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特開2024-161216チェックアウト装置および商品数のチェックプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161216
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】チェックアウト装置および商品数のチェックプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241108BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 311Z
G07G1/00 331B
G07G1/12 341G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024152263
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2020206765の分割
【原出願日】2020-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 景太
(72)【発明者】
【氏名】竹野 唯志
(57)【要約】
【課題】 未登録の商品があることを検知できるチェックアウト装置および商品数のチェックプログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、チェックアウト装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。インターフェースは、購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得する。プロセッサは、インターフェースにより取得するカメラが撮影する画像に基づいてカゴから取り出された商品の数を検知し、カゴから取り出された商品の数に対して当該チェックアウト装置に登録された商品の数が妥当であるか否かを検知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェックアウト装置であって、
購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得するインターフェースと、
前記インターフェースにより取得する前記カメラが撮影する画像に基づいて前記カゴから取り出された商品の数を検知し、前記カゴから取り出された商品の数に対して当該チェックアウト装置に登録された商品の数が妥当であるか否かを検知するプロセッサと、
を有するチェックアウト装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記カゴから取り出された商品の数に対して当該チェックアウト装置に登録された商品の数が妥当でない場合にアラートを出力する、
請求項1に記載のチェックアウト装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記カメラが撮影する画像から前記カゴに対する人物の手の進入および退出を検知し、前記カゴに対する前記人物の手の進入および退出の回数に基づいて前記カゴから取り出された商品の数を検知する、
請求項1に記載のチェックアウト装置。
【請求項4】
前記インターフェースは、所定位置に設置された固定具により所定位置に保持される前記カゴを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得し、
前記プロセッサは、前記固定具の設置位置に基づいて前記カメラが撮影した画像における前記カゴの開口部の画像を抽出し、前記カゴの開口部の画像において前記カゴに対する前記人物の手の進入および退出を検知する、
請求項3に記載のチェックアウト装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記カメラが撮影した画像から前記カゴを検知し、前記カゴの開口部の画像を抽出し、前記カゴの開口部の画像において前記カゴに対する前記人物の手の進入および退出を検知する、
請求項3に記載のチェックアウト装置。
【請求項6】
コンピュータに、
購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得させ、
前記カメラが撮影する画像に基づいて前記カゴから取り出された商品の数を検知させ、 前記カゴから取り出された商品の数に対してチェックアウト装置に登録された商品の数が妥当であるか否かを検知させる、
ことを実行させるための商品数のチェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウト装置および商品数のチェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
チェックアウト装置は、顧客が購入対象とする全ての商品の情報を登録し、登録した商品の代金を決済する会計処理を行う装置である。チェックアウト装置は、会計処理に先立って、購入対象とする全ての商品の情報を登録する登録処理を行う必要がある。従来のチェックアウト装置は、オペレータの操作によって読取領域に提示された商品の情報を読み取り、読み取った商品の情報を登録する登録処理を行う。このようなチェックアウト装置では、オペレータの操作が確実に行われなければ、一部の商品の情報が未登録となってしまうことがある。
【0003】
チェックアウト装置は、未登録の商品がある状態で会計処理が実行されると、購入対象とする全商品の代金を収受することができない。従来、監視映像からオペレータの不審な挙動を検出することにより、チェックアウト装置における未登録の商品があることを検出する技術がある。しかしながら、監視映像から検出するオペレータの挙動によって未登録の商品を確実に検出することは容易でない。また、チェックアウト装置における商品の未登録は、オペレータによる不正な操作だけに限らず、オペレータが意図せずに起きることもあり得る。このため、未登録の商品があることを確実に検知できるチェックアウト装置が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-141644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、未登録の商品があることを検知できるチェックアウト装置および商品数のチェックプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、チェックアウト装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。インターフェースは、購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得する。