(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161052
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】平面誘導コイルを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20241108BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241108BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20241108BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/42
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024140909
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2023001062の分割
【原出願日】2015-05-14
(31)【優先権主張番号】14169224.4
(32)【優先日】2014-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】14197252.1
(32)【優先日】2014-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレグ
(57)【要約】
【課題】エアロゾル発生装置と、この装置で使用されるように構成されたカートリッジと、を備える電気加熱式エアロゾル発生システムを提供する。
【解決手段】装置は、装置ハウジングと、フラットスパイラルインダクタコイルと、フラットスパイラルインダクタコイルに接続され、かつ高周波振動電流をフラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された電源とを備え、カートリッジは、エアロゾル形成基体を含み、かつ装置ハウジングを係合するように構成されたカートリッジハウジングを備え、またサセプタ素子がエアロゾル形成基体を加熱するように配置された、システムである。動作時に、高周波振動電流がフラットスパイラルインダクタコイルを通過して、サセプタ素子内に熱を発生させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置と、前記装置で使用されるように構成されたカートリッジと、を備える電気加熱式エアロゾル発生システムであって、前記装置が、
装置ハウジングであって、前記装置ハウジングが前記カートリッジと係合した時に少なくとも前記カートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備える、装置ハウジングと、
第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび第二のフラットスパイラルインダクタコイルであって、前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルは前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに対して前記くぼみの反対側にある、第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび第二のフラットスパイラルインダクタコイルと、
前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに接続された電源であって、高周波振動電流を前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された、電源と、
を備え、
前記カートリッジが、
エアロゾル形成基体を含み、かつ前記装置ハウジングを係合するように構成されたカートリッジハウジングと
前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置するサセプタ素子と、
を備える、電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項2】
装置ハウジングが少なくとも前記カートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備え、前記くぼみが内部表面を有する、請求項1に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルが前記電源に最も近いくぼみの表面の上またはこれに隣接して位置する、請求項2に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項4】
装置ハウジングが、本体およびマウスピース部分を備え、前記くぼみが前記本体内にあり、前記マウスピース部分が出口を有し、この出口を通して前記システムによって生成されたエアロゾルをユーザーの口の中へと引き出すことができ、前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルが前記マウスピース部分の中にある、請求項2に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記装置が空気吸込み口から空気出口までの空気経路を備え、前記空気経路が前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルを通過する、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記サセプタ素子が前記エアロゾル形成基体と接触する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記サセプタ素子が、前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルに隣接して位置するように構成された前記カートリッジハウジングの壁の上に提供される、請求項1~6のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルと前記サセプタ素子との間に気流通路が提供される、請求項1~7のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記サセプタ素子が流体浸透性である、請求項1~8のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記サセプタ素子がシートの形態であり、かつ前記カートリッジハウジング内の開口全体に延びる、請求項1~9のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記システムが手持ち式喫煙システムである、請求項1~10のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項12】
電気加熱式エアロゾル発生装置であって、
装置ハウジングであって、前記装置ハウジングがカートリッジと係合した時に少なくとも前記カートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備え、前記カートリッジがエアロゾル形成基体および前記エアロゾル形成基体に接触するサセプタ素子を含むハウジングを備える、装置ハウジングと、
第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび第二のフラットスパイラルインダクタコイルであって、前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルは前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに対して前記くぼみの反対側にある、第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび第二のフラットスパイラルインダクタコイルと、
