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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161196
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 15/01 20060101AFI20241108BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241108BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20241108BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20241108BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241108BHJP
【FI】
F21V15/01 350
F21S2/00 230
F21S9/02 200
F21V31/00 100
F21V31/00 250
F21V31/00 300
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024151890
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2020175327の分割
【原出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】布施 純一
(57)【要約】
【課題】水の侵入を抑制する照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、取付対象部に取り付けられる第1照明器具と、電源を供給する第1電源部と、第1電源部から供給された電力によって点灯する第1光源部とを有し、第1照明器具に取り付けられる第1照明具と、電源を供給する第2電源部を収容し、第2電源部に接続される第2電線が挿入される通線孔が形成された第2本体部を有する第2照明器具と、第2電源部から供給された電力によって点灯する第2光源部と、第2電線が密着した状態で挿入され通線孔に取り付けられる第2電線止水具とを有し、第1照明具の外部において第1照明器具に取り付けられる第2照明具と、を備える。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象部に取り付けられる第1照明器具と、
電源を供給する第1電源部と、前記第1電源部から供給された電力によって点灯する第1光源部とを有し、前記第1照明器具に取り付けられる第1照明具と、
電源を供給する第2電源部を収容し、前記第2電源部に接続される第2電線が挿入される通線孔が形成された第2本体部を有する第2照明器具と、前記第2電源部から供給された電力によって点灯する第2光源部と、前記第2電線が密着した状態で挿入され前記通線孔に取り付けられる第2電線止水具とを有し、前記第1照明具の外部において前記第1照明器具に取り付けられる第2照明具と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記第2電線止水具は、
前記通線孔の周縁部に密着した状態で、前記第2電線と前記第2照明器具との間で弾性変形されるように配置されている
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2電線止水具は、筒形状をなしている
請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2電線止水具は、
前記第2電線が密着した状態で挿入される内筒部と、
前記内筒部の外側に接続され、前記通線孔の周縁部に取り付けられる外筒部と、
筒軸の方向の一端部において、前記内筒部と前記外筒部とを接続する接続部と、を有する
請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記内筒部は、
筒軸の方向又は筒軸の方向と交差する方向に弾性変形する
請求項4記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1照明具と第2照明具とを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1照明具と第2照明具とを備える照明装置が知られている。第1照明具は、例えば常用に点灯する常用照明装置であり、第2照明具は、例えば非常用に点灯する非常用照明装置である。照明装置において、天井等の取付対象部に取り付けられる照明器具に、第1照明具及び第2照明具が取り付けられている。特許文献1には、常用照明装置と、非常用照明装置と、常用照明装置及び非常用照明装置を支持する器具本体とを有する照明器具が開示されている。特許文献1は、常用照明装置と非常用照明装置とを器具本体に簡易に取り付けることを目的として、非常用照明装置が、非常用光源ユニットと、非常用光源ユニットを収容する筐体と、常用照明装置が固定される固定部材とを備えている。特許文献1は、非常用光源ユニットに電源を供給する非常用電源ユニットが、器具本体の内部且つ常用照明装置に対向する位置に設けられている。
【0003】
特許文献1に記載された照明器具は、防水された筐体の構造の簡素化を図るものであり、風雨に曝される場所で使用されることを想定して、止水性能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-137182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、器具本体の内部に止水構造が存在しない。このため、複数の部材において水が浸入するおそれがある。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水の侵入を抑制する照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明装置は、取付対象部に取り付けられる第1照明器具と、電源を供給する第1電源部と、第1電源部から供給された電力によって点灯する第1光源部とを有し、第1照明器具に取り付けられる第1照明具と、電源を供給する第2電源部を収容し、第2電源部に接続される第2電線が挿入される通線孔が形成された第2本体部を有する第2照明器具と、第2電源部から供給された電力によって点灯する第2光源部と、第2電線が密着した状態で挿入され通線孔に取り付けられる第2電線止水具とを有し、第1照明具の外部において第1照明器具に取り付けられる第2照明具と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第2電線止水具は、第2電線が密着した状態で挿入され通線孔に取り付けられる。このため、第2照明具は、優れた止水性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明装置を示す組立斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置を示す側面図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置を示す端面図である。
図4】実施の形態1に係る照明装置を示す底面図である。
図5】実施の形態1に係る照明装置を示す分解斜視図である。
図6】実施の形態1に係る照明装置を示す分解斜視図である。
図7】実施の形態1に係る第1照明具を示す斜視図である。
図8】実施の形態1に係る第1照明器具及び第2照明具を示す斜視図である。
図9】実施の形態1に係る第2照明具を示す組立斜視図である。
図10】実施の形態1に係る第2照明具を示す分解斜視図である。
図11】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す背面斜視図である。
図12】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す正面斜視図である。
図13】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す背面図である。
図14】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す側面図である。
図15】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す正面図である。
図16】実施の形態1に係る第2本体部及び配置具を示す図である。
図17】実施の形態1に係る開閉部を示す分解斜視図である。
図18】実施の形態1に係る光源止水具を示す下面斜視図である。
図19】実施の形態1に係る光源止水具を示す上面斜視図である。
図20】実施の形態1に係る吊具の態様を示す図である。
