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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161137
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/136 20210101AFI20241108BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20241108BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20241108BHJP
【FI】
H01M50/136
H01M50/105
H01G11/78
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024145799
(22)【出願日】2024-08-27
(62)【分割の表示】P 2023010199の分割
【原出願日】2016-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2015038094
(32)【優先日】2015-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】川田 琢也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(57)【要約】
【課題】可撓性を有し、信頼性の高い蓄電装置又は発光装置を提供する。
【解決手段】電池ユニット又は発光ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する装置
。電池ユニットは、二次電池を有する。発光ユニットは、発光素子を有する。ゴム弾性を
有する部材は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、第1の凸部及び第2の凸部は、電池ユ
ニット又は発光ユニットの第1の面上に並べて設けられ、第1の凸部と第2の凸部は、装
置を、当該第1の面が内側になるように曲げることで、互いに接触することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ユニットと、第1の凸部と、を有する蓄電装置であり、
前記電池ユニットは、電極と、電極リードと、封止層を有し、
上面視において、前記第1の凸部は、前記電池ユニットの端部近傍にストライプ状に設けられ、
上面視において、前記第1の凸部は、前記電極と重ならない領域を有し、
前記電池ユニットの第1の面が内側になるように曲げたとき、前記第1の面の曲率半径を、前記第1の面から前記第1の凸部の底面までの最短距離と、前記第1の凸部の形状が作る二等辺三角形の等辺の長さと、の和とすることができる、蓄電装置。
【請求項2】
請求項1において、
さらに第2の凸部を有し、
上面視において、前記第2の凸部は、前記電池ユニットの中央部にストライプ状に設けられる、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、蓄電装置、発光装置、及び電子機器、並びにそれらの作製方法に関す
る。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野と
しては、半導体装置、表示装置、発光装置、入出力装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置
、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書中において、蓄電装置とは、蓄電機能を有する素子及び装置全般を指すも
のである。例えば、リチウムイオン二次電池などの蓄電池(二次電池ともいう)、リチウ
ムイオンキャパシタ、及び電気二重層キャパシタなどを含む。
【背景技術】
【0004】
近年、ウェアラブルデバイスの開発が盛んに行われている。ウェアラブルデバイスは、身
に着けるという性質から、身体の曲面に沿った湾曲形状を有する、又は身体の動きに合わ
せて湾曲することが好ましい。そのため、ウェアラブルデバイスに搭載する蓄電装置及び
表示装置には、可撓性が求められている。
【0005】
例えば、特許文献1には、少なくとも一軸方向に湾曲することのできるシート状の蓄電装
置が開示されている。
【0006】
また、ウェアラブルデバイスや携帯機器用途等の表示装置では、薄型であること、軽量で
あること、又は破損しにくいこと等が求められている。
【0007】
エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELとも記
す)現象を利用した発光素子(EL素子とも記す)は、薄型軽量化が容易である、入力信
号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴を有し
、ウェアラブルデバイスや携帯機器への応用が検討されている。
【0008】
例えば、特許文献2に、有機EL素子が適用されたフレキシブルな発光装置が開示されて
いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013-211262号公報
【特許文献2】特開2014-197522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一態様は、可撓性を有する蓄電装置、発光装置、又は電子機器を提供することを
課題の一とする。または、本発明の一態様は、安全性もしくは信頼性の高い蓄電装置、発
光装置、又は電子機器を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、破
損しにくい蓄電装置、発光装置、又は電子機器を提供することを課題の一とする。または
、本発明の一態様は、蓄電装置、発光装置、もしくは電子機器等の軽量化又は薄型化を課
題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な蓄電装置、発光装置、もしくは電子機
器、又はそれらの作製方法を提供することを課題の一とする。
【0011】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、明細書、図面、請
求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、電池ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する蓄電装置であり
、ゴム弾性を有する部材は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、第1の凸部及び第2の凸
部は、電池ユニットの第1の面上に並べて設けられ、第1の凸部と第2の凸部は、蓄電装
置を、電池ユニットの第1の面が内側になるように曲げることで、互いに接触することが
できる、蓄電装置である。
【0013】
上記構成において、電池ユニットの第1の面と第2の面は、互いに対向し、ゴム弾性を有
する部材は、電池ユニットの第1の面上と、第2の面上と、に位置していることが好まし
い。さらに、ゴム弾性を有する部材は、第3の凸部及び第4の凸部を有し、第3の凸部及
び第4の凸部は、電池ユニットの第2の面上に並べて設けられ、第3の凸部と第4の凸部
は、蓄電装置を、電池ユニットの第2の面が内側になるように曲げることで、互いに接触
することができると好ましい。
【0014】
または、本発明の一態様は、電池ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する蓄電装
置であり、ゴム弾性を有する部材は、第1の凸部及び第2の凸部を有し、第1の凸部及び
第2の凸部は、電池ユニットの第1の面上に並べて設けられ、第1の凸部の断面形状は、
第1の二等辺三角形の3辺に接し、かつ、第1の二等辺三角形の内部に含まれる形状であ
り、第2の凸部の断面形状は、第2の二等辺三角形の3辺に接し、かつ、第2の二等辺三
角形の内部に含まれる形状であり、第1の二等辺三角形と第2の二等辺三角形は、同一の
形状であり、同一線上に底辺を有し、かつ1点で接し、蓄電装置を、電池ユニットの第1
の面が内側になるように曲げるとき、電池ユニットの第1の面の曲率半径を、第1の面か
ら第1の凸部の底面までの最短距離と、第1の二等辺三角形の等辺の長さと、の和とする
ことができる蓄電装置である。このとき、第1の凸部の第1の辺は、第1の二等辺三角形
の第1の等辺上に位置し、第2の凸部の第2の辺は、第2の二等辺三角形の第2の等辺上
に位置し、第1の等辺と第2の等辺は、1点で接することが好ましい。第1の凸部と第2
の凸部の断面形状は、同一の形状であってもよい。
【0015】
上記各構成において、ゴム弾性を有する部材は、電池ユニットの第1の面上と、第2の面
上と、に位置し、電池ユニットの第1の面と第2の面は、互いに対向することが好ましい
【0016】
上記各構成において、ゴム弾性を有する部材は、第3の凸部及び第4の凸部を有し、第3
の凸部及び第4の凸部は、電池ユニットの第2の面上に並べて設けられ、第3の凸部の断
面形状は、第3の二等辺三角形の3辺に接し、かつ、第3の二等辺三角形の内部に含まれ
る形状であり、第4の凸部の断面形状は、第4の二等辺三角形の3辺に接し、かつ、第4
の二等辺三角形の内部に含まれる形状であり、第3の二等辺三角形と第4の二等辺三角形
は、同一の形状であり、同一線上に底辺を有し、かつ1点で接し、蓄電装置を、電池ユニ
ットの第2の面が内側になるように曲げるとき、電池ユニットの第2の面の曲率半径を、
第2の面から第3の凸部の底面までの最短距離と、第3の二等辺三角形の等辺の長さと、
の和とすることができることが好ましい。このとき、第3の凸部の第3の辺は、第3の二
等辺三角形の第3の等辺上に位置し、第4の凸部の第4の辺は、第4の二等辺三角形の第
4の等辺上に位置し、第3の等辺と第4の等辺は、1点で接することが好ましい。第3の
凸部と第4の凸部の断面形状は、同一の形状であってもよい。
【0017】
上記各構成において、ゴム弾性を有する部材は、電池ユニットを収納することが好ましい
【0018】
上記各構成において、蓄電装置は、第1の凸部と第2の凸部が互いに接触しない第1の状
態から、第1の凸部と第2の凸部が互いに接触する第2の状態に、可逆的に変形できるこ
とが好ましい。
【0019】
上記各構成において、蓄電装置は、受電用共鳴コイル、受電用コイル、整流回路、及びD
C-DCコンバータを有し、受電用共鳴コイルは、磁界共鳴によって高周波電圧が誘起さ
れ、受電用コイルは、受電用共鳴コイルとの電磁誘導によって高周波電圧が誘起され、整
流回路は、受電用コイルに誘起された高周波電圧を整流し、DC-DCコンバータは、整
流回路が出力する直流電圧が入力されることが好ましい。
【0020】
特に、DC-DCコンバータは、入力電力検出部及び電圧変換部を有し、入力電力検出部
は、第1の直流電圧が入力され、電圧変換部は、第1の直流電圧を第2の直流電圧へと変
換して出力し、入力電力検出部は、負荷、第1の手段、及び第2の手段を有し、第1の手
段は、第1の直流電圧に比例する第1の電圧を検出し、第2の手段は、負荷に生じる電流
に比例する第2の電圧を検出し、電圧変換部は、スイッチ及び第3の手段を有し、スイッ
チは、スイッチングに応じて前記負荷に生じる電流を制御し、第3の手段は、第1の電圧
と、第2の電圧と、に基づいてスイッチのスイッチングを制御することで第1の電圧と第
2の電圧の比を一定に保持することが好ましい。
【0021】
または、本発明の一態様は、発光ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する発光装
置であり、発光ユニットは、発光パネルを有し、発光パネルは、発光素子を有し、ゴム弾
性を有する部材は、発光ユニットを収納し、ゴム弾性を有する部材の少なくとも一部は、
発光素子が発する光を透過し、ゴム弾性を有する部材は、第1の凸部及び第2の凸部を有
し、第1の凸部及び第2の凸部は、発光ユニットの第1の面上に並べて設けられ、発光素
子は、発光ユニットの第2の面側に発光する機能を有し、発光ユニットの第1の面と第2
の面は、互いに対向し、第1の凸部と第2の凸部は、発光装置を、発光ユニットの第1の
面が内側になるように曲げることで、互いに接触することができる、発光装置である。
【0022】
上記構成において、発光ユニットは、二次電池及び回路を有し、二次電池は、発光素子に
電力を供給する機能を有し、回路は、アンテナを有し、回路は、アンテナで受信した信号
をもとに、二次電池を充電する機能を有することが好ましい。
【0023】
上記各構成において、二次電池は、発光パネルと重なる部分を有することが好ましい。
【0024】
上記各構成において、アンテナは、発光パネルと重なる部分を有することが好ましい。さ
らに、アンテナの少なくとも一部は、発光パネルと二次電池の間に位置することが好まし
い。
【0025】
上記各構成において、発光ユニットは、感圧式の検出素子を有し、感圧式の検出素子は、
発光素子よりも、第2の面側に位置することが好ましい。
【0026】
上記各構成において、静電容量式の検出素子を有し、静電容量式の検出素子は、ゴム弾性
を有する部材の外側に位置し、発光素子の発光は、検出素子を介して外部に取り出される
ことが好ましい。
【0027】
また、本発明の一態様は、表示パネルを用いた表示装置に適用することもできる。上記各
構成の発光装置において、発光パネルを表示パネルに替えることで、表示装置を作製する
ことができる。
【0028】
本発明の一態様は、上記のいずれかの構成の発光装置又は表示装置を有し、FPC(Fl
exible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carr
ier Package)などのコネクターが取り付けられたモジュール、又はCOG(
Chip On Glass)方式等によりICが実装されたモジュール等のモジュール
である。
【0029】
また、上記のいずれかの構成の発光装置、表示装置、モジュール、もしくは蓄電装置を用
いた電子機器又は照明装置も本発明の一態様である。
【0030】
例えば、本発明の一態様は、上記のいずれかの構成の発光装置と、センサ、筐体、スピー
カ、マイク、操作スイッチ、又は操作ボタンと、を有する、電子機器である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様では、可撓性を有する蓄電装置、発光装置、又は電子機器を提供すること
ができる。または、本発明の一態様では、安全性もしくは信頼性の高い蓄電装置、発光装
置、又は電子機器を提供することができる。または、本発明の一態様では、破損しにくい
蓄電装置、発光装置、又は電子機器を提供することができる。または、本発明の一態様で
は、蓄電装置、発光装置、もしくは電子機器等の軽量化又は薄型化が可能となる。または
、本発明の一態様では、新規な蓄電装置、発光装置、もしくは電子機器、又はそれらの作
製方法を提供することができる。
【0032】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、明細書、図面、請求
項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】蓄電装置の一例を示す図。
図2】蓄電装置の一例を示す図。
図3】蓄電装置の一例を示す図。
図4】蓄電装置の一例を示す図。
図5】蓄電装置の一例を示す図。
図6】蓄電装置の一例を示す図。
図7】蓄電装置の一例を示す図。
図8】蓄電装置の一例を示す図。
図9】発光装置の一例を示す図。
図10】発光装置の一例を示す図。
図11】発光装置の一例を示す図。
図12】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図13】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図14】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図15】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図16】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図17】構造体の一例を示す図。
図18】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図19】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図20】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図21】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図22】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図23】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図24】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図25】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図26】構造体の一例を示す図。
図27】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図28】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図29】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図30】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図31】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図32】蓄電装置の一例及び電極の一例を示す図。
図33】蓄電装置の一例を示す図。
図34】蓄電装置の一例を示す図。
図35】蓄電装置の一例を示す図。
図36】蓄電装置の一例を示す図。
図37】蓄電装置の一例を示す図。
図38】蓄電装置の一例を示す図。
図39】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図40】蓄電装置の一例を示す図。
図41】蓄電装置の一例を示す図。
図42】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図43】蓄電装置の一例を示す図。
図44】給電システム及び受電装置の一例を示す図。
図45】DC-DCコンバータの一例を示す図。
図46】DC-DCコンバータの一例を示す図。
図47】DC-DCコンバータの一例を示す図。
図48】発光パネルの一例を示す図。
図49】発光パネルの一例を示す図。
図50】発光パネルの一例を示す図。
図51】表示パネルの一例を示す図。
図52】液晶パネルの一例を示す図。
図53】電子機器の一例を示す図。
図54】電子機器の一例を示す図。
図55】電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定さ
れず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し
得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0035】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の
機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0036】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際
の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ず
しも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0037】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じ
て、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」
という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「
絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0038】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置について図1図8を用いて説明する。
【0039】
本実施の形態では、リチウムイオン二次電池を例に説明するが、本発明はこれに限られな
い。
【0040】
本発明の一態様は、電池ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する蓄電装置である
。ゴム弾性を有する部材は、第1の凸部及び第2の凸部を有する。第1の凸部及び第2の
凸部は、電池ユニットの第1の面上に並べて設けられる。蓄電装置を電池ユニットの第1
の面が内側になるように曲げることで、第1の凸部と第2の凸部とを、互いに接触させる
ことができる。
【0041】
ゴム弾性を有する部材によって、電池ユニットを保護することができる。ゴム弾性を有す
る部材は可撓性を有するため、可撓性を有する電池ユニットを用いた蓄電装置の可撓性を
損なうことなく、該電池ユニットを保護することができる。また、複数の凸部を有し、か
つゴム弾性を有する部材を用いると、電池ユニットがある程度曲がったところで、隣り合
う2つの凸部が互いに接触するため、使用者が過度に電池ユニットを曲げてしまうことを
防止できる。また、電池ユニットが所望の位置以外で曲がることを抑制できる。このよう
に、本発明の一態様を適用することで、信頼性及び安全性が高く、可撓性を有する蓄電装
置を実現することができる。
【0042】
なお、ゴム弾性とは、外力が加わったときにエネルギーを吸収し、元に戻るためのエネル
ギーとして蓄えることができる弾性のことを指す。ゴム弾性を有する部材は、可逆的な変
形が可能である。
【0043】
以下では、本発明の一態様の蓄電装置の具体例を説明する。
【0044】
図1(A)に蓄電装置100の斜視図を示し、図1(B)に蓄電装置100の上面図を示
す。図1(C)に、図1(B)における一点鎖線M1-M2間の断面図を示し、図1(D
)に、図1(B)における一点鎖線N1-N2間の断面図を示す。
【0045】
また、図2(A)に蓄電装置110の上面図を示す。図2(B)に、図2(A)における
一点鎖線M3-M4間の断面図を示し、図2(C)に、図2(A)における一点鎖線N3
-N4間の断面図を示す。
【0046】
蓄電装置100及び蓄電装置110は、それぞれ、電池ユニット120とゴム弾性を有す
る部材109を有する。
【0047】
電池ユニット120は、二次電池を有する。具体的には、電池ユニット120は、正極1
11、負極115、セパレータ103、電解質(図示しない)、及び外装体107等を有
する。電池ユニット120は、外装体107を有していなくてもよい。
【0048】
電池ユニット120は、さらに、保護回路を有していてもよい。保護回路は、二次電池の
過充電や過放電を防止する機能を有する。
【0049】
また、電池ユニット120は、さらに、アンテナと、無線で二次電池を充電する機能を有
する回路と、を有していてもよい。
【0050】
電池ユニットの構成要素については、実施の形態4を参照できる。
【0051】
なお、本実施の形態では、電池ユニット120が曲がっていない例を示すが、電池ユニッ
ト120は湾曲していてもよい。また、蓄電装置100は、ゴム弾性を有する部材109
及び電池ユニット120を収納する外装体を有していてもよい。
【0052】
正極リード121は、正極111と電気的に接続されている。負極リード125は、負極
115と電気的に接続されている。正極リード121と負極リード125は、それぞれ、
外装体107の外部に延在する部分を有し、さらにその一部は、ゴム弾性を有する部材1
09の外部に延在している。正極リード121と負極リード125は、それぞれ、封止層
129を有する。封止層129は、各リードと外装体107との間を固定し密着性を向上
させることができる。
【0053】
ゴム弾性を有する部材109は、少なくとも1つの面に凹凸構造109aを有する。図1
(A)~(D)に示す蓄電装置100は、ゴム弾性を有する部材109が1つの面に凹凸
構造109aを有する例である。図2(A)~(C)に示す蓄電装置110は、ゴム弾性
を有する部材109が互いに対向する2つの面に凹凸構造109aを有する例である。
【0054】
本発明の一態様の蓄電装置を、凹凸構造109aが内側になるように曲げると、隣り合う
2つの凸部が接触し、それ以上曲げにくくなる。したがって、蓄電装置が曲がりすぎて破
損することを、抑制することができる。
【0055】
例えば、電池ユニット120が破損する恐れのある曲率など、これ以上曲げてほしくない
曲率よりも小さい曲率で蓄電装置を曲げた時点で、凹凸構造109aで凸部どうしの接触
が生じるように、凸部の高さ、幅、ピッチ等を設定することが好ましい。
【0056】
蓄電装置は、例えば、曲率半径が10mm以上150mm以下で曲げられることが好まし
い。
【0057】
また、図1(B)に示すように、蓄電装置100における凹凸構造109aは、Y方向に
長く設けられた凸部がX方向に複数並んだ構成である。ゴム弾性を有する部材109のう
ち、凹凸構造109aが設けられた部分は、他の部分に比べて厚みが増すため、曲げにく
くなる。そのため、蓄電装置100の短辺(ここではY方向に平行な辺)が弧を描くよう
に曲げることは、蓄電装置100の長辺(ここではX方向に平行な辺)が弧を描くように
曲げることに比べて難しくなる。つまり、凹凸構造を設けることで、蓄電装置の曲げやす
さを曲げる方向によって変化させることができる。例えば、蓄電装置が、電池ユニット1
20にとって曲げに弱い方向に曲がりにくい構成とすることで、蓄電装置を壊れにくくし
、信頼性を高めることができる。
【0058】
蓄電装置100及び蓄電装置110では、電池ユニット120全体が、ゴム弾性を有する
部材109によって覆われている。電池ユニット120を、ゴム弾性を有する部材109
で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行われても破損しにくい蓄電装置を実現するこ
とができる。特に、ゴム弾性を有する部材109を、継ぎ目の無い一体物とすることで、
蓄電装置の信頼性をさらに高めることができる。
【0059】
図1(C)、(D)に示す、電池ユニット120の一方の面上に形成されたゴム弾性を有
する部材109の厚さt1と、電池ユニット120の他方の面上に形成されたゴム弾性を
有する部材109の厚さt2と、は、概略等しいことが好ましい。このとき、厚さt1と
厚さt2には、凹凸構造109aの厚さはそれぞれ含まないこととする。つまり、厚さt