前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに接続された電源であって、高周波振動電流を前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび前記第二のフラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された、電源と、
を備える、電気加熱式エアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾルを発生する方法であって、
サセプタと、前記サセプタに接触または前記サセプタに近接するエアロゾル形成基体とを備えるカートリッジを提供することと、
前記カートリッジをエアロゾル発生装置ハウジングのくぼみの中で配置して、前記サセプタが、第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルに対して前記くぼみの反対側に配置された第二のフラットスパイラルインダクタコイルに近接するようにすることと、
前記第一のフラットスパイラルインダクタコイルおよび第二のフラットスパイラルインダクタコイルを通して高周波振動電流を通過させ、前記サセプタ内に電流を誘起し、これによって前記エアロゾル形成基体を加熱することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル形成基体を加熱することにより作動するエアロゾル発生システムに関する。特に本発明は、電源を含む装置部分と、消耗品であるエアロゾル形成基体を含む交換可能なカートリッジ部分とを備えるエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
一つのタイプのエアロゾル発生システムは電子たばこである。電子たばこは一般に、気化されてエアロゾルを形成する液体エアロゾル形成基体を使用する。電子たばこは一般に、電源と、1回分の液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、アトマイザーとを備える。
【0003】
液体エアロゾル形成基体は使用時に枯渇状態になり、そのため補充される必要がある。液体エアロゾル形成基体の詰め替え品を供給する最も一般的な方法は、カートマイザー型のカートリッジ入りである。カートマイザーは1回分の液体基体およびアトマイザーの両方を含み、通常はエアロゾル形成基体に浸された毛細管材料の周りに巻かれた電気的に動作する抵抗ヒーターの形態である。カートマイザーを単一のユニットとして交換することは、ユーザーにとって便利であるという利点があり、またユーザーが掃除またはその他の方法でアトマイザーを維持しなければならないという必要性が回避される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現時点で入手できるカートマイザーよりも安価に製造でき堅牢性の高いエアロゾル形成基体の詰め替え品が許容されるシステムを提供できる一方で、なおも消費者にとって使用が簡単で便利であることが望ましい。さらに、はんだ付けされた継ぎ目の必要性がなく、清掃が簡単な密封された装置が許容されるシステムが提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様では、エアロゾル発生装置と、この装置で使用されるように構成されたカートリッジとを備える電気加熱式エアロゾル発生システムが提供され、この装置は、
装置ハウジングと、
フラットスパイラルインダクタコイルと、
フラットスパイラルインダクタコイルに接続され、かつ高周波振動電流をフラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された電源と、を備え、
このカートリッジが、
エアロゾル形成基体を含み、かつ装置ハウジングを係合するように構成されたカートリッジハウジングと
エアロゾル形成基体を加熱するように位置するサセプタ素子と、を備える。
【0006】
動作時に、高周波振動電流がフラットスパイラルインダクタコイルを通過して、サセプタ素子内で電圧を誘起する交番磁界を発生させる。誘起された電圧はサセプタ素子内に電流を流させ、この電流がサセプタ素子のジュール加熱を起こし、これが今度はエアロゾル形成基体を加熱する。サセプタ素子は強磁性である場合、サセプタ素子内のヒステリシス損失も熱を発生する場合がある。
【0007】
「フラットスパイラルコイル」は本明細書で使用される時、一般的に平面のコイルで、コイルの巻線の軸がコイルのある表面に対して垂直であるコイルを意味する。いくつかの実施形態では、フラットスパイラルコイルは、平らなユークリッド平面内にあるという意味で平面状であってもよい。しかし、「フラットスパイラルコイル」という用語は本明細書で使用される時、曲面または他の3次元表面と一致するような形状のコイルも網羅する。例えば、フラットスパイラルコイルは、円筒ハウジングまたは装置のくぼみと一致する形状にされうる。その時フラットスパイラルコイルは「平面の」と呼ばれる可能性があるが、コイルの巻線の軸がコイルの中心で円筒面に垂直で、円筒面と一致する。フラットスパイラルコイルが円筒面または非ユークリッド平面と一致する場合、好ましくは、フラットスパイラルコイルはフラットスパイラルコイルの直径より大きいフラットスパイラルコイルの領域の曲率の半径を持つ平面内にある。フラットスパイラルコイルが、例えば円筒状または他の形状のハウジングと一致するように湾曲している時、サセプタ素子が相補的な形状を有するよりも望ましく、これによってフラットスパイラルコイルとサセプタとの間の距離はサセプタ素子の範囲全体で実質的に一定である。特にフラットスパイラルコイルとサセプタとの間に気流経路がある実施形態では、サセプタ素子とフラットスパイラルコイルとの間の最短距離は0.5~1mmであるのが好ましい。
【0008】
高周波振動電流は本明細書で使用される時、500kHz~30MHzの周波数を持つ振動する電流を意味する。高周波振動電流の周波数は1~30MHzとすることができ、1~10 MHzであることが好ましく、5~7MHzであることがより好ましい。
【0009】
「サセプタ素子」は本明細書で使用される時、変動する磁場に晒された時に加熱する導体素子を意味する。これはサセプタ素子内で誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果でありうる。サセプタ素子のための可能性がある材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、およびほとんどの任意の他の導電性元素が挙げられる。有利なことに、サセプタ素子はフェライト素子である。サセプタ素子の材料および幾何学的形状は、望ましい電気抵抗および発熱を提供するために選択できる。
【0010】
誘導加熱を利用したこの配列はカートリッジと装置の間に電気的な接点が一切形成される必要がないという利点を持つ。また、発熱体(この場合には、サセプタ素子)は、任意の他の構成要素にも電気結合されている必要がなく、はんだまたはその他の結合要素の必要性が除去される。さらに、単純で安価かつ堅牢なカートリッジの構成を可能にする装置の部品としてコイルが提供されている。カートリッジは作動に用いる装置よりもずっと大量に製造される一般に使い捨ての物品である。従って、より高価な装置を必要とする場合でも、カートリッジのコストを低減することは、製造者および消費者の両者にとって著しいコスト節約につながりうる。
【0011】
さらに、コイルに関連する電力損失、特にコイルと装置の電力供給システムとの間の接続部での接触抵抗に起因する損失は誘導加熱システムに存在しないため、コイル設計ではなく誘導加熱の使用がエネルギー変換の改善を提供する。機能するために、コイルは恒久的または交換可能のいずれかで装置の中に提供されるリードを通して電源に接続される。改善した自動製造技法を用いてさえ、コイルシステムは、寄生損失を生成するリードにおいて一般に接触抵抗を有する。交換可能なコイル装置は、交換可能なカートリッジと装置のリードとの間の接触抵抗を増やすフィルムまたはその他の材料の堆積に苦しめられる場合がある。対照的に、誘導加熱システムは、発熱体と装置のリードとの間の接触を必要とせず、したがってコイルに基づく装置に存在する接触抵抗の問題に苦しめられることはない。