図21】第2電源部が第2本体部に取り付けられた状態を示す図である。
図22】第2電源部が第2本体部から取り外される途中又は取り付けられる途中の状態を示す図である。
図23】第2電源部が第2本体部から取り外される途中又は取り付けられる途中の状態を示す図である。
図24】実施の形態1に係る外部電線の引き込みを示す端面図である。
図25】実施の形態1に係る外部電線の引き込みを示す側面図である。
図26】光源止水具が光学部材及び支持部材に取り付けられる前の状態を示す図である。
図27】光源止水具が光学部材及び支持部材に載置された状態を示す図である。
図28】光源止水具が光学部材及び支持部材に押し込まれた状態を示す図である。
図29】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す斜視図である。
図30】実施の形態1に係る第2電線止水具を示す断面図である。
図31】実施の形態1に係る第2電線止水具において第2電線が曲げられた状態を示す斜視図である。
図32】実施の形態1に係る第2電線止水具において第2電線が曲げられた状態を示す断面図である。
図33】実施の形態1に係る係合溝の作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向(又は向き)を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向(又は向き)を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を示す組立斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る照明装置1を示す側面図であり、図3は、実施の形態1に係る照明装置1を示す端面図であり、図4は、実施の形態1に係る照明装置1を示す底面図である。照明装置1は、被照射領域に光を照射するものであり、図1図2図3及び図4に示すように、第1照明器具2と、第1照明具3と、第2照明具4とを備えている。
【0012】
以下の説明では、照明装置1の長手方向に沿った方向を、第1方向となる長手方向Xとする。また、長手方向Xに直交し、長手方向Xに対する短手方向に沿った方向を、第2方向となる短手方向Yとする。そして、長手方向X及び短手方向Yのいずれとも直交する方向を、第3方向となる上下方向Zとする。ここで、長手方向Xにおいて、第2照明具4の光学部材47から受光部(図示せず)への向きをX1とし、その反対の向きをX2とする。また、短手方向Yにおいて、第1照明具3から第2照明具4への向きをY1とし、その反対の向きをY2とする。更に、上下方向Zにおいて、照明装置1が取り付けられる取付対象部9、即ち、天井又は側壁等の側への向きを、上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり、照明装置1から光が照射される被照射領域側への向きを、下向きZ2とする。すなわち、上向きZ1は、第1照明具3又は開閉部44が取り付けられる向きであり、下向きZ2は、第1照明具3又は開閉部44が取り外される向きである。
【0013】
(第1照明器具2)
第1照明器具2は、天井又は側壁等の取付対象部9に取り付けられるものであり、第1照明器具2は、第1照明具3が及び第2照明具4が取り付けられる筐体である。第1照明器具2は、第1本体部20と第1端部23とを有する。第1照明器具2は、第1本体部20と第1端部23とで箱形状に形成されており、内部が第1照明具収容部28となっている。即ち、第1照明具収容部28は、第1本体部20の底壁部21、一組の側壁部22及び一組の第1端部23によって囲まれた空間である。底壁部21と対向する部分には開口部29が形成されている。第1照明具3が第1照明器具2に対して取り付けられたり取り外されたりする際に、第1照明具3の一部は開口部29から第1照明具収容部28に挿入される。
【0014】
このように、第1照明具収容部28は、第1照明具3が第1照明器具2に取り付けられた状態で、第1照明具3の一部を収容する収容部となる。第1照明具収容部28のうち、第1照明具3の一部が収容された状態で、第1照明具3に占有されていない部分は、第1照明具3に接続される第1電線37(図7参照)が経由し、配置される配線領域となる。また、第1照明具収容部28のうち、第1照明具3の一部が収容された状態で、第1照明具3に占有されていない部分は、第2照明具4に接続される第2電線67(図29参照)等が経由し、配置される配線領域となる。
【0015】
(第1本体部20)
第1本体部20は、長尺状に形成されており、長手方向Xを法線方向とする切断面の断面が略U字形状をなしている。第1本体部20は、底壁部21と2つで1組の側壁部22とを有する。底壁部21は、天井等の取付対象となる取付対象部9に沿って配置される取付部となる。なお、底壁部21は、天面部とも称する。底壁部21は、長手方向Xに沿って長尺状に形成されており、開口部29に対向して、長手方向X及び短手方向Yに延びる平板状に形成されている。対となる2つで一組の側壁部22は、底壁部21の短手方向Yの両端に配置されており、互いに向き合うように底壁部21から下向きZ2に延びている。ここで、第1本体部20は、金属製の板材をプレス加工又はロール加工等によって折り曲げて形成される。なお、第1本体部20は、押出成形又は三次元造形といった加工によって形成されるようにしてもよい。
【0016】
(第1端部23)
第1端部23は、第1本体部20の長手方向Xにおける両端に配置されている。第1端部23は、2つで一組となって対をなし、第1本体部20における長手方向Xの端部を覆う。第1端部23は、側壁部22同士を接続する。第1端部23には、第1端部23を一方向、例えば長手方向Xに貫通する円形状の端部貫通孔25が形成されている。第1端部23は、打ち抜き可能な円形状の器具蓋部24を有している。器具蓋部24は、打ち抜き加工によって外れるものであり、ノックアウトとも呼称される。器具蓋部24は、通常、端部貫通孔25を塞いでいる。端部貫通孔25が使用される際には、器具蓋部24は打ち抜かれて除去される。端部貫通孔25は、例えば、複数の照明装置1が長手方向Xに沿って設置される際に、隣り合う他の照明装置1等から電線を引き込む送り配線施工等に活用することができる。
【0017】
(連結部)
図5は、実施の形態1に係る照明装置1を示す分解斜視図である。図5に示すように、第1端部23の開口部29側には、連結部26が設けられている。連結部26は、第1端部23と一体に形成されており、下端側が長手方向Xにおける開口部29の中央側に向かって折り曲げて形成されている。連結部26には、第1照明具3を固定するために用いるネジである第1固定具32(図7参照)が固定される固定部27としてのネジ孔が形成されている。第1照明具3は、ネジである第1固定具32がネジ孔である固定部27にねじ込まれることによって、第1照明器具2に固定される。連結部26は、下端側が長手方向Xにおける開口部29の外側に向かって折り曲げて形成されているものであってもよい。
【0018】
図6は、実施の形態1に係る照明装置1を示す分解斜視図である。図6に示すように、第1照明器具2は、取付対象部9に設けられた吊ボルト81及び吊ボルト81に締め込まれるナットである器具取付具82及びワッシャである取付補助具83等を用いて、取付対象部9に取り付けられる。底壁部21には、吊ボルト81が挿通されるボルト挿通孔210及び外部電線89を引き込む、即ち挿通させる外部電線挿通孔211といった複数の貫通孔が形成されている。
【0019】
また、底壁部21には、第2照明具4を固定するためのネジ(図示せず)がねじ込まれる第2照明具固定部(図示せず)等の貫通孔が形成されている。一組の側壁部22のうち、一方の側壁部22は第2照明具4の第2照明器具40と隣接しており、第2本体部41の通線孔416(図10参照)と連通する連通部220(図6及び図8参照)が設けられている。
【0020】
(第1照明具3)
第1照明具3は、例えば常用即ち通常状態に点灯する常用照明具である。通常状態とは、照明装置1の外部から照明装置1に商用電源等の外部電力が供給される状態をいう。これに対して、非常状態とは、例えば、停電等の何らかの原因によって照明装置1の外部から照明装置1に商用電源等の外部電力が供給されない状態をいう。通常状態に、照明装置1が点灯状態である場合には、第1照明具3から被照射領域に向かって光が照射される。
【0021】
図7は、実施の形態1に係る第1照明具3を示す斜視図である。図7に示すように、第1照明具3は、第1照明器具2に取り付けられており、第1照明器具2及び第2照明具4と共に照明装置1を構成する。第1照明具3は、第1灯具、第1光源ユニット、常用照明具又は常用光源ユニット等とも呼称される。第1照明具3は、長手方向Xにおいて長尺状に形成されており、第1照明器具2に取り付けられて使用される。第1照明具3は、第1固定具32を用いて、第1照明器具2の長手方向Xにおける両端部の連結部26に取り付けられる。第1照明具3は、第1外郭部30、連結具31、台座34、第1光源部35及び第1電源部36等を有する。