2は、電池ユニット120の他方の面から凸部の底面までの最短距離ともいえる。厚さt
1と厚さt2を同じ厚さとすると、電池ユニット120を中立面に配置することができる
。したがって、電池ユニット120に、曲げによる圧縮応力及び引張応力がかかりにくく
、電池ユニット120へのダメージを低減することができる。
【0060】
例えば、厚さt1及び厚さt2は、10μm以上5cm以下、100μm以上1cm以下
、500μm以上1mm以下等とすることができる。厚さt1及び厚さt2が薄いほど、
蓄電装置も薄く、軽量にすることができる。厚さt1及び厚さt2が厚いほど、蓄電装置
の保護性能を高められる。
【0061】
図3(A)~(F)に、蓄電装置の他の例を示す。図3(A)~(F)は、図2(C)の
蓄電装置110の変形例ともいえる。
【0062】
図3(A)、(B)に示す蓄電装置112、113は、電池ユニット120の1つの面上
に、ゴム弾性を有する部材109を有する。図3(A)に示す蓄電装置112のように、
ゴム弾性を有する部材109は、電池ユニット120の一面全体に形成されていなくても
よい。ゴム弾性を有する部材109の形成領域を狭くすると、蓄電装置をより軽量化する
ことができる。また、図3(B)に示す蓄電装置113のように、ゴム弾性を有する部材
109を電池ユニット120の一面全体に形成すると、電池ユニット120の保護性能を
高められる。
【0063】
図3(C)、(D)に示す蓄電装置114、116は、電池ユニット120の2つの面上
に、ゴム弾性を有する部材109を有する。ゴム弾性を有する部材109は、少なくとも
1つの面に凹凸構造109aを有する。図3(C)に示す蓄電装置114では、ゴム弾性
を有する部材109は、1つの面に凹凸構造109aを有する。また、図3(D)に示す
蓄電装置116では、ゴム弾性を有する部材109は、2つの面に凹凸構造109aを有
する。蓄電装置114では、図における下側の面を内側に曲げるときのみ、隣り合う2つ
の凸部が接触することで、それ以上曲げにくくなる。一方、蓄電装置116は、図におけ
る下側の面を内側に曲げる場合も、外側に曲げる場合も、隣り合う2つの凸部が接触する
ことで、それ以上曲げにくくなる。本発明の一態様では、蓄電装置の用途等に応じて、凹
凸構造109aを形成する面を決定することができる。
【0064】
また、あらかじめ湾曲させた電池ユニット120の形状に沿って、ゴム弾性を有する部材
109を形成することで、図3(E)に示す蓄電装置117を作製することができる。ま
た、図3(F)に示す蓄電装置118のように、ゴム弾性を有する部材109自体は平坦
な表面を有し、内部に、湾曲した電池ユニット120を有していてもよい。図3(E)、
(F)では、電池ユニット120は湾曲しているが、隣り合う2つの凸部は接触していな
い。湾曲した電池ユニット又は蓄電装置を、さらに曲げる場合に、隣り合う2つの凸部が
接触することで、それ以上変形させにくくなる。よって、蓄電装置の破損を抑制すること
ができる。なお、図3(E)、(F)において、凹凸構造109aを対向する2面に形成
することで、湾曲した電池ユニット又は蓄電装置を平坦になるように変形する場合にも、
隣り合う2つの凸部が接触することで、それ以上変形させにくくなる。よって、蓄電装置
の破損を抑制することができる。
【0065】
ゴム弾性を有する部材109は、耐熱性が高いことが好ましい。具体的には、ゴム弾性を
有する部材109が、100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200
℃以上で使用可能であるとよい。
【0066】
耐熱性の高いゴム弾性を有する部材109に電池ユニット120を収納することで、高温
下でも、電池ユニット120を駆動することができる。また、高温下でも、蓄電装置を可
逆的に曲げることができる。
【0067】
また、ゴム弾性を有する部材109は、耐寒性が高いことが好ましい。具体的には、ゴム
弾性を有する部材109が、-25℃以下、好ましくは-50℃以下、さらに好ましくは
-100℃以下であっても柔軟性を有することが好ましい。
【0068】
耐寒性の高いゴム弾性を有する部材109に電池ユニット120を収納することで、低温
下でも、電池ユニット120を駆動することができる。また、低温下でも、蓄電装置を可
逆的に曲げることができる。
【0069】
また、ゴム弾性を有する部材109が高い耐熱性及び耐寒性を備えると、広い温度範囲で
蓄電装置を使用する、又は蓄電装置を可逆的に曲げることができるため、好ましい。本発
明の一態様の蓄電装置は、例えば、0℃以上80℃以下、好ましくは-25℃以上100
℃以下、より好ましくは-50℃以上150℃以下、さらに好ましくは-100℃以上2
00℃以下で、電池ユニット120を駆動することができることが好ましい。または、上
記の温度範囲で、蓄電装置を可逆的に曲げることができることが好ましい。本発明の一態
様の蓄電装置は、屋内及び屋外のどちらで使用してもよい。
【0070】
特に、ゴム弾性を有する部材109の熱伝導性が低いほど、電池ユニット120が、使用
環境の温度に影響を受けにくくなるため好ましい。なお、電池ユニット120が広い温度
範囲で動作できるなど、使用環境下で動作可能な場合はこれに限られない。
【0071】
また、ゴム弾性を有する部材109は、有機溶媒及び電解質などの耐溶剤性、化学的安定
性、及び耐候性がそれぞれ高いことが好ましい。電池ユニット120を構成する材料及び
使用環境によって、ゴム弾性を有する部材109が劣化することを抑制することができる
。また、ゴム弾性を有する部材109による封止が破られることも抑制することができる
。したがって、蓄電装置の安全性を高めることができる。
【0072】
また、ゴム弾性を有する部材109は、水分及びガスの透過性がそれぞれ低いことが好ま
しい。電池ユニット120は、水分等の不純物によって劣化しやすい材料を含む場合が多
い。ゴム弾性を有する部材109が水分及びガスを透過しにくい場合、大気中の水分及び
ガスが電池ユニット120に侵入することを抑制できるため、電池ユニット120の劣化
を抑制することができる。したがって、蓄電装置の信頼性を高めることができる。また、
ゴム弾性を有する部材109は、撥水性が高くてもよい。
【0073】
蓄電装置は、水中での使用が可能であると好ましい。本発明の一態様の蓄電装置は、例え
ば、0℃以上100℃以下の水中で、電池ユニット120を駆動することができることが
好ましい。または、0℃以上100℃以下の水中で、蓄電装置を可逆的に曲げることがで
きることが好ましい。
【0074】
ゴム弾性を有する部材109の材料としては、例えば、熱硬化性エラストマーが挙げられ
る。具体的には、天然ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
【0075】
ゴム弾性を有する部材109の材料には、使用する環境の温度範囲において、耐熱性を有
するものであれば、熱可塑性エラストマーを用いてもよい。例えば、ポリエステル系又は
ポリアミド系の熱可塑性エラストマーは、耐熱性が高いため好ましい。
【0076】
ゴム弾性を有する部材109の難燃性、耐熱性、成形性、安定性等の向上を目的に、難燃
剤、可塑剤、酸化防止剤、光劣化防止剤、撥水剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤等の助剤を
添加してもよい。
【0077】
例えば、ゴム弾性を有する部材109は、フィラーを有していてもよく、具体的には、炭
素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属ファイバー等を有していてもよい。
【0078】
ゴム弾性を有する部材109の、可視光に対する透過性は問わない。ゴム弾性を有する部
材109の内部に、蓄電装置の使用者に視認させたい構成要素がある場合には、可視光を
透過する材料を用いてゴム弾性を有する部材109を作製する。
【0079】
ゴム弾性を有する部材109は、変形時に生じる内部応力が分散しやすい。よって、蓄電
装置を曲げた際に、曲げた部分に局所的にかかる応力を緩和し、蓄電装置の破損を防ぐこ
とができる。また、外部からの物理的な圧迫又は衝撃を分散する緩衝材としても機能でき
る。例えば、ゴム弾性を有する部材109は、外装体107よりもヤング率が小さいこと
が好ましい。
【0080】
ゴム弾性を有する部材109の成形方法は、特に限定は無く、例えば、押し出し成形、圧
縮成形、射出成形等を用いてもよい。蓄電装置の作製方法は、実施の形態3を参照できる
【0081】
図4(A)~(C)及び図5(A)~(C)に、凹凸構造109aの平面レイアウトの例
を示す。
【0082】
図4(A)に示すように、凹凸構造109aは、蓄電装置の端部近傍にのみ設け、中央部
には設けなくてもよい。また、図4(B)に示すように、蓄電装置の端部近傍と、中央部
の双方にそれぞれ設けてもよい。このように、1方向(ここではY方向)に複数の凸部を
設けてもよい。凸部のY方向の長さは全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図4(B)では、端部近傍の凹凸構造109aに比べて、中央部の凹凸構造109aの方
が、凸部のY方向の長さが短い例を示す。
【0083】
また、凸部のX方向の長さは全て同じであってもよいし、異なっていてもよい。図4(C
)では、電極リードと電極との接続部近傍で、他の部分に比べて、凸部のX方向の長さが
長い例を示す。このように、他の部分に比べて曲げに弱い部分において、他の部分よりも
大きい曲率半径で凸部が接触するように、凸部のX方向の長さを変えてもよい。
【0084】
また、図5(A)に示すように、凸部は、蓄電装置の長辺及び短辺に平行でない方向に長
く設けられていてもよい。蓄電装置を曲げたい方向に応じて、凸部を形成することができ
る。
【0085】
また、蓄電装置を2方向に曲げる場合は、凸部をマトリクス状に設けてもよい。図5(B
)では、互いに垂直なX方向とY方向に凸部を並べる例を示すが、互いに垂直でない2方
向に凸部を並べてもよい。また、3方向以上に凸部を並べてもよい。
【0086】
一部にのみ凹凸構造109aを設けることで、蓄電装置の曲げられる箇所を制限してもよ
い。例えば、図5(C)では、蓄電装置を中央でのみ曲げられる例を示す。一方で、蓄電
装置を様々な場所で曲げられるようにする場合には、広い範囲に凹凸構造109aを形成
することが好ましい。
【0087】
本発明の一態様では、凸部の高さ、X方向もしくはY方向の長さ、又は凸部の間隔等によ
り、蓄電装置の曲げやすさや、凸部どうしが接触する際の蓄電装置の曲率半径を制御する
ことができる。
【0088】
次に、図6図8を用いて、凹凸構造109aについて説明する。
【0089】
図6(A)は、凹凸構造109aの上面図であり、図6(B)は、図6(A)の一点鎖線
N5-N6間の断面図である。
【0090】
図6(B)では、電池ユニット120が、対向する2つの面上にゴム弾性を有する部材1
09を有し、一方の面(以下、第1の面と記す)上に位置するゴム弾性を有する部材10
9が凹凸構造109aを有する例を示している。
【0091】
図6(C)に示すように、電池ユニット120の第1の面が内側になるように蓄電装置を
曲げると、隣り合う2つの凸部が接触し、それ以上蓄電装置を曲げることが難しくなる。
これにより、蓄電装置が曲がりすぎること、さらには、蓄電装置が破損することを抑制で
きる。
【0092】
図6(D)に、凹凸構造109aが有する2つの凸部の拡大図を示す。第1の凸部119
aの断面形状は、第1の二等辺三角形の3辺に接し、かつ、第1の二等辺三角形の内部に
含まれる形状である。同様に、第2の凸部119bの断面形状は、第2の二等辺三角形の
3辺に接し、かつ、第2の二等辺三角形の内部に含まれる形状である。第1の二等辺三角
形と第2の二等辺三角形は同一の形状であり、同一線上に底辺を有し、かつ1点(図6
D)の点S)で接する。
【0093】
蓄電装置を、電池ユニット120の第1の面が内側になるように曲げ、隣り合う2つの凸
部が接触したとき、電池ユニット120の第1の面の曲率半径Rは、第1の面から凸部の
底面までの最短距離tと、二等辺三角形の等辺の長さLと、の和となる(図6(C)、(
D)参照)。曲率半径Rは例えば5mm以上150mm以下、好ましくは10mm以上5
0mm以下とすることができる。
【0094】
図6(D)に示すように、第1の凸部119aと第2の凸部119bとは、同一の形状で
あることが好ましい。また、第1の凸部119aの第1の辺が、第1の二等辺三角形の第
1の等辺上に位置し、第2の凸部119bの第2の辺が、第2の二等辺三角形の第2の等
辺上に位置し、第1の等辺と第2の等辺が、1点(図6(E)の点S)で接する場合は、
第1の凸部119aと第2の凸部119bとが、互いに異なる形状であってもよい。
【0095】
なお、凸部どうしが接触することで、凸部は変形することがある。本実施の形態で説明す
る凸部の形状は、例えば、曲げの力が加わっていないときや、凸部どうしが接触していな
いときの形状に相当する場合がある。または、曲げの力が加わっているときや、凸部どう
しが接触しているときの形状に相当する場合がある。
【0096】
図6(F)に点線で示すように、蓄電装置が曲がりすぎ、曲げた部分に局所的に力がかか
ることで、電池ユニット120又はゴム弾性を有する部材109が破損する可能性がある
。本発明の一態様では、ゴム弾性を有する部材109に上記で説明した凸部を形成するこ
とで、曲がりすぎによる蓄電装置の破損を抑制することができる。
【0097】
図7(A)は、図6(A)とは形状の異なる凹凸構造109aの上面図であり、図7(B
)は、図7(A)の一点鎖線N7-N8間の断面図である。
【0098】
図7(A)に示す凹凸構造109aは、図6(A)に示す凹凸構造109aに比べて、凹
部が狭く、蓄電装置の外観が優れる。
【0099】
また、図7(B)に示す凹凸構造109aは、図6(B)に示す凹凸構造109aに比べ
て、凸部の高さが低い。凸部の高さが低いほど、蓄電装置の厚さを薄くできるため好まし
い。また、図6(C)と図7(C)を比較した場合、凸部の高さが高い方が、2つの凸部
の接触面積が広くなり、凸部が接触した後、蓄電装置をさらに曲げることが難しくなり好
ましい。
【0100】
凸部の断面形状は、台形に限られず、正方形、長方形等の四角形、三角形、五角形等の多
角形、又は円弧を含む形状等の曲線を含む形状など、様々な形状とすることができる。
【0101】
例えば、図7(D)、(E)に示すように、凸部の断面形状が二等辺三角形であってもよ
い。つまり、第1の凸部と第1の二等辺三角形が同一の形状であってもよい。
【0102】
また、図7(F)、(G)に示すように、凸部の断面形状が丸みを帯びていてもよい。
【0103】
また、図8(A)は、図6(A)とは形状の異なる凹凸構造109aの上面図であり、図
8(B)は、図8(A)の一点鎖線N9-N10間の断面図である。
【0104】
図7(F)、図8(C)では、隣り合う2つの凸部は、少なくとも1点で接触する。
【0105】
また、図8(D)に示す凹凸構造109aは、図8(C)に示す凹凸構造109aに比べ
てピッチが狭く、蓄電装置をより滑らかに曲げられるため、好ましい。
【0106】
なお、図8(E)に示すように、電池ユニット120の第1の面に接して凹凸構造109
aが設けられていてもよい。つまり、電池ユニット120の第1の面から凸部の底面まで
の最短距離tは0μm以上であり、例えば、100μm以上10mm以下が好ましく、5
00μm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下がさらに好ましい。最短
距離tが短いほど、蓄電装置を薄型化及び軽量化することができる。最短距離tが長いほ
ど蓄電装置の保護性能を高めることができる。
【0107】
本発明の一態様の蓄電装置は、2つの凸部が互いに接触しない第1の状態から、互いに接
触する第2の状態に、可逆的に変形できることが好ましい。また、第1の状態から第2の
状態に変形させることで、蓄電装置が、第2の状態を保つことができてもよい。
【0108】
なお、蓄電装置等を曲げた後、元の形状に戻す必要がない場合には、本発明の一態様の蓄
電装置等に、ゴム弾性を有する部材に替えて、結晶弾性を有する部材を用いてもよい。本
発明の一態様では、結晶弾性を有する部材が凹凸構造を有することで、蓄電装置(電池ユ
ニット等)が曲がりすぎて破損することを抑制できる。そのため、蓄電装置等の信頼性を
高めることができる。なお、結晶弾性とは、エネルギーがためられず、塑性変形にエネル
ギーが変えられる弾性のことを指す。結晶弾性を有する部材としては、金属等が挙げられ
る。
【0109】
本実施の形態では、ゴム弾性を有する部材が、電池ユニットを収納する例を示したが、本
発明の一態様はこれに限定されない。例えば、ゴム弾性を有する部材に収納する他の構成
要素としては、表示パネル等を有する表示ユニット、発光パネル等を有する発光ユニット
等が挙げられる。
【0110】
以上のように、本発明の一態様の蓄電装置は、電池ユニットと、複数の凸部を有し、かつ
ゴム弾性を有する部材とを有し、蓄電装置を曲げた際に、隣り合う2つの凸部が互いに接
触することで、使用者が過度に蓄電装置を曲げてしまうことを防止することができる。よ
って、破損しにくく、安全性及び信頼性の高い蓄電装置を実現することができる。
【0111】
なお、本発明の一態様として、湾曲した蓄電装置、可撓性を有する蓄電装置、又は変形で
きる蓄電装置を例示したが、本発明の一態様は、様々な形状の蓄電装置、又は様々な硬さ
を有する蓄電装置に適用してもよい。例えば、本発明の一態様は、湾曲していない平板形
状の蓄電装置、円筒形状の蓄電装置、又は可撓性を有さず、変形できない蓄電装置等に適
用してもよい。
【0112】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0113】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置について図9図11を用いて説明する。
【0114】
本実施の形態では、発光パネルを有する発光装置を例に説明するが、本発明の一態様はこ
れに限られない。本実施の形態の内容は、例えば、表示パネルを有する表示装置にも適用
できる。
【0115】
本発明の一態様は、発光ユニットと、ゴム弾性を有する部材と、を有する発光装置である
。発光ユニットは、発光パネルを有し、発光パネルは、発光素子を有する。ゴム弾性を有
する部材は、発光ユニットを収納する。ゴム弾性を有する部材の少なくとも一部は、発光
素子が発する光を透過する。ゴム弾性を有する部材は、発光ユニットの第1の面上に、第
1の凸部及び第2の凸部を並べて有する。発光素子は、発光ユニットの第2の面側に発光
する機能を有する。発光ユニットの第1の面と第2の面は、互いに対向する。第1の凸部
と第2の凸部は、発光装置を、発光ユニットの第1の面が内側になるように曲げることで
、互いに接触することができる。
【0116】
ゴム弾性を有する部材を用いることで、発光ユニットを保護することができる。ゴム弾性
を有する部材は可撓性を有するため、可撓性を有する発光ユニットを用いた発光装置の可
撓性を損なうことなく、発光ユニットを保護することができる。また、複数の凸部を有す
るゴム弾性を有する部材を用いることで、発光ユニットを曲げすぎることや、発光ユニッ
トを所望の位置以外で曲げることを抑制することができる。このように、本発明の一態様
を適用することで、信頼性及び安全性の高い、可撓性を有する発光装置を実現することが
できる。
【0117】
本実施の形態の発光装置では、発光ユニット全体が、ゴム弾性を有する部材によって覆わ
れている。発光ユニットを、ゴム弾性を有する部材で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り
返し行われても破損しにくい発光装置を実現することができる。特に、ゴム弾性を有する
部材を、継ぎ目の無い一体物とすることで、外部からの不純物の侵入を抑制し、発光装置
の信頼性を高めることができる。また、可視光を透過することができる、ゴム弾性を有す
る部材を用いることで、表示品位が良好な発光装置を実現することができる。
【0118】
また、発光ユニットは、二次電池を有することが好ましい。二次電池は、発光素子に電力
を供給する機能を有する。
【0119】
本発明の一態様の発光装置は、発光パネルと二次電池をまとめてゴム弾性を有する部材に
よって覆い、封止することができる。そのため、簡便に信頼性の高い発光装置を作製する
ことができる。
【0120】
また、発光ユニットは、無線で二次電池を充電する機能を有する回路を有することが好ま
しい。該回路は、アンテナを有する。
【0121】
本発明の一態様の発光装置は、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができ
る。そのため、充電の際に、ゴム弾性を有する部材から二次電池を取り出す必要がない。
したがって、発光ユニット全体を完全にゴム弾性を有する部材で覆うことができ、封止性
能をより高めることができる。
【0122】
耐熱性の高いゴム弾性を有する部材を用いることで、高温下でも、発光ユニットを駆動す
ることができる。また、高温下でも、発光装置を可逆的に曲げることができる。このとき
、耐熱性の高い発光素子及び二次電池を用いると、さらに好ましい。
【0123】
なお、本発明の一態様において、発光ユニットの少なくとも一部が可撓性を有する。例え
ば、発光パネルが可撓性を有していてもよいし、発光パネルは可撓性を有さず、二次電池
が可撓性を有していてもよい。発光ユニットの可撓性を有する部分の領域及び位置に応じ
て、ゴム弾性を有する部材の凸部のレイアウトを決定することができる。
【0124】
なお、本実施の形態では、ゴム弾性を有する部材が、発光ユニット全体を覆う例を示すが
、本発明の一態様はこれに限られない。ゴム弾性を有する部材は、発光ユニットの1つ以
上の面に設けることができる。
【0125】
以下では、本発明の一態様の発光装置の具体例を説明する。
【0126】
図9(A)に示す発光装置150は、発光ユニット及びゴム弾性を有する部材40を有す
る。ゴム弾性を有する部材40は、内部に、発光ユニットを有する。発光ユニットは、ゴ
ム弾性を有する部材40によって封止されている、ともいえる。発光ユニットは、発光パ
ネル10、二次電池20、及び回路30を有する。
【0127】
発光ユニットの接続関係の例を図9(B)にブロック図で示す。
【0128】
発光パネル10は、発光素子11を有する。発光素子11は、二次電池20から供給され
る電力を用いて発光する機能を有する。
【0129】
なお、発光パネル10は、二次電池20以外から供給された電力を用いて発光する機能を
有していてもよい。
【0130】
二次電池20は発光パネル10と重なる部分を有する。
【0131】
なお、二次電池20は、発光パネル10以外に電力を供給する機能を有していてもよい。
【0132】
二次電池20は実施の形態1で例示した電池ユニット120に相当し、正極、負極、セパ
レータ、電解質、及び外装体等を有する。
【0133】
回路30はアンテナ31を有する。アンテナ31は、発光パネル10と重なる部分を有す
る。回路30は、無線(非接触で、ともいえる)で二次電池20を充電することができる
【0134】
発光パネル10と回路30とが互いに重なる部分、及び発光パネル10と二次電池20と
が互いに重なる部分とのうち少なくとも一方を有することで、発光装置150の小型化を
図ることができる。特に、発光パネル10、二次電池20、及び回路30の3つが互いに
重なる部分を設けることが好ましい。
【0135】
二次電池20は、回路30と重なる部分を有することが好ましい。例えば、アンテナ31
の少なくとも一部が二次電池20と重なっていてもよい。アンテナ31を発光パネル10
と二次電池20の間に配置するなど、アンテナ31が発光装置の使用者から視認されにく
くなるように発光パネル10、二次電池20、及び回路30を重ねることで、発光装置の
外観が損なわれることを抑制でき、好ましい。発光パネル10と二次電池20の間に配置
されたアンテナ31は、発光パネル10を介して外部のアンテナから受電する。
【0136】
発光装置の使用環境が決まっている場合は、その環境下で、発光が可能な発光素子、及び
その環境下で発光パネルに電力を供給可能な二次電池を用いる。
【0137】
本発明の一態様の発光装置は、低温環境下及び高温環境下で使用できることが好ましい。
または、本発明の一態様の発光装置は、広い温度範囲(例えば、0℃以上100℃以下、
好ましくは-25℃以上150℃以下、より好ましくは-50℃以上200℃以下)で使
用できることが好ましい。本発明の一態様の発光装置は、屋内及び屋外のどちらで使用し
てもよい。
【0138】
本発明の一態様の発光装置が有する発光素子は、0℃の環境下及び100℃の環境下のそ
れぞれで発光することができることが好ましい。また、本発明の一態様の発光装置が有す
る二次電池は、0℃の環境下及び100℃の環境下のそれぞれで発光パネルに電力を供給
することができることが好ましい。
【0139】
発光装置は、スイッチを有していてもよい。図9(C)、(D)では、発光ユニットとし
て、発光パネル10、二次電池20、回路30、回路50、及びスイッチ51を示す。
【0140】
例えば、図9(C)に示すように、スイッチ51がオフ状態のときに、回路30は無線で
二次電池20を充電することができる。
【0141】
例えば、図9(D)に示すように、スイッチ51がオン状態のときに、二次電池20は発
光パネル10に電力を供給することができる。
【0142】
以下では、本発明の一態様の発光装置が有する各要素の詳細について述べる。
【0143】
<発光パネル10>
発光パネル10は、発光素子11を有する。また、発光パネルは、タッチセンサ等の検知
素子を有していてもよい。発光パネル10の構成例は、実施の形態6にて詳述する。
【0144】
発光パネル10には、画素に能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を有するアクティ
ブマトリクス方式、又は画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式を用いること
ができる。
【0145】
発光パネル10は可撓性を有していてもよい。例えば、発光素子11の支持基板及び封止
基板のうち少なくとも一方にフィルムを用いることで、発光パネル10の可撓性を高める
ことができる。
【0146】
発光素子11には、低温環境下及び高温環境下で発光することができる素子を用いること
が好ましい。低温環境としては、例えば、-100℃以上0℃以下の環境、好ましくは-
100℃以上-25℃以下の環境、より好ましくは-100℃以上-50℃以下の環境が
挙げられる。高温環境としては、例えば、100℃以上300℃以下の環境、好ましくは
150℃以上300℃以下の環境、より好ましくは200℃以上300℃以下の環境が挙
げられる。なお、発光素子11は低温環境下又は及び高温環境下だけでなく、0℃より高
く100℃未満の環境下で発光させることができる。例えば、発光素子11を室温(20
℃以上30℃以下)で発光させることができる。
【0147】
