(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161193
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】圧油給排システム
(51)【国際特許分類】
F15B 20/00 20060101AFI20241108BHJP
F04B 51/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F15B20/00 D
F04B51/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151862
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2020156624の分割
【原出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅弘
(57)【要約】
【課題】 従来検出できなかった圧油給排システムの異常状態を検出できるようにする。
【解決手段】 圧縮エアが供給されることにより駆動されるポンプ(1)が、シリンダ(10)に圧油を流路を介して供給する。前記流路の途中部に設けられる三方弁(2)が、前記ポンプ(1)から前記シリンダ(10)に圧油が供給される状態と前記シリンダ(10)から外部に圧油が排出される状態とに切り換える。前記流路の圧油の圧力が所定圧力を上回るときに、前記流路の圧油の圧力を所定圧力を下回るように圧力保障弁(3)が圧油を外部に排出させる。前記ポンプ(1)に供給される圧縮エアの流量をエア流量検出センサ(5)が検出する。前記流路の圧油の圧力を油圧検出センサ(6)が検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮エアが供給されることにより駆動されるポンプ(1)であって、圧油給排対象物(10)に圧油を供給するポンプ(1)と、
前記圧油給排対象物(10)に圧油を給排する流路の途中部に設けられると共に、前記ポンプ(1)から前記圧油給排対象物(10)に圧油が供給される状態と前記圧油給排対象物(10)から外部に圧油が排出される状態とに切り換える三方弁(2)と、
前記流路の圧油の圧力が所定圧力を上回るときに、前記流路の圧油の圧力を所定圧力を下回るように圧油を外部に排出させる圧力保障弁(3)と、
前記ポンプ(1)に供給される、または、前記ポンプ(1)から排出される圧縮エアの流量を検出するエア流量検出装置(5)と、
前記流路の圧油の圧力を検出する油圧検出装置(6)と、を備える、
ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項2】
請求項1の圧油給排システムにおいて、
前記ポンプ(1)に供給される、または、前記ポンプ(1)から排出される圧縮エアの圧力を検出するエア圧検出装置(4)を備える、ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項3】
請求項1の圧油給排システムにおいて、
前記エア流量検出装置(5)と前記油圧検出装置(6)とから信号を受けて、圧油給排システムの状態を検知する制御装置(80)を備える、
ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項4】
請求項2の圧油給排システムにおいて、
前記エア圧検出装置(4)と前記エア流量検出装置(5)と前記油圧検出装置(6)とから信号を受けて、圧油給排システムの状態を検知する制御装置(80)を備える、
ことを特徴とする圧油給排システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧油給排対象物に圧油を給排するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の圧油給排システムには、従来では、特許文献1(日本国・特開平3-181682号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
その圧油給排システムは、ポンプと、当該ポンプと圧力給排対象物としてのシリンダとを接続する流路の途中に設けられる三方弁および圧力保障弁とを有している。そのポンプは、圧縮エア源から供給される圧縮エアによってピストンが駆動され、そのピストンに連結されたプランジャが油タンクの油をシリンダに送り出すように構成される。上記の三方弁は、ポンプからの圧油をシリンダに供給する状態と、シリンダの圧油を外部に排出する状態とを切換えるように構成される。上記の圧力保障弁は、ポンプから供給される圧油が所定の圧力を上回るときに圧油を外部に排出して、圧油を所定圧力を下回るようにしている。そのポンプとシリンダとを接続する圧油の流路に設けられる圧力検出スイッチによって、流路の油圧が所定圧力より高くなっているか否かが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
