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特開2024-161226送信装置、送信方法、メディア処理装置、メディア処理方法および受信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161226
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、メディア処理装置、メディア処理方法および受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20241108BHJP
   H04N 21/434 20110101ALI20241108BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20241108BHJP
   H04H 60/07 20080101ALI20241108BHJP
   H04H 60/13 20080101ALI20241108BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20241108BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/434
H04H20/28
H04H60/07
H04H60/13
H04H60/37
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024152727
(22)【出願日】2024-09-04
(62)【分割の表示】P 2023009210の分割
【原出願日】2016-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2015112709
(32)【優先日】2015-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015217148
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚越 郁夫
(57)【要約】
【課題】受信側において一連のメディアアクセス制御を良好に行い得るようにする。
【解決手段】メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する。メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する。例えば、メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報や他のメディアアクセス情報と関連付け行うための識別情報が含まれる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
【請求項2】
上記メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
上記メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と関連付け行うための識別情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
上記メディアアクセス情報には、上記メディアストリームにおける対応シーンを示す期間情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
上記メディアアクセス情報には、ユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
上記メディアアクセス情報には、アクションコマンドの起動を管理するための時刻情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
上記メディアアクセス情報には、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
上記メディアアクセス情報には、状態をユーザに知らせるための通知情報が含まれる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
上記情報挿入部は、
上記メディアストリームの所定数の単位部分に、上記メディアアクセス部分が分割されて得られた各分割情報のそれぞれを挿入することが可能とされる
請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
上記メディアストリームは、オーディオ圧縮データストリームであり、
上記情報挿入部は、上記単位部分としてのオーディオフレームのユーザデータ領域に上記分割情報を挿入する
請求項9記載の送信装置。
【請求項11】
送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
【請求項12】
第1のメディアデータを取得すると共に、一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備える
メディア処理装置。
【請求項13】
上記第1の取得部は、
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を有し、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに上記メディアアクセス情報が挿入されており、
上記第1の取得部は、
上記メディアストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータを得るデコード処理部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部をさらに有する
請求項12に記載のメディア処理装置。
【請求項14】
上記第1の取得部は、
上記第1のメディアデータとしてのビデオデータと上記メディアアクセス情報が挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、
上記オーディオ圧縮データストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理部と、
上記オーディオ圧縮データストリームから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部を有する
請求項12に記載のメディア処理装置。
【請求項15】
第1の取得部により、第1のメディアデータを取得すると共に、該第1のメディアデータに対応した一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得ステップと、
第2の取得部により、上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得ステップと、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理ステップを有する
メディア処理方法。
【請求項16】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を備え、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されており、
上記メディアストリームをデコードして第1のメディアデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置。
【請求項17】
第1のメディアデータとしてのビデオデータと一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、
上記オーディオ圧縮データストリームをデコードして上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置。
【請求項18】
所定の情報が挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
【請求項19】
上記所定の情報は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報である
請求項18に記載の送信装置。
【請求項20】
送信部により、所定の情報がユーザデータ領域に挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
【請求項21】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
【請求項22】
上記チェック情報は、
上記メディアアクセス情報による個々のサービス、あるいは該サービスの供給元または規格団体に固有に割り当てられる識別値である
請求項21に記載の送信装置。
【請求項23】
送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
【請求項24】
メディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得部を備え、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェック部をさらに備える
メディア処理装置。
【請求項25】
メディアアクセス情報取得部により、メディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得ステップを有し、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得ステップと、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェックステップをさらに有する
メディア処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、送信方法、メディア処理装置、メディア処理方法および受信装置に関し、特に、ビデオ、オーディオなどのメディアストリームと共にメディアアクセス情報を送信する送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、放送局、配信サーバ等から所定の情報をオーディオ圧縮データストリームに挿入して送信し、受信側のセットトップボックスがこのオーディオ圧縮データストリームをそのままHDMIのデジタルインタフェースを介してテレビ受信機に送信し、テレビ受信機が当該所定の情報を利用した情報処理を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-010311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本技術の目的は、受信側において一連のメディアアクセス制御を良好に行い得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の概念は、
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信するストリーム送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入部を備える
送信装置にある。
【0006】
本技術において、送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナが送信される。情報挿入部により、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入される。
【0007】
例えば、メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報が含まれる、ようにされてもよい。この識別情報により、受信側では、各メディアアクセス情報の区別が容易となる。
【0008】
また、例えば、メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と関連付け行うための識別情報が含まれる、ようにされてもよい。この識別情報により、受信側では、関連したメディアアクセス情報の確認が容易となる。
【0009】
また、例えば、メディアアクセス情報には、メディアストリームにおける対応シーンを示す期間情報が含まれる、ようにされてもよい。この期間情報により、受信側では、メディアストリームにおける対応シーンに関連したメディアデータを取得することが容易となる。
【0010】
また、例えば、ユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報が含まれる、ようにされてもよい。このユーザインタフェース情報により、受信側では、ユーザに所望の再生メディアを選択させることが可能となる。
【0011】
また、例えば、メディアアクセス情報には、アクションコマンドの起動を管理するための時刻情報が含まる、ようにされてもよい。この時刻情報により、アクションコマンドの起動タイミングのフレキシブルな管理が可能となる。
【0012】
また、例えば、メディアアクセス情報には、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報が含まれる、ようにされてもよい。この絶対時刻情報により、受信側におけるメディア再生の期限を設けることが可能となる。
【0013】
また、例えば、メディアアクセス情報には、状態をユーザに知らせるための通知情報が含まれる、ようにされてもよい。この通知情報により、受信側では、ユーザに状態を適切に知らせることが可能となる。
【0014】
また、例えば、情報挿入部は、メディアストリームの所定数の単位部分に、メディアアクセス部分が分割されて得られた各分割情報のそれぞれを挿入することが可能とされる、ようにされてもよい。この場合、例えば、メディアストリームは、オーディオ圧縮データストリームであり、情報挿入部は、単位部分としてのオーディオフレームのユーザデータ領域に分割情報を挿入する、ようにされてもよい。このように分割挿入が可能とされることで、メディアアクセス報の全体サイズが大きくても個々のメディアフレームに挿入される情報サイズを抑えることができ、メディアデータの送信に影響を与えることなくメディアアクセス情報の送信を良好に行うことが可能となる。
【0015】
このように本技術においては、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報がメディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに順次挿入されて送信される。そのため、受信側において一連のメディアアクセス制御を良好に行うことが可能となる。
【0016】
また、本技術の他の概念は、
第1のメディアデータを取得すると共に、一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備える
メディア処理装置にある。
【0017】
本技術において、第1の取得部により、第1のメディアデータが取得されると共に、一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次取得される。
【0018】
例えば、第1の取得部は、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を有し、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤにメディアアクセス情報が挿入されており、第1の取得部は、メディアストリームにデコード処理を施して第1のメディアデータを得るデコード処理部と、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤからメディアアクセス情報を抽出する情報抽出部をさらに有する、ようにされてもよい。
【0019】
また、例えば、第1の取得部は、第1のメディアデータとしてのビデオデータとメディアアクセス情報が挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、オーディオ圧縮データストリームにデコード処理を施して第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理部と、オーディオ圧縮データストリームからメディアアクセス情報を抽出する情報抽出部を有する、ようにされてもよい。
【0020】
第2の取得部により、メディアアクセス情報に基づいて第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータが取得される。そして、提示処理部により、第1のメディアデータおよび第2のメディアデータによるメディアの提示処理が行われる。
【0021】
このように本技術においては、第1のメディアデータと共に一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次取得され、このメディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータが取得される。そのため、第1のメディアデータによるメディアの提示に対応させて第2のメディアデータによる提示を行うことが可能となる。
【0022】
また、本技術の他の概念は、
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を備え、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されており、
上記メディアストリームをデコードして第1のメディアデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置にある。
【0023】
本技術においては、
受信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナが受信される。メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されている。制御部により、デコード処理、メディアデータ取得処理およびメディア提示処理が制御される。
【0024】
デコード処理では、メディアストリームがデコードされて第1のメディアデータが得られる。メディアデータ取得処理では、メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータが取得される。そして、メディア提示処理では、第1のメディアデータおよび第2のメディアデータによるメディア提示が行われる。
【0025】
このように本技術においては、第1のメディアデータと共に一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次取得され、このメディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータが取得される。そのため、第1のメディアデータによるメディアの提示に対応させて第2のメディアデータによる提示を行うことが可能となる。
【0026】
また、本技術の他の概念は、
第1のメディアデータとしてのビデオデータと一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、
上記オーディオ圧縮データストリームをデコードして上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置にある。
【0027】
本技術において、受信部により、第1のメディアデータとしてのビデオデータと一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されたオーディオ圧縮データストリームが外部機器からデジタルインタフェースを介して受信される。制御部により、デコード処理、メディアデータ取得処理およびメディア提示処理が制御される。
【0028】
デコード処理では、オーディオ圧縮データストリームがデコードされて第1のメディアデータとしてのオーディオデータが得られる。メディアデータ取得処理では、メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータが取得される。そして、メディア提示処理では、第1のメディアデータおよび第2のメディアデータによるメディア提示が行われる。
【0029】
このように本技術においては、第1のメディアデータと共に一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次取得され、このメディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータが取得される。そのため、第1のメディアデータによるメディアの提示に対応させて第2のメディアデータによる提示を行うことが可能となる。
【0030】
また、本技術の他の概念は、
所定の情報が挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置にある。
【0031】
本技術においては、送信部により、所定の情報が挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナが送信される。例えば、所定の情報は、所定の情報は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報である、ようにされてもよい。情報挿入部により、コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報が挿入される。
【0032】
このように本技術においては、コンテナのレイヤにオーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームを優先させることを示す情報が挿入される。そのため、受信側においてオーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることが可能となり、符号化ストリームに挿入された所定の情報を受信機器から外部機器(デスティネーション機器)に確実に供給させることが可能となる。
【0033】
また、本技術の他の概念は、
