体61の一端面から、芯体61の他端部に向かって切り欠かれている。各一端部側切欠部6111は、芯体61を、芯体61の径方向に貫通している。各一端部側切欠部6111は、芯体61の一端部において、芯体61の軸方向に延びている。
【0072】
各一端部側切欠部6111は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各一端部側切欠部6111は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、4個の一端部側切欠部6111が、芯体61の周方向に90°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、4個の一端部側切欠部6111~6111の各々が、4個の一端部側第1凹部6151~6151の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1~第4の一端部側切欠部6111~6111の各々の角度位置は、0°、90°、180°、270°である。この角度位置の関係は、支持軸31における4個の第1突起部313~313の角度位置の関係と同じである。なお、第1および第3の一端部側切欠部6111,6111は、必須ではない。第2および第4の一端部側切欠部6111,6111だけが設けられてもよい。
【0073】
各他端部側切欠部6112には、芯体61の他端部側から、移動部314が進入可能である。各他端部側切欠部6112は、芯体61の他端部の位置に設けられ、芯体61の他端面から、芯体61の一端部に向かって切り欠かれている。各他端部側切欠部6112は、芯体61を、芯体61の径方向に貫通している。各他端部側切欠部6112は、芯体61の他端部において、芯体61の軸方向に延びている。
【0074】
各他端部側切欠部6112は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。各他端部側切欠部6112は、芯体61の周方向に等角度間隔で設けられている。本実施形態では、4個の他端部側切欠部6112が、芯体61の周方向に90°間隔で設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、4個の他端部側切欠部6112~6112の各々が、4個の他端部側第1凹部6152~6152の各々に対して、同一の角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1~第4の他端部側切欠部6112~6112の各々の角度位置は、0°、90°、180°、270°である。この角度位置の関係は、支持軸31における4個の第1突起部313~313の角度位置の関係と同じである。なお、第1および第3の他端部側切欠部6112,6112は、必須ではない。第2および第4の他端部側切欠部6112,6112だけが設けられてもよい。
【0075】
芯体61には、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の一端部側磁石6131と、少なくとも1個(本実施形態では複数個、具体的には2個)の他端部側磁石6132と、が設けられている。各一端部側磁石6131および各他端部側磁石6132は、磁石613として機能する。
【0076】
各一端部側磁石6131は、芯体61の一端部の位置に設けられている。各一端部側磁石6131は、芯体61の周方向において、第1の位置関係で設けられている。各一端部側磁石6131は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。本実施形態では、2個の一端部側磁石6131,6131が、芯体61の周方向に90°の角度間隔をあけて設けられている。しかも本実施形態では、芯体61の周方向において、2個の一端部側磁石6131の各々が、4個の一端部側第1凹部6151~6151の各々に対して、異なる角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の一端部側磁石6131,6131の各々の角度位置は、45°、135°である。
【0077】
芯体61の一端部には、一端部側磁石6131の個数と同数の一端部側保持部6141が形成されている。各一端部側保持部6141は、磁石613を保持する磁石保持部614として機能する。各一端部側保持部6141は、各一端部側磁石6131を保持する。各一端部側保持部6141は、芯体61の外周部において、芯体61の径方向内方に凹んでいる。各一端部側保持部6141には、各一端部側磁石6131が嵌め込まれ、その上からシール部材(図示しない)が貼り付けられている。なお、一端部側保持部6141の個数は、一端部側磁石6131の個数よりも多くてもよい。この場合、各一端部側保持部6141に対して、一端部側磁石6131が選択的に嵌め込まれる。
【0078】
各他端部側磁石6132は、芯体61の他端部の位置に設けられている。各他端部側磁石6132は、芯体61の周方向において、第1の位置関係とは異なる第2の位置関係で設けられている。各他端部側磁石6132は、芯体61の周方向に角度間隔をあけて設けられている。本実施形態では、2個の他端部側磁石6132,6132が、芯体61の周方向に180°の角度間隔をあけて設けられている。しかも本実施形態では、芯体の周方向において、2個の他端部側磁石6132,6132の各々が、4個の他端部側第1凹部6152~6152の各々に対して、異なる角度位置に設けられている。芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第1および第2の他端部側磁石6132,6132の各々の角度位置は、45°、225°である。
【0079】
芯体61の他端部には、他端部側磁石6132の個数と同数の他端部側保持部6142が形成されている。各他端部側保持部6142は、磁石613を保持する磁石保持部614として機能する。各他端部側保持部6142は、各他端部側磁石6132を保持する。各他端部側保持部6142は、芯体61の外周部において、芯体61の径方向内方に凹んでいる。各他端部側保持部6142には、各他端部側磁石6132が嵌め込まれ、その上からシール部材(図示しない)が貼り付けられている。なお、他端部側保持部6142の個数は、他端部側磁石6132の個数よりも多くてもよい。この場合、各他端部側保持部6142に対して、他端部側磁石6132が選択的に嵌め込まれる。
【0080】
-巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ-
図4に示すように、支持軸31の外周には、芯体61が装着される。支持軸31の外周に芯体61が装着された状態において、支持軸31の一部は、芯体61から突出している。具体的には、支持軸31の先端部が、芯体61から突出している。支持軸先端体31Bの一部が、芯体61から突出している。なお、支持軸31の外周に芯体61が装着された状態において、支持軸31は、芯体61から突出していなくてもよい。
【0081】
巻回体6においては、前述のように、芯体61の外周に包材62が巻回されている。なお、
図4において、包材62は省略されている。本実施形態では、包材62は、シール温度に関して、2種類に分けられる。第1の種類に属する包材62は、第1のシール温度でヒートシールされる。第2の種類に属する包材62は、第1のシール温度とは異なる第2のシール温度でヒートシールされる。
【0082】