前記流路の圧油が適正な圧力であることが圧力検出スイッチによって検出されることで正常状態であると判断された場合であっても、前記圧油給排システムが過度に動作している異常状態や、配管に漏れがある異常状態等になっていることがある。このような異常状態は、圧力検出スイッチだけでは検出することができない。
本発明の目的は、従来検出できなかった圧油給排システムの異常状態を検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、
図1から
図3または
図4に示すように、圧油給排システムを次のように構成した。
圧縮エアが供給されることによりポンプ1が駆動されて、そのポンプ1が圧油給排対象物10に圧油を吐出する。前記圧油給排対象物10に圧油を給排する流路の途中部に三方弁2が設けられる。その三方弁2は、前記ポンプ1から前記圧油給排対象物10に圧油が供給される状態と前記圧油給排対象物10から外部に圧油が排出される状態とに切り換える。前記流路の圧油の圧力が設定圧力を上回るときに、圧力保障弁3は、前記流路の圧油の圧力が設定圧力を下回るように圧油を外部に排出する。前記ポンプ1に供給される、または、前記ポンプ1から排出される圧縮エアの流量をエア流量検出装置5が検出する。前記流路の圧油の圧力を油圧検出装置6が検出する。
【0006】
上記の本発明は次の作用効果を奏する。
上記エア流量検出装置5と油圧検出装置6とを備える。これにより、従来の圧油給排システムでは検出できなかった異常状態を、本発明の圧油給排システムでは、その異常状態をエア流量検出装置と油圧検出装置6によって検知することができる。
【0007】
本発明は、下記(1)から(3)の構成を加えることが好ましい。
(1) 例えば、
図1から
図3または
図4に示すように、前記ポンプ1に供給される、または、前記ポンプ1から排出される圧縮エアの圧力をエア圧検出装置4が検出する。
この場合、エア流量検出装置と油圧検出装置とでは検出できなかった圧油給排システムの異常状態が、エア流量検出装置の検出結果と油圧検出装置の検出結果とエア圧検出装置の検出結果を組み合わせることにより確実に検出される。
【0008】
(2) 前記エア流量検出装置5と前記油圧検出装置6とから信号を受ける制御装置80が圧油給排システムの状態を検知する。
この場合は、油圧検出装置のみの検出結果から検知できなかった圧油給排システムの異常状態を、エア流量検出装置と油圧検出装置の検出結果を組み合わせることで、制御装置が確実に検知する。
【0009】
(3)前記エア圧検出装置4と前記エア流量検出装置5と前記油圧検出装置6とから信号を受ける制御装置80が、圧油給排システムの状態を検知する。
この場合、油圧検出装置の検出結果とエア流量検出装置の検出結果だけでは検知できなかった圧油給排システムの異常状態を、エア流量検出装置とエア圧検出装置と油圧検出装置の検出結果を組み合わせることで、制御装置が確実に検知する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態を示し、圧油給排システムの一部断面視した模式図である。
【
図2】
図2は、上記圧油給排システムのポンプを示す断面図である。
【
図3】
図3は、上記圧油給排システムの三方弁と圧力保障弁とを示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2実施形態を示し、圧油給排システムの一部断面視した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施形態を
図1によって説明する。
上記圧油給排システムは、ポンプ1と三方弁2と圧力保障弁3とエア圧検出装置4とエア流量検出装置5と油圧検出装置6とを備える。
【0012】
上記ポンプ1には、圧縮エアが圧縮エア源7から圧力レギュレータ8を通って供給される。これにより、ポンプ1は、油タンク9内の油を流路を通ってシリンダ(圧油給排対象物)10に圧油として供給する。
【0013】
上記ポンプ1は、
図2に示すように、次のように構成される。
そのポンプ1のケーシング11に、圧縮エア供給ポート12とエア排出孔13が設けられる。その圧縮エア供給ポート12に、圧縮エア源7からの圧縮エアが供給される。その圧縮エアが、ケーシング11内に設けられるピストン15を駆動させた後、エア排出孔13から外部に排出される。
【0014】
上記ポンプ1内に形成されるプランジャ室16には、給油ポート17と吐出ポート18とが連通される。油タンク9が流路20を介して給油ポート17に連通される。上記ピストン15に連結されるプランジャ21が保密状にプランジャ室16に挿入される。そのプランジャ21が上昇されると、プランジャ室16内の油圧が低下して、油タンク9の油が流路20を通って給油ポート17からプランジャ室16に流入される。プランジャ21が下降されると、プランジャ室16内の圧油が吐出ポート18から三方弁2に送り出される。
【0015】
上記の三方弁2は、