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入部を備える
送信装置にある。
【0034】
本技術においては、送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナが送信される。情報挿入部により、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに、メディアアクセス情報が挿入される。このメディアアクセス情報には、このメディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されている。例えば、チェック情報は、メディアアクセス情報による個々のサービス、あるいはこのサービスの供給元または規格団体に固有に割り当てられる識別値である、ようにされてもよい。
【0035】
このように本技術においては、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに挿入されるメディアアクセス情報に、このメディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加される。そのため、受信側においては、メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元を簡単かつ容易にチェックすることが可能となる。
【0036】
また、本技術の他の概念は、
メディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得部を備え、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェック部をさらに備える
メディア処理装置にある。
【0037】
本技術において、メディアアクセス情報取得部により、メディアアクセス情報が取得される。このメディアアクセス情報には、このメディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されている。メディアデータ取得部により、メディアアクセス情報に基づいてメディアデータが取得される。そして、提供元チェック部により、チェック情報に基づいて、取得されたメディアデータの提供元がチェックされる。
【0038】
このように本技術においては、メディアアクセス情報に付加されているチェック情報に基づいて、メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元がチェックされる。そのため、メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元を簡単かつ容易にチェックすることが可能となる。
【発明の効果】
【0039】
本技術によれば、受信側において一連のメディアアクセス制御を良好に行い得る。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】実施の形態としての送受信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】メディアアクセス情報を分割して送信することによる効果を説明するための図である。
図3】放送送出装置が備えるストリーム生成部の構成例を示すブロック図である。
図4】MPEG-H 3D Audioの伝送データにおけるオーディオフレームの構造例を示す図である。
図5】エクステンションエレメントのタイプとその値の対応関係を示す図である。
図6】ユニバーサル・メタデータをエクステンションエレメントとして含むユニバーサル・メタデータ・フレームの構成例を示す図である。
図7】メディアアクセス情報を持つアクセス・インフォメーション・データの構成例を示す図(1/3)である。
図8】メディアアクセス情報を持つアクセス・インフォメーション・データの構成例を示す図(2/3)である。
図9】メディアアクセス情報を持つアクセス・インフォメーション・データの構成例を示す図(3/3)である。
図10】ユニバーサル・メタデータ・フレームおよびアクセス・インフォメーション・データにおける主要な情報の内容を示す図(1/2)である。
図11】ユニバーサル・メタデータ・フレームおよびアクセス・インフォメーション・データにおける主要な情報の内容を示す図(2/2)である。
図12】オーディオ・ストリーミング・デスクリプタの構造例と、その構造例における主要な情報の内容を示す図である。
図13】コンテナ対象データが複数のユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示す図である。
図14】コンテナ対象データが1つのユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示す図である。
図15】複数のコンテナ対象データが複数のユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示す図である。
図16】メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をオーディオストリームに挿入して送る場合におけるトランスポートストリームTSの構造例を示す図である。
図17】セットトップボックスの構成例を示すブロック図である。
図18】オーディオアンプの構成例を示すブロック図である。
図19】テレビ受信機の構成例を示すブロック図である。
図20】HDMI送信部とHDMI受信部の構成例を示すブロック図である。
図21】TMDSチャネルで画像データが伝送される場合の各種の伝送データの区間を示す図である。
図22】メディアアクセス制御の一例を示す図である。
図23】各メディアアクセス情報に含まれる情報の一例を示す図である。
図24】各メディアアクセス情報に含まれる情報の他の一例を示す図である。
図25】メディアアクセス制御の一例を示す図である。
図26】各メディアアクセス情報に含まれる情報の一例を示す図である。
図27】メディアアクセス情報を用いて取得されたメディアデータの提供元のチェック例を説明するための図である。
図28】放送送出装置が備えるストリーム生成部の他の構成例を示すブロック図である。
図29】アプリケーション・デスクリプタの構造例を示す図である。
図30】メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をコンテナに挿入して送る場合におけるトランスポートストリームTSの構造例を示す図である。
図31】セットトップボックスの他の構成例を示すブロック図である。
図32】メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をオーディオストリームに挿入して送る場合におけるMMTストリームの構造例を示す図である。
図33】メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をコンテナに挿入して送る場合におけるMMTストリームの構造例を示す図である。
図34】AC4のシンプルトランスポート(Simple Transport)のレイヤの構造を示す図である。
図35】TOC(ac4_toc())およびサブストリーム(ac4_substream_data())の概略構成を示す図である。
図36】ユニバーサル・データの構造例を示す図である。
図37】ユニバーサル・データの構造例における主要な情報の内容を示す図である。
図38】AC4・データコンテナ・デスクリプタの構造例を示す図である。
図39】AC4・データコンテナ・デスクリプタの構造例における主要な情報の内容を示す図である。
図40】オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるMPEG-2 TSのトランスポートストリームの構造例を示す図である。
図41】オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるMMTのトランスポートストリームの構造例を示す図である。
図42】オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるオーディオトラックのデータを含むMP4ストリーム(ファイル)の構成例を示す図である。
図43】MPDファイル記述例を示す図である。
図44】MPDファイル記述例における主要な情報の内容を示す図である。
図45】送受信システムの他の構成例を示すブロック図である。
図46】送受信システムのさらに他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0042】
<1.実施の形態>
[送受信システムの構成例]
図1は、実施の形態としての送受信システム10の構成例を示している。この送受信システム10は、放送送出装置100と、セットトップボックス(STB)200と、オーディオアンプ(AMP)300と、テレビ受信機(TV)500を有している。オーディオアンプ300には、マルチチャネル用のスピーカシステム400が接続されている。
【0043】
セットトップボックス200とオーディオアンプ300は、HDMIケーブル610を介して接続されている。この場合、セットトップボックス200がソースで、オーディオアンプ300はディスティネーションである。また、オーディオアンプ300とテレビ受信機500は、HDMIケーブル620を介して接続されている。この場合、オーディオアンプ300がソースで、テレビ受信機500はディスティネーションである。なお、「HDMI」は登録商標である。
【0044】
放送送出装置100は、トランスポートストリームTSを、放送波に載せて送信する。このトランスポートストリームTSには、ビデオストリームおよびオーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム、オーディオ符号化ストリーム)が含まれる。放送送出装置100は、オーディオストリームに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報をコンテナ対象データとして順次挿入する。
【0045】
各メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報「data_id」と、他のメディアアクセス情報と関連付けを行うための識別情報「information_id」が含まれる。
【0046】
また、各メディアアクセス情報には、IDテーブル(ID_tables)、アクセスインフォメーション(access information)、アクションコマンド(action command)、ノーティフィケーション(notification)、ピリオド(period)、リファレンスタイムコード(reference time process)、オフセットタイム(offset_time)、ユニバーサルタイムコード(UTC:universal time code)、UIセレクションプロセス(UI selection code)などの情報が選択的に含まれる。
【0047】
IDテーブル(ID_tables)には、アプリケーションID(applicatio_id)、ネットワークID(network_id)、トランスポートID(transport_id)、サービスID(service_id)などが含まれる。アプリケーションIDは、例えば、ハイブリットサービス(hybrid service)を示すものとされる。ネットワークIDは、オリジナルネットワークIDである。トランスポートIDは、関連付けする対象のトランスポートIDである。サービスIDは、関連付けするサービス情報IDである。このIDテーブル内の各IDと、ATSC、DVBなどを示すオーガナイゼーションID(organization_id)は、放送波供給されるサービスの識別情報を構成している。
【0048】
アクセスインフォメーション(access information)は、アクセス先のURLを示す。アクションコマンド(action command)は、オートスタート(autostart)、マニュアルスタート(manual_start)などのアクションを起動させるためのコマンドである。ノーティフィケーション(notification)は、ユーザに状態を通知するための通知情報(メッセージ)を示す。ピリオド(period)は、オーディオストリームにおける対応シーンを示す期間情報である。
【0049】
リファレンスタイムコード(reference time code)およびオフセットタイム(offset_time)は、アクションコマンドの起動を管理するための時刻情報である。UTC(universal time process)は、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報である。UIセレクションプロセス(UI selection code)は、ユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報である。
【0050】
放送送出装置100は、所定数のメディアアクセス情報のそれぞれを、オーディオストリームの所定数のオーディオフレームに分割して挿入する。このように分割することで、メディアアクセス情報の全体サイズが大きくても個々のオーディオフレームに挿入される情報サイズを抑えることができ、オーディオ圧縮データの送信に影響を与えることなく所定の情報の送信が可能となる。
【0051】
このとき、放送送出装置100は、最初の分割情報に所定の情報の全体サイズを示す情報を付加し、各分割情報に最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報を付加する。なお、所定数は1を含むものとする。所定数が1であるとき、メディアアクセス情報は、実際には分割されず、その全体が1つのオーディオフレームに挿入される。
【0052】
図2の実線aは、全体サイズが大きな所定の情報を1つのオーディオフレームで送信する場合のビットレートの変化を概略的に示しているが、メディアアクセス情報が挿入されるオーディオフレームで急激に増加する。この場合には、例えばオーディオ圧縮データのビットレートが192kbpsであって所定の情報が40バイトであるとき、ビットレートが15kbpsだけ増加して207kbpsとなる。このようにビットレートがスパイク状に急激に増加する場合には、オーディオ圧縮データの送信に影響を与える。
【0053】
一方、図2の破線bは、全体サイズが大きなメディアアクセス情報を複数のオーディオフレームで分割して送信する場合のビットレートの変化を概略的に示している。この場合には、ビットレートが急激に増加するということがない。そのため、オーディオ圧縮データの送信に影響を与えることなく、全体サイズが大きなメディアアクセス情報を良好に送信できるようになる。
【0054】
また、放送送出装置100は、コンテナとしてのトランスポートストリームTSのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報(伝送フォーマット優先情報)を挿入する。放送送出装置100は、この情報を、例えば、プログラムマップテーブル(PMT:Program Map Table)の配下に存在するオーディオエレメンタリストリームループ内にデスクリプタとして挿入する。
【0055】
セットトップボックス200は、放送送出装置100から放送波に載せて送信されてくるトランスポートストリームTSを受信する。このトランスポートストリームTSには、上述したように、ビデオストリームおよびオーディオストリームが含まれており、オーディオストリームには一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されている。
【0056】
セットトップボックス200は、ビデオストリームにデコード処理を施して得られた非圧縮のビデオデータと共に、受信されたオーディオストリームそのものを、HDMIケーブル610を介して、オーディオアンプ300に送信する。この場合、セットトップボックス200は、トランスポートストリームTSのレイヤに挿入されている上述の伝送フォーマット優先情報に基づいて、オーディオストリームにデコード処理を施すことなく、そのものをオーディオアンプ300に送信する。これにより、オーディオストリームに挿入されているメディアアクセス情報もオーディオアンプ300にそのまま送られることとなる。
【0057】
オーディオアンプ300は、セットトップボックス200から、HDMIケーブル610を介して、非圧縮のビデオデータと共に、メディアアクセス情報が挿入されているオーディオストリームを受信する。オーディオアンプ300は、オーディオストリームにデコード処理を施してマルチチャネル用のオーディオデータを得、このオーディオデータをスピーカシステム400に供給する。
【0058】
また、オーディオアンプ300は、受信された非圧縮のビデオデータとオーディオストリームを、HDMIケーブル620を介して、テレビ受信機500に送信する。これにより、オーディオストリームに挿入されているメディアアクセス情報もテレビ受信機500にそのまま送られることとなる。この場合、オーディオアンプ300は、セットトップボックス200から、例えばCECラインを用いた通信により、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることが指示される。
【0059】
テレビ受信機500は、オーディオアンプ300から、HDMIケーブル620を介して、非圧縮のビデオデータと共に、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されているオーディオストリームを受信する。テレビ受信機500は、非圧縮のビデオデータによる画像を表示する。また、テレビ受信機500は、オーディオストリームにデコード処理を施し、メディアアクセス情報を取得する。
【0060】
メディアアクセス情報はオーディオストリームの所定数のオーディオフレームに分割されて挿入されている。最初の分割情報に、メディアアクセス情報の全体サイズを示す情報が付加され、各分割情報に最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報が付加されている。テレビ受信機500は、これらの情報に基づいて、所定数のオーディオフレームから、メディアアクセス情報を構成する各分割情報を取得する。
【0061】
この場合、テレビ受信機500は、最初の分割情報が取得される時点で、メディアアクセス情報の全体サイズを示す情報を認識する。そして、テレビ受信機500は、記憶媒体に所定の情報を蓄積するためのスペースを確保でき、メディアアクセス情報の取得処理を容易かつ適切に行うことが可能となる。
【0062】
テレビ受信機500は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得する。そして、テレビ受信機500は、セットトップボックス200から送られてくるビデオ、オーディオのデータによる画像表示、音声出力等に対応させて、メディアアクセス情報に基づいて取得したメディアデータによる画像表示、音声出力をする。
【0063】
[放送送出装置のストリーム生成部]
図3は、放送送出装置100が備えるストリーム生成部110の構成例を示している。このストリーム生成部110は、制御部111と、ビデオエンコーダ112と、オーディオエンコーダ113と、マルチプレクサ114を有している。
【0064】
制御部111は、CPU111aを備えており、ストリーム生成部110の各部を制御する。ビデオエンコーダ112は、ビデオデータ(画像データ)SVに対して、MPEG2、H.264/AVC、H.265/HEVCなどの符号化を施し、ビデオストリーム(ビデオエレメンタリストリーム)を生成する。ビデオデータSVは、例えば、HDD(hard disk drive)などの記録媒体から再生されたビデオデータ、あるいはビデオカメラで得られたライブビデオデータなどである。
【0065】
オーディオエンコーダ113は、オーディオデータ(音声データ)SAに対して、MPEG-H 3D Audioの圧縮フォーマットによる符号化を施し、オーディオストリーム(オーディオエレメンタリストリーム)を生成する。オーディオデータSAは、上述のビデオデータSVに対応しており、HDDなどの記録媒体から再生されたオーディオデータ、あるいはマイクロホンで得られたライブオーディオデータなどである。
【0066】
オーディオエンコーダ113は、オーディオ符号化ブロック部113aおよびオーディオフレーミング部113bを有している。オーディオ符号化ブロック部113aで符号化ブロックが生成され、オーディオフレーミング部113bでフレーミングが行われる。
【0067】
オーディオエンコーダ113は、制御部111による制御のもと、オーディオストリームに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報をコンテナ対象データとして順次挿入する。オーディオエンコーダ113は、所定数のメディアアクセス情報のそれぞれを、オーディオストリームの所定数(1を含む)のオーディオフレームに分割して挿入する。このとき、オーディオエンコーダ113は、最初の分割情報に、所定の情報の全体サイズを示す情報を付加する。また、オーディオエンコーダ113は、各分割情報に、最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報としての降順のカウント数を付加する。
【0068】
図4は、MPEG-H 3D Audioの伝送データにおけるオーディオフレームの構造例を示している。このオーディオフレームは、複数のMPEGオーディオストリームパケット(mpeg Audio Stream Packet)からなっている。各MPEGオーディオストリームパケットは、ヘッダ(Header)とペイロード(Payload)により構成されている。
【0069】
ヘッダは、パケットタイプ(Packet Type)、パケットラベル(Packet Label)、パケットレングス(Packet Length)などの情報を持つ。ペイロードには、ヘッダのパケットタイプで定義された情報が配置される。このペイロード情報には、同期スタートコードに相当する“SYNC”と、3Dオーディオの伝送データの実際のデータである“Frame”と、この“Frame”の構成を示す“Config”が存在する。