本実施形態では、2種類の包材62に1種類の芯体61で対応可能である。本実施形態では、包材62の種類に応じて、包材62に対する芯体61の向きが選ばれる。第1の種類に属する包材62が巻回されるときは、芯体61の一端部が、包材62の折り目の側になるように、包材62に対する芯体61の向きが選ばれる。以下、第1の種類に属する包材62が巻回されて構成された巻回体6を、第1の巻回体6という場合がある。第2の種類に属する包材62が巻回されるときは、芯体61の他端部が、包材62の折り目の側になるように、包材62に対する芯体61の向きが選ばれる。以下、第2の種類に属する包材62が巻回されて構成された巻回体6を、第2の巻回体6という場合がある。
【0083】
第1の巻回体6が支持軸31に装着される場合、支持軸31の外周に対して芯体61が芯体61の一端部側から装着される。この場合、各第1突起部313と各一端部側第1凹部6151とが嵌合する。これによって、支持軸31と芯体61とが支持軸31の周方向に一体的に回転可能となる。
【0084】
芯体61は、支持軸31に対して少なくとも1つ(本実施形態では複数、具体的には2つ)の角度位置で装着可能である。具体的には、芯体61は、支持軸31に対して、第1の一端部側第1凹部6151と第1の第1突起部313とが一致する角度位置で装着される。あるいは、芯体61は、支持軸31に対して、第1の一端部側第1凹部6151と第3の第1突起部313とが一致する角度位置で装着される。
【0085】
支持軸31の外周に対して芯体61が装着された状態において、各第1突起部313が、各一端部側第1凹部6151の端部に当接しており、各出没部316が、各第1引掛凹部6152、詳しくは各第1引掛凹部6152の段差部615aに引っ掛かっている。したがって、支持軸31の外周に対して芯体61が支持軸31の軸方向にずれることが防止され、支持軸31の外周に対して芯体61が確実に装着される。各第1突起部313が、各一端部側第1凹部6151の端部に当接していることによって、支持軸31に対して芯体61が、装着方向にずれることが防止される。各出没部316が、各第1引掛凹部6152に引っ掛かっていることによって、支持軸31に対して芯体61が、取り外し方向にずれることが防止される。
【0086】
第2の巻回体6が支持軸31に装着される場合、支持軸31の外周に対して芯体61が芯体61の他端部側から装着される。この場合、各第1突起部313と各他端部側第1凹部6152とが嵌合する。これによって、支持軸31と芯体61とが支持軸31の周方向に一体的に回転可能となる。
【0087】
芯体61は、支持軸31に対して少なくとも1つ(本実施形態では複数、具体的には2つ)の角度位置で装着可能である。具体的には、芯体61は、支持軸31に対して、第1の他端部側第1凹部6152と第1の第1突起部313とが一致する角度位置で装着される。あるいは、芯体61は、支持軸31に対して、第1の他端部側第1凹部6152と第3の第1突起部313とが一致する角度位置で装着される。
【0088】
支持軸31の外周に対して芯体61が装着された状態において、各第1突起部313が、各他端部側第1凹部6152の端部に当接しており、各出没部316が、各第2引掛凹部6151、詳しくは各第2引掛凹部6151の段差部615aに引っ掛かっている。したがって、支持軸31の外周に対して芯体61が支持軸31の軸方向にずれることが防止され、支持軸31の外周に対して芯体61が確実に装着される。各第1突起部313が、各他端部側第1凹部6152の端部に当接していることによって、支持軸31に対して芯体61が、装着方向にずれることが防止される。各出没部316が、各第2引掛凹部6151に引っ掛かっていることによって、支持軸31に対して芯体61が、取り外し方向にずれることが防止される。
【0089】
薬剤包装装置1は、各移動部314が後退位置から前進位置に移動すると、動作を停止するように構成されている。各移動部314の位置は、センサによって検出される。薬剤包装装置1は、そのセンサによる検出結果に基づいて、動作可能または動作不能となる。
薬剤包装装置1は、各移動部314が後退位置にあるときには動作可能である。薬剤包装装置1は、各移動部314が前進位置にあるときには動作不能である。
【0090】
巻回体6が支持軸31に装着された状態では、巻回体6において包材62によって構成される端面によって、各移動部314が押されている。そのため、各移動部314は、後退位置に位置している。このとき、薬剤包装装置1は、動作可能である。
【0091】
巻回体6から包材62がすべて巻き出されると、支持軸31には、芯体61だけが残る。巻回体6において包材62によって構成されていた端面は、なくなる。そのため、各移動部314が、支持軸31の基端部から支持軸31の先端部に向かう方向に移動する。第1の巻回体6が支持軸31に装着されていた場合は、各移動部314は、各一端部側切欠部6111に進入する。第2の巻回体6が支持軸31に装着されていた場合は、各移動部314は、各他端部側切欠部6112に進入する。こうして、各移動部314が後退位置から前進位置に移動すると、薬剤包装装置1の動作が停止される。
【0092】
薬剤包装装置1は、支持軸31の基端部側および支持軸31の先端部側の少なくとも一方(本実施形態では両方)で磁気を検出可能に構成されている。磁気を検出するための磁気検出部は、支持軸31の内部に設けられてもよく、あるいは、支持軸31の外部に設けられてもよい。
【0093】
このような薬剤包装装置1は、支持軸31に対して巻回体6が装着された状態において、各一端部側磁石6131および各他端部側磁石6132の少なくとも一方(本実施形態では両方)を検出する。第1の巻回体6が支持軸31に装着されている場合は、支持軸31の基端部側で各一端部側磁石6131を検出し、支持軸31の先端部側で各他端部側磁石6132を検出する。第2の巻回体6が支持軸31に装着されている場合は、支持軸31の基端部側で各他端部側磁石6132を検出し、支持軸31の先端部側で各一端部側磁石6131を検出する。薬剤包装装置1は、その検出結果に基づいて、包材62をヒートシールするときのシール温度を設定する。したがって薬剤包装装置1は、包材62を、その包材62の種類に応じたシール温度で、ヒートシールすることができる。
【0094】
-作業者による巻回体の装着、および、芯体の取り外し-
次に、巻回体6を作業者が支持軸31に装着する場合と、巻回体6から包材62がすべて巻き出されて支持軸31に残った芯体61を作業者が支持軸31から取り外す場合について説明する。
【0095】
図5に示すように、支持軸31および芯体61は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、支持軸31の周方向に、互いに位置合わせされる。
図5においては、第2突起部317および第3突起部が、二点鎖線で示されている。なお、
図5においては、理解を容易にするために、支持軸31の第2突起部317が、芯体61に対して、芯体61の軸方向に移動するように示している。しかしながら、実際には、逆であり、芯体61が、支持軸31の第2突起部317に対して、支持軸31の軸方向に移動する。
【0096】
支持軸31の外周に芯体61が装着される際には、支持軸31が周方向に不動であり、この支持軸31に対して芯体61が周方向に回転してもよく、あるいは、芯体61が周方向に不動であり、この芯体61に対して支持軸31が周方向に回転してもよい。あるいは、支持軸31と芯体61との両者が、それぞれ周方向に回転してもよい。
【0097】
ここでは、支持軸31および芯体61の位置合わせに関して、第1の巻回体6が支持軸31に装着される場合について説明する。第2の巻回体6が支持軸31に装着される場合は、第1の巻回体6が支持軸31に装着される場合に対して、芯体61の向きを除いて、基本的には同様である。このため、第2の巻回体6が支持軸31に装着される場合については説明を省略する。