図3に示すように、ハウジング26と方向切換え弁体27と方向切換え機構28とを備える。そのハウジング26内に弁室29が上下方向に形成される。その弁室29は、その内部に形成される仕切り壁30によって第1室31と第2室32とに上下に分けられる。第1室31と第2室32とは、連通孔33によって接続されている。ハウジング26に供給ポート34が形成され、その供給ポート34が入口路35を介して第1室31に連通される。その入口路35が第1室31の天井面に開口される。その供給ポート34は、ポンプ1の吐出ポート18に接続されている。入口路35の開口孔の周縁に給圧弁座36が形成される。その給圧弁座36に当接可能な逆止弁体37が、第1室31に上下方向に移動可能となるように挿入される。その逆止弁体37の下面と仕切り壁30の上面との間に閉弁バネ38が装着される。仕切り壁30に形成される連通孔33の第2室32側の開口部周縁に短絡防止弁座39が環状に形成される。また、第2室32の底面に出口路40が開口され、その開口部の周縁にリターン弁座41が環状に形成される。上記の短絡防止弁座39に当接可能な短絡防止弁体42が第2室32に上下方向に移動可能となるように挿入される。その短絡防止弁体42の下部に形成される収容孔43に、リターン弁体44が上下方向に移動可能となるように挿入される。また、その収容孔43内に離間バネ45が装着され、その離間バネ45が短絡防止弁体42とリターン弁体44とを離間する方向へ付勢する。より詳しく言うと、離間バネ45が短絡防止弁体42を短絡防止弁座39に向けて付勢し、リターン弁体44をリターン弁座41に向けて付勢する。第2室32は作動ポート46を介してシリンダ10の作動室47に連通される。また、出口路40は、リターンポート48を介して上記の油タンク9に連通される。
【0016】
方向切換え機構28が第2室32の下側に設けられ、次のように構成される。その第2室32に出口路40を介してシリンダ孔51が連通されるように形成される。そのシリンダ孔51に出力部材52が上下方向に移動可能となるように挿入される。その出力部材52は、下側から順に形成されるピストン部53とそのピストン部53から上方に突設される操作ロッド54とを有する。その操作ロッド54は、出口路40に保密状で上下方向に移動可能に挿入され、リターン弁体44に当接可能となっている。ピストン部53の下側に進出用の作動室55が形成され、ピストン部53の上側に退入用の作動室56が形成される。進出用の作動室55に圧縮エアの給排路57が連通され、圧縮エア源からの圧縮エアが給排路57を通して進出用の作動室55に給排される。また、退入用の作動室56内に後退バネ58が装着され、その後退バネ58が出力部材52を下方に付勢する。
【0017】
上記の圧力保障弁3は、作動ポート46の油圧が、圧油の熱膨張や外力などによって異常上昇したときに、その異常上昇圧を外部に逃がして、作動ポート46内を設定圧力以下となるようにするものである。
上記の圧力保障弁3は、弁ケース61内に、左側から順に同軸状に連通される弁座室62とリリーフ弁室63とバネ室64とを有する。その弁座室62は、流路65を通って三方弁2の作動ポート46に接続されている。また、リリーフ弁室63は、流路66を通って三方弁2のリターンポート48に接続されている。
【0018】
前記弁座室62に弁座部材67が左右方向へ進退可能に保密状に挿入される。その弁座部材67の右端面から下側面に連通孔68が形成される。弁座部材67の外周面と弁座室62の内周面との間の嵌合隙間によって絞り路69が構成される。また、弁座部材67の右端部に弁座70が構成される。
【0019】
前記リリーフ弁室63に弁部材71が左右方向へ進退可能で保密状に挿入される。弁部材71の左端部に形成される環状溝に、樹脂等からなる弾性部材が装着される。その弾性部材の左端部に環状の弁面72が形成され、その弁面72が弁座70に当接可能に対面する。
【0020】
前記バネ室64の右端部と弁部材71との間に、リリーフバネ74とバネ座とが装着される。そのリリーフバネ74が弁部材71を左方へ付勢する。
【0021】
上記の圧力保障弁3では、弁座室62の油圧力が、リリーフバネ74の付勢力に相当する圧力を上回ると、弁面72を弁座70から離間させ、圧力保障弁3が開弁される。これに対し、弁座室62の油圧力が、リリーフバネ74の付勢力に相当する圧力を下回ると、そのリリーフバネ74が弁面72を弁座70に押圧して、圧力保障弁3が閉弁される。
【0022】
上記圧力保障弁3は、次のように作動する。
図3の初期状態において、三方弁2の作動ポート46から弁座室62に圧油が供給されると、弁座室62の油圧力が弁座部材67を右方へ移動させていき、その弁座部材67が弁部材71を右方に移動させていく。これにより、弁座部材67の左端部に形成されるフランジ部が弁座室62内の段差部に受止められる。また、弁座室62の圧油が、弁座室62の絞り路69と連通路68とを通って弁部材71を右方へ押圧するが、リリーフバネ74によって弁部材71の弁面72が弁座部材67の弁座70に封止接当され、圧力保障弁3は閉弁されたままである。
【0023】
上記の弁座室62の油圧力がリリーフバネ74の付勢力に相当する圧力を上回ると、圧力保障弁3が開弁され、弁座室62の圧油がリリーフ弁室63と流路66と三方弁2のリターンポート48から油タンク9に排出されていく。すると、弁座室62の油圧力が低下してその圧油力がリリーフバネ74の付勢力に相当する圧力を下回る。すると、圧力保障弁3が閉弁される。