【0012】
フラットスパイラルコイルの使用により、堅牢でかつ製造が安価な単純なデザインを持つコンパクトな装置デザインが許容される。コイルはコイルへの付着物および腐食を防止でき、また装置の掃除を簡単にするように、装置ハウジング内に保持でき、また生成されたエアロゾルに晒される必要がない。また、フラットスパイラルコイルの使用により、装置とカートリッジの間の単純な境界面が許容され、単純かつ安価なカートリッジ設計ができるようになる。
【0013】
装置ハウジングは少なくともカートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備え、そのくぼみは内部表面を持つ。フラットスパイラルインダクタコイルは電源に最も近いくぼみの表面上またはそれに隣接して配置されうる。フラットスパイラルコイルは、くぼみの内部表面と一致する形状としうる。
【0014】
装置ハウジングは本体およびマウスピース部分を備えうる。くぼみは本体内とすることができ、またマウスピース部分は出口を持つことができ、システムによって生成されたエアロゾルはその出口を通してユーザーの口へと引き出される。フラットスパイラルインダクタコイルはマウスピース部分内または本体内としうる。
【0015】
別の方法として、マウスピース部分はカートリッジの部品として提供されてもよい。マウスピース部分という用語は本明細書で使用される時、エアロゾル発生システムにより生成されたエアロゾルを直接吸い込むために、ユーザーの口に入れられる装置またはカートリッジの部分を意味する。エアロゾルはマウスピース部分を通してユーザーの口に運ばれる。
【0016】
システムは空気吸込み口から空気出口に延びる空気経路を備えうるが、ここで空気経路はフラットスパイラルインダクタを通過する。空気の流れがシステムを通してコイルを通過できるようにすることで、コンパクトなシステムを達成できる。
【0017】
システムは、複数のインダクタコイルを含んでもよく、そのうちのいくつかまたは全てはフラットスパイラルコイルであってもよい。例えば、一つの可能な構成では、システムは、カートリッジを受ける装置ハウジング内のくぼみの反対側に配置された2つのフラットスパイラルコイルを備えうる。
【0018】
フラットスパイラルインダクタはコイルの平面内で望ましい任意の形状を持たせることができる。例えば、フラットスパイラルコイルは円形形状を持つことも、一般的に長楕円形の形状を持つこともできる。コイルの直径は5mm~10mmとしうる。
【0019】
カートリッジは単純なデザインを持ちうる。カートリッジは、その内部にエアロゾル形成基体が保持されるハウジングを持つ。カートリッジハウジングは液体に対して不浸透性の材料を含む剛性のハウジングであることが好ましい。本明細書で使用される場合、「剛直なハウジング」とは、自立型のハウジングを意味する。
【0020】
エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出されうる。エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。
【0021】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含みうる。エアロゾル形成基体はたばこを含みうる。エアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成剤を含んでもよい。エアロゾル形成剤は、使用において、密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にする、およびシステムの操作温度で熱分解に対して実質的に抵抗性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリン(最も好ましい)など)である。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含みうる。
【0022】
エアロゾル形成基体は、担体または支持体に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填される場合がある。一例において、エアロゾル形成基体は毛細管材料内に保持される液体基体である。毛細管材料は繊維質または海綿状の構造を有する場合がある。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含む場合がある。繊維または糸は、一般的に液体をヒーターに移動するように整列されたものとしうる。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体が毛細管作用によって移動できる。毛細管材料は適切な任意の素子または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は異なる液体物理特性で使用されるように、適切な任意の毛細管および空隙率を有する場合がある。液体は毛細管作用により毛細管材料を通過して移動できるようにする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を持つ。毛細管材料はエアロゾル形成基体をサセプタ素子に運ぶように構成されうる。
【0023】
サセプタ素子はエアロゾル形成基体と接触されうる。別の方法として、サセプタ素子はエアロゾル形成基体から離間されてもよいが、エアロゾル形成基体を加熱するためにエアロゾル形成基体の近くに配置されてもよい。
【0024】
サセプタ素子は、カートリッジハウジングが装置ハウジングと係合した時に、フラットスパイラルインダクタコイルに隣接して配置されるように構成されたカートリッジハウジングの壁上に提供されてもよい。使用時には、サセプタ素子で誘起される電圧を最大化するために、サセプタ素子をフラットスパイラルコイルの近くに配置させることが有利である。
【0025】
カートリッジハウジングが装置ハウジングと係合した時、フラットスパイラルインダクタコイルとサセプタ素子の間に気流通路を提供しうる。気化したエアロゾル形成基体は気流通路内の空気の流れに混入させることができ、その後、冷めてエアロゾルを形成する。
【0026】
サセプタ素子は、メッシュ、フラットスパイラルコイル、内側フォイル、繊維、またはロッドを備えてもよい。サセプタ素子は、液体エアロゾル形成基体または気化したエアロゾル形成基体がサセプタを通過しうるように流体浸透性としうる。
【0027】
カートリッジ内に毛細管材料が使用される場合(例えば、サセプタがメッシュまたはフィラメントの配列の形態である場合)、毛細管材料はサセプタ内の隙間の中へと延びる場合がある。サセプタ素子はシートの形態で提供されてもよく、カートリッジハウジング内の開口部を横切って延びうる。別の方法として、サセプタ素子はエアロゾル形成基体に埋め込まれてもよい。
【0028】
サセプタ素子は毛細管材料を含んでもよい。サセプタは、システムを通る空気経路を横切って延びる毛細管芯を含んでもよい。
【0029】
有利なことに、サセプタ素子は1~40000の相対浸透性を持つ。大半の加熱のために渦電流に依存することが望ましい時には低めの浸透性の材料を使用してもよく、またヒステリシス効果が望ましい時には高めの浸透性の材料を使用してもよい。材料の相対浸透性は500~40000であることが好ましい。これにより効率的な加熱が提供される。
【0030】
サセプタ素子の材料は、そのキュリー温度を理由に選択してもよい。そのキュリー温度を超えるとヒステリシス損失がもはや発生しないため、材料はもはや強磁性ではなくなり、そのため加熱されなくなる。サセプタ素子が単一の材料でできている場合、キュリー温度はサセプタ素子が持つべき最高温度に対応しうる(すなわち、キュリー温度はサセプタ素子が加熱されるべき最高温度と等しいか、またはこの最高温度から約1~3%だけ逸脱した温度である)。これにより、急激な過熱の可能性が低減される。
【0031】