【0098】
作業者は、第1の巻回体6を支持軸31に装着するとき、まず、第1の巻回体6を持ち、この第1の巻回体6を、支持軸31の先端部よりも先の位置に配置する。作業者は、芯体61の一端部を、支持軸31に向ける。作業者は、芯体61の中心軸線を、支持軸31の中心軸線に合わせる。この後、作業者は、第1の巻回体6を、支持軸31に対して、装着方向に移動させる。
【0099】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向に移動させると、芯体61の一端部が、支持軸31の先端部に外挿される。芯体61の一端部の位置においては、第2凹部616が、芯体61の全周にわたって形成されている。したがって、作業者は、支持軸31と芯体61とを支持軸31の周方向に意図的に位置合わせする必要がない。そのため、支持軸31に対する巻回体6の装着作業が容易になる。
【0100】
包材62が消費されていない新品の巻回体6は重い。作業者にとって、そのような巻回体6を持ち上げた状態で、支持軸31と芯体61とを支持軸31の周方向に位置合わせるのは、難しい。そのため、支持軸31と芯体61とを支持軸31の周方向に意図的に位置合わせする必要がないということは、作業者にとって大きな利点である。
【0101】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向に移動させる途中において、各出没部316が、各内周面部617に当接する。しかしながら、各出没部316は、各内周面部617によって支持軸31の径方向内方に押し込まれる。したがって、作業者は、支障なく、巻回体6を支持軸31に対して装着方向に移動させることができる。
【0102】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、
図5に示すように、各第2突起部317が各一端部側誘導部6162に進入する。具体的には、第1の第2突起部317が、第1の第2凹部616の一端部側誘導部6162に進入し、第2の第2突起部317が、第2の第2凹部616の一端部側誘導部6162に進入する。あるいは、第1の第2突起部317が、第2の第2凹部616の一端部側誘導部6162に進入し、第2の第2突起部317が、第1の第2凹部616の一端部側誘導部6162に進入する。各第2突起部317が、各一端部側誘導部6162のどちらに進入するかは、そのときの、支持軸31の周方向における、支持軸31と芯体61との位置関係によって定まる。
【0103】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、
図5に示すように、各第2突起部317が、各一端部側誘導部6162に誘導される。各一端部側誘導部6162は、各第1突起部313と各一端部側第1凹部6151とが支持軸31の周方向に位置合わせされるように、各第2突起部317を誘導する。したがって、作業者は、巻回体6を支持軸31に対して装着方向に移動させるだけでよい。作業者は、支持軸31と芯体61とを支持軸31の周方向に意図的に位置合わせする必要がない。そのため、支持軸31に対する巻回体6の装着作業が容易になる。
【0104】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、
図5に示すように、各第2突起部317が、各案内部6161に進入し、各案内部6161に案内される。各案内部6161は、各第1突起部313と各一端部側第1凹部6151とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態が維持されるように、各第2突起部317を案内する。したがって、作業者は、巻回体6を支持軸31に対して装着方向に移動させるだけでよい。作業者は、支持軸31と芯体61とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態を意図的に維持する必要がない。そのため、支持軸31に対する巻回体6の装着作業が容易になる。
【0105】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、第3突起部が、各案内部6161のどちらかに進入し、各案内部6161のどちらかに案内される。第1の第2突起部317が第1の案内部6161に案内されていた場合は、引き続き、この第1の案内部6161に第3突起部318が案内される。第1の第2突起部317が第2の案内部6161に案内されていた場合は、引き続き、この第2の案内部6161に第3突起部318が案内される。第3突起部318は、各第1突起部313と各一端部側第1凹部6151とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態が維持されるように、各案内部6161のどちらかに案内される。したがって、作業者は、巻回体6を支持軸31に対して装着方向に移動させるだけでよい。作業者は、支持軸31と芯体61とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態を意図的に位置する必要がない。そのため、支持軸31に対する巻回体6の装着作業が容易になる。
【0106】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、各第1突起部313が、各一端部側第1凹部6151に進入する。第3突起部318が第1の案内部6161に案内されていた場合は、第1の第1突起部313が、第1の一端部側第1凹部6151に進入し、第2の第1突起部313が、第2の一端部側第1凹部6151に進入し、第3の第1突起部313が、第3の一端部側第1凹部6151に進入し、第4の第1突起部313が、第4の一端部側第1凹部6151に進入する。第3突起部が第2の案内部6161に案内されていた場合は、第1の第1突起部313が、第3の一端部側第1凹部6151に進入し、第2の第1突起部313が、第4の一端部側第1凹部6151に進入し、第3の第1突起部313が、第1の一端部側第1凹部6151に進入し、第4の第1突起部313が、第2の一端部側第1凹部6151に進入する。
【0107】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、第1の巻回体6において包材62によって構成される端面が、前進位置に位置している各移動部314に当接する。
【0108】
作業者が、第1の巻回体6を、支持軸31に対して装着方向にさらに移動させると、各第1突起部313と各一端部側第1凹部6151とが嵌合する。各第1突起部313が、各一端部側第1凹部6151の端部に当接し、各出没部316が、内周面部617から外れて、支持軸31の径方向外方に突出し、各第1引掛凹部6152に引っ掛かる。各移動部314が、第1の巻回体6において包材62によって構成される端面によって押され、前進位置から後退位置に移動される。
【0109】
こうして、支持軸31に対する第1の巻回体6の装着が完了する。この後、作業者は、巻回体6から包材62を巻き出し、この包材62を、包材搬送部4および包装体形成部5にセットする。
【0110】
薬剤包装装置1の動作によって巻回体6から包材62がすべて巻き出されると、支持軸31には芯体61だけが残る。作業者は、その芯体61を、支持軸31から取り外す。作業者は、芯体61を支持軸31から取り外すとき、芯体61を持ち、この芯体61を取り外し方向に移動させる。このとき、各出没部316が、各第1引掛凹部6152に引っ掛かっているが、各出没部316は、芯体61の移動に伴い、この芯体61の内周面部617によって支持軸31の径方向内方に押し込まれる。そのため、作業者は、支障なく、芯体61を支持軸31に対して取り外し方向に移動させることができる。
