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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161246
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241108BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20241108BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/12 351A
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024153286
(22)【出願日】2024-09-05
(62)【分割の表示】P 2023042054の分割
【原出願日】2019-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 鮎美
(57)【要約】
【課題】 複数の税率が商品毎に選択的に適用される状況において、各商品がどの税率が適用される商品であるかを容易に確認可能とする。
【解決手段】 実施形態の情報処理装置は、商品判定手段、税率判定手段、生成手段及び出力手段を備える。商品判定手段は、取引対象の商品を判定する。税率判定手段は、商品判定手段により判定された商品に課税する場合の税率が複数の税率のいずれであるか否かを判定する。生成手段は、商品判定手段により判定された商品のリストを、各商品についての税率判定手段での判定結果とともに表したリストデータを生成する。出力手段は、生成手段によって生成されたリストデータを出力する。
【選択図】 図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引対象の商品を判定する商品判定手段と、
前記商品判定手段により判定された商品に課税する場合の税率が複数の税率のいずれであるか否かを判定する税率判定手段と、
前記商品判定手段により判定された商品のリストを、各商品についての前記税率判定手段での判定結果とともに表したリストデータを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記リストデータを出力する出力手段と、
を具備した情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、免税手続きに用いる誓約書及び記録票を表した誓約書データ及び記録票データを、生成した前記リストデータをそれぞれ含めるとともに、前記複数の税率のうちの軽減税率の税額を表して生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記誓約書データ及び前記記録票データを、免税額及び前記複数の税率のうちの標準税率の税額を更に表して生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記商品判定手段により判定された商品のうちの第1の免税区分に該当する商品に関する第1のリストと、前記商品判定手段により判定された商品のうちの第2の免税区分に該当する商品に関する第2のリストとを、前記税率判定手段により判定された税率が同じである商品毎にまとめて表して前記リストデータを生成する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、免税手続きに用いる品名リストを表した品名リストデータを、生成した前記リストデータをそれぞれ含めて生成する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数税率制を取り入れた場合に消費税は、例えば標準税率と軽減税率とが併用される。つまり、標準税率と軽減税率とが、商品に応じて選択的に適用されるようになる。
取引の対象が複数の商品である場合、一取引の対象である商品のうち、標準税率が適用される商品に関する課税前の価格の合計金額に標準税率を乗じることによって求まる額と、軽減税率が適用される商品に関する課税前の価格の合計金額に軽減税率を乗じることによって求まる額との和として消費税額が定まる。
取引の対象となる商品がいくつであっても、課税される消費税額は1つである。そして購買者に渡されるレシートには通常、税抜の合計金額、消費税額及び税込の合計金額が示される。
【0003】
このため、購買者は、どの商品に対してどの税率が適用されるのかをレシートから確認することができなかった。
一方、免税販売の場合には、消費税は課税されない。しかしながら、各商品に関してどの税率での消費税が免除されているのかを確認したくとも、レシートから確認することができなかった。
このような事情から、複数の税率が商品毎に選択的に適用される状況において、各商品がどの税率が適用される商品であるのかを容易に確認できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-91214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の税率が商品毎に選択的に適用される状況において、各商品がどの税率が適用さる商品であるかを容易に確認可能とする情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、商品判定手段、税率判定手段、生成手段及び出力手段を備える。商品判定手段は、取引対象の商品を判定する。税率判定手段は、商品判定手段により判定された商品に課税する場合の税率が複数の税率のいずれであるか否かを判定する。生成手段は、商品判定手段により判定された商品のリストを、各商品についての税率判定手段での判定結果とともに表したリストデータを生成する。出力手段は、生成手段によって生成されたリストデータを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るPOS端末の要部回路構成と、このPOS端末を含んで構成されたPOSシステムの概略構成とを示すブロック図。
図2図1中の商品マスタテーブルに含まれるマスタレコードの構成を模式的に示す図。
図3図1中の購買商品テーブルの構造を模式的に示す図。
図4図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
図5図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
図6】一例としての通常レシート画像を示す図。
図7】一例としての免税レシート画像を示す図。
図8】一例としての誓約書画像を示す図。
図9】一例としての記録票画像を示す図。