発光素子11としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって
輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有
機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。また、発光素子に限らず、表示素子
を適用することもできる。
【0148】
発光素子11の耐熱性は高いほど好ましい。例えば、発光素子11に有機EL素子を用い
る場合、有機EL素子に含まれる各有機化合物のガラス転移温度は、100℃以上300
℃以下が好ましく、150℃以上300℃以下がさらに好ましい。
【0149】
本発明の一態様の発光装置では、発光パネルを介してアンテナが外部のアンテナから受電
するため、発光素子11が有する一対の電極の厚さは薄いほど好ましい。例えば、一対の
電極の厚さの和は1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは350nm以
下、さらに好ましくは250nm以下とする。
【0150】
<二次電池20>
二次電池20としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウム
イオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素
電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀
亜鉛電池などが挙げられる。
【0151】
高エネルギー密度が実現できるリチウムイオン二次電池を用いることで、発光装置の軽量
化及び小型化が図れるため、好ましい。
【0152】
例えば、非水電解質を有する二次電池を用いることができる。該非水電解質は、イオン液
体(常温溶融塩)とアルカリ金属塩を有する。イオン液体は、難燃性及び難揮発性である
ため、耐熱性の高い二次電池を実現できる。
【0153】
ゲル状電解質を用いる二次電池、及び固体電解質を用いる全固体二次電池は、それぞれ、
耐熱性及び安全性が高く、好ましい。
【0154】
二次電池20としては、コイン型(単層偏平型)、円筒型、薄型、角型、封止型等の様々
な形状の二次電池を用いることができる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層
された構造、または正極、負極、及びセパレータが捲回された構造(捲回型)であっても
よい。
【0155】
二次電池20は可撓性を有していてもよい。例えば、外装体にフィルムを用いることで、
二次電池20の可撓性を高めることができる。外装体で囲まれる領域には正極、負極、及
び電解質(又は電解液)を少なくとも有する。
【0156】
発光装置において、発光素子11と二次電池20を重ねて配置する構成としてもよい。発
光素子11と二次電池20の互いに重なる面積が広いほど、発光素子11の発熱を利用し
て二次電池20を温めることができる。高温環境下に比べて、低温環境下で動作が難しい
二次電池を用いる場合でも、発光装置の信頼性を高めることができる。
【0157】
二次電池20の構成例は、実施の形態4にて詳述する。
【0158】
<回路30>
回路30は、アンテナ31を有する。さらに、回路30は、コントローラ32を有してい
てもよい。
【0159】
アンテナ31は、外部のアンテナ(例えば充電器のアンテナ68)から受電することがで
きる。アンテナ31は、発光パネル10を介して、外部のアンテナから受電してもよい。
または、アンテナ31は、二次電池20を介して、外部のアンテナから受電してもよい。
【0160】
コントローラ32は、アンテナ31により受電した電力を、二次電池20に供給する電力
に変換し、二次電池20に出力する機能を有する。例えば、コントローラ32は、ACD
Cコンバータとしての機能を有していてもよい。その場合、アンテナ31により受電した
電力を、直流電力に変換し二次電池20に出力する。
【0161】
本実施の形態の発光装置では、充電器のアンテナ68(一次コイル)と、発光装置のアン
テナ31(二次コイル)とを磁気的に結合し、一次コイルから発生する交流磁場で二次コ
イルに電圧を発生させる電磁誘導方式によって、非接触で二次コイル側に電力が伝送され
る仕組みを用いて充電が行われる。なお、受電の方式は電磁誘導方式に限られない。
【0162】
発光装置が有するアンテナの用途は、非接触で二次電池を充電することに限定されない。
例えば、発光装置にアンテナ及びメモリを設け、電子データを送受信させてもよい。受信
したデータに応じて、発光パネル10で映像や情報等の表示を行ってもよい。また、GP
S機能を持たせて位置情報やGPS時刻を取得できるアンテナを設けてもよい。
【0163】
安全上、二次電池を充電又は放電する出入力端子を発光装置の表面に露出させないことが
好ましい。出入力端子が露出していると、雨などの水によって出入力端子がショートする
恐れや、出入力端子が人体に触れて感電する恐れがある。アンテナ31を用いれば、非接
触で二次電池の充電が可能であるため、該出入力端子を発光装置の表面に露出させない構
成とすることができる。
【0164】
<ゴム弾性を有する部材40>
ゴム弾性を有する部材40は、内部に発光パネル10、二次電池20、回路30等を含む
発光ユニットを有する。発光ユニットはゴム弾性を有する部材40により封止され、発光
装置の外部の大気から隔離される。ゴム弾性を有する部材については、実施の形態1も参
照できる。
【0165】
<回路50>
回路50は、二次電池20から供給された電力を、発光素子11を発光させる電力に変換
する機能を有する。例えば、二次電池20の出力電圧を発光素子11が発光するのに要す
る電圧に変換(昇圧又は降圧)する機能を有していてもよい。
【0166】
また、回路50は、発光素子11が発光するタイミングを制御する機能を有していてもよ
い。例えば、発光素子11が点滅するように、発光素子11を駆動する機能を有していて
よい。
【0167】
また、回路50は、発光パネル10を駆動するための信号を生成し、発光パネル10に出
力する機能を有していてもよい。回路50は、信号線駆動回路や走査線駆動回路を有して
いてもよい。また、発光パネル10が信号線駆動回路や走査線駆動回路を有していてもよ
い。
【0168】
<スイッチ51>
スイッチ51は、回路50と電気的に接続されている。また、スイッチ51は、二次電池
20と電気的に接続されている。また、スイッチ51は、回路30と電気的に接続されて
いる。
【0169】
スイッチ51としては、特に限定はなく、例えば、電気的スイッチ、機械的スイッチ等を
用いることができる。具体的には、トランジスタ、ダイオード、磁気スイッチ、機械的な
接点を有するスイッチ等が挙げられる。
【0170】
図10(A)、(B)に、発光ユニットの具体例を示す。図10(A)は発光ユニットの
表面(発光面)を示し、図10(B)は発光ユニットの裏面を示す。
【0171】
図10(A)、(B)では、二次電池20として、ラミネート型の二次電池を用いる例を
示す。図10(B)に示すように、二次電池20の中央部は、複数の電極が積層されてい
る部分であり、端部に比べて厚くなっている。
【0172】
電極21aは、二次電池の正極又は負極の一方と電気的に接続されている。電極21bは
、二次電池の正極又は負極の他方と電気的に接続されている。
【0173】
電極21a、21bは、回路基板55を介して折り曲げられ、回路基板55上の端子33
a、33bとそれぞれ電気的に接続されている。
【0174】
回路基板55には、図9(C)等に示す回路30、回路50等を構成する素子(電子部品
35として図示する)が設けられている。回路基板55には、例えば、容量素子、抵抗素
子、又はスイッチ素子等の電子部品が設けられている。回路基板55としては、例えば、
プリント基板を用いることができる。
【0175】
また、回路基板55には、スイッチ51が設けられている。図10(A)、(B)では、
スイッチ51として、磁気スイッチを用いる例を示す。磁石の着脱により、スイッチのオ
ンオフを切り替えることができる。
【0176】
アンテナ31は、回路基板55上の端子34と電気的に接続されている。アンテナ31の
一部は、二次電池20と発光パネル10の間に位置している。つまり、発光装置において
、アンテナ31は、発光パネル10と重なる部分を有する。また、アンテナ31は、二次
電池20と重なる部分を有する。
【0177】
アンテナ31は、発光パネル10を介して、外部のアンテナから受電することができる。
【0178】
発光パネル10において、端子12aは、発光素子11の陽極又は陰極の一方と電気的に
接続されている。端子12bは、発光素子11の陽極又は陰極の他方と電気的に接続され
ている。なお、端子12a、12bがそれぞれ発光素子11の陽極又は陰極として機能し
てもよい。
【0179】
端子12aは、配線53aを介して回路基板55上の端子52aと電気的に接続されてい
る。端子12bは、配線53bを介して回路基板55上の端子52bと電気的に接続され
ている。
【0180】
本発明の一態様の発光装置では、二次電池及びアンテナが、それぞれ独立に、発光パネル
と重なる部分を有する。また、二次電池と回路が重なる部分を有する。図10(A)、(
B)に示すように、例えば、アンテナの一部が、発光パネルと二次電池の間に位置してい
てもよい。
【0181】
以上のように、二次電池、発光パネル、回路基板、及びアンテナ等、発光装置を構成する
要素の少なくともいずれか2つが互いに重なる部分を有すると、発光装置の小型化が可能
となり好ましい。
【0182】
例えば、二次電池20が、発光パネル10、回路基板55、及びアンテナ31のうち、少
なくともいずれか一と互いに重なる部分を有していることが好ましい。図10(A)、(
B)に示すように、二次電池20が、発光パネル10、回路基板55、及びアンテナ31
のそれぞれと、互いに重なる部分を有していることが特に好ましい。
【0183】
本発明の一態様の発光装置を使用できる環境は大気雰囲気に限られない。本発明の一態様
の発光装置は、例えば、0℃以上100℃以下の水中で使用することができる。発光素子
及び二次電池の使用可能な温度範囲が広いこと、発光素子及び二次電池がゴム弾性を有す
る部材により封止されていること等から、本発明の一態様の発光装置は、水中での使用に
対しても高い信頼性を確保することができる。
【0184】
図11(A)~(F)は、それぞれ、本発明の一態様の発光装置の断面概略図である。
【0185】
図11(A)~(F)に示すように、発光装置は、ゴム弾性を有する部材40の内部に、
発光パネル10、二次電池20、及び回路30を有する。図11では、簡略化のため、発
光パネル10、二次電池20、及び回路30の厚さを概略等しく図示したが、それぞれの
厚さは異なっていてもよい。
【0186】
ゴム弾性を有する部材40によって封止された空間は、減圧雰囲気又は不活性雰囲気であ
ることが好ましい。これらの雰囲気とすることで、大気雰囲気である場合に比べて、発光
パネル10等の信頼性を高めることができる。
【0187】
ゴム弾性を有する部材40は、発光パネル10が有する発光素子の発する光を透過するこ
とができる。使用者は、ゴム弾性を有する部材40を介して、発光パネル10、二次電池
20、及び回路30を視認することができる。
【0188】
図11(A)では、発光装置の発光面から見て、二次電池20と発光パネル10とが重な
り、かつ、二次電池20と回路30とが重なる構成を例示したが、図11(B)に示すよ
うに、発光パネル10と回路30とが重なる構成としてもよい。また、回路30の代わり
に、図10(A)に示す回路基板55を有していてもよい。
【0189】
また、発光装置が有する発光パネル10、二次電池20、及び回路30の数はそれぞれ1
つに限られず、それぞれ独立に2つ以上であってもよい。
【0190】
発光装置の発光面の裏面には、凹凸構造40aが設けられている。
【0191】
発光装置は、タッチパネルを有していてもよい。例えば、図11(C)に示すように、ゴ
ム弾性を有する部材40上にタッチパネル45を有していてもよい。例えば、静電容量式
のタッチパネルを有していてもよい。発光素子の発光は、タッチパネル45が有する検出
素子を介して外部に取り出される。
【0192】
また、発光ユニットがタッチパネルを有していてもよい。例えば、図11(D)に示すよ
うに、発光面から見て、発光パネル10よりも奥側にタッチパネル45を有していてもよ
い。これにより、タッチパネル45が、発光素子の発光を透過する必要がなくなる。図1
1(D)では、発光パネル10と二次電池20の間にタッチパネル45を有する例を示し
たが、発光パネル10とタッチパネル45の間に二次電池20を有していてもよい。例え
ば、感圧式のタッチパネルを有していてもよい。
【0193】
また、発光パネル10又は二次電池20の一方のみと重ねて凹凸構造40aを有していて
もよい。図11(E)では、発光パネル10と凹凸構造40aが重なる例、図11(F)
では二次電池20と凹凸構造40aが重なる例を示す。
【0194】
なお、本発明の一態様の発光装置は、表示装置として用いてもよいし、照明装置として用
いてもよい。例えば、バックライトまたはフロントライトなどの光源、つまり、表示装置
のための照明装置として活用してもよい。
【0195】
また、本発明の一態様の発光装置には、他の半導体回路、例えば、撮像素子、ジャイロセ
ンサ、加速度センサなどのセンサ、過充電を防止するための制御回路、タッチパネルなど
を具備させてもよい。例えば、撮像素子を搭載することで撮影した画像を発光パネルに表
示することができる。また、タッチパネルを搭載することで、タッチパネルの所望の位置
をタッチすることで電子機器の操作や、情報の入力を行うことができる。また、メモリや
CPUを搭載することで、使用できる温度範囲が広いコンピュータを実現することもでき
る。
【0196】
本発明の一態様の発光装置には、人体もしくはロボットの腕もしくは手首に固定するため
のベルトもしくは留め金を設けてもよい。装着部位は、人体又はロボットの一部であれば
特に限定されず、例えば、腰、又は足首に装着してもよい。
【0197】
本発明の一態様の発光装置は、二次電池を有すること、広い温度範囲で使用可能なこと等
から、携帯用途の発光装置として好適に用いることができる。
【0198】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0199】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置の作製方法について説明する。
【0200】
なお、本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置を作製する例を示すが、同様の方法
によって、本発明の一態様の発光装置や表示装置等を作製することもできる。また、本発
明の一態様の蓄電装置、発光装置、及び表示装置等の作製方法は、本実施の形態で例示す
る方法に限られない。
【0201】
以下では、実施の形態1で例示した蓄電装置110(図2(A)等参照)と同様の、対向
する2つの面に凹凸構造を有する蓄電装置を作製する場合を例に挙げて説明する。本実施
の形態で説明する蓄電装置の作製は、大気中で行うことができ、かつ複雑な設備を必要と
しないため、簡便かつ低コストで行うことができる。
【0202】
<蓄電装置の作製方法例1>
まず、図12(A)に、蓄電装置の作製に用いる構造体191を示す。図12(B)に、
図12(A)に示す領域60の拡大図を示す。
【0203】
構造体191は、凹部192を有する。凹部192は、表面に鏡面加工などが施され、表
面の平坦性が高められていることが好ましい。凹部192には、凹凸構造192aが設け
られている。
【0204】
凹凸構造192aが有する凹部の深さ、幅、及び間隔は、ゴム弾性を有する部材に形成し
たい凹凸構造の凸部の高さ、幅、間隔に応じて決定することができる。なお、凹部の深さ
、幅、及び間隔は、全ての凹部において同じ値であってもよいし、それぞれ異なっていて
もよい。例えば、電池ユニット120において、曲げに強い部分と曲げに弱い部分とがあ
る場合には、2つの部分で凹部の大きさや間隔を変えることで、曲げに弱い部分はあまり
曲がらないようにしつつも、曲げに強い箇所はよりきつく曲げることができるよう、制御
することができる。
【0205】
なお、凹凸構造192aは、複数の凹部を有する構成に限られない。凹凸構造192aは
、複数の凸部を有していてもよい。その場合、ゴム弾性を有する部材には、複数の凸部に
対応した形状の複数の凹部を形成することができる。
【0206】
構造体191としては、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体191に
用いる材料は金属に限定されない。構造体191として、ガラス、セラミックス、有機樹
脂、木材などの材料を用いてもよい。
【0207】
蓄電装置の作製の際には、図12(C)に示すように、互いに凹部192が向かい合うよ
うに、2つの構造体191を重ね合わせる。次に、2つの凹部192で囲まれた空間内に
、電池ユニット120を配置する。
【0208】
図12(C)では、構造体191を2つ用いる例を示したが、本発明の一態様はこれに限
られない。互いに異なる形状を有する2つの構造体を用いてもよい。例えば、2つの構造
体において、凹部192は、互いに同様の形状を有していてもよく、異なる形状を有して
いてもよい。また、2つの構造体において、凹凸構造192aは、互いに同様の形状を有
していてもよく、異なる形状を有していてもよい。なお、凹部192に凹凸構造192a
を有する構造体と、平坦な凹部192を有する構造体と、を用いることで、蓄電装置の片
面にのみ凹凸構造を形成することができる。これにより、例えば、図1(A)等に示す蓄
電装置100を作製することができる。
【0209】
このとき、2つの凹部192で囲まれた空間の外部に電池ユニット120の一部が露出し
ていてもよい。図12(D)では、電池ユニット120が有する電極リード123(正極
リード及び負極リード)が、2つの凹部192で囲まれた空間の外部に露出する例を示す
。さらに、外装体の一部等が、露出していてもよい。また、電池ユニット120全体が、
2つの凹部192で囲まれた空間の内部に位置してもよい。例えば、発光ユニット全体を
2つの凹部192で囲まれた空間の内部に配置することで、発光装置150(図9(A)
等参照)を作製することができる。
【0210】
続いて、2つの凹部192で囲まれた空間内に、液状の充填材195を入れる。充填材1
95としては、例えば、高分子材料を用いることができる。充填材195は、硬化後に透
光性を有していてもよい。また、充填材195としては、硬化剤を必要としない一液型の
材料や、主剤と硬化剤を混合することで硬化が進行する二液型の材料などを用いることが
できる。また、加熱や、紫外線などの光が照射されることにより硬化が進行する材料を用
いてもよい。また、充填材195は、水分の透過を阻害する防湿剤を有していてもよい。
【0211】
本実施の形態では、充填材195として、硬化後に透光性を有するシリコーンゴムとなる
二液型の材料を用いる。
【0212】
充填材195を2つの凹部192の形状に沿って硬化させることにより、ゴム弾性を有す
る部材109を形成できる。ゴム弾性を有する部材109の形成後、2つの構造体191
を分離する。なお、充填材195の充填前に、凹部192の表面に剥離剤を塗布しておく
と、構造体191と、ゴム弾性を有する部材109の分離を容易とすることができるため
好ましい。
【0213】
<蓄電装置の作製方法例2>
次に、ゴム弾性を有する部材109の厚さt1及び厚さt2を同じとするための、蓄電装
置の作製方法について説明する。
【0214】
まず、電池ユニット120の側面にスペーサ165を配置する。
【0215】
スペーサ165が配置された電池ユニット120について、斜視図を図13(A)に、上
面図を図13(B)に示す。また、図13(B)における一点鎖線V1-V2間の断面図
図13(C)に示し、一点鎖線V3-V4間の断面図を図13(D)に示す。
【0216】
図13(A)~(C)では、電池ユニット120の3辺の側面に、U字型の断面を有する
スペーサ165を配置する例を示している。具体的には、スペーサ165の窪み部分に、
電池ユニット120の側面が位置するようにスペーサ165を配置する。
【0217】
また、スペーサ165の電池ユニット120の一方の面上に沿って延伸する部分の厚さt
1と、スペーサ165の電池ユニット120の他方の面上に沿って延伸する部分の厚さt
2は、同じ厚さとすることが好ましい(図13(D))。ここで、電池ユニット120の
一方の面と他方の面は互いに対向する面である。なお、例えば、電池ユニット120の屈
曲方向が決まっている場合など、目的に応じて厚さt1と厚さt2を異なる厚さとしても
よい。
【0218】
なお、厚さt1、厚さt2、及び電池ユニット120の厚さt3を合わせた厚さを、厚さ
Tとする。ここで、電池ユニット120の厚さt3は、例えば、電池ユニット120の厚
さの最大値とすることができる。または、電池ユニット120の厚さt3は、電池ユニッ
ト120とスペーサ165とが接する領域における、電池ユニット120の厚さの平均値
などとしてもよい。また、電池ユニット120上の位置によって厚さTを変化させてもよ
い。
【0219】
また、スペーサ165の断面形状は必ずしもU字型に限らない。例えば、図13(E)に
示すように、U字型の断面を有するスペーサ165に代えて、Y字型の断面を有するスペ
ーサ165aを用いてもよい。
【0220】
スペーサ165は、電池ユニット120の少なくとも三辺に、それぞれ1つ以上配置する
ことが好ましい。図13(A)、(B)では、電池ユニット120の2つの長辺には、複
数のスペーサ165を配置し、1つの短辺には、1つのスペーサを配置する例を示したが
、これに限られない。例えば、電池ユニット120の四辺にスペーサ165を配置しても
よい。
【0221】
また、図14(A)に示すように、電池ユニット120の四隅にスペーサ165を配置し
てもよい。また、図14(B)に示すように、電池ユニット120の三辺の一部又は全部
をスペーサ165で覆ってもよい。
【0222】
また、図15(A)~(C)に示すように、電池ユニット120上に直方体のスペーサ1
65b、165c、165dを配置してもよい。図15(A)に、スペーサ165b、1
65c、165dが配置された電池ユニット120の上面図を示す。図15(A)におけ
る一点鎖線V5-V6間の断面図を図15(B)に示し、一点鎖線V7-V8間の断面図
図15(C)に示す。電池ユニット120の同一面上に配置されたスペーサ165bと
スペーサ165cでは、厚さが異なる。図15(B)では、電池ユニット120の最も厚
い領域(厚さt3の領域)上に配置されたスペーサ165bの厚さを、厚さt1、厚さt
2としている。厚さt1のスペーサ165bと同じ面側に配置されたスペーサ165cは
、厚さt1よりも厚い。厚さt2のスペーサ165bと同じ面側に配置されたスペーサ1
65cは、厚さt2よりも厚い。スペーサ165dは、厚さT以下の厚さとすることが好
ましい。また、スペーサ165dの幅(V7-V8方向の長さ)に限定はなく適宜決定す
ることができる。例えば、スペーサ165dの幅が狭いほど、蓄電装置を小型化でき、幅
が広いほど蓄電装置の信頼性を高めることができる。
【0223】
続いて、構造体191と構造体191を重ね合わせ、スペーサが設けられた電池ユニット
120を、凹部192と凹部192で囲まれた空間内に配置する。このとき、スペーサが
設けられた電池ユニット120が、構造体の凹部からはみ出ないように注意する。
【0224】
図16(A)は、スペーサが設けられた電池ユニット120を間に挟んで、2つの構造体
191を重ね合わせた状態の斜視図である。図16(A)における一点鎖線V9-V10
間の断面図を図16(B)、(C)に示す。該断面図は、スペーサを含む箇所で切断した
場合の断面図である。図16(B)では、スペーサ165を用いた場合、図16(C)で
は、スペーサ165aを用いた場合をそれぞれ示す。スペーサが設けられた電池ユニット
120は、2つの凹部192で囲まれた空間内に配置されている。このとき、該空間内の
距離kは、厚さTと同じであることが好ましい。
【0225】
次に、図12(D)に示すように、2つの凹部192で囲まれた空間内に液状の充填材1
95を入れる。このとき、充填材195の粘度が高いと、スペーサ165の周囲に間隙が
生じ、作製する蓄電装置の信頼性が低下する場合がある。粘度の低い充填材195を用い
ると、スペーサ165の周囲に充填材195が入りやすくなるため、間隙の発生を抑える
ことができる。充填材195の粘度は、10Pa・s(パスカル秒)以下が好ましく、5
Pa・s以下がより好ましく、1Pa・s以下がさらに好ましい。
【0226】
充填材195を2つの凹部192の形状に沿って硬化させることにより、ゴム弾性を有す
る部材109を形成できる。ゴム弾性を有する部材109の形成後、2つの構造体191
を分離する。
【0227】
なお、ゴム弾性を有する部材109を、スペーサと同じ組成を有する材料を用いて形成す
ることで、スペーサとゴム弾性を有する部材109の接合状態を良好なものとすることが
できる。よって、接合境界面からの不純物の侵入を防ぎ、蓄電装置の信頼性を良好なもの
とすることができる。
【0228】
なお、スペーサと、ゴム弾性を有する部材109が異なる材料の場合、屈折率や透過率な
どの違いから当該スペーサとゴム弾性を有する部材109の境界部分近傍に光学的な歪み
が生じる場合がある。よって、二次電池に加えて、表示パネルを、ゴム弾性を有する部材
109で覆った際に、表示装置の表示品位が低下する場合がある。よって、当該スペーサ
は表示領域と重ならないように配置することが好ましい。
【0229】
このため、ゴム弾性を有する部材109に、スペーサと同じ屈折率や透過率などを有する
材料を用いることが好ましい。これにより、境界が視認できない程度に両者を接合するこ
とができる。よって、表示装置の表示品位を良好なものとすることができる。
【0230】
例えば、スペーサとして、充填材195と同じ充填材を用いることで、ゴム弾性を有する
部材109と同じ組成を有するスペーサを形成することができる。スペーサと、ゴム弾性
を有する部材109に同じ組成を有する材料を用いることで、両者の屈折率や透過率など
を同じにすることができる。
【0231】
<蓄電装置の作製方法例3>
以下で説明する蓄電装置の作製方法例3、4では、作製方法例1、2と比較して少ない材
料でゴム弾性を有する部材109を形成することができる。また、作製方法例1、2と比
較して、使用する構造体の数を低減できる。作製方法例3、4は、ゴム弾性を有する部材
109の厚さを薄くする場合などに特に有効である。例えば、厚さt1又は厚さt2を1
mm以下、好ましくは500μm以下にする場合に特に有効である。作製方法例3、4で
は、蓄電装置や表示装置の生産性をより高めることができる。
【0232】
図17(A)に、蓄電装置の作製に用いる構造体521を示す。図17(B)に、図17
(A)に示す領域61の拡大図を示す。また、図17(A)における一点鎖線X1-X2
間の断面図を、図17(C)に示し、一点鎖線Y1-Y2間の断面図を、図17(D)に