【0024】
上記エア圧検出センサ(エア圧検出装置)4とエア流量検出センサ(エア流量検出装置)5が、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の途中部に設けられる。また、上記の油圧検出センサ6が三方弁2の作動ポート46とシリンダ10の作動室47とを接続する流路の途中部に設けられる。
【0025】
上記実施形態の圧油給排システムは、次のように作動する。
上記の圧縮エア源7からの圧縮エアがポンプ1の圧縮エア供給ポート12を通ってポンプ1内に供給されると、その圧縮エアがピストン15を上下方向に駆動させる。このとき、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路内の圧縮エアの圧力がエア圧検出センサ4によって検出されると共に、流路内の圧縮エアの流量がエア流量検出センサ5によって検出される。そして、ピストン15に連結されるプランジャ21が上昇することにより、油タンク9の油を流路20と給油ポート17とを通ってプランジャ室16内に引き込むと共に、プランジャ21が下降することにより、プランジャ21がプランジャ室16内の油を吐出ポート18を通って三方弁2の供給ポート34に押し出す。前記の供給ポート34に供給された圧油が三方弁2の逆止弁体37を閉弁バネ38の付勢力に抗して下方へ移動させて、逆止弁体37を開弁させる。このとき、三方弁2の方向切換え機構28の進出用の作動室55には圧縮エアが供給されておらず、後退バネ58の付勢力によって出力部材52のピストン部53が下方へ移動されている。このため、出力部材52の操作ロッド54の上端面とリターン弁体44の下端面との間に隙間が形成されている。次いで、供給ポート34の圧油が弁室29の第1室31に流入する。その第1室31の圧油がリターン弁体44を離間バネ45の付勢力に抗して下方に移動させて、リターン弁体44を閉弁させる。すると、第1室31の圧油が連通路33と第2室32と作動ポート46とを通ってシリンダ10の作動室47に供給される。すると、シリンダ10のピストンが上方へ進出していく。ピストンが上限位置で停止されると、作動室47の圧油の圧力が所定圧力まで上昇する。その所定圧力が油圧検出センサ6によって検出される。すると、ポンプ1の吐出ポート18からシリンダ10までの流路内の圧力が、ポンプ1のプランジャ室16内の圧力よりも高くなり、ポンプ1が圧油を押し出せなくなる。その結果、ポンプ1のピストン15の駆動が停止され、圧縮エア源7からの圧縮エアもポンプ1内から排出されなくなる(流れなくなる)。このとき、ポンプ1に供給される圧縮エアの圧力は、圧縮エアがポンプ1内を流れているときの圧縮エアの圧力よりも高い圧力(所定圧力範囲内の圧力)となっていることがエア圧検出装置4によって検出される。また、圧縮エア源7からポンプ1(ポンプ1内の流路も含む)への圧縮エアの流れがないことが、エア流量検出装置5によって検出される。上記3つの検出センサ4,5,6の検出結果により圧油給排システムが正常に動作することにより、その圧油給排システムがシリンダ10の作動室47に所定圧力範囲の圧油を供給している正常状態であることが検知される。
【0026】
上記圧油給排システムが備える3つの検出センサ4,5,6のうちの油圧検出センサ6とエア流量検出センサ5とによって当該圧油給排システムの動作状態が検知される場合に、その検出結果の組合せは、下記表1の通り、全部で4通りとなる。
【0027】
【0028】
従来の圧油給排システムでは、エア流量検出センサおよびエア圧検出センサを備えておらず、油圧検出スイッチだけを備えていた。このため、圧油給排システムからシリンダへ排出される圧油の圧力が所定圧力を上回っていることが、油圧検出スイッチによって検出される。その検出結果によって圧油給排システムが正常状態であると判断していた。また、所定圧力を下回っていることが油圧検出スイッチによって検出されることにより、圧油給排システムが異常状態であると判断していた。従来の圧油給排システムは、適正な圧力の圧油をシリンダに供給していることを確認できる点で優れている。しかしながら、圧油給排システムがシリンダに適正な圧力の圧油を供給している場合であっても、ポンプ等の構成機器や周辺機器を過剰に駆動した異常状態、または、周辺機器に摩耗やわずかに破損したまま使用している異常状態となっていることがある。従来の圧油給排システムでは、そのような異常状態を検出することができない。その異常状態で長期間使用し続けると、経年劣化をはやめて大きな破損につながるおそれがある。本実施形態の圧油給排システムでは、上記のような状態(上記表1中の(2)の状態や表2中の(1)-2の状態)を、または、そのような状態になるおそれがある場合を不具合あり(不具合のおそれを含む)である状態も、圧油給排システムの異常状態としている。その異常状態を、エア流量検出センサ5の検出結果と油圧検出センサ6の検出結果等とを組み合わせることにより、検出する。
【0029】