【0022】
(第1外郭部30)
第1外郭部30は、第1照明具3の外郭を構成する部材である。第1外郭部30は、少なくとも可視光を透過する透光性の材料からなる。第1外郭部30は、長手方向Xにおいて長尺状に形成された外郭本体部300と、外郭本体部300の長手方向Xにおける両端部に配置される外郭端部302とを有する。外郭本体部300は筒形状に形成された透光性のカバーである。外郭本体部300の内部には、台座34、第1光源部35及び第1電源部36等が収容されており、これらの部材は外郭本体部300によって保護される。外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28から外部に露出している部分は、被照射領域に向かって光が発せられる部分であり、外観意匠部分である。
【0023】
外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28から外部に露出する部分は、台座34の光源配置面340を覆う。即ち、外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28から外部に露出する部分は、第1光源部35を覆う。また、外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28に収容され、外部に露出しない部分は、台座34の電源配置面341を覆う。即ち、外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28に収容され、外部に露出しない部分は、第1電源部36を覆う。また、外郭本体部300のうち、第1照明具収容部28に収容され、外部に露出しない部分は、第1本体部20の底壁部21及び一組の側壁部22と対向する。
【0024】
外郭本体部300は、ガラス又はポリカーボネイト(PC)、アクリル(PMMA)等の樹脂材料を用いて形成される透光カバーである。外郭本体部300は、押出成形によって筒形状に形成され、製品の仕様等に応じて必要な長さに切断されることによって製造される。なお、外郭本体部300は、積層造形によって形成されてもよい。更に、外郭本体部300は、製品の仕様等に応じて、光拡散性及び波長弁別性等を有するものであってもよい。また、外郭本体部300のうち、外部に露出しない部分は、反射性又は遮光性等を有する材料によって構成されてもよい。
【0025】
外郭端部302は、外郭本体部300の長手方向Xにおける端部を覆い、外郭本体部300の長手方向Xにおける端部の開口部である本体部開口301を塞ぐ。外郭端部302は、外郭本体部300との間に外郭止水具(図示せず)を挟んだ状態で、外郭本体部300の長手方向Xにおける端部に取り付けられる。外郭止水具は、樹脂材料を用いて製造されており、弾性変形するシール部材である。即ち、外郭止水具は、ガスケット又はパッキン等である。
【0026】
外郭止水具は、外郭本体部300の長手方向Xにおける両端部と外郭端部302との間に弾性変形を伴った状態で、外郭本体部300と外郭端部302とに密着する。これにより、本体部開口301が密閉されて、第1外郭部30は、液密性を得る。液密性とは、水等の液体が侵入することを防止する性能であり、水密性、防水性、防滴性又は防湿性等ともいう。外郭端部302は、例えば口出線である第1電線37を挿通させるための施工孔303が形成されており、施工孔303は、外郭止水具によって液密性が確保される。施工孔303は、不使用時に着脱自在の閉塞具304によって塞がれる。
【0027】
(連結具31)
連結具31は、第1照明具3を第1照明器具2に取り付けるための取付金具であり、第1照明具3の長手方向Xの両端部に備えられている。連結具31は、外郭端部302及び外郭止水具を挟んだ状態で、第1外郭部30の内部に収容された台座34の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。連結具31は、略Z字形状をなしており、第1照明具3が第1照明器具2に取り付けられた状態で第1照明器具2の連結部26に接する当接部310を有している。当接部310には、ネジである第1固定具32が挿通されるスリット状の挿通部311が形成されている。第1固定具32は、抜け止め座金等の保持具(図示せず)が装着されることによって、挿通部311から外れないように連結具31に取り付けられる。第1固定具32は、外郭端部302に形成された施工孔303から挿入されるドライバ等の工具によって操作される。
【0028】
(台座34)
台座34は、第1光源部35及び第1電源部36等を第1外郭部30の内部に配置するための部材である。台座34は、外郭本体部300の両端部に配置された連結具31に固定された状態で、第1外郭部30の内部に配置される。即ち、台座34は、外郭本体部300には直接固定されておらず、外郭本体部300の長手方向Xにおける両端に取り付けられる外郭端部302を介して外郭本体部300の内部に配置されている。台座34は、金属、樹脂又はセラミック等の材料を用いて板状に形成されている。台座34は、基台又はプレートとも呼称される。台座34の照射空間側の面である光源配置面340には、第1光源部35が取り付けられ、器具側の面である電源配置面341には、第1電源部36が取り付けられる。
【0029】
台座34は、長手方向Xに沿って折り曲げられたり、突状の壁部等が設けられたりしてもよい。これにより、台座34の剛性を向上させることができる。この際、台座34は、折り曲げ加工の他、押出成形又は積層造形等の加工方法を用いて形成される。また、放熱効率、即ち熱放射率又は光の利用効率、即ち反射率等を向上させるために、台座34に表面処理が施されたり、台座34に機能部材が敷設されたりしてもよい。
【0030】
(第1光源部35)
第1光源部35は、通常状態に点灯する第1発光素子350及び第1発光素子350が実装される第1光源基板351等を有する。第1光源部35は、第1発光部又は常用光源部等とも呼称される。また、第1光源部35は、第1光源モジュール又は第1発光モジュール等と呼称されることもあり、第1発光素子350として発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと呼称する)が用いられる場合は、第1LEDモジュールとも称する。
【0031】
第1発光素子350は、第1電源部36によって生成される点灯電力が供給されることによって発光する。第1発光素子350は、例えば、LED素子であり、第1光源基板351の実装面に、長手方向Xに沿って、列状又は千鳥状等に配列されて実装される。なお、第1発光素子350は、複数列に配列されてもよい。第1発光素子350は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配して、パッケージ化された面実装型の疑似白色LED素子である。なお、第1発光素子350は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等が用いられてもよい。第1光源基板351は、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)又は金属ベース基板等が用いられる。
【0032】
(第1電源部)
第1電源部36は、第1光源部35を点灯させるものである。第1電源部36は、電源回路(図示せず)が内蔵され、電源線(図示せず)を介して商用電源からの電力を第1光源部35に供給し、第1光源部35を点灯させる。第1電源部36は、第1電線37を経由して照明装置1の外部から供給される外部電力を、第1発光素子350を点灯させる点灯電力に変換して、第1給電線(図示せず)を経由して第1発光素子350に供給する。第1電源部36は、台座34の電源配置面341に取り付けられた状態で第1外郭部30の内部に配置されている。
【0033】
第1電線37には、電力供給線、接地線及び制御線等が含まれる。第1電線37の一方の端部は第1電源部36と電気的に接続され、他方の端部は外部電線89と電気的に接続される。なお、第1電源部36は、第1外郭部30の内部に設けられるものではなく、第1照明器具2に取り付けられる構成であってもよい。この場合、第1電線37は、第1給電線と共に点灯電力の供給経路となる。
【0034】
(第2照明具4)
第2照明具4は、例えば非常用即ち非常状態に点灯する非常用照明具である。非常状態とは、前述の如く、例えば、停電等の何らかの原因によって照明装置1の外部から照明装置1に商用電源等の外部電力が供給されない状態をいう。非常状態に、照明装置1が点灯状態である場合には、第2照明具4から被照射領域に向かって光が照射される。
【0035】