プロセッサは、インターフェースにより取得するカメラが撮影する画像に基づいてカゴから取り出された商品の数を検知し、カゴから取り出された商品の数に対して当該チェックアウト装置に登録された商品の数が妥当であるか否かを検知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るチェックアウト装置を含むチェックアウトシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るチェックアウト装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るチェックアウト装置における登録処理および会計処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係るチェックアウト装置における商品数のチェック処理の例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係るチェックアウト装置のディスプレイが表示するアラートの表示例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係るチェックアウト装置における手の検知処理の例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、第2実施形態に係るチェックアウト装置における商品数のチェック処理の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1および第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るチェックアウト装置1を含むチェックアウトシステムの構成例を示すブロック図である。
図1に示す構成例において、チェックアウト装置1は、顧客が購入対象とする商品の情報を登録(入力)する登録処理および購入対象とする商品の代金を決済する会計処理を実行する。以下の説明では、チェックアウト装置1は、チェックアウト処理として、登録処理と会計処理とを実行するものとする。ただし、チェックアウト装置1は、登録処理を行い、会計処理を行う装置へ登録処理の結果を送信するものであっても良い。
【0009】
チェックアウト装置1は、オペレータの操作に応じて、顧客が購入対象とする商品に対する登録処理および会計処理を実行する。チェックアウト装置1において、登録処理および会計処理のための操作を行うオペレータは、顧客自身であっても良いし、店員などの係員であっても良い。すなわち、チェックアウト装置1は、顧客自身の操作によって、購入対象の商品に対する登録処理および会計処理を行うセルフチェックアウト装置(セルフレジ)であっても良い。また、チェックアウト装置1は、店員などの係員の操作によって、購入対象の商品に対する登録処理および会計処理を行う装置であっても良い。
【0010】
作業台2は、オペレータがチェックアウト装置1における登録処理および会計処理に伴う作業(操作)を行うために商品などを配置するものである。作業台2は、登録処理前の商品が配置される第1商品領域Raと登録処理済みの商品が配置される第2商品領域Rbとを有する。図1に示す構成例において、第1商品領域Raと第2商品領域Rbとは、チェックアウト装置1の両側に設けられる。第1商品領域Raは、登録処理前の商品を載置する商品置き場である。また、第2の商品載置台12は登録処理後の商品を載置するものとする。
【0011】
第1実施形態において、第1商品領域Raには、固定具3が設置される。固定具3は、購入対象とする商品(登録前の商品)を入れた買い物かご(以下、単に、カゴとも称する)を所定位置に保持する。固定具3は、カゴを所定位置に固定(保持)するものであれば良く、特定の構成に限定されるものではない。
【0012】
カメラ4は、チェックアウト装置1を操作するオペレータの動作などを監視するための画像を撮影する。カメラ4は、チェックアウト装置1に接続される。カメラ4は、撮影した画像をチェックアウト装置1へ供給する。第1実施形態において、カメラ4は、第1商品領域Raに設置する固定具3が所定位置に保持するカゴを含む撮影範囲を撮影するように設置される。また、カメラ4は、固定具3に保持されたカゴの開口部(間口)を上方から撮影する。
【0013】
次に、第1実施形態に係るチェックアウト装置1の構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係るチェックアウト装置1における構成例を示すブロック図である。
図2に示すチェックアウト装置1は、制御系の各構成を備える制御ユニットを格納する本体10を有する。本体10に格納される制御ユニットは、例えば、コンピュータで実現される。本体10には、ディスプレイ21、カードリーダライタ(RW)22、プリンタ23、スピーカ24、スキャナ25、ハンドスキャナ26、および、現金処理機27が設けられる。さらに、本体10には、カメラ4が接続される。
【0014】
ディスプレイ21は、表示デバイス211とタッチセンサ212とを含むタッチパネルである。表示デバイス211は、操作案内、顧客が選択可能なアイコン(タッチキー)、或は、アラートとして警告のメッセージなどを表示する。表示デバイス211は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。タッチセンサ212は、表示デバイス211の表示画面(操作画面)における人のタッチ位置を検出する。タッチセンサ212は、検知したタッチ位置を示す情報を処理部としての後述するプロセッサへと送る。
【0015】
例えば、表示デバイス211は、顧客のタッチ操作により支払い方法(現金、カード)などの選択指示や各種情報を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、表示デバイス211は、案内画面、情報入力画面、商品登録画面、精算画面などを表示する。案内画面は、顧客に操作方法を知らせるための案内(メッセージ)を表示する画面である。情報入力画面は、例えば、バーコードが付されていない商品の情報を入力するための操作画面である。商品登録画面は、登録した商品に関する情報を表示する画面である。商品登録画面では、例えば、スキャナ25又はハンドスキャナ26が読み取ったバーコードによって識別した商品、および、キー操作で指定された商品などの情報を表示する。精算画面は、商品の代金を顧客が支払う会計処理において、購入する商品(登録した商品)の合計金額、預かり金額、および、釣り銭額などを表示する画面である。
【0016】
カードリーダライタ(RW)22は、カードを処理する。カードリーダライタ22は、カード挿入口を有する。カードリーダライタ22は、カードに記録されたデータを読み取る機能とカードへデータを書き込む機能とを有する。カードリーダライタ49は、磁気情報を記録する磁気カードであっても良いし、接触式あるいは非接触式のICカードであっても良い。また、カードリーダライタ22は、複数種のカードを処理する機構を有するものであっても良い。
【0017】
例えば、カードリーダライタ22は、カード挿入口に挿入される精算用のクレジットカード又は会員カードなどのカードを処理する。精算(決済)用のカードとしては、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどがある。また、会員カードとしては、会員情報を記録したメンバーズカード、或は、サービスとして利用可能なポイントを記録したポイントカードなどがある。
【0018】
プリンタ23は、レシートを印刷する。プリンタ23は、レシート発行口を有する。プリンタ23は、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することによりレシートを発行する。プリンタ23は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどを実現される。例えば、プリンタ23は、会計処理が完了した場合に、処理内容(会計内容)を印刷したレシートを作成し、作成したレシートをレシート発行口から排出する。