【0070】
“Frame”には、3Dオーディオの伝送データを構成するチャネル符号化データとオブジェクト符号化データが含まれる。ここで、チャネル符号化データは、SCE(Single Channel Element)、CPE(Channel Pair Element)、LFE(Low Frequency Element)などの符号化サンプルデータで構成される。また、オブジェクト符号化データは、SCE(Single Channel Element)の符号化サンプルデータと、それを任意の位置に存在するスピーカにマッピングさせてレンダリングするためのメタデータにより構成される。このメタデータは、エクステンションエレメント(Ext_element)として含まれる。
【0071】
この実施の形態では、エクステンションエレメント(Ext_element)として、メディアアクセス情報をユニバーサル・メタデータ(universal_metadata)として持つエレメント(Ext_universal_metadata)を新たに定義する。これに伴って、“Config”に、そのエレメントの構成情報(universal_metadataConfig)を新たに定義する。
【0072】
図5は、エクステンションエレメント(Ext_element)のタイプ(ExElementType)と、その値(Value)との対応関係を示している。現状は、0~7が決められている。128以降はMPEG以外まで拡張可能なので、例えば、128を、新たに、“ID_EXT_ELE_universal_metadata”のタイプの値として定義する。なお、MPEGなどの規格の場合は、8~127で定義することも可能である。
【0073】
図6は、ユニバーサル・メタデータをエクステンションエレメントとして含むユニバーサル・メタデータ・フレーム(universal_metadata_frame())の構造例(syntax)を示している。図7図8図9は、所定数(1を含む)のユニバーサル・メタデータ・フレームの「bytes_to_carry_access_information_data」に挿入されるアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())の構造例(syntax)を示している。図10図11は、各構造例における主要な情報の内容(semantics)を示している。
【0074】
ユニバーサル・メタデータ・フレーム(universal_metadata_frame())において、「organization_id」の32ビットフィールドは、ユーザデータ領域で伝送する個々のサービス、あるいはこのサービスの供給元または規格団体(例えば、“ATSC”,“DVB”など)に固有に割り当てられる識別値を示す。「metadata_type」の8ビットフィールドは、コンテナ対象データの種類を示す。例えば、“0x10”はMPEG-H方式のユニバーサル・メタデータを示し、“0x02”はATSCのアプリケーションメタデータを示す。「data_id」の8ビットフィールドは、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)のIDを示す。同一のコンテナ対象データが分割されて得られた各分割情報には同一のIDが付与される。
【0075】
「start_flag」の1ビットフィールドは、コンテナ対象データの開始か否かを示す。“1”は開始を示し、“0”は開始でないことを示す。「fcounter」の7ビットフィールドは、分割されたコンテナ対象データの分割位置を降順のカウント数で示す。“0”が最後の分割部分を示すものである。「start_flag」が“1” かつ、「fcounter」が“0”の場合、分割されていないことを示す。
【0076】
「start_flag」が“1”であるとき、「total_data_size」の16ビットフィールドが存在する。このフィールドは、コンテナ対象データのサイズを示す。「bytes_to_carry_access_information_data」のフィールドに、アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())の全体、あるいはその一部(分割情報)が挿入される。
【0077】
アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())において、「num_of_access_information; N」の8ビットフィールドは、メディアアクセス情報内の情報の数Nを示す。「information_id」の8ビットフィールドは、メディアアクセス情報のIDを示す。関連する所定数のメディアアクセス情報には同一のIDが付与される。つまり、アプリケーションでは、この「information_id」を利用して各々のメディアアクセス情報の関連付けが可能になる。「segment_id」の8ビットフィールドは、「information_id」を共有し、セグメント化された各メディアアクセス情報のIDを示す。
【0078】
アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())には、「num_of_access_information; N」で示される数Nの情報が含まれる。「information_type」の8ビットフィールドは、情報の種類を示す。“0x00”は、IDテーブル(ID_tables)を示す。情報の種類がIDテーブルであるとき、アプリケーションID(applicatio_id)、ネットワークID(network_id)、トランスポートID(transport_id)、サービスID(service_id)を示すそれぞれ16ビットフィールドが存在する。
【0079】
“0x01”は、アクセスインフォメーション(access information)を示す。情報の種類がアクセスインフォメーションであるとき、「bytes」のフィールドにURLの各文字のコードが配置される。なお、「url_length」の8ビットフィールドは、URLの文字の数を示す。
【0080】
“0x02”は、アクションコマンド(action command)を示す。情報の種類がアクションコマンドであるとき、「command_type」の8ビットフィールドが存在する。例えば、“1”はオートスタート(autostart)を示し、“2”はマニュアルスタート(manual_start)を示し、“3”はレジューム(resume)を示し、“4”はポーズ(pause)を示し、“5”はストップ(stop)を示し、“6”はユーザセレクテッド(user selected)を示し、“7”はデスカード・ダウンロード・データ(discard download_data)を示す。
【0081】
“0x03”は、ノーティフィケーション(notification)を示す。情報の種類がノーティフィケーションであるとき、「message_type」の8ビットフィールドが存在する。例えば、“1”はプリペアリング(preparing)を示し、“2”はアクセスレディ(access ready)を示し、“3”はエクスパイヤード(expired)を示し、“4”はセレクション(selection)を示す。
【0082】
“0x04”は、ピリオド(period)を示す。情報の種類がピリオドであるとき、「period_id」の8ビットフィールドが存在する。“0x05”は、リファレンスタイムコード(reference time code)を示す。情報の種類がリファレンスタイムコードであるとき、「time_code1」の64ビットフィールドが存在する。
【0083】
“0x06”は、オフセットタイム(offset_time)を示す。情報の種類がオフセットタイムであるとき、「time_code2」の64ビットフィールドと、「target_segment_id」の8ビットフィールドが存在する。このフィールドは、オフセットタイムを指定する先のメディアアクセス情報の「segment_id」を示す。なお、自身のオフセットタイムを指定する場合には、この「target_segment_id」が存在しないこともある。
【0084】
“0x07”は、UTC(universal time code)を示す。情報の種類がUTCであるときは、「UTC」の64ビットフィールドが存在する。
【0085】
“0x08”は、UIセレクションプロセス(UI selection code)を示す。情報の種類がUIセレクションプロセスであるとき、「data」のフィールドにユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報が配置される。このユーザインタフェース情報は、例えば、ブラウザ起動に必要な情報が記述されたHTMLデータである。この記述には、ユーザ選択させるためのサムネール情報や、選択結果を表すID“select_ID”などが含まれる。なお、「html_length」の8ビットフィールドは、ブラウザ機能を実現させるための情報で、関連するHTMLデータのバイト数を示す。
【0086】
図3に戻って、マルチプレクサ114は、ビデオエンコーダ112から出力されるビデオストリームおよびオーディオエンコーダ113から出力されるオーディオストリームを、PESパケット化し、さらにトランスポートパケット化して多重し、多重化ストリームとしてのトランスポートストリームTSを得る。
【0087】
また、マルチプレクサ114は、プログラムマップテーブル(PMT)の配下に、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)のフォーマットを優先させることを示す情報(伝送フォーマット優先情報)を挿入する。具体的には、オーディオエレメンタリストリームループ内に、オーディオ・ストリーミング・デスクリプタ(Audio_streaming_descriptor())を挿入する。
【0088】
図12(a)は、オーディオ・ストリーミング・デスクリプタの構造例(Syntax)を示している。また、図12(b)は、その構造例における主要な情報の内容(Semantics)を示している。
【0089】
「descriptor_tag」の8ビットフィールドは、デスクリプタタイプを示す。ここでは、オーディオ・ストリーミング・デスクリプタであることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、デスクリプタの長さ(サイズ)を示し、デスクリプタの長さとして、以降のバイト数を示す。
【0090】
「audio_streaming_flag」の1ビットフィールドは、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す。“1”は符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示し、“0”は符号化ストリームのフォーマットを優先させなくてもよいことを示す。この実施の形態では、「audio_streaming_flag」は“1”に設定される。
【0091】
図3に示すストリーム生成部110の動作を簡単に説明する。ビデオデータSVはビデオエンコーダ112に供給される。このビデオエンコーダ112では、ビデオデータSVに対してH.264/AVC、H.265/HEVCなどの符号化が施され、符号化ビデオデータを含むビデオストリームが生成される。
【0092】
また、オーディオデータSAは、オーディオエンコーダ113に供給される。このオーディオエンコーダ113では、そのオーディオデータSAに対して、MPEG-H 3D Audioの圧縮フォーマットによる符号化が施され、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)が生成される。
【0093】
この際、制御部111からオーディオエンコーダ113に、オーディオストリームに挿入すべきメディアアクセス情報がコンテナ対象データとして供給される。オーディオエンコーダ113では、オーディオストリームの所定数(1を含む)のオーディオフレームにコンテナ対象データ(メディアアクセス情報)が分割されて挿入される。
【0094】
このとき、オーディオエンコーダ113では、最初の分割情報に、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)の全体サイズを示す情報が付加される。また、オーディオエンコーダ113では、各分割情報に、最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報としての降順のカウント数が付加される。
【0095】
ビデオエンコーダ112で生成されたビデオストリームは、マルチプレクサ114に供給される。また、オーディオエンコーダ113で生成されたオーディオストリームは、マルチプレクサ114に供給される。そして、このマルチプレクサ114では、各エンコーダから供給されるストリームがパケット化されて多重され、伝送データとしてトランスポートストリームTSが得られる。
【0096】
また、マルチプレクサ114では、プログラムマップテーブル(PMT)の配下のオーディオエレメンタリストリームループ内に、オーディオ・ストリーミング・デスクリプタ(図12(a)参照)が挿入される。このデスクリプタには、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)のフォーマットを優先させることを示す情報(伝送フォーマット優先情報)が含まれている。
【0097】
[コンテナ対象データ(所定の情報)の挿入]
オーディオストリームへのコンテナ対象データの挿入についてさらに説明する。図13は、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)が、複数のユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示している。
【0098】
この場合、コンテナ対象データは複数に分割され、複数の分割情報のそれぞれが複数のユニバーサル・メタデータ・フレームに振り分けられ、「bytes_to_carry_access_information_data」のフィールドに挿入される(図6参照)。ここで、最初の分割情報に対応した「start_flag」は“1”とされ、最初の分割情報であることが示される。また、最初の分割情報に対応した「fcounter」は“n-1” とされ、その値に1を加算することで分割数“n”が示される。また、この最初の分割情報に対応して、「total_data_size」のフィールドが存在し、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)の全体サイズが示される。
【0099】
2番目以降の分割情報に対応した「start_flag」は“0”とされ、最初の分割情報でないことが示される。また、2番目以降の分割情報に対応した「fcounter」は“n-1”から順次デクリメントされたカウント数とされ、分割位置が示されると共に、残りの分割情報の数が示される。また、最後の分割情報に対応した「fcounter」は“0”とされ、最後の分割情報であることが示される。
【0100】
なお、最初の分割情報に対応した「fcounter」を“n” とし、2番目以降の分割情報に対応した「fcounter」を“n”から順次デクリメントされたカウント数とし、最後の分割情報に対応した「fcounter」を“1”とすることも考えられる。最初の分割情報に対応した「fcounter」の“n”は分割数を示し、「fcounter」が“1”であることは、最後の分割情報であることを示すものとなる。
【0101】
図14は、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)が、1つのユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示している。この場合、コンテナ対象データは分割されずに、1つのユニバーサル・メタデータ・フレームの「bytes_to_carry_access_information_data」のフィールドに挿入される(図6参照)。ここで、「start_flag」は“1”とされ、最初の分割情報であることが示される。また、「fcounter」は“0” とされ、最後の分割情報であることが示される。従って、これらの情報から、分割されていないことが示される。また、この最初の分割情報に対応して、「total_data_size」のフィールドが存在し、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)の全体サイズが示される。
【0102】
図15は、複数のコンテナ対象データ(メディアアクセス情報)が、複数のユニバーサル・メタデータ・フレームで伝送される場合の例を示している。図示の例は、「data_id」が“0”で示されるコンテナ対象データAと、「data_id」が“1”であるコンテナ対象データBの2つのコンテナ対象データが伝送される場合の例である。
【0103】
この場合、コンテナ対象データAは3分割され、3つの分割情報のそれぞれが3つのユニバーサル・メタデータ・フレームに振り分けられ、「bytes_to_carry_access_information_data」のフィールドに挿入される(図6参照)。ここで、最初の分割情報に対応した「start_flag」は“1”とされ、最初の分割情報であることが示される。また、最初の分割情報に対応した「fcounter」は“2” とされ、その値に1を加算することで分割数“3”が示される。また、この最初の分割情報に対応して、「total_data_size」のフィールドが存在し、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)の全体サイズが示される。
【0104】
2番目の分割情報に対応した「start_flag」は“0”とされ、最初の分割情報でないことが示される。また、2番目の分割情報に対応した「fcounter」は“1”とされ、分割位置が示されると共に、残りの分割情報の数が”1“であることが示される。また、最後の分割情報に対応した「start_flag」は“0”とされ、最後の分割情報でないことが示される。そして、最後の分割情報に対応した「fcounter」は“0”とされ、最後の分割情報であることが示される。
【0105】
また、コンテナ対象データBは分割されずに、1つのユニバーサル・メタデータ・フレームの「bytes_to_carry_access_information_data」のフィールドに挿入される(図6参照)。ここで、「start_flag」は“1”とされ、最初の分割情報であることが示される。また、「fcounter」は“0” とされ、最後の分割情報であることが示される。従って、これらの情報から、分割されていないことが示される。また、この最初の分割情報に対応して、「total_data_size」のフィールドが存在し、コンテナ対象データ(メディアアクセス情報)の全体サイズが示される。
【0106】
[トランスポートストリームTSの構造例]
図16は、トランスポートストリームTSの構造例を示している。この構造例では、PID1で識別されるビデオストリームのPESパケット「video PES」が存在すると共に、PID2で識別されるオーディオストリームのPESパケット「audio PES」が存在する。PESパケットは、PESヘッダ(PES_header)とPESペイロード(PES_payload)からなっている。PESヘッダには、DTS,PTSのタイムスタンプが挿入されている。
【0107】
オーディオストリームのPESパケットのPESペイロードにはオーディオストリーム(Audio coded stream)が挿入される。このオーディオストリームの所定数(1を含む)のオーディオフレーム内のユニバーサル・メタデータ・フレーム(universal_metadata_frame())に、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)を含むアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())(図7-図9参照)が挿入される。
【0108】
また、トランスポートストリームTSには、PSI(Program Specific Information)として、PMT(Program Map Table)が含まれている。PSIは、トランスポートストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを記した情報である。PMTには、プログラム全体に関連する情報を記述するプログラム・ループ(Program loop)が存在する。
【0109】
また、PMTには、各エレメンタリストリームに関連した情報を持つエレメンタリストリーム・ループが存在する。この構成例では、ビデオストリームに対応したビデオエレメンタリストリーム・ループ(video ES loop)が存在すると共に、オーディオストリームに対応したオーディオエレメンタリストリーム・ループ(audio ES loop)が存在する
【0110】
ビデオエレメンタリストリーム・ループ(video ES loop)には、ビデオストリームに対応して、ストリームタイプ、PID(パケット識別子)等の情報が配置されると共に、そのビデオストリームに関連する情報を記述するデスクリプタも配置される。このビデオストリームの「Stream_type」の値は「0x24」に設定され、PID情報は、上述したようにビデオストリームのPESパケット「video PES」に付与されるPID1を示すものとされる。デスクリプタの一つして、HEVC デスクリプタが配置される。
【0111】
また、オーディオエレメンタリストリーム・ループ(audio ES loop)には、オーディオストリームに対応して、ストリームタイプ、PID(パケット識別子)等の情報が配置されると共に、そのオーディオストリームに関連する情報を記述するデスクリプタも配置される。このオーディオストリームの「Stream_type」の値は「0x2C」に設定され、PID情報は、上述したようにオーディオストリームのPESパケット「audio PES」に付与されるPID2を示すものとされる。デスクリプタの1つとして、上述したオーディオ・ストリーミング・デスクリプタが配置される。