図8は、実施の形態1に係る第1照明器具2及び第2照明具4を示す斜視図である。なお、図8は、第2照明器具40の取付部411から開閉部44が外された状態を示している。図8に示すように、第2照明具4は、第1照明具3の外部において第1照明器具2に取り付けられており、第1照明器具2、及び第1照明具3と共に照明装置1を構成する。第2照明具4は、第2灯具、第2光源ユニット、非常用照明具又は非常用光源ユニット等とも呼称される。第2照明具4は、第1照明器具2の短手方向Yにおいて、第1照明具収容部28の外側に配置されている。
【0036】
第2照明具4は、長手方向Xにおいて長尺状に形成されており、第1照明器具2の長手方向Xに沿って取り付けられている。第2照明具4は、第1照明器具2の短手方向Yにおいて、第1照明具3と並んで配置されており、第2照明具4は、被照射領域側から視た下面視において、第1照明具3の長手方向と第2照明具4の長手方向とが並行するように配置されている。
【0037】
そして、第2照明具4の発光領域は、第1照明器具2の長手方向Xにおける中央部に配置される。第2照明具4の発光領域は、配置部481(図17参照)と重なる領域である。本実施の形態1において、第2照明具4の発光領域の中心は、第1照明具3の発光領域である外郭本体部300の長手方向Xにおける中央部に配置される。
【0038】
図9は、実施の形態1に係る第2照明具4を示す組立斜視図であり、図10は、実施の形態1に係る第2照明具4を示す分解斜視図である。図8図10に示すように、第2照明具4は、第2照明器具40、開閉部44、吊具70及び接続具75等を有する。第2照明器具40及び開閉部44は、第2照明具4の外郭を構成する。第2照明具4は、第2照明器具40に取り付けられる接続具75によって第1照明器具2と接続される。開閉部44は、第2光源部50を有しており、第2照明器具40に対して着脱自在に取り付けられる。
【0039】
(第2照明器具40)
第2照明器具40は、略直方体状に形成された第2照明具4の外郭を構成する部材である。図10に示すように、第2照明器具40は、第2本体部41と、第2端部43と、端部止水具62と、配置具66と、制御部63と、第2電源部64とを有する。ここで、制御部63及び第2電源部64は、配置具66に配置された状態で第2照明器具40の内部に収容されている。また、開閉部44と配置具66とは、吊具70によって物理的に接続されている。第2照明器具40は、液密性を有している。
【0040】
(第2本体部41)
第2本体部41は、略四角筒形状をなしており、第2本体部41の両端の本体端部423は開口した端部孔424となっている。第2本体部41は、天面部410と、取付部411と、内側面部412と、外側面部413と、側壁414とを有する。天面部410は、第2本体部41の天面を構成する部材であり、取付対象部9の側に配置される。取付部411は、第2本体部41の底面を構成する部材であり、天面部410よりも被照射領域の側に配置される。内側面部412は、天面部410と取付部411とにおける第1照明具3の側の内側縁部同士を接続する部分である。
【0041】
外側面部413は、天面部410と取付部411とにおける内側縁部と反対側の外側縁部同士を接続する部分である。なお、天面部410と取付部411とは対向しており、内側面部412と外側面部413とは対向している。第2本体部41の内部には、配置具66を取り付ける配置具保持部417が形成されている。第2本体部41の内部には、配置具66を保持する係合突起部418及び保持突起部419が設けられている(図16参照)。第2本体部41は、第2電源部64を着脱自在に収容する。
【0042】
側壁414は、内側面部412及び外側面部413から、天面部410と反対の側に並行して、取付部411から突出するように形成された部分である。側壁414は、取付部411に取り付けられる開閉部44を案内すると共に、レンズである光学部材47と外郭本体部300とを光学的に遮る。取付部411には、ネジである第3固定具57を用いて第2光源部50(図17参照)を有する開閉部44が取り付けられる。ネジである第3固定具57は、開閉部44の外観部45に形成されたネジが挿入される孔である固定部454(図17参照)に挿通され、取付部411に形成されたネジが挿入される孔である取付部固定部420にねじ込まれる。
【0043】
取付部411には、着脱孔415が形成されている。着脱孔415には、第2電源部64から第2光源部50に点灯電力を供給する経路となる第2給電線51(図17参照)が挿入されると共に、開閉部44と配置具66とを接続する吊具70が挿入される。着脱孔415は、第2電源部64を着脱する際の経路となるため、第2電源部64が通過することができるように第2電源部64よりも大きく且つ第2電源部64の形状に沿った形状及び寸法で形成されている。なお、第2電源部64は、着脱孔415に対向する位置から逸れた位置に配置されている。
【0044】
内側面部412には、円形状の通線孔416が形成されている。通線孔416は、第1照明器具2から第2照明器具40に引き込まれる第2電線67(図29参照)が挿通される。なお、通線孔416には、第2電線止水具61が取り付けられている。第2電線止水具61は、第2電線止水具61に挿入される第2電線67と通線孔416の周縁部とに密着している。ここで、第2本体部41と第2端部43とは、金属材料等の不燃性の材料を用いて形成される。このように、第2照明器具40は、不燃性と止水性とを有する筐体である。通線孔416は、第2照明具4が第1照明器具2に取り付けられた状態で、第2本体部41における第1照明器具2の側の一部に形成されている。通線孔416は内側面部412を貫く貫通孔である。
【0045】
(第2電線止水具61)
図11は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す背面斜視図であり、図12は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す正面斜視図である。図13は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す背面図である。図14は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す側面図である。図15は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す正面図である。図11図12図13図14及び図15に示すように、第2電線止水具61は筒形状をなしている。
【0046】
第2電線止水具61は、内筒部610と、外筒部612と、接続部614とを有する。内筒部610は、第2電線67に接して密着するものである。内筒部610は、筒軸の方向又は筒軸の方向と交差する方向に弾性変形する。外筒部612は、通線孔416の周縁部に接して密着するものである。接続部614は、内筒部610及び外筒部612の筒軸に沿う方向における一端部において、内筒部610と外筒部612とを接続するものである。第2電線止水具61には、内側面部412に係合する溝部613が形成されている。
【0047】
第2電線止水具61は、一端部よりも他端部の側において、内筒部610と外筒部612とが離間しているため、外筒部612が通線孔416の周縁部に密着した状態で、内筒部610は弾性変形による変位よりも大きな変位が可能である。なお、内筒部610には、内側面部412を貫く方向に沿って貫通する通線部611が形成されている。第2電線止水具61は、通線孔416の周縁部に密着した状態で、第2電線67と第2照明器具40との間で弾性変形するように配置されている。
【0048】
(第2端部43)
第2端部43は、略長方形状をなしており、第2本体部41の筒軸の方向における両端に配置される。第2端部43は、第2本体部41の本体端部423を覆い、両端部の開口である端部孔424を塞ぐ。第2端部43は、第2本体部41との間に端部止水具62を配置した状態で、ネジである第4固定具60を用いて第2本体部41に固定される。第4固定具60は、第2端部43に形成されたネジの挿通孔430に挿通され、第2本体部41に形成された係合溝421(図16参照)にねじ込まれる。
【0049】
(端部止水具62)
端部止水具62は、第2端部43が第2本体部41に固定された状態で、弾性変形を伴いながら本体端部423と第2端部43とに密着する。端部止水具62は、第2本体部41と本体端部423との間に介在する。
【0050】
(配置具66)
図16は、実施の形態1に係る第2本体部41及び配置具66を示す図である。図10及び図16に示すように、配置具66は、金属製の板材を折り曲げ加工して形成されている。配置具66は、基部660と、制御部配置部661と、制御部保持部662と、第2電源部配置部663と、第2電源部保持部668とを有している。基部660は、配置具66の本体部であり板状をなす。制御部配置部661は、基部660に接続された板状をなす部分であり、制御部63が配置される。