【0111】
一部が繰り返しになるが、以上のような本実施形態では、
図2に示すように、包材供給部3は支持軸31を備える。支持軸31は図示しない基台から突出するように設けられている。この基台には包材搬送部4の一部(
図1に示す張力調整機構41)も設けられる。支持軸31は略円柱状とされている。支持軸31は円筒状の外周部を備える。支持軸31は、基端部(図示左方部分)と先端部(図示右方部分)とを有する。支持軸31の基端部は基台に支持される。支持軸31は、一定の径寸法を有する主軸部311と、主軸部311よりも基端側に位置し、主軸部311より径寸法の大きい基端軸部312と、を備える。主軸部311と基端軸部312との間には図示のように段差が形成されている。
【0112】
支持軸31は、基台に対して回転可能に設けられ、巻回体6(芯体61)を支持する。支持軸31は、基台の内部に設けられた図示しないステッピングモータ等の駆動部により駆動されて回転する。支持軸31の回転は包材62の巻き出し方向および巻き取り方向の両方向になされる。また、包材62の包装体形成部5への供給に対応して、支持軸31の回転は間欠的になされる。支持軸31は基台に対して片持ち支持されていて、支持軸31の先端部は開放されている。このため、
図2に示されたように巻回体6における芯体61を支持軸31の開放された側の軸方向延長位置に配置し、先端側から基端側に向かって軸方向に巻回体6を差し込むことで、
図4に示すように支持軸31に巻回体6(芯体61だけを図示)を装着できる。支持軸31には巻回体6が相対回転不能に取り付けられる。
【0113】
本実施形態の支持軸31は巻回体6よりも軸方向の長さが長く形成されている。このため、
図4に示すように、装着状態(支持軸本体31Aへの装着状態)における芯体61から支持軸31の一部(支持軸先端体31B)が突出する。ただし、これには限定されず、装着状態における芯体61の他端部(後述)と支持軸31の先端部とが一致していてもよい。
【0114】
また、芯体61から突出する支持軸31の先端側の一部(ガイド用突起317が形成された部分)は、支持軸31の基端側部分である支持軸本体31Aとは別体である支持軸先端体31Bとされていて、支持軸本体31Aに対して装着される。この支持軸先端体31Bは、本実施形態の巻回体6と組み合わせて用いることができる。支持軸先端体31Bの支持軸本体31Aに対する装着は、例えば、既存の薬剤包装装置が備える支持軸が備えていた先端蓋を取り付けるための嵌合構造の転用(先端蓋を除去した上で支持軸先端体31Bを取り付ける)による嵌合や、既存の支持軸への接着によりなされる(これに限定されず、種々の装着態様とできる)。支持軸本体31Aは円筒状の外周部を備える。支持軸先端体31Bは支持軸本体31Aに装着された状態で、支持軸31の一部である装着補助部となる。この構成は、例えば短い支持軸の先端に設けられていた蓋部材を交換するように装着することで、本実施形態の支持軸31とできる。支持軸本体31Aの先端部に取り付けられる支持軸先端体(装着補助部)31Bにより、既存の薬剤包装装置が備える支持軸を大幅に改造することなく、本実施形態の支持軸31を形成できる。このため、低コストで本実施形態の巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせを実現できる。ただし、例えば新規製作の支持軸31においては、このような別体構造ではなく、支持軸本体31Aと支持軸先端体31Bとが不可分の一体構造としてよい。なお、新規製作の支持軸31であっても、別体構造を採用することができる。例えば、支持軸31の内部に、磁気検出部等を配置する場合に、内部を必要に応じて開放できるので、別体構造は有用である。
【0115】
図2に示すように、支持軸31における基端軸部312には、複数(本実施形態では4個)の、第1突起部としての引掛突起313が形成されている。複数の引掛突起313~313は、周方向(回転方向)に一定の距離をおいて(間隔を空けて)設けられている。各引掛突起313は、支持軸31の基端部の外周面から径外方向に突出している。各引掛突起313は支持軸31の基端から先端方向の所定距離分、軸方向に延びている。複数の引掛突起313~313のうち一部(本実施形態では周方向における1個おきの引掛突起313)には移動部が設けられている。本実施形態ではこの移動部として、この引掛突起313~313のうち一部から径方向に、棒状の包材切れ検知ピン314が突出している。包材切れ検知ピン314の先端は、支持軸31に巻回体6を装着した場合の芯体61の外周面よりも径外に位置するように設定されている。また、包材切れ検知ピン314が設けられた引掛突起313には、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部315が設けられている。
【0116】
包材切れ検知ピン314は、支持軸31の内部に設けられた図示しないばねの付勢力により、支持軸31の軸方向で先端側(図示右方)に向かって付勢されている。包材切れ検知ピン314は、包材62の巻かれた巻回体6が支持軸31に取り付けられている場合には、芯体61の外周において径方向に積層されている包材62により側方に押し出されることで、ばね付勢に抗して軸方向基端側に移動させられている。なお、巻回体6の芯体61において、支持軸31への装着時に包材切れ検知ピン314に一致する部分には、支持軸31と同様に、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部611が設けられている。切欠部611は、芯体61の一端部側に設けられる一端部側切欠部6111と、芯体61の他端部側に設けられる他端部側切欠部6112とから構成されている。一端部側切欠部6111は、芯体61の周方向において、一端部側引掛凹部6151と同一の位置に設けられ、芯体61の一端部の端面から、芯体61の他端部に向かって切り欠かれた形状である。他端部側切欠部6112は、芯体61の周方向において、他端部側引掛凹部6152と同一の位置に設けられ、芯体61の他端部の端面から、芯体の一端部に向かって切り欠かれた形状である。切欠部611は、支持軸31の基端部に位置した場合において、包材切れ検知ピン314が進入可能である。
【0117】
切欠部611は、支持軸31の切欠部315と周方向に一致するように配置される。このため芯体61は、切欠部611の位置合わせのため、作業者により支持軸31に対して周方向に回転されることがある(この点については後で説明する)。巻回体6から包材62が引き出されて無くなってしまうと(つまり、芯体61だけになると)、包材62による前記押し出しがされなくなるため、ばね付勢された包材切れ検知ピン314が軸方向先端側に移動して切欠部611に進入する(
図4参照)。このように包材切れ検知ピン314が切欠部611に進入したことをセンサ等で検知することにより、包材切れを検出できる。巻回体6から包材62がすべて巻き出されたことを検知することで、例えば薬剤包装装置1の動作が停止される。詳しくは、包材供給部3を自動停止できる。
【0118】
支持軸31の外周部(詳しくは外周面)には出没部316が突出している。出没部316は、少なくとも1個(図には現れていないが、本実施形態では2個)設けられる。本実施形態のように出没部316が複数設けられた場合には、これら複数の出没部316は、周方向に一定の距離をおいて(間隔を空けて)設けられる。本実施形態では、2個の出没部316は、周方向に等間隔(つまり、角度で180度の間隔)で位置する。また、本実施形態では、各出没部316は、周方向位置で複数(本実施形態では4個)の引掛突起313~313のいずれかと同一の位置に設けられる。本実施形態の各出没部316は、包材切れ検知ピン314および切欠部315を有する引掛突起313と、周方向で同一の位置に設けられている。また、各出没部316は、周方向で各ガイド用突起317および副ガイド用突起318と異なる位置に設けられる。本実施形態では、角度で90度ずれて設けられている。出没部316は例えば球状または半球状で、支持軸31の内部に設けられたばねにより径外方向に付勢され、一部が支持軸31の外周面から突出した突起である。出没部316は、支持軸31の外周面に出没可能に設けられている。