図10】一例としての品名リスト画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、情報処理装置としての機能を備えたPOS(point-of-sale)端末を例に説明する。
図1は本実施形態に係るPOS端末10の要部回路構成と、このPOS端末10を含んで構成されたPOSシステム100の概略構成とを示すブロック図である。
POSシステム100は、POS端末10、店舗サーバ20及び本部サーバ30を含む。そしてこれらPOS端末10、店舗サーバ20及び本部サーバ30は、通信ネットワーク40を介して通信可能である。通信ネットワーク40は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網、専用線などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。なお、POSシステム100には、典型的には複数のPOS端末10と、複数の店舗サーバ20とが含まれるが、図1においては1つずつのみを示している。また、POSシステム100には、本部サーバ30が複数設けられる場合もある。
【0009】
POS端末10は、店舗における商品の販売、飲食物の提供、あるいは物品の譲渡を伴わないサービスの提供などの任意の取引の内容を登録し、さらには当該取引について会計するための情報処理を行う。なお、会計のための処理は、代金の算出のための処理と、当該代金の決済のための処理が含まれる。なお、以下においては、対象とする取引を、商品の販売とする場合について説明する。
店舗サーバ20は、店舗に設置され、当該店舗に設置された複数のPOS端末10を管理するための各種の情報処理を行う。本部サーバ30は、複数の店舗を管轄する本部に設置され、当該複数の店舗に設置されたPOS端末10及び店舗サーバ20を管理するための情報処理を行う。
【0010】
POS端末10は、プロセッサ10a、メイン記憶デバイス10b、補助記憶デバイス10c、表示デバイス10d、入力デバイス10e、読取デバイス10f、リーダライタ10g、プリンタ10h、通信デバイス10i及び伝送路10j等を備える。
POS端末10においては、プロセッサ10a、メイン記憶デバイス10b及び補助記憶デバイス10cを伝送路10jで接続することによって、POS端末10を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
【0011】
プロセッサ10aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ10aは、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、POS端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0012】
メイン記憶デバイス10bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メイン記憶デバイス10bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メイン記憶デバイス10bは、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメイン記憶デバイス10bは、プロセッサ10aが各種の情報処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メイン記憶デバイス10bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ10aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0013】
補助記憶デバイス10cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス10cは、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)である。HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶デバイス10cは、プロセッサ10aが各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ10aでの処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶デバイス10cは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。本実施形態においては、後述する情報処理について記述したアプリケーションプログラム(以下、POSアプリと称する)AP1を記憶する。また補助記憶デバイス10cは、商品マスタテーブルTD1及び購買商品テーブルTD2を保存する。これら商品マスタテーブルTD1及び購買商品テーブルTD2については後述する。
【0014】
表示デバイス10dは、操作者に対して各種の情報を通知するための各種画面を表示する。表示デバイス10dとしては、例えば液晶表示デバイスなどの周知のデバイスを適用できる。表示デバイス10dは、複数であってもよい。
入力デバイス10eは、操作者による各種の指示を入力する。入力デバイス10eとしては、タッチセンサ又はキーボードなどの周知のデバイスを、単独又は組み合わせて適用できる。
【0015】
読取デバイス10fは、商品を識別するためのデータを読み取る。読取デバイス10fとしては、例えば固定式又は手持ち式のバーコードスキャナを用いることができる。読取デバイス10fとしては、RF(radio frequency)タグリーダなどの無線通信式のデバイスを用いることができる。あるいは読取デバイス10fとしては、商品自体の画像の特徴に基づくオブジェクト認識技術を用いて商品を識別するオブジェクト認識スキャナを用いることができる。なお、読取デバイス10fは、それらの種々のデバイスを、単独又は組み合わせて適用できる。
【0016】
リーダライタ10gは、記録媒体に記憶又は表示されたデータを読み取る。リーダライタ10gは、書き込み可能な記録媒体にデータを書き込む。リーダライタ10gとしては、ICカードリーダライタ、磁気カードリーダライタ、近接通信式リーダライタなどの周知のデバイスを、単独又は組み合わせて適用できる。リーダライタ10gは、決済のために支払メディアに関する情報を読み出すために利用可能である。リーダライタ10gは例えば、クレジットカードに記録されたクレジットデータを読み取る。リーダライタ10gは例えば、電子マネーカードに記録された電子マネーデータを読み取る。またリーダライタ10gは、旅券に記憶又は表示されたデータを読み取る。
【0017】
プリンタ10hは、プロセッサ10aの指示の下に与えられる画像を用紙にプリントすることで、各種の証票をプリントする。プリンタ10hがプリントする証票は、例えばレシート、誓約書、記録票及び商品名リストなどである。