サセプタ素子が複数の材料でできている場合、サセプタ素子の材料はさらなる態様に関して最適化できる。例えば材料は、サセプタ素子の第一の材料がサセプタ素子が加熱されるべき最高温度を超えるキュリー温度を持ちうるように選択できる。その後、サセプタ素子のこの第一の材料は、例えば最大発熱に関して最適化し、一方でエアロゾル形成基体に移動して、サセプタの効率的な加熱が提供されるようにしうる。ところが、サセプタ素子はその後、追加的にサセプタが加熱されるべき最高温度に対応するキュリー温度を持つ第二の材料を備えることができ、サセプタ素子がこのキュリー温度に達すると、サセプタ素子全体の磁性が変化する。この変化は検出されてマイクロコントローラに通信されることができ、その後、温度が再びキュリー温度よりも低い温度まで冷めるまでAC電力の発生が妨害され、冷めた後でAC電力の発生が再開される。
【0032】
システムは電気的に作動する喫煙システムとしうる。システムは手持ち式のエアロゾル発生システムでもよい。エアロゾル発生システムは従来型の葉巻たばこや紙巻たばこと匹敵するサイズを持ちうる。喫煙システムの全長は、およそ30mm~およそ150mmとしうる。喫煙システムの外径は、およそ5mm~およそ30mmとしうる。
【0033】
システムはさらに、インダクタコイルおよび電源に接続された電気回路を備えうる。電気回路はマイクロプロセッサを備えうるが、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向けICチップ(ASIC)または制御能力を持つその他の電子回路としうる。電気回路はさらなる電子構成要素を備えうる。電気回路はフラットスパイラルコイルへの電流供給を調節するよう構成しうる。電流はシステムの起動後、フラットスパイラルコイル素子に連続的に供給されてもよく、または毎回の吸入ごとのように断続的に供給されてもよい。電気回路は有利なことにDC/ACインバータを備えることができ、これはクラスDまたはクラスEの電力増幅器を備えうる。
【0034】
システムはハウジングの本体内に電源(一般にリチウムイオンリン酸型電池などの電源)を備えることが有利である。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を要するものとしてもよく、例えば1回以上の喫煙の体験などの1回以上のユーザー操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を持ちうる。例えば、電源は従来型の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分の時間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を許容するのに十分な容量を持ちうる。別の例では、電源は所定回数の喫煙、またはフラットスパイラルコイルの不連続的な起動を許容する十分な容量を持ちうる。
【0035】
第二の態様では、電気加熱式エアロゾル発生装置が提供され、この装置は、
カートリッジの少なくとも一部分を受けるためのくぼみを画定し、カートリッジがエアロゾル形成基体およびエアロゾル形成基体と接触するサセプタ素子を含む装置ハウジングを備え、くぼみが内部表面を持つ、装置ハウジングと、
くぼみの内部表面上に配置されるフラットスパイラルインダクタコイルと、
フラットスパイラルインダクタコイルに接続され、かつ高周波振動電流をフラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された電源と、を備える。
【0036】
第三の態様は、エアロゾルを発生する方法が提供され、この方法は、
サセプタと、サセプタに接触またはサセプタに近接するエアロゾル形成基体と、を備えるカートリッジを提供することと、
サセプタがフラットスパイラルインダクタコイルに近接するようにカートリッジを配置することと、
フラットスパイラル誘導コイルを通して高周波振動電流を通過させてサセプタ内に電流を誘起し、これによってエアロゾル形成基体を加熱することと、を含む。
【0037】
一つの態様に関連して説明した特徴は本開示の他の態様に適用されうる。特に、本開示の第一の態様に関連して説明した有利なまたは随意的な特徴は本発明の第二のおよび第三の態様に適用されうる。
【0038】
ここで本開示によるシステムの実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみではあるが詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1はフラットスパイラルインダクタコイルを使用したエアロゾル発生システムの第一の実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は
図2のカートリッジ用の代替的なサセプタ素子を示す。
【
図5】
図5は
図1のカートリッジ用のさらなる代替的なサセプタ素子を示す。
【
図6】
図6はフラットスパイラルインダクタコイルを使用した第二の実施形態の概略図である。
【
図7】
図7はフラットスパイラルインダクタコイルを使用した第三の実施形態の概略図である。
【
図15】
図15は単位投与カートリッジを使用する第八の実施形態の概略図である。
【
図16A】
図16Aはインダクタコイル用の高周波信号を生成するための駆動回路の第一の例である。
【
図16B】
図16Bはインダクタコイル用の高周波信号を生成するための駆動回路の第二の例である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図に示す実施形態はすべて誘導加熱に依存する。誘導加熱は時間的に変化する磁場内に加熱される導電性の物品を配置することで機能する。渦電流は導電性の物品内で誘起される。導電性の物品が電気的に孤立されている場合、渦電流は導電性の物品のジュール加熱により分散される。エアロゾル形成基体を加熱することにより動作するエアロゾル発生システムで、エアロゾル形成基体そのものは一般に、そのような方法で誘導加熱されるのに十分な導電性を備えているとはいえない。そのため、図に示す実施形態で、サセプタ素子は加熱される導電性の物品として使用されてから、エアロゾル形成基体がサセプタ素子によって熱伝導、熱対流および/または熱放射により加熱される。強磁性のサセプタ素子が使用される場合、熱は磁区がサセプタ素子内で切り換わる時にヒステリシス損失によっても発生しうる。
【0041】
実施形態はそれぞれ、時間的に変化する磁場を生成するためにフラットスパイラルコイルを使用する。フラットスパイラルコイルは著しいジュール加熱を受けないように設計されている。対照的に、サセプタ素子はサセプタ素子の著しいジュール加熱があるように設計されている。
【0042】
図1は本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。システムは装置100およびカートリッジ200を備える。装置はリチウムイオンリン酸型電池102および制御電子回路104を含むメインハウジング101を備える。メインハウジング101はまた、その中にカートリッジ200を受けるくぼみ112を画定する。装置はまた、出口124を含むマウスピース部分120も含む。マウスピース部分は、この例ではヒンジによる接続でメインハウジング101に接続されているが、スナップ式装着またはねじ式取付など、任意の種類の接続を使用しうる。空気吸込み口122は
図1に示す通り、マウスピース部分が閉位置内にある時にマウスピース部分120と本体101との間に画定される。
【0043】
マウスピース部分の内部にはフラットスパイラルインダクタコイル110がある。コイル110は銅板からスパイラルコイルをスタンピングまたは切断することにより形成される。コイル110は
図3で明瞭に図示されている。コイル110は入口122を通り出口124に引き出される空気がコイルを通過するように、空気吸込み口122と空気出口124の間に位置する。コイルは腐食抵抗性のある被覆またはエンクロージャによって覆われうる。
【0044】
カートリッジ200は、毛細管材料を保持し、液体エアロゾル形成基体で充填されたカートリッジハウジング204を備える。カートリッジハウジング204は流体不浸透性であるが、浸透性のサセプタ素子210により覆われた開放端を持つ。カートリッジ200は