【0112】
[セットトップボックスの構成例]
図17は、セットトップボックス200の構成例を示している。このセットトップボックス200は、CPU201と、フラッシュROM202と、DRAM203と、内部バス204と、リモコン受信部205と、リモコン送信機206を有している。また、セットトップボックス200は、アンテナ端子211と、デジタルチューナ212と、デマルチプレクサ213と、ビデオデコーダ214と、オーディオフレーミング部215と、HDMI送信部216と、HDMI端子217を有している。
【0113】
CPU201は、セットトップボックス200の各部の動作を制御する。フラッシュROM202は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM203は、CPU201のワークエリアを構成する。CPU201は、フラッシュROM202から読み出したソフトウェアやデータをDRAM203上に展開してソフトウェアを起動させ、セットトップボックス200の各部を制御する。
【0114】
リモコン受信部205は、リモコン送信機206から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU201に供給する。CPU201は、このリモコンコードに基づいて、セットトップボックス200の各部を制御する。CPU201、フラッシュROM202およびDRAM203は、内部バス204に接続されている。
【0115】
アンテナ端子211は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ212は、アンテナ端子211に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応したトランスポートストリームTSを出力する。
【0116】
デマルチプレクサ213は、トランスポートストリームTSからビデオストリームのパケットを抽出し、ビデオデコーダ214に送る。ビデオデコーダ214は、デマルチプレクサ213で抽出されたビデオのパケットからビデオストリームを再構成し、デコード処理を行って非圧縮のビデオデータ(画像データ)を得る。
【0117】
また、デマルチプレクサ213は、トランスポートストリームTSからオーディオストリームのパケットを抽出し、オーディオストリームを再構成する。オーディオフレーミング部215は、このように再構成されたオーディオストリームに対してフレーミングを行う。このオーディオストリームには、上述のストリーム生成部110(図3参照)で説明したように、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が挿入されている。
【0118】
また、デマルチプレクサ213は、トランスポートストリームTSからデスクリプタ情報などの各種情報を抽出し、CPU201に送る。この各種情報には、上述したオーディオ・ストリーミング・デスクリプタ(Audio_streaming_descriptor())の情報も含まれる(図12(a)参照)。
【0119】
CPU201は、このデスクリプタに挿入されている「audio_streaming_flag」のフィールドの情報、つまり伝送フォーマット優先情報に基づいて、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)のフォーマットを優先させることを認識する。これにより、CPU201は、オーディオストリームにデコード処理を施すことなく、そのものをオーディオアンプ300に送信するように、セットトップボックス200の各部を制御する。なお、図示していないが、セットトップボックス200は、例えば、オーディオデコーダを備え、オーディオストリームにデコード処理を施して、オーディオデータを得ることも可能とされている。
【0120】
また、CPU201は、オーディオアンプ300との間で例えばCECラインを用いた通信を行って、オーディオアンプ300に、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを指示する。これにより、オーディオアンプ300は、後述するように、オーディオストリームをそのままテレビ受信機500に送信するように動作する。
【0121】
なお、後述の図33の構成の送受信システム10Aの場合には、オーディオアンプ300はオーディオストリームをデコードする場合もあり、またデコードしない場合もある。いずれの場合も優先情報に基づいて符号化ストリームを優先させることで、最終目的の受信デバイスまでオーディオ符号化ストリームが到達可能となる。
【0122】
HDMI送信部216は、HDMIに準拠した通信により、ビデオデコーダ214で得られた非圧縮のビデオデータと、オーディオフレーミング部215でフレーミングされた後のオーディオストリームを、HDMI端子217から送出する。HDMI送信部216は、HDMIのTMDSチャネルで送信するため、ビデオデータおよびオーディオストリームをパッキングして、HDMI端子217に出力する。このHDMI送信部216の詳細は後述する。
【0123】
セットトップボックス200の動作を簡単に説明する。アンテナ端子211に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ212に供給される。このデジタルチューナ212では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応したトランスポートストリームTSが出力される。
【0124】
デジタルチューナ212から出力されるトランスポートストリームTSは、デマルチプレクサ213に供給される。このデマルチプレクサ213では、トランスポートストリームTSからビデオのエレメンタリストリームのパケットが抽出され、ビデオデコーダ214に送られる。
【0125】
ビデオデコーダ214では、デマルチプレクサ213で抽出されたビデオのパケットからビデオストリームが再構成された後、そのビデオストリームに対してデコード処理が行われて、非圧縮のビデオデータが得られる。この非圧縮のビデオデータは、HDMI送信部216に供給される。
【0126】
また、デマルチプレクサ213では、トランスポートストリームTSからオーディオストリームのパケットが抽出され、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が挿入されているオーディオストリームが再構成される。このオーディオストリームはオーディオフレーミング部215でフレーミングされた後に、HDMI送信部216に供給される。そして、HDMI送信部216では、非圧縮のビデオデータおよびオーディオストリームがパッキングされ、HDMI端子217からHDMIケーブル610を介してオーディオアンプ300に送信される。
【0127】
[オーディオアンプの構成例]
図18は、オーディオアンプ300の構成例を示している。オーディオアンプ300は、CPU301と、フラッシュROM302と、DRAM303と、内部バス304と、リモコン受信部305と、リモコン送信機306を有している。また、オーディオアンプ300は、HDMI端子311と、HDMI受信部312と、オーディオデコーダ313と、音声処理回路314と、音声増幅回路315と、音声出力端子316と、HDMI送信部317と、HDMI端子318を有している。
【0128】
CPU301は、オーディオアンプ300の各部の動作を制御する。フラッシュROM302は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM303は、CPU301のワークエリアを構成する。CPU301は、フラッシュROM302から読み出したソフトウェアやデータをDRAM303上に展開してソフトウェアを起動させ、オーディオアンプ300の各部を制御する。
【0129】
リモコン受信部305は、リモコン送信機306から送信されたリモーコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU301に供給する。CPU301は、このリモコンコードに基づいて、オーディオアンプ300の各部を制御する。CPU301、フラッシュROM302およびDRAM303は、内部バス304に接続されている。
【0130】
HDMI受信部312は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル610を介してHDMI端子311に供給される非圧縮のビデオデータとオーディオストリームを受信する。オーディオストリームには、上述のセットトップボックス200(図17参照)で説明したように、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が挿入されている。このHDMI受信部312の詳細は後述する。
【0131】
オーディオデコーダ313は、HDMI受信部212で受信されたオーディオストリームに対してデコード処理を施し、所定チャネル数の非圧縮のオーディオデータ(音声データ)を得る。音声処理回路314は、所定チャネル数の非圧縮のオーディオデータに、スピーカシステム400(図1参照)の構成に応じて必要なアップ/ダウンミックス処理を施して、必要なチャネル数のオーディオデータを得ると共に、D/A変換等の必要な処理を施す。
【0132】
音声増幅回路315は、音声処理回路314で得られた各チャネルのオーディオ信号を増幅して音声出力端子316に出力する。なお、音声出力端子316には、スピーカシステム400が接続される。
【0133】
HDMI送信部317は、HDMIに準拠した通信により、HDMI受信部212で受信された非圧縮のビデオデータとオーディオストリームを、HDMI端子318から送出する。HDMI送信部317は、HDMIのTMDSチャネルで送信するため、非圧縮のビデオデータおよびオーディオストリームをパッキングして、HDMI端子318に出力する。このHDMI送信部317の詳細は後述する。
【0134】
図18に示すオーディオアンプ300の動作を簡単に説明する。HDMI受信部312では、セットトップボックス200からHDMIケーブル610を介してHDMI端子311に送信されてくる、非圧縮のビデオデータとオーディオストリームが受信される。
【0135】
HDMI受信部312で受信されたオーディオストリームは、オーディオデコーダ313に供給される。オーディオデコーダ313では、オーディオストリームに対してデコード処理が施されて、所定チャネル数の非圧縮のオーディオデータが得られる。このオーディオデータは、音声処理回路314に供給される。
【0136】
音声処理回路314では、所定チャネル数の非圧縮のオーディオデータに、スピーカシステム400(図1参照)の構成に応じて必要なアップ/ダウンミックス処理が施されて、必要なチャネル数のオーディオデータが得られると共に、D/A変換等の必要な処理が施される。音声処理回路314から出力される各チャネルのオーディオデータは音声増幅回路315で増幅されて音声出力端子316に出力される。そのため、音声出力端子316に接続されたスピーカシステム400から所定チャネル数の音声出力が得られる。
【0137】
また、HDMI受信部312で受信された非圧縮のビデオデータとオーディオストリームは、HDMI送信部317に供給される。なお、HDMI受信部312で受信された非圧縮のビデオデータそのものではなく、この非圧縮のビデオデータにグラフィックスデータの重畳等の処理が施された後のビデオデータがHDMI送信部317に供給されてもよい。HDMI送信部317では、これらの非圧縮のビデオデータおよびオーディオストリームがパッキングされ、HDMI端子318からHDMIケーブル620を介してテレビ受信機500に送信される。
【0138】
[テレビ受信機の構成例]
図19は、テレビ受信機500の構成例を示している。このテレビ受信機500は、CPU501と、フラッシュROM502と、DRAM503と、内部バス504と、リモコン受信部505と、リモコン送信機506と、通信インタフェース507を有している。
【0139】
また、テレビ受信機500は、アンテナ端子511と、デジタルチューナ512と、デマルチプレクサ513と、ビデオデコーダ514と、HDMI端子515と、HDMI受信部516を有している。また、テレビ受信機500は、映像処理回路517と、パネル駆動回路518と、表示パネル519と、オーディオデコーダ520と、音声処理回路521と、音声増幅回路522と、スピーカ523を有している。
【0140】
CPU501は、テレビ受信機500の各部の動作を制御する。フラッシュROM502は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM503は、CPU501のワークエリアを構成する。CPU501は、フラッシュROM502から読み出したソフトウェアやデータをDRAM503上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機500の各部を制御する。
【0141】
リモコン受信部505は、リモコン送信機506から送信されたリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU501に供給する。CPU501は、このリモコンコードに基づいて、テレビ受信機500の各部を制御する。CPU501、フラッシュROM502およびDRAM503は、内部バス504に接続されている。
【0142】
通信インタフェース507は、CPU501の制御のもと、インターネット等のネットワーク上に存在するサーバとの間で通信を行う。この通信インタフェース507は、内部バス504に接続されている。
【0143】
アンテナ端子511は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ512は、アンテナ端子511に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応したトランスポートストリームTSを出力する。
【0144】
デマルチプレクサ513は、トランスポートストリームTSからビデオストリームのパケットを抽出し、ビデオデコーダ514に送る。ビデオデコーダ514は、デマルチプレクサ513で抽出されたビデオのパケットからビデオストリームを再構成し、デコード処理を行って非圧縮のビデオデータ(画像データ)を得る。
【0145】
また、デマルチプレクサ513は、トランスポートストリームTSからオーディオストリームのパケットを抽出し、オーディオストリームを再構成する。このオーディオストリームには、上述のストリーム生成部110(図3参照)で説明したように、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が挿入されている。
【0146】
HDMI受信部516は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル620を介してHDMI端子515に供給される非圧縮のビデオデータとオーディオストリームを受信する。オーディオストリームには、上述のオーディオアンプ300(図18参照)で説明したように、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が挿入されている。このHDMI受信部516の詳細は後述する。
【0147】
映像処理回路517は、ビデオデコーダ514で得られた、あるいはHDMI受信部516で得られたビデオデータ、さらには、通信インタフェース507でネット上のサーバから受信されたビデオデータなどに対してスケーリング処理、合成処理などを行って、表示用のビデオデータを得る。
【0148】
パネル駆動回路518は、映像処理回路517で得られる表示用の画像データに基づいて、表示パネル519を駆動する。表示パネル519は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)などで構成されている。
【0149】
オーディオデコーダ520は、デマルチプレクサ513で得られた、あるいはHDMI受信部516で得られたオーディオストリームに対してデコード処理を施して非圧縮のオーディオデータ(音声データ)を得る。また、オーディオデコーダ520は、オーディオストリームに順次挿入されている、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報(コンテナ対象データ)を抽出し、CPU501に送る。CPU501は、適宜、テレビ受信機500の各部に、このメディアアクセス情報を利用した処理を行わせる。
【0150】
ここで、メディアアクセス情報は、オーディオストリームの所定数(1を含む)のオーディオフレームに分割されて挿入され、最初の分割情報にメディアアクセス情報(コンテナ対象データ)の全体サイズを示す情報が付加され、各分割情報に最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報としての降順のカウント数が付加されている。オーディオデコーダ520は、これらの情報に基づいて、所定数のオーディオフレームから、メディアアクセス情報を取得する。
【0151】
この場合、オーディオデコーダ520は、最初の分割情報であるか否かを示す情報から最初の分割情報を認識でき、また、この最初の分割情報に対応した降順のカウント数から分割数を認識でき、さらに、降順のカウント数から残りの分割情報の数を認識できる。そのため、オーディオデコーダ520は、所定数のオーディオフレームから、メディアアクセス情報を構成する各分割情報を、容易かつ適切に、取得できる。
【0152】
また、降順のカウント数によって、(1)途中の伝送パケットがエラーになった場合に、それを受信側で検出することが可能であり、(2)また、分割された最終パケットが到達するおよその時間を受信側で前もって知ることができる。
【0153】
また、最初の分割情報にメディアアクセス情報の全体サイズを示す情報が付加されているので、最初の分割情報が取得される時点でメディアアクセス情報の全体サイズを示す情報に基づいてメモリ(記憶媒体)に当該所定の情報を蓄積できるだけのスペースを確保でき、メディアアクセス情報の取得処理を容易かつ適切に行うことが可能となる。
【0154】
音声処理回路521は、オーディオデコーダ520で得られたオーディオデータに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路522は、音声処理回路521から出力される音声信号を増幅してスピーカ523に供給する。
【0155】
CPU501は、オーディオデコーダ520で取得された、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報に基づいて、例えば通信インタフェース507などを制御する。この場合、インターネットなどのネット上のサーバからメディアデータが取得され、このメディアデータによる画像表示、音声出力がなされる。なお、メディアアクセス制御の具体例については後述する。
【0156】
図19に示すテレビ受信機500の動作を簡単に説明する。アンテナ端子511に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ512に供給される。このデジタルチューナ512では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応したトランスポートストリームTSが得られる。
【0157】
デジタルチューナ512で得られるトランスポートストリームTSは、デマルチプレクサ513に供給される。デマルチプレクサ513は、トランスポートストリームTSからビデオストリームのパケットが抽出され、ビデオデコーダ514に供給される。ビデオデコーダ514では、デマルチプレクサ513で抽出されたビデオのパケットからビデオストリームが再構成され、デコード処理が施されて、非圧縮のビデオデータが得られる。この非圧縮のビデオデータは、映像処理回路517に供給される。
【0158】
また、デマルチプレクサ513では、トランスポートストリームTSからオーディオストリームのパケットが抽出され、オーディオストリームが再構成される。このオーディオストリームは、オーディオデコーダ520に供給される。
【0159】
HDMI受信部516では、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル620を介してHDMI端子515に供給される非圧縮のビデオデータおよびオーディオストリームが受信される。非圧縮のビデオデータは、映像処理回路517に供給される。また、オーディオストリームはオーディオデコーダ520に供給される。
【0160】
映像処理回路517では、ビデオデコーダ514で得られた、あるいはHDMI受信部516で得られたビデオデータ、さらには、通信インタフェース507でネット上のサーバから受信されたビデオデータなどに対してスケーリング処理、合成処理などが施され、表示用のビデオデータが得られる。
【0161】
映像処理回路517で得られた表示用のビデオデータはパネル駆動回路518に供給される。パネル駆動回路518では、表示用のビデオデータに基づいて、表示パネル519を駆動することが行われる。これにより、表示パネル519には、表示用のビデオデータに対応した画像が表示される。
【0162】
オーディオデコーダ520では、デマルチプレクサ513で得られた、あるいはHDMI受信部516で得られたオーディオストリームに対してデコード処理が施されて非圧縮のオーディオデータが得られる。オーディオデコーダ520で得られるオーディオデータは、音声処理回路521に供給される。音声処理回路521では、オーディオデータに対してD/A変換等の必要な処理が施される。このオーディオデータは、音声増幅回路522で増幅された後に、スピーカ523に供給される。そのため、スピーカ523から、表示パネル519の表示画像に対応した音声が出力される。