通信デバイス10iは、通信ネットワーク40を介したデータ通信を行う。通信デバイス10iとしては、例えばLAN及びインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のデバイスを用いることができる。
伝送路10jは、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続されている各部の間で授受されるデータや制御信号を伝送する。
【0018】
POSアプリAP1は、POS端末10のハードウェアの譲渡の際に補助記憶デバイス10cに記憶されていてもよいし、上記のハードウェアとは別に譲渡されてもよい。後者の場合、POSアプリAP1は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。また後者の場合、POSアプリAP1はバージョンアッププログラムとして提供されて、補助記憶デバイス10cに既に記憶されている同種の別のアプリケーションプログラムに置き換えて使用されるケースが想定される。なお、POSアプリAP1は、メイン記憶デバイス10bに記憶されてもよい。
【0019】
図2は商品マスタテーブルTD1に含まれるレコードデータ(以下、マスタレコードと称する)RD1の構成を模式的に示す図である。商品マスタテーブルTD1は、POS端末10での販売処理の対象となり得る商品のそれぞれに関連付けられた複数のマスタレコードRD1の集合によりなるテーブルデータである。そしてマスタレコードRD1は、当該マスタレコードRD1が関連付けられた商品(以下、該当商品と称する)に関する各種のデータがセットされるフィールドF11,F12,F13,F14,F15を含む。フィールドF11には、該当商品を識別するための商品コードがセットされる。フィールドF12には、該当商品に付された商品名がセットされる。フィールドF13には、該当商品の単価がセットされる。フィールドF14には、該当商品が属する免税区分を識別する免税区分コードがセットされる。本実施形態では、免税区分コードは、免税区分としての「一般物品」及び「消耗品」を表す2つである。フィールドF15には、該当商品に適用される税率を識別する税率コードがセットされる。本実施形態では、税率コードは、「標準税率」又は「軽減税率」を表す2つである。フィールドF14にセットされる免税区分コードは、例えば法的な定めに従って、各商品がどの免税区分に属するかを正しく反映するように定められるべきである。またフィールドF15にセットされる税率コードは、例えば法的な定めに従って、各商品に対してどの税率が適用されるかを正しく反映するように定められるべきである。
【0020】
なお、商品マスタテーブルTD1は、典型的にはコピーである。商品マスタテーブルTD1の原本は、典型的には店舗サーバ20又は本部サーバ30によって管理されている。そして商品マスタテーブルTD1は、適宜のタイミングにおいて、店舗サーバ20又は本部サーバ30からPOS端末10へと取り込まれて、補助記憶デバイス10cに保存される。
【0021】
図3は購買商品テーブルTD2の構造を模式的に示す図である。
購買商品テーブルTD2は、購買商品として登録済みの商品を管理するためのテーブルデータである。購買商品テーブルTD2は、フィールドF21及びフィールドF22を含む。購買商品テーブルTD2は、フィールドF23以降のフィールドを含む場合もある。フィールドF21には、取引を識別するための取引コードがセットされる。フィールドF22には、免税を適用するか否かを表す免税フラグがセットされる。本実施形態においては、免税フラグは、セット状態であるときに適用を表す。フィールドF23以降の各フィールドは、購買商品として登録済みの商品のそれぞれに関連付けられたレコードデータ(以下、商品レコードと称する)RD2がセットされる。つまりフィールドF23以降には、購買商品として登録済みの商品の品目数に応じた数のフィールドが含まれる。
【0022】
商品レコードRD2は、当該商品レコードRD2が関連付けられた購買商品に関する各種のデータがセットされるフィールドF31,F32,F33,F34,F35,F36を含む。フィールドF31には、購買商品を識別するための商品コードがセットされる。フィールドF22には、購買商品に付された商品名がセットされる。フィールドF33には、購買商品の単価がセットされる。フィールドF34には、購買商品が属する免税区分を識別する免税区分コードがセットされる。フィールドF35には、購買商品に適用される税率を識別する税率コードがセットされる。フィールドF36には、購買商品の個数がセットされる。
【0023】
次に以上のように構成されたPOS端末10の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
POS端末10が登録及び決済のための動作状態にあるとき、プロセッサ10aは、POSアプリAP1に従って、登録及び決済のための以下に説明する情報処理を行う。
図4及び図5はプロセッサ10aによる情報処理のフローチャートである。
【0024】
ACT1としてプロセッサ10aは、購買商品テーブルTD2を初期化する。プロセッサ10aは例えば、これまでに処理済みの取引を識別するための取引コードとは異なる取引コードを予め定められたルールに従って決定し、フィールドF21にセットする。またプロセッサ10aは、フィールドF22にセットされた免税フラグをリセットする。さらにプロセッサ10aは、フィールドF23以降のフィールドを含まない状態とする。
【0025】
ACT2としてプロセッサ10aは、購買商品の指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ10aは、該当の指定がなされたことを確認できなければNOと判定し、ACT3へと進む。
ACT3としてプロセッサ10aは、免税宣言がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ10aは、該当の宣言がなされたことを確認できなければNOと判定し、ACT4へと進む。
ACT4としてプロセッサ10aは、会計の実施が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ10aは、該当の指示がなされたことが確認できないならばNOと判定し、ACT2へと戻る。
かくしてプロセッサ10aは、購買商品の指定、免税宣言及び会計の実施の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。
【0026】