図2で明瞭に図示されている。この実施形態ではサセプタ素子はフェライトメッシュである。エアロゾル形成基体はメッシュの間隙内にメニスカスを形成できる。サセプタ用の別の選択肢は、オープンメッシュ構造を持つグラファイト繊維である。
【0045】
カートリッジ200が装置と係合し、くぼみ112内に受けられた時、サセプタ素子210はフラットスパイラルコイル110に隣接して位置する。カートリッジ200は装置内に逆さまに挿入できないことを確保するためにキー付きの特徴を含みうる。
【0046】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸入して、空気を空気吸込み口122を通してマウスピース部分120に引き出し、出口124からユーザーの口に出す。装置は制御電子回路104の部品としてマイクロフォンの形態の吸入センサー106を含む。ユーザーがマウスピース部分で吸入すると、小さな空気の流れがセンサー入口121を通り、マイクロフォン106を通過し、マウスピース部分120にまで引き出される。吸入が検出されると、制御電子回路は高周波振動電流をコイル110に供給する。これにより、
図1で点線で示す通り、振動する磁場が生成される。また、LED 108が作動し、装置が起動されたことを示す。振動する磁場はサセプタ素子を通過し、サセプタ素子内に渦電流を誘起する。サセプタ素子はジュール加熱の結果として加熱され、そのサセプタ素子に近いエアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。すでに述べたように、ヒステリシス損失もサセプタ素子の有意な加熱を生成しうる。気化されたエアロゾル形成基体は空気吸込み口から空気出口への空気の流れに混入され、ユーザーの口に入る前に冷めてマウスピース部分の内部でエアロゾルを形成する。制御電子回路は、吸入が検出されると、振動する電流をコイルに所定の持続期間(この例では5秒間)にわたり供給し、その後、新しい吸入が検出されるまで電流がオフになる。
【0047】
カートリッジが単純でかつ堅牢なデザインを持ち、市場で入手可能なカートマイザーと比較して安価に製造できることが分かる。この実施形態で、カートリッジは円形の円柱形状を持ち、サセプタ素子はカートリッジハウジングの円形の開放端を補う。ただし、その他の構成も可能である。
図4はサセプタ素子がカートリッジハウジング204内の長方形の開口部を補う鋼製メッシュ220の細片である、代替的なカートリッジ設計の端面図である。
図5は別の代替的なサセプタ素子の端面図である。
図5では、サセプタは半径方向バーによって結合された3つの同心円である。サセプタ素子はカートリッジハウジング内の円形開口部にかかる。
【0048】
図6は第二の実施形態を図示したものである。
図6ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図6ではフラットスパイラルコイル136が装置の本体101内のマウスピース部分120に対するくぼみの反対側の端部に位置するが、システムは本質的に同一の方法で動作する。スペーサー134はコイル136とサセプタ素子210との間に気流スペースがあることを確保する。気化されたエアロゾル形成基体はサセプタを通過する入口132から出口124への空気の流れ内に混入される。
図6に示す実施形態では、一部の空気はサセプタ素子を通過することなく、入口132から出口124に直接流れることができる。この直接的な空気の流れはマウスピース部分で蒸気と混合され、冷却の速度が増し、エアロゾル内の最適な水滴サイズが確保される。
【0049】
図6に示す実施形態では、カートリッジは
図1のカートリッジと同一のサイズおよび形状であり、同一のハウジングおよびサセプタ素子を持つ。ところが、
図6のカートリッジ内の毛細管材料は
図1のそれとは異なる。
図6のカートリッジ内には別個の2つの毛細管材料202、206がある。第一の毛細管材料206のディスクが、使用中のサセプタ素子210と接触するために提供されている。第二の毛細管材料202の大きい方の本体はサセプタ素子への第一の毛細管材料206の反対側に提供されている。第一の毛細管材料および第二の毛細管材料はどちらも、液体エアロゾル形成基体を保持する。サセプタ素子と接触する第一の毛細管材料206は第二の毛細管材料202より高い熱分解温度(少なくとも160℃以上、例えば約250℃など)を持つ。第一の毛細管材料206は第二の毛細管材料がその熱分解温度を上回る温度に晒されないように、使用時に非常に高温になるサセプタ素子を第二の毛細管材料202から分離するスペーサーとしての役目を効果的に果たす。第一の毛細管材料全体での熱勾配は第二の毛細管材料がその熱分解温度を下回る温度に晒されるようにするためである。第二の毛細管材料202は第一の毛細管材料206への優れた芯の性能を持つものを選択でき、単位体積あたり第一の毛細管材料よりも多くの液体を保持でき、また第一の毛細管材料よりも安価なものとしうる。この例では第一の毛細管材料はガラス繊維またはガラス繊維を含む素子などの耐熱素子であり、また第二の毛細管材料は高密度ポリエチレン密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーである。
【0050】
図7は第三の実施形態を図示したものである。
図7ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図7ではカートリッジ240は立方体であり、カートリッジの反対側面にあるサセプタ素子242の2つの細片で形成されている。カートリッジは
図8に単独で示す。装置は、カートリッジがくぼみ内に受けられている時に、サセプタ素子細片242がコイル142に隣接するように、くぼみの反対側に位置する2つのフラットスパイラルコイル142を備える。コイル142は
図9に示す通り、サセプタ細片の形状に対応するように長方形である。渦電流のより高い密度を許容し、外皮への影響を最小化するので、長方形の形状は有利である。気流通路は、ユーザーがマウスピース部分120で吸入した時に、入口144からの空気がサセプタ細片を通過し出口124に向かうように、コイル142とサセプタ細片242の間に提供されている。
【0051】
図1の実施形態に示す通り、カートリッジは毛細管材料および液体エアロゾル形成基体を含む。毛細管材料は液体基体をサセプタ素子細片242に運ぶように配列されている。
【0052】
図10は第四の実施形態を図示したものである。
図10ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図10の装置は、
図6に示した装置と類似した構造を持ち、装置の本体101内でくぼみのマウスピース部分120と反対側の端部において配置されたフラットスパイラルインダクタコイル152を備える。しかし、
図10に示すカートリッジは
図6に示したものとは異なる構造を持つ。
図10のカートリッジは、
図11に端面図で示される。カートリッジハウジング250は円筒形状を持つが、これを通過する中央通路256を持つ。エアロゾル形成基体は中央通路を囲む環状スペース内に保持され、前述のものと同様に、ハウジング250の中の毛細管材料内に保持されうる。毛細管芯がカートリッジの一方の端において中央通路256にわたって提供される。毛細管芯はフェライト繊維で形成され、エアロゾル形成基体のための芯とコイル152によって誘導加熱されるサセプタとしてとの両方の役目を果たす。
【0053】
使用時には、エアロゾル形成基体はフェライトの芯252の中へと引き出される。吸入が検出された時に、コイル152が起動され、振動磁界が発生する。芯を横切って変化する磁束は芯の中の渦電流およびヒステリシス損失を誘起し、芯を加熱し、芯の中のエアロゾル形成基体を気化する。気化したエアロゾル形成基体は、マウスピース部分のユーザーの吸入によって空気吸込み口154から出口124へとシステムを通して引き出される空気中に混入される。空気はエアロゾル形成チャンバの役目を果たす内部通路256を通して流れ、出口124へと移動しながら空気と蒸気を冷却する。カートリッジによって画定された中空スペース内で蒸気が冷めるので、中空カートリッジの使用はシステムに対してより短い全長を許容する。