本実施形態の圧油給排システムでは、まず、上記3つの検出センサ4,5,6のうちの油圧検出センサ6とエア流量検出センサ5の2つの検出センサの検出結果の組合せによって圧油給排システムの異常・正常状態を判断する。
【0030】
上記表1中の(1)では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが正常状態であることがわかる。
【0031】
上記表1中の(2)では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。ここで、油圧検出スイッチだけを有する従来の圧油検出システムでは、油圧検出スイッチの検出結果から正常状態と判断されていた。しかし、本実施形態の圧油給排システムでは、油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、三方弁2や圧力保障弁3や配管等から圧油が油タンク9、もしくは、外部に(所定圧力範囲を維持する程度緩やかに)漏れてポンプ1が少しずつ駆動している状態であると推測される。または、圧油給排システムは、圧力レギュレータ8の故障や、圧力レギュレータ8の圧力調整不良により、所望する圧力より高い圧力の圧縮エアをポンプ1に供給していて、ポンプ1が少しずつ駆動していることなどの状態であると推測される。このような状態が、短期間ならば、すぐに圧油給排システムの構成部品の摩耗や故障につながるおそれは少ないが、このような状態が長期間続くと構成部品の摩耗や故障につながることがある。このため、不具合、または、不具合のおそれがあるとして、圧油給排システムの異常状態と判断している。
【0032】
上記表1中の(3)(4)では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲外(所定圧力範囲よりも高いまたは低い)であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、表1中の(3)では、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。表1中の(4)では、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。この場合、前述した油圧検出スイッチだけを有する従来の圧油検出システムでも本実施形態の圧油給排システムでも、油圧検出センサ6の検出結果から異常状態と判断されている。しかしながら、本実施形態の圧油給排システムでは、エア流量検出センサ5の検出結果の違い、すなわち、流路に圧縮エアが流れていないときの異常状態(上記表1中の(3))と、流れているときの異常状態(上記表1中の(4))とでは、推測される圧油給排システムの異常状態が異なる。まず、表1中の(3)では、次のような異常状態が考えられる。シリンダ10の出力ロッドに何らかの外力が作用して圧油の流路内の圧力が上昇している状態であると推測される。または、圧油の温度が上昇して、流路内の圧油が熱膨張して流路の圧力が上昇している状態であると推測される。または、圧縮エア源7や圧力レギュレータ8の故障や調整不良によってポンプ1が正常に動作できず、圧油の流路内の圧力が所定圧力範囲を下回っているなどの状態であると推測される。
【0033】
次いで、上記表1中の(4)では、(3)とは異なる次のような異常状態が推測される。三方弁2や圧力保障弁3から圧油が漏れてポンプ1が少しずつ駆動している状態であると推測される。または、圧縮エア源7や圧力レギュレータ8の故障により高圧の圧縮エアが供給されてポンプ1が少しずつ動いていて、圧油の流路内の圧力が所定圧力範囲を上回っているなどの状態であると推測される。
【0034】
油圧検出スイッチのみを備える従来の圧油給排システムでは、異常状態を詳細に切り分けて推測することができなかった。これに対して、油圧検出センサ6とエア流量検出センサ5とを備える本実施形態の圧油給排システムでは、油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果を組み合わせることで、その組み合わせ結果に応じた圧油給排システムの異常状態を推測できる。
【0035】
また、上記2つの検出センサ5,6に加えてエア圧検出センサ4を備えることによって圧油給排システムの次のような状態が検知される。
【0036】
【0037】
上記表2中の(1)-1では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲内であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが正常状態であることがわかる。
【0038】