操作者は、購買商品の商品コードを読み取らせるべく読取デバイス10fを操作する。操作者はあるいは、購買商品の商品コードを入力するべく入力デバイス10eを操作する。これにより読取デバイス10f又は入力デバイス10eによって商品コードが得られたならば、プロセッサ10aはACT2にてYESと判定し、ACT5へと進む。
【0027】
ACT5としてプロセッサ10aは、読取デバイス10f又は入力デバイス10eによって得られた購買商品の商品コードで識別される商品に関連付けた商品レコードRD2を含めるように購買商品テーブルTD2を更新する。プロセッサ10aは例えば、購買商品の商品コードがフィールドF31にセットされた商品レコードRD2が既に購買商品テーブルTD2に含まれているか否かを確認する。そしてプロセッサ10aは、該当の商品レコードRD2がみつからないならば、購買商品テーブルTD2の末尾に新たなフィールドを追加し、このフィールドに新たな商品レコードRD2をセットする。プロセッサ10aは例えば、商品マスタテーブルTD1から、購買商品の商品コードがフィールドF11にセットされているマスタレコードRD1を取り出す。そしてプロセッサ10aは、この取り出したマスタレコードRD1のフィールドF11,F12,F13,F14,F15にそれぞれセットされたデータを、フィールドF31,F32,F33,F34,F35にそれぞれセットし、かつフィールドF36に「1個」を表すデータをセットして上記の新たな商品レコードRD2を生成する。またプロセッサ10aは例えば、購買商品の商品コードがフィールドF31にセットされた商品レコードRD2が既に購買商品テーブルTD2に含まれていたならば、当該商品レコードRD2のフィールドF36にセットされたデータを、それまでよりも1つ大きな個数を表すデータに書き替える。
【0028】
ここで購買商品は、取引対象の商品である。つまりプロセッサ10aは、読取デバイス10f又は入力デバイス10eによって得られた商品コードで識別される商品を、取引対象の商品として判定しているのである。かくしてPOSアプリAP1に基づく情報処理をプロセッサ10aが実行することによって、プロセッサ10aを中枢部分とするコンピュータは商品判定手段として機能する。
【0029】
なお、商品マスタテーブルTD1を補助記憶デバイス10cには保存しなくてもよい。そしてプロセッサ10aは、商品マスタテーブルを参照する必要がある場合には、店舗サーバ20又は本部サーバ30にアクセスして、店舗サーバ20又は本部サーバ30が管理している商品マスタテーブルを参照してもよい。
【0030】
また商品レコードRD2には、フィールドF31,F36以外のフィールドを含めなくてもよい。そしてプロセッサ10aは、フィールドF32乃至F35のうちの商品レコードRD2に含まれないフィールドにセットされているデータについては、商品マスタテーブルTD1から取得してもよい。
プロセッサ10aは、購買商品テーブルTD2を更新し終えたならば、ACT2乃至ACT4の待受状態に戻る。
【0031】
一方で操作者は、購買者が免税の適用を要望しているならば、例えば入力デバイス10eでの所定の操作により免税宣言を行う。このように免税宣言がなされたならばプロセッサ10aは、ACT3にてYESと判定し、ACT6へと進む。
ACT6としてプロセッサ10aは、旅券データを取得する。プロセッサ10aは例えば、旅券データの入力を操作者に促すための案内画面を表示デバイス10dに表示させる。そしてプロセッサ10aは、操作者の操作によってリーダライタ10gが、購買者の旅券から旅券データを読み取ると、この旅券データをメイン記憶デバイス10b又は補助記憶デバイス10cに保存する。なお、旅券データは、その一部又は全てを入力デバイスで入力されてもよい。旅券データは、例えば、旅券番号、国籍、氏名及び生年月日を含む。
【0032】
ACT7としてプロセッサ10aは、購買商品テーブルTD2のフィールドF22にセットされている免税フラグをセット状態に変更する。そしてプロセッサ10aはこののち、ACT2乃至ACT4の待受状態に戻る。
【0033】
操作者は、購買商品を全て指定し終えて、会計へと進む場合には、例えば入力デバイス10eでの所定の操作により会計を指示する。このように会計が指示されたならばプロセッサ10aは、ACT4にてYESと判定し、ACT8へと進む。
ACT8としてプロセッサ10aは、第1の税抜額を算出する。第1の税抜額は、購買商品のうちで標準税率が適用される商品に関する課税前の合計金額である。プロセッサ10aは例えば、購買商品テーブルTD2に含まれる商品レコードRD2のなかから、フィールドF35にセットされた税率コードが「標準税率」を示す商品レコードRD2を全て抽出する。そしてプロセッサ10aは、同一の商品レコードRD2に含まれるフィールドF33及びフィールドF36にセットされた単価及び個数を乗算して、抽出した商品レコードRD2毎の金額を算出し、それらの金額の総和を第1の税抜額とする。
ACT9としてプロセッサ10aは、標準税額を算出する。標準税額とは、標準税率を適用した消費税額である。プロセッサ10aは例えば、第1の税抜額の標準税率相当の金額を標準税額として算出する。
【0034】
ACT10としてプロセッサ10aは、第2の税抜額を算出する。第2の税抜額は、購買商品のうちで軽減税率が適用される商品に関する課税前の合計金額である。プロセッサ10aは例えば、購買商品テーブルTD2に含まれる商品レコードRD2のなかから、フィールドF35にセットされた税率コードが「軽減税率」を示す商品レコードRD2を全て抽出する。そしてプロセッサ10aは、同一の商品レコードRD2に含まれるフィールドF33及びフィールドF36にセットされた単価及び個数を乗算して商品レコードRD2毎の金額を算出し、それらの金額の総和を第2の税抜額とする。
ACT11としてプロセッサ10aは、軽減税額を算出する。軽減税額とは、軽減税率を適用した消費税額である。プロセッサ10aは例えば、第2の税抜額の軽減税率相当の金額を軽減税額として算出する。プロセッサ10aはこののち、図5中のACT12へと進む。
【0035】
ACT12としてプロセッサ10aは、免税を適用するか否かを確認する。プロセッサ10aは例えば、免税フラグがリセット状態のままであるならばNOと判定し、ACT13へと進む。
ACT13としてプロセッサ10aは、税込額を算出する。プロセッサ10aは例えば、ACT8乃至ACT11で算出した第1の税抜額、標準税額、第2の税抜額及び軽減税額の総和として税込額を算出する。
なお、以上の各金額を算出する処理のなかで、予め定められたルールに従った割引処理が行われる場合もある。当該割引処理は例えば、購買者によるクーポン提示に応じて、1つの商品の単価から一定の割引金額を差し引く処理である。
【0036】
ACT14としてプロセッサ10aは、税込額を決済するための決済処理を行う。決済処理は、既存のPOS端末にて行われている処理と同様な処理を適用できる。なお、このときの決済に用いる決済メディアは、例えば現金、クレジット、電子マネー、仮想通貨、プリペイド、金券、その他の任意のメディアを適宜に適用できる。