【0054】
図12は第五の実施形態を図示したものである。
図12ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図12の装置は
図7の装置と類似した構造を持ち、フラットスパイラルコイルはカートリッジが受けられるくぼみを囲むハウジングの側壁に位置し、かつハウジングの形状と一致する形状となっている。ただし、カートリッジは異なる構造を持つ。
図12のカートリッジ260は
図10に示すカートリッジのそれと類似した中空の円筒形状を持つ。カートリッジは毛細管材料を含み、液体エアロゾル形成基体で充填される。カートリッジ260の内部表面、すなわち、内部通路166を囲む表面は流体浸透性のサセプタ素子、この例ではフェライトメッシュを備える。フェライトメッシュはカートリッジの内部表面全体を、またはカートリッジの内部表面の一部分のみを裏打ちしうる。
【0055】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸入して、空気を空気吸込み口164からカートリッジの中央通路に通し、サセプタ素子262を通過させマウスピース部分120に引き出し、出口124からユーザーの口に出す。吸入が検出されると、制御電子回路は高周波振動電流をコイル162に供給する。これが振動する磁場を発生させる。振動する磁場はサセプタ素子を通過し、サセプタ素子内に渦電流およびヒステリシス損失を誘起する。サセプタ素子は加熱され、そのサセプタ素子に近いエアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体はサセプタ素子を通過し、空気吸込み口から空気出口への空気の流れに混入され、ユーザーの口に入る前に冷めて通路およびマウスピース部分の内部でエアロゾルを形成する。
【0056】
図13は第六の実施形態を図示したものである。
図13ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図13に示すカートリッジ270は
図12に示すものと同一である。ただし、
図13の装置はカートリッジの中央通路内に延びてサセプタ素子272の近くに振動する磁場を発生させる保持用ブレード176上のフラットスパイラルインダクタコイル172を含むという、異なる構成を持つ。
【0057】
図14は第七の実施形態を図示したものである。
図14ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図14では、装置は
図12に示すものと類似した構造を持つ。ただし
図14のカートリッジは、エアロゾル形成基体で浸されたサセプタ素子280で充填されている。カートリッジのハウジングは、気化したエアロゾル形成基体がカートリッジから漏れ出るのを許容する蒸気浸透性膜282を含む。蒸気浸透性膜282は、空気吸込み口184から空気出口124へ延びる気流チャネルに隣接して配置される。
【0058】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸入して、空気を空気吸込み口184を通してカートリッジ282の蒸気浸透性部分を通過して、マウスピース部分120へと引き出し、出口124からユーザーの口に出す。吸入が検出されると、制御電子回路は高周波振動電流をコイル182に提供する。これが振動する磁場を発生させる。振動する磁場はカートリッジ内のサセプタ素子を通過し、サセプタ素子内に渦電流およびヒステリシス損失を誘起する。サセプタ素子は加熱され、エアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体は空気吸込み口から空気出口への空気の流れによってカートリッジ282の蒸気浸透性膜を通して引き出され、ユーザーの口に入る前に冷めてマウスピース部分の内部でエアロゾルを形成する。
【0059】
図1、2、4、5、6、7、8、10、11、12、および13に示すカートリッジを
図12および13に示すような中空カートリッジの中に同一の方法で充填するためにサセプタ素子を使用して、空気が空気吸込み口から空気出口へと流れるとこれを通過するように、カートリッジハウジングの蒸気浸透性部分を一部分の中に提供することは当然ながら可能である。
【0060】
図15は第八の実施形態を図示したものである。
図15ではシステムの前部端のみが、吸入検出メカニズムを含めて
図1に示すものと同一の電池および制御電子回路を使用できるものとして表示されている。
図15の実施形態では、カートリッジを非常に小さくし、一回の使用(例えば一回の喫煙セッション、または薬剤の一回の投与)のためにちょうど十分なだけエアロゾル形成基体を保持する。カートリッジは、フェライト材料でできており、エアロゾル形成基体290を保持する、サセプタフォイルハウジング292を含む。カートリッジのハウジングの前部端294は、蒸気浸透性となるように穿孔されている。カートリッジはフラットスパイラルインダクタコイル192に隣接して装置内のくぼみに係合されている。
【0061】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸入して、空気を空気吸込み口194からカートリッジ294の蒸気浸透性部分を通過してマウスピース部分120へと引き出し、出口124からユーザーの口に出す。吸入が検出されると、制御電子回路は高周波振動電流をコイル192に提供する。これが振動する磁場を発生させる。振動する磁場はカートリッジハウジングのサセプタ素子を通過し、サセプタ素子内に渦電流およびヒステリシス損失を誘起する。サセプタ素子は加熱され、エアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体は空気吸込み口から空気出口への空気の流れによってカートリッジ294の蒸気浸透性部分を通して引き出され、ユーザーの口に入る前に冷めてマウスピース部分の内部でエアロゾルを形成する。
【0062】
説明したすべての実施形態は本質的に同一の電子回路104により駆動されうる。
図16Aは、クラスE電力増幅器を使用してインダクタコイルに高周波振動電流を提供するために使用される回路の第一の例を図示したものである。
図16Aから分かる通り、回路には、電界効果トランジスタ(FET)1110(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))、切換信号(ゲート・ソース間電圧)をFET 1110に供給するための矢印1120で示したトランジスタスイッチ供給回路、および分路コンデンサーC1、およびコンデンサーC2とインダクタL2の直列接続を含むLC負荷ネットワーク1130を備えた、トランジスタスイッチ1100を含む、クラスE電力増幅器が含まれる。電池101を備えたDC電源はチョークL1を含み、DC供給電圧を供給する。
図16Aには合計オーム負荷1140を表すオーム抵抗Rも示されており、これは記号L2の付いたフラットスパイラルインダクタコイルのオーム抵抗R
コイルと、サセプタ素子のオーム抵抗R
Loadの和である。
【0063】
構成要素の数が非常に少ないため、電源回路の体積は極端に小さく保つことができる。この極端に小さい体積の電源回路はLC負荷ネットワーク1130のインダクタL2がサセプタ素子との誘導結合のためのインダクタとして直接的に使用されているために可能であり、またこの体積が小さいことから、誘導性の加熱装置の全体寸法が小さく保たれうる。
【0064】
クラスE電力増幅器の概略的な動作原理は公知であり、既に言及した記事「Class-E RF Power Amplifiers(クラスE RF電力増幅器)」(Nathan O.Sokal、American Radio Relay League(ARRL)(米国コネチカット州ニューイントン)の隔月誌QEX、2001年1月/2月号、9~20ページに公表)に詳細に説明されており、いくつかの概略的原理を以下に説明する。
【0065】