上記表2中の(1)-2では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲外であることがエア圧検出センサ4によって検出される。ここで、2つの検出センサ5,6を有する上記圧油検出システムでは、油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果から上記表2中の(1)-2の状態を正常状態と判断していた。しかし、本実施形態の圧油給排システムでは、油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果を組み合わせることで、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムがシリンダ10に所定圧力範囲内の圧油を供給した後、継手のゆるみや配管およびポンプ1の劣化,摩耗,破損等により、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路(ポンプ内の流路を含む)から圧縮エアが抜けたなどの状態であると推測される。このような状態が、短期間ならば、すぐに圧油給排システムの構成部品の摩耗や故障につながることは少ないが、このような状態が長期間続くと構成部品の摩耗や故障につながることがある。このため、不具合、または、不具合のおそれがあるとして、圧油給排システムの異常状態と判断している。
【0039】
上記表2中の(2)-1では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲内であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、三方弁2や圧力保障弁3や配管等から圧油が油タンク9、もしくは、外部に(所定圧力範囲を維持する程度緩やかに)漏れてポンプ1が少しずつ駆動しているなどの状態であることが推測される。
【0040】
上記表2中の(2)-2では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲外であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、圧縮エア源7や圧力レギュレータ8の故障や、圧力レギュレータ8の圧力調整不良により、所望する圧力より高い圧力の圧縮エアをポンプ1に供給していて、ポンプ1が少しずつ駆動しているなどの状態であることが推測される。
【0041】
上記表2中の(3)-1では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲外(所定圧力範囲よりも高いまたは低い)であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲内であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、シリンダ10の出力ロッドに何らかの外力が作用して圧油の流路内の圧力が上昇している状態であると推測される。または、圧油の温度が上昇して、流路内の圧油が熱膨張して流路の圧力が上昇しているなどの状態であることが推測される。
【0042】
上記表2中の(3)-2では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲外(所定圧力範囲よりも高いまたは低い)であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていないことがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲外であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、縮エア源7や圧力レギュレータ8の故障や、圧力レギュレータ8の圧力調整不良により、所望する圧力より低い圧力の圧縮エアをポンプ1に供給していて、ポンプ1が正常に動いていないなどの状態であることが推測される。
【0043】
上記表2中の(4)-1では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲外(所定圧力範囲よりも高いまたは低い)であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲内であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、三方弁2や圧力保障弁3から圧油が漏れてポンプ1が少しずつ駆動しているなどの状態であると推測される。
【0044】
上記表2中の(4)-2では、三方弁2とシリンダ10とを接続する流路の圧油の圧力が所定圧力範囲外(所定圧力範囲よりも高いまたは低い)であることが油圧検出センサ6によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に圧縮エアが流れていることがエア流量検出センサ5によって検出される。また、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲外であることがエア圧検出センサ4によって検出される。油圧検出センサ6の検出結果とエア流量検出センサ5の検出結果とエア圧検出センサ4の検出結果とを組み合わせることにより、圧油給排システムが異常状態であることがわかる。このような検出結果が得られたときには、圧油給排システムは、圧縮エア源7や圧力レギュレータ8の故障により高圧の圧縮エアが供給されてポンプ1が少しずつ動いていて、圧油の流路内の圧力が所定圧力範囲を上回っているなどの状態であることが推測される。
【0045】