示す。また、図17(E)に、図17(D)に示す領域62の拡大図を示す。
【0233】
構造体521は、凹部522を有する。凹部522には、凹凸構造522aが設けられて
いる。
【0234】
なお、凹凸構造522aは、複数の凹部を有する構成に限られない。凹凸構造522aは
、複数の凸部を有していてもよい。
【0235】
凹部522の深さd1は、厚さt1又は厚さt2と、厚さt3と、を合算した深さと同じ
深さが好ましい。なお、凹部522の深さd1に、凹凸構造522aが有する凹部の深さ
は含まない。
【0236】
構造体521としては、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体521に
用いる材料は金属に限定されない。構造体521として、ガラス、セラミックス、有機樹
脂、木材などの材料を用いてもよい。
【0237】
まず、凹部522に充填材195を入れる。その後、充填材195を硬化させてゴム弾性
を有する層531を作製する(図18(A))。充填材195の充填量は、作製するゴム
弾性を有する層531の厚さt1と凹凸構造522aの深さに応じて決めることができる
図18(B)、(C))。なお、図18(C)に示す領域63の拡大図を図18(D)
に示す。
【0238】
次に、ゴム弾性を有する層531上に電池ユニット120を配置する(図19)。このと
き、電池ユニット120とゴム弾性を有する層531の間に気泡が入らないように注意す
る。
【0239】
図20(A)は、ゴム弾性を有する層531上に電池ユニット120を配置した状態を示
す斜視図である。また、図20(B)に、図20(A)における一点鎖線X1-X2間の
断面図を、図20(C)に、一点鎖線Y1-Y2間の断面図を示す。
【0240】
なお、ゴム弾性を有する層531上に電池ユニット120を配置した後に、凹部522に
、充填材195をさらに入れて、その後、硬化させてもよい。これにより、ゴム弾性を有
する層531と電池ユニット120の相対的な位置を固定することができる。したがって
、構造体521から分離した後に、ゴム弾性を有する層531と電池ユニット120の間
に気泡が入ることを抑制できる。図21(A)には、追加した充填材195が、電池ユニ
ット120よりも薄い例を示し、図21(B)には、追加した充填材195が、電池ユニ
ット120と同等の厚さである例を示す。
【0241】
次に、ゴム弾性を有する層531を電池ユニット120と一緒に構造体521から分離す
る(図22(A))。なお、図22(B)は、図22(A)における一点鎖線Y1-Y2
間の断面図であり、ゴム弾性を有する層531上に設けられた電池ユニット120の断面
図である。図22(C)に、図22(B)に示す領域64の拡大図を示す。
【0242】
さらに、凹部522に充填材195を入れる(図23)。このとき、先の工程とは異なる
充填材を用いてもよい。例えば、蓄電装置の表面と裏面とで、硬さや色が異なるゴム弾性
を有する層を有していてもよい。または、ここで充填する充填材195が、ゴム弾性を有
する層531と同じ材質の材料であると、充填材195とゴム弾性を有する層531の硬
化後の接合が良好となり、実質的に継ぎ目のないゴム弾性を有する部材を形成することが
できる。続いて、電池ユニット120を、ゴム弾性を有する層531とともに反転させ、
ゴム弾性を有する層531を介さずに電池ユニット120が凹部522内の充填材195
と向かい合うように、電池ユニット120を凹部522内の充填材195上に配置する。
このとき、電池ユニット120と充填材195の間に気泡が入らないように注意する。
【0243】
図24(A)は、凹部522内の充填材195上に電池ユニット120を配置した状態を
示す斜視図である。また、図24(B)に、図24(A)における一点鎖線X1-X2間
の断面図を、図24(C)に、一点鎖線Y1-Y2間の断面図を示す。
【0244】
硬化後の厚さt2は、充填材195の充填量によって決定される(図25(B))。また
、充填材195の充填量は、少なくとも、電池ユニット120の端部が覆われるように決
めればよい。
【0245】
その後、凹部522内の充填材195を硬化させる。硬化した充填材195はゴム弾性を
有する層531と接合して一体物となり、ゴム弾性を有する部材109が形成される。ゴ
ム弾性を有する部材109の形成後、ゴム弾性を有する部材109及び電池ユニット12
0を構造体521から取り出す(図25(A))。図25(B)に、図25(A)におけ
る一点鎖線Y1-Y2間の断面図を示す。
【0246】
<蓄電装置の作製方法例4>
蓄電装置の作製方法例4では、蓄電装置の一方の面にのみ凹凸構造を設ける場合を示す。
【0247】
図26(A)に、蓄電装置の作製に用いる構造体551を示す。図26(B)に、図26
(A)に示す領域65の拡大図を示す。また、図26(A)における一点鎖線X3-X4
間の断面図を、図26(C)に示し、一点鎖線Y3-Y4間の断面図を、図26(D)に
示す。また、図26(E)に、図26(D)に示す領域66の拡大図を示す。
【0248】
構造体551は、凹部552を有する。凹部552には、凹凸構造552aが設けられて
いる。
【0249】
なお、凹凸構造552aは、複数の凹部を有する構成に限られない。凹凸構造552aは
、複数の凸部を有していてもよい。
【0250】
凹部552の深さd2は、厚さT以上が好ましい。例えば、厚さt3が70μmであり、
厚さt1及び厚さt2を100μmとする場合、深さd2を270μm以上とすることが
好ましい。なお、凹部552の深さd2に、凹凸構造552aが有する凹部の深さは含ま
ない。
【0251】
構造体551は、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体551に用いる
材料は金属に限定されない。構造体551として、ガラス、セラミックス、有機樹脂、木
材、などの材料を用いてもよい。
【0252】
まず、凹部552に充填材195を入れる。その後、充填材195を硬化させてゴム弾性
を有する層531を作製する(図27(A))。充填材195の充填量は、作製するゴム
弾性を有する層531の厚さt1に応じて決めることができる(図27(B)、(C))
。なお、図27(C)に示す領域67の拡大図を図27(D)に示す。
【0253】
次に、凹部552内のゴム弾性を有する層531上に電池ユニット120を配置する(図
28)。このとき、電池ユニット120とゴム弾性を有する層531の間に気泡が入らな
いように注意する。
【0254】
図29(A)は、ゴム弾性を有する層531上に電池ユニット120を配置した状態を示
す斜視図である。また、図29(B)に、図29(A)における一点鎖線X3-X4間の
断面図を、図29(C)に、一点鎖線Y3-Y4間の断面図を示す。
【0255】
次に、凹部552に充填材195を充填し、充填材195で電池ユニット120を覆う。
ここで充填する充填材195は、ゴム弾性を有する層531と同じ材料であっても、異な
る材料であってもよい。ここで充填する充填材195が、ゴム弾性を有する層531と同
じ材質の材料であると、充填材195とゴム弾性を有する層531の硬化後の接合が良好
となり、実質的に継ぎ目のないゴム弾性を有する部材を形成することができる。
【0256】
図30(A)は、凹部552に充填材195を充填した状態を示す斜視図である。また、
図30(B)に、図30(A)における一点鎖線X3-X4間の断面図を、図30(C)
に、一点鎖線Y3-Y4間の断面図を示す。厚さt2は、充填材195の充填量によって
決定される(図31(B))。また、充填材195の充填量は、少なくとも、電池ユニッ
ト120の端部が覆われるように決めればよい。
【0257】
その後、凹部552内の充填材195を硬化させる。硬化した充填材195はゴム弾性を
有する層531と接合して一体物となり、ゴム弾性を有する部材109が形成される。そ
の後、ゴム弾性を有する部材109及び電池ユニット120を構造体551から取り出す
図31(A))。図31(B)に、図31(A)における一点鎖線Y3-Y4間の断面
図を示す。
【0258】
<蓄電装置の作製方法例5>
蓄電装置の作製方法例1~4では、凹部に凹凸構造を有する構造体を用いたが、本発明の
一態様はこれに限られない。例えば、凹部に凹凸構造を有していない構造体を用いてもよ
い。そして、表面が平坦なゴム弾性を有する部材109で電池ユニット120を覆った後
に、鋭利な刃物等でゴム弾性を有する部材109を削り、凹凸構造を形成してもよい。例
えば、熱線カッター、超音波カッターなどを用いて凹凸構造を形成してもよい。
【0259】
以上、本実施の形態で例示した作製方法を用いることで、ゴム弾性を有する部材で電池ユ
ニットや発光ユニットを覆うことができる。これにより、大気中からの水分等の不純物の
侵入を抑制し、装置の信頼性を高めることができる。また、屈曲と伸長が繰り返し行われ
ても破損しにくい装置を実現することができる。
【0260】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0261】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置に用いることができる電池ユニットについ
て、図32図43を用いて説明する。なお、本発明の一態様における電池ユニットは、
本実施の形態で例示する構成に限られず、様々な形状、形態を適用することができる。
【0262】
本実施の形態では、リチウムイオン二次電池を例に説明するが、本発明はこれに限られな
い。本発明の一態様は、電池、一次電池、二次電池、リチウム空気電池、鉛蓄電池、リチ
ウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニ
ッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、固体電池、空気電池、
亜鉛空気電池、コンデンサ、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、ウルト
ラ・キャパシタ、スーパー・キャパシタなどに適用してもよい。
【0263】
<構成例1>
図32(A)に、電池ユニット500を示す。図32(A)では、電池ユニット500の
一例として、薄型の蓄電池の形態を示すが、本発明はこれに限られない。例えば、捲回体
を用いた蓄電池、又は円筒型もしくはコイン型の蓄電池を、本発明の一態様の蓄電装置に
適用してもよい。
【0264】
図32(A)に示すように、電池ユニット500は、正極503、負極506、セパレー
タ507、及び外装体509を有する。電池ユニット500は、正極リード510及び負
極リード511を有してもよい。
【0265】
図33(A)、(B)に、図32(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図の一例を
それぞれ示す。図33(A)、(B)には、正極503と負極506を1組用いて作製し
た電池ユニット500の断面構造をそれぞれ示す。
【0266】
図33(A)、(B)に示すように、電池ユニット500は、正極503、負極506、
セパレータ507、電解液508、及び外装体509を有する。セパレータ507は、正
極503と負極506の間に挟まれている。外装体509で囲まれた領域は、電解液50
8で満たされている。
【0267】
正極503は、正極活物質層502と、正極集電体501とを含む。負極506は、負極
活物質層505と、負極集電体504とを含む。活物質層は、集電体の片面又は両面に形
成することができる。セパレータ507は、正極集電体501と負極集電体504の間に
位置する。
【0268】
電池ユニットは、正極及び負極をそれぞれ1つ以上有する。例えば、電池ユニットは、複
数の正極及び複数の負極からなる積層構造とすることもできる。
【0269】
図34(A)に、図32(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図の別の例を示す。
また、図34(B)に図32(A)における一点鎖線B1-B2間の断面図を示す。
【0270】
図34(A)、(B)には、正極503と負極506を複数組用いて作製した電池ユニッ
ト500の断面構造を示す。電池ユニット500が有する電極層数に限定はない。電極層
数が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電装置とすることができる。また、電極層
数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた蓄電装置とすることができる。
【0271】
図34(A)、(B)では、正極集電体501の片面に正極活物質層502を有する正極
503を2つと、正極集電体501の両面に正極活物質層502を有する正極503を2
つと、負極集電体504の両面に負極活物質層505を有する負極506を3つ用いる例
を示す。つまり、電池ユニット500は、6層の正極活物質層502と、6層の負極活物
質層505を有する。なお、図34(A)、(B)では、セパレータ507が袋状の例を
示すが、これに限定されず、セパレータ507は短冊状であっても、蛇腹状であってもよ
い。
【0272】
次に、図32(B)に、正極503の外観図を示す。正極503は、正極集電体501及
び正極活物質層502を有する。
【0273】
また、図32(C)に、負極506の外観図を示す。負極506は、負極集電体504及
び負極活物質層505を有する。
【0274】
ここで、正極503及び負極506は、積層される複数の正極同士又は複数の負極同士を
電気的に接続するために、タブ領域を有することが好ましい。また、タブ領域には電極リ
ードを電気的に接続することが好ましい。
【0275】
図32(B)に示すように、正極503は、タブ領域281を有することが好ましい。タ
ブ領域281の一部は、正極リード510と溶接されることが好ましい。タブ領域281
は正極集電体501が露出する領域を有することが好ましく、正極集電体501が露出す
る領域に正極リード510を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる
。また、図32(B)ではタブ領域281の全域において正極集電体501が露出してい
る例を示すが、タブ領域281は、その一部に正極活物質層502を有してもよい。
【0276】
図32(C)に示すように、負極506は、タブ領域282を有することが好ましい。タ
ブ領域282の一部は、負極リード511と溶接されることが好ましい。タブ領域282
は負極集電体504が露出する領域を有することが好ましく、負極集電体504が露出す
る領域に負極リード511を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる
。また、図32(C)ではタブ領域282の全域において負極集電体504が露出してい
る例を示すが、タブ領域282は、その一部に負極活物質層505を有してもよい。
【0277】
なお、図32(A)では、正極503と負極506の端部が概略揃っている例を示すが、
正極503は、負極506の端部よりも外側に位置する部分を有していてもよい。
【0278】
電池ユニット500において、負極506の正極503と重ならない領域の面積は小さい
ほど好ましい。
【0279】
図33(A)では、負極506の端部が、正極503の内側に位置する例を示す。このよ
うな構成とすることにより、負極506を全て正極503と重ねる、又は負極506の正
極503と重ならない領域の面積を小さくすることができる。
【0280】
または、電池ユニット500において、正極503と負極506の面積は概略同じである
ことが好ましい。例えば、セパレータ507を挟んで向かい合う正極503と負極506
の面積は、概略同じであることが好ましい。例えば、セパレータ507を挟んで向かい合
う正極活物質層502の面積と負極活物質層505の面積は概略同じであることが好まし
い。
【0281】
例えば、図34(A)、(B)に示すように、正極503のセパレータ507側の面の面
積と負極506のセパレータ507側の面の面積は概略同じであることが好ましい。正極
503の負極506側の面の面積と負極506の正極503側の面の面積を概略同じとす
ることにより、負極506の正極503と重ならない領域を小さくする(あるいは理想的
にはなくす)ことができ、電池ユニット500の不可逆容量を減少させることができるた
め好ましい。または、図34(A)、(B)に示すように、正極活物質層502のセパレ
ータ507側の面の面積と負極活物質層505のセパレータ507側の面の面積は概略同
じであることが好ましい。
【0282】
また、図34(A)、(B)に示すように、正極503の端部と負極506の端部は概略
揃うことが好ましい。また、正極活物質層502と負極活物質層505の端部は概略揃う
ことが好ましい。
【0283】
また、図33(B)では、正極503の端部が、負極506の内側に位置する例を示す。
このような構成とすることにより、正極503を全て負極506と重ねる、又は正極50
3の負極506と重ならない領域の面積を小さくすることができる。負極506の端部が
正極503の端部よりも内側に位置すると、負極506の端部に電流が集中してしまう場
合がある。例えば、負極506の一部に電流が集中することで、負極506上にリチウム
が析出してしまうことがある。正極503の負極506と重ならない領域の面積を小さく
することで、負極506の一部に電流が集中することを抑制できる。これにより、例えば
、負極506上へのリチウムの析出が抑制でき、好ましい。
【0284】
図32(A)に示すように、正極リード510は、正極503に電気的に接続することが
好ましい。同様に、負極リード511は、負極506に電気的に接続することが好ましい
。正極リード510及び負極リード511は外装体509の外側に露出し、外部との電気
的接触を得る端子として機能する。
【0285】
または、正極集電体501及び負極集電体504は、外部との電気的接触を得る端子の役
割を兼ねることもできる。その場合は、電極リードを用いずに、正極集電体501及び負
極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
【0286】
また、図32(A)では、正極リード510と負極リード511は、電池ユニット500
の同じ辺に配置されているが、図35に示すように、正極リード510と負極リード51
1を電池ユニット500の異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の電
池ユニットは、電極リードを自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よっ
て、本発明の一態様の電池ユニットを用いた製品の設計自由度を高めることができる。ま
た、本発明の一態様の電池ユニットを用いた製品の生産性を高めることができる。
【0287】
以下では、電池ユニットの構成要素について、詳述する。
【0288】
≪集電体≫
集電体は、蓄電装置内で顕著な化学変化を引き起こさずに高い導電性を示す限り、特別な
制限はない。正極集電体及び負極集電体には、例えば、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄
、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、これらの合金、
又は焼結した炭素などをそれぞれ用いることができる。または、銅もしくはステンレス鋼
を炭素、ニッケルもしくはチタン等で被覆して用いてもよい。または、シリコン、チタン
、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアル
ミニウム合金を用いることができる。または、シリコンと反応してシリサイドを形成する
金属元素で集電体を形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素
としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム
、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
【0289】
集電体の表面では、電解液との不可逆な反応が生じる場合がある。よって、集電体は、電
解液との反応性が低いことが好ましい。例えば、集電体にステンレス等を用いることによ
り、電解液との反応性をより低くすることができる場合があり、好ましい。
【0290】
また、正極集電体及び負極集電体には、それぞれ、箔状、板状(シート状)、網状、円柱
状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状、及び不織布を包
括する様々な形態の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質層との密着性を上げ
るために、正極集電体及び負極集電体は、それぞれ、表面に細かい凹凸を有していてもよ
い。また、正極集電体及び負極集電体は、それぞれ、厚みが5μm以上30μm以下のも
のを用いるとよい。
【0291】
また、集電体の表面の一部にアンダーコート層を設けてもよい。ここでアンダーコート層
とは、集電体と活物質層との接触抵抗の低減、又は集電体と活物質層との密着性向上のた
めの被覆層をいう。なお、アンダーコート層は、集電体の一面全体に形成されていなくて
もよく、島状に(部分的に)形成されていてもよい。また、アンダーコート層が活物質と
して容量を発現しても構わない。アンダーコート層としては、例えば炭素材料を用いるこ
とができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、カ
ーボンナノチューブ、黒鉛などを用いることができる。また、アンダーコート層として、
金属層、炭素及び高分子を含む層、並びに金属及び高分子を含む層を用いることもできる
【0292】
≪活物質層≫
活物質層は、活物質を含む。活物質とは、キャリアであるイオンの挿入・脱離に関わる物
質のみを指すが、本明細書等では、本来「活物質」である材料に加えて、導電助剤及び結
着剤などを含めたものも、活物質層と呼ぶ。
【0293】
正極活物質層は、1種類以上の正極活物質を有する。負極活物質層は、1種類以上の負極
活物質を有する。
【0294】
正極活物質及び負極活物質は、蓄電装置の電池反応の中心的役割を担いキャリアイオンの
放出及び吸収を行う物質である。蓄電装置の寿命を高めるためには、活物質が、電池反応
の不可逆反応に係る容量が小さい材料であることが好ましく、充放電効率の高い材料であ
ることが好ましい。
【0295】
正極活物質には、リチウムイオン等のキャリアイオンの挿入及び脱離が可能な材料を用い
ることができる。正極活物質としては、例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結
晶構造、スピネル型の結晶構造、NASICON型の結晶構造を有する材料等が挙げられ
る。
【0296】
例えば、正極活物質として、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn
、V、Cr、MnO等の化合物を材料として用いることができる。
【0297】
オリビン型の結晶構造を有する材料としては、リチウム含有複合リン酸塩(一般式LiM
PO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))
が挙げられる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO
、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO
、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+b
は1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNi
MnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0
<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以
下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等の化合物が挙げられる。
【0298】
例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)は、安全性、安定性、高容量密度、高電位
、初期酸化(充電)時に引き抜けるリチウムイオンの存在等、正極活物質に求められる事
項をバランスよく満たしているため、好ましい。
【0299】
正極活物質としてLiFePOを用いることにより、過充電などの外部負荷に対しても
安定で、安全性の高い蓄電装置を実現することができる。よって、例えば、持ち運びを行
うモバイル機器、及び身体に身に着けるウェアラブル機器等に用いる蓄電装置として、特
に優れている。
【0300】
層状岩塩型の結晶構造を有する材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO
)、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co0.2
のNiCo系(一般式は、LiNiCo1-x(0<x<1))、LiNi0.5
Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1-x(0<x<1))
、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCともいう。一般
式は、LiNiMnCo1-x-y(x>0、y>0、x+y<1))が挙げら
れる。さらに、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMnO-L
iMO(MはCo、Ni又はMn)等も挙げられる。
【0301】
特に、LiCoOは、容量が大きいこと、LiNiOに比べて大気中で安定であるこ
と、LiNiOに比べて熱的に安定であること等の利点があるため、好ましい。
【0302】
スピネル型の結晶構造を有する材料としては、例えば、LiMn、Li1+xMn
2-x(0<x<2)、LiMn2-xAl(0<x<2)、LiMn1.5
Ni0.5等が挙げられる。
【0303】
LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有する材料に、少量のニッケ
ル酸リチウム(LiNiO又はLiNi1-x(0<x<1)(M=Co、A
l等))を混合すると、マンガンの溶出を抑制する、電解液の分解を抑制する等の利点が
あり好ましい。
【0304】
または、正極活物質として、一般式Li(2-j)MSiO(Mは、Fe(II)、M
n(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等のリチウム含有複合
ケイ酸塩を用いることができる。一般式Li(2-j)MSiOの代表例としては、L
(2-j)FeSiO、Li(2-j)NiSiO、Li(2-j)CoSiO
、Li(2-j)MnSiO、Li(2-j)FeNiSiO、Li(2-j)