【0163】
また、オーディオデコーダ520では、オーディオストリームに順次挿入されている、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報(コンテナ対象データ)が抽出される。このようにオーディオデコーダ520で抽出されるメディアアクセス情報は、CPU501に送られる。CPU501により、このメディアアクセス情報に基づいて、例えば通信インタフェース507などが制御される。これにより、インターネットなどのネット上のサーバからメディアデータが取得され、このメディアデータによる画像表示、音声出力がなされる。
【0164】
[HDMI送信部、HDMI受信部の構成例]
図20は、図1の送受信システム10における、セットトップボックス200のHDMI送信部216(図17参照)とオーディオアンプ300のHDMI受信部312(図18参照)の構成例を示している。なお、オーディオアンプ300のHDMI送信部317(図18参照)とテレビ受信機500のHDMI受信部516(図19参照)の構成例に関しては、同様の構成となるので、説明は省略する。
【0165】
HDMI送信部216は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間22および垂直帰線区間23を除いた区間である有効画像区間21(以下、適宜、「アクティブビデオ区間」ともいう)(図21参照)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部312に一方向に送信する。また、HDMI送信部216は、水平帰線区間22または垂直帰線区間23において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部312に一方向に送信する。
【0166】
すなわち、HDMI送信部216は、HDMIトランスミッタ31を有する。トランスミッタ31は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部312に、一方向にシリアル伝送する。
【0167】
また、トランスミッタ31は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部312に一方向にシリアル伝送する。
【0168】
HDMI受信部312は、アクティブビデオ区間21(図21参照)において、複数のチャネルで、HDMI送信部216から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、HDMI受信部312は、水平帰線区間22(図21参照)または垂直帰線区間23(図21参照)において、複数のチャネルで、HDMI送信部216から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0169】
HDMI送信部216とHDMI受信部312とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、画素データおよび音声データを伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)33やCEC(Consumer Electronics Control)ライン34と呼ばれる伝送チャネルがある。
【0170】
DDC33は、HDMIケーブル610に含まれる2本の信号線からなり、HDMI送信部216が、HDMIケーブル610を介して接続されたHDMI受信部312から、EDID(Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。すなわち、HDMI受信部312は、HDMIレシーバ32の他に、自身の性能(Configuration・Capability)に関する性能情報であるEDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)を有している。HDMI送信部216がEDIDを読み出すことで、受信側の復号化能力情報が送信側に送られることになる。
【0171】
HDMI送信部216は、HDMIケーブル610を介して接続されているHDMI受信部312から、EDIDを、DDC33を介して読み出す。そして、セットトップボックス200のCPU201は、そのEDIDに基づき、HDMI受信部312を有するオーディオアンプ300の性能を認識する。
【0172】
CECライン34は、HDMIケーブル610に含まれる1本の信号線からなり、HDMI送信部216とHDMI受信部312との間で、制御用のデータの双方向通信を行うために用いられる。また、HDMIケーブル610には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるHPDライン35が含まれている。
【0173】
ソース機器は、このHPDライン35を利用して、直流バイアス電位により、シンク機器(ディスティネーション機器)の接続を検出することができる。この場合、HPDライン35は、ソース機器側から見ると、直流バイアス電位によってシンク機器から接続状態の通知を受ける機能を有するものとなる。一方、このHPDラインは、シンク機器側から見ると、直流バイアス電位によってソース機器に接続状態を通知する機能を有するものとなる。また、HDMIケーブル610には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられる電源ライン36が含まれている。
【0174】
さらに、HDMIケーブル610には、リザーブライン37が含まれている。HPDライン35とリザーブライン37を用いた、イーサネットの信号を伝送するHDMIイーサネットチャネル(HDMI Ethernet Channel : HEC)が存在する。また、HPDライン35とリザーブライン37の双方またはHPDライン35のみを用いた、オーディオデータをディスティネーション機器(シンク機器)からソース機器に伝送するオーディオリターンチャネル(Audio Return Channel : ARC)が存在する。なお、「イーサネット」、「Ethernet」は、登録商標である。
【0175】
図21は、TMDSチャネルにおいて、横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。HDMIの3つのTMDSチャネルで伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間24(Video Data Period)、データアイランド区間25(Data Island Period)、およびコントロール区間26(Control Period)の3種類の区間が存在する。
【0176】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(Active Edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平帰線期間22(Horizontal Blanking)、垂直帰線期間23(Vertical Blanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平帰線期間および垂直帰線期間を除いた区間である有効画素区間21(Active Video)に分けられる。
【0177】
ビデオデータ区間24は、有効画素区間21に割り当てられる。このビデオデータ区間24では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する1920ピクセル(画素)×1080ライン分の有効画素(Active Pixel)のデータが伝送される。データアイランド区間25およびコントロール区間26は、水平帰線期間22および垂直帰線期間23に割り当てられる。このデータアイランド区間25およびコントロール区間26では、補助データ(Auxiliary Data)が伝送される。
【0178】
すなわち、データアイランド区間25は、水平帰線期間22と垂直帰線期間23の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間25では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。コントロール区間26は、水平帰線期間22と垂直帰線期間23の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間26では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0179】
[メディアアクセス制御例]
図22は、メディアアクセス制御の一例を示している。オーディオストリームの3つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data1」が分割挿入されて送られてくる。この3つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data1」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0180】
このメディアアクセス情報「data1」には、図23(a)に示すように、“ID tables”、“URL”、“period1”、“notification‘preparing’”、“information_id1”、“reference TC = TC1”、“UTC1”が含まれている。
【0181】
このメディアアクセス情報「data1」の受信があった時点で、図22(a)に示すように、表示パネル519の画面には矩形のメッセージ欄701が設けられ、例えば‘preparing’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの準備中の状態にあることが通知される。
【0182】
その後、オーディオストリームの3つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data2」が分割挿入されて送られてくる。この3つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data2」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0183】
このメディアアクセス情報「data2」には、図23(b)に示すように、“URL”、“period2”、“notification‘preparing’”、“information_id2”、“reference TC = TC2”、“UTC1”が含まれている。このメディアアクセス情報「data2」における識別情報「information_id」は“information_id2”であって、メディアアクセス情報「data1」の“information_id1”とは異なっている。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data2」は、メディアアクセス情報「data1」とは関連していないことがわかる。
【0184】
このメディアアクセス情報「data2」の受信があった時点で、図22(b)に示すように、表示パネル519の画面には矩形のメッセージ欄702がさらに設けられ、例えば‘preparing’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの準備中の状態にあることが通知される。
【0185】
その後、オーディオストリームの1つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data3」が挿入されて送られてくる。この1つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data3」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0186】
このメディアアクセス情報「data3」には、図23(c)に示すように、“action command‘autostart’”、“notification‘access ready’”、“information_id1”、“offset time = oft1”が含まれている。このメディアアクセス情報「data3」における識別情報「information_id」は“information_id1”であって、メディアアクセス情報「data1」の“information_id1”と同じである。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data3」は、メディアアクセス情報「data1」と関連していることがわかる。
【0187】
メディアアクセス情報「data1」の“reference TC = TC1”のリファレンスタイムコードで示されるリファレンスタイムからメディアアクセス情報「data3」の“offset time = oft1”で示されるオフセットタイムだけ経過した時点で、“action command‘autostart’”で示されるアクションコマンド“autostart”が起動される。
【0188】
このとき、メディアアクセス情報「data1」の“URL”が用いられ、ネット上のサーバにアクセスされる。そして、このとき、サーバには、メディアアクセス情報「data1」の“ID tables”、“period1”の情報も送られる。なお、この“ID tables”には、アプリケーションID(applicatio_id)、ネットワークID(network_id)、トランスポートID(transport_id)、サービスID(service_id)の他に、オーガナイゼーションID(organization_id)(図6参照)も含まれる。
【0189】
このように“ID tables”の情報が送ることで、サーバに当該アクセスがオーソライズされたアクセスであることが示される。また、“period1”の情報が送られることで、サーバでは、オーディオストリームの“period1”で示されるシーンに対応したメディアデータ部分が再生され、テレビ受信機500に送られる。
【0190】
このようにメディアアクセス情報「data3」のアクションコマンド“autostart”が起動された時点で、図22(c)に示すように、表示パネル519の画面の矩形のメッセージ欄701には、例えば‘access ready’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの状態にあることが通知される。また、表示パネル519の画面に新たに矩形の表示欄703が設けられ、この表示欄703にサーバから送られてくるメディアデータ、ここではビデオデータによる画像が表示される。矩形のメッセージ欄702は、その後に所定のタイミングで消去される。
【0191】
なお、ここで、リファレンスタイムからオフセットタイムだけ経過した時点に対応した現在時刻(UTC)が、メディアアクセス情報「data1」の“UTC1”で示される時刻より後の時刻であった場合には、期限切れであるとして、アクションコマンド“autostart”は起動されない。
【0192】
その後、オーディオストリームの1つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data4」が挿入されて送られてくる。この1つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data4」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0193】
このメディアアクセス情報「data4」には、図23(d)に示すように、“action command‘autostart’”、“notification‘access ready’”、“information_id2”、“offset time = oft2”が含まれている。このメディアアクセス情報「data4」における識別情報「information_id」は“information_id2”であって、メディアアクセス情報「data2」の“information_id2”と同じである。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data4」は、メディアアクセス情報「data2」と関連していることがわかる。
【0194】
メディアアクセス情報「data2」の“reference TC = TC2”のリファレンスタイムコードで示されるリファレンスタイムからメディアアクセス情報「data4」の“offset time = oft2”で示されるオフセットタイムだけ経過した時点で、“action command‘autostart’”で示されるアクションコマンド“autostart”が起動される。
【0195】
このとき、メディアアクセス情報「data2」の“URL”が用いられ、ネット上のサーバにアクセスされる。そして、このとき、サーバには、メディアアクセス情報「data2」の“period2”の情報も送られる。このように“period2”の情報が送られることで、サーバでは、オーディオストリームの“period2”で示されるシーンに対応したメディアデータ部分が再生され、テレビ受信機500に送られる。
【0196】
このようにメディアアクセス情報「data4」のアクションコマンド“autostart”が起動された時点で、図22(d)に示すように、表示パネル519の画面の矩形のメッセージ欄702には、例えば‘access ready’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの状態にあることが通知される。また、表示パネル519の画面に新たに矩形の表示欄704が設けられ、この表示欄704にサーバから送られてくるメディアデータ、ここではビデオデータによる画像が表示される。矩形のメッセージ欄702は、その後に消去される。
【0197】
なお、ここで、リファレンスタイムからオフセットタイムだけ経過した時点に対応した現在時刻(UTC)が、メディアアクセス情報「data2」の“UTC1”で示される時刻より後の時刻であった場合には、期限切れであるとして、アクションコマンド“autostart”は起動されない。
【0198】
上述の図22図23のメディアアクセス制御例では、アクションコマンドが含まれるメディアアクセス情報「data3」,「data4」にオフセットタイムの情報“offset time = oft1”,“offset time = oft2”を含めている。しかし、オフセットタイムを指定する先のメディアアクセス情報の「segment_id」を示す「target_segment_id」の情報を用いることで、メディアアクセス情報「data1」,「data2」にオフセットタイムの情報“offset time = oft1”,“offset time = oft2”を含めることも可能である。
【0199】
図24(a),(b),(c),(d)は、その場合において、メディアアクセス情報「data1」、「data2」、「data3」、「data4」にそれぞれ含まれる情報を示している。すなわち、メディアアクセス情報「data1」には、図24(a)に示すように、“ID tables”、“URL”、“period1”、“notification‘preparing’”、“information_id1”、“segment#1”、“reference TC = TC1”、“offsettime = oft1”、“target_segment_id = segment#3”、 “UTC1”が含まれている。
【0200】
また、メディアアクセス情報「data2」には、図24(b)に示すように、“URL”、“period2”、“notification‘preparing’”、“information_id2”、“segment#2”、“reference TC = TC2”、“offsettime = oft2”、“target_segment_id = segment#4”、“UTC1”が含まれている。
【0201】
また、メディアアクセス情報「data3」には、図24(c)に示すように、“action command‘autostart’”、“notification‘access ready’”、“information_id1”、“segment#3”が含まれている。また、メディアアクセス情報「data4」には、図24(d)に示すように、“action command‘autostart’”、“notification‘access ready’”、“information_id2”、“segment#4”が含まれている。
【0202】
図25は、メディアアクセス制御の他の一例を示している。オーディオストリームの3つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data1」が分割挿入されて送られてくる。この3つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data1」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0203】
このメディアアクセス情報「data1」には、図26(a)に示すように、“ID tables”、“UI selection process”、“notification‘preparing’”、“information_id1”、“reference TC = TC1”、“UTC1”が含まれている。
【0204】
このメディアアクセス情報「data1」の受信があった時点で、図25(a)に示すように、表示パネル519の画面には矩形のメッセージ欄801が設けられ、例えば‘preparing’の表示がなされ、ユーザにユーザ選択の準備中の状態にあることが通知される。また、この画面には、“UI selection process”の情報に基づいて、ユーザに再生メディアを選択させるための複数のサムネール画像802が表示される。
【0205】