スピーカ24は、アラートしての警告音、或は、メッセージとしての音声などの音を出力する。
【0019】
スキャナ25およびハンドスキャナ26は、商品を識別する情報を読み取るものである。本実施形態において、スキャナ25およびハンドスキャナ26は、商品を識別する情報として商品に付されたバーコードを読み取るものとする。スキャナ25は、商品に付されたバーコードが相対するように、顧客が翳す商品のバーコードの画像を光学的に読み取る。ハンドスキャナ26は、顧客によって手持ちで操作されるもので、商品に付されたバーコードに近接されることによりバーコードの画像を光学的に読み取る。なお、スキャナ25およびハンドスキャナ26は、商品を認識する情報を読み取るものであれば良く、例えば、バーコード以外の情報を読み取るものであっても良い。
【0020】
現金処理機27は、現金を処理するものである。現金処理機27は、紙幣投入口、紙幣排出口、硬貨投入口および硬貨排出口などを有する。現金処理機27は、紙幣投入口27aに投入された紙幣を処理する。現金処理機27は、釣銭としての紙幣を紙幣排出口27bから排出する。現金処理機27は、硬貨投入口27cに投入された硬貨を受け入れて処理する。現金処理機27は、釣銭としての硬貨を硬貨排出口27dから排出する。
【0021】
カメラ4は、チェックアウト装置1の本体10とは別に設けられ、本体10内に備える制御ユニットに接続される。ただし、カメラ4は、チェックアウト装置1を構成する1つのデバイスとして、本体10と一体的に設けても良い。カメラ4は、登録処理前(未登録)の商品が置かれる第1商品領域Raを含む撮影範囲の画像を撮影する。
【0022】
第1実施形態において、カメラ4は、第1商品領域Raに設置した固定具3で固定される登録処理前の商品を入れたカゴの開口部を上方から撮影するように設置される。すなわち、カメラ4は、固定具3で規定される所定位置に置かれたカゴ内の全体を撮影するように撮影範囲が設定される。カメラ4が撮影した画像(映像)は、チェックアウト装置1の本体10内に備えた制御ユニットへ供給される。
【0023】
図2に示す構成例において、チェックアウト装置1の本体10に備える制御ユニットは、プロセッサ40、ROM(read-only memory)41、RAM(random-access memory)42、データメモリ43、および、各種のインターフェース(IF)44~52を有する。ディスプレイ21、カードリーダライタ22、プリンタ23、スピーカ24、スキャナ25、ハンドスキャナ26および現金処理機27は、各種のインターフェース(IF)44~50を介して制御ユニット内のプロセッサ40に接続される。
【0024】
プロセッサ40は、プログラムを実行することにより種々の処理を実行する。プロセッサ40は、例えば、CPU(central processing unit)である。プロセッサ40は、ROM41又はデータメモリ43が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ40は、商品の登録(入力)処理用のプログラムを実行することにより、登録モードとして商品の商品情報を登録(入力)する登録処理を実行する。プロセッサ40は、会計処理用のプログラムを実行することにより、会計モードとして商品の代金を決済する会計処理を実行する。
【0025】
また、プロセッサ40は、商品数のチェック処理用のプログラムを実行することにより後述する商品数のチェック処理を実行する。また、プロセッサ40は、手の検知処理用のプログラムを実行することにより後述する手の検知処理を実行する。なお、商品数のチェック処理用のプログラムおよび手の検知処理用のプログラムなどのプログラムは、チェックアウト装置1に接続したコンピュータが実行するようにしても良い。
【0026】
ROM41は、不揮発性のメモリであり、プログラムおよびデータを記憶する。例えば、ROM41は、オペレーティングシステム、ミドルウェア、アプリケーションなどのプログラムを記憶する。また、ROM41は、プロセッサ40が各種の処理を実行する場合に参照するデータを記憶しても良い。
RAM42は、作業用のデータを記憶する。RAM42は、いわゆるワークエリアとして利用されるメモリである。RAM42は、プロセッサ40が各種の処理を実行する場合に参照するデータ、或は、一時的に使用するデータなどを適宜記憶する。
【0027】
データメモリ43は、データを記憶するメモリである。データメモリ43は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。データメモリ43は、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などで構成する。データメモリ43は、プロセッサ40が各種の処理を実行する場合に使用するデータ、或は、プロセッサ40による処理で生成されたデータを保存する。また、データメモリ43は、プロセッサ40が実行する各種のプログラムを記憶しても良い。例えば、データメモリ43は、登録処理用のプログラム、会計処理用のプログラムを記憶しても良い。
【0028】
また、RAM42あるいはデータメモリ43は、登録処理において登録した商品(登録商品)に関する情報を記憶する。RAM42あるいはデータメモリ43は、例えば、登録商品に関する情報をリスト形式のデータ(登録商品リスト)として記録しても良い。また、RAM42あるいはデータメモリ43は、カメラ28が撮影する撮影画像を記憶する。データメモリ43は、例えば、カメラ28が撮影する撮影画像に撮影時刻を示すタイムスタンプのデータを付加した映像データを記憶しても良い。
【0029】
プロセッサ40は、スキャナIF44を介してスキャナ25に接続する。プロセッサ40は、スキャナIF44を介してスキャナ25が読み取る画像(スキャン画像)を取得する。また、プロセッサ40は、スキャナIF45を介してハンドスキャナ26に接続する。プロセッサ40は、スキャナIF45を介してハンドスキャナ26が読み取る画像(スキャン画像)を取得する。プロセッサ40は、スキャナ25又はハンドスキャナ26のスキャン画像に含まれるバーコードをデコードすることによりバーコードが示す商品を識別する。
【0030】
プロセッサ40は、表示IF46を介してディスプレイ21に接続する。プロセッサ40は、表示IF46を介してディスプレイ21の表示デバイス211が表示する表示内容を制御する。また、プロセッサ40は、表示IF46を介してディスプレイ21のタッチセンサ212が検知するタッチ位置を示す情報を取得する。例えば、プロセッサ40は、登録処理前(未登録)の商品が存在することを報知するためのアラート或はインジケータとしてのメッセージをディスプレイ21に表示する。また、プロセッサ40は、タッチ位置を示す情報によりディスプレイ21に表示した各アイコン(タッチキー)への入力を検知する。
【0031】
プロセッサ40は、カードIF47を介してカードリーダライタ22に接続する。プロセッサ40は、カードIF47を介してカードリーダライタ22によるカードに対する処理を制御する。例えば、プロセッサ40は、カードリーダライタ22が処理するクレジットカードによる精算処理を実行する。
【0032】
プロセッサ40は、プリンタIF48を介してプリンタ23に接続する。プロセッサ40は、プリンタIF48を介してプリンタ23を制御する。例えば、プロセッサ40は、プリンタ23により会計処理の結果を示すレシートを発行する。
【0033】