FeCoSiO、Li(2-j)FeMnSiO、Li(2-j)Ni
SiO、Li(2-j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0
<l<1)、Li(2-j)FeNiCoSiO、Li(2-j)FeNi
MnSiO、Li(2-j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0
<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2-j)FeNiCoMnSiO
(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等の
化合物が挙げられる。
【0305】
または、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、
Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表される
NASICON型化合物を用いることができる。NASICON型化合物としては、Fe
(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が挙げられる。
【0306】
または、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=
Fe、Mn)の一般式で表される化合物、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、Ti
、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMV
(M=Mn、Co、Ni)等の逆スピネル型の結晶構造を有する材料、バナジウム酸
化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等
の材料を用いることができる。
【0307】
また、正極活物質として、上記材料を複数組み合わせた材料を用いてもよい。例えば、上
記材料を複数組み合わせた固溶体を正極活物質として用いることができる。例えば、Li
Co1/3Mn1/3Ni1/3とLiMnOの固溶体を正極活物質として用い
ることができる。
【0308】
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属
イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物、リチウム含有複合リン酸塩、及
びリチウム含有複合ケイ酸塩において、リチウムを、アルカリ金属(例えば、ナトリウム
、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
ベリリウム、マグネシウム等)などのキャリアで置換した化合物を用いてもよい。
【0309】
正極活物質の一次粒子の平均粒径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
【0310】
また、例えば正極活物質としてオリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合
には、リチウムの拡散経路が一次元であるため、リチウム拡散が遅い。よって、オリビン
型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合、充放電の速度を高めるためには正極活
物質の平均粒径は、例えば好ましくは5nm以上1μm以下とするとよい。または、正極
活物質の比表面積は、例えば好ましくは10m/g以上50m/g以下とするとよい
【0311】
オリビン構造を有する活物質では、例えば層状岩塩型の結晶構造を有する活物質などと比
較して充放電に伴う構造変化がきわめて少なく、結晶構造が安定であるため、過充電など
の動作に対しても安定であり、正極活物質として用いた場合に安全性の高い蓄電装置を実
現することができる。
【0312】
負極活物質としては、例えば炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。
【0313】
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハー
ドカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。黒鉛と
しては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造
黒鉛等の人造黒鉛、又は球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。また、黒鉛の形状としては
鱗片状のもの、又は球状のものなどがある。
【0314】
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)に
リチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1V以上0.3V以下 vs.Li/Li
)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに
、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウ
ム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
【0315】
キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Mg、Ca
、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、
Hg、In等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は
炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高いため、
蓄電装置の容量を高めることができる。このような元素を用いた合金系材料(化合物系材
料)としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn
FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、Ni
MnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、S
bSn等がある。
【0316】
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン(TiO)、リチ
ウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム-黒鉛層間化合物(Li)、
五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO
)等の酸化物を用いることができる。ここで、SiOとは、珪素と酸素を有する化合物で
あり、珪素と酸素の原子数比を珪素:酸素=α:βとすると、αは、βの近傍の値を有す
ることが好ましい。ここで近傍の値を有するとは、例えばαとβの差の絶対値は、βの値
に対して好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
【0317】
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつ
Li3-xN(MはCo、Ni又はCu)を用いることができる。例えば、Li2.
Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を
示し好ましい。
【0318】
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、
正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせ
ることができる。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あら
かじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチ
ウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
【0319】
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば
、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウム
と合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反
応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr
等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、G
等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF
等のフッ化物が挙げられる。
【0320】
負極活物質の一次粒子の平均粒径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
【0321】
正極活物質層及び負極活物質層は、それぞれ、導電助剤を有してもよい。
【0322】
導電助剤としては、例えば炭素材料、金属材料、又は導電性セラミックス材料等を用いる
ことができる。また、導電助剤として繊維状の材料を用いてもよい。活物質層の総量に対
する導電助剤の含有量は、1wt%以上10wt%以下が好ましく、1wt%以上5wt
%以下がより好ましい。
【0323】
導電助剤により、電極中に電気伝導のネットワークを形成することができる。導電助剤に
より、負極活物質どうしの電気伝導の経路を維持することができる。活物質層中に導電助
剤を添加することにより、高い電気伝導性を有する活物質層を実現することができる。
【0324】
導電助剤としては、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊
維などを用いることができる。炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維
、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また炭素繊維として、カ
ーボンナノファイバー又はカーボンナノチューブなどを用いることができる。カーボンナ
ノチューブは、例えば気相成長法などで作製することができる。また、導電助剤として、
例えばカーボンブラック(アセチレンブラック(AB)など)、グラファイト(黒鉛)粒
子、グラフェン、フラーレンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、
ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末もしくは金属繊維、又は導電性セラミッ
クス材料等を用いることができる。
【0325】
薄片状のグラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び柔軟性並びに機
械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として用い
ることにより、活物質間又は活物質-集電体間の電気伝導率を高めることができる。
【0326】
なお、本明細書において、グラフェンは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下
の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシ
ートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のこ
とをいう。
【0327】
グラフェンは、接触抵抗の低い面接触を可能とするものであり、また、薄くても導電性が
非常に高く、少ない量でも効率よく活物質層内で導電パスを形成することができる。
【0328】
平均粒径の小さい活物質、例えば1μm以下の活物質を用いる場合には、活物質の比表面
積が大きく、活物質同士を繋ぐ導電パスがより多く必要となる。このような場合には、導
電性が非常に高く少ない量でも効率よく導電パスを形成することができるグラフェンを用
いることが、特に好ましい。
【0329】
正極活物質層及び負極活物質層は、それぞれ、結着剤を有してもよい。
【0330】
本明細書中において、結着剤は、活物質と活物質を結着もしくは接着させる機能、及び/
又は、活物質層と集電体を結着もしくは接着させる機能を有する。また、結着剤は、電極
又は電池の作製中に、その状態が変化する場合がある。例えば、結着剤は、液体、固体、
又はゲル等の少なくともいずれか一の状態をとることがある。また、結着剤は、電極又は
電池の作製中に、単量体(モノマー)から重合体(ポリマー)に変化する場合がある。
【0331】
例えば、結着剤として水溶性の高分子を用いることができる。水溶性の高分子としては、
例えば多糖類などを用いることができる。多糖類としては、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジ
アセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体、又は澱粉などを用いるこ
とができる。
【0332】
また、結着剤として、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・ス
チレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体などのゴム材料を用いることができる。これらのゴム材
料は、前述の水溶性の高分子と併用して用いてもよい。これらのゴム材料は、ゴム弾性を
有し、伸び縮みしやすいため、充放電に伴う活物質の膨張収縮、又は電極の曲げなどに伴
うストレスに強く、信頼性の高い電極を得ることができる一方で、疎水基を有し水に溶け
にくい場合がある。このような場合には、水溶液中で粒子が水に溶解しない状態で分散す
るので、活物質層102の形成に使用する溶剤を含む組成物(電極合剤組成物ともいう)
を、塗布するために適した粘度にまで高めることが難しいことがある。この際に、粘度調
整機能の高い水溶性高分子、例えば多糖類を用いると、溶液の粘度を適度に高める効果が
期待できるうえに、ゴム材料と互いに均一に分散し、均一性の高い良好な電極、例えば電
極膜厚又は電極抵抗の均一性が高い電極を得ることができる。
【0333】
または、結着剤として、PVdF、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)
、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリイミド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、イソブチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルク
ロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、ニトロセルロース等の材料を用いることができる。
【0334】
結着剤は上記のうち二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0335】
活物質層の総量に対する結着剤の含有量は、1wt%以上10wt%以下が好ましく、2
wt%以上8wt%以下がより好ましく、3wt%以上5wt%以下がさらに好ましい。
【0336】
≪電解液≫
電解液508の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカー
ボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエ
チレンカーボネート、ビニレンカーボネート(VC)、γ-ブチロラクトン、γ-バレロ
ラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル
メチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3-ジオキ
サン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエ
チルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラ
ン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及
び比率で用いることができる。
【0337】
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ
又は複数用いることで、蓄電装置の内部短絡、又は過充電等によって内部温度が上昇して
も、蓄電装置の破裂又は発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオ
ンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四
級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等
の脂肪族オニウムカチオン、並びにイミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等
の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系
アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレー
トアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、又はパーフルオロアルキルホスフェ
ートアニオン等が挙げられる。
【0338】
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、キャリアにリチウムイオンを用いる場合
、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、Li
SCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl
、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(C
SO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO
)、LiN(CSO等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を
任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
【0339】
また、蓄電装置に用いる電解液は、粒状のごみ又は電解液の構成元素以外の元素(以下、
単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ま
しい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下
、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
【0340】
また、電解液にビニレンカーボネート(VC)、プロパンスルトン(PS)、tert-
ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiBOBなど
の添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上
5wt%以下とする。
【0341】
また、ポリマーを電解液で膨潤させたポリマーゲル電解質を用いてもよい。
【0342】
ポリマーとしては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシ
ド構造を有するポリマー、PVdF、ポリアクリロニトリル等、及びそれらを含む共重合
体等を用いることができる。例えばPVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共
重合体であるPVdF-HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多
孔質形状を有してもよい。
【0343】
また、電解液に重合開始剤及び架橋剤を添加し、電解液をゲル化してもよい。例えば、イ
オン液体を構成するカチオン又はアニオンに重合性の官能基を導入し、重合開始剤を用い
てそれらを重合することで、イオン液体自体を重合してもよい。そして、重合したイオン
液体を架橋剤によりゲル化してもよい。
【0344】
また、電解液と組み合わせて、硫化物系もしくは酸化物系等の無機物材料を有する固体電
解質、又はPEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用い
てもよい。例えば、固体電解質を活物質層の表面に形成してもよい。また、固体電解質と
電解液を組み合わせて用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる場合が
ある。
【0345】
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安
全性が高まる。また、蓄電装置の薄型化及び軽量化が可能である。例えば、ポリエチレン
オキシド系、ポリアクリロニトリル系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリアクリレート系、
ポリメタクリレート系ポリマーを用いることができる。また、常温(例えば25℃)で電
解液をゲル化できるポリマーを用いることが好ましい。または、シリコーンゲルなどを用
いてもよい。なお本明細書等において、例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーとは、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)を含むポリマーを意味し、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘ
キサフルオロプロピレン)共重合体等を含む。
【0346】
なおFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)等を用いることで、上記のポリマーを定
性分析することができる。例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーは、FT-IRで得た
スペクトルに、C-F結合を示す吸収を有する。またポリアクリロニトリル系ポリマーは
、FT-IRで得たスペクトルに、C≡N結合を示す吸収を有する。
【0347】
≪セパレータ≫
セパレータ507には、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、あるいは、ナイロン(
ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポ
リオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いることができる。セパレータ50
7は、単層構造であっても積層構造であってもよい。
【0348】
より具体的には、セパレータ507には、例えば、フッ素系ポリマー、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート
、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニ
ルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチ
レン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子及びこれらの誘導体、セルロース、紙、不
織布、ガラス繊維から選ばれる一種を単独で、又は二種以上を組み合せて用いることがで
きる。
【0349】
≪外装体≫
外装体509は、電解液508と接する面、すなわち内側の面が電解液508と顕著な反
応を生じないことが好ましい。また、電池ユニット500の外部から電池ユニット500
内に水分が混入すると、電解液508の成分等と水との反応が生じる場合がある。よって
外装体509は、水分の透過性が低いことが好ましい。
【0350】
外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノ
マー、ポリアミド等を用いた膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓
性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂
、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることが
できる。このような三層構造とすることで、電解液及び気体の透過を遮断するとともに、
絶縁性を確保し、併せて耐電解液性を有する。外装体を内側に折り曲げて重ねて、又は、
2つの外装体それぞれの内面を向かい合わせて重ねて熱を加えることにより、内面の材料
が融け2つの外装体を融着することができ、封止構造を作製することができる。
【0351】
電池ユニット500は、可撓性を有する外装体509を用いることで、可撓性を有する構
成とすることができる。可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも
一部有する蓄電装置又は電子機器に実装することができ、蓄電装置又は電子機器の変形に
合わせて電池ユニット500を曲げることができる。
【0352】
<構成例2>
図36(A)に二次電池200の斜視図を示し、図36(B)に二次電池200の上面図
を示す。
【0353】
図37(A)に、図36(B)における一点鎖線C1-C2間の断面図を示し、図37
B)に、図36(B)における一点鎖線C3-C4間の断面図を示す。なお、図37(A
)、(B)では図を明瞭にするため、一部の構成要素を抜粋して示す。
【0354】
二次電池200は、正極211、負極215、及びセパレータ203を有する。二次電池
200は、さらに、正極リード221、負極リード225、及び外装体207を有する。
【0355】
正極211及び負極215は、それぞれ、集電体及び活物質層を有する。正極211及び
負極215は、セパレータ203を介して、活物質層が互いに対向するように配置されて
いる。
【0356】
二次電池200が有する電極(正極211及び負極215)は、湾曲の内径側に位置する
ものより、外径側に位置するものの方が、湾曲の方向について長いことが好ましい。この
ような構成とすることで、二次電池200をある曲率で湾曲させた際、正極211及び負