その後、オーディオストリームの1つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data2」が挿入されて送られてくる。この1つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data2」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0206】
このメディアアクセス情報「data2」には、図26(b)に示すように、“action command‘user selected’”、“notification‘user selected’”、“information_id1”、“offset time = oft1”が含まれている。このメディアアクセス情報「data2」における識別情報「information_id」は“information_id1”であって、メディアアクセス情報「data1」の“information_id1”と同じである。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data2」は、メディアアクセス情報「data1」と関連していることがわかる。
【0207】
メディアアクセス情報「data1」の“reference TC = TC1”のリファレンスタイムコードで示されるリファレンスタイムからメディアアクセス情報「data2」の“offset time = oft1”で示されるオフセットタイムだけ経過した時点で、“action command‘user selected’”で示されるアクションコマンド“user selected”が起動され、所定のサムネールを選択することで再生メディアを選択することが可能となる。
【0208】
このとき、図25(b)に示すように、表示パネル519の画面の矩形のメッセージ欄801には、例えば‘user selected’の表示がなされ、ユーザに、再生メディアを選択し得る状態にあることが通知される。なお、図25(b)では、サムネール802aがユーザにより選択され、その表示状態が変わったことを示している。このようにユーザによる再生メディアの選択が終わった後には、所定のタイミングで矩形のメッセージ欄801とサムネールの表示は消去される。
【0209】
なお、ここで、リファレンスタイムからオフセットタイムだけ経過した時点に対応した現在時刻(UTC)が、メディアアクセス情報「data1」の“UTC1”で示される時刻より後の時刻であった場合には、期限切れであるとして、アクションコマンド“user selected”は起動されない。
【0210】
その後、オーディオストリームの3つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data3」が分割挿入されて送られてくる。この3つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data3」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0211】
このメディアアクセス情報「data3」には、図26(c)に示すように、“URL”、“notification‘preparing’”、“information_id1”、“reference TC = TC2”、“UTC1”が含まれている。このメディアアクセス情報「data3」における識別情報「information_id」は“information_id1”であって、メディアアクセス情報「data1」、「data2」の“information_id1”と同じである。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data3」は、メディアアクセス情報「data1」、「data2」と関連していることがわかる。
【0212】
このメディアアクセス情報「data3」の受信があった時点で、図25(c)に示すように、表示パネル519の画面には矩形のメッセージ欄803がさらに設けられ、例えば‘preparing’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの準備中の状態にあることが通知される。
【0213】
その後、オーディオストリームの1つのオーディオフレームにメディアアクセス情報「data4」が挿入されて送られてくる。この1つのオーディオフレームの受信によって、メディアアクセス情報「data4」の全体がオーディオデコーダ520内のバッファに取り込まれ、その後にCPU501に送られる。
【0214】
このメディアアクセス情報「data4」には、図26(d)に示すように、“action command‘autostart’”、“notification‘access ready’”、“information_id1”、“offset time = oft2”が含まれている。このメディアアクセス情報「data4」における識別情報「information_id」は“information_id1”であって、メディアアクセス情報「data1」、「data2」、「data3」の“information_id1”と同じである。これにより、CPU501は、メディアアクセス情報「data4」は、メディアアクセス情報「data1」、「data2」、「data3」と関連していることがわかる。
【0215】
メディアアクセス情報「data3」の“reference TC = TC2”のリファレンスタイムコードで示されるリファレンスタイムからメディアアクセス情報「data4」の“offset time = oft2”で示されるオフセットタイムだけ経過した時点で、“action command‘autostart’”で示されるアクションコマンド“autostart”が起動される。
【0216】
このとき、メディアアクセス情報「data3」の“URL”が用いられ、ネット上のサーバにアクセスされる。そして、このとき、サーバには、メディアアクセス情報「data1」の“ID tables”、“period1”の情報、さらには、メディアアクセス情報「data2」に関連したユーザ選択結果を表すためのID“select_ID”も送られる。
【0217】
このように“ID tables”の情報が送られることで、サーバに当該アクセスがオーソライズされたアクセスであることが示される。また、“select_ID”、“period1”の情報が送られることで、サーバでは、オーディオストリームの“period1”で示されるシーンに対応した、ユーザ選択の再生メディアのメディアデータ部分が再生され、テレビ受信機500に送られる。
【0218】
このようにメディアアクセス情報「data4」のアクションコマンド“autostart”が起動された時点で、図25(d)に示すように、表示パネル519の画面の矩形のメッセージ欄803には、例えば‘access ready’の表示がなされ、ユーザにメディアアクセスの状態にあることが通知される。また、表示パネル519の画面に新たに矩形の表示欄804が設けられ、この表示欄804にサーバから送られてくるメディアデータ、ここではビデオデータによる画像が表示される。矩形のメッセージ欄803は、その後に所定タイミングで消去される。
【0219】
なお、ここで、リファレンスタイムからオフセットタイムだけ経過した時点に対応した現在時刻(UTC)が、メディアアクセス情報「data3」の“UTC1”で示される時刻より後の時刻であった場合には、期限切れであるとして、アクションコマンド“autostart”は起動されない。
【0220】
上述の図25図26のメディアアクセス制御例では、アクションコマンドが含まれるメディアアクセス情報「data2」,「data4」にオフセットタイムの情報“offset time = oft1”,“offset time = oft2”を含めている。しかし、オフセットタイムを指定する先のメディアアクセス情報の「segment_id」を示す「target_segment_id」の情報を用いることで、メディアアクセス情報「data1」,「data3」にオフセットタイムの情報“offset time = oft1”,“offset time = oft2”を含めることも可能である。
【0221】
「メディアデータの提供元チェック例」
上述したようにユニバーサル・メタデータ・フレーム(図6参照)に、「oganization_id」の32ビットフィールドが存在する。このフィールドは、ユーザデータ領域で伝送する個々のサービス、あるいはこのサービスの供給元または規格団体(例えば、“ATSC”,“DVB”など)に固有に割り当てられる識別値を示す。この「oganization_id」を、メディアアクセス情報を用いて取得されたメディアデータの提供元をチェックするチェック情報として利用することが考えられる。
【0222】
図27のサービスシステムを用いて、「oganization_id」によるメディアデータの提供元チェック例を説明する。図27においては、テレビ受信機500はインターネットに接続されている。また、このインターネットには、サーバA(Searver A)と、サーバB(Searver B)が接続されている。この例は、A放送波からの放送サービスで直接あるいはセットトップボックス200を介して供給されたURL1によって、テレビ受信機500がサーバAにアクセスし、A放送にネット連動したアプリケーション(メディアデータ)を受信する場合の例である。
【0223】
A放送波で、テレビ受信機500に、URL1が供給され。このURL1には、「oganization_id」が付加されている。テレビ受信機500は、URL1によってサーバAにアクセスする。サーバAは、テレビ受信機500からのアクセスに認証処理を行ってテレビ受信機500にAck応答を返すと共に、サーバ間アクセスでURL2のサーバBにテレビ受信機500のIPアドレスを通知して連携し、テレビ受信機500からのアクセスをサーバBに移す。
【0224】
サーバBは、メディア再生関連情報をテレビ受信機500へ送信する。このメディア再生関連情報は、例えば、ユーザに再生メディアを選択させるための複数のサムネールの画像情報である。テレビ受信機500は、メディア再生関連情報がA放送波から受信した「organization_id」と同一のサービス団体によるものかという提供元のチェックを行った後に、サーバBにメディア再生コマンドを送る。
【0225】
テレビ受信機500は、この提供元チェックを、例えば、以下のように行う。すなわち、テレビ受信機500は、A放送波から受信した「organization_id」が示す識別値に対応付けされている文字、ここでは“ATSC_ch5_net_sports”をテーブルなどから認識する。なお、この“ATSC_ch5_net_sports”の文字は、A放送波から「organization_id」と共に受信されたURL1と対応付けられていてもよい。
【0226】
テレビ受信機500は、サーバBからテレビ受信機500に送られてくるメディア再生関連情報に“ATSC_ch5_net_sports”の文字が記されているか、あるいはメディア再生関連情報に含まれているURL(例えば、http://service.organization.information)でアクセスして取得された情報に“ATSC_ch5_net_sports”の文字が記されているかにより提供元チェックをする。
【0227】
テレビ受信機500は、提供元チェックにより、提供元が正しいことを確認した後に、上述したようにサーバBにメディア再生コマンドを送る。サーバBは、メディア再生コマンドに従ってメディア再生を行って、メディア再生データ(メディアデータ)をテレビ受信機500に送信する。テレビ受信機500は、メディア再生データによる出力、例えば画像表示、音声出力などを行う。
【0228】
なお、上述では「oganization_id」を、メディアアクセス情報を用いて取得されたメディアデータの提供元をチェックするチェック情報として利用する例を示した。しかし、チェック情報としてはこの「oganization_id」に限定されるものではなく、メディアアクセス情報に他のチェック情報が付加され、それが利用されて提供元のチェックが行われてもよい。
【0229】
上述したように、図1に示す送受信システム10において、放送送出装置100は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)に順次挿入して送信する。そのため、受信側では、一連のメディアアクセス制御を良好に行うことができる。
【0230】
また、図1に示す送受信システム10において、放送送出装置100は、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)の所定数のオーディオフレームに、メディアアクセス情報を分割挿入することが可能とされる。そのため、メディアアクセス情報の全体サイズが大きくても個々のオーディオフレームに挿入される情報サイズを抑えることができ、オーディオ圧縮データの送信に影響を与えることなく所定の情報の送信を良好に行うことができる。
【0231】
また、図1に示す送受信システム10において、テレビ受信機500は、第1のメディアデータとしてのビデオデータやオーディオデータと共に、オーディオストリームに順次挿入されている一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報を取得し、このメディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得する。そのため、第1のメディアデータによるメディアの提示に対応させて第2のメディアデータによる提示を良好に行うことができる。
【0232】
また、図1に示す送受信システム10において、放送送出装置100は、コンテナとしてのトランスポートストリームのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームを優先させることを示す情報を挿入する。そのため、セットトップボックス200、オーディオアンプ300においてオーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることが可能となる。これにより、メディアアクセス情報をオーディオストリームに挿入した状態でテレビ受信機500に確実に供給できる。
【0233】
また、図1に示す送受信システム10において、放送送出装置100は、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)またはコンテナとしてのトランスポートストリームに挿入されるメディアアクセス情報に、このメディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報(例えば、「oganization_id」など)を付加する。そのため、受信側においては、メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元を、このチェック情報に基づいて、簡単かつ容易にチェックすることができる。
【0234】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、放送送出装置100は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)に順次挿入して送信する。しかし、放送送出装置100は、所定数のメディアアクセス情報をビデオストリームなどのその他のメディアストリームに順次挿入して送信することも考えられる。また、放送送出装置100は、所定数のメディアアクセス情報を、コンテナとしてのトランスポートストリームTSのレイヤに順次挿入して送信することも考えられる。
【0235】
図28は、その場合における、放送送出装置100が備えるストリーム生成部110Aの構成例を示している。この図27において、図3と対応する部分には、同一符号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。このストリーム生成部110Aは、制御部111と、ビデオエンコーダ112と、オーディオエンコーダ113Aと、マルチプレクサ114Aを有している。
【0236】
オーディオエンコーダ113Aでは、オーディオデータSAに対して、MPEG-H 3D Audioの圧縮フォーマットによる符号化が施され、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)が生成される。このオーディオエンコーダ113Aでは、図3のストリーム生成部110におけるオーディオエンコーダ113とは異なり、オーディオストリームにメディアアクセス情報を挿入することは行われない。
【0237】
ビデオエンコーダ112で生成されたビデオストリームは、マルチプレクサ114Aに供給される。また、オーディオエンコーダ113Aで生成されたオーディオストリームは、マルチプレクサ114Aに供給される。そして、このマルチプレクサ114Aでは、各エンコーダから供給されるストリームがパケット化されて多重され、伝送データとしてトランスポートストリームTSが得られる。
【0238】
この際、マルチプレクサ114Aでは、制御部111による制御のもと、コンテナとしてのトランスポートストリームTSのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が、コンテナ対象データとして順次挿入される。例えば、マルチプレクサ114Aでは、アプリケーション・インフォメーション・テーブル(AIT:Application Information Table)の配下に、メディアアクセス情報を持つ、新規定義するアプリケーション・デスクリプタ(Application_descriptor)が挿入される。
【0239】
図29は、アプリケーション・デスクリプタの構造例(Syntax)を示している。「descriptor_tag」の8ビットフィールドは、デスクリプタタイプを示す。ここでは、アプリケーション・デスクリプタであることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、デスクリプタの長さ(サイズ)を示し、デスクリプタの長さとして、以降のバイト数を示す。
【0240】
「data_id」の8ビットフィールドは、メディアアクセス情報のIDを示す。上述のユニバーサル・メタデータ・フレーム(図6参照)における「data_id」のフィールドと同じ情報である。「data_id」のフィールドに続いて、メディアアクセス情報を持つ、アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())(図7-9参照)のフィールドが存在する。
【0241】
図30は、AITの配下にアプリケーション・デスクリプタ(Application_descriptor)が挿入される場合におけるトランスポートストリームTSの構造例を示している。この構造例では、オーディオストリームのPESパケットのPESペイロードにはオーディオストリーム(Audio coded stream)が挿入される。しかし、このオーディオストリームには、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)を含むアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())は挿入されない。
【0242】
また、トランスポートストリームTSには、PMT(Program Map Table)の他に、AIT(Application Information Table)が含まれている。このAITの配下に、アプリケーション識別子(Application_id)と共に、アプリケーション・デスクリプタ(図29参照)が配置されている。
【0243】
図31は、メディアアクセス情報が、上述したように、例えばコンテナとしてのトランスポートストリームTSのレイヤに挿入されて送られてくる場合におけるセットトップボックス200Aの構成例を示している。この図31において、図17と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。このセットトップボックス200Aは、CPU201と、フラッシュROM202と、DRAM203と、内部バス204と、リモコン受信部205と、リモコン送信機206を有している。また、このセットトップボックス200Aは、アンテナ端子211と、デジタルチューナ212と、デマルチプレクサ213Aと、ビデオデコーダ214と、データ挿入部218と、オーディオフレーミング部215と、HDMI送信部216と、HDMI端子217を有している。
【0244】
デマルチプレクサ213では、トランスポートストリームTSからオーディオストリームのパケットが抽出され、オーディオストリーム(オーディオ圧縮データストリーム)が再構成される。また、デマルチプレクサ213Aでは、トランスポートストリームTSから各種デスクリプタなどが抽出され、CPU201に送られる。このデスクリプタには、メディアアクセス情報を持つアプリケーション・デスクリプタ(図29参照)も含まれる。
【0245】
デマルチプレクサ213Aで抽出されたオーディオストリームはデータ挿入部218に供給される。このデータ挿入部218には、CPU201から所定の情報が供給される。データ挿入部218では、CPU201の制御のもと、オーディオストリームに、メディアアクセス情報が挿入される。
【0246】
この場合、図3のストリーム生成部110のオーディオエンコーダ113と同様に、オーディオストリームの所定数(1を含む)のオーディオフレームにメディアアクセス情報が分割されて挿入される(図13-15参照)。このとき、最初の分割情報に、メディアアクセス情報の全体サイズを示す情報が付加される。また、各分割情報に、最初の分割情報であるか否かを示す情報および分割位置を示す情報としての降順のカウント数が付加される。
【0247】
なお、この場合、メディアアクセス情報が挿入されたオーディオストリームのビットレートがHDMIの伝送帯域容量範囲に収まるように分割数が決定される。これにより、メディアアクセス情報の全体サイズによっては、分割されずに、1つのオーディオフレームにメディアアクセス情報の全体が挿入される場合もある。