上記の圧油給排システムでは、3つの検出センサ4,5,6にランプ75,76,77が、それぞれ接続されている。流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることを油圧検出センサ6が検出したときにランプ77が点灯し、所定範囲より高い、または、低いときに、消灯する。エア流量検出センサ5が、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路(ポンプ1内の流路を含む)に圧縮エアが流れていないことを検出したときにランプ76が点灯し、流れていることを検出したときに消灯する。流路の圧縮エアの圧力が所定圧力範囲内であることをエア圧検出センサ4が検出したときにランプ75が点灯し、所定圧力範囲よりも低い、または、高いことを検出したときに消灯する。作業者は、3つのランプ75,76,77が点灯していることにより、圧油給排システムが正常状態であることを確認することができる。また、3つのランプ75,76,77のいずれか一つでも消灯しているときには、圧油給排システムが異常状態であることを作業者が確認することができる。
【0046】
上記の実施形態は次の長所を奏する。
従来の圧油給排システムおよび第1実施形態の圧油給排システムでは、正常状態であると判断されていた状態であっても、3つの検出センサ4,5,6の検出結果を組み合わせることで圧油給排システムが異常状態であることを検知できる。また、従来の圧油給排システムおよび第1実施形態の圧油給排システムにおいての推測される異常状態に比べて、本実施形態の圧油給排システムの推測される異常状態では、より詳細な事象に切り分けられているので、修理、メンテナンスを行う作業者が不具合箇所を特定しやすくなっている。
【0047】
図4は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態においては、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
【0048】
本発明の第2実施形態の圧油給排システムは、制御装置80を備える。
その制御装置80は、上記エア圧検出センサ4とエア流量検出センサ5と油圧検出センサ6とに電気信号線等によって接続されており、各センサ4,5,6からの電気信号を受信できる。その制御装置80は、各センサ4,5,6からの正常状態(所定圧力範囲内もしくは圧縮エアが流れていない)であるか異常状態(所定圧力範囲外もしくは圧縮エアが流れている)であるかについての情報を受け取って記憶する記憶部81と、記憶部81に予め記憶された情報および前記各センサ4,5,6からの信号による情報を比較する演算部82と、演算部82による比較結果やその他情報を表示する表示部83等とを有している。なお、本実施形態の制御装置80と各センサ4,5,6とが電気や光などの信号線(有線)によって接続されることに代えて、電波などの無線によって接続されるようにしてもよい。
【0049】
前記の制御装置80の演算部82が、各センサ4,5,6から受け取った正常か異常かについての情報と、記憶部81に予め記憶された情報とを比較して、その比較結果から、上記表2に示されるような圧油給排システムの推測される異常状態を表示部83に表示する。なお、その推測される異常状態に対する対処方法(メンテナンス方法や修理箇所情報や修理方法)を表示部83に表示するようにしてもよい。
【0050】
本実施形態の圧油給排システムでは、上記3つの検出センサ4,5,6に加えて、別の油圧検出センサ85と液面検出センサ86を備える。その油圧検出センサ85は、ポンプ1の吐出ポート18と三方弁2の供給ポート34とを接続する流路に設けられ、その流路の圧油の圧力を検出する。その油圧検出センサ85と油圧検出センサ6との検出結果を比較することにより、ポンプ1内に不具合があるのか、三方弁2および圧力保障弁3とシリンダ10とを接続する間に不具合があるのかを検知できる。また、液面検出センサ86は、油タンク9に設けられ、油タンク9内の油の液面高さを検出する。他の検出センサ4,5,6によって、三方弁2や圧力保障弁3や配管等から漏れていると検知される場合に、その漏れた油が油タンク9に戻されているのか、外部へ流出されているのかを液面検出センサ86の検出結果から検知できる。これらの検出センサ85,86は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80が当該検出センサ85,86の検出結果を電気信号等の信号として受け取る。
【0051】
上記第2実施形態の圧油給排システムが、射出成型機やプレス装置や工作機械などに搭載されることがある。この場合には、金型やワークを固定するクランプ装置を構成するシリンダ10等に本実施形態の圧油給排システムが圧油を供給する。そのクランプ装置のシリンダ10において、エア圧検出センサ4とエア流量検出センサ5と油圧検出センサ6の検出結果から当該圧油給排システムが正常状態であると制御装置が判断した後に、シリンダ10の出力ロッドに退入方向への外力が作用することがある。たとえば、射出成型機等の金型固定ようのクランプ装置において、金型を型開するときに、そのクランプ装置に外力(型開力)が作用することがある。この場合に、制御装置が、その外力の大きさを算出することができ、その手順は次のようになる。