極215の端部を揃えることができる。すなわち、正極211が有する正極活物質層のす
べての領域を、負極215の有する負極活物質層と対向して配置することができる。その
ため正極211が有する正極活物質を無駄なく電池反応に寄与させることができる。その
ため、二次電池200の体積当たりの容量を大きくすることができる。この構成は、二次
電池200を使用する際に二次電池200の曲率が固定される場合に特に有効である。
【0357】
正極リード221は、複数の正極211と電気的に接続されている。負極リード225は
、複数の負極215と電気的に接続されている。正極リード221及び負極リード225
は、それぞれ封止層220を有する。
【0358】
外装体207は、複数の正極211、複数の負極215、及び複数のセパレータ203を
覆う。二次電池200は、外装体207で覆われた領域に電解液(図示しない)を有する
。二次電池200は、外装体207の3辺を接着することで封止されている。
【0359】
図37(A)、(B)では、短冊状のセパレータ203を複数用い、正極211と負極2
15の間にそれぞれ1つずつセパレータ203を配置する例を示したが、本発明はこれに
限られない。1枚のシート状のセパレータをつづら折りにする(蛇腹型にする、ともいえ
る)、又は捲回することで、正極と負極の間にセパレータが位置するようにしてもよい。
【0360】
例えば、図39(A)~(D)に二次電池200の作製方法を示す。この作製方法を用い
る場合の図36(B)における一点鎖線C1-C2間の断面図を、図38に示す。
【0361】
まず、セパレータ203上に、負極215を配置する(図39(A))。このとき、負極
215が有する負極活物質層が、セパレータ203と重畳するように配置する。
【0362】
次に、セパレータ203を折り曲げ、負極215の上にセパレータ203を重ねる。次に
、セパレータ203の上に、正極211を重ねる(図39(B))。このとき、正極21
1が有する正極活物質層が、セパレータ203及び負極活物質層と重畳するように配置す
る。なお、集電体の片面に活物質層が形成されている電極を用いる場合は、正極211の
正極活物質層と、負極215の負極活物質層がセパレータ203を介して対向するように
配置する。
【0363】
セパレータ203にポリプロピレン等の熱溶着が可能な材料を用いている場合は、セパレ
ータ203同士が重畳している領域を熱溶着してから次の電極を重ねることで、作製工程
中に電極がずれることを抑制できる。具体的には、負極215又は正極211と重畳して
おらず、セパレータ203同士が重畳している領域、たとえば図39(B)の領域203
aで示す領域を熱溶着することが好ましい。
【0364】
この工程を繰り返すことで、図39(C)に示すように、セパレータ203を挟んで正極
211及び負極215を積み重ねることができる。
【0365】
なお、あらかじめ繰り返し折り曲げたセパレータ203に、複数の負極215及び複数の
正極211を交互に挟むように配置してもよい。
【0366】
次に、図39(C)に示すように、セパレータ203で複数の正極211及び複数の負極
215を覆う。
【0367】
さらに、図39(D)に示すように、セパレータ203同士が重畳している領域、例えば
図39(D)に示す領域203bを熱溶着することで、複数の正極211と複数の負極2
15を、セパレータ203によって覆い、結束する。
【0368】
なお、複数の正極211、複数の負極215及びセパレータ203を、結束材を用いて結
束してもよい。
【0369】
このような工程で正極211及び負極215を積み重ねるため、セパレータ203は、1
枚のセパレータ203の中で、正極211と負極215に挟まれている領域と、複数の正
極211と複数の負極215を覆うように配置されている領域とを有する。
【0370】
換言すれば、図38図39(D)に示す二次電池200が有するセパレータ203は、
一部が折りたたまれた1枚のセパレータである。セパレータ203の折りたたまれた領域
に、複数の正極211と、複数の負極215が挟まれている。
【0371】
<構成例3>
図40(A)に二次電池250の斜視図を示し、図40(B)に二次電池250の上面図
を示す。また、図40(C1)に第1の電極組立体230の断面図を示し、図40(C2
)に第2の電極組立体231の断面図を示す。
【0372】
二次電池250は、第1の電極組立体230、第2の電極組立体231、及びセパレータ
203を有する。二次電池250は、さらに、正極リード221、負極リード225、及
び外装体207を有する。
【0373】
図40(C1)に示すように、第1の電極組立体230は、正極211a、セパレータ2
03、負極215a、セパレータ203、及び正極211aがこの順で積層されている。
正極211a及び負極215aは、それぞれ、集電体の両面に活物質層を有する構成であ
る。
【0374】
図40(C2)に示すように、第2の電極組立体231は、負極215a、セパレータ2
03、正極211a、セパレータ203、及び負極215aがこの順で積層されている。
正極211a及び負極215aは、それぞれ、集電体の両面に活物質層を有する構成であ
る。
【0375】
つまり、第1の電極組立体230及び第2の電極組立体231において、正極及び負極は
、セパレータ203を介して、活物質層が互いに対向するように配置されている。
【0376】
正極リード221は、複数の正極211と電気的に接続されている。負極リード225は
、複数の負極215と電気的に接続されている。正極リード221及び負極リード225
は、それぞれ封止層220を有する。
【0377】
図41に、図40(B)における一点鎖線D1-D2間の断面図の一例を示す。なお、図
41では図を明瞭にするため、一部の構成要素を抜粋して示す。
【0378】
図41に示すように、二次電池250は、複数の第1の電極組立体230及び複数の第2
の電極組立体231が、捲回したセパレータ203によって覆われている構成を有する。
【0379】
外装体207は、複数の第1の電極組立体230、複数の第2の電極組立体231、及び
セパレータ203を覆う。二次電池200は、外装体207で覆われた領域に電解液(図
示しない)を有する。二次電池200は、外装体207の3辺を接着することで封止され
ている。
【0380】
例えば、図42(A)~(D)に二次電池250の作製方法を示す。
【0381】
まずセパレータ203上に、第1の電極組立体230を配置する(図42(A))。
【0382】
次に、セパレータ203を折り曲げ、第1の電極組立体230の上にセパレータ203を
重ねる。次に、第1の電極組立体230の上下に、セパレータ203を介して、2組の第
2の電極組立体231を重ねる(図42(B))。
【0383】
次に、セパレータ203を、2組の第2の電極組立体231を覆うように捲回させる。さ
らに、2組の第2の電極組立体231の上下に、セパレータ203を介して、2組の第1
の電極組立体230を重ねる(図42(C))。
【0384】
次に、セパレータ203を、2組の第1の電極組立体230を覆うように捲回させる(図
42(D))。
【0385】
このような工程で複数の第1の電極組立体230及び複数の第2の電極組立体231を積
み重ねるため、これらの電極組立体は、渦巻き状に捲回されたセパレータ203の間に配
置される。
【0386】
なお、最も外側に配置される電極は、外側に活物質層を有さないことが好ましい。
【0387】
また、図40(C1)、(C2)では、電極組立体が電極3枚とセパレータ2枚を有する
構成を示したが、本発明はこれに限らない。電極を4枚以上、セパレータを3枚以上有す
る構成としてもよい。電極を増やすことで、二次電池250の容量をより向上させること
ができる。また電極を2枚、セパレータを1枚有する構成としてもよい。電極が少ない場
合、より湾曲に強い二次電池とすることができる。また、図41では、二次電池250が
第1の電極組立体230を3組、第2の電極組立体231を2組有する構成を示したが、
本発明はこれに限らない。さらに多くの電極組立体を有する構成としてもよい。電極組立
体を増やすことで、二次電池250の容量をより向上させることができる。また、より少
ない電極組立体を有する構成としてもよい。電極組立体が少ない場合、より湾曲に強い二
次電池とすることができる。
【0388】
また、図43に、図40(B)における一点鎖線D1-D2間の断面図の別の例を示す。
図43に示すように、セパレータ203を蛇腹状に折りたたむことで、第1の電極組立体
230と第2の電極組立体231の間にセパレータ203を配置してもよい。
【0389】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0390】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の蓄電装置に給電が可能な給電システムについて、図
44~図47を用いて説明する。
【0391】
本発明の一態様の蓄電装置は、電力供給源(以下、送電装置ともいう)と接触していない
状態において、対象物(以下、受電装置ともいう)に対して給電を行う(非接触給電、ワ
イヤレス給電などともいう)方式で、給電してもよい。非接触給電の方式としては、磁界
共鳴方式、電磁誘導方式、静電誘導方式等が挙げられる。
【0392】
本実施の形態では、磁界共鳴方式によって給電が行われる給電システムを例に説明する。
磁界共鳴方式は、送電装置及び受電装置の双方に設けられる共鳴コイルを共振器結合させ
ることでエネルギーの伝搬路を形成する方式であり、非接触給電が可能な他の方式(電磁
誘導方式、静電誘導方式など)と比較して給電可能距離が長い。
【0393】
ここで、受電装置の入力インピーダンスは、バッテリの充電状況に応じて変化することが
ある。すなわち、当該受電装置の入力インピーダンスは、給電中に動的に変化することが
ある。この場合、送電装置の出力インピーダンスが一定であれば、必然的にインピーダン
スの不整合が生じることになる。よって、磁界共鳴方式による給電においては、当該給電
中に渡って給電効率を高い値に維持することが困難となることがある。
【0394】
そこで、本実施の形態の受電装置には、外部から入力される直流電圧に比例する電圧(前
者の電圧)と、外部から入力される電流に比例する電圧(後者の電圧)とを検出し、それ
らに基づいて前者の電圧と後者の電圧の比を一定に保持する構成のDC-DCコンバータ
を適用する。
【0395】
具体的には、本実施の形態の受電装置が有するDC-DCコンバータは、入力電圧(第1
の直流電圧)に比例する第1の電圧と、入力電流(負荷に生じる電流)に比例する第2の
電圧との比を一定に保持することで、入力インピーダンスを一定に保持することが可能で
ある。さらに、当該DC-DCコンバータにおいては、インピーダンス変換を行うことが
可能である。よって、給電が行われるバッテリが当該DC-DCコンバータの出力側に存
在する場合であっても、当該バッテリの充電状況に依存することなく、当該DC-DCコ
ンバータの入力インピーダンスを保持することが可能である。その結果、当該DC-DC
コンバータと当該バッテリを有する受電装置に対する磁界共鳴方式による給電において、
当該給電中に渡って給電効率を高い値に維持することが可能となる。
【0396】
<給電システム>
図44(A)に、磁界共鳴方式によって給電が行われる給電システムの構成例を示す。図
44(A)に示す給電システムは、送電装置400と、図44(B)に示す受電装置31
0とを有する。さらに、送電装置400は、高周波電圧を生成する高周波電源401と、
高周波電源401によって生成された高周波電圧が印加されるコイル402と、コイル4
02との電磁誘導によって高周波電圧が誘起される共鳴コイル403とを有する。なお、
共鳴コイル403には、共鳴コイル403を構成する配線間の浮遊容量404が存在して
いる。なお、図44(A)に示すように、共鳴コイル403は、他の構成要素と直接接続
されていない構成とすることが好ましい。
【0397】
<受電装置>
図44(B)に、磁界共鳴方式によって給電が行われる受電装置の構成例を示す。図44
(B)に示す受電装置310は、磁界共鳴によって高周波電圧が誘起される共鳴コイル3
11と、共鳴コイル311との電磁誘導によって高周波電圧が誘起されるコイル312と
、コイル312に誘起された高周波電圧を整流する整流回路313と、整流回路313が
出力する直流電圧が入力されるDC-DCコンバータ314と、DC-DCコンバータが
出力する直流電圧を利用して給電が行われるバッテリ315とを有する。なお、共鳴コイ
ル311には、共鳴コイル311を構成する配線間の浮遊容量316が存在している。
【0398】
なお、図44(B)に示すように、共鳴コイル311は、他の構成要素と直接接続されて
いない構成とすることが好ましい。共鳴コイル311に他の構成要素を直接接続すると、
共鳴コイル311の直列抵抗及びキャパシタンスが大きくなる。この場合、共鳴コイル3
11と他の構成要素を含む回路のQ値が、共鳴コイル311のみによって構成される回路
のQ値よりも低くなる。共鳴コイル311が他の構成要素と直接接続されている構成では
、共鳴コイル311が他の構成要素と直接接続されていない構成と比較して、給電効率が
低下することになるからである。
【0399】
DC-DCコンバータ314は、入力インピーダンスを一定に保持することが可能なDC
-DCコンバータである。さらに、DC-DCコンバータ314の入力インピーダンスは
、出力側に存在するバッテリ315のインピーダンスに依存することがない。すなわち、
DC-DCコンバータ314によって、インピーダンス変換が行われている。そのため、
DC-DCコンバータ314の入力インピーダンスは、受電装置310の入力インピーダ
ンスともなる。よって、バッテリ315の充電状況に応じてバッテリ315のインピーダ
ンスが変化する場合であっても、受電装置310の入力インピーダンスが変動することが
ない。その結果、受電装置310においては、バッテリ315の充電状況に依存すること
なく、給電効率の高い給電を行うことが可能である。
【0400】
図44(A)に示す給電システムにおいては、受電装置として図44(B)に示す受電装
置310を適用する。よって、図44(A)に示す給電システムにおいては、受電装置に
おける入力インピーダンスの変動を考慮せず給電を行うことが可能である。すなわち、図
44(A)に示す給電システムにおいては、給電条件を動的に変化させることなく給電効
率の高い給電を行うことが可能である。
【0401】
次に、DC-DCコンバータ314として適用可能なDC-DCコンバータの構成を例示
する。
【0402】
<DC-DCコンバータの構成例>
図45(A)は、DC-DCコンバータの構成例を示す図である。図45(A)に示すD
C-DCコンバータは、直流電圧(V_In)が入力される入力電力検出部1000と、
直流電圧(V_In)を直流電圧(V_Out)へと変換して出力する電圧変換部200
0とを有する。
【0403】
図45(B)、(C)は、図45(A)に示す入力電力検出部1000の構成例を示す図
である。図45(B)に示す入力電力検出部1000は、一端が高電位側入力ノードに電
気的に接続され、他端が電圧変換部2000に電気的に接続されている負荷1003と、
直流電圧(V_In)に比例する電圧(V_1001)を検出する手段1001と、負荷
1003に生じる電流(I_1003)に比例する電圧(V_1002)を検出する手段
1002とを有する。なお、手段1001によって検出された電圧(V_1001)及び
手段1002によって検出された電圧(V_1002)は、電圧変換部2000に入力さ
れる。また、図45(C)に示す入力電力検出部1000は、負荷1003の一端が低電
位側入力ノードに電気的に接続されている点を除き図45(B)に示す入力電力検出部1
000と同様の構成を有する。図45(B)、(C)に示すように本発明の一態様におい
ては、入力電力検出部1000が有する負荷1003は高電位側入力ノード又は低電位側
入力ノードのいずれかに電気的に接続されるように設けられる。
【0404】
図45(D)は、図45(A)に示す電圧変換部2000の構成例を示す図である。図4
5(D)に示す電圧変換部2000は、スイッチングに応じて負荷1003に生じる電流
を制御するスイッチ2002と、電圧(V_1001)及び電圧(V_1002)に基づ
いてスイッチ2002のスイッチングを制御する手段2001とを有する。
【0405】
なお、図45(D)に示す電圧変換部2000としては、昇圧型、フライバック型、反転
型などの電圧変換回路と、手段2001とを有する回路を適用し、当該電圧変換回路に含
まれるスイッチをスイッチ2002として適用することが可能である。
【0406】
図45(A)に示すDC-DCコンバータにおいては、入力電圧(入力される直流電圧(
V_In))が変動する場合であっても入力電流(負荷1003に生じる電流(I_10
03))を制御することで入力インピーダンスを一定に保持することが可能である。具体
的には、図45(A)~(D)に示すDC-DCコンバータにおいては、負荷1003に
生じる電流(I_1003)をスイッチ2002のスイッチングによって制御することが
可能である。そして、スイッチ2002のスイッチングは、手段2001によって制御さ
れる。ここで、手段2001は、手段1001によって検出された電圧(V_1001)
及び手段1002によって検出された電圧(V_1002)に基づいてスイッチ2002
のスイッチングを制御する。すなわち、手段2001は、入力電圧に比例する電圧(V_
1001)と、入力電流に比例する電圧(V_1002)とに基づいてスイッチ2002
のスイッチングを制御する。よって、図45(A)~(D)に示すDC-DCコンバータ
においては、手段2001によるスイッチ2002のスイッチングによって電圧(V_1
001)と電圧(V_1002)の比が一定に保持されるように設計することで入力イン
ピーダンスを一定に保持することが可能である。
【0407】
<DC-DCコンバータの一例>
図46(A)は、DC-DCコンバータの一例を示す図である。図46(A)に示すDC
-DCコンバータは、一端が高電位側入力ノードに電気的に接続されている負荷4と、一
端が負荷4の他端に電気的に接続されているスイッチ5と、一端がスイッチ5の他端に電
気的に接続され、他端が高電位側出力ノードに電気的に接続されているインダクタ6と、
一端がスイッチ5の他端及びインダクタ6の一端に電気的に接続され、他端が低電位側入
力ノード及び低電位側出力ノードに電気的に接続されている(以下、接地されているとも
いう)スイッチ7とを有する。なお、負荷4としては、抵抗負荷又は誘導負荷などを適用
することが可能である。また、スイッチ5、7としては、トランジスタ又はリレーなどを
適用することが可能である。また、インダクタ6としては、空芯コイル又は有芯コイルな
どを適用することが可能である。
【0408】
さらに、図46(A)に示すDC-DCコンバータは、入力される直流電圧(V_In)
に比例する電圧(V_1)を検出する手段1と、当該負荷4に生じる電流(I_4)に比
例する電圧(V_2)を検出する手段2と、電圧(V_1)及び電圧(V_2)に基づい
てスイッチ5のスイッチングを制御することで電圧(V_1)と電圧(V_2)の比を一
定に保持し、且つスイッチ5がオン状態となる期間においてスイッチ7をオフ状態とし、
且つスイッチ5がオフ状態となる期間においてスイッチ7をオン状態とする手段3とを有
する。
【0409】
図46(A)に示すDC-DCコンバータでは、スイッチ5がオフ状態となる期間におい
て負荷4に生じる電流(I_4)が0となる。そして、スイッチ5がオフ状態からオン状
態へと変化した後の期間において負荷4に生じる電流(I_4)が経時的に増加すること
になる。これは、インダクタ6の自己誘導に起因するものであり、経時的に増加する負荷
4に生じる電流(I_4)の平均値は、いずれ一定値に収束する。そのため、図46(A
)に示すDC-DCコンバータにおいては、スイッチ5のスイッチングを制御することで
出力する電流量を制御することが可能である。
【0410】
そして、図46(A)に示すDC-DCコンバータでは、手段3によるスイッチ5のスイ
ッチングが、手段1によって検出された電圧(V_1)と、手段2によって検出された電
圧(V_2)とに基づいて制御される。ここで、手段1は、入力電圧(入力ノードの電圧
)に比例する電圧を検出する手段であり、手段2は、入力電流(負荷4に生じる電流)に
比例する電圧を検出する手段である。よって、手段3が、電圧(V_1)と、電圧(V_
2)との比を一定に保つようにスイッチ5のスイッチングを制御することで、図46(A
)に示すDC-DCコンバータの入力インピーダンスを一定に保持することが可能である
【0411】
なお、図46(A)に示すDC-DCコンバータにおいて、スイッチ7はスイッチ5の破
壊を防止するために設けられている。具体的には、スイッチ5がオン状態からオフ状態へ
と変化した場合、インダクタ6の自己誘導に起因してインダクタ6には継続して電流が生
じることになる。ここで、仮にスイッチ7が設けられていない場合には、スイッチ5がオ
ン状態からオフ状態へと変化した場合にスイッチ5の他端及びインダクタ6の一端が電気
的に接続するノードの電位の急激な上昇又は下降が生じる可能性がある。よって、この場
合には、スイッチ5に高電圧が印加されることになる。その結果、スイッチ5が破壊され
る可能性がある。他方、図46(A)に示すDC-DCコンバータにおいては、スイッチ
7をオン状態とすることでインダクタ6に生じる電流の経路を確保することができる。す
なわち、スイッチ5の破壊を抑制することが可能となる。
【0412】
<手段1の具体例>
手段1としては、図46(B)に示す回路を適用することが可能である。図46(B)に
示す回路は、一端が高電位側入力ノードに電気的に接続されている抵抗13と、一端が抵
抗13の他端に電気的に接続され、他端が接地されている抵抗14とを有する。そして、
抵抗13の他端及び抵抗14の一端が電気的に接続するノードの電位が手段3に入力され
る。すなわち、図46(B)に示す回路は、抵抗分圧を利用して入力電圧(V_In)に
比例する電圧(V_1)を検出し、当該電圧(V_1)を手段3に対して出力する回路で
ある。
【0413】
<手段2の具体例>
手段2としては、図46(C)に示す回路を適用することが可能である。図46(C)に
示す回路は、非反転入力信号として負荷4の一端の電圧が入力され、反転入力信号として
負荷4の他端の電圧が入力される計装アンプ22を有する。計装アンプ22は、非反転入
力端子に入力される電圧と、反転入力端子に入力される電圧との差に比例する電圧を手段
3に対して出力する。すなわち、計装アンプ22は、負荷4の両端間に印加される電圧に
比例する電圧を手段3に対して出力する。なお、負荷4の両端間に印加される電圧は負荷
4に生じる電流(I_4)に比例するため、計装アンプ22は、負荷4に生じる電流(I
_4)を手段3に対して出力すると表現することも可能である。すなわち、図46(C)
に示す回路は、計装アンプ22によって負荷4に生じる電流(I_4)に比例する電圧(
V_2)を検出し、当該電圧(V_2)を手段3に対して出力する回路である。
【0414】
<手段3の具体例>
手段3としては、図46(D)に示す回路を適用することが可能である。図46(D)に
示す回路は、非反転入力信号として手段2によって検出された電圧(V_2)が入力され
、反転入力信号として手段1によって検出された電圧(V_1)が入力されるエラーアン
プ36と、三角波発振器37と、非反転入力信号として三角波発振器37が出力する電圧
(三角波)が入力され、反転入力信号としてエラーアンプ36が出力する電圧が入力され
るコンパレータ38と、コンパレータ38が出力する電圧が入力され、コンパレータ38
が出力する電圧と同位相の電圧を出力することでスイッチ5のスイッチングを制御するバ
ッファ39と、コンパレータ38が出力する電圧と逆位相の電圧を出力することでスイッ
チ7のスイッチングを制御するインバータ49とを有する。なお、コンパレータ38の出
力する電圧によって直接スイッチ5のスイッチングを制御する(図46(D)に示す手段
3からバッファ39を削除する)構成とすることも可能である。
【0415】
エラーアンプ36は、非反転入力端子に入力される電圧と、反転入力端子に入力される電
圧との差を増幅して出力する。すなわち、エラーアンプ36は、電圧(V_2)と電圧(
V_1)の差を増幅して出力する。
【0416】
コンパレータ38は、非反転入力端子に入力される電圧と、反転入力端子に入力される電
圧とを比較して2値の電圧を出力する。具体的には、エラーアンプ36が出力する電圧が
三角波よりも低くなる期間においてハイレベルの電圧を出力し、高くなる期間においてロ
ウレベルの電圧を出力する。すなわち、エラーアンプ36が出力する電圧が低いほど、コ
ンパレータ38の出力信号におけるデューティ比が大きくなる。そして、当該デューティ
比に応じてDC-DCコンバータから出力される電流量が決められることになる。具体的
には、当該デューティ比が大きければDC-DCコンバータから出力される電流(負荷4
に生じる電流(I_4))も大きくなる。すなわち、エラーアンプ36が出力する電圧が
低いほど、負荷4に生じる電流(I_4)が大きくなる。
【0417】
ここで、エラーアンプ36が出力する電圧は、手段1によって検出された入力電圧(V_
In)に比例する電圧(V_1)と、手段2によって検出された負荷4に生じる電流(I
_4)に比例する電圧(V_2)とに応じて変化する。例えば、入力電圧(V_In)が
高くなった場合、エラーアンプ36が出力する電圧は低くなる。換言すると、入力電圧(
V_In)が高くなった場合、コンパレータ38の出力におけるデューティ比は大きくな
る。そのため、図46(D)に示す回路では、入力電圧(V_In)が高くなった場合に
コンパレータ38の出力信号におけるデューティ比が大きくなるため、負荷4に生じる電
流(I_4)も大きくなる。端的に述べると、図46(D)に示す回路では、入力電圧(
V_In)の値の変動に合わせて、負荷4に生じる電流(I_4)の値を変動させること
が可能である。よって、図46(D)に示す回路においては、設計条件を調整することに
よって、手段1によって検出された入力電圧に比例する電圧(V_1)と、手段2によっ
て検出された負荷4に生じる電流に比例する電圧(V_2)との比を一定に保持すること
が可能である。
【0418】
また、図47(A)に示すDC-DCコンバータは、図46(A)に示すDC-DCコン
バータにおけるスイッチ7をダイオード8に置換した構成を有する。図47(A)に示す
DC-DCコンバータは、図46(A)に示すDC-DCコンバータと同様の作用、効果
を奏する。
【0419】
なお、図47(A)に示すDC-DCコンバータにおいては、手段1として図46(B)
に示す回路を適用することが可能であり、手段2として図46(C)に示す回路を適用す
ることが可能である。また、手段3としては、図47(B)に示す回路を適用することが
可能である。端的に述べると、図47(B)に示す回路は、図46(D)に示す回路から
インバータ49を削除した構成を有する。
【0420】
また、図47(C)に示すように、図46(A)に示すDC-DCコンバータに、図47
(A)に示すダイオード8と、アノードがスイッチ5の他端、インダクタ6の一端、スイ