【0248】
データ挿入部218からのメディアアクセス情報が挿入されたオーディオストリームは、オーディオフレーミング部215でフレーミングされた後に、HDMI送信部216に供給される。この図31に示すセットトップボックス200Aにおいて、その他は、図17に示すセットトップボックス200と同様に構成される。
【0249】
なお、メディアアクセス情報が、上述したように、例えばコンテナとしてのトランスポートストリームTSのレイヤに挿入されて送られてくる場合、図19に示すテレビ受信機500では、デマルチプレクサ513でメディアアクセス情報を持つアプリケーション・デスクリプタ(図29参照)が抽出され、当該メディアアクセス情報の使用が可能となる。
【0250】
また、上述実施の形態において、セットトップボックス200は、放送送出装置100からの放送信号からビデオストリームおよびオーディオストリームを受信する構成となっている。しかし、セットトップボックス200は、配信サーバ(ストリーミングサーバ)からネットワークを介してビデオストリームおよびオーディオストリームを受信する構成も考えられる。
【0251】
また、上述実施の形態においては、コンテナがトランスポートストリーム(MPEG-2 TS)である例を示した。しかし、本技術は、MP4やそれ以外のフォーマットのコンテナで配信されるシステムにも同様に適用できる。例えば、MPEG-DASHベースのストリーム配信システム、あるいは、MMT(MPEG Media Transport)構造伝送ストリームを扱う送受信システムなどである。
【0252】
図32は、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をオーディオストリームに挿入して送る場合におけるMMTストリームの構造例を示している。MMTストリームには、ビデオ、オーディオ等の各アセットのMMTパケットが存在する。この構造例では、ID1で識別されるビデオのアセットのMMTパケットと共に、ID2で識別されるオーディオのアセットのMMTパケットが存在する。
【0253】
オーディオのアセット(オーディオストリーム)の所定数(1を含む)のオーディオフレーム内のユニバーサル・メタデータ・フレーム(universal_metadata_frame())に、メディアアクセス情報を含むアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())が挿入されている。
【0254】
また、MMTストリームには、PA(Packet Access)メッセージパケットなどのメッセージパケットが存在する。PAメッセージパケットには、MMT・パケット・テーブル(MMT Package Table)などのテーブルが含まれている。MPテーブルには、アセット毎の情報が含まれている。この場合、オーディオのアセットの情報として、オーディオ・ストリーミング・デスクリプタ(図12(a)参照)も含まれる。
【0255】
図33は、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)をコンテナに挿入して送る場合におけるMMTストリームの構造例を示している。MMTストリームには、ビデオ、オーディオ等の各アセットのMMTパケットが存在する。この構造例では、ID1で識別されるビデオのアセットのMMTパケットと共に、ID2で識別されるオーディオのアセットのMMTパケットが存在する。この構造例では、図31の構造例とは異なり、オーディオのアセット(オーディオストリーム)にメディアアクセス情報は含まれない。
【0256】
また、MMTストリームには、PA(Packet Access)メッセージパケットなどのメッセージパケットが存在する。PAメッセージパケットには、MMT・パケット・テーブル(MPT:MMT Package Table)などが含まれている。MPTには、アセット毎の情報が含まれている。また、PAメッセージパケットには、アプリケーション・インフォメーション・テーブル(AIT)含まれている。このAITの配下に、アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())を持つアプリケーション・デスクリプタ(Application_descriptor)が挿入されている。
【0257】
また、上述実施の形態においては、オーディオ圧縮フォーマットがMPEG-H 3D Audioである例を示した。しかし、本技術は、オーディオ圧縮フォーマットが、AAC、AC3、AC4などのその他のオーディオ圧縮フォーマットである場合にも、同様に適用できる。
【0258】
図34(a)は、AC4のシンプルトランスポート(Simple Transport)のレイヤの構造を示している。シンクワード(syncWord)のフィールドと、フレームレングス(frame Length)のフィールドと、符号化データのフィールドとしての「RawAc4Frame」のフィールドと、CRCフィールドが存在する。「RawAc4Frame」のフィールドには、図34(b)に示すように、先頭にTOC(Table Of Content)のフィールドが存在し、その後の所定数のサブストリーム(Substream)のフィールドが存在する。
【0259】
図35(b)に示すように、サブストリーム(ac4_substream_data())の中には、メタデータ領域(metadata)が存在し、その中に「umd_payloads_substream()」のフィールドが設けられる。この「umd_payloads_substream()」のフィールドの中の「umd_payload_byte」のフィールドに、ユニバーサル・データ(universal_data())が置かれる。
【0260】
図36は、ユニバーサル・データの構造例(syntax)を示し、図37は、その構造例における主要な情報の内容(semantics)を示している。「start_flag」の1ビットフィールドは、コンテナ対象データの開始か否かを示す。“1”は当パケットから開始されることを示し、“0”は当パケットが開始でないことを示す。「fcounter」の7ビットフィールドは、分割されたコンテナ対象データの分割位置を降順のカウント数で示す。“0”が最後の分割部分を示すものである。「start_flag」が“1” かつ、「fcounter」が“0”の場合、分割されていないことを示す。
【0261】
「start_flag」が“1”であるとき、「organization_id」の32ビットフィールド、「target_data_size」の16ビットフィールドが存在する。「organization_id」のフィールドは、ユーザデータ領域で伝送する個々のサービス、あるいはこのサービスの供給元または規格団体(例えば、“ATSC”,“DVB”など)に固有に割り当てられる識別値を示す。「target_data_size」のフィールドは、コンテナ対象データの分割前のデータサイズをバイト数で示す。「data_payload_byte」のフィールドに、アクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())(図7参照)の全体、あるいはその一部(分割情報)が挿入される。
【0262】
また、オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合、コンテナのレイヤに、AC4・データコンテナ・デスクリプタ(AC4_datacontainer_desucriptor)が挿入される。
【0263】
図38は、AC4・データコンテナ・デスクリプタの構造例(syntax)を示し、図39は、その構造例における主要な情報の内容(semantics)を示している。「descriptor_tag」の8ビットフィールドは、デスクリプタタイプを示す。ここでは、アプリケーション・デスクリプタであることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、デスクリプタの長さ(サイズ)を示し、デスクリプタの長さとして、以降のバイト数を示す。
【0264】
「umd_payload_embedded」の1ビットフィールドは、UMDペイロードが挿入されているか否かを示す。“1”は、UMDペイロードが挿入されていることを示し、“0”は、UMDペイロードが挿入されていないことを示す。「umd_payload_embedded」が“1”であるとき、「umd_payload_id」の5ビットフィールド、「audio_stream_rate」の11ビットフィールドが存在する。
【0265】
「umd_payload_id」のフィールドは、UMDペイロードの識別値を示す。この識別値として特定の値を定義する。例えば、“7”は、ユニバーサルデータコンテナのフォーマットであることを示す。「audio_stream_rate」のフィールドは、オーディオストリームの配信ビットレートを示す。
【0266】
図40は、オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるMPEG-2 TSのトランスポートストリームの構造例を示している。この構造例では、ビデオストリームに係る部分は省略している。この構造例では、PID2で識別されるオーディオストリームのPESパケット「audio PES」が存在する。PESパケットは、PESヘッダ(PES_header)とPESペイロード(PES_payload)からなっている。PESヘッダには、DTS,PTSのタイムスタンプが挿入されている。
【0267】
オーディオストリームのPESパケットのPESペイロードにはオーディオストリーム(Audio coded stream)が挿入される。このオーディオストリームの所定数(1を含む)のサブストリーム内のユニバーサル・メタデータ(universal_metadata())に、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)を含むアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())(図7-図9参照)が挿入される。
【0268】
また、MPEG-2 TSのトランスポートストリームには、PSI(Program Specific Information)として、PMT(Program Map Table)が含まれている。PSIは、トランスポートストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを記した情報である。PMTには、プログラム全体に関連する情報を記述するプログラム・ループ(Program loop)が存在する。
【0269】
また、PMTには、各エレメンタリストリームに関連した情報を持つエレメンタリストリーム・ループが存在する。この構成例では、オーディオストリームに対応したオーディオエレメンタリストリーム・ループ(audio ES loop)が存在する。
【0270】
このオーディオエレメンタリストリーム・ループには、オーディオストリームに対応して、ストリームタイプ、PID(パケット識別子)等の情報が配置されると共に、オーディオストリームに関連する情報を記述するデスクリプタも配置される。ストリームタイプ「Stream_type」の値は「0x2C」に設定され、PID情報は、上述したようにオーディオストリームのPESパケット「audio PES」に付与されるPID1を示すものとされる。デスクリプタの1つとして、上述したAC4・データコンテナ・デスクリプタ(図38参照)が配置される。
【0271】
また、MPEG-2 TSのトランスポートストリームには、イベント・インフォメーション・テーブル(EIT:Event Information Table)が存在する。このEITの配下に、コンポーネント・デスクリプタ(component descriptor)が配置される。このコンポーネント・デスクリプタには、ネット接続のためのメタ情報がサービスに含まれることが記述される。
【0272】
図41は、オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるMMTのトランスポートストリームの構造例を示している。この構造例では、ビデオアセット(ビデオストリーム)に係る部分は省略している。この構造例では、ID2で識別されるオーディオのアセット(オーディオストリーム)のMMTパケットが存在する。
【0273】
オーディオのアセット(オーディオストリーム)の所定数(1を含む)のサブストリーム内のユニバーサル・メタデータ(universal_metadata())に、メディアアクセス情報(コンテナ対象データ)を含むアクセス・インフォメーション・データ(Access_information_data())(図7-図9参照)が挿入される。
【0274】
また、MMTのトランスポートストリームには、PA(Packet Access)メッセージパケットなどのメッセージパケットが存在する。PAメッセージパケットには、MPテーブル(MPT:MMT Package Table)などのテーブルが含まれている。MPTには、オーディオのアセットに対応して、アセットタイプ(Asset_type)、パケットID(Packet_id)等の情報が配置されると共に、そのオーディオのアセットに関連する情報を記述するデスクリプタも配置される。このデスクリプタの一つとして、上述したAC4・データコンテナ・デスクリプタ(図38参照)が配置される。
【0275】
また、MMTのトランスポートストリームには、イベント・インフォメーション・テーブル(EIT:Event Information Table)が存在する。このEITの配下に、コンポーネント・デスクリプタ(component descriptor)が配置される。このコンポーネント・デスクリプタには、ネット接続のためのメタ情報がサービスに含まれることが記述される。
【0276】
図42は、オーディオ圧縮フォーマットがAC4である場合におけるオーディオトラック(トラックA)のデータを含むMP4ストリーム(ファイル)の構成例を示している。図示の例は、フラグメンテッドMP4(Fragmented MP4)の場合の例である。MP4ストリームには、制御情報が入る“moof”ボックスとメディアデータ本体が入る“mdat”ボックスから構成されるムービーフラグメント(Movie Fragment)が所定個数配置される。“mdat”ボックスには、トラックデータが断片化されて得られた断片が入るので、“moof”ボックスに入る制御情報はその断片に関する制御情報となる。
【0277】
オーディオトラックに対応したMP4ストリーム「audio bitstream」において、各ムービーフラグメントの“mdat”ボックスには、所定個数のAC4フレームが配置される。また、このMP4ストリーム「audio bitstream」において、各ムービーフラグメントの“moof”ボックス内に“traf”ボックスが存在し、そのボックス内に“tfdt”ボックスが存在する。この“tfdt”ボックスに、“moof”ボックスの後の最初のアクセスユニットのデコードタイム“baseMediaDecodeTime”の記載がある。
【0278】
また、“moof”ボックス内に“tfdt”ボックスが存在し、その内に“sgpd”ボックスが存在し、さらに、その内に“tscl”ボックスが存在する。この“tscl”ボックスに、「Audiostreamtype」、「Attribute」のパラメータの記載がある。「Audiostreamtype = AC4」は、オーディオ圧縮フォーマットがAC4であることを示す。「Attribute = soundumd」は、AC4のトラック内にメタデータ(メディアアクセス情報など)の挿入があることを示す。具体的には、「soundumd」として、上述の図38に示すAC4・データコンテナ・デスクリプタの内容が記載される。
【0279】
図43は、MPDファイル記述例を示している。また、図44は、その記述例における主要な情報の内容を示す。従来周知のように、MPEG-DASHベースのストリーム配信システムにおいては、メディアストリーム(MP4ストリーム)と、メタファイルとしてのMPDファイルが、通信ネットワーク伝送路を通じて受信側に送信される。
【0280】
「<AdaptationSet mimeType=“audio/mp4” group=“1”>」の記述により、オーディオストリームに対するアダプテーションセット(AdaptationSet)が存在し、そのオーディストリームはMP4ファイル構造で供給され、グループ1が割り当てられていることが示されている。 また、「<SupplementaryDescriptor schemeIdUri=“urn:brdcst:codecType” value= “AC4”/>」の記述により、オーディオストリームのコーデックがAC4であることが示されている。「schemeIdUri=“urn:brdcst:codecType”」は、コーデックの種類を示す。例えば、「value」は“mpegh”、”AAC”、”AC3”、”AC4”などとされる。
【0281】
また、「<SupplementaryDescriptor schemeIdUri=“urn:brdcst:coordinatedControl” value=“false”/>」の記述により、ネット接続情報が本アダプテーションセットのストリームのみで供給されることが示されている。「schemeIdUri=“urn:brdcst:coordinatedControl”」は、ネット接続に必要な情報が複数のメディアストリーム間で強調して供給されかを示す。例えば、「value」が“true”であるときは、ネット接続情報が他のアダプテーションセットのストリームと協調して供給されることを示す。「value」が“false”であるときは、ネット接続情報が本アダプテーションセットのストリームのみで供給されることを示す。
【0282】
また、「<SupplementaryDescriptor schemeIdUri=“urn:brdcst:UMDContained” value=“true”/>」の記述により、オーディオストリームにメタデータが含まれることが示されている。「schemeIdUri=“urn:brdcst:UMDContained”」は、オーディオストリームにメタデータが含まれるかを示す。例えば、「value」が“true”であるときは、オーディオメタ情報が含まれることを示す。「value」が“false”であるときは、オーディオメタ情報が含まれないことを示す。
【0283】
また、「<SupplementaryDescriptor schemeIdUri=“urn:brdcst:metaInsertionFrequency” value= “1”/>」の記述により、アクセスユニット単位でメタ情報が供給されることが示されている。「schemeIdUri=“urn:brdcst:metaInsertionFrequency”」は、アクセスユニット単位にメタ情報が供給される頻度を示す。例えば、“1”は、1つのユーザデータエントリが1アクセスユニットに発生することを示す。“2”は、複数のユーザデータエントリが1アクセスユニットに発生することを示す。“3”は、1つ以上のユーザデータエントリが、ランダムアクセスポイントで区切られる期間中に発生することを示す。
【0284】
また、「<SupplementaryDescriptor schemeIdUri=“urn:brdcst:type”value=“netlink”/>」の記述により、メタによるサービスの種類がネット接続であることが示されている。「schemeIdUri=“urn:brdcst:type”」は、メタによるサービスの種類を示す。例えば、例えば、「value」が“netlink”であるときは、メタによるサービスの種類がネット接続であることを示す。
【0285】
また、上述実施の形態においては、セットトップボックス200とテレビ受信機500との間にオーディオアンプ300が介在される例を示した。しかし、セットトップボックス200がテレビ受信機500に直接接続される、図45に示すような、送受信システム10Aも考えられる。
【0286】
この送受信システム10Aにおいては、セットトップボックス200とテレビ受信機500はHDMIケーブル610を介して接続されている。この場合、セットトップボックス200がソースで、テレビ受信機500はディスティネーションである。オーディオアンプ300とテレビ受信機500は、HDMIケーブル620を介して接続されている。この場合、オーディオアンプ300がソースで、テレビ受信機500はディスティネーションである。
【0287】
この場合、セットトップボックス200からテレビ受信機500に、HDMIのデジタルインタフェースで、非圧縮のビデオデータと、メディアアクセスネ情報(コンテナ対象データ)が挿入されたオーディオストリームが、送信される。また、テレビ受信機500からオーディオアンプ300にHDMIのオーディオリターンチャネルを利用して、オーディオストリームそのもの、あるいはデコード後のオーディオデータが送信される。
【0288】
また、上述実施の形態においては、セットトップボックス200およびテレビ受信機500を有する送受信システム10を示した。しかし、テレビ受信機500の代わりに、モニタ装置、あるいはプロジェクタ等が配置される構成も考えられる。また、セットトップボックス200の代わりに、受信機能付きのレコーダ、パーソナルコンピュータ等が配置される構成も考えられる。
【0289】
また、上述実施の形態においては、受信側の各機器がHDMIのデジタルインタフェースにより有線で接続されている。しかし、各機器が、HDMIと同様のデジタルインタフェースで有線接続される場合、さらには、無線によって接続される場合にも、この発明を同様に適用できることは勿論である。
【0290】
また、上述実施の形態においては、放送送出装置100から放送波に載せて送信されてくるトランスポートストリームTSをセットトップボックス200で受信する送受信システム10を示した。しかし、図46に示すように、放送送出装置100から放送波に載せて送信されてくるトランスポートストリームTSをテレビ受信機500で直接受信する送受信システム10Bも考えられる。