【0037】
ACT15としてプロセッサ10aは、通常レシート画像を生成する。通常レシート画像とは、免税を適用しない取引の内容を表す画像である。プロセッサ10aは例えば、購買商品テーブルTD2及びACT8乃至ACT11及びACT13での算出結果に基づく各種の情報を表した文字列を、予め定められたフォームに従って展開して通常レシート画像として生成する。
【0038】
図6は一例としての通常レシート画像IM1を示す図である。
通常レシート画像IM1は、行RO101~RO122の各行に示した文字列によって取引の内容に関する各種の情報を表している。
【0039】
行RO101の文字列は、取引が行われた日時及びPOS端末10を識別するためのレジ番号を表す。なお、図6中の「YYYY」「MM」「DD」「DW」「TI」「MI」及び「RRRR」には、実際には年、月、日、曜日、時、分及びレジ番号を表すように文字がセットされる。
【0040】
行RO102の文字列は、POS端末10の操作者の従業員番号を「責 No.」とした見出しに対応付けて示すとともに、当該操作者の氏名を表す。なお、図6中の「NNNNNNNN」及び「○○○○」には、実際には従業員番号及び氏名を表すように文字がセットされる。
【0041】
行RO103の文字列は、購買商品のうちの1つについての商品名と適用された消費税率を表すマークとを表す。なお、図6中の「外」がマークであり、標準税率が適用されたことを表す。また、図6中の「AAAAAAA」には、実際には商品名を表すように文字がセットされる。
【0042】
行RO104の文字列は、行RO103に示された商品名の商品に関しての個数、単価及び合計金額を表す。なお合計金額は、プロセッサ10aがACT8にて単価及び個数を乗算して求めた金額である。
【0043】
行RO105と行RO106、行RO107と行RO108、行RO109と行RO110、行RO111と行RO112、行RO113と行RO114、がそれぞれペアとなって、それぞれ別々の購買商品に関する情報を行RO103,RO104と同様な形態で示す。ただし、行RO109及び行RO113に示された「*」は、軽減税率が適用されたことを表す。
【0044】
つまりプロセッサ10aは、購買商品テーブルTD2に含まれた商品レコードRD2のそれぞれに基づいて、行RO103~行RO114の2行ずつの文字列を配置する。従って図6に示す通常レシート画像IM1は、購買商品テーブルTD2が6つの商品レコードRD2を含んでいる場合の例である。また、その6つの商品レコードRD2のうちで、商品名としての「DDDDDDD」及び「FFFFFFF」がフィールドF32にセットされている2つの購買商品テーブルTD2がACT10にて抽出され、残りの4つの購買商品テーブルTD2がACT8にて抽出された場合の例である。
【0045】
このように行RO103乃至行RO114は、取引対象の商品のリストを表し、通常レシート画像IM1のうちの行RO103乃至行RO114が配置された範囲は、上記のリストを表したリストデータに相当する。そしてプロセッサ10aは、各商品について適用する税率を商品レコードRD2に基づいて判定し、その判定結果を「外」又は「*」としたマークによりリストデータ中で表している。かくしてPOSアプリAP1に基づく情報処理をプロセッサ10aが実行することによって、プロセッサ10aを中枢部分とするコンピュータは税率判定手段及び生成手段として機能する。
【0046】
行RO115の文字列は、ACT13にて算出された税込額を「税込合計」とした見出しに対応付けて表している。つまり図6に示す通常レシート画像IM1は、税込額が「38,293」と算出された場合の例である。
【0047】
行RO116の文字列は、ACT8で算出された第1の税抜額とACT10で算出された第2の税抜額との合計金額を、「税抜き合計」とした見出しに対応付けて表している。つまり図6に示す通常レシート画像IM1は、第1の税抜額と第2の税抜額との合計金額が「34,866」になる場合の例である。
【0048】
行RO117の文字列は、ACT9で算出された標準税額とACT11で算出された軽減税額との合計金額を、「消費税」とした見出しに対応付けて表している。つまり図6に示す通常レシート画像IM1は、標準税額と軽減税額との合計金額が「3,319」になる場合の例である。
【0049】
行RO118の文字列は、ACT9で算出された標準税額を、「標準税率」とした見出しに対応付けて表している。つまり図6に示す通常レシート画像IM1は、標準税額が「2,654」である場合の例である。
【0050】
行RO119の文字列は、ACT11で算出された軽減税額を、「軽減税率」とした見出しに対応付けて表している。つまり図6に示す通常レシート画像IM1は、軽減税額が「665」である場合の例である。
これにより行RO118,RO119は、行RO117に示した消費税の金額の内訳を表している。
【0051】
行RO120の文字列は、行RO107,RO109にマークとして示された「*」は軽減税率が適用された商品を示していることを案内する文字メッセージである。
行RO121の文字列は、行RO103,RO105,RO111,RO113にマークとして示された「外」は標準税率が適用された商品を示していることを案内する文字メッセージである。
【0052】
行RO122の文字列は、購買商品テーブルTD2のフィールドF21にセットされている取引コードを「レシートNo.」とした見出しに対応付けて表している。また行RO122の文字列は、店舗コードを「店No.」とした見出しに対応付けて表している。なお、店舗コードは、POS端末10を使用している店舗を識別するための識別コードである。なお、図6中の「NNNN」及び「SSSS」には、実際には取引コード及び店舗コードを表すように文字がセットされる。
【0053】
なおプロセッサ10aは、決済処理に関する情報を表した行を、通常レシート画像に追加してもよい。この追加する行に表す情報は、例えば、適用した決済メディアの名称、現金決済の場合における預かり金額及び釣銭額、あるいは電子マネー決済における残高などである。またプロセッサ10aは、取引に伴って加算するポイント数及び加算後のポイント数、あるいは販促情報などの予め定められた情報を表した行又は画像を、通常レシート画像に追加してもよい。
【0054】
ACT16としてプロセッサ10aは、通常レシート画像を表した画像データをプリンタ10hへと与え、プリントを指示する。これに応じてプリンタ10hは、与えられた画像データが表す通常レシート画像を用紙にプリントする。これにより、証票としての通常レシートがプリントされる。このようなプリントは、リストデータを出力することに相当する。かくしてプロセッサ10aとプリンタ10hとの協働によって、リストデータを出力する出力手段としての機能が実現される。