トランジスタスイッチ供給回路1120は長方形のプロフィールを持つ切換電圧(FETのゲート・ソース間電圧)をFET 1110に対して供給すると仮定する。FET 1321が導通している限り(「オン」状態)、基本的に短絡(低抵抗)を構成し、電流全体がチョークL1およびFET 1110を通過して流れる。FET 1110が非導通の時(「オフ」状態)、FET 1110は基本的に開回路(高抵抗)を表すため、電流全体がLC負荷ネットワークに流れ込む。これら2つの状態間でのトランジスタの切換は供給されるDC電圧およびDC電流をAC電圧およびAC電流に転換させる。
【0066】
サセプタ素子を効率的に加熱するために、供給されたDC電力のできるだけ多くがAC電力の形態でインダクタL2に転送され、その後でインダクタL2に誘導結合されたサセプタ素子に転送される。上記でさらに詳しく説明した通り、サセプタ素子(渦電流損失、ヒステリシス損失)内で分散される電力がサセプタ素子内で熱を発生する。言い換えれば、FET 1110での電力損失が最小化され、サセプタ素子での電力損失が最大化されなければならない。
【0067】
AC電圧/電流の一つの期間中のFET 1110での電力損失は、交流電圧/電流のその期間中の各時点でのトランジスタ電圧と電流の積をその期間全体について積分し、その期間全体について平均化したものである。その期間の一部ではFET 1110は高い電圧を持続しなければならず、またその期間の一部では高い電流を伝導しなければならないため、高い電圧と高い電流が同時に発生することは避けなければならない。これはFET 1110での著しい電力損失につながるためである。FET 1110の「オン」状態では、トランジスタ電圧はほぼゼロであり、高い電流がFETを通過して流れる。FET 1110の「オフ」状態では、トランジスタ電圧は高いが、FET 1110を通過する電流はほぼゼロである。
【0068】
また、不可避的な切換の移行は期間のいくらかの部分全体にわたる。それでもなお、FET 1110での高い電力損失を表す高い電圧・電流の積は、以下の追加的な手段によって回避できる。第一に、トランジスタを通過する電流がゼロに低下するまで、トランジスタ電圧の上昇を遅延する。第二に、トランジスタを通過する電流が増大し始める前に、トランジスタ電圧がゼロに戻る。これは分路コンデンサーC1およびコンデンサーC2とインダクタL2の直列接続を含む負荷ネットワーク1130によって達成されるが、この負荷ネットワークはFET 1110と負荷1140の間のネットワークである。第三に、ターンオン時のトランジスタ電圧は事実上ゼロである(バイポーラジャンクショントランジスタ「BJT」については、飽和オフセット電圧Vo)。ターンオントランジスタは充電された分流コンデンサーC1を放電せず、そのため分流コンデンサーの蓄積エネルギーの分散が回避される。第四に、ターンオン時のトランジスタ電圧の勾配はゼロである。次に、負荷ネットワークによってターンオントランジスタに注入される電流は制御された適度なレートでゼロから滑らかに増大し、その結果として電力損失が低くなり、その一方、トランジスタのコンダクタンスはターンオン移行時にゼロから高まる。その結果、トランジスタの電圧および電流が同時に高くなることは決してない。電圧および電流の切換の移行は相互に時間がずらされている。L1、C1およびC2の値はサセプタ素子内での電力の効率的な分散が最大となるように選択できる。
【0069】
本開示によるほとんどのシステムでクラスE電力増幅器が好ましいが、その他の回路構造を使用することも可能である。
図16BはクラスD電力増幅器を使用してインダクタコイルに高周波振動電流を供給するために使用される回路の第二の例を図示したものである。
図16Bの回路は2つのトランジスタ1210、1212に接続された電池101を備える。2つのトランジスタ1210、1212のオン・オフを切り換えるための2つの切換要素1220、1222が提供されている。スイッチは、2つのトランジスタのうちもう一方がオンになっている時に、2つのトランジスタ1210、1212のうちの一方が確実にオフになるような方法で高周波で制御される。フラットスパイラルインダクタコイルはここでもL2で表示され、コイルとサセプタ素子の合計オーム抵抗はRで表示され、C1およびC2の値はサセプタ素子内での電力の効率的な分散が最大となるように選択できる。
【0070】
サセプタ素子はサセプタ素子が加熱されるべき望ましい温度に近いキュリー温度を持つ材料または材料の組み合わせで製造できる。サセプタ素子の温度がこのキュリー温度を超えると、材料は強磁性から常磁性に変化する。従って、常磁性を持つ材料のヒステリシス損失は強磁性を持つ材料のそれよりもずっと低いため、サセプタ素子内のエネルギー分散は著しく低減される。サセプタ素子内でのこの電力損失の低減は検出可能であり、またそのため、例えば、DC/ACインバータによるAC電力の発生は、サセプタ素子がキュリー温度を再び下回るまで冷却され、再び強磁性となるまで中断されうる。その後で、DC/ACインバータによるAC電力の発生が再開されうる。
【0071】
当該技術分野において通常の技量を持つ者であれば、本開示によるサセプタ素子を組み込んだその他のカートリッジ設計を思い付くことができる。例えば、カートリッジはマウスピース部分を含んでもよく、望ましい任意の形状を持つものでよい。その上、本開示によるコイルおよびサセプタの配列は既に説明したその他のタイプのシステムで使用することができ、これには加湿器、エアフレッシュナー、およびその他のエアロゾル発生システムなどがある。
【0072】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。
【0073】
1. エアロゾル発生装置と、前記装置で使用されるように構成されたカートリッジと、を備える電気加熱式エアロゾル発生システムであって、前記装置が、
装置ハウジングと、
フラットスパイラルインダクタコイルと、
前記フラットスパイラルインダクタコイルに接続され、かつ高周波振動電流を前記フラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された電源と、を備え、
前記カートリッジが、
エアロゾル形成基体を含み、かつ前記装置ハウジングを係合するように構成されたカートリッジハウジングと
前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置するサセプタ素子と、を備える、電気加熱式エアロゾル発生システム。
2. 装置ハウジングが少なくとも前記カートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備え、前記くぼみが内部表面を有する、1に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
3. 前記フラットスパイラルインダクタコイルが前記電源に最も近いくぼみの表面の上またはこれに隣接して位置する、2に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
4. 装置ハウジングが、本体およびマウスピース部分を備え、前記くぼみが前記本体内にあり、前記マウスピース部分が出口を有し、この出口を通して前記システムによって生成されたエアロゾルをユーザーの口の中へと引き出すことができ、前記フラットスパイラルインダクタコイルが前記マウスピース部分の中にある、2に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
5. 前記装置が空気吸込み口から空気出口までの空気経路を備え、前記空気経路が前記フラットスパイラルインダクタを通過する、1~4のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
6. 複数のインダクタコイルを備える、1~5のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
7. 前記サセプタ素子が前記エアロゾル形成基体と接触する、1~6のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