【0119】
出没部316は、芯体61における内周部に、径方向外方に凹むように形成された引掛凹部615(本実施形態では、第1引掛凹部としての他端部側引掛凹部6152と、第2引掛凹部としての一端部側引掛凹部6151とから構成)において、支持軸31の先端側に位置するものの段差部615a(
図3参照)に係合する。他端部側引掛凹部6152は、支持軸31に芯体61が、一端部側から装着された場合に、ばね付勢された出没部316が引っ掛かる。一端部側引掛凹部6151は、支持軸31に芯体61が、他端部側から装着された場合に、ばね付勢された出没部316が引っ掛かる。このため、支持軸31の外周に芯体61が装着された状態においては、出没部316が引掛凹部615に引っ掛かることで、支持軸31に対して芯体61が、支持軸31の基端部から先端部に向かう方向にずれることが防止される。よって、支持軸31に巻回体6を確実に装着できる。一方、出没部316はばね付勢されていることから、例えば支持軸31から芯体61を抜く際、このばねの付勢力に打ち勝つ力で芯体61を軸方向に移動させれば、芯体61は支持軸31に対して移動する。このため、支持軸31から芯体61を抜く際には特に支障なく作業できる。ちなみに、支持軸31への芯体61の装着途中において、出没部316が段差部615aに係合する前の段階では、出没部316は芯体61の内周面部617に当接している。このとき出没部316は、内周面部617によって押されているため、径内方向に移動している。
【0120】
支持軸31(主軸部311)における先端部には、少なくとも1個(本実施形態では2個)の、第2突起部としてのガイド用突起317が形成されている。ガイド用突起317が複数形成された場合には、これら複数のガイド用突起317~317は、周方向に一定の距離をおいて(間隔を空けて)設けられる。本実施形態では角度で180度分空いている。各ガイド用突起317は、支持軸31の先端部の外周面から径外方向に突出している。各ガイド用突起317は、周方向で前記複数の引掛突起313~313のうち一部(本実施形態では4個中の2個)と同じ位置で突出する。具体的には、包材切れ検知ピン314および切欠部315を有しない引掛突起313と、周方向で同じ位置で突出する。また、各ガイド用突起317は、各引掛突起313に比べて、支持軸本体31Aの外周部に対する径方向外方への突出量が小さい。
【0121】
ガイド用突起317は、
図2に示すように、一定幅とされた本体部3171と、本体部3171の先端側に設けられていて、先端に向かうにつれ幅寸法が絞られた先細部3172とを一体に備える。先細部3172は幅方向端部に斜面を有する。この斜面は本実施形態では径方向視で直線状に形成されているが、これに限られず、湾曲線状等の他の形状とすることもできる。また、この斜面は本実施形態では軸方向に対して対称形状とされているが、非対称形状であってもよい。
【0122】
支持軸31の外周部であり、支持軸31の基端部と先端部との間の中間位置に、径方向外方に突出する、第3突起部としての副ガイド用突起318が形成されている。副ガイド用突起318は、主軸部311において、ガイド用突起317の基端側に連続して、少なくとも1個(本実施形態では1個)形成されている。前述のように、本実施形態ではガイド用突起317が2個形成されているため、そのうち1個のガイド用突起317(
図2に現れているガイド用突起317)の基端側の軸方向延長線上に副ガイド用突起318が並ぶ。また、副ガイド用突起318の基端側には引掛突起313が位置する。
【0123】
この副ガイド用突起318は、中心軸線まわりの周方向において、ガイド用突起317と同一の位置に設けられ、支持軸31の外周部に対する径方向外方への突出量が、ガイド用突起317と同一である。副ガイド用突起318は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、引掛突起313と引掛凹部615とが中心軸線まわりの周方向に位置合わせされた状態が維持されるように、案内部6161に案内される。
【0124】
支持軸31への芯体61の差し込みに伴い、ガイド用突起317に対して芯体61の内周面部617が当接することで、支持軸31に対して芯体61の周方向の位置合わせを行うことができる(芯体61の位置合わせについては後で説明する)。
図5にその様子を示す。ちなみに、
図5は理解を容易にするため、芯体61に対して、ガイド用突起317(二点鎖線)が軸方向に移動するように示しているが、実際には図示とは逆で、ガイド用突起317に対して芯体61が軸方向に移動する。このとき、支持軸31と芯体61とが相対的に周方向に回転して位置合わせされていく。なお、本実施形態では、支持軸31への芯体61の差し込みが進み、ガイド用突起317に対して芯体61の内周面部617が当接しなくなると、引き続き、副ガイド用突起318に対して芯体61の内周面部617の周方向端縁が当接することで、支持軸31に対して芯体61の周方向の位置合わせを継続できる。このため、芯体61の差し込み中の、安定的な位置合わせが可能である。位置合わせの際は、支持軸31が周方向に不動であり、この支持軸31に対して芯体61が周方向に回転してもよく、あるいは、芯体61が周方向に不動であり、この芯体61に対して支持軸31が周方向に回転してもよい。支持軸31と芯体61との両者がそれぞれ周方向に回転してもよい。
【0125】
図2に示すように、巻回体6の芯体61は、径方向断面の形状が円形である筒状(円筒状)、または管状(円管状)である。芯体61は円筒状の内周部を備える。
図1に示すように、芯体61の外周面に包材62が巻き重ねられる。芯体61の外径寸法は、軸方向において一定とされている。このため、芯体61の外周面に段差が現れないので、包材62を、折り目をつけることなく巻回させられる。芯体61は、包材供給部3における支持軸31の外周に対し、軸方向へ移動されることで脱着(装着及び取り外し)される。芯体61は、支持軸31の周方向に位置合わせされて、支持軸31の外周に装着される。芯体61は、一端部及び他端部を有する。一端部は、
図2において支持軸31に近い部分(左奥部分)であり、他端部は、
図2において支持軸31から遠い部分(右手前部分)である。ただし、本実施形態の芯体61は、複数の磁石保持部614~614を除いて、一端部の形状と他端部の形状とが同じであり、軸方向中央に対して対称形状とされている。対称形状とすることで、芯体61を支持軸31に対し、一端部側から装着することも他端部側から装着することもできる。よって、複数の磁石保持部614~614に装着される永久磁石(磁石613~613)により、一端部、他端部のいずれの側を支持軸31に向けた形で装着するか区別できるため、同一形状の1個の芯体61で、少なくとも2種の包材62に対応させることができる。従って、巻回体6を製造する際の管理が容易である。
【0126】