プロセッサ10aは、通常レシートのプリントが完了したならば、図4中のACT1へと戻り、次の取引に備える。
【0055】
一方でプロセッサ10aは、例えば免税フラグがセット状態であるならば、ACT12にてYESと判定し、ACT17へと進む。
ACT17としてプロセッサ10aは、税抜合計額を算出する。プロセッサ10aは例えば、ACT8及びACT10で算出した第1の税抜額及び第2の税抜額の総和として税抜合計額を算出する。
【0056】
ACT18としてプロセッサ10aは、税抜合計額を決済するための決済処理を行う。決済処理は、既存のPOS端末にて行われている処理と同様な処理を適用できる。なお、このときの決済に用いる決済メディアは、例えば現金、クレジット、電子マネー、仮想通貨、プリペイド、金券、その他の任意のメディアを適宜に適用できる。
【0057】
ACT19としてプロセッサ10aは、免税レシート画像を生成する。免税レシート画像とは、免税を適用した取引の内容を表す画像である。プロセッサ10aは例えば、購買商品テーブルTD2及びACT8乃至ACT11及びACT17での算出結果に基づく各種の情報を表した文字列を、予め定められたフォームに従って展開して免税レシート画像として生成する。
【0058】
図7は一例としての免税レシート画像IM2を示す図である。
免税レシート画像IM2は、購買商品テーブルTD2が、フィールドF22にセットされた免税フラグの状態が異なる以外は、通常レシート画像IM1を生成する場合と同じ状態である場合の例である。このため、免税レシート画像に含まれる行のうちの一部の行の文字列は、通常レシート画像IM1のいずれかの行の文字列と同一である。そこで、免税レシート画像IM2に含まれる行のうち、通常レシート画像IM1のいずれかの行と同一の情報を表す行については、図6と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
免税レシート画像IM2は、行RO101~RO104に関しては、通常レシート画像IM1と同様である。そして免税レシート画像IM2は、行RO104の次が行RO111であり、さらに行RO112が続いている。これは、商品名としての「AAAAAAA」及び「EEEEEEE」がフィールドF32にセットされている2つの商品レコードRD2において、フィールドF34にセットされた免税区分コードが「一般物品」を表す場合の例である。
【0060】
行RO112の次は、行RO201である。行RO201の文字列は、購買商品のうちで免税区分が「一般物品」である商品についての税抜額の合計金額を、「一般物品免税合計」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、該当の金額が「9,974」である場合の例である。
【0061】
免税レシート画像IM2は、行RO201の後には、行RO105,RO106,RO113,RO114,RO107~RO110の順に配置されている。これは、商品名としての「BBBBBBB」「CCCCCCC」「DDDDDDD」及び「FFFFFFF」がフィールドF32にセットされている4つの商品レコードRD2において、フィールドF34にセットされた免税区分コードが「消耗品」を表す場合の例である。また、標準税率が適用される商品に関する行RO105,RO106,RO113,RO114と、軽減税率が適用される商品に関する行RO107~RO110とを、それぞれまとめて表すように一部の行の順番を通常レシート画像IM1とは入れ替えている。
なお、「一般物品」に関しても、標準税率が適用される商品と軽減税率が適用される商品とが混在するならば、標準税率が適用される商品と軽減税率が適用される商品とをそれぞれまとめて表すように一部の行の順番を通常レシート画像IM1とは入れ替える。
【0062】
行RO110の次は、行RO202である。行RO202の文字列は、購買商品のうちで免税区分が「消耗品」である商品についての税抜額の合計金額を、「消耗品免税合計」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、該当の金額が「24,892」である場合の例である。
【0063】
行RO202の次は、行RO203である。行RO203の文字列は、行RO201に示した金額と行RO202に示した金額との合計金額を、「免税対象合計」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、該当の金額が「34,866」である場合の例である。
【0064】
行RO203の次は、行RO204である。行RO204の文字列は、ACT8で算出された第1の税抜額とACT10で算出された第2の税抜額との合計金額を、「免税額」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、該当の金額が「3,427」である場合の例である。
【0065】
行RO204の次は、行RO205である。行RO205の文字列は、ACT9で算出された標準税額を、標準税率が適用される免税額として、「標準税率」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、該当の免税額が「3,193」である場合の例である。
【0066】
行RO205の次は、行RO206である。行RO206の文字列は、ACT11で算出された軽減税額を、軽減税率が適用される免税額として、「軽減税率」とした見出しに対応付けて表している。つまり図7に示す免税レシート画像IM2は、第2の免税額が「234」である場合の例である。
行RO206の後は、行RO120~RO122が、通常レシート画像IM1と同様に配置されている。
なお、行RO120,RO121は、「*印は軽減税率(8%)相当の消費税が免税された商品です。」及び「外印は標準税率(10%)相当の消費税が免税された商品です。」のような、免税に関して案内する案内メッセージを表す別の行に置き換えてもよい。
【0067】
なおプロセッサ10aは、通常レシート画像の場合と同様に、決済処理に関する情報を表した行、取引に伴って加算するポイント数及び加算後のポイント数、あるいは販促情報などの予め定められた情報を表した行又は予め定められた画像を、免税レシート画像に追加してもよい。
【0068】
ACT20としてプロセッサ10aは、免税レシート画像を表した画像データをプリンタ10hへと与え、プリントを指示する。これに応じてプリンタ10hは、与えられた画像データが表す免税レシート画像を用紙にプリントする。これにより、証票としての免税レシートがプリントされる。
【0069】