8. 前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記サセプタ素子が、前記フラットスパイラルインダクタコイルに隣接して位置するように構成された前記カートリッジハウジングの壁の上に提供される、1~7のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
9. 前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記フラットスパイラルインダクタコイルと前記サセプタ素子との間に気流通路が提供される、1~8のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
10. 前記サセプタ素子が流体浸透性である、1~9のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
11. 前記サセプタ素子がシートの形態であり、かつ前記カートリッジハウジング内の開口全体に延びる、1~10のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
12. 前記システムが手持ち式喫煙システムである、1~11のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
13. 電気加熱式エアロゾル発生装置であって、
装置ハウジングと、
前記装置ハウジング内のフラットスパイラルインダクタコイルと
前記フラットスパイラルインダクタコイルに接続された電源と、を備え、かつ高周波振動電流を前記フラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成された、電気加熱式エアロゾル発生装置。
14. 前記装置ハウジングが、カートリッジの少なくとも一部分を受けるためのくぼみを画定し、前記カートリッジがエアロゾル形成基体および前記エアロゾル形成基体と接触するサセプタ素子を含むハウジングを備える、13に記載の電気加熱式エアロゾル発生装置。
15. エアロゾルを発生する方法であって、
サセプタと、前記サセプタに接触または前記サセプタに近接するエアロゾル形成基体と、を備えるカートリッジを提供することと、
前記サセプタがフラットスパイラルインダクタコイルに近接するように前記カートリッジを配置することと、
前記フラットスパイラル誘導コイルを通して高周波振動電流を通過させ、前記サセプタ内に電流を誘起し、これによって前記エアロゾル形成基体を加熱することと、を含む方法。
【0074】
16. エアロゾル発生装置と、前記装置で使用されるように構成されたカートリッジと、を備える電気加熱式エアロゾル発生システムであって、前記装置が、
装置ハウジングと、
フラットスパイラルインダクタコイルと、
電源と、
前記フラットスパイラルインダクタコイルおよび前記電源に接続された電気回路と、
を備え、
前記電気回路が、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を備えるDC/ACインバータを備え、かつ高周波振動電流を前記フラットスパイラルインダクタコイルに提供するように構成され、
前記カートリッジが、
エアロゾル形成基体を含み、かつ前記装置ハウジングを係合するように構成されたカートリッジハウジングと
前記エアロゾル形成基体を加熱するように位置するサセプタ素子と、を備え、
前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記フラットスパイラルインダクタコイルと前記サセプタ素子との間に気流通路が提供される、電気加熱式エアロゾル発生システム。
17. 装置ハウジングが少なくとも前記カートリッジの一部分を受けるためのくぼみを備え、前記くぼみが内部表面を有する、16に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
18. 前記フラットスパイラルインダクタコイルが前記電源に最も近いくぼみの表面の上またはこれに隣接して位置する、17に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
19. 装置ハウジングが、本体およびマウスピース部分を備え、前記くぼみが前記本体内にあり、前記マウスピース部分が出口を有し、この出口を通して前記システムによって生成されたエアロゾルをユーザーの口の中へと引き出すことができ、前記フラットスパイラルインダクタコイルが前記マウスピース部分の中にある、17に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
20. 前記サセプタ素子と前記フラットスパイラルインダクタコイルとの間の最短距離は0.5~1mmである、16~19のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
21. 前記高周波振動電流は500kHz~30MHzの周波数を持ち、より好ましくは1~10MHzの周波数を持つ、16~20のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
22. 前記フラットスパイラルインダクタコイルは5mm~10mmの直径を有する、16~21のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
23. 前記装置が空気吸込み口から空気出口までの空気経路を備え、前記空気経路が前記フラットスパイラルインダクタコイルを通過する、16~22のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
24. 複数のインダクタコイルを備える、16~23のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
25. 前記サセプタ素子が前記エアロゾル形成基体と接触する、16~24のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
26. 前記カートリッジハウジング内の前記エアロゾル形成基体は液体である、16~25のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
27. 前記液体であるエアロゾル形成基体は毛細管材料内に保持される、26に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
28. 前記毛細管材料は前記エアロゾル形成基体を前記サセプタ素子に運ぶように構成される、27に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
29. 前記カートリッジハウジングが前記装置ハウジングと係合される時、前記サセプタ素子が、前記フラットスパイラルインダクタコイルに隣接して位置するように構成された前記カートリッジハウジングの壁の上に提供される、16~28のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
30. 前記サセプタ素子が流体浸透性である、16~29のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
31. 前記サセプタ素子がシートの形態であり、かつ前記カートリッジハウジング内の開口全体に延びる、16~30のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
32. 前記サセプタ素子が前記エアロゾル形成基体に埋め込まれている、16~30のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
33. 前記サセプタ素子が毛細管材料を含む、16~32のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
34. 前記サセプタ素子が前記システムを通る空気経路を横切って延びる毛細管芯を含む、33に記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。
35. 前記システムが手持ち式喫煙システムである、16~34のいずれかに記載の電気加熱式エアロゾル発生システム。