【0052】
まず、圧油給排システムの正常状態(上記表2の(1)-1に示す状態)における油圧検出センサ6の検出圧力情報(圧力値)を制御装置80に送信する。その検出圧力情報が基準圧力情報として記憶部81に記憶される。なお、検出圧力情報と共に情報取得時間や温度情報もあわせて記憶されるようにしてもよい。次いで、シリンダ10の出力ロッドに退入方向へ外力が作用していくと、シリンダ10の作動室47および流路の圧力が上昇していく。その検出圧力が所定圧力範囲を上回ると圧油給排システムが異常状態(たとえば、上記表2の(3)-1の状態)となる。その油圧検出センサ6の検出圧力情報等を制御装置80に所定間隔をあけて送信していき、そのたびに記憶部81に記憶する。その記憶部81には、作動室47の圧力から(ピストンと出力ロッドの断面積比などを考慮して)算出した算出外力情報が記憶されている。演算部82が検出圧力情報と算出外力情報とを比較して、検出圧力上に対応した算出外力情報を選び出して、その選んだ情報を表示部83に表示させる。これにより、作業者は、算出された外力の大きさを知ることができる。ここで、演算部82が算出外力情報を表示部83に送って表示部83に表示することに代えて、演算部82が算出外力情報を上記射出成型機等の制御装置に送り、その制御装置の表示部に表示してもよく、また、別の端末機器に送って表示してもよい。なお、算出外力情報は、作動室47の圧力から算出したものに代えて、予め測定した情報、たとえば、外力の大きさに応じた流路の圧油の圧力を予め測定しておいた測定値であってもよい。
【0053】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
上記の第2実施形態の圧油給排システムが制御装置80を備えることに代えて、本実施形態の圧油給排システムに接続される別のシステムが備える制御装置に無線、または、有線により電気的に接続するようにしてもよい。
上記の検出センサに代えて、または、加えて、圧油等の温度を検出する温度検出センサやポンプ等の振動を検出する振動検出センサなどを設けてもよい。
上記のエア流量検出センサ5が、圧縮エア源7とポンプ1とを接続する流路に設けられることに代えて、ポンプ1内または、ポンプ1のエア排出孔13に設けてもよい。
その他に、当業者が推測できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1:ポンプ,2:三方弁,3:圧力保障弁,4:エア圧検出センサ(エア圧検出装置),5:エア流量検出センサ(エア流量検出装置),6:油圧検出センサ(油圧検出装置),10:シリンダ(圧油給排対象物),80:制御装置.
【手続補正書】
【提出日】2024-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮エアが供給されることにより駆動されるポンプ(1)であって、圧油給排対象物(10)に圧油を供給するポンプ(1)と、
前記圧油給排対象物(10)に圧油を給排する流路の途中部に設けられると共に、前記ポンプ(1)から前記圧油給排対象物(10)に圧油が供給される状態と前記圧油給排対象物(10)から外部に圧油が排出される状態とに切り換える三方弁(2)と、
前記流路の圧油の圧力が所定圧力を上回るときに、前記流路の圧油の圧力を所定圧力を下回るように圧油を外部に排出させる圧力保障弁(3)と、
前記ポンプ(1)に供給される、または、前記ポンプ(1)から排出される圧縮エアの流量を検出するエア流量検出装置(5)と、
前記流路の圧油の圧力を検出する油圧検出装置(6)と、を備え、
前記流路の圧油の圧力が所定圧力範囲内であることが前記油圧検出装置(6)よって検出されると共に、前記ポンプ(1)に供給される、または、前記ポンプ(1)から排出される圧縮エアの流れがないことが前記エア流量検出装置(5)によって検出され、その2つの検出結果により前記ポンプ(1)が前記圧油給排対象物(10)に圧油を供給して停止している正常状態であることが検知される、
ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項2】
請求項1の圧油給排システムにおいて、
前記ポンプ(1)に供給される、または、前記ポンプ(1)から排出される圧縮エアの圧力を検出するエア圧検出装置(4)を備える、ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項3】
請求項1の圧油給排システムにおいて、
前記エア流量検出装置(5)と前記油圧検出装置(6)とから信号を受けて、圧油給排システムの状態を検知する制御装置(80)を備える、
ことを特徴とする圧油給排システム。
【請求項4】
請求項2の圧油給排システムにおいて、
前記エア圧検出装置(4)と前記エア流量検出装置(5)と前記油圧検出装置(6)とから信号を受けて、圧油給排システムの状態を検知する制御装置(80)を備える、
ことを特徴とする圧油給排システム。