【0051】
制御部保持部662は、基部660の一部が切り起こされて形成された対向する一対の板状の部分である。一対の制御部保持部662は、制御部63を挟持して保持する。第2電源部配置部663は、基部660から立ち上がった部分から基部660と平行に延びる板状の部分である。第2電源部配置部663には、第2電源部64が配置される。このように、第2電源部配置部663は、第2電源部64が基部660と接触しないように形成されている。即ち、第2電源部配置部663は基部660とL1だけ離れて配置されており、第2電源部配置部663と基部660との間には空間Sが形成される。空間Sは、配線空間として機能し、第2電線67等が配置される。
【0052】
第2電源部保持部668は、第2電源部配置部663の先端から延びる弾性部を有する部材であり、第2電源部配置部663に取り付けられている。着脱孔415を通過して第2電源部配置部663に配置される第2電源部64は、第2電源部保持部668によって、第2電源部配置部663と外側面部413(図16の矢印C)とに押し付けられた状態で保持される。なお、第2電源部保持部668は、弾性を有する部材に限定されない。第2電源部配置部663は、基部660と第2電源部保持部668との間に介在し、第2電源部保持部668と共に第2電源部64を挟持する。
【0053】
配置具66は、基部660が、第2本体部41に形成された配置具保持部417に端部からスライド(図10の矢印A)しながら嵌め込まれることによって、制御部63及び第2電源部64を第2本体部41の内部に収納する。この際、第2電源部配置部663が、第2本体部41の外側面部413に近い位置となるように配置される。
【0054】
第2電源部64は、配置具66に配置された状態では、開閉部44と離間するため、第2電源部64が開閉部44を損傷させるおそれがない。第2電源部64は、第2照明器具40における第1照明具3側とは反対側に配置されているため、第1照明具3から発生する動作熱の影響を受け難い。また、第2電源部64は、第2電源部配置部663と外側面部413とに接するように保持されるので、第2本体部41に対する熱伝達が促進される。
【0055】
なお、第2電源部64を交換する際に、第2本体部41の取付部411から取り外される開閉部44が落下しないように、開閉部44は、吊具70によって、第2本体部41に収納された配置具66と物理的に接続されている。
【0056】
(制御部63)
制御部63は、制御装置(図示せず)と、制御装置を収容した状態で配置具66に取り付けられるケース630とを有する。ケース630には、開閉部44の通信部451に対応した位置に送受信部631が設けられ、開閉部44の表示部452に対応した位置に報知部632が設けられている。制御部63は、第2電源部64に対する充放電動作の制御又は第2電源部64の点検動作の制御の機能等を有する。
【0057】
(第2電源部64)
第2電源部64は、例えば蓄電池であり、充電池又は充電バッテリ等とも呼称される。第2電源部64と制御部63とは、充放電線65によって電気的に接続される。第2電源部64は、制御部63から送信された指令に基づいて、充電(蓄電)又は放電の動作を行う。第2電源部64は、非常状態において、放電の動作を行い、第2光源部50に対して点灯電力を供給する。充放電線65が切り離されることによって、第2電源部64を取り外すことができる。
【0058】
第2電源部64は、止水性、即ち防水性が確保された第2照明器具40の内部に収容されるため、一般環境で用いられる汎用性が高い種類を使用することができる。このため、本実施の形態1は、第2電源部64専用の止水ケースを用いる必要がなく、止水機能が付加された非常用電源ユニットを新規に用いる必要もない。第2電源部64は、第1照明具3が第1照明器具2に取り付けられた状態で、第2本体部41に着脱自在に収容される。
【0059】
なお、第2本体部41を貫く全ての貫通孔は、止水されている。ネジ等の固定具が挿通されたりねじ込んだりされるための貫通孔には、弾性変形を伴い貫通孔を塞ぐ弾性ワッシャ等の止水固定具58が設けられている。これにより、第2照明器具40の止水性を確保することができる。なお、止水のために用いられる止水具は、ガス透過性を有することが好ましい。また、第2本体部41を貫く貫通孔は、液体等が滞留しやすい天面部410及び風雨に曝されやすい外側面部413には形成されておらず、取付部411及び内側面部412にのみ形成されている。このため、第2照明具4は、風雨等に曝される環境に設置された場合であっても、止水性を確保することができる。
【0060】
(開閉部44)
図17は、実施の形態1に係る開閉部44を示す分解斜視図である。開閉部44は、第2本体部41の取付部411に形成された着脱孔415を開閉する部材である。図17に示すように、開閉部44は、支持板53、絶縁板52、第2光源部50、支持部材48、光源止水具46、光学部材47及び外観部45等を有する。非常状態において、第2電源部64から第2給電線51を経由して点灯電力の供給を受けて点灯する第2光源部50は、絶縁板52を間に挟んだ状態で支持板53に配置される。第2光源部50は、光学部材47と光学部材47が支持される支持部材48とからなる被覆部材47aに覆われている。
【0061】
(支持板53)
支持板53は、第2本体部41の取付部411に取り付けられ、開閉部44のその他の部材を支持する板状の部材である。支持板53は、金属材料等の不燃性の材料を用いて形成されている。支持板53には、第2給電線51が挿入される第2給電線挿通孔530が形成されている。第2給電線挿通孔530には、第2給電線止水具55が取り付けられており、水の侵入が抑制されている。支持板53には、制御部63から報知光を透過する報知光通過孔531が形成されている。なお、支持板53には、ネジ孔である支持板固定部532が形成されている。第2給電線止水具55と報知光通過孔531とは、透光止水具56によって止水されている。報知光通過孔531といった外観部45に形成された内部が視認される窓は、透光止水具56によって塞がれている。
【0062】
(絶縁板52)
絶縁板52は、第2光源部50を絶縁する板状の部材である。絶縁板52は、第2光源部50と支持板53との間に介在して、第2光源部50を絶縁する。また、絶縁板52には、ネジ孔である絶縁板固定部520が形成されている。
【0063】
(第2光源部50)
第2光源部50は、非常状態に点灯する1以上の第2発光素子501及び第2発光素子501が実装される第2光源基板500等を有する。第2光源部50は、第2発光部、非常用光源部等とも呼称される。また、第2光源部50は、第2光源モジュール、第2発光モジュール等と称することもあり、発光素子として発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと呼称する)を用いる場合は、第2LEDモジュールとも称する。第2光源部50の側辺部は、支持部材48に設けられた複数の突起部(図示せず)に案内され、位置決めされた状態で支持部材48に配置される。なお、第2光源部50は、複数の第2発光素子501を用いる場合に、複数の第2光源基板500に実装されてもよい。
【0064】
第2発光素子501は、第2電源部64によって生成される点灯電力が供給されることによって発光する。第2発光素子501は、例えば、LED素子であり、第2光源基板500の実装面に、光学部材47の光学中心に対応して配列され実装される。第2発光素子501は、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配して、パッケージ化された面実装型の疑似白色LED素子である。第1発光素子350は、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等が用いられてもよい。第1光源基板351は、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)又は金属ベース基板等が用いられる。
【0065】
(支持部材48)
支持部材48は、第2光源部50及び光学部材47を支持する板状の部材である。支持部材48には、第2光源部50から発せられる光が通過する光透過部482が形成されている。光透過部482は、支持部材48を貫く貫通孔として形成されているが、透光性の材料で覆われてもよい。支持部材48は、第2光源部50の光軸が光学部材47の光学制御部470(図17参照)を通過するように、第2光源部50と光学部材47との位置を合わせる。光学部材47と支持部材48とからなる被覆部材47aと外観部45との間には光源止水具46が配置される。
【0066】
(光源止水具46)