プロセッサ40は、音声IF49を介してスピーカ24に接続する。プロセッサ40は、音声IF49を介してスピーカ24から出力する音を制御する。例えば、プロセッサ40は、登録処理前の商品が存在することを報知するためのアラートとしての音(ブザー)をスピーカ24により出力する。
【0034】
プロセッサ40は、入出金IF50を介して現金処理機27に接続する。プロセッサ40は、入出金IF50を介して現金処理機27を制御する。例えば、プロセッサ40は、顧客が入金した現金を現金処理機27が計数し、現金処理機27が計数した入金金額を示す情報を取得する。また、プロセッサ40は、入金した金額と登録済みの商品の合計金額(商品代金)とから算出した釣銭を現金処理機27によって放出する制御を行う。
【0035】
プロセッサ40は、カメラIF51を介してカメラ4に接続する。プロセッサ40は、カメラIF51を介してカメラ4が撮影する撮影画像を取得する。例えば、プロセッサ40は、登録処理中において、カメラ4が撮影する第1商品領域Raの固定具3にセットされたカゴの開口部の画像を含む撮影画像を取得する。また、プロセッサ40は、登録処理中において継続的に(例えば所定周期で)カメラ4が撮影する第1商品領域Raの固定具3にセットされたカゴの開口部の画像を含む撮影画像を取得する。
【0036】
プロセッサ40は、通信IF52を介して外部装置に接続する。例えば、プロセッサ40は、通信IF53を介してチェックアウト装置の動作状況を監視するアテンダント端末に接続する。プロセッサ40は、通信IF52を介してアテンダント端末に動作状況を示す情報を送信する。例えば、プロセッサ40は、後述する処理において登録処理のエラーを検知した場合にアテンダント端末へアラートを送信するようにしても良い。
【0037】
また、プロセッサ40は、通信IF52を介して管理サーバなどのコンピュータに接続するようにしても良い。例えば、プロセッサ40は、通信IF52によりチェックアウト装置1における登録処理で登録された商品に関する情報を管理サーバへ送信する。また、プロセッサ40は、通信IF52を介して通信するストアコンピュータから商品に関する情報などを適宜取得するようにしても良い。
【0038】
次に、上記のように構成されるチェックアウト装置1における第1実施形態としての動作について説明する。
図3は、第1実施形態に係るチェックアウト装置1による登録処理および会計処理を含むチェックアウト処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、顧客が購入する商品を持ってチェックアウト装置1の前に訪れるものとする。顧客又は係員は、購入対象とする商品(登録前の商品)を所定の位置に配置する。第1実施形態において、顧客又は係員は、購入対象とする商品を入れたカゴを第1商品領域Raに設置した固定具3にセットする。これにより、登録前の商品を入れたカゴ(買い物かご)は、第1商品領域Raにおける固定具3で規定される所定位置にセットされる。
【0039】
チェックアウト装置1のプロセッサ40は、待機状態において商品の情報を登録する登録処理の開始の指示を受け付ける(ACT11)。プロセッサ40は、オペレータ(顧客自身又は係員)による指示入力に応じて登録処理の開始を検知する。オペレータは、登録前の商品を入れたカゴを固定具3にセットした後、商品の情報を登録する登録処理の開始の指示を入力する。例えば、プロセッサ40は、ディスプレイ21に表示する登録処理の開始を指示するタッチキーをオペレータがタッチしたことを検知することにより登録処理の開始を検知する。
【0040】
また、プロセッサ40は、カゴが第1商品領域Raに設置された固定具3にセットされたことを検知することにより登録処理の開始を検知するようにしても良い。また、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像からオペレータの動きを認識し、認識したオペレータの動きに応じて登録処理の開始を検知するようにしても良い。
【0041】
チェックアウト装置1のプロセッサ40は、登録処理の開始を検知した場合(ACT11、YES)、購入対象となる商品の商品情報(例えば、商品コードなどの識別情報を含む情報)を登録(入力)する登録処理を実行する(ACT12)。登録処理(登録モード)において、オペレータは、カゴから取り出した商品をスキャナ25の読取位置に翳す。プロセッサ40は、オペレータの操作に応じてスキャナ25が商品に付された商品情報を読み取る。例えば、スキャナ25は、商品に付された商品情報を示すバーコードを読み取る。プロセッサ40は、スキャナ25が読み取った商品情報を取得する。プロセッサ40は、スキャナ25を用いて読み取った情報を取得すると、取得した情報に含まれる商品識別情報などの商品情報を登録する。
【0042】
また、登録処理において、プロセッサ40は、オペレータがディスプレイ21で指定する商品の商品情報を登録しても良い。例えば、プロセッサ40は、ディスプレイ21に表示するタッチキーをオペレータが操作して指定する商品の商品情報を登録する。このような場合、オペレータは、タッチキーで商品を指定した後又はタッチキーで商品を指定する直前に当該商品をカゴから取り出す作業(操作)を行うものとする。
【0043】
なお、チェックアウト装置1は、ハンドスキャナ26を用いて登録(入力)される商品が、固定具3にセットされるカゴの外にあることを許容するようにしても良い。このような運用を想定する場合、例えば、プロセッサ40は、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品を示す情報をRAM42などのメモリに記憶するようにする。これにより、プロセッサ40は、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品の数を計数できるようにしても良い。
【0044】
プロセッサ40は、登録処理を実行中において、登録処理の終了(又は会計処理への移行)の指示を受け付ける(ACT13)。例えば、オペレータ(顧客自身又は係員)は、登録処理を終了する場合、ディスプレイ21に表示される登録処理の終了(会計処理への移行)を指示するタッチキーをタッチする。この場合、プロセッサ40は、ディスプレイ21に表示する登録処理の終了を指示するタッチキーをオペレータがタッチしたことを検知することにより登録処理の終了を検知する。
【0045】
また、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像からカゴの中に商品がないことを検知することにより登録処理の終了を検知するようにしても良い。また、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像からオペレータの動きを認識し、認識したオペレータの動きに応じて登録処理の終了を検知するようにしても良い。
【0046】
登録処理の終了が検知した場合(ACT13、YES)、プロセッサ40は、登録処理において登録された商品の数が妥当であるかを判断する(ACT14)。プロセッサ40は、上述した登録処理と並行して、登録された商品の数の妥当性を判定するための商品数のチェック処理を行う。商品数のチェック処理は、後述する図4に示すような処理として実行される。プロセッサ40は、商品数のチェック処理の結果に基づいて商品数が妥当であるか否かを判断する。
【0047】