ACT21としてプロセッサ10aは、誓約書画像を生成する。誓約書画像とは、免税手続きのための誓約を購買者が行うための証票である購入誓約書を表す画像である。プロセッサ10aは例えば、ACT19にて生成した免税レシート画像と、図4中のACT6にて取得済みの旅券データとに基づく各種の情報を表した文字列を、予め定められたフォームに従って展開して誓約書画像として生成する。
【0070】
図8は一例としての誓約書画像IM3を示す図である。
誓約書画像IM3は、免税レシート画像IM2の前側に行RO301~RO307と署名エリアAR301とを追加して構成される。このため、誓約書画像IM3に含まれる行のうち、免税レシート画像IM2のいずれかの行と同一の情報を表す行については、図7と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
行RO301の文字列は、購入誓約書であることを表すタイトルである。
行RO302の文字列は、所轄税務署の名称を、「所轄税務署」との見出しに対応付けて表す。なお、図8中の「TTTTTTT」には、実際には税務署名を表すように文字がセットされる。プロセッサ10aは例えば、POS端末10の設置時などにおいて登録されて、例えば補助記憶デバイス10cに記憶されている税務署名を表すように文字をセットする。
【0072】
行RO303の文字列は、店舗の住所を、「店舗所在地」との見出しに対応付けて表す。なお、図8中の「AAAAAAAAAAAA」には、実際には住所を表すように文字がセットされる。プロセッサ10aは例えば、POS端末10の設置時などにおいて登録されて、例えば補助記憶デバイス10cに記憶されている住所を表すように文字をセットする。
【0073】
行RO304の文字列は、ACT6にて取得した旅券データに含まれる旅券番号を表す。なお、図8にて行RO304に示される「NNNNNNNNN」には、実際には旅券番号を表すように文字がセットされる。
【0074】
行RO305の文字列は、ACT6にて取得した旅券データに含まれる国籍を表す。なお、図8にて行RO305に示される「NNNNN」には、実際には国籍を表すように文字がセットされる。
行RO306の文字列は、ACT6にて取得した旅券データに含まれる氏名を表す。なお、図8にて行RO306に示される「NNNNNNNNNNNNN」には、実際には氏名を表すように文字がセットされる。
【0075】
行RO307の文字列は、ACT6にて取得した旅券データに含まれる生年月日を表す。なお、図8にて行RO307に示される「YYYY」「MM」及び「DD」には、実際には年、月及び日を表すように文字がセットされる。
署名エリアAR301は、購買者が誓約のために署名するためのエリアである。
【0076】
ACT22としてプロセッサ10aは、誓約書画像を表した画像データをプリンタ10hへと与え、プリントを指示する。これに応じてプリンタ10hは、与えられた画像データが表す誓約書画像を用紙にプリントする。これにより、証票としての購入誓約書がプリントされる。
【0077】
ACT23としてプロセッサ10aは、記録票画像を生成する。記録票画像とは、免税手続きのための購買者の旅券に貼り付けるべき証票である購入記録票を表す画像である。プロセッサ10aは例えば、ACT19にて生成した免税レシート画像と、図4中のACT6にて取得済みの旅券データとに基づく各種の情報を表した文字列を、予め定められたフォームに従って展開して記録票画像として生成する。
【0078】
図9は一例としての記録票画像IM4を示す図である。
記録票画像IM4は、免税レシート画像IM2の前側に行RO401及び行RO301~RO307を追加して構成される。このため、記録票画像IM4に含まれる行のうち、免税レシート画像IM2のいずれかの行と同一の情報を表す行については、図7と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、行RO301~RO307は、誓約書画像IM3における行RO301~RO307と同一の情報を表すために同一の符号としており、その詳細な説明は省略する。
【0079】
行RO401の文字列は、購入記録書であることを表すタイトルである。
つまり記録票画像IM4は、誓約書画像IM3における行RO301を行RO401に置き換えるとともに、誓約書画像IM3における署名エリアAR301を設けない画像である。
【0080】
ACT24としてプロセッサ10aは、記録票画像を表した画像データをプリンタ10hへと与え、プリントを指示する。これに応じてプリンタ10hは、与えられた画像データが表す記録票画像を用紙にプリントする。これにより、証票としての購入記録票がプリントされる。
【0081】
ACT25としてプロセッサ10aは、品名リスト画像を生成する。品名リスト画像とは、消耗品を規定に従って梱包する包装に、内容物を表すために貼り付けるべき証票である品名リストを表す画像である。プロセッサ10aは例えば、ACT19にて生成した免税レシート画像に含まれた文字列を、予め定められたフォームに従って展開して品名リスト画像として生成する。
【0082】
図10は一例としての品名リスト画像IM5を示す図である。
品名リスト画像IM5は、免税レシート画像IM2中の行RO105~RO110,RO1113,RO114,RO120,RO121と、行RO105の前側に配置した行RO501により構成される。行RO105~RO110,RO1113,RO114,RO120,RO121は、免税レシート画像IM2における行RO105~RO110,RO113,RO114,RO120,RO121と同一の情報を表すために同一の符号としており、その詳細な説明は省略する。
【0083】
行RO501の文字列は、品名リストであることを表すタイトルである。
行RO105~RO110,RO1113,RO114は、前述の通り、いずれも免税区分が「消耗品」である商品に関する情報を表している。つまり行RO105~RO110,RO1113,RO114は、免税区分が「消耗品」である商品の品名のリストを表している。また行RO105,RO107,RO109,RO1113は、適用され得る消費税率を表すマークを表している。
なお、品名リスト画像には、免税区分が「一般物品」である商品に関する情報も表してもよい。つまり例えば品名リスト画像IM5の場合には、行RO103,RO104,RO111,RO112を含めてもよい。
【0084】
ACT26としてプロセッサ10aは、品名リスト画像を表した画像データをプリンタ10hへと与え、プリントを指示する。これに応じてプリンタ10hは、与えられた画像データが表す品名リスト画像を用紙にプリントする。これにより、証票としての品名リストがプリントされる。
以上のように、プロセッサ10aとプリンタ10hとの協働によって、免税手続きに用いる購入誓約書、購入記録票及び品名リストをプリントするプリント手段としての機能が実現される。