ッチ7の一端、及びダイオード8のカソードに電気的に接続され、カソードが負荷4の他
端及びスイッチ5の一端に電気的に接続されているダイオード9とを付加したDC-DC
コンバータを適用することも可能である。これにより、スイッチ5の破壊抑制効果を高め
ることが可能となる。
【0421】
また、図47(C)に示すDC-DCコンバータからダイオード8のみ、又はダイオード
9のみを削除したDC-DCコンバータをDC-DCコンバータ314に適用することも
可能である。
【0422】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0423】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置に用いることができる発光パネルについて
図48図50を用いて説明する。本実施の形態では、発光素子として有機EL素子を用
いる場合について例示する。また、本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用い
ることができる表示パネルについて図51及び図52を用いて説明する。本実施の形態で
は、主に、表示素子として液晶素子を用いる場合について例示する。
【0424】
≪発光パネル≫
有機EL素子は、一対の電極(下部電極及び上部電極)の間に、発光性の有機化合物を含
む層(EL層とも記す)を有する。下部電極及び上部電極の間に、発光素子の閾値電圧よ
り高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入さ
れる。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発
光する。
【0425】
有機EL素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション
型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用い
る。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ま
しい。
【0426】
EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、イン
クジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0427】
EL層は少なくとも発光層を有する。発光層は、発光性の有機化合物を含む。
【0428】
EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔
ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質
(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0429】
<発光パネルの構成例1>
図48(A)に発光パネルの上面図を示す。図48(A)における一点鎖線P1-Q1間
の断面図を図48(B)に示す。図48(A)における一点鎖線P2-Q2間の断面図を
図48(C)に示す。図48(A)における一点鎖線P3-Q3間の断面図を図48(D
)に示す。
【0430】
図48(A)~(D)に示す発光パネルは、基板901、絶縁層903、補助電極921
(補助配線ともいう)、発光素子930、絶縁層925、接着層927、導電層911、
導電層912、乾燥剤913、及び基板991を有する。
【0431】
発光素子930はボトムエミッション型の有機EL素子であり、具体的には、基板901
上に可視光を透過する下部電極931を有し、下部電極931上にEL層933を有し、
EL層933上に可視光を反射する上部電極935を有する。
【0432】
図48(A)~(D)に示す発光パネルでは、基板901上に絶縁層903を介して発光
素子930が設けられている。絶縁層903上に設けられた補助電極921は下部電極9
31と電気的に接続する。絶縁層903上に設けられた導電層911は、下部電極931
と電気的に接続する。図48(A)、(C)に示すように、導電層911の一部は露出し
ており、端子として機能する。絶縁層903上に設けられた導電層912は、上部電極9
35と電気的に接続する。図48(A)、(D)に示すように、導電層912の一部は露
出しており、端子として機能する。下部電極931の端部は絶縁層925で覆われている
。また、下部電極931を介して補助電極921を覆う絶縁層925が設けられている。
【0433】
発光素子930は、基板901、基板991、及び接着層927により封止されている。
発光パネルの封止方法は限定されず、例えば、固体封止であっても中空封止であってもよ
い。例えば、接着層927には、ガラスフリットなどのガラス材料、二液混合型の樹脂な
どの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いる
ことができる。封止された空間929は、窒素やアルゴンなどの不活性な気体で充填され
ていてもよく、接着層に用いることができる樹脂等で充填されていてもよい。また、樹脂
内に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0434】
基板991に接して乾燥剤913が設けられている。図48(A)~(D)に示す発光パ
ネルはボトムエミッション型であるため、光取り出し効率を低下することなく、空間92
9に乾燥剤913を配置することができる。乾燥剤913を有することで、発光素子93
0の寿命を延ばすことができ、好ましい。
【0435】
<発光パネルの構成例2>
図49(A)~(D)にパッシブマトリクス方式の発光パネルの例を示す。パッシブマト
リクス方式の発光パネルは、ストライプ状(帯状)に並列された複数の陽極と、ストライ
プ状(帯状)に並列された複数の陰極と、が互いに直交するように設けられており、その
交差部にEL層が挟まれた構造となっている。したがって、選択された(電圧が印加され
た)陽極と、選択された陰極との交点にあたる画素が点灯することになる。
【0436】
図49(A)は、EL層を形成する前の発光パネルの平面図である。基板上に下部電極9
31が設けられている。下部電極931上に、発光素子の発光領域に対応する開口部を有
する絶縁層925が設けられている。絶縁層925上に、下部電極931と交差する互い
に平行な複数の逆テーパ形状の隔壁928が設けられている。
【0437】
図49(B)は、図49(A)の一点鎖線A-B間の断面図であり、図49(C)は、図
49(A)の一点鎖線C-D間の断面図である。図49(B)、(C)では、下部電極9
31上にEL層933、上部電極935を形成することで発光素子930を作製した後の
構成を示している。
【0438】
図49(B)、(C)では、基板901上に絶縁層903が設けられ、絶縁層903上に
ストライプ状の複数の下部電極931が等間隔で配置されている例を示す。
【0439】
図49(C)に示すように、絶縁層925及び隔壁928の膜厚を、EL層933及び上
部電極935の膜厚より大きくすることで、複数の領域に分離されたEL層933及び上
部電極935が形成される。上部電極935は、下部電極931と交差する方向に伸長す
る互いに平行なストライプ状の電極である。複数に分離された領域は、それぞれ電気的に
独立している。なお、隔壁928上にも、EL層933及び上部電極935を構成する材
料からなる層が成膜されるが、これらの層は、EL層933及び上部電極935とは分断
されている。
【0440】
EL層933(少なくとも発光層)を塗り分けることで、各発光素子が異なる色を呈する
構成となり、フルカラー表示が可能な発光パネルとすることができる。または、発光素子
930が白色を呈する光を発する構成とし、発光素子930が発する光を、カラーフィル
タを通して取り出すことで、フルカラー表示が可能な発光パネルとしてもよい。
【0441】
図49(D)に、パッシブマトリクス方式の発光パネルにFPC等を実装した場合の平面
図を示す。図49(D)では、複数の下部電極931と複数の上部電極935とが互いに
直交するように交差している。なお、図49(D)において、一部の構成(EL層933
等)の図示は省略している。
【0442】
複数の下部電極931は、異方性導電膜(図示しない)を介してFPC909aに接続さ
れる。また、複数の上部電極935は、配線端で配線908と電気的に接続され、配線9
08が異方性導電膜(図示しない)を介してFPC909bに接続される。
【0443】
図49(D)では、駆動回路を基板901上に設けない例を示したが、基板901上に駆
動回路を有するICチップを実装させてもよい。
【0444】
<発光パネルの構成例3>
可撓性を有する発光パネルを作製する際、可撓性を有する基板(可撓性基板ともいう)上
に発光素子を形成する方法としては、例えば、可撓性基板上に、発光素子を直接形成する
第1の方法と、可撓性基板とは異なる耐熱性の高い基板(以下、作製基板と記す)上に発
光素子を形成した後、作製基板と発光素子とを剥離して、可撓性基板に発光素子を転置す
る第2の方法と、がある。
【0445】
例えば、可撓性を有する程度に薄い厚さのガラス基板のように、発光素子の作製工程でか
ける温度に対して耐熱性を有する基板を用いる場合には、第1の方法を用いると、工程が
簡略化されるため好ましい。
【0446】
また、第2の方法を適用することで、作製基板上で高温をかけて形成した透水性の低い絶
縁膜等を、可撓性基板に転置することができる。したがって、透水性が高く、耐熱性が低
い有機樹脂等を、可撓性基板の材料として用いても、可撓性を有し、信頼性が高い発光パ
ネルを作製できる。
【0447】
第2の方法で作製できる発光パネルの例を図50(A)に示す。図50(A)に示す発光
パネルは、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光パネルである。発光
パネルは、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する
構成、R、G、B、W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成、R、G、B、Y
(黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限
定はなく、RGBWY以外の色を用いてもよく、例えば、シアン又はマゼンタ等を用いて
もよい。
【0448】
図50(A)に示す発光パネルは、基板901、接着層902、絶縁層903、トランジ
スタ920、絶縁層907、絶縁層909、導電層941、絶縁層943、絶縁層945
、発光素子930、絶縁層925、スペーサ926、接着層927、着色層845R、8
45G、845B、845Y、遮光層847、絶縁層993、接着層992、及び基板9
91を有する。基板901及び基板991は可撓性基板であり、図50(A)に示す発光
パネルは、可撓性を有する。
【0449】
発光素子930は、下部電極931、光学調整層932、EL層933、及び上部電極9
35を有する。光学調整層932には、透光性を有する導電性材料を用いることが好まし
い。カラーフィルタ(着色層)とマイクロキャビティ構造(光学調整層)との組み合わせ
により、発光パネルからは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層の膜厚
は、各画素の発光色に応じて変化させる。
【0450】
基板901と絶縁層903は接着層902で貼り合わされている。基板991と絶縁層9
93は接着層992で貼り合わされている。絶縁層903上にはトランジスタ920と発
光素子930が形成されている。絶縁層903及び絶縁層993のうち少なくとも一方に
防湿性の高い膜を用いると、発光素子930やトランジスタ920に水等の不純物が侵入
することを抑制でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0451】
トランジスタ920のソース又はドレインは、導電層941を介して、発光素子930の
下部電極931と電気的に接続されている。トランジスタ920は、導電層941と同一
平面上に形成された第2のゲートを有する。下部電極931の端部は、絶縁層925で覆
われている。下部電極931は可視光を反射することが好ましい。上部電極935は可視
光を透過する。スペーサ926を設けることで、基板901と基板991の間隔を調整す
ることができる。
【0452】
各着色層は、発光素子930と重なる部分を有する。遮光層847は、絶縁層925と重
なる部分を有する。発光素子930と各着色層の間は接着層927で充填されている。
【0453】
絶縁層907、909は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効
果を奏する。また、絶縁層943、945は、トランジスタ及び配線起因の表面凹凸を低
減するために平坦化機能を有する絶縁層を選択することが好適である。
【0454】
本発明の一態様において、発光パネルはタッチセンサを有していてもよい。例えば、図5
0(B)に示すように、絶縁層993と遮光層847との間、及び絶縁層993と着色層
との間に容量素子を設けてもよい。絶縁層993に接して複数の導電層981が設けられ
ている。絶縁層982の開口部を介して、導電層983によって複数の導電層981は電
気的に接続されている。容量素子起因の表面凹凸を低減するために絶縁層984が設けら
れている。絶縁層984に接して、着色層及び遮光層847が設けられている。容量素子
は、発光素子930が発する光を透過する材料を用いて形成する。
【0455】
また、図50(C)に示すように、EL層933は塗り分けられていてもよい。つまり、
異なる色の光を発するEL層933が設けられていてもよい。
【0456】
発光パネルが有する基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いる
ことができる。発光素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂、可撓性を有する程度の厚
さのガラス、金属、合金を用いることができる。
【0457】
発光パネルが有する接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、
熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接
着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミ
ド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラ
ル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹
脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接
着シート等を用いてもよい。
【0458】
発光パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトラン
ジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型
又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半
導体材料は特に限定されず、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン
、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる。または、In-Ga-Zn系金属酸化物な
どの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いても
よい。
【0459】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結
晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域
を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジ
スタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0460】
≪表示パネル≫
図51(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むように
して、シール材4005が設けられている。画素部4002は、第1の基板4001とシ
ール材4005と第2の基板4006とによって封止されている。図51(A)では、第
1の基板4001上の、シール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、
別途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路40
03及び走査線駆動回路4004が実装されている。また、信号線駆動回路4003、走
査線駆動回路4004、又は画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4
018a、FPC4018bから供給されている。
【0461】
図51(B)、(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、
走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。画素
部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と
第2の基板4006とによって封止されている。図51(B)、(C)においては、第1
の基板4001上の、シール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別
途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路400
3が実装されている。図51(B)、(C)においては、信号線駆動回路4003、走査
線駆動回路4004、又は画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC40
18から供給されている。
【0462】
また、図51(B)、(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の
基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回
路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部又は走査線駆動回路の一部の
みを別途形成して実装してもよい。
【0463】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンデ
ィング、COG、TCP、COF等を用いることができる。図51(A)は、COGによ
り信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり、図51(B)
は、COGにより信号線駆動回路4003を実装する例であり、図51(C)は、TCP
により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0464】
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002及び走査線駆動回路4004は
、トランジスタを複数有する。
【0465】
図52に、表示素子として液晶素子を有する表示パネルの一例を示す。図52では、FF
S(Fringe Field Switching)モードの液晶素子を適用した例を
示す。図52に示す表示パネルは、走査線駆動回路4004及び画素部4002を有する
。具体的には、基板701、基板711、トランジスタ820、液晶素子860、偏光板
861、862、バックライト863、絶縁層815、816、817、導電層857、
接着層927、接続体826、FPC808等を有している。液晶素子860は、くし状
の第1の電極871、液晶872、及び第2の電極873を備える。
【0466】
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液
晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これら
の液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイ
ラルネマチック相、等方相等を示す。また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用い
てもよい。
【0467】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため
、高速駆動が可能である。よって、表示機能を有する半導体装置の画素部に酸化物半導体
を用いたトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。また、同
一基板上に駆動回路部又は画素部を作り分けて作製することが可能となるため、半導体装
置の部品点数を削減することができる。
【0468】
液晶表示パネルには、FFSモードのほかに、TN(Twisted Nematic)
モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axial
ly Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(
Optical Compensated Birefringence)モード、FL
C(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(
AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等を用い
ることができる。
【0469】
また、ノーマリーブラック型の液晶表示パネル、例えば垂直配向(VA)モードを採用し
た透過型の液晶表示パネルとしてもよい。ここで、垂直配向モードとは、液晶表示パネル
の液晶分子の配列を制御する方式の一種であり、電圧が印加されていないときにパネル面
に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。垂直配向モードとしては、いくつか挙げ
られるが、例えば、MVA(Multi-Domain Vertical Align
ment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignmen
t)モード、ASV(Advanced Super View)モード等を用いること
ができる。また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ
別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計
といわれる方法を用いることができる。
【0470】
また、表示パネルにおいて、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反
射防止部材等の光学部材(光学基板)等は適宜設ける。例えば、偏光基板及び位相差基板
による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライト等を用いて
もよい。
【0471】
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いる
ことができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは
赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す)
、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。なお、
色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、本発明の一態
様はカラー表示の表示パネルに限定されるものではなく、モノクロ表示の表示パネルに適
用することもできる。
【0472】
本明細書等において、表示パネル及び発光パネルは、様々な形態を用いること、又は様々
な素子を有することができる。表示素子の一例としては、EL素子(有機物及び無機物を
含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色
LED、青色LEDなど)、液晶素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ
・メカニカル・システム)を用いた表示素子等が挙げられる。
【0473】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0474】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について図53図55を用いて説明する
【0475】
本発明の一態様を適用した蓄電装置、発光装置、又は表示装置等は、電子機器に用いるこ
とができる。本発明の一態様を適用した蓄電装置、発光装置、又は表示装置等は、ゴム弾
性を有する部材を有する。ゴム弾性を有する部材は複数の凸部を有する。電子機器を曲げ
た際に、隣り合う2つの凸部が互いに接触することで、使用者が過度に電子機器を曲げて
しまうことを防止することができる。本発明の一態様により、電子機器の曲がりすぎによ
る破損を抑制することができ、電子機器の安全性や信頼性を高めることができる。
【0476】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともい
う)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタル
フォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携
帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0477】
本発明の一態様の蓄電装置、発光装置、又は表示装置等は可撓性を有するため、当該各種
装置自体、又は、当該各種装置を用いた電子機器を、家屋もしくはビルの内壁もしくは外
壁、又は、移動体(自動車、航空機、電車、船舶等)の内装もしくは外装の曲面に沿って
組み込むことも可能である。
【0478】
まず、図53(A)~(E)を用いて、本発明の一態様の腕装着型(又は腕時計型)の携
帯情報端末について説明する。なお、本発明の一態様は、手首、上腕部などに装着する腕
装着型に限られず、腰、足首等に装着する携帯情報端末にも適用することができる。
【0479】
本実施の形態で例示する腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末は、通信機能を有し、