登録された商品数が妥当でないと判定された場合(ACT14、NO)、プロセッサ40は、会計処理へ移行せずにチェックアウト処理を中止する。この場合、プロセッサ40は、アラートを出力する。例えば、プロセッサ40は、ディスプレイ21に未登録の商品が存在することを示すアラートを表示する。アラートを出力した場合、プロセッサ40は、オペレータによる登録内容の確認入力、監視員による確認入力、あるいは、商品の追加登録(登録処理のやり直し)などによってチェックアウト処理を再開するようにしても良い。
【0048】
登録された商品の数が妥当であると判断した場合(ACT14、YES)、プロセッサ40は、会計処理に移行する。会計処理へ移行すると、プロセッサ40は、登録された全商品の合計金額を決済する会計処理を実行する(ACT15)。例えば、プロセッサ40は、登録された各商品の代金を特定し、各商品の代金の合計金額を算出する。プロセッサ40は、算出した合計金額をディスプレイ21に表示し、顧客からの合計金額を収受する処理を行う。商品の合計金額の収受が完了すると、プロセッサ40は、登録した商品に対する会計処理を終了する。
【0049】
次に、第1実施形態に係るチェックアウト装置1における商品数のチェック処理について説明する。
図4は、第1実施形態に係るチェックアウト装置1における商品数のチェック処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
プロセッサ40は、上述したような登録処理を含む図3に示す処理と並行して、図4に示すような商品数のチェック処理を実施する。プロセッサ40は、第1商品領域Raにおける固定具3にカゴがセットされ(ACT21)、商品数のチェック処理として登録処理の開始が検知されることを待つ(ACT22)。
【0050】
プロセッサ40は、登録処理の開始を検知すると(ACT22、YES)、カメラIF51を介してカメラ4が撮影する画像を取得する(ACT23)。第1実施形態において、カメラ4は、固定具3にセットされたカゴの開口部を含む撮影範囲を撮影する。第1商品領域Raにおいて固定具3の位置(固定具3がカゴを保持する位置)は固定される。カゴが既定の形状を有するものであれば、カメラ4が撮影する画像におけるカゴの開口部の位置(画像領域)は、固定具3の位置とカゴの形状とに基づいて特定される。
【0051】
カメラ4が一定の撮影条件でカゴの開口部を含む撮影範囲を撮影するように設定すれば、カゴの開口部の画像は、カメラ4が撮影する画像における所定領域に現れる。すなわち、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像における所定領域の画像をカゴの開口部の画像として抽出できる。
【0052】
プロセッサ40は、カメラ4が撮影した画像を取得すると、カメラ4が撮影した画像に基づいて手の検知処理を実行する。手の検知処理は、カゴに対するオペレータの手の出入りを検知する処理である。ここで、手とは、オペレータがカゴの中の商品を把持して取り出す動作(作業)を行う手のひらなどの部位である。手の検知処理において、プロセッサ40は、カゴに対する手の出入りの状態変化に基づいてオペレータがカゴから商品を取り出したことを検知する。
【0053】
また、手の検知処理において、プロセッサ40は、オペレータがカゴから取り出した商品の数を計数する処理を行う。これにより、プロセッサ40は、手の検知処理の結果として、カゴから取り出した商品の数を示す情報を取得する。なお、手の検知処理については、後で図6を参照して詳細に説明するものとする。
【0054】
プロセッサ40は、登録処理中において、上述したような登録処理の終了(又は会計処理への移行)の指示を検知する(ACT25)。プロセッサ40は、商品の登録処理が終了するまで(ACT25、NO)、ACT23およびACT24の処理を繰り返し実行する。
【0055】
登録処理の終了を検知した場合(ACT25、YES)、プロセッサ40は、登録処理において登録された商品の数を計数する(ACT26)。例えば、プロセッサ40は、登録された商品数(登録数)を計数する登録数カウンタをRAM42などのメモリに設ける。プロセッサ40は、当該オペレータの操作に応じて商品の情報が登録(入力)される毎に登録数カウンタをカウントアップする。この場合、プロセッサ40は、登録処理の終了した場合の登録数カウンタの値によって登録された商品数を計数できる。登録された商品数を計数すると、プロセッサ40は、登録された商品数が妥当であるか否かを判断する(ACT27)。
【0056】
例えば、プロセッサ40は、登録された商品数が手の検知処理の結果として取得するカゴから取り出された商品数と一致するか否かにより商品数が妥当であるか否かを判断する。これにより、プロセッサ40は、カゴから取り出された商品が全て登録されたかを商品数によって確認できる。
【0057】
ただし、ハンドスキャナ26を用いて登録(入力)される商品は、カゴの外にある場合も想定される。このため、プロセッサ40は、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品の数を考慮して商品数が妥当であるかを判定するようにしても良い。例えば、プロセッサ40は、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品の数を計数する。これにより、プロセッサ40は、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品数を考慮して商品数の妥当性を判定することができる。
【0058】
例えば、プロセッサ40は、全商品の登録数からハンドスキャナ26を用いて登録した商品数を減算した数と取出数とが一致する場合に商品数が妥当であるか否かを判定するようにしても良い。この判定は、ハンドスキャナ26を用いて登録される全ての商品がカゴの外にある場合に有効である。また、プロセッサ40は、全商品の登録数からハンドスキャナ26を用いて登録した商品数を減算した数が取出数以上である場合に登録数が妥当であると判定するようにしても良い。この判定は、ハンドスキャナ26を用いて登録される場合がカゴの外にある場合とカゴの中から取り出される場合との両方が混在する場合に有効である。
【0059】
登録された商品数が妥当であると判断した場合(ACT27、YES)、プロセッサ40は、商品数のチェック処理を終了する。図3に示す動作例によれば、プロセッサ40は、商品数が妥当であると判断した後、登録した商品の代金を決済するための会計処理へ移行する。
【0060】
また、登録された商品数が妥当でないと判断した場合(ACT27、NO)、プロセッサ40は、アラートを出力する(ACT28)。例えば、プロセッサ40は、アラートの出力として、ディスプレイ21に登録された商品数が妥当でない旨(又は、未登録の商品が存在する旨)を示すアラートを表示する。
【0061】
また、プロセッサ40は、通信IF52を介して通信する外部装置としてのアテンダント端末に対して商品数が妥当でない旨のアラートを通知するようにしても良い。これにより、監視員がチェックアウト装置の状態を監視するためのアテンダント端末が、登録された商品数が妥当でない旨(又は、未登録の商品が存在する旨)を示すアラートを報知することもできる。
【0062】
図5は、チェックアウト装置1のディスプレイ21に表示するアラートの表示例を示す図である。
図5に示す例では、ディスプレイ21は、プロセッサ40からのアラートの出力指示に応じて未登録の商品がある旨の案内をディスプレイ21に表示する。図5に示すようなアラートを表示した後、プロセッサ40は、係員(監視員)対応を促すようにしても良いし、登録された商品の確認をオペレータに促すようにしても良い。前者の場合、プロセッサ40は、係員による対応(係員操作)後に会計処理へ移行するようにしても良い。後者の場合、プロセッサ40は、オペレータによる確認済みの指示又は未登録商品の追加登録が実施された後に会計処理へ移行するようにして良い。