図18は、実施の形態1に係る光源止水具46を示す下面斜視図であり、図19は、実施の形態1に係る光源止水具46を示す上面斜視図である。図18及び図19に示すように、光源止水具46は、概略楕円形の環状の部材である。光源止水具46は、弾性を有する樹脂材料を用いて形成されており、シリコーンゴム等の材質が好適である。光源止水具46は、楕円形の環状に形成された基部461と、基部461の一方の側の略中央から突出する環状の突起部460とを有する。突起部460と基部461とは、一体的に形成されている。
【0067】
更に、光源止水具46は、基部461の他方の側の略中央から突出する環状の隆起部464と、基部461の他方の側の隆起部464より内側から突出する第1止水部463と、位置決め片462とを有する。隆起部464は、基部461において突起部460に接続された側とは反対側から隆起する。光源止水具46は、全体として、Z方向に沿った断面視においてT字状の一体的な溝部を構成している。即ち、光源止水具46のZ方向に沿った断面形状は、溝部のZ方向に沿った断面形状に対応している。光源止水具46は、外観部45に形成された光透過孔450の周縁部を被覆部材47aとの間に弾性変形を伴って配置される。このように、光源止水具46は、被覆部材47aと光透過孔450の周縁部との間に介在し、弾性力を有するものである。
【0068】
(光学部材47)
光学部材47は、第2発光素子501から発せられる光の配光を制御するレンズであり、非常用光源として必要な範囲へ照射する配光特性を有している。光学部材47は、非常状態に必要とされる範囲に光が照射されるように光の進行方向を制御する。光学部材47は、例えば、バッドウィング形の配光特性を有している。光学部材47は、ガラス等の透光性と不燃性とを有する材料で成形される。光学部材47は、支持部材48に設けられた配置部481(図17参照)に配置される。この状態で、光学部材47は、光が入射する側が配置部481に接している。
【0069】
(外観部45)
外観部45は、金属材料等の不燃性の材料を用いて形成されており、開閉部44が第2本体部41に取り付けられた状態で、第2照明器具40の一部を構成する。外観部45は、被照射領域に露出するものであり、第2照明具4の意匠部分である。外観部45には、第2光源部50から発せられ光学部材47を透過した光が、被照射領域に照射されるように形成された光透過孔450が形成されている。外観部45は、点検時等に使用される通信信号を送受するための通信部451、及び、点検動作の状況等を確認するための表示部452を有する。外観部45は、内側縁部から、被照射領域の側に突出するように形成され、光学部材47と外郭本体部300とを光学的に遮るための遮蔽部455を有する。外観部45を基準として、下方(Z2)に向かう遮蔽部455の寸法は、光透過孔450から下方(Z2)に突出する光学部材47の突出寸法よりも大きい。
【0070】
このように、開閉部44は、第2光源部50より外観部45の側が、光源止水具46によって止水性が確保される。また、第2本体部41に取り付けられた際に止水性を確保するために、取付部411との間に配置される開閉部止水具54を有する。なお、第2電源部64と第2光源部50とを電気的に接続する第2給電線51は、第2給電線止水具55が装着された支持板53の第2給電線挿通孔530に挿入される。また、外観部45と支持板53との間には、外観部45に形成された貫通孔である通信部451と表示部452、及び、支持板53に形成された報知光通過孔531を塞ぐように、透光止水具56が弾性変形を伴って配置されている。
【0071】
外観部45に設けられたネジ挿通孔である固定部454から挿通されるネジである第3固定具57が、支持板53に設けられたネジ孔である支持板固定部532にねじ込まれることによって、開閉部44の各構成は一体化されて組み立てられる。
【0072】
(吊具70)
図20は、実施の形態1に係る吊具70の態様を示す図である。開閉部44は、第2電源部64の交換のために着脱される際、第2照明器具40から取り外される。この際、図20に示すように、開閉部44が落下しないように、開閉部44は、落下防止ワイヤである吊具70によって配置具66と接続されている。吊具70は、開閉部44が第2照明器具40に取り付けられた状態で、開閉部44における吊具固定部A533と配置具66における吊具固定部B669とが互いに離れるように配置される。
【0073】
本実施の形態1では、吊具固定部A533と吊具固定部B669とが対角に配置されている。吊具固定部A533と吊具固定部B669とが対角に配置されることによって、開閉部44が第2照明器具40に取り付けられた状態で、吊具70が開閉部44と第2照明器具40との間に挟み込まれるおそれがなくなる。従って、第2照明具4は、確実に止水性、即ち防水性が保たれる。よって、組み立て作業の品質及び施工作業の品質が向上する。また、開閉部44が第2照明器具40から取り外された状態で、充分な作業空間を確保することができるため、第2電源部64の交換時に着脱が容易である。即ち、第2照明具4は、メンテナンス性に優れる。
【0074】
(接続具75)
接続具75は、第2照明具4を第1照明器具2に取り付けるための部材である。接続具75は、金属製の板材をL字形状に折り曲げ加工して形成されている。接続具75は、一方の面である固定部750がリベット等の第7固定具76を用いて第2本体部41の内側面部412に固定され、他方の面である接続部751がネジである第6固定具77を用いて第1照明器具2の底壁部21に固定される。上記のとおり、接続具75はL字形状をなしているため、剛性が高く形状安定性に優れており変形し難い。このため、第2照明具4は、第1照明器具2に対して強固に固定される。
【0075】
また、第1照明器具2に固定された第2照明具4は、風圧及び振動といった外乱の影響を受け難く、長期に渡って姿勢が維持される。なお、本実施の形態1では、接続具75は、第1照明器具2及び第2本体部41のいずれとも別体の構成として例示しているが、接続具75は、第1照明器具2又は第2本体部41のうち少なくともいずれかと一体的に形成された構成であってもよい。
【0076】
(第2電源部64の着脱態様)
図21は、第2電源部64が第2本体部41に取り付けられた状態を示す図である。図22は、第2電源部64が第2本体部41から取り外される途中又は取り付けられる途中の状態を示す図である。図23は、第2電源部64が第2本体部41から取り外される途中又は取り付けられる途中の状態を示す図である。次に、第2電源部64の着脱態様について説明する。第2電源部64の取り外し又は取り付けは、開閉部44が第2照明器具40の取付部411から取り外された状態で行われる。なお、第1照明器具2から第1照明具3が取り外される必要はない。第2電源部64の取り外しは、図21図22図23の順に行われ、第2電源部64の取り付けは、図23図22図21の順に行われる。その際、第2電源部64は、図22の矢印Bに沿って移動すると、第2電源部保持部668が矢印Dの向きに広がる。ここで、第2電源部64の側面と着脱孔415の縁部とはL2だけ重なっている。このため、第2電源部64を、そのまま下方(Z2の向き)に取り出すことはできない。そこで、第2電源部64が側方(Y2の向き)にずらされる。このように、第2電源部64は、図23の矢印Fに沿って移動すると、第2電源部保持部668が矢印Eの向きに更に広がる。これにより、第2電源部64は、着脱孔415から取り出される。第2電源部64は、第2本体部41の天面部410よりも取付部411に近い位置、即ち通線孔416に近い位置に配置されているため、交換時の着脱の作業性に優れている。
【0077】
照明装置1が天井等の取付対象部9に設置された状態では、第2電源部64は、取り外す際に上下方向Zの下向きZ2に移動して落下する。本実施の形態1では、第2電源部64は、第2本体部41の取付部411と重なるように配置されているので、下向きZ2に移動して落下した場合でも、取付部411に接触して移動が規制される。これにより、第2電源部64は、第2照明器具40の外側への落下を防止することができる。このため、第2電源部64の交換時の着脱の作業の安全性が向上する。即ち、本実施の形態1は、メンテナンス性に優れる。
【0078】
以上説明したように、第2電源部64は、第2照明器具40の第2本体部41に着脱自在に収容されているため、第2電源部64の交換作業が容易である。また、第2照明器具40は液密性を有しているため、第2電源部64に止水機能を付加する必要がない。このため、第2電源部64として、一般屋内環境用の非常用照明装置に使用される電源を流用することができ、汎用性が高い。
【0079】
また、前述の如く、照明装置1は、第2電源部64の交換時に着脱される際に、第1照明器具2から第1照明具3を取り外す必要がない。このため、照明装置1は、第2電源部64の交換時の着脱を簡便に実施することができ、作業の効率性が向上する。即ち、本実施の形態1は、メンテナンス性に優れる。
【0080】
(外部電線89の引き込み)