単体で電子メールの送受信等が可能であってもよい。携帯情報端末は、移動電話、電子メ
ール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種
々のアプリケーションを実行できることが好ましい。
【0480】
または、スマートフォン等の携帯電話機又は他の携帯情報端末と無線又は有線で接続する
ことで電子メールの送受信等を行ってもよい。例えば、スマートフォンと一緒に用いるこ
とで、腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末の表示部をサブディスプレイとして用い
てもよい。
【0481】
また、携帯情報端末は、通信規格された近距離無線通信を実行できてもよい。例えば無線
通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話できてもよい
【0482】
腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末は、ボタン、スイッチ、又はタッチパネルの少
なくとも1つを有する。ボタンやスイッチは、時刻設定、電源のオン、オフ動作、無線通
信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、
様々な機能を持たせることができる。また、タッチパネルを操作することでこれらの動作
が実行できてもよい。携帯情報端末に組み込まれたオペレーティングシステムにより、ボ
タンやスイッチの機能を自由に設定することができてもよい。
【0483】
また、本実施の形態で例示する腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末は、心拍数、呼
吸数、脈拍、体温、又は血圧等の使用者の生体情報を計測するセンサを有することが好ま
しい。
【0484】
例えば、光学センサを用いて、腕等の毛細血管の収縮から心拍数を測定することができる
【0485】
また、携帯情報端末が使用者の腕に装着されたかどうかを、皮膚の電気伝導率から把握す
るセンサを用いることで、自動で携帯情報端末の電源のオン、オフ動作を行うことができ
てもよい。
【0486】
これらのセンサは、例えば、携帯情報端末において、使用者の腕が触れる面側に実装され
ていることが好ましい。
【0487】
また、使用環境のデータを計測できてもよい。例えば、紫外線センサまたは照度センサを
有していてもよい。紫外線量を把握することで、使用者の日焼け対策に利用することがで
きる。また、使用環境の照度によって、自動で表示部の明るさを調整することができても
よい。これらのセンサは、例えば、携帯情報端末において、表示面側に実装されているこ
とが好ましい。
【0488】
また、携帯情報端末は、GPS(Global positioning System
)信号を受信できてもよい。
【0489】
また、携帯情報端末は、非接触で二次電池を充電できると好ましい。また、携帯情報端末
は光電変換素子を有し、該光電変換素子を用いて二次電池を充電できると好ましい。例え
ば、太陽光発電により、二次電池を充電できると好ましい。
【0490】
図53(A)に示す腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末300は、表示部301、
バッテリ303、留め具305、及び筐体307等を有する。表示部301、バッテリ3
03、及び筐体307は、それぞれ可撓性を有する。そのため、携帯情報端末300を所
望の形状に湾曲させることが容易である。例えば、表示部301には、可撓性を有する発
光パネルまたは表示パネルを用いることができる。また、バッテリ303には、可撓性を
有する二次電池を用いることができる。本発明の一態様により、表示部301及びバッテ
リ303の曲がりすぎによる破損を抑制することができ、携帯情報端末300の信頼性を
高めることができる。
【0491】
図53(A)では、筐体307内に2つのバッテリ303を有する例を示したが、バッテ
リの数は1つ以上であれば特に限定されない。また、表示部301に重ねてバッテリ30
3が配置されていてもよい。
【0492】
筐体307には、例えば、金属、樹脂、又は天然素材等の一種以上を用いることができる
。金属としては、ステンレス、アルミニウム、チタン合金などを用いることができる。ま
た、樹脂としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。また、天
然素材としては木材、石、骨、皮革、紙、布を加工したものなどを用いることができる。
【0493】
図53(B)に、携帯情報端末350を環状に曲げた状態の斜視図を示し、図53(C)
に、携帯情報端末350を展開(伸長ともいえる)した状態の上面図を示す。図53(C
)の一点鎖線Z1-Z2間の断面図を図53(D)、(E)に示す。
【0494】
腕装着型(又は腕時計型)の携帯情報端末350は、表示部301、筐体302a、30
2b、バッテリ303を有する。筐体302b及びバッテリ303は、それぞれ可撓性を
有する。そのため、携帯情報端末350を所望の形状に湾曲させることが容易である。さ
らに、表示部301及び筐体302aもそれぞれ可撓性を有していてもよい。本発明の一
態様により、表示部301及びバッテリ303の曲がりすぎによる破損を抑制することが
でき、携帯情報端末350の信頼性を高めることができる。なお、図53(C)に示すよ
うに、携帯情報端末350は、操作ボタン309を有していてもよい。
【0495】
図53(D)に示すように、バッテリ303には、本発明の一態様の蓄電装置が適用され
ていることが好ましい。バッテリ303は、二次電池20とゴム弾性を有する部材40を
有する。また、表示部301には、本発明の一態様の発光装置が適用されていることが好
ましい。表示部301は、発光パネル10とゴム弾性を有する部材40を有する。
【0496】
図53(E)に示すように、携帯情報端末350は、さらに、センサ70を有していても
よい。センサ70としては、上述の生体情報を検知するセンサ等の各種センサを用いるこ
とができる。センサ70の可撓性は問わない。センサ70は、ゴム弾性を有する部材40
の内部又は外部に設ける。図53(E)では、バッテリ303に本発明の一態様を適用し
、表示部301、筐体302a、及びセンサ70は可撓性を有さない例を示す。
【0497】
図54(A)~(D)に、湾曲した表示部7000を有する電子機器の一例を示す。表示
部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことが
できる。なお、表示部7000は可撓性を有していてもよい。
【0498】
本実施の形態で例示する電子機器は、本発明の一態様の発光装置、又は本発明の一態様の
蓄電装置の少なくとも一方を有する。例えば、発光パネルを有する発光装置を表示部70
00に用いてもよい。該発光装置は、さらに二次電池を有していてもよい。または、電池
ユニットを有する蓄電装置をバッテリとして有していてもよい。
【0499】
図54(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、表示部7000、筐体
7101、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7
106等を有する。
【0500】
携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは
文字を入力するなどのあらゆる操作は、指又はスタイラスなどで表示部7000に触れる
ことで行うことができる。
【0501】
また、操作ボタン7103の操作により、電源のオン、オフ動作や、表示部7000に表
示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメ
ニュー画面に切り替えることができる。
【0502】
図54(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体72
01に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体72
01を支持した構成を示している。
【0503】
テレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機7211により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを
備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作
機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表示する表示部を有して
いてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャン
ネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することが
できる。
【0504】
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(
送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0505】
テレビジョン装置7200は、例えば、フルハイビジョン画質、4K画質、又は8K画質
等の映像を表示できると好ましい。
【0506】
図54(C)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、図54(D)は携帯情報端末7
300の上面図である。携帯情報端末7300は、筐体7301及び表示部7000を有
する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテ
リ等を有していてもよい。表示部7000にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操
作は、指又はスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
【0507】
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から
選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用い
ることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メー
ル、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々
のアプリケーションを実行することができる。
【0508】
携帯情報端末7300は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例え
ば、図54(C)に示すように、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示
す情報7303を他の面に表示することができる。図54(C)、(D)では、携帯情報
端末の上側に情報が表示される例を示す。
【0509】
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、
電子メール又は電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名
、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示さ
れている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
【0510】
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300を
収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
【0511】
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の上
方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取り
出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
【0512】
図54(E)~(H)に、可撓性を有する表示部7001を有する携帯情報端末の一例を
示す。
【0513】
以下の携帯情報端末は、本発明の一態様の発光装置、又は本発明の一態様の蓄電装置の少
なくとも一方を有する。例えば、発光パネルを有する発光装置を表示部7001に用いて
もよい。該発光装置は、さらに二次電池を有していてもよい。または、電池ユニットを有
する蓄電装置をバッテリとして有していてもよい。例えば、携帯情報端末には、曲率半径
0.01mm以上150mm以下で曲げることができる発光パネルや、1mm以上150
mm以下で曲げることができる二次電池等を適用できる。また、表示部7001はタッチ
センサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作す
ることができる。
【0514】
図54(E)、(F)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図54(E)で
は、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図54(F)では、表示部7
001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端
末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使
用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の
汚れや傷つきを抑制できる。
【0515】
図54(G)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、
筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、
7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート77
05、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を
有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部70
01と重ねて配置してもよい。
【0516】
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携
帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを加
えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外
側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロー
ル状に巻いた状態で使用することもできる。このように、筐体7701及び表示部700
1を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又
は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
【0517】
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持
してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、
様々な状況において利便性良く使用することができる。
【0518】
本発明の一態様の発光装置は、表示部7001として機能する発光パネルと、バッテリ7
709として機能する二次電池と、を有する。本発明の一態様により、表示部7001及
びバッテリ7709の曲がりすぎによる破損を抑制することができ、携帯情報端末の信頼
性を高めることができる。
【0519】
図54(H)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド
7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バン
ド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有
するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部700
1及びバンド7801のうち少なくとも一方と重ねて配置してもよい。
【0520】
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、
携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。また、本発明の一態
様により、表示部7001及びバッテリ7805の曲がりすぎによる破損を抑制すること
ができ、携帯情報端末の信頼性を高めることができる。
【0521】
表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケーション
を起動することができる。
【0522】
携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7802を
有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができ
る。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形態で例
示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行っても
よい。
【0523】
図55(A)、(D)、(F)、(G)に示す電子機器は、本発明の一態様の発光装置、
又は本発明の一態様の蓄電装置の少なくとも一方を有する。例えば、発光パネルを有する
発光装置を表示部7000に用いてもよい。該発光装置は、さらに二次電池を有していて
もよい。または、電池ユニットを有する蓄電装置をバッテリとして有していてもよい。
【0524】
図55(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401
に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、ス
ピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電
装置7407を有している。
【0525】
図55(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機740
0を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置
7407も湾曲する。蓄電装置7407は薄型の蓄電池である。蓄電装置7407は曲げ
られた状態で固定されている。湾曲した状態の蓄電装置7407を図55(C)に示す。
【0526】
図55(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置710は、筐
体715、表示部712、操作ボタン713、及び蓄電装置714を備える。図55(E
)に曲げられた蓄電装置714の状態を示す。
【0527】
図55(F)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末720は、
筐体721、表示部722、バンド723、バックル724、操作ボタン725、入出力
端子726などを備える。
【0528】
表示部722はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うこと
ができる。また、表示部722はタッチセンサを備え、指又はスタイラスなどで画面に触
れることで操作することができる。例えば、表示部722に表示されたアイコン727に
触れることで、アプリケーションを起動することができる。
【0529】
また、携帯情報端末720は入出力端子726を備え、他の情報端末とコネクターを介し
て直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子726を介して充電を行う
こともできる。なお、充電動作は入出力端子726を介さずに無線給電により行ってもよ
い。
【0530】
携帯情報端末720は、蓄電装置を有している。例えば、図55(E)に示した蓄電装置
714を、筐体721の内部に湾曲した状態で、又はバンド723の内部に湾曲可能な状
態で組み込むことができる。
【0531】
図55(G)は、腕章型の表示装置の一例を示している。表示装置730は、表示部73
4と蓄電装置を有している。また、表示装置730は、表示部734にタッチセンサを備
えることもでき、また、携帯情報端末として機能させることもできる。
【0532】
表示部734はその表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことがで
きる。また、表示装置730は、通信規格された近距離無線通信などにより、表示状況を
変更することができる。
【0533】
また、表示装置730は入出力端子を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接デー
タのやりとりを行うことができる。また入出力端子を介して充電を行うこともできる。な
お、充電動作は入出力端子を介さずに無線給電により行ってもよい。
【0534】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0535】
1 手段
2 手段
3 手段
4 負荷
5 スイッチ
6 インダクタ
7 スイッチ
8 ダイオード
9 ダイオード
10 発光パネル
11 発光素子
12a 端子
12b 端子
13 抵抗
14 抵抗
20 二次電池
21a 電極
21b 電極
22 計装アンプ
30 回路
31 アンテナ
32 コントローラ
33a 端子
33b 端子
34 端子
35 電子部品
36 エラーアンプ
37 三角波発振器
38 コンパレータ
39 バッファ
40 ゴム弾性を有する部材
40a 凹凸構造
45 タッチパネル
49 インバータ
50 回路
51 スイッチ
52a 端子
52b 端子
53a 配線
53b 配線
55 回路基板
60 領域
61 領域
62 領域
63 領域
64 領域
65 領域
66 領域
67 領域
68 アンテナ
70 センサ
100 蓄電装置
102 活物質層
103 セパレータ
107 外装体
109 ゴム弾性を有する部材
109a 凹凸構造
110 蓄電装置
111 正極
112 蓄電装置
113 蓄電装置
114 蓄電装置
115 負極
116 蓄電装置
117 蓄電装置
118 蓄電装置
119a 凸部
119b 凸部
120 電池ユニット
121 正極リード
123 電極リード
125 負極リード
129 封止層
150 発光装置
165 スペーサ
165a スペーサ
165b スペーサ
165c スペーサ
165d スペーサ
191 構造体
192 凹部
192a 凹凸構造
195 充填材
200 二次電池
203 セパレータ
203a 領域
203b 領域
207 外装体
211 正極
211a 正極
215 負極
215a 負極
220 封止層
221 正極リード
225 負極リード
230 電極組立体
231 電極組立体
250 二次電池
281 タブ領域
282 タブ領域
300 携帯情報端末
301 表示部
302a 筐体
302b 筐体
303 バッテリ
305 留め具
307 筐体
309 操作ボタン
310 受電装置
311 共鳴コイル
312 コイル
313 整流回路
314 DC-DCコンバータ
315 バッテリ
316 浮遊容量
350 携帯情報端末
400 送電装置
401 高周波電源
402 コイル
403 共鳴コイル
404 浮遊容量
500 電池ユニット
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507 セパレータ
508 電解液
509 外装体
510 正極リード
511 負極リード
521 構造体
522 凹部
522a 凹凸構造
531 層
551 構造体
552 凹部
552a 凹凸構造
701 基板
710 携帯表示装置
711 基板
712 表示部
713 操作ボタン
714 蓄電装置
715 筐体
720 携帯情報端末
721 筐体
722 表示部
723 バンド
724 バックル
725 操作ボタン
726 入出力端子
727 アイコン
730 表示装置
734 表示部
808 FPC
815 絶縁層
816 絶縁層
817 絶縁層
820 トランジスタ
826 接続体
845B 着色層
845G 着色層
845R 着色層
845Y 着色層
847 遮光層
857 導電層
860 液晶素子
861 偏光板
862 偏光板
863 バックライト
871 電極
872 液晶
873 電極
901 基板
902 接着層
903 絶縁層
907 絶縁層
908 配線
909 絶縁層
909a FPC
909b FPC
911 導電層
912 導電層
913 乾燥剤
920 トランジスタ
921 補助電極
925 絶縁層
926 スペーサ
927 接着層
928 隔壁
929 空間
930 発光素子
931 下部電極
932 光学調整層
933 EL層
935 上部電極
941 導電層
943 絶縁層
945 絶縁層
981 導電層
982 絶縁層
983 導電層
984 絶縁層
991 基板
992 接着層
993 絶縁層
1000 入力電力検出部
1001 手段
1002 手段
1003 負荷
2000 電圧変換部
2001 手段
2002 スイッチ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4018 FPC
4018a FPC
4018b FPC
7000 表示部
7001 表示部
7100 携帯電話機
7101 筐体
7103 操作ボタン
7104 外部接続ポート
7105 スピーカ
7106 マイク
7200 テレビジョン装置
7201 筐体
7203 スタンド
7211 リモコン操作機
7300 携帯情報端末
7301 筐体
7302 操作ボタン
7303 情報
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7407 蓄電装置
7650 携帯情報端末
7651 非表示部
7700 携帯情報端末
7701 筐体
7703a ボタン
7703b ボタン
7704a スピーカ
7704b スピーカ
7705 外部接続ポート
7706 マイク
7709 バッテリ
7800 携帯情報端末
7801 バンド
7802 入出力端子
7803 操作ボタン
7804 アイコン
7805 バッテリ
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