【0063】
なお、プロセッサ40は、アラートの出力として、監視員(管理者)が所持する携帯端末にアラートを通知するようにしても良い。例えば、プロセッサ40は、所定のメールアドレス(例えば、監視員のメールアドレス)に対してアラートの通知を含む電子メールを送付するようにしても良い。さらに、プロセッサ40は、チェックアウト装置1に設けた表示器(警告灯)を点灯させてアラートを報知するようにしても良い。
【0064】
次に、第1実施形態に係るチェックアウト装置1における手の検知処理について説明する。
図6は、第1実施形態に係るチェックアウト装置1における手の検知処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像に基づいてオペレータの手の位置がカゴの中にあるか否かを判定する(ACT31)。プロセッサ40は、手の位置を示す情報をRAM42に記憶する。プロセッサ40は、手の位置がカゴの外にあるかカゴの中にあるかを後述する手の退出検知処理又は手の進入検知処理によって検知する。また、登録処理を開始した場合、プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像からオペレータの手の位置がカゴの中にあるかカゴの外にあるかを検知する。また、プロセッサ40は、登録処理を開始した場合、初期状態としてオペレータの手の位置がカゴの外にあるものとしても良い。
【0065】
オペレータの手がカゴの中にあると判断した場合(ACT31、YES)、プロセッサ40は、手がカゴの中から退出したことを検知する手の退出検知処理を実行する(ACT32)。プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像から抽出されるカゴの開口部の画像に基づいてカゴの中から手が退出したことを検知する。例えば、プロセッサ40は、カゴの開口部の画像における変化量によってオペレータの手がカゴの中から退出したことを検知する。
【0066】
ここで、プロセッサ40は、カメラ4が撮影した画像から抽出するカゴの開口部の画像をRAM42などのメモリに保持しておくものとする。第1実施形態において、カゴは、固定具3にセットされるものとしている。このため、プロセッサ40は、固定具3がカゴを保持する位置に基づいてカゴの開口部がある位置を固定値として特定できる。また、プロセッサ40は、カゴの開口部がある位置を固定値として特定できるため、カメラ4が撮影した画像からカゴの開口部の画像を容易に抽出できる。
【0067】
手の退出検知処理の具体例としては、以下の方法がある。例えば、プロセッサ40は、カメラ4が撮影するカゴの開口部の画像について、直前の画像に対する現在の画像における特徴点位置の変位を示す変位ベクトルを算出する。プロセッサ40は、算出した最大の変位ベクトルのノルム値が退出検知用の閾値を下回るか否かを判断する。プロセッサ40は、算出した最大の変位ベクトルのノルム値が退出検知用の閾値を下回った場合に、手がカゴの中から退出したことを検知する。
【0068】
ただし、手の退出を検知する方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、プロセッサ40は、カメラ4が時系列で撮影するカゴの開口部の画像における画素値の最大変化量が閾値を下回ったか否かを判断するようにして良い。この場合、プロセッサ40は、カゴの開口部の画像における画素値の最大変化量が閾値を下回ると、手かカゴの中から退出したものとして検知するようにすれば良い。
【0069】
手がカゴの中から退出したことを検知した場合(ACT33、YES)、プロセッサ40は、オペレータの手がカゴの中から商品を取り出したものと判断する。プロセッサ40は。カゴの中から取り出した商品の数としての取出数を計数する(ACT34)。例えば、プロセッサ40は、カゴから取り出した商品の数(取出数)を計数するための取出数カウンタをRAM42などのメモリに設ける。プロセッサ40は、手がカゴの中から退出したことを検知する毎に取出数カウンタをカウントアップすることにより取出数をインクリメント(1加算)する。
【0070】
手がカゴの中から退出したことを検知した場合(ACT33、YES)、プロセッサ40は、オペレータの手がカゴの外にある状態であることを示す情報をRAM42などのメモリに記録する。
手がカゴの中から退出したことが検知できなかった場合(ACT33、NO)、プロセッサ40は、カゴに対するオペレータの手の位置が変化していないものとして手の検知処理を終了する。
【0071】
また、オペレータの手がカゴの外にあると判断した場合(ACT31、NO)、プロセッサ40は、手がカゴの中に進入したことを検知する手の進入検知処理を実行する(ACT36)。プロセッサ40は、カメラ4が撮影する画像から抽出するカゴの開口部の画像に基づいて手の進入を検知する。例えば、プロセッサ40は、RAM42などに保持しているカメラ4が撮影した画像から抽出したカゴの開口部の画像における変化量によって手の進入を検知する。
【0072】
例えば、プロセッサ40は、カゴの開口部の画像における変化量として、直前の画像と現在の画像における特徴点位置の変位を示す変位ベクトルを算出する。プロセッサ40は、算出した最大の変位ベクトルのノルム値が進入検知用の閾値を超えたか否かを判断する。プロセッサ40は、算出した最大の変位ベクトルのノルム値が進入検知用の閾値を超えた場合に手がカゴの中に進入したことを検知する。
【0073】
ただし、手の進入を検知する方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、プロセッサ40は、カメラ4が時系列で撮影するカゴの開口部の画像における画素値の最大変化量が閾値を上回ったか否かを判断するようにして良い。この場合、プロセッサ40は、カゴの開口部の画像における画素値の最大変化量が閾値を上回ると、手かカゴの中に進入したものとして検知するようにすれば良い。
【0074】
手がカゴの中から進入したことを検知した場合(ACT37、YES)、プロセッサ40は、オペレータの手がカゴの中にある状態であることを示す情報をRAM42などのメモリに記録する。手がカゴの中から進入したことが検知できなかった場合(ACT37、NO)、プロセッサ40は、カゴに対するオペレータの手の位置が変化していないものとして手の検知処理を終了する。
【0075】
プロセッサ40は、図6に示すような手の検知処理を登録処理が終了するまでの間、カメラ4が撮影した画像を取得する毎に実行する。この結果、プロセッサ40は、手の検知処理の結果として、登録処理の開始から終了までの間にオペレータがカゴの中から取り出した商品の数(取出数)が計数できる。
【0076】
以上のように、第1実施形態に係るチェックアウト装置は、カメラが撮影する画像に基づいて所定位置にセットされたカゴから商品が取り出されたことを検知する。チェックアウト装置は、カゴから取り出された商品数に対して登録された商品数が妥当でなければ、未登録の商品がある旨のアラートを出力する。
これにより、チェックアウト装置は、カゴから取り出された商品が正しく登録されていないことを検知でき、未登録の商品があることなどを報知することができる。
【0077】