芯体61は、正規の向き(装着方向)として、巻回される包材62の種類に応じ、一端部側から支持軸31に装着される場合と、他端部側から支持軸31に装着される場合がある。装着の際、芯体61は支持軸31の先端部から基端部に向かって軸方向に移動させられる。芯体61は、両端部に切欠部611を備える。切欠部611は、芯体61を支持軸31に装着した際に、支持軸31から径外方向に突出する包材切れ検知ピン314に対応する位置に設けられている。切欠部611は、芯体61を径方向に貫通し、かつ、芯体61における端面に開口した空間を有する。この空間において包材切れ検知ピン314が支持軸31の軸方向に移動可能である。この移動は、巻回体6から包材62が引き出されて無くなった後になされる(
図4は移動後の状態を示す)。
【0127】
芯体61は、包材供給部3が巻回体6の識別のために備えている磁気センサ等の磁気検出部に対応した組み合わせの永久磁石(磁石613~613)を保持する、複数の磁石保持部614~614を備える。本実施形態では、芯体61の一端部においては二つの磁石保持部614,614が、周方向で90度分空けて設けられている。そして、芯体61の他端部においては二つの磁石保持部614,614が、周方向で180度分空けて設けられている。このように、本実施形態では磁石保持部614の設けられている位置が一端部と他端部とで相違する。このため、複数の磁石保持部614~614全てに永久磁石(磁石613~613)を配置すると、各端部に配置された永久磁石(磁石613~613)の位置関係が異なるようになる。
【0128】
複数の磁石保持部614~614のうち、選択された所定個数の磁石保持部614~614に永久磁石(磁石613~613)が配置されてもよい。前記「巻回体6の識別」とは、具体的には、包材62をヒートシールにより接着するときの、適切に接着がなされるシール温度に関連する、包材62の材質を識別することである。複数の磁石保持部614~614において、永久磁石(磁石613~613)が配置された磁石保持部614の個数、永久磁石(磁石613~613)の極性または磁力の強さ等を磁気検出部が検出して識別を行ってもよい。なお、巻回体6の識別を、例えばICチップ等、無線識別可能なRFIDタグによる電磁的な検出、2次元コードによる光学的な検出等の、磁気以外の手段で行うように構成した薬剤包装装置や、改造によって磁気検出部を除去または無効化した薬剤包装装置では、この磁石保持部614は不要である。前記電磁的な検出を行う構成では、例えば芯体61の内部空間にRFIDタグ等が配置される。芯体61の内周面または外周面にRFIDタグ等が配置されてもよい。
【0129】
芯体61の一端部に、複数の一端部側磁石6131が、芯体61の周方向において、第1の位置関係で設けられる。一方、芯体61の他端部には、複数の他端部側磁石6132が、芯体61の周方向において、前記第1の位置関係とは異なる第2の位置関係で設けられる。薬剤包装装置1は、支持軸31の外周に芯体61が装着された状態において、複数の一端部側磁石6131および複数の他端部側磁石6132の少なくとも一方を磁気検出部で検出して、包材62をヒートシールするときのシール温度を設定する。
【0130】
芯体61は、内周に第1凹部としての引掛凹部615、第2凹部としてのガイド用凹部616、内周面部617を備える。引掛凹部615、ガイド用凹部616、内周面部617は、周方向に複数組設けられている。これらは周方向に等間隔で設けることができる。本実施形態では、引掛凹部615が4組、周方向に等間隔で設けられており、ガイド用凹部616及び内周面部617が2組、周方向に等間隔で設けられている。ただし、1組だけを設けたり、複数組を不等間隔に設けたりすることもできる。また、これらの部分615~617は、
図2及び
図3に示すように、軸方向で(軸方向中央を基準として)対称に設けられている。
【0131】
引掛凹部615は、芯体61の一端部側における内周に設けられる、一端部側第1凹部としての一端部側引掛凹部6151と、芯体61の他端部側における内周に設けられる、他端部側第1凹部としての他端部側引掛凹部6152とから構成されている。引掛凹部615のうち、支持軸31への装着状態で基端側に位置する部分は、支持軸31が備える引掛突起313に嵌合することで、支持軸31との間で周方向に回転力を伝達する。つまり、支持軸本体31Aの外周に芯体61が装着された状態においては、引掛突起313と引掛凹部615とが嵌合することで、支持軸本体31Aと芯体61とが、支持軸本体31Aの外周部の中心軸線まわりに一体的に回転可能となっている。引掛凹部615の数量は支持軸31における引掛突起313の数量に一致している。また、ガイド用凹部616、内周面部617からなる組の数量は支持軸31におけるガイド用突起317の数量に一致している。ただし、引掛凹部615の数量を支持軸31における引掛突起313の数量に比べて多くすることもできる。また、ガイド用凹部616、内周面部617からなる組の数量を支持軸31におけるガイド用突起317の数量に比べて多くすることもできる。
【0132】
ガイド用凹部616は、芯体61の内周に、軸方向に沿って設けられる。ガイド用凹部616は、支持軸31の外径寸法よりも内径寸法が大きい。ガイド用凹部616は、引掛凹部615(一端部側引掛凹部6151、他端部側引掛凹部6152)に比べて、芯体61の内周部(より詳しくは内周面、更に詳しくは、内周面部617または厚肉部619の内周面)に対する径方向外方への凹み量が小さい。このため、凹みによる芯体61の強度低下を防ぐことができる。ガイド用凹部616は、芯体61の一端部及び他端部の位置において、芯体61の周方向の全周にわたって形成されている(
図3に示された部分6162a,6163a)。このため、支持軸先端体31Bに対して芯体61を外挿する際に、支持軸先端体31Bと芯体61とを中心軸線まわりに位置合わせする必要がないため、その作業を容易化できる。ガイド用凹部616は、芯体61の支持軸31への装着を行う際に、ガイド用突起317及び副ガイド用突起318に係合することで支持軸31に対する周方向の位置決めを行う。つまり、支持軸本体31Aの外周に芯体61が装着される際には、ガイド用突起317及び副ガイド用突起318とガイド用凹部616とが係合することで、ガイド用突起317及び副ガイド用突起318とガイド用凹部616とが、支持軸本体31Aの外周部の中心軸線まわりの周方向に位置合わせされる。このガイド用凹部616は、軸方向中央に位置し、幅寸法(周方向寸法)が一定であって軸方向に延びる位置決め部6161と、位置決め部6161の一端部側または他端部側に連続して軸方向に延び、幅寸法(周方向寸法)が軸方向中央から一端部側または他端部側に向かうにつれ拡大する誘導部とを有する。この誘導部は、芯体61の一端部寄りの位置に設けられた一端部側誘導部6162と芯体61の他端部寄りの位置に設けられた他端部側誘導部6163からなっている。位置決め部6161の幅寸法はガイド用突起317の幅寸法と略同一である。詳しくは、ガイド用突起317に対して芯体61の軸方向への移動を許容できる程度に、ガイド用突起317の幅寸法よりも大きい(わずかに大きい)。
【0133】
各誘導部6162,6163は、一端部側または他端部側から軸方向中央に向かうにつれ周方向寸法が縮小していくので、これらの縮小に応じて芯体61を周方向に移動させられる(一端部側誘導部6162に関する
図5参照、ただし、
図5は芯体61とガイド用突起317の動及び不動に関し、実際とは逆に示している)。そして、支持軸31の引掛突起313に芯体61の引掛凹部615が一致する。こうして、支持軸31に対して芯体61が回転し、周方向に位置合わせされる。
【0134】
このように、各誘導部6162,6163は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、引掛突起313と、一端部側引掛凹部6151または他端部側引掛凹部6152とが中心軸線まわりの周方向に位置合わせされるように、ガイド用突起317を誘導する(逆の見方では、各誘導部6162,6163がガイド用突起317に誘導される)。