次に、第1照明器具2の内部に外部電線89が引き込まれる態様の一例について説明する。照明装置1は、止水性を備えた常用光源ユニットである第1照明具3と、非常用光源ユニットである第2照明具4とを備え、風雨が吹き込む環境又は湿潤な環境に設置可能な仕様となっている。このような環境における電気設備施工では、電線管86を用いて、外部電線89を電線管86の内部に挿通させる配線施工が行われる場合がある。
【0081】
電線管86は、外部電線89を衝撃及び張力等から保護すると共に、耐候性及び耐光性の向上によって電線の劣化を抑制する。また、外部電線89の交換を容易にする等の効果も得られる。このように、電線管86を用いた電気設備施工は、安全性及び施工性といった点で効果を奏する。また、天井及び壁といった取付対象部9の内部に外部電線89を配置することができない施工物件においても、電線管86を用いることによって外部電線89を隠蔽して配置することができるため、美観の向上にも繋がる。
【0082】
図24は、実施の形態1に係る外部電線89の引き込みを示す端面図である。図25は、実施の形態1に係る外部電線89の引き込みを示す側面図であり、図24における矢印Hの向きに視た図である。図24及び図25に示すように、照明装置1において、電線管86の内部に挿通されている外部電線89は、第1照明器具2の内部である第1照明具収容部28に引き込まれる。その際、外部電線89は、第1照明器具2の第1端部23に設けられたノックアウトである器具蓋部24が打ち抜かれることによって形成される端部貫通孔25を経由する。外部電線89は、第1電源部36又は第2電源部64に対して外部電力を供給したり、制御信号等の通信信号を送受したりするものである。
【0083】
ノックアウトである器具蓋部24が除去されることによって、第1端部23に形成される端部貫通孔25には、電線管86が嵌め込まれた状態で保持するためのコネクタである電線管保持具87が配置される。電線管保持具87は、第1端部23の外側から端部貫通孔25に挿入される。第1端部23の内側には、ブッシング又はナットである取付固定具88が配置される。取付固定具88は、電線管保持具87にねじ込まれた状態で、第1端部23に係止され、電線管保持具87と共に第1端部23に固定される。このように、電線管保持具87は、取付固定具88と係合することによって、第1照明器具2に固定されている。
【0084】
想定される電線管86の最大直径寸法L3は、概ね25mm程度であり、第1端部23には、この寸法に対応した電線管保持具87及び取付固定具88が取り付けられる。照明装置1は、第1端部23の内側において、第1照明具3及び第2照明具4と接触することなく、電線管保持具87及び取付固定具88を配置することができる空間が形成されている。
【0085】
照明装置1は、第2照明具4が第1照明具3の短手方向Yに沿って、第1照明具3と隣り合うように配置されているため、照明装置1の長手方向Xの端部において、電線管保持具87及び取付固定具88の配置が妨げられない。また、照明装置1の長手方向Xの端部において、外部電線89の引き込み又は隣接する照明装置1への送り配線が妨げられない。
【0086】
また、照明装置1は、長手方向Xにおける両端部から、外部電線89を第1照明器具2の第1照明具収容部28に引き込むことができる。このため、照明装置1の長手方向Xにおける設置の向きを自由に選択することができ、施工の自由度が高くなる。そして、第1照明器具2に取り付けられている第2照明具4においても、施工の自由度が高くなる。
【0087】
また、照明装置1は、長手方向Xに沿って設置された隣り合う他の照明装置1等に対して、照明装置1の長手方向Xにおける両端部から送り配線の施工が可能である。即ち、隣り合う他の照明装置1等は、照明装置1に対する設置の位置を自由に選択することができ、施工の自由度が高くなる。また、いずれの位置に設置された場合であっても、複雑な配線経路とならず配線長も短くなるため、施工性が向上する。このように、本実施の形態1は、第1照明器具2の両端部に端部貫通孔25が形成されている。よって、第1照明器具2の両端部から外部電線89を挿入することができる。
【0088】
電線管86が、第1照明器具2に取り付けられた電線管保持具87に保持されることによって、照明装置1の取付対象部9に対する取り付けを補助する効果も併せて奏する。なお、端部貫通孔25を用いずに配線施工が行われる場合には、器具蓋部24が打ち抜かれる必要はなく、端部貫通孔25は器具蓋部24によって閉塞されていてもよい。本実施の形態1では、端部貫通孔25が照明装置1の長手方向Xにおける端部に形成されている場合について例示したが、これに限定されない。電線管保持具87及び取付固定具88が、第1照明具3及び第2照明具4と接触しなければ、例えば、端部貫通孔25が第1本体部20の側壁部22に形成されてもよい。
【0089】
なお、第1照明器具2の内部に引き込まれる外部電線89は、電線管86及び端部貫通孔25を経由するものに限定されない。例えば、外部電線89は、天井又は側壁等の取付対象部9から底壁部21に形成された外部電線挿通孔211を経由して第1照明器具2の内部に引き込まれてもよい。
【0090】
(光源止水具46の作用)
図26は、光源止水具46が光学部材47及び支持部材48に取り付けられる前の状態を示す図である。図27は、光源止水具46が光学部材47及び支持部材48に載置された状態を示す図である。図28は、光源止水具46が光学部材47及び支持部材48に押し込まれた状態を示す図である。次に、光源止水具46の作用について説明する。図26図27及び図28に示すように、光学部材47は、周縁部471を有する。周縁部471は、第2発光素子501の側から入射する光に配光制御を加えて被照射領域の側へ出射する光学制御部470及び光学制御部470の周囲に形成され光学部材47の光軸と交わる向きに延びるものである。
【0091】
支持部材48は、略板状の部材である。支持部材48は、光学部材47の側に光学部材47が配置される配置部481が設けられており、配置部481には、第2発光素子501から発せられる光を通過するように、配置部481を貫通する光透過部482(図17参照)が形成されている。支持部材48は、配置部481を取り囲むように段差部483を有している。本実施の形態1では、支持部材48は、2つの段差部483を有しており、具体的には、配置部481の外周縁に沿って設けられた第1段差部485及び第1段差部485の外周縁に沿うように設けられた第2段差部490である。
【0092】
第1段差部485は、配置部481を基準として光学部材47の周縁部471よりも低い位置に形成され、第1段差部485は、配置部481を基準として第1段差部485よりも外側に形成され、第1段差部485よりも高い位置に形成されている。第1段差部485及び第2段差部490は、環状に連続して形成されてもよいし、不連続に形成されてもよい。また、第1段差部485及び第2段差部490は、複数に分割して離散して形成されてもよい。
【0093】
第1段差部485は、配置部481に沿った方向に延びる第1配置面486、光学部材47の側に面した第1側面487、及び第1側面487から配置部481に近付くに従って低くなるように傾斜する第1傾斜部488からなる。第2段差部490は、配置部481に沿った方向に延びる第2配置面491、光学部材47の側に面した第2側面492、及び第2側面492から配置部481に近付くに従って低くなるように傾斜する第2傾斜部493からなる。第1傾斜部488及び第2傾斜部493は、いずれも曲面をなしているが、平面又は曲面と平面とが組み合わされた面であってもよい。
【0094】
被覆部材47aを構成する光学部材47と支持部材48とが向き合う位置には、光学部材47と支持部材48との間に、光学部材47と支持部材48とによって環状の溝部496が形成されている。溝部496は、光透過孔450の周縁部より外側且つ第2照明器具40に対向する位置に形成されている。具体的には、光学部材47の周縁部471と第1段差部485とからなる第1溝部497及び光学部材47の周縁部471と第2段差部490とからなる第2溝部498が形成される。第1溝部497及び第2溝部498は、Z方向に沿って重なっており、全体として、Z方向に沿った断面視においてT字状の一体の溝を構成している。溝部496は、配置部481に配置された光学部材47と段差部483とから形成されている。光源止水具46は、溝部496に配置された状態で、第2照明器具40と被覆部材47aとの間に介在する。
【0095】
光源止水具46は、溝部496に配置された状態で、外観部45、光学部材47及び支持部材48によって、加圧又は押圧されて、弾性変形する。即ち、外観部45の側から加圧又は押圧された隆起部464は、基部461と共に突起部460を第1溝部497に向かって押し込み、突起部460は、光学部材47と支持部材48とに密着する(図26及び図27の矢印C)。ここで、第1溝部497を構成する第1段差部485は、第1側面487から配置部481に近付くに従って低くなるように傾斜する第1傾斜部488を有している。このため、突起部460は、外周部472の側に誘導されながら弾性変形する(図28の矢印D)。