【0291】
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
(2)上記メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報が含まれる
前記(1)に記載の送信装置。
(3)上記メディアアクセス情報には、他のメディアアクセス情報と関連付け行うための識別情報が含まれる
前記(1)または(2)に記載の送信装置。
(4)上記メディアアクセス情報には、上記メディアストリームにおける対応シーンを示す期間情報が含まれる
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(5)上記メディアアクセス情報には、ユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報が含まれる
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(6)上記メディアアクセス情報には、アクションコマンドの起動を管理するための時刻情報が含まれる
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(7)上記メディアアクセス情報には、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報が含まれる
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(8)上記メディアアクセス情報には、状態をユーザに知らせるための通知情報が含まれる
前記(1)から(3)のいずれかに記載の送信装置。
(9)上記情報挿入部は、
上記メディアストリームの所定数の単位部分に、上記メディアアクセス部分が分割されて得られた各分割情報のそれぞれを挿入することが可能とされる
前記(1)から(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10)上記メディアストリームは、オーディオ圧縮データストリームであり、
上記情報挿入部は、上記単位部分としてのオーディオフレームのユーザデータ領域に上記分割情報を挿入する
前記(9)記載の送信装置。
(11)送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
(12)第1のメディアデータを取得すると共に、一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備える
メディア処理装置。
(13)上記第1の取得部は、
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を有し、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに上記メディアアクセス情報が挿入されており、
上記第1の取得部は、
上記メディアストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータを得るデコード処理部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部をさらに有する
前記(12)に記載のメディア処理装置。
(14)上記第1の取得部は、
上記第1のメディアデータとしてのビデオデータと上記メディアアクセス情報が挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、
上記オーディオ圧縮データストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理部と、
上記オーディオ圧縮データストリームから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部を有する
前記(12)に記載のメディア処理装置。
(15)第1の取得部により、第1のメディアデータを取得すると共に、該第1のメディアデータに対応した一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得ステップと、
第2の取得部により、上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得ステップと、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理ステップを有する
メディア処理方法。
(16)メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を備え、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されており、
上記メディアストリームにデコード処理を施して第1のメディアデータを得るデコード処理部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備える
受信装置。
(17)第1のメディアデータとしてのビデオデータと一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部と、
上記オーディオ圧縮データストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理部と、
上記オーディオ圧縮データストリームから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備える
受信装置。
(18)所定の情報が挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
(19)上記所定の情報は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報である
前記(18)に記載の送信装置。
(20)送信部により、所定の情報がユーザデータ領域に挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
(20)メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入部を備える
送信装置。
(21)上記チェック情報は、
上記メディアアクセス情報による個々のサービス、あるいは該サービスの供給元または規格団体に固有に割り当てられる識別値である
前記(21)に記載の送信装置。
(23)送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤまたは上記コンテナのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入ステップを有する
送信方法。
(24)メディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得部を備え、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェック部をさらに備える
メディア処理装置。
(25)メディアアクセス情報取得部により、メディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得ステップを有し、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得ステップと、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェックステップをさらに有する
メディア処理方法。
【0292】
本技術の主な特徴は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を、メディアストリームのレイヤまたはコンテナのレイヤに順次挿入して送信することで、受信側において一連のメディアアクセス制御を良好に行うことを可能としたことである(図6-11、図16参照)。
【符号の説明】
【0293】
10,10A,10B・・・送受信システム
21・・・有効画素区間
22・・・水平帰線期間
23・・・垂直帰線期間
24・・・ビデオデータ区間
25・・・データアイランド区間
26・・・コントロール区間
31・・・HDMIトランスミッタ
32・・・HDMIレシーバ
33・・・DDC
34・・・CECライン
35・・・HPDライン
36・・・電源ライン
37・・・リザーブライン
100・・・放送送出装置
110,110A・・・ストリーム生成部
111・・・制御部
111a・・・CPU
112・・・ビデオエンコーダ
113,113A・・・オーディオエンコーダ
113a・・・オーディオ符号化ブロック部
113b・・・オーディオフレーミング部
114,114A・・・マルチプレクサ
200,200A・・・セットトップボックス(STB)
201・・・CPU
202・・・フラッシュROM
203・・・DRAM
204・・・内部バス
205・・・リモコン受信部
206・・・リモコン送信機
211・・・アンテナ端子
212・・・デジタルチューナ
213,213A・・・デマルチプレクサ
214・・・ビデオデコーダ
215・・・オーディオフレーミング部
216・・・HDMI送信部
217・・・HDMI端子
218・・・データ挿入部
300・・・オーディオアンプ(AMP)
301・・・CPU
302・・・フラッシュROM
303・・・DRAM
304・・・内部バス
305・・・リモコン受信部
306・・・リモコン送信機
311・・・HDMI端子
312・・・HDMI受信部
313・・・オーディオデコーダ
314・・・音声処理回路
315・・・音声増幅回路
316・・・音声出力端子
317・・・HDMI送信部
318・・・HDMI端子
400・・・スピーカシステム(SP)
500・・・テレビ受信機(TV)
501・・・CPU
502・・・フラッシュROM
503・・・DRAM
504・・・内部バス
505・・・リモコン受信部
506・・・リモコン送信機
507・・・通信インタフェース
511・・・アンテナ端子
512・・・デジタルチューナ
513・・・デマルチプレクサ
514・・・ビデオデコーダ
515・・・HDMI端子
516・・・HDMI受信部
517・・・映像処理回路
518・・・パネル駆動回路
519・・・表示パネル
520・・・オーディオデコーダ
521・・・音声処理回路
522・・・音声増幅回路
523・・・スピーカ
610,620・・・HDMIケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
【手続補正書】
【提出日】2024-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入部を備え
上記情報挿入部は、上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々を、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入し、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信装置。
【請求項2】
上記メディアアクセス情報は、他のメディアアクセス情報と区別するための識別情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
上記メディアアクセス情報は、他のメディアアクセス情報と関連付け行うための識別情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
上記メディアアクセス情報は、上記メディアストリームにおける対応シーンを示す期間情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
上記メディアアクセス情報は、ユーザに再生メディアを選択させるためのユーザインタフェース情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
上記メディアアクセス情報は、アクションコマンドの起動を管理するための時刻情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
上記メディアアクセス情報は、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
上記メディアアクセス情報は、状態をユーザに知らせるための通知情報
請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
上記メディアストリームは、オーディオ圧縮データストリームを含み
上記情報挿入部は、上記単位部分としてのオーディオフレームのユーザデータ領域に上記分割情報を挿入する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤに、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次挿入する情報挿入ステップを有し、
上記情報挿入ステップでは、上記メディアストリームの所定数の単位部分に、上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々を、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入し、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信方法。
【請求項11】
第1のメディアデータを取得すると共に、一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得部と、
上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得部と、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理部を備え
上記第1の取得部は、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を有し、
上記メディアストリームのレイヤに上記メディアアクセス情報が挿入されており、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入されており、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含み、
上記第1の取得部は、上記メディアストリームにデコード処理を施して上記第1のメディアデータを得るデコード処理部と、上記メディアストリームのレイヤから上記メディアアクセス情報を抽出する情報抽出部をさらに有す
メディア処理装置。
【請求項12】
第1の取得部により、第1のメディアデータを取得すると共に、該第1のメディアデータに対応した一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報を順次取得する第1の取得ステップと、
第2の取得部により、上記メディアアクセス情報に基づいて上記第1のメディアデータに関連した第2のメディアデータを取得する第2の取得ステップと、
上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディアの提示処理を行う提示処理ステップを有する
メディア処理方法。
【請求項13】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを受信する受信部を備え、
上記メディアストリームのレイヤに一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されており、
上記メディアアクセス情報は、メディア再生の期限を示す絶対時刻情報を含み、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入されており、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含み、
上記メディアストリームをデコードして第1のメディアデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置。
【請求項14】
第1のメディアデータとしてのビデオデータと一連のメディアアクセス制御のための所定数のメディアアクセス情報が順次挿入されたオーディオ圧縮データストリームを外部機器からデジタルインタフェースを介して受信する受信部を備え、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記オーディオ圧縮データストリームの所定数の単位部分に個別に挿入されており、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含み、
上記オーディオ圧縮データストリームをデコードして上記第1のメディアデータとしてのオーディオデータを得るデコード処理と、上記メディアアクセス情報に基づいて第2のメディアデータを取得するメディアデータ取得処理と、上記第1のメディアデータおよび上記第2のメディアデータによるメディア提示をするメディア提示処理を制御する制御部を備える
受信装置。
【請求項15】
所定の情報が挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入部を備え
上記所定の情報は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報であり、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記オーディオ符号化ストリームの所定数の単位部分に個別に挿入され、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信装置。
【請求項16】
送信部により、所定の情報がユーザデータ領域に挿入されたオーディオ符号化ストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記コンテナのレイヤに、オーディオデータの伝送フォーマットとして符号化ストリームのフォーマットを優先させることを示す情報を挿入する情報挿入ステップを有し、
上記所定の情報は、一連のメディアアクセス制御のための関連した所定数のメディアアクセス情報であり、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記オーディオ符号化ストリームの所定数の単位部分に個別に挿入され、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信方法。
【請求項17】
メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信部と、
上記メディアストリームのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入部を備え
上記情報挿入部は、上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々を、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入し、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信装置。
【請求項18】
上記チェック情報は、
上記メディアアクセス情報による個々のサービス、あるいは該サービスの供給元または規格団体に固有に割り当てられる識別値である
請求項17に記載の送信装置。
【請求項19】
送信部により、メディアストリームを含む所定フォーマットのコンテナを送信する送信ステップと、
上記メディアストリームのレイヤに、メディアアクセス情報を、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報を付加して挿入する情報挿入ステップを有し、
上記情報挿入ステップでは、上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々を、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入し、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含む
送信方法。
【請求項20】
メディアストリームのレイヤに挿入されているメディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得部を備え、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入されており、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含み、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得部と、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェック部をさらに備える
メディア処理装置。
【請求項21】
メディアアクセス情報取得部により、メディアストリームのレイヤに挿入されているメディアアクセス情報を取得するメディアアクセス情報取得ステップを有し、
上記メディアアクセス情報には、該メディアアクセス情報を用いて取得されるメディアデータの提供元をチェックするためのチェック情報が付加されており、
上記メディアアクセス情報を分割して得られた分割情報の各々は、上記メディアストリームの所定数の単位部分に個別に挿入されており、
最初の分割情報は上記メディアアクセス情報の全体のサイズを示す情報を含み、各分割情報は最初の分割情報であるか否かを示す情報と分割位置を示す情報としての降順のカウント数を含み、
上記メディアアクセス情報に基づいてメディアデータを取得するメディアデータ取得ステップと、
上記取得されたメディアデータの提供元を上記チェック情報に基づいてチェックする提供元チェックステップをさらに有する
メディア処理方法。