第1実施形態に係るチェックアウト装置は、固定具によって固定の位置にセットされるカゴの開口部を含む撮影範囲をカメラが撮影した画像を取得する。チェックアウト装置は、カメラが撮影する画像から固定具によって規定される固定位置に基づくカゴの開口部の画像を取得する。これにより、チェックアウト装置は、カメラが撮影する画像から確実にカゴの開口部の画像を取得でき、手の検知処理を高精度で行うことができる。この結果、チェックアウト装置は、カゴから取り出された商品数を正確に計数でき、未登録の商品を精度良く検知できる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、第1実施形態で説明したチェックアウト装置と同様なハードウエア構成を有するものとする。すなわち、第2実施形態に関わるチェックアウト装置1は、第1実施形態で説明した図2に示すような構成を有する装置であるものとする。このため、第2実施形態に係るチェックアウト装置1のハードウエア構成については、詳細な説明を省略するものとする。
【0079】
第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、任意の位置に置かれるカゴ、又は、ショッピングカート(以下、カート)を撮影した画像から登録処理前の商品が取り出されたことを検知する点が第1実施形態と異なる。すなわち、第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、登録処理前の商品を入れたカゴが載置される位置、又は、登録前の商品を載せたカートが停止される位置が任意の位置であるシステムに用いられる。例えば、第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、図1に示す構成例において固定具3が省略された構成のシステムに適用される。
【0080】
図1に示す構成において固定具3を省略した場合、登録処理前の商品を入れたカゴは、第1商品領域Raにおける任意の位置に載置されるものとする。第1商品領域Raの任意の位置にカゴが載置される場合、第2実施形態に関わるカメラ4は、第1商品領域Ra全体を含む撮影範囲を撮影するように設置されるものとする。
【0081】
また、第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、所定の停止位置(カート停止位置)に停止したカートに載せた登録処理前の商品が取り出されたことを検知するようにしても良い。ここで、カートは、登録処理前の商品を入れるカゴ部(カゴ)を備えるものとする。カートのカゴ部は、商品を直接入れるものであって良いし、カートに載せた買い物かごであっても良い。
【0082】
また、登録処理前の商品を入れたカートを配置(停止)するカート停止位置は、例えば、第1商品領域Raに含まれる領域又は第1商品領域Raに隣接する領域に設けられる。第2実施形態に係るチェックアウト装置1は、所定の停止位置(カート停止位置)に停止したカートのカゴ部に登録処理前の商品を入れられた状態で登録処理が開始される。
【0083】
第2実施形態に関わるチェックアウト装置は、カート停止位置に停止したカートのカゴ部からオペレータが取り出す商品もチェック対象とすることができる。カートのカゴ部から取り出される商品もチェック対象とする場合、第2実施形態に関わるカメラ4は、カート停止位置に停止したカートが備えるカゴ部の開口部を含む撮影範囲を撮影するように設置する。なお、以下の説明において、カゴの開口部とは、カート停止位置に停止したカートが備えるカゴ部の開口部に相当するものでもあるとする。
【0084】
次に、第2実施形態に係るチェックアウト装置1における商品数のチェック処理について説明する。
図7は、第2実施形態に係るチェックアウト装置1における商品数のチェック処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
第2実施形態においても、プロセッサ40は、登録処理および会計処理として第1実施形態で説明した図3に示すような処理を実行する。プロセッサ40は、図7に示すような商品数のチェック処理を図3に示すような処理と並行して実施する。
【0085】
プロセッサ40は、第1商品領域Raにカゴが載置された後(ACT121)、登録処理の開始待ち状態となる(ACT122)。また、カートからの商品の取出しを検知する場合、プロセッサ40は、所定のカート停止位置にカートが停止された後、登録処理の開始を受け付ける。カートからの商品の取出しを検知する場合、カメラ4は、カート停止位置に停止したカートが備えるカゴ部(カゴ又はカートに載せられた買い物かご)の開口部を含む撮影範囲を撮影するものとする。
【0086】
プロセッサ40は、登録処理の開始を検知すると(ACT122、YES)、カメラIF51を介してカメラ4が撮影する画像を取得する(ACT123)。ここでは、第1商品領域Raに載置されたカゴからの商品の取出しを検知する場合を想定し、カメラ4は、第1商品領域Raを含む撮影範囲を撮影するものとして説明する。第1商品領域Raには、任意の位置にカゴが置かれる。このため、プロセッサ40は、カメラ4が撮影した画像に基づいてカゴ(カゴの画像)を検知する(ACT131)。
【0087】
例えば、プロセッサ40は、使用されるカゴの色情報に基づいて設定される閾値に基づいてカメラ4が撮影した画像を構成する各画素の画素値からカゴの画像を検出する。この場合、プロセッサ40は、カゴの画像として検出された画像によりカゴの開口部の画像領域を特定する。ただし、プロセッサ40は、上述した画像処理に限定されることなく、既知の画像処理技術を適用してカゴを検知するようにして良い。例えば、プロセッサ40は、テンプレートマッチングのような画像処理技術を用いてカメラ4が撮影した画像からカゴの画像を検出するようにしても良い。
【0088】
プロセッサ40は、検知したカゴの位置に応じて、カメラ4が撮影する画像からカゴの開口部の画像を抽出する。カゴの開口部の画像(カメラ4が撮影したカゴの開口部の画像)は、RAM42などの画像を格納するメモリに記憶されるものとする。プロセッサ40は、RAM42に格納されたカメラ4が撮影したカゴの開口部の画像に基づいて手の検知処理を実行する。
【0089】
なお、手の検知処理は、第1実施形態で説明した処理と同様、カゴに対するオペレータの手の出入りを検知する処理である。例えば、プロセッサ40は、第1実施形態で説明した図6に示すような手の検知処理を実行する。上述したように手の検知処理により、プロセッサ40は、オペレータがカゴから取り出したと検知された商品数(取出数)を示す情報を取得する。
【0090】
プロセッサ40は、登録処理中において、上述したような登録処理の終了(又は会計処理への移行)の指示を受け付ける(ACT125)。プロセッサ40は、商品の登録処理が終了するまで(ACT125、NO)、ACT123および124の処理を繰り返し実行する。
【0091】
登録処理の終了を検知した場合(ACT125、YES)、プロセッサ40は、登録処理において登録された商品の数を計数する(ACT126)。登録された商品数を計数すると、プロセッサ40は、登録された商品数が妥当であるか否かを判断する(ACT127)。
【0092】
プロセッサ40は、登録された商品数が手の検知処理の結果として取得するカゴから取り出された商品数と一致するか否かにより商品数が妥当であるか否かを判断する。これにより、プロセッサ40は、カゴから取り出された商品が全て登録されたかを商品数によって確認できる。
【0093】