プロセッサ10aは、品名リストのプリントが完了したならば、図4中のACT1へと戻り、次の取引に備える。
【0085】
以上のようにPOS端末10によれば、通常レシート及び免税レシートには、例えば前述の例における行RO103~RO114により構成されたリストデータが含められる。そして当該のリストデータには、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるか、「外」及び「*」のマークによって表される。これにより購買者は、通常レシート及び免税レシートから、購買商品のそれぞれが、標準税率が適用される商品及び軽減税率が適用される商品のいずれであるかを確認可能である。つまり通常レシートからは、各商品に対してどの税率による課税がなされているのかを確認することが可能である。また免税レシートからは、各商品に対してどの税率による課税が免除されているのかを確認することが可能となる。しかも免税レシートでは、標準税率の適用対象である商品に関する情報と、軽減税率の適用対象である商品に関する情報とが、それぞれまとめて表される。これにより購買者は、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるかを、さらに容易に確認できる。
【0086】
またPOS端末10によれば、購入誓約書及び購入記録票には、例えば前述の例における行RO103~RO114により構成されたリストのような購買商品のリストが含められる。そして当該のリストには、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるか、「外」及び「*」のマークによって表される。これにより購買者は、購入誓約書及び購入記録票からも、各商品に対してどの税率による課税が免除されているのかを確認することが可能となる。しかも購入誓約書及び購入記録票では、標準税率の適用対象である商品に関する情報と、軽減税率の適用対象である商品に関する情報とが、それぞれまとめて表される。これにより購買者は、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるかを、さらに容易に確認できる。
【0087】
またPOS端末10によれば、品名リストには、例えば前述の例における行RO105~RO110,RO113,RO114により構成されたリストのような購買商品のリストが含められる。そして当該のリストには、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるか、「外」及び「*」のマークによって表される。これにより購買者は、品名リストからも、各商品に対してどの税率による課税が免除されているのかを確認することが可能となる。しかも品名リストでは、標準税率の適用対象である商品に関する情報と、軽減税率の適用対象である商品に関する情報とが、それぞれまとめて表される。これにより購買者は、各商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるかを、さらに容易に確認できる。
【0088】
またPOS端末10によれば、通常レシートには、例えば前述の例における行RO118,RO119のような表示により、また免税レシート、購入誓約書及び購入記録票には、例えば前述の例における行RO205,RO206のような表示により、一取引に対する課税額又は免税額における標準税率相当分の金額と軽減税率相当分の金額とがそれぞれ表される。これにより、上記のようにマークによって標準税率の適用対象であることを確認した商品に関しての課税額又は免税額と、上記のようにマークによって軽減税率の適用対象であることを確認した商品に関しての課税額又は免税額とを、通常レシート、免税レシート、購入誓約書又は購入記録票から容易に確認できる。
【0089】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
各種証票の画像において商品が標準税率及び軽減税率のいずれの適用対象であるかを表すための方法は、適宜に変更が可能である。例えば、「標」及び「軽」、あるいは「↑」及び「↓」などの別のマークを用いてもよい。また例えば、標準税率の適用対象となる商品の情報と、軽減税率の適用対象となる商品の情報とを別々のエリアにそれぞれ纏めて表してもよい。
【0090】
免税処理は行わず、従って免税レシート、購入誓約書、購入記録票及び品名リストのプリントは行わないPOS端末にて、前記実施形態のような通常レシートをプリントすることとして実施することも可能である。
【0091】
また複数種の証票をプリントする場合でも、それらのうちの一部の証票のみに、各商品についての適用税率を表してもよい。例えば、通常レシートのみ、あるいは通常レシートと免税レシートのみに、各商品についての適用税率を表してもよい。
【0092】
登録の処理を行わずに、例えば他の登録装置で登録された商品に関するリストデータを生成する装置として実現することも可能である。
【0093】
リストデータは、上記の実施形態に示した各種の証票とは別の任意の証票に含めてもよい。
【0094】
通常レシート画像、免税レシート画像、誓約書画像、記録票画像及び品名リスト画像は、プリントせずに、例えば通信によって他の情報端末へと送信されてもよい。この場合に各画像は、画像データとして送信される他、例えばXML(extensible markup language)又はHTML(hypertext markup language)などにより記述されたデータファイル、あるいはCSV(comma separated values)形式のデータファイルのように、別の情報端末で各画像を生成するためのデータとして送信されてもよい。つまりこの場合は、リストデータについても、上記のようなデータファイルの一部のデータとして送信される。
【0095】
選択的に適用される税率は、標準税率及び軽減税率とは別の2つの税率であってもよいし、三段階以上の税率であってもよい。
【0096】
通常レシートにおいても、標準税率が適用される商品と軽減税率が適用される商品とをそれぞれまとめて表すように一部の行の順番を、各商品の登録順序とは異ならせてもよい。
【0097】
情報処理によりプロセッサ10aが実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10…POS端末、10a…プロセッサ、10b…メイン記憶デバイス、10c…補助記憶デバイス、10d…表示デバイス、10e…入力デバイス、10f…読取デバイス、10g…リーダライタ、10h…プリンタ、10i…通信デバイス、10j…伝送路、20…店舗サーバ、30…本部サーバ、40…通信ネットワーク、100…POSシステム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10