【0096】
よって、光学部材47と支持部材48との間に製造バラツキ等による隙間があっても、止水性を確保することができる。また、光学部材47と支持部材48との組み合せによるバラツキの範囲を緩和することができ、量産コストを抑制することもできる。このように、本実施の形態1によれば、光源止水具46は、被覆部材47aと光透過孔450の周縁部との間に介在し弾性力を有する。よって、第2光源部50に水が浸入することを抑制することができる。
【0097】
(第2電線止水具61の作用)
図29は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す斜視図であり、図30は、実施の形態1に係る第2電線止水具61を示す断面図である。図31は、実施の形態1に係る第2電線止水具61において第2電線67が曲げられた状態を示す斜視図であり、図32は、実施の形態1に係る第2電線止水具61において第2電線67が曲げられた状態を示す断面図である。次に、第2電線止水具61の作用について説明する。図29図30図31及び図32に示すように、第1照明器具2の側に配置される電源線と第2照明具4とを電気的に接続する第2電線67は、通線部611に挿入された状態で、第2電線止水具61と密着して液密に保持される。そして、第2電線67は、第2照明器具40を基準として、第2電線止水具61の筒軸に沿う方向又は第2電線止水具61の筒軸に沿う方向と交差する方向に、相対的な位置変位が可能である(図31及び図32の角度θ1の範囲)。
【0098】
このように、第2照明具4は、優れた止水性を有する構成となっており、内部に収容される第2光源部50、制御部63、第2電源部64及び第2電線67は、必ずしも止水性を必要としない。即ち、第2光源部50、制御部63、第2電源部64及び第2電線67は、一般屋内環境用の非常用照明装置に使用される汎用の部材を使用することができる。また、優れた止水性を有する第2照明器具40の内部を、複数系統の電源回路を接続したり又は分岐させたりする空間としても活用することができ、一般屋内環境用の仕様に準じた施工が可能となる。
【0099】
(係合溝421の作用)
図33は、実施の形態1に係る係合溝421の作用を示す図である。次に、係合溝421の作用について説明する。図33に示すように、第2本体部41には、X方向に沿って溝状の係合溝421が形成されている。係合溝421は、第2端部43を固定するための第4固定具60であるネジ等の締結部材が螺合するように形成されている。第2照明器具40の第2本体部41は、金属材料を用いて押出成形によって製造される。そして、第2本体部41に形成される係合溝421は、押出方向に沿って連続して溝状に形成される。第1照明器具2と反対の側の外面である外側面部413は、風雨及び塵埃等に曝されやすい。このため、係合溝421は、第2固定具59がねじ込まれない部分にも、液体及び塵埃といった異物が侵入し難い形状としている。
【0100】
係合溝421は、第2本体部41の押出方向と直交する断面視において、第2光源部50の側(Z2の向き)の第1溝端部4210が、第2光源部50の光軸に沿って第2光源部50に最も近くなる形状としている。第1溝端部4210は、係合溝421の中心から延びる第2光源部50の光軸と第2本体部41とが交差する位置である。また、外側面部413には、第2本体部41の押出方向と直交する断面視において、第1溝端部4210を基点として、第1照明器具2から離れる向き、且つ、第2光源部50の光軸に沿って第2光源部50に近付く向きに傾斜する傾斜部422が形成されている。
【0101】
このため、係合溝421の内部に異物が侵入した場合でも係合溝421の外部に排出され易い(図33の破線矢印G)。そして、係合溝421は、第2本体部41の押出方向と直交する断面視において、第2光源部50の側(Z2の向き)の第1溝端部4210が、反対の側の第2溝端部4211よりも第1照明器具2に近くなる形状となっている。このため、異物が係合溝421の内部に侵入し難い(図33の破線矢印F)。
【0102】
第1溝端部4210と第2溝端部4211との距離寸法は、ネジ等の第4固定具60の最大径寸法よりも小さくなるように構成されている。第2本体部41の押出方向と直交する断面視において、係合溝421の中心と、第1溝端部4210及び第2溝端部4211とを結んだ中心角θ3は、180°よりも小さい。
【0103】
なお、照明装置1は、トラフ型に限定されない。例えば、照明装置1は、逆富士型、即ちV型又は笠付型といった直付け型の照明装置であってもよい。また、本実施の形態1では、非常状態に点灯する非常用の照明具である第2照明具4を例示して、電子装置の止水性、即ち防水性について説明しているが、止水性を有する電子装置は、照明装置に限らない。電子装置は、検知機能、撮像機能、収音機能、拡声機能、表示機能又は通信機能といった照明機能以外の機能を備えたものでもよい。また、本実施の形態1では、非常状態に点灯する非常用の照明具である第2照明具4の第2電源部64を例示して、止水性を有する電子装置における部品の交換時の着脱態様について説明したが、交換時に着脱される部品は本実施の形態1の部品に限らない。部品は、記録媒体又は種々の消耗部品といったものであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 照明装置、2 第1照明器具、3 第1照明具、4 第2照明具、9 取付対象部、20 第1本体部、21 底壁部、22 側壁部、23 第1端部、24 器具蓋部、25 端部貫通孔、26 連結部、27 固定部、28 第1照明具収容部、29 開口部、30 第1外郭部、31 連結具、32 第1固定具、34 台座、35 第1光源部、36 第1電源部、37 第1電線、40 第2照明器具、41 第2本体部、43 第2端部、44 開閉部、45 外観部、46 光源止水具、47 光学部材、47a 被覆部材、48 支持部材、50 第2光源部、51 第2給電線、52 絶縁板、53 支持板、54 開閉部止水具、55 第2給電線止水具、56 透光止水具、57 第3固定具、58 止水固定具、59 第2固定具、60 第4固定具、61 第2電線止水具、62 端部止水具、63 制御部、64 第2電源部、65 充放電線、66 配置具、67 第2電線、70 吊具、75 接続具、76 第5固定具、77 第6固定具、81 吊ボルト、82 器具取付具、83 取付補助具、86 電線管、87 電線管保持具、88 取付固定具、89 外部電線、210 ボルト挿通孔、211 外部電線挿通孔、220 連通部、300 外郭本体部、301 本体部開口、302 外郭端部、303 施工孔、304 閉塞具、310 当接部、311 挿通部、340 光源配置面、341 電源配置面、350 第1発光素子、351 第1光源基板、410 天面部、411 取付部、412 内側面部、413 外側面部、414 側壁、415 着脱孔、416 通線孔、417 配置具保持部、418 係合突起部、419 保持突起部、420 取付部固定部、421 係合溝、422 傾斜部、423 本体端部、424 端部孔、430 挿通孔、450 光透過孔、451 通信部、452 表示部、454 固定部、455 遮蔽部、460 突起部、461 基部、462 位置決め片、463 第1止水部、464 隆起部、470 光学制御部、471 周縁部、472 外周部、481 配置部、482 光透過部、483 段差部、485 第1段差部、486 第1配置面、487 第1側面、488 第1傾斜部、490 第2段差部、491 第2配置面、492 第2側面、493 第2傾斜部、496 溝部、497 第1溝部、498 第2溝部、500 第2光源基板、501 第2発光素子、520 絶縁板固定部、530 第2給電線挿通孔、531 報知光通過孔、532 支持板固定部、533 吊具固定部A、610 内筒部、611 通線部、612 外筒部、613 溝部、614 接続部、630 ケース、631 送受信部、632 報知部、660 基部、661 制御部配置部、662 制御部保持部、663 第2電源部保持部、668 第2電源部保持具、669 吊具固定部B、750 固定部、751 接続部、4210 第1溝端部、4211 第2溝端部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20
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図22
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図28
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図30
図31
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図33