ただし、第1実施形態で説明したように、ハンドスキャナ26を用いて登録(入力)される商品は、カゴの外にある場合も想定するようにしても良い。この場合、プロセッサ40は、第1実施形態で説明したように、ハンドスキャナ26を用いて登録された商品の数を考慮して商品数が妥当であるかを判定するようにすれば良い。
【0094】
登録された商品数が妥当であると判断した場合(ACT127、YES)、プロセッサ40は、商品数のチェック処理を終了する。図3に示す動作例によれば、プロセッサ40は、商品数が妥当であると判断した後に登録した商品の代金を決済するための会計処理へ移行する。
【0095】
登録された商品数が妥当でないと判断した場合(ACT127、NO)、プロセッサ40は、アラートを出力する(ACT128)。例えば、プロセッサ40は、ディスプレイ21に登録された商品数が妥当でない旨を示すアラートを表示する。また、プロセッサ40は、通信IFを介して通信する外部装置としてのアテンダント端末に対して商品数が妥当でない旨のアラートを出力するようにしても良い。
【0096】
また、プロセッサ40は、第1実施形態での説明と同様に、アラートの出力として、監視員(管理者)が所持する携帯端末にアラートを通知するようにしても良い。例えば、プロセッサ40は、所定のメールアドレス(例えば、監視員のメールアドレス)に対してアラートの通知を含む電子メールを送付するようにしても良い。さらに、プロセッサ40は、チェックアウト装置1に設けた表示器(警告灯)を点灯させてアラートを報知するようにしても良い。
【0097】
以上のように、第2実施形態に係るチェックアウト装置は、カメラが撮影する画像に基づいて任意の位置に置かれたカゴ(又はカート)を検知する。チェックアウト装置は、検知したカゴに基づいて、カメラ4が撮影した画像からカゴの開口部の画像を抽出する。チェックアウト装置は、カメラ4が撮影したカゴの開口部の画像に基づいて商品が取り出されたことを検知する。チェックアウト装置は、登録された商品数に対してカゴから取り出された商品数が妥当でなければ、未登録の商品がある旨のアラートを出力する。
これにより、チェックアウト装置は、カゴから取り出された商品が正しく登録されていないことを検知でき、未登録の商品があることを報知することができる。
【0098】
第2実施形態に係るチェックアウト装置によれば、カメラが撮影した画像からカゴを検知でき、検知したカゴの位置からカゴの開口部の画像を抽出できる。これにより、第2実施形態に係るチェックアウト装置は、カゴが任意の位置に置かれる運用であってもカゴの開口部の画像を取得でき、手の検知処理を行うことができる。この結果、チェックアウト装置は、カゴから取り出された商品数を正確に計数でき、未登録の商品を精度良く検知できる。
【0099】
なお、上述した第1および第2実施形態は、会計処理を実行しない登録処理専用のチェックアウト装置に適用しても良い。登録処理専用のチェックアウト装置は、会計処理を行う会計装置又は会計システムへ登録処理によって登録した商品に関する情報を送信するようにすれば良い。登録処理専用のチェックアウト装置においても、上述した手の検知処理を含む商品数のチェック処理を実行することにより、未登録の商品があることを検知することができる。
【0100】
さらに、第1および第2実施形態では、装置内部に本発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしても良い。記録媒体としては、CD-ROM等プログラムを記憶でき、且つ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態はいずれの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティングシステム)等と協動してその機能を実現させるものであっても良い。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1…チェックアウト装置、2…作業台、Ra…第1商品領域、3…固定具、4…カメラ、21…ディスプレイ、40…プロセッサ、51…カメラインターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェックアウト装置であって、
購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得するインターフェースと、
購入対象とする商品に付された商品に関する情報を有する画像から商品情報を取得するスキャナと、
前記インターフェースにより取得する前記カメラが撮影する画像から前記カゴに対する人物の手の進入および退出を検知した回数を前記カゴから取り出された商品の数とし、前記カゴから取り出された商品の数に対して前記スキャナが取得した商品情報から計数される商品の数が妥当であるか否かを検知するプロセッサと、
を有するチェックアウト装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記カゴから取り出された商品の数に対して前記スキャナが取得した商品情報から計数される商品の数が妥当でない場合にアラートを出力する、
請求項1に記載のチェックアウト装置。
【請求項3】
前記インターフェースは、所定位置に設置された固定具により所定位置に保持される前記カゴを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得し、
前記プロセッサは、前記固定具の設置位置に基づいて前記カメラが撮影した画像における前記カゴの開口部の画像を抽出し、前記カゴの開口部の画像において前記カゴに対する前記人物の手の進入および退出を検知する、
請求項に記載のチェックアウト装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記カメラが撮影した画像から前記カゴを検知し、前記カゴの開口部の画像を抽出し、前記カゴの開口部の画像において前記カゴに対する前記人物の手の進入および退出を検知する、
請求項に記載のチェックアウト装置。
【請求項5】
コンピュータに、
購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得させ、
スキャナを用いて購入対象とする商品に付された商品に関する情報を有する画像から商品情報を取得させ、
取得した商品情報からチェックアウト装置に登録する商品の数を計数させ、
前記カメラが撮影する画像から前記カゴに対する人物の手の進入および退出を検知した回数を前記カゴから取り出された商品の数とし
前記カゴから取り出された商品の数に対して前記チェックアウト装置に登録した商品の数が妥当であるか否かを検知させる、
ことを実行させるための商品数のチェックプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
実施形態によれば、チェックアウト装置は、インターフェースとスキャナとプロセッサとを有する。インターフェースは、購入対象とする商品を入れたカゴが置かれるエリアを撮影範囲に含むカメラが撮影した画像を取得する。スキャナは、購入対象とする商品に付された商品に関する情報を有する画像から商品情報を取得する。プロセッサは、インターフェースにより取得するカメラが撮影する画像から前記カゴに対する人物の手の進入および退出を検知した回数を前記カゴから取り出された商品の数とし、カゴから取り出された商品の数に対して前記スキャナが取得した商品情報から計数される商品の数が妥当であるか否かを検知する。