【0135】
なお、芯体61の内周部において、芯体61の一端部の位置および芯体61の他端部の位置に対応する各部分6162a,6163a(
図3参照)については、ガイド用突起317との当接により芯体61を周方向に移動させる作用は奏されない。この各部分6162a,6163aは、支持軸31への芯体61の取り付けを容易にするために作用する。つまり、各部分6162a,6163aは、支持軸31の外径寸法よりも内径寸法が大きい。すなわち、各部分6162a,6163aの内径が、支持軸31の外径に対して余裕のある「緩い」関係になっている。このため、巻回体6(芯体61)の支持軸31への差し込みが、寸法的に余裕の無い構成と比較して容易である。ちなみに、芯体61に包材62が巻回された状態の巻回体6は重い(特に、新品の巻回体6は、包材62が全く消費されていないから特に重い)ので、差し込みが容易であることは、薬剤包装装置1のユーザーにおいて大きな利点である。ちなみにこの作用は、後述する薄肉部618の作用でもある。
【0136】
ここで、各部分6162a,6163aは、芯体61の回転を制限せずに許容する「自由領域」とも言える。また、位置決め部6161は、芯体61の回転が実質的に不可能なように(詳しくは、支持軸31のガイド用突起317及び副ガイド用突起318に対して芯体61のガイド用凹部616を軸方向にずれさせる程度の周方向の遊びのみが存在する)制限される「制限領域」とも言える。また、各誘導部6162,6163は、軸方向一端側及び他端側よりも軸方向中央側の方が芯体61の回転可能な範囲が小さくなる「遷移領域」とも言える。ガイド用凹部616は、軸方向一端側から軸方向中央に向かい、自由領域、遷移領域、制限領域の順に連続する。そして軸方向中央から軸方向他端側に向かい更に、遷移領域、自由領域と連続する。
【0137】
内周面部617は、ガイド用凹部616に周方向で隣接する部分である。内周面部617は、ガイド用凹部616よりも厚肉(径方向寸法が大きい)とされている。内周面部617は、芯体61の軸方向中央に設けられ、軸方向両端側で芯体61の端縁まで至らず、先端が軸方向中心と軸方向両端側の端縁との間に位置する。内周面部617の先端部分は、各誘導部6162,6163の形状と対応した形状となっており、一端部側から軸方向中央に向かうにつれ周方向寸法が拡大し、軸方向中央から他端部側に向かうにつれ周方向寸法が縮小している。内周面部617の形状は、軸方向中央に対して、軸方向で対称形状とされている。
【0138】
内周面部617の表面は、周方向に一定曲率で湾曲する湾曲面となっている。内周面部617の表面の周方向の曲率は、支持軸31の外周面の周方向の曲率と同一(略同一)である。内周面部617の表面が広がりを持った湾曲面であることから、芯体61の装着時に支持軸31の外周面に対して内周面部617は面接触する。ここで例えば、芯体の内周面に軸方向に延びる複数の突起を形成した構成では、支持軸の外周面に対して線接触する。ここで、巻回体の製造に伴い巻き付け後に包材に残留する応力(長手方向に縮む力)や周囲の温度または湿度によって「巻き締まり」という現象が発生することがある。この「巻き締まり」が原因で、支持軸に対して浮いた状態である芯体の本体に変形(歪み)が生じる可能性がある。これに対し、本実施形態では内周面部617の表面が支持軸31の外周面に面接触することから、前述のような変形(歪み)が芯体61に生じる可能性を低減できる。
【0139】
内周面部617が厚肉でガイド用凹部616が薄肉であることから、内周面部617とガイド用凹部616との間には段差が形成されている。つまり、ガイド用凹部616の位置決め部6161及び各誘導部6162,6163の周方向端縁は、内周面部617によって規定される。内周面部617は、ガイド用凹部616の各誘導部6162,6163の幅方向(周方向)端縁を規定する芯体側斜面6171を有する(
図3参照)。
【0140】
引掛凹部615、ガイド用凹部616、内周面部617を備える芯体61を、一端部側から支持軸31に装着しようとする場合、まず、支持軸31のガイド用突起317に対し、芯体61の誘導部6162が位置することになる。更に芯体61を軸方向に移動させると、ガイド用突起317に対し、芯体61の位置決め部6161が位置するように変化する(
図5にて矢印で示した位置変化を参照)。
【0141】
位置決め部6161は、ガイド用突起317を案内する案内部でもある。この案内部としての位置決め部6161は、芯体61の軸方向中央の位置、つまり、一端部側誘導部6162と他端部側誘導部6163との間に設けられ、各誘導部6162,6163に連なり、支持軸本体31Aの外周に芯体61が装着される際に、引掛突起313と引掛凹部615(一端部側引掛凹部6151または他端部側引掛凹部6152)とが支持軸本体31Aの外周部の中心軸線まわりの周方向に位置合わせされた状態が維持されるように、ガイド用突起317を案内する。これによると、支持軸本体31Aに対して芯体61を装着する際に、支持軸本体31Aと芯体61とが中心軸線まわりに位置合わせされた状態を意図的に維持する必要がないため、その作業を容易化できる。
【0142】
また、一端部側誘導部6162は、芯体61の一端部から他端部に向かう方向に進むにつれて、一端部から軸方向中央部までは幅寸法(周方向寸法)が縮小しており、支持軸本体31Aの外周に芯体61が装着される際に、引掛突起313と引掛凹部615とが支持軸本体31Aの外周部の中心軸線まわりの周方向に位置合わせされるように、ガイド用突起317を誘導する。これによると、支持軸本体31Aに対して芯体61を装着する際に、支持軸本体31Aと芯体61とを中心軸線まわりに意図的に位置合わせする必要がないため、その作業を容易化できる。なお、芯体61の一端部から他端部に向かう方向に進むにつれて、軸方向中央部から他端部までは、副ガイド用突起318が芯体61を誘導する。
【0143】
ここで、ガイド用突起317が一端部側誘導部6162の周方向端部に位置する場合、一端部側誘導部6162の端縁、つまり、一端部側の芯体側斜面6171がガイド用突起317に当接する。これにより、ガイド用突起317に対し芯体61の位置決め部6161が一致するように誘導される。そして更に芯体61を軸方向に移動させると、ガイド用突起317は芯体61の位置決め部6161から脱してしまう。そうなると、ガイド用突起317に代わり、ガイド用突起317の基端側に連続して形成された副ガイド用突起318に対し位置決め部6161が一致するように誘導される(
図5参照)。ガイド用突起317と副ガイド用突起318とによる誘導の結果、引掛突起313と引掛凹部615とが嵌合する。更に芯体61を軸方向に移動させると、ガイド用突起317の一部が芯体61の他端部から飛び出し、引掛突起313と引掛凹部615とが完全に嵌合し、最終的に
図4に示す状態となる。
【0144】
一端部側誘導部6162の端縁(芯体側斜面6171)は、ガイド用突起317の先細部3172における斜面に当接することがある(
図5参照)。ここで、一端部側誘導部6162の端縁である芯体側斜面6171とガイド用突起317の先細部3172における斜面の軸方向における傾斜は略同一とされている。このため、前記当接はスムーズになされる。他端部側誘導部6163も同様である。
【0145】
本実施形態の芯体61によると、ガイド用凹部616により支持軸31への取り付けが容易であり、かつ、内周面部617により芯体61の強度が確保される。
【0146】
また、芯体61は、薄肉部618、厚肉部619を備える。薄肉部618は、軸方向一端側及び他端側の内周に設けられる。また、薄肉部618は、芯体61の支持軸31への装着状態で、支持軸31における基端軸部312に嵌合する。厚肉部619は、支持軸31への装着状態で、支持軸31における主軸部311に嵌合する。厚肉部619は、薄肉部618よりも肉厚が大きい。薄肉部618は前述のガイド用凹部616が相当し、厚肉部619は前述の内周面部617が相当する。薄肉部618は、前述のガイド用凹部616とは形成された目的が異なるが、芯体61の内周における形成範囲は前述のガイド用凹部616と同じである。なお、薄肉部618とガイド用凹部616とで形成範囲を異ならせることもできる。厚肉部619は、前述の内周面部617とは形成された目的が異なるが、芯体61における形成範囲は前述の内周面部617と同じである。なお、厚肉部619と内周面部617とで形成範囲を異ならせることもできる。
【0147】
-使用済み芯体の再利用-
芯体61は包材62を使い切った後に再利用することで、多数回繰り返して使用することができる。これにより、たとえば資源の節約に貢献できる。再利用は、薬剤包装装置1のユーザーから回収した使用済みの芯体61に対し、新たな包材62を巻回することによってなされる。再利用される芯体61への新たな包材62の巻回により、新たな巻回体6が製造されることになる。なお、回収を円滑に行うべく、ユーザーに対して引き渡す巻回体6のうち、芯体61の部分については貸与した形をとることにより、ユーザーが芯体61を返却するという形で芯体61の回収を促すことができる。
【0148】
前記使用済みの芯体61に対する新たな包材62の巻回は、たとえば、芯体61の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する別個の芯体(紙筒等)63に新たな包材62を巻回することにより(たとえば
図19参照)、あらかじめ製作された包材ロール(取換用巻回体)を、使用済みの芯体61に取り付ける手法で行ってもよい。この手法をとる場合、使用済みの芯体61と前記別個の芯体との間にゴムリング等のスペーサを介在させることで、芯体61の外径寸法と前記別個の芯体の内径寸法の差を調整することもできる。
【0149】
前記新たな巻回体6の製造は、巻回体6の供給者が行うこともできるし、巻回体6の供給者がユーザーに指示することにより、ユーザーが前記製造に係る作業を行うこともできる。後者の場合、使用済みの芯体61は回収されずにユーザーの手元に留め置かれることになる。巻回体6の供給者からユーザーへの前記指示は明示的であってもよいし、黙示的であってもよい。後者の黙示的な指示には、単に取換用巻回体をユーザーに譲渡する行為も含まれる。
【0150】
-形態の変更可能性-
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0151】
支持軸31は、たとえば、
図6および
図7に示すような形態であってもよい。
図6および
図7に示す支持軸31は、基本的には前記実施形態の支持軸31と同じであるが、第3突起部(副ガイド用突起)318が設けられていない点で前記実施形態の支持軸31と相違する。つまり、支持軸31には、第3突起部318が設けられなくてもよい。
【0152】
この形態の支持軸31は、たとえば、既存の薬剤包装装置が備える支持軸を改造したものである。既存の薬剤包装装置が備える支持軸は、支持軸本体31Aと先端蓋とを備える。先端蓋は、支持軸本体31Aの先端部に取り付けられ、支持軸本体31Aの先端部を塞いでいる。
図6および
図7に示す支持軸31は、支持軸本体31Aの先端部から先端蓋が取り外され、その支持軸本体31Aの先端部に支持軸先端体(装着補助具)31Bが取り付けられたものである。このような支持軸31は、既存の薬剤包装装置が備える支持軸を大幅に改造することなく、実現することができる。したがって低コストで、本実施形態の巻回体6と薬剤包装装置1との組み合わせを実現することができる。
【0153】
また、芯体61は、たとえば、
図8~
図18に示す変形例のような形態であってもよい。すなわち、芯体61の内周部には、少なくとも1個(ここでは1個)の第3凹部6172がさらに形成されていてもよい。第3凹部6172は、支持軸31の外周に芯体61が装着される際に、支持軸31の出没部316と係合する。第3凹部6172は、芯体61の一端部と芯体61の他端部との間の中間位置に設けられ、径方向外方に凹んでいる。第3凹部6172は、各一端部側第1凹部6151および各他端部側第1凹部6152に比べて、芯体61の内周部(詳しくは、芯体61の内周面)に対する径方向外方への凹み量が小さい。したがって第3凹部6172が形成されることによる芯体61の強度低下を防ぐことができる。
【0154】
第3凹部6172は、芯体61の周方向において、所定の角度位置に設けられている。本実施形態では、芯体61の周方向において、第3凹部6172が、2個の第2凹部616のうちの1個の第2凹部616に対して、90°ずれた角度位置に設けられている。
芯体61を一端部側から見たとき、芯体61の周方向において、前述した第1の一端部側第1凹部6151の角度位置を0°とすると、第3凹部6172の角度位置は、270°である。
【0155】
このような第3凹部6172は、作業者が巻回体を支持軸31に対して装着方向に移動させる際に、各第1突起部313と各第1凹部615(具体的には、前述した各一端部側第1凹部6151または各他端部側第1凹部6152)とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態が維持されるように、出没部316を案内する。したがって、仮に支持軸31に前述した第3突起部318が設けられていなくても、作業者は、巻回体6を支持軸31に対して装着方向に移動させるだけでよい。作業者は、支持軸31と芯体61とが支持軸31の周方向に位置合わせされた状態を意図的に位置する必要がない。そのため、支持軸31に対する巻回体の装着作業が容易になる。
【0156】
なお、この変形例に係る芯体61の軸方向中央寄りの部分の形状は、
図8~
図18に示した形態だけに限定されるものではなく、種々の形態とできる。また、磁石保持部614は設けないこともできる。また、内周面部617は前述のように2か所設けられているが、第3凹部6172が設けられていない方の内周面部617の形状は種々の形状としてよい。
【0157】
また、磁石保持部614の有無を問わず、芯体61には、磁石613が設けられていなくてもよい。この場合、薬剤包装装置1は、別の手段を用いて、シール温度を設定すればよい。またこの場合、包材62に対する芯体61の向きは、どちらでもよい。芯体61の一端部および芯体61の他端部のどちらが、包材62の折り目の側になってもよい。この場合、巻回体6の製造が容易になる。
【符号の説明】
【0158】
1 薬剤包装装置
2 包装部
3 包材供給部
31 支持軸
31A 支持軸本体
31B 支持軸先端体
311 主軸部
312 基端軸部
313 引掛突起、第1突起部
314 移動部、包材切れ検知ピン
316 出没部
317 ガイド用突起、第2突起部
318 副ガイド用突起、第3突起部
4 包材搬送部
5 包装体形成部
6 巻回体
61 芯体
611 切欠部
6111 一端部側切欠部
6112 他端部側切欠部
613 磁石
6131 一端部側磁石
6132 他端部側磁石
614 磁石保持部
6141 一端部側保持部
6142 他端部側保持部
615 引掛凹部、第1凹部
6151 一端部側第1凹部、第2引掛凹部、一端部側引掛凹部
6152 他端部側第1凹部、第1引掛凹部、他端部側引掛凹部
616 第2凹部、ガイド用凹部
6161 案内部、位置決め部
6162 一端部側誘導部
6163 他端部側誘導部
617 内周面部
618 薄肉部
619 厚肉部
62 包材